説明

運転支援装置、運転支援方法

【課題】意識低下状態から覚醒状態に復帰した場合でも、車両挙動を安定化させることができる運転支援装置及び運転支援方法を提供すること。
【解決手段】運転者の覚醒度に応じて運転者を支援する運転支援装置100において、運転者が意識低下状態から覚醒した直後か否かに応じて、運転者を支援する車両制御の態様を可変にする、ことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、運転者の覚醒度に応じて運転者を支援する運転支援装置及び運転支援方法に関する。
【背景技術】
【0002】
車両を運転中の運転者は多様な心理状態にさらされるものであり、その心理状態が運転に影響を与えうることがあることから、心理状態に応じて運転支援制御を実行する技術が提案されている(例えば、特許文献1)。特許文献1には、運転者の呼吸の変化から心理的な動揺を検出して、車速を制御する運転支援装置が記載されている。
【0003】
また、突発的な状態に生じうるブレーキペダルとアクセルペダルの踏み間違えによる影響を最小限に抑制する技術が提案されている(例えば、特許文献2、3参照。)。特許文献2には、アクセルペダルの踏み込み状況と足のかかとの接地状況を検出して、運転者が意図している動作を特定し、例えばかかとが接地していない場合にはアクセルペダルが操作されても、エンジンをアイドル状態に制御する自動車制御装置が記載されている。特許文献3には、前方障害物が検出され、かつ、アクセルペダルが大きく操作された場合、アクセルペダルの踏み間違いであると判定してスロットル弁を強制的に閉じることで、障害物にあわてた運転者がアクセルペダルとブレーキペダルを踏み間違えても加速を制限できるスロットル弁制御装置が記載されている。
【0004】
運転中の運転者の心理状態として、眠気の増加による意識の低下が挙げられ、運転者の眠気を検出して車両制御する技術が提案されている(例えば、特許文献4参照。)。特許文献4には、運転者の覚醒度と車両の状況とを検出して、車両状況に応じて車両制御を開始する覚醒度の判定閾値を可変にする自動ブレーキ装置が記載されている。
【特許文献1】特開2006−42903号公報
【特許文献2】特開2004−169674号公報
【特許文献3】特開平5−256170号公報
【特許文献4】特開平9−249104号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献4では、眠気のある状態から覚醒した直後の車両制御について考慮されていない。例えば、眠気のある意識低下状態から覚醒した直後に運転者が、車線の逸脱や障害物と異常接近するおそれがあることを認知すると、運転者は逸脱を回避しようと急操舵したり、障害物との異常接近を回避しようとして急制動する可能性がある。しかし、かかる急操舵により逸脱傾向と反対方向の車線を逸脱するおそれが生じたり、急制動により車両挙動が不安定となるおそれがあるという問題がある。
【0006】
本発明は、上記課題に鑑み、覚醒した直後でも、車両挙動を安定化させることができる運転支援装置及び運転支援方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題に鑑み、本発明は、運転者の覚醒度に応じて運転者を支援する運転支援装置において、運転者が意識低下状態から覚醒した直後か否かに応じて、運転者を支援する車両制御の態様を可変にする、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
意識低下状態から覚醒した直後でも、車両挙動を安定化させることができる運転支援装置及び運転支援方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照しながら説明する。
本実施形態の運転支援装置100の概略について説明する。運転支援装置100は、意識低下状態であった運転者の意識が覚醒状態に復帰した直後、意識低下状態又は覚醒状態とは異なる態様で運転支援制御を実行する。以下、意識低下状態から覚醒状態に復帰した直後を、単に「覚醒した直後」という。運転支援制御の一例を以下に示す。
a)車線逸脱防止制御
b)車間維持制御
図1(a)は本実施形態の車線逸脱防止制御の一例を模式的に示す図である。車両11は車線逸脱防止装置及び眠気検知装置を有する。図1(a)の車両11の運転者は眠気やアルコールの影響、疾病等により意識低下状態で運転しているが、図示する位置で眠気検知装置は運転者が覚醒したことを検知する。
【0010】
車線逸脱防止装置は、意識低下状態では常態の車線逸脱防止制御(以下、第1の車線逸脱防止制御という)を実行し、覚醒した直後は第1の車線逸脱防止制御に加え、逸脱するおそれのある方向と反対側の方向の車線を逸脱することを防止する(以下、第2の車線逸脱防止制御という)。
【0011】
車線を逸脱しかけた車両11の運転者は覚醒直後であっても、例えば対向車を避ける方向や車線を逸脱しない方向に操舵することが多いので、操舵方向は正しいとしてよい。しかし、覚醒直後に操舵する場合、急激に操舵することがあるため、逸脱傾向の方向の車線と反対の車線を逸脱するおそれがある。そこで、第2の車線逸脱防止制御により、運転者が急操舵しても操舵トルクを制限する等して反対方向の車線の逸脱を防止する。また、運転者が覚醒しても操舵が遅れた場合には、第1の車線逸脱防止制御により逸脱傾向の方向の車線へ逸脱することを防止できる。なお、運転者が覚醒状態になった後は、第1の車線逸脱防止制御に戻る。
【0012】
このように、運転者が覚醒した直後か否かで異なる態様で車線逸脱防止制御を実行することで、運転者が不正確な急操舵をしても車両挙動を安定に保ちやすくできる。
【0013】
図1(b)は本実施形態の車間距離制御の一例を模式的に示す図である。車両11は車間距離制御装置及び眠気検知装置を有する。図1(b)の車両11の運転者は意識低下状態で運転しているが、図示する位置で眠気検知装置は運転者が覚醒したことを検知する。車間距離制御装置は、意識低下状態では常態の車間距離制御(以下、第1の車間距離制御という)を実行し、覚醒した直後は、制動力を抑制する第2の車間距離制御を実行する。常態の車間距離制御とは、運転者がブレーキペダルを操作しなくても制動する自動制動、及び、先行車等の障害物が検出されている場合に運転者がブレーキペダルを操作した場合には制動力を上乗せする制御である。
【0014】
覚醒した直後の運転者が先行車両等の障害物を認知して加える制動は急制動となりやすい。そこで、第2の車間距離制御により、運転者が急制動しても制動力を抑制することで、スリップや後続の他車両との車間が狭くなることを防止する。なお、運転者が覚醒状態になった後は、第1の車間距離制御に戻る。
【0015】
なお、眠気がある状態から覚醒するまで継続的に運転者を支援し、覚醒した直後にアクセルとブレーキペダルの踏み間違いがあった場合にはエンジン出力等を抑制する制御をすることが考えられる。しかし、覚醒した直後の運転者は、突発的な操作(操舵や制動)を行うことが多いため、意識低下時又は覚醒時と同じ態様で運転者を支援しても、適切な支援とならない場合がある。これに対し、本実施形態の車間距離制御では、運転者が覚醒した直後は、意識低下状態又は覚醒状態と異なる態様で車間距離制御を実行することで、運転者が急制動を加えても車両挙動が不安定になることを防止できる。
【0016】
なお、車間距離制御として、例えばPCS(Pre-crash Safety System)やACC(Adaptive Cruise Control)が知られているが、覚醒した直後に必要となる車間距離制御は異常接近の回避という点で同様なので両者を区別しない。
【0017】
図2は、運転支援装置100の概略構成図の一例を示す。運転支援装置100は、車線逸脱防止装置60、眠気検知装置70及び車間距離制御装置80を有する。これら各装置間及び各装置内は、相互にCAN(Controller Area Network)等の車載LANや専用線を介して接続され、時分割多重通信によりセンサの検出信号やスイッチの状態を送信して、以下の制御を実現する。
【0018】
〔車線逸脱防止装置60〕
車線逸脱防止装置60は、前方監視カメラ21、車線維持制御部25及びEPS(Electric Power Steering)27を有する。車線逸脱防止装置60は、CPU、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、入出力インターフェイス、メモリ、スイッチ素子及びCANインターフェイス等を備えた、車線維持制御部25により制御される。
【0019】
前方監視カメラ21は、例えば室内ルームミラーに車両前方のやや水平下向きに光軸を向けて搭載され、車両前方の所定角範囲で広がる領域を撮影する。前方監視カメラ21は、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)やCCD(Charge Coupled Device)の光電変換素子により、所定の輝度階調(例えば、256階調)の画像データを、サイクル時間(30〜60フレーム/秒)毎に出力する。
【0020】
車線維持制御部25は、車線維持制御に必要な機能を備え、運転者が覚醒した直後か否かに応じて態様を変えて車線維持制御を実行する。図3(a)は車線維持制御部25の機能ブロック図の一例を示す。各ブロックはCPUがメモリに記憶されたプログラムを実行するかASIC等のハードウェアにより実現される。
【0021】
白線認識部31は、前方監視カメラ21が順次撮影する画像データに対し画像処理を行い、映し出されている道路上に描かれた走行レーンを区切る左右の車線区分線(以下、白線という)を検出する。白線の認識については公知の技術を適用できる。例えば、1本の白線は両端に高周波成分たるエッジを有するので、車両前方の画像データの輝度値を水平方向に微分すると、白線の両端にピークが得られそれを画像データの上下方向に結んだエッジ線が推定できる。
【0022】
推定された白線をハフ変換することで左右の白線の直線式が得られ、この直線をそれぞれモデル式に表現する。モデル式はその係数に、左右の白線の消失点、道路曲率、ヨー角、幅員、オフセット量等の情報を含むので、これから、道路曲率、ヨー角、幅員、目標走行線(例えば中央線)、目標走行線からのオフセット量、等の白線情報が得られる。
【0023】
操舵トルク指示部33は、白線情報のうち車両11のオフセット量に応じてオフセットとは反対方向の付加トルクをEPS27に要求し、走行レーンの中央付近を走行するようにステアリングホイールの操舵を支援する。この付加トルクは例えば目標走行線を基準としたオフセット量に比例した値である。
【0024】
図3(b)は、EPS27の概略図の一例を示す。運転者によって操舵されるステアリングホイール101の回転中心には、ステアリングシャフト102が連結されており、ステアリングシャフト102には、ラック105及びピニオンギヤ107が連結されている。ステアリングホイール101の操舵に応じてステアリングシャフト102が回転すると、ステアリングシャフト102の回転角度がラック105の移動量となる。ラック105の両端にはタイロッド106が連結されており、タイロッド106によって操舵輪の夕イヤが左右に操舵される。
【0025】
ステアリングシャフト102には、運転者の操舵トルクを検出する操舵トルクセンサ103が設けられており、運転者がステアリングホイール101を操舵する際に生じる操舵トルクに応じた信号を検出する。操舵トルクセンサ103とラック105(ピニオンギヤ107)の間には、減速機104を介してアクチュエータ(例えば電動モータ)108が取り付けられている。なお、減速機104はウォームとウォームホイールを歯合した公知のものである。
【0026】
操舵トルク指示部33は、例えば車速に応じて上記の付加トルクを決定しアクチュエータ108を制御して、車両11が走行レーンを逸脱することを防止する。なお、操舵トルク指示部33は、運転者の操舵トルクが所定値以上の場合、運転者の車線変更の意志を検出して車線維持制御を停止する(オーバーライド)。また、操舵トルク指示部33は、運転者がステアリングホイール101を操舵した際の操舵トルク及び操舵方向を検出し、運転者の操舵トルクをアシストする方向にアクチュエータ108を駆動することで操舵アシスト制御を行う。
【0027】
図3(a)に戻り、操舵制御変更部32は、運転者が覚醒した直後のみ、操舵トルク指示部33に車線維持制御の変更を要求する。運転者が覚醒したことは眠気検知装置70から取得した覚醒復帰情報により検出する。なお、「覚醒した直後」の決定の仕方については後述する。
【0028】
操舵制御変更部32は、操舵トルクセンサ103により逸脱傾向の車線と反対方向に操舵トルクが検出された場合、例えば操舵トルクに比例した大きさで、アクチュエータ108を操舵トルクの検出された方向とは反対に駆動するよう操舵トルク指示部33に要求する。これによりステアリングシャフト102の回転に抵抗が加わるので、急操舵を抑制することができる。また、逸脱傾向の車線と反対方向に所定値以上の操舵トルクが検出された場合、操舵制御変更部32は、操舵トルク指示部33に予め設定された上限値によりアクチュエータ108を制御するよう要求する。これにより、運転者が急操舵しても急激な進路変更を抑制できる。なお、逸脱傾向の方向の車線はオフセット量(例えば右側が正、左側が負)から検知され、操舵方向は操舵トルク(例えば右側が正、左側が負)から検知される。
【0029】
また、逸脱傾向の方向の車線と反対方向の車線を逸脱することを防止するには、例えば、逸脱傾向の方向の車線と反対方向の車線のオーバーライドを禁止してもよい。オーバーライドは閾値以上の操舵トルクが検出された場合に車線維持支援制御を停止するものであるので、逸脱傾向の方向の車線と反対方向のオーバーライドの閾値を、操舵トルクセンサが103が検出しうる最大値より大きくすることで、オーバーライドが禁止される。
【0030】
なお、覚醒直後であっても運転者が操舵方向を間違えることは希なので、逸脱傾向の方向の車線については、運転者の操作による逸脱を許容する。これにより、運転者の操作による障害物の回避が容易になる。
【0031】
〔眠気検知装置70〕
眠気検知装置70は、ドライバモニタ22、意識低下判定部24及び警報装置28を有する。眠気検知装置70は、CPU、ASIC、入出力インターフェイス、メモリ、スイッチ素子及びCANインターフェイス等を備えた、意識低下判定部24により制御される。
【0032】
意識低下状態又は覚醒状態か否かは覚醒度から判定される。なお、意識低下状態は、眠気だけでなくアルコールや疾病等、種々の要因からもたらされるが、本実施形態ではこれらを区別せずに意識低下状態と称する。覚醒度は種々の方法で検出可能であり、このうちのいずれかの方法を用いてもよいし、いくつかの方法を組み合わせて覚醒度を検出して精度を向上させてもよい。覚醒度の検知方法には次のようなものがある。
・顔画像の撮影による閉眼検知
・心拍や脈拍などの生体信号を用いた検知
・顔の温度変化による検知
・漫然操作による検知
顔画像の撮影による閉眼検知の場合、閉眼時間をカウントするのでカウント値や瞬き頻度が覚醒度と相関する。生体信号を用いた検知の場合、脈拍が低下したら覚醒度が低下し、脈拍が上昇したら覚醒度が大きくなったことが検知される。顔の温度変化による検知の場合、顔の温度が低下したら覚醒度が低下し、上昇したら覚醒度が大きくなったことが検知される。漫然操作による検知の場合、運転者の操舵、アクセル操作、顔の動き、等の頻度が少なくなると覚醒度が低下し、操作の頻度が高い場合は覚醒度が大きいことが検知される。
【0033】
本実施形態では、例えば閉眼検知による覚醒度を、その他の検知結果により重み付けして運転者の覚醒度を検出する。したがって、ドライバモニタ22は、運転者の顔画像を撮影するカメラ、ステアリングホイール101等に設けられた生体信号検出センサ、顔の温度を検出する遠赤外線カメラ、操舵トルクセンサ103、アクセルペダルストロークセンサ等である。
【0034】
閉眼検知について簡単に説明する。この場合ドライバモニタ22は、ステアリングコラムのアッパーカバーの上側又はメータパネルに、運転者の顔をほぼ正面から撮影するように配置された撮影手段となる。ドライバモニタ22の撮像部はCMOS等の光電変換素子で構成され、夜間における運転者の顔の撮影を可能とするため赤外線投光器により赤外光が照射された運転者の顔を撮影する。
【0035】
意識低下判定部24は、この顔画像から運転者の眼の開度を検出する。目の開度の検出については公知技術を利用できる。目の開度は、例えば次のような手順で検出される。
顔の中心線の検出 → 鼻孔位置を決定 → 眼球追跡領域の決定 → 上瞼・下瞼の検出 → 眼の開度の検出 → 開閉の判定
・顔の中心線の検出
意識低下判定部24は、顔画像の背景部が静止しているのに対し、運転者の顔は顔画像毎に位置がずれることを利用して、顔画像から顔のおよその位置(顔の輪郭)を検出する。背景部と顔部の境界は、画素値の変動が大きいのでこの画素値を顔画像毎に監視することで、顔画像の左右方向及び上下方向で画素値の変動がピークを示す位置が顔の輪郭位置となる。
【0036】
ついで、意識低下判定部24は、顔画像の輪郭内のエッジ情報から顔の特徴点を検出する。顔の特徴点(眉、上下の瞼、鼻孔、口角、上下の唇の境など)は、肌に比べ輝度の変化が大きいのでエッジ情報が検出される。顔画像の画素値に上下方向及び左右方向からエッジ情報を検出することで、輝度小から大、輝度大から小の2種類のエッジ情報に囲まれる顔の各パーツの輪郭が得られる。
【0037】
また、意識低下判定部24は、エッジ情報から中央線を検出する。人の顔の特徴点は左右対称に配置されているので、左右のエッジ情報の数がほぼ均等になる線が顔の中央線である。
【0038】
・鼻孔位置を決定
意識低下判定部24は、顔の中心線をとおるやや縦長の鼻孔検出領域を唇よりも上方に設定し、例えば2値化処理などにより顔画像の明暗をはっきりさせ、水平に2つ存在するという鼻孔の特徴から、中央線を挟む一対の黒画素の連続領域を検出する。鼻孔検出領域の中央線の上(眉側)から中央線を起点に、左方向及び右方向に画素を走査して、黒画素の連続した領域(エッジ情報で囲まれた領域)を検出する。黒画素が検出された画素位置を識別しておき、黒画素が途切れたら中央線に戻り走査を繰り返す。左右に走査が終了したら、黒画素が検出された画素値であって所定数以上連続する黒画素を1つのグループとして扱う。グループとして検出された連続した黒画素のうち、左右に対称、形状(楕円形)、半径等の条件を満たす黒画素が鼻孔位置である。
【0039】
・眼球追跡領域の決定
意識低下判定部24は、鼻孔と眼の位置の関係の統計データを利用して、鼻孔位置に対し左右に長軸を有する長方形の眼球追跡領域を決定する。2つの鼻孔の中点に対し、個人差を吸収しうる眼球の位置は統計データから見積もることができる。この眼球位置を中心に、上下瞼を包含する例えば矩形領域が、眼球追跡領域である。矩形領域の大きさも統計的に定めることができる。
【0040】
・上瞼・下瞼の検出
意識低下判定部24は、眼球追跡領域から上瞼と下瞼の位置をそれぞれ検出する。眼球追跡領域において2値化処理を行い、眼球追跡領域の二値化画像における左側の画素列から、上から下向きに向かって画素値0の黒画素を検索し、黒画素が検索できたら1つ右の画素列について同様の検索を行っていく。したがって、この検索が右端まで終われば、上瞼の画素位置が得られる。同様に、下から上に向かって黒画素を検索することで下瞼の位置が検出される。
【0041】
・目の開度の検出
意識低下判定部24は、顔画像の横方向の同じ画素位置毎に、上瞼と下瞼の位置の差分(画素数)を算出する。各画素列のうち、上下の瞼位置の差を表す画素数が最大となった画素数が目の開度である。
【0042】
・開閉の判定
意識低下判定部24は、以上のようにして検出した目の開度から眼の開閉を判定する。この判定は、運転者が覚醒状態の眼の開度を閾値にして行う。意識低下判定部24は、例えば眠気検知装置70が起動してから所定時間(例えば数分間)の間、サイクル時間毎に撮影される顔画像から眼の開度を検出し、これから開閉を判定するための閾値を設定する。
【0043】
<覚醒度の決定>
意識低下判定部24は、眼の開閉の判定結果に基づき閉眼時間Tを計測する。例えば次のようなルールに基づき、閉眼時間Tを計測する。
a)開眼を検出した場合
閉眼時間T ← 閉眼時間T−所定増減量
b)閉眼を検出した場合
閉眼時間T ← 閉眼時間T+所定増減量
所定増減量は、顔画像の撮影のサイクル時間、すなわち、眼の開度を検出ためにかかる経過時間である。
【0044】
例えば、覚醒度を10段階程度に区分して、閉眼時間Tが大きいほど小さな覚醒度を対応づける。これにより、1〜10の数値で、数値が大きいほど覚醒度が高い指標を得ることができる。そして、意識低下判定部24は、閉眼時間Tから算出された覚醒度又は閉眼時間Tに、生体信号、顔の温度変化及び漫然操作の重み付けをして、最終的に覚醒度を決定する。例えば、生体信号が意識の低下を示す場合、覚醒度を1段階下げる(閉眼時間Tを5%割り増しする)等で重み付けすることができる。
【0045】
意識低下判定部24は、覚醒度が例えば3以下になると意識低下状態であると判定し、4以上であると覚醒状態であると判定する。意識低下状態と判定された場合、意識低下判定部24は警報装置28に警報音の吹鳴を要求する。警報装置28は、例えばビープ音の出力部、スピーカから警報音を出力するオーディオ装置、シートやステアリングホイール101を振動させる振動装置等、乗員(主に運転者)に意識低下状態であることを報知すると共に、覚醒するよう警告するものである。
【0046】
また、意識低下判定部24は、意識低下状態から覚醒したことを検出した場合、車線維持制御部25及び車間距離制御部26に覚醒状態復帰情報を出力する。
【0047】
<覚醒した直後>
「覚醒した直後」について説明する。図4は、覚醒度と時間の関係を模式的に示す図である。意識低下状態から覚醒すると覚醒度は急上昇するが、運転者には眠気が残っているのですぐには覚醒度は安定しない。その後、運転者が覚醒状態を保持できれば徐々に覚醒度が低くなる頻度が低減するので覚醒度も安定することになる(覚醒状態を維持できなければ覚醒度は低下する)。覚醒度が不安定な状態は、本実施形態の運転支援を継続することが好ましいと考えられるので、本実施形態ではこの覚醒直後から覚醒度が安定するまでの時間を「覚醒した直後」とする。
【0048】
したがって、「覚醒した直後」は、覚醒度が所定値以上であって、所定時間内の覚醒度の変動の幅が所定値以下(例えば、1〜2)になると終了する。なお、個人差や体調等に影響される変動を考慮した一定時間を「覚醒した直後」としてもよい。
【0049】
〔車間距離制御装置80〕
車間距離制御装置80は、レーダ装置23、車間距離制御部26及びECB29を有する。車間距離制御装置80は、CPU、ASIC、入出力インターフェイス、メモリ、スイッチ素子及びCANインターフェイス等を備えた、車間距離制御部26により制御される。
【0050】
レーダ装置23は、車両11の例えばフロントグリル内に設置され車両前方に向けてミリ波又はレーザレーダを送信すると共に先行車両等の障害物に反射した反射波を受信し、送信波を送信してから受信波が受信されるまでの時間により障害物との相対距離を、送信波と受信波の周波数との差に基づき相対速度を検出する。レーダ装置23は、例えば、車長方向を中心に左右方向の所定角度範囲を走査しながらレーザパルスを照射する。照射方向に障害物が存在すれば反射波が受信されるので、相対速度及び相対距離に加え、車両11の前方の所定範囲に存在する障害物の存在する方向を検出することができる。
【0051】
ECB29は、ブレーキコンピュータとブレーキアクチュエータ(以下、ACTという)と有する。ブレーキACTは圧力源の油送ポンプを有すると共に、ホイルシリンダとマスタシリンダとの間に、各ホイルシリンダ毎に、マスタシリンダとホイルシリンダとを連通又は遮断する増圧弁、及び、リザーバとホイルシリンダとを連通又は遮断する減圧弁を有する。ブレーキコンピュータは、増圧弁及び減圧弁を開閉することで、各車輪のホイルシリンダ圧を独立に増圧・減圧・保持できる。例えば、制動する場合には増圧弁を開弁し減圧弁を閉弁する。制動を解除する場合には増圧弁を閉弁し減圧弁を開弁する。
【0052】
なお、ECB29は、運転者のブレーキペダルの踏み込みをアシストするブレーキアシストシステムを備えている。ブレーキペダルの踏み込み速度(マスタシリンダ圧の増加速度)が所定値以上の場合、ブレーキコンピュータはこれを検知して、ホイルシリンダ圧を運転者がブレーキペダルを踏み込んだ踏力以上に増圧する。
【0053】
車間距離制御部26は、障害物との相対距離及び相対速度によりTTC(Time To Collition)を算出し、障害物との異常接近の可能性に応じて、ECB29に制動、制動力の増加又は抑制を要求する。
【0054】
上記のように、第1の車間距離制御は、運転者によるブレーキペダルの操作がなくても制動を加え、障害物と異常接近するおそれがある場合であって、運転者がブレーキペダルを操作した場合にのみ、運転者がブレーキペダルを踏み込む踏力以上に制動力を上乗せする、2つの制御が含まれる。第1の車間距離制御は、運転者が覚醒状態又は意識低下状態に実行される。これにより、とっさに十分な制動力が得られるよう制動力を上乗せすることができる。
【0055】
また、第2の車間距離制御は、上記のように運転者が急制動しても制動力を抑制する制御である。しかしながら、運転者が覚醒直後に急制動しても、制動力を抑制しない方がよい場合(急制動が好ましい場合)がある。例えば、先行車両等の障害物と異常接近するおそれがある場合である。このため、本実施形態の車間距離制御装置80は、障害物に異常接近するおそれがない場合にのみ制動力を抑制する。
【0056】
図5は、車間距離制御部26の機能ブロック図の一例を示す。制動力抑制部34は、次の条件を全て満たす場合に、運転者のブレーキペダルの操作があっても、ECB29にブレーキペダルの踏力よりも制動力を抑制するよう要求する(第2の車間距離制御)。なお、ブレーキペダルの操作は、例えばマスタシリンダ圧から検出する。
C0)ブレーキペダルの操作が検出される
C1)覚醒した直後である
C2)障害物が検出されない(TTCがいまだ十分に大きい)
図6(a)は、時間と制動力の関係の一例を示す図である。図示するように、ブレーキペダルの踏力による制動力が抑制され小さくなっている。これにより、覚醒した運転者が、とっさの判断を誤ってブレーキペダルを操作しても、制動力を抑制でき、車両挙動が不安定になること等を防止できる。
【0057】
なお、制動力の抑制には、制動力を全く与えないことを含む。図6(b)は、制動力を全く与えない場合の時間と制動力の関係の一例を示す。実際には、図6(b)のように完全に制動力をゼロにしてしまうと運転者が違和感を感じるので、図6(a)のように制動力を抑制することが好適となる。一方、図6(b)のように制動力をゼロとすれば、後続の他車両と接近するおそれがないので、例えば、後続する他車両との相対距離が極めて近いような場合には、制動力をゼロとしてもよい。後続の他車両との車間距離は、車両11の後方に配置されたレーダ装置又はカメラ等により検出される。
【0058】
これに対し、制動力上乗せ部35は、次の条件を全て満たす場合に、ECB29に制動力の上乗せを要求する。この場合、運転者は覚醒状態、意識低下状態及び覚醒した直後のいずれであってもよい。
C0)ブレーキペダルの操作が検出される
C3)障害物と異常接近するおそれがある(TTCが例えば5秒程度以下)
図6(c)は、時間と制動力の関係の一例を示す図である。図示するように、ブレーキペダルの踏力による制動力に、制動力上乗せ部35が要求した制動力が上乗せされている。これにより、覚醒した運転者が、強くブレーキペダルを操作できなくても大きな制動力が得られる。上乗せされる制動力の大きさは、例えば、ブレーキペダルの踏力に応じた値又は最大の制動力が得られる程度である。
【0059】
また、自動制動部36は、次の条件を全て満たす場合に、ECB29に制動を要求する。この場合、運転者は覚醒状態、意識低下状態及び覚醒した直後のいずれであってもよい。
C4)ブレーキペダルの操作が検出されない
C5)障害物と異常接近するおそれがある(TTCが例えば5秒程度以下)
このように、覚醒した直後、障害物が検出されない状態でブレーキペダルが操作された場合は制動力を抑制することで不要制動を抑制できる。一方、障害物が検出されている状態でブレーキペダルが操作された場合は制動力を上乗せすることで、異常接近の回避を容易にできる。すなわち、状況に最適化した制動が可能となる。
【0060】
〔運転支援装置100の動作手順〕
図7は、運転支援装置100の動作手順を示すフローチャート図の一例である。図7の動作手順は、例えばイグニッションがオンの状態で車速が所定値以上の場合にスタートする。
【0061】
眠気検知装置70は、ドライバモニタ22により検出される撮影する顔画像、生体信号、顔の温度変化、操作情報、から覚醒度を検出する(S10)。そして、覚醒度に基づき意識低下状態か覚醒状態かを判定する。意識低下状態でない場合(S20のNo)、ステップS10の判定を繰り返す。
【0062】
意識低下状態の場合(S20のYes)、意識低下判定部24は警報装置28に警報音の吹鳴を要求する(S30)。そして、意識低下判定部24は、運転者が覚醒したか否かを判定する(S40)。意識低下判定部24は、例えば、覚醒度が4以上になると覚醒したと判定する。なお、警報装置28が警報音を吹鳴したこと(S30)、すなわち、意識低下判定部24が意識低下状態であると判定したことをもって覚醒したと判定してもよい。これは、覚醒状態から意識低下状態に陥った直後なら、すぐに覚醒できると考えられ、警報音の吹鳴によりほぼ確実に覚醒したと予測できるからである。
【0063】
運転者が覚醒しない場合(S40のNo)、意識低下状態であると判定され(S10、S20)、警報装置28は警報音の吹鳴を継続する(S30)。
【0064】
運転者が覚醒した場合(S40のYes)、意識低下判定部24は覚醒復帰情報を車線維持制御部25及び車間距離制御部26に送出する。車線逸脱防止装置60は覚醒復帰情報を取得した直後のみ、図8(a)に示す第2の車線逸脱防止制御を実行する(S50)。
【0065】
また、運転者が覚醒した場合(S40のYes)、車間距離制御装置80は覚醒復帰情報を取得した直後のみ、図8(b)に示す第2の車間距離制御を実行する(S60)。
【0066】
ついで、意識低下判定部24は、「覚醒した直後」が終了したか否かを判定し(S70)、車線逸脱防止装置60と車間距離制御装置80は、それぞれ「覚醒した直後」が終了するまで、制御を継続する。
【0067】
図8(a)は車線逸脱防止装置60の制御手順(図7のステップS50)を示すフローチャート図の一例である。
【0068】
操舵制御変更部32は、覚醒復帰情報を取得すると、逸脱傾向の車線と反対方向に操舵トルクが検出されたか否かを判定する(S210)。反対方向に操舵トルクが検出された場合(S210のYes)、操舵制御変更部32は、反対方向への車線の逸脱を防止するよう操舵トルク指示部33に要求する(S220)。
【0069】
また、反対方向に操舵トルクが検出されない場合(S210のNo)、車線維持制御部25は第1の車線逸脱防止制御を実行する(S230)。この場合、覚醒した運転者が操舵しない場合と、逸脱方向に操舵トルクが検出される場合がある。前者の場合は逸脱のおそれがないとしてよく、後者の場合、車線維持制御部25は逸脱するおそれがあればオフセット量に比例した付加トルクを逸脱方向とは反対方向に付加し、運転者がオーバーライドした場合には許容する。したがって、覚醒直後の運転者が急操舵しても逸脱方向とは反対方向の車線を逸脱することを防止しながら、車線を維持し又は運転者の操作を優先することができる。ステップS220又はS230の処理が終了すると、図7のステップS60に戻る。
【0070】
図8(b)は、車間距離制御装置80の制御手順(図7のステップS60)を示すフローチャート図の一例である。
【0071】
車間距離制御部26は、ブレーキペダルが操作されたか否かを判定する(S110)。ブレーキペダルが操作されなければ(S110のNo)、障害物と異常接近するおそれがあれば自動制動部36は自動制動を加えて、図8の処理は終了する(S150、S160)。
【0072】
ブレーキペダルが操作された場合(S110のYes)、車間距離制御部26はレーダ装置23の信号に基づき障害物と異常接近するおそれがあるか否かを判定する(S120)。
【0073】
そして、異常接近するおそれがある場合(S120のYes)、制動力上乗せ部35はECB29に対し、ブレーキペダルの踏力による制動力に制動力の上乗せを要求する(S130)。
【0074】
また、異常接近するおそれがない場合(S120のNo)、制動力抑制部34はECB29に対し、ブレーキペダルの踏力による制動力を抑制するよう要求する(S140)。ステップS130、S140又はS160の処理が終了すると、図7のステップS70に戻る。
【0075】
したがって、障害物が検出されるか否かに応じて制動力を抑制し又は制動力を上乗せできるので、状況に最適化した制動が可能となる。
【0076】
〔運転者が覚醒した直後か否かに応じて異なる態様で制御される他の例〕
例えば、運転者に対する警告においても、運転者が覚醒した直後か否かに応じて異なる態様で与えることができる。
【0077】
図9は、後側方の他車両の存在を車両11の運転者に警告する警告制御の一例を模式的に示す図である。車両11は警告装置及び眠気検知装置を有し、図示する位置で覚醒したと判定される。
【0078】
警告装置は、後側方の他車両をレーダ等で検出しながら、車線変更時に後側方に他車両が検出されると警報音等を吹鳴して運転者に警告する。車線変更は、運転者がウィンカを操作により検出することが一般的であるが、ウィンカを操作せずに車線変更する場合には警告できず、また、後側方の他車両を把握している運転者にとっては警告が煩わしさを感じさせることがある。
【0079】
そこで、意識低下状態から覚醒した直後のみ、ウィンカが操作されなくても後側方の他車両の存在を警告することが考えられる。例えば、覚醒状態ではウィンカ操作に関わらず、後側方の他車両の検知範囲を最小限に制限できるか又は検知を禁止する。また、例えば、意識低下状態では、運転者が車線変更することはなく、また、車線逸脱防止装置60により車線が維持されるとしてよいので、後側方の他車両の検知範囲を最小限に制限できるか又は検知を禁止できる。
【0080】
これに対し、運転者が覚醒した直後は、運転者はウィンカ操作することなく回避行動を取ることが多いので、運転者がウィンカ操作しなくても、後側方の他車両の検知範囲を意識低下状態よりも拡大し、また、警報音を注意喚起性の高い音色にすることが好適となる。したがって、覚醒した直後の判断力が低下した状態の運転者に対し、後側方の注意喚起を促しやすくすることができる。
【0081】
以上説明したように、本実施形態の運転支援装置100は、意識低下状態から覚醒した直後は車両11の制御態様を変更するので、覚醒直後の判断ミスによる急操作や急操作に起因する好ましくない車両挙動を回避できる。また、車両11の警告態様を変更することで、運転者が感じる煩わしさを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【図1】車線逸脱防止制御、車間距離制御の一例を模式的に示す図である。
【図2】運転支援装置の概略構成図の一例である。
【図3】車線維持制御部の機能ブロック図の一例である。
【図4】覚醒度と時間の関係を模式的に示す図の一例である。
【図5】車間距離制御部の機能ブロック図の一例である。
【図6】時間と制動力の関係の一例を示す図である。
【図7】運転支援装置の動作手順を示すフローチャート図の一例である。
【図8】車線逸脱防止装置の制御手順(図7のS50)、車間距離制御装置の制御手順(図7のS60)、を示すフローチャート図の一例である。
【図9】警告制御の一例を模式的に示す図である。
【符号の説明】
【0083】
11 車両
21 前方監視カメラ
22 ドライバモニタ
23 レーダ装置
24 意識低下判定部
25 車線維持制御部
26 車間距離制御部
27 EPS
28 警報装置
29 ECB
60 車線逸脱防止装置
70 眠気検知装置
80 車間距離制御装置
100 運転支援装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
運転者の覚醒度に応じて運転者を支援する運転支援装置において、
運転者が意識低下状態から覚醒した直後か否かに応じて、運転者を支援する車両制御の態様を可変にする、
ことを特徴とする運転支援装置。
【請求項2】
車線区分線の逸脱を防止する車線逸脱防止装置を有し、
前記車線逸脱防止装置は、運転者が意識低下状態から覚醒した直後、左右の車線のいずれか一方の方向へのオーバーライドを禁止する、
ことを特徴とする請求項1記載の運転支援装置。
【請求項3】
前記車線逸脱防止装置は、運転者が意識低下状態から覚醒した直後、運転者が逸脱傾向の車線と反対方向に操舵しても、逸脱傾向の車線と反対側の車線の逸脱を防止する操舵制御変更手段を有する、
ことを特徴とする請求項2記載の運転支援装置。
【請求項4】
前方の障害物との異常接近を回避する車間距離制御装置を有し、
前記車間距離制御装置は、運転者が意識低下状態から覚醒した直後、
前方の障害物が検出されている場合であって、かつ、運転者の制動操作が検出された場合は、制動力を上乗せする制動力上乗せ手段と、
前方の障害物が検出されていない場合であって、かつ、運転者の制動操作が検出された場合は、制動力を抑制する制動力抑制手段と、
を有することを特徴とする請求項1記載の運転支援装置。
【請求項5】
運転者の覚醒度に応じて運転者を支援する運転支援方法において、
運転者が意識低下状態から覚醒した直後か否かに応じて、運転者を支援する車両制御の態様を可変にする、
ことを特徴とする運転支援方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−274482(P2009−274482A)
【公開日】平成21年11月26日(2009.11.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−125082(P2008−125082)
【出願日】平成20年5月12日(2008.5.12)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】