説明

ナビゲーションシステム

【課題】自車位置の前方にある休憩施設で休憩を行った場合の該休憩施設から更に前方の渋滞状況の変化をタイミングよくユーザに認知させることが可能なナビゲーションシステムを提供する。
【解決手段】ナビゲーション装置2のCPU41は、受信した所定時刻毎の渋滞予測情報と現況の道路渋滞情報に基づいて、休憩施設49で各所定時間の休憩(例えば、30分間や60分間の休憩である。)をした場合の該休憩施設49から目的地までの経路上の渋滞の増減傾向が所定基準以上の場合には、休憩施設49に進入する前に該休憩施設49で各所定時間の休憩をした場合の渋滞区間の所要時間の増減等をスピーカ26を介して音声報知し、該休憩施設49に進入後、この渋滞予測情報の詳細表示画面55を液晶ディスプレイ25に表示してユーザに報知する(S8〜S11)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナビゲーションシステムに関し、特に、自車位置の前方に休憩施設がある場合に、この休憩施設で休憩後の渋滞状況をユーザに報知するナビゲーションシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、車両の走行案内を行い、運転者が所望の目的地に容易に到着できるようにしたナビゲーション装置が車両に搭載されていることが多い。このナビゲーション装置とは、GPS受信機などにより車両の現在位置を検出し、その現在位置に対応する地図データをDVD−ROMやHDDなどの記録媒体、又はネットワークを通じて取得して液晶モニタに表示することが可能な装置である。そして、車両の現在位置を含む地図データを記録媒体等から読み出し、地図データに基づいて車両の現在位置の周囲における地図画像を描画して表示装置に表示するとともに、車両位置マークを地図画像に重ね合わせて表示し、車両の移動に応じて地図画像をスクロールしたり、地図画像を画面に固定し車両位置マークを移動させることによって、車両が現在どの地点を走行しているのかを一目でわかるようにしている。
【0003】
ここで、自車位置の前方に休憩施設があり、所定時間以上走行している場合に、この休憩施設をユーザに報知して休憩を促すナビゲーション装置やナビゲーションシステムが種々提案されている。
例えば、道路データ記憶手段により記憶された道路データに基づく道路地図を、制御手段の制御により表示手段の画面上に表示すると共に、現在位置検出手段により検出された自車の現在位置をこの道路地図に重ねて表示し、自動車専用道路での走行が所定時間以上継続したと休憩指示手段により判断されたときに、休憩を促す旨のメッセージを表示する車載用ナビゲーション装置において、この休憩指示手段により自動車専用道路での走行が所定時間以上継続したと判断して休憩を促す旨のメッセージを一旦表示したのち、自車の現在位置が最寄りのサービスエリア或いはパーキングエリアの所定距離内に接近したときにも、休憩を促す旨のメッセージを再度表示するように構成されたナビゲーション装置がある(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開平8−138195号公報(段落(0010)〜(0029)、図1〜図4)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前記した特許文献1に記載されたナビゲーション装置では、自動車専用道路での走行が所定時間以上継続したときには、自車の現在位置が最寄りのサービスエリア或いはパーキングエリアの所定距離内に接近したときに、休憩を促す旨のメッセージが表示されるが、このサービスエリア又はパーキングエリアから更に前方に渋滞がある場合に、ユーザは休憩によって渋滞状況がどのように変化するかを容易に確認することができないという問題がある。
【0005】
そこで、本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、自車の現在位置(以下、「自車位置」という。)の前方にある休憩施設が該自車位置から所定距離以内になった時に、この休憩施設で休憩を行った場合の該休憩施設から更に前方の渋滞状況の変化をタイミングよくユーザに認知させることが可能なナビゲーションシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するため請求項1に係るナビゲーションシステムは、渋滞情報を含む交通情報を受信する受信手段と、前記交通情報に基づいて自車位置の前方にある休憩施設から更に前方に渋滞があるか否かを判定する渋滞判定手段と、前記渋滞判定手段によって自車位置の前方にある休憩施設から更に前方に渋滞があると判定された場合には、前記休憩施設で休憩後の所定時刻毎の渋滞予測情報を作成する渋滞予測手段と、前記渋滞予測手段によって作成された前記自車位置の前方にある休憩施設で休憩後の渋滞予測情報を報知するように制御する渋滞予測報知制御手段と、を備えたことを特徴とする。
【0007】
また、請求項2に係るナビゲーションシステムは、請求項1に記載のナビゲーションシステムにおいて、走行を開始してから所定走行時間以上又は所定走行距離以上連続して走行しているか否かを判定する走行判定手段を備え、前記渋滞予測手段は、前記走行判定手段によって走行を開始してから所定走行時間以上又は所定走行距離以上連続して走行していると判定された場合には、前記休憩施設で休憩後の所定時刻毎の渋滞予測情報を作成することを特徴とする。
【0008】
また、請求項3に係るナビゲーションシステムは、請求項1又は請求項2に記載のナビゲーションシステムにおいて、前記自車位置の前方にある休憩施設が該自車位置から所定距離以内に存在するか否かを判定する距離判定手段を備え、前記渋滞予測手段は、前記距離判定手段によって前記自車位置の前方にある休憩施設が該自車位置から所定距離以内に存在すると判定された場合には、前記休憩施設で休憩後の所定時刻毎の渋滞予測情報を作成することを特徴とする。
【0009】
また、請求項4に係るナビゲーションシステムは、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のナビゲーションシステムにおいて、前記渋滞予測情報に基づいて前記休憩施設で休憩後における前記渋滞の増減傾向が所定基準以上か否かを判定する増減傾向判定手段を備え、前記渋滞予測報知制御手段は、前記増減傾向が所定基準以上の場合に限り、前記休憩施設で休憩後の渋滞予測情報を報知するように制御することを特徴とする。
【0010】
また、請求項5に係るナビゲーションシステムは、請求項4に記載のナビゲーションシステムにおいて、前記渋滞予測報知制御手段は、前記増減傾向が所定基準以上の場合に限り、前記休憩施設に進入する前に該増減傾向を音声報知して、該休憩施設に進入後、前記渋滞予測情報を表示手段に表示するように制御することを特徴とする。
【0011】
また、請求項6に係るナビゲーションシステムは、請求項1乃至請求項5のいずれかに記載のナビゲーションシステムにおいて、前記渋滞判定手段は、前記交通情報に基づいて自車位置の前方にある休憩施設から更に前方に所定以上の渋滞があるか否かを判定することを特徴とする。
【0012】
また、請求項7に係るナビゲーションシステムは、ナビゲーション装置(2)と、渋滞情報を含む交通情報を受信する第1受信手段(17)と、前記第1受信手段で受信した交通情報に基づいて道路の所定時刻毎の渋滞予測情報を作成する第1渋滞予測手段(10、16)と、前記渋滞予測情報を前記ナビゲーション装置に配信する渋滞情報配信手段(10、17)と、を有する情報配信センタ(3)と、を備えたナビゲーションシステム(1)において、前記ナビゲーション装置(2)は、渋滞情報を含む交通情報を受信する第2受信手段(27)と、前記第2受信手段で受信した交通情報に基づいて自車位置の前方にある休憩施設から更に前方に渋滞があるか否かを判定する渋滞判定手段(23)と、前記渋滞判定手段によって自車位置の前方にある休憩施設から更に前方に渋滞があると判定された場合には、前記自車位置を特定する自車位置情報を前記情報配信センタに送信する自車位置情報送信手段(23、27)と、前記情報配信センタから配信された前記自車位置の前方にある休憩施設で休憩後の渋滞予測情報を報知するように制御する渋滞予測報知制御手段(23)と、を有し、前記情報配信センタ(3)は、前記ナビゲーション装置から自車位置情報を受信した場合には、該自車位置情報に基づいて前記第1渋滞予測手段を介して前記休憩施設で休憩後の前記所定時刻毎の渋滞予測情報を作成後、前記渋滞情報配信手段を介して該渋滞予測情報を該ナビゲーション装置に配信するように制御する配信制御手段(10)と、を有することを特徴とする。
【0013】
また、請求項8に係るナビゲーションシステムは、請求項7に記載のナビゲーションシステム(1)において、前記ナビゲーション装置(2)は、前記自車位置情報送信手段を介して前記自車位置情報を前記情報配信センタに送信可能か否かを判定する送信判定手段(23、27)と、過去の交通情報に含まれた渋滞情報を記憶するナビ側渋滞情報記憶手段(36)と、前記ナビ側渋滞情報記憶手段に記憶される渋滞情報に基づいて道路の所定時刻毎の渋滞予測情報を作成する第2渋滞予測手段(23)と、を備え、前記渋滞予測報知制御手段は、前記自車位置情報が前記情報配信センタに送信できないと判定された場合には、前記第2渋滞予測手段を介して前記休憩施設で休憩後の前記所定時刻毎の渋滞予測情報を作成後、該渋滞予測情報を報知するように制御することを特徴とする。
【0014】
また、請求項9に係るナビゲーションシステムは、請求項7又は請求項8に記載のナビゲーションシステム(1)において、前記ナビゲーション装置(2)は、前記渋滞予測情報に基づいて前記休憩施設で休憩後における前記渋滞の増減傾向が所定基準以上か否かを判定する増減傾向判定手段(23)を備え、前記渋滞予測報知制御手段は、前記増減傾向が所定基準以上の場合に限り、前記休憩施設で休憩後の渋滞予測情報を報知するように制御することを特徴とする。
【0015】
また、請求項10に係るナビゲーションシステムは、請求項9に記載のナビゲーションシステム(1)において、前記渋滞予測報知制御手段は、前記増減傾向が所定基準以上の場合に限り、前記休憩施設に進入する前に該増減傾向を音声報知(26)して、該休憩施設に進入後、前記渋滞予測情報を表示手段(25)に表示するように制御することを特徴とする。
【0016】
また、請求項11に係るナビゲーションシステムは、請求項7乃至請求項10のいずれかに記載のナビゲーションシステム(1)において、前記渋滞判定手段は、前記第2受信手段で受信した交通情報に基づいて自車位置の前方にある休憩施設から更に前方に所定以上の渋滞があるか否かを判定することを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
前記構成を有する請求項1に係るナビゲーションシステムでは、先ず、受信した交通情報に基づいて、自車位置の前方にある休憩施設から更に前方に渋滞があるか否かを判定する。そして、自車位置の前方にある休憩施設から更に前方に渋滞があると判定された場合には、この休憩施設で休憩後の所定時刻毎の渋滞予測情報を作成後、該渋滞予測情報をユーザに報知する。
これにより、ユーザは、この休憩施設から更に前方に渋滞がある時に、この休憩施設で休憩を行った場合の該休憩施設から更に前方の渋滞状況の変化を知ることができるため、休憩施設で休憩を行うべきか否かを適切に判断することができる。
【0018】
また、請求項2に係るナビゲーションシステムでは、自車位置の前方にある休憩施設から更に前方に渋滞があり、また、走行を開始してから所定走行時間以上又は所定走行距離以上連続して走行していると判定された場合には、この休憩施設で休憩後の所定時刻毎の渋滞予測情報を作成後、該渋滞予測情報をユーザに報知する。
これにより、ユーザは、所定走行時間以上又は所定走行距離以上連続して走行している場合に、自車位置の前方にある休憩施設から更に前方に渋滞がある時に、この休憩施設で休憩を行った場合の該休憩施設から更に前方の渋滞状況の変化を知ることができるため、休憩施設で休憩を行うべきか否かを適切に判断することができる。また、ユーザの疲労を低減する適切な休憩施設の案内を行うことが可能となる。
【0019】
また、請求項3に係るナビゲーションシステムでは、自車位置の前方にある休憩施設から更に前方に渋滞があり、また、この休憩施設が該自車位置から所定距離以内に存在する場合には、この休憩施設で休憩後の所定時刻毎の渋滞予測情報を作成後、該渋滞予測情報をユーザに報知する。
これにより、ユーザは、自車位置の前方にある休憩施設が該自車位置から所定距離以内に存在し、また、この休憩施設から更に前方に渋滞がある時に、この休憩施設で休憩を行った場合の該休憩施設から更に前方の渋滞状況の変化をタイミングよく知ることができるため、休憩施設で休憩を行うべきか否かをより適切に判断することができる。
【0020】
また、請求項4に係るナビゲーションシステムでは、渋滞予測情報に基づいて休憩施設で休憩後における渋滞の増減傾向が所定基準以上か否かを判定し、この渋滞の増減傾向が所定基準以上の場合に限り、休憩施設で休憩後の渋滞予測情報をユーザに報知する。
これにより、ユーザは、休憩施設で休憩を行った場合の該休憩施設から更に前方の渋滞の増減傾向が所定基準以上の場合に限り、休憩施設で休憩後の渋滞予測情報が知らされるため、休憩施設で休憩を行うべきか否かを更に適切に判断することができる。また、ユーザの疲労を低減するより適切な休憩施設の案内を行うことが可能となる。
【0021】
また、請求項5に係るナビゲーションシステムでは、渋滞予測情報に基づいて休憩施設で休憩後における渋滞の増減傾向が所定基準以上の場合に限り、休憩施設に進入する前に該増減傾向を音声報知し、該休憩施設に進入後、この渋滞予測情報を表示手段に表示してユーザに報知する。
これにより、ユーザは、休憩施設に進入する前に、休憩施設で休憩を行った場合の該休憩施設から更に前方の渋滞の増減傾向が所定基準以上であることを知ることができ、この休憩施設で休憩を行うべきか否かを更に適切に判断することができる。また、ユーザの疲労を低減するより適切な休憩施設の案内を行うことが可能となる。また、休憩施設に進入後、渋滞予測情報を表示手段に表示してユーザに報知するため、ユーザは表示された渋滞予測情報をより詳細に検討することができると共に、前方不注意による事故を防止することが可能となる。
【0022】
また、請求項6に係るナビゲーションシステムでは、自車位置の前方にある休憩施設から更に前方に所定以上の渋滞があると判定された場合には、この休憩施設で休憩後の所定時刻毎の渋滞予測情報を作成後、該渋滞予測情報をユーザに報知する。
これにより、ユーザは、この休憩施設から更に前方に所定以上の渋滞がある時に、この休憩施設で休憩を行った場合の該休憩施設から更に前方の渋滞状況の変化を知ることができるため、休憩施設で休憩を行うべきか否かを更に適切に判断することができる。
【0023】
また、請求項7に係るナビゲーションシステムでは、先ず、ナビゲーション装置は、自車位置の前方にある休憩施設から更に前方に渋滞がある場合には、自車位置を特定する自車位置情報を情報配信センタに送信する。そして、情報配信センタは、この送信された自車位置情報に基づいて、第1渋滞予測手段を介して、この自車位置の前方にある休憩施設で休憩後の所定時刻毎の渋滞予測情報を作成後、該渋滞予測情報をナビゲーション装置に配信する。その後、ナビゲーション装置は、この受信した渋滞予測情報をユーザに報知する。
これにより、ユーザは、自車位置の前方にある休憩施設から更に前方に渋滞がある時に、この休憩施設で休憩を行った場合の該休憩施設から更に前方の渋滞状況の変化を知ることができるため、休憩施設で休憩を行うべきか否かを適切に判断することができる。また、情報配信センタが渋滞予測情報を作成してナビゲーション装置に配信するため、ナビゲーション装置の処理負荷を軽減することが可能となる。
【0024】
また、請求項8に係るナビゲーションシステムでは、ナビゲーション装置は、自車位置情報を情報配信センタに送信できない場合には、第2渋滞予測手段を介して、過去の交通情報に含まれた渋滞情報に基づいて自車位置の前方にある休憩施設で休憩後の所定時刻毎の渋滞予測情報を作成し、この渋滞予測情報をユーザに報知する。
これにより、ユーザは、自車位置情報を情報配信センタに送信できない場合においても、自車位置の前方にある休憩施設から更に前方に渋滞がある時に、この休憩施設で休憩を行った場合の該休憩施設から更に前方の渋滞状況の変化を知ることができるため、休憩施設で休憩を行うべきか否かを適切に判断することができる。
【0025】
また、請求項9に係るナビゲーションシステムでは、ナビゲーション装置は、渋滞予測情報に基づいて休憩施設で休憩後における該休憩施設から更に前方の渋滞の増減傾向が所定基準以上か否かを判定し、この渋滞の増減傾向が所定基準以上の場合に限り、休憩施設で休憩後の渋滞予測情報をユーザに報知する。
これにより、ユーザは、休憩施設で休憩を行った場合の該休憩施設から更に前方の渋滞の増減傾向が所定基準以上の場合に限り、休憩施設で休憩後の渋滞予測情報が知らされるため、休憩施設で休憩を行うべきか否かを更に適切に判断することができる。また、ユーザの疲労を低減するより適切な休憩施設の案内を行うことが可能となる。
【0026】
また、請求項10に係るナビゲーションシステムでは、ナビゲーション装置は、渋滞予測情報に基づいて休憩施設で休憩後における渋滞の増減傾向が所定基準以上の場合に限り、休憩施設に進入する前に該増減傾向を音声報知し、該休憩施設に進入後、この渋滞予測情報を表示手段に表示してユーザに報知する。
これにより、ユーザは、休憩施設に進入する前に、休憩施設で休憩を行った場合の該休憩施設から更に前方の渋滞の増減傾向が所定基準以上であることを知ることができ、この休憩施設で休憩を行うべきか否かを更に適切に判断することができる。また、ユーザの疲労を低減するより適切な休憩施設の案内を行うことが可能となる。また、休憩施設に進入後、渋滞予測情報を表示手段に表示してユーザに報知するため、ユーザは表示された渋滞予測情報をより詳細に検討することができると共に、前方不注意による事故を防止することが可能となる。
【0027】
更に、請求項11に係るナビゲーションシステムでは、ナビゲーション装置は、自車位置の前方にある休憩施設から更に前方に所定以上の渋滞があると判定した場合に、自車位置を特定する自車位置情報を情報配信センタに送信する。
これにより、ユーザは、この休憩施設から更に前方に所定以上の渋滞がある時に、この休憩施設で休憩を行った場合の該休憩施設から更に前方の渋滞状況の変化を知ることができるため、休憩施設で休憩を行うべきか否かを更に適切に判断することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下、本発明に係るナビゲーションシステムについて具体化した一実施例に基づき図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0029】
先ず、本実施例に係るナビゲーションシステム1の概略構成について図1を用いて説明する。図1は本実施例に係るナビゲーションシステム1を示したブロック図である。
【0030】
図1に示すように本実施例に係るナビゲーションシステム1は、ナビゲーション装置2と、ナビゲーション装置2に対して地図情報を更新する為の更新情報や後述の渋滞予測情報等を配信する情報配信センタ3と、ネットワーク4から基本的に構成されている。そして、ナビゲーション装置2と情報配信センタ3は、ネットワーク4を介して各種の情報の送受信が可能となるように構成されている。
【0031】
また、このネットワーク4には、道路交通情報センタ(VICS(登録商標):Vehicle Information and Communication System)5が接続され、ナビゲーション装置2と情報配信センタ3とは、ネットワーク4を介して、警察、日本道路公団等の交通管制システムの情報を収集して作成した道路の渋滞等に関する情報や交通規制情報等の道路交通情報を所定時間毎に受信することが可能に構成されている。また、この道路交通情報は、例えば、道路の渋滞等に関する道路渋滞情報、道路工事、建築工事等による交通規制情報等の道路交通情報に関する詳細情報である。該詳細情報は、道路渋滞情報の場合、渋滞の実際の長さ、渋滞を通過するのに要する所要時間、渋滞の原因、渋滞解消の見込まれる時刻等であり、交通規制情報の場合、道路工事、建築工事等の継続期間、通行止め、片側交互通行、車線規制等の交通規制の種類、交通規制の時間帯等である。
尚、ナビゲーション装置2の構成に関しては後に図2を用いて詳細に説明する。
【0032】
情報配信センタ3は、図1に示すようにサーバ10と、サーバ10に接続された地図情報記録部としてのセンタ側地図情報DB14と、ナビ更新履歴情報DB15と、センタ側交通情報DB16と、センタ側通信装置17とを備える。また、サーバ10は、サーバ10の全体の制御を行う演算装置及び制御装置としてのCPU11、並びにCPU11が各種の演算処理を行うに当たってワーキングメモリとして使用されるRAM12、ナビゲーション装置2からの要求に基づいてナビゲーション装置2に記憶された地図情報の内、所定エリアの地図情報を新たなバージョンの地図情報に更新する為の更新情報をセンタ側地図情報DB14から抽出し、ナビゲーション装置2に対して配信する地図情報更新処理や、後述のナビゲーション装置2からの要求に基づいて自車位置情報及び経路情報に基づいて渋滞予測情報をセンタ側交通情報DB16から作成し、ナビゲーション装置2に対して配信する渋滞予測情報送信処理等を行うための各種の制御プログラムが記録されたROM13等の内部記憶装置を備えている。尚、CPU11に代えてMPU等を使用することができる。
【0033】
また、センタ側地図情報DB14には、情報配信センタ3で作成され、ナビゲーション装置2に記憶された地図情報を更新する際の基本となる地図情報である更新用地図情報18がバージョン毎に区分されて記憶されている。更に、現在のナビゲーション装置2に記憶される地図情報の一部又は全部を更新用地図情報18に更新する為の更新情報についても記憶されている。ここで、バージョンとは地図情報が作成された時期を特定する為の作成時期情報であり、バージョンを参照することによって地図情報が作成された時期を特定することが可能となっている。
【0034】
また、センタ側地図情報DB14に記憶された更新用地図情報18には、ナビゲーション装置2で経路案内及び地図表示を行うのに必要な各種情報が記録されており、例えば、地図を表示するための地図表示データ、各交差点に関する交差点データ、ノード点に関するノードデータ、施設の一種である道路(リンク)に関するリンクデータ、経路を探索するための探索データ、施設の一種である店舗等のPOI(Point of Interest)に関する店舗データ、地点を検索するための検索データ等から構成されている。
【0035】
ここで、特に地図表示データとしては、10km×10kmで区画された2次メッシュをベースに4分割(長さ1/2)、16分割(1/4)、64分割(1/8)されたユニットで構成されており、各ユニットのデータ量が略同レベルになるように、各地のユニットが設定されている。最も小さい64分割サイズのユニットは、約1.25km四方の大きさである。
【0036】
また、ノードデータとしては、実際の道路の分岐点(交差点、T字路等も含む)、各道路に曲率半径等に応じて所定の距離ごとに設定されたノード点の座標(位置)、ノードが交差点に対応するノードであるか等を表すノード属性、ノードに接続するリンクの識別番号であるリンクIDのリストである接続リンク番号リスト、ノードにリンクを介して隣接するノードのノード番号のリストである隣接ノード番号リスト、各ノード点の高さ(高度)等に関するデータ等が記録される。
【0037】
また、リンクデータとしては、道路を構成する各リンクに関してリンクの属する道路の幅員、勾(こう)配、カント、バンク、路面の状態、道路の車線数、車線数の減少する箇所、幅員の狭くなる箇所、踏切り等を表すデータが、コーナに関して、曲率半径、交差点、T字路、コーナの入口及び出口等を表すデータが、道路属性に関して、降坂路、登坂路等を表すデータが、道路種別に関して、国道、県道、細街路等の一般道のほか、高速自動車国道、都市高速道路、一般有料道路、有料橋等の有料道路を表すデータがそれぞれ記録される。更に、有料道路に関して、有料道路の入口及び出口の取付道(ランプウェイ)、料金所(インターチェンジ)等に関するデータが記録される。
【0038】
また、探索データとしては、設定された目的地までの経路を探索及び表示する際に使用されるデータについて記録されており、ノードを通過する際のコスト(以下、ノードコストという)や道路を構成するリンクのコスト(以下、リンクコストという)からなる探索コストを算出する為に使用するコストデータ、経路探索により選択された経路を液晶ディスプレイ25の地図上に表示するための経路表示データ等から構成されている。
【0039】
また、店舗データとしては、各地域のホテル、病院、ガソリンスタンド、駐車場、観光施設等のPOIに関するデータがPOIを特定するIDとともに記録される。なお、前記センタ側地図情報DB14には、所定の情報をナビゲーション装置2のスピーカ26によって出力するための音声出力データも記録される。
【0040】
そして、情報配信センタ3は、ナビゲーション装置2からの要求があったタイミングで、センタ側地図情報DB14に格納された更新用地図情報18の内、最もバージョンの新しい更新用地図情報18によってナビゲーション装置2に記憶された地図情報の更新を行う。具体的には、本実施例に係るナビゲーションシステム1では、ナビゲーション装置2から更新用地図情報18の配信要求があった場合には、最もバージョンの新しい更新用地図情報18に更新する為の更新情報をナビゲーション装置2に対して配信することにより更新が行われる。ここで、ナビゲーション装置2に対して送信される更新情報としては、最もバージョンの新しい更新用地図情報18の新設道路を特定するための新設道路情報を含む全情報を送信することとしても良いし、現在のナビゲーション装置に記憶される地図情報から最もバージョンの新しい更新用地図情報18に更新する為の必要最小限の情報(新設道路を特定するための新設道路情報を含む更新部分の情報のみ)を送信することとしても良い。
【0041】
一方、ナビ更新履歴情報DB15には、ナビゲーション装置2に記憶されている地図情報について現在までに更新を行った更新履歴に関する情報が、ナビゲーション装置2を特定するナビ識別IDとともに記憶される。更新履歴としては、具体的に地図情報を構成するリンクデータやノードデータ毎にどのバージョンの地図情報が用いられているかが記憶されており、ナビゲーション装置2の地図情報の更新を行う毎に新たな更新履歴に書き換えられる。
【0042】
また、センタ側交通情報DB16には、道路交通情報センタ(VICS)5から受信した道路交通情報を収集して作成した現況の道路の渋滞等に関する情報である現況交通情報19Aが格納されている。また、このセンタ側交通情報DB16には、過去に作成された道路の渋滞等に関する統計的渋滞情報である統計交通情報19Bが格納されている。この統計交通情報19Bは、祭り、パレード、花火大会等のイベントの開催予定場所、予定日時等のイベント予定情報、例えば、駅周辺や大型商業施設周辺の道路には週末を除く毎日の特定時刻に渋滞が発生するとか、海水浴場周辺の道路には夏季休暇時期に渋滞が発生する等の統計的渋滞情報や渋滞予測情報を含んでもよい。更に、センタ側交通情報DB16には、現況現況交通情報19A及び統計交通情報19Bに基づいて作成された現況の各渋滞に対する将来における所定時刻毎の渋滞予測情報等である渋滞予測情報19Cが格納されている。
【0043】
そして、後述のように、情報配信センタ3は、ナビゲーション装置2からの要求があったタイミングで、センタ側交通情報DB16に格納された渋滞予測情報19Cから、目的地までの経路上にある渋滞の所定時刻毎の渋滞予測情報を選択して配信する。具体的には、本実施例に係るナビゲーションシステム1では、ナビゲーション装置2から渋滞予測情報の配信要求があった場合には、最も新しい現況交通情報19Aから自車位置の前方にあるサービスエリアやパーキングエリア等の休憩施設より更に前方にある渋滞情報を特定し、該渋滞情報に対応する所定時刻毎の渋滞予測情報を渋滞予測情報19Cから選択して、該ナビゲーション装置2に配信する。
【0044】
また、道路交通情報センタ(VICS)5から受信した道路交通情報には、種別情報、位置、渋滞区間の距離、渋滞度等の情報とともに、VICSリンクIDが含まれる。該VICSリンクIDは、道路を所定の交差点毎に分割して規格化された走行案内用リンクとしてのVICSリンクに付与された識別番号である。なお、前記道路交通情報には、各VICSリンクにおける始点及び終点の座標、始点から終点までの距離等の情報も含まれている。
【0045】
ここで、センタ側地図情報DB14に記憶される道路(リンク)とVICSリンクとは同一のものではない(一般的には、道路(リンク)の方がVICSリンクよりも細分化されている。)。そこで、各道路(リンク)に識別番号として付与される道路リンクIDとVICSリンクIDとの間の変換テーブル(対照表)を有し、VICSリンクIDに基づいて、対応する道路リンクIDを特定することができるようになっている。そのため、ナビゲーション装置2のように変換テーブルを有するものである場合には、情報配信センタ3や道路交通情報センタ(VICS)5からVICSリンクIDを受信すると、該VICSリンクIDに基づいて渋滞情報等の道路交通情報を表示すべき道路の区間を特定することができる。
ところが、ナビゲーション装置2が変換テーブルを有するものでない場合には、VICSリンクIDに基づいて道路の区間を特定することができなくなってしまう。そこで、センタ側交通情報DB16には、この変換テーブルも格納されている。これにより、VICSリンクIDをナビゲーション装置2において使用されている道路リンクIDに変換して、道路交通情報を送信することができる。
【0046】
尚、情報配信センタ3は、個人、企業、団体、地方自治体、政府関係機関等のいずれが運営していてもよく、道路交通情報センタ(VICS)5が運営していてもよい。
【0047】
また、ネットワーク4としては、例えばLAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、イントラネット、携帯電話回線網、電話回線網、公衆通信回線網、専用通信回線網、インターネット等の通信回線網等の通信系を使用することができる。そして、放送衛星によるCS放送、BS放送、地上波ディジタルテレビ放送、FM多重放送等を利用する通信系を使用することもできる。更に、高度道路交通システム(ITS)において利用されるノンストップ自動料金支払いシステム(ETC)、狭域通信システム(DSRC)等の通信系を使用することもできる。
【0048】
次に、本実施例に係るナビゲーションシステム1を構成するナビゲーション装置2の概略構成について図2を用いて説明する。図2は本実施例に係るナビゲーション装置2を示したブロック図である。
【0049】
図2に示すように本実施例に係るナビゲーション装置2は、自車の現在位置を検出する現在地検出処理部21と、各種のデータが記録されたデータ記録部22と、入力された情報に基づいて、各種の演算処理を行うナビゲーション制御部23と、操作者からの操作を受け付ける操作部24と、操作者に対して地図等の情報を表示する液晶ディスプレイ25と、経路案内や後述の休憩後の渋滞予測情報に関する音声ガイダンスを出力するスピーカ26と、道路交通情報センタ(VICS)5や情報配信センタ3等との間で通信を行う通信装置27と、から構成されている。また、ナビゲーション制御部23には自車の走行速度を検出する車速センサ28が接続される。
【0050】
以下に、ナビゲーション装置2を構成する各構成要素について説明すると、現在地検出処理部21は、GPS31、地磁気センサ32、距離センサ33、ステアリングセンサ34、方位検出部としてのジャイロセンサ35、高度計(図示せず)等からなり、現在の自車の位置、方位、目標物(例えば、交差点)までの距離等を検出することが可能となっている。
【0051】
具体的には、GPS31は、人工衛星によって発生させられた電波を受信することにより、地球上における自車の現在地及び現在時刻を検出し、地磁気センサ32は、地磁気を測定することによって自車方位を検出し、距離センサ33は、道路上の所定の位置間の距離等を検出する。ここで、距離センサ33としては、例えば、自車の車輪(図示せず)の回転速度を測定し、測定した回転速度に基づいて距離を検出するセンサ、加速度を測定し、測定した加速度を2回積分して距離を検出するセンサ等を使用することができる。
【0052】
また、ステアリングセンサ34は自車の舵(だ)角を検出する。ここで、ステアリングセンサ34としては、例えば、ステアリングホイール(図示せず)の回転部に取り付けられた光学的な回転センサ、回転抵抗センサ、車輪に取り付けられた角度センサ等が使用される。
【0053】
そして、ジャイロセンサ35は自車の旋回角を検出する。ここで、ジャイロセンサ35としては、例えば、ガスレートジャイロ、振動ジャイロ等が使用される。また、ジャイロセンサ35によって検出された旋回角を積分することにより、自車方位を検出することができる。
【0054】
また、データ記録部22は、外部記憶装置及び記憶媒体としてのハードディスク(図示せず)と、ハードディスクに記憶されたナビ側交通情報DB36、ナビ側地図情報DB38、及び所定のプログラム等を読み出すとともにハードディスクに所定のデータを書き込む為のドライバである記録ヘッド(図示せず)とを備えている。尚、本実施例においては、データ記録部22の外部記憶装置及び記憶媒体としてハードディスクが使用されるが、ハードディスクのほかに、フレキシブルディスク等の磁気ディスクを外部記憶装置として使用することができる。また、メモリーカード、磁気テープ、磁気ドラム、CD、MD、DVD、光ディスク、MO、ICカード、光カード等を外部記憶装置として使用することもできる。
【0055】
ここで、ナビ側交通情報DB36には、道路交通情報センタ(VICS)5から受信した渋滞の実際の長さ、渋滞の原因、渋滞解消の見込まれる時刻等から構成される現況の道路の渋滞等に関する道路渋滞情報や、道路工事、建築工事等による交通規制情報等の道路交通情報情報から作成した現況交通情報が格納される。また、ナビ側交通情報DB36には、過去に作成された道路の渋滞等に関する統計的渋滞情報である統計渋滞情報37が格納されている。この統計渋滞情報37は、祭り、パレード、花火大会等のイベントの開催予定場所、予定日時等のイベント予定情報、例えば、駅周辺や大型商業施設周辺の道路には週末を除く毎日の特定時刻に渋滞が発生するとか、海水浴場周辺の道路には夏季休暇時期に渋滞が発生する等の統計的渋滞情報や渋滞予測情報を含んでもよい。
【0056】
また、ナビ側地図情報DB38には、ナビゲーション装置2の走行案内や経路探索に使用されるとともに情報配信センタ3による更新対象となるナビ地図情報39が格納されている。ここで、ナビ地図情報39には、更新用地図情報18と同様に経路案内及び地図表示に必要な各種情報から構成されており、例えば、各新設道路を特定するための新設道路情報、地図を表示するための地図表示データ、各交差点に関する交差点データ、ノード点に関するノードデータ、施設の一種である道路(リンク)に関するリンクデータ、経路を探索するための探索データ、施設の一種である店舗等のPOIに関する店舗データ、地点を検索するための検索データ等から構成されている。尚、各データの詳細については既に説明したので、ここではその詳細は省略する。
そして、ナビ側地図情報DB38の内容は、情報配信センタ3から通信装置27を介して配信された更新情報をダウンロードすることによって更新される。
【0057】
また、図2に示すように、ナビゲーション装置2を構成するナビゲーション制御部23は、ナビゲーション装置2の全体の制御を行う演算装置及び制御装置としてのCPU41、並びにCPU41が各種の演算処理を行うに当たってワーキングメモリとして使用されるとともに、経路が探索されたときの経路データや情報配信センタ3から受信した渋滞予測情報等が記憶されるRAM42、制御用のプログラムのほか、後述の休憩後の渋滞予測情報等を報知する休憩案内処理プログラム(図3参照)が記憶されたROM43、ROM43から読み出したプログラムを記憶するフラッシュメモリ44等の内部記憶装置や、時間を計測するタイマ45等を備えている。尚、前記RAM42、ROM43、フラッシュメモリ44等としては半導体メモリ、磁気コア等が使用される。そして、演算装置及び制御装置としては、CPU41に代えてMPU等を使用することも可能である。
【0058】
また、本実施例においては、前記ROM43に各種のプログラムが記憶され、前記データ記録部22に各種のデータが記憶されるようになっているが、プログラム、データ等を同じ外部記憶装置、メモリーカード等からプログラム、データ等を読み出して前記フラッシュメモリ44に書き込むこともできる。更に、メモリーカード等を交換することによって前記プログラム、データ等を更新することができる。
【0059】
更に、前記ナビゲーション制御部23には、操作部24、液晶ディスプレイ25、スピーカ26、通信装置27の各周辺装置(アクチュエータ)が電気的に接続されている。
【0060】
操作部24は、走行開始時の現在地を修正し、案内開始地点としての出発地及び案内終了地点としての目的地を入力する際や施設に関する情報の検索を行う際、更に後述のように休憩後の所定時刻毎の渋滞予測情報を確認する場合等に操作され、各種のキー、所定時刻毎の渋滞予測情報の表示を指示する渋滞案内ボタン53(図5参照)等の複数の操作スイッチから構成される。そして、ナビゲーション制御部23は、各スイッチの押下等により出力されるスイッチ信号に基づき、対応する各種の動作を実行すべく制御を行う。尚、操作部24としては、キーボード、マウス、バーコードリーダ、遠隔操作用のリモートコントロール装置、ジョイスティック、ライトペン、スタイラスペン等を使用することもできる。更に、液晶ディスプレイ25の前面に設けたタッチパネルによって構成することもできる。
【0061】
また、液晶ディスプレイ25には、後述のようにサービスエリアやパーキングエリア等の休憩施設に進入した場合に休憩後の所定時刻毎の渋滞予測表示画面の他、操作案内、操作メニュー、キーの案内、現在地から目的地までの誘導経路、誘導経路に沿った案内情報、交通情報、ニュース、天気予報、時刻、メール、テレビ番組等が表示される。尚、液晶ディスプレイ25の代わりに、CRTディスプレイ、プラズマディスプレイ等を使用したり、車両のフロントガラスにホログラムを投影するホログラム装置等を使用することも可能である。
【0062】
また、スピーカ26は、ナビゲーション制御部23からの指示に基づいて、誘導経路に沿った走行を案内する音声ガイダンスや、後述のように休憩後の渋滞状態を知らせる音声報知を出力する。ここで、案内される音声ガイダンスとしては、例えば、「200m先、○○交差点を右方向です。」や「この先の国道○○号線が渋滞しています。」等がある。また、休憩後の渋滞状態を知らせる音声報知としては、「30分休憩すると渋滞が短くなります。」や「60分休憩すると渋滞が解消します。」等がある。なお、スピーカ26より出力される音声としては、合成された音声のほかに、各種効果音、予めテープやメモリ等に録音された各種の案内情報を出力することもできる。
【0063】
そして、通信装置27は、情報配信センタ3と通信を行う通信手段であり、情報配信センタ3との間で最もバージョンの新しい更新地図情報等の送受信を行う。また、通信装置27は、情報配信センタ3に加えて、道路交通情報センタ(VICS)等から送信された渋滞情報、規制情報、駐車場情報、交通事故情報、サービスエリアの混雑状況等の各情報から成る交通情報を受信する。
【0064】
続いて、前記構成を有するナビゲーションシステム1において、ナビゲーション装置2のCPU41が、前方のサービスエリア(SA)やパーキングエリア(PA)等から更に前方にある渋滞情報を道路交通情報センタ(VICS)から受信していた場合に実行する休憩後の渋滞予測情報等を報知する休憩案内処理プログラムについて図3乃至図6に基づき説明する。図3は本実施例に係るナビゲーション装置2が実行する休憩後の渋滞予測情報等を報知する休憩案内処理プログラムである。図4は「渋滞予測情報受信処理」のサブ処理を示すサブフローチャートである。尚、以下の図3及び図4にフローチャートで示されるプログラムは、ナビゲーション装置2が備えているRAM42やROM43に記憶されており、CPU41により実行される。尚、説明の都合上、目的地までの経路が高速自動車国道であり、目的地までの経路沿いにある休憩施設がサービスエリア(SA)やパーキングエリア(PA)であるものとして説明する。
【0065】
図3に示すように、先ず、休憩案内処理プログラムのステップ(以下、Sと略記する)1において、CPU41は、現在位置検出処理部21により自車位置を検出して、車両の現在位置を含む地図データをナビ地図情報39から読み出し、地図データに基づいて車両の現在位置の周囲における地図画像50(図5参照)を描画して液晶ディスプレイ25に表示するとともに、車両位置マーク51(図5参照)を地図画像50に重ね合わせて表示し、車両の移動に応じて地図画像をスクロールしたり、地図画像50を画面に固定し車両位置マーク51を移動させることによって、車両が現在どの地点を走行しているのかを一目でわかるように表示する。また、CPU41は、車速センサ28からの検出信号と現在位置検出部21からの現在位置データとから高速自動車国道を走行していると判定した場合には、自車位置から前方のインターチェンジ(IC)、サービスエリア(SA)やパーキングエリア(PA)までの距離などを表示する案内画像52(図5参照)を液晶ディスプレイ25に表示する。
尚、CPU41は、S1の処理を約30秒間〜10分間実行毎に、S2以降の処理を実行する。
【0066】
続いて、S2において、CPU41は、ナビ側交通情報DB36から渋滞の実際の長さ、渋滞の所要時間、渋滞の原因、渋滞解消の見込まれる時刻等から構成される現況の道路の渋滞等に関する道路渋滞情報を読み出し、自車位置の前方のサービスエリア(SA)やパーキングエリア(PA)等の休憩施設49(図5参照)よりも前方の目的地までの経路上に所定以上の渋滞(例えば、渋滞の長さが約5km以上の渋滞や、渋滞の所要時間が約1時間以上の渋滞等である。)が有るか否かを判定する判定処理を実行する。
そして、自車位置の前方のサービスエリア(SA)やパーキングエリア(PA)等の休憩施設49よりも前方の目的地までの経路上に所定以上の渋滞がない場合には(S2:NO)、CPU41は、再度S1以降の処理を実行する。
【0067】
一方、自車位置の前方のサービスエリア(SA)やパーキングエリア(PA)等の休憩施設49よりも前方の目的地までの経路上に所定以上の渋滞が有る場合には(S2:YES)、CPU41は、S3の処理に移行する。S3において、CPU41は、所定時間以上(例えば、約2時間以上等である。)又は所定距離以上(例えば、約200km以上である。)の走行を続けているか否かを判定する判定処理を実行する。例えば、CPU41は、車速センサ28からの検出信号と現在位置検出部21からの現在位置データとタイマ45からの信号に基づき、高速自動車国道を約2時間以上又は約200km以上走行したか否かを判定する。
そして、所定時間以上又は所定距離以上の走行を続けていない場合には(S3:NO)、CPU41は、再度S1以降の処理を実行する。
【0068】
また一方、所定時間以上又は所定距離以上の走行を続けている場合には(S3:YES)、CPU41は、S4の処理に移行する。S4において、CPU41は、自車位置より前方のサービスエリア(SA)やパーキングエリア(PA)等の休憩施設49が所定距離以内(例えば、約3km以内である。)に有るか否かを判定する判定処理を実行する。
そして、自車位置より前方のサービスエリア(SA)やパーキングエリア(PA)等の休憩施設49が所定距離以内にない場合には(S4:NO)、CPU41は、再度S1以降の処理を実行する。
【0069】
一方、自車位置より前方のサービスエリア(SA)やパーキングエリア(PA)等の休憩施設49が所定距離以内に有る場合には(S4:YES)、CPU41は、S5の処理に移行する。S5において、CPU41は、通信装置27を介して情報配信センタ3と通信可能か否かを判定する判定処理を実行する。
そして、通信装置27を介して情報配信センタ3と通信可能な場合には(S5:YES)、S6において、CPU41は、後述の「渋滞予測情報受信処理」のサブ処理(図4参照)を実行して、情報配信センタ3から受信した所定時刻毎(例えば、30分休憩後や60分休憩後である。)の渋滞予測情報等をRAM42に記憶後、S8の処理に移行する。
【0070】
ここで、S6の「渋滞予測情報受信処理」のサブ処理について図4に基づいて説明する。
先ず、図4に基づいてナビゲーション装置2のCPU41が実行する「渋滞予測情報受信処理」のサブ処理について説明する。
図4に示すように、S21において、CPU41は、自車位置の前方のサービスエリア(SA)やパーキングエリア(PA)等の休憩施設49で休憩した場合に、この休憩後における所定時刻毎(例えば、30分休憩後や60分休憩後である。)の渋滞予測情報の作成を要求する旨を表す要求情報を情報配信センタ3に送信する。また、このとき同時に、CPU41は、現在位置検出処理部21により検出した自車位置情報と、自車位置から目的地(例えば、名古屋インターチェンジ(IC)等である。)までの経路を表す経路情報等を情報配信センタ3に送信する。
そして、S21において、CPU41は、情報配信センタ3から受信した所定時刻毎(例えば、30分休憩後や60分休憩後である。)の各渋滞予測情報等をRAM42に記憶後、当該サブ処理を終了してメインフローチャートに戻り、S8の処理に移行する。
【0071】
次に、図4に基づいて情報配信センタ3のCPU11が実行する「渋滞予測情報作成処理」について説明する。
図4に示すように、S101において、CPU11は、ナビゲーション装置2から受信した自車位置情報と目的地までの経路情報とからセンタ側地図情報DB14に格納される地図情報に基づいて、目的地までの経路沿いで自車位置の前方にある休憩施設49を特定する。そして、CPU11は、この特定した休憩施設49から更に前方の目的地までの経路上の道路渋滞情報をセンタ側交通情報DB16の現況交通情報19Aから読み出す。
【0072】
そして、S102において、CPU11は、この現況交通情報19Aから読み出した道路渋滞情報と統計交通情報19Bに基づいて、この現況の道路渋滞情報に対する所定時刻毎の渋滞予測情報(例えば、休憩施設49で30分間や60分間の休憩後の各渋滞予測情報である。)を作成して渋滞予測情報19Cに記憶する。
具体的には、CPU11は、現況交通情報19Aから渋滞の実際の長さ、渋滞の原因、渋滞解消の見込まれる時刻等から構成される現況の道路の渋滞等に関する道路渋滞情報を読み出すと共に、統計交通情報19Bを読み出し、特定した休憩施設49から目的地までの経路に含まれる各リンクにおける渋滞度(例えば、渋滞無し、混雑、渋滞等である。)を過去の渋滞度の変化を考慮して所定時刻毎増減させて、この特定した休憩施設49から目的地までの経路上の所定時刻毎(例えば、30分休憩後や60分休憩後である。)の各渋滞予測情報を作成する。
続いて、S103において、CPU11は、渋滞予測情報19Cからこの作成した各渋滞予測情報を読み出して、ナビゲーション装置2に送信後、当該処理を終了する。
【0073】
また一方、図3に示すように、通信装置27を介して情報配信センタ3と通信できない場合には(S5:NO)、S7において、CPU41は、自車位置の前方のサービスエリア(SA)やパーキングエリア(PA)等の休憩施設49で休憩後における所定時刻毎(例えば、30分休憩後や60分休憩後である。)の渋滞予測情報を作成して、RAM42に記憶後、S8の処理に移行する。
具体的には、CPU41は、ナビ側交通情報DB36から渋滞の実際の長さ、渋滞の通過に要する所要時間、渋滞の原因、渋滞解消の見込まれる時刻等から構成される現況の道路の渋滞等に関する道路渋滞情報を読み出すと共に、統計的渋滞情報37を読み出し、自車位置の前方の休憩施設49から目的地までの経路に含まれる各リンクにおける渋滞度(例えば、渋滞無し、混雑、渋滞等である。)を過去の渋滞度の変化を考慮して所定時刻毎増減させて、この休憩施設49から目的地までの経路上の所定時刻毎(例えば、30分休憩後や60分休憩後である。)の渋滞予測情報を作成する。
【0074】
続いて、S8において、CPU41は、自車位置の前方のサービスエリア(SA)やパーキングエリア(PA)等の休憩施設49で各所定時間の休憩(例えば、30分間や60分間の休憩である。)をした場合の該休憩施設49から目的地までの経路上の渋滞の増減傾向、即ち、渋滞区間の所要時間の増減傾向が所定基準以上か否か(例えば、渋滞区間の所要時間の増加時間が10%以上や20分以上、又は渋滞区間の所要時間の減少時間が10%以上や20分以上か否か等である。)を判定する判定処理を実行する。
具体的には、CPU41は、ナビ側交通情報DB36から渋滞の実際の長さ、渋滞の原因、渋滞解消の見込まれる時刻等から構成される現況の道路の渋滞等に関する道路渋滞情報を読み出すと共に、RAM42から各渋滞予測情報を読み出す。そして、CPU41は、休憩しない場合及び各所定時間(例えば、30分間と60分間である。)の休憩をした場合のそれぞれについて、タイムスライスと称される演算方法によって自車位置の前方の休憩施設49から目的地までの各リンクを通過する予測通過時刻を算出し、渋滞区間の所要時間を算出して、休憩施設49で各所定時間の休憩(例えば、30分間や60分間の休憩である。)をした場合の自車位置から目的地までの経路上の渋滞区間の所要時間の増減傾向が所定基準以上か否かを判定する。
【0075】
そして、自車位置の前方のサービスエリア(SA)やパーキングエリア(PA)等の休憩施設49で各所定時間の休憩(例えば、30分間や60分間の休憩である。)をした場合のこの休憩施設49から目的地までの経路上の渋滞区間の所要時間の増減傾向が所定基準より小さい場合、即ち、渋滞区間の所要時間の増減が小さい場合には(S8:NO)、CPU41は、再度S1以降の処理を実行する。
【0076】
一方、自車位置の前方の休憩施設49で各所定時間の休憩(例えば、30分間や60分間の休憩である。)をした場合の自車位置から目的地までの経路上の渋滞区間の所要時間の増減傾向が所定基準以上の場合、即ち、渋滞区間を通過するのに要する所要時間の増減が大きい場合には(S8:YES)、CPU41は、S9の処理に移行する。
S9において、CPU41は、自車位置の前方のサービスエリア(SA)やパーキングエリア(PA)等の休憩施設49で各所定時間の休憩(例えば、30分間や60分間の休憩である。)をした場合の渋滞予測情報、即ち、渋滞区間の所要時間の増減等をスピーカ26を介して音声報知する。
【0077】
例えば、図5に示すように、休憩施設49の「大津サービスエリア(SA)」で休憩すると渋滞区間の所要時間の増減傾向が所定基準以上、例えば、渋滞時間が20分以上短くなる場合には、CPU41は、名神高速道路48の地図画像50を描画して液晶ディスプレイ25に表示するとともに、車両位置マーク51を地図画像50の名神高速道路48に重ね合わせて表示すると共に、表示画面の右側に自車位置から前方の「大津サービスエリア(SA)」、「瀬田西インターチェンジ(IC)」や「草津パーキングエリア(PA)」までの各距離などを表示する案内画像52を表示する。そして、自車位置から休憩施設49の「大津サービスエリア(SA)」までの距離が約0.5kmになった時に、CPU41は、スピーカ26を介して「30分休憩すると渋滞が短くなります。60分休憩すると渋滞が無くなります。」というセリフ54を音声報知する。また、CPU41は、表示画面の左下側に渋滞案内ボタン53を表示する。そして、液晶ディスプレイ25の前面に設けたタッチパネルによって該渋滞案内ボタン53が押下された場合には、CPU41は、後述の図6に示す渋滞予測情報の詳細表示画像55を表示する。
また、休憩施設49の「大津サービスエリア(SA)」で休憩すると渋滞時間が20分以上長くなる場合には、CPU41は、スピーカ26を介して「30分休憩すると渋滞が長くなります。名古屋インターチェンジには18時50分に着きます。」等と音声報知する。
尚、音声報知だけでなく、表示画面に「30分休憩すると渋滞が短くなります。60分休憩すると渋滞が無くなります。」等と表示するようにしてもよい。
【0078】
続いて、図3に示すように、S10において、CPU41は、現在位置検出処理部21により自車位置を検出して、車両の現在位置を含む地図データをナビ地図情報39から読み出し、地図データに基づいて車両の現在位置がサービスエリア(SA)やパーキングエリア(PA)等の休憩施設49に進入したか否かを判定する判定処理を実行する。
そして、車両の現在位置がサービスエリア(SA)やパーキングエリア(PA)等の休憩施設49に進入しないで、通過した場合には(S10:NO)、CPU41は、再度S1以降の処理を実行する。
一方、車両の現在位置がサービスエリア(SA)やパーキングエリア(PA)等の休憩施設49に進入した場合には(S10:YES)、S11において、CPU41は、休憩後の所定時刻毎の渋滞予測情報の詳細表示画面55(図6参照)を液晶ディスプレイ25に所定時間(例えば、約1分間〜3分間である。)表示した後、再度S1以降の処理を実行する。
【0079】
例えば、図6に示すように、詳細表示画面55は、休憩施設49の「大津サービスエリア(SA)」に進入して、目的地が「名古屋インターチェンジ(IC)」に設定されている場合には、CPU41は、休憩施設49の大津サービスエリアで休憩しない時の「渋滞の無い区間57A」、「混雑した区間57B」、「渋滞区間57C」を通過するのに要する所要時間等を表す棒グラフ58を表示画面の一番上に表示する。そして、CPU41は、この棒グラフ58の右側に「大津サービスエリア(SA)」から「名古屋インターチェンジ(IC)」に達するまでに要する時間「150分」と到達時刻「(17:45)」を表示する。
【0080】
また、CPU41は、棒グラフ58の下側に、休憩施設49の大津サービスエリアで30分間休憩した時の「休憩時間59」、「渋滞の無い区間57A」、「混雑した区間57B」、「渋滞区間57C」、「渋滞の無い区間57A」を通過する各時間等を表す棒グラフ60を表示する。そして、CPU41は、この棒グラフ60の右側に「大津サービスエリア(SA)」から「名古屋インターチェンジ(IC)」に達するまでに要する時間「130分」と到達時刻「(17:55)」を表示する。即ち、休憩しない時と比較して、大津サービスエリアで30分間休憩しても、到着時刻は約10分遅れるだけであることが表示される。
【0081】
また、CPU41は、棒グラフ60の下側に、休憩施設49の大津サービスエリアで60分間休憩した時の「休憩時間59」、「渋滞の無い区間57A」、「混雑した区間57B」、「渋滞の無い区間57A」を通過する各時間等を表す棒グラフ61を表示する。そして、CPU41は、この棒グラフ61の右側に「大津サービスエリア(SA)」から「名古屋インターチェンジ(IC)」に達するまでに要する時間「110分」と到達時刻「(18:05)」を表示する。即ち、休憩しない時と比較して、大津サービスエリアで60分間休憩しても、到着時刻は約20分遅れるだけであることが表示される。
また、各棒グラフ58、60、61等の表示だけでなく、CPU41は、スピーカ26を介して「30分休憩すると渋滞が短くなります。60分休憩すると渋滞が無くなります。」というセリフ63を音声報知するようにしてもよい。
【0082】
以上詳細に説明した通り、本実施例に係るナビゲーションシステム1では、先ず、ナビゲーション装置2のCPU41は、自車位置の前方にある休憩施設49から更に前方に所定以上の渋滞があり、且つ、所定走行時間以上又は所定走行距離以上連続して走行しており、更に、自車位置の前方にある休憩施設49が該自車位置から所定距離以内に存在する場合には、自車位置情報と、目的地までの経路を表す経路情報とを情報配信センタ3に送信する(S2〜S5)。そして、情報配信センタ3のCPU11は、この送信された自車位置情報と経路情報とに基づいて目的地までの経路沿いで自車位置の前方にある休憩施設49を特定し、この休憩施設49で休憩後の所定時刻毎の各渋滞予測情報を作成後、該各渋滞予測情報をナビゲーション装置2に配信する(S6)。その後、ナビゲーション装置2のCPU41は、この受信した所定時刻毎の各渋滞予測情報と現況の道路渋滞情報に基づいて、休憩施設49で各所定時間の休憩(例えば、30分間や60分間の休憩である。)をした場合の該休憩施設49から目的地までの経路上の渋滞区間の所要時間の増減傾向が所定基準以上の場合には、休憩施設49に進入する前に該休憩施設49で各所定時間の休憩をした場合の渋滞区間の所要時間の増減等をスピーカ26を介して音声報知し、該休憩施設49に進入後、この渋滞予測情報の詳細表示画面55を液晶ディスプレイ25に表示してユーザに報知する(S8〜S11)。
【0083】
これにより、ユーザは、所定走行時間以上又は所定走行距離以上連続して走行している場合に、自車位置の前方にある休憩施設49が該自車位置から所定距離以内になると共に、この休憩施設49から更に前方に所定以上の渋滞がある時には、この休憩施設49で休憩後、この渋滞の増減が大きいときに限り、所定時刻毎の休憩後の渋滞状況の変化をタイミングよく知ることができるため、前方の休憩施設49で休憩を行うべきか否かを適切に判断することができる。また、ユーザの疲労を低減する適切な休憩施設49の案内を行うことが可能となる。また、情報配信センタ3が渋滞予測情報を作成してナビゲーション装置2に配信するため、ナビゲーション装置2のCPU41の処理負荷を軽減することが可能となる。
また、ユーザは、休憩施設49で休憩を行った場合の該休憩施設49から更に前方の渋滞の増減傾向が所定基準以上の場合に限り、休憩施設49に進入する前に、休憩施設49で休憩後の渋滞予測情報が音声報知されるため、休憩施設49で休憩を行うべきか否かを更に適切に判断することができる。また、休憩施設49に進入後、渋滞予測情報を液晶ディスプレイ25に表示してユーザに報知するため、ユーザは表示された渋滞予測情報をより詳細に検討することができると共に、前方不注意による交通事故を防止することが可能となる。また、ユーザの疲労を低減するより適切な休憩施設の案内を行うことが可能となる。
【0084】
更に、ナビゲーション装置2のCPU41は、自車位置情報と経路情報とを情報配信センタ3に送信できない場合には、統計渋滞情報37に基づいて自車位置の前方にある休憩施設49で休憩後の所定時刻毎の渋滞予測情報を作成する(S7)。
これにより、ユーザは、自車位置情報と経路情報とを情報配信センタ3に送信できない場合においても、前方の休憩施設49で休憩後、この渋滞の増減が大きいときに限り、所定時刻毎の休憩後の渋滞状況の変化をタイミングよく知ることができるため、前方の休憩施設49で休憩を行うべきか否かを適切に判断することができる。
【0085】
尚、本発明は前記実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能であることは勿論である。例えば、以下のようにしてもよい。
【0086】
(A)ナビゲーション装置2のCPU41は、S2の処理で、ナビ側交通情報DB36から渋滞の実際の長さ、渋滞の通過に要する所要時間、渋滞の原因、渋滞解消の見込まれる時刻等から構成される現況の道路の渋滞等に関する道路渋滞情報を読み出したが、情報配信センタ3に現況の道路の渋滞等に関する道路渋滞情報を送信するように要求し、該情報配信センタ3から配信された現況の道路渋滞情報を用いるようにしてもよい。
【0087】
(B)前記実施例では、図3に示すように、CPU41は、S1の処理を約30秒間〜10分間実行毎に、S2乃至S4の処理を実行したが、S1の処理を約30秒間〜10分間実行毎に、S2乃至S4の処理のうちのいずれかのみを実行し、条件を満たした場合には、その後、S5の処理に移行するように構成してもいい。また、CPU41は、S1の処理を約30秒間〜10分間実行毎に、S2乃至S4の処理のうちの任意の処理を組み合わせて実行し、条件を満たした場合には、その後、S5の処理に移行するようにしてもよい。これにより、ユーザに対してより適切に渋滞予測情報を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0088】
【図1】本実施例に係るナビゲーションシステムを示したブロック図である。
【図2】ナビゲーションシステムのナビゲーション装置を示したブロック図である。
【図3】本実施例に係るナビゲーション装置が実行する休憩後の渋滞予測情報等を報知する休憩案内処理プログラムのフローチャートである。
【図4】図3の渋滞予測情報受信処理のサブ処理示すサブフローチャート及び情報配信センタが実行する渋滞予測情報作成処理を示すフローチャートである。
【図5】図4のステップ9で実行される渋滞予測情報の報知例を示す図である。
【図6】図4のステップ11で実行される渋滞予測情報の詳細表示の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0089】
1 ナビゲーションシステム
2 ナビゲーション装置
3 情報配信センタ
4 ネットワーク
5 道路交通情報センタ(VICS)
10 サーバ
11 CPU
12 RAM
13 ROM
14 センタ側地図情報DB
16 センタ側交通情報DB
17 センタ側通信装置
19A 現況交通情報
19B 統計交通情報
19C 渋滞予測情報
23 ナビゲーション制御部
25 液晶ディスプレイ
27 通信装置
36 ナビ側交通情報DB
37 統計渋滞情報
38 ナビ側地図情報DB
39 ナビ地図情報
41 CPU
42 RAM
43 ROM
45 タイマ
49 休憩施設
51 車両位置マーク
54、63 セリフ
55 詳細表示画像

【特許請求の範囲】
【請求項1】
渋滞情報を含む交通情報を受信する受信手段と、
前記交通情報に基づいて自車位置の前方にある休憩施設から更に前方に渋滞があるか否かを判定する渋滞判定手段と、
前記渋滞判定手段によって自車位置の前方にある休憩施設から更に前方に渋滞があると判定された場合には、前記休憩施設で休憩後の所定時刻毎の渋滞予測情報を作成する渋滞予測手段と、
前記渋滞予測手段によって作成された前記自車位置の前方にある休憩施設で休憩後の渋滞予測情報を報知するように制御する渋滞予測報知制御手段と、
を備えたことを特徴とするナビゲーションシステム。
【請求項2】
走行を開始してから所定走行時間以上又は所定走行距離以上連続して走行しているか否かを判定する走行判定手段を備え、
前記渋滞予測手段は、前記走行判定手段によって走行を開始してから所定走行時間以上又は所定走行距離以上連続して走行していると判定された場合には、前記休憩施設で休憩後の所定時刻毎の渋滞予測情報を作成することを特徴とする請求項1に記載のナビゲーションシステム。
【請求項3】
前記自車位置の前方にある休憩施設が該自車位置から所定距離以内に存在するか否かを判定する距離判定手段を備え、
前記渋滞予測手段は、前記距離判定手段によって前記自車位置の前方にある休憩施設が該自車位置から所定距離以内に存在すると判定された場合には、前記休憩施設で休憩後の所定時刻毎の渋滞予測情報を作成することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のナビゲーションシステム。
【請求項4】
前記渋滞予測情報に基づいて前記休憩施設で休憩後における前記渋滞の増減傾向が所定基準以上か否かを判定する増減傾向判定手段を備え、
前記渋滞予測報知制御手段は、前記増減傾向が所定基準以上の場合に限り、前記休憩施設で休憩後の渋滞予測情報を報知するように制御することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のナビゲーションシステム。
【請求項5】
前記渋滞予測報知制御手段は、前記増減傾向が所定基準以上の場合に限り、前記休憩施設に進入する前に該増減傾向を音声報知して、該休憩施設に進入後、前記渋滞予測情報を表示手段に表示するように制御することを特徴とする請求項4に記載のナビゲーションシステム。
【請求項6】
前記渋滞判定手段は、前記交通情報に基づいて自車位置の前方にある休憩施設から更に前方に所定以上の渋滞があるか否かを判定することを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載のナビゲーションシステム。
【請求項7】
ナビゲーション装置と、
渋滞情報を含む交通情報を受信する第1受信手段と、前記第1受信手段で受信した交通情報に基づいて道路の所定時刻毎の渋滞予測情報を作成する第1渋滞予測手段と、前記渋滞予測情報を前記ナビゲーション装置に配信する渋滞情報配信手段と、を有する情報配信センタと、
を備えたナビゲーションシステムにおいて、
前記ナビゲーション装置は、
渋滞情報を含む交通情報を受信する第2受信手段と、
前記第2受信手段で受信した交通情報に基づいて自車位置の前方にある休憩施設から更に前方に渋滞があるか否かを判定する渋滞判定手段と、
前記渋滞判定手段によって自車位置の前方にある休憩施設から更に前方に渋滞があると判定された場合には、前記自車位置を特定する自車位置情報を前記情報配信センタに送信する自車位置情報送信手段と、
前記情報配信センタから配信された前記自車位置の前方にある休憩施設で休憩後の渋滞予測情報を報知するように制御する渋滞予測報知制御手段と、
を有し、
前記情報配信センタは、
前記ナビゲーション装置から自車位置情報を受信した場合には、該自車位置情報に基づいて前記第1渋滞予測手段を介して前記休憩施設で休憩後の前記所定時刻毎の渋滞予測情報を作成後、前記渋滞情報配信手段を介して該渋滞予測情報を該ナビゲーション装置に配信するように制御する配信制御手段と、
を有することを特徴とするナビゲーションシステム。
【請求項8】
前記ナビゲーション装置は、
前記自車位置情報送信手段を介して前記自車位置情報を前記情報配信センタに送信可能か否かを判定する送信判定手段と、
過去の交通情報に含まれた渋滞情報を記憶するナビ側渋滞情報記憶手段と、
前記ナビ側渋滞情報記憶手段に記憶される渋滞情報に基づいて道路の所定時刻毎の渋滞予測情報を作成する第2渋滞予測手段と、
を備え、
前記渋滞予測報知制御手段は、前記自車位置情報が前記情報配信センタに送信できないと判定された場合には、前記第2渋滞予測手段を介して前記休憩施設で休憩後の前記所定時刻毎の渋滞予測情報を作成後、該渋滞予測情報を報知するように制御することを特徴とする請求項7に記載のナビゲーションシステム。
【請求項9】
前記ナビゲーション装置は、
前記渋滞予測情報に基づいて前記休憩施設で休憩後における前記渋滞の増減傾向が所定基準以上か否かを判定する増減傾向判定手段を備え、
前記渋滞予測報知制御手段は、前記増減傾向が所定基準以上の場合に限り、前記休憩施設で休憩後の渋滞予測情報を報知するように制御することを特徴とする請求項7又は請求項8に記載のナビゲーションシステム。
【請求項10】
前記渋滞予測報知制御手段は、前記増減傾向が所定基準以上の場合に限り、前記休憩施設に進入する前に該増減傾向を音声報知して、該休憩施設に進入後、前記渋滞予測情報を表示手段に表示するように制御することを特徴とする請求項9に記載のナビゲーションシステム。
【請求項11】
前記渋滞判定手段は、前記第2受信手段で受信した交通情報に基づいて自車位置の前方にある休憩施設から更に前方に所定以上の渋滞があるか否かを判定することを特徴とする請求項7乃至請求項10のいずれかに記載のナビゲーションシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−178124(P2007−178124A)
【公開日】平成19年7月12日(2007.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−373360(P2005−373360)
【出願日】平成17年12月26日(2005.12.26)
【出願人】(000100768)アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 (3,717)
【Fターム(参考)】