説明

被検査体の検査装置

【課題】被検査体のコーティングを精度よく検査する。
【解決手段】コーティング検査装置10は、紫外光を受けた基板1のコーティングからの蛍光を受光して紫外光画像を生成し、可視光を受けた基板1からの反射光を受光して可視光画像を生成する。コーティング検査装置10は、可視光画像に基づいて基板1の位置を特定し、生成した画像のうち少なくとも紫外光画像とに基づいて基板1のコーティングを検査する。特定された基板1の位置を用いて被検査画像の位置を補正したうえでコーティングを検査してもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は被検査体の検査装置に関し、特に、表面の少なくとも一部がコーティングで被覆された被検査体の検査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1によれば、透明なインクを塗布して物体表面に透明樹脂層を形成して物体表面を保護したり、有色インクの塗布前に白色インクの下地層を形成して物体表面への有色インクの食い付きや発色を良好にしたりすることが従来行われている。特許文献1には、透明または白色のインクに蛍光体を予め混合しておき、紫外線を受けたインク層が発する蛍光から層の厚さを測定することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−46071号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば電子基板等の被検査体の防水性、防湿性の向上や経時劣化の軽減のために表面を樹脂等でコーティングをする場合がある。コーティング後の基板表面の視認性を高めるために無色のコーティング剤が用いられることも多い。コーティング剤に蛍光剤を含ませておき塗布後に紫外光を照射することでコーティングを検査することができる。例えばコーティングの厚さが検査される。
【0005】
ところが、特に電子基板へのコーティングにおいては、単に表面全体にコーティングをするだけでなく、表面の特定部位にすることがある。例えば部品の上だけにコーティングをしたり、あるいは逆に部品を避けてコーティングをすることもある。この場合、例えばコーティングの塗布位置についても精度よく検査できることが望ましい。また、コーティング層の内部または表面の異物についても精度よく検査できることが望ましい。
【0006】
これらのコーティング検査は、検査員の目視検査で人手により行われているのが実情である。
【0007】
本発明はこうした状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、被検査体のコーティングを検査することができる検査装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のある態様の検査装置は、紫外光を受けて蛍光を発するコーティングで表面の少なくとも一部が被覆された被検査体の検査装置であって、紫外光源と、可視光源と、紫外光を受けた被検査体からの蛍光を受光して紫外光画像を生成し、可視光を受けた被検査体からの反射光を受光して可視光画像を生成する撮像部と、可視光画像に基づいて被検査体の位置情報を特定する位置特定部と、前記位置特定部により特定された被検査体の位置情報と、前記撮像部が生成した画像のうち少なくとも紫外光画像とに基づいて被検査体のコーティングを検査する検査部と、を備える。
【0009】
この態様によれば、コーティング検査を自動で行うことができる。また、可視光画像を利用して被検査体の位置情報を特定することにより、コーティングの塗布位置をより正確に決定することができる。可視光画像から得られる情報を併用してコーティング検査をより精密に行うことができる。
【0010】
前記検査部は、特定された被検査体の位置情報を用いて被検査画像の位置を補正したうえでコーティングを検査してもよい。被検査画像は、例えば紫外光画像であってもよいし、紫外光画像及び可視光画像の少なくとも一方を処理することにより得られる画像であってもよい。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、被検査体のコーティングを検査することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の一実施形態に係るコーティング検査装置の構成を模式的に示す図である。
【図2】図1の試験ユニットの詳細斜視図である。
【図3】図1の照明ユニットを含む試験ユニットの模式図である。
【図4】本発明の一実施形態に係るラインセンサの構成を示す図である。
【図5】本発明の一実施形態に係る解析ユニットの構成の一例を示す図である。
【図6】本発明の一実施形態に係るコーティング検査装置の検査手順を示すフローチャートである。
【図7】本発明の一実施形態に係るコーティング検査処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の一実施形態においては、コーティング検査装置は、被検査体を照明する照明光源と、照明された被検査体からの光を受けるセンサと、センサ出力に基づいて被検査体のコーティングを検査するメイン制御ユニットと、を備えてもよい。コーティング検査装置は、被検査体からの光をセンサへと導く光学系と、センサと被検査体とを相対的に移動させる移動機構と、を備えてもよい。
【0014】
被検査体は、紫外光を受けて蛍光を発するコーティングで表面の少なくとも一部が被覆されていてもよい。コーティング剤には紫外光を受けて可視光域の蛍光を発する蛍光剤が含まれていてもよい。照明光源は、紫外光を放射する紫外光源及び可視光を放射する可視光源を備えてもよい。センサは、被検査体が紫外光で照明されたときに発する蛍光、及び被検査体が可視光で照明されたときの反射光を受光する受光装置であってもよい。受光装置は、紫外光を受けた被検査体からの蛍光を受光して紫外光画像を生成し、可視光を受けた被検査体からの反射光を受光して可視光画像を生成する撮像装置であってもよい。撮像装置は紫外光画像及び可視光画像をメイン制御ユニットに出力してもよい。
【0015】
メイン制御ユニットは、被検査画像に基づいて被検査体のコーティングを検査する検査部と、被検査画像における被検査体の位置情報を特定する位置特定部と、を含んでもよい。位置特定部は、被検査体に予め形成されている基準マークの位置を可視光画像に基づいて特定してもよい。メイン制御ユニットは、基準マーク位置に基づいて被検査画像の位置補正を行う位置補正部を含んでもよい。位置補正部は、位置特定部により特定された基準マーク位置に基づいて被検査画像の位置補正を行ってもよい。あるいは、位置特定部及び位置補正部のいずれか一方が、基準マーク位置の特定と、基準マーク位置に基づく被検査画像補正との両方を行うよう構成してもよい。検査部は、基準マーク位置に基づいて被検査画像における検査範囲を設定し、検査範囲について基準画像と比較してコーティングの良否を判定してもよい。また、コーティング領域が基板上の一部分である場合には、被検査画像のうち一部分を検査範囲に設定し、その検査範囲のみを検査するようにしてもよい。
【0016】
紫外光画像ではコーティングが発する蛍光の影響でコーティング下地面の基準マークを認識しにくい場合がある。本発明の一実施形態によれば、可視光画像から被検査体表面上の位置を精度よく特定することができるので、単にコーティング厚のムラや塗り漏れの有無を検査するだけでなくコーティング位置についても十分な精度で検査をすることが可能となる。
【0017】
紫外光源は紫外光のみを放射するのではなく、紫外光を含む光を放射する光源であってもよい。あるいは、紫外光源は、紫外光域から選択される特定の波長または波長域の紫外光を放射する光源であってもよい。同様に、可視光源は可視光のみを放射するのではなく、可視光を含む光を放射する光源であってもよい。可視光源は、可視光域から選択される特定の波長または波長域の光を放射する光源であってもよい。
【0018】
コーティングが発する蛍光は、可視光域の光を含むことが望ましい。そうすれば、可視光用の撮像装置を共用することができる。この場合、撮像される画像は実際には可視光の蛍光で照らされた画像である。しかし、可視光源で照明したときの画像を指し示す場合とわかりやすく区別するために、便宜上「紫外光画像」と呼ぶこととする。また、可視光源で照明したときの画像は「可視光画像」と呼ぶ。
【0019】
また本発明の一実施形態においては、第1照明光を放射する第1照明光源と、第1照明光とは異なるスペクトルを有する第2照明光を放射する第2照明光源と、を含む照明ユニットが設けられていてもよい。第1照明光は被検査体のコーティングに蛍光を発生させる波長の光を含み、第2照明光はコーティングを透過してコーティング下地面で反射する波長の光を含んでもよい。メイン制御ユニットは、第1照明光で照明したときに得られる第1画像と、第2照明光で照明したときに得られる第2画像とを対応づける画像処理部を含んでもよい。画像処理部は、第1画像と第2画像とで各画素の対応関係を生成してもよい。画像処理部は例えば、第2画像における被検査体の位置と、当該位置に対応する第1画像での位置との関係を取得してもよい。このようにすれば、第1画像からコーティングの塗布状態を検査し、第2画像から被コーティング面上での位置を特定することができる。よって、被検査体表面の特定位置における塗布状態を精密に検査することができる。
【0020】
本発明の一実施形態に係る検査装置は、紫外光を受けて蛍光を発するコーティングで表面の少なくとも一部が被覆された被検査体の検査装置であって、紫外光源と、可視光源と、紫外光を受けた被検査体からの蛍光を受光して紫外光画像を生成し、可視光を受けた被検査体からの反射光を受光して可視光画像を生成する撮像部と、紫外光画像及び可視光画像それぞれの対応する画素の輝度の差を各画素の輝度とする画像に基づいて被検査体のコーティングを検査する検査部と、を備えてもよい。
【0021】
本発明の一実施形態においては、コーティング検査装置は、紫外光画像から可視光画像を減算して得られる加工画像を被検査画像としてもよい。コーティング検査装置は、紫外光画像及び可視光画像それぞれの対応する画素の輝度の差を各画素の輝度とする加工画像に基づいて被検査体のコーティングを検査する検査部を備えてもよい。検査部は、加工画像に基づいて被検査体のコーティングの塗り漏れ及び薄塗りの少なくとも一方を検査してもよい。
【0022】
紫外光画像は、紫外光源からの紫外光を受けたコーティングの蛍光と、コーティングの蛍光を可視光として受けた被検査体表面での反射光と、を含む。可視光画像は可視光源からの可視光を受けた被検査体表面での反射光を含む。コーティングの塗り漏れ、薄塗りの検査はコーティングが発した蛍光の光量が判定基準となる光量よりも小さいか否かによって判断するため、蛍光の被検査体表面での反射光は検査を行う上でノイズとなる。上述の加工画像においては、ノイズとなる紫外光画像の蛍光の反射光が可視光画像の反射光で相殺される。よって、塗り漏れ検査及び薄塗り検査に必要なコーティングの蛍光成分のみを紫外光画像から抽出して、精度の高い検査を行う事が可能となる。
【0023】
この場合、コーティング検査装置は、紫外光を受けたコーティングが発する蛍光と実質的に同一のスペクトルを有する可視光を放射する可視光源を備えてもよい。コーティング検査装置は、紫外光を受けたコーティングが発する蛍光と実質的に同一の分光反射率を有する可視光を放射する可視光源を備えてもよい。
【0024】
あるいは、検査部は、紫外光画像及び可視光画像のそれぞれを色分解して得られる画像のうち同一の色成分の画像の差として得られる画像を被検査画像としてもよい。検査部は、コーティングの蛍光の強度が最も強い色成分を選択してもよい。例えば蛍光が青みがかった光である場合には、紫外光画像及び可視光画像から青成分を抽出して差をとってもよい。
【0025】
本発明の一実施形態に係る検査装置は、紫外光を受けて蛍光を発するコーティングで表面の少なくとも一部が被覆された被検査体の検査装置であって、紫外光源と、紫外光を受けた被検査体からの蛍光を受光して、各々が異なる色成分に分解された複数の画像を生成する撮像部と、前記撮像部が生成した画像のうち少なくとも1つに基づいて被検査体のコーティングを検査する検査部と、を備えてもよい。
【0026】
本発明の一実施形態においては、コーティング検査装置は、紫外光を放射する紫外光源を少なくとも含む照明ユニットと、紫外光を受けた被検査体からの蛍光を受光して、各々が異なる色成分に分解された複数の画像を生成する撮像装置と、異なる色成分の複数画像のうちいずれかを選択し、選択された色成分の画像を基準と比較することにより被検査体のコーティングを検査する検査部と、を備えてもよい。
【0027】
なお、いわゆる色分解に代えて、特定の波長または波長域で撮像された画像を用いてコーティングを検査してもよい。コーティング検査装置は、紫外光を放射する紫外光源を少なくとも含む照明ユニットと、紫外光を受けた被検査体からの所定の波長または波長域の光を受光して画像を生成する撮像装置と、生成された画像に基づいて被検査体のコーティングを検査する検査部と、を備えてもよい。
【0028】
なお、検査部は、検査区域ごとに、色分解された複数の画像のいずれかを選択して検査してもよいし、色分解された複数の画像を組み合わせることにより検査をしてもよい。この場合に、検査区域は、被検査画像上に画定される領域であり、例えば単一の画素であってもよいし、複数の画素からなる領域であってもよい。具体的に、被検査画像は例えばコーティング剤の種類に応じて複数の検査区域に分割されてもよい。例えば電子部品と基板表面で異なるコーティング剤が塗られている場合に、前記電子部品の領域と前記基板表面の領域を異なる検査区域に分割してもよい。また、コーティングの下地の特性(例えば材質や色など)に応じて検査区域を設定してもよく、例えば下地が電子部品である領域と下地が基板表面である領域とを異なる検査区域に分割してもよい。
【0029】
検査部は、選択された色成分の画像に基づいて当該検査区域に塗布されているコーティングの正誤またはコーティング剤の種類を判別してもよい。コーティング剤によって蛍光スペクトルの波長ピークが異なることを利用して、コーティング剤を容易に判別することが可能となる。また、検査部は、検査区域におけるコーティングの下地の特性に応じて、色分解された複数の画像のいずれかを選択して検査してもよい。より高精度の検査結果が期待できる被検査画像を検査区域ごとに選択してもよい。
【0030】
検査部は、第1の波長域により生成された第1の画像を選択して第1の検査をするとともに、第1の波長域とは異なる第2の波長域により生成された第2の画像を選択して第1の検査とは異なる第2の検査をしてもよい。第1の検査は例えば、基板表面全域からコーティングの塗り漏れや薄塗りを検出する粗い検査であってもよく、第2の検査は例えばコーティング中の微細な異物を検出する詳細な検査であってもよい。また、第1及び第2の検査はそれぞれ異なる種類の異物を検査してもよい。
【0031】
また、検査部は、第1のダイナミックレンジを有する第1の画像を選択して第1の検査をするとともに、第1のダイナミックレンジとは異なる第2のダイナミックレンジを有する第2の画像を選択して第2の検査をしてもよい。この場合、2つの画像のダイナミックレンジの違いは、例えば各画像の色成分が異なることによる明るさの違いに起因する。また、紫外光照射による蛍光の受光量の違いによりダイナミックレンジが異なってもよい。蛍光の受光量は、例えば紫外光源の発光の強度や撮像装置での撮像時間等を調整して制御することができる。なお第1の画像及び第2の画像はそれぞれ異なる波長域の照明光を照射して撮像された画像であってもよいし、共通の波長域の照明光で撮像された画像であってもよい。
【0032】
検査部は例えば、色分解により得られた複数の画像のうち明るい画像を選択して第1の検査をするとともに、複数の画像のうち暗い画像を選択して第2の検査をしてもよい。検査部は、最も明るい画像を選択して第1の検査をするとともに、最も暗い画像を選択して第2の検査をしてもよい。検査部は、明るい画像として青成分画像を選択し、暗い画像として緑成分画像を選択してもよい。第1の検査における被検査画像は例えば画像の明るさが所定の基準値を超える画像とし、第2の検査における被検査画像は例えば画像の明るさが所定の基準値に満たない画像としてもよい。画像の明るさは例えばその画像の全画素の平均輝度としてもよく、基準値は実験的又は経験的に適宜定めることができる。
【0033】
検査部は、色分解された複数の画像から検査対象の異物に応じて画像を選択して異物を検査してもよい。検査対象となる異物は例えば、コーティング層に含まれる気泡、基板カスなどのゴミ、コーティング剤の塗布に使用された刷毛の毛、及び、表面のキズのうちいずれかであってもよい。検査対象に応じて最適な画像を生成または選択して、精度の高い検査を実現することができる。
【0034】
異物により生じる散乱光は、レイリー散乱の作用により、波長が短い青成分が強くなり、波長の長い緑成分は弱くなる。よって、異物(例えば気泡)の輪郭は、青成分画像では太く見え、緑成分画像では細く見える傾向がある。よって、検査部は、要求される検査精度に応じて異なる色成分(または波長域)を選択してもよい。例えば、高い検査精度が要求される場合に青成分画像を選択してもよい。
【0035】
本発明の一実施形態に係る検査装置は、紫外光を受けて蛍光を発するコーティングで表面の少なくとも一部が被覆された被検査体の検査装置であって、紫外光源と、紫外光を受けた被検査体からの蛍光を受光して紫外光画像を生成する撮像部と、紫外光を受けた基準部材が発する蛍光の強度に基づいて紫外光画像のシェーディング補正をするシェーディング補正部と、を備えてもよい。
【0036】
本発明の一実施形態においては、コーティング検査装置は、紫外光を受けて蛍光を発する基準部材を備えてもよい。メイン制御ユニットは、基準部材からの蛍光の強度に基づいてシェーディング補正をするシェーディング補正部を備えてもよい。明るさの較正をすることにより、検査結果のばらつきを抑制することができる。特に紫外光源は可視光源よりも経時劣化及びばらつきが大きいと想定されるため、紫外光について較正することは実用性に優れるコーティング検査装置を実現するうえで好ましい。
【0037】
シェーディング補正部は、基準部材が発した蛍光を測定して複数の色成分それぞれについて輝度の較正をしてもよい。シェーディング補正部は、可視光を受けた基準部材からの反射光の強度に基づいて可視光画像のシェーディング補正をしてもよい。基準部材は、紫外光を受ける領域と可視光を受ける領域とが共通の領域であってもよい。この場合、基準部材は、蛍光増白剤を含む白色のプレートであってもよい。このようにすれば、紫外光及び可視光についての較正を共通の基準部材を用いてすることができる。
【0038】
また、基準部材は、紫外光を受けて蛍光を発する紫外光用補正領域と、可視光を反射する可視光用補正領域とに区分されていてもよい。また、紫外光用の基準部材と可視光用の基準部材を別々に備えてもよい。紫外光用補正領域または紫外光用基準部材は例えば、蛍光増白剤を含むプレートであってもよい。可視光用補正領域または可視光用基準部材は例えば、白色のプレートであってもよい。
【0039】
図1は、本発明の一実施形態に係るコーティング検査装置10の構成を模式的に示す。この装置は、被検査体の検査面をラインセンサで走査して画像を形成し、画像認識によってコーティング塗布状態の合否を判定するものである。ラインセンサによる撮像ラインに対して垂直に走査ヘッドを駆動することで順次ラインごとの画像が得られ、走査ヘッドの一次元運動で検査が完了する。
【0040】
図1のごとく、コーティング検査装置10は、メインユニット12と試験ユニット14を備える。試験ユニット14の下部には支持台22が設けられ、被検査体である基板1が把持される。支持台22にはコンベアが設けられており、被検査体である基板1が把持された状態で、例えば、他の工程から一定の速度で流れてくるようになっている。試験ユニット14の上部には、走査ヘッド16と、それを駆動するステッピングモータ20と、走査ヘッド16を支持するリニアガイド等のガイド18が設けられている。
【0041】
走査ヘッド16は照明ユニット30、レンズ32およびラインセンサ34を有する。これらの部材はフレーム36上に固定されている。照明ユニット30は、後述の側方照明源、全反射ミラーなどを内蔵する。側方照明源は、紫外光源及び可視光源を含む。基板1から垂直上方への反射光はミラーでレンズ32へ導かれ、レンズ32を通過した後、一次元CCDセンサであるラインセンサ34へ入力される。ラインセンサ34はライン単位に基板1を撮像してその画像データ54を出力する。
【0042】
試験ユニット14には、検査前の待機状態における待機位置にある走査ヘッド16と対向する位置にシェーディング補正用の基準プレート60が設けられている。基準プレート60は、基準プレート60の位置を調整する位置調整機構(図示せず)に接続されている。基準プレート60は、蛍光増白剤を含む樹脂製の白色の板状部材である。基準プレート60に代えて、蛍光増白剤を含む樹脂製の白色シートであってもよい。
【0043】
メインユニット12は、本装置全体を統括的に制御するもので、ハードウエア的には、任意のコンピュータのCPU、メモリ、その他のLSIで実現でき、ソフトウエア的にはメモリにロードされたコーティング検査機能のあるプログラムなどによって実現されるが、ここではそれらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックがハードウエアのみ、ソフトウエアのみ、またはそれらの組合せによっていろいろな形で実現できることは、当業者には理解されるところである。
【0044】
メインユニット12のヘッド制御ユニット40はまず、照明制御クロック50(以下、同期信号ともいう)を照明ユニット30へ供給し、1ライン毎に紫外光照明と可視光照明とを交互に切り替えて点灯させる。ヘッド制御ユニット40はさらに、モータ制御信号52をモータ20へ、試験開始信号56をメモリ制御ユニット42へそれぞれ出力する。モータ制御信号52によってモータ20のステップ制御がなされ、検査の開始に際し、走査ヘッド16が基板1の端部へ移動する。以下、この位置を「スタート位置」という。以降、1ライン撮像するたびにモータ制御信号52によって走査ヘッド16が1ライン分進行する。一方、試験開始信号56を参照し、メモリ制御ユニット42はメモリ44への画像データ54の書込を制御し、以降、画像データ54がライン単位で記録されていく。画像データ54は、紫外光で照明されたときに撮像されたものと、可視光で照明されたときに撮像されたものとが1ライン毎に選択的に入力され、全ラインの撮像が終わると、メモリ44内には、紫外光で照明されたときに撮像された紫外光画像と、可視光で照明されたときに撮像された可視光画像とが形成される。
【0045】
メインユニット12は、例えば待機状態においてシェーディング補正をする。待機状態においては検査装置10に基板1は設けられていない。メインユニット12のヘッド制御ユニット40は、シェーディング補正をするとき、モータ制御信号52によってモータ20を制御して走査ヘッド16を待機位置に維持する。ヘッド制御ユニット40は、照明制御信号50を照明ユニット30へ出力し、シェーディング補正のための点灯状態を制御する。
【0046】
メインユニット12は、紫外光源で基準プレート60を照明したときに得られる蛍光の輝度が予め設定された基準輝度となるようシェーディング補正値を生成する。またメインユニット12は、可視光源で基準プレート60を照明したときに得られる反射光の輝度が予め設定された基準輝度となるようシェーディング補正値を生成する。シェーディング補正は、ラインセンサ34のRGBの色成分それぞれについて行う。
【0047】
なお、メモリ44の内部構成、メモリ44内の画像データ54の配置については設計上の自由度があり、いろいろな構成が可能である。たとえば、メモリ44内に、紫外光画像と可視光画像を個別に格納するための独立した2つの記憶領域が設けられ、メモリ制御ユニット42は、1ライン毎に各記憶領域に分けて画像データ54が個別に格納されるように制御してもよい。あるいは、メモリ44内には、紫外光画像と可視光画像を格納するための単一の記憶領域が設けられ、メモリ制御ユニット42は、その単一の記憶領域に画像データ54が1ラインずつ交互に格納されるように制御してもよい。
【0048】
解析ユニット46は、走査と並行して、または走査完了後にメモリ44から画像データを読み出し、先に得られたシェーディング補正値を加味し、判定基準記憶部48に予め記録された判定基準に照らして、検査項目ごとに合否を判断する。検査項目としては例えば、コーティングの塗り漏れ、薄塗り、気泡、ゴミなどがある。解析ユニット46は、各検査項目について有無を判定する。解析ユニット46はさらに、各検査項目について基板上の位置を特定してもよい。判定基準記憶部48には予め検査すべき基板1のコーティング塗布状態について、合否に関する判断基準または基準画像が記録され、実際にラインセンサ34で取得された画像にそれらの基準または画像を適用して合否判定が行われる。
【0049】
図2は試験ユニット14の斜視図、図3は試験ユニット14をラインセンサ34の撮像ラインの方向110(以下、単に撮像方向と呼ぶ)から見た模式図である。図2または図3に示した状態で1ライン分の画像データが取り込まれると、走査ヘッド16はガイド18によって駆動方向114へ1ライン分送り出される。以降同様の処理を繰り返すことにより、基板1全面にわたる画像データが取得される。
【0050】
照明ユニット30は、下部にアクリルシート104が設けられた側方照明源102と、全反射ミラー108とを含む。アクリルシート104には、側方照明源102からの側方光を拡散する作用がある。側方照明源102は点光源であるLEDの集合体であるため、拡散作用がないと、スポット的な光が画像データへ写り込んで検査精度に悪影響を及ぼす懸念がある。
【0051】
図3のごとく、ふたつの側方照明源102は、3列の紫外光LED群をもつ紫外光源102aと、1列の白色LED群をもつ可視光源102bとを有し、検査中のライン112へ効率的に側方光を投ずるよう傾斜がつけられている。照明光を受けたライン112からの反射光はミラー108で反射し、レンズ32へ向けられる。紫外光源102aと、可視光源102bとは、それぞれ独立に点灯制御可能なよう、図示しない電源が別系統になっている。
【0052】
図4は、ラインセンサ34の構成を示す。ラインセンサ34は、それぞれがRGB3色のいずれかに対応した赤色撮像素子列150、緑色撮像素子列152、青色撮像素子列154とからなる。これら素子列は5000個〜10000個の撮像素子162が配置されて構成される。赤色撮像素子列150は、赤色成分を抽出する赤色カラーフィルタ156がその入射面に設けられる。同様に、緑色撮像素子列152と青色撮像素子列154の入射面に、それぞれ緑色成分を抽出する緑色カラーフィルタ158と青色成分を抽出する青色カラーフィルタ160とが設けられる。赤色撮像素子列150および緑色撮像素子列152、および、緑色撮像素子列152および青色撮像素子列154は、それぞれΔCのピッチを保つ。よって、ラインセンサ34は、赤成分画像、青成分画像、及び緑成分画像をメインユニット12に出力する。
【0053】
これらRGB3色の画像には、ピッチΔCに起因してわずかな位置ズレが生じている。この位置ズレを解消するための位置補正をしながら合成することによって、ズレのない検査用画像を生成する。RGB3色の画像の位置補正および合成は、ラインセンサ34からメモリ44へ取り込む際にメモリ制御ユニットによって実行してもよいし、RGB3色の画像を別個にメモリ44へ取り込んでおき、後に解析ユニット46によって位置補正および合成を実行してもよい。また、解析ユニット46は、RGB3色の画像のいずれかを検査用画像として選択してもよい。
【0054】
図5は、本発明の一実施形態に係る解析ユニット46の構成の一例を示す図である。解析ユニットは、検査部70及び画像処理部72を含んで構成される。画像処理部72は、メモリ44から画像データを読み出して被検査画像を生成し、被検査画像を検査部70に与える。画像処理部72は、位置補正部74、位置特定部75、及びシェーディング補正部76を含んで構成される。検査部70は、判定基準記憶部48に予め記録された判定基準と被検査画像とに基づいて、検査項目ごとに合否を判断する。また、不合格の場合、検査部70は、コーティングの塗布状態または基板表面で検出された異常の位置を被検査画像上において特定する。
【0055】
図6は、以上の構成によるコーティング検査装置10の検査手順を示すフローチャートである。紫外光の点灯と可視光の点灯を同期信号に合わせて選択して行い、基板1上を走査ヘッド16が一回移動する間に紫外光による蛍光画像と可視光画像の両方の画像を個別かつ一度に形成する。ここでは、スタート位置である第1ラインを含む奇数ラインを紫外光画像取得用に設定し、偶数ラインを可視光用に設定する切り替え走査方式による検査の手順を示す。なお、このために、コーティング検査装置10による画像解像度は十分に高く、画像を数ラインおきに取得しても十分検査目的に耐えるとする。
【0056】
まず、第1モードである紫外光照明モードが選択され、走査ヘッド16がスタート位置へ送られる(S50)。紫外光照明モードの選択に伴い、ヘッド制御ユニット40によって側方照明源102のうち紫外光源102aが点灯状態、可視光源102bが消灯状態におかれる。紫外光照明のもと、ラインセンサ34により第1ラインの撮像が実施され(S52)、その画像データ54がメモリ44へ書き込まれる(S54)。
【0057】
つづいて、ヘッド制御ユニット40により走査ヘッド16が駆動方向へ1ライン分送られ(S56)、予め入力されていた基板1に関する情報に従い、その位置が走査のエンド位置、すなわち基板1の終了端であるか否かが判定される(S58)。エンド位置でなければ(S58のN)、可視光照明モードへ切り替えが行われる(S60)。可視光照明モードの選択に伴い、ヘッド制御ユニット40によって側方照明源102のうち紫外光源102aが消灯状態、可視光源102bが点灯状態におかれる。可視光照明のもと、ラインセンサ34による第2ラインの撮像、メモリ44への画像データ54の書込、走査ヘッド16の進行(S52、S54、S56)が行われる。走査ヘッド16がエンド位置にくるまでS52からS60の処理は繰り返され、奇数ラインの画像は紫外光照明で生じた蛍光によって形成される一方、偶数ラインの画像は可視光照明によって形成される。このインターリーブ方式によれば、走査ヘッド下に基板1を1度通過させることにより複数画像を取得でき、検査時間の短縮が実現される。
【0058】
走査ヘッド16がエンド位置にくれば、処理はS58のYからS62へ進む。ステップS62では、解析ユニット46が基板1の表面コーティングの塗布状態を検査する。コーティングの塗布状態検査の合否判定基準その他の情報は判定基準記憶部48から読み出され、利用される。検査が終わると結果が表示され(S64)、一連の処理を終える。合否は表示だけでなくメモリ44へ記録してもよい。支持台22のコンベア上を流れてくる後続の基板1に対する検査処理を続ける場合には、その基板1に対してS50からS64の処理を同様に行う。このように、順次流れてくる基板1に対して検査処理を連続的に行うことができる。
【0059】
図7は、本発明の一実施形態に係るコーティング検査処理S62を示すフローチャートである。この検査処理においては、まず可視光画像における基板の位置ずれ量を特定して可視光画像の位置補正をする。そして、可視光画像と同等の位置補正を紫外光画像にも行う。このように可視光画像に基づいて紫外光画像の位置補正をしたうえで、紫外光画像に基づいてコーティング検査をする。本実施形態においては可視光画像及び紫外光画像をインターリーブ方式により同時に取得している。よって、可視光画像の位置ずれ量を用いて紫外光画像の位置補正をすることにより、高精度に補正することができる。
【0060】
図7に示されるように、画像処理部72は、メモリ44から可視光画像を読み出して、可視光画像における基板1の位置を特定する(S70)。基板1は支持台22において所定位置に保持されているが、検査装置10への搬入時にある程度の位置ずれが許容されている。位置特定部75は、可視光画像において基板上の基準マークを検出する。これにより基板の位置を特定することができる。位置補正部74は、位置特定部75により特定された基準マーク位置を可視光画像上で認識することにより、基板1の位置ずれ量を決定する。
【0061】
基準マークは、基板1の表面に予め形成されており、検出が容易となるように高いコントラストを有する。基準マークは例えば、輪郭が銀色であり内部が黒色であり、基板1の対角位置となる2つの隅に形成されている。なお、このような位置特定用の専用のマークではなく、基準マークとして基板表面または部品表面の形状や模様を用いてもよい。
【0062】
位置補正部74は、基板1の位置ずれ量が補正可能範囲に収まっているか否かを判定する(S71)。位置ずれ量が相当大きく補正可能範囲外である場合には(S71のN)、検査がやり直される。例えば、位置特定部75は再度基準マーク位置を特定し、位置補正部74は位置ずれ量を再計算する。図6に示される可視光画像及び紫外光画像の取得をやり直してもよい。あるいは、位置ずれ量が補正可能範囲外である場合には、検査部70は検査を中止してもよい。
【0063】
位置ずれ量が補正可能範囲内である場合には(S71のY)、位置補正部74は、可視光画像から特定された基板1の位置ずれ量を用いて紫外光画像の位置を補正する(S72)。例えば、位置補正部74は、可視光画像から特定された基板1の位置ずれ量を加味して、紫外光画像における検査範囲を設定する。コーティング塗布領域が基板表面の一部である場合には、そのコーティング領域を含む基板表面の一部分を検査範囲としてもよい。
【0064】
なお、位置補正部74は、基板1の位置ずれ量が許容範囲内であるか否かを判定してもよい。位置ずれ量が許容範囲内である場合には、位置補正処理(S72)は省略され、次の被検査画像生成処理(S74)に移る。位置ずれ量が許容範囲を超える場合には、位置補正部74は、位置補正処理(S72)を実行する。この許容範囲は例えば、位置補正をすることなく十分な精度で検査が可能となる範囲に設定される。
【0065】
画像位置補正処理に加えて、シェーディング補正部76により可視光画像及び紫外光画像の明るさが調整されてもよい。シェーディング補正部76は、基準プレート60への照明により予め取得してある可視光画像用及び紫外光画像用のシェーディング補正値を用いて可視光画像及び紫外光画像を調整する。
【0066】
続いて、被検査画像が生成または選択される(S74)。被検査画像は、画像処理部72または検査部70により生成又は選択される。例えば画像処理部72は、検査項目及び検査区域に応じて予め設定された被検査画像をメモリ44から読み出す。画像処理部72は、メモリ44に記憶されている可視光画像及び紫外光画像の少なくとも一方を処理して新たに画像を生成し、その画像を被検査画像として選択してもよい。
【0067】
本実施形態では例えば、コーティングの塗り漏れ検査、及び薄塗り検査においては、コーティングの蛍光は典型的には青みが強いため、紫外光画像の青成分画像が被検査画像として選択される。そうすると、正常にコーティングされた位置では十分に明るく、塗り漏れ位置では暗い画像が得られ、容易に塗り漏れ検査をすることができる。また、気泡検査では、要求される検査精度に応じて紫外光画像の青成分画像または緑成分画像のいずれかを選択してもよい。その他の異物検査においては、可視光画像または紫外光画像のカラー画像が被検査画像として選択されてもよい。
【0068】
検査部70は、被検査画像を基準画像と比較して所定の検査項目について合否判定を行う(S76)。検査項目には、コーティングの塗り漏れ検査、薄塗り検査、異物検査が含まれる。異物検査には、気泡検査、及びゴミ検査が含まれる。検査部70は、基準画像に基づいて設定される所定の許容範囲内に被検査画像が含まれる場合には合格と判定する。基準画像は例えば、合格と判定された画像の複数枚の平均画像である。
【0069】
例えばコーティングの塗り漏れ検査、及び薄塗り検査においては、検査部70は例えば、被検査画像における画素の輝度値が予め設定されたしきい値に満たない場合に、その検査対象画素に対応する基板上の位置に塗り漏れまたは薄塗りがあると判定する。コーティングに塗り漏れや薄塗りが生じている場所では蛍光強度が小さくなり、被検査画像上では正常な塗布状態よりも暗く見える。輝度のしきい値は例えば、検査対象画素に対応する基準画像上の画素の輝度値から所定のマージンだけ小さくした値に設定する。
【0070】
また、気泡検査においては、検査部70は例えば、被検査画像における画素の輝度値が予め設定されたしきい値を超える場合に、その検査対象画素に対応する基板上の位置に気泡があると判定する。気泡の輪郭において光が散乱し、正常な塗布状態よりも明るく見えるからである。輝度のしきい値は例えば、検査対象画素に対応する基準画像上の画素の輝度値から所定のマージンだけ大きくした値に設定する。その他の異物検査においても同様にして、検査部70は例えば、被検査画像における画素の輝度値が予め設定された許容範囲外にある場合に、その検査対象画素に対応する基板上の位置に異物があると判定する。
【0071】
検査部70は、すべての検査項目について検査がなされたか否かを判定し(S78)、すべての検査が完了している場合には(S78のY)、処理を終える。この場合、図6に示される表示処理(S64)に戻る。完了していない検査がある場合には(S78のN)、未完了の検査項目について被検査画像の選択(S74)、及び合否判定(S76)を繰り返す。
【0072】
なお、紫外線画像を対象とする検査がすべて終了したあとに、最終検査として、検査部70は、可視光画像に基づいて被検査体上の異物を検査してもよい。通常、基板のコーティング処理は電子基板製造工程における最終段階である。可視光画像による最終検査を付加することで不良品の出荷リスクをさらに低減することができる。また、生成した可視光画像をより有意義に活用することができるという点でも好ましい。
【符号の説明】
【0073】
1 基板、 10 コーティング検査装置、 16 走査ヘッド、 30 照明ユニット、 34 ラインセンサ、 40 ヘッド制御ユニット、 42 メモリ制御ユニット、 44 メモリ、 46 解析ユニット、 48 判定基準記憶部、 70 検査部、 72 画像処理部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
紫外光を受けて蛍光を発するコーティングで表面の少なくとも一部が被覆された被検査体の検査装置であって、
紫外光源と、
可視光源と、
紫外光を受けた被検査体からの蛍光を受光して紫外光画像を生成し、可視光を受けた被検査体からの反射光を受光して可視光画像を生成する撮像部と、
可視光画像に基づいて被検査体の位置情報を特定する位置特定部と、
前記位置特定部により特定された被検査体の位置情報と、前記撮像部が生成した画像のうち少なくとも紫外光画像とに基づいて被検査体のコーティングを検査する検査部と、を備えることを特徴とする検査装置。
【請求項2】
前記検査部は、特定された被検査体の位置情報を用いて被検査画像の位置を補正したうえでコーティングを検査することを特徴とする請求項1に記載の検査装置。
【請求項3】
前記検査部は、紫外光画像及び可視光画像それぞれの対応する画素の輝度の差を各画素の輝度とする被検査画像に基づいてコーティングを検査することを特徴とする請求項1または2に記載の検査装置。
【請求項4】
前記可視光源は、紫外光を受けたコーティングが発する蛍光と同一のスペクトルを有する可視光を放射することを特徴とする請求項3に記載の検査装置。
【請求項5】
紫外光を受けた基準部材が発する蛍光の強度に基づいて紫外光画像のシェーディング補正をするシェーディング補正部をさらに備えることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の検査装置。
【請求項6】
前記シェーディング補正部は、可視光を受けた前記基準部材からの反射光の強度に基づいて可視光画像のシェーディング補正をすることを特徴とする請求項5に記載の検査装置。
【請求項7】
前記検査部は、可視光画像に基づいて被検査体上の異物を検査することを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の検査装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−175150(P2009−175150A)
【公開日】平成21年8月6日(2009.8.6)
【国際特許分類】
【公開請求】
【出願番号】特願2009−13127(P2009−13127)
【出願日】平成21年1月23日(2009.1.23)
【出願人】(595039014)株式会社サキコーポレーション (31)
【Fターム(参考)】