説明

ナビゲーション装置

【課題】交通規則や運転マナーをユーザに認識させることができるナビゲーション装置を、低コストで提供する。
【解決手段】ナビゲーション装置100において、交通情報取得手段(交通情報取得プログラム94c等)は現在位置検出手段(現在位置検出プログラム94a等)により検出される現在位置に基づいて、当該現在位置に対応する交通情報を取得し、報知手段(報知プログラム94d等)は、交通情報取得手段により取得される交通情報を所定のタイミングでユーザに報知し、応答手段(応答プログラム94e)は報知手段により報知される交通情報に対して、ユーザに所定の応答情報を入力させ、集計手段(集計プログラム94f等)は応答手段により入力された応答情報を集計し、提供手段(提供プログラム94h等)は集計手段による集計結果をユーザに提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナビゲーション装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両走行時に、ナビゲーション装置を利用して現在位置の特定を行い、現在位置における交通規制等を運転手に通知等して、適切な運転を行わせるための各種の技術が提案されている。
【0003】
例えば、特許文献1には、道路地図上の各道路に対応する交通規則情報及びその交通規則の違反の罰則規定情報を予め記憶しておき、地図上における自車の走行路を検出して、対応する交通規則情報及び罰則規定情報を読み出し、自車の操作状態から交通規則違反の判定を行って、その違反および罰則の内容を報知する車両用ナビゲーション装置が開示されている。
また、例えば、特許文献2には、規制情報に適合した運転をしているか否かを判断し、違反が予測されるときには、警告等を行い、違反が発生した場合には、警察の取締センターに送信して自己申告をするようにした交通違反取締システムが提案されている。
また、例えば、特許文献3には、運転者による運転動作に応じて、車速、ハンドル蛇角、アクセル開度、ブレーキ操作量、操作速度、地図情報等を検出し、検出値と基準値を用いて、運転動作の妥当性を点数等によって評価し、表示画面に点数を表示させる車両用運転特性報知装置が開示されている。
【特許文献1】特開平10−19596号公報
【特許文献2】特開2002−312897号公報
【特許文献3】特開2001−171388号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述の特許文献1〜3によれば、運転手は、走行中の道路における交通規制等を認識することができるとともに、交通規則を違反した場合には警告や、警察への通知、点数表示等が行われるため、交通規制の違反防止や交通事故の防止を促進することができる。
しかしながら、これらの技術では何れも、交通規則の違反を自動的に検出するため、自動検出にかかる機能が必要となり、コストが高騰してしまうという問題があった。また、違反が自動的に検出されるのでは、ユーザにとって抵抗感があり、使いづらいという問題があった。
【0005】
本発明の課題は、交通規則や運転マナーをユーザに認識させることができるナビゲーション装置を、低コストで提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、現在位置を検出する現在位置検出手段を備えるナビゲーション装置において、
前記現在位置検出手段により検出される現在位置に基づいて、当該現在位置に対応する交通情報を取得する交通情報取得手段と、
前記交通情報取得手段により取得される前記交通情報を、所定のタイミングでユーザに報知する報知手段と、
前記報知手段により報知される前記交通情報に対して、ユーザに所定の応答情報を入力させる応答手段と、
前記応答手段により入力された応答情報を集計する集計手段と、
前記集計手段による集計結果をユーザに提供する提供手段と、
を備えることを特徴とする。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のナビゲーション装置において、前記集計手段による集計結果に基づいて、複数のレベルにレベル分けされた運転レベルを決定する運転レベル決定手段を備え、
前記報知手段は、前記運転レベル決定手段により決定される運転レベルが下位のレベルになる程、多くの前記交通情報を報知することを特徴とする。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載のナビゲーション装置において、前記報知手段は、前記交通情報を音声報知するとともに、
前記応答手段は、ユーザに、前記所定の応答情報を音声入力させることを特徴とする。
【0009】
請求項4に記載の発明は、現在位置を検出する現在位置検出手段を備えるナビゲーション装置において、
前記現在位置検出手段により検出される現在位置に基づいて、当該現在位置に対応する交通情報を取得する交通情報取得手段と、
前記交通情報取得手段により取得される前記交通情報を、所定のタイミングでユーザに音声報知する報知手段と、
前記報知手段により音声報知される前記交通情報に対して、ユーザに所定の応答情報を音声入力させる応答手段と、
前記応答手段により音声入力された応答情報を集計する集計手段と、
前記集計手段による集計結果に基づいて、複数のレベルにレベル分けされた運転レベルを決定する運転レベル決定手段と、
前記集計手段による集計結果及び前記運転レベル決定手段により決定された運転レベルをユーザに提供する提供手段と、
を備え、
前記報知手段は、前記運転レベル決定手段により決定される運転レベルが下位のレベルになる程、多くの前記交通情報を報知することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、現在位置検出手段により、現在位置が検出され、現在位置検出手段により検出される現在位置に基づいて、交通情報取得手段により、当該現在位置に対応する交通情報が取得され、報知手段により、交通情報取得手段により取得される交通情報が、所定のタイミングでユーザに報知され、応答手段により、報知手段により報知される交通情報に対して、ユーザにより所定の応答情報が入力され、集計手段により、応答手段により入力された応答情報が集計され、提供手段により、集計手段による集計結果がユーザに提供される。
従って、現在位置に対応する交通情報がユーザに報知されるとともに、当該報知に対してユーザに応答情報を入力させることができることとなって、交通規則や運転マナーをユーザに認識させることができるナビゲーション装置を、低コストで提供することができる。また、ユーザは、違反の自動検出による抵抗感を覚えることなく、ゲーム感覚で、自ら積極的に交通規則や運転マナーの遵守に取り組むことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明を行う。
本実施形態のナビゲーション装置100は、例えば、車両等に搭載されるポータブル型のナビゲーション装置であり、地図情報や、目的地までの経路探索・経路案内等の各種情報を、ユーザに提供する。
【0012】
まず、ナビゲーション装置100の要部構成について、図1を参照しながら説明する。
ナビゲーション装置100は、例えば、装置本体内に、現在位置検出手段としての現在位置検出部1、方向検出部2、車速センサ3、通信部4、表示部5、音声出力部6、入力部7、音声入力部8、制御部9等を備えて構成されている。
【0013】
現在位置検出部1は、例えば、ナビゲーション装置100の絶対座標を検出するGPS測位部等から構成され、ナビゲーション装置100自身の現在位置情報を検出し、検出した現在位置情報に基づく現在位置検出信号を制御部9に出力する。
具体的には、GPS測位部は、例えば、位置が既知である複数(例えば、少なくとも3つ)の人工衛星からの電波をGPSアンテナ(図示省略)により受信し、各人工衛星から受信した電波の到達時間から、各人工衛星からのナビゲーション装置100までの距離を算出し、各人工衛星からの距離の交点の緯度・経度データを特定する。
【0014】
方向検出部2は、例えば、ナビゲーション装置100の角速度を検出するジャイロセンサ等の方位センサや、磁気を測定することによりナビゲーション装置100の絶対方位を検出する地磁気センサ等から構成され、ナビゲーション装置100の搭載される車両の走行方向を検出し、検出した走行方向に基づく方向検出信号を制御部9に出力する。
車速センサ3は、例えば、車両の走行に応じたパルスを計測することにより走行速度を検出する。
【0015】
通信部4は、例えば、図示しない情報提供装置とネットワーク接続されており、ネットワークを介して情報提供装置から送信された経路案内、地図情報等の各種情報を受信する。
【0016】
表示部5は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)等のディスプレイを備えて構成され、制御部9からの制御に応じて、地図情報その他の各種情報を当該ディスプレイに表示する。
【0017】
音声出力部6は、例えば、D/A変換部61、増幅部62、スピーカ63等を備えており、後述の報知プログラム94dの実行において、ユーザに対して、交通情報を音声報知する処理を行う。
具体的には、D/A変換部61は、入力されるデジタル音声データをアナログ音声データに変換する。増幅部62は、アンプ等の装置であり、D/A変換部61から入力されるアナログ音声データを増幅する。スピーカ63は、増幅部62から入力したアナログ音声データを音声として外部に出力する。
【0018】
入力部7は、例えば、文字/数字キー、各種機能キー、表示部5と一体的に構成されたタッチパネル等から構成され、ユーザが、目的地点や出発地点等の各種情報の入力を行う。
具体的には、入力部7は、ユーザによるキーの押下に基づくキー押下信号を制御部9に出力するとともに、タッチパネルにおいてユーザによりタッチ操作が行われると、当該タッチ操作された座標を算出し、算出した座標に基づく押下信号を制御部9に出力する。また、入力部7は、例えば、リモートコントローラ等に備わり、遠隔操作が可能な構成であってもよい。
【0019】
音声入力部8は、例えば、マイクロホン81、A/D変換部82、音声認識部83等により構成され、後述の応答プログラム94eの実行において、ユーザに、応答情報を音声入力させる処理を行う。
具体的には、マイクロホン81は、入力される音声を集音し、アナログの音声データに変換する。A/D変換部82は、マイクロホン81から入力されるアナログの音声データをデジタル音声データに変換する。音声認識部83は、A/D変換部82から入力される音声データを対象として音声認識処理を行い、認識結果を制御部9に出力する。
【0020】
制御部9は、CPU(Central Processing Unit)91、RTC(Real Time Clock)92、メモリ部93、ROM(Read Only Memory)94等を備えて構成されている。
【0021】
CPU91は、ナビゲーション装置100の各部から入力された入力信号等に応じて、ROM94に格納された各種プログラムを実行するとともに、実行にかかるプログラムに基づいて各部に出力信号を出力することにより、ナビゲーション装置100の動作全般を統括制御する。
【0022】
RTC92は、現在時刻をカウントし、カウントした現在時刻をCPU91に対して出力する。
【0023】
メモリ部93は、例えば、RAM(Random Access Memory)等の揮発性メモリからなるワークエリア931を備えており、CPU91によって各種プログラムが実行される際に生じる処理結果や、入力されたデータ等をこのワークエリア931に記憶させる。
【0024】
また、メモリ部93は、例えば、EPROM(Erasable Programmable ROM)等の不揮発性メモリからなるデータエリア932を備えている。データエリア932は、例えば、地図情報DB9321、対応運転レベル記憶部9322等を記憶している。
【0025】
地図情報DB9321は、例えば、種類や縮尺の異なる地図情報を階層構造で格納する。例えば、高速自動車国道や一般国道が収録された広域地図や、広域地図で表示される道路に加えて、都道府県道や市町村道が収録された中域地図、中域地図で表示される道路に加えて、更に、細街道が収録された詳細地図等が格納される。
この地図情報には、ノード情報及びリンク情報から構成される道路情報の他、住所情報や、建物、施設、店舗、公園、鉄道に関する情報、地形情報等が含まれる。また、随時、通信部4により、ネットワークNを介して情報提供装置(図示省略)からダウンロードした最新の地図情報に更新されるようになっている。
【0026】
地図情報DB9321に格納される地図情報には、交通規則情報と、運転マナー情報から構成される交通情報が含まれている。
交通規則情報は、例えば、交通規則情報テーブル9321aに記憶される。当該交通規則情報テーブル9321aには、図2に示すように、地図情報を構成するリンク毎に、そのリンクの制限速度情報、交差点情報、踏切情報、一次停止場所情報、徐行区間情報、追越禁止区間情報等の交通規則情報が、各交通規則情報に関連する座標データと、後述する報知プログラム94dの実行における音声ガイダンスのための音声データ(図示省略)とともに記憶されている。
また、運転マナー情報は、例えば、運転マナー情報テーブル9321bに記憶される。当該運転マナー情報テーブル9321bには、車間距離警告情報、ライト点灯警告情報、シートベルト着用警告情報、チャイルドシート着用警告情報、車両点検警告情報、飲酒運転警告情報、携帯電話使用警告情報等の運転マナー情報が、各運転マナー情報をユーザに報知するタイミングを示すデータ(図示省略)と、後述する報知プログラム94dの実行における音声ガイダンスのための音声データ(図示省略)とともに記憶されている。
【0027】
対応運転レベル記憶部9322は、地図情報に含まれる交通規則情報及び運転マナー情報のそれぞれに対応付けられた運転レベルを記憶する。
具体的には、運転レベルは、例えば、レベル5を最上位、レベル1を最下位とする5つのレベルにレベル分けされており、対応運転レベル記憶部9322は、図3に示すように、交通記憶情報及び運転マナー情報の各々に対して、一の運転レベルを対応付けて記憶している。例えば、図3に例示する対応運転レベル記憶部9322では、制限速度情報にはレベル5、追越禁止区間情報にはレベル3、車両点検警告情報にはレベル1が対応付けられている。
【0028】
ROM94は、不揮発性メモリから成るプログラム格納エリアを有しており、具体的には、現在位置検出プログラム94a、地図情報取得プログラム94b、交通情報取得プログラム94c、報知プログラム94d、応答プログラム94e、集計プログラム94f、運転レベル決定プログラム94g、提供プログラム94h等を備えている。
【0029】
現在位置検出プログラム94aは、例えば、CPU91に、現在位置を検出する機能を実現させるためのプログラムである。
具体的には、CPU91は、車両の走行中に、GPS測位部等から構成される現在位置検出部1に、ナビゲーション装置100自身の現在位置情報を取得させ、当該現在位置検出部1から出力される現在位置検出信号に基づいて、ナビゲーション装置100の現在位置としての座標(緯度・経度)を特定する。さらに、特定される現在位置に基づいて、マップマッチング処理を行い、ナビゲーション装置100が搭載された車両が位置している道路を、データエリア932等の所定の領域に記憶されているマッチングデータ(図示省略)に基づいて特定する。マップマッチング処理には、例えば、車両の走行軌跡に応じて、マッチング候補となる道路を求め、マッチング候補から最も相関が高い道路を特定して、その道路上に現在位置をマッチングさせるパターンマッチング等を用いる。
CPU91は、かかる現在位置検出プログラム94aを実行することにより、現在位置検出部1とともに現在位置検出手段として機能する。
【0030】
地図情報取得プログラム94bは、例えば、CPU91に、交通情報を含む地図情報を取得する機能を実現させるためのプログラムである。
具体的には、CPU91は、現在位置検出プログラム94aの実行によりナビゲーション装置100の現在位置が特定されると、当該現在位置を含む所定範囲の地図情報を、地図情報DB9321から検索して取得する。
【0031】
交通情報取得プログラム94cは、例えば、CPU91に、現在位置検出プログラム94aの実行により検出される現在位置に基づいて、現在位置に対応する交通情報を取得する機能を実現させるためのプログラムである。
CPU91は、かかる交通情報取得プログラム94cを実行することにより、交通情報取得手段として機能する。
【0032】
報知プログラム94dは、例えば、CPU91に、交通情報取得プログラム94cの実行により取得される交通情報を、所定のタイミングでユーザに音声報知する機能を実現させるためのプログラムである。当該報知プログラム94dは、後述の運転レベル決定手段により決定される運転レベルが下位のレベルになる程、多くの交通情報を報知する。
CPU91は、かかる報知プログラム94dを実行することにより、音声出力部6とともに、報知手段として機能する。
【0033】
以下、交通情報取得プログラム94c及び報知プログラム94dの実行による交通情報取得・報知処理について、具体的に説明する。
CPU91は、車両の走行中に、現在位置検出プログラム94aの実行により、ナビゲーション装置100の現在位置が検出されて、車両の位置している道路(リンク)が特定され、地図情報取得プログラム94bの実行により、当該現在位置を含む地図情報が地図情報DB9321から読み出されると、方向検出部2により車両の走行方向を検出させるとともに、車速センサ3に車両の走行速度を検出させ、所定時間経過後における車両の走行位置を予測する。さらに、後述の運転レベル決定プログラム94gの実行により決定され、所定の記憶領域に記憶された運転レベルを読み出すとともに、地図情報DB9321から読み出された地図情報に含まれる交通規則情報テーブル9321a及び運転マナー情報テーブル9321bから、現在位置と、所定時間経過後における予測した走行位置との間に存在する、当該運転レベル以上のレベルが対応付けられている交通規則情報・運転マナー情報を取得する。
そして、CPU91は、交通規則情報テーブル9321a及び運転マナー情報テーブル9321bから取得した交通規則情報・運転マナー情報の音声ガイダンス用の音声データを音声出力部6に送出して、音声出力部6において、当該音声データに基づく音声ガイダンスをスピーカ63から出力させ、交通規則・運転マナーの報知を行う。
【0034】
ここで、図2の交通規則情報テーブル9321a及び図3の対応運転レベル記憶部9322に基づいて、上述の交通情報取得・報知処理を行う場合について説明する。
例えば、運転レベル決定プログラム94gの実行により決定された運転レベルが最上位の「レベル5」である場合に、車両がリンクID「001」のリンクに位置していると特定されると、CPU91は、交通規則情報テーブル9321aから、レベル5の運転レベルが対応付けられたリンク「001」の交通規則情報(例えば、制限速度情報)を読み出し、読み出した交通規則情報の音声データに基づく音声ガイダンスを音声出力部6から出力して、この交通規則情報をユーザに音声報知する。
これにより、リンク「001」の走行中に、当該交通規則情報に基づいて、制限速度を報知する音声ガイダンス(例えば、「制限速度は時速50kmです。走行速度を確認してください。」)が行われる。
【0035】
また、例えば、運転レベル決定プログラム94gの実行により決定された運転レベルが「レベル4」である場合に、車両がリンクID「002」のリンクに位置していると特定されると、CPU91は、交通規則情報テーブル9321aから、レベル4以上のレベル(すなわち、レベル3〜レベル5)の運転レベルが対応付けられたリンク「002」の交通規則情報(例えば、制限速度情報、交差点情報、踏切情報、一時停止場所情報)を読み出し、読み出した交通規則情報の音声データに基づく音声ガイダンスを音声出力部6から出力して、この交通規則をユーザに音声報知する。
これにより、リンク「002」の走行中に、各交通規則情報に基づいて、上記に例示する制限速度を報知する音声ガイダンスに加え、交差点の交通規則を報知する音声ガイダンス(例えば、「交差点の手前○○mです。左折又は右折する場合には、方向指示器を出してください」)、踏切の交通規則を報知する音声ガイダンス(例えば、「踏切の手前△△mです。一旦停止して、安全を確認してください」)、一時停止場所を報知する音声ガイダンス(例えば、「一時停止場所です。一旦停止して、左右を確認してください。」等が行われる。
【0036】
また、例えば、運転レベル決定プログラム94gの実行により決定された運転レベルが最下位の「レベル1」である場合に、車両がリンクID「003」のリンクに位置していると特定されると、CPU91は、交通規則情報テーブル9321aから、レベル1以上のレベル(すなわち、レベル1〜レベル5)の運転レベルが対応付けられたリンク「003」の交通規則情報(例えば、制限速度情報、交差点情報、踏切情報、一時停止場所情報、徐行区間情報、追越禁止区間情報)を読み出すとともに、運転マナー情報テーブル9321bから、レベル1以上のレベル(すなわち、レベル1〜レベル5)の運転レベルが対応付けられた運転マナー情報(例えば、車間距離警告情報、ライト点灯警告情報、シートベルト着用警告情報、チャイルドシート着用警告情報、車両点検警告情報、飲酒運転警告情報、携帯電話使用警告情報)を読み出し、読み出した交通規則情報及び運転マナー情報の音声データに基づく音声ガイダンスを、音声出力部6から出力して、これらの交通規則及び運転マナーをユーザに音声報知する。
これにより、リンク「003」の走行中に、各交通規則情報に基づいて、上記に例示する制限速度を報知する音声ガイダンス、交差点の交通規則を報知する音声ガイダンス、踏切の交通規則を報知する音声ガイダンス、一時停止場所を報知する音声ガイダンス、徐行区間を報知する音声ガイダンス、追越禁止区間を報知する音声ガイダンスが行われるとともに、各運転マナー情報に基づいて、それぞれ所定のタイミングで、運転マナーを報知する音声ガイダンスが行われる。
具体的には、例えば、車間距離警告情報に基づいて、車間距離を保持するよう警告する音声ガイダンス(例えば、「十分な車間距離を保っていますか?」)が、車両の走行中に所定の時間間隔(例えば、15分間隔)で行われる。また、ライト点灯警告情報に基づいて、ライトを点灯するよう警告する音声ガイダンス(例えば、「ライトは点灯しましたか?」)が、夕暮れ時等の所定の時刻に行われる。また、シートベルト着用警告情報及びチャイルドシート着用警告情報に基づいて、シートベルト及びチャイルドシートを着用するよう警告する音声ガイダンス(例えば、「シートベルト、チャイルドシートは着用しましたか?」)が、走行開始時に行われる。また、車両点検警告情報に基づいて、ブレーキペダルやハンドル、ガソリン残量等を確認するよう警告する音声ガイダンス(例えば、「ブレーキペダルとハンドルの点検をしてください」、「ガソリンは十分ですか?」)が、エンジン始動時に行われる。さらに、携帯電話使用警告情報に基づいて、携帯電話の使用を控えるよう警告する音声ガイダンス(例えば、「走行中の携帯電話の使用は禁止されています。」)が、車両の走行中に所定の時間間隔(例えば、60分間隔)で行われる。
【0037】
すなわち、上記の例では、運転レベルが最上位のレベル5である場合には、制限速度を報知する音声ガイダンスのみが行われる。一方、運転レベルが一つ下位のレベル4である場合には、制限速度を報知する音声ガイダンスに加え、交差点の交通規則を報知する音声ガイダンス、踏切の交通規則を報知する音声ガイダンス、一時停止場所を報知する音声ガイダンスが行われる。また、運転レベルが最下位のレベル1である場合には、更に多くの交通規則・運転マナーについての音声ガイダンスが行われることとなる。
このように、運転レベルが下位のレベルであるほど、より多くの交通規則・運転マナーについての音声ガイダンスが行われるため、ユーザの運転レベルに合った交通規則・運転マナーをユーザに認識させることができるとともに、運転レベル向上に対するユーザの士気を高めることができる。
【0038】
応答プログラム94eは、例えば、CPU91に、報知プログラム94dの実行により音声報知される交通情報に対して、ユーザに所定の応答情報を音声入力させる機能を実現させるためのプログラムである。
具体的には、上述の報知プログラム94dの実行により、交通規則情報・運転マナー情報を報知する音声ガイダンスが音声出力部6から出力されると、ユーザは、当該音声ガイダンスの交通規則・運転マナーを遵守している場合には、この音声ガイダンスに対して、「OK」、「Yes」等の応答情報を、音声入力部8のマイクロホン81に向かって発声する。音声入力部8では、マイクロホン81に入力される音声を、A/D変換部82においてデジタル音声データに変換するとともに、音声認識部83において音声認識し、この認識結果を制御部9に出力する。
例えば、ユーザは、音声出力部6から「十分な車間距離を保っていますか?」という音声ガイダンスが出力された場合に、前方の車両との車間距離を確認し、車間距離が十分である場合には「OK」と発声する。すると、当該音声データが音声認識部83において音声認識され、応答情報が入力されたと判断される。一方、ユーザは、音声出力部6から「十分な車間距離を保っていますか?」という音声ガイダンスが出力された場合に、車間距離が十分でない場合には、ユーザは音声出力部6から出力される音声ガイダンスに対して、発声を行わない。すると、当該音声ガイダンスに対して、応答情報は入力されないと判断される。
CPU91は、かかる応答プログラム94eを実行することにより、音声入力部8とともに、応答手段として機能する。
【0039】
集計プログラム94fは、例えば、CPU91に、応答プログラム94eの実行により音声入力された応答情報を集計する機能を実現させるためのプログラムである。
具体的には、CPU91は、目的地到着時等の所定のタイミングで、出発地から目的地までの走行中に、ユーザにより音声入力された応答情報の数を、走行中に報知された音声ガイダンスの総数で除して応答率を算出し、これを、運転点数とする。当該集計プログラム94fの実行による集計結果は、メモリ部93における所定の記憶領域に格納される。
CPU91は、かかる集計プログラム94fを実行することにより、集計手段として機能する。
【0040】
運転レベル決定プログラム94gは、例えば、CPU91に、集計プログラム94fの実行による集計結果に基づいて、複数のレベルにレベル分けわれた運転レベルを決定する機能を実現させるためのプログラムである。
例えば、上述のように、運転レベルが、レベル5を最上位、レベル1を最下位とする5つのレベルにレベル分けされる場合、CPU91は、集計プログラム94fの実行により運転点数の集計が行われると、例えば、集計された運転点数が0〜20点である場合にレベル1、21〜40点である場合にレベル2、41〜60点である場合にレベル3、61〜80点である場合にレベル4、81〜100点である場合にレベル5と決定する。決定された運転レベルは、メモリ部93における所定の記憶領域に格納される。
CPU91は、かかる運転レベル決定プログラム94gを実行することにより、運転レベル決定手段として機能する。
【0041】
提供プログラム94hは、例えば、CPU91に、集計プログラム94fの実行による集計結果及び運転レベル決定手段により決定された運転レベルをユーザに提供する機能を実現させるためのプログラムである。
具体的には、CPU91は、前述の集計プログラム94fの実行により、応答情報に基づいて運転点数が集計されるとともに、運転レベル決定プログラム94gの実行により、運転レベルが決定されると、エンジン始動時・休止時等の所定のタイミングで、集計された運転点数及び決定された運転レベルを表示部5に表示するとともに(図4参照)、音声出力部6により音声ガイダンス(例えば、「あなたの運転点数は35点、運転レベルはレベル2です。運転マナーの見直しが必要です。」)を出力し、集計された運転点数及び運転レベルをユーザに提供する。
CPU91は、かかる提供プログラム94hを実行することにより、提供手段として機能する。
【0042】
以上説明した本実施形態におけるナビゲーション装置100によれば、CPU91による現在位置検出プログラム94aの実行により現在位置が検出され、地図情報取得プログラム94bの実行により現在位置検出プログラム94aの実行により検出される現在位置に基づいて、交通情報を含む地図情報が取得され、交通情報取得プログラム94cの実行により、地図情報取得プログラム94bの実行により取得される地図情報から、現在位置に対応する交通情報が取得され、報知プログラム94dの実行により、交通情報取得プログラム94cの実行により取得される交通情報が、所定のタイミングでユーザに音声報知され、応答プログラム94eの実行により、報知プログラム94dの実行により音声報知される交通情報に対して、ユーザにより所定の応答情報が音声入力され、集計プログラム94fの実行により、応答プログラム94eの実行により音声入力された応答情報が集計され、運転レベル決定プログラム94gの実行により、集計プログラム94fの実行による集計結果に基づいて、複数のレベルにレベル分けされた運転レベルが決定され、提供プログラム94hの実行により、集計プログラム94fの実行による集計結果及び運転レベル決定プログラム94gの実行により決定された運転レベルがユーザに提供される。
従って、現在位置に対応する交通情報がユーザに報知されるとともに、当該報知に対してユーザに応答情報を入力させることができることとなって、交通規則や運転マナーをユーザに認識させることができるナビゲーション装置100を、低コストで提供することができる。また、交通規則や運転マナーをユーザに認識させることにより、交通規則・運転マナーの違反を抑制することができる。また、ユーザは、違反の自動検出による抵抗感を覚えることなく、ゲーム感覚で、自ら積極的に交通規則や運転マナーの遵守に取り組むことができる。
【0043】
また、CPU91による報知プログラム94dの実行により、運転レベル決定プログラム94gの実行により決定される運転レベルが下位のレベルになる程、多くの交通情報が報知されるため、ユーザの運転状況に合わせて、交通情報を報知することができるとともに、ユーザの交通規則遵守、運転マナー向上の士気向上に資することとなる。
【0044】
さらに、CPU91による報知プログラム94dの実行により、交通情報が音声により報知されるため、より確実且つ安全な方法で交通情報をユーザに認識させることができる。また、CPU91による応答プログラム94eの実行により、応答情報が音声で入力されるため、ユーザは、より容易且つ安全な方法で応答情報を入力することができる。
【0045】
なお、本発明は、上記実施の形態に限られることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の改良並びに設計の変更を行っても良い。
例えば、地図情報DB9321等の記憶媒体は、ハードディスク(Hard Disc)や、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)、DVD(Digital Versatile Disc)等、光学的、磁気的、半導体メモリ等の何れの記憶媒体で構成しても良い。また、固定的に設けたもの(例えば、磁気テープ、ハードディスク等)でも良く、着脱自在に設けたもの(例えば、FD、MO、DVD等)であっても良い。
また、交通記憶情報テーブル9321a、運転マナー情報テーブル9321bは、それぞれ地図情報DB9321に含まれるものでなくとも良く、地図情報とは別に記憶されていても良い。
また、報知プログラム94dによる交通情報の報知は、音声ガイダンスによるものに限られず、表示部5における表示により行っても良く、また、表示部5における表示と音声ガイダンスの組み合わせにより行っても良い。
また、応答プログラム94eの実行において、交通規則・運転マナーを遵守していない場合には、音声ガイダンスに対して発声しないのではなく、「No」等の応答情報を音声入力部8のマイクロホン81に向かって発声する構成であっても良い。
また、応答プログラム94eの実行において入力する応答情報は上記実施形態で例示したものに限られることなく、「分かりました」「確認しました」「着用しています」「点検しました」等、個々の音声ガイダンスに応じた応答情報を入力できる構成であっても良い。
また、集計プログラム94fの実行による運転点数の集計方法は上記実施形態で例示したものに限られることなく、加点方式、減点方式等であっても良い。
また、運転レベルに応じてユーザに報知される交通情報を、予めユーザが設定するように構成しても良い。
また、交通情報に含まれる交通規則情報・運転マナー情報は、上記実施形態で例示したものに限られること無く、例えば、駐車禁止区間情報等が含まれ、これに基づいて駐車禁止区間の報知が行われる構成であっても良い。
また、本発明は、車両の走行状況(例えば、一時停止の有無、走行速度、方向指示器の使用の有無、シートベルト着用の有無等)を機械的に検出する従来の技術と組み合わせて構成しても良い。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本実施形態におけるナビゲーション装置の要部構成を例示するブロック図である。
【図2】交通規則情報テーブルを例示する図である。
【図3】対応運転レベル記憶部を例示する図である。
【図4】提供プログラムの実行において、表示部に表示される画面の例示である。
【符号の説明】
【0047】
100 ナビゲーション装置
1 現在位置検出部(現在位置検出手段)
6 音声出力部(報知手段)
8 音声入力部(応答手段)
91 CPU(現在位置検出手段、交通情報取得手段、報知手段、応答手段、集計手段、運転レベル決定手段、提供手段)
9321a 交通記憶情報テーブル(交通情報)
9321b 運転マナー情報テーブル(交通情報)
94a 現在位置検出プログラム(現在位置検出手段)
94c 交通情報取得プログラム(交通情報取得手段)
94d 報知プログラム(報知手段)
94e 応答プログラム(応答手段)
94f 集計プログラム(集計手段)
94g 運転レベル決定プログラム(運転レベル決定手段)
94h 提供プログラム(提供手段)



【特許請求の範囲】
【請求項1】
現在位置を検出する現在位置検出手段を備えるナビゲーション装置において、
前記現在位置検出手段により検出される現在位置に基づいて、当該現在位置に対応する交通情報を取得する交通情報取得手段と、
前記交通情報取得手段により取得される前記交通情報を、所定のタイミングでユーザに報知する報知手段と、
前記報知手段により報知される前記交通情報に対して、ユーザに所定の応答情報を入力させる応答手段と、
前記応答手段により入力された応答情報を集計する集計手段と、
前記集計手段による集計結果をユーザに提供する提供手段と、
を備えることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
前記集計手段による集計結果に基づいて、複数のレベルにレベル分けされた運転レベルを決定する運転レベル決定手段を備え、
前記報知手段は、前記運転レベル決定手段により決定される運転レベルが下位のレベルになる程、多くの前記交通情報を報知することを特徴とする請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項3】
前記報知手段は、前記交通情報を音声報知するとともに、
前記応答手段は、ユーザに、前記所定の応答情報を音声入力させることを特徴とする請求項1又は2に記載のナビゲーション装置。
【請求項4】
現在位置を検出する現在位置検出手段を備えるナビゲーション装置において、
前記現在位置検出手段により検出される現在位置に基づいて、当該現在位置に対応する交通情報を取得する交通情報取得手段と、
前記交通情報取得手段により取得される前記交通情報を、所定のタイミングでユーザに音声報知する報知手段と、
前記報知手段により音声報知される前記交通情報に対して、ユーザに所定の応答情報を音声入力させる応答手段と、
前記応答手段により音声入力された応答情報を集計する集計手段と、
前記集計手段による集計結果に基づいて、複数のレベルにレベル分けされた運転レベルを決定する運転レベル決定手段と、
前記集計手段による集計結果及び前記運転レベル決定手段により決定された運転レベルをユーザに提供する提供手段と、
を備え、
前記報知手段は、前記運転レベル決定手段により決定される運転レベルが下位のレベルになる程、多くの前記交通情報を報知することを特徴とするナビゲーション装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−286685(P2008−286685A)
【公開日】平成20年11月27日(2008.11.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−132900(P2007−132900)
【出願日】平成19年5月18日(2007.5.18)
【出願人】(000201113)船井電機株式会社 (7,855)
【Fターム(参考)】