説明

ナビゲーション装置

【課題】ナビゲーション装置のハード構成の共通化を実現し、かつ、利用者に応じてナビゲーション装置に格納されている可搬型記録媒体の出し入れを規制できる技術を提供する。
【解決手段】可搬型記録媒体から読み出される地図データを用いてナビゲーション画面を表示部に表示するナビゲーション装置において、可搬型記録媒体の出し入れを制限する手段を設け、更に、本来的に割り当てられている操作部に対して、特定の操作によって制限を解除できる機能を割り当てることとした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナビゲーション装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ナビゲーション装置は、住所、名前、電話番号等といった目的地を特定するための目的地情報と現在位置情報とに基づいて経路探索を行う。ナビゲーション装置は、通常、可搬型記録媒体へのアクセス装置を有しており、この可搬型記録媒体に格納されている地図データ、地図上の地点を示す地点情報等を読み出し、経路探索を実行する。また、ナビゲーション装置には、経路誘導するに際し、レストランのお奨め料理情報等の付帯情報を提供する装置がある。このような付帯情報は、道路等の地図データよりも頻繁に変化するため、上記記録媒体での提供以外に、最新の付帯情報を提供する手段が必要となる。例えば特許文献1では、最新の付帯情報を通信により提供するナビゲーションシステムが提案されている。
【特許文献1】特開2004−4104号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ナビゲーション装置の利用者には、個人ユーザのみならず、不動産業者の営業、ボトリングの巡回業務、保険業務の営業など、車両を用いた商用サービスを提供する企業も含まれる。また、ナビゲーション装置の利用者には、レンタカーサービスを提供する企業も含まれる。ここで、特にレンタカーに搭載されるナビゲーション装置では、地図データが格納された可搬型記録媒体(例えば、DVD)がユーザによって持ち帰られてしまうといったことが懸念されていた。従って、ナビゲーション装置の利用形態によっては、ナビゲーション装置に収容される可搬型記録媒体の出し入れを制限できる機能が要求される。
【0004】
なお、ナビゲーション装置の利用者には、上述したように個人ユーザのみならず、レンタカーサービスを提供する業者等も含まれる。従って、特定の企業向けのナビゲーション装置に可搬型記録媒体の出し入れを制限できる装置等を設けることも考えられる。しかし、コスト面等を考慮すると、ナビゲーション装置は、利用者に関係なく、できる限り同様のハード構成とすることが好ましい。
【0005】
本発明では、上記した問題に鑑み、可搬型記録媒体から読み出される地図データを用いてナビゲーション画面を表示部に表示するナビゲーション装置において、ナビゲーション装置のハード構成の共通化を実現し、かつ、利用者に応じてナビゲーション装置に格納されている可搬型記録媒体の出し入れを規制できる技術を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明では、上述した課題を解決するために、可搬型記録媒体から読み出される地図データを用いてナビゲーション画面を表示部に表示するナビゲーション装置において、可搬型記録媒体の出し入れを制限する手段を設け、更に、本来的に割り当てられている操作部に対して、特定の操作によって制限を解除できる機能を割り当てることとした。これにより、本発明によれば、ナビゲーション装置のハード構成に変更を加えることなく、ナビゲーション装置に収容される可搬型記録媒体の持ち出しを制限することができる。
【0007】
詳細には、本発明は、可搬型記録媒体から読み出される地図データを用いてナビゲーション画面を表示部に表示するナビゲーション装置であって、本体部と、前記本体部の前面に設けられ、前記ナビゲーション装置内に前記可搬型記録媒体を出し入れする媒体挿入部
と、前記本体部の前面を覆うように設けられ、かつ該本体部に対して移動可能な表示部であって、前記媒体挿入部を覆うことで該媒体挿入部をユーザが視認不可とするクローズ状態と、該挿入部をユーザが視認可能とするオープン状態とに移動可能な表示部と、前記表示部がオープン状態に移動することを制限する制限部と、前記制限部による制限を解除する制限解除部と、前記ナビゲーション装置に対する操作を受け付ける操作部と、を備える。そして、前記操作部は、本来的に受け付ける操作とは異なる操作を受け付け可能であり、前記制限解除部は、前記操作部が本来的に受け付ける操作とは異なる操作を受け付けると、前記制限部による制限を解除する。
【0008】
ここで、クローズ状態とは、媒体挿入部を表示部で覆うことで媒体挿入部をユーザが視認不可とする状態、換言すると、媒体挿入部を表示部で覆うことで媒体挿入部への可搬型記録媒体の出し入れができない状態である。また、オープン状態とは、該挿入部をユーザが視認可能とする状態、換言すると媒体挿入部を覆う表示部を移動させることで視認可能とすることで媒体挿入部への可搬型記録媒体の出し入れができる状態である。ユーザとは、ナビゲーション装置の使用者、例えば、ナビゲーション装置が搭載される車両の搭乗者である。
【0009】
本来的に受け付ける操作とは異なる操作は、通常、単押しで所定の機能を実行するように機能が割り当てられている場合に、長押しといった単押しとは異なる操作である。そして、このような操作を受け付け可能とし、かつ、この長押しに単押しの場合とは異なる機能を実行させることを意味する。本発明に係るナビゲーション装置は、レンタカーのように、ナビゲーション装置の所有者で使用者とが異なる使用態様において特に優れた効果を発揮する。レンタカーにナビゲーション装置を搭載した場合に従来懸念されていた可搬型記録媒体の盗難を防止できるからである。従って、上記本来的に割り当てられている操作とは異なる操作は、ナビゲーション装置の所有者のみが知る操作であることが好ましい。
【0010】
ここで、上述した本発明に係るナビゲーション装置において、前記表示部は、ユーザのタッチ操作を受け付け可能なタッチパネルを有し、前記操作部は、前記タッチパネルに表示される操作ボタンとは異なる、前記表示部に設けられている機械的なボタンとしてもよい。機械的なボタンは、タッチパネルに表示される操作ボタンと異なり、例えば電源を投入しなくても操作することができる。従って、可搬型記録媒体の取り出しを制限しつつ、仮に取り出す際には、取り出す際の操作の手間を最小限にすることができる。
【0011】
また、前記タッチパネルには、前記表示部を前記オープン状態へ移動させるための操作を受け付けるオープン状態移行受付ボタンが表示可能としてもよい。そして、前記制限部は、前記タッチパネルに表示可能である前記オープン状態移行受付ボタンの表示を制限することで、該表示部が前記オープン状態へ移動することを制限するようにしてもよい。これにより、ナビゲーション装置のハード構成の共通化を図ると共に、可搬型記録媒体の取り出しを制限することができる。
【0012】
また、本発明に係るナビゲーション装置において、前記可搬型記録媒には、既存の地図情報が格納される第一可搬型記録媒体と、該第一可搬型記録媒体とは異なり、前記既存の地図情報とは異なる更新情報が格納される第二可搬型記録媒体と、が含まれてもよい。また、前記媒体挿入部には、前記第一可搬型記録媒体を出し入れする第一媒体挿入部と、前記第二可搬型記録媒体を出し入れする第二媒体挿入部と、が含まれてもよい。そして、前記第一媒体挿入部と前記第二媒体挿入部とは、何れか一方の媒体挿入部のみが前記表示部によって覆われるように、前記本体部の前面の異なる位置に設けてもよい。前記オープン状態には、前記第一媒体挿入部と前記第二媒体挿入部のうち何れか一方の媒体挿入部のみを覆う状態としてのセミオープン状態が含まれるようにしてもよい。これにより、例えば用途が異なる可搬型記録媒体をナビゲーション装置に接続可能な場合において、一方の可
搬型記録媒体のみ可搬型記録媒体の取り出しを制限することができる。
【0013】
更に、本発明に係るナビゲーション装置において、可搬型記録媒体に格納されている所定情報を読取可能な情報取得部と、前記所定情報として、前記操作部に割り当てられている、本来的に受け付ける操作とは異なる操作を変更する割当変更情報が含まれている場合、割当変更情報に基づいて前記異なる操作を変更する変更部を更に備える構成としてもよい。これにより、必要に応じて、かつ、容易に異なる操作を変更することが可能となり、その結果、より確実に可搬型記録媒体の盗難を抑制することができる。
【0014】
更に、本発明は、上述したナビゲーション装置で実行される処理を実現させる方法、又はプログラムであってもよい。更に、本発明は、そのようなプログラムを記録したコンピュータが読み取り可能な記録媒体であってもよい。この場合、コンピュータ等に、この記録媒体のプログラムを読み込ませて実行させることにより、その機能を提供させることができる。なお、コンピュータ等が読み取り可能な記録媒体とは、データやプログラム等の情報を電気的、磁気的、光学的、機械的、又は化学的作用によって蓄積し、コンピュータ等から読み取ることができる記録媒体をいう。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、可搬型記録媒体から読み出される地図データを用いてナビゲーション画面を表示部に表示するナビゲーション装置において、ナビゲーション装置のハード構成の共通化を実現し、かつ、利用者に応じてナビゲーション装置に格納されている可搬型記録媒体の出し入れを規制できる技術を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の一実施形態としてのカーナビゲーション装置について具体例を挙げ説明する。ナビゲーション装置1は、搭載される車輌を限定するものではないが、以下には、レンタカー会社により提供されるレンタカーに搭載される場合を例に挙げる。レンタカー会社を例に挙げるのは、カーナビゲーション装置の機能をカスタマイズしたいという要求が強いからである。本発明は以下の各実施例の構成に限定されない。
【0017】
〔装置構成〕
図1は、ナビゲーション装置1の外観図である。ナビゲーション装置1は、2DIN(Deutsche Industrie Normen)の本体・モニタ一体型カーナビゲーション装置であり、車両の現在地や目的地までの経路の案内等を行うカーナビゲーション機能や、各種オーディオ/ビジュアル(以下、AVという)コンテンツの再生機能、放送波を受信する機能等を有している。ナビゲーション装置1は、運転席や助手席の乗員の手が届きやすいダッシュボードの中央付近に設置された状態で使用されるものであり、メインユニット2とディスプレイユニット3とで構成されている。ナビゲーション装置としては、例えば富士通テン株式会社のAVN(登録商標。Audio Visual Navigation)等の車載用ナビゲーション装置がある。
【0018】
図2は、ナビゲーション装置1の構成図である。メインユニット2は、電子部品類で構成されており、ブレーキ検知部4、リバース検知部5、携帯式プレーヤインターフェース6、放送波受信部7、外部音声/映像入力部8、GPS情報受信部9、車速検知部10、カメラ映像入力部11、アンプ12、開閉制御部13A、角度制御部13B、角度センサ14、モータ15、CDドライブ16、カードメモリインターフェース17、リセットボタン18、ジャイロセンサ19、制御部20が内蔵されている。ディスプレイユニット3は、主に、車両の乗員に対して各種の情報を映像で表示するとともに、ユーザ操作を受け付ける役割を司るデバイス類で構成されており、タッチパネル21、表示処理部22、操作受付部23、操作ボタン24、赤外線受/発光部25を内蔵している。
【0019】
以下、メインユニット2の構成について説明する。ブレーキ検知部4は、車両のパーキングブレーキがかけられているか否かを検知し、これを制御部20に通知する。ブレーキ検知部4は、パーキングブレーキレバー(あるいはペダル)の動きと連動してオンオフするスイッチの通電状態により、ブレーキの状態を検知する。ブレーキ検知部4は、このスイッチの通電状態を、端子26Aを介して電気的に検知する。
【0020】
リバース検知部5は、車両の変速レバーがリバース(後進)になっているか否かを検知し、これを制御部20に通知する。リバース検知部5は、変速レバーと連動して動くスイッチのオンオフにより、変速レバーの状態を検知する。リバース検知部5は、このスイッチの通電状態を、端子26Bを介して電気的に検知する。
【0021】
携帯式プレーヤインターフェース6は、音楽等を再生する携帯式のプレーヤ(例えば、iPod(登録商標))と双方向通信を行うためのインターフェースである。携帯式プレーヤインターフェース6は、このような携帯式のプレーヤが外部接続されると双方向通信を開始し、プレーヤから送られるオーディオ信号を制御部20へ送り、制御部20から送られる再生開始や曲送り等の制御信号をプレーヤへ送る。携帯式プレーヤインターフェース6は、端子26Cに接続されるコードを介してプレーヤと通信を行う。
【0022】
放送波受信部7は、AMチューナ(AM:Amplitude Modulation)、及びFMチューナ(FM:Frequency Modulation)で構成される回路である。放送波受信部7は、制御部20からの制御信号に応じてチューナの受信状態を制御し、端子26Dに接続されるアンテナが受信した電波の信号を制御部20へ送る。なお、放送波受信部7は、ワンセグチューナ(「ワンセグ」は商標登録出願中)を含んでいてもよい。
【0023】
外部音声/映像入力部8は、端子26Eに接続されるビデオ/オーディオ機器からのコンポジット映像信号や音声信号を受け付け、これを制御部20へ送る回路である。
【0024】
GPS情報受信部9(GPS:Global Positioning System)は、端子26Fに接続されるGPSアンテナが受信したGPS衛星からの電波の信号を受信し、受信した信号を制御部20へ送る。周知のように、GPSは、地球を周回する多数のGPS衛星のうち少なくとも3つ以上の衛星からの電波に基づいて車両の位置を測位するシステムである。GPS情報受信部9は、地球を周回するこれらGPS衛星の電波の信号を処理する。GPS情報受信部9によって受信されたGPS衛星からの信号は、カーナビゲーションに用いられる。
【0025】
車速検知部10は、車軸の回転角に応じて発生する車速パルス信号を検知し、これを制御部20へ送る回路である。車速検知部10が検知する車速パルス信号は、車両のエンジンやブレーキを制御する電子制御ユニットから出力されるステップ状の車速パルス信号であり、単位時間当たりのパルス数から車両速度を割り出す際に用いられる。単位時間当たりのパルス数が増えていれば車両が加速しており、減っていれば車両が減速していることになる。車両の速度と車速パルスとの相関関係は、車両を製造するメーカや車種、装着される車輪の大きさや空気圧等に応じて変化する。このため、制御部20では、GPSによる測位結果に基づいて算出される車両の移動距離とその間を走行する間に検知されたパルス数との相関から、車両の速度と車速パルスとの相関関係が適宜更新される。車速検知部10は、電子制御ユニットから出力される車速パルス信号を、端子26Gを介して電気的に検知する。
【0026】
カメラ映像入力部11は、車両の後方を撮影するビデオカメラであるバックアイカメラ
からの映像信号を受け付け、制御部20へ送る回路である。すなわち、カメラ映像入力部11は、リバース検知部5が車両のリバースを検知した際、端子26Hに接続されているビデオカメラからの映像信号を制御部20へ送る。
【0027】
アンプ12は、制御部20から車室内に設置されるスピーカへ送られる音声信号を増幅する回路である。アンプ12は、制御部20からの制御信号に応じて増幅率を任意に変更可能である。
【0028】
開閉制御部13Aは、ディスプレイユニット3の開閉動作を行う回路である。開閉制御部13Aは、制御部20からの制御信号に応じてモータ15を制御したり、角度センサ14からの信号を処理したりすることにより、ディスプレイユニット3を開閉する。図3は、制御部20からの制御信号を受けた開閉制御部13Aがモータ15を制御することにより実現するディスプレイユニット3の開閉動作を示したものである。開閉制御部13Aは、図3に示すように、ディスプレイユニット3の姿勢を三段階に調整することが可能であり、CDドライブ16(CD:Compact Disc)の挿入口を閉じた「クローズ」状態、CDドライブ16のCD挿入口27を開いた「セミオープン」状態、及びカードメモリインターフェース17のカード挿入口28やリセットボタン18を開いた「フルオープン」状態を実現する。ディスプレイユニット3の姿勢が「クローズ」状態の場合、CD挿入口27やカード挿入口28、リセットボタン18はディスプレイユニット3に隠れた状態である。また、ディスプレイユニット3の姿勢が「セミオープン」状態の場合、カード挿入口28やリセットボタン18がディスプレイユニット3に隠れ、CD挿入口27がナビゲーション装置1の正面からアクセス可能な状態になる。また、ディスプレイユニット3の姿勢が「フルオープン」状態の場合、CD挿入口27、カード挿入口28、及びリセットボタン18がナビゲーション装置1の正面からアクセス可能な状態になる。
【0029】
本実施形態に係るナビゲーション装置1では、上記「クローズ」状態、「セミオープン」状態、「オープン」状態への移行が制御部20及び開閉制御部13Aによって制御される。
【0030】
角度制御部13Bは、ディスプレイユニット3の角度調整を行う回路である。角度制御部13Bは、開閉制御部13Aと同様、制御部20からの制御信号に応じてモータ15を制御したり、角度センサ14からの信号を処理したりすることにより、ディスプレイユニット3の角度を調整する。なお、ディスプレイユニット3の角度とは、ナビゲーション装置1の左右方向に伸びる軸を中心とする、メインユニット2の正面とディスプレイユニット3の正面(すなわち、タッチパネル21の表面)との相対的な角度である。角度制御部13Bは、ディスプレイユニット3の仰角を多段階に調整してチルトアップすることが可能である。
【0031】
角度センサ14は、ディスプレイユニット3の角度を検知するセンサであり、検知した角度を電気信号で開閉制御部13Aへ通知する。モータ15は、ディスプレイユニット3の角度を調整するモータであり、ディスプレイユニット3の上端を上下に動かしたり、ディスプレイユニット3の下端を前後に動かしたりする。開閉制御部13Aおよび角度制御部13Bは、制御部20からの制御信号を受けると、角度センサ14で検知されるディスプレイユニット3の角度と制御信号に基づいて決定される角度の目標値との差を割り出し、角度センサ14で検知されるディスプレイユニット3の角度が制御目標値と一致するようにモータ15をフィードバック制御する。
【0032】
CDドライブ16は、音楽等のオーディオコンテンツが記録されたCDを読み取って再生する光ディスク読取装置であり、光ピックアップレンズや発光素子、ディスク駆動モータ等で構成されている。
【0033】
カードメモリインターフェース17は、不揮発性の半導体メモリカードを読み書きするメモリカードリーダライタである。制御部20は、カードメモリインターフェース17に挿入されるメモリカードにアクセスし、このメモリカードに記録されているデータを取得することでカーナビゲーションのルート検索等の諸機能を実現する。
【0034】
メモリカードは、4GB程度の記憶容量を持ち、標準データを格納する標準記憶エリアと一般ユーザにより変更可能なアプリケーションデータを格納するカスタマイズ記憶エリアとに区分け管理される。標準記憶エリアには、高速道路や一般道等の道路情報、テーマパーク、ガソリンスタンドといった各種施設に関する地点情報(以降、POIデータとも表記)等を含む地図データ、ルートガイダンスのための音声データ、電話番号や施設名称や住所等の各種施設に関する詳細情報(以降、POI詳細データとも表記する)等が記録されている。POI詳細データには、各POIのアイコンデータも含む。POIデータ及びPOI詳細データが本発明の地図データに相当する。一方、カスタマイズ記憶エリアには、アプリケーションデータが格納される。アプリケーションデータには、オープニング画面データ、利用規約データ、お知らせデータ、POIデータ等が含まれる。以降、アプリケーションデータに含まれるオープニング画面データ及びPOIデータをそれぞれ更新オープニング画面データ、追加POIデータと表記する。追加POIデータには、標準記憶エリアに格納されるPOIデータ及びPOI詳細データと同種のデータが含まれる。これらアプリケーションデータに含まれる各データは、それぞれ所定のフォーマットで個々のファイルに分けられることで識別されてもよいし、1つのファイルに複数のデータが格納されるようにして所定オフセットで識別されるようにしてもよい。
【0035】
カスタマイズ記憶エリアに格納されるアプリケーションデータは、パーソナルコンピュータ等のコンピュータ上で実行される専用アプリケーションにより生成及び編集することができる。例えば、レンタカー会社の担当者は、上記専用アプリケーションを用いてアプリケーションデータを編集し、このアプリケーションデータをメモリカードに格納した後、カードメモリインターフェース17のカード挿入口28へ当該メモリカードを挿入する。各アプリケーションデータの用いられ方については後述する。なお、標準記憶エリアに格納されるデータは、レンタカー会社等のユーザによる変更が許可されていない。
【0036】
ジャイロセンサ19は、メインユニット2に内蔵される2軸ジャイロセンサである。ジャイロセンサ19は、GPS衛星からの電波をGPS情報受信部9が受信できない時でも車両の測位を可能にするためのものである。なお、GPS衛星からの電波を受信できない時の車両の位置は、制御部20により、車速検知部10が検知する車両速度とジャイロセンサ19が検知する車両の進行方向とに基づいて算出される。
【0037】
制御部20は、CPU(Central Processing Unit)やROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、入出力インターフェース等で構成されている。制御部20は、車両のアクセサリー電源がオンになると、ROMに記録されたコンピュータプログラムを実行し、カードメモリインターフェース17に挿入されたメモリカードのデータやRAMに格納されているデータ等を使って各種機能を実現する。制御部20が実現する各種機能の詳細については後述する。
【0038】
次に、ディスプレイユニット3を構成する各構成要素について説明する。タッチパネル21は、カラー液晶ディスプレイとタッチセンサとを組み合わせたGUI(Graphical User Interface)であり、7.0インチのEGA(Enhanced Graphics Adapter)型液晶ディスプレイで画面を表示すると共に、画面に表示されたアイコン等が押されるとタッチセンサがこれを検知する。
【0039】
表示処理部22は、タッチパネル21の液晶ディスプレイに表示する画面を描画処理する回路である。表示処理部22は、制御部20から送られる映像信号に基づき、液晶ディスプレイに格子状に均等配列された薄膜トランジスタを駆動することで、タッチパネル21の画面を描画する。
【0040】
操作受付部23は、タッチパネル21へのタッチ操作をタッチセンサが感知すると、タッチされた画面上の位置を特定し、操作された位置の情報を制御部20へ送る。
【0041】
操作ボタン24は、タッチパネル21にアイコン表示されるボタンではなく、機械的なボタンであり、図1等に示すように、タッチパネル21の下に配置される操作用の押しボタン式スイッチである。操作ボタン24は、ディスプレイユニット3の左側から順に、開閉ボタン24a、現在地ボタン24b、音量調整ボタン24cで構成されている。音量調整ボタンは、右側が押されると音量アップ、左側が押されると音量ダウンになるように設定されている。これらのボタンが押されると、押されたボタンの信号が制御部20へ送られる。
【0042】
また、本実施形態に係るナビゲーション装置1では、開閉ボタン24aを押すことで表示される開閉操作画面におけるフルオープンの操作が制限されている(図26A、26B参照)。そして、新たな機能として、開閉ボタン2aの長押しには、「フルオープン」状態とする機能が割り当てられている。なお、各状態への移行処理については、後述する。
【0043】
赤外線受/発光部25は、ナビゲーション装置1と携帯電話とが赤外線で双方向通信を行うためのインターフェースであり、電気で赤外線を発光する発光素子と、受光した赤外線を電気にする受光素子で構成されている。赤外線受/発光部25は、制御部20から送られる制御信号やデータを携帯電話へ送るとともに、携帯電話から送られる制御信号やデータを制御部20へ送る。
【0044】
次に、メインユニット2の制御部が実現する各種諸機能について詳述する。図4は、制御部20が実現する各種機能部を図示した機能ブロック図である。車両のアクセサリー電源がオンになると、制御部20は、図4に示すような、初期処理機能部50、操作処理機能部51、測位機能部52、ルート案内機能部53、地図データ処理機能部54、ユーザデータ処理機能部55、音声処理機能部56、及び映像処理機能部57等を実現するコンピュータプログラムを実行する。
【0045】
初期処理機能部50は、ナビゲーション装置1の初期化処理を実行する。初期処理機能部50は、初期化処理として、例えば、ナビゲーション装置1のハードウェア異常をチェックする。初期処理機能部50は、ハードウェア異常を検知すると、この異常状態を示すコーション画面を表示するよう制御する。初期処理機能部50は、初期化処理を継続しながら、オープニング画面を表示するように制御する。初期処理機能部50は、初期化処理が完了すると、オープニング画面を閉じ、映像処理機能部57に所定の画面を表示するように指示する。
【0046】
操作処理機能部51は、各種機能部の動作を制御するための操作画面を、映像処理機能部57を介してタッチパネル21に表示したり、操作受付部23や操作ボタン24、リセットボタン18からの操作信号を処理し、各種機能部の動作を制御したりする。
【0047】
また、操作処理機能部51は、本発明の制限部、制限解除部の機能を担う。すなわち、操作処理機能部51は、タッチパネルに表示される開閉操作画面における本来的な機能(「フルオープン」状態への移行)を制限し、開閉ボタン24aが長押しされると、「フル
オープン」状態へ移行させる。
【0048】
測位機能部52は、車両のアクセサリー電源がオンになると、GPS情報受信部9から送られる衛星からの電波の情報、車速検知部10から通知される車両速度の情報、及びジャイロセンサ19から送られる角速度の情報に基づいて車両の位置(緯度と経度)を測位する。
【0049】
ルート案内機能部53は、車両の現在地からユーザが設定した目的地までのルートを索出し、ルート案内を行う機能部である。ルート案内機能部53は、測位機能部52が測位した車両の位置から目的地までの走行ルートを、カードメモリインターフェース17に挿入されるメモリカードの地図データから索出する。ルート案内機能部53は、索出した走行ルートと車両の位置との関係から車両の進路を決定し、この決定された進路に基づいてルートガイダンスのための音声データや地図画像データがメモリカードから読み出される。ルート案内機能部53は、このように読み出された音声データを音声処理機能部56に送り、地図画像データを映像処理機能部57に送ることにより、音声及び映像によりルート案内を行う。
【0050】
地図データ処理機能部54は、メモリカードの標準記憶エリアから読み出される地図データやルート案内機能部53が索出した走行ルートのデータ、放送波受信部7を介してFM放送波から取得されるVICS(登録商標)の道路交通情報のデータ、測位機能部52が測位した車両の位置データ等に基づき、タッチパネル21に表示する地図のグラフィックデータを生成する。
【0051】
ユーザデータ処理機能部55は、ユーザが登録しようとする地点情報(例えば、返却場所の位置情報等)やルート検索の履歴情報、アイコンの表示非表示等の設定情報をRAMで保持したり、RAMから読み出したりする。
【0052】
音声処理機能部56は、アンプ12を介してスピーカから出力する音声の信号を処理する機能部である。すなわち、音声処理機能部56は、放送波受信部7が受信したラジオ放送、携帯式プレーヤインターフェース6がプレーヤから取得するオーディオ信号、CDドライブ16が再生するオーディオ信号をアンプ12へ送ったり、これらのオーディオ信号にルート案内機能部53からのルートガイダンスの音声信号を重畳し、アンプ12へ送ったりする。
【0053】
映像処理機能部57は、タッチパネル21に表示させる映像データを生成する機能部である。すなわち、映像処理機能部57は、操作処理機能部51が生成する操作画面のデータと、地図データ処理機能部54が生成する表示用地図の画面のデータとを重畳して表示処理部22へ送ったり、放送波受信部7が受信したテレビジョン放送の映像データを表示処理部22へ送ったり、或いはリバース検知部5による車両後退の検知に連動してカメラ映像入力部11からの映像信号を表示処理部22へ送ったりする。なお、映像処理機能部57は、テレビジョン放送の映像データを表示処理部22へ送っている際にブレーキ検知部4がパーキングブレーキの解除を検知すると、映像データの通知を止める。
【0054】
〔動作例〕
以下、ナビゲーション装置1の動作例について説明する。
〈起動時〉
まず、ナビゲーション装置1の起動時の動作について図5を用いて説明する。図5は、ナビゲーション装置1の起動時の処理を示すフローチャートである。車両のアクセサリー電源がオンになり、ナビゲーション装置1に電力が供給されると、制御部20は、ROMに格納されているコンピュータプログラムを実行する。このコンピュータプログラムが実
行されることにより、図4に示す各機能部がそれぞれ実現される。各機能部のうち、まず、初期処理機能部50が動作する。
【0055】
初期処理機能部50は、初期化処理の一部としてカードメモリインターフェース17が正常に動作していることを確認すると、そのカードメモリインターフェース17にメモリカードが挿入されているか否かを確認する(S61)。この確認は、例えば、メモリカード内の標準記憶エリアにアクセス可能か否かで判断される。初期処理機能部50は、メモリカードが挿入されていないと判断すると(S61;NO)、その旨を示すコーション画面を表示する(S63)。メモリカードには地図データ等が格納されているため、メモリカードが挿入されていない場合、ナビゲーション装置1はナビゲーション機能を実行することができない。初期処理機能部50は、このコーション画面によってメモリカードが挿入されていないことを注意喚起する。コーション画面は、予めROMに格納される画面データが初期処理機能部50により読み出され、その画面データが映像処理機能部57に送られることによりタッチパネル21に表示される。
【0056】
初期処理機能部50は、メモリカードが挿入されていると判断すると(S61;YES)、メモリカードのカスタマイズ記憶エリアに更新オープニング画面データが格納されているか否かを確認する(S62)。初期処理機能部50は、メモリカードに更新オープニング画面データが格納されていると判断すると(S62;YES)、その更新オープニング画面データをメモリカードから読み出す(S64)。一方、初期処理機能部50は、メモリカードに更新オープニング画面データが格納されていないと判断すると(S62;NO)、予めROMに格納されている既存のオープニング画面データを取得する(S65)。初期処理機能部50は、取得された更新オープニング画面データ又は既存のオープニング画面データを映像処理機能部57に送ることにより、オープニング画面をタッチパネル21に表示させる。すなわち、初期処理機能部50は、メモリカードから更新オープニング画像データを取得することができた場合には、この更新オープニング画像データに基づいてオープニング画面を表示させ、更新オープニング画像データを取得することができなかった場合には、既存のオープニング画像データに基づいてオープニング画面を表示させる。
【0057】
図6は、既存オープニング画面が更新オープニング画面に変更される概念を示す図である。D100(1)が既存オープニング画面データに基づいて表示される既存オープニング画面であり、例えば、ナビゲーション装置1の製品名称が表示される。D100(2)は、更新オープニング画面データに基づいて表示される更新オープニング画面である。図6の例のように、ナビゲーション装置1を搭載するレンタカー会社は、D100(2)のような自社名を強調するオープニング画面に変更したいと望む。このような場合、レンタカー会社の担当者は、D100(2)のための更新オープニング画面データをパーソナルコンピュータ上で生成し、この生成されたデータをメモリカードに格納することで、所望のオープニング画面に変更することができる。ナビゲーション装置1が個人所有車や営業車輌に搭載される場合にも、同様に、好みの更新オープニング画面データを表示させるようにしてもよい。
【0058】
ここで、更新オープニング画面データの構成について説明する。例えば、更新オープニング画面データは、図6に示すように、中央部に表示される画像データ(D100(2)−1)と、その周辺に表示される背景データ(D100(2)−2)とから構成される。画像データ(100(2)−1)は、ビットマップファイルとして生成され、背景データ(D100(2)−2)は、RGB色モデルのR値、G値、B値をそれぞれ格納するバイナリファイルとして生成される。画像データ(100(2)−1)は、ビットマップ形式に限られず、PNG(Portable Network Graphics)形式、GIF(Graphic Interchange
Format)形式、JPEG(Joint Photographic Experts Group)形式等で生成されても
よい。背景データ(D100(2)−2)は、RGB色モデルに限られず、CMYK色モデルが利用されてもよい。このように、更新オープニング画面データは、全表示サイズよりも小さい画像を格納する画像データ(D100(2)−1)と、その周辺の背景の色指定データ(D100(2)−2)とで構成される。画像データの画像サイズは、メモリカードの容量が考慮されて決められる。背景データで指定される色は、単色又は所定の数で構成される。このような構成とすることにより、更新オープニング画面データのトータルデータサイズを小さくすることができ、データ容量が制限されるメモリカードにも格納可能となる。なお、データ容量の大きいメモリカードを利用することができる場合には、画像データD100(2)−1のみで更新オープニング画面データを構成するようにしてもよい。
【0059】
続いて、初期処理機能部50は、メモリカード内のカスタマイズ記憶エリアに格納される他のアプリケーションデータを読み出す(S67)。読み出されるアプリケーションデータには、利用規約データ、お知らせデータ、追加POIデータ等が含まれる。これら読み出されるデータは、レンタカー会社等のユーザにより生成されたデータであるため、個人情報保護の観点から暗号化されていてもよい。上記更新オープニング画面データも同様に暗号化されていてもよい。初期処理機能部50は、読み出されたデータが暗号化されている場合には、そのデータを所定の手法により復号する(S68)。暗号化手法及び復号手法は公知の技術が利用されればよいため、ここでは説明を省略する。初期処理機能部50は、メモリカードから読み出され、必要に応じて復号処理されたアプリケーションデータをRAMに保持しておく。
【0060】
初期処理機能部50は、オープニング画面を表示しながら上述のような処理を含む所定の初期化処理を実行する。オープニング画面が表示されている間、制御部20の他の各機能部では、次のような処理が実行される。操作処理機能部51は、操作受付部23や操作ボタン24、リセットボタン18からの信号を走査してユーザ操作を受け付ける。測位機能部52は、GPS情報受信部9で取得される測位情報や車速検知部10、ジャイロセンサ19の信号を処理し、車両の位置を測定する。地図データ処理機能部54は、カードメモリインターフェース17に挿入されているメモリカードへアクセスし、測位機能部52が測位した自車位置の周辺の地図データを読み出す。初期処理機能部50は、所定の初期化処理を完了するか又はオープニング画面を表示させてから所定の時間が経過するとオープニング画面を閉じるように映像処理機能部57に指示する。これにより、オープニング画面は、ナビゲーション装置1が起動されてから数秒間表示される。
【0061】
続いて、初期処理機能部50は、メモリカードに格納されるアプリケーションデータに利用規約データが含まれているか否かを確認する(S69)。初期処理機能部50は、利用規約データが含まれていると判断すると(S69;YES)、この利用規約データを映像処理機能部57に送ることによりオープニング画面の次に利用規約画面を表示させる(S70)。初期処理機能部50は、アプリケーションデータに利用規約データが含まれていない場合には(S69;NO)、利用規約画面を表示させない。
【0062】
図7は、利用規約画面の例を示す図である。このような画面を表示させることにより、ナビゲーション装置1を搭載するレンタカー会社は、レンタカー利用者にナビゲーション装置1の利用前にこの利用規約を再認識させることができる。利用規約画面(D101)において同意操作が行われると、この利用規約画面(D101)は閉じられる。利用規約画面(D101)は、初期処理機能部50によりメモリカードから取得され保持されている利用規約データに基づいて生成される。利用規約データは、利用規約画面に表示される文字列情報を含むテキストファイルとして生成される。レンタカー会社の担当者は、利用規約画面に表示させたい文字列を含む利用規約データをパーソナルコンピュータ等により生成し、この生成されたデータをメモリカードに格納することで、所望の利用規約画面を
表示させることができる。逆に、利用規約画面を表示させる必要のない場合には、利用規約データをメモリカードに格納しなければよい。
【0063】
初期処理機能部50は、利用規約画面(D101)が閉じられると、映像処理機能部57にAVの操作画面とナビの操作画面とを組み合わせたマルチ画面をタッチパネル21に表示するように指示する(S71)。
【0064】
このように、ナビゲーション装置1によれば、装置として予め設けられたオープニング画面であっても、ユーザは、ナビゲーション装置1の用途に応じて、そのオープニング画面をカスタマイズすることができる。オープニング画面は、装置起動時に最初に表示される画面であるため注目度が高い。従って、上述のようにオープニング画面がカスタマイズ可能とされることは利便性が向上するためユーザにとって魅力的である。更に、ナビゲーション装置1によれば、上記利用規約画面のような、装置として提供されていない新たな画面をユーザに追加させることを可能とする。この場合、ユーザはテキストデータをメモリカード内に格納するだけでよいため、簡単にその新たな画面を追加することができる。
【0065】
〈ナビゲーションメイン画面表示時〉
上述のような初期処理機能部50による起動時処理(初期処理)が完了すると、以下に示すナビゲーション機能を実現する各メイン画面が表示される。図8は、ナビゲーション装置1のメイン画面の画面遷移図である。マルチ画面(D102)、ナビ全画面(D103)、オーディオ全画面(D104)がナビゲーション装置1のナビゲーション機能を実現するメイン画面である。以降、図8から10を用いて、これらメイン画面に関連するナビゲーション装置1の動作について説明する。図9はナビに関する画面遷移図である。図10はAV画面の表示モードを示した図である。
【0066】
映像処理機能部57は、初期処理機能部50からマルチ画面の表示指示を受けると、ROMに格納されている操作ボタン類の画像データや地図データ処理機能部54が読み出した地図データを基に、AVの操作画面とナビの操作画面とを組み合わせたマルチ画面(D102)を生成し、このマルチ画面をタッチパネル21に表示させる。図11は、マルチ画面の例を示す図である。映像処理機能部57は、図11に示すように、AV類の操作ボタン類を配置したAV領域の画面をタッチパネル21の左側に表示し、ナビの地図や操作ボタン類を配置したナビ領域の画面をタッチパネル21の右側に表示させる。
【0067】
図11に示すように、映像処理機能部57は、AV領域に、「ラジオ」、「CD」、「iPod」、「外部入力」、「OFF」、及び「AV」ボタンを表示させる。図11の例では、「ラジオ」が選択されており、受信周波数やAM/FMの切り替えボタン、選局ボタン等が表示されている状態を図示している。従って、このとき、音声処理機能部56は、放送波受信部7が受信したAM放送の音声信号を、アンプ12を介してスピーカから出力させている。なお、放送波受信部7にワンセグチューナが含まれている場合には、AV領域に、「ワンセグ」ボタンを表示するようにしてもよい。他方、映像処理機能部57は、ナビ領域に、地図データ処理機能部54が読み出した地図データに基づいて描画される地図の他、「メニュー」、「目的地」、「周辺」、「返却場所」、「ナビ」、「地図拡大」、及び「地図縮小」ボタンを表示させる。
【0068】
図12は、ナビ全画面の例を示す図である。映像処理機能部57は、マルチ画面(D102)に表示されている「ナビ」ボタンが押されたことを操作処理機能部51が検知すると、AV領域を徐々に隠し、ナビ領域を全画面に表示させる。映像処理機能部57は、図12に示すように、AV領域を消し、ナビ領域をタッチパネル21に全画面表示させる。
【0069】
ナビ領域には、マルチ画面(D102)と同様、地図や、「メニュー」、「目的地」等
の操作ボタンが表示されている。ここで、映像処理機能部57は、ナビ全画面に表示される自車位置のアイコンが、ナビ領域の中心に位置するように画面を表示している。このため、タッチパネル21の表示画面がマルチ画面(D102)からナビ全画面(D103)に遷移すると、自車位置のアイコンや地図の表示が、画面内で若干スクロールする。一方、映像処理機能部57は、「メニュー」や「目的地」等の操作ボタン類がタッチパネル21の表示画面上で同じ位置になるように画面を表示させる。このため、タッチパネル21の表示画面がマルチ画面(D102)からナビ全画面(D103)に遷移しても、ナビの操作ボタン類がタッチパネル21の画面上でスクロールせず、同じ位置に表示され続ける。「AV+ナビ」ボタンが押されると、映像処理機能部57は、ナビ全画面(D103)からマルチ画面(D102)へ表示を切り替える。
【0070】
図13は、AV全画面の例を示す図である。映像処理機能部57は、マルチ画面(D102)に表示されている「AV」ボタンが押されたことを操作処理機能部51が検知すると、ナビ領域を徐々に隠し、AV領域を全画面に表示させる。映像処理機能部57は、図13に示すように、ナビ領域を消し、AV領域をタッチパネル21に全画面表示させる。
【0071】
AV領域には、マルチ画面(D102)と同様、「ラジオ」、「CD」、「iPod」、「外部入力」、及び「OFF」ボタンが表示されている。また、AV領域には、マルチ画面(D102)で表示されていなかった放送局の名称やプリセットの選局ボタン、チャンネル設定ボタンや音設定ボタンが表示されている。また、CDドライブ16にCDが挿入されていることを示す「CDIN」が表示されている。ここで、AV領域には、マルチ画面(D102)で表示されていた「ラジオ」等の操作ボタン類が同じ位置に表示されている。以下、マルチ画面(D102)とAV全画面(D104)の両方で表示される領域を「AV通常領域」といい、AV全画面(D104)でのみ表示される領域を「AV拡張領域」という。「AV+ナビ」ボタンが押されると、映像処理機能部57は、AV全画面(D104)からマルチ画面(D102)へ表示を切り替える。
【0072】
図14は、メイン画面の画面遷移の様子を示した概念図である。ユーザは、図14に示すように、表示窓から覗き込むと見える右側の面(本実施形態でいうナビ画面に相当する)の上に、左側の面(本実施形態でいうAV画面に相当する)が左側から抜き差しされるようなイメージで、ナビゲーション装置1のメイン画面を操作できる。よって、今どこにいるのかが判りやすく、安心して操作することができる。
【0073】
次に、ナビゲーション装置1のAV画面の表示モードについて説明する。図10で示したように、ナビゲーション装置1のAV画面には、ラジオモード、CDモード、iPodモード、外部入力モード、及びオフモードの6つの画面が用意されている。映像処理機能部57は、AV領域の左側に用意されている何れかのソース選択ボタン或いは「OFF」ボタンが押されると、これに対応するモードのAV操作画面を表示させる。映像処理機能部57は、例えば、「ラジオ」ボタンが押されれば、図11に示すようなラジオの周波数や選局ボタンを表示させる。CDやiPodボタンについても同様である。また、映像処理機能部57は、「外部入力」ボタンが押されれば、AV領域に選局ボタン等を表示させると共に、ナビ領域の表示を外部音声/映像入力部8の映像に切り替える。但し、映像処理機能部57は、ブレーキ検知部4がパーキングブレーキ信号の解除を検知した場合、放送波受信部7や外部音声/映像入力部8からの映像表示を止める。なお、放送波受信部7にワンセグチューナが含まれている場合には、AV画面にはワンセグモードが設けられ、「ワンセグ」ボタンが押されれば、AV領域に選局ボタン等を表示すると共に、ナビ領域の表示を放送波受信部7からの映像に切り替えるようにすればよい。
【0074】
図11に示されるマルチ画面(D102)及び図13に示されるAV全画面(D104)は、既存状態の画面である。ナビゲーション装置1を搭載するレンタカー会社は、メモ
リカードのカスタマイズ記憶エリアにお知らせデータを格納することにより、お知らせ画面を表示するための「お知らせ」ボタンをAV通常領域に付加することができる。図15は、「お知らせ」ボタンが付加されたマルチ画面(D102)の例を示す図である。図15の例では、AV通常領域の「OFF」ボタンの下の空き領域に「お知らせ」ボタンが表示されている。この場合、AV全画面(D104)においても同様の位置に「お知らせ」ボタンが表示される。
【0075】
図16は、マルチ画面及びAV全画面の表示処理を示すフローチャートである。映像処理機能部57は、マルチ画面(D102)又はAV全画面(D104)を表示させる際には、初期処理機能部50によりメモリカードから読み出され保持されたお知らせデータの存在を確認する(S171)。映像処理機能部57は、お知らせデータが存在する場合には(S171;YES)、マルチ画面(D102)及びAV全画面(D104)のAV通常領域に「お知らせ」ボタンを表示させる(S172)。一方で、映像処理機能部57は、お知らせデータが存在しない場合には(S171;NO)、「お知らせ」ボタンを表示させない、即ち、各画面を既存状態で表示させる(S173)。
【0076】
図17は、お知らせ画面の例を示す図である。マルチ画面(D102)及びAV全画面(D104)のAV通常領域に表示されている「お知らせ」ボタンが押されたことを操作処理機能部51が検知すると、映像処理機能部57は、図17に示すようなお知らせ画面(D301)をタッチパネル21に表示させる。映像処理機能部57は、図17に示すように、AV領域の「お知らせ」ボタンから立ち上がるように、お知らせ画面(D301)をポップアップ表示する。なお、ポップアップ表示とは、画面に表示されるボタンを押すと、そのボタンから立ち上がるように表示されることを示す。お知らせ画面(D301)は、初期処理機能部50によりメモリカードから読み出され保持されているお知らせデータに基づいて生成される。お知らせデータは、お知らせ画面に表示される文字列情報を含むテキストファイルとして生成される。レンタカー会社の担当者は、お知らせ画面に表示させたい文字列を含むお知らせデータをパーソナルコンピュータ等により生成し、この生成されたデータをメモリカードに格納することで、所望のお知らせ画面を表示させることができる。逆に、お知らせ画面を表示させる必要のない場合には、お知らせデータをメモリカードに格納しなければよい。例えば、レンタカー会社は、レンタカー利用者から頻繁に問い合わせのある事項をこのお知らせ画面に表示させるようにすれば、利用者からの問い合わせを減らすことができる。
【0077】
このように、ナビゲーション装置1によれば、装置として予め提供されていない新たな画面として、上述の利用規約画面のように自動で表示される画面を追加できるだけでなく、上記お知らせ画面のように所定ボタンの操作により表示されるような新たな画面を追加することもできる。この場合には、ユーザは、メモリカードにその画面に表示させるテキストデータを格納しさえすれば上記「お知らせ」ボタンを表示させることができ、かつそのボタンが操作された場合に所望のお知らせ画面を表示させることができる。
【0078】
次に、ナビゲーション装置1のナビに関する画面について説明する。マルチ画面(D102)またはナビ全画面(D103)のナビ領域に表示されている「メニュー」ボタン、「目的地」ボタン、「周辺」ボタンがタッチパネル21上で選択されたことを操作処理機能部51が検知すると、映像処理機能部57は、その選択されたボタンに対応する画面をタッチパネル21上に表示させる。
【0079】
図18は、メニュー画面(D201)の例を示す図である。操作処理機能部51により「メニュー」ボタンが押されたことが検知されると、映像処理機能部57は、図18に示すメニュー画面(D201)をタッチパネル21に表示させる。映像処理機能部57は、図18に示すように、ナビ領域の「メニュー」ボタンから立ち上がるようにメニュー画面
(D201)をポップアップ表示する。ここで、映像処理機能部57は、メニュー画面(D201)が「メニュー」ボタンから徐々に立ち上がるようにアニメーション表示し、更に、マルチ画面(D102)がメニュー画面(D201)の下側に見えるようにしている。このようなポップアップ表示とすることにより、ユーザは、メニュー画面がマルチ画面から遷移して表示されていることを視覚で容易に理解することが可能であり、安心して操作することができる。なお、メニュー画面(D201)には、アイコンや施設表示等のユーザ設定用ボタンや、お気に入り地点の編集用ボタンが表示される。ユーザが登録した地点情報等は、ユーザデータ処理機能部55により、制御部20内のRAMに記憶される。
【0080】
図19及び20は、目的地設定画面の例を示す図である。映像処理機能部57は、「目的地」ボタンが押されたことを操作処理機能部51が検知すると、目的地設定画面(D202)をタッチパネル21に表示させる。目的地設定画面(D202)の表示手法は、上述のメニュー画面(D201)と同様である。目的地設定画面(D202)には、図19及び20に示されるように、複数の目的地選択方法に対応した複数のボタンが表示される。図19及び20は、目的地設定画面(D202)の右側に表示されるスクロールバー等を選択することにより切り替えられる。目的地選択方法としては、各ボタンに対応して、50音、電話番号、住所、履歴、お気に入り、携帯連携、施設/ジャンル、先程の地図、マップコードを用いた選択方法が提供される。これら選択方法のうち、50音、電話番号、住所、施設/ジャンル、マップコードを用いた選択方法では、メモリカード内の標準記憶エリアに格納されるPOIデータ及びPOI詳細データが利用される。
【0081】
映像処理機能部57は、操作処理機能部51が目的地設定用の何れかのボタンが押されたことを検知すると、これに対応する画面を表示させる。映像処理機能部57は、例えば、「50音で探す」ボタンが押されれば文字入力用の画面を表示し、「住所で探す」ボタンが押されれば都道府県等を選択する画面を表示し、「携帯連携で探す」ボタンが押されれば赤外線受/発光部25に携帯電話を近づけるようユーザに促す画面を表示し、「履歴で探す」ボタンが押されれば過去に検索したことのある目的地を表示する。赤外線受/発光部25によって携帯電話から供される通信データには、目的地の緯度や経度、或いは住所や電話番号といった位置情報が含まれている。これらいずれかの設定方法により目的地が設定されると、ルート案内機能部53は、測位機能部52が計測する自車位置と目的地までの最短ルートを索出し、ルートガイドを開始する。
【0082】
図21及び22は、周辺施設検索画面の例を示す図である。映像処理機能部57は、「周辺」ボタンが押されたことを操作処理機能部51が検知すると、周辺施設検索画面(D203)をタッチパネル21に表示させる。この表示方法は、上記目的地設定画面(D202)と同様のポップアップ表示である。周辺施設検索画面(D203)には、図21及び22に示されるように、検索対象の各カテゴリに対応した複数のボタンが表示される。図21及び22は、周辺施設検索画面(D203)の右側に表示されるスクロールバー等を選択することにより切り替えられる。検索対象のカテゴリとしては、各ボタンに対応して、ガソリンスタンド、コンビニ(コンビニエンスストア)、駐車場、ファミレス(ファミリーレストラン)、銀行、ファーストフード、その他施設が提供される。これら検索される各施設は、メモリカード内の標準記憶エリアに格納されるPOIデータ及びPOI詳細データが利用される。映像処理機能部57は、操作処理機能部51が検索対象のカテゴリに対応するボタンが押されたことを検知すると、そのカテゴリに属する施設(POI)を自車位置に近い施設から順に索出してリスト表示させる。
【0083】
上述したような目的地設定画面(D202)や周辺検索画面(D203)等で目的地が設定されると、ルート案内機能部53によるルートガイドが開始される。ルート案内機能部53は、測位機能部52が計測する自車位置と、地図データ処理機能部54がメモリカードから読み出す地図データとに基づいてルートの案内を行う。ルート案内機能部53は
、右折あるいは左折等を行う交差点に車両が接近したら、図23に示すような交差点拡大画面(D204)を表示すると共に、音声処理機能部56に経路案内用の音声データを渡す。図23は、交差点拡大画面(D204)の例を示す図である。図23に示すように、ナビ領域には交差点の拡大図が表示され、車両の進むべき進路が矢印で図示される。なお、このとき、AV領域には、オーディオ/ビジュアル用の操作ボタン類が表示されている。
【0084】
〈目的地設定時〉
次に、ナビゲーション装置1の目的地設定時の動作について説明する。ナビゲーション装置1は、目的地の設定方法として、上述したような目的地設定画面(D202)や周辺施設検索画面(D203)により設定する方法(以降、第1設定方法と表記する)と、マルチ画面(D102)やナビ全画面(D103)に表示されている「返却場所」ボタンが押されることにより予めレンタカーの返却先として登録されているレンタカー会社の営業所を目的地に設定する方法と、マルチ画面(D102)やナビ全画面(D103)のナビ領域に表示される地点アイコンを選択することによりその地点アイコンの示す地点を目的地に設定する方法(以降、第2設定方法と表記する)と、を提供する。これら方法により設定される目的地は、通常時には、メモリカードの標準記憶エリアに格納されるPOIデータに含まれる1地点であり、ユーザデータ処理機能部55により管理される。
【0085】
本実施形態におけるナビゲーション装置1は、目的地として設定可能な地点をレンタカー会社等のユーザにより追加可能としている。レンタカー会社の担当者は、パーソナルコンピュータ等により追加したい地点情報(追加POIデータ)を生成し、メモリカードのカスタマイズ記憶エリアに格納することで、ナビゲーション装置1上でこの追加した地点を目的地として選択可能とさせることができる。追加POIデータは、追加される各地点について、緯度情報及び経度情報のPOIデータと、施設名称、住所、電場番号、ジャンル名等のPOI詳細データとをそれぞれ含むように生成される。追加POIデータは追加された各POIのアイコンデータも含むように生成される。以下、メモリカードの標準記憶エリアに格納されるPOIデータ及びPOI詳細データを標準POIデータとも表記する。一般的には、標準POIデータには、コンビニエンスストアやガソリンスタンド等のような一般ユーザが立ち寄り易い施設や、人気スポット等のような有名な施設や大規模な施設が地点情報として含まれる。よって、ユーザは、新設された施設やスポット、自社営業所等のようなマイナーな施設やスポットは標準POIデータに含まれていないため、これらを目的地として設定したい場合にはそれら地点を追加POIデータに含めればよい。
【0086】
次に、開閉制御処理について説明する。開閉制御処理とは、本実施形態に係るナビゲーション装置1がレンタカー向けにカスタマイズされた機能の一つである。図24は、開閉制御処理を示すフローチャートである。初期処理機能部50は、初期化処理の一部としてカードメモリインターフェース17が正常に動作していることを確認すると、そのカードメモリインターフェース17にメモリカードが挿入されているか否かを確認する(S501)。この確認は、例えば、メモリカード内の標準記憶エリアにアクセス可能か否かで判断される。初期処理機能部50は、メモリカードが挿入されていないと判断すると(S501;NO)、その旨を示すコーション画面を表示する(S503)。
【0087】
初期処理機能部50は、メモリカードが挿入されていると判断すると(S501;YES)、メモリカードのカスタマイズ記憶エリアに操作割り当て操作ボタンに割り当てられている機能を更新する操作割り当て更新データが格納されているか否かを確認する(S502)。初期処理機能部50は、メモリカードに操作割り当て更新データが格納されていると判断すると(S502;YES)、その操作割り当て更新データをメモリカードから読み出し、その旨を操作処理機能部51へ報告する(S504)。一方、初期処理機能部50は、メモリカードに更新オープニング画面データが格納されていないと判断すると(
S502;NO)、予めROMに格納されている既存の操作割り当てデータを取得する(S505)。
【0088】
続いて、操作処理機能部51は、操作割り当てデータに基づいて、開閉ボタン24aに対して本来的に割り当てられていた機能を制限すると共に、新たな機能を割り当てる(506)。ここで、図25は、操作割り当てデータの一例を示す。同図に示すように、本態様では、ソフトボタンにおけるFull OPENボタンの機能が制限され、換言すると、タッチパネル上の画面表示が消去され、機械ボタンとしての開閉ボタン24aの長押しにフルオープンが割り当てられている。これにより、レンタカーの使用者は、開閉操作画面からのフルオープン操作ができないことから、カード挿入口28が隠れた状態となる。その結果、カード挿入口28へ挿入されているメモリカードの盗難を抑制することが可能となる。一方、ナビゲーション装置1のハード構成は、レンタカー用と印消費者向けとで共通化することができる。
【0089】
なお、操作割り当てデータは、あくまで一例にすぎず、操作処理部51による本来的に割り当てられている機能の制限及び新たな機能の割り当ては、ナビゲーション装置1の操作ボタン(機械的ボタン及びタッチパネルに表示されるソフトボタン)を可能な限り組み合わせることができる。例えば、上記態様では、長押しに新たな機能を割り当てたがこれに限定されない。例えば、開閉ボタン24aを所定回数押した場合に、フルオープン可能とする、開閉ボタン24a+現在地ボタン24bを押した場合に、フルオープン可能とするようにしてもよい。また、例えば、タッチパネル上でパスワードを要求するようにしてもよい。
【0090】
ここで、図26Aは、操作割り当て更新データに基づいて更新された開閉操作画面である。また、図26Bは、図26Aの比較例としての、更新前の操作画面を示す。これらの図に示すように、本態様では、ソフトボタンとしてのFull OPENボタンの機能が制限され、換言すると、タッチパネル上の画面表示が消去されている。
【0091】
次に、操作処理機能部51は、更新後の操作割り当てに対応する操作部の制御を実行する(507)。すなわち、操作処理機能部51は、開閉ボタン24aが長押しされた場合に、「フルオープン」状態とする。
【0092】
なお、操作割り当てデータは、レンタカー会社の担当者が、パーソナルコンピュータ上で生成し、この生成されたデータをメモリカードに格納することで、本来的に割り当てられている機能を制限し、又は新たな機能を割り当てることができる。なお、上述した態様では、メモリカードによって更新を行えることとして説明したが、ナビゲーション装置1側で変更できるようにしてもよい。
【0093】
以上により、ナビゲーション装置1のハード構成に変更を加えることなく、ナビゲーション装置に収容される可搬型記録媒体の持ち出しを制限することが可能となる。
【0094】
〔変形例〕
上述の実施形態では、ナビゲーション装置1がレンタカーに搭載される場合を例に挙げたため、マルチ画面(D102)及びナビ全画面(D103)のナビ領域において「返却場所」ボタンが表示される例を示したが、ナビゲーション装置1の搭載される車輌の用途に応じて、この「返却場所」ボタンに替え「自宅」ボタンや「帰社」ボタン等を表示するようにしてもよい。
【0095】
また、上述の実施形態では、ユーザによりカスタマイズ可能なPOIデータとして追加POIデータとしたが、標準POIデータに含まれる地点情報に変更があった場合に対応
するために更新POIデータとしてもよい。この場合、標準POIデータ及び更新POIデータにその地点に存在する施設(スポット)を識別するための施設識別情報(以降、施設IDと表記する)をそれぞれ含める。すなわち、更新POIデータに新たな施設やスポットを追加したい場合にはパーソナルコンピュータ等で新たな施設IDを付与し、標準POIデータに既に含まれる施設の位置や施設名称を変更したい場合には既に標準POIデータで利用されている施設IDを用いて更新POIデータにその地点情報を設定する。
【図面の簡単な説明】
【0096】
【図1】ナビゲーション装置の外観図。
【図2】ナビゲーション装置の構成図。
【図3】ディスプレイの動作を示す図。
【図4】制御部が実現する各種諸機能を示す機能ブロック図。
【図5】ナビゲーション装置の起動時の処理を示すフローチャート。
【図6】オープニング画面が変更される概念を示す図。
【図7】利用規約画面の例を示す図。
【図8】ナビゲーション装置のメイン画面の画面遷移図。
【図9】ナビの画面遷移図。
【図10】AV画面の表示モードを示す図。
【図11】マルチ画面の例を示す図。
【図12】ナビ全画面の例を示す図。
【図13】AV全画面の例を示す図。
【図14】メイン画面の画面遷移を示す概念図。
【図15】「お知らせ」ボタンが付加されたマルチ画面の例を示す図。
【図16】マルチ画面及びAV全画面の表示処理を示すフローチャート。
【図17】お知らせ画面の例を示す図。
【図18】メニュー画面の例を示す図。
【図19】目的地設定画面の例を示す図。
【図20】目的地設定画面の例を示す図。
【図21】周辺施設検索画面の例を示す図。
【図22】周辺施設検索画面の例を示す図。
【図23】交差点拡大画面の例を示す図。
【図24】開閉制御処理を示すフローチャート。
【図25】操作割り当てデータの一例を示す図。
【図26A】操作割り当て更新データに基づいて更新された開閉操作画面。
【図26B】図26Aの比較例としての、更新前の操作画面。
【符号の説明】
【0097】
1・・・ナビゲーション装置
2・・・メインユニット
3・・・ディスプレイユニット
17・・カードメモリインターフェース
20・・制御部
21・・タッチパネル
22・・表示処理部
23・・操作受付部
28・・カード挿入口
50・・初期処理機能部
51・・操作処理機能部
52・・測位機能部
53・・ルート案内機能部
54・・地図データ処理機能部
55・・ユーザデータ処理機能部
56・・音声処理機能部
57・・映像処理機能部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
可搬型記録媒体から読み出される地図情報を用いてナビゲーション画面を表示部に表示するナビゲーション装置であって、
本体部と、
前記本体部の前面に設けられ、前記ナビゲーション装置内に前記可搬型記録媒体を出し入れする媒体挿入部と、
前記本体部の前面を覆うように設けられ、かつ該本体部に対して移動可能な表示部であって、前記媒体挿入部を覆うことで該媒体挿入部をユーザが視認不可とするクローズ状態と、該挿入部をユーザが視認可能とするオープン状態とに移動可能な表示部と、
前記表示部がオープン状態に移動することを制限する制限部と、
前記制限部による制限を解除する制限解除部と、
前記ナビゲーション装置に対する操作を受け付ける操作部と、
を備え、
前記操作部は、本来的に受け付ける操作とは異なる操作を受け付け可能であり、
前記制限解除部は、前記操作部が前記本来的に受け付ける操作とは異なる操作を受け付けると、前記制限部による制限を解除する、ナビゲーション装置。
【請求項2】
前記表示部は、ユーザのタッチ操作を受け付け可能なタッチパネルを有し、
前記操作部は、前記タッチパネルに表示される操作ボタンとは異なる、前記表示部に設けられている機械的なボタンである、請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項3】
前記タッチパネルには、前記表示部を前記オープン状態へ移動させるための操作を受け付けるオープン状態移行受付ボタンが表示可能であり、
前記制限部は、前記タッチパネルに表示可能である前記オープン状態移行受付ボタンの表示を制限することで、前記表示部が前記オープン状態へ移動することを制限する、請求項2に記載のナビゲーション装置。
【請求項4】
前記操作部は、前記本来的に受け付ける操作とは異なる操作として長押し操作を受け付け可能であり、
前記制限解除部は、前記操作部が長押し操作を受け付けると、前記制限部による制限を解除する、請求項1から請求項3の何れか一に記載のナビゲーション装置。
【請求項5】
前記可搬型記録媒体には、既存の地図情報が格納される第一可搬型記録媒体と、該第一可搬型記録媒体とは異なり、前記既存の地図情報とは異なる更新情報が格納される第二可搬型記録媒体と、が含まれ、
前記媒体挿入部には、前記第一可搬型記録媒体を出し入れする第一媒体挿入部と、前記第二可搬型記録媒体を出し入れする第二媒体挿入部と、が含まれ、
前記第一媒体挿入部と前記第二媒体挿入部とは、何れか一方の媒体挿入部のみが前記表示部によって覆われるように、前記本体部の前面の異なる位置に設けられ、
前記オープン状態には、前記第一媒体挿入部と前記第二媒体挿入部とのうち何れか一方の媒体挿入部のみを覆う状態としてのセミオープン状態が含まれる、請求項1から請求項4の何れか一に記載のナビゲーション装置。
【請求項6】
可搬型記録媒体に格納されている所定情報を取得する情報取得部と、
前記所定情報として、前記操作部に割り当てられている本来的に受け付ける操作とは異なる操作を変更するための割当変更情報が含まれている場合、該割当変更情報に基づいて前記異なる操作を変更する変更部を更に備える、請求項1から請求項4の何れか一に記載のナビゲーション装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate

【図24】
image rotate

【図25】
image rotate

【図26A】
image rotate

【図26B】
image rotate


【公開番号】特開2010−85207(P2010−85207A)
【公開日】平成22年4月15日(2010.4.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−253665(P2008−253665)
【出願日】平成20年9月30日(2008.9.30)
【出願人】(000237592)富士通テン株式会社 (3,383)
【Fターム(参考)】