説明

薄膜トランジスタ形成用基板、半導体装置、電気装置

【課題】多層基板内にTFT素子の構成要素のうちの少なくとも1つを内蔵させることによって薄膜トランジスタの高精細化を実現できる薄膜トランジスタ形成用基板、半導体装置、電気装置を提供する。
【解決手段】本発明の第1基板30(素子基板300)は、表面に制御トランジスタの構成要素の少なくとも一部を備え、内部には制御トランジスタの構成要素に接続される走査線66、データ線68、保持容量線、保持容量が埋め込まれていることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、薄膜トランジスタ形成用基板、半導体装置、電気装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、液晶表示装置、有機EL表示装置、電気泳動表示装置等のフラットパネルディスプレイ(FPD)の一般的な構成は、リジットなガラス基板からなる素子基板上にTFTのアクティブマトリックスが形成され、この素子基板と対向基板との間に電気光学素子(機能素子)が挟持されてなる。このようなFPDにおいては、重さ、柔軟性等の問題が存在する。
【0003】
素子基板上にTFT素子を形成する方法としては、従来文献1に記載されているように、ガラス基板上に、ゲート電極、半導体層、ドレイン電極、ソース電極等を順次形成していく方法が用いられている。しかしながら、TFT素子の微細化が進むにつれ、このような手法を用いてTFT素子を形成した場合にはTFT素子の多層配線間で生じる寄生容量(静電容量)が大きくなり、消費電力が増大してしまう。
【0004】
また、一般に、印刷法を用いてTFT素子のパターニングを行う際はその解像度がL/S=20/20μm程度であり、フォトエッチング時の解像度L/S=3/3μmと大きく異なる。カラープリンターの解像度は300dpiであり、1画素の大きさは84μmに相当する。このため、上記印刷法でのパターニング時の解像度を実現するのは困難である。
【0005】
また、上記解像度の問題とも関係しているが、解像度が低いためにTFT素子は形成できたとしてもこれ以外に保持容量まで作成するスペースを確保することができない。仮に、スペースを確保できたとしても小さな保持容量しか形成することができない。このため、電気泳動表示装置の場合には画像を書き換える時間が増大したり消費電力が増大するといった問題が生じ、液晶装置の場合にはフリッカーが増大したり焼き付きが増大するといった問題が生じる。
【0006】
さらに、高精細表示においてはTFT素子の寄生容量が大きくなり、配線間の抵抗も高くなるので時定数が増加する。そのため、画像の書き換えスピードの低下やコントラストの低下、フリッカーの増大などの問題がある。A4サイズの基板上に300dpiの解像度でTFT素子を形成すると、およそ3000×220万画素になり、デューティー比は1/3000となり、一般的なハイビジョンテレビの3倍程度の画素数となる。
【0007】
特許文献2には、多層基板上にTFT素子を形成し、TFT素子どうしを多層基板中の配線を用いて形成する電子デバイスの製造方法が記載されている。また、このような電子デバイスを表示装置のバックプレーンとして形成することも開示されている。
【0008】
特許文献3には、回路基板の電気泳動分散液層側とは反対側の裏面に薄膜トランジスタが配置されており、電気泳動分散液層と薄膜トランジスタとを回路基板を介して設けることによって、トランジスタの化学的劣化を防止する構成が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2010−135584号公報
【特許文献2】特表2010−506400号公報
【特許文献3】特開2004−004714号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、特許文献2では、多層基板と、該多層基板上に形成されるTFT素子等からなる薄膜部品形成層とを全く別工程で形成しているため、工程数が多く製造が煩雑になる。また、TFT素子にスイッチング機能や表示画像駆動機能をもたせるためには保持容量を形成する必要がある。このため、TFT層に保持容量を形成する工程が必要になる他、保持容量を形成するためのスペースが必要になり、高精細化が困難になる。さらに、一般的に多層基板は不透明基板からなるため修復を行うことが難しく、歩留まりの低下に繋がるなど、様々な問題が生じる。
【0011】
また、特許文献3では、薄膜トランジスタが回路基板の裏面に構成されているため、湿度等に侵されやすく故障するおそれがある。また、電気光学装置の製造時に傷などが入りやすいという問題がある。
【0012】
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑み成されたものであって、多層基板内にTFT素子の構成要素のうちの少なくとも1つを内蔵させることによって薄膜トランジスタの高精細化を実現できる薄膜トランジスタ形成用基板、半導体装置、電気装置を提供することを目的の一つとしている。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の薄膜トランジスタ形成用基板は、基板本体の厚さ方向のいずれか一方の最表面に薄膜トランジスタの構成要素であるソース電極、ドレイン電極、ゲート電極の少なくとも1つ、あるいは、第1電極を有し、前記基板本体の内部には、前記ソース電極、前記ドレイン電極、前記ゲート電極および前記第1電極のいずれかに接続される埋込配線が埋め込まれていることを特徴とする。
これによれば、基板本体の表面に設けられた薄膜トランジスタの構成要素の少なくとも一部に接続される埋込配線が基板本体の内部に埋め込まれているので、薄膜トランジスタの高精細化を実現することができる。
【0014】
また、前記埋込配線が、走査線、データ線、保持容量線、保持容量、信号線および電源線のいずれかである構成としてもよい。
これによれば、薄膜トランジスタの高精細化に伴って増加する配線を基板本体の内部に埋め込むことにより、薄膜トランジスタおよび埋込配線の形成スペースをそれぞれ十分に確保することができる。したがって、基板上における配線形成スペースの問題を解消することができるとともに薄膜トランジスタの高精細化が可能となる。
【0015】
また、前記基板本体が複数の基材を積層したものからなり、前記埋込配線が、前記複数の基材のいずれか一つの前記基材内に埋め込まれている、あるいは複数の前記埋込配線がそれぞれ異なる前記基材内に埋め込まれている構成としてもよい。
これによれば、基板を複数の基材が積層されてなる多層基板構造とすることにより、埋込配線の数に限らずこれらの形成スペースを確保することができるとともに、複数の埋込配線を良好に保持することが可能になる。
【0016】
また、前記基板本体がフレキシブル性または伸縮性を有している構成としてもよい。
これによれば、上記した埋込配線を基板本体の内部に設けることにより薄膜トランジスタとの接続信頼性が高い状態で、基板本体を湾曲させて使用することが可能になる。
【0017】
また、前記基板本体の内部に電子部品が埋め込まれている構成としてもよい。
これによれば、薄膜トランジスタを駆動するための電子部品が基板本体の内部に埋め込まれているので、電子部品の形成スペースを十分に確保することができる。また、基板を湾曲させて使用する場合にも本体内部に電子部品が良好に保持されることとなり、電子部品と埋込配線との間で高い接続信頼性が得られる。
【0018】
また、複数の前記電子部品どうしの配置間隔が、各電子部品の1辺長さの1倍以上、好ましくは前記1辺の3倍以上となっている構成としてもよい。
これによれば、電子部品によって電子部品内蔵基板の湾曲が阻害されてしまうことを防止できる。これにより、薄膜トランジスタ形成用基板を、例えば文房具の下敷きのように緩やかに湾曲させて使用することが可能になるので、汎用性が高まる。また、上記配置間隔を各電子部品の1辺長さの3倍以上とすることによって、よりフレキシブル性を高めることができる。
【0019】
また、前記電子部品が少なくともIC、コンデンサ、抵抗、インダクタを1種類以上含んで構成される構成としてもよい。
【0020】
また、前記ソース電極、前記ドレイン電極および前記ゲート電極のいずれかあるいは前記第1電極の少なくとも一部分が前記基板本体の内部に埋め込まれて前記埋込配線に接続されている構成としてもよい。
これによれば、電極の少なくとも一部分が基板内に埋め込まれていることとしたので、基板を湾曲させた状態で使用したとしても、各電極とそれらに接続される電極又は配線等との接続状態を良好なものとすることができる。
【0021】
また、前記埋込配線の線幅が、前記埋め込み配線どうしの間に配置される絶縁部材の厚さの各寸法よりも小さい寸法に設定されている構成としてもよい。
これによれば、配線間に形成される寄生容量を小さくすることができる。これによりクロストークや表示ムラが発生することが防止される。
【0022】
本発明の半導体装置は、上記の薄膜トランジスタ形成用基板からなる基板と、前記基板上に形成された前記薄膜トランジスタの構成要素の一部を含んで構成される、半導体層、ゲート電極、ドレイン電極およびソース電極を有する薄膜トランジスタと、前記ドレイン電極に接続される前記第1電極と、前記基板内に埋め込まれて前記薄膜トランジスタに接続される埋込配線と、を備えることを特徴とする。
これによれば、基板本体の表面に設けられた薄膜トランジスタの構成要素の少なくとも一部に接続される埋込配線が基板本体の内部に埋め込まれているので、薄膜トランジスタの高精細化を実現することができる。また、基板本体の内部に埋込配線が保持されているので、これらの断線等が防止されるとともに薄膜トランジスタとの接続状態も良好に維持できるので、信頼性の高い半導体装置が得られる。
【0023】
また、前記ソース電極および前記ドレイン電極と、前記第1電極とが同一層に形成されている構成としてもよい。
これによれば、ソース電極およびドレイン電極と、第1電極とを同一工程において形成することができる。
【0024】
また、前記薄膜トランジスタにおいて、半導体層、前記ソース電極および前記ドレイン電極の少なくとも一部が一対の前記ゲート電極によって挟み込まれたダブルゲート構造とされていても良い。
これによれば、ダブルゲート構造とすることによって薄膜トランジスタの高周波特性を高めることができる。
【0025】
本発明の電気装置は、上記の半導体装置からなる素子基板と、前記素子基板に対向配置される対向基板と、前記素子基板および前記対向基板との間に配置される機能素子と、前記対向基板は前記機能素子側に対向電極を有し、前記素子基板は前記機能素子側の面に複数の第1電極を有し、前記複数の第1電極には、前記対向電極との間で前記機能素子を駆動するための電圧が前記電子部品より供給されることを特徴とする。
これによれば、特性のばらつきの小さい高精細な薄膜トランジスタを有する半導体装置からなる素子基板を備えているので、信頼性の高い電気装置が得られる。
【0026】
また、前記素子基板および前記対向基板がフレキシブル性を有している構成としてもよい。
これによれば、湾曲させた状態で使用可能になるとともに、薄くて軽く、堅牢性の高い電気装置が得られる。また、電気装置を湾曲させた状態で使用された場合であっても、上記した基板本体の内部に埋込配線が保持されているので、これらの断線等が防止されるとともに薄膜トランジスタとの接続状態も良好に維持できるので、信頼性の高い半導体装置が得られる。
【0027】
また、前記素子基板及び対向基板が伸縮性を有している構成としても良い。
これによれば、湾曲させた状態で使用可能になるとともに、薄くて軽く、堅牢性の高い電気装置が得られる。また、電気装置を湾曲させた状態で使用された場合であっても、上記した基板本体の内部に埋込配線が保持されているので、これらの断線等が防止されるとともに薄膜トランジスタとの接続状態も良好に維持できるので、信頼性の高い半導体装置が得られる。
【0028】
また、前記機能素子が、複数の画素が配列されてなる表示部を有した表示素子である構成としてもよい。
これによれば、紙のように薄くて軽く、湾曲した状態で使用可能な表示素子が得られることとなり、汎用性が高まる。
【0029】
また、複数の前記画素に亘って形成される一対の電極と、前記一対の電極間に絶縁部材を介して配置される保持容量線と、を有し、前記一対の電極と前記保持容量線との間にそれぞれ保持容量が形成される構成としてもよい。
これによれば、保持容量の形成面積を多く取ることができる。また、保持容量を上記した基板本体の内部に埋め込むことによって、素子基板における薄膜トランジスタの形成領域を十分に確保することができるので高精細化が可能になる。
【0030】
また、前記ゲート電極と前記ドレイン電極および前記ソース電極との間に配置されるゲート絶縁膜と、当該ゲート絶縁膜上を覆う保護層と、が前記画素ごとに選択的に設けられている構成としてもよい。
これによれば、ゲート絶縁膜および保護層の材料コストを低減することができる。
【0031】
また、前記基板を構成する複数の基材のうち、少なくともいずれか一つの厚さ方向一方の面に耐湿層が設けられている構成としてもよい。
これによれば、機能素子に対する耐湿性を高めることができるので、リーク電流の増加に伴って消費電力が増加してしまうのを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】(a)は、電気装置を構成する第1実施形態の素子基板の概略構成を示す平面図、(b)は、(a)のA−A断面図。
【図2】図1(a)に示す領域Cの拡大平面図。
【図3】図2のB−B断面図。
【図4】1画素の概略構成を拡大して示す平面図
【図5】図4のC−C断面図。
【図6】上記した素子基板を備える電気泳動表示装置の概略構成を示す部分断面図。
【図7】上記した素子基板を備える液晶装置の概略構成を示す部分断面図。
【図8】第2実施形態の素子基板上の画素構成を示す平面図。
【図9】図8のE−E線に沿う断面図。
【図10】第3実施形態の素子基板の画素構成を示す平面図。
【図11】図10のF−F線に沿う断面図。
【図12】(a)〜(d)は、制御トランジスタのソース電極とデータ線との接続構成を示す断面図。
【図13】第4実施形態の素子基板上における1画素の構成を概略的に示す平面図。
【図14】(a)図13のG−G線に沿う断面図、(b)素子基板の変形例を示す断面図。
【図15】第5実施形態の素子基板上における1画素の構成を概略的に示す平面図。
【図16】図15のH−H線に沿う断面図。
【図17】(a)は、第6実施形態の素子基板上における1画素の構成を概略的に示す平面図であり、図17(b)は、(a)のI−I線に沿う断面図。
【図18】(a)は、第7実施形態の素子基板上における1画素の構成を概略的に示す平面図であり、(b)は、(a)のJ−J線に沿う断面図。
【図19】(a)は、第8実施形態の素子基板上における1画素の構成を概略的に示す平面図であり、(b)は、(a)のK−K線に沿う断面図。
【図20】(a)〜(e)は、制御トランジスタの構成例を示す断面図。
【図21】耐湿層を備えた素子基板の概略構成を示す部分断面図。
【図22】(a),(b)はロボットの指先に感圧センサーが設けられた例を示す図。
【図23】感圧センサーの構成を示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、本発明の実施形態につき、図面を参照して説明する。なお、以下の説明に用いる各図面では、各部材を認識可能な大きさとするため、各部材の縮尺を適宜変更している。
【0034】
(第1実施形態)
図1(a)は、電気装置を構成する第1実施形態の素子基板の概略構成を示す平面図、図1(b)は、電気装置の概略構成を示す断面図である。
図1(a)、(b)に示すように、電気光学装置(電気装置)100は、共にフレキシブル性を有する素子基板300と対向基板310との間に電気光学素子(機能素子)32が挟持されてなる。
素子基板(半導体装置)300は、複数の積層された基材からなる第1基板(薄膜トランジスタ形成用基板)30と駆動回路層24から構成されている。第1基板30は、走査線、データ線、保持容量線等の埋込配線を有する配線層67、走査線駆動回路61およびデータ線駆動回路62を含んで構成されている。さらにその最上層には制御トランジスタTRcを構成するソース電極41c、ドレイン電極41d、ゲート電極41e、画素電極(第1電極)35の少なくとも1つが設けられている。多くの場合はそれらの一部が第1基板30中に埋め込まれており、それらの電極を含めて第1基板30を形成している。駆動回路層24は、画素電極(第1電極)35および制御トランジスタ(薄膜トランジスタ)TRc等を有する。
一方、対向基板310は、対向電極37および第2基板31を有して構成されている。そして、素子基板300が対向基板310よりも大きな平面寸法を有している。
【0035】
素子基板300と対向基板310とが重なる領域には、複数の走査線(埋込配線)66と複数のデータ線(埋込配線)68とが形成されており、これらの交差位置に対応して複数の画素40がマトリクス状に配置された表示部5が形成されている。この表示部5の周辺、すなわち対向基板310よりも外側に張り出した素子基板300の第1基板30内部には、複数の電子部品22を有してなる走査線駆動回路61と、複数の電子部品23を有してなるデータ線駆動回路62とが埋め込まれている。
【0036】
走査線駆動回路61は、m本の走査線66(Y1、Y2、…、Ym)を介して各々の画素40に接続されており、各電子部品22の制御のもと、1行目からm行目までの走査線66を順次選択し、画素40ごとに設けられた制御トランジスタTRc(図2参照)のオンタイミングを規定する選択信号を、選択した走査線66を介して供給する。
【0037】
データ線駆動回路62は、n本のデータ線68(X1、X2、…、Xn)を介して各々の画素40に接続されており、各電子部品23の制御のもと、画素40の各々に対応する画素データを規定する画像信号を、画素40に供給する。
【0038】
ここで、電気光学装置100をどれくらい湾曲させることができるかは、素子基板300の材料自体のフレキシブル性、および第1基板30内に埋め込まれた複数の電子部品(IC)22,23の大きさや配置間隔に関係している。ここでは、図1(a)に示すX方向およびY方向で隣り合う電子部品(IC)22,23どうしの配置間隔が、各電子部品(IC)22,23の一辺の長さの5倍以上に設定されている。具体的に、電子部品(IC)22,23の一辺は2mmであるため、隣り合う電子部品(IC)22,23どうしの間の距離は10mm以上となっている。
【0039】
このような間隔で多数の電子部品(IC)22,23を配置することにより、素子基板300に対して、第1基板30の構成材料(ポリイミド材料)が本来有しているフレキシブル性とほぼ同等のフレキシブル性を付与することができる。素子基板300に対して第1基板30の材料と同等のフレキシブル性を持たせるためには、電子部品(IC)22,23どうしの配置間隔を、電子部品(IC)22,23の一辺の少なくとも3倍以上にする必要がある。
【0040】
また、目安としては、電子部品(IC)22,23どうしの配置間隔を電子部品(IC)22,23の一辺の1倍以上にすることで、例えば文房具の下敷きのように、素子基板300を緩やかに湾曲させることが可能となる。この状態では、電子部品(IC)22,23自体が湾曲しないため小さな極率半径を付与することはできないが、素子基板300に対してフレキシブル性を付与することは可能である。
【0041】
また、電子部品(IC)22,23の一辺の長さは5mm以下、できれば3mm以下が好ましく、さらには1mm以下がさらに好ましい。小さい電子部品(IC)22,23の方が素子基板300を湾曲させたときに割れにくく、堅牢性も高めることができる。素子基板300を湾曲させた際に電子部品(IC)22,23にかかるストレスも小さくなる。これにより、電子部品(IC)22,23の割れが防止されるとともに、第1基板30と電子部品(IC)22,23との接着状態や、電子部品(IC)22,23の接続端子(不図示)とこれらを接続する接続配線(不図示)との接続状態を確保することができる。
【0042】
ここで、素子基板300内における電子部品(IC)22,23の内蔵位置、つまり素子基板300の厚さ方向における電子部品(IC)22,23の位置は特に規定はしない。第1基板30を構成する基材30A側に全ての電子部品(IC)22,23を配置してもいいし、基材30B側に全ての電子部品(IC)22,23を配置してもいいし、基材30Aおよび基材30Bのそれぞれに複数ずつ電子部品(IC)22,23を配置しても良い。また、第1基板30を構成する基材の数は2つに限らず、全ての電子部品(IC)22,23が別の基材にそれぞれ設けられていてもよい。
電子部品22,23は、表示部5の外でなく、表示部5内の第1基板30内に埋め込んでも良い。この構成だと表示部5以外の領域を小さくする事ができる。
【0043】
また、研磨等により電子部品(IC)22,23の厚みを20μm以下にまで薄くすることで、素子基板300と同等のフレキシブル性を各電子部品(IC)22,23に付与することが知られている。しかし、この時においても電子部品22,23は弾性を有するので、上記のように位置を規定することで接続信頼性等を高める事が出来る。
なお、上記では表示素子駆動用の電子部品(IC)22,23を例に挙げて説明したが、各種のIC(他の電子部品(IC)22,23)や、コンデンサ、抵抗及びインダクタ、スイッチ等のリジットな電子部品においても同様である。
【0044】
図1(a)に示すように、本実施形態の素子基板300には接続配線基板201を介して外部装置202が接続されている。この接続配線基板201には、走査線駆動回路61およびデータ線駆動回路62を動作させるための外部回路等が実装されている。外部装置202には電源等が用いられる。
【0045】
図2は、図1(a)に示す領域Cの拡大平面図であり、図3は、図2のB−B断面図である。
図2および図3に示すように、表示部5には複数の画素40が配置されており、画素40毎に制御トランジスタTRcおよび画素電極35等が設けられている。
制御トランジスタTRcは、ソース領域およびドレイン領域を有する平面視略矩形状の半導体層41aと、データ線68から延出されたソース電極41cと、半導体層41aと画素電極35とを接続するドレイン電極41dと、走査線66から延出されたゲート電極41eと、を有する。画素電極35と保持容量線69とが重なる領域には保持容量Csが形成されている。保持容量Csを構成する一方の保持容量電極1aはドレイン電極41dに接続され、他方の保持容量電極1bは保持容量線69に接続されている。
【0046】
制御トランジスタTRcは画素40への画像信号の入力を制御するスイッチング素子であり、制御トランジスタTRcを介して供給される画像信号電圧が保持容量Csに保持される。そして、保持容量Csの電圧に応じた電流で電気光学素子32を駆動する。ここで、制御トランジスタTRcは、N−MOS(Negative Metal Oxide Semiconductor)トランジスタである。
【0047】
なお、画素40を構成するトランジスタは、それらと同等の機能を有する他の種類のスイッチング素子と置き換えてもよい。例えば、N−MOSトランジスタに代えてP−MOSトランジスタを用いてもよい。
【0048】
表示部5の周囲(非表示エリア)には、走査線駆動回路61およびデータ線駆動回路62が設けられている。そして、表示部5から延出された複数の走査線66は、走査線駆動回路61を構成する電子部品22に接続されている。また、表示部5から延出された複数の保持容量線69は、各々一端側が保持容量接続線69Aによって相互に接続されており、この保持容量接続線69Aを介して電子部品22に接続されている。さらに、表示部5から延出された複数のデータ線68は、各々の一端側に接続されたデータ線接続配線68Aを介して電子部品23に接続されている。ここで、1つの電子部品22,23に対して2本あるいは複数の走査線66あるいはデータ線68が接続されている。
【0049】
図3に示すように、本実施形態の素子基板300は、内部に配線層67を含む第1基板30とその上に形成される駆動回路層24とから構成されるもので、対向基板310とともにフレキシブル性を有している。このため、電子ペーパーや人口皮膚等のフレキシブル性を必要とする用途に好適である。
【0050】
対向基板310は、厚さ100μmのPETからなる透明な第2基板31上に、厚さ0.1μmのITOからなる対向電極37が形成されてなる。第2基板31を通して電気光学素子32を観察するため、それは透明である。
【0051】
第1基板30は、積層された5つの基材(絶縁部材)30A〜30Eと、その内部の配線や回路および最上層の基材30E上に設けられたソース電極41c、ドレイン電極41dとから構成されている。ソース電極41cとドレイン電極41dはその一部が基材30D、30E中に埋め込まれている。内部に埋め込まれた配線は、走査線(埋込配線)66、データ線(埋込配線)68、保持容量(埋込配線)Cs、保持容量線(埋込配線)69、走査線駆動回路61およびデータ線駆動回路62である。その他にも、信号線および電源線、配線や電極間の接続線、コンデンサ、抵抗のような電子部品が埋め込まれていてもよい。基材30A〜30Eは厚さ50μmのポリイミドからなるフレキシブル基板である。ユーザーは画像を対向基板310側から視認するため、第1基板30は非透明基板であってもよい。
【0052】
具体的に、基材30Aには、その表面側に形成された凹部内に走査線駆動回路61を構成する複数の電子部品22と、データ線駆動回路62を構成する複数の電子部品23(電子部品23:図3においては不図示)が埋め込まれている。ここで電子部品(IC)22の周囲の基材は非透明である。このため光リークによる電子部品(IC)22の誤動作が生じない。
【0053】
基材30A上には、保持容量Csの一方の電極(埋込配線)1bとなる保持容量線69、および保持容量線69と電子部品22とを接続する保持容量接続線(埋込配線)69Aが形成されており、厚さ3μmのCu配線からなる。これら保持容量線69および保持容量接続線69Aを覆うようにて基材30A上に積層された基材30Bの表面には、保持容量Csの他方の電極(埋込配線)1aが画素40毎に複数設けられている。
【0054】
基材30B上に積層された基材30Cの表面には複数のデータ線68が形成されており、コンタクトホールH1(図2)を介して基材30Aの表面に設けられたデータ線接続配線68A(図2)に接続されている。ここで、コンタクトホールH1は、データ線68の一部が基材30B,30C内に埋め込まれることで形成される。このようにして、複数のデータ線68がデータ線駆動回路62を構成する各電子部品23(外部接続用端子23a)にそれぞれ接続されている。
【0055】
基材30C上に積層される基材30Dの表面には、複数の走査線66が設けられている。各走査線66は、基材30B,30C,30Dを貫通するコンタクトホールH2を介して基材30A内に配置された走査線駆動回路61を構成する電子部品22に接続されている。コンタクトホールH2は電子部品22の外部接続用端子22aと重なる位置に形成されている。そして、走査線66を覆うようにして基材30D上に基材30Eが積層されている。このように、本実施形態の素子基板300を構成する第1基板30内部には、走査線66、データ線68、保持容量Cs、保持容量線69、走査線駆動回路61およびデータ線駆動回路62を含む配線層67が埋め込まれている。
ここで、走査線66、データ線68、保持容量Csを構成する一対の保持容量電極(埋込配線)1a,1b、および保持容量線69は、厚さ5μmのCu配線からなる。
【0056】
第1基板30(基材30E)の表面に形成される画素駆動用の駆動回路層24は、画素40毎に制御トランジスタTRcと画素電極35とを有する。制御トランジスタTRcのソース電極41cは、基材30D,30Eを貫通するコンタクトホールH3を介してデータ線68に接続され、ドレイン電極41dは、基材30C,30D,30Eを貫通するコンタクトホールH5を介して保持容量Csの保持容量電極1aに接続されている。これらソース電極41cおよびドレイン電極41dは、厚さ0.2umのAu配線又はCu配線からなる。
【0057】
そして、画素40ごとに設けられたソース電極41cおよびドレイン電極41dの周縁部に乗り上げるようにして、厚さ50nmのペンタセンからなる半導体層41aが設けられている。これらソース電極41c、ドレイン電極41dおよび半導体層41aを覆うようにして基材30Eの表面全体には、厚さ0.5umのポリイミドからなるゲート絶縁膜41bが設けられている。
【0058】
ゲート絶縁膜41bの表面上には、半導体層41aと重なる位置に、制御トランジスタTRcを構成するゲート電極41eが設けられている。このゲート電極41eは厚さ300nmのCuペーストからなる。
【0059】
そして、ゲート絶縁膜41bの表面全体には、ゲート電極41eを覆うようにして厚さ1μmのアクリルからなる保護層42が設けられ、その表面上にはカーボンペーストからなる画素電極35が画素40ごとに複数形成されている。この画素電極35は、保護層42およびゲート絶縁膜41bの厚さ方向を貫通するコンタクトホールH4を介して下方のドレイン電極41dに接続されている。このようにして、本実施形態の素子基板300が構成されている。保護層42上の画素電極35の膜厚は0.2μmである。
【0060】
また、駆動回路層24が設けられる表示部5のエリアは図2に示すものに限らない。図2においては、第1基板30内の配線層67と第1基板30上の駆動回路層24との構成が分かりやすいように並べて図示してあるが、実際には第1基板30内に配線層67を埋め込み、平面視で駆動回路層24と重なるように配置させることが可能である。
このため、第1基板30上において制御トランジスタTRcをもっと広い面積に形成することが可能である。これは、同じパターンルールでより高精細な制御トランジスタTRcを備えた素子基板300を構成できることを意味している。具体的には、平面視において第1基板30内に埋め込んだ各種配線および保持容量Cs上に制御トランジスタTRcを作成し、高精細を実現することになる。特にこれは、有機TFTや酸化物TFTのように塗布法で作成する場合において特に有効である。
また、画素領域内において形成面積を多く占めるのは保持容量Csである。このため、保持容量Csを第1基板30内に埋め込むことは制御トランジスタTRcの高精細化に有効である。
【0061】
ここで、上記した制御トランジスタTRcは、材料の塗布および焼成を繰り返し行うことにより作成した。一般に、シリコン系や酸化物TFTでは、プラズマCVDやスパッタ法を用いて作成する。この方法では、プラズマの生成により基板が強く帯電する。本実施形態では、複数の電子部品22,23が埋め込まれた第1基板30上に制御トランジスタTRcを作成するため、第1基板30をプラズマに晒すことによって電子部品22,23が静電破壊してしまう。例えば、電子部品22,23の外部接続用端子22a,23aを介して内部に静電気が侵入して破壊されてしまう。このため、プラズマを用いない手法でTFTを作成することが望ましい。
その手法の1つとして、印刷やインクジェット法を用いて材料を塗布する方法や、蒸着あるいはゾルゲル法を用いた方法が挙げられる。
【0062】
また、一般に、有機TFTの半導体材料は透明な酸化物TFTと異なって光を吸収することが知られている。光を吸収すると光リーク電流が発生したり、有機されたキャリアがゲート絶縁膜41b中に取り込まれて閾値Vthがシフトする。このため、第1基板30は非透明基板であることが望ましい。
【0063】
本実施形態では、走査線66、データ線68、保持容量線69および保持容量Csや、第1基板30の表面に配置される制御トランジスタTRcのソース電極41cおよびドレイン電極41dは、第1基板30を作成する工程中に形成される。一般的に、第1基板30の内部およびその表面上に形成される各種配線や電極はフォトエッチング法を用いて形成される。このため、寸法のばらつきの小さいソース電極41cおよびドレイン電極41dが形成される。トップゲート・ボトムコンタクト構造のTFTでは、ソース電極41cおよびドレイン電極41dがチャネル長を決定するので、フォトエッチング法を用いて作成できることはTFT特性(オン電流やオフ電流等)のばらつきの小さいTFTを作成できることを示している。
【0064】
特に、有機TFTや酸化物TFTのように塗布法を用いて形成するTFTは、一般にフォトエッチング法を用いないで形成することを目標に開発が進められている。フォトエッチング法を用いると製造コストが増大するからである。しかしソース電極41cとドレイン電極41d間の距離はチャネル長であり、TFT特性に直接影響を与える。その寸法のばらつきはTFT特性のばらつきとなり、表示の不均一性の原因となる。そのため寸法ばらつきを小さくする必要がある。そのため、ソース電極41cおよびドレイン電極41dを第1基板30の構成の一部とし、フォトエッチング法を用いてこれらを形成できることは、低コスト化、TFT特性の向上に伴う品質の向上が可能になるという点で大きな効果がある。特に、塗布法で作成する有機TFTや酸化物TFTにおいて効果が高い。
さらに、ソース電極41c、ドレイン電極41dの一部が第1基板30中に埋め込まれていることから、接続信頼性が高く、堅牢な電気光学装置を実現できる。
【0065】
ただ、原理的にはプラズマを用いても作成可能であり、アモルファスシリコンTFT、低温ポリシリコンTFT、a―IGZOのような酸化物TFTを作成しても良い。
【0066】
また、本実施形態においては、TFT構造としてトップゲート/ボトムコンタクトの例を示したが、その他の構成も可能である。例えばボトムゲート/ボトムコンタクト、トップゲート/トップコンタクト、ボトムゲート/トップコンタクトとしてもよい。
【0067】
また、図2および図3において、走査線66、データ線68、保持容量線69、保持容量Csの保持容量電極1a,1bはそれぞれ異なる基材(領域)上に適宜設けられている。多層基板は一般的に不透明であり構成も複雑であるため、検査において不良が発生しても修復が困難である。このため、最初から高歩留まりで形成することのできる構成が望ましい。ここでは、各種配線および電極間のショートを防止するためにそれぞれを異なる層に設けている。特に、保持容量線69(保持容量電極1b)および保持容量電極1bは形成面積が大きいため、ショート不良が発生しやすい。このため、特に、保持容量線69は走査線66やデータ線68とは別層に形成する事が望ましい。
また、後述するように、SRAMのようなメモリー機能を持たせるときのように、電源配線を表示エリア内に形成するときはそれらも異なる層(基材上)に形成することが望ましい。
【0068】
また、各種配線の断線を防止するために2重配線にしても良い。ここで言う2重構造とは、同一層内で1本の配線を2本に分離させて配置するものである。片方が断線しても配線そのものは断線しない。この時1本の配線を単に太くしても断線は防げるが、配線の寄生容量が増加して消費電力が増加する。このため、1本の配線を複数本に分割して配線することが望ましい。
【0069】
また、図3に示すように、走査線駆動回路61およびデータ線駆動回路62を構成する複数の電子部品22,23は第1基板30内に埋め込まれている。また、電子部品22,23は、接合される基材30Aおよび基材30B同士の間に配置されて固定されているため、電子部品22,23に接続される走査線66および保持容量接続線69A(保持容量線69:図2)との接続信頼性が高い。本実施形態の素子基板300(フレキシブル基板)は折り曲げて(湾曲させて)使用するものなので接続信頼性は特に重要である。電子部品22,23を第1基板30(素子基板300)の表面や裏面にACF等を用いて接続した場合は、素子基板300を折り曲げた(湾曲させた)時に接続不良が発生しやすい。このため、電子部品22,23を第1基板30中に埋め込むことで湾曲使用(折り曲げ使用)に適した素子基板300の堅牢性が得られる。
【0070】
図4は、1画素の概略構成を拡大して示す平面図であって、図5は、図4のC−C断面図である。
ここでは、寄生容量について述べる。
従来、ガラス基板上に形成する駆動回路層のうち、ゲート絶縁膜41bの厚さは0.5μm程度であり、走査線66、データ線68および保持容量線69の配線幅は3μm程度である。代表的なボトムゲートトップコンタクト構造では、ゲート絶縁膜41bはデータ線68と走査線66、保持容量線69間の層間絶縁膜も兼ねており、薄い絶縁膜になっている。さらに、走査線66、データ線68および保持容量線69の配線幅はゲート絶縁膜41bの膜厚寸法よりも大きいため、各配線間に大きな寄生容量が形成されてしまう。この寄生容量によりクロストークや表示ムラが発生することが知られている。特に、走査線66、データ線68および保持容量線69の波形なまりが生じると表示に直接影響が及んでしまう。
【0071】
これに対し、図4および図5に示す、本実施形態におけるフレキシブルな素子基板300では、層間絶縁膜が第1基板30の各基材30A〜30Eの厚さになるため、ガラス基板の場合よりも1桁大きい厚さを有する。一般的な各基材の厚さは2〜200μmである。図5に示すように、走査線66とデータ線68とが交差する(重なる)領域と、データ線68と保持容量線69とが交差する(重なる)領域において寄生容量(Cp)がそれぞれ生じる。基板の膜厚だけで小さい寄生容量(Cp)を実現できるが、さらに、第1基板30内に埋め込まれる各種配線の線幅を、[各種配線幅(走査線66、データ線68、保持容量線69)<寄生容量を構成する第1基板30の基材の厚さ]という関係に設定することによって、ガラス基板を用いる構成に比べて、これら配線間に生じる寄生容量をさらに減少させることができる。
【0072】
図6は、上記した素子基板を備える電気泳動表示装置の概略構成を示す部分断面図である。
図6に示す電気泳動表示装置(電気装置)101は、上記した素子基板300上に電気光学層(表示素子)32として用いられる電気泳動層を介して対向基板310が配置されて構成されている。対向基板310は、厚さ100μmのPETからなる第2基板31上に、厚さ0.1μmのITOからなる対向電極37が形成されてなる。電気泳動層(電気光学素子32)は、複数のマイクロカプセル20を配列してなる。そして、マイクロカプセル20内に保持され、互いに異なる極性に帯電した白粒子と黒粒子とが、画素電極35と対向電極37との間に印加される電圧に基づいて移動することにより表示が行われる。
なお、電気泳動層の構成としては、マイクロカプセル20を用いるものではなく、隔壁のような他の仕切りを用いる方法でも良いし、仕切りのない構成であっても良い。
【0073】
図7は、上記した素子基板を備える液晶装置の概略構成を示す部分断面図である。
図7に示す液晶装置(電気装置)102は、上記した素子基板300上に電気光学層(表示素子)32として用いられる液晶層を介して対向基板310が配置されて構成されている。この対向基板310は、先に述べた電気泳動表示装置の対向基板と同様の構成をなす。
液晶材料としては、ゲストホスト液晶、PDLC(高分子分散型液晶)、PNLC(高分子ネットワーク型液晶)のようにセルギャップdの影響の少ないものを適用した。一般に、液晶はセルギャップdと屈折率の異方性Δnとの積Δn・dにより光学設計を行っている。フレキシブル基板を採用した場合には、液晶表示装置を湾曲させた際にセルギャップが変化する。そのため、液晶表示装置を筒状に丸めたりすると表示の色やコントラストがシフトすることがある。このため、上記した液晶材料を用いることが望ましいが、それ以外の液晶材料であっても構わない。
【0074】
ここで、液晶材料を用いる場合、それ自体がメモリー性を有していないため、SRAMのような揮発性メモリーを各画素に設けることが望ましい。
また、液晶装置の場合は偏光板が必要になる。これに対して上記した電気泳動表示装置の場合は偏光板が不要なため明るい表示が可能である。
【0075】
なお、液晶材料の代わりに、エレクトロルミネッセンス、エレクトロクロミック、エレクトロウェッティング等を用いても構わない。
【0076】
このように、液晶材料や電気泳動材料を用いて構成される電気光学装置では、素子基板300を構成する第1基板30および対向基板310を構成する第2基板31の材料として、フレキシブル性を有するポリイミド材料を用いている。フレキシブル性を有する材料は一般的に有機材料であり、線膨張係数がリジットな無機材料よりも約1桁大きく、熱伝導係数が1桁小さい。このため、素子基板300が発熱すると熱が溜まりやすく基板が伸びる。このため電気光学装置に反りが発生する。さらに、この状態で電気光学装置を湾曲させた状態で使用すると、電子部品22と配線との接続不良や配線の断線等が生じるおそれがある。従来、エレクトロルミネッセンスを用いた電気光学装置に熱拡散器を具備した無機基板を用いて、素子基板に熱が溜まらないようにしたものがあるが構造が煩雑であった。
【0077】
そして、フレキシブル性あるいは有機材料を主体とした材料からなる素子基板300(第1基板30)を備える。本実施形態のような電気光学装置100を湾曲させた状態で使用する場合には、電気光学材料(電気光学素子)として発熱が少なくなる材料を用いることが望ましい。発熱が少なくなる材料とは、表示を行っている際になるべく低電流や低電圧となる材料である。最も好適なのはメモリー性を有する電気光学材料であって、一度電圧を印加した後は電圧を印加しない状態であっても表示を保持できるものである。具体的には、電気泳動材料やエレクトロクロミック材料である。その次に好適なのは、電流ではなく電圧で駆動する材料を用いるものであり、液晶やエレクトロウェッティングである。最も好ましくないものは、電流で駆動するエレクトロルミネッセンスである。
【0078】
なお、素子基板300の第1基板30や第2基板31として用いる材料としては、フレキシブル性を有するポリエステル、PETや他の有機材料、無機材料が挙げられる。また、フレキシブル性を有しないものであれば、BT樹脂、アリル化フェニレン樹脂、液晶ポリマー、PEEK、エポキシ樹脂、紙フェノール、紙エポキシ、ガラスコンポジット、ガラスエポキシ、薄ガラス、テフロン(登録商標)、セラミックス、それらのコンポジット材料や他の有機、無機材料を用いても良い。
また、ゴムやアクリル等の有機材料をコーティングした不織布、織布等の伸縮性を有する基材を用いると伸縮性も付与する事が出来る。
【0079】
また、画素電極35、対向電極37、ソース電極41c、ドレイン電極41d、ゲート電極41e、保持容量Csの保持容量電極1a,1b、各種配線(走査線66、データ線68、保持容量線69等)に用いる材料としては、Cu、Au以外の金属ペースト、金属、カーボンナノチューブ等の有機導電性材料、無機導電性材料、透明電極(ITO)等を用いてもよい。
また、信号線や電源線も埋込配線として第1基板30内に埋め込んだ構成としても良い。
【0080】
また、第1基板30を構成する基材の数や厚みも上記に限らない。層毎に基材を変えても良い。配線やIC、電子部品の位置も限定が無い。また、第1基板30が多層基板ではなく単層基板から構成されていても良く、第1基板30内に電子部品とTFTの配線や電極を埋め込むことができれば多層基板に限らない。大きな保持容量Csを確保するためにそれを構成する基材(電極1a,1b間に介在する)またはその一部を薄くしたり、高誘電率材料に変更しても良い。
また、画素回路の構成としては、前段の走査線66によって保持容量Csに容量が保持される前段ゲート容量方式としても構わない。
【0081】
第1基板30内に保持容量Csを埋め込む構成にすることによって、保持容量Csの形成領域を大きく確保することが可能となる。従来の構成では、同一平面内にTFTや各種配線等が存在するため、それぞれ十分な形成面積を確保することができなかった。そこで、本実施形態のように、TFTとは異なる位置、つまり第1基板30の内部に保持容量Csを埋め込むことによって、制御トランジスタTRcおよび保持容量Csの形成面積をそれぞれ十分に確保することが可能である。
ここで、図2〜図7においては、走査線66とデータ線68と平面視で重ならない位置に保持容量Csを図示したが、実施には走査線66およびデータ線68とは異なる層に形成するため、平面視で重なっていても構わない。
【0082】
保持容量Csの形成面積を十分に確保することによって、保持容量Csに蓄積される容量が大きくなる。容量が大きいと画像を切り換えるための書き換え回数が減り、消費電力の減少、フリッカーや焼き付きの減少、コントラストの増加などが実現される。
【0083】
例えば、電気光学材料として電気泳動材料を用いる場合、帯電粒子を移動させるための電荷量が必要になる。1画素に対して1回の書き込み動作で保持される電荷量はCs×V(V:保持容量Csに書き込んだ電荷量)で与えられる。帯電粒子を移動させるために必要な電荷量をQとすると、電気泳動表示装置の画面を書き換えるために必要な書き換え回数は、下記の式1によって得られる。
【0084】
【数1】

N=Q/(Cs×V)・・・(1)
【0085】
また、上記実施形態によれば、走査線66、データ線68、保持容量線69等を第1基板30内に埋め込んだ構成となっているので、制御トランジスタTRcの形成領域を大きく取ることができる。
【0086】
上記実施形態では、画素TFTを駆動する走査線駆動回路61およびデータ線駆動回路62を第1基板30(素子基板300)内に埋め込む構成としたが、他の方法でも構わない。所謂、TFTで駆動回路を構成した内蔵ドライバを用いることも可能であり、また、第1基板30上にICチップを直接実装するCOG方式や、外部回路が実装されたフレキシブル基板を第1基板30に接続する構成としても構わない。あるいは、外部回路等を素子基板300(第1基板30)内に埋め込んで内蔵する構成としても構わない。
図6,7で示したような電気光学装置は実使用時に紙のように折りまげを繰り返しながら使用される。このため第1基板30上の電極や電子部品22との接続信頼性は極めて重要である。
【0087】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態の素子基板の構成について述べる。
図8は、第2実施形態の素子基板上の画素構成を示す平面図であり、図9は、図8のE−E線に沿う断面図である。画素TFTはボトムゲートボトムコンタクト構造である。ゲート電極41eと同層に保持容量接続部69a、69bが第1基板30上に設けられている。
図8および図9に示すように、本実施形態においては、素子基板301を構成する第1基板30内に、隣り合う2つの画素40A,40Bに亘って保持容量Cs1,Cs2が埋め込まれている。保持容量Cs1,Cs2は、互いに異なる層に形成された一対の保持容量電極2aのいずれか一方とこれらの間に配置された保持容量電極2bとによりそれぞれ構成されている。保持容量電極2a,2bは平面視矩形状を呈し、走査線66の延在方向で隣り合う2つの画素40A,40Bの各画素領域を覆う大きさをそれぞれ有している。ここで、保持容量Cs1,Cs2に共通して用いられる保持容量電極2bは、保持容量線69より延出されてなるものである。
【0088】
第1基板30は、ポリイミドからなる4つの基材30A〜30Dが積層されてなる。基材30A上には保持容量Cs2の一方の電極となる保持容量電極2aが形成されている。
基材30B上には保持容量電極2bが形成されている。保持容量電極2bはこれよりも下層側に設けられた上記保持容量電極2aと対向する位置に配置され、この保持容量電極2aとにより保持容量Cs2を構成することになる。
【0089】
基材30B上には保持容量電極2b(保持容量線69)を覆うようにしてさらに基材30Cが積層されており、その表面上には、平面視において上記保持容量電極2bと対向する保持容量電極2aが形成されている。この保持容量電極2aとこれよりも下層側の上記保持容量電極2bとにより保持容量Cs1が構成されることになる。
【0090】
基材30C上には保持容量電極2bを覆うようにして基材30Dが設けられており、この表面上に保持容量接続部69a,69bが形成されている。画素40A内に設けられた保持容量接続部69aは基材30Dを貫通するコンタクトホールH7を介して基材30C上に配置された保持容量電極2aに接続されている。画素40Bに設けられた保持容量接続部69bは基材30B〜30Dを貫通するコンタクトホールH9を介して基材30A上に配置された保持容量電極2aに接続されている。
ここで、基材30B上に配置された保持容量電極2bと、基材30C上に配置された保持容量電極2aとには、上記したコンタクトホールH9を挿通させる貫通孔6がそれぞれ形成されている。
【0091】
保持容量接続部69a,69bを覆うようにして基材30Dの表面全体にゲート絶縁膜41bが形成されている。図9では制御トランジスタの他の構成要素の図示を省略してある。ゲート絶縁膜41b上には制御トランジスタTRcのドレイン電極41d(ソース電極41c:図8)が各画素40A,40Bにそれぞれ設けられている。画素40A側のドレイン電極41dはゲート絶縁膜41bを貫通するコンタクトホールH8を介して保持容量接続部69aに接続され、画素40B側のドレイン電極41dはゲート絶縁膜41bを貫通するコンタクトホールH8を介して保持容量接続部69bに接続されている。
【0092】
そして、これら各画素40A,40Bに設けられたドレイン電極41d,41dを覆うようにして保護層42が形成され、その表面に各画素40A,40Bに対応する画素電極35がそれぞれ設けられている。画素電極35は、保護層42に設けられたコンタクトホールH5(図8)を介して各画素40A,40Bの各制御トランジスタTRcのドレイン電極41dとそれぞれ接続されている。
【0093】
本実施形態によれは、上記第1実施形態の構成よりも、保持容量Csの形成面積をより広く確保することができる。ここで、保持容量Csの保持容量電極2a,2b間に存在する基材(絶縁部材)30Bおよび基材(絶縁部材)30Cの材料およびその厚さを変えてもよい。例えば、厚さを薄くしたり、比誘電率の大きい材料等に変更したりすることによって、容量を大きく設定することが可能である。材料を変化する際は、保持容量Csに用いる領域のみを変更しても良い。
【0094】
(第3実施形態)
次に、第3実施形態の素子基板の構成について述べる。
図10は、第3実施形態の素子基板の画素構成を示す平面図であり、図11は、図10のF−F線に沿う断面図である。
図10および図11に示すように、本実施形態においては、制御トランジスタTRcのゲート絶縁膜41bおよび保護層42が素子基板302(第1基板30)の全面に形成されているのではなく、画素ごとにそれぞれ設けられている。
ゲート絶縁膜41bは、画素領域の一部(走査線66とデータ線68との交点近傍)であって、第1基板30上に形成された半導体層41aの全てとソース電極41cおよびドレイン電極41dの一部を覆うようにして選択的に形成されている。ゲート電極41eは、このようなゲート絶縁膜41b上の半導体層41aと対向する位置に設けられている。そして、ゲート絶縁膜41bおよびゲート電極41eを覆うようにして画素領域の略全体に保護層42が設けられている。画素電極35は、この保護層42の表面上に配置され、保護層42からはみ出すことのない大きさで形成されている。
【0095】
本実施形態では、制御トランジスタTRcのゲート絶縁膜41bおよび保護層42を画素毎に複数設け、それぞれを必要最低限の大きさで形成することとした。これらゲート絶縁膜41bおよび保護層42を必要な領域のみに選択的に形成することで、材料にかかるコストを削減することができる。
なお、ゲート絶縁膜41bおよび保護層42のいずれかを画素領域内に選択的に設けるようにしてもよい。
【0096】
図12(a)〜(d)は、制御トランジスタのソース電極とデータ線との接続構成を示す断面図である。
図12(a)では、第1基板30(基材30E)上に形成されたソース電極41cが基材30D,30Eを貫通するコンタクトホールHを介して基材30C上のデータ線68と接続されている。この場合、第1基板30を湾曲させた際に、第1基板30(基材30E)の表面からソース電極41cが剥がれやすくなり、ソース電極41cとデータ線68との接続不良が生じるおそれがある。
【0097】
そこで、図12(b)〜(d)に示すような接続構造とすることが考えられる。
図12(b)では、第1基板30上に接続端子78が設けられており、この接続端子78の表面全体を覆うようにしてソース電極41cが形成されている。接続端子78はその一部が基材30D,30E内に埋め込まれており、データ線68の表面に達する。
このように、接続端子78の一部を第1基板30内に埋め込むとともに、この接続端子78の表面全体をカバーするようにソース電極41cを形成することによって、素子基板(第1基板30)を湾曲させた場合であっても、ソース電極41cおよび接続端子78が基材30E上から剥がれてしまうことが防止される。このため、ソース電極41cと接続端子78との接続状態、つまりソース電極41cとデータ線68との接続状態を良好に維持することが可能である。
【0098】
図12(c)では、第1基板30上に形成されたソース電極41cが、第1基板30内に埋め込まれた接続端子78を介して下方のデータ線68と接続されている。接続端子78は、データ線68を覆う基材30Dの表面に設けられているとともにその一部分が基材30D内に埋め込まれており、データ線68の表面に達している。ソース電極41cは、基材30Eの表面に設けられているとともにその一部分が基材30E内に埋め込まれており、接続端子78の表面に達している。
このように、ソース電極41cの一部分および接続端子78の一部分を基材内に埋め込むことによって、素子基板(第1基板30)を湾曲させて使用した場合であっても、ソース電極41cとデータ線68との接続状態を良好に維持することが可能である。
【0099】
図12(d)では、ソース電極41cは、基材30Eの表面に設けられているとともにその一部分が基材30E内に埋め込まれており、基材30D内に埋め込まれた導電材料76を介してデータ線68と接続されている。このような構成であっても、素子基板(第1基板30)を湾曲させて使用する場合にソース電極41cとデータ線68との接続状態を良好に維持することが可能である。
【0100】
これは、ソース電極41cとデータ線68との接続部分のみならず、ドレイン電極41dと保持容量Csの保持容量電極1aとの接続部分、ゲート電極41eと走査線66との接続部分においても同様の構成とすることができる。もちろん他の電源線や信号線との接続部分に用いることも出来る。これにより、素子基板300を湾曲させて使用した場合であっても、ドレイン電極41dと保持容量Csの保持容量電極1aとの接続状態、ゲート電極41eと走査線66との接続状態を良好に維持することが可能になる。
【0101】
図12(c)、(d)において基材30E中のソース電極41cは基材30Eに設けられたコンタクトホールを埋めるように設けられている。しかしこの構造に限らない。ソース電極41cが基材30Eの側壁と接続先の導電材料76,78の表面を覆い、それらが基材30Eの表面に接続される状態でも良い。すなわち例えばスパッタリング法で形成したように、平面視においてコンタクトホールの中に空間が存在するような状態で構成しても良い。
また、基材30E上が2層の金属、コンタクトホール内が単層のような複数層を用いて構成でも良い。この時も複数層の内の1つはコンタクトホールと基材30Eの表面の両方において同時に形成される。
もちろんこれらの接続方法はドレイン電極41d、ゲート電極41eや画素電極35と埋込配線との接続にも用いられる。
【0102】
(第4実施形態)
次に、第4実施形態の素子基板の構成について述べる。
図13は、第4実施形態の素子基板上における1画素の構成を概略的に示す平面図であり、図14(a)は、図13のG−G線に沿う断面図である。
図13および図14(a)に示すように、本実施形態の素子基板303は、ボトムゲートトップコンタクト(BGTC)構造の制御トランジスタTRcを備えている。ここでは、この制御トランジスタTRcと走査線66とが第1基板30上に形成されており、データ線68および保持容量Cs(保持容量電極1a,1b)が第1基板30内に埋め込まれている。
【0103】
第1基板30(基材30D)上には、ゲート電極41eおよび走査線66が形成されている。その他にも、制御トランジスタTRcのソース電極41cとデータ線68とを接続するための接続端子78と、ドレイン電極41dと保持容量Csの保持容量電極1aとを接続するための接続端子79とが配置されている。接続端子78は、基材30D,30Eの厚さ方向を貫通するスルーホール内にその一部分(形成材料)が埋め込まれてデータ線68と接続され、接続端子79は、基材30C〜30Eを貫通するスルーホール内にその一部が埋め込まれて保持容量電極1aと接続されている。接続端子78,79は、基材30Eの表面の一部を覆うとともにその一部が基材30E内に埋め込まれているので、素子基板303が湾曲された場合でも、基材30Eの表面からの剥離を防止できる構成になっている。
【0104】
そして、走査線66、ゲート電極41e、接続端子78,79を覆うようにして基材30Eの表面全体にゲート絶縁膜41bが形成され、その上に半導体層41aと、半導体層41aの周縁に乗り上げるようにして形成されたソース電極41cおよびドレイン電極41dが設けられている。ソース電極41cはコンタクトホールH3を介してデータ線68に接続され、ドレイン電極41dはコンタクトホールH4を介して保持容量Csの一方の保持容量電極1aと接続された構成となっている。
ここで、ソース電極41cおよびドレイン電極41dは、それぞれの一部がゲート絶縁膜41b内に埋め込まれるようにして形成されることで接続端子78,79に接続されている。
【0105】
上記したコンタクトホールH3は、接続端子78の材料によって形成され、コンタクトホールH4は、接続端子79の材料によって形成されたものである。
【0106】
ゲート絶縁膜41bを覆う保護層42の表面には画素ごとに画素電極35がマトリクス状に形成されているが、これら各画素電極35においてもその一部が保護層42内に埋め込まれている。画素電極35は、その一部が保護層42内に埋め込まれることによって形成されたコンタクトホールH5を介して制御トランジスタTRcのドレイン電極41dと接続されている。
【0107】
本実施形態のように、ボトムゲートトップコンタクト構造の制御トランジスタTRcの構成であっても、データ線68および保持容量Cs(保持容量線69)を第1基板30内に埋め込むことによって、これらを第1基板30上に引き廻す構成に比べてこれらの断線等を防止することが可能となる。
【0108】
図14(b)に本実施形態における素子基板の変形例を示す断面図である。
図14(b)に示すように、制御トランジスタTRcのソース電極41cとデータ線68とを接続するコンタクトホールH3がソース電極41cの一部分(形成材料)によって構成され、ドレイン電極41dと保持容量電極1aとを接続するコンタクトホールH4がドレイン電極41dの一部分(形成材料)によって構成されていてもよい。具体的には、ソース電極41cおよびドレイン電極41dはゲート絶縁膜41b上だけでなく第1基板30を構成する基材30D内にまで埋め込まれた構成となっている。このような構成によっても、素子基板303が湾曲された場合でも、ソース電極41cおよびデータ線68の接続状態と、ドレイン電極41dおよび保持容量電極1aの接続状態とを良好に保持することができる。
【0109】
(第5実施形態)
次に、第5実施形態の素子基板の構成について述べる。
図15は、第5実施形態の素子基板上における1画素の構成を概略的に示す平面図であって、図16は、図15のH−H線に沿う断面図である。
図15および図16に示すように、本実施形態の素子基板304は、ボトムゲートトップコンタクト(BGTC)構造の制御トランジスタTRcを備えており、この制御トランジスタTRcが第1基板30上に形成されており、走査線66、データ線68および保持容量Csが第1基板30内に埋め込まれている。ゲート電極41eが第1基板30上に設けられ、その一部がその中に埋め込まれて走査線66と接続している。
このように、走査線66を第1基板30内に埋め込むことによって、第1基板30上に走査線66を引き廻す構成よりも走査線66の断線等を防止することができるとともに、制御トランジスタTRcの高精細化および電気光学装置の狭額縁化を実現できる。
【0110】
(第6実施形態)
次に、第6実施形態の素子基板の構成について述べる。
図17(a)は、第6実施形態の素子基板上における1画素の構成を概略的に示す平面図であり、図17(b)は、(a)のI−I線に沿う断面図である。
図17(a),(b)に示すように、本実施形態の素子基板305は、ソース電極41cおよびドレイン電極41dと同一平面上に画素電極35が形成されている構成となっている。先の実施形態では、ドレイン電極41dよりも上層側(ドレイン電極41dよりも第1基板30から離れた位置)に、ゲート絶縁膜41bや保護層42を介して画素電極35が形成されていたが、本実施形態では画素電極35がドレイン電極41dと同じ第1基板30の表面30aに形成されている点において先の実施形態と異なっている。ここで、ゲート絶縁膜41bは、ソース電極41cおよびドレイン電極41dと半導体層41aを覆うようにして画素領域内に選択的に形成されて、保護層42は、画素領域内に選択的に形成されたゲート絶縁膜41bとゲート電極41eの一部を覆うようにして画素領域の略全体に形成されている。これは、先に述べた第3実施形態(図10および図11参照)と同様の構成である。
本実施形態では、画素電極35をソース電極41cおよびドレイン電極41dと同一工程において形成することができる。このため、製造が容易になるとともに、画素電極35とソース電極41cおよびドレイン電極41dとの間に配置されていたゲート絶縁膜等が不要になるので基板の薄厚化を実現できる。
また、画素電極35はその一部が基板内に埋め込まれるようにして保持容量電極1aと接続している。
【0111】
(第7実施形態)
次に、第7実施形態の素子基板の構成について述べる。
図18(a)は、第7実施形態の素子基板上における1画素の構成を概略的に示す平面図であり、図18(b)は、(a)のJ−J線に沿う断面図である。
先の実施形態では1画素内に1つの画素電極35が設けられていたが、本実施形態の素子基板306には、1画素内に複数の画素電極(第1電極)35Aが設けられている点において先の実施形態と異なっている。
図18(a),(b)に示すように、第1基板30の表面30a上には、画素40ごとに平面視円形状を呈する島状の画素電極35Aが複数配置されている。画素電極35Aは、制御トランジスタTRcのソース電極41cおよびドレイン電極41dと同一工程で形成される。これら複数の画素電極35Aどうしは、下層側に設けられた接続電極44にコンタクトホールH2を介して接続されている。接続電極44は、櫛歯形状を呈しており、走査線66に沿って延在する幹部441と当該幹部441によって連結された複数の枝部442とを有してなる。このように、1画素内の複数の画素電極35Aは、この接続電極44によって相互に接続されて同時に駆動されるようになっている。
【0112】
本実施形態によれば、表示ドットの大きさを小さくすることができるので、明るく高精細な表示が可能となる。このドットの大きさ、つまり画素電極35Aの大きさで階調を調整することができる。
【0113】
(第8実施形態)
次に、第8実施形態の素子基板の構成について述べる。
図19(a)は、第7実施形態の素子基板上における1画素の構成を概略的に示す平面図であり、図19(b)は、(a)のK−K線に沿う断面図である。
本実施形態の素子基板307は、ソース電極41cおよびドレイン電極41dおよび半導体層41aの少なくとも一部の上下が一対のゲート電極41e,412eによって挟み込まれたダブルゲート構造となっている。
ゲート電極412eは走査線66の幅方向両側に延出されたもので、ゲート絶縁膜41b上に配置されたゲート電極41eと対向する位置に形成されている。異なる層に形成されたゲート電極41e,412e同士は、ゲート絶縁膜41bと基材30Eを貫通するコンタクトホールH4を介して互いに接続されている。ゲート電極412eの平面視における大きさはゲート電極41eよりも一回り大きい面積となっているが、これに限るものではない。チャネル領域がそのゲート電極41e内に存在するように設ければ良い。
本実施形態のように制御トランジスタTRcの構成をダブルゲート構造とすることによって、トランジスタの高周波特性を高めることができる。
【0114】
(TFT構造)
次に、制御トランジスタの構成例を示す。
図20(a)〜(b)は、制御トランジスタの構成例を示す断面図である。なお、図20(a)〜(b)において第1基板30は単層で示してあるが、先に述べたように実際には多層構造となっている。
図20(a)に示すボトムゲートトップコンタクト構造(BGTC)の制御トランジスタTRcは、第1基板30側から順に形成された、ゲート電極41e、ゲート絶縁膜41b、半導体層41a、ソース電極41cおよびドレイン電極41dによって構成されている。ここでは、制御トランジスタTRcを覆う保護層42の上にさらに保護層43を設け、その保護層42上に少なくとも制御トランジスタTRcの半導体層41aを覆う反射電極81が設けられている。この反射電極81はAlペーストからなる。画素電極35はアクリルからなる透明な保護層43の表面に設けられる。
このように、遮光膜として機能する反射電極81を制御トランジスタTRc上に配置することによって、制御トランジスタTRc(チャネル領域)にリーク光(外光)が入射するのを阻止することができる。これにより、制御トランジスタの光リーク電流による画像に対する影響を抑えられるので、良好な画像表示が可能となる。
【0115】
図20(b)に示すボトムゲートボトムコンタクト構造(BGBC)の制御トランジスタTRcは、第1基板30側から順に形成された、ゲート電極41e、ゲート絶縁膜41b、ソース電極41c、ドレイン電極41d、および半導体層41aによって構成されている。そして、この制御トランジスタTRcを覆う保護層42上に画素電極35が形成されている。
第1基板30として準備されたゲート電極41e付きの基板を用いて、ボトムゲートトップコンタクト構造の制御トランジスタTRcやボトムゲートボトムコンタクト構造の制御トランジスタTRcを作成することが可能である。
【0116】
図20(c)に示すトップゲートトップコンタクト構造(TGTC)の制御トランジスタTRcは、第1基板30側から順に形成された、半導体層41a、ソース電極41c、ドレイン電極41d、ゲート絶縁膜41b、ゲート電極41eによって構成されている。そして、この制御トランジスタTRcを覆う保護層42上に画素電極35が形成されている。
【0117】
なお、図20において、1画素内におけるレイアウトや等価回路も1T1Cに限る必要はなく、複数のTFTを用いて画素回路を構成しても良い。
【0118】
次に、TFTの製造方法について述べる。
ここで、走査線66、データ線68、保持容量Csの少なくとも1つを第1基板30内に埋め込む場合には、TFTとの接続を上述したいずれかの方法で行う。
【0119】
次に、耐湿層を備えた素子基板の構造について述べる。
制御トランジスタTRcや、電気光学材料として用いられる電気泳動材料、液晶材料は、湿度によって電気光学特性が変化してしまう。そこで、このような課題を解決するために耐湿性を有した素子基板を構成した。
【0120】
図21は、耐湿層を備えた素子基板の概略構成を示す部分断面図である。
図21に示す素子基板308は複数(3つ)の耐湿層83を備えている。第1基板30内には、保持容量Cs、保持容量線69、走査線66、およびデータ線68が埋め込まれている。このような第1基板30の表面30a全体に耐湿層82が設けられている。制御トランジスタTRcのソース電極41c、ドレイン電極41dおよび半導体層41aはこの耐湿層82の表面上に形成される。また、ソース電極41c、ドレイン電極41dおよび半導体層41aを覆うようにして耐湿層82上に形成されるゲート絶縁膜41bの表面にも耐湿層83が設けられている。ゲート電極41eは耐湿層83上に配置される。さらに、ゲート電極41eを覆う保護層42の表面上にも耐湿層84が設けられており、画素電極35はこの耐湿層82上に配置される。
【0121】
これら複数の耐湿層82〜84は厚さ50nmの窒化シリコン膜からなる。しかしながらこれに限られることはなく、制御トランジスタTRcおよび電気光学材料に対する耐湿性を確保することができれば、シリコン酸化膜や有機耐湿層を用いてもよい。
なお、耐湿層を一つのみ備えた構成としてもいいし、3つ以上備えた構成としてもよい。
また、第1基板30を構成する各基材間のいずれかに設けてもよい。
また、図21では多層基板からなる第1基板30について示したが、保持容量Cs、保持容量線69、走査線66およびデータ線68等を保持することができれば多層構造に限ったものではない。
【0122】
次に、電気光学装置以外の装置へ応用した例を示す。
図22及び図23は、ロボットの人工皮膚として感圧センサーを用いた例であって、図22(a),(b)はロボットの指先に感圧センサーが設けられた例を示す図、図23は感圧センサーの構成を示す断面図である。
図22及び図23に示すように、ロボットの指先74に設けられた感圧センサー70(電気装置)は複数の検出素子71(電気光学装置の画素に対応)を備えて構成されている。検出素子71は、第1基板30内に走査線66、データ線68、保持容量Csおよび保持容量線69が埋め込まれている素子基板300を備える。素子基板は、上記した各実施形態の素子基板300〜308うちいずれかからなる。第1基板30上には、表示エリアに画素電極35及び制御トランジスタTRcが設けられ、非表示エリアに不図示の走査線駆動回路及びデータ線駆動回路が設けられている。一方、対向基板310は、第2基板31と、第2基板31の表面(圧電体層77と対向する面)に設けられたカーボンナノチューブからなる対向電極37とを備えて構成されている。ここで、第2基板31は厚さ0.2mmのPETからなる。
【0123】
そして、素子基板300(301〜308)と対向基板310との間に、厚さ1μmのトリフルオロエチレンとフッ化ビニリデンの共重合体からなる圧電体層77が挟持されている。トリフルオロエチレンとフッ化ビニリデンの共重合体は有機材料であり、素子基板300と同様に湾曲させることが可能である。また、素子基板300および対向基板310の周縁部どうしの間には、圧電体層77を取り囲むようにして区画形成されたシール材65が配置されている。
【0124】
このような検出素子71を複数備えてなる感圧センサー70は、各検出素子71に対して外部から圧力が印加されたときに対向電極37と画素電極35との間に電圧が誘起され、この電圧変化を検出することによって、ロボットの指先74が物体に触れたか否かが判断される。
【0125】
なお、圧電材料、対向電極37及び保護層38は上記に限らない他の有機材料、無機材料を用いることができる。電圧材料の代わりに焦電材料を用いれば二次元温度センサーを構成することができ、光電変換材料を用いれば二次元光センサーやテラヘルツ波センサー、X線センサーを構成することができる。また、電流値の変化を検出する構成としても良い。また、これ以外の電気機器への応用も可能である。
これらセンサー等に用いた時に制御トランジスタTRcの特性ばらつきがあるとそれがセンシング結果に現れる。例えば光センサーだと均一な出力でなく、ざらついたような出力画面になる。本発明では、第1基板30のソース電極41c、ドレイン電極41d等を、フォトエッチングを用いて形成するため制御トランジスタTRcの特性のばらつきが小さい。そのため、均一な出力画像を得る事が出来る。
また、本実施例において第1基板30や第2基板31の材料として伸縮性のある材料、例えばゴム、を用いることにより伸縮性を付与する事が出来る。これは図22の感圧センサーを複雑な曲面に貼り付ける時に均一性良く貼る事が出来る。また伸縮性や弾力性を有するため人間の皮膚のような感触を実現できる。
今まで説明した実施例をセンサー以外の電気装置への応用も可能である。
【0126】
以上、添付図面を参照しながら本発明に係る好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0127】
先に述べた実施形態においてカプセル型の電気泳動材料を用いた例もあるがこれに限らない。隔壁型のような仕切りが存在するものでも良いし、仕切りが存在しないものでも良い。また、異なる極性に帯電した白黒の2粒子以外の粒子構成でも構わない。
【0128】
また、適用できる電気光学材料は電気泳動材料や液晶材料に限らない。例えば、EL、エレクトロウェッティング、MEMS等を用いることもできる。
【符号の説明】
【0129】
1a,1b,2a,2b…保持容量電極(埋込配線)、5…表示部、22,23…電子部品、22a,23a…外部接続用端子、30…第1基板(薄膜トランジスタ形成用基板:基板本体)、30A,30B,30C,30D,30E…基材(絶縁部材)、32…電気光学素子(機能素子、表示素子)、35、35A…画素電極(第1電極)、37…対向電極、38,42,43…保護層、40,40A,40B,41a…半導体層、41b…ゲート絶縁膜、41c…ソース電極、41d…ドレイン電極、41e,412e…ゲート電極、44…接続電極、66…走査線(埋込配線)、68…データ線(埋込配線)、69…保持容量線(埋込配線)、69A…保持容量接続線(埋込配線)、82,83,84…耐湿層、100…電気光学装置(電気装置)、101…電気泳動表示装置(電気装置)、102…液晶装置(電気装置)、300,301,302,303,304,305,306,307,308…素子基板(半導体装置)、310…対向基板、Cs,Cs1,Cs2…保持容量(埋込配線)、TRc…制御トランジスタTRc(薄膜トランジスタ)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板本体の厚さ方向のいずれか一方の面に薄膜トランジスタの構成要素であるソース電極、ドレイン電極、ゲート電極の少なくとも1つ、あるいは、第1電極を有し、
前記基板本体の内部には、前記ソース電極、前記ドレイン電極、前記ゲート電極および前記第1電極のいずれかに接続される埋込配線が埋め込まれている
ことを特徴とする薄膜トランジスタ形成用基板。
【請求項2】
前記埋込配線が、走査線、データ線、保持容量線、保持容量、信号線および電源線のいずれかである
ことを特徴とする請求項1に記載の薄膜トランジスタ形成用基板。
【請求項3】
前記基板本体が複数の基材を積層したものからなり、
前記埋込配線が、前記複数の基材のいずれか一つの前記基材内に埋め込まれている、あるいは複数の前記埋込配線がそれぞれ異なる前記基材内に埋め込まれている
ことを特徴とする請求項1または2に記載の薄膜トランジスタ形成用基板。
【請求項4】
前記基板本体がフレキシブル性または伸縮性を有している
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の薄膜トランジスタ形成用基板。
【請求項5】
前記基板本体の内部に電子部品が埋め込まれている
ことを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の薄膜トランジスタ形成用基板。
【請求項6】
複数の前記電子部品どうしの配置間隔が、各電子部品の1辺長さの1倍以上、好ましくは前記1辺の3倍以上となっている
ことを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の薄膜トランジスタ形成用基板。
【請求項7】
前記電子部品が少なくともIC、コンデンサ、抵抗、インダクタを1種類以上含んで構成されることを特徴とする請求項1から2いずれか一項に記載の薄膜トランジスタ形成用基板。
【請求項8】
前記ソース電極、前記ドレイン電極および前記ゲート電極のいずれかあるいは前記第1電極の少なくとも一部分が前記基板本体の内部に埋め込まれて前記埋込配線に接続されている
ことを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の薄膜トランジスタ形成用基板。
【請求項9】
前記埋込配線の線幅が、前記埋め込み配線どうしの間に配置される絶縁部材の厚さの各寸法よりも小さい寸法に設定されていることを特徴とする請求項2から8のいずれか一項に記載の薄膜トランジスタ形成用基板。
【請求項10】
請求項1から9のいずれか一項に記載の薄膜トランジスタ形成用基板からなる基板と、
前記基板上に形成された前記薄膜トランジスタの構成要素の一部を含んで構成される、半導体層、ゲート電極、ドレイン電極およびソース電極を有する薄膜トランジスタと、
前記ドレイン電極に接続される前記第1電極と、
前記基板内に埋め込まれて前記薄膜トランジスタに接続される埋込配線と、を備える
ことを特徴とする半導体装置。
【請求項11】
前記ソース電極および前記ドレイン電極と、前記第1電極とが同一層に形成されている
ことを特徴とする請求項10に記載の半導体装置。
【請求項12】
前記薄膜トランジスタにおいて、半導体層、前記ソース電極および前記ドレイン電極の少なくとも一部が一対の前記ゲート電極によって挟み込まれたダブルゲート構造とされている
ことを特徴とする請求項10または11に記載の半導体装置。
【請求項13】
請求項10から12に記載の半導体装置からなる素子基板と、
前記素子基板に対向配置される対向基板と、
前記素子基板および前記対向基板との間に配置される機能素子と、
前記対向基板は前記機能素子側に対向電極を有し、
前記素子基板は前記機能素子側の面に複数の第1電極を有し、
前記複数の第1電極には、前記対向電極との間で前記機能素子を駆動するための電圧が前記電子部品より供給される
ことを特徴とする電気装置。
【請求項14】
前記素子基板および前記対向基板がフレキシブル性を有している
ことを特徴とする請求項13に記載の電気装置。
【請求項15】
前記素子基板及び対向基板が伸縮性を有していることを特徴とする請求項13記載の電気装置。
【請求項16】
前記機能素子が、複数の画素が配列されてなる表示部を有した表示素子である
ことを特徴とする請求項13から15のいずれか一項に記載の電気装置。
【請求項17】
複数の前記画素に亘って形成される一対の電極と、前記一対の電極間に絶縁部材を介して配置される保持容量線と、を有し、前記一対の電極と前記保持容量線との間にそれぞれ保持容量が形成されている
ことを特徴とする請求項13から16のいずれか一項に記載の電気装置。
【請求項18】
前記ゲート電極と前記ドレイン電極および前記ソース電極との間に配置されるゲート絶縁膜と、当該ゲート絶縁膜上を覆う保護層と、が前記画素ごとに選択的に設けられている
ことを特徴とする請求項13から17のいずれか一項に記載の電気装置。
【請求項19】
前記基板を構成する複数の基材のうち、少なくともいずれか一つの厚さ方向一方の面に耐湿層が設けられている
ことを特徴とする請求項13から18のいずれか一項に記載の電気装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【公開番号】特開2012−119532(P2012−119532A)
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−268713(P2010−268713)
【出願日】平成22年12月1日(2010.12.1)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】