説明

車載装置、及びプログラム

【課題】ハイブリッド車両が住宅地や自宅付近等を走行する際に、燃費の悪化を抑えつつ、低騒音にて走行することを可能とする車載装置を提供する。
【解決手段】自車両がEV走行エリアを走行中には、ナビゲーション装置は、現在時刻が属する時間帯が低騒音にて走行を行う時間帯であるか否かを判定し(S225)、さらに、自車両が走行中の道路が、低騒音にて走行すべき道路であるか否かを判定する(S230)。上記判定の結果が共に肯定判定である場合には、ナビゲーション装置は、自車両のエンジンを停止し、モータのみを動力源とする走行であるEV走行を行う旨をハイブリッドECUに対して行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハイブリッド車両に搭載されている車載装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ハイブリッド車両の利点の一つとして、モータのみにより走行すること(以後、EV走行とも記載)により、静粛性に優れた走行を行うことができるという点を挙げることができる。深夜や早朝において住宅街等を走行する場合は、EV走行を行うことが望ましい。しかし、従来のハイブリッド車両では、ドライバが手動によりEV走行への切り替えを行わなければ、EV走行により住宅街等を静粛に走行することができなかった。また、バッテリ残量が十分出ない場合は、EV走行を行うことができなかった。
【0003】
ここで、特許文献1には、現在地と目的地との距離に基づき、駆動輪や発電機の駆動を行うエンジンの目標駆動トルクと、駆動輪の駆動を行うモータジェネレータの目標駆動トルクを設定すると共に、バッテリの目標充電量を設定するハイブリッド制御装置が記載されている。このハイブリッド制御装置を用いた場合、例えば、目的地として自宅が設定されている場合には、自宅付近においてエンジンの目標駆動トルクを低下させると共にモータジェネレータの目標駆動トルクを増加させ、モータジェネレータ主体の走行を行うことが可能となる。したがって、自宅付近において、静粛な走行が可能となる。さらに、このハイブリッド制御装置は、自車両が自宅付近に到達する手前にてバッテリの目標充電量を通常よりも高く設定することができる。こうすることにより、自宅付近に到達する前に、自宅付近でのモータジェネレータ主体の走行が可能となるようバッテリの充電を優先的に行うことができる。
【特許文献1】特開2002−359904号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、ハイブリッド車両では、燃費が最良となるよう、エンジン及びモータジェネレータの出力負担が設定される。このため、モータジェネレータ主体の走行やバッテリの充電を優先的に行うことにより、通常時と比べ燃費が悪くなってしまう。また、自宅付近等を走行する場合であっても、時間帯が昼間である場合や、幹線道路を走行する場合には、必ずしも静粛な走行を行う必要はない。これに対し、特許文献1に記載のハイブリッド制御装置を用いた場合には、自車両が走行する道路の種類や時間帯等を考慮することなく自宅付近においてモータジェネレータ主体の走行が行われてしまう。このため、必要以上にモータジェネレータ主体の走行が行われてしまい、燃費が悪くなってしまう。
【0005】
本願発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、ハイブリッド車両が住宅地や自宅付近等を走行する際に、燃費の悪化を抑えつつ、低騒音にて走行することを可能とする車載装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するためになされた請求項1に記載の車載装置は、バッテリと、バッテリから電力供給を受けて駆動輪を駆動するモータと、バッテリに蓄電を行う発電機または駆動輪のうちの少なくともいずれか一方を駆動するためのエンジンとを有するハイブリッド車両に搭載される。この車載装置は、道路の種類を特定可能な地図データを取得する地図データ取得手段と、地図データ取得手段により取得された地図データが示す地図上の所定のエリアにおけるいずれかの道路に関して、地図データから特定される道路の種類に基づき低騒音にて走行を行う道路である低騒音走行道路であるか否かを判定する道路判定手段とを備える。また、この車載装置は、自車両が走行する所定のエリアにおける道路に関して道路判定手段に低騒音走行道路であるか否かを判定させ、判定の結果、自車両が走行中の道路が低騒音走行道路である場合、低騒音にて走行を行うためにエンジンの仕事量を低下させる旨の指示を、エンジンを制御する外部装置に対して行う低騒音走行指示手段を備える。
【0007】
尚、地図データが示す地図における所定のエリアとは、このエリア内の道路を走行する際には低騒音にて走行することが望ましいエリアであり、具体的には、例えば、住宅街や自宅付近等といったエリアを意味する。
【0008】
また、低騒音走行指示手段は、例えば、エンジンの回転数を調整してエンジンの出力を低下させる旨の指示を行うことにより、エンジンの仕事量を低下させる旨の指示を行っても良い。また、例えば、エンジンとモータとのうちのいずれかを状況に応じて選択し、選択したエンジンまたはモータを使用して駆動輪を駆動させる態様のハイブリッド車両に車載装置が搭載されている場合であれば、低騒音走行指示手段は、エンジンの使用頻度を低下させる旨の指示を行うことにより、エンジンの仕事量を低下させる旨の指示を行っても良い。
【0009】
上述したように、ハイブリッド車両は、モータ主体の走行を行うことにより、通常時に比べて低騒音にて走行することができるが、燃費が悪化してしまう。また、例えば、住宅街や自宅付近等のエリアを走行する場合であっても、国道等の大通りには民家が隣接していない場合が多く、これらの道路を低騒音にて走行する必要性が低くなる。そこで、請求項1に記載の車載装置は、住宅街や自宅付近等といった所定のエリアにおいて、自車両が走行中の道路に関して、道路の種類に基づき低騒音にて走行を行うべき道路である低騒音走行道路であるか否かを判定する。そして、走行中の道路が低騒音走行道路である場合には、低騒音にて走行するため、エンジンを制御する外部装置に対してエンジンの仕事量を低下させる旨の指示を行う。こうすることにより、この車載装置が搭載されたハイブリッド車両は、住宅街等を走行する際、傍に民家が存在する可能性が高い道幅の細い道路等を走行する場合に限りモータ主体の走行を行い、低騒音にて走行することが可能となる。したがって、住宅街等における全ての道路でモータ主体の走行を行う場合に比べ、燃費の悪化を抑えることができる。
【0010】
このように、この車載装置が搭載されたハイブリッド車両は、住宅地や自宅付近等を走行する際に、燃費の悪化を抑えつつ、低騒音にて走行することが可能となる。
また、所定のエリアを走行する場合であっても、例えば、深夜や早朝は、昼間に比べて静粛な走行を行う必要が高いと言える。
【0011】
そこで、請求項2に記載の車載装置は、バッテリと、バッテリから電力供給を受けて駆動輪を駆動するモータと、バッテリに蓄電を行う発電機または駆動輪のうちの少なくともいずれか一方を駆動するためのエンジンとを有するハイブリッド車両に搭載される。そして、この車載装置は、地図データを取得する地図データ取得手段と、自車両が、地図データ取得手段により取得された地図データが示す地図上の所定のエリアを走行する時間帯を特定する時間帯特定手段と、時間帯特定手段により特定された自車両が所定のエリアを走行する時間帯が、低騒音にて走行を行う時間帯であるか否かを判定する時間帯判定手段とを備える。また、この車載装置は、時間帯判定手段に自車両が所定のエリアを低騒音にて走行を行う時間帯であるか否かを判定させ、判定の結果、低騒音にて走行を行う時間帯である場合、低騒音にて走行を行うためにエンジンの仕事量を低下させる旨の指示を、エンジンを制御する外部装置に対して行う低騒音走行指示手段を備える。
【0012】
こうすることにより、自車両が住宅街等を走行する時間帯が深夜や早朝等である場合には、低騒音にて走行するか否かを判定することができる。したがって、この車載装置が搭載されたハイブリッド車両は、住宅地や自宅付近等を走行する際、燃費の悪化をより抑えつつ、低騒音にて走行することが可能となる。
【0013】
また、車載装置は、ユーザにより設定された特定のエリアに関して、低騒音走行道路を特定しても良い。
すなわち、請求項3に記載されているように、車載装置は、地図データ取得手段により取得された地図データが示す地図上の所定のエリアの設定を受け付ける設定受付手段をさらに備えていても良い。
【0014】
こうすることにより、ユーザは、自宅周辺等を低騒音にて走行するエリアとして設定することができる。
また、車載装置は、次のようにして低騒音にて走行を行う旨の指示を行っても良い。
【0015】
すなわち、請求項4に記載されているように、車載装置は、低騒音走行指示手段は、自車両が低騒音走行道路を走行する際、エンジンを停止させることによりエンジンの仕事量を低下させる旨の指示を、エンジンを制御する外部装置に対して行っても良い。
【0016】
こうすることにより、エンジンとモータとを併用して走行する場合に比べ、騒音を低下させることができる。
また、自車両がモータ主体の走行、または、モータのみによる走行を行う際には、通常時よりも消費電力が向上してしまう。
【0017】
そこで、請求項5に記載の車載装置は、設定受付手段を介してユーザから受け付けた設定に係る所定のエリア内における目的地に到達するために自車両が所定のエリアを走行する場合において、自車両が所定のエリアを走行する間にモータを駆動するために必要な最小の電力量を特定する最小電力量特定手段をさらに備える。
【0018】
尚、最小電力特定手段は、例えば、所定のエリアの広さや、所定のエリアの外縁と目的地との距離等に基づき、最小の電力量を特定しても良い。また、最小電力特定手段は、例えば、自車両が目的地に向かって所定のエリアを走行する際の1または2以上の予想経路を特定し、各予想経路に関して、自車両が各予想経路を走行する際のモータの消費電力量を算出しても良い。そして、算出した各予想経路におけるモータの消費電力量のうちの最小値を、最小の電力量としても良い。さらに、各予想経路について消費電力量を算出する際には、特定した各予想経路を構成する道路に関して、道路判定手段を介して低騒音走行道路であるか否かを判定し、判定結果に基づき消費電力量を算出しても良い。また、時間帯特定手段を介して自車両が所定のエリアを走行する時間帯を特定すると共に、特定された時間帯が低騒音にて走行を行う時間帯であるか否かを判定し、判定結果に基づき消費電力量を算出しても良い。
【0019】
こうすることにより、車載装置は、例えば、自車両が所定のエリアを目的地に向かって走行する際に、所定のエリアを低騒音にて走行することが可能か否かを判定すること等が可能となる。
【0020】
車載装置は、自車両が所定のエリアを走行する際に、次のような処理を行っても良い。
すなわち、請求項6に記載されているように、最小電力量特定手段は、設定受付手段を介してユーザから受け付けた設定に係る所定のエリア内における目的地に到達するために自車両が所定のエリアを走行する場合において、最小の電力量と共に、自車両が所定のエリアを走行するために必要な電力量が最小の電力量となる経路である最小電力量経路をさらに特定しても良い。そして、車載装置は、最小電力量特定手段により特定された最小電力量経路に基づき経路案内を行う経路案内手段をさらに備えていても良い。
【0021】
尚、最小電力特定手段は、例えば、自車両が目的地に向かって所定のエリアを走行する際の1または2以上の予想経路を特定し、各予想経路に関して、自車両が各予想経路を走行する際のモータの消費電力量を算出しても良い。そして、算出した各予想経路におけるモータの消費電力量のうちの最小値を最小の電力量とし、最小の電力量に係る予想経路を最小電力量経路として特定しても良い。また、各予想経路について消費電力量を算出する際には、特定した各予想経路を構成する道路に関して、道路判定手段を介して低騒音走行道路であるか否かを判定し、判定結果に基づき消費電力量を算出しても良い。また、時間帯特定手段を介して自車両が所定のエリアを走行する時間帯を特定すると共に、特定された時間帯が低騒音にて走行を行う時間帯であるか否かを判定し、判定結果に基づき消費電力量を算出しても良い。
【0022】
このような構成を有することにより、自車両が所定のエリアを目的地に向かって走7行するために必要な電力量をできるだけ抑えることができる。
しかし、所定のエリア外から目的地に向かって走行する車両を運転するドライバは、最小電力量経路の始点の位置を知っているとは限らない。
【0023】
そこで、請求項7に記載の車載装置では、最小電力量特定手段は、自車両が所定のエリアに到達する手前において、自車両の現在地と、所定のエリアと他のエリアとの境界における最小電力量経路の端点との間の経路である予備経路をさらに特定し、経路案内手段は、自車両が所定のエリアに到達する手前において、最小電力量特定手段により特定された予備経路に基づく経路案内を開始する。
【0024】
こうすることにより、ドライバは、最小電力経路の始点の位置を知らなくても最小電力経路の始点に到達することができ、自車両が所定のエリアに到達後、最小電力経路に沿って自車両を走行させることができる。
【0025】
しかし、無条件に上記経路案内が行われてしまうと、ドライバが他のポイントを経由して目的地に向かう予定である場合や、ドライバが目的地までの経路に詳しい場合等には、ドライバは煩わしさを感じてしまうおそれがある。
【0026】
そこで、請求項8に記載の車載装置は、設定受付手段を介してユーザから受け付けた設定に係る所定のエリア内における目的地に到達するために自車両が所定のエリアを走行する場合において、自車両が所定のエリアを走行する間にモータを駆動するために必要な電力量を予測する第一の電力量予測手段と、バッテリのバッテリ残量を特定するバッテリ残量特定手段とをさらに備える。そして、経路案内手段は、自車両が所定のエリアに到達する手前において、バッテリ残量特定手段により特定されたバッテリ残量が、第一の電力量予測手段により予測された必要な電力量に基づく所定の値以下である場合には、最小電力量特定手段により特定された予備経路に基づく経路案内を行う。
【0027】
ここで、第一の電力量予測手段は、例えば、所定のエリアの広さや、所定のエリアの境界から目的地までの最大の距離等に基づき自車両が目的地に向かって所定のエリアを走行する間にモータにて消費されることが予測される電力量を予測しても良い。
【0028】
こうすることにより、車載装置は、自車両が所定のエリアを走行する際、バッテリ不足によりモータ主体の走行、またはモータのみによる走行を中断してしまうおそれがある場合には、最小電力量経路に基づく経路案内を行うことができる。したがって、車載装置の使い勝手を向上させることができる。
【0029】
また、車載装置は、次のようにして最小電力量経路や、最小の電力量を特定しても良い。
すなわち、請求項9に記載されているように、車載装置は、自車両が所定のエリアにおける目的地に到達すると、自車両が所定のエリアを走行した経路と、自車両が所定のエリアを走行する間にモータが消費した電力量とを特定する経路電力量特定手段と、最小電力量経路と最小の電力量とを記憶している学習手段をさらに備えても良い。そして、この学習手段は、経路電力量特定手段により特定された経路及び電力量と、記憶している最小電力量経路及び最小の電力量とに基づき、所定のエリア内における目的地に到達するために自車両が所定のエリアを走行する場合において、自車両が所定のエリアを走行するために必要な最小の電力量と、自車両が所定のエリアを走行するために必要な電力量が最小の電力量となる経路である最小電力量経路とを新たに特定し、新たに特定した最小の電力量と最小電力量経路とを記憶しても良い。また、最小電力量特定手段は、学習手段から最小電力量経路と最小の電力量とを読み出すことにより、最小電力量経路と最小の電力量とを特定しても良い。
【0030】
こうすることにより、的確に最小電力量経路と、最小の電力量とを特定することができる。
また、上述したように、自車両が所定のエリアにおいてモータ主体の走行、または、モータのみによる走行を行う場合には、通常の走行を行う場合に比べ必要となる電力量が増加する。
【0031】
そこで、請求項10に記載の車載装置では、ハイブリッド車両が有するエンジンは、少なくともバッテリに蓄電を行う発電機を駆動する。そして、この車載装置は、自車両が所定のエリアに到達する手前で、エンジンが発電機を駆動するための仕事量を増加させることにより発電機により発電される電力量を増加させ、バッテリのバッテリ残量を増加させる旨の指示である蓄電指示を、発電機による発電と、発電機からバッテリへの蓄電とを制御する外部装置に対して行う蓄電指示手段をさらに備える。
【0032】
尚、エンジンが発電機を駆動するための仕事量を増加させるとは、例えば、エンジンが発電機を駆動するための出力を増加させることを意味する。
こうすることにより、自車両が所定のエリアの走行を開始する前に、所定のエリアを低騒音にて走行するために必要な電力量をバッテリに蓄電することができる。
【0033】
しかしながら、発電機により発電される電力量を増加させることにより、発電機を駆動するエンジンの仕事量が増加し、自車両の燃費は悪化してしまう。このため、必要以上に発電機により発電される電力量を増加させるべきではない。
【0034】
そこで、請求項11に記載の車載装置は、バッテリが、最小電力量特定手段により特定された最小の電力量を供給することが可能な最小のバッテリ残量である必要最小値を算出する必要最小値算出手段をさらに備える。そして、蓄電指示手段は、必要最小値算出手段により算出された必要最小値に基づき目標バッテリ残量を設定し、エンジンが発電機を駆動するための仕事量を増加させることにより発電機により発電される電力量を増加させ、設定した目標バッテリ残量を目標値としてバッテリのバッテリ残量を増加させる旨の指示である蓄電指示を、発電機による発電と、発電機からバッテリへの蓄電とを制御する外部装置に対して行う。
【0035】
尚、蓄電指示手段は、必要最小値を目標バッテリ残量として設定しても良い。
こうすることにより、所定のエリアを低騒音にて走行して目的地に到達するために最低限必要な電力量をバッテリに蓄電することが可能となる。したがって、必要以上にバッテリへの蓄電が行われてしまうことを防ぐことができ、燃費の悪化を抑えることが可能となる。
【0036】
また、車載装置は、次のようなタイミングでバッテリへの蓄電の指示を行っても良い。
すなわち、請求項12に記載されているように、車載装置は、発電機により発電される電力量を増加させ、バッテリのバッテリ残量を増加させるためのエリアである蓄電エリアを特定する蓄電エリア特定手段をさらに備え、蓄電指示手段は、自車両が蓄電エリア特定手段により特定された蓄電エリアに到達した際に、発電機による発電と、発電機からバッテリへの蓄電とを制御する外部装置に対して蓄電指示を行っても良い。
【0037】
このような構成を有することにより、自車両が蓄電エリアを走行中にのみ発電機により発電される電力量を増加させることができ、燃費の悪化を抑えることができる。
また、蓄電エリアとは、次のようなエリアであっても良い。
【0038】
すなわち、請求項13に記載されているように、蓄電エリア特定手段は、設定受付手段を介してユーザにより設定された低騒音走行エリアの周囲のエリアを、蓄電エリアとして特定しても良い。
【0039】
このような構成を有することにより、所定のエリアの走行を開始する手前で、確実にバッテリへの蓄電を行うことが可能となる。
また、車載装置は、次のようにして蓄電エリアを特定しても良い。
【0040】
すなわち、請求項14に記載されているように、車載装置は、設定受付手段を介してユーザから受け付けた設定に係る所定のエリア内における目的地に到達するために自車両が所定のエリアを走行する場合において、自車両が所定のエリアを走行する間にモータを駆動するために必要な電力量を予測する第二の電力量予測手段をさらに備えても良い。そして、蓄電エリア特定手段は、第二の電力量予測手段により予測された自車両が所定のエリアを走行する間にモータを駆動するために必要な電力量に基づき、蓄電エリアを特定しても良い。
【0041】
ここで、第二の電力量予測手段は、例えば、所定のエリアの広さや、所定のエリアの境界から目的地までの最大の距離等に基づき自車両が目的地に向かって所定のエリアを走行する間にモータにて消費されることが予測される電力量を予測しても良い。
【0042】
このような構成を有することにより、自車両が目的地に向かって所定のエリアを走行するために必要な電力量に応じた広さの蓄電エリアを特定することができる。したがって、必要以上にバッテリへの蓄電が行われてしまうことを防ぐことができ、燃費の悪化を抑えることができる。
【0043】
また、請求項15に記載のプログラムは、バッテリと、バッテリから電力供給を受けて駆動輪を駆動するモータと、バッテリに蓄電を行う発電機または駆動輪のうちの少なくともいずれか一方を駆動するためのエンジンとを有するハイブリッド車両に搭載される車載装置に搭載されたコンピュータに実行させる。このプログラムは、コンピュータに、道路の種類を特定可能な地図データを取得する地図データ取得手順と、地図データ取得手順により取得された地図データが示す地図上の所定のエリアにおけるいずれかの道路に関して、地図データから特定される道路の種類に基づき低騒音にて走行を行う道路である低騒音走行道路であるか否かを判定する道路判定手順とを実行させる。また、このプログラムは、自車両が走行する所定のエリアにおける道路に関して道路判定手順にて低騒音走行道路であるか否かを判定し、判定の結果、自車両が走行中の道路が低騒音走行道路である場合、低騒音にて走行を行うためにエンジンの仕事量を低下させる旨の指示を、エンジンを制御する外部装置に対して行う低騒音走行指示手順を実行させる。
【0044】
請求項15の記載の様になっていれば、例えば、光磁気ディスク、CD−ROM、ハードディスク、ROM、RAM等のコンピュータが読みとり可能な記録媒体にプログラムを記録し、そのプログラムを必要に応じてコンピュータにロードして起動することにより車載装置として機能させることができる。また、プログラムはネットワークを用いて流通させることも可能であるため、車載装置の機能向上も容易となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0045】
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。尚、本発明の実施の形態は、下記の実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態を採りうる。
【0046】
[構成の説明]
本実施形態におけるナビゲーション装置10は、バッテリと、バッテリから電力供給を受けて駆動輪を駆動するモータと、バッテリに蓄電を行う発電機と、発電機及び駆動輪を駆動するエンジンとを有するハイブリッド車両に搭載されている。図1は、ナビゲーション装置10と、車内LAN40を介してナビゲーション装置10と接続されている他の装置とを示すブロック図である。ナビゲーション装置10は、車内LAN40を介してハイブリッドECU20と、バッテリ制御ECU30とに接続されている。
【0047】
ナビゲーション装置10とは、経路案内等を行う周知のナビゲーション機能を有する装置である。
ハイブリッドECU20とは、モータとエンジンとを制御するECUである。また、ハイブリッドECU20は、駆動輪を駆動するモータの出力とエンジンの出力とをそれぞれ設定すると共に、エンジンの出力を駆動輪の駆動と発電機の駆動とに配分する。ハイブリッドECU20は、通常走行を行う場合には、次の処理を行う。自車両の発信時や低中速走行時等といったエンジンの効率が悪い場合には、モータによる駆動力により駆動輪を駆動する。また、高速走行時等には、効率が最良となるようエンジンの出力を駆動輪の駆動と発電機の駆動とに配分すると共に、発電機により発電された電力によりモータを駆動させ、モータの出力により駆動輪を駆動させる。また、急加速時には、エンジンの出力とモータの出力とにより駆動輪を駆動する。
【0048】
バッテリ制御ECU30とは、バッテリのSOC(State Of Charger)量を特定する機能を有するECUである。
次に、ナビゲーション装置10の詳細な構成について説明する。図2は、ナビゲーション装置10の詳細な構成を示すブロック図である。ナビゲーション装置10は、操作部11、表示部12、音声出力部13、記憶部14、地図データ入力器15、制御部16、位置検出器17、及び車内LAN通信部18から構成されている。
【0049】
操作部11は、ユーザからの各種指示を受け付ける部位であり、具体的にはメカニカルなキースイッチや、タッチスイッチ等から構成される。
表示部12は、各種表示を行う部位であり、具体的にはLCDや有機EL等から構成される。
【0050】
音声出力部13は、制御部16から入力された信号に基づき音声を出力する部位である。
記憶部14は、記憶保持動作が不要なデバイス(例えば、HDD)から構成され、各種情報を記憶することができる。
【0051】
地図データ入力器15は、経路案内等を行う際に使用する地図データや、所定の施設を検索する際に用いる施設検索情報等の各種データを入力するための装置である。これらのデータの記憶媒体としては、そのデータ量が膨大であるため、DVD−ROM等を用いるのが一般的である。上記地図データには、道路の幅員や道路の管理運営組織等を特定可能な情報が含まれている。
【0052】
制御部16は、CPU、ROM、RAM、I/O及びこれらを接続するバスライン等からなる周知のマイクロコンピュータを中心に構成される。制御部16は、ROMに記憶されているプログラムに従いナビゲーション装置10の各部位を制御する部位である。また、制御部16は、現在の時刻を特定する時計機能を有している。また、制御部16は、地図データ入力器15から入力された地図データに基づき、表示部12や音声出力部13を介して経路案内を行う。
【0053】
位置検出器17は、GPS(Global Positioning System)用の人工衛星からの電波を、図示しないGPSアンテナを介して受信して車両の位置、方位、速度等を検出するGPS受信器17aと、車両に加えられる回転運動の大きさを検出するジャイロスコープ17bと、車両の前後方向の加速度等から走行した距離を検出する距離センサ17cとを備えている。そして、これらは、各々が性質の異なる誤差を有しているため、互いに補完しながら使用するように構成されている。
【0054】
車内LAN通信部18は、車内LAN40を介して種々の情報の送受信を行う部位である。
[動作の説明]
次に、ナビゲーション装置10の動作について説明する。
【0055】
(1)目的地登録処理について
まず、ユーザから、目的地の登録と、この目的地を含むエリアであるEV走行エリアの登録を受け付ける処理である目的地登録処理について、図3に記載のフローチャートを用いて説明する。このEV走行エリアとは、自車両が低騒音にて走行すべきエリアである。自車両が、所定の時間帯にこのEV走行エリアにおける所定の道路を走行する際には、低騒音にて走行するため、エンジンを停止し、モータのみを動力源とする走行(以後、EV走行とも記載)を行う。本処理は、ナビゲーション装置10が、ユーザから、目的地及びEV走行エリアの登録を行う旨の操作を受け付けた際に開始される。
【0056】
尚、図6に記載の地図画像400は、本処理にて登録された目的地及びEV走行エリアと、本処理にて特定された蓄電エリアとを示している。図6に記載の地図画像400を適宜参照しながら、目的地登録処理について説明する。
【0057】
S105では、ナビゲーション装置10の制御部16は、操作部11を介してユーザから目的地の設定を受け付け、この目的地の位置情報を記憶部14に記憶することにより設定された目的地を登録する。さらに、制御部16は、この目的地を含むEV走行エリアの設定を、操作部11を介して受け付け、地図データ入力器15から入力された地図データが示す地図においてEV走行エリアを特定可能な情報を記憶部14に記憶することにより、設定されたEV走行エリアを登録する(S110)。尚、登録した目的地とEV走行エリアとは、それぞれ、図6に記載の地図画像400における目的地410とEV走行エリア420とに相当する。また、制御部16は、操作部11を介して距離の設定を受け付け、設定された距離を半径とする円をEV走行エリアとして登録しても良い。また、制御部16は、地図データ入力器15から入力された地図データに基づき目的地周辺の地図を表示部12に表示し、表示中の地図における所定のエリアの選択をユーザから受け付けることにより、EV走行エリアの設定を受け付けても良い。EV走行エリアを登録すると、制御部16は、S115に処理を移行する。
【0058】
S115では、制御部16は、操作部11を介してユーザから、自車両がEV走行エリアを走行する時間帯が低騒音にて走行を行う時間帯か否かを判定するための条件である時間帯条件の設定と、EV走行エリアにおける道路が、低騒音にて走行する道路である低騒音走行道路であるか否かを判定する際の判定条件である低騒音走行道路判定条件の設定とを受け付ける。ここで、低騒音走行道路判定条件とは、例えば、幅員が所定の長さ以下の道路を低騒音走行道路とみなすといったように、道路の幅員に関する条件であっても良い。また、低騒音走行道路判定条件とは、例えば、国道や県道は低騒音走行道路とみなさないといったように、道路の管理運営組織に関する条件であっても良い。そして、制御部16は、時間帯条件の設定と低騒音走行道路判定条件の設定とを受け付けると、設定された時間帯条件及び低騒音走行道路判定条件を記憶部14に記憶し、S120に処理を移行する。
【0059】
S120では、制御部16は、自車両が、S110にて登録されたEV走行エリアを、S105にて登録された目的地に向かって走行するために必要な最大の電力量を予測する。具体的には、制御部16は、例えば、EV走行エリアの広さや、EV走行エリアと他のエリアとの境界から目的地までの最大の直線距離等に基づき、上記最大の電力量を予測しても良い。そして、制御部16は、予測した最大の電力量に相当するバッテリのSOC量を必要SOC量として特定し、記憶部14に記憶する。また、制御部16は、特定した必要SOC量を必要最小SOC量として記憶部14に記憶する。尚、この必要最小SOC量とは、本来は、自車両が目的地とEV走行エリア外との間を走行するために必要な最小の電力量に相当するSOC量であるが、ここでは、必要SOC量を必要最小SOC量として記憶する。そして、制御部16は、S125に処理を移行する。
【0060】
S125では、制御部16は、地図データ入力器15から入力された地図データに基づき、EV走行エリアの周囲のエリアを、バッテリに蓄電を行うためのエリアであるSOC蓄積エリアとして特定する。尚、特定したSOC蓄積エリアは、図6に記載の地図画像400におけるSOC蓄積エリア430に相当する。ここで、このSOC蓄積エリアは、例えば、EV走行エリアが目的地を中心とした円形である場合には、EV走行エリアよりも半径の大きい同心円からEV走行エリアを除いたエリアであっても良い。また、制御部16は、例えば、バッテリに対し、SOC量がゼロの状態から必要SOC量の状態となるまで蓄電を行うことが可能な広さのエリアを、SOC蓄積エリアとして特定しても良い。具体的には、制御部16は、自車両が単位距離辺りにバッテリに蓄電可能な電力量に基づき、バッテリのSOC量がゼロの状態から必要SOC量となるまで蓄電を行うために必要な距離を算出しても良い。そして、制御部16は、EV走行エリアと他のエリアとの境界線と、SOC蓄積エリアにおけるEV走行エリア以外の他のエリアとの境界線の距離が少なくとも算出した上記距離となるエリアを、SOC蓄積エリアとして特定しても良い。SOC蓄積エリアを特定すると、制御部16は、SOC蓄積エリアを地図データ入力器15から入力された地図データにおいて特定可能な情報を記憶部14に記憶し、処理を終了する。
【0061】
(2)目的地接近処理について
次に、自車両が、目的地に向かって走行する間に行われる処理である目的地接近処理について、図4に記載のフローチャートを用いて説明する。本処理は、自車両が目的地に向けて走行を開始した際に開始される。
【0062】
S205では、ナビゲーション装置10の制御部16は、位置検出器17により自車両の現在地を特定し、自車両が目的地に到達したか否かを判定する(S210)。自車両が目的地に到達した場合(S210:Yes)、制御部16は、S215に処理を移行する。自車両が目的地に到達していない場合(S210:No)、制御部16は、S220に処理を移行する。
【0063】
S215では、制御部16は、自車両がEV走行エリア外と目的地との間を走行するために必要な最小の電力量に相当するSOC量である必要最小SOC量と、消費した電力量が最小の電力量となる経路であるSOC最小ルートとを学習する。具体的には、制御部16は、地図データ入力器15から入力された地図データに基づき自車両がEV走行エリアを走行した経路を特定すると共に、EV走行エリアを走行する際にモータにて消費された電力量とを特定する。そして、目的地登録処理を実行後、この目的地登録処理にて登録された目的地に最初に自車両が到達した場合には、制御部16は、特定した電力量に相当するSOC量を、自車両が目的地に向かってEV走行エリアを走行するために必要な最小の電力量に相当するSOC量である必要最小SOC量として記憶部14に記憶すると共に、特定した経路を、消費した電力量が最小の電力量となる経路であるSOC最小ルートとして記憶部14に記憶する。また、目的地登録処理を実行後、この目的地登録処理にて登録された目的地に自車両が二回目以降に到達した場合には、制御部16は、特定した電力量に相当するSOC量と、記憶部14に記憶されている必要最小SOC量とを比較する。そして、特定した電力量に相当するSOC量が上記必要最小SOC量よりも小さい場合には、制御部16は、特定した電力量に相当するSOC量を、必要最小SOC量として記憶部14に記憶すると共に、特定した経路を、SOC最小ルートとして記憶部14に記憶する。そして、制御部16は、本処理を終了する。
【0064】
自車両が目的地に到達していない場合に移行するS220では、制御部16は、記憶部14に記憶されているEV走行エリア及びSOC蓄積エリアを特定可能な情報と、S205にて特定した自車両の現在地とに基づき、自車両が走行中のエリアを特定する。自車両がEV走行エリアを走行している場合、制御部16は、S225に処理を移行する。自車両がSOC蓄積エリアを走行している場合、制御部16は、S240に処理を移行する。自車両がEV走行エリア及びSOC蓄積エリア以外の他のエリアを走行している場合、制御部16は、S205に処理を移行する。
【0065】
S225では、制御部16は、時計機能により現在時刻を特定し、自車両がEV走行エリアを走行する時間帯を特定する。そして、制御部16は、記憶部14に記憶されている時間帯条件を参照し、EV走行エリアを走行する時間帯が低騒音にて走行を行う時間帯か否かを判定する。低騒音にて走行を行う時間帯である場合(S225:Yes)、制御部16は、S230に処理を移行する。低騒音にて走行を行う時間帯ではない場合(S225:No)、制御部16は、S240に処理を移行する。
【0066】
S230では、制御部16は、S205にて特定した自車両の現在地と、地図データ入力器15から入力された地図データに基づき、自車両が現在走行中の道路を特定すると共に、道路の幅員や道路の管理運営組織等といった、走行中の道路に関する情報を特定する。そして、制御部16は、記憶部14に記憶されている低騒音走行道路判定条件を参照し、走行中の道路が低騒音走行道路であるか否かを判定する。走行中の道路が低騒音走行道路である場合(S230:Yes)、制御部16は、S235に処理を移行する。走行中の道路が低騒音走行道路でない場合(S230:No)、制御部16は、S240に処理を移行する。
【0067】
S235では、制御部16は、車内LAN通信部18を介してハイブリッドECU20に対し、エンジンを停止し、モータのみを動力源とする走行であるEV走行を行う旨の指示を行い、S205に処理を移行する。
【0068】
自車両がEV走行エリアを走行する時間帯が低騒音にて走行を行う時間帯ではない場合、または、低騒音走行道路を走行中でない場合に移行するS240では、制御部16は、車内LAN通信部18を介してハイブリッドECU20に対し、上述した通常走行を行う旨の指示を行い、S205に処理を移行する。
【0069】
自車両がSOC蓄積エリアを走行中に移行するS245では、制御部16は、車内LAN通信部18を介してバッテリ制御ECU30と通信を行うことによりSOC量を特定し、特定したSOC量と、記憶部14に記憶されている必要SOC量とを比較する。その結果、SOC量が必要SOC量以下である場合には(S245:No)、制御部16は、S250に処理を移行する。SOC量が必要SOC量よりも大きい場合には(S245:Yes)、制御部16は、S205に処理を移行する。
【0070】
S250では、制御部16は、表示部12や音声出力部13により、EV走行エリアを任意の経路で走行した場合には、SOC量の不足により、EV走行エリアにおける低騒音走行道路にてEV走行が中断されてしまうおそれがある旨の警告を行う。また、制御部16は、記憶部14にSOC最小ルートが記憶されている場合には、自車両がEV走行エリアに到達した際にSOC最小ルートの走行を開始できるよう、地図データ入力器15から入力された地図データに基づき、現在地から、SOC最小ルートにおけるEV走行エリアの境界線上の端点までの経路である予備経路を特定する。そして、制御部16は、表示部12及び音声出力部13を介して特定した予備経路とSOC最小ルートとに基づく経路案内を開始する。そして、制御部16は、S255に処理を移行する。
【0071】
S255では、制御部16は、S245にて特定したSOC量と、記憶部14に記憶されている必要最小SOC量とを比較する。SOC量が必要最小SOC量以下である場合には(S255:Yes)、制御部16は、S260に処理を移行する。SOC量が必要最小SOC量より大きい場合には(S255:No)、制御部16は、S265に処理を移行する。
【0072】
S260では、制御部16は、エンジンが常に所定の出力により発電機を駆動して発電機からバッテリへの蓄電を行い、バッテリのSOC量を上昇させがならの走行(以後、蓄電走行とも記載)を行う旨の指示を、車内LAN通信部18を介してハイブリッドECU20に対して行い、S205に処理を移行する。
【0073】
SOC量が必要最小SOC量よりも大きい場合に移行するS265では、制御部16は、上述した通常走行を行う旨の指示を、車内LAN通信部18を介してハイブリッドECU20に対して行い、S205に処理を移行する。
【0074】
(3)目的地出発処理について
次に、目的地に到達した自車両が、目的地を出発してEV走行エリアの外に向かって走行する間に行われる処理である目的地出発処理について、図5に記載のフローチャートを用いて説明する。本処理は、自車両が目的地からEV走行エリア外への走行を開始する際に開始される。
【0075】
S305では、制御部16は、車内LAN通信部18を介してバッテリ制御ECU30と通信を行うことによりSOC量を特定し、特定したSOC量と、記憶部14に記憶されている必要SOC量とを比較する。その結果、SOC量が必要SOC量以下である場合には(S305:No)、制御部16は、S310に処理を移行する。SOC量が必要SOC量よりも大きい場合には(S305:Yes)、制御部16は、S320に処理を移行する。
【0076】
S310では、制御部16は、時計機能により現在時刻を特定し、自車両がEV走行エリアを走行する時間帯を特定する。そして、制御部16は、記憶部14に記憶されている時間帯条件を参照し、EV走行エリアを走行する時間帯が低騒音にて走行を行う時間帯か否かを判定する。低騒音にて走行を行う時間帯である場合(S310:Yes)、制御部16は、S315に処理を移行する。低騒音にて走行を行う時間帯ではない場合(S310:No)、制御部16は、S320に処理を移行する。
【0077】
S315では、制御部16は、表示部12や音声出力部13により、EV走行エリアを任意の経路で走行した場合には、SOC量の不足により、EV走行エリアにおける低騒音走行道路にてEV走行が中断されてしまうおそれがある旨の警告を行う。また、制御部16は、表示部12や音声出力部13を介して、記憶部14に記憶されているSOC最小ルートに基づく経路案内を開始する。そして、制御部16は、S320に処理を移行する。
【0078】
S320では、制御部16は、位置検出器17を介して自車両の現在地を特定し、記憶部14に記憶されているEV走行エリアを特定可能な情報と現在地とに基づき、自車両がEV走行エリア内であるか否かを判定する(S325)。自車両がEV走行エリア内を走行中である場合(S325:Yes)、制御部16は、S330に処理を移行する。自車両がEV走行エリア内を走行中ではない場合(S325:No)、制御部16は、S350に処理を移行する。
【0079】
S330では、制御部16は、時計機能により現在時刻を特定し、自車両がEV走行エリアを走行する時間帯を特定する。そして、制御部16は、記憶部14に記憶されている時間帯条件を参照し、EV走行エリアを走行する時間帯が低騒音にて走行を行う時間帯か否かを判定する。低騒音にて走行を行う時間帯である場合(S330:Yes)、制御部16は、S335に処理を移行する。低騒音にて走行を行う時間帯ではない場合(S330:No)、制御部16は、S345に処理を移行する。
【0080】
S335では、制御部16は、S320にて特定した自車両の現在地と、地図データ入力器15から入力された地図データに基づき、自車両が現在走行中の道路を特定すると共に、道路の幅員や道路の管理運営組織等といった、走行中の道路に関する情報を特定する。そして、制御部16は、記憶部14に記憶されている低騒音走行道路判定条件を参照し、走行中の道路が低騒音走行道路であるか否かを判定する。走行中の道路が低騒音走行道路である場合(S335:Yes)、制御部16は、S340に処理を移行する。走行中の道路が低騒音走行道路でない場合(S335:No)、制御部16は、S345に処理を移行する。
【0081】
S340では、制御部16は、車内LAN通信部18を介してハイブリッドECU20に対し、エンジンを停止し、モータのみを動力源とする走行であるEV走行を行う旨の指示を行い、S320に処理を移行する。
【0082】
自車両がEV走行エリアを走行する時間帯が低騒音にて走行を行う時間帯ではない場合、または、低騒音走行道路を走行中でない場合に移行するS345では、制御部16は、車内LAN通信部18を介してハイブリッドECU20に対し、上述した通常走行を行う旨の指示を行い、S320に処理を移行する。
【0083】
自車両がEV走行エリア内を走行中ではない場合に移行するS350では、制御部16は、目的地からEV走行エリア外まで走行するために必要な最小の電力量に相当するSOC量である必要最小SOC量と、消費した電力量が最小の電力量となる経路であるSOC最小ルートとを学習する。具体的には、制御部16は、地図データ入力器15から入力された地図データに基づき自車両がEV走行エリアを走行した経路を特定すると共に、EV走行エリアを走行する際にモータにて消費された電力量とを特定する。そして、制御部16は、特定した電力量に相当するSOC量と、記憶部14に記憶されている必要最小SOC量とを比較する。そして、特定した電力量に相当するSOC量が上記必要最小SOC量よりも小さい場合には、制御部16は、特定した電力量に相当するSOC量を、必要最小SOC量として記憶部14に記憶すると共に、特定した経路を、SOC最小ルートとして記憶部14に記憶する。そして、制御部16は、S355に処理を移行する。
【0084】
S355では、制御部16は、車内LAN通信部18を介してハイブリッドECU20に対し、上述した通常走行を行う旨の指示を行い、本処理を終了する。
[効果]
本実施形態のナビゲーション装置10によれば、自車両がEV走行エリアを走行する際、EV走行エリアを走行する時間帯が低騒音にて走行する時間帯であるか否かを判定する(S225、S330)と共に、走行中の道路が、低騒音にて走行を行う道路である低騒音走行道路であるか否かを判定する(S230、S335)。そして、上記判定の結果が共に肯定判定である場合には、エンジンを停止し、モータのみを動力源とする走行であるEV走行を行う旨の指示を、ハイブリッドECU20に対して行う(S235、S340)。したがって、ナビゲーション装置10を用いることにより、自車両が目的地付近を走行する際、傍に民家が存在する可能性が高い道幅の細い道路等を走行する場合や、目的地付近を走行する時間帯が深夜や早朝等である場合に限りEV走行を行い、低騒音にて走行することができる。したがって、目的地付近における全ての道路でEV走行を行う場合に比べ、燃費の悪化を抑えることができる。このように、ナビゲーション装置10を用いることにより、目的地付近を走行する際に、燃費の悪化を抑えつつ、低騒音にて走行することができる。
【0085】
また、ナビゲーション装置10は、目的地及び目的地付近のエリアであるEV走行エリアの登録をユーザから受け付ける(S110)。したがって、例えば、ユーザは、例えば、自宅を目的地として登録することにより、自宅付近において、燃費の悪化を抑えつつ低騒音にて走行することができる。
【0086】
また、ナビゲーション装置10は、ユーザからEV走行エリアの設定を受け付けると、EV走行エリアの周囲のエリアを、バッテリに蓄電を行うためのエリアであるSOC蓄積エリアとして特定する(S125)。そして、ナビゲーション装置10は、自車両がSOC蓄積エリアを走行中に限り、ハイブリッドECU20に対し蓄電走行を行う旨の指示を行う(S260)。したがって、通常走行よりも燃費の悪い蓄電走行を行うエリアをSOC蓄積エリアに限定することができるため、燃費の悪化を抑えることができる。また、SOC蓄積エリアはEV走行エリアの周囲のエリアであるため、EV走行エリアの走行を開始する手前で、バッテリへの蓄電を行うことができる。
【0087】
また、ナビゲーション装置10は、SOC量がゼロの状態から必要SOC量の状態となるまで蓄電を行うことが可能な広さのエリアを、SOC蓄積エリアとして特定する(S125)。ここで、必要SOC量とは、自車両がEV走行エリアを目的地に向かって走行するために必要な最大の電力量に相当するSOC量である。したがって、自車両が目的地に向かってEV走行エリアを走行するために必要な電力量に応じた広さのSOC蓄積エリアを特定することができる。このため、必要以上に蓄電走行が行われてしまうことを防ぐことができ、燃費の悪化を抑えることができる。
【0088】
また、ナビゲーション装置10は、自車両がEV走行エリア外から目的地までの走行が終了した際、または、自車両が目的地からEV走行エリア外への走行が終了した際に、自車両がEV走行エリアを走行するために必要な最小の電力量に相当するSOC量である必要最小SOC量と、消費した電力量が最小の電力量となる経路であるSOC最小ルートとを学習する(S215、S350)。したがって、的確に必要最小SOC量と、SOC最小ルートとを特定することができる。そして、ナビゲーション装置10は、自車両がSOC蓄積エリアを走行中、バッテリのSOC量が必要最小SOC量以下である場合(S255:Yes)、ハイブリッドECU20に対して蓄電走行を指示する(S260)。したがって、必要最小SOC量を目標値としてバッテリの蓄電を行うことができるため、蓄電走行が行われる頻度を抑えることができ、自車両の燃費の悪化を抑えることができる。
【0089】
また、ナビゲーション装置10は、自車両がSOC蓄積エリアを走行中、または、目的地をEV走行エリア外に向かって出発する際、バッテリのSOC量が必要SOC量以下である場合には(S245:No、S305:No)、学習したSOC最小ルートに基づく経路案内を開始する(S250、S315)。したがって、ドライバがSOC最小ルートに従い走行することが可能となり、EV走行エリアの走行のために必要な電力量をできるだけ抑えることが可能となる。また、自車両がEV走行エリアを走行中に、バッテリの不足によりEV走行を続行できなくなるおそれがある場合に限り、SOC最小ルートに基づく経路案内が行われる。このため、必要な場合に限り経路案内が行われるため、ナビゲーション装置10の使い勝手を向上させることができる。また、SOC蓄積エリアを走行中には、SOC最小ルートの始点までの経路である予備経路に基づく経路案内が開始されるため、目的地に向かうドライバがSOC最小ルートの始点の位置を知らなくても、ドライバは、SOC最小ルートの始点に到達することができる。
【0090】
[他の実施形態]
(1)ナビゲーション装置10は、EV走行を行う際には、エンジンを停止させ、モータのみを動力源とする旨の指示を行っている。しかしながら、ナビゲーション装置10は、EV走行を行う際、エンジンの出力に制限を加える旨の指示を行っても良い。このような構成を有する場合であっても、通常走行を行う場合に比べてエンジンの騒音を抑えることができ、低騒音にて走行することができる。
【0091】
(2)ナビゲーション装置10は、EV走行エリアの広さや、EV走行エリアの境界から目的地までの最大の距離等に基づき、EV走行エリアを目的地に向かって走行するために必要な最大の電力量を予測し、予測した最大の電力量に相当するSOC量を、必要SOC量として特定している。しかしながら、ナビゲーション装置10は、例えば、EV走行エリアを目的地に向かって走行する際の1または2以上の予想経路を特定し、これらの予想経路を走行する際に必要な電力量を特定し、これらの電力量の中で最大の値に相当するSOC量を、必要SOC量として特定しても良い。このような構成を有することにより、より正確に必要SOC量を特定することができる。
【0092】
(3)ナビゲーション装置10は、学習により必要最小SOC量と、SOC最小ルートとを特定している。しかしながら、ナビゲーション装置10は、例えば、自車両が目的地に向かって所定のエリアを走行する際の1または2以上の予想経路を特定し、各予想経路に関して、自車両が各予想経路を走行する際に必要な電力量を特定し、これらの電力量の中で最小の値に相当するSOC量を、必要最小SOC量として特定すると共に、最小の値に係る予想経路をSOC最小ルートとして特定しても良い。さらに、各予想経路について必要な電力量を特定する際には、低騒音走行道路判定条件や時間帯条件に基づきEV走行を行う道路区間を特定して、必要な電力量を特定しても良い。このような構成を有する場合であっても、精度良く必要最小SOC量と、SOC最小ルートとを特定することができる。
【0093】
(4)ナビゲーション装置10は、目的地接近処理におけるS245と、目的地出発処理におけるS305とにおいて、SOC量と必要SOC量との比較を行っている。ここで、必要SOC量とは、EV走行エリアを目的地に向かって走行するために必要な最大の電力量に相当するSOC量であり、目的地登録処理のS210にてEV走行エリアの広さ等に基づき算出された値である。ここで、ナビゲーション装置10は、例えば、低騒音走行道路判定条件や時間帯条件に基づきEV走行を行う道路区間を特定し、特定した道路区間がEV走行エリアの道路区間に占める割合等を考慮して、必要SOC量に対し補正を行っても良い。そして、補正後の必要SOC量とSOC量とを比較しても良い。こうすることにより、EV走行エリアを走行する際に必要な最大のSOC量をより正確に特定することができる。したがって、自車両がEV走行エリアを走行中に、バッテリの不足によりEV走行を続行できなくなるか否かをより正確に判定することができる。
【0094】
(5)ナビゲーション装置10は、目的地の含むエリアをEV走行エリアとして登録しているが、目的地を含まないエリアをEV走行エリアとして特定し、特定したEV走行エリアの周辺の領域をSOC蓄積エリアとして特定しても良い。そして、ナビゲーション装置10は、自車両がSOC蓄積エリアを走行中にはハイブリッドECU20に対して蓄電走行を指示し、自車両がEV走行エリアを走行中にはハイブリッドECU20に対してEV走行を指示しても良い。このような構成を有する場合であっても、自車両は、EV走行エリアを、燃費の悪化を抑えつつ低騒音にて走行することができる。
【0095】
[特許請求の範囲との対応]
上記実施形態の説明で用いた用語と、特許請求の範囲の記載に用いた用語との対応を示す。
【0096】
ナビゲーション装置10が車載装置に相当し、ハイブリッドECU20が、エンジンを制御する外部装置、及び、発電機による発電と、発電機からバッテリへの蓄電とを制御する外部装置に相当する。
【0097】
また、制御部16が、道路判定手段,時間帯判定手段,最小電力量特定手段,第一の電力量予測手段,経路電力量特定手段,必要最小値算出手段,蓄電エリア特定手段,第二の電力量予測手段に相当する。また、制御部16及び車内LAN通信部18が、低騒音走行指示手段及び蓄電指示手段に相当する。また、制御部16、表示部12、及び音声出力部13が、経路案内手段に相当する。また、制御部16が備える時計機能が、時間帯特定手段に相当する。また、制御部16及び記憶部14が、学習手段に相当する。
【0098】
また、地図データ入力器15が地図データ取得手段に相当し、車内LAN通信部18がバッテリ残量特定手段に相当し、操作部11が設定受付手段に相当する。
また、EV走行エリアが所定のエリアに相当し、SOC最小ルートが最小電力量経路に相当し、SOC量がバッテリ残量に相当し、必要SOC量が所定の値に相当し、必要最小SOC量が必要最小値及び目標バッテリ残量に相当し、SOC蓄積エリアが蓄電エリアに相当する。
【0099】
また、S235またはS340にて制御部16が車内LAN通信部18を介して行う、エンジンを停止し、モータのみを動力源とする走行であるEV走行を行う旨の指示が、エンジンの仕事量を低下させる旨の指示に相当する。
【0100】
また、S260にて制御部16が車内LAN通信部18を介して行う、エンジンが常に所定の出力により発電機を駆動して発電機からバッテリへの蓄電を行い、バッテリのSOC量を上昇させがならの走行を行う旨の指示が、蓄電指示に相当する。
【0101】
また、目的地接近処理におけるS230が地図データ取得手順及び道路判定手順に相当し、S235が低騒音走行指示手順に相当する。また、目的地出発処理におけるS335が地図データ取得手順及び道路判定手順に相当し、S340が低騒音走行指示手順に相当する。
【図面の簡単な説明】
【0102】
【図1】ナビゲーション装置10と、車内LAN40を介してナビゲーション装置10と接続されている他の装置とを示すブロック図である。
【図2】ナビゲーション装置10の構成を示すブロック図である。
【図3】目的地登録処理について説明するためのフローチャートである。
【図4】目的地接近処理について説明するためのフローチャートである。
【図5】目的地出発処理について説明するためのフローチャートである。
【図6】EV走行エリア及びSOC蓄積エリア周辺の地図画像である。
【符号の説明】
【0103】
10…ナビゲーション装置、11…操作部、12…表示部、13…音声出力部、14…記憶部、15…地図データ入力器、16…制御部、17…位置検出器、17a…GPS受信器、17b…ジャイロスコープ、17c…距離センサ、18…車内LAN通信部、20…ハイブリッドECU、30…バッテリ制御ECU、40…車内LAN、400…地図画像、410…目的地、420…EV走行エリア、430…SOC蓄積エリア。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
バッテリと、前記バッテリから電力供給を受けて駆動輪を駆動するモータと、前記バッテリに蓄電を行う発電機または駆動輪のうちの少なくともいずれか一方を駆動するためのエンジンとを有するハイブリッド車両に搭載される車載装置であって、
道路の種類を特定可能な地図データを取得する地図データ取得手段と、
前記地図データ取得手段により取得された前記地図データが示す地図上の所定のエリアにおけるいずれかの道路に関して、前記地図データから特定される道路の種類に基づき低騒音にて走行を行う道路である低騒音走行道路であるか否かを判定する道路判定手段と、
自車両が走行する前記所定のエリアにおける道路に関して前記道路判定手段に前記低騒音走行道路であるか否かを判定させ、判定の結果、自車両が走行中の道路が前記低騒音走行道路である場合、低騒音にて走行を行うために前記エンジンの仕事量を低下させる旨の指示を、前記エンジンを制御する外部装置に対して行う低騒音走行指示手段と、
を備えること、
を特徴とする車載装置。
【請求項2】
バッテリと、前記バッテリから電力供給を受けて駆動輪を駆動するモータと、前記バッテリに蓄電を行う発電機または駆動輪のうちの少なくともいずれか一方を駆動するためのエンジンとを有するハイブリッド車両に搭載される車載装置であって、
地図データを取得する地図データ取得手段と、
自車両が、前記地図データ取得手段により取得された前記地図データが示す地図上の所定のエリアを走行する時間帯を特定する時間帯特定手段と、
前記時間帯特定手段により特定された自車両が前記所定のエリアを走行する時間帯が、低騒音にて走行を行う時間帯であるか否かを判定する時間帯判定手段と、
前記時間帯判定手段に自車両が前記所定のエリアを低騒音にて走行を行う時間帯であるか否かを判定させ、判定の結果、低騒音にて走行を行う時間帯である場合、低騒音にて走行を行うために前記エンジンの仕事量を低下させる旨の指示を、前記エンジンを制御する外部装置に対して行う低騒音走行指示手段と、
を備えること、
を特徴とする車載装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の車載装置において、
前記地図データ取得手段により取得された前記地図データが示す地図上の前記所定のエリアの設定を受け付ける設定受付手段をさらに備えること、
を特徴とする車載装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれかに記載の車載装置において、
前記低騒音走行指示手段は、自車両が前記低騒音走行道路を走行する際、前記エンジンを停止させることにより前記エンジンの仕事量を低下させる旨の指示を、前記エンジンを制御する外部装置に対して行うこと、
を特徴とする車載装置。
【請求項5】
請求項3、または、請求項3を引用する請求項4に記載の車載装置において、
前記設定受付手段を介してユーザから受け付けた設定に係る前記所定のエリア内における目的地に到達するために自車両が前記所定のエリアを走行する場合において、自車両が前記所定のエリアを走行する間に前記モータを駆動するために必要な最小の電力量を特定する最小電力量特定手段をさらに備えること、
を特徴とする車載装置。
【請求項6】
請求項5に記載の車載装置において、
前記最小電力量特定手段は、前記設定受付手段を介してユーザから受け付けた設定に係る前記所定のエリア内における前記目的地に到達するために自車両が前記所定のエリアを走行する場合において、前記最小の電力量と共に、自車両が前記所定のエリアを走行するために必要な電力量が前記最小の電力量となる経路である最小電力量経路をさらに特定し、
前記最小電力量特定手段により特定された前記最小電力量経路に基づき経路案内を行う経路案内手段をさらに備えること、
を特徴とする車載装置。
【請求項7】
請求項6に記載の車載装置において、
前記最小電力量特定手段は、自車両が前記所定のエリアに到達する手前において、自車両の現在地と、前記所定のエリアと他のエリアとの境界における前記最小電力量経路の端点との間の経路である予備経路をさらに特定し、
前記経路案内手段は、自車両が前記所定のエリアに到達する手前において、前記最小電力量特定手段により特定された前記予備経路に基づく経路案内を開始すること、
を特徴とする車載装置。
【請求項8】
請求項7に記載の車載装置において、
前記設定受付手段を介してユーザから受け付けた設定に係る前記所定のエリア内における目的地に到達するために自車両が前記所定のエリアを走行する場合において、自車両が前記所定のエリアを走行する間に前記モータを駆動するために必要な電力量を予測する第一の電力量予測手段と、
前記バッテリのバッテリ残量を特定するバッテリ残量特定手段と、
をさらに備え、
前記経路案内手段は、自車両が前記所定のエリアに到達する手前において、前記バッテリ残量特定手段により特定されたバッテリ残量が、前記第一の電力量予測手段により予測された必要な前記電力量に基づく所定の値以下である場合には、前記最小電力量特定手段により特定された前記予備経路に基づく経路案内を行うこと、
を特徴とする車載装置。
【請求項9】
請求項6から請求項8のいずれかに記載の車載装置において、
自車両が前記所定のエリアにおける前記目的地に到達すると、自車両が前記所定のエリアを走行した経路と、自車両が前記所定のエリアを走行する間に前記モータが消費した電力量とを特定する経路電力量特定手段と、
前記最小電力量経路と前記最小の電力量とを記憶しており、前記経路電力量特定手段により特定された前記経路及び前記電力量と、記憶している前記最小電力量経路及び前記最小の電力量とに基づき、前記所定のエリア内における前記目的地に到達するために自車両が前記所定のエリアを走行する場合において、自車両が前記所定のエリアを走行するために必要な前記最小の電力量と、自車両が前記所定のエリアを走行するために必要な電力量が前記最小の電力量となる経路である前記最小電力量経路とを新たに特定し、新たに特定した前記最小の電力量と前記最小電力量経路とを記憶する学習手段をさらに備え、
前記最小電力量特定手段は、前記学習手段から前記最小電力量経路と前記最小の電力量とを読み出すことにより、前記最小電力量経路と前記最小の電力量とを特定すること、
を特徴とする車載装置。
【請求項10】
請求項1から請求項9のいずれかに記載の車載装置において、
前記ハイブリッド車両が有する前記エンジンは、少なくとも前記バッテリに蓄電を行う前記発電機を駆動し、
自車両が前記所定のエリアに到達する手前で、前記エンジンが前記発電機を駆動するための仕事量を増加させることにより前記発電機により発電される電力量を増加させ、前記バッテリのバッテリ残量を増加させる旨の指示である蓄電指示を、前記発電機による発電と、前記発電機から前記バッテリへの蓄電とを制御する外部装置に対して行う蓄電指示手段をさらに備えること、
を特徴とする車載装置。
【請求項11】
請求項5を引用する請求項10に記載の車載装置において、
前記バッテリが、前記最小電力量特定手段により特定された前記最小の電力量を供給することが可能な最小のバッテリ残量である必要最小値を算出する必要最小値算出手段をさらに備え、
前記蓄電指示手段は、
前記必要最小値算出手段により算出された前記必要最小値に基づき目標バッテリ残量を設定し、
前記エンジンが前記発電機を駆動するための仕事量を増加させることにより前記発電機により発電される電力量を増加させ、設定した前記目標バッテリ残量を目標値として前記バッテリのバッテリ残量を増加させる旨の指示である前記蓄電指示を、前記発電機による発電と、前記発電機から前記バッテリへの蓄電とを制御する外部装置に対して行うこと、
を特徴とする車載装置。
【請求項12】
請求項10または請求項11に記載の車載装置において、
前記発電機により発電される電力量を増加させ、前記バッテリのバッテリ残量を増加させるためのエリアである蓄電エリアを特定する蓄電エリア特定手段をさらに備え、
前記蓄電指示手段は、自車両が前記蓄電エリア特定手段により特定された前記蓄電エリアに到達した際に、前記発電機による発電と、前記発電機から前記バッテリへの蓄電とを制御する外部装置に対して前記蓄電指示を行うこと、
を特徴とする車載装置。
【請求項13】
請求項12に記載の車載装置において、
前記蓄電エリア特定手段は、前記設定受付手段を介してユーザにより設定された前記所定のエリアの周囲のエリアを、前記蓄電エリアとして特定すること、
を特徴とする車載装置。
【請求項14】
請求項12に記載の車載装置において、
前記設定受付手段を介してユーザから受け付けた設定に係る前記所定のエリア内における目的地に到達するために自車両が前記所定のエリアを走行する場合において、自車両が前記所定のエリアを走行する間に前記モータを駆動するために必要な電力量を予測する第二の電力量予測手段をさらに備え、
前記蓄電エリア特定手段は、前記第二の電力量予測手段により予測された自車両が前記所定のエリアを走行する間に前記モータを駆動するために必要な前記電力量に基づき、前記蓄電エリアを特定すること、
を特徴とする車載装置。
【請求項15】
バッテリと、前記バッテリから電力供給を受けて駆動輪を駆動するモータと、前記バッテリに蓄電を行う発電機または駆動輪のうちの少なくともいずれか一方を駆動するためのエンジンとを有するハイブリッド車両に搭載される車載装置に搭載されたコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
前記プログラムは、
コンピュータに、道路の種類を特定可能な地図データを取得する地図データ取得手順と、
前記地図データ取得手順により取得された前記地図データが示す地図上の所定のエリアにおけるいずれかの道路に関して、前記地図データから特定される道路の種類に基づき低騒音にて走行を行う道路である低騒音走行道路であるか否かを判定する道路判定手順と、
自車両が走行する前記所定のエリアにおける道路に関して前記道路判定手順にて前記低騒音走行道路であるか否かを判定し、判定の結果、自車両が走行中の道路が前記低騒音走行道路である場合、低騒音にて走行を行うために前記エンジンの仕事量を低下させる旨の指示を、前記エンジンを制御する外部装置に対して行う低騒音走行指示手順と、
を実行させること、
を特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−280139(P2009−280139A)
【公開日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−135675(P2008−135675)
【出願日】平成20年5月23日(2008.5.23)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】