車載機器制御システム及び車載機器
【課題】表示画面を有する車載機器を制御する車載機器制御システム及びそのシステムに用いられる車載機器において、表示画面を任意の画面表示にする際に、ユーザの操作負担を低減すること。
【解決手段】パソコンによって車載ナビゲーション装置100の動作をシミュレートして、パソコンのディスプレイに表示装置11と同一の画面であるシミュレート画面を表示させる。そして、そのシミュレート画面に対応するQRコードを、パソコンと接続されているプリンタから印刷する。この印刷したQRコードを、車両内に用意しておく。以後、そのQRコードに対応した画面にしたいときは、QRコードを携帯電話で読み込ませ、携帯電話から車載ナビゲーション装置100のBT通信装置17にQRコードを送信する。BT通信装置17がQRコードを受信した後は、制御回路9がQRコードの内容を解読し、表示装置11の画面をQRコードに対応した画面に切り替える。
【解決手段】パソコンによって車載ナビゲーション装置100の動作をシミュレートして、パソコンのディスプレイに表示装置11と同一の画面であるシミュレート画面を表示させる。そして、そのシミュレート画面に対応するQRコードを、パソコンと接続されているプリンタから印刷する。この印刷したQRコードを、車両内に用意しておく。以後、そのQRコードに対応した画面にしたいときは、QRコードを携帯電話で読み込ませ、携帯電話から車載ナビゲーション装置100のBT通信装置17にQRコードを送信する。BT通信装置17がQRコードを受信した後は、制御回路9がQRコードの内容を解読し、表示装置11の画面をQRコードに対応した画面に切り替える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置を有する車載機器を制御する車載機器制御システム及びその車載機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の車載ナビゲーション装置において、ある目的地に至る経路を探索する際には、ユーザは、メニュー画面から目的地を設定する画面にするまで、数回またはそれ以上のスイッチ操作によって画面を切り替える必要があった。その数回またはそれ以上のスイッチ操作による煩わしさを低減する目的で、特許文献1に記載の技術がある。
【0003】
この特許文献1では、簡易に目的地を設定するために、地図上の地名をバーコード化した地図帳を有する。そして、目的地を設定する際には、その地図帳に付与されたバーコードを読み込み、その読み込んだバーコードに対応する地名を自動的に目的地とすることができる。
【0004】
また、メニュー画面から一度のスイッチ操作によって目的地設定画面に遷移するショートカットスイッチを有する車載ナビゲーション装置もある。
【特許文献1】特許第2876873号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1の車載ナビゲーション装置は、バーコード化されている具体的な地名しか簡易に目的地として設定することはできない。
【0006】
ところで、例えば配送業では、配送物を配送する地域が担当者ごとに予め決められている場合もある。この場合、一人の担当者の配送範囲が、ある県又はある市に特定されていることもある。しかし、配送範囲が特定の県や市に限定されているとしても、その後の住所(町、番地など)は、当然に変化する。したがって、特許文献1の技術を適用することはできず、県や市までが同じであっても、配送の度に、同じ操作を繰り返して県や市まで入力しなければならない。
【0007】
また、メニュー画面から一度のスイッチ操作によって目的地設定画面に遷移するショートカットスイッチを有していたとしても、目的地設定画面以降の操作は軽減されない。そのため、頻繁に同じ県や同じ市を目的地として設定する場合であっても、同じ操作を繰り返してその県や市を入力する必要がある。
【0008】
また、現在の車両には、オーディオ機器や空調機器を表示装置から制御できるようになっているものもある。例えば、表示装置の表面にタッチパネルを配置し、オーディオ機器における音量、選曲や空調機器における設定温度などを、そのタッチパネルを操作することによって設定することができるものがある。この場合についても、メニュー画面からユーザは数回あるいはそれ以上のスイッチ操作をして、オーディオ機器の設定画面や空調機器の設定画面に画面を遷移させなければならない。
【0009】
このように、表示装置を有する車載機器において、その表示装置の画面を意図した画面にするには、ユーザは、多数回の面倒なスイッチ操作をしなければならない場合があるという問題がある。
【0010】
本発明は、以上の問題点に鑑みてなされたものであり、車載機器の表示装置の画面をユーザの意図する画面にするための操作負担を低減することができる車載機器制御システム、およびその車載機器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するための請求項1記載の発明は、第1表示装置と、その第1表示装置に表示されている画面を切り替えるためにユーザが操作する第1操作装置とを備え、その第1操作装置がユーザによって操作されることによって前記第1表示装置の画面が順次切り替えられるようになっている車載機器と、
第2表示装置と、その第2表示装置に表示されている画面を切り替えるためにユーザが操作する第2操作装置と、その第2操作装置の操作に基づいて、前記第2表示装置に、前記第1表示装置に表示される画面と同一の画面であるシミュレート画面を表示させる第2表示装置制御手段と、を備えたシミュレート装置と、
前記第2表示装置に表示されているシミュレート画面に対応する光学コードを印刷する印刷装置と、
その印刷装置によって印刷された光学コードを読み込む読込装置と、を備え、
さらに、前記車載機器は、前記読込装置が読み込んだ光学コードを取得する取得手段と、その取得手段が取得した光学コードに対応する画面を前記第1表示装置に表示させる第1表示装置制御手段とを備えていることを特徴とする車載機器制御システムである。
【0012】
この請求項1記載の発明では、シミュレート装置の第2表示装置に、車載機器の第1表示装置に表示される画面と同一の画面であるシミュレート画面を表示させることができ、印刷装置によって、そのシミュレート画面に対応する光学コードを印刷することができる。従って、数回あるいはそれ以上の面倒な操作をしなければならない第1表示装置の画面をシミュレート装置に表示させて、印刷装置によりその画面に対応する光学コードを印刷して用意しておくことができる。
【0013】
そのようにして光学コードを用意しておけば、以後は、読込装置によって、用意しておいた光学コードを読み込み、取得手段によってその読込装置が読み込んだ光学コードを取得すれば、第1表示装置制御手段によって、取得手段が取得した光学コードに対応する画面が第1表示装置に表示されるので、第1表示装置に意図した画面を表示させるためのユーザの操作負担が軽減する。
【0014】
また、請求項2記載の発明は、請求項1に記載の車載機器制御システムにおいて、前記読込装置が携帯通信機に備えられているとともに、その携帯通信機は、前記読込装置が読み込んだ光学コードを送信する光学コード送信制御手段を備えており、前記車載機器は、前記取得手段として、前記携帯通信機から送信される光学コードを受信する受信機を備えていることを特徴とする。
【0015】
このようにすれば、車載機器は光学コードを読み込むための読込装置を備える必要がなくなる。また、現在、携帯電話として、光学コードを読み込むことができる機能を備えているものが普及しており、請求項2記載の発明では、その普及している携帯電話を車載機器制御システムの携帯通信機として利用することもできる。
【0016】
また、請求項3記載の発明は、請求項2に記載の車載機器制御システムにおいて、前記携帯通信機は第3表示装置を備え、その第3表示装置に、前記読込装置が読み込んだ光学コードに対応する画面が表示されるようになっていることを特徴とする。
【0017】
このように、携帯通信機の第3表示装置にも光学コードに対応する画面を表示させるようにすれば、車載機器に送信する光学コードが意図した画面に対応した光学コードであるかを確認することができる。
【0018】
また、請求項4記載の発明は、請求項2または3に記載の車載機器制御システムにおいて、前記携帯通信機は、別の携帯通信機において読み込まれて、その別の携帯通信機から送信される光学コードを受信する光学コード受信手段を備えており、前記光学コード送信制御手段は、前記別の携帯通信機から送信された光学コードを送信することもできるようになっていることを特徴とする。
【0019】
この請求項4記載の発明では、別の携帯通信機によって読み込まれた光学コードを受信して、その受信した光学コードを送信できる。そのため、受信した光学コードに関しては、シミュレーション装置を操作して意図した画面を第2表示装置に表示させ、さらに、その第2表示装置に表示されているシミュレート画面に対応する光学コードを印刷した上で、その光学コードを読込装置によって読み込むという手間を省くことができる。
【0020】
請求項5の車載機器制御システムは、前記車載機器は、車載ナビゲーション装置であることを特徴とする。車載ナビゲーション装置は、目的地を設定したり、経路案内時の音量を設定したりと多数の機能を有しており、それらの機能の中には、数回あるいはそれ以上のスイッチ操作をして意図した画面を表示させる必要がある機能も多くある。したがって、請求項5のように車載機器を車載ナビゲーション装置とすると、車載機器すなわち車載ナビゲーション装置を操作する際のユーザの操作負担を特に軽減することができる。
【0021】
請求項6記載の発明は、上記車載機器制御システムに備えられる車載機器である。すなわち、請求項6記載の発明は、第1表示装置と、その第1表示装置に表示されている画面を切り替えるためにユーザが操作する第1操作装置と、その第1操作装置の所定の画面に対応する光学コードを取得する取得手段と、その取得手段が取得した光学コードに対応する画面を表示させる第1表示装置制御手段とを備えていることを特徴とする車載機器である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明に係る車載機器制御システム及び車載機器の実施形態を説明する。本実施形態では、車載機器として車載ナビゲーション装置を用いている。なお、本実施形態では、パソコンで車載ナビゲーション装置の動作をシミュレートし、そのシミュレート結果に対応する車載ナビゲーション装置の表示装置の画面を示すQRコード(登録商標)を作成し、プリンタで印刷する。印刷したQRコードを携帯電話が読み込んで、携帯電話は車載ナビゲーション装置に送信する。そして、車載ナビゲーション装置は、表示装置の画面をそのQRコードの内容を示す画面に切り替える。以下、図面に基づいて詳細に説明する。
【0023】
図1は、本実施形態の車載ナビゲーション装置100の全体構成を示すブロック図、図2は、携帯電話300の全体構成を示すブロック図である。図1に示すように、車載ナビゲーション装置100は、位置検出器1、地図データ入力器7、操作スイッチ群8、外部メモリ10、表示装置11、音声出力装置12、音声入力装置13、リモコンセンサ14、リモートコントロール端末(以下リモコンと称する)15、車両通信装置16及びこれらと接続された制御回路9を備えている。
【0024】
位置検出器1は、いずれも周知のGセンサ2、地磁気センサ3、ジャイロスコープ4、速度センサ5、及び衛星からの電波に基づいて車両の現在位置を検出するGPS(Global Positioning System)のためのGPS受信機6を有している。これらのセンサ等2〜6は各々が性質の異なる誤差を持っているため、複数のセンサにより各々補完しながら使用するように構成されている。なお精度によっては上述した内の一部で構成してもよく、更にステアリングの回転センサを用いてもよい。
【0025】
地図データ入力器7は、記憶媒体(不図示)が装着され、該記憶媒体に格納されている位置検出の精度向上のためのいわゆるマップマッチング用データ、地図データ及び目印データを含む各種データを入力するための装置である。地図データには、道路を示すリンクデータとノードデータが含まれる。このリンクとは、地図上の各道路を交差・分岐・合流する点等の複数のノードにて分割したときのノード間を結ぶものであり、各リンクを接続することにより道路が構成される。リンクデータは、リンクを特定する固有番号(リンクID)、リンクの長さを示すリンク長、リンクの始端及び終端ノード座標(緯度・経度)、道路名称、道路種別、道路幅員、車線数、右折・左折専用車線の有無とその専用車線の数、及び制限速度等の各データから構成される。
【0026】
一方、ノードデータは、地図上の各道路が交差、合流、分岐するノード毎に固有の番号を付したノードID、ノード座標、ノード名称、ノードに接続するリンクのリンクIDが記述される接続リンクID、交差点種類等の各データから構成される。
【0027】
なお、地図データを記憶する記憶媒体としては、CD−ROMまたはDVD−ROM、メモリカード、HDD等を用いる。
【0028】
操作スイッチ群8は、第1操作装置に相当するものであり、例えば表示装置11と一体になったタッチスイッチもしくはメカニカルなスイッチ等が用いられる。この操作スイッチ群8のスイッチ操作により制御回路9へ各種機能(例えば、地図縮尺変更、メニュー表示選択、目的地設定、経路探索、経路案内開始、現在位置修正、表示画面変更、音量調整等)の処理が指示される。その指示により、表示装置11の画面が順次切り替えられる。
【0029】
リモコン15には複数の操作スイッチ(不図示)が設けられ、スイッチ操作によりリモコンセンサ14を介して各種指令信号を制御回路9に入力し、制御回路9に各種機能を実行させる。このリモコン15は、操作スイッチ群8と同じ操作が可能である。従って、リモコン15も第1操作装置として機能する。
【0030】
リモコンセンサ14を介してリモコン15から、あるいは操作スイッチ群8により目的地が設定されると、制御回路9は、位置検出器1により検出された現在位置からその目的地までの最適な経路を自動的に探索して誘導経路を設定し表示する。このような自動的に最適な経路を設定する手法は、ダイクストラ法等の手法が知られている。
【0031】
設定された経路は、地図データ入力器7の情報に基づき表示装置11に表示される表示地図上に位置検出器1により検出された現在位置マークと共に重畳表示される。表示地図には、現在位置マーク、経路のほかに、現在時刻、渋滞情報など他の情報表示も付加表示することもできる。
【0032】
外部メモリ10は、HDD等の書き込み可能な大容量記憶装置である。外部メモリ10には大量のデータや電源をOFFしても消去してはいけないデータを記憶したり、頻繁に使用するデータを地図データ入力器7からコピーして利用する等の用途がある。なお、外部メモリ10は、比較的記憶容量の小さい取り外し可能なメモリであってもよい。
【0033】
表示装置11は、車両の走行を案内するための地図や目的地選択画面等を表示するものであって、フルカラー表示が可能なものであり、液晶、有機EL等を用いて構成することができる。また、表示装置11の画面の表面には、タッチパネルが設けられている。ユーザは、そのタッチパネルをタッチ操作することにより、タッチ操作した画面上の位置に応じた画面に切り替えることができる。なお、表示装置11の画面の切り替えは、制御回路9の指示に基づいて行われる。
【0034】
音声出力装置12は、スピーカ等から構成され、制御回路9の指示に基づいて経路案内時の案内音声などを出力する。
【0035】
音声入力装置13は、マイク等から構成され、ユーザの音声を入力する。そして、音声入力装置13は、入力された音声を電気信号に変換して制御回路9に送信する。制御回路9は、音声入力装置13から送信されてきたユーザの音声に相当する電気信号に基づいて音声認識処理を行い、認識した音声に基づいた処理を実行する。
【0036】
車両通信装置16は、エンジンECUなど車両を制御する車両制御ユニットと接続するためのインターフェースであり、例えば車速、エンジンの状態、燃料の残量の情報を制御回路9に出力する。
【0037】
BT通信装置17は、Bluetooth(登録商標)通信方式によって、同じBT通信装置を有している機器と近距離間で無線通信をする装置である。本実施形態では、このBT通信装置17が取得手段として機能しており、BT通信装置17は、携帯電話300が読み込んだQRコードを無線通信によって取得する。
【0038】
制御回路9は通常のコンピュータとして構成されており、内部には周知のCPU、ROM、RAM、I/O及びこれらの構成を接続するバスライン(いずれも不図示)が備えられている。制御回路9は、位置検出器1、地図データ入力器7、操作スイッチ群8、外部メモリ10、リモコンセンサ14から入力された各種情報に基づき、ナビゲーション機能としての処理(例えば、地図縮尺変更処理、メニュー表示選択処理、目的地設定処理、経路探索実行処理、経路案内開始処理、現在位置修正処理、表示画面変更処理、音量調整処理等)を実行する。
【0039】
また、制御回路9は、第1表示装置制御手段としての機能を有し、操作スイッチ群8又はリモコンセンサ14から入力された信号に基づいて、表示装置11の画面の切り替えを行う。さらに、制御回路9は、BT通信装置17を介して携帯電話300で読み込んだQRコードを取得したときには、そのQRコードの内容を解読する。そして、QRコードを解読したときには、表示装置11の画面をその解読結果に対応する画面に切り替える。
【0040】
次に、携帯電話300の構成について説明する。同図に示すように、携帯電話300は、BT通信装置30、地磁気センサ31、送受信装置32、GPS受信機33、メモリカード挿入器34、操作スイッチ群35、シリアル通信装置36、外部メモリ37、表示装置38、音声出力装置39、音声入力装置40、読込装置として機能するカメラ41、及びこれらと接続する制御回路42から構成される。
【0041】
BT通信装置30は、BT通信装置17と同様に、Bluetooth通信方式によって、同じBT通信装置を有している機器と近距離間で無線通信をする装置である。本実施形態では、カメラ41を用いて読み込んだQRコードを車載ナビゲーション装置100に送信するために、このBT通信装置30が用いられる。
【0042】
地磁気センサ31は、携帯電話300の方位を検出するものであり、表示装置38に表示する地図の向きを決定するために用いられる。なお、表示装置38に表示される地図のデータは、GPS受信機33に基づいて外部の所定施設から送信される。
【0043】
送受信装置32は、通話のための音声データやメールのための文字データ及び表示装置38に表示される地図データなど各種データを送受信する。
【0044】
GPS受信機33は、上述したGPS受信機6と同様に、複数の衛星から送信される信号を受信する。受信した信号は、制御回路42に送信され、制御回路42はその信号に基づいて携帯電話300の現在地を算出する。
【0045】
メモリカード挿入器34は、SDカード、miniSDカードなどのメモリカードを挿入するものである。制御回路42は、メモリカード挿入器34に挿入されているメモリカードに記憶されているデータを読み出したり、反対にメモリカードにカメラ41で撮った画像データや音楽データなどを記憶したりする。
【0046】
操作スイッチ群35は、電話をする際の数字を入力するプッシュスイッチである。なお、このプッシュスイッチは、メールをする際の文字入力するときや、表示装置38の画面を切り替えたりするときなど各種用途に用いられる。
【0047】
シリアル通信装置36は、他の通信機器とシリアル通信するための装置である。例えばパソコンとデータ通信する際には、シリアル通信装置36にそのパソコンが接続される。
【0048】
外部メモリ37は、画像データや音楽データなど各種データが記憶されるメモリである。また、本実施形態では、カメラ41を用いてQRコードを読み込んだり、読み込んだQRコードの内容を表示装置38の画面に表示させたりするアプリケーションが、外部メモリ37に記憶されている。
【0049】
表示装置38は液晶画面を有している。その液晶画面は、電話番号や文字情報、WEB情報など各種情報が表示される。また、表示装置38は、カメラ41を用いて読み込んだQRコードに対応する画面が表示される。
【0050】
音声出力装置39は、通話の際の音声を出力する装置であり、スピーカ等から構成される。
【0051】
音声入力装置40は、通話の際に音声を制御回路42に入力する装置であり、マイク等から構成される。なお、制御回路42は、音声入力装置40によって、音声が入力された場合には、その音声を送受信装置32に送信して、電波として外部に発信させる。
【0052】
カメラ41は、例えばCCDカメラであり、写真撮影のために用いられる。また、本実施形態では、カメラ41は、QRコードを読み込むためにも用いられる。
【0053】
制御回路42は通常のコンピュータとして構成されており、内部には周知のCPU、ROM、RAM、I/O及びこれらの構成を接続するバスライン(いずれも不図示)が備えられている。ROMにはCPUが実行するプログラムが記憶されている。
【0054】
図3は、シミュレーション装置であるパソコン200と、印刷装置であるプリンタ201と、そのプリンタ201によって印刷されたQRコードの一例とを示す図である。
【0055】
パソコン200は第2表示装置に相当するディスプレイ202を備えている。パソコン200には、車載ナビゲーション装置100の動作をシミュレートするシミュレーションソフトがインストールされている。そのシミュレーションソフトは、パソコン200のディスプレイ202に車載ナビゲーション装置100の表示装置11の画面と同一の画面であるシミュレート画面を表示させることができるソフトウェアであり、このソフトウェアが第2表示装置制御手段に相当する。
【0056】
シミュレート画面には、車載ナビゲーション装置100の表示装置11に表示されるタッチスイッチも表示され、シミュレーションソフトは、シミュレート画面に表示されているスイッチがマウスでクリックされると、車載ナビゲーション装置100の表示装置11と同じようにシミュレート画面を切り替えるようにプログラミングされている。
【0057】
さらに、シミュレーションソフトは、目的地入力画面のように、シミュレート画面が文字入力画面のときには、キーボードを用いてシミュレート画面に文字が入力できるようにもプログラミングされている。そして、キーボードまたはマウスから所定のコード作成操作が行われると、そのときディスプレイ202に表示されているシミュレート画面に対応するQRコードが作成されて、その作成されたQRコードがプリンタ201へ出力される。
【0058】
プリンタ201は、パソコン200とケーブル203で接続されており、パソコン200から出力されたQRコードを印刷する。
【0059】
次に、QRコードを印刷するまでの処理を図4のフローチャートを用いて説明する。なお、同図のフローチャートは、車載ナビゲーション装置100の動作をシミュレートするアプリケーションがユーザによって起動されたときに開始される。
【0060】
ステップS100では、車載ナビゲーション装置100の表示装置11と同じ画面であるシミュレート画面をパソコン200のディスプレイ202に表示する。そして、シミュレート画面に表示されているスイッチがマウスでクリックされた場合には、シミュレート画面を順次切り替える。このマウス操作により、ユーザは、シミュレート画面を自分が意図した画面まで切り替える。
【0061】
ステップS101では、ユーザによるシミュレーション操作が完了したか否かを判定する。具体的には、図5に示すように、ディスプレイ202の隅に操作完了ボタン210を表示しておき、ユーザのマウス操作によって、その操作完了ボタン210がクリックされたか否かで、操作が完了したか否かを判定する。なお、図5は、自宅を目的地として選択して経路案内を開始する画面を示している。
【0062】
ステップS101において、操作が完了していないと判定した場合は否定判定し、ステップS100に戻り、車載ナビゲーション装置100の動作のシミュレーションを継続する。一方、操作が完了したと判定した場合は肯定判定し、処理をステップS102に進める。
【0063】
ステップS102では、ディスプレイ202に表示されているシミュレート画面に対応するQRコードを作成し印刷するか否かを判定する。具体的には、図6に示すように、ディスプレイ202にQRコードを印刷するか否かのウィンドウ501をポップアップ表示する。このウィンドウ501には、ユーザへの問い合わせメッセージ「QRコードを印刷しますか」に加えて、「はい」、「いいえ」、及び車載ナビゲーション装置100の動作のシミュレーションを再度行うことを指示する「キャンセル」が表示されている。
【0064】
QRコードを印刷すると判定した場合は肯定判定し、ステップS103に進んで、QRコードを作成してプリンタ201にそのQRコードを印刷する指示信号を送信する。プリンタ201は、その指示信号を受けて、QRコードをプリントアウトする。その後、このシミュレーションソフトを終了させる。一方、QRコードを印刷しないと判定した場合は否定判定し、QRコードの印刷を指示する指示信号を出力することなく、このシミュレーションソフトを終了する。また、車載ナビゲーション装置100の動作のシミュレーションを再度行うと判定した場合は、処理をステップS100に戻す。
【0065】
なお、経路案内に関するQRコードを作成するときには、ユーザが経路案内を開始させる案内開始スイッチを操作しなくても、自動で経路案内が開始するようなQRコードを作成してもよい。例えば、図6に示すように、自動で経路案内を開始するチェックボタン502を表示させ、ユーザのマウス操作によってそのチェックボタン502がクリックされたときには、自動で経路案内を開始するQRコードを作成する。
【0066】
次に、パソコン200によって作成されたQRコードを携帯電話300が読み込む処理を、図7のフローチャートを用いて説明する。なお、同図に示す処理は、制御回路42が行う。また、同図に示す処理は、ユーザによって、QRコードを読み込むアプリケーションが起動されたときに開始される。
【0067】
ステップS400では、カメラ41を起動させる。これによって、カメラ41によって映し出される映像が表示装置38に表示される。
【0068】
ステップS401では、QRコードを読み取るか否かを判定する。具体的には、図8に示すように、まず、表示装置38にQRコードの読み取りを指示する読取ボタン70を表示し、その読取ボタン70に対応するスイッチ71が操作されたか否かによって、QRコードを読み取るか否かを判定する。QRコードを読み取らせたいユーザは、カメラ41を予め印刷されているQRコードに向け、表示装置38にQRコードを表示させた後、スイッチ71を操作することになる。
【0069】
QRコードを読み取らないと判定した場合は否定判定し、処理をステップS400に戻す。一方、QRコードを読み取ると判定した場合は肯定判定し、処理をステップS402に進める。
【0070】
ステップS402では、読み込んだQRコードを車載ナビゲーション装置100に送信するか否かを判定する。具体的には、表示装置38に、QRコードを車載ナビゲーション置100に送信するか否かを問い合わせるメッセージまたは図形を表示し、その後、送信を指示する操作および送信をしないことを指示する操作のいずれが行われたかによって、読み込んだQRコードを車載ナビゲーション装置100に送信するか否かを判定する。
【0071】
読み込んだQRコードを車載ナビゲーション装置100に送信しないと判定した場合は否定判定し、このフローチャートを抜ける。一方、送信すると判定した場合は肯定判定し、ステップS403において、BT通信装置30を用いて、QRコードを車載ナビゲーション装置100に送信し、その後、このフローチャートを抜ける。なお、このようにBT通信装置30を用いてQRコードを車載ナビゲーション装置100に送信するので、プリンタ201によって印刷されたQRコードは車室内に用意した上で、この図7の処理を車室内で実行する必要がある。
【0072】
上述の問い合わせメッセージまたは図形に対しては、QRコードを読み取り直す指示もできるようになっており、その指示に基づいてQRコードを読み取りなおすと判定した場合は(キャンセル)、処理をステップS400に戻す。
【0073】
図9は、QRコードを携帯電話300から取得する際の車載ナビゲーション装置100の処理を示したフローチャートである。なお、この処理は制御回路9が行う。
【0074】
ステップS500では、BT通信装置17がQRコードを受信したか否かを判定する。QRコードを受信するまでは、この処理を繰り返えす(ステップS500否定判定)。一方、QRコードを受信した場合は、処理をステップS501に進める。
【0075】
続くステップS501では、受信したQRコードの内容を解読する。次いで、ステップS502では、ステップS501にて解読した結果に基づいて表示装置11の画面をQRコードに対応する画面に切り替える。これによって、例えば図10に示すように、自宅が目的地に設定された案内開始画面に切り替わったり、図11に示すように、目的地を入力する途中段階の画面に切り替わったり、図12に示すように、出発地から目的地までの経路が設定された後の画面に切り替わったりする。なお、ステップS502の処理が終了した後、処理をステップS500に戻す。
【0076】
以上、本実施形態では、パソコン200のディスプレイ202に、ナビゲーション装置100の表示装置11に表示される画面と同一の画面であるシミュレート画面を表示させることができ、プリンタ201によって、そのシミュレート画面に対応するQRコードを印刷することができる。従って、数回あるいはそれ以上の面倒な操作をしなければならない表示装置11の画面をパソコン200に表示させて、プリンタ201によりその画面に対応するQRコードを印刷して用意しておくことができる。
【0077】
そのようにしてQRコードを用意しておけば、以後は、携帯電話300のカメラ41によって用意しておいたQRコードを読み込み、BT通信装置17によって携帯電話300のカメラ41が読み込んだQRコードを取得すれば、BT通信装置17が取得しQRコードに対応する画面が表示装置11に表示されるので、表示装置11に意図した画面を表示させるためのユーザの操作負担が軽減する。
【0078】
また、本実施形態では、携帯通信機としてカメラ41を備えた携帯電話300を用いており、その携帯電話300のカメラ41によってQRコードを読み込んでいるので、車載ナビゲーション装置100はQRコードを読み込むための装置を備える必要がない。
【0079】
なお、本発明は本実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々なる形態で実施することができる。
【0080】
例えば、前述の実施形態では、携帯電話300を用いて車載ナビゲーション装置100にQRコードを読み込ませていたが、車載ナビゲーション装置100にQRコードを読み込むことができるQRコードリーダを接続してもよい。
【0081】
また、前述の実施形態では、携帯電話300の表示装置38には、カメラ41が読み込んだQRコードに対応する画面は表示されなかったが、携帯電話300の制御回路42に、カメラ41が読み込んだQRコードに対応する画面を表示装置38に表示させる機能を追加してもよい。図13は、携帯電話300の表示装置38に、カメラ41が読み込んだQRコードに対応する画面が表示されている例を示す図である。このように、携帯電話300の表示装置38にもQRコードに対応する画面を表示させるようにすれば、車載ナビゲーション装置100に送信するQRコードが意図した画面に対応したQRコードであるかを確認することができる。
【0082】
また、QRコードに対応する画面が目的地を設定する途中の画面のときには、ユーザは、車載ナビゲーション装置100を操作して最終的な目的地を入力する必要がある。この際に、携帯電話300から目的地を入力できるようにしてもよい。この場合、携帯電話300のプッシュスイッチを操作して目的地を入力してもよいし、ユーザの音声によって目的地を入力してもよい。図14は、このときの携帯電話300を示した図であり、表示装置38にはプッシュスイッチから入力された文字(「しょうわ」)が表示されている。なお、プッシュスイッチによって入力された文字を車載ナビゲーション装置100に転送するには、転送スイッチ72を操作すればよい。また、ユーザの音声によって、目的地を入力する場合には、音声認識スイッチ73を操作した後に、音声入力装置40から音声を入力する。
【0083】
図15は、図14の状態において転送スイッチ72が操作された場合に、車載ナビゲーション装置100の表示装置11に表示される画面を示した図であるが、新たに「しょうわ」という文字が入力されている。なお、音声認識スイッチ73を操作した場合には、表示装置11の画面に、音声認識モードであることを示す図形23が表示される(図15参照)。
【0084】
以上は、経路探索の際の目的地を携帯電話300で入力する例について説明したが、車載ナビゲーション装置100の他の操作も携帯電話300で操作できるようにしてもよい。携帯電話300によって車載ナビゲーション装置100の操作をすることにより、携帯電話300の扱いに慣れている人にとっては、使い勝手が良くなる。
【0085】
また、携帯電話300で読み込んだQRコードを、他の携帯電話に送信するようにしてもよい。例えば、図16に示すように、携帯電話300で読み込んだQRコードを他の携帯電話301〜305に送信する場合を想定する。図17は、このときの携帯電話300を示した図である。
【0086】
図17の携帯電話300の表示装置38には、カメラ41によって読み込んだQRコードに対応する画面である目的地設定画面が表示されおり、また、その目的地設定画面の下方に、グループ受信ボタン74とグループ送信ボタン75とが表示されている。これらグループ受信ボタン74およびグループ送信ボタン75は、グループモード遷移キー76が押されたときに表示される。そして、グループ送信ボタン75に対応するキー77が押されると、制御回路42において光学コード受信手段としての機能が実行されて、送受信装置32から、そのとき表示されている画面に対応するQRコードが予め登録されている他の携帯電話301〜305に送信される。
【0087】
その後、他の携帯電話301〜305においてグループ受信ボタン74に対応するキー78が押されると、その携帯電話301〜305の制御回路42が光学コード受信手段としての機能を実行して、送受信装置32を制御して携帯電話300から送信されてきたQRコードを受信する。さらに、受信したQRコードに対応する画面を携帯電話301〜305の表示装置38に表示させる。
【0088】
このように、別の携帯電話300によって読み込まれたQRコードを受信した場合、その受信したQRコードを車載ナビゲーション装置100へ送信できる。この場合、受信したQRコードに関しては、パソコン200を操作して意図した画面をディスプレイ202に表示させ、さらに、そのディスプレイ202に表示されているシミュレート画面に対応するQRコードを印刷した上で、そのQRコードを携帯電話300のカメラ41によって読み込むという手間を省くことができる。
【0089】
また、前述の実施形態では、光学コードとしてQRコードを用いた例を説明したが、QRコード以外の二次元光学コードや一次元の光学コードであるバーコードを用いてもよい。
【0090】
また、前述の実施形態は、制御対象の車載機器が車載ナビゲーション装置100であるシステムであったが、オーディオ機器や空調機器などを制御対象の車載機器としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0091】
【図1】本実施形態の車載ナビゲーション装置100の全体構成を示すブロック図である。
【図2】本実施形態の携帯電話300の全体構成を示すブロック図である。
【図3】パソコン200と、プリンタ201と、そのプリンタ201によって印刷されたQRコードの一例とを示す図である。
【図4】車載ナビゲーション装置100の動作をパソコン200がシミュレートして、QRコードを印刷する処理を示すフローチャートである。
【図5】車載ナビゲーション装置100の動作をシミュレートしているときのパソコン200の画面を示した図である。
【図6】シミュレート画面に対応するQRコードを印刷するかどうかを問い合わせている画面がディスプレイ202に表示されている図である。
【図7】携帯電話300がQRコードを読み取る際の制御回路42が行う処理を示したフローチャートである。
【図8】QRコードを読み取るときの携帯電話300を示した図である。
【図9】QRコードを携帯電話300から取得する際の車載ナビゲーション装置100の制御回路9における処理を示したフローチャートである。
【図10】QRコードに対応する画面を例示した図である。
【図11】QRコードに対応する画面を例示した図である。
【図12】QRコードに対応する画面を例示した図である。
【図13】携帯電話300の表示装置38に、カメラ41が読み込んだQRコードに対応する画面が表示されている例を示す図である。
【図14】携帯電話300を用いて目的地を入力している状態を示した図である。
【図15】図14の状態において転送スイッチ72が操作された場合に、車載ナビゲーション装置100の表示装置11に表示される画面を示した図である。
【図16】携帯電話300と他の携帯電話301〜305を示した図である。
【図17】グループモードのときの携帯電話300〜305を示す図である。
【符号の説明】
【0092】
8・・・操作スイッチ群(第1操作装置)、9・・・制御回路(第1表示装置制御手段)、11・・・表示装置(第1表示装置)、15・・・リモコン(第1操作装置)、17・・・BT通信装置(取得手段)、32・・・送受信装置(受信機)、38・・・表示装置(第3表示装置)、41・・・カメラ(読込装置)、42・・・制御回路(光学コード送信制御手段、光学コード受信手段)、100・・・車載ナビゲーション装置(車載機器)、200・・・パソコン(シミュレーション装置)、201・・・プリンタ(印刷装置)、202・・・ディスプレイ(第2表示装置)、300・・・携帯電話(携帯通信機)、301〜305・・・携帯電話(携帯通信機)
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置を有する車載機器を制御する車載機器制御システム及びその車載機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の車載ナビゲーション装置において、ある目的地に至る経路を探索する際には、ユーザは、メニュー画面から目的地を設定する画面にするまで、数回またはそれ以上のスイッチ操作によって画面を切り替える必要があった。その数回またはそれ以上のスイッチ操作による煩わしさを低減する目的で、特許文献1に記載の技術がある。
【0003】
この特許文献1では、簡易に目的地を設定するために、地図上の地名をバーコード化した地図帳を有する。そして、目的地を設定する際には、その地図帳に付与されたバーコードを読み込み、その読み込んだバーコードに対応する地名を自動的に目的地とすることができる。
【0004】
また、メニュー画面から一度のスイッチ操作によって目的地設定画面に遷移するショートカットスイッチを有する車載ナビゲーション装置もある。
【特許文献1】特許第2876873号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1の車載ナビゲーション装置は、バーコード化されている具体的な地名しか簡易に目的地として設定することはできない。
【0006】
ところで、例えば配送業では、配送物を配送する地域が担当者ごとに予め決められている場合もある。この場合、一人の担当者の配送範囲が、ある県又はある市に特定されていることもある。しかし、配送範囲が特定の県や市に限定されているとしても、その後の住所(町、番地など)は、当然に変化する。したがって、特許文献1の技術を適用することはできず、県や市までが同じであっても、配送の度に、同じ操作を繰り返して県や市まで入力しなければならない。
【0007】
また、メニュー画面から一度のスイッチ操作によって目的地設定画面に遷移するショートカットスイッチを有していたとしても、目的地設定画面以降の操作は軽減されない。そのため、頻繁に同じ県や同じ市を目的地として設定する場合であっても、同じ操作を繰り返してその県や市を入力する必要がある。
【0008】
また、現在の車両には、オーディオ機器や空調機器を表示装置から制御できるようになっているものもある。例えば、表示装置の表面にタッチパネルを配置し、オーディオ機器における音量、選曲や空調機器における設定温度などを、そのタッチパネルを操作することによって設定することができるものがある。この場合についても、メニュー画面からユーザは数回あるいはそれ以上のスイッチ操作をして、オーディオ機器の設定画面や空調機器の設定画面に画面を遷移させなければならない。
【0009】
このように、表示装置を有する車載機器において、その表示装置の画面を意図した画面にするには、ユーザは、多数回の面倒なスイッチ操作をしなければならない場合があるという問題がある。
【0010】
本発明は、以上の問題点に鑑みてなされたものであり、車載機器の表示装置の画面をユーザの意図する画面にするための操作負担を低減することができる車載機器制御システム、およびその車載機器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するための請求項1記載の発明は、第1表示装置と、その第1表示装置に表示されている画面を切り替えるためにユーザが操作する第1操作装置とを備え、その第1操作装置がユーザによって操作されることによって前記第1表示装置の画面が順次切り替えられるようになっている車載機器と、
第2表示装置と、その第2表示装置に表示されている画面を切り替えるためにユーザが操作する第2操作装置と、その第2操作装置の操作に基づいて、前記第2表示装置に、前記第1表示装置に表示される画面と同一の画面であるシミュレート画面を表示させる第2表示装置制御手段と、を備えたシミュレート装置と、
前記第2表示装置に表示されているシミュレート画面に対応する光学コードを印刷する印刷装置と、
その印刷装置によって印刷された光学コードを読み込む読込装置と、を備え、
さらに、前記車載機器は、前記読込装置が読み込んだ光学コードを取得する取得手段と、その取得手段が取得した光学コードに対応する画面を前記第1表示装置に表示させる第1表示装置制御手段とを備えていることを特徴とする車載機器制御システムである。
【0012】
この請求項1記載の発明では、シミュレート装置の第2表示装置に、車載機器の第1表示装置に表示される画面と同一の画面であるシミュレート画面を表示させることができ、印刷装置によって、そのシミュレート画面に対応する光学コードを印刷することができる。従って、数回あるいはそれ以上の面倒な操作をしなければならない第1表示装置の画面をシミュレート装置に表示させて、印刷装置によりその画面に対応する光学コードを印刷して用意しておくことができる。
【0013】
そのようにして光学コードを用意しておけば、以後は、読込装置によって、用意しておいた光学コードを読み込み、取得手段によってその読込装置が読み込んだ光学コードを取得すれば、第1表示装置制御手段によって、取得手段が取得した光学コードに対応する画面が第1表示装置に表示されるので、第1表示装置に意図した画面を表示させるためのユーザの操作負担が軽減する。
【0014】
また、請求項2記載の発明は、請求項1に記載の車載機器制御システムにおいて、前記読込装置が携帯通信機に備えられているとともに、その携帯通信機は、前記読込装置が読み込んだ光学コードを送信する光学コード送信制御手段を備えており、前記車載機器は、前記取得手段として、前記携帯通信機から送信される光学コードを受信する受信機を備えていることを特徴とする。
【0015】
このようにすれば、車載機器は光学コードを読み込むための読込装置を備える必要がなくなる。また、現在、携帯電話として、光学コードを読み込むことができる機能を備えているものが普及しており、請求項2記載の発明では、その普及している携帯電話を車載機器制御システムの携帯通信機として利用することもできる。
【0016】
また、請求項3記載の発明は、請求項2に記載の車載機器制御システムにおいて、前記携帯通信機は第3表示装置を備え、その第3表示装置に、前記読込装置が読み込んだ光学コードに対応する画面が表示されるようになっていることを特徴とする。
【0017】
このように、携帯通信機の第3表示装置にも光学コードに対応する画面を表示させるようにすれば、車載機器に送信する光学コードが意図した画面に対応した光学コードであるかを確認することができる。
【0018】
また、請求項4記載の発明は、請求項2または3に記載の車載機器制御システムにおいて、前記携帯通信機は、別の携帯通信機において読み込まれて、その別の携帯通信機から送信される光学コードを受信する光学コード受信手段を備えており、前記光学コード送信制御手段は、前記別の携帯通信機から送信された光学コードを送信することもできるようになっていることを特徴とする。
【0019】
この請求項4記載の発明では、別の携帯通信機によって読み込まれた光学コードを受信して、その受信した光学コードを送信できる。そのため、受信した光学コードに関しては、シミュレーション装置を操作して意図した画面を第2表示装置に表示させ、さらに、その第2表示装置に表示されているシミュレート画面に対応する光学コードを印刷した上で、その光学コードを読込装置によって読み込むという手間を省くことができる。
【0020】
請求項5の車載機器制御システムは、前記車載機器は、車載ナビゲーション装置であることを特徴とする。車載ナビゲーション装置は、目的地を設定したり、経路案内時の音量を設定したりと多数の機能を有しており、それらの機能の中には、数回あるいはそれ以上のスイッチ操作をして意図した画面を表示させる必要がある機能も多くある。したがって、請求項5のように車載機器を車載ナビゲーション装置とすると、車載機器すなわち車載ナビゲーション装置を操作する際のユーザの操作負担を特に軽減することができる。
【0021】
請求項6記載の発明は、上記車載機器制御システムに備えられる車載機器である。すなわち、請求項6記載の発明は、第1表示装置と、その第1表示装置に表示されている画面を切り替えるためにユーザが操作する第1操作装置と、その第1操作装置の所定の画面に対応する光学コードを取得する取得手段と、その取得手段が取得した光学コードに対応する画面を表示させる第1表示装置制御手段とを備えていることを特徴とする車載機器である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明に係る車載機器制御システム及び車載機器の実施形態を説明する。本実施形態では、車載機器として車載ナビゲーション装置を用いている。なお、本実施形態では、パソコンで車載ナビゲーション装置の動作をシミュレートし、そのシミュレート結果に対応する車載ナビゲーション装置の表示装置の画面を示すQRコード(登録商標)を作成し、プリンタで印刷する。印刷したQRコードを携帯電話が読み込んで、携帯電話は車載ナビゲーション装置に送信する。そして、車載ナビゲーション装置は、表示装置の画面をそのQRコードの内容を示す画面に切り替える。以下、図面に基づいて詳細に説明する。
【0023】
図1は、本実施形態の車載ナビゲーション装置100の全体構成を示すブロック図、図2は、携帯電話300の全体構成を示すブロック図である。図1に示すように、車載ナビゲーション装置100は、位置検出器1、地図データ入力器7、操作スイッチ群8、外部メモリ10、表示装置11、音声出力装置12、音声入力装置13、リモコンセンサ14、リモートコントロール端末(以下リモコンと称する)15、車両通信装置16及びこれらと接続された制御回路9を備えている。
【0024】
位置検出器1は、いずれも周知のGセンサ2、地磁気センサ3、ジャイロスコープ4、速度センサ5、及び衛星からの電波に基づいて車両の現在位置を検出するGPS(Global Positioning System)のためのGPS受信機6を有している。これらのセンサ等2〜6は各々が性質の異なる誤差を持っているため、複数のセンサにより各々補完しながら使用するように構成されている。なお精度によっては上述した内の一部で構成してもよく、更にステアリングの回転センサを用いてもよい。
【0025】
地図データ入力器7は、記憶媒体(不図示)が装着され、該記憶媒体に格納されている位置検出の精度向上のためのいわゆるマップマッチング用データ、地図データ及び目印データを含む各種データを入力するための装置である。地図データには、道路を示すリンクデータとノードデータが含まれる。このリンクとは、地図上の各道路を交差・分岐・合流する点等の複数のノードにて分割したときのノード間を結ぶものであり、各リンクを接続することにより道路が構成される。リンクデータは、リンクを特定する固有番号(リンクID)、リンクの長さを示すリンク長、リンクの始端及び終端ノード座標(緯度・経度)、道路名称、道路種別、道路幅員、車線数、右折・左折専用車線の有無とその専用車線の数、及び制限速度等の各データから構成される。
【0026】
一方、ノードデータは、地図上の各道路が交差、合流、分岐するノード毎に固有の番号を付したノードID、ノード座標、ノード名称、ノードに接続するリンクのリンクIDが記述される接続リンクID、交差点種類等の各データから構成される。
【0027】
なお、地図データを記憶する記憶媒体としては、CD−ROMまたはDVD−ROM、メモリカード、HDD等を用いる。
【0028】
操作スイッチ群8は、第1操作装置に相当するものであり、例えば表示装置11と一体になったタッチスイッチもしくはメカニカルなスイッチ等が用いられる。この操作スイッチ群8のスイッチ操作により制御回路9へ各種機能(例えば、地図縮尺変更、メニュー表示選択、目的地設定、経路探索、経路案内開始、現在位置修正、表示画面変更、音量調整等)の処理が指示される。その指示により、表示装置11の画面が順次切り替えられる。
【0029】
リモコン15には複数の操作スイッチ(不図示)が設けられ、スイッチ操作によりリモコンセンサ14を介して各種指令信号を制御回路9に入力し、制御回路9に各種機能を実行させる。このリモコン15は、操作スイッチ群8と同じ操作が可能である。従って、リモコン15も第1操作装置として機能する。
【0030】
リモコンセンサ14を介してリモコン15から、あるいは操作スイッチ群8により目的地が設定されると、制御回路9は、位置検出器1により検出された現在位置からその目的地までの最適な経路を自動的に探索して誘導経路を設定し表示する。このような自動的に最適な経路を設定する手法は、ダイクストラ法等の手法が知られている。
【0031】
設定された経路は、地図データ入力器7の情報に基づき表示装置11に表示される表示地図上に位置検出器1により検出された現在位置マークと共に重畳表示される。表示地図には、現在位置マーク、経路のほかに、現在時刻、渋滞情報など他の情報表示も付加表示することもできる。
【0032】
外部メモリ10は、HDD等の書き込み可能な大容量記憶装置である。外部メモリ10には大量のデータや電源をOFFしても消去してはいけないデータを記憶したり、頻繁に使用するデータを地図データ入力器7からコピーして利用する等の用途がある。なお、外部メモリ10は、比較的記憶容量の小さい取り外し可能なメモリであってもよい。
【0033】
表示装置11は、車両の走行を案内するための地図や目的地選択画面等を表示するものであって、フルカラー表示が可能なものであり、液晶、有機EL等を用いて構成することができる。また、表示装置11の画面の表面には、タッチパネルが設けられている。ユーザは、そのタッチパネルをタッチ操作することにより、タッチ操作した画面上の位置に応じた画面に切り替えることができる。なお、表示装置11の画面の切り替えは、制御回路9の指示に基づいて行われる。
【0034】
音声出力装置12は、スピーカ等から構成され、制御回路9の指示に基づいて経路案内時の案内音声などを出力する。
【0035】
音声入力装置13は、マイク等から構成され、ユーザの音声を入力する。そして、音声入力装置13は、入力された音声を電気信号に変換して制御回路9に送信する。制御回路9は、音声入力装置13から送信されてきたユーザの音声に相当する電気信号に基づいて音声認識処理を行い、認識した音声に基づいた処理を実行する。
【0036】
車両通信装置16は、エンジンECUなど車両を制御する車両制御ユニットと接続するためのインターフェースであり、例えば車速、エンジンの状態、燃料の残量の情報を制御回路9に出力する。
【0037】
BT通信装置17は、Bluetooth(登録商標)通信方式によって、同じBT通信装置を有している機器と近距離間で無線通信をする装置である。本実施形態では、このBT通信装置17が取得手段として機能しており、BT通信装置17は、携帯電話300が読み込んだQRコードを無線通信によって取得する。
【0038】
制御回路9は通常のコンピュータとして構成されており、内部には周知のCPU、ROM、RAM、I/O及びこれらの構成を接続するバスライン(いずれも不図示)が備えられている。制御回路9は、位置検出器1、地図データ入力器7、操作スイッチ群8、外部メモリ10、リモコンセンサ14から入力された各種情報に基づき、ナビゲーション機能としての処理(例えば、地図縮尺変更処理、メニュー表示選択処理、目的地設定処理、経路探索実行処理、経路案内開始処理、現在位置修正処理、表示画面変更処理、音量調整処理等)を実行する。
【0039】
また、制御回路9は、第1表示装置制御手段としての機能を有し、操作スイッチ群8又はリモコンセンサ14から入力された信号に基づいて、表示装置11の画面の切り替えを行う。さらに、制御回路9は、BT通信装置17を介して携帯電話300で読み込んだQRコードを取得したときには、そのQRコードの内容を解読する。そして、QRコードを解読したときには、表示装置11の画面をその解読結果に対応する画面に切り替える。
【0040】
次に、携帯電話300の構成について説明する。同図に示すように、携帯電話300は、BT通信装置30、地磁気センサ31、送受信装置32、GPS受信機33、メモリカード挿入器34、操作スイッチ群35、シリアル通信装置36、外部メモリ37、表示装置38、音声出力装置39、音声入力装置40、読込装置として機能するカメラ41、及びこれらと接続する制御回路42から構成される。
【0041】
BT通信装置30は、BT通信装置17と同様に、Bluetooth通信方式によって、同じBT通信装置を有している機器と近距離間で無線通信をする装置である。本実施形態では、カメラ41を用いて読み込んだQRコードを車載ナビゲーション装置100に送信するために、このBT通信装置30が用いられる。
【0042】
地磁気センサ31は、携帯電話300の方位を検出するものであり、表示装置38に表示する地図の向きを決定するために用いられる。なお、表示装置38に表示される地図のデータは、GPS受信機33に基づいて外部の所定施設から送信される。
【0043】
送受信装置32は、通話のための音声データやメールのための文字データ及び表示装置38に表示される地図データなど各種データを送受信する。
【0044】
GPS受信機33は、上述したGPS受信機6と同様に、複数の衛星から送信される信号を受信する。受信した信号は、制御回路42に送信され、制御回路42はその信号に基づいて携帯電話300の現在地を算出する。
【0045】
メモリカード挿入器34は、SDカード、miniSDカードなどのメモリカードを挿入するものである。制御回路42は、メモリカード挿入器34に挿入されているメモリカードに記憶されているデータを読み出したり、反対にメモリカードにカメラ41で撮った画像データや音楽データなどを記憶したりする。
【0046】
操作スイッチ群35は、電話をする際の数字を入力するプッシュスイッチである。なお、このプッシュスイッチは、メールをする際の文字入力するときや、表示装置38の画面を切り替えたりするときなど各種用途に用いられる。
【0047】
シリアル通信装置36は、他の通信機器とシリアル通信するための装置である。例えばパソコンとデータ通信する際には、シリアル通信装置36にそのパソコンが接続される。
【0048】
外部メモリ37は、画像データや音楽データなど各種データが記憶されるメモリである。また、本実施形態では、カメラ41を用いてQRコードを読み込んだり、読み込んだQRコードの内容を表示装置38の画面に表示させたりするアプリケーションが、外部メモリ37に記憶されている。
【0049】
表示装置38は液晶画面を有している。その液晶画面は、電話番号や文字情報、WEB情報など各種情報が表示される。また、表示装置38は、カメラ41を用いて読み込んだQRコードに対応する画面が表示される。
【0050】
音声出力装置39は、通話の際の音声を出力する装置であり、スピーカ等から構成される。
【0051】
音声入力装置40は、通話の際に音声を制御回路42に入力する装置であり、マイク等から構成される。なお、制御回路42は、音声入力装置40によって、音声が入力された場合には、その音声を送受信装置32に送信して、電波として外部に発信させる。
【0052】
カメラ41は、例えばCCDカメラであり、写真撮影のために用いられる。また、本実施形態では、カメラ41は、QRコードを読み込むためにも用いられる。
【0053】
制御回路42は通常のコンピュータとして構成されており、内部には周知のCPU、ROM、RAM、I/O及びこれらの構成を接続するバスライン(いずれも不図示)が備えられている。ROMにはCPUが実行するプログラムが記憶されている。
【0054】
図3は、シミュレーション装置であるパソコン200と、印刷装置であるプリンタ201と、そのプリンタ201によって印刷されたQRコードの一例とを示す図である。
【0055】
パソコン200は第2表示装置に相当するディスプレイ202を備えている。パソコン200には、車載ナビゲーション装置100の動作をシミュレートするシミュレーションソフトがインストールされている。そのシミュレーションソフトは、パソコン200のディスプレイ202に車載ナビゲーション装置100の表示装置11の画面と同一の画面であるシミュレート画面を表示させることができるソフトウェアであり、このソフトウェアが第2表示装置制御手段に相当する。
【0056】
シミュレート画面には、車載ナビゲーション装置100の表示装置11に表示されるタッチスイッチも表示され、シミュレーションソフトは、シミュレート画面に表示されているスイッチがマウスでクリックされると、車載ナビゲーション装置100の表示装置11と同じようにシミュレート画面を切り替えるようにプログラミングされている。
【0057】
さらに、シミュレーションソフトは、目的地入力画面のように、シミュレート画面が文字入力画面のときには、キーボードを用いてシミュレート画面に文字が入力できるようにもプログラミングされている。そして、キーボードまたはマウスから所定のコード作成操作が行われると、そのときディスプレイ202に表示されているシミュレート画面に対応するQRコードが作成されて、その作成されたQRコードがプリンタ201へ出力される。
【0058】
プリンタ201は、パソコン200とケーブル203で接続されており、パソコン200から出力されたQRコードを印刷する。
【0059】
次に、QRコードを印刷するまでの処理を図4のフローチャートを用いて説明する。なお、同図のフローチャートは、車載ナビゲーション装置100の動作をシミュレートするアプリケーションがユーザによって起動されたときに開始される。
【0060】
ステップS100では、車載ナビゲーション装置100の表示装置11と同じ画面であるシミュレート画面をパソコン200のディスプレイ202に表示する。そして、シミュレート画面に表示されているスイッチがマウスでクリックされた場合には、シミュレート画面を順次切り替える。このマウス操作により、ユーザは、シミュレート画面を自分が意図した画面まで切り替える。
【0061】
ステップS101では、ユーザによるシミュレーション操作が完了したか否かを判定する。具体的には、図5に示すように、ディスプレイ202の隅に操作完了ボタン210を表示しておき、ユーザのマウス操作によって、その操作完了ボタン210がクリックされたか否かで、操作が完了したか否かを判定する。なお、図5は、自宅を目的地として選択して経路案内を開始する画面を示している。
【0062】
ステップS101において、操作が完了していないと判定した場合は否定判定し、ステップS100に戻り、車載ナビゲーション装置100の動作のシミュレーションを継続する。一方、操作が完了したと判定した場合は肯定判定し、処理をステップS102に進める。
【0063】
ステップS102では、ディスプレイ202に表示されているシミュレート画面に対応するQRコードを作成し印刷するか否かを判定する。具体的には、図6に示すように、ディスプレイ202にQRコードを印刷するか否かのウィンドウ501をポップアップ表示する。このウィンドウ501には、ユーザへの問い合わせメッセージ「QRコードを印刷しますか」に加えて、「はい」、「いいえ」、及び車載ナビゲーション装置100の動作のシミュレーションを再度行うことを指示する「キャンセル」が表示されている。
【0064】
QRコードを印刷すると判定した場合は肯定判定し、ステップS103に進んで、QRコードを作成してプリンタ201にそのQRコードを印刷する指示信号を送信する。プリンタ201は、その指示信号を受けて、QRコードをプリントアウトする。その後、このシミュレーションソフトを終了させる。一方、QRコードを印刷しないと判定した場合は否定判定し、QRコードの印刷を指示する指示信号を出力することなく、このシミュレーションソフトを終了する。また、車載ナビゲーション装置100の動作のシミュレーションを再度行うと判定した場合は、処理をステップS100に戻す。
【0065】
なお、経路案内に関するQRコードを作成するときには、ユーザが経路案内を開始させる案内開始スイッチを操作しなくても、自動で経路案内が開始するようなQRコードを作成してもよい。例えば、図6に示すように、自動で経路案内を開始するチェックボタン502を表示させ、ユーザのマウス操作によってそのチェックボタン502がクリックされたときには、自動で経路案内を開始するQRコードを作成する。
【0066】
次に、パソコン200によって作成されたQRコードを携帯電話300が読み込む処理を、図7のフローチャートを用いて説明する。なお、同図に示す処理は、制御回路42が行う。また、同図に示す処理は、ユーザによって、QRコードを読み込むアプリケーションが起動されたときに開始される。
【0067】
ステップS400では、カメラ41を起動させる。これによって、カメラ41によって映し出される映像が表示装置38に表示される。
【0068】
ステップS401では、QRコードを読み取るか否かを判定する。具体的には、図8に示すように、まず、表示装置38にQRコードの読み取りを指示する読取ボタン70を表示し、その読取ボタン70に対応するスイッチ71が操作されたか否かによって、QRコードを読み取るか否かを判定する。QRコードを読み取らせたいユーザは、カメラ41を予め印刷されているQRコードに向け、表示装置38にQRコードを表示させた後、スイッチ71を操作することになる。
【0069】
QRコードを読み取らないと判定した場合は否定判定し、処理をステップS400に戻す。一方、QRコードを読み取ると判定した場合は肯定判定し、処理をステップS402に進める。
【0070】
ステップS402では、読み込んだQRコードを車載ナビゲーション装置100に送信するか否かを判定する。具体的には、表示装置38に、QRコードを車載ナビゲーション置100に送信するか否かを問い合わせるメッセージまたは図形を表示し、その後、送信を指示する操作および送信をしないことを指示する操作のいずれが行われたかによって、読み込んだQRコードを車載ナビゲーション装置100に送信するか否かを判定する。
【0071】
読み込んだQRコードを車載ナビゲーション装置100に送信しないと判定した場合は否定判定し、このフローチャートを抜ける。一方、送信すると判定した場合は肯定判定し、ステップS403において、BT通信装置30を用いて、QRコードを車載ナビゲーション装置100に送信し、その後、このフローチャートを抜ける。なお、このようにBT通信装置30を用いてQRコードを車載ナビゲーション装置100に送信するので、プリンタ201によって印刷されたQRコードは車室内に用意した上で、この図7の処理を車室内で実行する必要がある。
【0072】
上述の問い合わせメッセージまたは図形に対しては、QRコードを読み取り直す指示もできるようになっており、その指示に基づいてQRコードを読み取りなおすと判定した場合は(キャンセル)、処理をステップS400に戻す。
【0073】
図9は、QRコードを携帯電話300から取得する際の車載ナビゲーション装置100の処理を示したフローチャートである。なお、この処理は制御回路9が行う。
【0074】
ステップS500では、BT通信装置17がQRコードを受信したか否かを判定する。QRコードを受信するまでは、この処理を繰り返えす(ステップS500否定判定)。一方、QRコードを受信した場合は、処理をステップS501に進める。
【0075】
続くステップS501では、受信したQRコードの内容を解読する。次いで、ステップS502では、ステップS501にて解読した結果に基づいて表示装置11の画面をQRコードに対応する画面に切り替える。これによって、例えば図10に示すように、自宅が目的地に設定された案内開始画面に切り替わったり、図11に示すように、目的地を入力する途中段階の画面に切り替わったり、図12に示すように、出発地から目的地までの経路が設定された後の画面に切り替わったりする。なお、ステップS502の処理が終了した後、処理をステップS500に戻す。
【0076】
以上、本実施形態では、パソコン200のディスプレイ202に、ナビゲーション装置100の表示装置11に表示される画面と同一の画面であるシミュレート画面を表示させることができ、プリンタ201によって、そのシミュレート画面に対応するQRコードを印刷することができる。従って、数回あるいはそれ以上の面倒な操作をしなければならない表示装置11の画面をパソコン200に表示させて、プリンタ201によりその画面に対応するQRコードを印刷して用意しておくことができる。
【0077】
そのようにしてQRコードを用意しておけば、以後は、携帯電話300のカメラ41によって用意しておいたQRコードを読み込み、BT通信装置17によって携帯電話300のカメラ41が読み込んだQRコードを取得すれば、BT通信装置17が取得しQRコードに対応する画面が表示装置11に表示されるので、表示装置11に意図した画面を表示させるためのユーザの操作負担が軽減する。
【0078】
また、本実施形態では、携帯通信機としてカメラ41を備えた携帯電話300を用いており、その携帯電話300のカメラ41によってQRコードを読み込んでいるので、車載ナビゲーション装置100はQRコードを読み込むための装置を備える必要がない。
【0079】
なお、本発明は本実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々なる形態で実施することができる。
【0080】
例えば、前述の実施形態では、携帯電話300を用いて車載ナビゲーション装置100にQRコードを読み込ませていたが、車載ナビゲーション装置100にQRコードを読み込むことができるQRコードリーダを接続してもよい。
【0081】
また、前述の実施形態では、携帯電話300の表示装置38には、カメラ41が読み込んだQRコードに対応する画面は表示されなかったが、携帯電話300の制御回路42に、カメラ41が読み込んだQRコードに対応する画面を表示装置38に表示させる機能を追加してもよい。図13は、携帯電話300の表示装置38に、カメラ41が読み込んだQRコードに対応する画面が表示されている例を示す図である。このように、携帯電話300の表示装置38にもQRコードに対応する画面を表示させるようにすれば、車載ナビゲーション装置100に送信するQRコードが意図した画面に対応したQRコードであるかを確認することができる。
【0082】
また、QRコードに対応する画面が目的地を設定する途中の画面のときには、ユーザは、車載ナビゲーション装置100を操作して最終的な目的地を入力する必要がある。この際に、携帯電話300から目的地を入力できるようにしてもよい。この場合、携帯電話300のプッシュスイッチを操作して目的地を入力してもよいし、ユーザの音声によって目的地を入力してもよい。図14は、このときの携帯電話300を示した図であり、表示装置38にはプッシュスイッチから入力された文字(「しょうわ」)が表示されている。なお、プッシュスイッチによって入力された文字を車載ナビゲーション装置100に転送するには、転送スイッチ72を操作すればよい。また、ユーザの音声によって、目的地を入力する場合には、音声認識スイッチ73を操作した後に、音声入力装置40から音声を入力する。
【0083】
図15は、図14の状態において転送スイッチ72が操作された場合に、車載ナビゲーション装置100の表示装置11に表示される画面を示した図であるが、新たに「しょうわ」という文字が入力されている。なお、音声認識スイッチ73を操作した場合には、表示装置11の画面に、音声認識モードであることを示す図形23が表示される(図15参照)。
【0084】
以上は、経路探索の際の目的地を携帯電話300で入力する例について説明したが、車載ナビゲーション装置100の他の操作も携帯電話300で操作できるようにしてもよい。携帯電話300によって車載ナビゲーション装置100の操作をすることにより、携帯電話300の扱いに慣れている人にとっては、使い勝手が良くなる。
【0085】
また、携帯電話300で読み込んだQRコードを、他の携帯電話に送信するようにしてもよい。例えば、図16に示すように、携帯電話300で読み込んだQRコードを他の携帯電話301〜305に送信する場合を想定する。図17は、このときの携帯電話300を示した図である。
【0086】
図17の携帯電話300の表示装置38には、カメラ41によって読み込んだQRコードに対応する画面である目的地設定画面が表示されおり、また、その目的地設定画面の下方に、グループ受信ボタン74とグループ送信ボタン75とが表示されている。これらグループ受信ボタン74およびグループ送信ボタン75は、グループモード遷移キー76が押されたときに表示される。そして、グループ送信ボタン75に対応するキー77が押されると、制御回路42において光学コード受信手段としての機能が実行されて、送受信装置32から、そのとき表示されている画面に対応するQRコードが予め登録されている他の携帯電話301〜305に送信される。
【0087】
その後、他の携帯電話301〜305においてグループ受信ボタン74に対応するキー78が押されると、その携帯電話301〜305の制御回路42が光学コード受信手段としての機能を実行して、送受信装置32を制御して携帯電話300から送信されてきたQRコードを受信する。さらに、受信したQRコードに対応する画面を携帯電話301〜305の表示装置38に表示させる。
【0088】
このように、別の携帯電話300によって読み込まれたQRコードを受信した場合、その受信したQRコードを車載ナビゲーション装置100へ送信できる。この場合、受信したQRコードに関しては、パソコン200を操作して意図した画面をディスプレイ202に表示させ、さらに、そのディスプレイ202に表示されているシミュレート画面に対応するQRコードを印刷した上で、そのQRコードを携帯電話300のカメラ41によって読み込むという手間を省くことができる。
【0089】
また、前述の実施形態では、光学コードとしてQRコードを用いた例を説明したが、QRコード以外の二次元光学コードや一次元の光学コードであるバーコードを用いてもよい。
【0090】
また、前述の実施形態は、制御対象の車載機器が車載ナビゲーション装置100であるシステムであったが、オーディオ機器や空調機器などを制御対象の車載機器としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0091】
【図1】本実施形態の車載ナビゲーション装置100の全体構成を示すブロック図である。
【図2】本実施形態の携帯電話300の全体構成を示すブロック図である。
【図3】パソコン200と、プリンタ201と、そのプリンタ201によって印刷されたQRコードの一例とを示す図である。
【図4】車載ナビゲーション装置100の動作をパソコン200がシミュレートして、QRコードを印刷する処理を示すフローチャートである。
【図5】車載ナビゲーション装置100の動作をシミュレートしているときのパソコン200の画面を示した図である。
【図6】シミュレート画面に対応するQRコードを印刷するかどうかを問い合わせている画面がディスプレイ202に表示されている図である。
【図7】携帯電話300がQRコードを読み取る際の制御回路42が行う処理を示したフローチャートである。
【図8】QRコードを読み取るときの携帯電話300を示した図である。
【図9】QRコードを携帯電話300から取得する際の車載ナビゲーション装置100の制御回路9における処理を示したフローチャートである。
【図10】QRコードに対応する画面を例示した図である。
【図11】QRコードに対応する画面を例示した図である。
【図12】QRコードに対応する画面を例示した図である。
【図13】携帯電話300の表示装置38に、カメラ41が読み込んだQRコードに対応する画面が表示されている例を示す図である。
【図14】携帯電話300を用いて目的地を入力している状態を示した図である。
【図15】図14の状態において転送スイッチ72が操作された場合に、車載ナビゲーション装置100の表示装置11に表示される画面を示した図である。
【図16】携帯電話300と他の携帯電話301〜305を示した図である。
【図17】グループモードのときの携帯電話300〜305を示す図である。
【符号の説明】
【0092】
8・・・操作スイッチ群(第1操作装置)、9・・・制御回路(第1表示装置制御手段)、11・・・表示装置(第1表示装置)、15・・・リモコン(第1操作装置)、17・・・BT通信装置(取得手段)、32・・・送受信装置(受信機)、38・・・表示装置(第3表示装置)、41・・・カメラ(読込装置)、42・・・制御回路(光学コード送信制御手段、光学コード受信手段)、100・・・車載ナビゲーション装置(車載機器)、200・・・パソコン(シミュレーション装置)、201・・・プリンタ(印刷装置)、202・・・ディスプレイ(第2表示装置)、300・・・携帯電話(携帯通信機)、301〜305・・・携帯電話(携帯通信機)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1表示装置と、その第1表示装置に表示されている画面を切り替えるためにユーザが操作する第1操作装置とを備え、その第1操作装置がユーザによって操作されることによって前記第1表示装置の画面が順次切り替えられるようになっている車載機器と、
第2表示装置と、その第2表示装置に表示されている画面を切り替えるためにユーザが操作する第2操作装置と、その第2操作装置の操作に基づいて、前記第2表示装置に、前記第1表示装置に表示される画面と同一の画面であるシミュレート画面を表示させる第2表示装置制御手段と、を備えたシミュレート装置と、
前記第2表示装置に表示されているシミュレート画面に対応する光学コードを印刷する印刷装置と、
その印刷装置によって印刷された光学コードを読み込む読込装置と、を備え、
さらに、前記車載機器は、前記読込装置が読み込んだ光学コードを取得する取得手段と、その取得手段が取得した光学コードに対応する画面を前記第1表示装置に表示させる第1表示装置制御手段とを備えていることを特徴とする車載機器制御システム。
【請求項2】
前記読込装置が携帯通信機に備えられているとともに、その携帯通信機は、前記読込装置が読み込んだ光学コードを送信する光学コード送信制御手段を備えており、
前記車載機器は、前記取得手段として、前記携帯通信機から送信される光学コードを受信する受信機を備えていることを特徴とする請求項1に記載の車載機器制御システム。
【請求項3】
前記携帯通信機は第3表示装置を備え、その第3表示装置に、前記読込装置が読み込んだ光学コードに対応する画面が表示されるようになっていることを特徴とする請求項2に記載の車載機器制御システム。
【請求項4】
請求項2または3に記載の車載機器制御システムにおいて、
前記携帯通信機は、別の携帯通信機において読み込まれて、その別の携帯通信機から送信される光学コードを受信する光学コード受信手段を備えており、
前記光学コード送信制御手段は、前記別の携帯通信機から送信された光学コードを送信することもできるようになっていることを特徴とする車載機器制御システム。
【請求項5】
前記車載機器は、車載ナビゲーション装置であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の車載機器制御システム。
【請求項6】
第1表示装置と、
その第1表示装置に表示されている画面を切り替えるためにユーザが操作する第1操作装置と、
その第1操作装置の所定の画面に対応する光学コードを取得する取得手段と、
その取得手段が取得した光学コードに対応する画面を表示させる第1表示装置制御手段とを備えていることを特徴とする車載機器。
【請求項1】
第1表示装置と、その第1表示装置に表示されている画面を切り替えるためにユーザが操作する第1操作装置とを備え、その第1操作装置がユーザによって操作されることによって前記第1表示装置の画面が順次切り替えられるようになっている車載機器と、
第2表示装置と、その第2表示装置に表示されている画面を切り替えるためにユーザが操作する第2操作装置と、その第2操作装置の操作に基づいて、前記第2表示装置に、前記第1表示装置に表示される画面と同一の画面であるシミュレート画面を表示させる第2表示装置制御手段と、を備えたシミュレート装置と、
前記第2表示装置に表示されているシミュレート画面に対応する光学コードを印刷する印刷装置と、
その印刷装置によって印刷された光学コードを読み込む読込装置と、を備え、
さらに、前記車載機器は、前記読込装置が読み込んだ光学コードを取得する取得手段と、その取得手段が取得した光学コードに対応する画面を前記第1表示装置に表示させる第1表示装置制御手段とを備えていることを特徴とする車載機器制御システム。
【請求項2】
前記読込装置が携帯通信機に備えられているとともに、その携帯通信機は、前記読込装置が読み込んだ光学コードを送信する光学コード送信制御手段を備えており、
前記車載機器は、前記取得手段として、前記携帯通信機から送信される光学コードを受信する受信機を備えていることを特徴とする請求項1に記載の車載機器制御システム。
【請求項3】
前記携帯通信機は第3表示装置を備え、その第3表示装置に、前記読込装置が読み込んだ光学コードに対応する画面が表示されるようになっていることを特徴とする請求項2に記載の車載機器制御システム。
【請求項4】
請求項2または3に記載の車載機器制御システムにおいて、
前記携帯通信機は、別の携帯通信機において読み込まれて、その別の携帯通信機から送信される光学コードを受信する光学コード受信手段を備えており、
前記光学コード送信制御手段は、前記別の携帯通信機から送信された光学コードを送信することもできるようになっていることを特徴とする車載機器制御システム。
【請求項5】
前記車載機器は、車載ナビゲーション装置であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の車載機器制御システム。
【請求項6】
第1表示装置と、
その第1表示装置に表示されている画面を切り替えるためにユーザが操作する第1操作装置と、
その第1操作装置の所定の画面に対応する光学コードを取得する取得手段と、
その取得手段が取得した光学コードに対応する画面を表示させる第1表示装置制御手段とを備えていることを特徴とする車載機器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2008−26181(P2008−26181A)
【公開日】平成20年2月7日(2008.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−199793(P2006−199793)
【出願日】平成18年7月21日(2006.7.21)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年2月7日(2008.2.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年7月21日(2006.7.21)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】
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