説明

電子写真装置

【課題】感光体ドラムの実装間隔を短縮した小型の電子写真装置を提供する。トナーフィルミング現象や、トナー規制力不足による通過トナーの増加およびトナー帯電量不足現象などが無いトナー規制ブレードを備えた小型の電子写真装置を提供する。
【解決手段】トナー規制ブレード63を少なくとも1つの折り曲げ加工を施したばね材の一体形成品とし、かつ、トナー規制ブレード63を中間転写ベルト44または用紙搬送ベルトの法線に沿う方向に、かつ、現像ローラ61の回転に従うfollowing方向に配置し、現像手段60先端部のベルト移動方向105の厚さを現像手段60のトナー収容部65の厚さよりも薄くし、現像手段60のトナー収容部65と薄くなった現像器先端部71とで囲まれた空間に露光手段42を配置し、画像形成手段70を上下に積み重ねる際のピッチPを小さくする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真技術を用いてカラー画像を形成する複写機,プリンタ,ファクシミリなどの画像形成装置に係り、特に、複数のカラートナーを用いてカラー画像を形成する電子写真装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式では、一様に帯電させた感光体上に露光手段からの光を照射して画像データに対応した静電潜像を形成し、感光体上の静電潜像にトナーを付着させて静電潜像を現像し、このトナー画像を記録媒体に転写し定着させる。
【0003】
この「発明の詳細な説明」では、記録媒体を用紙として説明するが、記録媒体は、紙に限らず、プラスチックなどの種々の素材で形成されたシート状の記録媒体をすべて含む。
【0004】
カラー画像を形成する場合は、例えば、イエローY,マゼンタM,シアンC,ブラックKなどの複数のカラートナーを重ね合わせて画像を形成する。
【0005】
カラー画像形成方式には、1つの感光体に各カラートナーを繰り返し現像してカラー画像を形成する繰り返し現像方式と、複数個の感光体で各カラートナーを同時に現像してカラー画像を形成する同時現像方式とがある。
【0006】
繰り返し現像方式は、1つの感光体を用いてカラー画像を形成する方式であり、その一例として、4回転方式がある。
【0007】
4回転方式とは、感光体の周囲に各々異なるカラートナーを現像する複数個の現像器と中間転写体とを配置し、感光体上に形成したトナー画像を中間転写体上に順次1色ずつ転写する方式である(例えば、特許文献1参照)。
【0008】
この転写を各色ごとに繰り返して複数のカラートナー画像を中間転写体上で重ね合わせた後、中間転写体上のカラートナー画像を媒体に転写し、カラー画像を定着させる。
【0009】
4回転方式では、例えば、イエローY,マゼンタM,シアンC,ブラックKのカラートナー画像を1色ずつ感光体上に順次形成し、中間転写体上に重ね合わせて転写するので、モノクロ画像を形成する場合と比較すると、画像形成におよそ4倍の時間を要する。
【0010】
同時現像方式とは、各色に対応した複数の感光体でほぼ同時にトナー画像を形成し、用紙の搬送に対応させてトナー画像を転写し、カラー画像を形成する方式であり、タンデム方式とも呼ばれる(例えば、特許文献2参照)。
【0011】
タンデム方式では、感光体,帯電手段,露光手段,現像手段,クリーナ手段を含む画像形成手段を各色ごとに独立して備えるので、イエローY,マゼンタM,シアンC,ブラックKのカラートナーによってカラー画像を形成する場合には、画像形成手段を4セット備えなくてはならない。
【0012】
タンデム方式では、独立した4セットの画像形成手段でほぼ同時並行にトナー画像を形成し、トナー画像を中間転写体または用紙に転写する。タンデム方式は、カラー画像を同時に重ねるので、モノクロ画像を形成する場合と比較すると、ほぼ同じ時間でカラー画像を形成でき、カラー画像の高速印刷に向いた方式である。
【0013】
近年、オフィスでは文書のカラー化の要求が高まり、カラープリンタが急速に普及しつつある。また、印刷の高速化が望まれ、タンデム方式のカラープリンタが注目されている。
【0014】
ところが、タンデム方式のカラープリンタは、画像形成手段を4セット備えるため、装置の小型化が困難であり、繰り返し現像方式のカラープリンタと比べて大型であった。
【0015】
従来のタンデム方式のカラープリンタの一例としては、特許文献2に示されたように、露光手段としてLEDアレイを用いる画像形成手段を4セット上下に重ねて配置した構成がある。この例においては、露光精度を確保するために露光手段は固定的に実装され、現像器すなわちプロセスカートリッジは、抜き差し可能になっている。
【0016】
電子写真装置本体の中央部に露光手段を固定的に設置し、前記本体に着脱可能な帯電手段,現像手段,クリーナ手段などの間に形成されたスペースを通して前記露光手段からの光ビームを感光体に照射する構造も提案されている(例えば、特許文献3参照)。
【0017】
現像ローラ上にトナー薄層を形成するトナー規制ブレードに関しては、板ばねの先端にシリコン化合物やフッ素化合物からなる弾性体ブレードを設置するトナー規制ブレードの構造が開示されている(例えば、特許文献4参照)。
【0018】
現像ローラの回転へのfollowing方向すなわち現像ローラの表面移動方向と同方向からこの現像ローラに接触する先端で、ブレード先端と現像ローラとの間に30°≦θ≦90°の開きを形成するようにブレード先端を一回曲げたトナー規制ブレードの構造が開示されている(例えば、特許文献5参照)。
【0019】
現像ローラの回転へのagainst方向すなわち現像ローラの表面移動方向と逆方向からこの現像ローラに接触するブレード先端で、ブレード先端と現像ローラとの間に所定の開きを形成するようにブレード先端を一回曲げたトナー規制ブレードの構造が知られている(例えば、特許文献6参照)。
【0020】
現像ローラの回転へのagainst方向から現像ローラに接触するブレード先端に、一体形成により断面円弧部分を形成したトナー規制ブレードの構造が開示されている(例えば、特許文献7参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0021】
特許文献2のタンデム方式においては、感光体ピッチは、感光体直径のおよそ2.4倍である。感光体ピッチを感光体直径の2倍以下にまで狭めようとすると、上下に配置された画像形成手段同士が干渉するので、この部分の小型化には限界がある。
【0022】
特許文献3の例においては、電子写真装置本体の中央部に露光手段を固定的に設置し、前記本体に着脱可能な帯電手段,現像手段,クリーナ手段などの間に形成されたスペースを通して前記露光手段からの光ビームを感光体に照射するので、画像形成手段全体が大型となり、画像形成手段の小型化には限界がある。
【0023】
特許文献4,5の例においては、現像手段全体の小型化に適した構成は開示されていない。
【0024】
特許文献6のトナー規制ブレード先端をagainst方向から現像ローラに接触させる方式では、ほとんどの場合、板ばねの根元を固定する固定部材が、現像ローラの上方に配置される。規制ブレードのばね定数を小さくして押圧力のばらつきを低減するためにばねをより長くすると、現像ローラ上方の空間を更に多く必要とするので、現像手段を厚くする必要があり、画像形成手段を小型化できない。
【0025】
特許文献7のトナー規制ブレードの断面円弧形状先端をagainst方向から現像ローラに接触させる方式では、against方式であるために、現像器の小型化には適さない。また、ブレード先端に断面円弧形状が形成されているトナー規制ブレードをfollowing方向接触する方式に転用し、しかもほぼ水平に配置した場合には、規制されたトナーがトナー規制ブレードと現像ローラとの間に滞留しこのトナーが規制ブレードまたは現像ローラに固着するトナーフィルミング現象や、トナー規制力不足による通過トナーの増加およびトナー帯電量不足現象などが発生してしまう。
【0026】
本発明の目的は、感光体ドラムの実装間隔を短縮した小型の電子写真装置を提供することである。
【0027】
本発明の他の目的は、トナーフィルミング現象や、トナー規制力不足による通過トナーの増加およびトナー帯電量不足現象などが無いトナー規制ブレードを備えた小型の電子写真装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0028】
本発明は、上記目的を達成するために、表面に感光層を備えた感光体ドラムと、感光層を所定電位に帯電させる帯電手段と、感光層を画像データに基づいて露光し静電潜像を形成する露光手段と、感光体ドラムの静電潜像にトナーを付着させてトナー像を形成する現像手段とを含む画像形成手段を複数備え、複数の画像形成手段が、駆動ローラと従動ローラとに張り渡されて回転する無端の中間転写ベルトまたは媒体搬送ベルトの直線状部分の外周面に感光体ドラムを接触させ直線状部分に沿って互いに重ね合って配置され、複数の感光体ドラムに形成されたトナー像を中間転写ベルトを介してまたは媒体に直接転写してカラー画像を形成する電子写真装置において、現像手段が、感光体ドラムと接触して回転し感光体ドラムの表面にトナー薄層を形成する現像ローラ,現像ローラにトナーを供給する供給ローラ,現像ローラ外周面と所定圧力で線状に接触して現像ローラ表面にトナー薄層を形成するトナー規制ブレードを含む現像器先端部と、現像器先端部に結合されトナーを収納するトナー収容部とを備え、中間転写ベルトまたは媒体搬送ベルトの移動方向の現像器先端部の厚さが、前記移動方向のトナー収容部の厚さよりも小さく、露光手段が、現像器先端部の厚さが小さくなっている個所に配置されている電子写真装置を提案する。
【0029】
本発明は、上記他の目的を達成するために、表面に感光層を備えた感光体ドラムと、感光層を所定電位に帯電させる帯電手段と、感光層を画像データに基づいて露光して静電潜像を形成する露光手段と、感光体ドラムの静電潜像にトナーを付着させてトナー像を形成する現像手段とを含む画像形成手段を複数備え、複数の画像形成手段が、駆動ローラと従動ローラとに張り渡されて回転する無端の中間転写ベルトまたは媒体搬送ベルトの直線状部分の外周面に感光体ドラムを接触させ直線状部分に沿って互いに重ね合って配置され、複数の感光体ドラムに形成されたトナー像を中間転写ベルトを介してまたは媒体に直接転写してカラー画像を形成する電子写真装置において、現像手段が、感光体ドラムと接触して回転し感光体ドラムの表面にトナー薄層を形成する現像ローラ,現像ローラにトナーを供給する供給ローラ,現像ローラ外周面と所定圧力で線状に接触して現像ローラ表面にトナー薄層を形成するトナー規制ブレードを含む現像器先端部と、現像器先端部に結合されトナーを収納するトナー収容部とを備え、トナー規制ブレードが、中間転写ベルトまたは媒体搬送ベルトの直線状部分の法線に沿う方向に延び、現像ローラの回転へのfollowing方向から現像ローラに接触するように配置され、トナー規制ブレードの断面形状が√記号形であり、トナー規制ブレードの接触部と現像ローラとが、現像ローラの軸中心から現像ローラの回転上流方向に約10〜60°の位置で接触している電子写真装置を提案する。
【発明の効果】
【0030】
本発明によれば、画像形成手段70を上下に積み重ねた際の縦方向ピッチまたは水平方向に積み重ねた際の横方向ピッチを小さくでき、小型のカラータンデム型プリンタを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明による電子写真装置の実施形態1の全体構成を示す断面図である。
【図2】実施形態1の主要部の構成を示す断面図である。
【図3】実施形態1の主要部において1つの現像手段を抜き出した状態を示す断面図である。
【図4】本発明による電子写真装置の実施形態2の主要部の構成を示す断面図である。
【図5】現像手段先端部におけるトナー規制ブレード配置の従来例を示す断面図である。
【図6】本発明による電子写真装置の実施形態3の全体構成を示す断面図である。
【図7】本発明による電子写真装置の実施形態4の全体構成を示す断面図である。
【図8】本発明による電子写真装置の実施形態5の全体構成を示す断面図である。
【図9】本発明による電子写真装置の実施形態6の全体構成を示す断面図である。
【図10】本発明による電子写真装置の実施形態7の全体構成を示す断面図である。
【図11】本発明による電子写真装置の実施形態8の全体構成を示す断面図である。
【図12】トナー規制ブレードおよび取り付け手段の実施形態の具体的構造を示す図である。
【図13】トナー規制ブレードおよび取り付け手段の実施形態の具体的構造を示す図である。
【図14】現像器先端部とトナー収容部とが分離可能な現像手段の実施形態の具体的構造を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
狭いピッチ実装を実現するには、画像形成手段を構成する感光体ドラム,帯電手段,露光手段,現像手段,転写手段それぞれを小型化する必要がある。
【0033】
帯電手段としては、従来から多用されてきたスコロトロン帯電器に代わって、導電性ゴムローラや導電性フェルト状繊維からなるブラシを用いたローラ帯電方式やブラシ帯電方式などを用いてもよい。
【0034】
露光手段としては、レーザ光を回転するポリゴンミラーを用いて副走査方向(用紙の幅方向)に走査させるレーザ露光手段に代えて、例えば発光ダイオードLED列を走査方向に1列に並べて配置したLEDアレイを用いて機械的な可動部分を廃して小型化するなどの手段を用いることができる。
【0035】
帯電手段,露光手段,現像手段,転写手段,クリーナ手段は、この順序に感光体表面に沿って配置しなければならないので、感光体を小型化し感光体ピッチを短縮するには、現像手段の感光体近傍部分を薄型化することが必須となる。
【0036】
隣接した画像形成手段同士が干渉しないような形状や位置関係とすれば、4色のカラートナー像を形成する画像形成手段を高密度に実装して小型化でき、タンデム型プリンタの小型化が可能となる。
【0037】
一方、現像手段は、トナー容器としてはその容量をできるだけ大きくし、ユーザによるトナー交換頻度を少なくすることが望ましい。
【0038】
したがって、感光体と接触する部分の周りはできるだけ小型化/薄型化する一方で、トナー容器の容量を大きくしたいというトレードオフの要求がある。
【0039】
また、本発明が対象とする電子写真装置は、感光体ドラム表面に露光手段により形成された静電潜像を現像手段先端部に配置された現像ローラにより現像するので、露光手段は、現像手段の中間転写ベルトまたは用紙搬送ベルトの移動方向に隣接して配置される。露光手段と現像手段とがベルト移動方向に隣接して配置される結果、画像形成手段の積み重ねピッチは、露光手段と現像手段との積み重ねピッチに依存する。
【0040】
現像手段は、現像ローラ,供給ローラ,トナー規制ブレードが装備された現像器先端部と、この先端部に接続されトナーを収容するトナー収容部とからなる。このうち、露光手段と隣接するのは、現像器先端部である。画像形成手段の積み重ねピッチは、露光手段と現像器先端部の積み重ねピッチに依存する。
【0041】
発明者らは、この点に着目し、現像器先端部のベルト移動方向の厚さをトナー収容部の厚さよりも薄くし、厚さを薄くした現像器先端部に隣接して露光手段を配置し、全体として画像形成手段の積み重ねピッチを縮小した。
【0042】
現像器先端部の厚さを小さくする方策として、現像器先端部に装着されるトナー規制ブレードを、現像ローラの軸線に直交する平面で切った断面形状が、中間転写ベルトまたは用紙搬送ベルトの法線に沿う方向に配置するとともに、現像ローラに対して現像ローラの回転する上流側から接触するように配置した。
【0043】
このようにトナー規制ブレードを配置すると、トナー規制ブレードの長さが、現像器先端部の厚さに影響しなくなり、現像器先端部の厚さを薄くできた。
【0044】
また、トナー規制ブレードに少なくとも1つの一体成型による折り曲げ加工を施し、規制されたトナーを効率よく循環させる空間を確保しながら、トナー規制ブレード先端を現像ローラに均一に接触させ、現像に必要なトナー薄層を長期に亘り安定して形成できるようにした。
【0045】
この結果、画像形成手段の積み重ねピッチ、すなわち、現像器先端部および露光手段の中間転写ベルトまたは用紙搬送ベルトの移動方向の厚さの和は、両者間に必要な隙間を含め、感光体ドラムの直径の1.6〜2倍にできた。
【0046】
トナー収容部の中間転写ベルトまたは用紙搬送ベルトの移動方向の厚さを複数の画像形成手段の配置ピッチとほぼ等しくすると、十分なトナー収容量を確保できる。
【0047】
なお、トナー収容部と厚さを薄くした現像器先端部とから形成される段差状の空間に、画像形成手段または現像手段に隣接して配置された別色のカラートナーを用いる画像形成手段の露光手段と帯電手段とを配置するようにしてもよい。
【0048】
次に、図1〜図14を参照して、本発明による電子写真装置の実施形態を説明する。
【実施形態1】
【0049】
図1は、本発明による電子写真装置の実施形態1の全体構成を示す断面図である。
【0050】
実施形態1の電子写真装置は、ケース100と、用紙カセット2と、用紙分離手段3と、搬送手段4と、用紙搬送路5と、開閉扉6と、用紙位置検出手段8と、レジストローラ9と、イエローY,マゼンタM,シアンC,ブラックKの4セットの画像形成手段70と、中間転写ベルト44と、駆動ローラ45と、従動ローラ45aと、張力調整ローラ46と、転写クリーニング手段48と、第2転写ローラ50と、定着器51と、一対の排紙ローラ52と、排紙トレイ53とからなる。
【0051】
用紙カセット2は、ケース100の底部に前面側に引き出し可能に配置され、用紙1を収容する。用紙分離手段3は、用紙カセット2の開閉扉6に近い側の端部に設置され、用紙カセット2にセットされた複数の印刷用紙1を一枚ずつ分離する。
【0052】
搬送手段4は、ゴムローラなどからなり、用紙搬送ガイドを備える搬送路5に沿って一枚ずつに分離された用紙1を矢印102方向に所定速度で搬送する。用紙搬送路5は、用紙分離手段3と用紙カセット2との接点から始まり、駆動ローラ45および第2転写ローラ50を経て、排紙ローラ52まで延びている。
【0053】
開閉扉6は、ケース100の前面に配置され、回動支点7を中心にして矢印101方向に開く。
【0054】
用紙位置検出手段8は、レジストローラ9の上流側の搬送路5に配置され、用紙位置を検出する。用紙位置検出手段8は、用紙1表面からの光反射量の変化を検出する反射光検知方式、用紙1が発光体と受光体との間を通過する際の受光量変化を検出する透過光検知方式、用紙1先端のレバーへの接触を検出するレバー検知方式などのいずれかを採用し、用紙1の先端が用紙位置検出手段8に到達したことを検出し、用紙位置信号を出力する。一対のレジストローラ9は、第2転写ローラ50の用紙分離手段3に近い側の搬送路5に、第2転写ローラ50に隣接して配置されている。
【0055】
イエローY,マゼンタM,シアンC,ブラックKの画像形成手段70は、中間転写ベルト44の開閉扉6に近い側に沿って上から順に積み重ね配置されている。
【0056】
無端の中間転写ベルト44は、駆動ローラ45と従動ローラ45aとに環状に掛け渡されている。駆動ローラ45は、軸線を回動支点7の軸線に平行させてケース100の中央上部に設置されている。従動ローラ45aは、軸線を駆動ローラ45の軸線に平行させて駆動ローラ45の下方に配置されている。張力調整ローラ46は、中間転写ベルト44の開閉扉6から遠い側の内側に接触している。
【0057】
転写クリーニング手段48は、中間転写ベルト44を挟んで、従動ローラ45a対向している。転写クリーニング手段48は、一端を中間転写ベルト44の外周面に所定圧力で接触させて配置され、外周面に残留しているトナーを掻き落とすクリーニングブレード49を備えている。掻き落とされたトナーは、転写クリーニング手段48の容器に集積される。
【0058】
なお、実施形態1では、中間転写ベルト44の外周面に残留しているトナーを掻き落とすために、クリーニングブレード49を用いているが、クリーニングローラを用いてもよい。
【0059】
第2転写ローラ50は、駆動ローラ45に軸線を平行させ、外周面を駆動ローラ45の外周面に接触して配置されている。搬送路5を矢印102方向に搬送されてきた用紙1を中間転写ベルト44に接触させ、中間転写ベルト44上に形成されたトナー画像を用紙1の表面に転写する。
【0060】
定着器51は、第2転写ローラ50の排紙トレイ53に近い側の搬送路5に設置されている。定着器51は、内部にニクロム線やハロゲンランプなどの加熱手段を備え、用紙1上のトナーが溶融する温度まで温度上昇させるとともに、所定圧力を加えて溶融したトナー画像を用紙1上に定着する。定着器51の用紙排出側には、用紙1を搬送路5に沿って移動させるために、用紙を両面から挟む曲面ガイドが設けられている。
【0061】
一対の排紙ローラ52は、排紙トレイ53の開閉扉6から遠い側に軸線を回動支点7の軸線に平行させ、外周面を互いに接触させて配置されている。排紙ローラ52は、搬送されてきた用紙1を外部に排出する。
【0062】
ケース100の上部の排紙トレイ53は、排紙ローラ52から装置外部に排出された用紙1を保持する。
【0063】
図2は、実施形態1の主要部の構成を示す断面図である。
【0064】
カラー画像を得るためには4セットの画像形成手段70が必要であるが、図2では、イエローY,マゼンタMの2セットのみを示してある。イエローY,マゼンタM,シアンC,ブラックKに対応している4セットの画像形成手段70は、いずれも同じ構成であるので、イエローの画像形成手段70についてその構成を説明する。
【0065】
イエローの画像形成手段70は、感光体ドラム40と、帯電手段41と、露光手段42と、現像手段60と、クリーナ手段43と、第1転写ローラ47とを含んでいる。
【0066】
感光体ドラム40Yは、表面に例えばセレンや感光性の有機薄膜を塗布された円筒であり、静電潜像とトナー像とを形成する。感光体ドラム40Yは、軸線を駆動ローラ45の軸線に平行させ、中間転写ベルト44の開閉扉6に近い側の外周面にその外周面を接触させて回転する。
【0067】
帯電手段41Yは、例えば導電性のゴムローラからなり、1〜2kV程度の電圧を加えて感光体ドラム40Yの表面を所定電圧に帯電させる。
【0068】
露光手段42Yは、感光体の幅方向に1列に配置された例えばLEDアレイを含み、クリーナ手段43Yよりも感光体ドラム40Yの回転方向下流側で、照射方向を感光体ドラム40Yの外周面に向け、感光体ドラム40Yの表面に対して所定焦点距離Fだけ離して配置されている。LEDアレイは、例えば、1インチ(25.4mm)あたり600個ないし1200個配置され、感光体ドラム40Yの外周面に静電潜像を形成する。
【0069】
クリーナ手段43Yは、第1転写ローラ47Yよりも感光体ドラム40Y回転方向下流側で、軸線を感光体ドラム40Yの軸線に平行させ、かつ外周面を互いに接触させて配置されている。
【0070】
現像手段60Yは、露光手段42Yよりも感光体ドラム40Yの回転方向下流側で、感光体ドラム40Yの外周面に所定間隔を置いて感光体ドラム40Yと平行に内装した現像ローラ61Yの外周面を接触させ、黄トナー66Yを収容する。
【0071】
現像手段60Yは、図1の開閉扉6が開かれた状態で、矢印104方向に直線状に、容易に引き抜き、再装着できる。
【0072】
現像ローラ61Yは、ステンレスなどの金属を芯体とし、例えば、カーボンを加え103〜109Ω・cm程度の導電性を備えたウレタンゴムやシリコンゴムなどの導電性の弾性体膜を表面に備えている。現像ローラ61Yの表面は、感光体ドラム40と同一の矢印108方向に回転する。
【0073】
現像手段60Yは、現像ローラ61Yと平行に供給ローラ62Yを内装し、供給ローラ62の外周面を現像ローラ61Yの外周面に接触させてある。
【0074】
供給ローラ62Yは、その表面が例えば多孔質のスポンジゴムからなり、現像ローラ61Yに接触して同じ方向に回転し、現像ローラ61Yにトナーを供給する。
【0075】
トナー規制ブレード63Yは、固定端を現像手段60Yに固定され、自由端を現像ローラ61Yの母線に沿って現像ローラ61Yに線状に接触させた板ばねからなる。トナー規制ブレード63Yの自由端は、現像ローラ61Yの外周面に所定圧力で接触し、現像ローラ61Yの回転に伴なってその表面を摺動し、トナーを帯電させるとともに現像ローラ61表面に所定厚さのトナー薄層を形成する。
【0076】
トナー規制ブレード63は、現像ローラ61の軸線に直交する平面で切った断面において、固定端と現像ローラ61への接触点を結ぶ直線が、中間転写ベルト44の表面に立てた法線に沿う方向に配置されている。
【0077】
前記直線は、中間転写ベルト44の表面に直交するのが理想的であり、直線と中間転写ベルト44の表面に立てた法線とのなす角は、10度以下であることが望ましい。この角が小さいほど、トナー規制ブレード63が占有する画像形成手段70の積み重ね方向の寸法が少なくて済み、画像形成手段70の積み重ねピッチを小さくできる。
【0078】
現像手段60Yは、黄トナー66Yを収容するトナー収容部65Yと、トナー収容部65Yの感光体ドラム40Y側に形成されて現像ローラ61Y,供給ローラ62Yを内装し、トナー規制ブレード63Yを備えた現像器先端部71とからなる。
【0079】
第1転写ローラ47Yは、感光体ドラム40Yと平行に設置され、中間転写ベルト44を挟んで感光体ドラム40Yと接触している。
【0080】
実施形態1のクリーナ手段43Yは、ステンレスなど金属を芯体として、表面には例えば導電性の繊維を植毛したブラシローラであり、感光体ドラム40外周面に接触し、中間転写ベルト44に転写されずに感光体ドラム40Y上に残留したトナーを除去する。
【0081】
実施形態1においては、ブラックK,マゼンタM,シアンC,イエローYのカラートナーを用いてフルカラー印刷をする4セットの画像形成手段70が、中間転写ベルト44に沿って上下に積み重ね配置されている。
【0082】
無端の中間転写ベルト44は、例えば、ポリイミドやポリカーボネートなどの導電性の材料からなり、上下方向に細長く配置されている。中間転写ベルト44は、駆動ローラ45と駆動ローラ45の下方に配置された従動ローラ45aと両者の中間に配置された張力調整ローラ46とに架け渡されており、たるまないように張力調整ローラ46によって適切な張力が加えられている。
【0083】
中間転写ベルト44は、駆動ローラ45の回転に伴なって感光体ドラム40に接触する側が、矢印105の方向に所定速度で移動する。中間転写ベルト44の一面は、ブラックK,マゼンタM,シアンC,イエローYのカラートナー画像を形成する4セットの感光体ドラム40と接触している。
【0084】
各感光体ドラム40に対向する中間転写ベルト44の反対側には、各カラー感光体ドラム40K,40C,40M,40Yにそれぞれ対向して、所定電圧を加えられた第1転写ローラ47が配置されており、中間転写ベルト44を介して、各感光体ドラム40に所定圧力で接触している。
【0085】
次に、実施形態1の電子写真装置において、カラー画像を用紙上に形成する手順を説明する。4セットの画像形成手段70が、ブラックK,マゼンタM,シアンC,イエローYのカラー画像を形成する。ここでは、イエローYの画像が形成される場合を説明する。ブラックK,マゼンタM,シアンCについても、同様の手順で画像が形成される。
【0086】
帯電ローラ41Yに所定電圧印加すると、感光体ドラム40Y表面の感光層が一様に帯電される。
【0087】
イエローの画像に対応したLED光が露光手段42Yから感光体ドラム40Yに照射され、感光層が露光される。感光体ドラム40Y表面の感光層の露光された部分は、帯電電位が接地レベルに近づくので、感光層上に見えない静電潜像が形成される。
【0088】
感光体ドラム40Y上の静電潜像に、現像ローラ61Yの表面に薄く形成されたイエローのトナー層のトナーを付着させて現像する。
【0089】
このようにして形成されたイエロートナー像は、中間転写ベルト44の表面に転写される。
【0090】
中間転写ベルト44に転写されず感光体ドラム40Y上に残留したトナーは、クリーナ手段43Yによって除去される。
【0091】
ブラック,マゼンタ,シアンの各色についても、対応する画像形成手段70により、そのカラートナー画像が形成され、中間転写ベルト44に転写される。
【0092】
各カラー感光体ドラム40K,40M,40C,40Y上のトナー像は、中間転写ベルト44の移動速度と各感光体ドラム40の中間転写ベルト44移動方向間隔とに応じて、適切な時間差をもって形成される。これらのトナー像は、中間転写ベルト44上に転写される際に重ね合わされ、中間転写ベルト44上には、フルカラーのトナー画像が形成される。
【0093】
続いて、中間転写ベルト44上に形成されたフルカラーのトナー画像は、用紙1上に転写される。
【0094】
用紙カセット2にセットされた用紙1は、用紙分離手段3によって一枚ずつに分離され、搬送路5に送出される。用紙1は、互いに向き合った一対の回転自在な搬送手段4により挟まれている。搬送手段4の少なくとも一方は、駆動ローラとなっており、用紙1を所定速度で所望の方向に移動させる。
【0095】
用紙1は、搬送路5内を矢印102a,102bに沿って移動する。用紙位置検出手段8が用紙1の先端を検出すると、用紙を位置決めするレジストローラ9を一旦停止させる。この状態で搬送手段4の回転を継続すると、用紙1の先端がレジストローラ9のニップ部すなわち対向したローラ同士の接触部に押し付けられ、用紙1の先端がレジストローラ9の軸と平行になる。
【0096】
レジストローラ9は、用紙1の先端と中間転写ベルト44上に形成されたトナー画像の先端位置とが所定の位置関係になるようなタイミングで、再度駆動される。第2転写ローラ50は、用紙1の表面を中間転写ベルト44に接触させ、中間転写ベルト44のトナー画像を用紙1上に転写させる。
【0097】
用紙1は定着器51に送られ、転写されたトナー画像を表面に定着される。
【0098】
トナーが表面に付着した用紙1は、定着器51によってトナーが溶融する温度まで加熱される。定着器51の表面が温度が160℃程度であり、用紙1上のトナーは溶融温度が100℃程度なので、トナーは定着器51を通過する際に短時間で溶融する。
【0099】
定着器51においては、定着器51のローラ同士またはローラとベルトとの対などの圧力により、溶融したトナーを用紙1に押し付け密着させて定着した後、自然冷却させる。
【0100】
定着が完了した用紙1は、搬送路5を矢印106a,106b方向に搬送され、排出ローラ52により排紙トレイ53上に排出される。
【0101】
上記一連の動作を繰り返すと、カラー画像を定着した用紙が連続的に得られる。
【0102】
トナー規制ブレード63は、トナー収容部65Yのトナー規制ブレード取り付け手段64にねじなどで固定された金属製の板ばねであり、上下に張り渡された中間転写ベルト44に対してほぼ直交する方向すなわちほぼ水平方向に延びている。
【0103】
トナー規制ブレード63の先端は、現像ローラ61の上面頂点付近に所定圧力で接触しており、現像ローラ61の表面上に付着したトナーの厚さを規制し、所定電荷を帯電した所定量のトナー薄層を形成する。
【0104】
現像ローラ61の上面頂点近くで現像ローラ61の外周面に接触するトナー規制ブレード63の部分は、トナー規制ブレード63の実際の端部とは限定されない。すなわち、接触する部分は、トナー規制ブレード63の折り曲げて形成された角部または曲部であってもよい。
【0105】
トナー規制ブレード63は、現像ローラ61外周面と接触する際に、所定たわみをもつような位置関係と構造で配置されており、現像ローラ61に回転上流側からfollowing方向に接触するように配置されている。
【0106】
トナー収容部65は、トナー66を攪拌し供給ローラ62から現像ローラ61にトナーを供給するトナー攪拌手段67を備えている。
【0107】
トナー66が消耗した現像手段60は、全体を矢印104方向にほぼ直線的に引き抜いて、新しい現像手段60を再装着できるようになっている。
【0108】
実施形態1においては、トナー規制ブレード63をfollowing方向にかつほぼ水平に配置したので、ばね定数を小さくして寸法のばらつきなどによって生じる現像ローラ61に対する押圧力のばらつきを小さくするために、トナー規制ブレード63の長さBLをより長くするには、トナー規制ブレード取り付け手段64の位置を右方向に移動すればよい。
【0109】
この構成では、トナー規制ブレード63の現像ローラ61に対する押圧力のばらつきの低減が、現像器先端部71の厚さAを増大せずに実現できるので、現像手段60の現像ローラ61周りの薄形化に有効である。
【0110】
先に説明したように、装置全体の寸法を小さくするためには、感光体ドラム40,帯電手段41,露光手段42,現像手段60,クリーナ手段43を備えた画像形成手段70を高密度に実装する必要がある。すなわち、複数の感光体ドラム40相互間の感光体ピッチをできるだけ小さくするとともに、画像形成手段70を構成する感光体ドラム40,帯電手段41,露光手段42,現像手段60,クリーナ手段43同士が互いに干渉しないよう配置しなければならない。
【0111】
一方、装置が小型であったとしても、トナー収納部65に充填されたトナー66の量はできるだけ多い方が望ましい。
【0112】
画像形成装置を小型化するには、各カラートナーに対応した画像形成手段70を重ね合わせる際のピッチすなわち間隔をできるだけ狭くする必要がある。
【0113】
ここで、感光体ドラム40の直径を例えばφ30mmとし、その積み重ねピッチをPとすると、感光体ドラム40のピッチも現像手段60の積み重ねピッチもPとなる。
【0114】
また、現像手段60における現像ローラ61近傍の現像器先端部71と露光手段42とは、高さ方向に重なる。
【0115】
したがって、露光手段42の発光方向の寸法をLb、発光方向に直交する方向の高さをLaとし、また、感光体ドラム40に近い現像ローラ,供給ローラを内装した現像器先端部71の高さ方向寸法をAとすると、A<P−Lbとなるように現像器先端部の厚さAを薄くしなければならない。
【0116】
例えば、A寸法は25mmであるとし、高さ方向寸法がAである現像器先端部の感光体ドラム40から遠い側の端部までの感光体ドラム40からの距離をBとする。
【0117】
露光手段42と現像器先端部71とが高さ方向にむだなく重なるためには、高さ方向寸法がAである現像器先端部の感光体ドラム40から遠い側の端部と感光体ドラム40との間に、露光手段42が納まる必要がある。すなわち、感光体ドラム40表面からの現像器先端部の開閉扉側端部までの長さB寸法は、露光手段42の寸法Lbと比較してB>Lbでなくてはならない。
【0118】
一方、寸法Bが過大であると、トナー収容部65と現像ローラ61,供給ローラ62との間隔が大きくなるので、トナー収容部65に収納されたトナー66が攪拌手段67により攪拌されても、供給ローラ62に十分に供給されなくなる。
【0119】
さらに、トナー収容部65のトナー容量は、概ねトナー収容部65の長さTと高さCとの積T×Cで表されるので、トナー量をできるだけ多くしようとすると、長さTを小さくすることは望ましくない。そこで、寸法Bを大きくすると、現像器60の全長T+Bが長くなるため、小型化できなくなる。
【0120】
また、露光手段42のLEDアレイなどの先端にトナーが付着すると露光不良となって画像に白すじが生じ、画像が劣化する。したがって、露光手段42内のLEDアレイは光軸を水平か、水平より下向きに配置することが望ましい。
【0121】
図2の実施形態1では、LEDアレイは、光軸が水平より約3°から5°下向きになるように配置されている。なお、この光軸の角度は、図2の実施形態に限定されず、例えば現像器と干渉しない範囲で、更に傾斜させてもよい。
【0122】
図3は、実施形態1の主要部において1つの現像手段60Yを矢印104方向に抜き出した状態を示す断面図である。現像ローラ61Yの軸端部分がガイド溝111に左右方向に移動自在に案内されており、右方向に直線的に抜き出すことができる。
【0123】
現像器先端71の部分は、露光手段42Yおよび42Mと干渉しないような寸法に形成されているので、トナー66が消耗して現像器60Yまたは60Mを取り出す際には、直線的に抜き出すことができる。
【0124】
一般に、直線的な抜き出し/挿入は、最も容易な動作であるから、エンドユーザがトナー切れで現像器60を交換する作業が楽になり、電子写真装置の使い勝手が良くなる。
【0125】
なお、図1においては、搬送路5が現像手段60Y,60M,60C,60Kの右側に配置され、複数の搬送手段4が現像器60を矢印104方向に抜き出す場合の障害になるように見える。
【0126】
しかし、これらの搬送手段4は、開閉扉6に内装されており、現像器60を矢印104方向に抜き出す場合、開閉扉6は、より水平に近い状態にまで開かれるので、支障は無い。
【0127】
実施形態1によれば、図2に示すように、トナー規制ブレード63Y,63Mをほぼ水平に配置し、現像ローラ61,供給ローラ62を配置して現像器先端部71の底面をトナー収容部65の底面に対して段差を付けて現像器先端部71を薄型化し、現像器先端部71を薄型化して形成された空間に露光手段42を配置したので、感光体ドラムのピッチPすなわち画像形成手段70の配置ピッチPを小さくできた。より具体的には、画像形成手段70の配置ピッチPを感光体ドラム40の直径の1.5〜2倍とした高密度実装が可能となった。
【0128】
また、トナー収容部65の高さCを、感光体ピッチPにほぼ等しい値例えばP−2mm程度にまで大きくできるので、現像器先端部71の薄型化を実現しながら、トナー66の収容量を増加させ、タンデム方式画像形成装置の小型高密度実装を実現できる。
【0129】
現像器の先端が先細形状ではない場合の感光体ドラムピッチPについて説明する。例えば、感光体ドラム40の直径を一般的に用いられている30mmとし、現像器60の厚さCを40mm、露光手段42の厚さを15mmとする。
【0130】
現像器60の厚さ40mmに露光手段42の厚さ15mmを加えた55mmに、更に現像器60と露光手段42とを互いに接触させないために上下3mmずつの隙間を設けたとすると、合計厚さは61mmとなり、感光体ピッチPは感光体ドラム直径の2倍以上となる。
【0131】
これに対して、本発明のように現像器先端部71を例えば厚さ25mmまで先細形状にすれば、現像器先端部71と露光手段42の厚さを合計すれば40mmであり、更に現像器60と露光手段42とを互いに接触させないために上下3mmずつの隙間を設けたとしても感光体ピッチPは46mmと、感光体40の直径30mmの2倍以下にまで短縮可能となり、タンデム型カラープリンタの画像形成装置の小型高密度実装を実現できる。
【実施形態2】
【0132】
図4は、本発明による電子写真装置の実施形態2の主要部の構成を示す断面図である。
【0133】
実施形態2においては、現像器先端部71の底部すなわち供給ローラ62近傍の底部とトナー収容部65の底部とをほぼ同一面に配置した。
【0134】
他の構成は実施形態1と同じなので、説明を省略する。
【0135】
実施形態2においても、実施形態1と同様に、現像器先端部71の高さ方向寸法を小さくし、A<P−Lbという条件と、B>Lbという条件とが満たされるので、画像形成手段70の積み重ねのピッチPを感光体ドラムの直径の2倍以下にできた。
【0136】
図5は、現像手段先端部におけるトナー規制ブレード配置の従来例を示す断面図である。
【0137】
上記図2,図4に示す実施形態1,2においては、現像ローラ61のほぼ上面頂点でfollowing方向にトナー規制ブレード63を接触させている。図4と図5とを対比して、本発明の実施形態1,2が、現像器先端部71の薄形化に有効であることを説明する。
【0138】
図5の従来例では、トナー規制ブレード63が、現像ローラ61の回転下流側からagainst方向に配置されている。トナー規制ブレード63は、中間転写ベルト44とほぼ平行に配置されているので、トナー規制ブレード63のばね長さBL1およびトナー規制ブレード取り付け手段64の部品サイズの分だけ、中間転写ベルト44に沿った現像器先端部71の寸法A1が大きくなる。
【0139】
さらに、露光手段42と現像器先端部71とが干渉しないように露光手段42を配置しなければならないため、むだな空間Mが生じ、結果として、感光体ドラム40の配置ピッチP1が大きくなり、画像形成装置の小型化には限界がある。
【実施形態3】
【0140】
図6は、本発明による電子写真装置の実施形態3の全体構成を示す断面図である。
【0141】
実施形態3においては、用紙カセット2が、ケース100の前面上部に突出するように配置されている。用紙分離手段3が、ケース100上部の用紙カセット2の端部に設置されている。その結果、搬送路5が、ケース100上部の用紙カセット2端部からレジストローラ9に向かうように短縮され、開閉扉6に内装された搬送手段4がなくなった。
【0142】
他の構成は実施形態1と同様なので、説明を省略する。
【0143】
実施形態3によれば、実施形態1と同様の効果が得られるとともに、開閉扉6の構造が単純になり、搬送路5の長さが短縮され、搬送路5の曲線部が少なくなる。
【実施形態4】
【0144】
図7は、本発明による電子写真装置の実施形態4の全体構成を示す断面図である。
【0145】
実施形態4においては、用紙カセット2が、ケース100の背面上部に突出するように配置されている。排紙トレイ53も、ケース100の背面下部に突出するように配置されている。
【0146】
張力調整ローラ46は、中間転写ベルト44の背面側に配置されている。第2転写ローラ50は、中間転写ベルト44の背面側の張力調整ローラ46と駆動ローラ45との間に配置されている。中間転写ベルト44を背面側に突出させるローラが、第2転写ローラ50と中間転写ベルト44を挟んで対向する位置に配置されている。
【0147】
その結果、搬送路5は、現像手段60Y,60M,60C,60Kの開閉扉6側でなく、中間転写ベルト44の背面側に上から下に向かう方向に配置され、第2転写ローラ50と中間転写ベルト44との間を通っている。
【0148】
転写クリーニング手段48は、第2転写ローラ50と張力調整ローラ46との間で中間転写ベルト44に接触する位置に配置されている。
【0149】
他の構成は実施形態1と同じなので、説明を省略する。
【0150】
実施形態4において、ケース100の背面上側に配置された用紙カセット2から繰り出された用紙1は、搬送路5を下方に進み、中間転写ベルト44が背面側に突出した位置で第2転写ローラ50と中間転写ベルト44との間を通る際に中間転写ベルト44のトナー画像を転写され、定着器51を経て、排紙ローラ52によりケース100の背面下部に突出した排紙トレイ53に回収される。
【0151】
実施形態4によれば、実施形態1と同様の効果が得られるとともに、開閉扉6の構成が単純となり、搬送路5の長さが短縮され曲線部が少なくなる。
【実施形態5】
【0152】
図8は、本発明による電子写真装置の実施形態5の全体構成を示す断面図である。
【0153】
実施形態5においては、中間転写ベルト44をほぼ水平に架けて配置し、露光手段の光軸が上下方向になるように、画像形成手段70を水平方向に並べて配置し、排紙トレイ53を形成した開閉扉6をケース100上面に上方に開くように設け、ケース100の上方向に現像手段60の抜き出すようにした。
【0154】
他の構成は実施形態1と同じなので、説明を省略する。
【0155】
実施形態5においても、タンデム型カラープリンタの小型高密度実装を実現できる。
【実施形態6】
【0156】
図9は、本発明による電子写真装置の実施形態6の全体構成を示す断面図である。
【0157】
実施形態6においては、用紙カセット2がケース100の底部に配置され、排紙トレイ53がケース100の上に配置されている。その結果、駆動ローラ45は下方に配置され、従動ローラ45aが上方に配置され、中間転写ベルト44の回転方向が時計回りの矢印105方向になっている。感光体ドラム40Y,40M,40C,40Kは、反時計回り矢印107方向に回転し、現像ローラ61および供給ローラ62は、時計回り方向に回転する。
【0158】
用紙カセット2から供給された用紙は、ケース背面側で上方に向かって繰り出される。搬送路5は、用紙カセット2から繰り出された用紙を第2転写ローラ50と中間転写ベルト44との間を経て上方に移送し、定着器51を通過したら、ケース前面に向かわせ、排紙トレイ53に送り込む。転写クリーニング手段48は、中間転写ベルト44に接触して回転するクリーニングローラを含み、張力調整ローラ46の上方に配置されている。
【0159】
他の構成は実施形態4と同じなので、説明を省略する。
【0160】
実施形態6では、現像ローラ61および供給ローラ62が、図1から図8において説明した実施形態とは逆方向に回転するので、現像器先端部71は、図2から図4に示した構成とは上下が反転して構成される。すなわち、露光手段42は、対応する現像手段60の下方に配置され、クリーナ手段43および帯電手段41も、感光体ドラム40の下方に位置している。
【0161】
用紙1は、矢印102a,102b方向に搬送される。用紙1は、中間転写ベルト44上に形成されたカラー画像を第2転写ローラ50により転写され、定着手段51により定着され、矢印106a,106bに沿って搬送され、排紙トレイ53上に排紙される。
【0162】
実施形態6によれば、実施形態1と同様の効果が得られるとともに、開閉扉6の構成が単純となり、搬送路5が短縮され、曲線部が少なくなる。
【実施形態7】
【0163】
図10は、本発明による電子写真装置の実施形態7の全体構成を示す断面図である。
【0164】
実施形態7においては、中間転写ベルト44を用いずに、感光体ドラム40上に形成されたトナー画像を用紙1上に直接転写して画像を形成する。
【0165】
駆動ローラ45,従動ローラ45a,張力調整ローラ46に掛け渡された用紙搬送ベルト44aは、反時計回りの矢印105方向に回転し、用紙搬送に用いられる。
【0166】
他の構成は、実施形態4と同じなので、説明を省略する。
【0167】
用紙1は、ケース前面に半ば突出して設けられた用紙カセット2からケース背面側に向かって繰り出され、図示していないガイド手段により上方に送られ、用紙位置検出手段8,レジストローラ9を経て、感光体ドラム40と用紙搬送ベルト44aとの間に送り込まれる。
【0168】
感光体ドラム40と用紙搬送ベルト44aとの間に送り込まれた用紙は、上方に移送されながら、順次、感光体ドラム40K,40C,40M,40Yのトナー画像を転写され、定着器51で画像を定着され、ケース100前面に向かう方向に進行方向を変え、排紙ローラ52により、ケース100の前面に半ば突出して設けられた排紙トレイ53に排出される。
【0169】
実施形態7によれば、実施形態1と同様の効果が得られるとともに、開閉扉6の構成が単純になり、中間転写ベルト44が不要になり、搬送路5の長さが短縮され、曲線部が少なくなる。
【実施形態8】
【0170】
図11は、本発明による電子写真装置の実施形態8の全体構成を示す断面図である。
【0171】
実施形態8においては、中間転写ベルト44を用いずに、感光体ドラム40上に形成されたトナー画像を用紙1上に直接転写して画像を形成する。駆動ローラ45,従動ローラ45a,張力調整ローラ46に掛け渡された用紙搬送ベルト44aは、矢印105方向に反時計回りで回転し、用紙搬送に用いられる。定着器51は、ケース100の駆動ローラ45側に設けられている。
【0172】
搬送路5は、用紙カセット2から左側に繰り出された用紙を図示されていないガイドにより上方に導き、左方向に向きを変え、用紙位置検出手段8,レジストローラ9を経て、感光体ドラム40と用紙搬送ベルト44aとの間に送り込む。
【0173】
感光体ドラム40と用紙搬送ベルト44aとの間に送り込まれた用紙は、感光体ドラム40K,40C,40M,40Yのトナー画像を順次転写される。トナー画像を順次転写された用紙は、上方に向きを変え、定着器51を通過している間に、トナー画像を定着される。トナー画像を定着された用紙は、ケース100の前方向に向かい、排紙ローラ52により、排紙トレイ53に排出される。
【0174】
他の構成は、実施形態5と同じなので、説明を省略する。
【0175】
実施形態8によれば、実施形態1と同様の効果が得られるとともに、中間転写ベルト44が不要になる。
【実施形態9】
【0176】
図12は、トナー規制ブレードおよび取り付け手段の実施形態の具体的構造を示す図である。
【0177】
実施形態9においては、トナー規制ブレード取り付け手段64が、トナー規制ブレードと現像ローラとの接触点から現像ローラの回転方向に対して上流側に位置し、トナー規制ブレードのばね板部が、中間転写ベルトまたは用紙搬送ベルトの直線状部分の法線に沿う方向すなわち水平方向に配置されている。
【0178】
また、トナー規制ブレードは、ばね材を少なくとも1回折り曲げ加工した一体形成品である。
【0179】
現像ローラの回転方向上流の位置でトナー規制ブレードをfollowing方向に固定すると、トナー規制ブレードの長さを水平方向で確保しながら、現像器の高さ方向を薄く形成できる。
【0180】
トナー規制ブレードのばね板部は、トナー規制ブレードの取り付け部から現像ローラの方向に延びたアームとなる。このアーム部は、1回目の折り曲げ加工により、現像ローラとの接触部に向かって更に延びている。この1回目の折り曲げ部の垂線方向からの角度をθ2とする。
【0181】
アーム部の先端には、2回目の折り曲げ部が形成されている。2回目の折り曲げ部は、曲率半径rで形成されている。
【0182】
トナー規制ブレードの先端部が平板形状では、現像ローラに対する圧力分布が広がるため規制力が不足する。
【0183】
トナー規制ブレードの先端部を半円弧形状にすると、平板形状と比較して現像ローラとの接触面積が狭いので、規制力が増加する。規制力は曲率半径が小さくなるほど増加するが、同時に現像ローラに対するストレスも増加するため、寿命が短くなる。したがって、トナー規制ブレード先端部の曲率半径は、少なくとも0.2mmから1.0mmの範囲であることが望ましい。トナー規制ブレード先端部をこの範囲の曲率半径を持つ半円弧形状にすると、現像ローラ上にトナーの薄層を長期に亘って安定に形成できる。
【0184】
また、トナー規制ブレードは、一般的に、現像ローラの軸方向に複数のねじを用いて固定される。トナー規制ブレードを固定するねじの圧力分布が不均一になった場合、ブレード先端部が平板形状では、軸方向の剛性が小さいため、固定部の圧力分布の不均一さが現像ローラの狭い範囲に伝達するので、現像ローラとブレードとの間の圧力の不均一さによりトナーの濃度むらを生じ易い。
【0185】
これに対して、本発明の半円弧形状の先端部の場合、ブレードの軸方向の剛性が平板形状と比べ大きいので、固定部の圧力分布に不均一さがあったとしても、その不均一さは現像ローラの広い範囲に分散する。結果として、ブレードと現像ローラとの間の軸方向の圧力分布をほぼ均一にすることができる。
【0186】
現像ローラにトナーの薄層を形成する場合、現像ローラよりも供給ローラ62が早く回転すると、現像ローラ61の表面にトナーを多量に供給できる。現像ローラ表面に多量に供給されたトナーのうち不要なトナーは、トナー規制ブレードの2回目の折り曲げ部で掻き取られる。その結果、掻き取られた不要なトナーが接触部周辺に残留することになる。
【0187】
そこで、残留トナーを効率よく循環させる方法として、まず、現像ローラの軸中心から現像ローラの軸中心を通る垂線に対する角度θ3が少なくとも10°から60°の範囲となるように、現像ローラとトナー規制ブレードとの接触部を規定し、現像ローラとトナー規制ブレードとの接触部周辺に滞留しているトナーが重力の補助を得られやすくし、滞留しているトナーの循環を促進させる。
【0188】
次に、トナー規制ブレードのアーム部の長さを少なくとも1.5mm以上とし、現像ローラとトナー規制ブレードとの接触部から現像ローラの回転方向上流の現像ローラとトナー規制ブレードのアーム部およびばね部とで構成される空間(循環空間)を十分に確保し、残留トナーがトナー規制ブレードと現像ローラとの接触部周辺に滞留して発生するブレードまたはローラへのトナーフィルミングを抑制できる。
【0189】
トナー規制ブレードの折り曲げ加工部の折り曲げ角θ1は、トナー規制ブレードの接触部よりも先にある平面部が現像ローラに接触しないために、90゜未満の鋭角とすることがより望ましい。
【0190】
また、現像ローラとトナー規制ブレードの接触部との角度θ2と、トナー規制ブレードのばね部とアーム部の延び出し角度θ3には、θ2≧θ3が成り立つ。
【0191】
さらに、トナー規制ブレードのトナーが循環する下方は、トナーが付着すると、トナーの循環空間が減少するおそれがあるので、例えばテフロン(登録商標)樹脂の薄層塗布処理を施すなどの化学処理プロセスにより、トナーの付着を防止するコーティングをしておく方法もある。
【0192】
なお、トナー規制ブレードを熱伝導性の比較的良いSUSやりん青銅などのばね材の折り曲げ加工で形成すると、現像ローラとの接触部における熱を冷却するヒートシンクとしての役目をトナー規制ブレードに持たせることもできる。
【実施形態10】
【0193】
図13は、トナー規制ブレードの取り付け手段のバリエーションを示す図である。
【0194】
図12のトナー規制ブレードの取り付け手段は、トナー規制ブレード端部を2つのL字プレートで挟む構造を採用し、構造を強化するとともに、トナー規制ブレードを現像器から着脱できるようにしていた。
【0195】
図13Aの取り付け手段は、トナー規制ブレードの後端部をもう一度折り曲げ加工した後に、2つのL字プレートで挟み、固定ねじで水平方向に固定してあるので、高さ方向の厚さを削減できる。図13Aでは、ねじを右側から締め付けてあるが、左側から締め付けてもよい。
【0196】
図13Bの取り付け手段は、トナー規制ブレードの後端部をもう一度折り曲げ加工した後に、L字プレートと平板プレートで挟み、固定ねじで水平方向に固定してあるので、高さ方向の厚さをより一層削減できる。図13Bでは、ねじを右側から締め付けてあるが、左側から締め付けてもよい。
【0197】
図13Cの取り付け手段は、トナー規制ブレードの後端部を2回折り曲げ加工した後に、2つのL字プレートで挟み、固定ねじで垂直方向に固定してあるので、高さ方向の厚さをより一層削減できる。図13Cでは、ねじを上側から締め付けてあるが、下側から締め付けてもよい。
【0198】
図13Dの取り付け手段は、トナー規制ブレードの後端部を2回折り曲げ加工した後に、L字プレートと平板プレートで挟み、固定ねじで垂直方向に固定してあるので、高さ方向の厚さをより一層削減できる。図13Dでは、ねじを上側から締め付けてあるが、下側から締め付けてもよい。
【実施形態11】
【0199】
図14は、現像器先端部とトナー収容部とが分離可能な現像手段の実施形態の具体的構造を示す図である。
【0200】
トナー規制ブレードおよび取り付け手段に関する上記各実施形態によれば、トナーフィルミング現象や、トナー規制力不足による通過トナーの増加およびトナー帯電量不足現象などが実質的に無い現像器先端部71を備えた現像手段60が得られる。
【0201】
このような現像器先端部71は、従来と比較して、大幅に長い寿命を期待できるので、トナーが消耗するたびにトナー収容部とともに交換する必要はない。
【0202】
そこで、実施形態11においては、現像手段60の現像器先端部71が、電子写真装置本体に固定され、現像手段60のトナー収容部65のみが、電子写真装置本体に着脱される構造を採用した。
【0203】
実施形態11によれば、トナーが消耗したら、現像手段60のトナー収容部65のみを交換すればよいから、ランニングコストを低減できる。
【0204】
上記各実施形態によれば、トナー規制ブレードの固定端と現像ローラとの接触点を結ぶ直線が、中間転写ベルト44または用紙搬送ベルト44aに立てられた法線に沿うように、板ばねで形成されたトナー規制ブレードを配置したので、現像器先端部を薄くできる。
【0205】
また、画像形成手段70の積み重ねピッチと関係なく、板ばねの長さを確保することが容易になり、ばね定数を低下させ、ばねの取り付け位置の誤差,ばねの反り,ばねの変形による現像ローラへの押圧力のばらつきを抑制し、安定したトナー薄層を形成できる。
【0206】
上記各実施形態によれば、現像器先端部を薄型にして、LEDアレイなどの露光手段を現像器先端部分とトナー収容部分で形成される空間に配置できる。その結果、感光体,帯電手段,露光手段,現像手段,クリーナ手段を含む画像形成手段70を上下に積み重ねた際の縦方向ピッチ、または、画像形成手段70を水平方向に積み重ねた際の横方向ピッチを小さくでき、複数の感光体を用いる場合でも、高速印字可能で小型な画像形成装置や小型なカラータンデム型プリンタを提供できる。
【0207】
また、トナーが消耗して現像器を交換する際には、現像器を直線的に抜き出し/挿入する動作で現像器を交換できる。このような直線的動作は最も容易な動作であり、エンドユーザがトナー切れで現像器60を交換する作業が容易になり、使い勝手が良くなる。
【符号の説明】
【0208】
1 用紙(記録媒体)
2 用紙カセット
3 用紙分離手段
4 搬送手段
5 搬送路
6 開閉扉
7 回動支点
8 用紙位置検出手段
9 レジストローラ
40 感光体ドラム
41 帯電手段
42 露光手段
43 クリーナ手段
44 中間転写ベルト
45 駆動ローラ
46 張力調整ローラ
47 第1転写ローラ
48 転写クリーニング手段
49 クリーニングブレード
50 第2転写ローラ
51 定着手段
52 排紙ローラ
53 排紙トレイ
60 現像手段
61 現像ローラ
62 供給ローラ
63 トナー規制ブレード
64 トナー規制ブレード取り付け手段
65 トナー収容部
66 トナー
67 攪拌手段
70 画像形成手段
71 現像器先端部
100 ケース
111 ガイド溝
【先行技術文献】
【特許文献】
【0209】
【特許文献1】特開平08−137179号公報(第3〜4頁,図1)
【特許文献2】特開2001−356548号公報(第4〜6頁,図1)
【特許文献3】特開2001−296713号公報(第6頁,図3)
【特許文献4】特開平05−011584号公報(第3頁,図1)
【特許文献5】特開平11−344858号公報(第8頁,図1)
【特許文献6】特開平11−167278号公報(第10頁,図1)
【特許文献7】特開平02−135470号公報(第3頁,図2)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面に感光層を備えた感光体ドラムと、前記感光層を所定電位に帯電させる帯電手段と、前記感光層を画像データに基づいて露光し静電潜像を形成する露光手段と、前記感光体ドラムの静電潜像にトナーを付着させてトナー像を形成する現像手段とを含む画像形成手段を複数備え、前記複数の画像形成手段が、駆動ローラと従動ローラとに張り渡されて回転する無端の中間転写ベルトまたは媒体搬送ベルトの直線状部分の外周面に前記感光体ドラムを接触させ前記直線状部分に沿って互いに重ね合って配置され、前記複数の感光体ドラムに形成されたトナー像を前記中間転写ベルトを介してまたは媒体に直接転写してカラー画像を形成する電子写真装置において、
前記現像手段が、前記感光体ドラムと接触して回転し前記感光体ドラムの表面にトナー薄層を形成する現像ローラ,前記現像ローラにトナーを供給する供給ローラ,前記現像ローラ外周面と所定圧力で線状に接触して前記現像ローラ表面にトナー薄層を形成するトナー規制ブレードを含む現像器先端部と、前記現像器先端部に結合されトナーを収納するトナー収容部とを備え、
前記中間転写ベルトまたは媒体搬送ベルトの移動方向の前記現像器先端部の厚さが、前記移動方向の前記トナー収容部の厚さよりも小さく、
前記露光手段が、前記現像器先端部の厚さが小さくなっている個所に配置されていることを特徴とする電子写真装置。
【請求項2】
請求項1に記載の電子写真装置において、
前記トナー規制ブレードは、前記中間転写ベルトまたは媒体搬送ベルトの直線状部分の法線に沿う方向に延び、現像ローラの回転へのfollowing方向から前記現像ローラに接触するように配置されていることを特徴とする電子写真装置。
【請求項3】
請求項2に記載の電子写真装置において、
前記中間転写ベルトまたは媒体搬送ベルトの移動方向の前記現像器先端部の厚さと前記移動方向の前記露光手段の厚さとの和が、前記感光体ドラムの直径の2倍以下であることを特徴とする電子写真装置。
【請求項4】
請求項3に記載の電子写真装置において、
隣接した前記現像器先端部とトナー収容部とから形成される空間に、前記画像形成手段または前記現像手段に隣接して配置された別のカラートナーを用いる画像形成手段の露光手段と帯電手段とを配置したことを特徴とする電子写真装置。
【請求項5】
請求項1に記載の電子写真装置において、
前記現像手段の現像器先端部が、前記電子写真装置本体に固定され、
前記現像手段のトナー収容部のみが、前記電子写真装置本体に着脱されることを特徴とする電子写真装置。
【請求項6】
表面に感光層を備えた感光体ドラムと、前記感光層を所定電位に帯電させる帯電手段と、前記感光層を画像データに基づいて露光して静電潜像を形成する露光手段と、前記感光体ドラムの静電潜像にトナーを付着させてトナー像を形成する現像手段とを含む画像形成手段を複数備え、前記複数の画像形成手段が、駆動ローラと従動ローラとに張り渡されて回転する無端の中間転写ベルトまたは媒体搬送ベルトの直線状部分の外周面に前記感光体ドラムを接触させ前記直線状部分に沿って互いに重ね合って配置され、前記複数の感光体ドラムに形成されたトナー像を前記中間転写ベルトを介してまたは媒体に直接転写してカラー画像を形成する電子写真装置において、
前記現像手段が、前記感光体ドラムと接触して回転し前記感光体ドラムの表面にトナー薄層を形成する現像ローラ,前記現像ローラにトナーを供給する供給ローラ,前記現像ローラ外周面と所定圧力で線状に接触して前記現像ローラ表面にトナー薄層を形成するトナー規制ブレードを含む現像器先端部と、前記現像器先端部に結合されトナーを収納するトナー収容部とを備え、
前記トナー規制ブレードは、前記中間転写ベルトまたは媒体搬送ベルトの直線状部分の法線に沿う方向に延び、現像ローラの回転へのfollowing方向から前記現像ローラに接触するように配置されていることを特徴とする電子写真装置。
【請求項7】
請求項6に記載の電子写真装置において、
前記トナー規制ブレードが、少なくとも1つの折り曲げ部を形成したばね板からなり、
前記トナー規制ブレードの接触部と前記現像ローラとが、前記現像ローラの軸中心から現像ローラの回転上流方向に約10〜60°の位置で接触していることを特徴とする電子写真装置。
【請求項8】
請求項7に記載の電子写真装置において、
前記トナー規制ブレードの断面形状が√記号形であり、
第1の折り曲げ部の先に所定長さのアームを有し、
前記アームの先に曲率半径が0.2〜1.0mmの第2の折り曲げ部があり、
第2の折り曲げ部の先に数mmの長さのアームを形成したことを特徴とする電子写真装置。
【請求項9】
請求項8に記載の電子写真装置において、
前記トナー規制ブレードと前記現像ローラとの接触部から前記現像ローラ回転上流方向に形成され前記現像ローラと前記トナー規制ブレードとに挟まれた空間がトナー循環に十分な広さを有し、
前記トナー規制ブレードのばね部と接触部との間のアームの長さが少なくとも1.5mm以上あることを特徴とする電子写真装置。
【請求項10】
請求項9に記載の電子写真装置において、
前記トナー規制ブレードの接触部を形成している一体形成の折り曲げ部の角度θ1が、90°未満の鋭角であり、
前記トナー規制ブレードの現像ローラ接触部につながるアームの起点から前記中間転写ベルトまたは媒体搬送ベルトの直線状部分に対して並行に引いた線から前記現像ローラとの接触部への角度θ2と、前記現像ローラの軸中心から前記中間転写ベルトまたは媒体搬送ベルトの直線状部分に対して並行に引いた線から現像ローラ中心と現像ローラと前記トナー規制ブレードとの接触部に至る線の角度θ3との間にθ2≧θ3の関係があることを特徴とする電子写真装置。
【請求項11】
請求項10に記載の電子写真装置において、
前記トナー規制ブレードが、折り曲げ加工された熱伝導性の良いSUSやりん青銅などのばね材からなることを特徴とする電子写真装置。
【請求項12】
請求項11に記載の電子写真装置において、
前記トナー規制ブレードの現像ローラとの接触部から取り付け手段までの間でトナーが接触しまたは循環するばね板部材にトナー付着を抑制するコーティングをしたことを特徴とする電子写真装置。
【請求項13】
請求項6に記載の電子写真装置において、
前記現像手段の現像器先端部が、前記電子写真装置本体に固定され、
前記現像手段のトナー収容部のみが、前記電子写真装置本体に着脱されることを特徴とする電子写真装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2009−205179(P2009−205179A)
【公開日】平成21年9月10日(2009.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−142566(P2009−142566)
【出願日】平成21年6月15日(2009.6.15)
【分割の表示】特願2003−204684(P2003−204684)の分割
【原出願日】平成15年7月31日(2003.7.31)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】