説明

車両の後輪操舵制御装置

【課題】アクティブサスペンション装置の制御失陥により車両がロール方向に傾いた状態に保持されたときに車両が直進するように後輪を操舵する制御装置を提供する。
【解決手段】車輪を車体に懸架するサスペンション7をアクチュエータで駆動するアクティブサスペンション装置が設けられた車両の左右後輪を操舵制御する後輪操舵制御装置である。この装置は、車両の運動状態量を検出する状態量検出手段17,18,19を備えている。そして、アクティブサスペンション装置の制御失陥により車両がロール方向に傾いた状態に保持されたとき、検出された前記運動状態量に基づいてロール角を算出し、このロール角に応じて車両が直進するように後輪を操舵するように構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アクティブサスペンションを備えた自動車(以下、単に車両と記す)の後輪操舵制御装置に係り、詳しくはアクティブサスペンション装置の制御失陥により前記車両がロール方向に傾いた状態に保持されたときに車両が直進するように後輪を操舵する制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
車体に車輪を懸架するサスペンション装置の特性やストローク量を変えることによって、車高や各車輪の支持荷重を制御するアクティブサスペンション装置が知られている(特許文献1,2参照)。また、車両が旋回するとき、ヨーレート等の車両状態量に基づき左右の後輪の転蛇角を操舵する後輪操舵装置を備えることによって、車両の走行状態を安定化する技術が開示されている(特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−7033号公報
【特許文献2】特開2007−246058号公報
【特許文献3】特開2006−69497号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1または特許文献3において開示された技術は、車両が旋回して走行するとき、運転を行う乗員にとって自分の意図する車両の挙動を実現することができるため好適となる。また、特許文献2に開示されているように、アクティブサスペンション装置を備えた車両においては、通常、アクチュエータや電子制御ユニットが故障した際にも最低限の操縦性は確保できるように、機械式のばね手段で車体重量を支えると共に、アクチュエータの摩擦力が減衰力として作用するように設定されている。
【0005】
しかしながら、アクティブサスペンション装置に制御が加わらないとダンパの減衰力は最低になってしまうので、制御失陥の状況によっては、車体がロール方向に傾いたままの状態となり、乗員が通常の前輪操舵しただけでは車両を直進させられないおそれがあった。
【0006】
本発明は前記背景を鑑みてなされたもので、アクティブサスペンション装置の制御失陥により前記車両がロール方向に傾いた状態に保持されたときに車両が直進するように後輪を操舵する制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、車輪を車体に懸架するサスペンションをアクチュエータで駆動するアクティブサスペンション装置が設けられた車両の左右後輪を操舵制御する後輪操舵制御装置である。この装置は、前記車両の運動状態量を検出する状態量検出手段を備えている。そして、前記アクティブサスペンション装置の制御失陥により前記車両がロール方向に傾いた状態に保持されたとき、検出された前記運動状態量に基づいてロール角を算出し、このロール角に応じて前記車両が直進するように後輪を操舵するように構成されている。
【0008】
前記構成によれば、アクティブサスペンション装置のロール制御量、例えば、目標沈み込み量と検出された実ストローク量とを比較して車両がロール方向に傾いた状態に保持されていると判断されれば、この傾きを打ち消すように両後輪もしくは左右後輪を個別に操舵することができる。乗員は通常の前輪操舵することによって、車両を直進させることができる。
【0009】
前記構成において、前記状態量検出手段は、前記サスペンションのストローク量を検出し、予め設定されたストローク量とトー角との関係に基づき、検出された前記ストローク量に応じて後輪のトー角を設定する、もしくは、予め設定されたストローク量とキャンバー角との関係に基づき、検出された前記ストローク量に応じて後輪のキャンバー角を設定するように構成することができる。
【0010】
また、本発明は、検出された前記車両の全輪の接地荷重に基づいて左右前後輪それぞれの接地荷重の寄与率を算出し、前記車両が直進するように前記寄与率の補正量を算出し、補正された前記寄与率となるように後輪を操舵する構成とすることもできる。
【0011】
アクティブサスペンション装置が制御失陥となると、左右前後輪それぞれの接地荷重が変動する。車両がロール方向に傾いた状態では、直進時に左側車輪と右側車輪との接地荷重がアンバランスとなる。そこで、前記構成によれば、左右前後輪それぞれの接地荷重の寄与率に応じて、アンバランスを解消する方向に後輪を操舵することによって、左側車輪と右側車輪との接地荷重のバランスをとり、車両を直進させることができる。ただし、かかる後輪操舵制御はアクティブサスペンション制御失陥の際のフェイルセーフ的な処置であるため、その後のアクティブサスペンションの修理は必要となる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、アクティブサスペンション装置の制御失陥により前記車両がロール方向に傾いた状態に保持されたときに車両が直進するように後輪を操舵する制御装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の第1実施形態にかかる4輪自動車の概略構成図である。
【図2】本発明の第1実施形態にかかる制御装置要部の概略構成を示す機能ブロック図である。
【図3】本発明の第1実施形態にかかるストローク量とトー角との関係を表すマップの一例である。
【図4】本発明の第2実施形態にかかる制御装置の概略構成を示す機能ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
[第1実施形態]
以下、本発明にかかる後輪操舵制御装置を車両に適用した第1実施形態について図面を参照して説明する。説明にあたり、車輪やそれらに対して配置された部材、すなわち、タイヤや電動アクチュエータ等については、それぞれ数字の符号に左右を示す添字LまたはRを付して、例えば、後輪5L(左)、後輪5R(右)と記すとともに、総称する場合には、例えば、後輪5と記す。
【0015】
図1は本実施形態に係る後輪操舵制御装置10を適用した自動車Vの概略構成図である。車両Vは、タイヤ2L,2Rが装着された前輪3L,3Rと、タイヤ4L,4Rが装着された後輪5L,5Rとを備えており、これら前輪3L,3Rおよび後輪5L,5Rが、左右のフロントサスペンション6L,6Rおよびリヤサスペンション7L,7Rによってそれぞれ車体1に懸架されている。これらのサスペンションは特性を制御または沈み込み量を制御可能なアクティブサスペンションとしている。車体対する車高または支持荷重を変えるためのアクティブ手段は、特許文献1に開示されているように種々の公知の要領にてショックアブソーバまたはサスペンションスプリングに組み込まれるように構成することができる。
【0016】
また、車両Vには、ステアリングホイール8の操舵により、ラックアンドピニオン機構を介して左右の前輪3L,3Rを直接転舵する前輪操舵装置9と、左右のリヤサスペンション7L,7Rに対して設けられた左右のアクチュエータ11L,11Rを伸縮駆動することにより、後輪5L,5Rのトー角を個別に変化させる後輪操舵制御装置10とが備わっている。なお、アクチュエータ11L,11Rは電動アクチュエータを適用することができる。
【0017】
車両Vには、各種システムを統括制御するECU(Electronic Control Unit)12の他、車速センサ13や、前輪舵角センサ14、ヨーレートセンサ15、横加速度センサ16、アクティブサスペンション関連の観測量としてストロークセンサ18R,18L,19R,19L、荷重センサ20R,20L,21R,21Lの他、図示しない種々のセンサが設置されており、各センサの検出信号はECU12に入力して車両の制御に供される。なお、舵角センサ14はステアリングホイール8の操舵量を検出しており、その検出値から前輪3の転舵角が算出される。横加速度センサ16は車両の左右方向に作用する加速度を検出する。ストロークセンサ18,19は伸縮量を検出することにより車高を、荷重センサ20,21はサスペンションへの支持荷重を検出する。ここで、これらのセンサおよび後記するトー角センサ等は、車両の挙動にかかる車両状態量を検出する状態量検出手段を構成している。なお、図1においてストロークセンサ18,19および荷重センサ20,21を一つのセンサのように示しているが、これは図示上の煩雑さを回避するためである。
【0018】
ECU12は、マイクロコンピュータやROM、RAM、周辺回路、入出力インタフェース、各種ドライバ等から構成されており、通信回線を介して各センサ13〜21等や、アクチュエータ11と接続されている。ECU12は、各センサ13〜21等の検出結果に基づいて後輪トー角を算出し、各アクチュエータ11L,11Rの変位量を決定した上で後輪5のトー角制御を実行する。また、ECU12は、ロール制御量(例えば、目標沈み込み量)を算出し、アクティブサスペンションであるフロントサスペンション6L,6Rおよびリヤサスペンション7L,7Rのロール制御を実行する。
【0019】
各アクチュエータ11L,11Rには、出力ロッドのストローク位置を検出することによってトー角を取得するトー角センサ17L,17Rがそれぞれ設置されている。トー角センサ17L,17Rの信号がECU12に入力されることで、各アクチュエータ11L,11Rのフィードバック制御が行われる。これにより、各アクチュエータ11L,11Rは、ECU12によって決定された所定量だけ伸縮動し、後輪5L,5Rのトー角を正確に変化させる。
【0020】
このように構成された車両Vによれば、左右のアクチュエータ11L,11Rを同時に対称的に変位させることにより、両後輪5L,5Rのトーイン/トーアウトを適宜な条件の下に自由に制御することができる他、左右のアクチュエータ11L,11Rの一方を伸ばして他方を縮めれば、両後輪5L,5Rを左右に転舵することも可能である。例えば、車両Vは、各種センサによって把握される車両の運動状態に基づき、加速時に後輪5をトーアウトに、制動時に後輪5をトーインに変化させ、高速旋回走行時に後輪5を前輪舵角と同相に、低速旋回走行時に後輪5を前輪舵角と逆相にトー角制御(転舵)して、操縦性を高めるべく後輪トー角制御を行う。
【0021】
図2は本実施形態における車両の制御装置要部の機能ブロック図である。本実施形態の後輪操舵制御装置は、ECU12によって実現できる。ECU12は、一種のコンピュータであり、演算を実行するプロセッサ(CPU)、各種データを一時記憶する記憶領域およびプロセッサによる演算の作業領域を提供するランダム・アクセス・メモリ(RAM)、プロセッサが実行するプログラムおよび演算に使用する各種のデータが予め格納されている読み出し専用メモリ(ROM)、およびプロセッサによる演算の結果およびエンジン系統の各部から得られたデータのうち保存しておくものを格納する書き換え可能な不揮発性メモリを備えている。不揮発性メモリは、システム停止後も常時電圧供給されるバックアップ機能付きRAMで実現することができる。
【0022】
なお、図2では本実施形態にかかる要部を示しており、例えば、特許文献3に開示されている車両の左右後輪の目標トー角を設定する指示トー角算出手段と、前記車両の挙動にかかる車両状態量を検出する状態量検出手段とを備え、前記目標トー角と検出された実トー角との偏差に基づいて車両の左右後輪のトー角を変化させる後輪トー角制御装置の一般的な構成については説明を省略する場合がある。
【0023】
図2を参照すると、ECU12のアクティブサスペンション故障診断部120は、例えば、入力インタフェース(図示せず)を介して、アクティブサスペンションであるフロントサスペンション6およびリヤサスペンション7に設けられたストロークセンサ18,19の信号とアクティブサスペンションの操作量の信号を取得する。アクティブサスペンション故障診断部120は、両者を比較してアクティブサスペンションに関する制御が異常であるか否かを診断する。
【0024】
アクティブサスペンションが制御失陥であると診断されると、アクティブサスペンション故障診断部120は、その旨の信号を指示トー角修正部121へ送る。指示トー角修正部121は、ストロークセンサ18,19の信号を取得し、車両を直進させるようにロール角を決定しているストロークの伸縮量に応じた指示トー角を設定する。指示トー角の設定にあたっては、図3に示すような予め設定されたストローク量とトー角との関係を表すマップをECU12のメモリに格納し、これを参照することができる。このように本実施形態では、ロール角を車両状態量の一つであるストローク量に基づき決定して後輪のトー角制御量を算出する構成としているが、ストローク量からロール角を算出して、算出されたロール角とトー角との関係をマップとすることもできる。
【0025】
通常であれば、ECU12は、車速センサ13や、前輪舵角センサ14、ヨーレートセンサ15、横加速度センサ16や筒内圧センサ(図示せず)等から車両状態量を取得して算出もしくは推定されたエンジントルク、トランスミッションのギヤ比等に基づいて左右後輪5L,5Rの駆動力の推定を行い、この後輪駆動力の推定結果と横加速度センサ16の検出結果とから、指示トー角を設定している。
【0026】
しかしながら、本実施形態は、アクティブサスペンションの制御失陥により、車両がロール方向に傾いた状態に保持されたときに車両が直進するように後輪操舵制御を行うものであり、通常の制御は停止され、指示トー角修正部121が設定した指示トー角を優先するようにしている。
【0027】
次にECU12は、指示トー角から、アクチュエータ11に配設されたトー角センサ17によって検知され、入力インタフェース(図示せず)を介して、ECU12に送出された実トー角を減算して偏差eが算出される。偏差eはFB制御器122に入力され、FB制御器122はこの偏差を解消する向きにアクチュエータ11を駆動するための駆動信号を出力インタフェース(図示せず)を介して発生する。
【0028】
第1実施形態の構成によれば、アクティブサスペンション装置のロール制御量、例えば、目標沈み込み量と検出された実ストローク量とを比較して車両がロール方向に傾いた状態に保持されていると判断されれば、この傾きを打ち消すように両後輪もしくは左右後輪を個別に操舵することができる。乗員は通常の前輪操舵することによって、車両を直進させることができる。
【0029】
第1実施形態では、サスペンションのストローク量を検出し、予め設定されたストローク量とトー角との関係に基づき、検出されたストローク量に応じて後輪のトー角を設定する構成について説明した。かかる制御はトー角に限定されず、キャンバー角を修正することでも達成することができる。すなわち、予め設定されたストローク量とキャンバー角との関係に基づき、図3と同様なマップをECU12のメモリに格納し、検出されたストローク量に応じて後輪のキャンバー角を設定するように構成することもできる。ただし、かかる後輪操舵制御はアクティブサスペンション制御失陥の際のフェイルセーフ的な処置であるため、その後のアクティブサスペンションの修理は必要となる。
【0030】
[第2実施形態]
本発明の第二実施形態について図面を参照して説明する。図4は本実施形態にかかる制御装置の概略構成を示す機能ブロック図である。なお、前記した第1実施形態と共通する構成については説明を省略する場合がある。
【0031】
図4を参照すると、アクティブサスペンションが制御失陥であると診断されると、アクティブサスペンション故障診断部120は、その旨の信号を指示トー角修正部121へ送るまでは同様なプロセスを実行する。
【0032】
指示トー角修正部121は、アクティブサスペンションが制御失陥である旨の信号を受け取ると、荷重センサ20,21が検出した左右前後輪の荷重の信号を取得する。車両はアクティブサスペンションの制御失陥によってロール方向に傾いた状態となっており、直進する車両の重心は右もしくは左へ偏心する。指示トー角修正部121は、検出された接地荷重から各車輪への寄与率を算出する。
【0033】
車体がロール方向に傾けば、前後輪とも左右輪の一方は荷重が増し、他方は荷重が減少する。これは、一般的にロールによる荷重移動量と呼ばれるものである。前輪および後輪のロール角θrf、θrrは、次式のように算出することができることが知られている。
θrf=(ΔWf・Df−Gy・Ws・Lr・Hf/L)/Kf (1)
θrr=(ΔWr・Dr−Gy・Ws・Lf・Hr/L)/Kr (2)
【0034】
ここで、ΔWfは左右前輪の移動荷重、ΔWrは左右後輪の移動荷重、Dfは左右前輪間の距離、Drは左右後輪間の距離、Gyは横加速度、Wsは車両の重量、Lfは車両重心から前輪車軸までの距離、Lrは車両重心から後輪車軸までの距離、Lは前後輪の車軸間の距離、Hfは前輪車軸における地面からのロールセンタ高さ、Hrは後輪車軸における地面からのロールセンタ高さ、Kfは前輪側のロール剛性、Krは後輪側のロール剛性である。ロールセンタとは、車輪が上下・左右方向に剛でその接地点で不動としたときの車両の前後方向に直角な左右車輪の接地点を含む面内での車体の瞬間中心をいう。
【0035】
算出された各車輪への接地荷重の寄与率より移動荷重ΔWf,ΔWrが算出され、検出された運動状態量から横加速度Gyが取得され、ロール制御失陥でアクティブサスペンションが固定された状態からロール剛性Kf,Krが推定され、その他については車両の諸元から算出できることから、指示トー角修正部121は、式(1)(2)によってロール角θrf、θrrを算出することができる。
【0036】
指示トー角修正部121は、算出されたロール角θrf、θrrに応じて、車両を直進させるようにストローク量に応じた指示トー角を設定する。指示トー角の設定にあたっては、予め設定されたロール角とトー角との関係を表すマップをECU12のメモリに格納し、これを参照することができる。なお、本実施形態においても第1実施形態と同様にトー角ではなく、算出されたロール角に応じて後輪のキャンバー角を設定するように構成することもできる。
【0037】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明はこのような実施形態に限定されることはなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において改変して用いることができる。
【符号の説明】
【0038】
V 自動車
1 車体
3 前輪
5 後輪
6 フロントサスペンション
7 リアサスペンション(アクティブサスペンション)
10 後輪トー角制御装置
11 アクチュエータ
12 ECU
16 横加速度センサ
17 トー角センサ
18,19 ストロークセンサ(アクティブサスペンション)
20,21 荷重センサ
120 アクティブサスペンション故障診断部
121 後輪トー角修正部
122 FB制御器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車輪を車体に懸架するサスペンションをアクチュエータで駆動するアクティブサスペンション装置が設けられた車両の左右後輪を操舵制御する後輪操舵制御装置であって、
前記車両の運動状態量を検出する状態量検出手段を備え、
前記アクティブサスペンション装置の制御失陥により前記車両がロール方向に傾いた状態に保持されたとき、検出された前記運動状態量に基づいてロール角を算出し、このロール角に応じて前記車両が直進するように後輪を操舵することを特徴とする後輪操舵制御装置。
【請求項2】
前記状態量検出手段は、前記サスペンションのストローク量を検出し、
予め設定されたストローク量とトー角との関係に基づき、検出された前記ストローク量に応じて後輪のトー角を設定することを特徴とする請求項1に記載の後輪操舵制御装置。
【請求項3】
前記状態量検出手段は、前記サスペンションのストローク量を検出し、
予め設定されたストローク量とキャンバー角との関係に基づき、検出された前記ストローク量に応じて後輪のキャンバー角を設定することを特徴とする請求項1に記載の後輪操舵制御装置。
【請求項4】
車輪を車体に懸架するサスペンションをアクチュエータで駆動するアクティブサスペンション装置が設けられた車両の左右後輪を操舵制御する後輪操舵制御装置であって、
前記車両の運動状態量を検出する状態量検出手段を備え、
前記アクティブサスペンション装置の制御失陥により前記車両がロール方向に傾いた状態に保持されたとき、検出された前記車両の全輪の接地荷重に基づいて左右前後輪それぞれの接地荷重の寄与率を算出し、前記車両が直進するように前記寄与率の補正量を算出し、補正された前記寄与率となるように後輪を操舵することを特徴とする後輪操舵制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−234819(P2010−234819A)
【公開日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−81673(P2009−81673)
【出願日】平成21年3月30日(2009.3.30)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】