説明

車載用ナビゲーション装置

【課題】低コストでアイドリングストップを行うように注意を喚起することが可能な車載用ナビゲーション装置を提供する。
【解決手段】車両が停車中であって現在位置がアイドリング制限領域内に存在し、かつ、その状態で車両のエンジンがアイドリング状態を継続した場合に、車両のユーザをアイドリングの抑制へ誘導するためのアイドリング抑制誘導処理を実行することを特徴とする車載用ナビゲーション装置として提供可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車載用ナビゲーション装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
地球環境への負荷低減のため、車両の運転においてエコドライブが推奨されている。このエコドライブの一環として、駐停車中の不要なアイドリングをストップすることが推奨され、一部自治体では駐停車中のアイドリングを義務付ける条例が制定されている。しかし、このアイドリングストップの実施にあたっては、ユーザ各人の意識・マナーに頼っているような状態である。エコドライブの喚起にもかかわらず、駐車場、または路上でエンジンをかけっぱなしのまま停車し、車内もしくは車外で会話に夢中になっている人たちは依然として見受けられる。
【0003】
車両の走行に伴ってGPS(Global Positioning System:全地球測位システム)等により現在位置を検出し、その現在位置を表示装置上に道路地図と共に表示して、出発地から目的地までの適切な経路を設定し、表示装置や音声出力装置などによって案内する車載用ナビゲーション装置は、ユーザの効率的で安全な運転に貢献している。
【0004】
そこで、車速から車両停止を判定し、エンジン始動か否かでアイドリング判定するとともに、車載用ナビゲーション装置の位置情報から、例えば、踏み切りや信号停止、渋滞を除外してアイドリングストップに適した場所かどうかを判定し、アイドリングストップに適した場所であればアイドリングをストップする(または、停止を促す)アイドリングストップ制御装置が考案されている(特許文献1参照)。
【0005】
また、車載用ナビゲーション装置の位置情報からアイドリングの実施の有無を判定し、これをエコドライブ診断用に外部出力する安全運転診断方法が考案されている(特許文献2参照)。
【0006】
【特許文献1】特開2004−169664号公報
【特許文献2】特開2004−234260号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1の構成では、自動車が停止したと判断されたときに、過去におけるその停止位置付近の停止時間(停止時間履歴)を基にして、アイドリングストップの実行良否の判定を行っている。そのため、充分な停止時間履歴がないと適切な判定を行うことができないという問題がある。また、停止時間履歴を記憶するための記憶媒体を必要とし、装置のコストが上昇するという問題もある。
【0008】
特許文献2の構成では、アイドリングの判定やアイドリング時間等のデータを収集することができ、そのデータを基にユーザにエコドライブを行うように注意を喚起することはできるが、その車両のアイドリングをストップさせることはできず、リアルタイム性がない。また、本安全運転診断方法は一般ユーザにはなじまない。
【0009】
上記問題を背景として、本発明の課題は、低コストでアイドリングストップを行うように注意を喚起することが可能な車載用ナビゲーション装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段および発明の効果】
【0010】
上記課題を解決するための車載用ナビゲーション装置は、電子地図データを、該電子地図データ上にアイドリング制限領域を区画設定するためのアイドリング制限領域設定データとともに記憶する地図データ記憶手段と、車両が停車しているかどうかを判定する停車判定手段と、車両のエンジンの状態を検出するエンジン状態検出手段と、車両の現在位置を検出する位置検出手段と、車両の現在位置がアイドリング制限領域内に存在するかを判定する判定手段と、車両が停車中であって現在位置がアイドリング制限領域内に存在し、かつその状態で車両のエンジンがアイドリング状態を継続した場合に、車両のユーザをアイドリングの抑制へ誘導するためのアイドリング抑制誘導処理を実行するアイドリング抑制誘導処理実行手段と、を備えることを特徴とする。
【0011】
本発明は、車載用ナビゲーション装置により自車の走行状態および自車位置が正確に判定できるという点に着目し、駐車場等で不要なアイドリングしているかどうかを判定し、それに対し警告報知を行うものである。上記構成によって、停止時間履歴の有無に関係なくアイドリング抑制誘導処理の実行の判定を行うことができるので、停止時間履歴を記憶するための記憶媒体は不要となり、装置のコストは上昇しないという利点がある。また、本発明の構成はリアルタイム性があり、一般ユーザの車両にも適用できる。さらに、アイドリング抑制誘導処理は、アイドリングストップ以外の方策も含まれるため、ユーザに対して「厭々アイドリングを止める」のではなく、「地球環境保護のためアイドリングを止めることが当たり前」というようなアイドリングストップの動機付けを行うことができる。
【0012】
また、本発明の車載用ナビゲーション装置におけるアイドリング抑制誘導処理実行手段は、アイドリング抑制誘導処理停止条件として、車両の現在位置がアイドリング制限領域内に存在しないこと、車両が停車していないこと、あるいは車両のエンジンが停止状態であること、のうちの少なくとも一つが成立することに基づいて、アイドリング抑制誘導処理の実行を停止するように構成することもできる。
【0013】
上記構成によって、停止時間履歴の有無に関係なくアイドリング抑制誘導処理の実行停止の判定を行うことができるので、停止時間履歴を記憶するための記憶媒体は不要となり、装置のコストは上昇しないという利点がある。
【0014】
また、本発明の車載用ナビゲーション装置におけるアイドリング抑制誘導処理実行手段は、アイドリング抑制誘導処理停止条件が成立するまで、アイドリング抑制誘導処理を連続的または断続的に継続するように構成することもできる。
【0015】
上記構成によって、例えばユーザがエンジンを停止するまでアイドリング抑制誘導処理が継続されるので、ユーザは否応なくエンジンを停止する等の処置をとらざるを得なくなり、その結果アイドリングストップが行われるようになる。
【0016】
また、本発明の車載用ナビゲーション装置におけるアイドリング抑制誘導処理実行手段は、予め定められた時間内にアイドリング抑制誘導処理停止条件が成立しない場合に、エンジンを強制停止させるためのエンジン強制停止手段を含むように構成することもできる。
【0017】
上記構成によって、ユーザがエンジンを停止することを拒んでもアイドリングストップは行われる。そして、ユーザは「アイドリングストップは行わなければならない」という意識へ誘導され、以降はアイドリングストップを行うようになる。
【0018】
また、本発明の車載用ナビゲーション装置は、電子地図データ上の駐車場がアイドリング制限領域として設定されているように構成することもできる。
【0019】
買い物で車を離れるときや駐車場で人を待っているときなどに、車両のエンジンをかけたままにしている場合が多い。上記構成によって、駐車場を予めアイドリング抑制誘導処理の実行の判定条件としておけば、停止時間履歴の有無に関係なくアイドリング抑制誘導処理の実行の判定を行うことができる。また、アイドリング抑制誘導処理の実行の判定に要する時間も短縮できる。
【0020】
また、本発明の車載用ナビゲーション装置は、アイドリング制限領域が電子地図データ上にて交差点およびその交差点を含む所定区間長の道路を除外する形で地図データ上に設定されているように構成することもできる。
【0021】
道路に停車中の場合はアイドリングストップを行うのが原則である。しかし、交差点付近では信号待ちにより停車している可能性があるので、アイドリング抑制誘導処理を行わない方がよい場合もある。上記構成によって、車両の停車位置に応じて適切なアイドリング抑制誘導処理の実行の判定を行うことができる。
【0022】
また、本発明の車載用ナビゲーション装置における電子地図データは道路の幅員に関する情報を含み、道路の幅員に応じてアイドリング制限領域から除外される道路区間長が定められるように構成することもできる。
【0023】
交差点の規模(車線の数つまり幅員)が大きいほど、信号待ちする車両の列の長さが長くなることが予想される。上記構成によって、車両の停車位置と道路の幅員とに応じて適切なアイドリング抑制誘導処理の実行の判定を行うことができる。
【0024】
また、本発明の車載用ナビゲーション装置は、当該車載用ナビゲーション装置の操作を検出する操作検出手段を備え、アイドリング抑制誘導処理実行手段は、当該車載用ナビゲーション装置の操作が検出されたことを条件として、アイドリング抑制誘導処理の実行が制限されるように構成することもできる。
【0025】
ユーザが車載用ナビゲーション装置で目的地の検索や設定等の操作を行うために車両を路肩に停車させている場合は、操作が済み次第車両を発進させる可能性が高いので、アイドリング抑制誘導処理を実行することは好ましくない。上記構成によって、ユーザの状態に応じて適切なアイドリング抑制誘導処理の実行の判定を行うことができる。
【0026】
また、本発明の車載用ナビゲーション装置は、渋滞情報を取得する渋滞情報取得手段を備え、アイドリング抑制誘導処理実行手段は、車両の現在位置が渋滞区間に含まれることを条件として、アイドリング抑制誘導処理の実行が制限されるように構成することもできる。
【0027】
発進・停止を繰り返す渋滞走行時には、かえって渋滞走行の妨げになるためアイドリング抑制誘導処理を実行することは好ましくない。上記構成によって、車両の走行状態に応じて適切なアイドリング抑制誘導処理の実行の判定を行うことができる。
【0028】
また、本発明の車載用ナビゲーション装置におけるアイドリング抑制誘導処理実行手段は、予め定められたアイドリング警告の報知を行う報知手段を含むように構成することもできる。
【0029】
エンジンを強制停止しなくても、アイドリング警告の報知を行えばエンジンを停止してアイドリングストップを行うユーザもいる。上記構成によって、必ずしもエンジンを強制停止させなくても、ユーザをアイドリングストップを行うように誘導することが可能となる。エンジンを強制停止しても、すぐにユーザがエンジンを始動してしまえば元の木阿弥となってしまう。上記構成では、ユーザがエンジンを停止せざるを得ない状況となるので、「ユーザ自身によりエンジンを停止させる」という習慣をつけることが可能となる。
【0030】
また、本発明の車載用ナビゲーション装置におけるアイドリング抑制誘導処理実行手段は、アイドリング警告メッセージを音声メッセージにより送出する警告メッセージ送出手段を含むように構成することもできる。
【0031】
上記構成によって、アイドリング警告メッセージを確実にユーザに伝えることが可能となる。
【0032】
また、本発明の車載用ナビゲーション装置におけるアイドリング抑制誘導処理実行手段は、アイドリング警告報知映像を表示する警告報知映像表示手段を含むように構成することもできる。
【0033】
上記構成によっても、アイドリング警告メッセージを確実にユーザに伝えることが可能となる。また、アイドリング警告報知映像の方が音声メッセージよりも情報量が多いので、より有効な、すなわち、ユーザがアイドリングストップを行わざるを得ないようなアイドリング警告メッセージをユーザに伝えることができる。
【0034】
また、本発明の車載用ナビゲーション装置は、アイドリング警告は所定の時間間隔で繰り返し報知されるとともに、アイドリング警告の報知回数をカウントするカウント手段を備え、アイドリング抑制誘導処理実行手段は、カウント手段がカウントするアイドリング警告の報知回数の増加にしたがって、アイドリング警告の内容を変化させるように構成することもできる。
【0035】
最初のアイドリング警告の内容が毎回同じものであると、ユーザも慣れてしまって、アイドリングが環境に対して悪影響を及ぼしているという意識も薄れ、アイドリング警告の効果も低下してしまう。上記構成によって、アイドリング警告の報知回数が増加してもアイドリング警告の効果を持続することが可能となる。
【0036】
また、本発明の車載用ナビゲーション装置におけるアイドリング抑制誘導処理実行手段は、カウント手段がカウントするアイドリング警告の報知回数が増加するほど、アイドリング警告の内容が厳しくなるように変化させるように構成することもできる。
【0037】
例えば、最初のアイドリング警告の内容は、アイドリングはするものではないといった「指導」的内容、次のアイドリング警告の内容は、アイドリングがいかに環境に悪影響を及ぼしているかの実例を示す「注意」的内容、その次のアイドリング警告の内容は、これ以上アイドリングを続けるとエンジンを強制停止する「警告」的内容とすることができる。上記構成によって、同じアイドリング警告内容を報知するよりも、より効果的にアイドリングストップの重要性をユーザに伝えることが可能となる。
【0038】
また、本発明の車載用ナビゲーション装置におけるアイドリング抑制誘導処理実行手段は、アイドリング抑制誘導処理停止条件が成立しない場合に、車両に搭載される電子機器の使用を制限する処理をアイドリング抑制誘導処理として実行するように構成することもできる。
【0039】
上記構成によって、車載電子機器を使用するためには、ユーザがエンジンを停止せざるを得ない状況となるので、「ユーザ自身によりエンジンを停止させる」という習慣をつけることが可能となる。
【0040】
また、本発明の車載用ナビゲーション装置におけるアイドリング抑制誘導処理実行手段は、テレビまたはオーディオ・ビジュアル機器の映像表示装置の画面上に、通常時に出力される映像の視認を妨げる形で視認妨害映像を表示するように構成することもできる。
【0041】
テレビあるいはDVDを視聴するために停車していることがある。この場合、バッテリの消耗を防ぐこともあって、アイドリング状態となっていることが多い。上記構成によって、見ていた映像視認を妨げられるので、「停車中にオーディオ・ビジュアル機器を使用したければエンジンを停止する」ようにユーザを誘導することが可能となる。また、車載用ナビゲーション装置以外の映像表示装置を用いることで、より効果的にユーザにアイドリング警告を行うことが可能となる。
【0042】
また、本発明の車載用ナビゲーション装置は、視認妨害映像がアイドリング警告報知映像であるように構成することもできる。
【0043】
上記構成によって、テレビまたはオーディオ・ビジュアル機器の映像表示装置にも、車載用ナビゲーション装置の警告報知映像表示手段と同様のアイドリング警告報知映像を表示するため、「停車中にオーディオ・ビジュアル機器を使用したければエンジンを停止する」ようにユーザを誘導することが可能となる。
【0044】
また、本発明の車載用ナビゲーション装置におけるアイドリング抑制誘導処理実行手段は、アイドリング抑制誘導処理停止条件が成立しない場合に、車両に搭載されるエアコンディショナの使用を制限する処理をアイドリング抑制誘導処理として実行するように構成することもできる。
【0045】
例えば、昼休み時間帯にトラックや営業車両の運転手が駐車スペースで休憩しているのを見かける。このとき、暑さあるいは寒さを避けるべくエアコンを作動させるために、アイドリング状態となっている。上記構成によって、車内の居住環境が必ずしも快適なものではなくなるので、「車内で休憩したければしたければエンジンを停止する」ようにユーザを誘導することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0046】
以下、本発明の車載用ナビゲーション装置を、図面を参照しながら説明する。図1は車載用ナビゲーション装置(以下、ナビゲーション装置と略称)100の構成を示すブロック図である。ナビゲーション装置100は、位置検出器1,地図データ入力器6,操作スイッチ群7,リモートコントロール(以下リモコンと称する)センサ11,音声案内などを行う音声合成回路24,スピーカ15,メモリ9,表示器10,送受信機13,ハードディスク装置(HDD)21,LAN(Local Area Network) I/F(インターフェース)26,これらの接続された制御回路8,リモコン端末12等を備えている。
【0047】
位置検出器1は、周知の地磁気センサ2,車両の回転角速度を検出するジャイロスコープ3,車両の走行距離を検出する距離センサ4,および衛星からの電波に基づいて車両の位置を検出するGPS受信機5を有している。これらのセンサ等2,3,4,5は各々が性質の異なる誤差を持っているため、複数のセンサにより各々補完しながら使用するように構成されている。なお、精度によっては前述したうちの一部のセンサで構成してもよく、さらに、ステアリングの回転センサや各転動輪の車輪センサ例えば車速センサ23等を用いてもよい。なお、位置検出器1が本発明の位置検出手段に相当する。
【0048】
操作スイッチ群7は、例えば表示器10と一体になったタッチパネル22もしくはメカニカルなスイッチが用いられる。タッチパネル22は、表示器10の画面上にガラス基盤と透明なフィルムにスペーサと呼ばれる隙間を介してX軸方向、Y軸方向に電気回路が配線され、フィルム上をユーザがタッチすると、押された部分の配線がショートして電圧値が変わるため、これを2次元座標値(X,Y)として検出する、いわゆる抵抗膜方式が広く用いられる。その他に、周知のいわゆる静電容量方式を用いてもよい。メカニカルスイッチの他に、マウスやカーソル等のポインティングデバイスを用いてもよい。また、表示器10とその周辺を覆い意匠枠となるエスカッションに、操作スイッチ群7のうちのメカニカルスイッチを配置してもよい。
【0049】
また、マイク31および音声認識ユニット30を用いて種々の指示を入力することも可能である。これは、マイク31から入力された音声信号を、音声認識ユニット30において周知の隠れマルコフモデル等の音声認識技術により処理を行い、その結果に応じた操作コマンドに変換するものである。これら操作スイッチ群7,リモコン端末12,タッチパネル22,およびマイク31により、種々の指示を入力することが可能である。
【0050】
送受信機13は、例えば道路に沿って設けられた送信機(図示せず)から出力される光ビーコン、または電波ビーコンによってVICS(Vehicle Information and Communication System:道路交通情報通信システム)センタ14から道路交通情報を受信、あるいはFM多重放送を受信するための装置である。また、送受信機13を用いてインターネット等の外部ネットワークに接続可能な構成としてもよい。なお、送受信機13が本発明の渋滞情報取得手段に相当する。
【0051】
また、ETC車載器17と通信することにより、ETC車載器17が路側器(図示せず)から受信した料金情報などをナビゲーション装置100に取り込むことができる。また、ETC車載器17によって外部ネットワークと接続し、VICSセンタ14等との通信を行う構成をとってもよい。
【0052】
制御回路8は通常のコンピュータとして構成されており、周知のCPU81,ROM82,RAM83,入出力回路であるI/O84,A/D変換部86,描画部87,時計IC88,およびこれらの構成を接続するバスライン85が備えられている。CPU81は、HDD21に記憶されたナビプログラム21pおよびデータにより制御を行う。また、HDD21へのデータの読み書きの制御はCPU81によって行なわれる。また、CPU81からHDD21に対してデータの読み書きの制御ができなくなった場合のために、ROM82にナビゲーション装置100として必要最低限の動作を行うためのプログラムを記憶しておいてもよい。なお、制御回路8が本発明の停車判定手段,エンジン状態検出手段,判定手段,アイドリング抑制誘導処理実行手段,エンジン強制停止手段,操作検出手段,カウント手段に相当する。
【0053】
A/D変換部86は周知のA/D(アナログ/デジタル)変換回路を含み、例えば位置検出器1などから制御回路8に入力されるアナログデータをCPU81で演算可能なデジタルデータに変換するものである。
【0054】
描画部87は、HDD21等に記憶された地図データ21m(後述),表示用のデータや表示色のデータから表示器10に表示させるための表示画面データを生成する。
【0055】
時計IC88はリアルタイムクロックICとも呼ばれ、CPU81からの要求に応じて時計・カレンダーのデータを送出あるいは設定するものである。CPU81は時計IC88から日時情報を取得する。また、GPS受信機5で受信したGPS信号に含まれる日時情報を用いてもよい。また、CPU81に含まれるリアルタイムカウンタを基にして日時情報を生成してもよい。取得された日時情報は、例えば走行履歴管理に用いられる。
【0056】
HDD21には、ナビプログラム21pの他に位置検出の精度向上のためのいわゆるマップマッチング用データ、道路の接続を表した道路データを含む電子地図データのデータベースである地図データ21mが記憶される。地図データ21mは、表示用となる所定の地図画像情報を記憶するとともに、リンク情報やノード情報等を含む道路網情報を記憶する。リンク情報は、各道路を構成する所定の区間情報であって、位置座標、距離、所要時間、道幅、車線数、制限速度等から構成される。また、ノード情報は、交差点(分岐路)等を規定する情報であって、位置座標、右左折車線数、接続先道路リンク等から構成される。また、リンク間接続情報には、通行の可不可を示すデータなどが設定されている。なお、地図データ21mが本発明の地図データ記憶手段に相当する。
【0057】
また、HDD21には経路案内の補助情報や娯楽情報、その他にユーザが独自にデータを書き込むことができ、ユーザデータ21uとして記憶される。また、ナビゲーション装置100の動作に必要なデータや各種情報はデータベース21dとしても記憶される。
【0058】
ナビプログラム21p,地図データ21m,ユーザデータ21u,およびデータベース21dは、地図データ入力器6を介して記憶媒体20からそのデータの追加・更新を行うことが可能である。記憶媒体20は、そのデータ量からCD−ROMやDVDを用いるのが一般的であるが、例えばメモリカード等の他の媒体を用いてもよい。また、外部ネットワークを介してデータをダウンロードする構成を用いてもよい。
【0059】
メモリ9はEEPROM(Electrically Erasable & Programmable Read Only Memory:電気的消去・プログラム可能・読出し専用メモリ)やフラッシュメモリ等の書き換え可能なデバイスによって構成され、ナビゲーション装置100の動作に必要な情報およびデータが記憶されている。なお、メモリ9は、ナビゲーション装置100がオフ状態になっても記憶内容が保持されるようになっている。また、メモリ9の代わりにナビゲーション装置100の動作に必要な情報およびデータをHDD21に記憶してもよい。さらに、ナビゲーション装置100の動作に必要な情報およびデータをメモリ9とHDD21に分けて記憶してもよい。
【0060】
表示器10は周知のカラー液晶表示器で構成され、ドット・マトリックスLCD(Liquid Crystal Display)およびLCD表示制御を行うための図示しないドライバ回路を含んで構成されている。ドライバ回路は、例えば、画素毎にトランジスタを付けて目的の画素を確実に点灯させたり消したりすることができるアクティブマトリックス駆動方式が用いられ、制御回路8(描画部87)から送られる表示指令および表示画面データに基づいて表示を行う。また、表示器10として有機EL(ElectroLuminescence:電界発光)表示器,プラズマ表示器を用いてもよい。なお、表示器10が本発明の報知手段,警告報知映像表示手段に相当する。
【0061】
スピーカ15は周知の音声合成回路24に接続され、ナビプログラム21pの指令によってメモリ9あるいはHDD21に記憶されるデジタル音声データが音声合成回路24においてアナログ音声に変換されたものが送出される。なお、音声合成の方法には、音声波形をそのままあるいは符号化して蓄積しておき必要に応じて繋ぎ合わせる録音編集方式、文字入力情報からそれに対応する音声を合成するテキスト合成方式などがある。なお、音声合成回路24およびスピーカ15が本発明の報知手段,警告メッセージ送出手段に相当する。
【0062】
車速センサ23は周知のロータリエンコーダ等の回転検出部を含み、例えば車輪取り付け部付近に設置されて車輪の回転を検出してパルス信号として制御回路8に送るものである。制御回路8では、その車輪の回転数を車両の速度に換算して、車両の現在位置から所定の場所までの予想到達時間を算出したり、車両の走行区間毎の平均車速を算出する。
【0063】
LAN I/F26は車内LAN27を介して他の車載機器やセンサとのデータの遣り取りを行うためのインターフェース回路である。また、LAN I/F26を介して車速センサ23からのデータ取り込み、あるいはETC車載器17との接続を行ってもよい。
【0064】
このような構成を持つことにより、ナビゲーション装置100は、制御回路8のCPU81によりナビプログラム21pが起動されると、ユーザが操作スイッチ群7,タッチパネル22、リモコン端末12の操作あるいはマイク31からの音声入力によって、表示器10上に表示されるメニュー(図示せず)から目的地経路を表示器10に表示させるための経路案内処理を選択した場合、次のような処理を実施する。
【0065】
すなわち、まず、ユーザは目的地を探索する。目的地の探索方法は、例えば、地図上の任意の地点を指定する方法、目的地の所在する地域から探索する方法,目的地の電話番号から探索する方法,五十音表から目的地の名称を入力して探索する方法,あるいはユーザがよく利用する施設としてメモリ9に記憶されているものから探索する方法などがある。目的地が設定されると、位置検出器1により車両の現在位置が求められ、該現在位置を出発地として目的地までの最適な案内経路を求める処理が行われる。そして、表示器10上の道路地図に案内経路を重ねて表示し、ユーザに適切な経路を案内する。このような自動的に最適な案内経路を設定する手法は、ダイクストラ法等の手法が知られている。また、表示器10およびスピーカ15の少なくとも一方によって、操作時のガイダンスや動作状態に応じたメッセージの報知を行う。
【0066】
信号出力部28は、エンジンECU101、オーディオ・ビジュアル(以下、AVと略称)機器102,エアコンディショナ(以下、エアコンと略称)ECU103等の車載電子機器(図2参照,詳細は後述)に対して、アイドリング抑制誘導処理(図3参照,詳細は後述)において、アイドリング抑制誘導を行うための指令信号を送出するものである。例えば、周知の無線送信部(受信部を含めてもよい)、あるいは周知の赤外線送信部(受信部を含めてもよい)として構成される。
【0067】
図2を用いて、ナビゲーション装置100と他の車載機器との接続例を示す。車内LAN27を介して、ナビゲーション装置100は、エンジンECU101、AV機器102,エアコンECU103とネットワーク接続されている。
【0068】
エンジンECU101は、主として車両のエンジンの運転状態を制御するもので、図示しない各種センサから車両の状態を検出し、その状態に応じたエンジン回転数となるように、CPU101aで演算を行い、燃料噴射量や燃料噴射タイミング等を求める。信号入力部101bは、ナビゲーション装置100の信号出力部28からの指令信号を受信するものである。LAN I/F101cは、LAN I/F26と同様に車内LAN27を介してナビゲーション装置100等の他の車載機器とのデータの遣り取りを行うためのインターフェース回路である。
【0069】
AV機器102は、テレビやラジオ法送の受信,CD等の音楽メディアの録音・再生,DVDの再生等を行う周知のものである。入力操作部102dの操作に基づいて、CPU102aの制御により、表示部102eに映像が表示され、音声出力部102f(アンプ,スピーカ等を含む)から音声が送出される。LAN I/F102cはLAN I/F101cと同様である。信号入力部102bは、例えばリモコンセンサとして構成される。リモコンが赤外線方式であれば、信号入力部102bは赤外線受光部を含んで構成される。また、信号入力部102bは、ナビゲーション装置100の信号出力部28からの指令信号を受信するように構成できる。
【0070】
エアコンECU103は周知のもので、入力操作部103dで設定された室温(あるいは湿度)になるように、CPU103aの制御によりアクチュエータ103e(コンプレッサ,ファン等)の駆動制御を行う。LAN I/F103cはLAN I/F101cと同様である。信号入力部103bは、ナビゲーション装置100の信号出力部28からの指令信号を受信するものである。
【0071】
図3を用いてアイドリング抑制誘導処理について説明する。なお、本処理はナビプログラム21pに含まれ、ナビプログラム21pの他の処理とともに繰り返し実行される。まず、アイドリング警告報知回数(図3では警告報知回数と表記)を初期化(例えばゼロクリア)する(S1)。このとき、アイドリング警告メッセージを報知するタイミングを生成するためのタイマも初期化する。
【0072】
次に、車速データを車速センサ23から取得する(S2)。そして、取得した車速から車両が停車中どうかを判定する。例えば、車速が5km/hを下回る場合を、車両が停車中と判定する。
【0073】
車両が停車中である場合(S3:Yes)、エンジンECU102から車内LAN27を介してエンジン状態を取得する(S4)。そして、取得したエンジン状態から、車両がアイドリング中かどうかを判定する。例えば、取得したエンジン状態に含まれるイグニッションスイッチの状態がON状態(IG=ON)の場合に車両がアイドリング中であると判定する。また、イグニッションスイッチの状態はイグニッションスイッチ19から直接取得してもよい(図1参照)。取得したエンジン状態に含まれるエンジン回転数データを用い、そのエンジン回転数が予め設定されるアイドリング回転数領域に含まれる場合に、車両がアイドリング中であると判定してもよい。
【0074】
車両がアイドリング中である場合(S5:Yes)、位置検出器1から自車位置を取得する(S6)。そして、自車位置がアイドリング制限領域に含まれているかを調べる。図4のように、地図データ21mに記憶される施設のうちで、駐車場あるいはスーパーマーケットのような駐車場を含む施設が、アイドリング制限領域として定義される。この定義されたデータが、本発明のアイドリング制限領域設定データである。
【0075】
また、道路も原則としてアイドリング制限領域とされる。これは、前述の地図データ21mに含まれるリンク情報にアイドリング制限領域である旨が記憶される。但し、交差点およびその交差点を含む所定区間長の道路は、信号待ちにより停車している可能性があるため、アイドリング制限領域から除外される。図5A,図5Bにその例を示す。所定区間長は道路の幅員あるいは車線数により定められる。図5Aの道路は、車線数が2(幅員がW1)であるので、所定区間長L1は例えば10mと定められる。また、図5Bの道路は、車線数が4(幅員がW2)であるので、所定区間長L2は例えば30mと定められる。車線数あるいは幅員に予め定められる所定の係数を乗じて所定区間長を求めてもよい。また、車線数が少ないほど所定区間長を長くしてもよい。
【0076】
自車位置がアイドリング制限領域に含まれている場合(S7:Yes)、VICSセンタ14等から渋滞情報を取得する(S8)。そして、自車位置が渋滞区間に含まれるかどうかを調べる。
【0077】
自車が渋滞中でない場合(S9:No)、ナビゲーション装置100の操作が行なわれているかを調べる。操作スイッチ群7,リモコン端末12,あるいはタッチパネル22による操作が行なわれているか、また、マイク31からの音声入力が行われているかを調べる。操作スイッチ群7,タッチパネル22の操作は直接、リモコン端末12の操作はリモコンセンサ11を介して、マイク31からの音声入力は音声認識ユニット30を介して制御回路8に入力され、ナビプログラム21pでこれらの入力が検出される。よって、これらの入力が検出された場合にナビゲーション装置100の操作が行なわれていると判定できる。また、目的地検索や各種設定画面が表示されている場合も、制御回路8は装置の動作状態を把握しているので、ナビゲーション装置100の操作が行なわれていると判定できる。
【0078】
ナビゲーション装置100の操作が行なわれていない場合(S10:Yes)、タイマ値を更新(インクリメント)する(S11)。そして、タイマ値が例えば3分のような予め定められた所定値を上回った(所定時間経過した)場合(S12:Yes)、かつアイドリング警告報知回数が例えば3回のような予め定められた所定値を上回っていない場合(S13:No)、アイドリング警告メッセージを報知する(S15)。そして、アイドリング警告報知回数を更新(インクリメント)する(S16)。
【0079】
一方、アイドリング警告報知回数が予め定められた所定値を上回った場合(S13:Yes)、アイドリングの抑制へ誘導するための具体的処理を実行する(S14、詳細は後述)。
【0080】
また、自車が停車中でない場合(S3:No)、自車がアイドリング中でない場合(S5:No)、自車位置がアイドリング制限領域に含まれていない場合(S7:No)、自車が渋滞中である場合(S9:Yes)、あるいは、ナビゲーション装置100の操作が行なわれている場合(S10:No)は、アイドリング警告報知回数およびタイマを初期化(例えばゼロクリア)する(S17)。
【0081】
図6A〜図6Cを用いて、アイドリング警告報知の一例を説明する。これは、表示器10に表示されるものであるが。同等の内容を音声メッセージとしてスピーカ15から送出してもよい。この場合、メッセージは例えばテキストデータとしてデータベース21dに記憶されている。
【0082】
図6Aは、アイドリング警告報知回数が1回目のときのアイドリング警告報知例である。図6B,図6Cは、それぞれ、アイドリング警告報知回数が2回目,3回目のときのアイドリング警告報知例である。このように、アイドリング警告報知回数が増えるにしたがって、警告内容が厳しくなっていく。あるいは、アイドリングが環境に対して悪影響を及ぼしているかを詳細に表示していく。図6A〜図6Cの表示画面で、ユーザが[了解ボタン]を押下すれば、ナビゲーション装置100の操作は可能となる。
【0083】
以下、アイドリングの抑制へ誘導するための具体的処理について説明する。
【0084】
(エンジン停止)
アイドリング警告報知回数が予め定められた所定値を上回った場合(図3のS13:Yes)、アイドリングの抑制誘導処理としてエンジンを停止する例について説明する。制御回路8ではイグニッションスイッチをOFF状態(IG OFF)とするための指令信号を生成し、車内LAN27を介してエンジンECU101に送信する。このとき、表示器10には図7のような警告メッセージが表示される。ユーザがエンジンを再始動しても、アイドリングを続ければ、図3のアイドリング抑制誘導処理によって所定時間後に再度エンジンが停止する。また、この指令信号を受信したエンジンECU101では、CPU101aにより実行されるエンジン制御プログラム(図示せず)において、イグニッションスイッチ19(図1参照)がOFFの位置になった場合と同様の処理を行ってエンジンを停止する。信号出力部28からエンジンECU101に指令信号を送ってもよい。この場合は、エンジンECU101は信号入力部により指令信号を受信する。図7の表示画面でユーザが[了解ボタン]を押下すれば、ナビゲーション装置100の操作は可能となる。
【0085】
(AV機器の使用制限)
アイドリング警告報知回数が予め定められた所定値を上回った場合(図3のS13:Yes)、アイドリングの抑制誘導処理としてAV機器102の使用を制限する例について説明する。AV機器102の使用を制限する方法としては、以下のいずれか一つ以上を用いる。
(1)AV機器の電源をオフ状態とする。
(2)表示部102eの表示を消す。
(3)表示部102eにナビゲーション装置100と同様の警告メッセージを表示する。
(4)表示部102eの輝度やコントラストを変えて見づらくする。
(5)音声出力部102fの音量をゼロレベルにして聞こえなくする。
(6)所定のタイミングで音声出力部102fの音量をランダムな値に変化させて聞きづらくする。
(7)DVD,CD等のメディアの再生時に再生・一時停止をランダムに繰り返す。
(8)入力操作部102dの操作を受け付けない。
(9)信号入力部102b(リモコン信号受信部)で受信した指令信号を受け付けない。
(10)音声出力部102fから、ノイズ等の人間が不快と感じる音を送出する。
【0086】
制御回路8では上記制限を行うための指令信号および表示用データを生成し、車内LAN27を介してAV機器102に送信される。このとき、表示器10には図8のような警告メッセージが表示される。この指令信号を受信したAV機器102では、CPU102aにより実行される制御プログラム(図示せず)において、指令信号に応じた処理を実行する。ユーザがエンジンを停止した後に、図8の表示画面で[了解ボタン]を押下すれば、ナビゲーション装置100の操作は可能となる。
【0087】
(エアコンの使用制限)
アイドリング警告報知回数が予め定められた所定値を上回った場合(S13:Yes)、アイドリングの抑制誘導処理としてエアコン103の使用を制限する例について説明する。エアコン103の使用を制限する方法としては、以下のいずれか一つ以上を用いる。
(1)エアコン103をオフ状態とする。
(2)設定温度を上限値(夏季)あるいは下限値(冬季)とする。
(3)ファンの風量を最小とする。
(4)入力操作部103dの操作を受け付けない。
(5)信号入力部103b(リモコン信号受信部)で受信した指令信号を受け付けない。
【0088】
制御回路8では上記制限を行うための指令信号を生成し、車内LAN27を介してエアコン103に送信される。このとき、表示器10には図9のような警告メッセージが表示される。この指令信号を受信したエアコン103では、CPU103aにより実行される制御プログラム(図示せず)において、指令信号に応じた処理を実行する。ユーザがエンジンを停止した後に、図9の表示画面で[了解ボタン]を押下すれば、ナビゲーション装置100の操作は可能となる。
【0089】
図10を用いて、アイドリング抑制誘導処理の解除について説明する。上述のアイドリングの抑制へ誘導するための具体的処理が行われ(S31:図3のステップS14に相当)、表示器10に図6A〜図6C,図7〜図9のような警告メッセージが表示されているときに、エンジンを停止した場合、すなわち、アイドリング抑制誘導処理停止条件が成立した場合(S32:Yes)、アイドリングの抑制誘導の実行を停止する(S33)。
【0090】
図7のようにエンジンが強制停止された場合は、イグニッションキーを「OFF」あるいは「アクセサリ」の位置に戻せば、エンジンを停止したことと同様と見なされ(S32:Yes)、アイドリングの抑制誘導の実行を停止する(S33)。
【0091】
また、車両を発進させた場合(S34:Yes)も、アイドリング抑制誘導処理停止条件が成立しているので、アイドリングの抑制誘導の実行を停止する(S33)。
【0092】
また、車両がアイドリング制限領域から移動した場合(S35:Yes)も、アイドリング抑制誘導処理停止条件が成立しているので、アイドリングの抑制誘導の実行を停止する(S33)。
【0093】
上記以外の場合(S35:No)は、アイドリングの抑制誘導の実行を継続する(S36)。
【0094】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、これらはあくまで例示にすぎず、本発明はこれらに限定されるものではなく、特許請求の範囲の趣旨を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づく種々の変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0095】
【図1】車載用ナビゲーション装置の構成を示すブロック図。
【図2】車載用ナビゲーション装置と他の車載機器との接続例を示す図。
【図3】アイドリング抑制誘導処理を説明するフロー図。
【図4】アイドリング制限領域の定義例を示す図。
【図5A】交差点付近の道路がアイドリング制限領域から除外される例を示す図。
【図5B】交差点付近の道路がアイドリング制限領域から除外される別例を示す図。
【図6A】アイドリング警告表示例を示す図。
【図6B】図6Aに続くアイドリング警告表示例を示す図。
【図6C】図6Bに続くアイドリング警告表示例を示す図。
【図7】エンジン強制停止時の画面表示例を示す図。
【図8】AV機器使用制限時の画面表示例を示す図。
【図9】エアコン使用制限時の画面表示例を示す図。
【図10】アイドリングの抑制誘導処理の解除を説明するフロー図。
【符号の説明】
【0096】
1 位置検出器(位置検出手段)
7 操作スイッチ群
8 制御回路(停車判定手段,エンジン状態検出手段,判定手段,アイドリング抑制誘導処理実行手段,エンジン強制停止手段,操作検出手段,カウント手段)
10 表示器(報知手段,警告報知映像表示手段)
12 リモコン端末
13 送受信機(渋滞情報取得手段)
15 スピーカ(報知手段,警告メッセージ送出手段)
21 ハードディスク装置(HDD)
21d データベース
21m 地図データ(地図データ記憶手段)
22 タッチパネル
23 車速センサ
24 音声合成回路(報知手段,警告メッセージ送出手段)
31 マイク
100 車載用ナビゲーション装置
101 エンジンECU
102 AV機器
103 エアコンECU

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子地図データを、該電子地図データ上にアイドリング制限領域を区画設定するためのアイドリング制限領域設定データとともに記憶する地図データ記憶手段と、
車両が停車しているかどうかを判定する停車判定手段と、
前記車両のエンジンの状態を検出するエンジン状態検出手段と、
前記車両の現在位置を検出する位置検出手段と、
前記車両の現在位置が前記アイドリング制限領域内に存在するかを判定する判定手段と、
前記車両が停車中であって現在位置が前記アイドリング制限領域内に存在し、かつその状態で前記車両のエンジンがアイドリング状態を継続した場合に、前記車両のユーザをアイドリングの抑制へ誘導するためのアイドリング抑制誘導処理を実行するアイドリング抑制誘導処理実行手段と、
を備えることを特徴とする車載用ナビゲーション装置。
【請求項2】
前記アイドリング抑制誘導処理実行手段は、アイドリング抑制誘導処理停止条件として、前記車両の現在位置が前記アイドリング制限領域内に存在しないこと、前記車両が停車していないこと、あるいは前記車両のエンジンが停止状態であること、のうちの少なくとも一つが成立することに基づいて、前記アイドリング抑制誘導処理の実行を停止する請求項1に記載の車載用ナビゲーション装置。
【請求項3】
前記アイドリング抑制誘導処理実行手段は、前記アイドリング抑制誘導処理停止条件が成立するまで、前記アイドリング抑制誘導処理を連続的または断続的に継続する請求項2に記載の車載用ナビゲーション装置。
【請求項4】
前記アイドリング抑制誘導処理実行手段は、予め定められた時間内に前記アイドリング抑制誘導処理停止条件が成立しない場合に、前記エンジンを強制停止させるためのエンジン強制停止手段を含む請求項2または請求項3に記載の車載用ナビゲーション装置。
【請求項5】
前記電子地図データ上の駐車場が前記アイドリング制限領域として設定されている請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の車載用ナビゲーション装置。
【請求項6】
前記アイドリング制限領域が前記電子地図データ上にて交差点およびその交差点を含む所定区間長の道路を除外する形で前記地図データ上に設定されている請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の車載用ナビゲーション装置。
【請求項7】
前記電子地図データは道路の幅員に関する情報を含み、前記道路の幅員に応じて前記アイドリング制限領域から除外される道路区間長が定められる請求項6に記載の車載用ナビゲーション装置。
【請求項8】
当該車載用ナビゲーション装置の操作を検出する操作検出手段を備え、
前記アイドリング抑制誘導処理実行手段は、当該車載用ナビゲーション装置の操作が検出されたことを条件として、前記アイドリング抑制誘導処理の実行が制限される請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載の車載用ナビゲーション装置。
【請求項9】
渋滞情報を取得する渋滞情報取得手段を備え、
前記アイドリング抑制誘導処理実行手段は、前記車両の現在位置が渋滞区間に含まれることを条件として、前記アイドリング抑制誘導処理の実行が制限される請求項1ないし請求項8のいずれか1項に記載の車載用ナビゲーション装置。
【請求項10】
前記アイドリング抑制誘導処理実行手段は、予め定められたアイドリング警告の報知を行う報知手段を含む請求項1ないし請求項9のいずれか1項に記載の車載用ナビゲーション装置。
【請求項11】
前記アイドリング抑制誘導処理実行手段は、前記アイドリング警告メッセージを音声メッセージにより送出する警告メッセージ送出手段を含む請求項10に記載の車載用ナビゲーション装置。
【請求項12】
前記アイドリング抑制誘導処理実行手段は、前記アイドリング警告報知映像を表示する警告報知映像表示手段を含む請求項10または請求項11のいずれか1項に記載の車載用ナビゲーション装置。
【請求項13】
前記アイドリング警告は所定の時間間隔で繰り返し報知されるとともに、
前記アイドリング警告の報知回数をカウントするカウント手段を備え、
前記アイドリング抑制誘導処理実行手段は、前記カウント手段がカウントする前記アイドリング警告の報知回数の増加にしたがって、前記アイドリング警告の内容を変化させる請求項10ないし請求項12のいずれか1項に記載の車載用ナビゲーション装置。
【請求項14】
前記アイドリング抑制誘導処理実行手段は、前記カウント手段がカウントする前記アイドリング警告の報知回数が増加するほど、前記アイドリング警告の内容が厳しくなるように変化させる請求項13に記載の車載用ナビゲーション装置。
【請求項15】
前記アイドリング抑制誘導処理実行手段は、前記アイドリング抑制誘導処理停止条件が成立しない場合に、前記車両に搭載される電子機器の使用を制限する処理を前記アイドリング抑制誘導処理として実行する請求項2ないし請求項14のいずれか1項に記載の車載用ナビゲーション装置。
【請求項16】
前記アイドリング抑制誘導処理実行手段は、テレビまたはオーディオ・ビジュアル機器の映像表示装置の画面上に、通常時に出力される映像の視認を妨げる形で視認妨害映像を表示する処理を前記アイドリング抑制誘導処理として実行する請求項15に記載の車載用ナビゲーション装置。
【請求項17】
前記視認妨害映像が前記アイドリング警告報知映像である請求項16に記載の車載用ナビゲーション装置。
【請求項18】
前記アイドリング抑制誘導処理実行手段は、前記アイドリング抑制誘導処理停止条件が成立しない場合に、前記車両に搭載されるエアコンディショナの使用を制限する処理を前記アイドリング抑制誘導処理として実行する請求項15ないし請求項17のいずれか1項に記載の車載用ナビゲーション装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2008−26241(P2008−26241A)
【公開日】平成20年2月7日(2008.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−201343(P2006−201343)
【出願日】平成18年7月24日(2006.7.24)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VICS
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】