説明

電子機器

【課題】ラジオ放送の受信とは関係しない経路案内画面などの画面を表示中であっても、受信中のラジオ放送の放送電波の受信電界強度を表示する。
【解決手段】車載用電子機器は、表示部16と表示部の表示を制御する表示制御部を含む制御手段10とを備え、ラジオ放送受信部11は、該ラジオ放送受信部で受信中の放送局の放送電波の電界強度を検出する手段を含み、車載用電子機器がラジオ放送を受信し、録音データ記憶部に録音するとともに、ラジオ放送以外の機能を起動して表示部にラジオ放送以外の機能に基づく表示画像を表示中に、制御手段は、前記ラジオ放送受信部が検出した受信中の放送局の放送電波の電界強度に基づき、表示部に表示中の表示画像の一部に前記ラジオ放送の受信状態を示す受信状態報知画像を表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、音楽プレーヤー、DVDプレーヤー、アナログ放送やデジタル放送に対応したテレビジョン受信機、ラジオ受信機などの機能のうちの少なくとも1つの機能、特にラジオ受信機能を併せ持った車載用のナビゲーション装置のような車載用電子機器に関するものであり、特に、ナビゲーション機能による経路案内中など、ラジオ受信機能以外の機能に基づく画面表示している際に、ラジオ放送の受信状態を表示するようにした電子機器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来からオーディオ装置として、ラジオ、テレビなどの放送波を選択受信してその受信した音声を出力する装置や、カセットテープ、コンパクトディスク(CD)、あるいはミニディスク(MD)などの可搬型記録媒体に記録されたコンテンツデータを再生する装置が提供されている。また、DVD(デジタルビデオデスク)などの可搬型記録媒体から読み出した音楽や映像などのコンテンツデータを再生する車載用オーディオ・ビデオ装置も提供されている。
【0003】
また、小型のオーディオ・ビデオ装置やテレビ受信機などの電子装置を自動車内に設置したり、携帯電話を自動車内に設置したりしてハンズフリーで通話可能にする提案もなされている。このような車載用オーディオ装置や車載用オーディオ・ビデオ装置のように車両に設置することを考慮したオーディオ・ビデオ装置においては、CD等の可搬型記録媒体からコンテンツデータを読み込んだコンテンツデータをハードディスク(HDD)等の記録手段に記録に記録し、その記録したコンテンツデータを再生することができる。
【0004】
さらに、可搬型記録媒体から読み込み手段によってコンテンツデータを読み込みながら再生するとともに、ハードディスクに記録する制御を並行して実行する車載用オーディオ装置や車載用オーディオ・ビデオ装置も提案されている。また、テレビ放送を受信して音声および画像データを録画する機能を有する車載用オーディオ・ビデオ装置も提供されている。
【0005】
これらの電子装置において利用者が電子装置に所望の機能、動作を行わせるために各種のハードキー(物理的、機構的なキー、スイッチ、ボタン等)が電子装置の前面に配置されている。これらのハードキーは、例えば、電子装置の主電源を投入、切断するための電源キーや電子機器が備える各種機能を選択して切替えるための機能選択キー、個々の機能が備えるメニューを選択するためのメニュー選択キーなどである。
【0006】
例えば、電子装置がナビゲーション機能、音楽プレーヤー機能、テレビジョン受信機などの機能を有する場合はその何れの機能を選択するかを、機能選択キーを操作して決定し、個々の機能を動作させるために必要な種々の指定を、メニュー選択キーを操作して決定する。
【0007】
電子装置に備えられた液晶表示ユニットなどの表示手段には、通常1つの機能が動作している場合には当該機能によって必要となる画像が表示され、他の機能において必要になる画像を同時に表示することはできない。表示制御手段により表示画面を分割したり、副画像を表示できるようにするか、あるいは、動作中の機能により必要になる画像に重ね合わせて他の機能において表示したい内容をテキスト画像として表示できるようにすることができるが、そのような表示制御を可能とするためにはコスト増が生じる。
【0008】
特にナビゲーション機能を種たる機能とするナビゲーション装置においては、経路案内中には地図画像が表示され、案内経路やナビゲーション装置の現在位置を示す現在位置マークが地図画像に重ね合わせて表示される。そして案内経路に沿って進行中に、車両の現在位置が、交差点等において右折や左折など進行方向を変更すべき地点の所定距離手前のポイントに到達すると、音声案内などの手段により案内(ガイダンス)が出力される。
【0009】
ラジオ受信機やテレビジョン受信機を備える車載用ナビゲーション装置においては、受信中の放送電波の電界強度を画面に表示することで、利用者に対して受信状態を視認できるようにしている。例えば、下記の特許文献1(特開2001−136090号公報)には、FM多重放送を用いて放送される道路交通情報の受信中に、受信可能な放送局の放送電波の周波数と電界強度を表示するようにした車載用ナビゲーション装置が開示されている。
【0010】
すなわち、上記特許文献1に開示された車載用ナビゲーション装置は、FMカーラジオ45は、FM受信部及びVICSデコーダにおいて選局中のVICS情報付きFM多重ラジオ放送からVICS情報を抽出するとともに、感度測定回路において、FMラジオ放送用周波数帯を走査して、電界強度Eが所定値Er以上のVICS情報付きFM多重ラジオ放送の有無を絶えず探索している。感度測定回路において探し出された所定値Er以上の電界強度Eの全部のVICS情報付きFM多重ラジオ放送は、その受信周波数Rと電界強度Eとを関連付けて表示装置にユーザへの情報として表示される。
【0011】
このように構成すれば、カーナビゲーション装置において、現在選局中のVICS情報付きFM多重ラジオ放送の受信状態が悪化したときに、適切な他のVICS情報付きFM多重ラジオ放送へユーザが能率的に切替えられることができるようになる。
【特許文献1】特開2001−136090号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
一般に、ラジオ受信機やテレビジョン受信機などを有する車載用ナビゲーション装置においては、ナビゲーション機能を起動して経路案内を受けている間、表示手段には地図画像や経路画像、現在位置マークなどの経路案内画面が表示される。このような状態で、ラジオ受信機能を起動し、所望のラジオ放送を受信し音楽をハードディスクに記憶するような動作を行わせている場合、該ラジオ放送の受信状態が悪化してもその状態を利用者が知ることはできない。このことは、ラジオ放送の受信とは関係しない表示画面を表示している場合、例えば、テレビジョン放送の受信中においても同様である。
【0013】
上記特許文献1のように受信可能な放送局の放送電波の周波数および電界強度を表示する技術を利用すれば放送電波の周波数と電界強度を知ることはできるが、利用者は表示された情報から受信中の放送局を確認してその受信状態を判断しなければならないという問題点があった。また特許文献1において受信状態表示が経路案内画面と同時に表示されない場合には、画面の切り替え操作が必要になるという問題点も生じる。
【0014】
本願の発明者は上記の問題点を解消すべく種々検討を重ねた結果、経路案内画面の表示領域の一部を用いるなど、ラジオ放送の受信とは関係ない画面を表示中にその一部を用いて、現在受信中のラジオ放送の放送電波の受信電界強度を表示するようになせば上記の問題点を解消し得ることに想到して本発明を完成するに至ったものである。
【0015】
すなわち、本発明は上記の問題点を解消することを課題とし、ラジオ放送の受信とは関係しない経路案内画面などの画面を表示中であっても、受信中のラジオ放送の放送電波の受信電界強度を表示できるようにした車載用ナビゲーション装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
前記課題を解決するために、本願の請求項1にかかる発明は、
少なくとも音声情報を有する放送を受信する放送受信部と、前記受信した放送の少なくとも音声情報を一時記録するRAMと、RAMに一時記録された音声情報を記憶するデータ記憶部と、表示部と、前記表示部の表示を制御する表示制御部を含む制御手段と、を備え、前記放送受信機能以外の機能を有する電子機器において、
前記放送受信部は、該放送受信部で受信中の放送電波の電界強度を検出する手段を含み、前記電子機器が放送を受信し、前記データ記憶部に録音するとともに、前記放送受信機能以外の機能を起動して前記表示部に放送受信機能以外の機能に基づく表示画像を表示中に、前記制御手段は、前記放送受信部が検出した受信中の放送電波の電界強度に基づき、前記表示部に表示中の表示画像の一部に前記放送の受信状態を示す受信状態報知画像を表示することを特徴とする。
【0017】
本願の請求項2にかかる発明は、請求項1にかかる車載用電子機器において、前記電子機器は、現在位置検出手段と経路探索および経路案内を行うナビ制御部を備え、前記放送を受信して録音するとともに、前記表示部にナビ制御部による経路案内画面を表示中に、前記制御手段は、前記放送受信部が検出した受信中の放送電波の電界強度に基づき、前記表示部に表示中の表示画像の一部に前記放送の受信状態を示す受信状態報知画像を表示することを特徴とする。
【0018】
本願の請求項3にかかる発明は、請求項2にかかる車載用電子機器において、前前記経路案内画面は、車載用電子機器の進行方向に地図画像の上方向を合わせてヘディングアップ表示し、前記受信状態報知画像は、該経路案内画面の左側または右側に縦長の画像により表示することを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
請求項1にかかる発明においては、放送受信部は、該放送受信部で受信中の放送電波の電界強度を検出する手段を含み、前記電子機器が放送を受信し、前記データ記憶部に録音するとともに、放送受信機能以外の機能を起動して表示部に放送受信機能以外の機能に基づく表示画像を表示中に、制御手段は、放送受信部が検出した受信中の放送電波の電界強度に基づき、表示部に表示中の表示画像の一部に前記放送の受信状態を示す受信状態報知画像を表示する。
【0020】
このような構成によれば、ラジオ放送等の受信、録音と関係のない、他の機能による表示画面が表示部に表示された状態であっても、電子機器の利用者はラジオ放送等の受信状態を容易に知ることができ、また、ラジオ放送等を録音中であることも視認できるようになる。
【0021】
請求項2にかかる発明においては、請求項1にかかる車載用電子機器において、前記電子機器は、現在位置検出手段と経路探索および経路案内を行うナビ制御部を備え、前記放送を受信して録音するとともに、前記表示部にナビ制御部による経路案内画面を表示中に、前記制御手段は、前記放送受信部が検出した受信中の放送電波の電界強度に基づき、前記表示部に表示中の表示画像の一部に前記放送の受信状態を示す受信状態報知画像を表示する。
【0022】
このような構成によれば、ナビゲーション機能を用いて経路案内を受けながら、ラジオ放送等の受信、録音を実行中であっても、電子機器の利用者はラジオ放送等の受信状態を容易に知ることができ、また、ラジオ放送等を録音中であることも視認できるようになる。
【0023】
請求項3にかかる発明においては、請求項2にかかる電子機器において、経路案内画面は、電子機器の進行方向に地図画像の上方向を合わせてヘディングアップ表示し、前記受信状態報知画像は、該経路案内画面の左側または右側に縦長の画像により表示する。
【0024】
このような構成によれば、経路案内に必要な画像の表示を妨げることなく受信状態報知画像を表示することができるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、本発明の具体例を実施例及び図面を用いて詳細に説明する。但し、以下に示す実施形態は、電子機器として車載用ナビゲーション装置を例示するものであるが、本発明をこのナビゲーション装置に特定することを意図するものではなく、特許請求の範囲に含まれるその他の実施形態の電子機器にも等しく適応し得るものである。
【実施例】
【0026】
図1は本発明の実施例にかかる電子機器である車載用ナビゲーション装置1の詳細な構成を示すブロック図である。この車載用ナビゲーション装置1は、自動車等の車両のダッシュボード上に載置されることにより車載用として使用されるだけでなく、車両から取外されユーザが携帯し使用できるタイプのものであってもよい。また、この車載用ナビゲーション装置1は、AM放送やFM放送に対応したラジオ放送受信機能などを併せ持った電子機器である。
【0027】
車載用ナビゲーション装置1は、図1に示すように、制御手段10、ラジオ放送受信部11、RAM12、地図記憶部13、録音データ記憶部14、表示部16、操作部17、スピーカ18、アンテナ19、ナビ制御部20、現在位置検出部21、GPS受信部22、方位センサ23、車速センサ24などを備えて構成されている。
【0028】
制御手段10は、CPU(不図示)、ROM(不図示)およびRAM12からなるプロセッサで構成され、ROMに記録された制御プログラムに従って車載用ナビゲーション装置1の各部の動作を制御するものである。ラジオ放送受信部11は、アンテナ19を介して放送局からの放送電波を受信する。ナビ制御部20は経路探索および経路案内などのナビゲーション機能の制御を司る。ラジオ放送の受信とナビゲーション機能の実行は操作部17の操作により行われる。
【0029】
ナビゲーション機能の実行中にラジオ放送の受信を行うこともできるが、その場合、表示部16は、操作部17による操作、または、自動切換えにより何れかの機能で用いられる表示画面が表示される。例えば、ナビゲーション機能にかかわる画面としては、経路探索条件の設定画面や地図画像および案内経路の画像が表示される。ラジオ放送受信時の画像としては、放送局を選局するための選局画面や、音量調整や音響効果の設定画面などが表示される。
【0030】
現在位置検出部21は、GPS受信部22、方位センサ23、車速センサ24などの出力を受信して現在位置を算出する。GPS受信部22は、地球上空を周回している複数のGPS衛星からの時刻情報を含む電波を受信し、現在位置検出部21はそれをもとに現在位置情報を算出するものである。
【0031】
また、現在位置検出部21は、車両に設けられた方位センサ23および車速センサ24の検出出力に基づいて現在位置を検出することができる。この場合、車両の走行距離と走行方位とをそれぞれ検出し、これらの値を積算することによって現在位置を求める。この現在位置検出方法は、GPS受信部22と組み合わせることで、GPS電波を受信できないトンネル内や、誤差が生じやすい高層ビル街において現在位置を算出するのに効果的に用いられる。
【0032】
地図記憶部13は、各道路の交差点や分岐点などの結節点をノードとし、それぞれのノード間を結ぶ経路をリンクとした道路ノードデータ(ノードデータ)と道路リンクデータ(リンクデータ)を含む道路データを記憶する。道路ノードデータには、道路ノードの番号、位置座標、接続リンク本数、交差点名称などが含まれる。また、道路リンクデータには起点および終点となる道路ノードの番号、道路種別、リンク長(リンクコスト)、所要時間、車線数、車道幅などが含まれる。道路リンクデータにはさらに、リンク属性として橋、トンネル、踏切、料金所などのデータが付与される。道路種別は、高速道路や有料道路の別および国道や都道府県道などの別を含む情報である。
【0033】
地図記憶部13は、さらに海岸線、湖沼、河川形状などの水系データ、行政境界データ、施設の位置、形状、名称を含む施設データからなる背景データを記憶している。
【0034】
また、地図記憶部13には、道路データや背景データの他、地図画像を見やすく表示するためにベクター形式で記憶された地図画像データを含んでいてもよい。
【0035】
これらの道路データと背景データおよび地図画像データは、車載用ナビゲーション装置1を使用する際に、図示しない表示制御手段によって車載用ナビゲーション装置1の現在位置を含む所定範囲の地図が地図記憶部13から抽出され、現在位置を示す現在位置マークや案内経路の画像が重ね合わされて表示部16に表示される。また、ナビ制御部20は、経路案内中に現在位置が交差点や分岐点など案内を要する地点に到達すると、右折、左折、直進などの案内をスピーカなどの音声出力部18から出力する。
【0036】
ナビ制御部20は、ユーザによって出発地や目的地が指定されると、地図記憶部13に記憶されている道路データを参照し、出発地から目的地に至る最適経路を探索し、案内経路データを作成するものである。この最適経路の探索は、現在位置またはユーザによって指定された出発地に対応する道路ノードからユーザによって指定された目的地に対応する道路ノードまでに至るリンクとノードをダイクストラ法などの各種の手法によって探索し、リンク長(リンクコスト)や所要時間などを累積し、総リンク長または総所要時間などが最短となる経路を案内経路とし、当該経路に属する道路ノードやリンクを案内経路データとして提供するものである。
【0037】
表示部16は図示しない表示制御手段により、地図上で現在位置を表示する際や、経路案内を行っている際、さらにユーザが所定の位置と縮尺を指定した場合などに、所定範囲の道路データや背景データ、地図画像データを選択し、現在位置を示すアイコン(現在位置マーク:自車位置マーク)や走行道路の軌跡や案内経路などを示す画像、さらには種々の案内解説などの画像を重ね合わせて合成し、表示部16に表示できるデータを作成する。
【0038】
ラジオ放送受信部11はアンテナ19を介して放送電波を受信する。受信している放送のコンテンツが音楽である場合、RAM12に一時記録する。RAM12に一時記録した音楽コンテンツは録音データ記憶部14を構成するハードディスクデバイスなどの記憶装置に記憶(録音)することができる。
【0039】
ラジオ放送受信部11は、ラジオ放送を受信するにあたり、車両の現在位置に基づいて車両が位置するエリアにおいて受信可能な放送局や各放送局の放送電波の周波数、番組情報などを記憶する他、現在受信中の放送局の放送電波の電界強度(受信強度)を検出する。
【0040】
ラジオ放送受信部11に記憶された情報は、車載用ナビゲーション装置1がラジオ放送の受信のみを行っている場合には、表示部16に表示されるメニュー画面や選局画面などにおいて表示される。
【0041】
車載用ナビゲーション装置1がラジオ放送受信中に、ラジオ放送以外の機能による画面表示、例えば、ナビゲーション機能を起動して経路案内画面を表示している場合には、制御手段10は、ラジオ放送受信部11が検出した受信中のラジオ放送の放送電波の電界強度を当該経路案内画面の一部を用いて表示する。
【0042】
図2は、経路案内画面に放送電波の受信状態(電界強度)を表示した状態の一例を示す図である。図2は、ナビゲーション装置1においてナビゲーション機能が起動され、表示部16の表示画面には経路案内画面161には地図画像162が表示され、車両の現在位置マーク163が地図画像162に重ね合わせて表示されている。現在位置マーク163は車両の進行方向を示す矢印状のアイコン画像で構成され、案内経路の道路上にマッチングされる。
【0043】
車両の現在位置は交差点(AAA交差点)の所定距離だけ手前の案内ポイントにあり、交差点名称165が画面に表示される。また当該交差点(AAA交差点)における進行方向案内画像164が表示される。この例では、AAA交差点を右方向に進行する案内矢印画像が他の案内矢印画像と表示態様を変えて強調表示される。この案内ポイントにおいて更に、音声出力部18から音声ガイドを出力し、AAA交差点を右折するよう案内が行われる。
【0044】
このような状態で、ナビゲーション機能1においては更にラジオ受信機能を起動し、所望のラジオ放送を受信し、受信した音楽を録音データ記憶部14に記憶する処理を行っているものとする。この場合、該ラジオ放送の受信状態が悪化してもその状態を利用者が知ることはできない。そこで、ラジオ放送受信部11が受信中の放送局の放送電波の受信電界強度を検出し、制御手段10の図示しない表示制御部は、経路案内画面161の右側に表示領域を確保し、受信状態報知画像166を表示する。これによりナビゲーション装置1の利用者はラジオ放送の受信状態を容易に知ることができ、また、ラジオ放送を録音中であることも視認できるようになる。
【0045】
受信状態報知画像166の画像形状は放送電波の電界強度(受信状態)を表現することができる画像形状であればどのような形状であってもよいが、図2の例では、縦長のバー状の画像で構成し、受信状態(電界強度)に応じてカラー表示するバーの部分の割合を変更して表示している。また、受信状態告知画像166の表示領域は、経路案内の障害にならない位置に設定する。
【0046】
地図帳などに掲載される地図は、地図の北方向を上にして記載される(この方法をノースアップという)。ノースアップで地図画像を表示した場合、車両は表示された地図の上方向に進行するとは限らず、地図上で進行方向を認識することが難しくなる。このため、一般的な車載用ナビゲーション装置では、図2の経路案内画面161のように、車両の進行方向に地図画像の方向を一致させ、車両の進行方向を画面の上にして地図画像162を表示する、いわゆる、ヘッディングアップ表示と称される表示方法が採られる。
【0047】
図2に示すようなヘッディングアップによる経路案内画面161を表示する場合、受信状態報知画像166は、表示画面の左端または右端に縦長の領域を確保し、バー状の縦長の画像で構成すると、現在位置マーク163や交差点名称165、進行方向案内画像164など、経路案内に必要な画像の表示を妨げることなく受信状態報知画像166を表示することができる。
【0048】
図3は、以上説明した本発明の字実施例にかかるナビゲーション装置1の処理手順を示すフローチャートである。先ず、ステップS101の処理においてナビゲーション装置1においてラジオ録音指示がなされ、ラジオ放送受信部11は利用者が選択した放送局の放送電波の受信を開始し、受信した音楽データはRAM12に一時記憶される。続いて、ステップS102の処理では、RAM12に一時記憶された音楽データを録音データ記憶部14に記憶するラジオ録音を開始する。
【0049】
一方、ナビゲーション装置1においては、出発地や目的地を設定して経路探索処理が行われており、ナビ制御部20が経路探索を完了し、ステップS103の処理において経路案内の開始が指示されると、ステップS104の処理に進み、経路案内が開始され、表示部16に経路案内画面161(図2参照)が表示される。また、ラジオ放送受信部11は、受信中の放送局の放送電波の電界強度(受信状態)を検出し、受信状態報知画像166(図2参照)を表示する。
【0050】
次いで、ステップS105の処理において、ナビゲーション装置1はラジオ録音終了があったか否かを判別する。ラジオ録音の終了指示がなければステップS104の処理に戻り、経路案内画面162、受信状態報知画像166の表示を継続する。ラジオ録音の終了指示があれば、ステップS106の処理に進み、経路案内画面161の表示のみを継続し、ステップS107の処理においてナビ制御部20は車両が目的地に到達したか否かを判別する。
【0051】
ステップS107の判別処理で車両が目的地に到達していないと判別されると、ステップS106の処理に戻り、ナビ制御部20は経路案内を継続し、ステップS107の判別処理で車両が目的地に到達したと判別されるとナビゲーション装置1は処理を終了する。
【0052】
以上、詳細に説明したように本発明にかかる車載用電子機器においては、ラジオ放送の受信とは関係しない経路案内画面などの画面を表示中であっても、それらの表示を妨げることなく受信中のラジオ放送の放送電波の受信電界強度を表示することができるようになる。
【0053】
なお、上記実施例ではラジオ放送を録音する場合について説明したがこれに限定されるものではなく、例えばテレビ放送を録画している場合に、テレビ放送の受信とは関係の無い例えば経路案内画像を表示中であっても、テレビ放送の放送電波の受信電界強度を表示するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明の実施例にかかると電子機器である車載用ナビゲーション装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施例にかかる車載用ナビゲーション装置の表示画面の一例を示す図である。
【図3】本発明の実施例にかかる車載用ナビゲーション装置における処理手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0055】
1: 車載用ナビゲーション装置(電子機器)
10: 制御手段
11: ラジオ放送受信部
12: RAM
13: 地図記憶部
14: 録音データ記憶部
16: 表示部
17: 操作部
18: 音声出力部
19: アンテナ
20: ナビ制御部
21: 現在位置検出部
22: GPS受信部
23: 方位センサ
24: 車速センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも音声情報を有する放送を受信する放送受信部と、前記受信した放送の少なくとも音声情報を一時記録するRAMと、RAMに一時記録された音声情報を記憶するデータ記憶部と、表示部と、前記表示部の表示を制御する表示制御部を含む制御手段と、を備え、前記放送受信機能以外の機能を有する電子機器において、
前記放送受信部は、該放送受信部で受信中の放送電波の電界強度を検出する手段を含み、前記電子機器が放送を受信し、前記データ記憶部に録音するとともに、前記放送受信機能以外の機能を起動して前記表示部に放送受信機能以外の機能に基づく表示画像を表示中に、前記制御手段は、前記放送受信部が検出した受信中の放送電波の電界強度に基づき、前記表示部に表示中の表示画像の一部に前記放送の受信状態を示す受信状態報知画像を表示することを特徴とする電子機器。
【請求項2】
前記電子機器は、現在位置検出手段と経路探索および経路案内を行うナビ制御部を備え、前記放送を受信して録音するとともに、前記表示部にナビ制御部による経路案内画面を表示中に、前記制御手段は、前記放送受信部が検出した受信中の放送電波の電界強度に基づき、前記表示部に表示中の表示画像の一部に前記放送の受信状態を示す受信状態報知画像を表示することを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記経路案内画面は、車載用電子機器の進行方向に地図画像の上方向を合わせてヘディングアップ表示し、前記受信状態報知画像は、該経路案内画面の左側または右側に縦長の画像により表示することを特徴とする請求項2に記載の車載用電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2009−206681(P2009−206681A)
【公開日】平成21年9月10日(2009.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−45438(P2008−45438)
【出願日】平成20年2月27日(2008.2.27)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VICS
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【出願人】(000214892)三洋電機コンシューマエレクトロニクス株式会社 (1,582)
【Fターム(参考)】