説明

車間維持支援装置

【課題】車間維持支援装置において、ドライバの運転特性に応じた車間距離しきい値を設定する。
【解決手段】アクセル開度センサ56によって、アクセルペダル操作が行われている状態から行われない状態に移行したことが検出された時に、レーザレーダ70によって検出される車間距離に基づいて、車間距離しきい値を設定し、レーザレーダ70によって検出される車間距離が車間距離しきい値より短くなると、車両を減速させる制御を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、先行車との間の車間距離を制御する車間維持支援装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、先行車両との間の車間距離が所定の距離しきい値以下になると、車両に制動力を加える装置が知られている(特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開2005−250755号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の装置では、所定の距離しきい値が一律に定められていたので、ドライバによっては、減速タイミングが早すぎたり、逆に遅すぎるという問題が生じる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明による車間維持支援装置は、アクセルペダル操作が行われている状態から行われない状態に移行したことが検出された時の先行車両との間の車間距離に基づいて、車間距離しきい値を設定し、車間距離が設定した車間距離しきい値より短くなると、車両の減速制御を行うことを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明による車間維持支援装置によれば、ドライバの運転特性に応じて、車間距離しきい値を設定するので、ドライバの運転特性に応じた減速制御を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
図1は、一実施の形態における車間維持支援装置の構成を示す図である。この車間維持支援装置を搭載した車両は、自動変速機およびコンベンショナルディファレンシャルギヤを搭載した後輪駆動車である。この車両では、前後輪ともに、左右輪の制動力を独立に制御することができる。
【0008】
図中、符号1はブレーキペダル、2はブースター、3はマスターシリンダー、4はリザーバー、10は左前輪、20は右前輪、30は左後輪、40は右後輪である。各車輪10,20,30,40には、ブレーキディスク11,21,31,41、および、制動液圧の供給により、対応するブレーキディスクを摩擦挟持して、各車輪ごとにブレーキ力(制動力)を与えるホイールシリンダ12,22,32,42が備えられている。
【0009】
マスターシリンダー3と各ホイールシリンダ12,22,32,42との間には、圧力制御ユニット5が介装されている。運転者によるブレーキペダル1の踏み込み量に応じて、マスターシリンダー3で昇圧された油圧が各ホイールシリンダ12,22,32,42に供給されるようになっており、圧力制御ユニット5は、各ホイールシリンダ12,22,32,42の制動液圧を個別に制御する。圧力制御ユニット5は、前後左右の各液圧供給系(各チャンネル)個々にアクチュエータを含んで構成されている。これにより、各車輪を個々に制動している。アクチュエータは、例えば各ホイールシリンダ12,22,32,42の液圧を任意の制動液圧に制御可能なように、比例ソレノイド弁を使用して構成されている。
【0010】
駆動トルク制御コントローラ60は、制駆動力制御コントローラ50から入力される駆動トルク指令値に基づいて、駆動輪の駆動トルクを制御する。駆動輪の駆動トルクの制御は、エンジン6の燃料噴射量を制御するエンジン制御、スロットル制御装置7によりスロットル開度を制御するスロットル制御、および、自動変速機8を制御する変速機制御等を行うことにより行う。
【0011】
制駆動力制御コントローラ50には、ハンドル9の操舵角δを検出する操舵角センサ52からの信号、車両の前後加速度Xgおよび横加速度Ygを検出する加速度センサ53からの信号、車両に発生するヨーレートφを検出するヨーレートセンサ54からの信号、マスターシリンダ液圧Pmを検出するマスターシリンダ液圧センサ55からの信号、アクセル開度Accを検出するアクセル開度センサ56からの信号、および、各車輪の車輪速Vw1,Vw2,Vw3,Vw4を検出する車輪速センサ13,23,33,43からの信号がそれぞれ入力される。また、制駆動力制御コントローラ50には、運転者のアクセル操作量に基づく要求駆動力τmやエンジントルクτa、および、車輪軸上での駆動トルクτwが駆動トルク制御コントローラ60から入力される。
【0012】
レーザレーダ70は、例えば、車両の前方グリル部もしくはバンパ部等に取り付けられ、自車両前方にレーザ光を送出し、自車両前方に存在する先行車両に反射して戻ってくる反射光を受光することにより、先行車両との間の車間距離L、および、相対速度Vrを検出する。ただし、相対速度Vrは、自車両の速度から先行車両の速度を減算した値とする。レーザレーダ70によって検出された車間距離L、および、相対速度Vrは、制駆動力制御コントローラ50に送られる。
【0013】
一実施の形態における車間維持支援装置では、自車両と先行車両との間の車間距離Lが車間距離しきい値L*より短くなった時に、ドライバがアクセルペダルを操作していなければ、車両を減速させる制御を行う。車間距離しきい値L*は、ドライバがアクセルペダルを離した時の車間距離に基づいて設定する。ただし、先行車両が加速しても、加速制御は行わない。以下では、図2〜図4を用いて、減速制御の詳細な処理内容について説明する。
【0014】
図2は、一実施の形態における車間維持支援装置によって行われる処理内容を示すフローチャートである。車両が起動すると、制駆動力制御コントローラ50は、ステップS10の処理を開始する。ステップS10では、アクセル開度センサ56によって検出されるアクセル開度Acc、車輪速センサ13,23,33,43によって検出される各車輪の車輪速Vw1,Vw2,Vw3,Vw4、および、レーザレーダ70によって検出される先行車両との間の車間距離L、相対速度Vrを読み込んで、ステップS20に進む。
【0015】
ステップS20では、次式(1)により、車間距離しきい値L*hを算出する。後述するように、先行車両との間の車間距離Lと比較する車間距離しきい値L*は、自車両の車両状況に依存しない定常項と、自車両の車両状況に依存する過渡項との和により算出されるが、式(1)により求める車間距離しきい値L*hは、定常項の値である。
*h=Va×Th (1)
ただし、Vaは、自車両の車速Vおよび相対速度Vrに基づいて算出される先行車両の車速であり、Thは所定の車間時間である。また、自車両の車速Vは、車輪速センサ13,23によって検出される前輪の車輪速Vw1およびVw2の平均値を求めることにより算出する。
【0016】
ステップS20に続くステップS30では、アクセル開度センサ56によって検出されるアクセル開度Accが所定のアクセル開度しきい値Acc0以上であるか否かを判定する。所定のアクセル開度しきい値Acc0は、アクセルペダルが全閉であるか否かを判断する程度の小さい値に設定しておく。アクセル開度Accが所定のアクセル開度しきい値Acc0以上であると判定すると、ドライバがアクセルペダル操作を行っていると判断して、アクセル操作フラグFaccをオンにセットした後、ステップS50に進む。一方、アクセル開度Accが所定のアクセル開度しきい値Acc0未満であると判定すると、ドライバがアクセルペダル操作を行っていないと判断して、アクセル操作フラグFaccをオフにセットした後、ステップS40に進む。
【0017】
ステップS40では、次式(2)により、車間距離しきい値の過渡項L*rを算出するためのパラメータTrを算出する。
Tr=(L−L*h)/Vr (2)
式(2)において、パラメータTrは、現在の相対速度Vrが維持されたと仮定して、車間距離Lが車間距離しきい値(定常項)L*hになるまでの時間を表している。パラメータTrを算出すると、ステップS50に進む。
【0018】
なお、ステップS30およびS40の処理から分かるように、車間距離しきい値の過渡項L*rを算出するためのパラメータTrは、アクセル操作フラグFaccがオンされている時にのみ算出(更新)される。従って、アクセルペダル操作が行われている場合、パラメータTrは、実車間距離Lに応じて設定され、アクセルペダル操作が行われていない場合には、アクセルペダル操作が行われなくなった時の値が維持される。
【0019】
ステップS50では、次式(3)より、車間距離しきい値の過渡項L*rを算出して、ステップS60に進む。
*r=Tr×Vr (3)
【0020】
ステップS60では、ステップS20で算出した車間距離しきい値の定常項L*hと、ステップS50で算出した車間距離しきい値の過渡項L*rとを加算することにより、車間距離しきい値L*を算出する(次式(4)参照)。
*=L*h+L*r (4)
ただし、アクセルペダル操作が行われている時(アクセル操作フラグFaccのオン時)には、式(2),(3),(4)より、L*=Lとなる。車間距離しきい値L*を算出すると、ステップS70に進む。
【0021】
図3は、ドライバがアクセルペダルの操作をやめた時、すなわち、アクセル操作フラグFaccがオンからオフとなった時の車間距離しきい値L*を表した図である。図3に示すように、アクセルペダル操作がオフになった時の車間距離しきい値L*は、アクセルペダル操作がオフになった時の車間距離Lに設定される。
【0022】
ステップS70では、次式(5)より、ステップS60で算出した車間距離しきい値L*と、レーザレーダ70によって検出される先行車との車間距離Lとの偏差ΔLを算出する。
ΔL=L*−L (5)
ただし、アクセルペダル操作が行われている時(アクセル操作フラグFaccのオン時)には、L*=Lより、ΔL=0となる。
【0023】
ステップS70に続くステップS80では、次式(6)より、目標減速度α*を算出する。
α*=−Kv×Kr×ΔL (6)
ただし、Krは、車間距離偏差ΔLに基づいて、車両に発生させる目標減速力を算出するためのゲインであり、後述するように、相対速度Vrに基づいて定める。また、ゲインKvは、目標減速力を目標減速度に換算するためのゲインであり、車両諸元に基づいて、予め設定しておく。
【0024】
図4は、相対速度Vrと、ゲインKrとの関係を示す図である。図4に示すように、相対速度Vrが大きくなるほど、すなわち、自車両が先行車両に接近する程、ゲインKrは大きくなり、相対速度Vrが小さくなるほど、ゲインKrは小さくなる。ただし、相対速度が第1の相対速度Vr1より小さくなると、ゲインKrの値は第1の所定ゲインKr1となり、相対速度が第2の相対速度Vr2より大きくなると、ゲインKrの値は第2の所定ゲインKr2となる。制駆動力制御コントローラ50のメモリ(不図示)には、図4に示すような相対速度VrとゲインKrとの関係を定めたテーブルが予め記憶されており、このテーブルと相対速度Vrとに基づいて、ゲインKrを求める。
【0025】
上述したように、アクセルペダル操作が行われている時(アクセル操作フラグFaccのオン時)には、ΔL=0であるから、目標減速度α*も0となる。ステップS80において、目標減速度α*を算出すると、ステップS90に進む。
【0026】
ステップS90では、目標制動液圧P*を算出する。このため、まず、次式(7)に示すように、ステップS80で算出した目標減速度α*から、エンジンブレーキにより発生する減速度α*engを減算することにより、ブレーキにより発生させる目標減速度α*brkを算出する。
α*brk=α*−α*eng (7)
ただし、α*、α*brk、α*engは、それぞれ、加速方向を正の値、減速方向を負の値とする。また、アクセルペダル操作が行われている時(アクセル操作フラグFaccのオン時)には、α*=α*eng=0であるから、α*brk=0となる。
【0027】
続いて、算出した目標減速度α*brkに基づいて、次式(8)より、目標制動液圧P*を算出する。
*=−(Kb×α*brk) (8)
ただし、Kbは、目標減速度を目標制動液圧に換算するためのゲインであり、車両諸元に基づいて、予め設定しておく。また、アクセルペダル操作が行われている時(アクセル操作フラグFaccのオン時)には、α*brk=0より、P*=0となる。
【0028】
ステップS90に続くステップS100では、ステップS90で算出した目標制動液圧P*に基づいた制動液圧を発生させるための指示を圧力制御ユニット5に出す。この指示を受けた圧力制御ユニット5は、目標制動液圧P*に基づいた制動液圧を発生させて、ホイールシリンダー12,22,32,42に供給する。これにより、車間距離Lが車間距離しきい値L*より短くなった時に、ドライバがアクセルペダルを操作していなければ、車両を減速させる制御が行われる。また、ドライバがアクセルペダルを操作している場合には、目標制動液圧P*=0であるから、減速制御は行われない。
【0029】
ステップS100の処理が終了すると、ステップS10に戻る。以後、ステップS10からステップ100までの処理が繰り返し行われる。上述したように、アクセルペダル操作がオフされると、車間距離しきい値の過渡項L*rを算出するためのパラメータTrを算出する処理(ステップS40)は行われずに、アクセルオフの直前に算出されたパラメータTr、および、新たに検出された相対速度Vrに基づいて、車間距離しきい値の過渡項L*rを算出する処理が行われる(ステップS50)。車間距離Lが車間距離しきい値L*より短い場合には、減速制御が作動して、相対速度Vrが小さくなるので、車間距離しきい値の過渡項L*rの値も小さくなる。すなわち、減速制御が作動して相対速度Vrが小さくなっていくと、車間距離しきい値の過渡項L*rの値も小さくなっていき、相対速度Vrが0になると、車間距離しきい値の過渡項L*rの値も0になる。これにより、過渡項L*rの値が0になることにより、車間距離しきい値L*は、定常項L*hに収束する。
【0030】
一実施の形態における車間維持支援装置によれば、アクセルペダル操作が行われている状態から行われない状態に移行した時に検出される車間距離に基づいて、車間距離しきい値を設定し、先行車との間の車間距離が車間距離しきい値より短くなると、車両の減速制御を行うので、ドライバの運転特性に応じた減速制御を行うことができる。すなわち、ドライバがアクセルペダル操作をオフした時の車間距離に基づいて、減速制御の開始タイミングを決定することができる。
【0031】
また、一実施の形態における車間維持支援装置によれば、自車両の車両状況に依存しない第1の車間距離しきい値(定常項)L*hと、自車両の車両状況に依存する第2の車間距離しきい値(過渡項)L*rとに基づいて、車間距離しきい値L*を設定する。これにより、自車両の車両状況に依存しない第1の車間距離しきい値(定常項)L*hは確保しつつ、自車両の車両状況に依存する第2の車間距離しきい値(過渡項)L*rによって、ドライバの運転特性に応じた車間距離しきい値を設定することができる。
【0032】
特に、自車両と先行車両との間の相対速度Vrに基づいて、第2の車間距離しきい値(過渡項)L*rを設定するので、相対速度に応じた適切な車間距離しきい値を設定することができる。すなわち、相対速度Vrが大きいほど(自車両が先行車両に接近する速度が大きいほど)、第2の車間距離しきい値(過渡項)L*rを大きい値に設定することにより、車間距離しきい値L*を大きい値に設定するので、先行車両に対して、より手前の位置から減速制御を開始することができる。
【0033】
上述したように、減速制御が作動して相対速度Vrが小さくなっていくと、車間距離しきい値の過渡項L*rの値も小さくなっていき、相対速度Vrが0になると、車間距離しきい値の過渡項L*rの値も0になる。これにより、相対速度が0になるまで車両が減速した時に、車間距離しきい値L*を、定常的な車間距離しきい値L*hにスムーズに移行させることができる。
【0034】
本発明は、上述した一実施の形態に限定されることはない。例えば、車間距離しきい値の過渡項L*rを算出するためのパラメータTrは、式(2)より算出したが、上限リミット値を設けて、上限値を制限してもよいし、下限リミット値を設けて、下限値を制限してもよい。
【0035】
アクセルペダル操作がオフになった時の車間距離しきい値L*は、アクセルペダル操作がオフになった時の車間距離Lと同じ値に設定したが、アクセルペダル操作がオフになった時の車間距離Lに基づいて設定するのであれば、全く同一の値でなくてもよい。
【0036】
車間距離しきい値L*は、車間距離しきい値の定常項L*hと過渡項L*rとの和により算出したが、自車両の車両状況に依存しない定常項と、自車両の車両状況に依存する過渡項とに基づいて、設定するのであれば、両者の和に限定されることはない。なお、定常項を先行車両の車速に基づいて算出しているが、自車両の車速に基づいて算出してもよい。
【0037】
上述した一実施の形態では、ホイールシリンダに制動液圧を供給することにより、車両を減速させるものとして説明したが、エンジンブレーキやシフトダウン等、他の減速制御を利用して、車両を減速させてもよい。
【0038】
上述した車間維持支援装置を、先行車追従制御システムに適用することもできる。例えば、先行車追従制御の作動中に、ドライバがアクセルペダルを踏みすぎて(アクセルオーバーライド)、先行車両に接近した後、ドライバがアクセルペダルを離すと、上述した減速制御を行い、車両の定常状態において、再び、先行車に追従して走行させることができる。
【0039】
特許請求の範囲の構成要素と一実施の形態の構成要素との対応関係は次の通りである。すなわち、レーザレーダ70が車間距離検出手段および相対速度検出手段を、アクセル開度センサ56がアクセルペダル操作検出手段を、制駆動力制御コントローラ50が車間距離しきい値設定手段を、圧力制御ユニット5、ホイールシリンダ12,22,32,42、および、ブレーキディスク11,21,31,41が減速制御手段をそれぞれ構成する。なお、以上の説明はあくまで一例であり、発明を解釈する上で、上記の実施形態の構成要素と本発明の構成要素との対応関係に何ら限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】一実施の形態における車間維持支援装置の構成を示す図
【図2】一実施の形態における車間維持支援装置によって行われる処理内容を示すフローチャート
【図3】ドライバがアクセルペダルの操作をやめた時の車間距離しきい値L*を表した図
【図4】相対速度Vrと、ゲインKrとの関係を示す図
【符号の説明】
【0041】
1…ブレーキペダル、2…ブースター、3…マスターシリンダー、4…リザーバー、5…圧力制御ユニット、6…エンジン、7…スロットル制御装置、8…自動変速機、10…左前輪、11,21,31,41…ブレーキディスク、12,22,32,42…ホイールシリンダ、20…右前輪、30…左後輪、40…右後輪、50…制駆動力制御コントローラ、52…操舵角センサ、53…加速度センサ、54…ヨーレートセンサ、55…マスターシリンダ液圧センサ、56…アクセル開度センサ、60…駆動トルク制御コントローラ、70…レーザレーダ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
先行車両との間の車間距離を検出する車間距離検出手段と、
ドライバのアクセルペダル操作の有無を検出するアクセルペダル操作検出手段と、
前記アクセルペダル操作検出手段によって、アクセルペダル操作が行われている状態から行われない状態に移行したことが検出された時に前記車間距離検出手によって検出される車間距離に基づいて、車間距離しきい値を設定する車間距離しきい値設定手段と、
前記車間距離検出手段によって検出される車間距離が前記車間距離しきい値設定手段によって設定される車間距離しきい値より短くなると、車両の減速制御を行う減速制御手段とを備えることを特徴とする車間維持支援装置。
【請求項2】
請求項1に記載の車間維持支援装置において、
前記車間距離しきい値設定手段は、前記アクセルペダル操作検出手段によって、アクセルペダル操作が行われている状態から行われない状態に移行したことが検出された時に前記車間距離検出手段によって検出される車間距離を、前記車間距離しきい値として設定することを特徴とする車間維持支援装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の車間維持支援装置において、
前記車間距離しきい値設定手段は、自車両の車両状況に依存しない定常項を算出するとともに、自車両の車両状況に依存する過渡項を算出し、前記定常項と前記過渡項とに基づいて、前記車間距離しきい値を設定することを特徴とする車間維持支援装置。
【請求項4】
請求項3に記載の車間維持支援装置において、
前記車間距離しきい値設定手段は、前記定常項および前記過渡項を加算することにより、前記車間距離しきい値を設定することを特徴とする車間維持支援装置。
【請求項5】
請求項3または4に記載の車間維持支援装置において、
自車両と先行車両との間の相対速度を検出する相対速度検出手段をさらに備え、
前記車間距離しきい値設定手段は、前記相対速度検出手段によって検出される相対速度に基づいて、前記過渡項を算出することを特徴とする車間維持支援装置。
【請求項6】
アクセルペダル操作が行われている状態から行われない状態に移行したことが検出された時の先行車両との間の車間距離に基づいて、車間距離しきい値を設定し、先行車両との間の車間距離が前記車間距離しきい値より短くなると、車両の減速制御を行うことを特徴とする車間維持支援装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2007−238031(P2007−238031A)
【公開日】平成19年9月20日(2007.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−66366(P2006−66366)
【出願日】平成18年3月10日(2006.3.10)
【出願人】(000003997)日産自動車株式会社 (16,386)
【Fターム(参考)】