説明

車両通信装置

【課題】DSRCを装備した、車両の車両通信装置において、DSRC干渉およびバックエンドの計算を最小にすること。
【解決手段】車両通信装置において、ブロードキャスト電力変調コンポーネント(制御装置20)は、ホスト車両10が、車両測位コンポーネント(GPS装置22)によって決定されて走行中の道路の道路セグメント属性に基づいて、全方向性アンテナ31のブロードキャスト電力および2方向性アンテナ32のブロードキャスト電力を選択的に変更する。2方向性アンテナ照準コンポーネント(制御装置20)は、双方向通信装置30によって受信した交通情報の少なくとも1つ、および、ホスト車両10が走行中の道路の道路セグメント属性に基づいて、2方向性アンテナ32の照準を合わせる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的に車両間の直接通信用の車両通信装置に関する。より詳細には、本発明は、全方向性アンテナおよび2方向性アンテナを使用して、運転者が道路情報を得るのを支援する車両通信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、車両は、様々な情報装置、例えばナビゲーション装置、シリウス(Sirius)およびXM衛星無線装置、いわゆるCLARUS気象情報装置、双方向衛星通信サービス、組み込み携帯電話、DVDプレーヤーなどを装備している。これらの装置は、時として機能性を高めるために相互接続される。車両と、街路上装置(RSU:Roadside unit)のようなインフラとの間の無線通信を使用する、種々の情報装置が提案されている。これらの無線通信装置は、衝突回避から娯楽装置にわたる広範囲のアプリケーションを備える。これらの通信装置は、様々なコストおよび機能をもって実現され得る。従って、使用される無線通信装置の種類は個別のアプリケーションによって決まる。現在利用できる無線技術として、例えば、ディジタルセルラー方式、ブルートゥース(登録商標)方式、無線LAN方式、および狭域通信(DSRC:Dedicated Short Range Communication)方式がある。
【0003】
狭域通信(DSRC)は、車両における広範囲のアプリケーションに適合させるために最近研究され、表面化した技術である。車両とインフラとの間の通信により、衝突回避からインターネット娯楽装置にわたる膨大な数の潜在的な装置が可能になる。
【0004】
DSRC技術により、車両は、広範囲の情報を交換するために、他の車両および街路上装置と直接通信できる。米国では、DSRC技術は、車両間、および車両、街路上装置と他のインフラとの間の無線データ通信を有効にサポートする可能性を提供する高周波無線(5.9GHz)を使用するであろう。DSRC技術の重要な特徴は、通信間の待ち時間が現在利用できる他のほとんどの技術に比べて非常に小さいことである。DSRC技術の別の重要な特徴は、2地点間無線通信と、限定されたブロードキャスト領域におけるブロードキャスト無線メッセージの両方を行うことが可能であることである。
【0005】
従って、DSRC技術は、車両とインフラとの間、車両間で、種々の情報、例えばGPS位置、車両速度、およびエンジン速度、エンジン運転時間、エンジン冷却水の温度、大気圧などを含む他の車両パラメータ識別子(PID)を提供するために利用可能である。一つの車両から近くの他の車両への通信が確立されると、車両間で通信され、車両にブロードキャスト領域内の車両に完全な取り決め事項(understanding)を提供するであろう。この情報は、車両の安全性のためのアプリケーションおよび安全性以外のアプリケーションの双方のために、車両によって使用され得る。
【0006】
車両安全性のためのアプリケーションでは、所定の組の車両パラメータ識別子(PID)が各車両によってブロードキャストされ、関連がある運動学的情報および位置の情報、例えばGPS測位/車両位置、車両速度、車両寸法などを与えるための「共通メッセージセット」(CMS)がおそらく開発されるであろう。いったん潜在的な安全上の懸念が在ると判定されると、運転者が適切な行動を取り得るように、車両の警報装置が運転者に対して潜在的な安全上の懸念を通知するようになる。
【0007】
安全性以外のアプリケーションでは、DSRC車両搭載装置は、サービスプロバイダーのルックアップテーブル上の特定のアカウントに合う、暗号化されたユーザIDを提供することになるであろう。いったん車載装置(on-board unit)がサービスプロバイダーへのリンクを確立すると、その車載装置は、サービスプロバイダーに接続される近くにある街路上装置を経由して、特定のアカウントに関連する種々のサービス、例えば関心事項の通知、最新地図情報のダウンロード、ルート上のホテルの予約などを受けることができる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
現在のところ、DSRCを装備した車両は、車両の周囲の所定半径をカバーする単一の全方向性アンテナを使用する。多車線高速道路の計画において、車両間でいずれは通信されることになる極端な量の情報を考えると、DSRC干渉およびバックエンドの計算は非常に大きくなることもあり得る。従って、DSRC干渉およびバックエンドの計算を最小にすることが望ましい。
【0009】
上記を考慮して、車両通信装置の改善の必要性が、本開示によって当業者には明らかである。本発明は、技術的必要性ならびに他の必要性に言及するが、本開示によって当業者には明らかとなるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一つの目的は、DSRC干渉およびバックエンドの計算を最小化する車両通信システムを提供することである。
【0011】
本発明の一つの態様によると、上述の目的は、ホスト車両双方向通信装置、全方向性アンテナ、2方向性アンテナ、車両測位コンポーネント、車両地図コンポーネント、および車両ブロードキャスト電力変調コンポーネントを備える車両通信装置を提供することによって基本的に達成され得る。ホスト車両双方向通信装置は、車両通信装置を装備するホスト車両を囲むホスト車両ブロードキャスト領域内で、短距離通信を行うように構成される。全方向性アンテナは、ホスト車両双方向通信装置と連動して、ホスト車両を囲むホスト車両ブロードキャスト領域内で短距離通信を行う。2方向性アンテナは、ホスト車両双方向通信装置と連動して、ホスト車両を囲むブロードキャスト領域内で短距離通信を行う。車両測位コンポーネントは、ホスト車両のホスト車両位置を決定するように構成される。車両地図コンポーネントは、道路データを含み、その道路は道路セグメント属性の少なくとも1つによって分類される。車両ブロードキャスト電力変調コンポーネントは、ホスト車両が、車両測位コンポーネントによって決定されて走行中の道路の道路セグメント属性に基づいて、全方向性アンテナのブロードキャスト電力および2方向性アンテナのブロードキャスト電力を選択的に変更するように構成される。
【0012】
本発明の別の態様によると、上述の目的は、ホスト車両双方向通信装置、全方向性アンテナ、2方向性アンテナ、車両測位コンポーネント、車両地図コンポーネント、および2方向性アンテナ照準コンポーネントを備える車両通信装置を提供することによって基本的に達成され得る。ホスト車両双方向通信装置は、車両通信装置を装備するホスト車両を囲むホスト車両ブロードキャスト領域内で、短距離通信を行うように構成される。全方向性アンテナは、ホスト車両双方向通信装置と連動して、ホスト車両を囲むホスト車両ブロードキャスト領域内で短距離通信を行う。2方向性アンテナは、ホスト車両双方向通信装置と連動して、ホスト車両を囲むブロードキャスト領域内で短距離通信を行う。2方向性アンテナは、所定の可動範囲内で選択的に照準を合わせられるように構成される。車両測位コンポーネントは、ホスト車両のホスト車両位置を決定するように構成される。車両地図コンポーネントは、道路データを含み、その道路は道路セグメント属性の少なくとも1つによって分類される。2方向性アンテナ照準コンポーネントは、ホスト車両双方向通信装置によって受信した交通情報の少なくとも1つ、および、ホスト車両が走行中の道路の道路セグメント属性に基づいて、2方向性アンテナの照準を合わせるように構成される。
【0013】
本発明のこれらの、そして他の目的、特徴、観点、および利点が、添付図面と共に用いられ、本発明の好ましい実施形態を開示する、次の詳細な説明によって当業者には明らかになるであろう。
【発明の効果】
【0014】
上記の点を考慮すると、2方向性アンテナを全方向性アンテナと共に使用することで、DSRC干渉およびバックエンドの計算を最小化できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明の選択された実施形態について、図面を参照して説明する。本発明の実施形態についての次の記述が説明目的だけのためであって、本発明を添付した特許請求の範囲およびそれらの均等物に限定するためではないことは、本開示から当業者には明らかであろう。
【0016】
まず、図1および図2を参照すると、双方向無線通信網が示され、複数の車両10が、本発明の一実施形態による車両通信装置(車載装置)12を各々装備する。双方向無線通信網はまた、車両10と交信する、1つ以上のGPS(Global positioning satellite)衛星14(1つのみを示す)および1つ以上の街路上装置16(1つのみを示す)を含む。好ましい実施形態では、車両10の車載装置12は、好ましくは、双方向無線通信網内で街路上装置16と通信できる狭域通信(DSRC)車載装置である。従って、街路上装置16は、車両10と交信するDSRC装置と共に構成され、配置される。より具体的には、街路上装置16の各々は、街路上装置16をそれぞれ囲む所定の通信(ブロードキャスト/受信)範囲内に位置する車両10へ信号をブロードキャストし、受信するDSRC装置を装備する。さらに、街路上装置16の各々は、ホスト車両10の車載装置12との間にリンクを確立するように構成され、配置されるIP対応可能な構造であることが好ましい。街路上装置16用のかかるDSRC装置は、当技術分野で周知である従来の装置であり得る。街路上装置16が当技術分野で周知である装置であり得るので、ここで、街路上装置16の構造についての詳細な説明および図示を行わない。むしろ、街路上装置16の通信装置は、本発明を実施するために使用され得る任意の種類の構造であり得ることが、本開示によって当業者には明らかになろう。
【0017】
この装置では、用語「ホスト車両」は、本発明に従った、DSRCを装備した車両または双方向無線通信装置を装備した、車両グループの中の1つの車両を指す。用語「周辺の車両」とは、ホスト車両を囲む通信(ブロードキャスト/受信)エリア内に位置する、DSRCを装備した車両または双方向無線通信装置を装備した車両のことである。ホスト車両は、信号を或る範囲内の別の車両へブロードキャストし、信号を或る範囲内の別の車両から受信することができる。用語「周辺の街路上装置」とは、双方向無線通信装置を装備し、かつホスト車両を囲む通信(ブロードキャスト/受信)エリア内に位置する、DSRCを装備した街路上装置のことである。
【0018】
図3を参照すると、本発明の車載装置(OBU:On-board unit)12は、コントローラまたは制御装置20、双方向無線通信装置21(短距離無線通信コンポーネント)、GPS装置22(車両測位コンポーネント)、車載ナビゲーション装置23(車両案内コンポーネント)、地図データベース24(車両地図コンポーネント)、およびベース入力/出力部25を基本的に含む。これらの装置またはコンポーネントは、制御装置20が、ホスト車両10を囲む通信(ブロードキャスト/受信)エリア内で、他のDSRCを装備したコンポーネントおよび装置へ種々の信号を受信および/または送信するように、構成され、配置される。さらに、車載装置12の制御装置20は、例えば、燃料センサ、点火スイッチセンサ、舵角センサ、車両速度センサ、加速度センサなど含む種々の車内センサから検出信号を受信するように構成される。車内センサと共に車載装置12は車両通信装置を形成する。
【0019】
基本的に、制御装置20は、双方向無線通信装置21、GPS装置22、車載ナビゲーション装置23、および、地図データベース記憶部もしくはコンポーネント24を動作させる種々の制御プログラムを含む。具体的に言えば、制御装置20は、GPS装置22、車載ナビゲーション装置23、および/または、地図データベース記憶部もしくはコンポーネント24から得られる情報を用いて、図13(後述)の流れ図に示す工程を実行することによって、双方向無線通信装置21の制御を実行するように構成および/またはプログラムされる。ユーザがイグニッションキーをON(オン)位置またはACC(アクセサリ)位置に回すと、典型的には、制御装置20およびその種々のコンポーネントが作動する。従って、点火スイッチセンサは、制御装置20を作動させ、図13(後述)のプロセスを始動させるように構成され、配置される。
【0020】
制御装置20は制御プログラム付きのマイクロコンピュータを含むことが好ましい。制御装置20は、双方向無線通信装置21を制御して、DSRC干渉およびバックエンドの計算を最小化するように構成される。具体的に言えば、図3に見られるように、制御装置20は後述するブロードキャスト電力変調コンポーネントおよび双方向照準コンポーネントを有する。
【0021】
制御装置20およびナビゲーション装置23が共通の入出力を共有するように、1つの好ましい実施形態では、制御装置20がナビゲーション装置23に組み込まれる。換言すれば、ナビゲーション装置23を動作させる制御装置(入力および出力)もまた、車両通信装置12を動作させて、本発明を実行するために使用される。あるいは、別個の制御装置が車両通信装置12およびナビゲーション装置23のために使用され得る。いずれにしても、制御装置20は、他の従来のコンポーネント、例えば、入力インタフェース回路、出力インタフェース回路、ならびにROM(読出し専用メモリ)装置およびRAM(ランダムアクセスメモリ)装置のような記憶装置などを含むことが好ましい。メモリ回路は、処理結果および制御プログラム、例えば、プロセッサによって実行される、双方向無線通信装置21、GPS装置22、ナビゲーション装置23、および地図データベース24の動作用の制御プログラムなどを格納する。制御装置20は、必要に応じて、車両の他のDSRCコンポーネント、例えば他の安全装置などを選択的に制御することができる。制御装置20のための正確な構造およびアルゴリズムは、本発明の機能を実行することになるハードウェアおよびソフトウェアの任意の組み合わせであり得ることが、本開示によって当業者に明らかであろう。
【0022】
双方向無線通信装置21は、ホスト車両10のブロードキャスト領域内の無線網を経由して、複数の同様に装備した車両10ならびに街路上装置16に接続し、情報を交換する通信インタフェース回路を含む。双方向無線通信装置21は、車両間の直接の双方向通信、および、車両と街路上装置との間の直接の双方向通信を行うように構成され、配置される。さらに、双方向無線通信装置21は、ブロードキャスト領域内で信号を定期的にブロードキャストするように構成される。従って、双方向無線通信装置21は通常のブロードキャストチャンネルおよびサービスチャンネルを含む。
【0023】
図3に見られるように、双方向無線通信装置21は、ホスト車両双方向通信装置30、全方向性アンテナ31、および2方向性(多方向性)アンテナ32を少なくとも含む車載装置である。双方向無線通信装置21は、無線信号のより集中的な伝達によって無線ベースの装置の信号品質を増強すること、および、周波数再利用を増大させることによって通信能力を高めることという2つの目的を有する。従って、これらの2つのアンテナ31および32を、GPS装置22、ナビゲーション装置23、および地図データベース24と一緒に組み合わせて使用して、制御装置20のブロードキャスト電力変調コンポーネント(車両ブロードキャスト電力変調コンポーネント)は、郊外/田園の運転中は全方向の電力を高く保ち、装置が高速道路上の車両を認識すると、逆に2方向性アンテナの電力を高めるようにすることができる。これにより、不要な情報を受信する車両の数を減らし、他の信号への干渉を減らし、そしてパケット受信の信頼性を高める。加えて、より少数のパケットが受信されるので、入力データを解析するのに要するプロセッサの規模を縮小させ、装置の待ち時間を減らすとともにハードウェアおよびソフトウェアのコスト低減が可能になる。さらに、2方向性アンテナ32が適切な車の流れに照準をあてる「電子の眼」の機能を果たすように、制御装置20の2方向照準コンポーネントは、2方向性アンテナ32の照準を合わせる。高速道路運転の場合には、2方向性アンテナ32が照準を確実に適合させるために、信号の方向性のわずかな変化およびダイバーシティの検査を考慮に入れることが望ましい。
【0024】
制御装置20は、双方向通信装置30、全方向性アンテナ31、および2方向性アンテナ32を選択的に制御して、DSRC干渉およびバックエンドの計算を最小化するように構成される。さらに、全方向性アンテナ31および2方向性アンテナ32を使用することは、情報パケットの収集の信頼性を向上するのに役立ち、多チャンネル監視を可能にすることにもなる(すなわち、ホスト車両10は1つのチャンネルにMP3をダウンロードすると同時に、起こり得る衝突状態を異なるチャンネルで監視する、ということもあり得る)。しかしながら、(1)電力/レンジを近くの必要な車両にメッセージを伝えることができる程度に高くすることと、(2)電力/レンジを他の車両の信号への干渉を防止できるほど低くすることと、(3)電力/レンジを、場合によれば数百にもなる車両/ソースから同時に処理しなければならない多くのパケットを回避することができる程度に低くすることとの間でバランスを取るという別の制約がある。
【0025】
特に、制御装置20のブロードキャスト電力変調コンポーネントは、ホスト車両10が地図データベース24(車両地図コンポーネント)を用いてGPS装置22(車両測位コンポーネント)によって決定されるように走行中の道路の道路セグメント属性に基づいて、全方向性アンテナ31のブロードキャスト電力および2方向性アンテナ32のブロードキャスト電力を選択的に変化させるようにして構成される。さらに、制御装置20の2方向照準コンポーネントは、ホスト車両双方向通信装置30によって受信した交通情報の少なくとも1つ、および、ホスト車両10が走行中の道路の道路セグメント属性に基づいて、2方向性アンテナ32の照準を合わせるように構成される。従って、全方向性アンテナ31および2方向性アンテナ32の制御は、道路セグメント属性(これは本明細書で「道路セグメント属性」法と呼ばれる)、および/または、検出した交通情報(これは本明細書で「方向性の中心」法と呼ばれる)に基づいて選択的に決定される。
【0026】
ホスト車両双方向通信装置21Aは、サービスチャンネルを使用し、私用通信を行うように構成される。換言すれば、ハンドシェイク通信がホスト車両10と他の車両またはサービスプロバイダーとの間で行われる。ホスト車両双方向通信装置21Aは、アンテナ21Bを経由して、ホスト車両10を囲む、ホスト車両のブロードキャスト領域内において直接の短距離通信を行うように構成される。通信間の待ち時間が現在利用できる他のほとんどの技術に比べて非常に短いので、特に、双方向無線通信装置21は狭域通信(DSRC)装置であることが好ましい。しかしながら、通信間の待ち時間が本発明を実施するのに十分短く、限定したブロードキャスト領域内で2地点間無線通信およびブロードキャストメッセージの両方を行うことができるのであれば、他の双方向無線通信装置を用いてもよい。双方向無線通信装置21がDSRC装置である場合、双方向無線通信装置21は、1〜54Mbpsのデータ転送速度および約1,000メートルの最大範囲で、5.9GHz帯の75MHzスペクトルで送信することになる。双方向無線通信装置21は7つの非重複チャンネルを含むことが好ましい。ネットワークの各車両が個々に識別され得るように、双方向無線通信装置21は、媒体アクセス制御(MAC)アドレスおよび/またはIPアドレスを割り当てられることになる。
【0027】
全方向性アンテナ31は、本発明を実施するために使用され得るどんな種類の全方向性アンテナでもあり得る。全方向性アンテナは当技術分野で周知である従来のコンポーネントである。全方向性アンテナが当技術分野で周知であるので、全方向性アンテナ31の構造はここで詳細に説明または例示しない。むしろ、どんなタイプの構造および/またはプログラミングも、それがここに開示したように全方向性アンテナ31の機能を実行できる限り使用され得ることが、本開示によって当業者には明らかであろう。
【0028】
全方向性アンテナ31は、図6および図7に見られるように、略円形またはわずかに楕円形のRF信号を出力する。全方向性アンテナ31は、複数の電力レベルで構成されることが好ましい。便宜上、全方向性アンテナ31は、図6および図7に3つのブロードキャスト電力レベル(例えば、「高レベル、中レベル、低レベル」)で示される。また一方、全方向性アンテナ31は、3つより多いブロードキャスト電力レベルでさらに構成される。例えば、全方向性アンテナ31は、0と20との間の任意のブロードキャスト電力レベルに0.5刻みで設定され得ることがより好ましい。図8〜図11に示すように、全方向性アンテナ31のブロードキャスト電力レベルは、地図データベース24(車両地図コンポーネント)を用いてGPS装置22(車両測位コンポーネント)によって決定されて、ホスト車両10が走行中の道路の道路セグメント属性に基づいて、制御装置20のブロードキャスト電力変調コンポーネントによって選択できる方法で調整されることが好ましい。例えば、図8の高速道路状況下で、全方向性アンテナ31のブロードキャスト電力は、低レベルに設定される。他方、図9の非高速道路状況下では、全方向性アンテナ31のブロードキャスト電力レベルは、高レベルに設定される。道路の道路セグメント属性に加えて、車両運転条件(例えば、速度、舵角など)が、全方向性アンテナ31のブロードキャスト電力レベルを決定するために使用され得る。
【0029】
2方向性アンテナ32は、本発明を実施するために使用され得るどんな種類の2方向性アンテナでもあり得る。2方向性アンテナは当技術分野で周知である従来のコンポーネントである。2方向性アンテナが当技術分野で周知であるので、2方向性アンテナ32の構造はここで詳細に説明または例示しない。むしろ、どんなタイプの構造および/またはプログラミングも、ここに開示したように2方向性アンテナ32の機能を実行できる限り使用され得ることが、本開示によって当業者には明らかであろう。
【0030】
2方向性アンテナ32は、図6および図7に見られるように、一対の略楕円形のRF信号を出力する。2方向性アンテナ32は複数の電力レベルで構成されることが好ましい。便宜上、2方向性アンテナ32は図6および図7に3つのブロードキャスト電力レベル(例えば、「高レベル、中レベル、低レベル」)で示される。また一方、2方向性アンテナ32は3つより多いブロードキャスト電力レベルでさらに構成される。例えば、2方向性アンテナ32は、0と20との間の任意のブロードキャスト電力レベルに0.5刻みで設定され得ることがより好ましい。図8〜図11に示すように、2方向性アンテナ32のブロードキャスト電力レベルは、地図データベース24(車両地図コンポーネント)を用いてGPS装置22(車両測位コンポーネント)によって決定されて、ホスト車両10が走行中の道路の道路セグメント属性に基づいて、制御装置20のブロードキャスト電力変調コンポーネントによって選択できる方法で調整されることが好ましい。例えば、図8の高速道路状況下で、2方向性アンテナ32のブロードキャスト電力レベルは、高レベルに設定される。他方、図9の非高速道路状況下では、2方向性アンテナ32のブロードキャスト電力レベルは、低レベルに設定される。道路の道路セグメント属性に加えて、車両運転条件(例えば、速度、舵角など)が、2方向性アンテナ32のブロードキャスト電力レベルを決定するために使用され得る。
【0031】
道路セグメント属性ならびに全方向性アンテナ31および2方向性アンテナ32の対応するブロードキャスト電力レベルの例を次の表に示す。
【表1】

【0032】
勿論、これらの道路セグメント属性は単なる例に過ぎない。道路セグメント属性は、道路セグメントの種類、関連する属性、あるいは他の分類のいずれかにのみ基づき得る。例えば、道路セグメント属性は、道路に対する近接度のレベル、制限速度、エリア内の人口などの中の1つ以上の因子に基づき得る。
【0033】
核となる考えによると、アンテナコントローラは、識別/認識した道路セグメントをチエックし、各アンテナに対してその状態を考慮して適切な電力レベルを決定する。どのようにコントローラが応動するかについての例として、潜在的な電力レベルと共にナブテク(NavTeq)セグメント識別子を用いる1つの実施形態を示す。「道路セグメント」と「関連する属性」の組み合わせは、ナビゲーションデータベース(オプションで車両内に搭載される)から抽出されるか、あるいは、乗り換え地点(例えば、高速道路のランプ)にある街路上装置(RSU)によって伝達されるということもあり得る。
【0034】
図12に、2方向性(多方向性)アンテナ32の一例を本発明の一態様に従って示す。図12に示す2方向性(多方向性)アンテナ32は、固定基部41、2方向性アンテナカード43付きの筐体42、磁石45付きの回転支柱44、および3つの電気コイル46を含む。固定基部41は、任意の適切な締結構造を用いてホスト車両10に固定される。2方向性アンテナカード43付きの筐体42は、固定基部41に取り付けられ、垂直軸を中心として回転する。筐体42の固定基部41に対する回転は、車両のバッテリ(図示せず)からの電気エネルギーによって電気コイル46に対して電圧を印加することによって制御される。従って、2方向性アンテナ32は、回転する指向性の双極アンテナ(ここでは、「ロテンナ(Rotenna)」と呼ばれる)である。
【0035】
電気コイル46の1つが充電されると、生じた磁界は回転支柱44の磁石45を誘引し、アンテナカード43をその方向に向ける。電気コイル46の2つが等しく充電されると、磁界はアンテナカード43を、等しく充電された電気コイル46の2つの間の中間点に向ける。従って、アンテナカード43は、様々な量の電力を電気コイル46の各々に加えることによって、電気コイル46間の任意の方向を指向し得る。これにより、アンテナの指向性は、近くの信号による計算に基づいて若干変化させることが可能となる。簡易なシールド(筐体42の基部)をアンテナカード43と電気コイル46との間に配置するとともに、アンテナ線を、回転支柱44を貫通させ固定基部41の外へ走らせることによって、RF信号は、磁石45および電気コイル46によって影響されない。
【0036】
上述のように、制御装置20のブロードキャスト電力変調コンポーネントは、ホスト車両が走行中の道路の道路セグメント属性に基づいて、2方向性アンテナ32のブロードキャスト電力を選択的に変化させるように構成される。さらに、制御装置20の2方向照準コンポーネントは、ホスト車両双方向通信装置31によって受信される交通情報の少なくとも1つ、および、ホスト車両が走行中の道路の道路セグメント属性に基づいて、2方向性アンテナ32の照準を合わせるように構成される。
【0037】
従って、2方向性アンテナ32は、信号を車両の経路の中心から少し離れた交通に向って集中させるのに役立つが、アンテナ31および32の両方とも利用可能であって、かつ、通信範囲内にある場合、どちらのアンテナを使用するべきかということはわからない。ここで、装置は標準的なダイバーシティ方法を使用し、最適な性能のために2つの信号を解析する。例えば、2つのアンテナ31および32からの信号が同時に届く場合は、信号を合成すると信号の強度が大きくなり得る。
【0038】
しかしながら、種々の入力信号の多経路受信によって、2つの信号は位相がずれて届く可能性があり、一緒に扱われると、ビット誤り問題または信号減衰/遮断を起こし得る。従って、かかる「高性能のアンテナシステム」を用いる際、信号をインテリジェント(高度)な方法で処理することが望ましい。
【0039】
例えば、装置が信号対雑音比(S/N)を高度な方法で監視する場合は、装置はアンテナ31または32のいずれか1つを有効にしておき、必要に応じてアンテナを変えるようにすることができる。下記の計算は、重要な信号を評価するための計算例であるが、本発明の考えにとって必須ではない。先ず、装置は、現にモニタされているアンテナにとって、S/Nが許容可能なレベルかどうかを判断する。単一伝達ソースの場合は、これは困難ではない。しかしながら、多数の車両または街路上装置がブロードキャスト領域内にある場合は、装置は、最も重要なメッサージを受信しているかどうかを判断しなければならない。
【0040】
単一伝達ソースの場合は、S/N<「x」ならば、他のアンテナに切り換え、さもなければ「y」信号用の現在のアンテナを監視する(ベッサーアソシエーツ(Besser Associates))によると、S/Nが12であれば10−8のビット誤り率を可能にするため、DSRC装置が安全性関連の通信を行う点を考慮すると望ましい、とする)。
【0041】
多数の伝達ソースの場合は、先ず、次のように、前方(フォワード)に対する重み付け「w」によって、最も近い車両を決定する。
【0042】
(数1)
距離(d)=[(fore)+(side)1/2/w
ここで、fore=現速度のベクトルにおける送信機へのGPS距離、
side=現速度のベクトルに垂直な送信機へのGPS距離、
である。
また、
fore/side>c(cは定数、実質的に送信機が車両の前の場合)のとき、w=2となる。
fore<0(送信機は所有者の車両の後ろにある場合)またはfore/side<c(送信機は実質的に車両の前にない場合)のときに、w=1となる。
【0043】
1つの送信機が優先度の高いブロードキャストメッセージを送信している場合は、このような選択的受信方法は行わない。
【0044】
次に、最も近い車両についてS/N<「x」ならば、他のアンテナに切り換える。さもなければ、「y」連続信号用の現在のアンテナを監視し続ける。「y」信号後に、他方のアンテナのS/Nを検査し、元のS/Nよりも小さい場合はアンテナを切り換える。
【0045】
2方向性アンテナ32の場合、同様な方法は、全ての認識されたアンテナの間で、以下に示すように、方向性の中心(COD:Center of directionality)を実質的に計算し、それを2方向性アンテナ32の望ましい方向性(ここでも車両の前後の車両に注目して)とみなすことによって適用し得る。
【0046】
(数2) COD=tan−1[Σw(side)]/[Σw(fore)

【0047】
GPS装置22は、ホスト車両10のGPS情報を従来の方法で受信するように構成され、配置される従来のGPS装置である。基本的に、GPS装置22は、GPS衛星14からGPSアンテナ22Bを経由して信号を受信する受信機であるGPS装置22Aを含む。GPS衛星14から送信された信号は一定の時間(例えば1秒)をおいて受信されて、ホスト車両の現在位置を検出する。GPS装置22Aは実際の車両位置を数メートル以内で表示する精度を有することが好ましい。このデータ(ホスト車両の現在位置)は、処理のために制御装置20に、そして処理のためにナビゲーション装置23に与えられる。
【0048】
上述のように、本発明の車載装置12は、ナビゲーション装置23に組み込まれることが好ましい。ナビゲーション装置23は、GPS衛星14から送信された信号に基づいてGPS装置を経由してホスト車両10のGPS情報を受信するように構成され、配置される、従来のナビゲーション装置であることが好ましい。車両通信装置の入力部および表示部はナビゲーション装置23に組み込まれることが好ましい。基本的に、ナビゲーション装置23は、カラー表示装置23Aおよび入力制御部23Bを含む。ナビゲーション装置23は、マイクロプロセッサおよび記憶装置付きのそれ自体のコントローラを有することができるか、またはナビゲーション装置23のための処理は制御装置20によって実行され得る。どちらの場合にも、GPS衛星14から送信された信号は車両10を従来の方法で案内するために用いられる。
【0049】
ナビゲーション装置23は、GPS装置22および地図データベース24を用いる、装着車両の検出、マッピング、トラッキング、およびマップマッチング位置を含むが、それに限定されない、車両に装着されるナビゲーション装置の機能を含む。運転中(数時間続く可能性がある)、ナビゲーション装置23は、従来の方法で「次の行動」の指示をユーザに与え続けることになる。
【0050】
示される実施形態では、カラー表示装置23Aは車両通信装置の出力部を構成する。カラー表示装置23Aは、図5に見えるようなナビゲーション地図およびデータの両方を表示するように構成される。従って、ナビゲーション装置23はホスト車両10を入力される目的地へ案内するために用いられ得る。
【0051】
カラー表示装置23Aは、制御装置20によって制御されて、図5に示すような画面ならびに図示されない他の画面を表示する。カラー表示装置23Aは、それがまた車両通信装置の一部を形成するようにタッチ画面であることが好ましい。入力制御部23Bもまた車両通信装置の一部を形成する。換言すれば、カラー表示装置23Aおよび入力制御部23Bは、車両通信装置21を設定するためにユーザによって手動動作されるホスト車両のユーザ入力装置を構成する。
【0052】
地図データベース24は、道路地図データ、ならびに種々のランドマークデータ、燃料補給所の位置、レストランなどのような、道路地図データに関連し得る他のデータを格納するように構成される記憶部またはコンポーネントの一部である。地図データベース24は、CD-ROM(コンパクトディスク・読出し専用記憶素子)またはICカードのような大容量記憶媒体を含むことが好ましい。地図データベース24は、制御装置20および/またはナビゲーション装置23からの指示に応答して、大容量記憶媒体に保持されたデータを読み出す読出し動作を実行するように構成される。
【0053】
地図データベース記憶部24は、制御装置20によって使用されて、双方向通信装置30、全方向性アンテナ31、および2方向性アンテナ32を選択的に制御するために、必要および/または要求に応じて必要な地図情報を取得して、DSRC干渉およびバックエンドの計算を最小化する。地図データベース24も制御装置20によって使用されて、ホスト車両10を選択した目的地へ案内するために、必要および/または要求に応じて必要な地図情報を取得する。従って、地図データベース記憶部24も、ナビゲーション装置23によって使用されて、道路案内、地図表示、および道案内情報表示のために必要な地図情報を取得する。
【0054】
本実施形態の地図情報は、地図情報、および普通のナビゲーション装置によって実施されるような道路案内を提供するために必要な、かつ実施形態の道案内を表示するために必要な情報を少なくとも含むことが好ましい。地図情報は、分岐点の接続状態を表示する道路連結、分岐点(道路分岐点)の位置、分岐点から分岐する道路の名前、および分岐目標の地名を少なくとも含み、目的とする位置を指定することによって、対応する道路および地名に関する情報が読み取られ得るようなデータ構造を有する。地図データベース記憶部24の地図情報は、各道路の連結または分岐点に関する道路情報を格納する。各道路連結または分岐点に関する道路情報は道路の識別情報、例えば道路名、属性情報(道路の種類:地方道路、規制されていないアクセス、規制されたアクセス、橋、トンネル、回り道など)、道路幅または車線の数、道路の分岐点における接続角度などを含む。
【0055】
特に、制御装置20のブロードキャスト電力変調コンポーネントは、ホスト車両が、地図データベース24(車両地図コンポーネント)を用いてGPS装置22(車両測位コンポーネント)によって決定されるように走行中の道路の道路セグメント属性に基づいて、全方向性アンテナ31のブロードキャスト電力および2方向性アンテナ32のブロードキャスト電力を選択的に変化させるように構成される。さらに、制御装置20の2方向照準コンポーネントは、ホスト車両双方向通信装置31によって受信される交通情報の少なくとも1つ、および、ホスト車両が走行中の道路の道路セグメント属性に基づいて、2方向性アンテナ32の照準を合わせるように構成される。
【0056】
ここで図13を参照して、本発明を実施するために制御装置20によって実行され得る、1つの可能なプロセスを説明する。図13に示すプロセスは、ホスト車両10で実行される処理に限定される。ユーザがイグニッションキーをON(オン)位置またはACC(アクセサリ)位置に回すと、制御装置20およびその種々のコンポーネントは通常作動する。従って、点火スイッチセンサは、制御装置20を作動させ、図13のプロセスを始動するように構成され、配置される。
【0057】
ステップS1で、制御装置20は、まず、GPS装置22によってホスト車両の位置を決定するように構成される。いったんホスト車両の位置がGPS装置22によって決定されると、ホスト車両10の制御装置20によって実行される処理はステップS2へ進む。
【0058】
ステップS2で、制御装置20は、まず、ホスト車両が走行中の道路の道路セグメントおよび関連する属性(すなわち、道路セグメント属性)を最初に決定するように構成される。この情報はホスト車両の地図データベース24から得ることができ、または衛星14の1つおよび/または街路上装置16の1つから得ることが可能である。いったん道路の道路セグメント属性が決定されると、ホスト車両10の制御装置20によって実行される処理はステップS3へ進む。
【0059】
ステップS3で、制御装置20は、ホスト車両が走行中の道路の道路セグメントおよび関連する属性(すなわち、道路セグメント属性)に基づいて、全方向性アンテナ31および2方向性アンテナ32のブロードキャスト電力を調整するように構成される。
いったん制御装置20が全方向性アンテナ31および2方向性アンテナ32のブロードキャスト電力を調整すると、ホスト車両10の制御装置20によって実行される処理はステップS4へ進む。
【0060】
ステップS4で、制御装置20は、ホスト車両が走行中の道路の道路セグメントおよび関連する属性(すなわち、道路セグメント属性)に基づいて、2方向性アンテナ32の方向(角度)を調整するように構成される。
【0061】
最後に、2方向性アンテナ32の方向(角度)が調整された後に、ホスト車両10の制御装置20によって実行される処理はステップS4へ進み、そこで、制御装置20は、アンテナ31および32のブロードキャスト電力を調整する前に、および/または、2方向性アンテナ32の方向(角度)を調整する前に、所定期間待機する。この所定の待機期間は固定期間であるか、または、検出されたパラメータ、例えば道路セグメント属性および/または車両動作状態(例えば、速度、舵角など)に基づいて変化し得る。
【0062】
コンポーネント、部、装置などによって実行される動作または機能を説明するためにここで用いられる用語「検出」は、物理的検出を必要としないコンポーネント、部、装置などの動作または機能を含むが、むしろ動作または機能を実行するために、決定し、測定し、モデル化し、予測し、または計算することなども含む。コンポーネント、部、または装置の一部を説明するためにここで用いられる用語「構成される」は、所望の機能を実行するために構成および/またはプログラムされるハードウェアおよび/またはソフトウェアを含む。ここで用いられる「略」、「約」、および「ほぼ」のような程度についての用語は、最終結果が著しく変化しないような、修飾される用語の適度な量のずれを意味する。例えば、このずれが修飾される語の意味を否定しないなら、これらの用語は修飾される用語の少なくとも±5%のずれを含むとして解釈され得る。
【0063】
本発明を例示するために、選択された実施形態のみが選ばれたが、添付した特許請求の範囲に規定される本発明の範囲を逸脱せずに、種々の変化および変更が行われ得ることが、本開示によって当業者には明らかであろう。さらに、本発明による実施形態についての前述の説明は例示だけのためであり、添付した特許請求の範囲およびそれらの均等物によって規定されるように本発明を限定するために与えられたものではない。従って、本発明の範囲は開示した実施形態に限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】双方向無線通信を行うことができる車載装置を各々装備する、複数の車両を示す双方向無線通信(DSRC)網の図である。
【図2】車両識別子をブロードキャストし、衛星および/または街路上装置から情報を受信する1対の車両を示す双方向無線通信(DSRC)網の図である。
【図3】双方向無線通信を行う車載装置を装備する1台の車両の図である。
【図4】双方向無線通信を行う車載装置を装備する車両の室内の一部の内部立面図である。
【図5】車載装置と一体化した車両のナビゲーション装置のナビゲーション表示装置の図である。
【図6】高速道路モードに設定したホスト車両の図であり、非陰影部分は全方向性アンテナのブロードキャスト/受信信号を表し、陰影部分は2方向性アンテナのブロードキャスト/受信信号を表す。
【図7】非高速道路モードに設定したホスト車両の図であり、非陰影部分は全方向性アンテナのブロードキャスト/受信信号を表し、陰影部分は2方向性アンテナのブロードキャスト/受信信号を表す。
【図8】ホスト車両が高速道路モードに設定された道路の図であり、非陰影部分は全方向性アンテナの信号を表し、陰影部分は2方向性アンテナの信号を表す。
【図9】ホスト車両が非高速道路モードに設定された道路の図であり、非陰影部分は全方向性アンテナの信号を表し、陰影部分は2方向性アンテナの信号を表す。
【図10】2方向性アンテナの回転に先立ってホスト車両が高速道路モードに設定された、道路の図であり、非陰影部分は全方向性アンテナの信号を表し、陰影部分は2方向性アンテナの信号を表す。
【図11】2方向性アンテナの回転後にホスト車両が高速道路モードに設定された、道路の図であり、非陰影部分は全方向性アンテナの信号を表し、陰影部分は2方向性アンテナの信号を表す。
【図12】回転可能な2方向性アンテナの簡略化した組立分解斜視図であり、筐体の一部は説明のために切欠きされている。
【図13】本発明に従って全方向性アンテナおよび2方向性アンテナを制御するために、制御装置によって実行される処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0065】
10…車両
12…車載装置
14…GPS衛星
16…街路上装置
20…制御装置
21…双方向無線通信装置
22…GPS装置
23…車載ナビゲーション装置
24…地図データベース
25…ベース入力/出力部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両通信装置を装備するホスト車両を囲むホスト車両ブロードキャスト領域内で、短距離通信を行うように構成したホスト車両双方向通信装置と、
前記ホスト車両双方向通信装置と連動して、前記ホスト車両を囲む前記ホスト車両ブロードキャスト領域内で短距離通信を行う全方向性アンテナと、
前記ホスト車両双方向通信装置と連動して、前記ホスト車両を囲む前記ブロードキャスト領域内で短距離通信を行う2方向性アンテナと、
前記ホスト車両のホスト車両位置を決定するように構成した車両測位コンポーネントと、
道路データを含み、当該道路が道路セグメント属性の少なくとも1つによって分類される車両地図コンポーネントと、
前記ホスト車両が、前記車両測位コンポーネントによって決定されて走行中の道路の前記道路セグメント属性に基づいて、前記全方向性アンテナのブロードキャスト電力および前記2方向性アンテナのブロードキャスト電力を選択的に変更するように構成した車両ブロードキャスト電力変調コンポーネントと、
を備える車両通信装置。
【請求項2】
前記ホスト車両双方向通信装置は、専用の短波無線通信装置を含む
請求項1に記載の車両通信装置。
【請求項3】
前記車両地図コンポーネントが、前記道路セグメント属性を前記道路に対する近接度のレベルに従って規定するように構成される
請求項1に記載の車両通信装置。
【請求項4】
前記車両地図コンポーネントが、前記道路セグメント属性を道路セグメントの種類に従って規定するように構成される
請求項1に記載の車両通信装置。
【請求項5】
前記車両地図コンポーネントが、前記道路データを車載データベースから受信するように構成される
請求項1に記載の車両通信装置。
【請求項6】
前記車両地図コンポーネントが、前記道路データを外部ソースから受信するように構成される
請求項1に記載の車両通信装置。
【請求項7】
前記ホスト車両が走行中の道路の前記道路セグメント属性に基づいて、前記2方向性アンテナの照準を合わせるように構成した2方向性アンテナ照準コンポーネントをさらに備える
請求項1〜6のいずれかに記載の車両通信装置。
【請求項8】
前記ホスト車両双方向通信装置によって受信される交通情報に基づいて、前記2方向性アンテナの照準を合わせるように構成した2方向性アンテナ照準コンポーネントをさらに備える
請求項1〜6のいずれかに記載の車両通信装置。
【請求項9】
前記車両地図コンポーネントが、前記道路セグメント属性を、前記道路に対する近接度のレベルおよび道路セグメントの種類の内、少なくとも1つに従って規定するように構成される
請求項7または8に記載の車両通信装置。
【請求項10】
前記全方向性アンテナの前記ブロードキャスト電力が、複数の異なる電力レベルの間で段階的に調整可能である
請求項1〜9のいずれかに記載の車両通信装置。
【請求項11】
前記2方向性アンテナの前記ブロードキャスト電力が、複数の異なる電力レベルの間で段階的に調整可能である
請求項1〜10のいずれかに記載の車両通信装置。
【請求項12】
車両通信装置を装備するホスト車両を囲むホスト車両ブロードキャスト領域内で、短距離通信を行うように構成したホスト車両双方向通信装置と、
前記ホスト車両双方向通信装置と連動して、前記ホスト車両を囲む前記ホスト車両ブロードキャスト領域内で短距離通信を行う全方向性アンテナと、
前記ホスト車両双方向通信装置と連動して、前記ホスト車両を囲む前記ブロードキャスト領域内で短距離通信を行う2方向性アンテナであって、所定の可動範囲内で選択的に照準を合わせるように構成した2方向性アンテナと、
前記ホスト車両のホスト車両位置を決定するように構成した車両測位コンポーネントと、
道路データを含み、当該道路が道路セグメント属性の少なくとも1つによって分類される車両地図コンポーネントと、
前記ホスト車両双方向通信装置によって受信した交通情報の少なくとも1つ、および、前記ホスト車両が走行中の道路の前記道路セグメント属性に基づいて、前記2方向性アンテナの照準を合わせるように構成した2方向性アンテナ照準コンポーネントと、
を備える車両通信装置。
【請求項13】
前記ホスト車両双方向通信装置は、専用の短波無線通信装置を含む
請求項12に記載の車両通信装置。
【請求項14】
前記車両地図コンポーネントが、前記道路セグメント属性を前記道路に対する近接度のレベルに従って規定するように構成される
請求項12に記載の車両通信装置。
【請求項15】
前記車両地図コンポーネントが、前記道路セグメント属性を道路セグメントの種類に従って規定するように構成される
請求項12に記載の車両通信装置。
【請求項16】
前記車両地図コンポーネントが、前記道路データを車載データベースから受信するように構成される
請求項12に記載の車両通信装置。
【請求項17】
前記車両地図コンポーネントが、前記道路データを外部ソースから受信するように構成される
請求項12に記載の車両通信装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2007−172603(P2007−172603A)
【公開日】平成19年7月5日(2007.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−328595(P2006−328595)
【出願日】平成18年12月5日(2006.12.5)
【出願人】(503118837)ニッサン テクニカル センター ノース アメリカ、 インコーポレイテッド (12)
【氏名又は名称原語表記】NISSAN TECHNICAL CENTER NORTH AMERICA, INC.
【Fターム(参考)】