説明

車載ナビゲーション装置

【課題】現金を直接支払わないで料金精算可能な料金精算カード(例えばETCカード)を、後日どの場所で利用したのかを車両内で即座に把握できるようにし、その場所に車両で容易に行くことができるようにすること。
【解決手段】料金所番号と料金所名及びその位置情報とが対応付けられた変換テーブルを用意しておく。そして、ETCカード210に記憶されている利用履歴情報を読み込み、その利用履歴情報に含まれている料金所番号から、変換テーブルを用いて料金所名及びその位置情報を取得する。その後、地図上の取得した位置情報に対応する位置に、ETCカード210を利用した旨を示すマークを表示する(図3参照)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の現在地周辺の地図を表示して当該車両の走行を補助する車載ナビゲーション装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、有料道路の通行料金の自動収受するのに必要なETCカードを利用すると、そのETCカードには利用履歴情報が記憶される。この利用履歴情報は、どこの料金所であるかを識別する料金所番号、利用日時、金額等で構成される。そして、これらの情報はETC車載器や車載ナビゲーション装置の画面などでリスト表示することよって確認できるようになっている。したがって、ユーザーはETCカードでどの程度金額を費やしたか等を確認することができる。
【0003】
しかし、上述したように利用履歴情報からは料金所番号しか参照することができないので、ユーザーにとってはどこの料金所であるかが即座に把握できない。そこで、特許文献1では、ETCカードを利用したときには料金所名称も記憶できるようにし、後日車載ナビゲーション装置用の画面にその料金所名称を含めたETCカードの利用履歴情報を表示できるようにしている。
【特許文献1】特開2000−348224号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1ではETCカードの利用履歴情報から利用した料金所の名称を知ることはできるといっても、それがどの場所にあるのかが把握し辛い。
【0005】
一方、現在はETCカードは有料道路の通行料金のみに使用されているが、将来的には駐車場の料金など他の用途にも利用できるようにする計画がなされており、この場合であっても、後日その駐車場がある施設の名称のみ参照できても、その施設がどこにあるのかが即座に把握できない場合も予想される。さらに、将来的にETCカード以外の料金精算カード(例えばクレジットカード)の利用履歴情報を車載ナビゲーション装置で参照できるようになるかもしれず、この場合もユーザーにとってはどこでそのカードを利用したかを即座に把握できるのが望ましい。なぜなら、再度そのカードを利用した施設に車両で行くことも考えられるからである。
【0006】
本発明は以上の問題点に鑑みてなされたものであり、現金を直接支払わないで料金精算可能な料金精算カードを、後日どの場所で利用したのかを車両内で即座に把握できるようにし、その場所に車両で容易に行くことができる車載ナビゲーション装置を提供することを特徴とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために請求項1の車載ナビゲーション装置は、車両の現在地を検出する位置検出手段と、位置情報が付された施設データを含む地図データを記憶する地図データ記憶手段と、前記車両の現在地及びその周辺の地図を前記地図データに基づいて表示する表示手段とを備える車載ナビゲーション装置において、直接現金を支払わないで料金精算可能なカードであって、少なくとも料金精算した施設に関する情報を含む当該カードの利用履歴情報が記憶されている料金精算カードから当該利用履歴情報を取得する取得手段と、前記料金精算カードから取得した利用履歴情報の料金精算した施設に関する情報から少なくとも当該施設の位置を特定する特定手段とを備え、前記表示手段は、前記特定手段が特定した位置に対応する地図上に、前記料金精算した施設であることを示すマークを表示することを特徴とする。
【0008】
このように、料金精算カードを利用した場所が地図上に表示されるので、ユーザーはどこでそのカードを利用したのかを即座に把握することができる。また、その場所に行きたいときには、その場所が表示されている地図を頼りに容易にその場所に行くことができる。
【0009】
請求項2の車載ナビゲーション装置は、前記特定手段は、前記料金精算した施設に関する情報から当該施設の名称も特定することを特徴とする。このように名称も特定することによって、以下の請求項に示す効果を得ることができる。
【0010】
請求項3の車載ナビゲーション装置は、前記表示手段は、前記料金精算した施設であることを示すマークとともに、当該施設の名称又は種類も表示することを特徴とする。施設の名称としては、例えば「名古屋インター」、また施設の種類としては、例えば高速道路のインターチェンジを示す「IC」、駐車場であれば「PA」などがある。これによって、ユーザーは、どのような施設でカードを利用したのかを容易に把握することができる。
【0011】
請求項4の車載ナビゲーション装置は、前記表示手段は、前記特定手段が特定した施設の名称を含む、当該料金精算した施設に対する前記利用履歴情報を表示することを特徴とする。この利用履歴情報としては、上述したように、カードの利用日時、金額、ETCカードであればどの高速道路でどこからどこまでのを走行したのか、などから構成される。これにより、車両内で詳細なカードの利用履歴情報を確認することができる。
【0012】
請求項5の車載ナビゲーション装置は、前記表示手段は、前記料金精算した施設に対する利用履歴情報を、当該施設を示すマークと同時に表示することを特徴とする。これにより、ユーザーは即座に利用履歴情報を確認することができる。
【0013】
請求項6の車載ナビゲーション装置は、前記表示手段は、前記料金精算した施設に対する利用履歴情報の表示を指示する指示手段を備え、当該指示手段による表示指示があったときに前記料金精算した施設に対する利用履歴情報を表示することを特徴とする。ユーザーにとっては、詳細な利用履歴情報までは確認する必要はないと考える場合もあり得る。これによって、ユーザーが欲する利用履歴情報のみを表示することができる。
【0014】
請求項7の車載ナビゲーション装置は、前記表示手段は、前記料金精算した施設に対する利用履歴情報を表示するときは、前記地図データに含まれる施設データに付された当該施設に関する情報も表示することを特徴とする。上述したように、通常利用履歴情報には利用した施設の名称や、金額、利用日時から構成されるが、その施設の詳細な情報までは含まれない。そこで、請求項7では、地図データに含まれる施設データを用いて、カードを利用した施設の詳細な情報も表示するようにしたものである。ここで、施設に関する情報としては、例えばデパートであれば住所や営業時間、また駐車場であれば駐車料金などが挙げられる。このようにユーザーは、その施設の詳細な情報も確認することができるので、その施設に行くか否かの参考にすることができる。
【0015】
請求項8の車載ナビゲーション装置は、前記表示手段が表示する施設に関する情報が複数の情報を含んでいるときは、当該複数の情報のうち表示する情報を選択する第1の選択手段を備えることを特徴とする。例えば、一つの施設に対する情報といっても、その施設の住所、営業時間、料金など複数ある場合がある。この場合、ユーザーによってはすべての情報を欲しない場合も考えられ、それにもかかわらずすべての情報を表示すると画面の視認性が悪化する可能性もある。請求項8のこうようなことに鑑みてなされたものである。
【0016】
請求項9の車載ナビゲーション装置は、前記料金精算した施設に関する情報と当該施設の位置とが対応付けられた第1の変換テーブルを記憶する第1の変換テーブル記憶手段を備え、前記特定手段は、前記第1の変換テーブルを用いて前記料金精算した施設の位置を特定することを特徴とする。これによって、カードを利用した施設の位置(緯度、経度等)を特定することができる。
【0017】
請求項10の車載ナビゲーション装置は、前記料金精算した施設に関する情報と当該施設の名称とが対応付けられた第2の変換テーブルを記憶する第2の変換テーブル記憶手段を備え、前記特定手段は、前記変換テーブルを用いて前記料金精算した施設の名称を特定することを特徴とする。
【0018】
上述したように、ETCカードの場合であれば利用した料金所を示す番号が利用履歴情報として記憶される。したがって、この場合第2の変換テーブルは、料金所番号とそれに対応する料金所の名称とからなるテーブルとなる。他の料金精算カードについても、利用した施設の名称そのものが記憶されず、施設を識別するコード番号等で記憶される可能性が高いと考えられる。カード会社側にとってはコード番号の方が管理しやすいためである。請求項8は、このようなことに鑑みたものである。これによって、カードの利用履歴情報から、カードを利用した施設の名称を特定することができる。
【0019】
請求項11の車載ナビゲーション装置は、前記特定手段は、前記変換テーブルを用いて変換した施設の名称を、前記地図データに含まれる施設データを参照することによって、前記料金精算した施設の位置を特定することを特徴とする。これによっても、カードを利用した施設の位置を特定することができる。
【0020】
請求項12の車載ナビゲーション装置は、前記表示手段は、前記車両の現在地及びその周辺の地図上にある前記料金精算した施設に対してのみ、前記地図上に当該施設を示すマークを表示することを特徴とする。例えば、料金精算した施設が複数ある場合、それら施設を全て地図上に表示すると、地図の縮尺を大きくするか、施設ごとに地図画面を変える必要がある。したがって、かえって施設のある場所が分かりにくくなったり、ユーザーにとっては地図画面の変更によって煩わしく感じることも予想される。請求項12はこのようなことを鑑みたものである。
【0021】
請求項13の車載ナビゲーション装置は、前記表示手段は、前記特定手段が特定した料金精算した施設の名称をリスト表示し、当該リスト表示した施設の中からいずれかの施設を選択する第2の選択手段を備え、当該第2の選択手段により選択された施設に対してのみ、前記地図上に当該施設を示すマークを表示することを特徴とする。例えば、カードの利用履歴情報が複数ある場合、全ての施設の場所を地図上に表示しても、ユーザーにとっては位置把握する必要のない施設もあると考えられる。そこで、請求項12ではユーザーが選択した施設のみ地図上に表示するようにしたものである。
【0022】
請求項14の車載ナビゲーション装置は、前記表示手段が前記料金精算した施設を示すマークを表示した施設を当該マークが表示された画面上で目的地として設定する設定手段と、前記車両の現在地から前記設定手段が設定した目的地までの最適経路を前記地図データを用いて探索する経路探索手段とを備えることを特徴とする。これによって、ユーザーは、通常の目的地設定のためのメニューからその施設を検索して目的地設定する必要がなく、簡易にその施設を目的地として設定することができその施設に行くことができる。
【0023】
請求項15の車載ナビゲーション装置は、前記料金精算した施設を示すマークの表示を中止する中止手段を備えることを特徴とする。これは、ユーザーにとっては料金精算した施設を示すマークを表示すると、煩わしく感じることもあり得ることを考慮したものである。
【0024】
請求項16の車載ナビゲーション装置は、前記料金精算カードは、車両に関する料金精算に用いられるETCカードであることを特徴とする。これは、ETCカードを利用する場合は常に車両(ETC車載器)に装着するものであることから、ユーザーにとってはETCカードを利用した施設の位置が表示されると特に便利であると予想されることによる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、本発明に係る車載ナビゲーションの実施形態について説明する。本実施形態では、ETC車載器に挿入されたETCカードの利用履歴情報に基づいて、そのETCカードを利用したICを地図上に表示する。以下、図面を用いて詳細に説明する。
【0026】
図1は、本実施形態の車載ナビゲーション装置100の全体構成及びこれに接続されているETC車載器200を示すブロック図である。同図に示すように車載ナビゲーション装置100は、位置検出器1、地図データ入力器6、操作スイッチ群7、外部メモリ9、表示装置10、音声出力装置11、リモコンセンサ12、リモコン13、外部情報入出力装置14及びこれらと接続する制御回路8から構成される。一方、ETC車載器200は、外部情報入出力装置14を介して制御回路8に接続されている。以下各構成部品について説明する。
【0027】
位置検出器1は、いずれも周知の地磁気センサ2、ジャイロスコープ3、距離センサ4、及び衛星からの電波に基づいて車両の位置を検出するGPS(Global Positioning System)のためのGPS受信機5を有している。これらは、各々が性質の異なる誤差を持っているため、複数のセンサにより各々補完しながら使用するように構成されている。なお、各センサの精度によっては位置検出器1を上述した一部で構成してもよく、更に、図示しないステアリングの回転センサ、各転動輪の車速センサ等を用いてもよい。この位置検出器1により、車両の現在地が検出され、後述する制御回路8は、例えば、経路案内を行う際には、車両が探索経路のどの位置を走行しているのかを認識でき、また車両がその経路に沿って走行しているか否かを判定することができる。
【0028】
地図データ入力器6は、道路の接続構造を示す道路地図データ、この道路地図データを用いた道路地図を表示する際に、地形や施設に関する背景を表示するための背景データ、地名等を表示するための文字データなどの各種の地図データを制御回路8に入力するためのものである。この地図データ入力器6は、上述した地図データを記憶する記憶媒体を備え、記憶媒体としては、そのデータ量からDVD−ROMやハードディスクを用いるのが一般的であるが、メモリカード等の他の記憶媒体を用いてもよい。
【0029】
ここで、地図データ入力機6の記憶媒体に記憶されている地図データについて、簡単に説明する。まず、道路地図データは、複数の道路が交差、合流、分岐する地点に関するノードデータと、その地点間を結ぶ道路に関するリンクデータを有する。ノードデータは、ノード毎に固有の番号を付したノードID、ノード座標、ノード名称、ノードに接続する全てのリンクのリンクIDが記述される接続リンクID、及び交差点種類などの各データから構成される。また、リンクデータは、道路毎に固有の番号を付したリンクID、リンク長、始点及び終点座標、高速道路や一般道路などの道路種別、道路幅員、リンク旅行時間、勾配度合いなどの各データから構成されている。
【0030】
背景データは、地図上の各施設や地形等と、それに対応する地図上の座標を関連付けたデータとして構成している。なお、施設に関しては、その施設に関連付けて電話番号や、住所等のデータも記憶されている。また、文字データは、地名、施設名、道路名等を地図上に表示するものであって、その表示すべき位置に対応する座標データと関連付けて記憶されている。
【0031】
従って、この道路地図データに背景データ及び文字データを組み合わせることにより、道路を含む地図を表示することができる。また、道路地図データは、地図を表示する以外に、マップマッチング処理を行う際の道路の形状を与えるために用いられたり、目的地までの案内経路を検索する際に用いられる。
【0032】
さらに、本実施形態では、地図データとは別に、地図データが記憶されている媒体にはETCカードに記憶される各料金所を識別する料金所番号を、対応する料金所名及び位置(緯度、経度)に変換する変換テーブルも記憶されている。なお、この変換テーブルは、他の記憶媒体に記憶してもよい。
【0033】
操作スイッチ群7は、例えば、後述する表示装置10と一体になったタッチスイッチもしくはメカニカルなスイッチ等が用いられ、例えば、経路探索の際の出発地及び目的地の設定をするのに用いられる。
【0034】
外部メモリ9は、例えば、メモリカードやハードディスク等の記憶媒体からなる。この外部メモリ9には、ユーザーによって記憶されたテキストデータ、画像データ、音声データ等の各種データが記憶される。
【0035】
表示装置10は、例えば、液晶ディスプレイによって構成され、表示装置10の画面には、通常、車両の現在位置に対応する自車位置マーク、及び、地図データ入力器6より入力された地図データによって生成される自車両周辺の道路地図が表示される。また、操作スイッチ群7の操作によって、表示装置10には、メニュー画面や設定画面等の各種の画面が表示される。さらに、本実施形態では、ETCカードに記憶されている履歴情報に基づいて、以前にETCカードを利用施設(IC)であることを示すマークが表示装置10に表示されている地図上に表示される。このときの処理については、本発明の特徴部分であるので、フローチャートを用いて後述する。
【0036】
音声出力装置11は、スピーカやオーディオアンプ等から構成されるもので、経路案内などの音声案内等を行う際に用いられる。
【0037】
また、本実施形態の車載ナビゲーション装置100は、リモートコントロール端末(以下、リモコンと称する)13及びリモコンセンサ12を備えており、このリモコン13によっても、上述した操作スイッチ群7とほぼ同様に、各種のナビゲーション操作を行うことが可能である。
【0038】
外部情報入出力装置14は、外部から提供される情報を受信し、また外部へ情報を発信する。本実施形態では、この外部情報入出力装置14にETC車載器200が接続され、後述する制御回路8はETC車載器200との間で通信を行う。その他、外部情報入出力装置14には、現在の道路交通情報を受信するVICS情報受信機(図示せず)なども接続される。
【0039】
ここで、このETC車載器200について簡単に説明する。ETC車載器200は、ETCカード210を挿入することによって、有料道路の料金所をノンストップで通過することができる装置である。具体的には、ETC車載器200には自身を識別させる車載器ID及び契約車両情報(車分類、ナンバープレート情報等)が記憶されている。ETCカード210は、有料道路の通行料金を直接現金を支払うことなく精算することができるカードであり、利用限度額が決まっているプリペイド式又は、あらかじめ決められた指定口座から後日に利用額が引き落としされる形式のカード等がある。ETC車載器200は、有料道路の料金所を通過する際には、料金所に設置された路上機に上述の車載器ID、車両に関する情報及びETCカードのID等を送信する。さらに、路上機から送信される料金所番号や通行料金、通行時間などを受信し、それらを利用履歴情報としてETCカード210に書き込む。一方、路上機側では上述のETC車載器200から送信される情報が正規の情報か否かを判定し、その判定結果に基づいて車両の料金所通過を許可・不許可するとともに、ETCカード210のIDを基に通行料金の自動精算を行う。
【0040】
制御回路8は、通常のコンピュータとして構成されており、内部には周知のCPU、ROM、RAM、I/O及びこれらの構成を接続するバスラインが備えられている。ROMには、制御回路8が実行するためのプログラムが書き込まれており、このプログラムに従ってCPUが上記各部を利用した各種演算処理を行う。例えば、ユーザーから出発地と目的の設定があった場合には、地図データを用いて、その出発地から目的地までの複数の候補経路を探索し、ドライバーがそのうちのいずれかの経路を案内経路として設定した場合には、その案内経路に沿って車両を誘導案内する。また、経路を設定していない場合であっても、位置検出器1からの信号に基づいて車両の現在地を検出し、それを地図データの道路上の位置にくるようにマッチング処理を行う。
【0041】
さらに、制御回路8は、本発明の特徴であるETC車載器200に挿入されているETCカード210に記憶されている利用履歴情報を読み出し、地図画面上のETCカード210を利用した位置(IC)に、過去にETCカード210を利用した旨を示すマークを表示する処理を行う。以下、このときの処理を図2のフローチャートを用いて説明する。
【0042】
先ずステップS100において、ETC車載器200にETCカード210が挿入されているか否かを判定する。この判定は、外部情報入出力装置14を介して、ETC車載器200と通信することにより行う。ここで、ETC車載器200にETCカード210が挿入されていない場合は以降の処理を行わない。一方、ETC車載器200にETCカード210が挿入されている場合は、ステップS101においてそのETCカード210に利用履歴情報が記憶されているか否かを判定する。ここで、ETCカード210に利用履歴情報が記憶されていない場合は以降の処理を行わない。一方、ETCカード210に利用履歴情報が記憶されている場合は、ステップS102においてその利用履歴情報を読み込む。
【0043】
そして、ステップS103において、読み込んだ利用履歴情報に含まれる利用した料金所の番号(料金所番号)が、上述の変換テーブルにあるか否かを判定する。ここで、変換テーブルに該当する料金所番号がない場合は、料金所名及びその位置を取得することができないので、以降の処理は行わない。これは、例えば新しくできたインターチェンジ(IC)については、未だ変換テーブルに組み込まれていない場合もあることを想定したものである。一方、変換テーブルに該当する料金所番号がある場合は、ステップS103において、その変換テーブルから該当する料金所番号に対応する料金所名と位置情報を取得する。その後ステップS105において、例えば図3に示すように、地図上の変換テーブルから取得した位置情報に相当する位置に、以前にETCカード210を利用した旨を示すマークを表示する。
【0044】
以上本実施形態では、ETCカード210に利用履歴情報として記憶される料金所番号に対応する料金所名とその位置情報とからなる変換テーブルを用意している。そして、ETCカード210から読み込んだ利用履歴情報に含まれる料金所番号を変換テーブルを用いて、対応する料金所名とその位置情報に変換する。そして、地図上の該当する位置に以前にETCカード210を利用した旨を示すマークを表示している。これによって、ユーザーは以前にどこのインターチェンジでETCカード210を利用したのかを容易に把握することができ、また表示されている地図から容易にそのインターチェンジに行くこともできる。
【0045】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々なる形態で実施することができる。例えば、上記実施形態ではETCカード210を利用した施設として、インターチェンジを対象としていたが、今後駐車場など他の施設についてもETCカードで精算できるようになった場合には、その料金精算した施設の場所を地図表示してもよい。この場合も、ETCカード210に利用履歴情報として記憶される施設を示す情報とその施設名及びその位置情報とが対応付けられた変換テーブルを用意する必要がある。
【0046】
また、上記実施形態ではETCカード210を利用した施設(料金所)を表示していたが、クレジットカードなど直接現金支払いすることなく料金精算可能な他の料金精算カードに適用してもよい。つまり、料金精算カードに記憶されている利用履歴情報から、その料金精算カードを利用した施設を地図上に表示する。過去に料金精算カードを利用した場合、ユーザーはその利用した施設に再び行きたいと思うことがあると考えられ、このような場合に有効である。さらに、このように複数の種類の施設について適用した場合を考慮して、過去に料金精算カードを利用したことを示すマークとともに、その施設の名称や種類(例えば駐車場であれば「PA」、インターチェンジであれば「IC」)を表示するようにしてもよい。
【0047】
また、上記実施形態では変換テーブルに料金所の料金所名とともにその位置情報も含めていた。しかし、その位置情報を地図データから取得してもよい。地図データには地図上に施設を示すマークを表示するために、施設の位置情報を有しているからである。したがって、この場合の変換テーブルは、料金所番号に対応する料金所名から構成されることになる。このときの処理を、例えば図4に示すフローチャートに従って行う。なお、上述した処理と同一の処理には同一の符号を付している。以下、このときの処理について図2に示した処理と異なる部分を中心に説明する。
【0048】
先ず図2に示す処理と同様に、ETCカード210から読み込んだ利用履歴情報に含まれる料金所番号に対応する料金所名が変換テーブルにあるか否かを判定する(ステップS100〜S103)。ここで、変換テーブルに該当する料金所名がない場合には以降の処理を行わない。料金所名が取得できなければ、地図データからその料金所の位置情報を得ることができないからである。一方、変換テーブルに該当する料金所名がある場合は、ステップS106において地図データからその料金所名に該当する施設を検索する。そして、ステップS107において該当する施設があるか否かを判定する。ここで、該当する施設がある場合は、ステップS108において地図データからその施設の位置情報を取得し、ステップS105において地図上の該当する位置に以前にETCカード210を利用した旨を示すマークを表示する(図3参照)。一方、ステップS107において地図データに該当する施設がない場合は、その施設の位置情報を取得することができないので、以降の処理を行わない。これは、新しくできたインターチェンジなどの施設には未だ地図データが対応していないこともあり得ることを想定したものである。
【0049】
また、上記実施形態ではETCカード210の利用履歴情報が複数ある場合については言及してなかったが、利用履歴情報が複数ある場合についても適用することができる。例えば、現在画面に表示されている地図内に、ETCカード210を利用した施設がある場合のみETCカード210を利用した旨を示すマークを表示する。または、ユーザーのスイッチ操作によって、それら複数の施設について順番に各施設の周囲の地図を表示するとともに、その地図上にETCカード210を利用した旨を示すマークを表示してもよい。なお、この表示する順番に関して、例えば現在地から近い施設から順番に表示したり、ETCカード210を利用した日時が新しい施設から順番に表示したりする。この場合、ユーザーはETCカード210をどこで利用したかについて、順番に把握することができる。または、画面表示する地図の縮尺を大きくして、全ての施設について同時にETCカード210を利用した旨を示すマークを表示してもよい。この場合、ユーザーはETCカード210をどこで利用したかについての大凡の位置を、即座に把握することができる。または、図5に示すように、先ず全ての利用履歴情報をリストで表示するとともに、各利用履歴情報に対応した「地図表示」ボタンを画面上に設ける。そして、ユーザーによってタッチされた「地図表示」ボタンに対応する施設について、地図上にETCカード210を利用した旨を示すマークを表示する。この場合、ユーザーが確認したい施設についてのみその位置を地図表示することができる。なお、利用履歴情報をリストで表示するには、変換テーブルを用いて、施設名を取得しておく必要がある。
【0050】
また、上記実施形態では地図上にETCカード210を利用した旨を示すマークのみを表示していた(図3参照)。しかし、そのマークの他に図6に示すように利用履歴情報の詳細を表示するようにしてもよい。例えば、「詳細履歴情報」ボタンを画面上に設けて、そのボタンをユーザーによってタッチされた場合に詳細履歴情報を表示する。または、表示されている上記マークをユーザーがタッチすることによって、詳細履歴情報を表示してもよい。また、「詳細履歴情報」ボタンを設けずに、一律に詳細履歴情報を表示するようにしてもよい。これによって、ユーザーはETCカード210を利用した場所とともに、その詳細(日時、料金等)も把握することができる。なお、図6(a)は同一画面上にETCカード210を利用した施設の地図上の位置と、その詳細履歴情報を表示した例を示しており、同図(b)はETCカード210を利用した施設の地図上の位置を示している画面を切り替えて、その詳細履歴情報のみを画面表示した例を示している。
【0051】
さらに、詳細履歴情報を表示する際に、地図データに含まれている施設情報を表示するようにしてもよい。表示する施設情報としては、例えば、その施設の電話番号や住所、営業時間、駐車場であればその料金などが挙げられる。これによって、ユーザーはその施設に再度行くか否かについて参考にすることができる。
【0052】
また、詳細履歴情報や地図データに含まれている施設情報を表示する場合に、それらの情報のうち、どの情報を表示するかをユーザーが選択できるようにしてもよい。すべての情報を表示した場合、ユーザーによっては欲しない情報も含まれている場合もあるからである。これによって、不要な情報を表示することによる煩わしさを防ぐことができる。さらに、ETCカード210を利用した旨を示すマーク自体についても、表示するか否かを選択できるようにしてもよい。ユーザーによっては、そのマークの表示を望まない場合もあり得るからである。
【0053】
また、上記実施形態では地図上にETCカード210を利用した旨を示すマークを表示していた。これによって、その施設に再度行く場合はそのマークが表示されている地図を参照すればよい。しかし、その施設が現在地から遠い場所にある場合には、地図を参照してもその施設に到達するまでに時間的、距離的にロスが生じることもあり得る。そこで、例えば図7に示すように、その施設が表示されている地図画面上に「目的地設定」ボタンを設ける。そして、ユーザーによってその「目的地設定」ボタンがタッチされたときには、その施設を目的地として設定して、その施設までの最適経路を探索するようにしてもよい。これによって、上記問題点を解決できるとともに、通常の目的地設定するときのように、その施設名をメニュー検索することによる、ユーザーの操作負担を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本実施形態の車載ナビゲーション装置100の全体構成及びそれに接続されているETC車載器200を示すブロック図である。
【図2】ETCカード210を利用した施設(IC)の地図上の位置を表示する処理を示すフローチャートである。
【図3】ETCカード210を利用した施設(IC)の地図上の位置を表示した図である。
【図4】ETCカード210を利用した施設の位置情報を、地図データから取得するときの処理を示すフローチャートである。
【図5】ETCカード210の利用履歴情報をリスト表示した図である。
【図6】ETCカード210の利用履歴情報の詳細を表示した図である。
【図7】ETCカード210を利用した施設(IC)の地図上の位置を表示した画面上に、その施設を目的地に設定する「目的地設定」ボタンを設けた図である。
【符号の説明】
【0055】
100 車載ナビゲーション装置
1 位置検出器
2 地磁気センサ
3 ジャイロスコープ
4 距離センサ
5 GPS受信機
6 地図データ入力器
7 操作スイッチ群
8 制御回路
9 外部メモリ
10 表示装置
11 音声出力装置
12 リモコンセンサ
13 リモコン
14 外部情報入出力装置
200 ETC車載器
210 ETCカード

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の現在地を検出する位置検出手段と、
位置情報が付された施設データを含む地図データを記憶する地図データ記憶手段と、
前記車両の現在地及びその周辺の地図を前記地図データに基づいて表示する表示手段とを備える車載ナビゲーション装置において、
直接現金を支払わないで料金精算可能なカードであって、少なくとも料金精算した施設に関する情報を含む当該カードの利用履歴情報が記憶されている料金精算カードから当該利用履歴情報を取得する取得手段と、
前記料金精算カードから取得した利用履歴情報の料金精算した施設に関する情報から少なくとも当該施設の位置を特定する特定手段とを備え、
前記表示手段は、前記特定手段が特定した位置に対応する地図上に、前記料金精算した施設であることを示すマークを表示することを特徴とする車載ナビゲーション装置。
【請求項2】
前記特定手段は、前記料金精算した施設に関する情報から当該施設の名称も特定することを特徴とする請求項1に記載の車載ナビゲーション装置。
【請求項3】
前記表示手段は、前記料金精算した施設であることを示すマークとともに、当該施設の名称又は種類も表示することを特徴とする請求項2に記載の車載ナビゲーション装置。
【請求項4】
前記表示手段は、前記特定手段が特定した施設の名称を含む、当該料金精算した施設に対する前記利用履歴情報を表示することを特徴とする請求項2又は3に記載の車載ナビゲーション装置。
【請求項5】
前記表示手段は、前記料金精算した施設に対する利用履歴情報を、当該施設を示すマークと同時に表示することを特徴とする請求項4に記載の車載ナビゲーション装置。
【請求項6】
前記表示手段は、前記料金精算した施設に対する利用履歴情報の表示を指示する指示手段を備え、当該指示手段による表示指示があったときに前記料金精算した施設に対する利用履歴情報を表示することを特徴とする請求項4に記載の車載ナビゲーション装置。
【請求項7】
前記表示手段は、前記料金精算した施設に対する利用履歴情報を表示するときは、前記地図データに含まれる施設データに付された当該施設に関する情報も表示することを特徴とする請求項4〜6のいずれかに記載の車載ナビゲーション装置。
【請求項8】
前記表示手段が表示する施設に関する情報が複数の情報を含んでいるときは、当該複数の情報のうち表示する情報を選択する第1の選択手段を備えることを特徴とする請求項7に記載の車載ナビゲーション装置。
【請求項9】
前記料金精算した施設に関する情報と当該施設の位置とが対応付けられた第1の変換テーブルを記憶する第1の変換テーブル記憶手段を備え、
前記特定手段は、前記第1の変換テーブルを用いて前記料金精算した施設の位置を特定することを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の車載ナビゲーション装置。
【請求項10】
前記料金精算した施設に関する情報と当該施設の名称とが対応付けられた第2の変換テーブルを記憶する第2の変換テーブル記憶手段を備え、
前記特定手段は、前記変換テーブルを用いて前記料金精算した施設の名称を特定することを特徴とする請求項2〜9のいずれかに記載の車載ナビゲーション装置。
【請求項11】
前記特定手段は、前記変換テーブルを用いて変換した施設の名称を、前記地図データに含まれる施設データを参照することによって、前記料金精算した施設の位置を特定することを特徴とする請求項10に記載の車載ナビゲーション装置。
【請求項12】
前記表示手段は、前記車両の現在地及びその周辺の地図上にある前記料金精算した施設に対してのみ、前記地図上に当該施設を示すマークを表示することを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の車載ナビゲーション装置。
【請求項13】
前記表示手段は、前記特定手段が特定した料金精算した施設の名称をリスト表示し、当該リスト表示した施設の中からいずれかの施設を選択する第2の選択手段を備え、当該第2の選択手段により選択された施設に対してのみ、前記地図上に当該施設を示すマークを表示することを特徴とする請求項2〜12のいずれかに記載の車載ナビゲーション装置。
【請求項14】
前記表示手段が前記料金精算した施設を示すマークを表示した施設を当該マークが表示された画面上で目的地として設定する設定手段と、
前記車両の現在地から前記設定手段が設定した目的地までの最適経路を前記地図データを用いて探索する経路探索手段とを備えることを特徴とする請求項1〜13のいずれかに記載の車載ナビゲーション装置。
【請求項15】
前記料金精算した施設を示すマークの表示を中止する中止手段を備えることを特徴とする請求項1〜14のいずれかに記載の車載ナビゲーション装置。
【請求項16】
前記料金精算カードは、車両に関する料金精算に用いられるETCカードであることを特徴とする請求項1〜15のいずれかに記載の車載ナビゲーション装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−57373(P2007−57373A)
【公開日】平成19年3月8日(2007.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−242869(P2005−242869)
【出願日】平成17年8月24日(2005.8.24)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】