説明

非接触熱プラットフォーム

物体を熱処理する少なくとも1つの装置を含む熱処理システムであって、該装置は、1つのプラットフォーム、または互いに反対側に位置した2つのプラットフォームからなり、ここで少なくとも1つのプラットフォームは物体を加熱または冷却する少なくとも1つの熱的手段を有し、少なくとも1つのプラットフォームは、非接触で物体を支持する流体機械的手段を有している、熱処理システムである。前記プラットフォームは、少なくとも1つの、複数からなる基本セルからなる作動面を有し、この基本セルは、少なくとも1つの、複数からなる圧力吐出口と、少なくとも1つの、複数からなる流体排出流路を有するものである。各基本セルの圧力吐出口の少なくとも1つは、流量絞り機構を介して高圧流体源に流体的に接続され、この圧力吐出口は、前記物体とプラットフォームの作動面の間の流体クッションの形成維持のために加圧流体を供給するものである。流量絞り機構は、特性的には、流体的な戻しばね的な挙動を示すものである。各流体排出路は流入口と流出口を有し、各基本セルに対する質量流量の平衡をとるものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱処理を行う装置および方法と、非接触支持プラットフォームとに関する。
【背景技術】
【0002】
半導体(SC)ウェハは、例えば、当該分野では公知のように、蒸着工程、焼成工程、または熱的脱ガス工程の一部で加熱されたり冷却されたりする。類似の工程は、FPD(フラット・パネル・ディスプレイ)の製造ラインでも用いられている。しかしながら、そのような熱処理の例は、ウェハやFPDの基板に限定されるものではなく、他の、平坦または非平坦、薄厚または非薄厚の物体にも適用される。
ウェハを加熱または冷却する現在のシステムでは、ウェハを、所望の温度に加熱したチャック表面に接触させて設置している。このようにして、熱は、チャックとの接触により、すなわち伝導性熱伝達メカニズムによりウェハに伝熱されることとなる。
【0003】
チャックの温度を定常状態に持っていくためには、比較的長い「引上げ」時間が必要となる。このように、チャックの温度の上昇/下降には比較的長い時間が必要なので、ウェハに異なる温度を与える必要がある工程では、いくつかの予熱されたチャックを使う必要がある。
ウェハの温度分布は、チャックとウェハの間の部分接触に起因して発生するホット・スポットやコールド・スポットがあるため均一にはならない。チャックと接触する際のウェハ表面の不規則性もまた、ウェハの不均一な加熱または冷却の原因となる。
さらに、ウェハとチャックが接触することで、ウェハが、例えば、裏面汚染または静電破壊(ESD)あるいはその両方の被害を受けることもある。裏面汚染または引かき傷あるいはその両方を引き起こすことのあるウェハとチャックの間のずれは、加熱または冷却中のウェハの熱膨張または熱収縮のために起こることがある。
【発明の開示】
【0004】
本発明の熱処理システムは、前記物体を熱的に処理する少なくとも1つの装置からなる熱処理システムであって、前記装置は以下よりなる。
実質的に互いに反対側に位置する少なくとも一対のプラットフォームからなり、前記プラットフォームの少なくとも1つは、物体を加熱または冷却する少なくとも1つの熱的手段を有し、前記プラットフォームのうちの少なくとも1つは、前記物体を非接触で支持する流体機械的手段を有し、前記プラットフォームは、少なくとも1つの、複数からなる基本セルからなる作動面を有し、前記の各基本セルは、少なくとも1つの、複数からなる圧力吐出口と、少なくとも1つの、複数からなる流体排出流路を有し、前記の各基本セルの前記圧力吐出口の少なくとも1つは、流体絞り機構を介して高圧流体供給源に流体的に接続され、前記圧力吐出口は、前記前記物体と前記プラットフォームの作動面との間に流体クッションを形成維持するために高圧流体を供給し、前記流体絞り機構は、特性的には、流体的な戻しばねの挙動を示し、前記の少なくとも1つの、複数個からなる流体排出流路の各々は、流入口と流出口を有し、前記の少なくとも1つの、複数個からなる基本セルに対して質量流量の局所的平衡をとるものである。
【0005】
(図面の簡単な説明)
本発明に関する主題については、本明細書の結論部分において詳細に示されるとともに、明確に主張されている。しかしながら、本発明の構成と動作方法は、その目的、特性および特長とともに、添付した図面を参照しつつ以下の詳細な説明を参照することによりよく理解されるであろう。
図1は、本発明の好適な実施の形態による熱プラットフォーム構成を有する非接触熱システムの概略断面図である。
図2は、本発明の好適な実施の形態におけるウェハ温度の時間変化を示す概略グラフである。
図3は、本発明のいくつかの好適な実施の形態による真空予圧(PV型)非接触支持配置の概略上面図である。
図4は、本発明の別の好適な実施の形態による熱プラットフォーム構成の概略断面図である。
図5は、本発明のさらに別の好適な実施の形態による熱プラットフォーム構成の概略断面図である。
図6は、本発明の別の好適な実施の形態による非接触熱システムの概略図である。
図7aおよび7bは、図6に示すシステムの垂直位置の温度を示す概略図である。
【0006】
図8は、本発明のいくつかの好適な実施の形態による流体クッションの熱絶縁配置の概略図である。
図9は、本発明のいくつかの好適な実施の形態による多室非接触熱システムの概略図である。
図10a〜10cは、本発明のいくつかの好適な実施の形態によるライン中における三つの非接触熱システムの概略図である。
図11aおよび11bは、物体が静止状態にある選択的局所的熱処理の概略図である。
図12a〜12eは、選択的円形熱処理装置の概略図である。
なお、図の単純化と明快化のために図示した要素は、必ずしも同一縮尺では描かれてはいないことを理解されたい。例えば、ある要素の外形寸法は、明確化のために、他の要素に比較して拡大してある。さらに、適切だと考えられる場合は、異なる図の間で対応するあるいは類似する要素については同一番号を付している。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下の詳細な説明においては、本発明をさらに理解することができるよう、多くの具体的な詳細を説明する。しかしながら、当業者は、本発明がこれらの具体的な詳細なしに実施可能であることを容易に理解されよう。他の場合は、本発明をあいまいにすることを避けるために、公知の方法、手順、構成要素、回路については詳細には説明しない。
本発明の実施の形態は、例えば半導体(SC)ウェハなどの物体を加熱/冷却する装置と、システムと、方法を提供するものであり、一方この物体は、非接触支持プラットフォームにより支持され、この非接触支持プラットフォームは、後述するように、例えば流体クッション誘起力により、接触することなく物体を支持するものである。
【0008】
なお、本発明のために、「支持」という用語はまた、使用される文脈によって「クランプ」(以下、「支持」または「クランプ」と称する)も意味することを理解されたい。
非接触支持プラットフォームの重要な構成は、流体クッションが、プラットフォームの作動面の上方にある物体に対向し、運動を伴わずに物体を支えるか、もしくは物体を前記のプラットフォーム上で搬送する間非接触で支える、そういうプラットフォームの「作動」面によって提供されている場合である。一般性から逸脱することなく、多くの場合この構成が通常指し示されるが、プラットフォームが受動的であり、流体クッションを生成する「作動面」を自身保有する浮上物体によって生成される他の可能な構成も本発明の範囲内であり、このようなものとしては例えばブリッジがあり、このブリッジは、FPDなどの平坦な基板の上を走行するときに熱処理を施し、基板の上面とこれの反対側にあるこのブリッジの作動面の間に生成される流体クッションで支持される。この第2の構成は、「自己支持ブリッジ構成」と称される。
【0009】
非接触のプラットフォームまたは取扱いおよび搬送設備では、各種の流体クッションを用いている。単一の空力ビルディング・ブロックが、種々の流体クッションを連結していて、すなわち、高性能非接触プラットフォームを構築するためのSASOノズルなどの複数の流体戻しばねを使用する。均一な熱処理に関して、流体クッション支持システムをよりよく動作させるためには、プラットフォームの「作動面」の全領域からの流体の局所排出により、局所的平衡をとることが重要であることを強調しておく。一般性を逸脱することなく、数種の流体クッションが本明細書で言及されるが、各流体クッションは、異なるやり方で流体の局所排出を行っている。
【0010】
流体クッションの圧力−大気(PA)型
PA型流体クッションは、複数の圧力孔を持った作動面と、流体が周囲へ排出される排出流路を使って発生させられる。PA型流体クッションには物体重量の荷重が予圧され、物体は、この重力とバランスをとる非接触プラットフォームによって支えられる。PA型流体プラットフォームは、平坦および/または薄圧および/または厚さに比して幅が広いという通常状態の物体が、静止状態で支持される場合か、あるいは何らかの駆動機構により搬送される場合の両方の場合においても、局所平衡非接触支持を提供する。物体の横方向の寸法は、通常、以下で述べるPA型プラットフォームの「基本セル」の寸法に比して十分大きい。「物体重量予負荷」とは、あらかじめ定められた平衡点浮上隙間(以下流体クッション基準隙間と称し、εと表記する)におけるPA型流体クッションの流体力学的剛性(以下FD剛性と称する)が、物体の重量に依存することを意味している。「FD剛性」は、基準隙間(物体の下面と非接触プラットフォームの作動面との間の隙間)を変更しようとしたとき自己適応的な方法で、流体クッションによって生み出される力の量を意味している。FD剛性は、本発明のため、g/cm/μmという単位で測定される。
【0011】
PA型流体クッションは、プラットフォームの作動面と支持される物体の対向面との間の狭い隙間に生成される。流体が、SASOノズルなどの絞り機構が装備された複数の圧力孔によってこの流体クッションに導かれ、この圧力孔とともに、好ましくは、2次元状もしく任意に混合反復状に配列された複数の排出穴が供されていて、この排出穴を通して大気圧に保たれている容器に過剰な流体が排出される。基本セルの寸法は、浮上物体の横の寸法を基準にして選定され、一般に、圧力孔および排出流路(以下ポートと称する)の分解能は、いかなるときも複数のポートが浮上物体によって覆われるような分解能であることが望ましい。局所的性質を持つ支持を均一にするためには、基本セルの各々は質量流量平衡に関して局所平衡特性があるが、この複数の基本セルが2次元状に分布して物体を支持することが望ましい。添付の図面には、流量絞り機構として「抵抗器の記号」を使用するが、これは単に記号として用いているだけであり、この好ましくはSASOノズル(図17参照)である流量絞り機構の詳細な実施の形態については、WO01/14782、WO01/14752およびWO01/19572に記載されており、これらは本明細書に参考として全て含まれる。同じ特性を持った他の流量絞り機構もまた用いてもよい。
【0012】
PA型非接触プラットフォームは、物体の重量分だけ予負荷されている。一般に、流体クッションに導入される圧力は、高めになっており、FD剛性が強化されている。このことは、流体クッションの剛性の点で正しく機能している非接触プラットフォームで、安定し制御し易いプラットフォームは、物体が重い場合で、重力と平衡させるために比較的高い駆動圧が導入されている場合に得られるということである。しかしながら、PA型流体クッションが、単位面積あたりの重量が約0.2g/cmのシリコン・ウェハとかFPDといった薄い基板を支持する場合、このPA型流体クッションは、単位面積あたりの物体重量の割には高い駆動圧で動作するということが、普通は重要な点である。PA型流体クッションは、例えば、上述した基板の重量の500倍の値である100ミリバールの駆動圧にて動作している。この圧力は、特別に設計した基本セルにより実現できる。すなわち、局所排出穴が、流体クッション標準隙間における流体クッション支持力を劇的に減らし、供給圧力の大半が、流量絞り機構で減ぜられるが、基板が、何らかの動的または静的な力により、非接触プラットフォームの作動面方向に強制的に移動させられようとすると、この動きに対抗して、基板重量に比して極めて大きな復原力が働き、基板が損傷に至るような接触を起こさないように集中的かつ迅速に保護するのである。
【0013】
圧力−真空(PV)型流体クッション
PV型流体クッションは、作動面によって生成される真空予圧流体クッションであり、この作動面は、複数の圧力孔と、真空(すなわち減圧)源に接続した排出口を有し、したがって余剰流体がこの真空によって排出される。物体がPV型流体クッションにより把持されている間に、この物体を静止状態あるいは搬送状態で正確に支持するのはこの真空予圧流体クッションである。PV型流体クッションのFD剛性は、本質的に、双方向性を備えており、物体の重力には依存しない。双方向FD剛性は、物体を非接触プラットフォームの作動面方向に押し付けようとするときも、作動面から引き離そうとするときも、物体の重量に比して遥かに大きな圧力が、平衡状態にある標準隙間を保つように自己適応的に引き戻そうとして物体に作用する。物体の寸法は、質量流量が、圧力孔と排出流路の双方に用いられる流量絞り機構により守られているので、プラットフォームの作動面よりは遥かに小さくできる(一般性を逸脱することなく、多くの場合、プラットフォームが基板により全面的に覆われているときには、流量絞り機構を排出流路で使うことは効果的ではない)。従って、物体が存在するプラットフォームの作動面の領域を作動領域と称することとする。
【0014】
PV型流体クッションは、普通複数の圧力導管吐出口と複数の真空吸引導管吐出口という2つの導管を有する。複数の圧力導管は、好ましくはSASOノズルである流量絞り機構をそれぞれが常に備えており、これらの流量絞り機構は、非接触プラットフォームの局所的FRS(流体戻しばね)の挙動を示すものであり、空力閉塞機構を用いることにより、プラットフォームの作動面が、物体により全面的には覆われていない場合でも、均一な圧力供給を確保する。真空導管は、単純な円筒型の穴か、あるいはSASOノズルなどの個別の流量絞り機構を任意で備えるが、少なくとも有効な動作継続時間の一部の間でも、非接触プラットフォームが全面的には覆われていない場合、物体によって覆われていない領域での空力閉塞機構による真空レベルを確保するためには、圧力流量絞り機構に対しての流体力学的抵抗(FD抵抗)を極めて低くしなければならない。
流体的には、真空源に接続せずに周囲の大気圧に接続された流体排出流路に、流量絞り機構を設けることも可能であり、このようにすると、流体クッションの圧力、ひいては物体の下の押上げ力が増大する効果がある。これらの流量絞り機構を、「排出流量絞り機構」と称することは自然なことであろうが、簡単化のために、本明細書では、「真空流量絞り機構」という用語を、排出流量絞り機構の意味で用いている。
【0015】
PV型流体クッションすなわち真空予圧流体クッションの機能は、重量に依存しない点にある。平衡把持状態(ε)で、物体は、PV型流体クッションによって支持され、圧力絞り機構(好ましくはSASOノズル)出口側の各圧力導管吐出口付近に生成される全圧力(ΣF)は、真空導管の各吐出口付近に生成される全逆方向真空圧力(ΣF)と同程度の大きさであり、この真空導管には、別の(圧力流量絞り機構よりは「広範囲」である)流量絞り機構(好ましくはSASOノズル)を適宜取り付けてもよい。相互に反対向きの力は、物体重量よりは10倍から100倍程度大きく、力の差(ΣF−ΣF)が、重量と釣り合う。このような大きさで、FD剛性とそれに応じた平坦度精度性能とに関してのPV型流体クッションの機能は、物体重量および地球中心方向への重力とは関係がなくなる。ここで、PV型流体クッションは、物体重量に依存しない本質的に双方向のFD剛性を有するということを強調しておかなければならないし、また、この双方向FD剛性は、物体を非接触プラットフォームの作動面方向に押し付けようとするときも、作動面から引き離そうとするときも、物体を平衡状態に戻すべくきわめて大きな反対向きの力が自己適応的かつ局所的に流体クッションにより生成される点が、PV型流体クッションの最も重要な特性のひとつとなっている。
【0016】
PA型流体クッション同様、PV型流体クッションには局所平衡性という特徴があり、この局所平衡性は、本発明に関しては著しく重要な性質であり、同様の基本セルを有するが、排出流路は、流量絞り機構がオプションとして取り付けられた場合はこれを介して、真空または減圧源に接続されていて、これによりPA型流体クッションよりも排出が促進され、さらに、外力が働いてプラットフォームの作動面から物体または物体の局所的な一部分をはずそうとした場合、迅速に減圧の引き戻し力を導入することが可能となる。かくして、双方向FD剛性が確立される。
【0017】
圧力−予圧(PP)型流体クッション
PP型流体クッションは、物体の両側面から2つの対向する作動面を用いて形成される両側面構成をとる。それぞれの作動面は(PA型流体クッションの作動面と同様に)、互いに他方の作動面とは逆向きの力を発生し、例えば平坦な基板を両側から支える。
PP型流体クッションは予圧されているプラットフォームであり、そこでの物体は、FM力が物体の両側に作用するので非接触で支持されあるいは搬送され、こうして、PP型非接触プラットフォームは、無条件で安定している。PP型プラットフォームの対向している作動面は、好ましくは同じものであり、SASOノズルなどの複数の圧力流量絞り機構を備えており、典型的には、排出口の数は極めて少なく、これにより性能のよいFRS機構を生成し、その結果高性能なFM剛性と、正確で大きな支持力(駆動圧力の約半分により誘導され、残りの半分は流量絞り機構内に留まる)を達成し、地球の影響なしに局所平衡支持を実現する。PP型プラットフォームの2つの対向する作動面は、実質的には平行になるように組み立てられており、同じ作動面を有し、鏡面対象になるように調整されている。対称面は、本質的に、2つの対向する作動面の間に形成される薄く(断面)、広い(横方向)空間の仮想中央面である。2つの対向する作動面の間に物体が挿入されると、2つの対向する流体クッションが構築される。2つの対向する流体クッションの隙間は、物体の幅との間の差と、対向作動面の間の距離を自己適応的に分かち合う。2つの作動面が、同じであり、同一の動作条件で動作する場合は、両方の流体クッションにおけるεは等しくなる。2つの対向作動面間の距離は、支持する予定の物体の厚さプラス所望の隙間εの2倍に等しくなるように調整しなければならない。かくして、異なる厚さの物体の把持が予定されている場合、PP型非接触プラットフォームは、2つの対向作動面の間の距離を調節する「板幅調整」機構を有さなければならない。作動面の一方に基板の位置をずらそうとすると、同時に近いほうの作動面の力が著しく増し、基板の他方の作動面の力は著しく増す。これこそが、高い平坦化動作を示す真空予圧流体クッションの目的である。
【0018】
同様に、PV型流体作動面をあてることにより、PV−PV型流体クッションを作成することは可能である。PP型流体クッションとPV−PV型流体クッションとは著しく異なる点があり、PP型両側面プラットフォームは、逆向きの力に従っており、この逆向きの力は、平衡位置にある(浮上)物体によって分離されている流体クッション間に生成されるが、他方、PV−PV型両側面プラットフォームでは、(平衡位置においては)流体クッションによって負荷されていない。
さらに実用化されている他のタイプの流体クッションとしてはPM型流体クッションがあり、ここで作動面は、PP型流体クッションに類似の基本セル(排出流路少なし)を備え、例えば、真空または静電型チャックなどにより他の側面が接触支持されている平坦な基板上に加圧力を誘引する。この場合、PM型は、非接触加圧面のように振る舞い、チャックの反対面に対して基板を平坦にするように動作する。
【0019】
本発明の熱処理工程用非接触プラットフォームについて上述したさまざまな型の流体クッションには多数の実施の形態が挙げられる。一般性から逸脱することなく、非接触プラットフォームの機能性に基づく基本的な特徴については、以下のことが言えよう。
非接触プラットフォームまたはその一部分は、熱処理工程の間、物体を支持することだけに用いられ(空気または他の何らかの互換性のある不活性ガスまたは液体が用いられる)、熱処理手段を有する第2のプラットフォームと組み合わせて用いられる。
非接触プラットフォームまたはその一部分は、流体クッションによって、熱処理工程用の流体を導入するのに用いられ、同時にこの流体クッションは処理対象物体の支持用としても機能する。
本発明のプラットフォームを、いずれの空力手段も持たない熱処理工程に、空力手段を有する第二のプラットフォームと組み合わせて用いてもよい。
【0020】
本発明の熱処理装置に関連する非接触プラットフォームに、流量絞り機構が装備されている上述した型の流体クッションを用いることの有益性を強調することは極めて重要なことである。SASO導管などのように流体戻しばね的挙動を有する流量絞り機構を用いれば、極めて小型でかつ均一な熱処理環境を安全に構築できる。
安全という用語は、流量絞り機構を使うことにより、プラットフォームの支持面と物体の対向面との間に実際上接触の恐れがないということを意味しており、これらの面間の隙間を小さくしようとすると迅速に大きな力が作用し、接触を回避する。例えば、300mmのウェハをPV型流体クッションが支持する場合、もしウェハを平衡浮上隙間からほんの数ミクロンでも自己適応的に移動させよう(プラットフォーム方向に近づけるあるいは遠ざける)とすると、10kgの流体機構復原力がこのエア・クッションにより発生する。この強い力は、非接触を保証するものであり、危険性の無い小型熱処理環境を作り出す選択肢を提供する。
小型という用語は、プラットフォームの支持面と物体の対向面との間の距離または隙間が小さい(例えば、0.5mm未満、0.1mm未満、あるいは、さらに0.02mm未満)という意味である。したがって、流体クッションにより与えられる温度の差異(物体に対向している熱プラットフォームの面の間の)は、極めて小さくなる。
均一という用語は、上述したすべての型の流体クッションの局所平衡作用に関し、流体が、相対的に小さな(物体の寸法に比して)各々の反復可能な基本セル内で局所的に供給され排出され、したがってそれが温度平均化のための局所的空力機構を有しているということを意味している。
なお、本発明のいくつかの実施の形態によれば、ウェハ加熱に関して記載されているが、これらの実施の形態に、例えば、後述するように、ウェハ冷却について実行するなどの変更を加え得ることは、当業者に理解されよう。
【0021】
以下、本発明の好適な実施の形態について、図1に基づいて説明する。図1は、非接触熱システム100の断面図であり、非接触熱システム100は熱プラットフォーム構成102を備える。
本発明の好適な実施の形態によれば、構成102は、例えばSCウェア104などの物体を、以下に詳述するように非接触で支持したまま加熱するものである。
本発明のいくつかの実施の形態によれば、以下に詳述するように、構成102は上板110を有してもよい。上板110は、例えば熱絶縁層112により、空力機構部(AM)108とは分離されている。部108は、たとえば、流体クッション106により生成される誘引力により、ウェハ104に接触せずにこれを支持するようになした支持面を備えている。かような非接触支持面の実施の形態は、出願番号PCT/IL02/01045、2002年12月27日出願、発明の名称"HIGH-PERFORMANCE
NON-CONTACT SUPPORT PLATFORMS(高性能非接触支持プラットフォーム)"、および2003年7月24日公開、PCT公開番号WO03/060961(特許文献1)に開示されており、この全開示内容を参照として本明細書に組み込むこととする。
【0022】
本発明の装置、システム、方法のそれぞれ、またはそれらの組み合わせの実施の形態は、特許文献1に開示されているような非接触支持面を実施してもよい。本発明の装置、システム、方法のそれぞれ、またはそれらの組み合わせの他の実施の形態によれば、その他の適切な非接触支持面を実施してもよい。
本発明の実施の形態によれば、部108は、例えば、特許文献1に記述されているPV型またはPA型流体クッションを保持する空力機構構成などのように、PV型またはPA型非接触支持面を有してもよい。部108は、複数の圧力吐出口114と、複数の流体排出流路117を有してもよい。圧力吐出口114の各々は、圧力流量絞り機構119を介して高圧容器121に流体的に接続されている。圧力吐出口114の各々は、さらに、上板110の個々の流路118を介してプラットフォーム102の表面116の圧力吐出口120に流体的に接続されている。圧力吐出口120は、圧力によって誘導される力を発生して、ウェハ104と面116の間の隙間εの流体クッション106を保持する加圧流体を供給する。圧力流量絞り機構119は、特性的には、流体戻しばね的な挙動を示す。流量絞り機構119の例としては、自己適応分割オリフィス(SASO)ノズルがあり、このノズルについては、出願番号PCT/IL00/00500、2000年8月20日出願、発明の名称"APPARATUS FOR INDUCING
FORCES BY FLUID INJECTION(液体注入による力導入のための装置)"、および2001年3月22日公開、PCT公開番号WO01/19572(特許文献2)に開示されていて、この全開示内容を参照として本明細書に組み込むこととする。流体排出流路117の少なくともいくつかは、流路124を介して面116の流入口126に流体的に接続されている。例えば、部108がPA型支持面を有しているある好適な実施の形態によれば、流路117の流出口122は、大気圧に保持される。例えば、プラットフォーム108がPA型支持面を有している他の好適な実施の形態のよれば、例えば、所望の真空強度値Vを得る真空ポンプ128を使って流出口122を真空状態に保持してもよく、すなわち、流体クッション106は、ウェハ104を「クランプ」することが可能な真空予圧流体クッションでもよい。
【0023】
本発明のいくつかの好適な実施の形態によれば、ウェハ104を、例えば、後述するように、吐出口120から流出する加圧流体により、対流熱伝達で加熱または冷却してもよい。
本発明のいくつかの実施の形態によれば、ウェハ104を、例えば、面116からの輻射熱により、輻射熱伝達で加熱または冷却してもよい。
本発明のいくつかの実施の形態によれば、ウェハ104を、例えば、プラットフォーム102から面116に対面しているウェハ104の面130へと流体クッション106を介して熱伝達する場合のように、伝導性熱伝達で加熱または冷却してもよい。
本発明の実施の形態による方法、装置、システムのそれぞれ、またはそれらの組み合わせが、後述するように、1つあるいはそれ以上の熱伝達を用いるということは、当業者に理解されよう。
本発明の好適な実施の形態によれば、プラットフォーム102は、熱交換要素140を1つまたはそれ以上有してもよい。熱交換要素140は、例えば、電流を流すことによって発熱する抵抗器など、当該分野においては公知の加熱または冷却要素を有してもよい。これらの実施の形態によれば、上板110の温度TTPは、要素140を使い上昇されてもよい。加熱要素140は、上述したように、輻射熱伝達および/または伝導性熱伝達によりウェハ104を加熱するよう駆動されてもよい。
【0024】
本発明のいくつかの実施の形態によれば、加熱要素140に付加またはその代替手段として、システム100は、AM部108に流入する流体の温度Tinを上昇または下降させる熱交換サブシステム132を有してもよい。例えば、熱交換サブシステム132は、圧力容器121内に設けてもよい。また、熱交換サブシステム132は、当業者には公知の熱交換サブシステムを有するものでよく、例えば、サブシステム132は電流が流れると発熱する抵抗器であってもよい。
例えば、流路118を流れる流体の温度が上板110の温度とは異なる場合、熱流束は、上板110と流路118を流れる流体の間で発生してもよい。
吐出口120の流体温度Toutと、吐出口114の流体温度Tとの温度差Tout−Tは、上板110と流路118を流れる加圧流体の間の熱流束の方向と大きさに依存することは、当業者に理解されよう。例えば、もしTTP<Tなら、ToutはTよりも低く、もしTTP>Tなら、ToutはTよりも高くなるであろう。温度差の大きさ|Tout−T|は、流路118を流れる流体と、上板110の間の熱流束の大きさに依存し、例えば、TTP<Tなら、熱流束は小さくなればなるほど、温度差(Tout−T)も小さくなる。このように、TTP<Tの場合、熱流束は小さくなればなるほど、クッション106に流入する加圧流体により、ウェハ104にはより多くの熱が伝達される。したがって、TTP>Tなら、上板110と流路118を流れる加圧流体との間の熱流束は高くなればなるほど、Toutも高くなり、クッション106に流入する加圧流体によって、より多くの熱がウェハ104に伝達される。このように、流体吐出口120によりウェハ104に伝達される熱の量は、上板110と流路118を流れる加圧流体との間の熱流束に依存する。
【0025】
流路118を流れる加圧流体と上板110との間の熱流束の大きさは、例えば、流路118の幾何学的形状、または流路を流れる流体の質量流量(MFR)、上板110の温度と流路118を流れる流体の温度との差の大きさのそれぞれ、またはそれらの組み合わせに依存する。
本発明のいくつかの好適な実施の形態によれば、流路118を流れる流体と上板110との間の熱流束の大きさは、流体と流路118の内壁面との接触面積を増すことにより、増加させることができる。例えば、少なくともいくつかの流路118は、この流路が相対的に大きな内壁面積を有するように、相対的に広くおよび/または長くすればよい。
このように、本発明の実施の形態によれば、ウェハ104は、上板110を加熱すること、および/または高温流体、すなわち出口120から吐出する流体を有する流体クッション106を流すことにより加熱される。温度Toutは、上述したように、ヒータ132またはヒータ140あるいはその両方を駆動することにより、上昇させられる。
本発明の好適な実施の形態によれば、部108と上板110は、システムで実施されるTinの所望の温度範囲に適した熱的特性を持つ材料で構成されてもよい。例を挙げると、例えば400℃またはそれ以下といった比較的低温のTinで実施されるなら、例えばアルミニウムといった適切な材料で部108を構成することができる。例えば600℃またはそれ以下といった中温のTinで実施されるなら、例えばステンレス鋼かまたはニッケルで部108を構成することができる。例えば600℃またはそれ以上といった比較的高温のTinで実施されるなら、例えば酸化アルミニウム、窒化珪素、あるいは窒化アルミニウムといった適切なセラミック材料で部108を構成することができる。
【0026】
本発明の実施の形態によれば、以下に詳述するように、システム100によりTの制御を実行することができる。
本発明の好適な実施の形態によれば、システム100はまた、少なくともウェハ104の一部分の温度を検出するための、1以上の温度検出装置を有してもよい。本発明のいくつかの好適な実施の形態によれば、システム100は1以上の非接触温度センサを有してもよい。例えば、システム100は、当該技術分野においては公知の赤外線(IR)検出装置150を少なくも1つ有してもよい。本発明の実施の形態として、他の適当な温度検出装置を付加するか代替手段として用いることも可能であり、例えば、当該技術分野においては公知のように、ウェハ様基板に、1個またはそれ以上の熱電対157を埋め込むことが可能であることは、当業者に理解されよう。
システム100は、例えばセンサ150から、温度Tに対応した信号155を受信する制御器160を有してもよい。例えば後述するように、制御器160は、ウェハ温度Tを制御する。
本発明のいくつかの好適な実施の形態によれば、Tは、ウェハ104に伝達される熱量が隙間εに関係しているので、隙間εを制御してTを制御する。特許文献1に記述されているように、隙間εを広くすればするほど、流体クッション106に流入する流体のMFRは増える。従って、隙間εを広げれば広げるほど、吐出口120から流出する加圧流体によってウェハ104に伝達される熱は多くなる。
【0027】
圧力源の圧力Pを制御すること、および/または、例えば特許文献1に記述されているように、真空度Vを制御することにより、隙間εの大きさを制御することができる。例を挙げれば、Pを増やすかVを減らすことによりεを増やすことができる。
本発明のいくつかの好適な実施の形態によれば、隙間εの大きさは、5μmから500μmあるいはそれ以上の範囲内にあり、Pは、10mbarから500mbarの間であり、Vは、10mbarから300mbaの間であってもよい。しかしながら、本発明の他の実施の形態によれば、ε、P、Vの値については他の適当な値で実施してもよい。
このように、本発明の好適な実施の形態によれば、上述したように、例えば、センサ150および/または制御器160を使い、T、TTP、Toutのそれぞれ、またはそれらの組み合わせを制御することにより、例えば、加熱要素140および/または加熱サブシステム132を制御することにより、ならびに/あるいは、流体クッション106に流入する流体のMFRおよび/または流体クッション隙間εを制御的に調整することにより、例えば、Pおよび/またはVの値を制御することによって、Tを制御することができる。
本発明のいくつかの好適な実施の形態によれば、構成102の対応する1つまたはそれ以上の部位において、Pおよび/またはVを選択的に制御するか、ならびに/あるいは、構成102の対応する1つまたはそれ以上の部位において、例えば制御器160を使って、例えば要素140などの1つまたはそれ以上の加熱要素の駆動を選択的に制御するかにより、ウェハ104の1つあるいはそれ以上の部位の温度を選択的に制御することができる。
【0028】
本発明のいくつかの好適な実施の形態によれば、以下に記述するように、システム100は、例えば相対的に速い、第1の時間スケールに従ってウェハ104の温度Tの上昇、下降、制御を実施してよく、他方、TTP値は、例えば相対的に遅い、実質的に異なる第2の時間スケールに従って変化させてもよい。
例えば上述したように、Tを制御的に上昇/下降させるように、吐出口120から流出する加圧流体を実施してもよい。かくして、例えば上述したように、例えば、Toutを制御することにより、および/または、流体クッション106に流入するすなわち吐出口120から流出する流体の質量流量を制御することにより、ウェハ104の温度Tを上板110の温度TTPとは実質的に分離して制御することができる。
かくして、本発明の実施の形態によれば、ウェハ104の熱質量は、上述したように、例えば、流体クッション106に流入する流体によりウェハ104に伝達される熱量を制御することにより、プラットフォーム102の熱質量とは実質的に分離されることになる。
かくして、本発明の実施の形態によれば、ウェハ104の温度Tは、例えば相対的に速い第1の時間スケールに従って制御され、他方、TTP値は、例えば相対的に遅い実質的に異なる第2の時間スケールに従って変化することになる。
【0029】
本発明の好適な実施の形態によれば、第1の時間スケールと第2の時間スケールとの分離の度合いは、例えば上述したように、流体クッション106に流入する流体によりウェハ104に伝達される熱量と、面116からの輻射および流体クッション106の熱伝導によりウェハ104に伝達される熱量の比率を各々増加または減少させることにより、増減することができる。
本発明のいくつかの実施の形態によれば、プラットフォーム102からすなわち流出口122を経由して流出する流体の熱は、例えばTin上昇用に、プラットフォーム102に流入する流体の加熱に供することができる。このことは、例えば、当業者には公知のように、熱交換器(図示せず)を使えば実現できる。
本発明のいくつかの実施の形態によれば、構成102はさらに、絞り機構119の流量特性とは異なる流量絞り特性を有する少なくとも1つの流量絞り機構119aを有することができる。例えば、流量絞り機構119aは、比較的低い流量性能によって特徴付けられてもよい。この実施の形態によれば、流量絞り機構119aは、実質的には流量絞り機能を示さなくてもよい。
本発明のいくつかの好適な実施の形態によれば、流量絞り機構119aは比較的高いMFRの高温流体をクッション106に供給するのに供することができる。その結果、実質的に短時間のうちにウェハ104の温度Tを上昇させることができる。
本発明のいくつかの実施の形態によれば、1つまたはそれ以上の流路117は、例えば、1つまたはそれ以上の流量制御弁(図示せず)を用いて、ポンプ128とは流体的に切り離されることができ、また容器121とは流体的に接続することができる。かくして、例えば比較的高MFRの比較的低加圧流体といった加圧流体が、実質的に短時間のうちにTを上昇させるために流路117を経由して流体クッション106に供給されることができる。
【0030】
次に、ウェハ104の温度の変化量ΔTの時間推移を図示した図2に基づき、本発明の好適な実施の形態について説明する。
ウェハ104の加熱手順には、3つの段階、すなわち、「上昇」段階202、「過渡」段階204、および定常状態温度が維持される「定常状態」段階206がある。段階202は、実質的に定常状態温度近傍の値が得られるまで、温度の実質的に単調な増加を有してもよい。段階204では、定常状態温度になるように、温度値の「微調整」を有してもよい。
本発明の実施の形態によれば、上述したように、例えば、第1の時間スケールと第2の時間スケールとを十分に分離する、すなわち、分断することにより、段階202および/または段階204の期間を著しく短縮できることは、当業者に理解されよう。
本発明の好適な実施の形態によれば、段階202の間に、比較的短時間のうちにTの比較的大幅な上昇を得るために、例えば上述したように制御器160により、比較的高いMFRが制御されうる。例えば、段階204および/または段階206の期間のTの値の「微調整」は、例えば上述したように、Tinを制御することによって、ならびに/あるいは、温度Pおよび/またはVの値を制御することによって、ならびに/あるいは、加熱要素140の駆動を制御することによって、実施されることができる。
【0031】
本発明のいくつかの好適な実施の形態によれば、温度の「微調整」は、例を挙げれば、例えば後述するように、構成102の対応する部位のPの値および/またはVの値を選択的に制御することによる、ならびに/あるいは、例えばここに記載されるように、加熱要素140の1つまたはそれ以上を選択的に制御することによる、ウェハ104の1つまたはそれ以上の部位の「局所微調整」を有してもよい。かくして、例えば、比較的均一、即ち均質な温度が、ウェハ104全体で達成することができる。
本発明の好適な実施の形態によれば、例えば上述したように、ウェハ、例えば、ウェハ104の温度を所望の温度対時間特性にしたがって制御するように、プラットフォーム102が制御されることは、当業者には理解されよう。この温度特性の例としては、例えば、標準温度に対して、周期的な温度の上昇、下降といった、時間的に実質的に連続した温度特性を有する。
本発明のいくつかの実施の形態によれば、プラットフォーム102は、さらに、後述するように、ウェハ104の1つまたはそれ以上の部位の温度を選択的に制御するように供されてもよい。
本発明のいくつかの好適な実施の形態によれば、ウェハ104表面に渡る所望の温度特性は、後述するように、予め定められたパターンに従って、例えば流量絞り機構119および/または流量絞り機構119aなどの流量絞り機構を配置することにより達成できる。
【0032】
さらに、PV型の配置300の概略平面図である図3を参照して、本発明のいくつかの好適な実施の形態について説明する。
本発明のいくつかの好適な実施の形態によれば、配置300は、熱プラットフォーム構成102で実施されるものであり、すなわち、構成102の排出流路と流量絞り機構は、配置300に従って配置されてもよい。
配置300は、セル302、すなわち、流量絞り機構と排出穴のパターンを有してもよい。
本発明のいくつかの好適な実施の形態によれば、セル302は、排出穴304を少なくとも1つと、流体ばねとして作用する第1のタイプの流量絞り機構306を少なくとも1つと、第2のタイプの流量絞り機構308を少なくとも1つとを有してもよい。排出穴304は、例えば図1の容器128などの真空容器に接続されている、例えば図1の流路117などの排出流路と流体的に結合されてもよい。ここで、他の実施の形態によれば、セル302が1種類の流量絞り機構と、1種類よりも多い排出穴を有している点に留意されたい。
【0033】
本発明の好適な実施の形態によれば、絞り機構306と絞り機構308は、異なる流量絞り特性を持っていてもよい。例えば、絞り機構308は、絞り機構306に比して流量絞り能力が低いことがある。従って、絞り機構308は、絞り機構306により供給される高温流体のMFRよりも高いMFRの高温流体を流体クッション106に供給することができる。この結果、実質的に絞り機構308上に位置するウェハ104の部位の温度は、実質的に絞り機構306上に位置するウェハ104の部位の温度よりも高くなることがある。
このように、本発明の実施の形態によれば、例えばウェハ104に渡って均一な温度分布にするというように、例えば所望の温度分布に従って、ウェハ104の1つまたはそれ以上の部位を選択的に制御するために、プラットフォーム102の流量絞り機構と排出流路は、予め定められたパターンに配置されてもよい。
本発明の実施の形態において、上述したように、例えば、熱プラットフォームの熱質量とウェハの熱質量との間を所望の程度まで分離するために、またはウェハに渡って例えば均一温度といった所望の温度特性を得るために、または所望の温度対時間特性を得るために、または熱伝達機構の異なる組み合わせを用いるために、あるいはこれらを組み合わせて用いるために、熱プラットフォーム、例えば後述するように、構成102以外の構成が備えられてもよいことは、当業者に理解されよう。
【0034】
次に、本発明の別の好適な実施の形態について、熱プラットフォーム構成400の概略断面図である図4に基づいて説明する。
この本発明の別の好適な実施の形態によれば、構成400は、図1のシステム100によって、例えば図1の構成102を置き換えることにおいて実施することができ、またPA型またはPV型AM部408を有してもよく、該AM部408は、例えば、図1に基づいて説明したAM部108に類似のものである。構成400はまた、複数の流路414を有する熱交換部410を有してもよく、該流路414は、部408の加圧流体流路416と圧力容器418とを流体的に結合している。構成400はまた、部410を熱的に絶縁するために、熱絶縁層412を有してもよい。
部410は、例えば上述した図1の要素140などの何らかの適切な熱交換要素を有してもよい。
構成400が、ウェハ422の加熱および/またはウェハ422の温度制御を、例えば図1に基づき説明した構成102で実施したのと同様に実施できることは、当業者に理解されよう。
本発明のいくつかの実施の形態によれば、部408と部410が、複数のAM要素を有するセクションを組み合わせたもの、および1つまたはそれ以上の加熱要素により実施できることは、当業者に理解されよう。
【0035】
次に、本発明のさらに別の好適な実施の形態を、熱プラットフォーム構成500の概略断面図である図5に基づいて説明する。
本発明の好適な実施の形態によれば、構成500は、図1のシステム100によって、例えば図1の構成102を置き換えることにおいて実施でき、またAM部502を有してもよい。部502は、非接触支持面と、例えば上述したように、流路510を流れる加圧流体の温度を変更するために、例えば熱交換要素509を複数有するといった加熱構成とを有してもよい。
構成500は、また、空力機構部502をウェハ506から熱的に絶縁する熱絶縁層504を有してもよい。層504は、層504の対向面とウェハ506の間に形成される流体クッション512に向け、流路510から流出する加圧流体を搬送する複数の流路508を有してもよい。層504は、また、複数の排出流路520を有してもよい。層504の上面505、すなわちウェハ506対向面は、例えば高反射率金属コーティングや酸化薄膜層の素地などの低熱放射材料で形成またはコーティングされている。このようにして、ウェハ506の温度は、流路510を流れる流体の温度を変えることで、変化させることができる。
構成500は、ウェハ506が部502とは絶縁層504により熱的に分離されているので、部502の熱質量とウェハ506の熱質量の間を比較的高度に分離することができることは、当業者に理解されよう。このようにして、Tの比較的早い変化は、構成500を用いて、すなわち、上述の如く、部502の温度時間スケールとウェハ506のそれとを実質的に分離することにより達成できる。このことは、例を挙げれば、上述の如く、流体クッション512に比較的高いMFRの流体を流入させることで達成できる。
【0036】
ウェハ506の加熱および/またはウェハ506の温度制御を、図1に基づき上述した構成102で実施したのと同様に、構成500で実施できることは、当業者に理解されよう。
本発明の実施の形態におけるいくつかの方法および/または装置は、ウェハの温度Tを、上昇させるという点について述べられているが、他の実施の形態によれば、これらの方法および/または装置が、ウェハ温度を降下すなわちウェハの冷却に変更し得るということは、当業者に理解されよう。例を挙げれば、上述した図1の加熱サブシステム132は、例えば、当業者には公知のように、熱プラットフォームに流入する流体の温度を低下させる冷却サブシステムに置き換えることができる。
【0037】
本発明のいくつかの実施の形態での非接触熱システムが、例えば、上述の如く、熱プラットフォームに対向するウェハ面(下面)などの、ウェハの第1面を加熱/冷却することにより、ウェハ温度を上昇/下降、および/または制御を実施できることは、当業者に理解されよう。このようにして、本発明のいつくかの実施の形態によれば、ウェハの少なくとも他の面、例えば、前記の第1面の反対側の面(上面)を、環境に露出されることとなり、ウェハを加熱/冷却しつつ、例えば、公知のCVDや、PVDあるいはエッチングなどの所望の工程に供することができる。例えば、ウェハの裏側を加熱しつつ、ガスまたは流体により表面に化学工程を施すということが可能である。
上述した説明は、PA型ないしPV型非接触流体クッションの実施についてのものだったが、図1のシステム100が、特許文献1に記述されているように、例えば両側面PP型やPVPV型のプラットフォームなどの他の適当な非接触支持プラットフォームを使っても実施可能であることは、当業者に理解されよう。例を挙げれば、図1のシステム100は、後述するように、PP型やPVPV型両面支持構成で置き換えることができる。
【0038】
次に、本発明の他の実施の形態を、両面非接触熱システム600の概略構成図である図6に基づき説明する。
本発明の実施の形態によれば、下で述べるように、システム600はPP型またはPVPV型非接支持構成が用いられる。
好適な実施の形態によれば、システム600は、第1の熱プラットフォーム構成604と、第2の熱プラットフォーム構成606とを有し、それぞれウェハ602の互いに反対の面と関連している。
構成604と構成606は各々、例えば上述したような適切な非接触熱プラットフォーム構成を有してもよい。例を挙げれば、構成604は、図1の構成102に類似の構成を有し、構成606は図4の構成400に類似の構成を有してもよい。構成604と606は、それぞれ、例えば上述のごとくPA型の支持面を有してもよい。このように、システム600は、例えば、PP型非接触支持構成を実施するものである。他の実施の形態によれば、構成604と606は、例えば上述のごとく、例えばPV型支持面を有してもよい。したがってシステム600は、PVPV型非接触支持構成を実施することができる。
本発明のいくつかの実施の形態によれば、構成604と構成606は、ウェハ602のシステム600への装填/取出しを実施することもできる。例を挙げれば、構成604は、ウェハ602を非接触にて「把持」し、これを構成606の下に置くことにより、ウェハ602を装填するよう適合させることができる。
本発明の好適な実施の形態によれば、システム600は、後述するように、ウェハ602の温度を制御する制御ユニット612を有してもよい。
本発明の好適な実施の形態によれば、プラットフォーム604の温度Tc1は比較的低温であり、プラットフォーム606の温度Tc2は比較的高温で、Tc2>Tc1であり、これらの温度は、制御ユニット612により、例えば上述のごとく、例えば、プラットフォーム604および/またはプラットフォーム606の、加熱要素および/または冷却要素を制御可能なように駆動することにより、制御されて維持される。
【0039】
次に、図7aおよび7bを参照しつつ説明する。図7aおよび7bは、温度対垂直位置を概略的に示したもので、yは、本発明の好適な実施の形態におけるプラットフォーム604とプラットフォーム606に対するそれぞれのウェハ602の二つの位置関係に対応している。
図7aおよび7bに示すように、ウェハ602の温度Tは、プラットフォーム604とプラットフォーム606のそれぞれからウェハに伝達される熱量に依存することとなる。
上述のごとく、プラットフォーム604からウェハ602へ伝達される熱量は、たとえば、ウェハ602とプラットフォーム604の間の隙間ε、ならびに/あるいはウェハ602とプラットフォーム604との間に形成される流体クッション610へ流入する加圧流体のMFR1、および/または前記加熱流体の温度Tout1に依存する。したがって、プラットフォーム606からウェハ602へ伝達される熱量は、ウェハ602とプラットフォーム606の間の隙間ε、ならびに/あるいはウェハ602とプラットフォーム606との間に形成される流体クッション608へ流入する加圧流体の質量流量MFR2および/または前記加熱流体の温度Tout2に依存する。
かくして、ウェハ温度Tは、MFR2、Tout2、εのそれぞれ、またはそれらの組み合わせによって、あるいは、MFR1、Tout1、εのそれぞれ、またはそれらの組み合わせによって制御される温度差(Tc2−T)と温度差(T−Tc1)に従って制御されることができる。
【0040】
このようにして、本発明の好適な実施の形態によれば、上述のごとく、制御ユニット612は、P1、V1、Tout1、P2、V2、Tout2、MFR1、MFR2のそれぞれ、または組み合わせを制御することによって、Tを制御することができる。ここで、P1、P2は、構成604、606にそれぞれ供給される圧力であり、V1、V2は、構成604、606にそれぞれ与えられることとなる真空値である。
本発明の好適な実施の形態によれば、ユニット612が所望の温度対時間特性に従ってウェハ602の温度を制御し得ることは、当業者に理解されよう。
また、プラットフォーム604とプラットフォーム606の熱質量からのウェハ602の熱質量の分離に対して比較的感度が低い状態で、システム600が、Tを比較的短時間に制御的に上昇/降下させることができることも、当業者に理解されよう。このことは、P1、V1、Tout1、P2、V2、Tout2、MFR1、MFR2のそれぞれ、あるいは組み合わせを制御することにより、Tが制御される一方で、各プラットフォームが実質的に一定の温度に保たれることができるという事実に関連している。
【0041】
本発明のいくつかの実施の形態によれば、システム600は、隙間εとεの標準の値を予め設定するとともにウェハ602の温度が所望の温度となるようにεとεを制御的に変更するための適切な機械的手段を有してもよい。例を挙げれば、プラットフォーム604および/またはプラットフォーム606は、プラットフォーム604および/またはプラットフォーム606を垂直方向に移動可能なスライド(図示せず)上に設置させることができる。例を挙げれば、このスライドは、1つまたはそれ以上の、空圧式、または電気式、または機械式のアクチュエータにより駆動されてもよい。
本発明のいくつかの好適な実施の形態によれば、構成600は、εとεの比率を、たとえば10から100の間などの一定の比率に保つことにより実施されうる。例を挙げれば、ウェハ602の温度を降下させるためには、εの値、例えば500μmを、εの値、例えば5μmよりは100倍大きな値に維持し、逆に、ウェハ602の温度を上昇させるためには、εの値、例えば500μmを、εの値、例えば5μmよりは100倍大きな値に維持されてもよい。このようにεとεの比率を動的に制御することにより、ウェハ602の温度を上昇または降下させることができる。本発明の他の実施の形態によれば、ε、P、Vのそれぞれ、あるいはそれらの組み合わせが、他の適当な値で実施できることは、当業者に理解されよう。
【0042】
本発明のいくつかの好適な実施の形態によれば、プラットフォーム604および606はそれぞれ、例えば上述のごとくPV型支持面を有してもよい。例えば制御ユニット612により、プラットフォーム604と606の片方、例えばプラットフォーム604を比較的高温に維持し、もう片方のプラットフォーム、例えばプラットフォーム606を比較的低温に維持することができる。プラットフォーム604および/またはプラットフォーム606は、例えば上述のごとく、隙間εに比して隙間εを小さい状態にしておく、すなわち、例えばε=20μm、ε=40μmといったようにε<<εにしておくために、垂直方向に移動可能にしてもよい。こうすると、隙間εおよび/または隙間εの値を制御的に増減させることにより、ウェハ602の温度を比較的高率で変更することが達成でき、例えば、移動させるとか例えば片方のプラットフォームのみウェハに近づけるなど、片方のプラットフォームのみでウェハ温度を実質的に増減できる。
本発明のいくつかの実施の形態によれば、ウェハ602の所望の温度の増減に対応するεとεの比率は、例えばウェハ602の厚みに関係している。
【0043】
本発明のいくつかの好適な実施の形態によれば、プラットフォーム604とプラットフォーム606は両方とも加熱または冷却を実施され得る。このような形態によれば、結果的に生じるウェハ602の熱損失あるいは、周囲環境の熱利得は、最小となる。それゆえ、極めて高率でのウェハ602の加熱/冷却が実現できる。これらの形態によれば、εとεの値としては、例えば5μmから200μmの間といった比較的小さい値に維持され、温度Tは、熱交換要素622および/または632を制御的に駆動することにより制御され得る。比較的高速の温度変化は、MFR1、MFR2、Tout1、Tout2のそれぞれ、あるいはその組み合わせを制御することで達成できる。
本発明の実施の形態によれば、例えば上述した図1の熱プラットフォームの表面106などの上面は、この熱プラットフォームに対向しているウェハ面の面積よりは広い面積を有してもよい。このことにより、例えば、熱プラットフォームの表面とウェハの表面の間に形成される流体クッションの1つまたはそれ以上の端部すなわち境界に近接しているところで起こる熱的端部効果を調整する必要がでてくる。
【0044】
次に、本発明のいくつかの好適な実施の形態を、図8の熱絶縁配置800の概略図に基づき説明する。
本発明のいくつかの実施の形態によれば、配置800は、ウェハ804と熱プラットフォーム816の間に形成される流体クッションの、1つないしそれ以上の端部で発生する熱的端部効果を、例えば最小化するなど調整するためのものである。
本発明のいくつかの好適な実施の形態によれば、配置800は、受動的絶縁配置を有してもよい。例を挙げれば、配置800は、ウェハ804に近接した位置に設けられた絶縁層802を有してもよい。この絶縁層は、例えば水晶や石英ガラスなどの適切な熱絶縁材料で形成されうる。
本発明のいくつかの好適な実施の形態によれば、配置800は、能動絶縁配置を追加的にまたは代替的に有してもよい。例を挙げれば、配置800は、プラットフォーム816の支持面818に垂直な面812を有してもよい。面812は、ウェハ804の所望の温度に従い制御的に加熱または冷却される。面812は、所望の温度の流体を流す複数の窓814を追加的にまたは代替的に有してもよい。
追加的または代替的に、本発明のいくつかの実施の形態において、面818の窓830から、加圧高温流体を流してもよい。
【0045】
追加的または代替的に、端部効果は、例えば上述のごとくウェハ804と面818との間の隙間εを、例えばウェハの1つないしそれ以上の端部に対応した部位で選択的に制御することで調整してもよい。
本発明のいくつかの実施の形態によれば、ウェハ804端部と面812の間の隙間840は、熱的には閉じた流体クッション環境を動的に提供するように流体的に制御されることができ、すなわち、流体クッション820は、熱的に環境から分離されうる。このことは、例えば、プラットフォーム816に複数の窓830を設けることで達成できる。ウェハ804の周りに真空吸引リング配置を形成するために、真空吸引が窓830に適用される。吸引リング配置は、さらに、流体クッション820と環境との間の熱的相互作用を実質的に減ずることができる。代替的に、例えば、流体交換量すなわち流体クッションと環境との間を流れる流体の流量を減らすため、加圧流体を窓830を通して注入してもよい。
【0046】
次に、本発明のいくつかの好適な実施の形態を、多室型非接触熱システム900の概略図である図9に基づき説明する。
本発明の好適な実施の形態によれば、システム900は、例えばウェハおよび/またはフラット・パネル・ディスプレイ(FPD)パネルの複数の基板910に対して、例えば加熱または冷却といった熱的な処理を行う。システム900は、複数の非接触熱室902を有してもよい。室902は、上述のごとき基板910を支持するPA型またはPV型非接触支持面904と、加熱または冷却ユニット906を有してもよい。基板910は、熱処理の間は、非接触で支持されているので、ホット・スポットやコールド・スポットの生成を回避できる。システム900に、熱処理の間の基板910の横変位を防止するために適当な横変位リミッタまたはクランプ構成(図示せず)を付加的に有してもよい。複数の室902は、熱的に絶縁された筐体901内部で、積層状態に配置され、その結果としてシステム900の生じる「設置面積」を減ずることができる。筐体901は、基板910を装填するための複数の装填口908を有してもよい。各基板は、例えば図6に基づき説明したように、非接触支持面により支持されているので、少なくとも片面から加熱または冷却できる。
本発明のいくつかの好適な実施の形態によれば、システム900はさらに、例えば図の矢印914で示したように、基板910の装填/取出しが可能なようにした非接触基板ハンドラ912を有してもよい。ハンドラ912は、矢印916に示したように、例えば適切なアクチュエータを使用して、垂直方向に動き、所望の熱処理室902への基板910の装填/取出しを可能にすることができる。ハンドラ912および/または筐体901は、垂直方向の割り出しまたは装填/取出し用の水平動作用に、適当な機械式、電気式、空気圧式のいずれか1つあるいはその組み合わせた駆動装置を有してもよい。
装填/取出し用に非接触支持を使えば、例えば基板910の装填/取出し用に従来用いられているような、底面保持アームを使う必要がないので、穴908を比較的狭くできることは、当業者に理解されよう。
【0047】
次に、本発明の好適な実施の形態を、製造ラインのなかで用いられるすなわちインライン式の非接触熱処理システム1001の概略図である図10aに基づき説明する。
システム1001は、例えばPA型またはPV型非接触支持面を有し、ウェハやFPDパネルといった基板1010を装填する装填部1008を有してもよい。システム1001はさらに、例えば上述のごとく、基板1010を加熱または冷却する熱プラットフォーム1002を有してもよい。システム1001はさらに、例えばコンベヤ1012で示されているように、装填部1008および/またはプラットフォーム1002の上方で基板1010を搬送するのに適した搬送システムを有してもよい。システム1001は、例えばPA型またはPV型非接触支持面を有し、基板1010を取出す取出し部1009を付加的に有してよい。基板1010の加熱/冷却は、基板1010が熱プラットフォーム1002の上に留まっている間か、基板1010がプラットフォーム1006の上を移動する間に行われる。
【0048】
次に、本発明の別の好適な実施の形態を、インライン式非接触熱処理システム1019の概略図である図10bに基づき説明する。
システム1019は、例えば、図10aに基づき説明した装填部と取出し部に類似の装填部および/または取出し部を有してもよい。システム1019は、下側熱プラットフォーム1022の反対側に位置した上側熱プラットフォーム1020を有してもよい。
【0049】
次に、本発明のさらに別の好適な実施の形態を、インライン式非接触熱処理システム1029の概略図である図10cに基づき説明する。
システム1029は、例えば、図10aに基づき説明した装填部と取出し部に類似の装填部および/または取出し部を有してもよい。システム1029は、少なくとも2つの集中熱処理室1030と1032を有し、それぞれの室は、基板を加熱または冷却する。
【0050】
次に、本発明のさらに別の好適な実施の形態を、インライン式非接触熱処理装置1109の概略構成図である図11aに基づき説明する。装置1109は、基板1199を支持するPA型またはPV型非接触支持プラットフォーム1120と、支持プラットフォーム1120の反対側に位置する熱プラットフォーム1111を有してもよい。基板1199の幅方向に対する局所加熱または冷却は、熱プラットフォーム1111により行われ、この熱プラットフォーム1110は、任意の機械的駆動装置により縦方向に駆動され、基板1199の縦方向の任意の所望位置に移動することができる。
【0051】
次に、本発明のさらに別の好適な実施の形態を、インライン式非接触熱処理装置1119の概略構成図である図11bに基づき説明する。装置1119は、基板1199を支持するPA型またはPV型非接触支持プラットフォーム1120と、支持プラットフォーム1120の反対側に位置する熱プラットフォーム1113を有してもよい。基板1199の任意の所望位置での局所加熱または冷却は、熱プラットフォーム1113により行われ、この熱プラットフォーム1113は、スライド1112により横方向に駆動されるとともに、スライド1112は支持プラットフォーム1120に対して縦方向に動く。
【0052】
次に、本発明のさらに別の好適な実施の形態を、SCウェハなどの円形基板を加熱または冷却する両側面円形非接触熱処理装置の概略構成図である図12aに基づき説明する。
図12aの熱処理装置は、上側熱PV型非接触プラットフォーム1210と、下側熱PV型非接触プラットフォーム1220とを有し、基板1299は、これらのプラットフォームの間で加熱または冷却される。このシステムのある構成では、一方の熱プラットフォーム、例えば上側熱プラットフォーム1210には、機械的な移送機構1230に結合されている。
この熱処理装置の一方の熱プラットフォームが加熱プラットフォームであり、他方の熱プラットフォームが冷却プラットフォームであり、一方のプラットフォームに非接触でクランプされている基板がこれらにより加熱または冷却されることができることは、当業者に理解されよう。
例えば熱プラットフォーム1210を移送機構1230により上昇させることにより、熱プラットフォームの間の距離を増すと、基板1299に及ぼす高温熱プラットフォームと低温熱プラットフォームの間の熱的交互作用を減らすことができることは、当業者に理解されよう。
移送機構1230を適用することより、熱プラットフォーム間の搬送が比較的迅速に行えることは、当業者に理解されよう。
熱プラットフォームに結合された2組の制限ピン1240が、基板1299をある熱プラットフォームから別の熱プラットフォームに搬送する間、基板1299を安全な位置に保つ手段を提供するものであることは、当業者に理解されよう。
【0053】
次に、このシステムの別の構成例を、図12bに基づき説明する。基板1299が加熱または冷却されている間に、熱プラットフォーム1210と1220の間に絶縁板1250が挿入され、これにより基板1299に及ぼす高温熱プラットフォームと低温熱プラットフォームの間の熱的交互作用が減ぜられる。絶縁板1250は、基板1299をある熱プラットフォームから別の熱プラットフォームに搬送する間は、機械的手段により抜去される。
絶縁板1250が、熱絶縁性の金属またはセラミック熱抵抗性素材で作られてもよいことは、当業者に理解されよう。
このシステムのさらに別の構成例では、熱プラットフォーム例えば1220は回転機構1270により回転し、基板1299のより均一な温度を実現する。
【0054】
次に、このシステムのさらに別の構成例を図12cに基づき説明する。図12cで、非接触プラットフォーム1220は、すくなくとも3つの可動式ランディングピン1260を有してもよい。ランディングピン1260は、基板1299を支持するために持ち上げられた位置にあり、基板1299は、例えば、下から基板を支持するエンド・エフェクタ型ハンドにより、熱プラットフォーム1220から別の熱プラットフォームへ搬送され、これらのランディングピンは、基板1299を熱処理する間は熱プラットフォーム1220内に引っ込められる。
【0055】
次に、このシステムのさらに別の構成例を、図12dに基づき説明する。図12dで、PV型非接触熱プラットフォーム1210は、熱処理のために基板1299を上下逆さまにクランプしている。基板1299は、例えば基板を下側から支持するエンド・エフェクタ型ハンドなどにより熱プラットフォーム1210に供される。
【0056】
次に、このシステムのさらに別の構成例を、図12eに基づき説明する。図20で、PV型非接触熱プラットフォーム1220は、熱処理のために基板1299をクランプしていて、一方少なくとも3つの機械的回転ローラが、基板1299の温度分布がより均一になるように、基板1299を回転させる。
なお、本発明のいくつかの実施の形態は、流体を使用する非接触支持プラットフォームに関して記載していたが、この流体は、例えば水、空気、N、He、Arなどの適当な流体を使えば本発明を実施できることは、当業者に理解されよう。
また、本発明の実施の形態によれば、非接触熱処理システムが、例えばSCウェハなどの物体の温度を実質的に一様に変更できることは、当業者に理解されよう。ウェハ全体の実質的に均一な温度分布は、例えば、非接触でウェハを支持する流体クッション支持に関係していて、当業者には公知のように、ウェハが熱プラットフォームの支持面に接触しているときとか、例えば支持ピンなどの他の支持手段により支持されている場合、ウェハ表面に形成されるホット・スポットまたはコールド・スポットの形成を回避できる。
本発明の実施の形態によれば、ウェハ全体の温度分布の均一度は、以下で説明するように、支持プラットフォームの型が持っている熱的構成にも関係している。
【0057】
特許文献1に記述されているように、PV型、またはPP型、またはPVPV型支持プラットフォームは、比較的高い平面度精度が達成されうる。本発明の実施の形態によれば、ウェハ面の一部と熱プラットフォームの作動面との距離の相違は、ウェハがある程度の非平面度を有する場合、PP型またはPV型プラットフォームを使えば、比較的小さなものにすることができる。かように、PV型、またはPP型、またはPVPV型支持プラットフォームは、例えば、温度分布として小さな許容差しかない場合など、比較的均一な温度分布が求められる場合に使用される。
本発明の他の実施の形態によれば、PA型支持プラットフォームは、例えば、温度分布としてある程度広い許容差が認められる場合など、比較的低い均一度の温度分布でよい場合に使用される。
本発明のいくつかの実施の形態によれば、後述するように、ウェハ全体にわたって比較的均一な温度分布を得るために、ウェハが非接触熱プラットフォームの対向面に対して回転する。
本発明のいくつかの好適な実施の形態によれば、ウェハを回転させるための機械的回転手段を有してもよい。例を挙げれば、この機械的回転手段は、ウェハの端部でウェハをクランプするとともにウェハを回転させる回転車(図示せず)を有してもよい。この回転車は、例えば当業者には公知であるような適切な材料で作られている回転車である。
【0058】
本発明の他の好適な実施の形態によれば、例えばウェハを回転することが可能な接線方向のせん断力が生ずるように、流体ジェットをウェハに向けて噴射するなど、非接触回転手段を使ってウェハを回転させる。
非接触支持プラットフォームを使えば、もしウェハの被支持面が支持プラットフォームに接触している場合に発生する可能性のある何らかの損傷を防ぐことができることは、当業者に理解されよう。例を挙げれば、本発明の好適な実施の形態によれば、非接触支持プラットフォームを用いた熱プラットフォームは、引っかき傷や汚れといった機械的損傷および/または損傷に関係したずれを防ぐことができる。
本発明の好適な実施の形態によれば、例えば上述したように、非接触熱プラットフォームは、例えばウェハの装填および/または取出しの用途で、適当な位置決め手段および/または取付け手段を用いてもよい。例を挙げれば、非接触熱プラットフォームは、当業者には公知のように、1つまたはそれ以上の制限ピンを有してもよい。本発明の好適な実施の形態によれば、この制限ピンは、当業者には公知のように、熱絶縁材料で作られてもよい。本発明の好適な実施の形態によれば、この制限ピンは、当業者には公知のように、例えば、加熱/冷却デバイスを用いて、熱的に駆動される、すなわち加熱または冷却されることができる。
上述した本発明のいくつかの好適な実施の形態は、物体は円形のものについてであったが、本発明の好適な実施の形態でのデバイスまたはシステムまたは方法あるいはその組み合わせは、例えば矩形などの他の形状や、他の大きさの物体についても類似的に実施できることは、当業者に理解されよう。
また、上述の本発明のいくつかの好適な実施の形態の説明は、SCウェハについてであったが、本発明の好適な実施の形態でのデバイスまたはシステムまたは方法あるいはその組み合わせは、例えばフラット・パネル・ディスプレイ(FPD)セルのごとく、例えば比較的大きなものなど他の物体でも類似的に実施できることは、当業者に理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】本発明の好適な実施の形態による熱プラットフォーム構成を有する非接触熱システムの概略断面図である。
【図2】本発明の好適な実施の形態におけるウェハ温度の時間変化を示す概略グラフである。
【図3】本発明のいくつかの好適な実施の形態による真空予圧(PV型)非接触支持配置の概略上面図である。
【図4】本発明の別の好適な実施の形態による熱プラットフォーム構成の概略断面図である。
【図5】本発明のさらに別の好適な実施の形態による熱プラットフォーム構成の概略断面図である。
【図6】本発明の別の好適な実施の形態による非接触熱システムの概略図である。
【図7a−b】図6に示すシステムの垂直位置の温度を示す概略図である。
【図8】本発明のいくつかの好適な実施の形態による流体クッションの熱絶縁配置の概略図である。
【図9】本発明のいくつかの好適な実施の形態による多室非接触熱システムの概略図である。
【図10a−c】本発明のいくつかの好適な実施の形態によるライン中における三つの非接触熱システムの概略図である。
【図11a−b】物体が静止状態にある選択的局所的熱処理の概略図である。
【図12a−e】選択的円形熱処理装置の概略図である。
【符号の説明】
【0060】
100 非接触熱システム 102 熱プラットフォーム構成
104 物体 106 流体クッション
108 空力機構部 112 熱絶縁層
117 流体排出流路 118 流路
119 流量絞り機構 120 圧力吐出口
121 圧力容器 122 流出口
126 流入口 128 真空ポンプ
140 熱交換要素 302 基本セル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
物体を熱処理する少なくとも1つの装置を含む熱処理システムであって、前記装置は、実質的に互いに反対側に位置する少なくとも一対のプラットフォームからなり、
ここで前記プラットフォームの少なくとも1つは、前記物体を加熱または冷却する少なくとも1つの熱的手段を有し、また、前記プラットフォームのうちの少なくとも1つは、前記物体を非接触で支持する流体機械的手段を有し、前記プラットフォームは、少なくとも1つの、複数からなる基本セルからなる作動面を有し、前記の各基本セルは、少なくとも1つの、複数からなる圧力吐出口と、少なくとも1つの、複数からなる流体排出流路を有し、前記の各基本セルの前記圧力吐出口の少なくとも1つは、流体絞り機構を介して高圧流体供給源に流体的に接続され、前記圧力吐出口は、前記物体と前記プラットフォームの作動面との間に流体クッションを形成維持するために高圧流体を供給し、前記流体絞り機構は、特性的には、流体的な戻しばね的挙動を示し、前記の少なくとも1つの、複数個からなる流体排出流路の各々は、流入口と流出口を有し、前記の少なくとも1つの、複数個からなる基本セルに対する質量流量の局所的平衡をとるものである、熱処理システム。
【請求項2】
前記装置が、2つのプラットフォームからなり、前記2つのプラットフォームの間で前記物体を支持し熱処理を行う請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記2つのプラットフォームは水平方向を向いており、実質的に一方が他方の上方にある請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記プラットフォームの少なくとも1つが、熱的手段と前記物体を非接触で支持する作動面の両方を有する請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記熱的手段の少なくとも1つは、前記プラットフォームの少なくとも1つに組み込まれている請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記熱的手段の少なくとも1つは、熱交換器からなる請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記熱的手段の少なくとも1つは、前記プラットフィームの少なくとも1つに組み込まれた電気ヒータからなる請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記熱的手段の少なくとも1つは、輻射ヒータからなる請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記熱的手段の少なくとも1つは、前記プラットフォームの少なくとも1つに組み込まれた能動冷却ユニットからなる請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記流体を加熱するための外部ヒータをさらに備えた請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記流体を冷却するための外部クーラをさらに備えた請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
前記装置が、2つのプラットフォームの間で前記物体を支持し熱処理を行う前記2つのプラットフォームからなり、ここで一方のプラットフォームがヒータを備え、他方がクーラを備えている、請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
前記の実質的に互いに反対側に位置する少なくとも1対のプラットフォームが円形である請求項1に記載のシステム。
【請求項14】
前記の実質的に互いに反対側に位置する少なくとも1対のプラットフォームが矩形である請求項1に記載のシステム。
【請求項15】
前記作動面が、平坦な物体を支持するために平坦である請求項1に記載のシステム。
【請求項16】
前記の作動面が、平坦ではない物体の形状に合わせて支持するために曲面である請求項1に記載のシステム。
【請求項17】
前記2つのプラットフォームの少なくとも1つの作動面と前記物体との間の隙間を決定する流体クッションの供給パラメータを制御する制御ユニットをさらに備えた請求項1に記載のシステム。
【請求項18】
前記熱的手段を制御する制御ユニットをさらに備えた請求項1に記載のシステム。
【請求項19】
前記プラットフォームの間の距離を機械的に制御する制御ユニットをさらに備えた請求項1に記載のシステム。
【請求項20】
前記熱的手段を制御し、前記プラットフォームの間の距離を機械的に制御し、前記流体クッションの供給パラメータを制御する制御ユニットをさらに備えた請求項1に記載のシステム。
【請求項21】
制御可能なパラメータを検出するセンサを少なくとも1つ備えた請求項1に記載のシステム。
【請求項22】
前記の少なくとも1つのセンサが温度センサからなる請求項21に記載のシステム。
【請求項23】
前記加圧流体が、空気供給装置から供給される空気である請求項1に記載のシステム。
【請求項24】
前記加圧流体が、ガス供給装置から供給されるガスである請求項1に記載のシステム。
【請求項25】
前記加圧流体が、液体供給装置から供給される液体である請求項1に記載のシステム。
【請求項26】
前記排出流路が、減圧容器に流体的に接続されている請求項1に記載のシステム。
【請求項27】
前記物体を非接触で支持するための真空予圧型エア・クッションを構築するために、前記排出流路が減圧源に流体的に接続されている請求項1に記載のシステム。
【請求項28】
前記排出流路にはそれぞれ流量絞り機構が取り付けられている請求項1に記載のシステム。
【請求項29】
前記の少なくとも1つのプラットフォームは、前記流体クッションのパラメータまたは熱処理に直接的に関係したパラメータを局所的に制御し得る2つまたはそれ以上の独立に制御される領域に分割されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項30】
前記独立に制御される領域の少なくとも1つは、前記の少なくとも1つのプラットフォームの端部に位置する請求項29に記載のシステム。
【請求項31】
前記端部に予熱された流体を噴射する手段をさらに備えた請求項1に記載のシステム。
【請求項32】
前記の少なくとも1つのプラットフォームの少なくとも1つの端部に動的絶縁をさらに備えた請求項1に記載のシステム。
【請求項33】
前記動的絶縁が噴射または吸引手段からなる請求項32に記載のシステム。
【請求項34】
前記の少なくとも1つのプラットフォームが、周辺絶縁リングを備えている請求項1に記載のシステム。
【請求項35】
加熱手段が前記リング内部に備えられている請求項34に記載のシステム。
【請求項36】
前記の少なくとも1つのプラットフォームが回転機構を備えている請求項1に記載のシステム。
【請求項37】
前記の少なくとも1つのプラットフォームがリニヤ駆動ユニットを備えている請求項1に記載のシステム。
【請求項38】
前記物体を連続的に熱処理するための隣接した少なくとも2つの装置からなる請求項1に記載のシステム。
【請求項39】
前記装置の間に、片方の装置から他方の装置へ前記物体を搬送する作動面が備えられている請求項38に記載のシステム。
【請求項40】
複数の物体の多重熱処理用に積層配置した複数の装置からなる請求項1に記載のシステム。
【請求項41】
非接触供給機をさらに備えた請求項40記載のシステム。
【請求項42】
互いに反対側に位置するプラットフォームの作動面の間の距離を物理的に変更する変位装置をさらに備えた請求項1に記載のシステム。
【請求項43】
前記物体の装填または取出しのためのランディングピンをさらに備えた請求項1記載のシステム。
【請求項44】
前記の少なくとも1つのプラットフォームの面積が前記物体の面積とほぼ同一である請求項1記載のシステム。
【請求項45】
前記の少なくとも1つのプラットフォームの面積が前記物体の面積より実質的に大きい請求項1記載のシステム。
【請求項46】
前記の少なくとも1つのプラットフォームの面積が前記物体の面積より実質的に小さい請求項1記載のシステム。
【請求項47】
前記の少なくとも1つのプラットフォームを前記物体に対して変位させる変位装置をさらに備えた請求項46に記載のシステム。
【請求項48】
互いに反対側に位置しているプラットフォームの間に挿入され抜去される可動式絶縁板をさらに備えた請求項1に記載のシステム。
【請求項49】
前記装置が、2つのプラットフォームの間で前記物体を支持し熱処理を行う前記2つのプラットフォームを含み、前記プラットフォームの熱的手段が、前記プラットフォームの作動面の間の温度差を促進することができるように制御可能である請求項1記載のシステム。
【請求項50】
物体を熱処理する方法であって、前記方法は、
前記物体を熱処理する少なくとも1つの装置を提供することであって、前記装置は、少なくとも一対の実質的に互いに反対側に位置したプラットフォームからなり、ここで前記プラットフォームの少なくとも1つは前記物体を加熱または冷却する少なくとも1つの熱的手段を有し、また、前記の少なくとも1つのプラットフォームは、前記物体を非接触で支持する流体機械的な手段を有し、前記プラットフォームは、少なくとも1つの複数からなる基本セルからなる作動面を有し、前記作動面は、少なくとも1つの複数からなる圧力吐出口と、少なくとも1つの複数からなる流体排出流路を有し、前記の各基本セルの前記の圧力吐出口の少なくとも1つは流量絞り機構を介して高圧流体供給源に接続され、前記圧力吐出口は、前記物体と前記プラットフォームの作動面の間に流体クッションを形成維持するために加圧流体を提供し、前記流量絞り機構は、特性的には、流体戻しばね的挙動を呈し、前記の少なくとも1つの、複数からなる流体排出流路のそれぞれは、流入口と流出口を有し、前記の少なくとも1つの、複数からなる基本セルに対する質量流量の局所的平衡をとるものである装置を提供すること、
前記物体を作動面に隣接してセットすること、ならびに
前記物体の熱処理を管理することとからなる熱処理方法。
【請求項51】
前記装置が、実質的に互いに反対側に位置する2つのプラットフォームからなり、前記物体は、あらかじめ定められた時間の間は、第1の温度に保たれている片方のプラットフォームにより支持されまたは熱処理され、その後、第2の温度に保たれている他方のプラットフォームへと機械的または空気機械的手段により非接触で搬送され、支持されまたは熱処理される請求項50に記載の方法。
【請求項52】
前記の互いに反対側に位置する2つのプラットフォームは、実質的に一方が他方の上に位置している請求項51に記載の方法。
【請求項53】
前記流体クッションが、前記作動面と前記物体との間の隙間を0.5mm未満に維持する請求項50に記載の方法。
【請求項54】
前記流体クッションが、前記作動面と前記物体との間の隙間を0.1mm未満に維持する請求項50に記載の方法。
【請求項55】
前記流体クッションが、前記作動面と前記物体との間の隙間を0.02mm未満に維持する請求項50に記載の方法。
【請求項56】
前記流体クッションが、前記流体供給の圧力と前記流体排出流路の圧力を制御することにより制御可能である前記作動面と前記物体との間の隙間を維持する請求項50に記載の方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7a−b】
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【図8】
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【図9】
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【図10a−c】
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【図11a−b】
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【図12a−e】
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【公表番号】特表2007−531858(P2007−531858A)
【公表日】平成19年11月8日(2007.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−503493(P2007−503493)
【出願日】平成17年3月16日(2005.3.16)
【国際出願番号】PCT/IL2005/000299
【国際公開番号】WO2005/086588
【国際公開日】平成17年9月22日(2005.9.22)
【出願人】(506198469)コアフロー サイエンティフィック ソリューションズ リミテッド (3)
【Fターム(参考)】