説明

2つの読み取りカーソルを備える角度センサーならびにこのセンサーを有する車両

【課題】小型で適用範囲の広い車両用角度センサを提供する。
【解決手段】パネル24上で回転させるために搭載してあるレバーを有し、このレバーは、回転軸A1の周りで周辺に広がる読み取りトラックと協働する少なくとも1つの読み取りカーソル34,36を備える。前記カーソル34,36は、参照角度位置Prに対して、前記レバー22の瞬間角度位置Piを、トラック30,32上で読むことができる。出力信号を生じるように、前記2つのカーソル34,36をレバー22を設け、かつ2つの連動する出力信号を生じさせるとともに、カーソル34,36の2つの独特な角度位置Piは、それらに連動する読み取りトラック30,32に対する、レバー22の角度位置Piに対応している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、角度センサー、ならびにこのセンサーを備える車両に関する。
【0002】
さらに詳しくは、本発明は、車両の車体と車軸との高さの変化を測るために、車両に取付けられており、車体に固定してあるパネル上で回転しうるようにして搭載されるとともに、車軸に連結させてある可動性レバーを有し、かつ前記レバーには、前記パネルに取付けた回転軸に設けた角度セクターの上側で、円周方向を向くとともに、開放角度センサーを区切っている連動式読み取りトラックと協働する少なくとも1つの読み取りカーソルを設けてあり、これにより、前記カーソルは、参照角度位置(Pr)に関して、回転軸のまわりのレバーの瞬間角度位置と、回転軸に対する車体の高さを示す瞬間角度位置を、前記トラック上で読むことができるようになっている角度センサーに関する。
【0003】
この角度センサーは、車両における前部車軸の近く、ならびに後部車軸の近くに配置される。
【背景技術】
【0004】
前記のタイプの角度センサーを配置するために使うことができる空間は、一般に小さく、そして車軸と車体との連結構造は、前部と後部とで異なる。それゆえ、センサーは、前部と後部とで異なる位置に配置させる必要がある。
【0005】
そのため、センサーを異なる角度範囲で操作する必要が生じ、各車軸用および各車両用に、特定のセンサーを設けることが必要となる。そのためセンサーの種類は増え、製造費用がかさむこととなる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記した問題を解決するために、従来の角度センサーでは、その配置場所にしたがって、操作域の位置をプログラミングできる電子的解決法を採用している。しかし、この電子的解決法は、複雑であって実施には費用がかかる。
【0007】
本発明は、簡単で、効果的で、経済的な解決法を提案し、これによって、上記した欠点を除去することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
このために、本発明は、レバーに、その瞬間角度位置を示す出力信号を発生するようになっている2つのカーソルを設け、備えること、および、2つの連動する出力信号を生じつつ該カーソルの2つの独特な角度位置がそれらの位置に連動する読み取りトラックに関してレバーのおのおのの角度位置に対応すること、を特徴とし、これによって、レバー用に選んだ参照角度位置のいかんにかかわらず、センサーは常に少なくとも1つの、測定できることが望ましい最大角度量に相対的であって、かつ十分な角度量を有する角度測定範囲に中心を置いたカーソルを持つ、上述した型の角度センサーを提案する。
【0009】
本発明の他の特徴として、次の事項をあげることができる。
―2つのカーソルは、ほぼ直径方向に対向しており、かつ読み取りトラックと協働するようになっている。
―2つのカーソルは、回転軸に関して、角度的にオフセットしており、2つのカーソル間の独特な角度オフセット値をもって、角度セクターに広がる少なくとも2つの周辺部分からなる読み取りトラックをもって協働する。
―ほぼ同心をなす内部読み取りトラックと外部読み取りトラック、ならびに2つの読み取りトラックにそれぞれが関連づけられている内部カーソルと外部カーソルを備えている。
―2つのカーソルは、レバーの回転軸に関してほぼ同じ角度位置で配置され、2つの読み取りトラックの開放セクターは、実質的に直径方向に対向している。
―2つのカーソルは、ほぼ直径方向に向かい合っており、かつ2つの読み取りトラックの開放セクターは、ほぼレバーの回転軸の同じ側に配置されている。
―各読み取りトラックは、270度およびそれ以上の角度範囲に広がっている。
―各トラックの自由端には、停止情報を連動カーソルが読むための角度停止セクターが設けられている。
―各読み取りトラックは、電流を通す抵抗性電気トラックからなり、各カーソルは、抵抗性トラックに電気的に接触する第1ブラシと、出力導電性の電気トラック、すなわちセンサーの出力端子に接続されている出力トラック、に電気的に接触する第2ブラシとを備えている。
―各角度停止セクターは、センサーの電源電圧を下回る非零値をもつ所定の一定電源電圧に対応している。
―各読み取りトラックは、半径方向の幅が、周方向に増加する活性光学表面からなり、かつ各カーソルは、カーソルと対向する活性光学表面の幅にしたがって、レバーの角度位置を決定できる光学読み取り器からなっている。
―各読み取りトラックは、活性磁気表面からなり、かつ各カーソルは、このカーソルと対向する磁気表面セクターにしたがって、レバーの角度位置を決定できる磁気読み取り器からなっている。
―センサーは、レバー用に選んだ参照位置にしたがって、最適出力信号を自動的に選ぶ電子制御モジュールからなっている。
【0010】
また本発明は、サスペンション装置、すなわち、前記請求の範囲のどれか1つによって製造した少なくとも1つの角度センサーが伝達した信号にしたがって、ヘッドライトの仰角を較正しつつ、アクチュエーターを動的に制御する電子ユニットによって、車体に連結する車軸からなるモーター車両をもまた提案するものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明の他の特徴および利点は、図面を参照して、次に述べる詳細な説明を読めば分かるはずである。
【0012】
図1は、本発明に従って製造した角度センサー12を備える車両10を模式的に示す。
【0013】
各角度センサー12は、車両10の車体13と車軸14との高さの差を測定するように設計されている。
【0014】
角度センサー12による測定情報は、車両10の姿勢にしたがって、ヘッドランプ20が発生する照射ビームの垂直の方向性を調整するために、アクチュエーター18を制御する電子制御ユニット16に伝えられる。
【0015】
各角度センサー12は、車軸14の高さを間接的に測定する。
【0016】
そのため、各角度センサー12は、車体13に固定したパネル24に水平軸A1のまわりに回転するようにして取付けたレバー22を備えている。レバー22の自由端は、車体に車軸14を連結するサスペンションアーム28の先端に、リンク26を介して連結され、車軸14に対して可動的となっている。
【0017】
図2と図3は、本発明による角度センサー12の第1実施例を表す。
【0018】
パネル24は、レバー22と平行な垂直板である。
【0019】
この第1実施例によれば、パネル24は、レバー22の回転軸A1上に中心を有する、内側読み取りトラック30、および外側読み取りトラック32を備えている。
【0020】
各読み取りトラック30および32は、開放セクター38および40を定める、360度よりも小さい角度に広がっている。
【0021】
2つの開放セクター38および40は、直径方向に対向している。
【0022】
本発明によれば、レバー22は、内外2つの読み取りカーソル34、36を備えている。これらのカーソルは、選んだ角度位置Prに関して、回転軸A1の周りのレバー22の瞬間角度位置Piを示す出力を得るように設計されている。
【0023】
レバー22の瞬間角度位置Piは、車軸14に対する車体13の高さを示している。
【0024】
図2では、レバー22は、左方に水平に広がる角度位置Pr内にある。
【0025】
レバー22は、それぞれ、内側読み取りトラック30ならびに外側読み取りトラック32と協働する内側カーソル34および外側カーソル36を備えている。
【0026】
2つのカーソル34、36を、回転軸A1に対してほぼ同じ角度位置に配置してあると有利である。
【0027】
ここで図示する実施例においては、内外のカーソル34、36の角度位置は、レバー22より、時計方向に1/4回転オフセットされている。
【0028】
当然、改変実施例(図示せず)として、カーソル34、36を、他の角度位置、たとえばレバー22と同じ角度位置に配置することもできる。
【0029】
第1の実施例によれば、各読み取りトラック30および32は、抵抗性電気トラックからなっており、各読み取りトラック30および32は、同心円状の内側出力トラック42,および外側出力トラック44と連係されている。
【0030】
内側読み取りトラック30は、内側出力トラック42と連係され、外側読み取りトラック32は、外側出力トラック44と連係されている。両出力トラック42,44は、周辺全体に広がっている。
【0031】
角度センサー12には、所定値の電圧Valimが供給される。この電圧Valimは、各読み取りトラック30および32の周方向の端部に印加される。
【0032】
各カーソル34、36は、2つのトラック42,44,30,32間に電気的ブリッジを形成するために、それぞれ、関連づけられている内外の読み取りトラック30、32、ならびに内外の出力トラック42,44と電気的に接触する2つのブラシ46,48を備えている。
【0033】
内外の出力トラック42,44は、信号受信トラックである。すなわち、ここで、前記角度位置にしたがって、変異値Viの電圧の形で、内外のカーソル34、36の角度位置に対応する信号を受け取り、かつ出力端子Sext、Sintと電気的に接続する。
【0034】
したがって、出力端子Sext、Sintで測定した瞬間出力電圧Viは、レバー22の瞬間位置Piを示すこととなる。
【0035】
内外の読み取りトラック30および32は、角度電気停止セクター50,52を形成する周辺端角度セクターを備えていると有利である。
【0036】
各停止セクター50,52は、円周方向に実質的に一定であって、かつ角度センサー12の一定の非零出力電圧Vminと、電源電圧Valim未満のVmaxとに対応する電位を持つ導電性の角度セクターからなっている。
【0037】
停止セクター50,52によって、角度センサー12の操作上の安全性を確認するために、たとえば接地への短絡または電源に関する欠陥を検出できる。
【0038】
そのため、各抵抗性読み取りトラック30,32は、内外のカーソル34、36が開放セクター38,40内の位置に来た時に短絡を防ぐのに十分な角度の開放セクター38,40を、2つの停止セクター50、52の間に残すように、ここでは270度に広がる主測定用セクター、および45度未満の角度範囲に広がる2つの停止セクター50,52を有する。
【0039】
図3は、軸A1の周りでレバー22が占める瞬間角度位置Piにしたがって、外側カーソル36によって測定した瞬間電圧値Viを模式的に表している。
【0040】
図示の実施例によれば、第1停止セクター50に対応する最小出力電圧Vminは、電源電圧Valimの10%と等しく、また第2停止セクター52に対応する最大出力電圧Vmaxは、電源電圧Valimの90%と等しい。
【0041】
改変実施例(図示せず)での最小および最大電圧値は、ここに示した例と異なることもあることは当然である。
【0042】
外側カーソル36が、第1停止セクター50と第2停止セクター52との間で動くと、連動出力端子Sextで測定した外部電圧Viは、最小出力電圧Vminと最大出力電圧Vmaxとの間で直線的に変動する。
【0043】
従って、本発明による角度センサー12の働きは、次のとおりである
【0044】
角度センサー12を、とくに連動サスペンションR28の近くで使える空間にしたがって、またサスペンション系の構成にしたがって、適切なやり方で、車両10の車体上に配置する。
【0045】
次にレバー22をリンク26に連結する。これにより、レバー22の角度位置または参照位置Prが決まる。
【0046】
図2に示す例によると、参照位置Prで、レバー22は左方に向かって水平となる。レバー22の参照位置Prは、各カーソル34、36の参照位置と対応する。
【0047】
カーソル34、36は、レバー22と直交する半径方向を向いている。
【0048】
各カーソル34、36のために使える角度測定範囲は、カーソル34、36の参照位置Prに中心を有して連動する読み取りトラック30、32の角度セクターによって決まる。
【0049】
図2では、各カーソル34、36は、90度の角度測定範囲を持っている。この角度測定範囲は、停止セクター50、52の位置によって決まる。
【0050】
それゆえ、各カーソル34、36は、考えられる使用例の大多数にとって十分である、±45度のレバー22の角度位置の変化を測定できる。
【0051】
この例では、2つのカーソル34、36が十分な角度範囲を有するので、角度センサー12の外部出力Sextおよび(または)内部出力Sintを用いることができる。
【0052】
この例には、2つの出力SextおよびSintの同時使用によって、かつそれらが伝達する情報を比較することによって、角度センサー12が伝達した情報を確保できるという利点がある。
【0053】
図4に示す他の例では、レバー22の参照位置Prは、図2に示す参照位置Prに対して、反時計方向に1/4回転している。
【0054】
レバー22のこの位置では、内側カーソル34の中心は、内側読み取りトラック30の開放セクター38上に来る。
【0055】
したがって、外側カーソル36だけが、角度センサー12を機能させる角度範囲を有することとなる。外側カーソル36が、外側読み取りトラック32の開放セクター40と直径方向に対向するので、この角度範囲は270度に広がる。
【0056】
従って、この例では、角度センサー12の外部出力Sextが用いられる。
【0057】
参照位置Pr(図示せず)の他の例においては、レバー22を、図4の位置から前と同じ方向に1/4回転させると、カーソル34、36が、図2のそれに近い角度位置にもう一度来る。しかし、1/2回転ではオフセットする。
【0058】
このような例では、2つのカーソル34、36が90度の角度測定範囲を有するので、2つの出力SextおよびSintを再び用いることができる。
【0059】
参照位置Pr(図示せず)のさらに他の例によれば、時計方向へ1/4回転させることによって、レバー22を図2の位置からオフセットすると、外側カーソル36を測定に使うことはできないが、図4の例のそれと似た状況となる。そのため、角度センサー12の内部出力Sintだけが使用可能となる。
【0060】
本発明による角度センサー12は、当然、前の例で記述した参照位置Pr間にあるレバー22の参照位置Prとともに機能する。
【0061】
レバー22のために選んだ参照位置Prは何であっても、角度センサー12が働くことができるための十分な大きさの角度測定範囲上に中心を持つ少なくとも1つのカーソル34、36を、角度センサー12が常に有するということがわかる。
【0062】
連動する車軸14に関して車両10の車体13の最大と最小の値を測定できるときには、角度測定範囲は、実施例のための十分な大きさであると考えられる。
【0063】
図5は、本発明による第2の実施例を示す。
【0064】
第2の実施例は、1個の読み取りトラック30のみを有している。このトラックは、第1の実施例の読み取りトラック30、32と同じやり方で形成される。
【0065】
2つのカーソル34、36は、直径方向に対向しており、どちらも、読み取りトラック30と協働する。
【0066】
角度センサー12の働きは、第1の実施例のそれと同じである。各カーソル34、36は、独特な出力トラック42,44と連動する。
【0067】
カーソル34、36の1つの測定範囲が、読み取りトラック30および(または)読み取りトラック30の停止セクター50,52の開放セクター38を覆っている場合には、そこで前記カーソル34、36を、測定に使うことができるようになる。他方、それと対向しているカーソル34、36は、必然的に十分な角度の測定範囲を有している。
【0068】
図5で示すレバー22の参照位置Prでは、図2に示した例のように、2つのカーソル34、36は、90度の測定範囲を持っている。
【0069】
図6は、本発明による角度センサー12の第3の実施例を示す。
【0070】
第3の実施例による角度センサー12は、2つの停止セクター50,52によって分離されている第1および第2の周辺部54、56から、1個の読み取りトラック30が形成されており、第2の実施例に対応する角度センサー12から派生したものである。
【0071】
読み取りトラック30の周辺部54、56は、ほぼ同じ寸法であって、円周方向のほぼ半分に亘っている。従って、2つの停止セクター50,52は、直径方向に対向している。
【0072】
停止セクター50,52が直径方向に対向しているので、2つのカーソル34、36は、絶対値でほぼ90度の角度で、角度的にオフセットしている。それゆえ、この角度センサー12は、ほぼ90度の角度測定範囲を有するカーソル34、36を有する。
【0073】
図6の例では、内側カーソル34は、外側カーソル36に対して、反時計方向に1/4回転オフセットされている。外側カーソル36の中心は、読み取りトラック30の第1の周辺部54上にある。したがって、レバー22のほぼ±90度の角度位置の変化を測定することができ、外部出力Sextを用いることができる。
【0074】
他方、内側カーソル34は、停止セクター50上に位置し、ここで選んだレバー22の参照位置Prのための内部出力Sintを用いることができないことになる。
【0075】
この第3実施例では、角度測定範囲の最小値が、停止セクター50、52の角度量に依存していることに注目されたい。停止セクター50、52の角度量が減れば減るほど、使用可能な角度測定範囲は大きくなる。
【0076】
図7は、軸A1のまわりでレバー22が占める瞬間角度位置Piにしたがって、外側カーソル36で測定した瞬間電圧値Viを模式的に示している。
【0077】
実施例によれば、カーソル34、36によって測定した瞬間電圧値Viは、レバー22が反時計方向に回転する場合には、第1周辺部54上では増加型であり、第2周辺部分56上では減少型であり、直線的に変化する。
【0078】
図8に示す、発明による角度センサー12の第4実施例では、各読み取りトラック30、32は、半径方向の幅が円周方向に増大する活性化した光学表面または光学トラックを備えている。
【0079】
第1実施例と同様に、角度センサー12は、2つの同心円状の読み取りトラック30、32を備えている。
【0080】
各カーソル34、36は、読み取りトラック30、32の半径方向の幅を測定できる光学読み取り器からなっており、これにより、レバー22の角度位置を求めることができる。
【0081】
各読み取りトラック30、32の周辺端には、測定に用いられる角度セクターの半径方向の幅とは異なる、径方向の幅が一定の停止セクター50,52が設けられている。これらの停止セクター50、52は、第1実施例において説明したのと同様の働きをする。
【0082】
カーソル34、36を有する光学読み取り器は、レバー22の角度位置Piを示す情報を電子制御ユニット16に伝えることができるように、角度センサー12の出力端子Sext、Sintと電気的に接続されている。
【0083】
読み取りトラック30、32は、発光性または単純反射性の素子からなるものとすることがある。
【0084】
この光学読み取り器は、光電池または多画素CCD(電荷結合デバイス)センサーからなるものとすることもできる。
【0085】
図示の例では、2つの読み取りトラック30、32の開放セクター38,40は、ほぼ放射状に並び、2つのカーソル34、36は、直径方向に対向している。
【0086】
カーソル34、36は、前の実施例におけるように、十分な角度の測定範囲を有する少なくとも1つであってもよい。
【0087】
第4実施例を改変して、本発明による角度センサー12の第4の実施例(図示せず)を得ることができる。
【0088】
活性化した金属表面から各読み取りトラック30、32を構成し、かつ、各カーソル34、36を、軸A1に対して、レバー22の角度位置Piを決めることができる磁気読み取り器を備えるものとすることができることは言うまでもない。
【0089】
たとえば、光学読み取り器からなるカーソル34、36を、第1実施例でのように軸A1の同じ側に配置し、さらに、2つの開放セクター38および40を、直径方向で対向させて、第4の実施例を改変することができる。
【0090】
本発明の角度センサー12には、レバー22のために選んだ参照位置Prにしたがって、測定のための最適なカーソル、またはトラック読み取りに対応する出力端子Sext、Sintを、自動的に選ぶようにした電子制御モジュール(図示せず)が設けられる。
【0091】
接続端子の数を減らすとともに、使用者が出力端子Sext、Sintの選択を誤ることによって起こるおそれのある誤接続を減らすのに役に立つ出力信号を、1個の出力端子に送ることができる。
【0092】
前記の実施例では、読み取りトラック30、32は固定してあり、かつカーソル34、36は可動となっている。
【0093】
しかし、本発明によると、単純な機械的反転によって、固定したカーソル34、36と、旋回可能としてレバー22に連結した読み取りトラック30、32とを備える角度センサー12を得ることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0094】
【図1】本発明に従って製造した2つの角度センサーを備える車両の模式図である。
【図2】カーソルを運び、第1の参照位置を占めるレバーの回転軸の同じ側に配置した2つのカーソルと協働する2つの抵抗性電気的読み取りトラックからなる第1の実施例によって図1の角度センサーを模式的に表す正面図である。
【図3】第1実施例によるセンサー用のレバーの瞬間角度位置にしたがって、外部カーソルによって測定した瞬間電圧値を示す模式図である。
【図4】レバーが第2の参照位置を占める時の第1実施例によるセンサーを表す図2と同様の図である。
【図5】1個の抵抗性電気的読み取りトラックからなる発明の第2実施例によるセンサーを示す図2と同様の図である。
【図6】2つの周辺部分からなる1個の抵抗性電気的読み取りトラックからなる発明の第2実施例によるセンサーを示す、図2と同様の図である。
【図7】本発明の第3実施例によるセンサー用のレバーの瞬間角度位置にしたがって、外部センサーによって測定した瞬間電圧値を示す図3の1つと同様の模式図である。
【図8】2つの光学読み取りトラックからなる発明の第四実施例によるセンサーを示す、図2の1つと同様の模式図である。
【符号の説明】
【0095】
10 車両
12 角度センサー
13 車体
14 車軸
16 電子制御ユニット
18 アクチュエーター
22 レバー
24 パネル
26 リンク
28 サスペンションアーム
30 内側読み取りトラック
32 外側読み取りトラック
34 内側カーソル
36 外側カーソル
38、40 開放セクター
42 内側出力トラック
44 外側出力トラック
46、48 ブラシ
50、52 停止セクター
54、56 周辺部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体(13)に固定してあるパネル(24)上に、回転しうるようにして取付けられ、車軸(14)に連結してある可動性レバー(22)を有し、このレバー(22)には、前記パネル(24)に取付けられ、回転軸(A1)の周りの角度セクター上で、円周方向に広がるとともに、開放セクター(38,40)を区切っている連動読み取りトラック(30,32)と協働する少なくとも1つの読み取りカーソル(34,36)を取付けてなり、車両(10)の車体(13)と車軸(14)との高さの変化を測る目的で、車両(10)に取付けられており、そのため、前記カーソル(34,36)は、参照角度位置(Pr)に関して、その回転軸(A1)のまわりの前記レバー(22)の瞬間角度位置(Pi)、すなわち、車軸(14)に対する車体(13)の連動する高さを示す瞬間角度位置(Pi)を、読み取りトラック(30,32)上で読むことができるようになっており、
前記レバー(22)は、その瞬間角度位置(Pi)を示す出力信号を生じるように設計してある2つのカーソル(34,36)を備え、かつ2つの連動する出力信号を生じるとともに、前記カーソル(34,36)の2つの角度位置(Pi)を、それらの位置と連動する読み取りトラック(30,32)に対してレバー(22)の角度位置(Pi)に対応するようにしてあり、これにより、前記カーソル(34,36)は、レバー(22)用に選んだ参照角度位置(Pr)のいかんにかかわらず、常に少なくとも1つの、測定しようとする最大角度量と相対的であって、かつ十分な角度量を有する角度測定範囲に、前記カーソル(34,36)の少なくとも一方の中心を置いてある角度センサー(12)。
【請求項2】
2つのカーソル(34,36)は、ほぼ直径方向に向かい合っており、かつ同じ読み取りトラック(30)と協働するようになっている、前記請求項1記載の角度センサー(12)。
【請求項3】
2つのカーソル(34,36)は、回転軸(Ai)に関してオフセットであり、2つのカーソル(34,36)間の独特な角度オフセット値をもって角度セクターにおのおのが広がる少なくとも2つの周辺部分(54,56)からなる読み取りトラック(30)と協働するようになっている、請求項1記載の角度センサー(12)。
【請求項4】
請求の範囲1によるセンサー(12)であって、
パネル(24)は、
―ほぼ同心をなす内部読み取りトラック(30)と外部読み取りトラック(32)と、
―2つの読み取りトラック(30,32)にそれぞれが連係された内部カーソル(34)と外部カーソル(36)とを備えることを特徴とする請求項1記載の角度センサー(12)。
【請求項5】
2つのカーソル(34,36)は、レバー(22)の回転角度(A1)に関してほぼ同じ角度位置で配置し、2つの読み取りトラックの開放セクター(38,40)は、実質的に直径方向に対向していることを特徴とする請求項4記載の角度センサー(12)。
【請求項6】
2つのカーソル(34,36)は、ほぼ直径方向で向かい合っており、かつ2つの読み取りトラック(30,32)の開放セクター(38,40)はレバー(22)の回転軸(A1)の同じ側に略配列および配置している請求項4記載の角度センサー(12)。
【請求項7】
前記請求の範囲のいずれかひとつによるセンサー(12)であって、おのおのの読み取りトラック(30,32)は、270度およびそれ以上の角度セクターに広がる請求項1〜6のいずれかに記載の角度センサー(12)。
【請求項8】
おのおののトラック(30,32)は、その自由端のおのおので、停止情報を連動カーソルが読むための角度停止セクター(50,52)からなる請求項1〜7のいずれかに記載の角度センサー(12)。
【請求項9】
おのおのの読み取りトラック(30,32)は、電流を通す抵抗性電気トラックからなり、おのおののカーソル(34,36)は、抵抗性トラック(30,32)に電気的に接触する第1ブラシ(46)と、出力導電性の電気トラック(42,44)、すなわちセンサー(12)の出力端子に接続している出力トラック(42,44)、と電気的に接触する第2ブラシ(48)とを備える請求項1〜8のいずれかに記載の角度センサー(12)。
【請求項10】
おのおのの角度停止セクター(50,52)は、角度センサー(12)の電源電圧を下回る非零値をもつ所定の一定電源電圧に対応する請求項9記載の角度センサー(12)。
【請求項11】
おのおのの読み取りトラック(30,32)は、周辺部で増加する放射状の厚みを有する活性光学表面からなり、かつおのおののカーソル(34,36)は、該カーソル(34,36)に対向する活性光学表面の厚みにしたがってレバー(22)の角度位置(Pi)を決定できる光学読み取り器からなる請求項1〜8のいずれかに記載の角度センサー(12)。
【請求項12】
おのおのの読み取りトラック(30,32)は、活性磁気表面からなり、かつおのおののカーソルは、該カーソル(34,36)に対向する磁気表面セクターにしたがってレバー(22)の角度位置(Pi)を決定できる磁気読み取り器からなる請求項1〜8のいずれかに記載の角度センサー(12)。
【請求項13】
レバー(22)用に選んだ参照位置(Pr)にしたがって最適出力信号を自動的に選ぶ電子制御モジュールからなる請求項1〜12のいずれかに記載の角度センサー(12)。
【請求項14】
前記請求項1〜13のいずれかに記載の少なくとも1つの角度センサー(12)が伝達した信号にしたがって、ヘッドライト(20)の仰角を校正しつつアクチュエーター(18)を動的に制御する電子ユニット(16)によって、車体(13)に連結する車軸(14)からなる車両(10)。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−105971(P2006−105971A)
【公開日】平成18年4月20日(2006.4.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−253437(P2005−253437)
【出願日】平成17年9月1日(2005.9.1)
【出願人】(391011607)ヴァレオ ビジョン (133)
【氏名又は名称原語表記】VALEO VISION
【Fターム(参考)】