説明

ナビゲーション装置及び地図情報配信システム

【課題】地図データの更新により得られた新設道路がどの地域に向かうために有効な道路であるのかを報知することができ、地図データの更新によって得られたユーザの利便性を正確に判断できるナビゲーション装置及び地図情報配信システムを提供する。
【解決手段】CPU41は、RAM42から各新設道路情報とこの各新設道路情報に対応する各「地名」とを読み出し、各新設道路と「地名」とを対応させた「更新道路情報」の一覧表51を作成して液晶ディスプレイ25に表示する(S21)。その後、一覧表51に表示される各新設道路のうちのいずれかが操作部24を介して選択された場合には、CPU41は、選択された新設道路55を含む地図53を液晶ディスプレイ25に表示すると共に、この新設道路55によって到達することができる「地名」を案内する案内情報54を表示する(S22〜S23)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナビゲーション装置及び地図情報配信システムに関し、特に、更新地図情報に含まれる新設道路を表示装置の地図上に表示して報知するナビゲーション装置及び地図情報配信システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、車両の走行案内を行い、運転者が所望の目的地に容易に到着できるようにしたナビゲーション装置が車両に搭載されていることが多い。ここで、ナビゲーション装置とは、GPS受信機などにより車両の現在位置を検出し、その現在位置に対応する地図データをDVD−ROMやHDDなどの記録媒体、又はネットワークを通じて取得して液晶モニタに表示することが可能な装置である。そして、車両の現在位置を含む地図データを記録媒体等から読み出し、地図データに基づいて車両の現在位置の周囲における地図画像を描画して表示装置に表示するとともに、車両位置マークを地図画像に重ね合わせて表示し、車両の移動に応じて地図画像をスクロールしたり、地図画像を画面に固定し車両位置マークを移動させることによって、車両が現在どの地点を走行しているのかを一目でわかるようにしている。
【0003】
ここで、日本全国においては毎年新しい道路(新設道路)が建設されている。また、これに伴って、既存の道路がなくなったり、既存の道路の形状が変更されたりする。従って、ナビゲーション装置に記憶させる地図データはある程度の時間間隔で更新することが必要となる。ここで、地図データの更新は、新しいDVDを購入して古いDVDと交換したり、店舗でHDDに地図データを書き込んだり、地図情報配信センタ等から配信された地図データに基づいてHDDの内容を書き換えることによって行われる。
そこで、更新された地図データのどの部分が更新部分かを表示装置に表示して報知するナビゲーション装置及び地図情報配信システムが種々提案されている。
【0004】
例えば、地図データ中の更新対象を特定するための情報と、更新用地図データとが対応付けられて含まれている更新用情報を用いて地図データの更新対象部分を更新して記憶し、表示対象の地図中に更新用地図データによって更新された部分が含まれている場合には、その更新部分が非更新部分と区別して視認可能なように更新部分又は非更新部分の少なくとも何れか一方の表示状態を変えて表示するように構成したナビゲーション装置がある(例えば、特許文献1参照。)。
そして、このような構成により、その表示された地図を見たユーザーは、どの部分が更新された新設道路等であるかを直感的に理解することができる。
【特許文献1】特開2005−91225号公報(段落(0030)〜(0040)、図3)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前記した特許文献1に記載されたナビゲーション装置では、どの道路が新設道路であるかを容易に認識することはできるが、その新設道路によってユーザにどのような利便性が発生するのかを容易に確認することができないという問題がある。
【0006】
そこで、本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、地図データの更新により得られた新設道路を報知すると共に、この新設道路によって到達することができる地名も同時に報知することによって、新設道路がどの地域に向かうために有効な道路であるのかを報知することができ、地図データの更新によって得られたユーザの利便性を正確に判断できるナビゲーション装置及び地図情報配信システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するため請求項1に係るナビゲーション装置は、新設道路情報が含まれる更新地図情報を記憶する地図情報記憶手段(37)と、前記新設道路を表示装置(25)の地図上に表示して報知するように制御する報知制御手段(23)と、を備えたナビゲーション装置(2)において、前記更新地図情報から新設道路を検索する新設道路検索手段(23)と、前記新設道路検索手段によって検索された新設道路の端点を読み出して該端点を目的地として設定する目的地設定手段(23)と、前記目的地設定手段によって設定された目的地まで経路を探索する経路探索手段(23、37)と、前記経路探索手段によって探索された経路に前記新設道路が含まれるか否かを判定する判定手段(23)と、前記判定手段によって新設道路が含まれると判定された場合には、前記目的地が存在する地名を検索する地名検索手段(23、37)と、前記地名検索手段によって検索された地名と前記経路に含まれると判定された新設道路とを対応させて記憶する更新道路記憶手段(42)と、を備え、前記報知制御手段は、前記更新道路記憶手段に記憶された新設道路とこの新設道路に対応する地名とを報知することを特徴とする。
【0008】
また、請求項2に係るナビゲーション装置は、請求項1に記載のナビゲーション装置(2)において、前記報知制御手段(23)は、前記更新道路記憶手段(42)に記憶された新設道路とこの新設道路に対応する地名とを対応させた一覧表を作成して前記表示装置(25)に表示するリスト表示手段(23)と、前記一覧表から任意の新設道路又は地名を選択することが可能な選択手段(24)と、を有し、該報知制御手段は、前記選択手段によって選択された新設道路を含む地図を該表示装置に表示すると共に、この選択された新設道路に対応する地名を案内する案内情報を報知することを特徴とする。
【0009】
また、請求項3に係るナビゲーション装置は、請求項1に記載のナビゲーション装置(2)において、前記報知制御手段(23)は、前記更新道路記憶手段(42)に記憶された新設道路までの距離を算出する算出手段(23)と、前記算出手段によって算出された新設道路までの距離に基づいて該新設道路に所定順番を付する順番決定手段(23)と、を有し、該報知制御手段は、該更新道路記憶手段に記憶された新設道路を含む地図を前記所定順番に従って順次、前記表示装置(25)に表示すると共に、この表示された新設道路に対応する地名を案内する案内情報を報知することを特徴とする。
【0010】
また、請求項4に係るナビゲーション装置は、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のナビゲーション装置(2)において、自車位置を検出する自車位置検出手段(21)を備え、前記新設道路検索手段(23)は、自車位置から所定距離範囲内に存在する新設道路を検索することを特徴とする。
【0011】
また、請求項5に係るナビゲーション装置は、請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のナビゲーション装置(2)において、前記地名検索手段(23)は、前記目的地が存在する行政区画を地名とすることを特徴とする。
【0012】
また、請求項6に係る地図情報配信システムは、ナビゲーション装置(2)を有し、地図情報配信センタ(3)から配信される更新情報に基づいて前記ナビゲーション装置に記憶された地図情報を更新する地図情報配信システム(1)において、前記ナビゲーション装置(2)は、自車位置を検出する自車位置検出手段(21)と、地図情報を記憶するナビ側地図情報記憶手段(37)と、前記ナビ側地図情報記憶手段に記憶される地図情報の作成時期を特定する作成時期情報と前記自車位置検出手段によって検出された自車位置を特定する自車位置情報とを前記地図情報配信センタに送信する作成時期送信手段(27)と、前記地図情報配信センタから配信された新設道路を特定するための新設道路情報と該新設道路情報の新設道路に対応する地名を特定するための地名情報と該新設道路を含む地図情報とに基づいて該新設道路とこの新設道路に対応する地名とを報知するように制御する報知制御手段(23)と、を有し、前記地図情報配信センタ(3)は、前記作成時期送信手段によって送信された作成時期情報と自車位置情報とを記憶する作成時期記憶手段(12)と、前記作成時期情報に基づいてナビ側の地図情報を特定すると共に、最新地図情報を特定して、該ナビ側の地図情報及び最新地図情報から新設道路を検索する新設道路検索手段(10、14)と、前記新設道路検索手段によって検索された新設道路の端点を読み出して該端点を目的地として設定する目的地設定手段(10)と、前記自車位置情報に基づいて前記目的地設定手段によって設定された目的地までの経路を前記最新地図情報に基づいて探索する経路探索手段(10、14)と、前記経路探索手段によって探索された経路に前記新設道路が含まれるか否かを判定する判定手段(10)と、前記判定手段によって新設道路が含まれると判定された場合には、該新設道路が含まれる前記経路の目的地が存在する地名を検索する地名検索手段(10、14)と、前記地名検索手段によって検索された地名と前記経路に含まれると判定された新設道路とを対応させて記憶する更新道路記憶手段(12)と、前記更新道路記憶手段に記憶された新設道路を特定するための新設道路情報とこの新設道路に対応する地名を特定するための地名情報と該新設道路を含む地図情報とを前記ナビゲーション装置に対して配信する配信手段(16)と、を有することを特徴とする。
【0013】
また、請求項7に係る地図情報配信システムは、請求項6に記載の地図情報配信システム(1)において、前記報知制御手段(23)は、前記新設道路情報と地名情報とに基づいて新設道路とこの新設道路に対応する地名とを対応させた一覧表を作成して表示装置(25)に表示するリスト表示手段(23)と、前記一覧表から任意の新設道路又は地名を選択することが可能な選択手段(24)と、を有し、該報知制御手段は、前記選択手段によって選択された新設道路を含む地図を該表示装置に表示すると共に、この選択された新設道路に対応する地名を案内する案内情報を報知することを特徴とする。
【0014】
また、請求項8に係る地図情報配信システムは、請求項6に記載の地図情報配信システム(1)において、前記報知制御手段(23)は、前記新設道路情報に基づいて新設道路までの距離を算出する算出手段(23)と、前記算出手段によって算出された新設道路までの距離に基づいて該新設道路に所定順番を付する順番決定手段(23)と、を有し、該報知制御手段は、新設道路を含む地図を前記所定順番に従って順次、表示装置に表示すると共に、この表示された新設道路に対応する地名を案内する案内情報を報知することを特徴とする。
【0015】
また、請求項9に係る地図情報配信システムは、請求項6乃至請求項8のいずれかに記載の地図情報配信システム(1)において、前記新設道路検索手段(10、14)は、前記自車位置から所定距離範囲内に存在する新設道路を検索することを特徴とする。
【0016】
更に、請求項10に係る地図情報配信システムは、請求項6乃至請求項9のいずれかに記載の地図情報配信システム(1)において、前記地名検索手段(10、14)は、前記目的地が存在する行政区画を地名とすることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
前記構成を有する請求項1に係るナビゲーション装置では、更新地図情報から新設道路を検索する。そして、この検索した新設道路の端点を読み出して該端点を目的地として設定し、更新地図情報に基づいて目的地までの経路を探索する。また、この探索した経路に新設道路が含まれているか否かを判定する。そして、この探索した経路に新設道路が含まれている場合には、この新設道路が含まれる経路の目的地が存在する地名と該経路に含まれると判定された新設道路とを対応させて記憶する。続いて、この記憶した新設道路を表示装置の地図上に表示すると共に、この新設道路に対応する地名を報知する。
これにより、ユーザは、地図データの更新により得られた新設道路が地図上に表示されると共に、この新設道路によって到達することができる地名も同時に報知されることによって、新設道路がどの地域に向かうために有効な道路であるのかを容易に確認することができ、地図データの更新によって得られた利便性を正確に判断できる。
【0018】
また、請求項2に係るナビゲーション装置では、更新道路記憶手段に記憶された新設道路と新設道路によって到達することができる地名とを対応させた一覧表を作成して表示装置に表示し、この一覧表から任意に選択された新設道路を含む地図を表示装置に表示すると共に、この選択された新設道路に対応する地名を案内する案内情報を報知する。
これにより、ユーザは、一覧表に表示される新設道路から新設道路に対応する地名を参考にして、希望する新設道路を選択して該新設道路を含む地図を表示装置に表示させることができ、また、この表示された新設道路によって到達することができる地名を案内する案内情報が報知されるため、地図データの更新によって得られたユーザの利便性を更に正確に判断することができる。
【0019】
また、請求項3に係るナビゲーション装置では、更新道路記憶手段に記憶された新設道路に対して該新設道路までの距離に基づいて所定順番を付し(例えば、近い順に順番を付す。)、この所定順番に従って順次、新設道路を含む地図を表示すると共に、この表示された新設道路に対応する地名を案内する案内情報を報知する。
これにより、ユーザは、自車位置(自宅位置)からの距離順に新設道路を含む地図が順番に表示されると共に、この表示された新設道路によって到達することができる地名を案内する案内情報が報知されるため、地図データの更新によって得られたユーザの利便性を更に正確に判断することができる。
【0020】
また、請求項4に係るナビゲーション装置では、自車位置から所定距離範囲内に存在する新設道路を検索するため、ユーザが利用する可能性の高い新設道路を検索することが可能となり、ユーザは、利用する可能性の高い新設道路を容易に確認することができ、地図データの更新によって得られた利便性をより正確に判断できる。
【0021】
また、請求項5に係るナビゲーション装置では、目的地、即ち、新設道路の端点が存在する行政区画(例えば、市町村名である。)を地名とするため、ユーザは報知される地名の案内情報によって、新設道路がどの地域に向かうために有効な道路であるのかを更に容易に確認することができ、地図データの更新によって得られた利便性をより正確に判断できる。
【0022】
また、請求項6に係る地図情報配信システムでは、地図情報配信センタは、ナビゲーション装置から送信された地図情報の作成時期を特定する作成時期情報に基づいてナビ側の地図情報を特定すると共に、最新地図情報を特定して、該ナビ側の地図情報及び最新地図情報から、新設道路を検索する。そして、地図情報配信センタは、この検索した新設道路の端点を読み出して該端点を目的地として設定して、ナビゲーション装置から送信された自車位置から目的地までの経路を最新地図情報に基づいて探索する。そして、この探索した経路に新設道路が含まれている場合には、地図情報配信センタは、この新設道路が含まれる経路の目的地が存在する地名と該経路に含まれると判定された新設道路とを対応させて記憶後、この記憶した新設道路を特定するための新設道路情報とこの新設道路に対応する地名を特定するための地名情報と該新設道路を含む地図情報とをナビゲーション装置に対して配信する。一方、ナビゲーション装置は、地図情報配信センタから配信された新設道路を特定するための新設道路情報と該新設道路情報の新設道路に対応する地名を特定するための地名情報と該新設道路を含む地図情報とに基づいて該新設道路とこの新設道路に対応する地名とを報知する。
これにより、ユーザは、地図データの更新により得られる新設道路が報知されると共に、この新設道路によって到達することができる地名も同時に報知されることによって、更新により得られる新設道路がどの地域に向かうために有効な道路であるのかを容易に確認することができ、地図データの更新によって得られる利便性を正確に知ることができ、地図情報を更新するか否かを正確に判断できる。また、地図情報配信センタが新設道路の端点までの経路を探索して自車位置(例えば、自宅である。)から利用可能な新設道路を特定すると共に、この新設道路によって到達することができる地名の検索を行うため、ナビゲーション装置の処理負荷の軽減化を図ることができる。
【0023】
また、請求項7に係る地図情報配信システムでは、ナビゲーション装置は、地図情報配信センタから受信した新設道路情報と地名情報とに基づいて、新設道路と新設道路によって到達することができる地名とを対応させた一覧表を作成して表示装置に表示し、この一覧表から任意に選択された新設道路を含む地図を表示装置に表示すると共に、この選択された新設道路に対応する地名を案内する案内情報を報知する。
これにより、ユーザは、一覧表に表示される新設道路と新設道路によって到達することができる地名を参考にして、希望する新設道路を選択して該新設道路を含む地図を表示装置に表示させることができ、また、この表示された新設道路によって到達することができる地名を案内する案内情報が報知されるため、地図データの更新によって得られるユーザの利便性を更に正確に知ることができ、地図情報を更新するか否かを正確に判断することができる。
【0024】
また、請求項8に係る地図情報配信システムでは、ナビゲーション装置は、地図情報配信センタから受信した新設道路情報に含まれる新設道路に対して、該新設道路までの距離に基づいて所定順番を付し(例えば、近い順に順番を付す。)、この所定順番に従って順次、新設道路を含む地図を表示すると共に、地図情報配信センタから受信した地名情報に基づいて、この表示された新設道路に対応する地名を案内する案内情報を報知する。
これにより、ユーザは、自車位置(自宅位置)からの距離順に新設道路を含む地図が順番に表示されると共に、この表示された新設道路によって到達することができる地名を案内する案内情報が報知されるため、地図データの更新によって得られるユーザの利便性を更に正確に知ることができ、地図情報を更新するか否かを正確に判断することができる。
【0025】
また、請求項9に係る地図情報配信システムでは、地図情報配信センタは、自車位置から所定距離範囲内に存在する新設道路を検索するため、ユーザが利用する可能性の高い新設道路を検索することが可能となり、ユーザは、更新地図情報の新設道路のうちで利用する可能性の高い新設道路を容易に確認することができ、地図データの更新によって得られる利便性をより正確に判断できる。
【0026】
更に、請求項10に係る地図情報配信システムでは、目的地、即ち、新設道路の端点が存在する行政区画(例えば、市町村名である。)を地名とするため、ユーザはナビゲーション装置によって報知される地名の案内情報によって、新設道路がどの地域に向かうために有効な道路であるのかを更に容易に確認することができ、地図データの更新によって得られる利便性をより正確に判断できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、本発明に係るナビゲーション装置及び地図情報配信システムについて具体化した実施例1及び実施例2に基づき図面を参照しつつ詳細に説明する。
【実施例1】
【0028】
先ず、実施例1に係る地図情報配信システム1の概略構成について図1を用いて説明する。図1は実施例1に係る地図情報配信システム1を示したブロック図である。
【0029】
図1に示すように実施例1に係る地図情報配信システム1は、ナビゲーション装置2と、ナビゲーション装置2に対して地図情報を更新する為の更新情報を配信する地図情報配信センタ3と、ネットワーク4から基本的に構成されている。そして、ナビゲーション装置2と地図情報配信センタ3は、ネットワーク4を介して各種の情報の送受信が可能となるように構成されている。尚、ナビゲーション装置2の構成に関しては後に図2を用いて詳細に説明する。
【0030】
地図情報配信センタ3は、図1に示すようにサーバ10と、サーバ10に接続された情報記録部としてのセンタ側地図情報DB14と、ナビ更新履歴情報DB15と、センタ側通信装置16とを備える。また、サーバ10は、サーバ10の全体の制御を行う演算装置及び制御装置としてのCPU11、並びにCPU11が各種の演算処理を行うに当たってワーキングメモリとして使用されるRAM12、ナビゲーション装置2からの要求に基づいてナビゲーション装置2に記憶された地図情報の内、所定エリアの地図情報を新たなバージョンの地図情報に更新する為の更新情報をセンタ側地図情報DB14から抽出し、ナビゲーション装置2に対して配信する地図情報更新処理等を行うための各種の制御プログラムが記録されたROM13等の内部記憶装置を備えている。尚、CPU11に代えてMPU等を使用することができる。
【0031】
また、センタ側地図情報DB14には、地図情報配信センタ3で作成され、ナビゲーション装置2に記憶された地図情報を更新する際の基本となる地図情報である更新用地図情報17がバージョン毎に区分されて記憶されている。更に、現在のナビゲーション装置2に記憶される地図情報の一部又は全部を更新用地図情報17に更新する為の更新情報についても記憶されている。ここで、バージョンとは地図情報が作成された時期を特定する為の作成時期情報であり、バージョンを参照することによって地図情報が作成された時期を特定することが可能となっている。
【0032】
また、センタ側地図情報DB14に記憶された更新用地図情報17には、ナビゲーション装置2で経路案内及び地図表示を行うのに必要な各種情報が記録されており、例えば、地図を表示するための地図表示データ、各交差点に関する交差点データ、ノード点に関するノードデータ、施設の一種である道路(リンク)に関するリンクデータ、経路を探索するための探索データ、施設の一種である店舗等のPOI(Point of Interest)に関する店舗データ、地点を検索するための検索データ等から構成されている。
【0033】
ここで、特に地図表示データとしては、10km×10kmで区画された2次メッシュをベースに4分割(長さ1/2)、16分割(1/4)、64分割(1/8)されたユニットで構成されており、各ユニットのデータ量が略同レベルになるように、各地のユニットが設定されている。最も小さい64分割サイズのユニットは、約1.25km四方の大きさである。
【0034】
また、ノードデータとしては、実際の道路の分岐点(交差点、T字路等も含む)、各道路に曲率半径等に応じて所定の距離ごとに設定されたノード点の座標(位置)、ノードが交差点に対応するノードであるか等を表すノード属性、ノードに接続するリンクのリンク番号のリストである接続リンク番号リスト、ノードにリンクを介して隣接するノードのノード番号のリストである隣接ノード番号リスト、各ノード点の高さ(高度)等に関するデータ等が記録される。
【0035】
また、リンクデータとしては、道路を構成する各リンクに関してリンクの属する道路の幅員、勾(こう)配、カント、バンク、路面の状態、道路の車線数、車線数の減少する箇所、幅員の狭くなる箇所、踏切り等を表すデータが、コーナに関して、曲率半径、交差点、T字路、コーナの入口及び出口等を表すデータが、道路属性に関して、降坂路、登坂路等を表すデータが、道路種別に関して、国道、県道、細街路等の一般道のほか、高速自動車国道、都市高速道路、一般有料道路、有料橋等の有料道路を表すデータがそれぞれ記録される。更に、有料道路に関して、有料道路の入口及び出口の取付道(ランプウェイ)、料金所(インターチェンジ)等に関するデータが記録される。
【0036】
また、探索データとしては、設定された目的地までの経路を探索及び表示する際に使用されるデータについて記録されており、ノードを通過する際のコスト(以下、ノードコストという)や道路を構成するリンクのコスト(以下、リンクコストという)からなる探索コストを算出する為に使用するコストデータ、経路探索により選択された経路を液晶ディスプレイ25の地図上に表示するための経路表示データ等から構成されている。
【0037】
また、店舗データとしては、各地域のホテル、病院、ガソリンスタンド、駐車場、観光施設等のPOIに関するデータがPOIを特定するIDとともに記録される。なお、前記センタ側地図情報DB14には、所定の情報をナビゲーション装置2のスピーカ26によって出力するための音声出力データも記録される。
【0038】
そして、地図情報配信センタ3は、ナビゲーション装置2からの要求があったタイミングで、センタ側地図情報DB14に格納された更新用地図情報17の内、最もバージョンの新しい更新用地図情報17によってナビゲーション装置2に記憶された地図情報の更新を行う。具体的には、実施例1に係る地図情報配信システム1では、ナビゲーション装置2から更新用地図情報17の配信要求があった場合には、最もバージョンの新しい更新用地図情報17に更新する為の更新情報をナビゲーション装置2に対して配信することにより更新が行われる。ここで、ナビゲーション装置2に対して送信される更新情報としては、最もバージョンの新しい更新用地図情報17の新設道路を特定するための新設道路情報を含む全情報を送信することとしても良いし、現在のナビゲーション装置に記憶される地図情報から最もバージョンの新しい更新用地図情報17に更新する為の必要最小限の情報(新設道路を特定するための新設道路情報を含む更新部分の情報のみ)を送信することとしても良い。
【0039】
一方、ナビ更新履歴情報DB15には、ナビゲーション装置2に記憶されている地図情報について現在までに更新を行った更新履歴に関する情報が、ナビゲーション装置2を特定するナビ識別IDとともに記憶される。更新履歴としては、具体的に地図情報を構成するリンクデータやノードデータ毎にどのバージョンの地図情報が用いられているかが記憶されており、ナビゲーション装置2の地図情報の更新を行う毎に新たな更新履歴に書き換えられる。
【0040】
尚、地図情報配信センタ3は、個人、企業、団体、地方自治体、政府関係機関等のいずれが運営していてもよく、VICS(登録商標:Vehicle Information and Communication System)センタが運営していてもよい。
【0041】
また、ネットワーク4としては、例えばLAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、イントラネット、携帯電話回線網、電話回線網、公衆通信回線網、専用通信回線網、インターネット等の通信回線網等の通信系を使用することができる。そして、放送衛星によるCS放送、BS放送、地上波ディジタルテレビ放送、FM多重放送等を利用する通信系を使用することもできる。更に、高度道路交通システム(ITS)において利用されるノンストップ自動料金支払いシステム(ETC)、狭域通信システム(DSRC)等の通信系を使用することもできる。
【0042】
次に、実施例1に係る地図情報配信システム1を構成するナビゲーション装置2の概略構成について図2を用いて説明する。図2は実施例1に係るナビゲーション装置2を示したブロック図である。
【0043】
図2に示すように実施例1に係るナビゲーション装置2は、自車の現在位置を検出する現在地検出処理部21と、各種のデータが記録されたデータ記録部22と、入力された情報に基づいて、各種の演算処理を行うナビゲーション制御部23と、操作者からの操作を受け付ける操作部24と、操作者に対して地図等の情報を表示する液晶ディスプレイ25と、経路案内や後述の登録地点に関する音声ガイダンスを出力するスピーカ26と、交通情報センタや地図情報配信センタ3等の情報センタとの間で通信を行う通信装置27と、から構成されている。また、ナビゲーション制御部23には自車の走行速度を検出する車速センサ28が接続される。
【0044】
以下に、ナビゲーション装置2を構成する各構成要素について説明すると、現在地検出処理部21は、GPS31、地磁気センサ32、距離センサ33、ステアリングセンサ34、方位検出部としてのジャイロセンサ35、高度計(図示せず)等からなり、現在の自車の位置、方位、目標物(例えば、交差点)までの距離等を検出することが可能となっている。
【0045】
具体的には、GPS31は、人工衛星によって発生させられた電波を受信することにより、地球上における自車の現在地及び現在時刻を検出し、地磁気センサ32は、地磁気を測定することによって自車方位を検出し、距離センサ33は、道路上の所定の位置間の距離等を検出する。ここで、距離センサ33としては、例えば、自車の車輪(図示せず)の回転速度を測定し、測定した回転速度に基づいて距離を検出するセンサ、加速度を測定し、測定した加速度を2回積分して距離を検出するセンサ等を使用することができる。
【0046】
また、ステアリングセンサ34は自車の舵(だ)角を検出する。ここで、ステアリングセンサ34としては、例えば、ステアリングホイール(図示せず)の回転部に取り付けられた光学的な回転センサ、回転抵抗センサ、車輪に取り付けられた角度センサ等が使用される。
【0047】
そして、ジャイロセンサ35は自車の旋回角を検出する。ここで、ジャイロセンサ35としては、例えば、ガスレートジャイロ、振動ジャイロ等が使用される。また、ジャイロセンサ35によって検出された旋回角を積分することにより、自車方位を検出することができる。
【0048】
また、データ記録部22は、外部記憶装置及び記憶媒体としてのハードディスク(図示せず)と、ハードディスクに記憶されたナビ側地図情報DB37、及び所定のプログラム等を読み出すとともにハードディスクに所定のデータを書き込む為のドライバである記録ヘッド(図示せず)とを備えている。尚、実施例1においては、データ記録部22の外部記憶装置及び記憶媒体としてハードディスクが使用されるが、ハードディスクのほかに、フレキシブルディスク等の磁気ディスクを外部記憶装置として使用することができる。また、メモリーカード、磁気テープ、磁気ドラム、CD、MD、DVD、光ディスク、MO、ICカード、光カード等を外部記憶装置として使用することもできる。
【0049】
ここで、ナビ側地図情報DB37にはナビゲーション装置2の走行案内や経路探索に使用されるとともに地図情報配信センタ3による更新対象となるナビ地図情報38が格納されている。ここで、ナビ地図情報38には、更新用地図情報17と同様に経路案内及び地図表示に必要な各種情報から構成されており、例えば、各新設道路を特定するための新設道路情報、地図を表示するための地図表示データ、各交差点に関する交差点データ、ノード点に関するノードデータ、施設の一種である道路(リンク)に関するリンクデータ、経路を探索するための探索データ、施設の一種である店舗等のPOIに関する店舗データ、地点を検索するための検索データ等から構成されている。尚、各データの詳細については既に説明したので、ここではその詳細は省略する。
そして、ナビ側地図情報DB37の内容は、地図情報配信センタ3から通信装置27を介して配信された更新情報をダウンロードすることによって更新される。
【0050】
また、図2に示すように、ナビゲーション装置2を構成するナビゲーション制御部23は、ナビゲーション装置2の全体の制御を行う演算装置及び制御装置としてのCPU41、並びにCPU41が各種の演算処理を行うに当たってワーキングメモリとして使用されるとともに、経路が探索されたときの経路データ等が記憶されるRAM42、制御用のプログラムのほか、後述の更新内容案内ボタンが押下された場合やナビ側地図情報DB37が更新された後、最初にエンジンを始動した場合に実行する更新内容案内処理プログラム(図3参照)が記憶されたROM43、ROM43から読み出したプログラムを記憶するフラッシュメモリ44等の内部記憶装置を備えている。尚、前記RAM42、ROM43、フラッシュメモリ44等としては半導体メモリ、磁気コア等が使用される。そして、演算装置及び制御装置としては、CPU41に代えてMPU等を使用することも可能である。
【0051】
また、実施例1においては、前記ROM43に各種のプログラムが記憶され、前記データ記録部22に各種のデータが記憶されるようになっているが、プログラム、データ等を同じ外部記憶装置、メモリーカード等からプログラム、データ等を読み出して前記フラッシュメモリ44に書き込むこともできる。更に、メモリーカード等を交換することによって前記プログラム、データ等を更新することができる。
【0052】
更に、前記ナビゲーション制御部23には、操作部24、液晶ディスプレイ25、スピーカ26、通信装置27の各周辺装置(アクチュエータ)が電気的に接続されている。
【0053】
操作部24は、走行開始時の現在地を修正し、案内開始地点としての出発地及び案内終了地点としての目的地を入力する際や施設に関する情報の検索を行う際、更に後述のようにナビ側地図情報DB37の更新内容を確認する場合等に操作され、各種のキー、ナビ側地図情報DB37の更新内容の案内を指示する更新内容案内ボタン等の複数の操作スイッチ(図示せず)から構成される。そして、ナビゲーション制御部23は、各スイッチの押下等により出力されるスイッチ信号に基づき、対応する各種の動作を実行すべく制御を行う。尚、操作部24としては、キーボード、マウス、バーコードリーダ、遠隔操作用のリモートコントロール装置、ジョイスティック、ライトペン、スタイラスペン等を使用することもできる。更に、液晶ディスプレイ25の前面に設けたタッチパネルによって構成することもできる。
【0054】
また、液晶ディスプレイ25には、後述のように新設道路とこの新設道路によって到達することができる地名との一覧表から何れの新設道路を含む地図の表示をさせるか否かを選択する更新道路情報の選択画面の他、操作案内、操作メニュー、キーの案内、現在地から目的地までの誘導経路、誘導経路に沿った案内情報、交通情報、ニュース、天気予報、時刻、メール、テレビ番組等が表示される。尚、液晶ディスプレイ25の代わりに、CRTディスプレイ、プラズマディスプレイ等を使用したり、車両のフロントガラスにホログラムを投影するホログラム装置等を使用することも可能である。
【0055】
また、スピーカ26は、ナビゲーション制御部23からの指示に基づいて、選択された新設道路によって到達することができる市町村名や地方名等の地名や、誘導経路に沿った走行を案内する音声ガイダンスを出力する。ここで、案内される音声ガイダンスとしては、例えば、「美濃方面への新しい道路が更新されました。」、「200m先、○○交差点を右方向です。」や「この先の国道○○号線が渋滞しています。」等がある。なお、スピーカ26より出力される音声としては、合成された音声のほかに、各種効果音、予めテープやメモリ等に録音された各種の案内情報を出力することもできる。
【0056】
そして、通信装置27は、地図情報配信センタ3と通信を行う通信手段であり、地図情報配信センタ3との間で最もバージョンの新しい更新地図情報等の送受信を行う。また、地図情報配信センタ3に加えて、例えば、VICSセンタ等から送信された渋滞情報、規制情報、駐車場情報、交通事故情報、サービスエリアの混雑状況等の各情報から成る交通情報を受信することも可能である。
【0057】
続いて、前記構成を有する地図情報配信システム1において、ナビゲーション装置2のナビ側地図情報DB37のナビ地図情報38が更新された場合に、このナビゲーション装置2のCPU41が、ナビ地図情報38の更新後に実行する更新内容案内処理プログラムについて図3乃至図6に基づき説明する。図3は実施例1に係るナビゲーション装置2のナビ側地図情報DB37に格納された更新地図データの新設道路等を報知する更新内容案内処理プログラムのフローチャートである。図4は報知処理1のサブ処理を示すサブフローチャートである。尚、以下の図3及び図4にフローチャートで示されるプログラムは、ナビゲーション装置2が備えているRAM42やROM43に記憶されており、CPU41により実行される。
【0058】
図3に示すように、先ず、更新内容案内処理プログラムのステップ(以下、Sと略記する)1において、CPU41は、操作部24の更新内容案内ボタンが押下されたか否かを判定する判定処理を実行する。そして、更新内容案内ボタンが押下された場合には(S1:YES)、CPU41は、S3の処理に移行する。
一方、更新内容案内ボタンが押下されていない場合には(S1:NO)、CPU41は、S2の処理に移行する。S2において、CPU41は、ナビ側地図情報DB37のナビ地図情報38が更新された後、最初にイグニションスイッチがOFFからONにされたか否か、即ち自車のエンジンが始動したか否かを車両ECU(図示せず)から送信される検出信号に基づいて判定する。
【0059】
そして、ナビ側地図情報DB37が更新された後、イグニションスイッチがONにされていない、即ち停止していると判定した場合には(S2:NO)、当該処理を終了する。
他方、ナビ側地図情報DB37が更新された後、最初にイグニションスイッチがONにされたと判定した場合には(S2:YES)、CPU41は、S3の処理に移行する。
【0060】
続いて、S3において、CPU41は、更新前の旧地図データと更新後の更新地図データの各ノードデータ及びリンクデータを比較し、更新地図データによって追加された各ノードデータ及びリンクデータを抽出して各新設道路を特定して新設道路情報としてナビ側地図情報DB37に記憶後、S4の処理に移行する。
尚、ナビ側地図情報DB37の更新時に新設道路を特定する新設道路情報を取得している場合には、S3の処理を実行せず、S4の処理に移行する。
【0061】
その後、S4において、CPU41は、現在地検出処理部21の検出結果に基づいて自車の現在位置(以下、「自車位置」という。)を検出する。そして、CPU41は、ナビ側地図情報DB37の新設道路情報から各新設道路の両端のノード点(端点)の位置を読み出し、自車位置から遠い方のノード点までの距離が所定距離以内(例えば、自車位置から約200km以内である。)の範囲に存在する新設道路を特定してRAM42に経路探索用新設道路として順番に記憶する。
尚、ナビ側地図情報DB37の新設道路情報から各新設道路を構成するノード点のうちの自車位置から一番近いノード点の位置を読み出し、このノード点までの距離が所定距離以内(例えば、自車位置から約100km以内である。)の範囲内に存在する新設道路を特定してRAM42に経路探索用新設道路として順番に記憶してもよい。また、ナビ側地図情報DB37の新設道路情報から各新設道路を読み出し、自車位置(例えば、自宅である。)が存在する都道府県内や、自車位置が存在する地方(例えば、中部地方などである。)にある各新設道路をRAM42に経路探索用新設道路として順番に記憶してもよい。
【0062】
続いて、S5において、CPU41は、各経路探索用新設道路の各端点をナビ側地図情報DB37の新設道路情報から読み出し、この各端点を探索経路の目的地として設定する。
そして、S6において、CPU41は、現在地検出処理部21の検出結果に基づいて自車の現在位置(例えば、自宅である。)を検出し、各目的地への経路探索をナビ側地図情報DB37に記憶されたノードデータ等の各種情報に基づいて行う。
尚、目的地が設定された場合における一般のナビゲーション機能に係る経路の探索処理及び案内処理については既に公知であるので、ここではその詳細は省略する。
【0063】
また、S7において、CPU41は、この目的地まで探索した経路にRAM42に記憶した各経路探索用新設道路である新設道路が含まれているか否かを判定する判定処理を実行する。
そして、この目的地まで探索した経路にRAM42に記憶した各経路探索用新設道路である新設道路が含まれている場合には(S7:YES)、CPU41は、S8の処理に移行する。
【0064】
S8において、CPU41は、この経路に含まれている新設道路の目的地として設定された該新設道路の端点が存在する市町村名をナビ地図情報38に基づいて検索して、この新設道路によって到達することができる「地名」としてRAM42に記憶する。例えば、新設高速自動車国道の目的地として設定された端点であるインターチェンジが岡崎インターチェンジの場合には、「岡崎市」が新設道路によって到達することができる「地名」としてRAM42に記憶される。
尚、CPU41は、新設道路の目的地として設定された端点が自車位置と同じ市内や町内に存在する場合には、一段階小さい行政区画である町名や村名を新設道路によって到達することができる「地名」としてRAM42に記憶する。また、新設道路の目的地として設定された端点が存在する市町村名の代わりに、新設道路の目的地として設定された端点に一番近い行政施設名(県庁、市町村役所、区役所等である。)を検索して、新設道路によって到達することができる「地名」としてRAM42に記憶してもよい。また、新設道路の目的地として設定された端点が、自車位置が存在する都道府県を越える場合には、この目的地として設定された端点が存在する地方名(例えば、「美濃地方」等である。)を検索して、新設道路によって到達することができる「地名」としてRAM42に記憶してもよい。
【0065】
その後、S9において、CPU41は、RAM42から各「地名」を読み出し、この各「地名」に目的地として設定された端点が存在する各新設道路と該各「地名」とを対応させてRAM42に記憶後、S10の処理に移行する。
一方、S7で目的地まで探索した経路にRAM42に記憶した各経路探索用新設道路である新設道路が含まれていない場合には(S7:NO)、CPU41は、S10の処理に移行する。
【0066】
次に、S10において、CPU41は、RAM42に記憶した各経路探索用新設道路の全てについてS5〜S9の処理を実行したか否か、即ち、次の順番の経路探索用新設道路がRAM42に記憶されているか否かを判定する判定処理を実行する。
そして、RAM42に記憶した各経路探索用新設道路の全てについてS5〜S9の処理を実行していない場合には(S10:NO)、CPU41は、次の順番の経路探索用新設道路をRAM42から読み出し、再度S5の処理に移行して、この読み出した経路探索用新設道路の各端点をナビ側地図情報DB37の新設道路情報から読み出し、この各端点を探索経路の目的地として設定し、S6以降の処理を実行する。
一方、RAM42に記憶した各経路探索用新設道路の全てについてS5〜S9の処理を実行した場合には(S10:YES)、S11において、CPU41は、後述の「報知処理1」のサブ処理(図4参照)を実行後、当該処理を終了する。
【0067】
次に、上記S11の「報知処理1」のサブ処理について図4乃至図6に基づいて説明する。
図4に示すように、S21において、CPU41は、上記S9でRAM42に記憶した各新設道路情報とこの各新設道路情報に対応する各「地名」とを読み出し、一覧表を作成して液晶ディスプレイ25にナビ側地図情報DB37に格納された更新地図データの更新道路情報として表示する。
例えば、図5に示すように、CPU41は、液晶ディスプレイ25の表示画面の上端縁部に「更新道路情報」と表示し、その下側に、一覧表51を表示する。例えば、一覧表51の1番目に新設道路として「名古屋瀬戸道路」と、この新設道路の端点(目的地)が存在する「地名」、即ち、この新設道路によって到達することができる「地名」として「長久手」が表示される。また、一覧表51の2番目に新設道路として「東海環状自動車道」と、この新設道路の端点(目的地)が存在する「地名」、即ち、この新設道路によって到達することができる「地名」として「美濃」が表示される。
【0068】
そして、S22において、CPU41は、所定時間(例えば、約30秒〜1分間である。)内に一覧表51に表示される各更新道路情報のうちいずれかが操作部24を介して選択されたか否かを判定する判定処理を実行する。
そして、一覧表51に表示される各更新道路情報のうちのいずれもが選択されない場合には(S22:NO)、CPU41は、一覧表51を消して自車の位置する地図を表示後、当該サブ処理を終了してメインフローチャートに戻る。
【0069】
一方、液晶ディスプレイ25の前面に設けたタッチパネルやカーソルキー等の操作部24を介して一覧表51に表示される各更新道路情報のうちのいずれかが選択された場合には(S22:YES)、CPU41は、S23の処理に移行する。
S23において、CPU41は、この選択された更新道路情報の新設道路を含む地図53(図6参照)を液晶ディスプレイ25に表示すると共に、液晶ディスプレイ25の表示画面の上端縁部に、この新設道路によって到達することができる「地名」を案内する案内情報54(図6参照)を表示する。また、CPU41は、この新設道路を他の道路と区別して視認可能なように表示状態を変えて地図53上に表示する。
【0070】
例えば、図5及び図6に示すように、操作部24を介して「東海環状自動車道 美濃」が選択された場合には(S22:YES)、CPU41は、この「東海環状自動車道」を含む地図53を液晶ディスプレイ25に表示する。また、CPU41は、この地図53上に「東海環状自動車道」である新設道路55を太い線で色を変えて表示する。また、CPU41は、表示画面の上端縁部に、新設道路55によって到達することができる「地名」を案内する「美濃方面への新しい道路が更新されました。」との案内情報54を表示する。
尚、この案内情報54をスピーカ26を介してユーザに音声で案内してもよい。
【0071】
以上詳細に説明した通り、実施例1に係るナビゲーション装置2では、ナビ側地図情報DB37が更新された後、操作部24の更新内容案内ボタンが押下された場合、又は最初に自車のエンジンが始動された時に、CPU41は、自車位置から新設道路の遠い方のノード点(端点)までの距離が所定距離以内(例えば、自車位置から約200km以内である。)の範囲に存在する新設道路を特定して、この特定した各新設道路の各端点を目的地として経路を探索する(S1〜S6)。そして、各目的地まで探索した経路にこの特定した新設道路が含まれている場合には、CPU41は、この新設道路の端点が存在する「地名」を検索して、この新設道路と「地名」とを対応させてRAM42に記憶する(S7〜S10)。続いて、CPU41は、この各新設道路と「地名」とを対応させた「更新道路情報」の一覧表51を作成して液晶ディスプレイ25に表示する(S21)。その後、一覧表51に表示される各新設道路のうちのいずれかを操作部24を介して選択することによって、選択された新設道路55を含む地図53が液晶ディスプレイ25に表示されると共に、この新設道路55によって到達することができる「地名」を案内する案内情報54が表示される(S22〜S23)。
これにより、ユーザは、液晶ディスプレイ25に表示される更新道路情報の一覧表51からナビ地図情報38の更新によって追加された各新設道路によって自車位置から所定距離以内の到達することができる「地名」を参考にして、希望する新設道路を選択して該新設道路55を含む地図53を液晶ディスプレイ25に表示させることができ、また、この表示された新設道路55によって自車位置から所定距離以内の到達することができる「地名」を案内する案内情報54が報知されるため、ナビ地図情報38の更新によって得られたユーザの利便性を更に正確に判断することができる。
【実施例2】
【0072】
次に、実施例2に係る地図情報配信システムにおいて、ナビゲーション装置2のナビ側地図情報DB37のナビ地図情報38を更新する前に、ナビゲーション装置2のCPU41及び地図情報配信センタ3のCPU11が、このナビ地図情報38の更新によって追加される新設道路等に関する情報をユーザに予め報知するために実行する更新内容案内処理プログラムについて図7に基づいて説明する。尚、以下の説明において上記図1乃至図6の実施例1に係る地図情報配信システム1の構成と同一符号は、前記実施例1に係る地図情報配信システム1の構成と同一あるいは相当部分を示すものである。
【0073】
この実施例2に係る地図情報配信システムの概略構成は、実施例1に係る地図情報配信システム1とほぼ同じ構成である。また、各種制御処理も実施例1に係る地図情報配信システム1とほぼ同じ制御処理である。
ただし、実施例1に係る地図情報配信システム1は、ナビゲーション装置2が、自車位置から所定距離以内の範囲に存在する各新設道路の各端点を目的地として経路を探索して新設道路を特定し、この特定した新設道路の終端側の端点が存在する「地名」を検索したのに対し、実施例2に係る地図情報配信システムでは、地図情報配信センタ3が、ナビゲーション装置2の自車位置とナビ側地図情報38のバージョンから更新用地図情報17の最新地図情報を特定し、この最新地図情報に基づいて自車位置から所定距離以内の範囲に存在する各新設道路の各端点を目的地として経路を探索して新設道路を特定し、この特定した新設道路の終端側の端点が存在する「地名」を検索し、新設道路を含む地図情報と「地名」等をナビゲーション装置2に配信する点で前記実施例1に係る地図情報配信システム1と異なっている。
【0074】
先ず、図7に基づいてナビゲーション装置2のCPU41が実行する更新内容案内処理プログラムについて説明する。
図7に示すように、S101において、CPU41は、操作部24の更新内容案内ボタンが押下されたか否かを判定する判定処理を実行する。
そして、更新内容案内ボタンが押下されない場合には(S101:NO)、CPU41は、当該処理を終了する。
一方、更新内容案内ボタンが押下された場合には(S101:YES)、CPU41は、S102の処理に移行する。そして、S102において、CPU41は、現在地検出処理部21の検出結果に基づいて自車の現在位置(例えば、自宅である。)を検出し、地図情報配信センタ3に対して自車の現在位置を送信する。また同時に、CPU41は、ナビ側地図情報DB37に記憶される現在のナビ地図情報38のバージョンを表すバージョン情報を地図情報配信センタ3に対して送信する。
【0075】
その後、S103において、CPU41は、地図情報配信センタ3から各新設道路と各新設道路によって到達することができる「地名」とを対応させた新設道路のリストデータを受信し、RAM42に記憶する。また、CPU41は、地図情報配信センタ3からこの各新設道路を含む地図を受信しRAM42に記憶する。また同時に、各新設道路によって到達することができる「地名」を案内する案内情報を受信し、各新設道路に対応させてRAM42に記憶する。
続いて、S104において、CPU41は、上記S11の「報知処理1」のサブ処理を実行後、当該処理を終了する。
具体的には、CPU41は、RAM42に記憶する新設道路のリストデータに基づいて一覧表51を作成して液晶ディスプレイ25に表示する(S21)。そして、操作部24を介して一覧表51に表示される各更新道路情報のうちのいずれかが選択された場合には(S22:YES)、この選択された更新道路情報の新設道路を含む地図53をRAM42から読み出して 液晶ディスプレイ25に表示すると共に、この新設道路によって到達することができる「地名」を案内する案内情報54をRAM42から読み出して、液晶ディスプレイ25の表示画面の上端縁部に表示する(S23)。また、CPU41は、この新設道路を他の道路と区別して視認可能なように表示状態を変えて地図53上に表示する。尚、この案内情報54をスピーカ26を介してユーザに音声で案内してもよい。
【0076】
尚、CPU41は、上記S101において、更新内容案内ボタンが押下された場合に(S101:YES)、S102以降の処理を実行したが、ナビ地図情報38の更新を指示する操作部24の更新ボタンが押下された場合に、S102以降の処理を実行するようにしてもよい。
【0077】
次に、図7に基づいて地図情報配信センタ3のCPU11が実行する更新内容案内処理プログラムについて説明する。
先ず、S111において、CPU11は、上記S102でナビゲーション装置2から送信された現在位置データ、ナビ地図情報38のバージョン情報の各情報をRAM12に記憶する。そして、CPU11は、このバージョン情報に対応するバージョンの地図情報と最新地図情報とを比較し、最新地図情報によって追加される各ノードデータ及びリンクデータを抽出して各新設道路を特定し、新設道路情報としてセンタ側地図情報DB14に記憶後、S112の処理に移行する。
尚、センタ側地図情報DB14に記憶される更新用地図情報17に更新する為の更新情報に、このバージョン情報に対応するバージョンの地図情報から最新地図情報に更新するための新設道路を特定する新設道路情報が含まれている場合には、S111の処理において、CPU11は、ナビゲーション装置2から送信された現在位置データ、ナビ地図情報38のバージョン情報の各情報をRAM12に記憶後、S112の処理に移行する。
【0078】
そして、S112において、CPU11は、センタ側地図情報DB14に記憶される新設道路情報から各新設道路の両端のノード点の位置を読み出し、自車位置から遠い方のノード点までの距離が所定距離以内(例えば、自車位置から約200km以内である。)の範囲に存在する新設道路を特定してRAM12に経路探索用新設道路として順番に記憶する。
尚、センタ側地図情報DB14の新設道路情報から各新設道路の自車位置から一番近いノード点の位置を読み出し、このノード点までの距離が所定距離以内(例えば、自車位置から約100km以内である。)の範囲内に存在する新設道路を特定してRAM12に経路探索用新設道路として順番に記憶してもよい。また、センタ側地図情報DB14の新設道路情報から各新設道路を読み出し、自車位置(例えば、自宅である。)が存在する都道府県内や、自車位置が存在する地方(例えば、中部地方などである。)にある各新設道路をRAM12に経路探索用新設道路として順番に記憶してもよい。
【0079】
続いて、S113において、CPU11は、各経路探索用新設道路の両端の各端点をセンタ側地図情報DB14の新設道路情報から読み出し、この各端点を探索経路の目的地として設定する。
そして、S114において、CPU11は、RAM12に記憶する自車位置から各目的地への経路探索を更新用地図情報17に記憶される最新地図情報に記憶されたノードデータ等の各種情報に基づいて行う。
尚、目的地が設定された場合における一般のナビゲーション機能に係る経路の検索処理及び案内処理については既に公知であるので(例えば、特開平10−281785号公報参照)、ここではその詳細は省略する。
【0080】
また、S115において、CPU11は、この目的地まで探索した経路にRAM12に記憶した各経路探索用新設道路である新設道路が含まれているか否かを判定する判定処理を実行する。
そして、この目的地まで探索した経路にRAM12に記憶した各経路探索用新設道路である新設道路が含まれている場合には(S115:YES)、CPU11は、S116の処理に移行する。
【0081】
S116において、CPU11は、この経路に含まれている新設道路の終端側の目的地(端点)が存在する市町村名をセンタ側地図情報DB14に記憶される最新地図情報に基づいて検索して、この新設道路によって到達することができる「地名」としてRAM12に記憶する。例えば、新設高速自動車国道の終端側の端点であるインターチェンジが岡崎インターチェンジの場合には、岡崎市が新設道路によって到達することができる「地名」としてRAM42に記憶される。
尚、CPU11は、新設道路の終端側の端点が自車位置と同じ市内や町内に位置する場合には、一段階小さい行政区画である町名や村名を新設道路によって到達することができる「地名」としてRAM12に記憶する。また、新設道路の終端側の端点が存在する市町村名の代わりに、新設道路の終端側の端点に一番近い行政施設名(県庁、市町村役所、区役所等である。)を検索して、新設道路によって到達することができる「地名」としてRAM12に記憶してもよい。また、新設道路の終端側の端点が、自車位置が存在する都道府県を越える場合には、この終端側の端点が存在する地方名(例えば、美濃地方等である。)を検索して、新設道路によって到達することができる「地名」としてRAM12に記憶してもよい。
【0082】
その後、S117において、CPU11は、RAM12から各「地名」を読み出し、この各「地名」に終端側の端点が含まれる各新設道路と該各「地名」とを対応させてRAM12に記憶後、S118の処理に移行する。
一方、S115で目的地まで探索した経路にRAM12に記憶した各経路探索用新設道路である新設道路が含まれていない場合には(S115:NO)、CPU11は、S1118の処理に移行する。
【0083】
次に、S118において、CPU11は、RAM12に記憶した各経路探索用新設道路の全てについてS113〜S117の処理を実行したか否か、即ち、次の順番の経路探索用新設道路がRAM12に記憶されているか否かを判定する判定処理を実行する。
そして、RAM12に記憶した各経路探索用新設道路の全てについてS113〜S117の処理を実行していない場合には(S118:NO)、CPU11は、次の順番の経路探索用新設道路をRAM12から読み出し、再度S113の処理に移行して、この読み出した経路探索用新設道路の各端点をセンタ側地図情報DB14の新設道路情報から読み出し、この各端点を探索経路の目的地として設定し、S114以降の処理を実行する。
【0084】
一方、RAM12に記憶した各経路探索用新設道路の全てについてS113〜S117の処理を実行した場合には(S118:YES)、S119において、CPU11は、RAM12に記憶されている新設道路の新設道路情報とこの新設道路によって到達することができる「地名」とを対応させた新設道路のリストデータを作成してナビゲーション装置2に送信する。尚、RAM12に記憶されている新設道路の新設道路情報とこの新設道路によって到達することができる「地名」とを対応させて順次ナビゲーション装置2に送信するようにしてもよい。また、CPU11は、RAM12に記憶されている各新設道路を含む地図データ(例えば、新設道路を含む2次メッシュにおける更新用地図情報17である。)を順次、ナビゲーション装置2に送信する。更に、CPU11は、RAM12に記憶されている各「地名」を案内する案内情報を作成してナビゲーション装置2に送信後、当該処理を終了する。
【0085】
以上詳細に説明した通り、実施例2に係る地図情報配信システムでは、ユーザが、ナビゲーション装置2のナビ地図情報38のバージョンアップを行う前に、ナビゲーション装置2の操作部24の更新内容案内ボタンを押下した場合には、CPU41は、自車位置及びナビ地図情報38のバージョン情報を地図情報配信センタ3に送信する(S101〜S102)。
そして、地図情報配信センタ3のCPU11は、ナビ地図情報38のバージョンの地図情報と最新地図情報とを比較し、最新地図情報によって追加される各新設道路のうちで、該各新設道路の両端の各ノード点のうちの自車位置から遠い方のノード点までの距離が所定距離以内(例えば、自車位置から約200km以内である。)の範囲に存在する新設道路を特定する(S111〜S112)。また、CPU11は、この特定した各新設道路の両端の各端点を目的地として経路探索を行い、探索した経路に新設道路が含まれている場合には、各新設道路の新設道路情報と新設道路の終端側の目的地(端点)が存在する市町村名等の「地名」とを対応させた新設道路のリストデータと、各新設道路を含む地図データと、各新設道路によって到達することができる「地名」を案内する案内情報を作成して、ナビゲーション装置2に送信する(S113〜S119)。
その後、ナビゲーション装置2のCPU41は、受信した新設道路情報と「地名」とを対応させた新設道路のリストデータに基づいて、各新設道路とこの各新設道路に対応する「地名」とを対応させた一覧表51を作成して液晶ディスプレイ25に表示し、この一覧表51から任意に選択された新設道路を含む地図をRAM42から読み出して液晶ディスプレイ25に表示する。また同時に、CPU41は、この選択された新設道路によって到達することができる「地名」を案内する案内情報54をRAM42から読み出して、液晶ディスプレイ25に表示する(S103〜S104)。
【0086】
これにより、ユーザは、液晶ディスプレイ25に表示される更新道路情報の一覧表51からナビ地図情報38の更新によって追加される各新設道路によって到達することができる自車位置から所定距離以内の「地名」を参考にして、希望する新設道路を選択して該新設道路を含む地図を液晶ディスプレイ25に表示させることができ、また、この表示された各新設道路によって到達することができる自車位置から所定距離以内の「地名」を案内する案内情報54が報知されるため、地図データの更新によって得られるユーザの利便性を更に正確に知ることができ、地図情報を更新するか否かを正確に判断することができる。また、地図情報配信センタ3が各新設道路の両端の各端点までの経路を探索して自車位置から所定距離範囲内で利用可能な新設道路を特定すると共に、この新設道路によって到達することができる「地名」の検索を行うため、ナビゲーション装置2の処理負荷の軽減化を図ることができる。
【0087】
尚、本発明は前記実施例1及び実施例2に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能であることは勿論である。例えば、以下のようにしてもよい。
【実施例3】
【0088】
例えば、ナビゲーション装置2のCPU41は、上記S11及びS104の「報知処理1」のサブ処理に替えて、図8に示す「報知処理2」のサブ処理を実行してもよい。
ここで、「報知処理2」のサブ処理について図8及び図9に基づいて説明する。
図8に示すように、S201において、CPU41は、現在地検出処理部21の検出結果に基づいて自車の現在位置(例えば、自宅である。)を検出する。そして、CPU41は、RAM42に記憶した各新設道路情報を順次読み出し、自車の現在位置(例えば、自宅である。)から各新設道路までの最短となる距離をそれぞれ算出して距離を算出してRAM42に記憶する。
そして、S202において、CPU41は、この各新設道路までの最短となる距離のうちで近い新設道路から順に、各新設道路を含む地図を所定時間の間(例えば、約3秒〜30秒間である。)液晶ディスプレイ25に順次表示すると共に、表示画面の上端縁部に、この各新設道路によって到達することができる「地名」を案内する案内情報を表示後、当該サブ処理を終了してメインフローチャートに戻る。
【0089】
例えば、図9に示すように、RAM42に新設道路情報とこの各新設道路によって到達することができる「地名」として「名古屋瀬戸道路 長久手」と「東海環状自動車道 美濃」とが記憶され、自車の現在位置から「東海環状自動車道」までの距離の方が「名古屋瀬戸道路」までの距離よりも近い場合には、先ず、CPU41は、液晶ディスプレイ25に「東海環状自動車道」を含む地図53を所定時間だけ表示する。また、CPU41は、この地図53上に「東海環状自動車道」である新設道路55を太い線で色を変えて表示する。また、CPU41は、表示画面の上端縁部に、新設道路55によって到達することができる「地名」を案内する「美濃方面への新しい道路が更新されました。」との案内情報54を表示する。また、この案内情報54をスピーカ26を介してユーザに音声で案内してもよい。
続いて、所定時間経過した場合には、CPU41は、液晶ディスプレイ25に「名古屋瀬戸道路」を含む地図57を所定時間だけ表示する。また、CPU41は、この地図57上に「名古屋瀬戸道路」である新設道路58を太い線で色を変えて表示する。また、CPU41は、表示画面の上端縁部に、新設道路58によって到達することができる「地名」を案内する「長久手方面への新しい道路が更新されました。」との案内情報59を表示する。また、この案内情報59をスピーカ26を介してユーザに音声で案内してもよい。
【0090】
これにより、ユーザは、自車位置(自宅位置)からの距離順にRAM42に記憶された各新設道路55、58を含む各地図53、57が順番に表示されると共に、この表示された各新設道路55、58によって到達することができる「地名」を案内する各案内情報54、59が報知されるため、ナビ地図情報38の更新後であれば、ナビ地図情報38の更新によって得られたユーザの利便性を更に正確に知ることができる。また、ナビ地図情報38の更新前であれば、該ナビ地図情報38の更新によって得られるユーザの利便性を正確に知ることができ、ナビ地図情報38を更新するか否かを正確に判断することができる。
【0091】
尚、図9に示すように、各地図53、57を所定回数(例えば、2回〜5回である。)繰り返し、所定時間(例えば、約3秒〜30秒である。)の間、順次表示するようにしてもよい。
また、図9に示される表示画面に切替ボタンを表示して、操作部24を介して切替ボタンをクリックしたり、タッチパネル上を押下することによって各地図53、57を切り替えて表示できるようにしてもよい。
また、図9に示される各地図53、57等、新設道路を含む各地図を一度に表示し、操作部24を介して選択した地図を拡大表示するようにしてもよい。
また、図8のステップ202で、自車位置から近い新設道路から順に表示したが、自車位置から遠い新設道路から順に表示してもよいし、上記ステップ9やステップ103でRAM42に記憶した順に表示してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0092】
【図1】実施例1に係る地図情報配信システムを示したブロック図である。
【図2】地図情報配信システムのナビゲーション装置を示したブロック図である。
【図3】実施例1に係るナビゲーション装置が実行する更新地図データの新設道路等を報知する更新内容案内処理プログラムのフローチャートである。
【図4】図3の報知処理1のサブ処理を示すサブフローチャートである。
【図5】図4のステップ21で表示されるリスト表示の一例を示す図である。
【図6】図4のステップ23で表示される選択された新設道路を含む地図の表示の一例を示す図である。
【図7】実施例2に係る地図情報配信システムが実行する更新地図データの新設道路等を報知する更新内容案内処理プログラムのフローチャートである。
【図8】他の実施例に係るナビゲーション装置が報知処理1のサブ処理に替えて実行する報知処理2のサブ処理を示すサブフローチャートである。
【図9】図8のステップ202で表示される新設道路を含む地図の表示の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0093】
1 地図情報配信システム
2 ナビゲーション装置
3 地図情報配信センタ
4 ネットワーク
10 サーバ
11 CPU
12 RAM
13 ROM
14 センタ側地図情報DB
16 センタ側通信装置
17 更新用地図情報
23 ナビゲーション制御部
25 液晶ディスプレイ
27 通信装置
37 ナビ側地図情報DB
38 ナビ地図情報
41 CPU
42 RAM
43 ROM
51 一覧表
53、57 地図
54、59 案内情報
55、58 新設道路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
新設道路情報が含まれる更新地図情報を記憶する地図情報記憶手段と、前記新設道路を表示装置の地図上に表示して報知するように制御する報知制御手段と、を備えたナビゲーション装置において、
前記更新地図情報から新設道路を検索する新設道路検索手段と、
前記新設道路検索手段によって検索された新設道路の端点を読み出して該端点を目的地として設定する目的地設定手段と、
前記目的地設定手段によって設定された目的地まで経路を探索する経路探索手段と、
前記経路探索手段によって探索された経路に前記新設道路が含まれるか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段によって新設道路が含まれると判定された場合には、前記目的地が存在する地名を検索する地名検索手段と、
前記地名検索手段によって検索された地名と前記経路に含まれると判定された新設道路とを対応させて記憶する更新道路記憶手段と、
を備え、
前記報知制御手段は、前記更新道路記憶手段に記憶された新設道路とこの新設道路に対応する地名とを報知することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
前記報知制御手段は、
前記更新道路記憶手段に記憶された新設道路とこの新設道路に対応する地名とを対応させた一覧表を作成して前記表示装置に表示するリスト表示手段と、
前記一覧表から任意の新設道路又は地名を選択することが可能な選択手段と、
を有し、
該報知制御手段は、前記選択手段によって選択された新設道路を含む地図を該表示装置に表示すると共に、この選択された新設道路に対応する地名を案内する案内情報を報知することを特徴とする請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項3】
前記報知制御手段は、
前記更新道路記憶手段に記憶された新設道路までの距離を算出する算出手段と、
前記算出手段によって算出された新設道路までの距離に基づいて該新設道路に所定順番を付する順番決定手段と、
を有し、
該報知制御手段は、該更新道路記憶手段に記憶された新設道路を含む地図を前記所定順番に従って順次、前記表示装置に表示すると共に、この表示された新設道路に対応する地名を案内する案内情報を報知することを特徴とする請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項4】
自車位置を検出する自車位置検出手段を備え、
前記新設道路検索手段は、自車位置から所定距離範囲内に存在する新設道路を検索することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のナビゲーション装置。
【請求項5】
前記地名検索手段は、前記目的地が存在する行政区画を地名とすることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のナビゲーション装置。
【請求項6】
ナビゲーション装置を有し、地図情報配信センタから配信される更新情報に基づいて前記ナビゲーション装置に記憶された地図情報を更新する地図情報配信システムにおいて、
前記ナビゲーション装置は、
自車位置を検出する自車位置検出手段と、
地図情報を記憶するナビ側地図情報記憶手段と、
前記ナビ側地図情報記憶手段に記憶される地図情報の作成時期を特定する作成時期情報と前記自車位置検出手段によって検出された自車位置を特定する自車位置情報とを前記地図情報配信センタに送信する作成時期送信手段と、
前記地図情報配信センタから配信された新設道路を特定するための新設道路情報と該新設道路情報の新設道路に対応する地名を特定するための地名情報と該新設道路を含む地図情報とに基づいて該新設道路とこの新設道路に対応する地名とを報知するように制御する報知制御手段と、
を有し、
前記地図情報配信センタは、
前記作成時期送信手段によって送信された作成時期情報と自車位置情報とを記憶する作成時期記憶手段と、
前記作成時期情報に基づいてナビ側の地図情報を特定すると共に、最新地図情報を特定して、該ナビ側の地図情報及び最新地図情報から新設道路を検索する新設道路検索手段と、
前記新設道路検索手段によって検索された新設道路の端点を読み出して該端点を目的地として設定する目的地設定手段と、
前記自車位置情報に基づいて前記目的地設定手段によって設定された目的地までの経路を前記最新地図情報に基づいて探索する経路探索手段と、
前記経路探索手段によって探索された経路に前記新設道路が含まれるか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段によって新設道路が含まれると判定された場合には、該新設道路が含まれる前記経路の目的地が存在する地名を検索する地名検索手段と、
前記地名検索手段によって検索された地名と前記経路に含まれると判定された新設道路とを対応させて記憶する更新道路記憶手段と、
前記更新道路記憶手段に記憶された新設道路を特定するための新設道路情報とこの新設道路に対応する地名を特定するための地名情報と該新設道路を含む地図情報とを前記ナビゲーション装置に対して配信する配信手段と、
を有することを特徴とする地図情報配信システム。
【請求項7】
前記報知制御手段は、
前記新設道路情報と地名情報とに基づいて新設道路とこの新設道路に対応する地名とを対応させた一覧表を作成して表示装置に表示するリスト表示手段と、
前記一覧表から任意の新設道路又は地名を選択することが可能な選択手段と、
を有し、
該報知制御手段は、前記選択手段によって選択された新設道路を含む地図を該表示装置に表示すると共に、この選択された新設道路に対応する地名を案内する案内情報を報知することを特徴とする請求項6に記載の地図情報配信システム。
【請求項8】
前記報知制御手段は、
前記新設道路情報に基づいて新設道路までの距離を算出する算出手段と、
前記算出手段によって算出された新設道路までの距離に基づいて該新設道路に所定順番を付する順番決定手段と、
を有し、
該報知制御手段は、新設道路を含む地図を前記所定順番に従って順次、表示装置に表示すると共に、この表示された新設道路に対応する地名を案内する案内情報を報知することを特徴とする請求項6に記載の地図情報配信システム。
【請求項9】
前記新設道路検索手段は、前記自車位置から所定距離範囲内に存在する新設道路を検索することを特徴とする請求項6乃至請求項8のいずれかに記載の地図情報配信システム。
【請求項10】
前記地名検索手段は、前記目的地が存在する行政区画を地名とすることを特徴とする請求項6乃至請求項9のいずれかに記載の地図情報配信システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2007−147385(P2007−147385A)
【公開日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−340641(P2005−340641)
【出願日】平成17年11月25日(2005.11.25)
【出願人】(000100768)アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 (3,717)
【Fターム(参考)】