説明

車体前部構造

【課題】エンジンに近づけて触媒を配置するという要請と、前面衝突時のクラッシュストロークを確保するという要請とを満足させる。
【解決手段】DPF容器40は横置きエンジン22に連結されたトランスアクスル24の上方域且つこれに隣接し且つエンジン22の側方域に隣接して車体前後方向に延在している。DPF容器40の前面の出口には第2排気管74が接続され、この第2排気管74は、車幅方向中央部分に向けて且つ下方に向けて斜め下方に延びた後に略90度屈曲してエンジン22の下方を通り且つ車体中心軸線に沿って後方に延びている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は車体前部構造に関し、より詳しくはエンジンルームにおける排気系部品の配置に関する。
【背景技術】
【0002】
環境問題から自動車の排気ガスの浄化が重要な技術課題となっているのは周知のとおりであり、排気ガスの浄化は排気系に配設される触媒手段に大きく依存しているのが現状である。このような浄化装置は触媒反応を促進するために熱を必要とすることから、冷間時に早期に浄化機能を発揮させるために、排気系の上流に触媒手段が配設される。
【0003】
特許文献1は、ガソリンエンジンを搭載した車両に関し、エンジンを横置きにすると共にエンジンの後面から排気させる、いわゆる「横置き、後方排気」に関してエンジン始動時の触媒の早期活性を促すために、触媒手段をエンジンの後面に接近させて配置することを開示している。特許文献1は、具体的には、横置きエンジンの後面に沿って触媒手段を配置することを提案している。
【0004】
特許文献2は、ディーゼルエンジンを搭載した車両に関し、DPF(ディーゼル・パティキュレート・フィルタ)はフィルタに堆積した煤を触媒により燃焼させて消失させることでDPFの再生が行われるため、DPFをエンジンに接近して配置させるのが好ましく、このことから特許文献2はDPFを横置きエンジンの後面に沿って配置することを提案している。
【0005】
特許文献3は、ロータリーエンジンを搭載した車両のヨー慣性モーメントを低減して操縦安定性を向上するため、ダッシュパネルと干渉する位置まで後退した位置にエンジンを搭載したときに触媒をエンジンの前方に配置することを提案している。
【0006】
【特許文献1】特開2007−146681号公報
【特許文献2】特開2006−70878号公報
【特許文献3】特開2003−326981号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
排気ガスの浄化基準が年々厳しくなっており、これに対応するための触媒への依存度が高くなっているのが実情であり、このため触媒も大型化する傾向にある。このことから、特許文献1、2のように、横置きエンジンの後面に沿ってDPFなどの触媒手段を配置した場合、この触媒を収容するケースは比較的硬く前面衝突時にエンジンの後退に伴って触媒も後退してしまうため、前面衝突時のクラッシュストロークが事実上小さくなってしまうという問題が残る。
【0008】
他方、横置き且つ後方排気のエンジンにおいて特許文献3のように触媒手段をエンジンの前方に配置したときには、エンジンから触媒までの排気管が長くなってしまうため、エンジン始動時における触媒の早期活性化を促すことができなくなる。
【0009】
本発明の目的は、エンジンに近づけて触媒を配置するという要請と、前面衝突時のクラッシュストロークを確保するという要請とを満足させることのできる車体前部構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の技術的課題は、本発明によれば、
ダッシュパネルによって車室とエンジンルームとが区画され、前記ダッシュパネルから前方に延びる左右のフロントサイドフレーム間に、クランクシャフトの端にトランスアクスルが一体に連結されたレシプロエンジンがそのクランクシャフトを車幅方向に沿って延びる横置きに搭載された車体前部構造において、
前記レシプロエンジンの後面に接続された排気系の排気管の一部が、排気ガスの流れ方向に前記トランスアクスルの上方域且つ前記横置きエンジンの側方域に車体後方から前方に向けて延びた後に下方に屈曲し、次に後方に向けて屈曲して前記エンジンの下方域において後方に延びていることを特徴とする車体前部構造を提供することにより達成される。
【0011】
従来技術の欄で説明したとおり、横置きエンジンが後方排気を採用したときには、エンジンに隣接して触媒が設けられるのが通常である。このことから、横置き且つ後方排気のエンジンに隣接して且つその側方に排気管の一部を配設することで、当該部位に触媒を配設することが可能となり、これによれば始動時に触媒を早期に活性化できるだけでなく、触媒をエンジンの後方に隣接して配置させたときの問題である前面衝突時のクラッシュストロークの短縮の問題を解消することができる。
【0012】
本発明の好ましい実施の形態によれば、前記トランスアクスルの上方域且つ前記横置きエンジンの側方域に位置する排気管が触媒容器で構成されており、典型的には、触媒容器は、ディーゼルエンジンのDPF容器である。
【0013】
また、好ましい実施の形態では、前記横置きエンジンの後面に隣接してターボチャージャーが配設され、該ターボチャージャーがコンプレッサーと遠心型の排気タービンとを有し、前記コンプレッサーと前記排気タービンとが前記エンジンの後面に沿って車幅方向に並んで配設され、前記コンプレッサーが前記トランスアクスルとは反対側に位置し、前記排気タービンが前記トランスアクスル側に位置し、該排気タービンの出口が前記トランスアクスル側に向けられている。これによれば、遠心型の排気タービンから吐出される排気ガスの向きをそのまま使って触媒容器に排気ガスを導くことができ、排気タービンと触媒容器との間の排気管の長さを必要最小限に抑えることができる。この効果は、前記ターボチャージャーが前記エンジンルームにおいて車幅方向中央部に位置し、側面視したときに、前記触媒容器が前記ターボチャージャーの後端よりも前方に位置することで一層効果的になる。
【0014】
また、好ましい実施の形態では、前記ダッシュパネルの前面には左右の前記フロントサイドフレーム間を延びるダッシュクロスメンバが設けられ、該ダッシュクロスメンバは、前記排気タービン及び前記触媒容器よりも低い高さレベルに配設されている。これによれば、オフセット前面衝突に効果的なダッシュクロスメンバを設けたとしても、排気タービン及び触媒容器とダッシュクロスメンバとが上下に高さレベルが異なっているため、これらの干渉を回避することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下に、添付の図面に基づいて本発明の好ましい実施例を説明する。
【0016】
図2、図3を参照して、参照符号1はダッシュパネルを示し、ダッシュパネル1によって車室2とエンジンルーム3とが区画されている。車室2には、インストルメントパネル4、ブレーキペダル5、ステアリングハンドル等が設けられている。参照符号6はフロントウインドウである。
【0017】
エンジンルームを上から見た図1、エンジンルームを下から見た図6から分かるように、エンジンルーム3の下方域には、エンジンルーム3の全域に亘って車体前後方向に延存する左右のフロントサイドフレーム10、10が配設され、そして、エンジンルーム3の後部には、左右のフロントサイドフレーム10、10の後端の間に亘ってダッシュパネル1に沿って延びるダッシュクロスメンバ11が配設されると共に車幅方向に延在するサブフレーム12が配設されており、サブフレーム12に、ステアリングロッドやその駆動ユニットを含むステアリング装置14が搭載されている。なお、フロントサイドフレーム10、10の前端にはクラッシュカンを介してバンパーレインフォースメント15に連結されている。
【0018】
参照符号16は前輪であり、前輪16のサスペンション機構18はコイルスプリングの中にショックアブソーバを配設したストラット式サスペンションが採用されている。このストラット式サスペンションは、既知のように、左右のサスペンションタワー20、20間の距離を大きくできるという利点がある。
【0019】
図1〜図3を参照して、エンジン22は、そのクランクシャフトを車幅方向に向けてエンジンルーム3内に搭載されている。すなわち、エンジン22は横置きのレシプロエンジンであり、エンジン22のクランクシャフトの後端にはトランスアクスル24が車幅方向に並んで連結されている。トランスアクスル24は、エンジン22のクランクシャフトに連結されたトルクコンバーター26に続いて遊星歯車機構を備えた多段の自動変速機28を備え、自動変速機28に連結されたデファレンシャルギア30を介してエンジン出力が左右の前輪15に伝達される。
【0020】
エンジン22は水冷式の4気筒エンジンであり、このエンジン22の冷却水は、フロントサイドフレーム10の前端部の間のシュラウドパネルに固設されたラジエータ34によって冷却される。
【0021】
横置きのエンジン22は、その前面22aから吸気され、後面22bから排気される。すなわち、エンジン22は前方吸気、後方排気の形式が採用されている。エンジン22はディーゼルエンジンであり、このエンジン22は、インタークーラー36付きのターボチャージャー38によって過給され、また、排気系にはDPF容器40が介装されている。
【0022】
エンジン22の吸気系について説明すると、吸気系は、その上流側から、順に配設された、エアクリーナボックス44、ターボチャージャー38のコンプレッサー46、インタークーラー36、吸気マニホールド48で構成されている。エアクリーナボックス44にはエア導入パイプ50(図1、図6)を通じて外気が供給され、エアクリーナボックス44に導入された外気はフィルター(図示せず)で浄化される。
【0023】
エアクリーナボックス44内で浄化した外気は、エアクリーナボックス44とコンプレッサー46とを連結する第1吸気管52(図1、図5)によってコンプレッサー46に供給され、コンプレッサー46で圧縮される。コンプレッサー46で圧縮された外気は、コンプレッサー46とインタークーラー36とを連結する第2吸気管54(図1、図4)によってインタークーラー36に供給され、インタークーラー36で空冷される。インタークーラー36で空冷された外気は、インタークーラー36と吸気マニホールド48とを連結する第3吸気管56(図6)によって吸気マニホールド48に供給され、そしてエンジン22の各気筒の吸気行程で各気筒に充填される。
【0024】
次に、エンジン22の排気系について説明すると、エンジン22側から順に、遠心型のターボチャージャー38の遠心型の排気タービン62、DPF(ディーゼル・パティキュレート・フィルタ)の他に、周知のように、第2触媒、サイレンサーで構成されている。ターボチャージャー38は、図1、図5から分かるように、エンジン22の長手方向に沿ってタービン62とコンプレッサー46が配列されており、タービン62はDPF容器40側に位置し、コンプレッサー46がインタークーラー36側に位置している。
【0025】
吸気系のレイアウトを説明すると、直方体形状のエアクリーナボックス44は、エンジンルーム3の前端部の一側端部における上端部に配設されている。エア導入パイプ50は、その上流端開口50aが縦方向に扁平な横方向に細長い形状を有し(図1)、そして、このエア導入パイプ50の上流端開口50aが車幅方向中央部においてシュラウドパネルとボンネットフード66との間に配設され、そして前方に向けて開放されている(図2)。エア導入パイプ50は、その上流端開口50aから車幅方向に延び(図1)、そして、前述した一側端部の上端部に位置するエアクリーナボックス44の車幅方向内方の側面44aに連結されている。
【0026】
次にエアクリーナボックス44とコンプレッサー46とを連結する第1吸気管52について説明すると、先ず、コンプレッサー46は、エンジン22の後面22bに隣接して配設されている。第1吸気管52は、その上流端がエアクリーナボックス44の上面44bに連結されている。そして、第1吸気管52は、エアクリーナボックス44から車幅方向の他端部まで延びた後に後方に延び、エンジン22の端面に隣接してその車幅方向外方の領域をエンジン22の後面22bまで延び、そして、この後面22bの上端部に隣接し且つ後面22bに沿って車幅方向に延びることによってコンプレッサー46に連結されている(図1)。すなわち、エンジンルーム3を平面視して第1吸気管52の形状を説明すると、第1吸気管52は、エンジンルーム3の前端部の一側に位置するエアクリーナボックス44から車幅方向他側に向けて車幅方向に延びた後に後方に向けて略直角に屈曲し、そして、後方に向けてエンジン22を越えるまで延びた後に略直角に屈曲して、エンジン22の後面22bに沿って車幅方向に延びる形状を有している。また、第1吸気管52を側面視したときに、エンジンルーム3の上端域つまりボンネットフード66の下面に隣接した略同一の平面内に配設されている。
【0027】
次に、コンプレッサー46とインタークーラー36とを連結する第2吸気管54について説明すると、先ず、インタークーラー36は、エンジンルーム3の前端部においてエアクリーナボックス44とは車幅方向反対側の他側の前端角隅部に配設され、そして、エンジンルーム3の前端角隅部における下端部に配設されている(図1、図6)。より詳しくは、インタークーラー36は、フロントサイドフレーム10の前端部よりも車幅方向外方の下方域に配設されている。
【0028】
第2吸気管54は、コンプレッサー46から一旦上方に延びた後にエンジン22の後面22bに沿って且つ後面22に隣接して車幅方向に延びた後に上記第1吸気管52の直下方を第1吸気管52と上下に並んでエンジンルーム3の側部を前方に延び、そしてエンジン22の前面22aを越え直後に斜め下方に延びてインタークーラー36に連結されている(図6)。
【0029】
次に、インタークーラー36と吸気マニホールド48とを連結する第3吸気管56について説明すると、先ず吸気マニホールド48は、エンジン22が前方吸気方式を採用していることから、エンジン22の前面23aに取り付けられている。第3吸気管56は、インタークーラー36から車幅方向内方に向けて延びた後に上方に屈曲して吸気マニホールド48に連結されている。
【0030】
排気系のレイアウトを説明すると、DPF容器40は、トランスアクスル24の上方域且つこれに隣接して配設され(図5)、また、エンジン22の側方域に隣接して配設され(図1)、そしてDPF容器40は車体前後方向に延在している。DPF容器40は円筒体の形状を有し、排気ガスは、DPF容器40の後面側から入り、DPF容器40の前面側から流出する。
【0031】
エンジン22の後面22bに締結された排気マニホールド70の出口はトランスアクスル24側に片寄せして形成されている(図1)。そして、この排気マニホールド70の出口に隣接して遠心型の排気タービン62が取り付けられている。また、排気タービン62の出口は車幅方向外方且つDPF容器40側に向けられており、排気タービン62は排気マニホールド70に実質的に直に連結されている。
【0032】
DPF容器40は、トランスアクスル24の上方に配設されていることは前述したとおりであるが、その高さ位置は排気タービン62と実質的に同じ高さレベルに位置決めされている。また、DPF容器40の後端は排気タービン62の少なくとも後端よりも前方に位置しており、好ましくは、排気タービン62の出口よりも前方に位置しており、排気タービン62と排気マニホールド70の後端面とは第1排気管72によって連結されている。DPF容器40の前面の出口には第2排気管74が接続され、この第2排気管74は、車幅方向中央部分に向けて且つ下方に向けて斜め下方に延びた後に略90度屈曲してエンジン22の下方を通り且つ車体中心軸線に沿って後方に延びている。この第2排気管74には、第2触媒やサイレンサーなどが設置される。なお、DPF容器40の中に酸化触媒を収容してもよく、この場合、上記第2触媒は還元触媒とすればよい。
【0033】
上述したように、実施例によれば、比較的大型であり且つ硬質なケースを含むDPF容器40が横置きエンジン22に連結されたトランスアクスル24の上方域に配設してあり、このことから後方排気のエンジン22に隣接して位置していることから、排気マニホールド70に隣接した位置にDPF容器40の入口を位置させることができる(図1)。このことから、DPF容器40をエンジン22に接近させて始動時の早期の活性化を図ることができ且つエンジン22の後方からDPF容器40の存在を排除できるため、このDPF容器40がエンジン22の後方に存在することによってクラッシュストロークが短縮してしまうのを回避することができる。
【0034】
また、実施例ではターボチャージャー38が搭載され、遠心型の排気タービン62とコンプレッサー46とが車幅方向に並ぶようにターボチャージャー38がエンジン22に組み付けられている(図5)。すなわち、横置きエンジン22の後面22bに沿って排気タービン62とコンプレッサー46が並んで位置しており、このことから遠心型の排気タービン62の出口が車幅方向外方且つDPF容器40側に向けられており、更に、排気タービン62とDPF容器40とが略同一の高さレベルに配設されていることから、排気タービン62とその側方に位置するDPF容器40の入口とが車幅方向に直線的に延びる第1排気管72で連結することができるため比較的短い管路で且つ短距離に排気タービン62とDPF容器40とを連結することができる。このことから、排気流れを阻害しないでエンジン22から出た直後の排気ガスをDPF容器40に導入できる。
【0035】
また、排気マニホールド70の出口を排気マニホールド70の長手方向中央からDPF容器40側に片寄せして設定されているため排気タービン62及びコンプレッサー46を車幅方向中央に搭載することができると共に、エンジン22の上部に排気タービン62及びコンプレッサー46を配設することができる。このことから、ダッシュパネル1の車幅方向中央且つ上部に臨んでターボチャージャー38を配設することができ、この結果、前面衝突によってターボチャージャー38が後退してダッシュパネル1と干渉したとしても、このターボチャージャー38によってダッシュパネル1が変形したとしても左右の前席乗員の間であり且つ前席乗員の足元ではないため前席乗員の下肢への影響を回避することができる。
【0036】
また、実施例では、ダッシュパネル1の下部に沿ってダッシュクロスメンバ11を設けることで、オフセット前面衝突での適合性能を高めるフレーム構造が採用されているが、図2から分かるようにダッシュクロスメンバ11よりも高い高さレベルにDPF容器40やターボチャージャー38が配設されているため、DPF容器40を含む排気系がダッシュクロスメンバ11と干渉することはない。同様に図2から分かるように、トランスアクスル32の後端部つまりデファレンシャルギア38がダッシュクロスメンバ11よりも低い高さレベルであるため前面衝突時にデファレンシャルギア38がダッシュクロスメンバ11と干渉することはない。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】エンジンルームを図2のI−I線に沿って上方から見た図である。
【図2】エンジンルームを図6のII−II線に沿って右から左方向に見た図である。
【図3】エンジンルームを左から右方向に見た図である。
【図4】エンジンルームを正面から見た図である。
【図5】エンジンルームを図2のV−V線に沿って後方から見た図である。
【図6】エンジンルームを下方から見た図である。
【符号の説明】
【0038】
1 ダッシュパネル
2 車室
3 エンジンルーム
10 フロントサイドフレーム
11 ダッシュクロスメンバ
12 サブフレーム
22 エンジン
22a エンジン前面
22b エンジン後面
24 トランスアクスル
26 トルクコンバーター
28 自動変速機
38 ターボチャージャー
40 DPF容器
42 吸気系
44 エアクリーナボックス
46 コンプレッサー(ターボチャージャー)
60 排気系
62 排気タービン(ターボチャージャー)
70 排気マニホールド

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ダッシュパネルによって車室とエンジンルームとが区画され、前記ダッシュパネルから前方に延びる左右のフロントサイドフレーム間に、クランクシャフトの端にトランスアクスルが一体に連結されたレシプロエンジンがそのクランクシャフトを車幅方向に沿って延びる横置きに搭載された車体前部構造において、
前記レシプロエンジンの後面に接続された排気系の排気管の一部が、排気ガスの流れ方向に前記トランスアクスルの上方域且つ前記横置きエンジンの側方域に車体後方から前方に向けて延びた後に下方に屈曲し、次に後方に向けて屈曲して前記エンジンの下方域において後方に延びていることを特徴とする車体前部構造。
【請求項2】
前記トランスアクスルの上方域且つ前記横置きエンジンの側方域に位置する排気管が触媒容器で構成されている、請求項1に記載の車体前部構造。
【請求項3】
前記横置きエンジンの後面に隣接してターボチャージャーが配設され、該ターボチャージャーがコンプレッサーと遠心型の排気タービンとを有し、前記コンプレッサーと前記排気タービンとが前記エンジンの後面に沿って車幅方向に並んで配設され、前記コンプレッサーが前記トランスアクスルとは反対側に位置し、前記排気タービンが前記トランスアクスル側に位置し、該排気タービンの出口が前記トランスアクスル側に向けられている、請求項1又は2に記載の車体前部構造。
【請求項4】
前記ダッシュパネルの前面には左右の前記フロントサイドフレーム間を延びるダッシュクロスメンバが設けられ、該ダッシュクロスメンバは、前記排気タービン及び前記触媒容器よりも低い高さレベルに配設されている、請求項3に記載の車体前部構造。
【請求項5】
前記ターボチャージャーが前記エンジンルームにおいて車幅方向中央部に位置し、側面視したときに、前記触媒容器が前記ターボチャージャーの後端よりも前方に位置している、請求項2〜4のいずれか一項に記載の車体前部構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−220769(P2009−220769A)
【公開日】平成21年10月1日(2009.10.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−69660(P2008−69660)
【出願日】平成20年3月18日(2008.3.18)
【出願人】(000003137)マツダ株式会社 (6,115)
【Fターム(参考)】