説明

車両用走行制御装置

【課題】燃費向上を優先させる運転モードにおいて運転者の負担が増大することを抑制する。
【解決手段】車両用走行制御装置10は、運転者の加速操作を検出して得られる検出結果の信号をAP入力値として出力するアクセルペダル開度センサ31と、AP入力値に基づいてAP出力値を設定し、AP出力値により内燃機関の制御をおこなう制御出力信号設定部44および制御出力信号補正部48および車両制御部49とを備え、自車両の運転状態として低燃費モードを設定する運転モード設定部45と、自車両の加速度を取得する加速度センサ32と、制限加速度を設定する制限加速度設定部46とを備え、低燃費モードが設定され、かつ、加速度が制限加速度よりも大きい場合に、加速度が制限加速度以下となるようにしてAP出力値を補正する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、車両用走行制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば自車両の燃料消費状況を自車両の運転者に対して表示する車両用燃費計が知られている(例えば、特許文献1参照)。
従来、例えば複数の異なる出力特性を有する運転モードとして、通常運転による第1モードと、出力を抑制した第2モードと、出力を増大させる第3モードとを設定しておき、操作者の入力操作に応じて複数の運転モードの何れか1つを選択する制御装置が知られている(例えば、特許文献2参照)。
【特許文献1】特許第3747015号公報
【特許文献2】特許第3872504号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、上記従来技術に係る車両用燃費計によれば、運転者は自車両の運転操作時に容易に燃料消費状況を把握することができる。しかしながら、この燃料消費状況の変化を確認しつつ自車両の燃料消費を削減して燃費を向上させるための適切な運転操作を実行することは容易ではなく、効率の良い運転操作をおこなうために過剰な負担が生じてしまうという問題が生じる。
また、上記従来技術に係る制御装置によれば、運転モードの切り替えに伴い、変速特性や内燃機関の目標トルクなどの駆動力特性が切り替わることから、例えば定速走行時などのように適宜の走行状態を維持する状態であっても、運転モード切替時に運転者のアクセル操作に応じたアクセルペダル開度と駆動力との対応関係が変化する虞があり、適宜の走行状態を維持するために必要とされる運転操作の手間が煩雑となったり、運転操作に対する負担が増大してしまうという問題が生じる。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、燃費向上を優先させる運転モードにおいて運転者の負担が増大することを抑制することが可能な車両用走行制御装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記課題を解決して係る目的を達成するために、本発明の第1態様に係る車両用走行制御装置は、自車両に搭載され駆動力を発生する駆動手段(例えば、実施の形態での内燃機関)と、運転者の加速操作を検出して得られる検出結果の信号を操作入力信号(例えば、実施の形態でのAP入力値)として出力する加速操作検出手段(例えば、実施の形態でのアクセルペダル開度センサ31)と、前記加速操作検出手段から出力される前記操作入力信号に基づいて制御出力信号(例えば、実施の形態でのAP出力値)を設定し、該制御出力信号により前記駆動手段の制御をおこなう駆動力制御手段(例えば、実施の形態での制御出力信号設定部44および制御出力信号補正部48および車両制御部49)とを備える車両用走行制御装置であって、自車両の運転状態として低燃費モードを設定するモード設定手段(例えば、実施の形態での運転モード設定部45)と、自車両の加速度を取得する加速度取得手段(例えば、実施の形態での加速度センサ32)と、制限加速度を設定する制限加速度設定手段(例えば、実施の形態での制限加速度設定部46)とを備え、前記駆動力制御手段は、前記モード設定手段により前記低燃費モードが設定された場合に、前記加速度と前記制限加速度とに基づいて前記制御出力信号を補正する。
【0005】
さらに、本発明の第2態様に係る車両用走行制御装置では、前記駆動力制御手段は、前記加速度取得手段により取得される前記加速度が前記制限加速度設定手段により設定される前記制限加速度よりも大きい場合に、前記加速度が前記制限加速度以下となるように前記制御出力信号を補正する。
【0006】
また、本発明の第3態様に係る車両用走行制御装置は、自車両に搭載され駆動力を発生する駆動手段(例えば、実施の形態での内燃機関)と、運転者の加速操作を検出して得られる検出結果の信号を操作入力信号として出力する加速操作検出手段(例えば、実施の形態でのアクセルペダル開度センサ31)と、前記加速操作検出手段から出力される前記操作入力信号に基づいて制御出力信号を設定し、該制御出力信号により前記駆動手段の制御をおこなう駆動力制御手段(例えば、実施の形態での制御出力信号設定部44および制御出力信号補正部48および車両制御部49)とを備える車両用走行制御装置であって、自車両の運転状態として低燃費モードを設定するモード設定手段(例えば、実施の形態での運転モード設定部45)と、自車両の加速度を取得する加速度取得手段(例えば、実施の形態での加速度センサ32)と、制限加速度を設定する制限加速度設定手段(例えば、実施の形態での制限加速度設定部46)と、前記加速度取得手段により取得される前記加速度が前記制限加速度設定手段により設定される前記制限加速度となるように前記駆動力制御手段により設定される前記制御出力信号を制限出力信号(例えば、実施の形態でのステップS32にて設定されるAP出力値)とする制限出力取得手段(例えば、実施の形態でのステップS32)とを備え、前記駆動力制御手段は、前記モード設定手段により前記低燃費モードが設定され、かつ、前記操作入力信号に応じて設定する前記制御出力信号が前記制限出力取得手段により取得される前記制限出力以上の場合に、前記制限出力信号により前記駆動手段の制御をおこなう。
【0007】
さらに、本発明の第4態様に係る車両用走行制御装置は、前記操作入力信号に基づいて前記制限加速度を補正する制限加速度補正手段(例えば、実施の形態でのステップS07〜ステップS09)を備える。
【0008】
さらに、本発明の第5態様に係る車両用走行制御装置では、前記制限加速度補正手段は、前記操作入力信号に応じて前記駆動力制御手段により設定される前記制御出力信号と、前記駆動力制御手段から出力されている前記制御出力信号との偏差に基づいて前記制限加速度を補正する。
【0009】
さらに、本発明の第6態様に係る車両用走行制御装置では、前記制限加速度補正手段は、前記操作入力信号の変化速度に基づいて前記制限加速度を補正する。
【0010】
さらに、本発明の第7態様に係る車両用走行制御装置は、自車両の走行速度を検出する走行速度検出手段(例えば、実施の形態での車速センサ33)と、前記走行速度検出手段により検出された前記走行速度に基づいて前記制限加速度を補正する速度起因加速度補正手段(例えば、実施の形態でのステップS10)とを備える。
【0011】
さらに、本発明の第8態様に係る車両用走行制御装置は、自車両の先行車両を検出する先行車両検出手段(例えば、実施の形態での先行車両検出部41)と、前記先行車両検出手段による検出結果に基づいて前記制限加速度を補正する先行車両起因加速度補正手段(例えば、実施の形態でのステップS11およびステップS12)とを備える。
【0012】
さらに、本発明の第9態様に係る車両用走行制御装置では、前記先行車両起因加速度補正手段は、前記先行車両検出手段により検出された前記先行車両と自車両との相対距離および自車両に対する前記先行車両の相対速度のうちの少なくとも何れか1つに基づいて前記制限加速度を補正する。
【0013】
さらに、本発明の第10態様に係る車両用走行制御装置は、自車両の後続車両を検出する後続車両検出手段(例えば、実施の形態での後続車両検出部42)と、前記後続車両検出手段による検出結果に基づいて前記制限加速度を補正する後続車両起因加速度補正手段(例えば、実施の形態でのステップS13およびステップS14)とを備える。
【0014】
さらに、本発明の第11態様に係る車両用走行制御装置では、前記後続車両起因加速度補正手段は、前記後続車両検出手段により検出された前記後続車両と自車両との相対距離および自車両に対する前記後続車両の相対速度のうちの少なくとも何れか1つに基づいて前記制限加速度を補正する。
【0015】
さらに、本発明の第12態様に係る車両用走行制御装置は、自車両の運転者の入力操作により前記制限加速度を変更する制限加速度変更スイッチ(例えば、実施の形態での入力装置13)と、前記制限加速度変更スイッチに対する前記入力操作に基づいて前記制限加速度を補正する入力操作起因加速度補正手段(例えば、実施の形態での制限加速度補正部47)とを備える。
【発明の効果】
【0016】
本発明の第1態様に係る車両用走行制御装置によれば、燃費向上を優先させる運転状態として低燃費モードの実行が設定されている場合には、自車両の加速度と制限加速度とに基づいて駆動力が自動的に制御されることから、運転者に必要とされる運転操作が煩雑となったり、所定の運転操作を実行するための負担が増大してしまうことを防止しつつ、容易に燃費の向上を優先させることができる。しかも、例えば定速走行状態を維持しつつ低燃費モードへの切り替えが実行されたとしても加速度が制御されるだけであり、運転者の加速操作(例えば、アクセルペダルの踏み込み操作など)に応じた操作入力信号の大きさと駆動力に対する目標値(例えば、適宜の速度による走行を維持するために必要とされる駆動力など)との対応関係は変更されず、駆動力が目標値に到達するまでに亘る期間での加速度が制限されるだけであるから、定速走行状態を維持するための特別な運転操作の実行を必要とせず、必要とされる運転操作を簡略化させることができる。
【0017】
さらに、本発明の第2態様に係る車両用走行制御装置によれば、燃費向上を優先させる運転状態として低燃費モードの実行が設定されている場合には、自車両の加速度が制限加速度以下となるようにして駆動力が自動的に制御されることから、運転者に必要とされる加速度を得るための運転操作が煩雑となったり、所定の運転操作を実行するための負担が増大してしまうことを防止しつつ、容易に燃費の向上を優先させることができる。
【0018】
また、本発明の第3態様に係る車両用走行制御装置によれば、燃費向上を優先させる運転状態として低燃費モードの実行が設定されている状態では、操作入力信号に応じた制御出力信号が、加速度を制限加速度以下とする制限出力よりも大きい場合に、自動的に制限出力信号により駆動手段の制御が行われることから、運転者に必要とされる運転操作が煩雑となったり、所定の運転操作を実行するための負担が増大してしまうことを防止しつつ、容易に燃費の向上を優先させることができる。しかも、例えば定速走行状態を維持しつつ低燃費モードへの切り替えが実行されたとしても加速度が制御されるだけであり、運転者の加速操作(例えば、アクセルペダルの踏み込み操作など)に応じた操作入力信号の大きさと駆動力に対する目標値(例えば、適宜の速度による走行を維持するために必要とされる駆動力など)との対応関係は変更されず、駆動力が目標値に到達するまでに亘る期間での加速度が制限加速度以下となるよう制御されるだけであるから、定速走行状態を維持するための特別な運転操作の実行を必要とせず、必要とされる運転操作を簡略化させることができる。
【0019】
さらに、本発明の第4態様に係る車両用走行制御装置によれば、制限加速度に対して運転者の運転意思を適切に反映させることができる。
さらに、本発明の第5態様に係る車両用走行制御装置によれば、運転者の運転意思が直接的に反映された制御出力信号と、実際に出力されている制御出力信号との偏差に基づいて制限加速度を補正することにより、制限加速度に対して運転者の運転意思を適切に反映させることができる。例えば、操作入力信号に応じて駆動力制御手段により設定される制御出力信号が、実際に出力されている制御出力信号よりも大きい場合には、運転者が加速の増大を望んでいると判断して、制限加速度の増大を許容することにより、運転者の運転意思を制限加速度に適切に反映させることができる。
【0020】
さらに、本発明の第6態様に係る車両用走行制御装置によれば、運転者の運転意思が直接的に反映された操作入力信号の変化速度に基づいて、運転者の運転意思を制限加速度に適切に反映させることができる。
【0021】
さらに、本発明の第7態様に係る車両用走行制御装置によれば、自車両の加速特性や燃費特性が走行速度に応じて変化する場合であっても、走行速度に基づいて制限加速度を補正することにより、適切な加速特性および燃費特性を確保することができる。
【0022】
さらに、本発明の第8態様および第9態様に係る車両用走行制御装置によれば、先行車両が存在する場合には、先行車両の走行状態に応じて自車両の加速を抑制する可能性が高いことから、先行車両と自車両との相対距離および自車両に対する先行車両の相対速度のうちの少なくとも何れか1つに基づいて制限加速度を補正することで、先行車両に応じた適切な加速特性および燃費特性を確保することができる。
【0023】
さらに、本発明の第10態様および第11態様に係る車両用走行制御装置によれば、後続車両が存在しない場合、あるいは、後続車両と自車両との関係度合いが低い場合には、自車両の加速を抑制することが可能であり、後続車両と自車両との相対距離および自車両に対する後続車両の相対速度のうちの少なくとも何れか1つに基づいて制限加速度を補正することで、適切な加速特性および燃費特性を確保することができる。
【0024】
さらに、本発明の第12態様に係る車両用走行制御装置によれば、運転者の運転意思を制限加速度に適切に反映させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、本発明の一実施形態に係る車両用走行制御装置について添付図面を参照しながら説明する。
本実施の形態による車両用走行制御装置10は、例えば図1に示すように、内燃機関(E)の駆動力をトランスミッション(T/M)を介して車両の駆動輪(図示略)に伝達する車両に搭載され、外界センサ11と、車両状態センサ12と、入力装置13と、処理装置14と、スロットルアクチュエータ15と、報知装置16とを備えて構成されている。
【0026】
外界センサ11は、例えばレーザ光やミリ波などの電磁波によるビームスキャン型の前方レーダ21および後方レーダ23と、レーダ制御部22,24と、例えば可視光領域や赤外線領域にて撮像可能な外界カメラ25と、画像処理部26と、を備えて構成されている。
【0027】
例えばレーダ制御部22,24は、例えば自車両の進行方向前方および進行方向後方に設定された各検出対象領域を角度方向に複数の領域に分割し、各領域を走査するようにして、電磁波の発信信号を発信すると共に、各発信信号が自車両の外部の物体によって反射されることで生じた反射信号を受信し、反射信号と発信信号とを混合してビート信号を生成し、処理装置14に出力する。
【0028】
また、例えば画像処理部26は、自車両の外界(例えば、進行方向前方など)の検出対象領域を撮影可能な外界カメラ25により撮影して得た自車両の外界の画像に対して、例えばフィルタリングや二値化処理等の所定の画像処理を行い、二次元配列の画素からなる画像データを生成し、処理装置14に出力する。
【0029】
車両状態センサ12は、自車両の車両情報として、例えば、運転者によるアクセルペダルの踏み込み操作量に応じたアクセルペダル開度を検出するアクセルペダル開度センサ31と、自車両の加速度を検出する加速度センサ32と、自車両の速度(車速)を検出する車速センサ33と、車体の姿勢や進行方向を検出するジャイロセンサと、ヨーレート(車両重心の上下方向軸回りの回転角速度)を検出するヨーレートセンサと、例えば人工衛星を利用して自車両の位置を測定するためのGPS(Global Positioning System)信号などの測位信号を受信する受信機と、セレクトレバー(図示略)を介して運転者により選択される変速機構(図示略)の状態に応じたシフトポジションを検出するシフトポジションセンサ34と、変速機構の変速比を検出する変速状態センサ35と、走行路の勾配を検出する道路勾配センサ36などを備えて構成されている。
【0030】
入力装置13は、例えば操作者により操作可能な各種の操作スイッチや音声入力装置などを備え、操作者による各種の入力操作(例えば、手による入力や音声入力など)に応じた信号、例えば所定の運転モードの実行を指示する信号や、例えば燃費の目標値(目標燃費)を指定する信号や、後述する制限加速度として適宜の値を指定する信号など、を処理装置14に出力する。
【0031】
処理装置14は、例えば先行車両検出部41と、後続車両検出部42と、相対関係算出部43と、制御出力信号設定部44と、運転モード設定部45と、制限加速度設定部46と、制限加速度補正部47と、制御出力信号補正部48と、車両制御部49とを備えて構成されている。
【0032】
先行車両検出部41は、外界センサ11から出力されるビート信号または画像データに基づき、自車両の進行方向前方に設定された各検出対象領域内に存在する先行車両の位置に係る情報を検出する。
例えば先行車両検出部41は、外界センサ11のレーダ制御部22から出力されるビート信号に基づき、先行車両までの距離(例えば、自車両に対する相対距離)および方位(角度)を検出する。
また、先行車両検出部41は、例えばステレオカメラからなる外界カメラ25により撮影されて画像処理部26から出力される1対の画像データに基づき、車室内に所定間隔を隔てて設置された1対のカメラ同士間の距離と、撮像により得られた1対の画像データ上の物体の視差と、に基づく三角測量法などにより、先行車両までの距離(例えば、自車両に対する相対距離)を検出する。
【0033】
後続車両検出部42は、外界センサ11から出力されるビート信号または画像データに基づき、自車両の進行方向後方に設定された各検出対象領域内に存在する後続車両の位置に係る情報を検出する。
例えば後続車両検出部42は、外界センサ11のレーダ制御部24から出力されるビート信号に基づき、後続車両までの距離(例えば、自車両に対する相対距離)および方位(角度)を検出する。
また、後続車両検出部42は、例えばステレオカメラからなる外界カメラ25により撮影されて画像処理部26から出力される1対の画像データに基づき、車室内に所定間隔を隔てて設置された1対のカメラ同士間の距離と、撮像により得られた1対の画像データ上の物体の視差と、に基づく三角測量法などにより、後続車両までの距離(例えば、自車両に対する相対距離)を検出する。
【0034】
相対関係算出部43は、先行車両検出部41および後続車両検出部42により検出された先行車両の位置および後続車両の位置に係る情報に基づき、自車両に対する先行車両および後続車両の相対距離に係る相対関係、例えば先行車両の位置の時間変化に基づく先行車両の速度(例えば、自車両に対する相対速度)および後続先行車両の位置の時間変化に基づく後続車両の速度(例えば、自車両に対する相対速度)などを算出する。
【0035】
制御出力信号設定部44は、運転者の加速操作(例えば、アクセルペダル(AP)の踏み込み操作など)を検出して得られる検出結果の信号を操作入力信号(例えば、アクセルペダル開度に対するAP入力値など)として、この操作入力信号に基づいて内燃機関(E)の駆動力を制御することを指示する制御出力信号(例えば、アクセルペダル開度に対するAP出力値、または、スロットル開度に対する信号、または、エンジン負圧に対する信号、または、エンジントルクに対する信号など)を設定する。
さらに、制御出力信号設定部44は、後述する制御出力信号補正部48から制御出力信号の補正を指示する信号が出力されている場合には、この信号に応じて制御出力信号を補正する。
【0036】
運転モード設定部45は、例えば入力装置13から出力される所定の運転モードの実行を指示する信号(例えば、燃費向上を優先させる運転状態として低燃費モードの実行など)に応じて、自車両の運転モードを設定する。
【0037】
制限加速度設定部46は、例えば入力装置13から出力される適宜の制限加速度の値を指定する信号(例えば、相対的に大きな制限加速度として出力可能な最大加速度の1/4程度である0.1G、相対的に中程度の大きさの制限加速度として自動的なクルーズ走行時に出力可能な加速度程度である0.06G、相対的に小さな制限加速度としての0.03Gなどの値を指定する信号)に応じて、制限加速度を設定する。
さらに、制限加速度設定部46は、後述する制限加速度補正部47から制限加速度の補正を指示する制限加速度補正係数の信号が出力されている場合には、この信号に応じて制限加速度を補正する。
【0038】
制限加速度補正部47は、例えば、相対関係算出部43から出力される自車両に対する先行車両および後続車両の相対距離に係る相対関係(例えば、相対距離および相対速度など)と、車両状態センサ12から出力される自車両の車両情報と、入力装置13から出力される信号(例えば、目標燃費を指定する信号など)とに基づき、制限加速度を補正する制限加速度補正係数を、例えば所定マップに対するマップ検索などにより取得して出力する。
【0039】
制御出力信号補正部48は、例えば、車両状態センサ12から出力される自車両の車両情報(例えば、加速度など)と、運転モード設定部45から出力される運転モードと、制限加速度設定部46から出力される制限加速度とに基づき、制御出力信号の補正を指示する信号を出力する。
例えば、制御出力信号補正部48は、運転モード設定部45により低燃費モードが設定され、かつ、車両状態センサ12の加速度センサ32により検出された加速度が制限加速度設定部46により設定される制限加速度よりも大きい場合に、加速度センサ32により検出される加速度が制限加速度以下となるようにして制御出力信号を補正することを指示する信号を出力する。
【0040】
車両制御部49は、例えば制御出力信号設定部44から出力される制御出力信号(例えば、アクセルペダル開度に対するAP出力値、または、スロットル開度に対する信号、または、エンジン負圧に対する信号、または、エンジントルクに対する信号など)に応じて内燃機関(E)の駆動力を制御すると共に、運転モード設定部45から出力される運転モードに応じて、報知装置16による報知動作を制御する。
なお、報知装置16は、例えばスピーカおよび表示装置などを備え、例えば運転モードとして低燃費モードが設定されていることを、音声および表示の少なくとも何れか1つによって乗員に報知する。
【0041】
本実施の形態による車両用走行制御装置10は上記構成を備えており、次に、この車両用走行制御装置10の動作について説明する。
【0042】
先ず、例えば図2に示すステップS01においては、車両状態センサ12の加速度センサ32により検出された自車両の加速度を取得する。
そして、ステップS02においては、自車両の走行路の勾配(道路勾配)を取得する。
そして、ステップS03においては、この時点でのAP出力値(現在値)をAP出力値(前回値)として設定する。
そして、ステップS04においては、自車両の運転モードとして、低燃費モードが設定されているか否かを判定する。
この判定結果が「NO」の場合には、後述するステップS22に進む。
一方、この判定結果が「YES」の場合には、ステップS05に進む。
【0043】
そして、ステップS05においては、自車両の運転モードとして、低燃費モードが設定されていることを、報知装置16により自車両の乗員に報知する。
そして、ステップS06においては、例えば運転者による入力操作に応じて入力装置13から出力される適宜の制限加速度の値を指定する信号(制限加速度指示入力操作)に応じて、制限加速度の初期値を設定する。
【0044】
そして、ステップS07においては、AP入力値に応じた所定マップに対するマップ検索等によって、制限加速度補正係数を取得する。
なお、この所定マップは、例えば図3に示すように、AP入力値と制限加速度補正係数との所定の対応関係を示すマップであって、例えばAP入力値がゼロから増大することに伴い、制限加速度補正係数は、ゼロよりも大きく、かつ、1よりも小さい所定の初期値から、1に向かい収束するようにして、増大傾向に変化するように設定されている。
【0045】
そして、ステップS08においては、AP入力値とAP出力値との差(AP入力値−AP出力値)に応じた所定マップに対するマップ検索等によって、制限加速度補正係数を取得する。
なお、この所定マップは、例えば図4に示すように、差(AP入力値−AP出力値)と制限加速度補正係数との所定の対応関係を示すマップであって、例えば差(AP入力値−AP出力値)がゼロから増大することに伴い、制限加速度補正係数は、ゼロよりも大きく、かつ、1よりも小さい所定の初期値から、1に向かい収束するようにして、増大傾向に変化するように設定されている。
【0046】
そして、ステップS09においては、AP入力値の変化速度に応じた所定マップに対するマップ検索等によって、制限加速度補正係数を取得する。
なお、この所定マップは、例えば図5に示すように、AP入力値の変化速度と制限加速度補正係数との所定の対応関係を示すマップであって、例えばAP入力値の変化速度がゼロから増大することに伴い、制限加速度補正係数は、ゼロよりも大きく、かつ、1よりも小さい所定の初期値から、1よりも大きい所定値に向かい収束するようにして、増大傾向に変化するように設定されている。
【0047】
そして、ステップS10においては、自車両の車速に応じた所定マップに対するマップ検索等によって、制限加速度補正係数を取得する。
なお、この所定マップは、例えば図6に示すように、車速と制限加速度補正係数との所定の対応関係を示すマップであって、例えば車速がゼロから増大することに伴い、制限加速度補正係数は、1よりも大きい所定値から、1よりも小さく、かつ、ゼロよりも大きい所定値に向かい収束するようにして、減少傾向に変化するように設定されている。
【0048】
そして、ステップS11においては、先行車両の相対距離(自車両から先行車両までの距離)に応じた所定マップに対するマップ検索等によって、制限加速度補正係数を取得する。
なお、この所定マップは、例えば図7に示すように、先行車両の相対距離と制限加速度補正係数との所定の対応関係を示すマップであって、例えば先行車両の相対距離がゼロから増大することに伴い、制限加速度補正係数は、ゼロよりも大きく、かつ、1よりも小さい所定の初期値から、増大傾向に変化するように設定されている。
【0049】
そして、ステップS12においては、先行車両の相対速度(自車両を基準とした先行車両の速度)に応じた所定マップに対するマップ検索等によって、制限加速度補正係数を取得する。
なお、この所定マップは、例えば図8に示すように、先行車両の相対速度と制限加速度補正係数との所定の対応関係を示すマップであって、例えば先行車両の相対速度がゼロから増大することに伴い、制限加速度補正係数は、ゼロよりも大きく、かつ、1よりも小さい所定の初期値から、増大傾向に変化するように設定されている。
【0050】
そして、ステップS13においては、後続車両の相対距離(自車両から後続車両までの距離)に応じた所定マップに対するマップ検索等によって、制限加速度補正係数を取得する。
なお、この所定マップは、例えば図9に示すように、後続車両の相対距離と制限加速度補正係数との所定の対応関係を示すマップであって、例えば後続車両の相対距離がゼロから増大することに伴い、制限加速度補正係数は、1よりも大きい所定の初期値から、減少傾向に変化するように設定されている。
【0051】
そして、ステップS14においては、後続車両の相対速度(後続車両を基準とした自車両の速度)に応じた所定マップに対するマップ検索等によって、制限加速度補正係数を取得する。
なお、この所定マップは、例えば図10に示すように、後続車両の相対速度と制限加速度補正係数との所定の対応関係を示すマップであって、例えば後続車両の相対速度がゼロから増大することに伴い、制限加速度補正係数は、1よりも大きい所定の初期値から、減少傾向に変化するように設定されている。
【0052】
そして、ステップS15においては、道路勾配に応じた所定マップに対するマップ検索等によって、制限加速度補正係数を取得する。
なお、この所定マップは、例えば図11に示すように、道路勾配と制限加速度補正係数との所定の対応関係を示すマップであって、例えば上り勾配を正とする道路勾配がゼロから増大することに伴い、制限加速度補正係数は、1よりも小さく、かつ、ゼロよりも大きい所定の初期値から、減少傾向に変化するように設定されている。
【0053】
そして、ステップS16においては、車両状態センサ12から出力される自車両の車両情報に基づき実際の燃費(実燃費)を算出し、目標燃費と実燃費との差(実燃費−目標燃費)に応じた所定マップに対するマップ検索等によって、制限加速度補正係数を取得する。
なお、この所定マップは、例えば図12に示すように、差(実燃費−目標燃費)と制限加速度補正係数との所定の対応関係を示すマップであって、例えば差(実燃費−目標燃費)がゼロから増大することに伴い、制限加速度補正係数は、1よりも大きい所定の初期値から、減少傾向に変化するように設定されている。
【0054】
そして、ステップS17においては、上述したステップS07〜ステップS16の各処理において算出された各制限加速度補正係数を、制限加速度に乗算して得た値を、新たに制限加速度として設定することで、制限加速度を補正する。
そして、ステップS18においては、この時点での加速度偏差(現在値)を加速度偏差(前回値)として設定する。
そして、ステップS19においては、制限加速度から車両状態センサ12により検出された加速度を減算して得た値(制限加速度−加速度)を加速度偏差として設定する。
そして、ステップS20においては、加速度偏差を時間微分することで加速度偏差微分値を算出する。
【0055】
そして、例えば図13に示すステップS21においては、加速度は制限加速度よりも大きいか否かを判定する。
この判定結果が「NO」の場合には、ステップS22に進み、このステップS22においては、AP出力値にAP入力値を設定して、処理を終了する。
一方、この判定結果が「YES」の場合には、ステップS23に進む。
そして、ステップS23においては、例えばPD(比例微分)動作による比例ゲインPを加速度偏差に演算して得た値(P×加速度偏差)と、微分ゲインDを加速度偏差微分値に演算して得た値(D×加速度偏差微分値)とを、加算して得た値を、ΔAP出力値として設定する。
そして、ステップS24においては、AP出力値(前回値)にΔAP出力値を加算して得た値を、新たにAP出力値として設定し、処理を終了する。
【0056】
上述したように、本実施の形態による車両用走行制御装置10によれば、燃費向上を優先させる運転状態として低燃費モードの実行が設定されている場合には、自車両の加速度が制限加速度以下となるようにして内燃機関(E)の駆動力が自動的に制御されることから、運転者に必要とされる運転操作が煩雑となったり、所定の運転操作を実行するための負担が増大してしまうことを防止しつつ、容易に燃費の向上を優先させることができる。しかも、例えば定速走行状態を維持しつつ低燃費モードへの切り替えが実行されたとしても加速度が制御されるだけであり、運転者の加速操作(例えば、アクセルペダルの踏み込み操作など)に応じた操作入力信号(AP入力値)の大きさと駆動力に対する目標値(例えば、適宜の速度による走行を維持するために必要とされる駆動力など)との対応関係は変更されず、駆動力が目標値に到達するまでに亘る期間での加速度が制限加速度以下となるよう制御されるだけであるから、定速走行状態を維持するための特別な運転操作の実行を必要とせず、必要とされる運転操作を簡略化させることができる。
【0057】
さらに、操作入力信号(AP入力値)に基づいて制限加速度を補正することにより、制限加速度に対して運転者の運転意思を適切に反映させることができる。
さらに、運転者の運転意思が直接的に反映された制御出力信号(例えば、AP入力値と同等のAP出力値)と、実際に出力されている制御出力信号(例えば、AP出力値)との偏差に基づいて制限加速度を補正することにより、制限加速度に対して運転者の運転意思を適切に反映させることができる。例えば、AP入力値が、実際に出力されているAP出力値よりも大きい場合には、運転者が加速の増大を望んでいると判断して、制限加速度の増大を許容することにより、運転者の運転意思を制限加速度に適切に反映させることができる。
【0058】
さらに、運転者の運転意思が直接的に反映された操作入力信号(AP入力値)の変化速度に基づいて、運転者の運転意思を制限加速度に適切に反映させることができる。
さらに、自車両の加速特性や燃費特性が自車両の車速に応じて変化する場合であっても、車速に基づいて制限加速度を補正することにより、適切な加速特性および燃費特性を確保することができる。
【0059】
さらに、先行車両が存在する場合には、先行車両の走行状態に応じて自車両の加速を抑制する可能性が高いことから、先行車両と自車両との相対距離および自車両に対する先行車両の相対速度のうちの少なくとも何れか1つに基づいて制限加速度を補正することで、先行車両に応じた適切な加速特性および燃費特性を確保することができる。
【0060】
さらに、後続車両が存在しない場合、あるいは、後続車両と自車両との関係度合いが低い場合には、後続車両に影響を与えずに自車両の加速を抑制することが可能であり、後続車両と自車両との相対距離および自車両に対する後続車両の相対速度のうちの少なくとも何れか1つに基づいて制限加速度を補正することで、適切な加速特性および燃費特性を確保することができる。
【0061】
なお、上述した実施の形態において、制御出力信号補正部48は、運転モード設定部45により低燃費モードが設定され、かつ、車両状態センサ12の加速度センサ32により検出された加速度が制限加速度設定部46により設定される制限加速度よりも大きい場合に、加速度センサ32により検出される加速度が制限加速度以下となるようにして制御出力信号を補正すること指示する信号を出力するとしたが、これに限定されず、例えば車両状態センサ12の加速度センサ32により検出される加速度が制限加速度設定部46により設定される制限加速度となるようにして制御出力信号設定部44から出力される制御出力信号を制限出力信号として、運転モード設定部45により低燃費モードが設定され、かつ、操作入力信号に応じて制御出力信号設定部44により設定される制御出力信号が制限出力以上の場合に、制御出力信号として制限出力信号を設定すること指示する信号を出力してもよい。
【0062】
この変形例では、例えば図14に示すように、上述したステップS20の処理の実行後に、ステップS31に進み、このステップS31においては、例えばPD(比例微分)動作による比例ゲインPを加速度偏差に演算して得た値(P×加速度偏差)と、微分ゲインDを加速度偏差微分値に演算して得た値(D×加速度偏差微分値)とを、加算して得た値を、ΔAP出力値として設定する。
そして、ステップS32においては、AP出力値(前回値)にΔAP出力値を加算して得た値を、新たにAP出力値として設定する。
そして、ステップS33においては、AP入力値はAP出力値よりも大きいか否かを判定する。
この判定結果が「NO」の場合には、ステップS34に進み、このステップS34においては、AP出力値にAP入力値を設定して、処理を終了する。
一方、この判定結果が「YES」の場合には、処理を終了する。
【0063】
なお、上述した実施の形態および変形例では、さらに、車両状態センサ12から出力されるシフトポジションや変速機構の変速比などに応じて、制限加速度を補正してもよい。
また、上述した実施の形態および変形例では、さらに、制限加速度の補正に加えて、自車両の加速度を制御する際の制御ゲインを補正してもよい。この場合には、加速度にハンチング等が生じることを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】本発明の実施の形態に係る車両用走行制御装置の構成図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る車両用走行制御装置の動作を示すフローチャートである。
【図3】本発明の実施の形態に係るAP入力値と制限加速度補正係数との所定の対応関係を示すマップの例を示すグラフ図である。
【図4】本発明の実施の形態に係るAP入力値とAP出力値との差(AP入力値−AP出力値)と制限加速度補正係数との所定の対応関係を示すマップの例を示すグラフ図である。
【図5】本発明の実施の形態に係るAP入力値の変化速度と制限加速度補正係数との所定の対応関係を示すマップの例を示すグラフ図である。
【図6】本発明の実施の形態に係る車速と制限加速度補正係数との所定の対応関係を示すマップの例を示すグラフ図である。
【図7】本発明の実施の形態に係る先行車両の相対距離と制限加速度補正係数との所定の対応関係を示すマップの例を示すグラフ図である。
【図8】本発明の実施の形態に係る先行車両の相対速度と制限加速度補正係数との所定の対応関係を示すマップの例を示すグラフ図である。
【図9】本発明の実施の形態に係る後続車両の相対距離と制限加速度補正係数との所定の対応関係を示すマップの例を示すグラフ図である。
【図10】本発明の実施の形態に係る後続車両の相対速度と制限加速度補正係数との所定の対応関係を示すマップの例を示すグラフ図である。
【図11】本発明の実施の形態に係る道路勾配と制限加速度補正係数との所定の対応関係を示すマップの例を示すグラフ図である。
【図12】本発明の実施の形態に係る目標燃費と実燃費との差(実燃費−目標燃費)と制限加速度補正係数との所定の対応関係を示すマップの例を示すグラフ図である。
【図13】本発明の実施の形態に係る車両用走行制御装置の動作を示すフローチャートである。
【図14】本発明の実施の形態の変形例に係る車両用走行制御装置の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0065】
10 車両用走行制御装置
31 アクセルペダル開度センサ(加速操作検出手段)
32 加速度センサ(加速度取得手段)
33 車速センサ(走行速度検出手段)
41 先行車両検出部(先行車両検出手段)
42 後続車両検出部(後続車両検出手段)
44 制御出力信号設定部(駆動力制御手段)
45 運転モード設定部(モード設定手段)
46 制限加速度設定部(制限加速度設定手段)
47 制限加速度補正部(入力操作起因加速度補正手段)
48 制御出力信号補正部(駆動力制御手段)
49 車両制御部(駆動力制御手段)
ステップS07〜ステップS09 制限加速度補正手段
ステップS10 速度起因加速度補正手段
ステップS11およびステップS12 先行車両起因加速度補正手段
ステップS13およびステップS14 後続車両起因加速度補正手段
ステップS32 制限出力取得手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自車両に搭載され駆動力を発生する駆動手段と、
運転者の加速操作を検出して得られる検出結果の信号を操作入力信号として出力する加速操作検出手段と、
前記加速操作検出手段から出力される前記操作入力信号に基づいて制御出力信号を設定し、該制御出力信号により前記駆動手段の制御をおこなう駆動力制御手段とを備える車両用走行制御装置であって、
自車両の運転状態として低燃費モードを設定するモード設定手段と、
自車両の加速度を取得する加速度取得手段と、
制限加速度を設定する制限加速度設定手段とを備え、
前記駆動力制御手段は、前記モード設定手段により前記低燃費モードが設定された場合に、前記加速度と前記制限加速度とに基づいて前記制御出力信号を補正することを特徴とする車両用走行制御装置。
【請求項2】
前記駆動力制御手段は、前記加速度取得手段により取得される前記加速度が前記制限加速度設定手段により設定される前記制限加速度よりも大きい場合に、前記加速度が前記制限加速度以下となるように前記制御出力信号を補正することを特徴とする請求項1に記載の車両用走行制御装置。
【請求項3】
自車両に搭載され駆動力を発生する駆動手段と、
運転者の加速操作を検出して得られる検出結果の信号を操作入力信号として出力する加速操作検出手段と、
前記加速操作検出手段から出力される前記操作入力信号に基づいて制御出力信号を設定し、該制御出力信号により前記駆動手段の制御をおこなう駆動力制御手段とを備える車両用走行制御装置であって、
自車両の運転状態として低燃費モードを設定するモード設定手段と、
自車両の加速度を取得する加速度取得手段と、
制限加速度を設定する制限加速度設定手段と、
前記加速度取得手段により取得される前記加速度が前記制限加速度設定手段により設定される前記制限加速度となるように前記駆動力制御手段により設定される前記制御出力信号を制限出力信号とする制限出力取得手段と
を備え、
前記駆動力制御手段は、前記モード設定手段により前記低燃費モードが設定され、かつ、前記操作入力信号に応じて設定する前記制御出力信号が前記制限出力取得手段により取得される前記制限出力よりも大きい場合に、前記制限出力信号により前記駆動手段の制御をおこなうことを特徴とする車両用走行制御装置。
【請求項4】
前記操作入力信号に基づいて前記制限加速度を補正する制限加速度補正手段を備えることを特徴とする請求項1から請求項3の何れか1つに記載の車両用走行制御装置。
【請求項5】
前記制限加速度補正手段は、前記操作入力信号に応じて前記駆動力制御手段により設定される前記制御出力信号と、前記駆動力制御手段から出力されている前記制御出力信号との偏差に基づいて前記制限加速度を補正することを特徴とする請求項4に記載の車両用走行制御装置。
【請求項6】
前記制限加速度補正手段は、前記操作入力信号の変化速度に基づいて前記制限加速度を補正することを特徴とする請求項4または請求項5に記載の車両用走行制御装置。
【請求項7】
自車両の走行速度を検出する走行速度検出手段と、
前記走行速度検出手段により検出された前記走行速度に基づいて前記制限加速度を補正する速度起因加速度補正手段と
を備えることを特徴とする請求項1から請求項6の何れか1つに記載の車両用走行制御装置。
【請求項8】
自車両の先行車両を検出する先行車両検出手段と、
前記先行車両検出手段による検出結果に基づいて前記制限加速度を補正する先行車両起因加速度補正手段と
を備えることを特徴とする請求項1から請求項7の何れか1つに記載の車両用走行制御装置。
【請求項9】
前記先行車両起因加速度補正手段は、前記先行車両検出手段により検出された前記先行車両と自車両との相対距離および自車両に対する前記先行車両の相対速度のうちの少なくとも何れか1つに基づいて前記制限加速度を補正することを特徴とする請求項8に記載の車両用走行制御装置。
【請求項10】
自車両の後続車両を検出する後続車両検出手段と、
前記後続車両検出手段による検出結果に基づいて前記制限加速度を補正する後続車両起因加速度補正手段と
を備えることを特徴とする請求項1から請求項9の何れか1つに記載の車両用走行制御装置。
【請求項11】
前記後続車両起因加速度補正手段は、前記後続車両検出手段により検出された前記後続車両と自車両との相対距離および自車両に対する前記後続車両の相対速度のうちの少なくとも何れか1つに基づいて前記制限加速度を補正することを特徴とする請求項10に記載の車両用走行制御装置。
【請求項12】
自車両の運転者の入力操作により前記制限加速度を変更する制限加速度変更スイッチと、
前記制限加速度変更スイッチに対する前記入力操作に基づいて前記制限加速度を補正する入力操作起因加速度補正手段と
を備えることを特徴とする請求項1から請求項11の何れか1つに記載の車両用走行制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2009−197673(P2009−197673A)
【公開日】平成21年9月3日(2009.9.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−40046(P2008−40046)
【出願日】平成20年2月21日(2008.2.21)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】