説明

薄膜形成装置及びZnO系薄膜

【課題】金属元素や金属元素の化合物を基板上に形成する場合に、パーティクルが発生しないような薄膜形成装置とこれを用いたZnO系薄膜を提供する。
【解決手段】
金属元素を供給する供給源に対向して配置されている部材表面を粗面化するようにした。図1に示されるように、ウエハ25を保持する基板ホルダ11の金属元素供給源と対向する面に凹凸を形成した。このように凹凸を形成すると、金属元素が堆積した場合、平坦な面と比べて、付着性が向上し、粗面化された面からは簡単には剥がれ落ちない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金属元素又は金属元素の化合物を基板上に形成する薄膜形成装置及びこれを用いて形成されたZnO系薄膜に関する。
【背景技術】
【0002】
エレクトロニクスといえばシリコンを筆頭とする半導体材料が活躍する分野であるが、近年、要求される機能に対して、シリコン材料自身の物性限界から、その機能を満足するようなデバイス構成ができなくなってきている。例えば、150℃以上の高温動作、高電界耐性のなさ等である。
【0003】
その一方でその物質種の多さと機能の多様性から、高温超伝導体のYBCO、紫外発光材料ZnO、有機EL等に代表される酸化物や有機物質が次世代を担う材料として注目を集めている。これらがシリコンという材料に制約され、発現できなかった機能を実現する可能性がある。
【0004】
例えば、ZnOはその多機能性、発光ポテンシャルの大きさなどが注目されているが、高純度化の観点から、薄膜形成装置には、Znは金属Znを昇華させ、酸素はプラズマクラッキングして酸素ラジカルとして共給するというプラズマアシストMBE装置が用いられる場合が多い。
【0005】
Zn元素をMBE装置内の成長室に供給する場合は、MOCVDのようなバブリング方式ではなく、例えば、クヌーセンセル、Kセルと呼ばれる分子線セル等に代表される原材料の昇華によって材料元素を供給するタイプの材料供給装置が用いられる(例えば、特許文献1、2参照)。
【特許文献1】特開平2005−276952号公報
【特許文献2】特開平7−14765号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記のような材料供給装置によって、例えばZnO薄膜を結晶成長させる場合は、Znを分子線セルから供給しなければならないが、Znは蒸気圧が高く、Znの場合は150℃という低温でも容易に成長室内へ蒸発し、250℃程度では1×10−4Pa以上の分圧になる。このように、Znが1×10−4Pa程度の分圧で、成長用基板に供給されるため、成長用基板周囲の部材にもZnが大量に付着し、堆積される。
【0007】
そして1ヶ月程度という非常に短い期間で、堆積したZnが図4に示すようにフレーク状に剥がれてくる。図4は、成長用基板の支持部材の一部を示す。このフレーク状に剥がれるZnは、パーティクル発生の原因になる。このパーティクルは、RHEED観察用の電子ビームを遮り、膜厚の計測をできなくしたり、分子線セルやラジカルセル内に侵入し、結晶成長時の不純物となって膜質に影響を与える等の問題を生じさせるため、1ヶ月1度程度、付着物除去のメンテナンスが必要となり、成膜装置のダウンタイムが多いという問題が発生していた。また、Znに限らず、蒸気圧の高い金属元素Mg、Cd、S、Se、As、Te、Sr、Ba等を供給する場合や、分子線の一部が成長用基板周囲の部材にも付着しやすい金属元素についても、上記同様の問題が発生する。
【0008】
本発明は、上述した課題を解決するために創案されたものであり、金属元素や金属元素の化合物を基板上に形成する場合に、パーティクルが発生しないような薄膜形成装置とこれを用いたZnO系薄膜を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、金属元素又は金属元素の化合物からなる薄膜を基板上に形成する薄膜形成装置であって、前記金属元素を供給する供給源に対向して配置された部材の表面の少なくとも一部が粗面化されていることを特徴とする薄膜形成装置である。
【0010】
また、請求項2記載の発明は、前記粗面化された部材は、前記基板を保持する基板ホルダであることを特徴とする請求項1記載の薄膜形成装置である。
【0011】
また、請求項3記載の発明は、前記粗面化された部材は、基板ホルダを支持する支持体であることを特徴とする請求項1又は請求項2のいずれか1項に記載の薄膜形成装置である。
【0012】
また、請求項4記載の発明は、前記粗面化された部材は、可動部を覆う防着板であることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の薄膜形成装置である。
【0013】
また、請求項5記載の発明は、前記粗面化はブラスト処理を用いることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の薄膜形成装置である。
【0014】
また、請求項6記載の発明は、前記金属元素は、蒸気圧が1Paになる温度が700℃以下になる元素であることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の薄膜形成装置である。
【0015】
また、請求項7記載の発明は、前記金属元素はZn又はMgであることを特徴とする請求項6記載の薄膜形成装置である。
【0016】
また、請求項8記載の発明は、請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載された薄膜形成装置によって形成されたZnO系薄膜である。
【発明の効果】
【0017】
本発明の薄膜形成装置よれば、薄膜形成のために基板に向けて放出された金属元素が基板の周囲の部材に付着するが、金属元素を供給する供給源に対向して配置された部材の表面の少なくとも一部が粗面化されており、この粗面化による凹凸形状のため、付着した金属元素は容易に剥がれることがなく、成長室内でのパーティクルの発生を防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明の薄膜形成装置の全体構成の一例を図3に示す。蒸気圧の高い金属元素を用いて薄膜形成を行う例として、ZnO系半導体素子の作製があるが、このような場合に薄膜形成装置としては、MBE(分子線エピタキシー)が用いられる。したがって、図3の薄膜形成装置の構成例は、MBE装置としているが、MBE装置以外に、CVD(化学気相成長法)装置、MOCVD(有機金属化学気相成長法)装置、PLD(パルスレーザー堆積法)装置、スパッタリング装置等へも適用可能である。
【0019】
図3は、MBE装置を簡略化して示す模式図であり、図1は図3に表わされた基板支持部1の拡大図を示す。収容空間を有する成長室30、成長室30に存在する気体を排気する真空ポンプ20、ゲートバルブ19、基板であるウエハ25を保持、加熱及び回転する基板支持部1、基板支持部1内に設けられた熱源2、低温部である液体窒素シュラウド23等を含んで構成される。
【0020】
MBE成長装置は、基板支持部1に保持されたウエハ25の表面上に分子線や気体元素等を照射することによって、ウエハ25の表面上に結晶薄膜を成長させる。分子線源となる分子線セル(クヌーセンセル、K−セルといわれる場合もある)42、43、44、45は、例えばPBN(窒化硼素)製の坩堝37、坩堝37を加熱するヒータ38、及びシャッター39等で構成される。
【0021】
坩堝37には、成長用基板としてのウエハ25に形成する薄膜の材料として、薄膜を構成する元素を含む化合物が充填されている。坩堝37に充填された化合物は、ヒータ38によって加熱されて蒸発し、分子線となる。分子線セルは、分子線が出射する出射口を液体窒素シュラウド23に形成された貫通孔から露出して、基板支持部1のウエハ25に臨むように、液体窒素シュラウド23に形成された貫通孔を貫通して成長室30内に設けられる。具体的には、分子線セルは、装置内の鉛直方向下部であって、分子線をウエハ25の表面に略均一に照射することができる位置に設けられる。シャッター39は、開閉自在となっており、分子線が放出される坩堝37の出射口を遮断又は開放する。図3においては、一例として4個の分子線セルを配置しているが、分子線セルは、ウエハ25に薄膜を形成するために必要な材料の種類の数だけ配置される。
【0022】
一方、酸素や窒素等の気体元素を供給するラジカルセル40、41は、中空の放電管31の外側周囲を高周波コイル32で巻き回されており、高周波コイル32の端子は、高周波電源(図示せず)に接続されている。また、放電管31の上部にはシャッター36が設けられ、放電管31にはガス供給管35が接続され、ここから薄膜構成元素となる気体が供給される。また、放電管31及び高周波コイル32を囲繞するように設けられた外筒33と、ビューポート34等が設けられている。
【0023】
中空の放電管31内部にガス供給管35から導入された原料となる気体は、高周波コイル32によって高周波電圧(電界)が印加され、プラズマとなり、プラズマ粒子が放電管31の出射口から放出されるが、シャッター36は、開閉自在であって、ラジカル元素が放出される坩堝37の出射口を遮断又は開放する。また、ラジカルセル40、41は、装置内の鉛直方向下部であって、ラジカル元素をウエハ25の表面に略均一に照射することができる位置に設けられる。
【0024】
また、図示はしていないが反応ガスを成長室30に導入する反応ガス導入セル、成長室30の真空度を計測する真空計、成長室30に存在するガスの成分を分析するガス分析計等が成長室30に設けられる。液体窒素シュラウド23は、金属製の容器によって形成される。液体窒素シュラウド23は、成長室30の内壁に沿って、基板支持部1に保持されるウエハ25を外囲するように装置内部に設けられる。液体窒素シュラウド23の内部に液体窒素を充填することによって、液体窒素シュラウド23の表面を冷却することができる。
【0025】
一般に気体は低温になると蒸気圧が低下するので、真空雰囲気下で低温部が存在するとその表面で気体は凝結する。したがって、ウエハ25に照射した分子線のうちの、ウエハ25に堆積せずに成長室30に残留する余剰な分子は、シュラウド23の表面に接触したときに、凝結してシュラウド23の表面に捕獲され、成長室30の真空度を高めることができる。
【0026】
基板支持部1のウエハ25に薄膜を成長させている間、RHEED(高速反射電子回折)電子銃21から電子ビームが放射され、放射された電子ビームは結晶成長中の薄膜に当たって反射し、RHEEDスクリーン22に入射する。RHEEDスクリーン22で検出される電子回折データにより薄膜の表面状態や膜厚等の観察が行われる。ビューポート18は石英ガラス等で構成されており、装置内部を外側から観察するための窓として用いられる。
【0027】
ゲートバルブ19は、真空ポンプ20と成長室30との間の気体の流通の遮断又は開放を行う。真空ポンプ20は、ターボ分子ポンプ、ロータリポンプ等で構成される。例えば、ロータリポンプによって、成長室30に存在する気体の粗引きを行い、その後、ターボ分子ポンプによって成長室30内の真空度が所望の数値になるように排気が行われる。
【0028】
図1に示すように、基板支持部1は、ウエハ25を保持する基板ホルダ11、基板ホルダ11を支持する支持体12、ウエハ25を加熱するヒータ等の熱源2等を含んで構成されており、基板支持部1を回転させるための回転軸4が接続されている。ウエハ25は、ZnO基板、サファイア基板等の半導体材料から成る円板状または矩形状の単結晶の薄板である。ウエハ25は、ウエハ25の厚み方向の表面が水平となるように、基板ホルダ11に保持される。
【0029】
回転軸4の先には、歯車5が取り付けられており、マニピュレータ24から伸びた回転軸7の先に設けられた歯車6と噛み合うように形成されている。そして、マニピュレータ24から回転駆動を与えることにより、この回転が歯車6から歯車5に伝わり、回転軸4が回転することにより基板支持部1が軸線まわりに回転する。
【0030】
ここで、分子線セル42〜45から出射される分子線によって、ウエハ25に対して供給される金属元素は、ウエハ25上にのみ堆積すれば問題ないのであるが、金属元素を供給する供給源(本実施例では分子線セルに相当)に対向して配置されている部材に対して、金属元素が到達してしまい、金属元素が付着する。金属元素の付着は、特に歯車のような可動部には大きな影響を及ぼし、大量に歯車の溝に付着すれば、歯車5、6ともに動かなくなる危険性があるので、分子線を遮断する防着板3が図のように可動部(例えば歯車5、6の領域)を覆うように配置されている。
【0031】
成長室30内に配置された部材、特に、金属元素を供給する供給源に対向して配置されている部材に、分子線によって金属元素が付着して堆積し、堆積した金属元素がフレーク状に剥がれてくる。前述したように、このフレーク状に剥がれる金属元素は、パーティクル発生の原因になる。このパーティクルは、RHEED電子銃21の電子ビームを遮り、薄膜の表面観察や膜厚の計測をできなくしたり、分子線セル42〜45やラジカルセル40、41内に侵入し、結晶品質に影響を与える等の問題を生じさせる。また、パーティクルの発生は、歯車5、6等の可動部の動作不良にも繋がる。
【0032】
そこで、本発明では、金属元素を供給する供給源に対向して配置されている部材に凹凸を付ける(粗面化)ようにした。例えば、図1に示されるように、ウエハ25を保持する基板ホルダ11の金属元素供給源(分子線セル)と対向する面に凹凸を形成した。このように凹凸を形成すると、金属元素が堆積した場合、平坦な面と比べて、付着性が向上し、粗面化された面からは簡単には剥がれ落ちてこないので、成長室30内のパーティクル発生を防止することができる。
【0033】
図2は、基板ホルダ11だけではなく、基板ホルダを支持する支持体12の金属元素供給源と対向する面に凹凸を形成した。このようにすることで、よりパーティクル発生を抑制することができる。
【0034】
さらに、図3に示すように、金属元素を供給する供給源に対向して配置されている部材である防着板3の金属元素供給源と対向する面を粗面化して凹凸を形成した。以上述べた粗面化には、ブラスト処理を用いた。ブラスト処理としては半導体装置用に適しているサンドブラスト等を適用した。
【0035】
ところで、MBEなどの高真空を必要とする装置は、脱ガス性を良くするために、真空内の装置部材の壁面を平坦にするのが通常であり、平坦化の方法としては、電界研磨が一般的である。装置内壁が平坦であることで脱ガス性が良くなり、真空排気速度が向上するという優位な点があるが、反面、平坦であることにより内壁への付着物は剥がれ易いという問題がある。
【0036】
付着物が剥がれないように密着性を向上するための手段として、付着面を粗面化することは一般的によく用いられている。しかし、この手法を薄膜形成装置に適用し、かつ内壁を全て粗面化してしまうと、真空排気速度が減少してしまうため、現実的な手段ではない。そこで、堆積した金属元素の塊であるフレークの剥離が最も問題となる部分、すなわち金属元素を供給する供給源と対向して配置されている部材表面にのみ粗面化処理を実施することで、真空排気速度の減少が抑制され、粗面化された面の密着性が向上し、ZnやMgが堆積してもフレーク状に剥がれる、パーティクルの発生源となる、という問題を解決することができる。
【0037】
図1、2、3に示されるように、金属元素を供給する供給源と対向して配置されている部材の供給源側の面について、部材の一部または全部について粗面化された薄膜形成装置を用いてZnO系薄膜を以下のように形成した。ここで、ZnO系薄膜におけるZnO系とは、ZnOをベースとした混晶材料であり、Znの一部をIIA族もしくはIIB族で置き換えたもの、Oの一部をVIB族で置き換えたもの、またはその両方の組み合わせを含むものである。一例としてMgZnO薄膜の形成について簡単に説明する。
【0038】
主原料には金属Znと酸素ガスを用いた。MgZnO混晶成膜には金属Mgを用い、n型ドーパントには金属Ga、p型ドーパントには窒素ガスをそれぞれ用いた。金属元素Zn、Mg、Gaは分子線セル42〜45のいずれかを用いて、成長用基板であるウエハ25表面に供給し、一方、酸素ガスと窒素ガスはラジカルセル40、41を用いてウエハ25表面へ供給する。
【0039】
PBN製の坩堝内にZn、Mg、Ga金属をそれぞれ設置して使用する。坩堝内の材料はヒータ38によって加熱され、成長室30内へ蒸発し、ウエハ25表面にて酸素または窒素と結合し、MgZnO薄膜が形成される。ラジカルセル40、41の放電管31の中へ酸素ガスまたは窒素ガスが供給され、高周波コイル32に印加された高周波により、酸素ガスまたは窒素ガスは化学的に活性化された後、ウエハ25表面へ共給される。
【0040】
ZnとMgは蒸気圧が高く、Znの場合は150℃という低温でも容易に真空装置内へ蒸発し、250℃程度では1×10−4Pa以上の分圧になる。MgZnO薄膜の成膜のときには、ZnやMgが1×10−4Pa程度の分圧で、成長用基板(ウエハ25)に供給されるため、成長用基板周囲の部材にもZn又はMgが大量に付着し、堆積される。
【0041】
しかし、これらの部材は、上述したように粗面化されているので、Zn又はMgは簡単には剥がれてこない。したがって、パーティクル発生が防止できるので、従来よりも、付着物除去のメンテナンスの回数が非常に少なくなり、薄膜形成装置のダウンタイムも少なくなる。
【0042】
薄膜形成装置の使用頻度に依存するが、実際に、1日の使用時間を平均10時間とし、1ヶ月に20日稼動させた場合、粗面化部材を使用する前は、1ヶ月に1度、基板支持部周辺のZn等の堆積物を除去する作業を行っていたが、例えば、図2のように粗面化された基板ホルダ及び支持体を用いた後は、図5に示すように、基板支持部周辺の堆積物は、1年以上経過しても剥がれず、メンテナンス周期が12倍以上に向上した。
【0043】
またパーティクルの発生源がなくなったので、ZnO系薄膜表面上のパーティクルの発生が抑制された。粗面化部材を導入する前はZnO系薄膜表面上にはパーティクルが確認されていたが、粗面化部材導入後は、光学顕微鏡、SEM(走査型電子顕微鏡)、AFM(原子間力顕微鏡)など、それぞれの観察方法で観察した結果、ZnO系薄膜表面上のパーティクルが確認できなかった、又はパーティクルの個数が約1/10に減少した。パーティクルの個数は、ZnO系薄膜表面の付着物の密度で評価し、付着物密度は2500個/cm以下であった。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明の薄膜形成装置における基板支持部の構成を示す図である。
【図2】本発明の薄膜形成装置における基板支持部の構成を示す図である。
【図3】本発明の薄膜形成装置の全体概略構成を示す図である。
【図4】基板支持部の部材にZnが堆積してフレーク状に剥がれた状態を示す図である。
【図5】基板支持部の部材にZnが堆積しており、剥離がない状態を示す図である。
【符号の説明】
【0045】
1 基板支持部
11 基板ホルダ
12 支持体
2 熱源
3 防着板
4 回転軸
5 歯車
6 歯車
7 回転軸

【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属元素又は金属元素の化合物からなる薄膜を基板上に形成する薄膜形成装置であって、前記金属元素を供給する供給源に対向して配置された部材の表面の少なくとも一部が粗面化されていることを特徴とする薄膜形成装置。
【請求項2】
前記粗面化された部材は、前記基板を保持する基板ホルダであることを特徴とする請求項1記載の薄膜形成装置。
【請求項3】
前記粗面化された部材は、基板ホルダを支持する支持体であることを特徴とする請求項1又は請求項2のいずれか1項に記載の薄膜形成装置。
【請求項4】
前記粗面化された部材は、可動部を覆う防着板であることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の薄膜形成装置。
【請求項5】
前記粗面化はブラスト処理を用いることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の薄膜形成装置。
【請求項6】
前記金属元素は、蒸気圧が1Paになる温度が700℃以下になる元素であることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の薄膜形成装置。
【請求項7】
前記金属元素はZn又はMgであることを特徴とする請求項6記載の薄膜形成装置。
【請求項8】
請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載された薄膜形成装置によって形成されたZnO系薄膜。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−16524(P2009−16524A)
【公開日】平成21年1月22日(2009.1.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−176065(P2007−176065)
【出願日】平成19年7月4日(2007.7.4)
【出願人】(000116024)ローム株式会社 (3,539)
【出願人】(504157024)国立大学法人東北大学 (2,297)
【Fターム(参考)】