説明

ヒストン脱アセチル化酵素阻害剤としてのN−ヒドロキシ−ナフタレンジカルボキサミド及びN−ヒドロキシ−ビフェニル−ジカルボキサミド化合物

【要約】本発明は、新規なクラスのN−ヒドロキシ−ナフタレンジカルボキサミド及びN−ヒドロキシ−ビフェニル−ジカルボキサミド誘導体に関する。該N−ヒドロキシ−ナフタレンジカルボキサミド及びN−ヒドロキシ−ビフェニル−ジカルボキサミド化合物は、癌を治療するために使用することができる。該N−ヒドロキシ−ナフタレンジカルボキサミド及びN−ヒドロキシ−ビフェニル−ジカルボキサミド化合物はまた、ヒストン脱アセチル化酵素を阻害することができ、かつ、新生細胞の最終分化、及び、細胞増殖停止、及び/又はアポトーシスを選択的に誘導すること、それにより、かかる細胞の増殖を阻害すること、における使用に好適である。したがって、本発明化合物は、新生細胞の増殖により特徴づけられる腫瘍をもつ患者の治療において有用である。本発明化合物はまた、自己免疫疾患、アレルギー性疾患、及び炎症性疾患のような、TRX介在性疾患の予防及び治療においても、また、神経変性疾患のような、中枢神経系(CNS)の疾患の予防及び/又は治療においても有用であってよい。本発明はさらに、N−ヒドロキシ−ナフタレンジカルボキサミド及びN−ヒドロキシ−ビフェニル−ジカルボキサミド誘導体を含んでなる医薬組成物、及び、追従しやすく、かつ、治療有効量のN−ヒドロキシ−ナフタレンジカルボキサミド及びN−ヒドロキシ−ビフェニル−ジカルボキサミド誘導体をインビボで生ぜしめる、これらの医薬組成物の安全な用法用量を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規なクラスのN−ヒドロキシ−ナフタレンジカルボキサミド及びN−ヒドロキシ−ビフェニル−ジカルボキサミド化合物に関する。該N−ヒドロキシ−ナフタレンジカルボキサミド及びN−ヒドロキシ−ビフェニル−ジカルボキサミド化合物は、癌を治療するために使用することができる。該N−ヒドロキシ−ナフタレンジカルボキサミド及びN−ヒドロキシ−ビフェニル−ジカルボキサミド化合物はまた、ヒストン脱アセチル化酵素を阻害することができ、かつ、新生細胞の最終分化、及び、細胞増殖停止、及び/又はアポトーシスを選択的に誘導すること、それにより、かかる細胞の増殖を阻害すること、における使用に好適である。したがって、本発明化合物は、新生細胞の増殖により特徴づけられる腫瘍をもつ患者の治療において有用である。本発明化合物はまた、自己免疫疾患、アレルギー性疾患、及び炎症性疾患のような、TRX介在性疾患の予防及び治療においても、また、神経変性疾患のような、中枢神経系(CNS)の疾患の予防及び/又は治療においても有用であり得る。
【背景技術】
【0002】
ヒドロキサム酸基を有する化合物は、有用な生物活性をもつことが示されてきた。例えば、ヒドロキサム酸基を有する多くのペプチジル化合物は、亜鉛エンドペプチダーゼの1つのファミリーであるマトリックスメタロプロテアーゼ(MMP)を阻害することが知られている。MMPは、生理的組織破壊及び病的組織破壊の双方において、重要な役割を果たす。それ故、MMP作用の阻害能をもつペプチジル化合物は、組織破壊及び炎症を含む症状の、治療又は予防に有用性を示す。さらに、ヒドロキサム酸基を有する化合物は、少なくとも一部はヒドロキサム酸基の亜鉛結合特性に基づき、ヒストン脱アセチル化酵素(HDAC)を阻害することが示されてきた。
【0003】
HDACの阻害は、腫瘍抑制に関連した遺伝子の発現を含め、遺伝子発現を抑制することができる。ヒストン脱アセチル化酵素の阻害は、腫瘍抑制遺伝子の、ヒストン脱アセチル化酵素介在性の転写抑制をもたらし得る。例えば、ヒストン脱アセチル化酵素の阻害は、癌、血液学的疾患、例えば血球新生、及び、遺伝関連性の代謝障害を治療するための方法を提供し得る。さらに具体的には、転写調節は、細胞分化、増殖、及びアポトーシスにおける主要事象である。ヒストンアセチル化及び脱アセチル化が、それによって転写調節が細胞において達成されるメカニズムであることには、いくつかの系統の証拠がある(グルンステイン(Grunstein,M)著、「ネイチャー(Nature)」、1997年、第389巻、p.349−52)。こうした効果は、ヌクレオソーム中のコイルしたDNAに対するヒストンタンパク質の親和性を変えることにより、クロマチンの構造変化を通して起こると考えられている。同定されてきたヒストンには5つのタイプがある。ヒストンH2A、H2B、H3、及びH4は、ヌクレオソーム内で検出され、H1は、ヌクレオソーム間に局在するリンカーである。各ヌクレオソームは、ヌクレオソーム構造の外部に単独で存在するH1を除き、そのコア内に、各ヒストン型を2つずつ含有している。ヒストンタンパク質が低アセチル化されているとき、DNAリン酸骨格に対するヒストンの親和性はより大きいと考えられている。この親和性が、DNAをヒストンへ強く結合されるようにし、DNAが転写調節エレメント及びその装置部分にアクセスできないようにする。
【0004】
アセチル化状態の調節は、2つの酵素複合体、ヒストンアセチル基転移酵素(HAT)とヒストン脱アセチル化酵素(HDAC)との間の、活性のバランスを通して起こる。
【0005】
低アセチル化状態は、結合したDNAの転写を阻害すると考えられている。この低アセチル化状態は、HDAC酵素を含む大きい多タンパク質複合体により触媒される。特に、HDACは、クロマチンコアヒストンからのアセチル基の除去を触媒することが示されてきた。
【0006】
HAT又はHDAC活性の破壊が、悪性の表現型の発生と関係づけられることが、いくつかの実例で示されてきた。例えば、急性の前骨髄性白血病においては、PML及びRARアルファの融合により産生される腫瘍タンパク質が、HDACの動員を通して、特定の遺伝子の転写を抑制すると考えられている(リン(Lin,R.J.)ら著、「Nature」、1998年、第391巻、p.811−14)。この様式では、新生細胞は分化を完了することができず、白血病細胞系の過剰増殖をもたらす。
【0007】
HDAC6は、細胞質に局在するユニークなHDACであり、そこで、HSP90及びα−チューブリンなどの非ヒストン基質と結合する。それは、2つの触媒ドメイン及びBUZドメインと名づけられたユビキチン結合ドメインを有する。HDAC6の過剰発現は、α−チューブリンの脱アセチル化につながり、細胞運動性を高める。HDAC6は、モノユビキチン化及びポリユビキチン化タンパク質の両方と結合するだけでなく、その自身のモノユビキチン化を促進することもできる。siRNAによるHDAC6活性の特異的阻害又はそのダウンレギュレーションは、α−チューブリン及びHSP90アセチル化を増加させ、これが、細胞運動性を低下させ、HSP90クライアントタンパク質分解、細胞増殖阻害、及び細胞死を誘導する。アセチル化HSP90は、クライアントタンパク質と安定な複合体を形成できず、機能的HSP90を再生するには、HDAC6による、その脱アセチル化が必要である。HSP90アセチル化は、機能の喪失と関連しており、そのクライアントタンパク質、例えば、生存促進性及び増殖促進性タンパク質(pro−survival and pro−proliferation proteins)Akt、Bcr−Ab1、c−Raf、及びErbB2は、ポリユビキチン化され、プロテオソームによって分解され得る。特異的HDACi又は全HDACi(specific or pan−HDACi)のいずれかによるHDAC6の阻害は、種々の機序の細胞死を引き起こし得る。HDAC6はまた、p21のアップレギュレーションに関与している可能性がある。Runx2(Cbfa1、AML−3)は、HDAC6と結合し、それをp21プロモーターに補充し、その発現を抑制できる、転写因子である。HDAC6活性の阻害は、p21の誘導、そして、その結果として、細胞周期停止をもたらし得る(Xuら、Oncogene26、5541〜5552頁(2007年))。
【0008】
米国特許第5,369,108、5,932,616、5,700,811、6,087,367、及び6,511,990号は、新生細胞の最終分化、細胞増殖停止、又はアポトーシスを、選択的に誘導するために有用な、ヒドロキサム酸誘導体を開示している。抗腫瘍剤としてのその生物活性に加えて、これらのヒドロキサム酸誘導体は、最近、広く多様なチオレドキシン(TRX)介在性の疾患及び症状、例えば炎症性疾患、アレルギー疾患、自己免疫疾患、酸化的ストレス関連疾患、又は細胞の過剰増殖によって特徴づけられる疾患を、治療又は予防するために有用であることが確認されてきた(米国出願2003/0235588)。さらに、これらのヒドロキサム酸誘導体は、中枢神経系(CNS)の疾患、例えば神経変性疾患を治療するため、及び脳癌を治療するために有用であると確認されてきた(米国出願2004/0087657参照)。
【0009】
上記に参照された米国特許に開示された、ヒドロキサム酸含有化合物、スベロイルアニリドヒドロキサム酸(SAHA)によるHDACの阻害は、X線結晶学研究により証明されたように、酵素の触媒部位との直接的な相互作用を介して起こると考えられている(フィニン(Finnin,M.S.)ら著、「Nature」、1999年、第401巻、p.188−193)。HDAC阻害の結果は、ゲノムに対し総体的な効果をもつのではなく、むしろゲノムの小さいサブセットのみに影響を及ぼすと考えられている。(ファン・リント(Van Lint,C.)ら著、「ジーン・エクスプレッション(Gene Expression)」、1996年、第5巻、p.245−53)。HDAC阻害剤と共に培養された悪性細胞系を用いたDNAマイクロアレイにより提供された証拠は、その生成物が改変されている限られた数(1〜2%)の遺伝子があることを示している。例えば、培養中にHDAC阻害剤で処理された細胞は、サイクリン依存キナーゼ阻害剤p21の一貫した誘導を示す(アーチャ(Archer,S.)、シューフェン(Shufen,M.)、シェイ(Shei,A.)、ホディン(Hodin,R.)著、「プロシーディングズ・オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンシズ(PNAS)」、1998年、第95巻、p.6791−96)。このタンパク質は、細胞周期停止において重要な役割を果たしている。HDAC阻害剤は、p21遺伝子の領域において、ヒストンの高アセチル化状態を増やし、それにより該遺伝子を転写装置へアクセスできるようにすることで、p21の転写速度を増大すると考えられている。その発現がHDAC阻害剤に影響されない遺伝子は、局部的に結合したヒストンのアセチル化に変化を示すことはない(ドレッセル(Dressel,U)ら著、「アンチキャンサー・リサーチ(Anticancer Research)」、2000年、第20巻、第2A号、p.1017−22」。
【0010】
さらに、SAHAのようなヒドロキサム酸誘導体は、腫瘍細胞の増殖停止、分化及び/又はアポトーシスの誘導能を有する(リコン(Richon)ら著、「プロシーディングズ・オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンシズ(Proc.Natl.Acad.Sci.USA)」、1996年、第93巻、p.5705−5708)。これらの化合物は、動物での腫瘍増殖阻害に有効な用量では、毒性をもつとは考えられないことから、新生細胞が悪性化していく能力に固有のメカニズムに向けて、標的化されている(コーエン(Cohen L.A.)ら著、「Anticancer Research」、1999年、第19巻、p.4999−5006)。
【0011】
ヒドロキサム酸基を含有する化合物に関する広く多様な適用を考慮して、改善した特性、例えば増大した効力、又は増大したバイオアベイラビリティを有する、新規な阻害剤の開発が非常に望まれている。
【発明の概要】
【0012】
発明の要旨
本発明は、新規なクラスのN−ヒドロキシ−ナフタレンジカルボキサミド及びN−ヒドロキシ−ビフェニル−ジカルボキサミド誘導体に関する。該N−ヒドロキシ−ナフタレンジカルボキサミド及びN−ヒドロキシ−ビフェニル−ジカルボキサミド化合物は、癌を治療するために使用することができる。該N−ヒドロキシ−ナフタレンジカルボキサミド及びN−ヒドロキシ−ビフェニル−ジカルボキサミド化合物はまた、ヒストン脱アセチル化酵素を阻害することができ、かつ、新生細胞の最終分化、及び、細胞増殖停止、及び/又はアポトーシスを選択的に誘導すること、それにより、かかる細胞の増殖を阻害すること、における使用に好適である。したがって、本発明化合物は、新生細胞の増殖により特徴づけられる腫瘍をもつ患者の治療において有用である。本発明化合物はまた、自己免疫疾患、アレルギー性疾患、及び炎症性疾患のような、TRX介在性疾患の予防及び治療においても、また、神経変性疾患のような、中枢神経系(CNS)の疾患の予防及び/又は治療においても有用であってよい。本発明はさらに、N−ヒドロキシ−ナフタレンジカルボキサミド及びN−ヒドロキシ−ビフェニル−ジカルボキサミド誘導体を含んでなる医薬組成物、及び、追従しやすく、かつ、治療有効量のN−ヒドロキシ−ナフタレンジカルボキサミド及びN−ヒドロキシ−ビフェニル−ジカルボキサミド誘導体をインビボで生ぜしめる、これらの医薬組成物の安全な投薬レジメンを提供する。
【0013】
意外なことに、あるN−ヒドロキシ−ナフタレンジカルボキサミド及びN−ヒドロキシ−ビフェニル−ジカルボキサミド誘導体が、ヒストン脱アセチル化酵素(HDAC)阻害剤として改善した活性示すことが発見されてきた。特に、本発明の化合物は、HDAC6の阻害について改善した活性を示す。
【0014】
したがって本発明は、式Iにより表わされる化合物及び、本明細書に詳述したその薬学的に許容される塩、溶媒和物、及び水和物に関する。
【0015】
【化1】

【0016】
発明の詳細な記載
本発明は、新規なクラスのN−ヒドロキシ−ナフタレンジカルボキサミド及びN−ヒドロキシ−ビフェニル−ジカルボキサミド誘導体に関する。1つの実施態様においては、該N−ヒドロキシ−ナフタレンジカルボキサミド及びN−ヒドロキシ−ビフェニル−ジカルボキサミド誘導体は、ヒストン脱アセチル化酵素を阻害することができ、かつ、新生細胞の最終分化、及び、細胞増殖の停止、及び/又はアポトーシスを選択的に誘導し、それにより、かかる細胞の増殖を阻害すること、における使用に好適である。したがって、本発明化合物は、患者における癌の治療において有用である。本発明化合物はまた、自己免疫疾患、アレルギー性疾患、及び炎症性疾患のような、TRX介在性疾患の予防及び治療においても、また、神経変性疾患のような、中枢神経系(CNS)の疾患の予防及び/又は治療においても有用であってよい。
【0017】
化合物
本発明は、以下の構造式:
【0018】
【化2】

【0019】
[式中、
【0020】
【化3】

【0021】
は、ORであり;
Rは、
1)C−Cアルキル、
2)−(CRアリール、
3)−(CRヘテロアリール、
4)−(CRヘテロシクリル、又は
5)−(CRシクロアルキル
から選択され、ここで、アルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、又はシクロアルキルは、Rからの1ないし3個の置換基で置換されていてもよく;
R’は、
1)H、又は
2)非置換若しくは置換C−Cアルキル
から選択され;
は、
1)H、又は
2)C−Cアルキル
から選択され;
【0022】
は、独立して、
1)H、
2)ハロ、
3)ハロアルキル、
4)ハロアルコキシ、
5)非置換又は置換C−Cアルキル、
6)非置換又は置換アリール、
7)非置換又は置換アラルキル、
8)OH、
9)アルコキシ、
10)非置換又は置換へテロアリール、又は
11)非置換又は置換ヘテロシクリル
から選択され;
pは、0、1、2、又は3である]
によって表される化合物、又はその立体異性体若しくは薬学的に許容される塩を提供する。
【0023】
上記実施態様の1つの実施態様では、
【0024】
【化4】

【0025】
R’は、
1)H、又は
2)C−Cアルキル
から選択され;
は、Hであり;
は、独立して、
1)H、
2)ハロ、
3)ハロアルキル、
4)ハロアルコキシ、
5)非置換C−Cアルキル、
6)非置換アリール、
7)非置換アラルキル、
8)OH、
9)アルコキシ、又は
10)非置換へテロアリール
から選択される。
【0026】
前述の実施態様の1つの実施態様では、
Rは、
1)−(CRへテロアリール、
2)−(CRへテロシクリル、又は
3)−(CRシクロアルキル
から選択され、ここで、シクロアルキル、ヘテロアリール、又はヘテロシクリルは、Rからの1ないし3個の置換基で置換されていてもよい。
【0027】
前述の実施態様の別の実施態様では、
Rは、−(CRシクロアルキルであり、ここで、シクロアルキルは、Rからの1ないし3個の置換基で置換されていてもよい。
【0028】
式Iの1つの実施態様では、
【0029】
【化5】

【0030】
R’は、
1)H、又は
2)C−Cアルキル
から選択され;
【0031】
は、Hであり;
【0032】
は、独立して、
1)H、
2)ハロ、
3)ハロアルキル、
4)ハロアルコキシ、
5)非置換C−Cアルキル、
6)非置換アリール、
7)非置換アラルキル、
8)OH、
9)アルコキシ、又は
10)非置換へテロアリール
から選択される。
【0033】
上記の実施態様の別の実施態様では、Rは、
1)C−Cアルキル、
2)−(CRへテロシクリル、又は
3)−(CRシクロアルキル
から選択され、ここで、アルキル、シクロアルキル、又はヘテロシクリルは、Rからの1ないし3個の置換基で置換されていてもよい。
【0034】
本発明はまた、式:
【0035】
【化6】

【0036】
[式中、
【0037】
【化7】

【0038】
は、ORであり;
Rは、
1)−(CRへテロアリール、
2)−(CRへテロシクリル、又は
3)−(CRへテロアルキル
から選択され、ここで、シクロアルキル、ヘテロアリール、又はヘテロシクリルは、Rからの1ないし3個の置換基で置換されていてもよく;
【0039】
R’は、
1)H、又は
2)非置換若しくは置換C−Cアルキル
から選択され;
は、
1)H、又は
2)C−Cアルキル
から選択され;
は、独立して、
1)H、
2)ハロ、
3)ハロアルキル、
4)ハロアルコキシ、
5)非置換又は置換C−Cアルキル、
6)非置換又は置換アリール、
7)非置換又は置換アラルキル、
8)OH、
9)アルコキシ、
10)非置換又は置換へテロアリール、又は
11)非置換又は置換ヘテロシクリル
から選択され;
pは、0、1、2又は3である]
によって表される化合物、又はその立体異性体若しくは薬学的に許容される塩を提供する。
【0040】
上記式のN−ヒドロキシ−ナフタレンジカルボキサミド及びN−ヒドロキシ−ビフェニル−ジカルボキサミド誘導体の非限定的例を表す特定の実施態様は、本明細書において以下の実験の項において提供される。
【0041】
本発明の化合物の特定の例として、
N−[2−(4−ブロモフェニル)エチル]−N’−ヒドロキシビフェニル−3,3’−ジカルボキサミド、
N−[2−(4−クロロフェニル)エチル]−N’−ヒドロキシ−3,3’−ビフェニルジカルボキサミド、
N−ヒドロキシ−N’−{2−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}−3,3’−ビフェニルジカルボキサミド、
N−[2−(3−クロロフェニル)エチル]−N’−ヒドロキシ−3,3’−ビフェニルジカルボキサミド、
N−[2−(3,4−ジクロロフェニル)エチル]−N’−ヒドロキシ−3,3’−ビフェニルジカルボキサミド、
N−[2−(3,5−ジメトキシフェニル)エチル]−N’−ヒドロキシ−3,3’−ビフェニルジカルボキサミド、
N−[2−(3−ブロモ−4−メトキシフェニル)エチル]−N’−ヒドロキシ−3,3’−ビフェニルジカルボキサミド、
N−[2−(3−クロロ−4−メトキシフェニル)エチル]−N’−ヒドロキシ−3,3’−ビフェニルジカルボキサミド、
N−[2−(3−ブロモフェニル)エチル]−N’−ヒドロキシ−3,3’−ビフェニルジカルボキサミド、
N−(2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシン−6−イル)−N’−ヒドロキシビフェニル−3,3’−ジカルボキサミド、
N−(3−フルオロフェニル)−N’−ヒドロキシ−3,3’−ビフェニルジカルボキサミド、
N−(3−クロロフェニル)−N’−ヒドロキシ−3,3’−ビフェニルジカルボキサミド、
N−(3−メトキシフェニル)−N’−ヒドロキシ−3,3’−ビフェニルジカルボキサミド、
N−(3−トリフルオロメチルフェニル)−N’−ヒドロキシ−3,3’−ビフェニルジカルボキサミド、
N−(4−フルオロフェニル)−N’−ヒドロキシ−3,3’−ビフェニルジカルボキサミド、
N−(4−クロロフェニル)−N’−ヒドロキシ−3,3’−ビフェニルジカルボキサミド、
N−ヒドロキシ−N’−イソブチル−3,3’−ビフェニルジカルボキサミド、
N−ヒドロキシ−N’−2−メチルブチル−3,3’−ビフェニルジカルボキサミド、
N−[3−フルオロ−5−(トリフルオロメチル)フェニル]−N’−ヒドロキシ−3,3’−ビフェニルジカルボキサミド、
N−ベンジル−N’−ヒドロキシ−3,3’−ビフェニルジカルボキサミド、
N−(3−フルオロベンジル)−N’−ヒドロキシ−3,3’−ビフェニルジカルボキサミド、
N−ヒドロキシ−N’−(3−メトキシベンジル)−3,3’−ビフェニルジカルボキサミド、
N−(3,5−ジメトキシベンジル)−N’−ヒドロキシ−3,3’−ビフェニルジカルボキサミド、
N−ヒドロキシ−N’−[3−(トリフルオロメチル)ベンジル]−3,3’−ビフェニルジカルボキサミド、
N−(3−クロロベンジル)−N’−ヒドロキシ−3,3’−ビフェニルジカルボキサミド、
N−(3,4−ジフルオロベンジル)−N’−ヒドロキシ−3,3’−ビフェニルジカルボキサミド、
N−(3,5−ジメチルベンジル)−N’−ヒドロキシ−3,3’−ビフェニルジカルボキサミド、
N−(4−ブロモベンジル)−N’−ヒドロキシ−3,3’−ビフェニルジカルボキサミド、
N−[3−フルオロ−5−(トリフルオロメチル)ベンジル]−N’−ヒドロキシ−3,3’−ビフェニルジカルボキサミド、
N−(3,5−ジフルオロベンジル)−N’−ヒドロキシ−3,3’−ビフェニルジカルボキサミド、
N−ヒドロキシ−N’−[2−(4−メトキシフェニル)エチル]−3,3’−ビフェニルジカルボキサミド、
N−(2−フルオロフェニル)−N’−ヒドロキシビフェニル−3,3’−ジカルボキサミド、
N’−ヒドロキシ−N,N−ジメチルビフェニル−3,3’−ジカルボキサミド、
N−ヒドロキシ−N’−メチルビフェニル−3,3’−ジカルボキサミド、
N−シクロヘキシル−N’−ヒドロキシビフェニル−3,3’−ジカルボキサミド、
’−ヒドロキシ−N−{2−[3−(メチルオキシ)フェニル]エチル}ビフェニル−3,4’−ジカルボキサミド、
−[2−(4−クロロフェニル)エチル]−N’−ヒドロキシビフェニル−3,4’−ジカルボキサミド、
’−ヒドロキシ−N−{2−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}ビフェニル−3,4’−ジカルボキサミド、
−[2−(3−クロロフェニル)エチル]−N’−ヒドロキシビフェニル−3,4’−ジカルボキサミド、
−[2−(3−フルオロフェニル)エチル]−N’−ヒドロキシビフェニル−3,4’−ジカルボキサミド、
−[2−(4−フルオロフェニル)エチル]−N’−ヒドロキシビフェニル−3,4’−ジカルボキサミド、
−シクロヘキシル−N’−ヒドロキシビフェニル−3,4’−ジカルボキサミド、
−(3−フルオロフェニル)−N’−ヒドロキシビフェニル−3,4’−ジカルボキサミド、
−(3−クロロフェニル)−N’−ヒドロキシビフェニル−3,4’−ジカルボキサミド、
’−ヒドロキシ−N−(3−メトキシフェニル)ビフェニル−3,4’−ジカルボキサミド、
’−ヒドロキシ−N−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]ビフェニル−3,4’−ジカルボキサミド、
−(4−フルオロフェニル)−N’−ヒドロキシビフェニル−3,4’−ジカルボキサミド、
’−ヒドロキシ−N−イソブチルビフェニル−3,4’−ジカルボキサミド、
−(3−フルオロベンジル)−N’−ヒドロキシビフェニル−3,4’−ジカルボキサミド、
’−ヒドロキシ−N−(3−メトキシベンジル)ビフェニル−3,4’−ジカルボキサミド、
’−ヒドロキシ−N−[3−(トリフルオロメチル)ベンジル]ビフェニル−3,4’−ジカルボキサミド、
−(4−ブロモベンジル)−N’−ヒドロキシビフェニル−3,4’−ジカルボキサミド、
−(3−クロロベンジル)−N’−ヒドロキシビフェニル−3,4’−ジカルボキサミド、
’−ヒドロキシ−N−(4−メトキシベンジル)ビフェニル−3,4’−ジカルボキサミド、
−[(1R)−1−(4−クロロフェニル)エチル]−N’−ヒドロキシビフェニル−3,4’−ジカルボキサミド、
’−ヒドロキシ−N−[(2−フェニル−1,3−チアゾール−4−イル)メチル]ビフェニル−3,4’−ジカルボキサミド、
−[(4−ベンジルモルホリン−2−イル)メチル]−N’−ヒドロキシビフェニル−3,4’−ジカルボキサミド、
−(3−フリルメチル)−N’−ヒドロキシビフェニル−3,4’−ジカルボキサミド、
’−ヒドロキシ−N−ピリジン−3−イルビフェニル−3,4’−ジカルボキサミド、
−シクロペンチル−N’−ヒドロキシビフェニル−3,4’−ジカルボキサミド、
’−ヒドロキシ−N−(4−メチルシクロヘキシル)ビフェニル−3,4’−ジカルボキサミド、
’−ヒドロキシ−N−(テトラヒドロフラン−2−イルメチル)ビフェニル−3,4’−ジカルボキサミド、
−[(1−エチルピロリジン−2−イル)メチル]−N’−ヒドロキシビフェニル−3,4’−ジカルボキサミド、
’−ヒドロキシ−N−[2−(1H−イミダゾール−4−イル)エチル]ビフェニル−3,4’−ジカルボキサミド、
−(tert−ブチル)−N’−ヒドロキシビフェニル−3,4’−ジカルボキサミド、
−(4−フルオロベンジル)−N’−ヒドロキシビフェニル−3,4’−ジカルボキサミド、
’−ヒドロキシ−N−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]ビフェニル−3,4’−ジカルボキサミド、
’−ヒドロキシ−N−[2−(1−メチルピロリジン−2−イル)エチル]ビフェニル−3,4’−ジカルボキサミド、
’−ヒドロキシ−N−(4−メトキシフェニル)ビフェニル−3,4’−ジカルボキサミド、
−(2−クロロフェニル)−N’−ヒドロキシビフェニル−3,4’−ジカルボキサミド、
’−ヒドロキシ−N−(ピリジン−3−イルメチル)ビフェニル−3,4’−ジカルボキサミド、
N−[2−(4−クロロフェニル)エチル]−N’−ヒドロキシビフェニル−4,4’−ジカルボキサミド、
N−ヒドロキシ−N’−[2−(4−メトキシフェニル)エチル]ビフェニル−4,4’−ジカルボキサミド、
N−[2−(3−フルオロフェニル)エチル]−N’−ヒドロキシビフェニル−4,4’−ジカルボキサミド、
N−[2−(4−フルオロフェニル)エチル]−N’−ヒドロキシビフェニル−4,4’−ジカルボキサミド、
N−シクロヘキシル−N’−ヒドロキシビフェニル−4,4’−ジカルボキサミド、
N−(3−クロロフェニル)−N’−ヒドロキシビフェニル−4,4’−ジカルボキサミド、
N−ヒドロキシ−N’−(3−メトキシフェニル)ビフェニル−4,4’−ジカルボキサミド、
N−ヒドロキシ−N’−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]ビフェニル−4,4’−ジカルボキサミド、
N−ヒドロキシ−N’−イソブチルビフェニル−4,4’−ジカルボキサミド、
N−ベンジル−N’−ヒドロキシビフェニル−4,4’−ジカルボキサミド、
N−(3−フルオロベンジル)−N’−ヒドロキシビフェニル−4,4’−ジカルボキサミド、
N−(3−クロロベンジル)−N’−ヒドロキシビフェニル−4,4’−ジカルボキサミド、
N−ヒドロキシ−N’−(4−メトキシベンジル)ビフェニル−4,4’−ジカルボキサミド、
N−[(1R)−1−(4−クロロフェニル)エチル]−N’−ヒドロキシビフェニル−4,4’−ジカルボキサミド、
N−ヒドロキシ−N’−[(2−フェニル−1,3−チアゾール−4−イル)メチル]ビフェニル−4,4’−ジカルボキサミド、
N−[(4−ベンジルモルホリン−2−イル)メチル]−N’−ヒドロキシビフェニル−4,4’−ジカルボキサミド、
N−(3−フリルメチル)−N’−ヒドロキシビフェニル−4,4’−ジカルボキサミド、
N−ヒドロキシ−N’−ピリジン−3−イルビフェニル−4,4’−ジカルボキサミド、
N−ヒドロキシ−N’−フェニルビフェニル−4,4’−ジカルボキサミド、
N−[(1−エチルピロリジン−2−イル)メチル]−N’−ヒドロキシビフェニル−4,4’−ジカルボキサミド、
N−(tert−ブチル)−N’−ヒドロキシビフェニル−4,4’−ジカルボキサミド、
N−(2−クロロベンジル)−N’−ヒドロキシビフェニル−4,4’−ジカルボキサミド、
N−ヒドロキシ−N’−[2−(1−メチルピロリジン−2−イル)エチル]ビフェニル−4,4’−ジカルボキサミド、
N−ヒドロキシ−N’−(3−モルホリン−4−イルプロピル)ビフェニル−4,4’−ジカルボキサミド、
N−ヒドロキシ−N’−(ピリジン−3−イルメチル)ビフェニル−4,4’−ジカルボキサミド、
N−[2−(4−ブロモフェニル)エチル]−N’−ヒドロキシナフタレン−2,6−ジカルボキサミド、
N−[(4−クロロフェニル)メチル]−N’−ヒドロキシナフタレン−2,6−ジカルボキサミド、
N−(シクロプロピルメチル)−N’−ヒドロキシナフタレン−2,6−ジカルボキサミド、
N−(2−クロロフェニル)−N’−ヒドロキシナフタレン−2,6−ジカルボキサミド、
N−ヒドロキシ−N’−メチルナフタレン−2,6−ジカルボキサミド、
N−(2−フルオロフェニル)−N’−ヒドロキシナフタレン−2,6−ジカルボキサミド、
N−ヒドロキシ−N’−(1−メチルエチル)ナフタレン−2,6−ジカルボキサミド、
N−[2−(4−クロロフェニル)エチル]−N’−ヒドロキシナフタレン−2,6−ジカルボキサミド、
N−[2−(4−メトキシフェニル)エチル]−N’−ヒドロキシナフタレン−2,6−ジカルボキサミド、
N−ヒドロキシ−N’−{2−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}ナフタレン−2,6−ジカルボキサミド、
N−[2−(3−クロロフェニル)エチル]−N’−ヒドロキシナフタレン−2,6−ジカルボキサミド、
N−[2−(3,4−ジクロロフェニル)エチル]−N’−ヒドロキシナフタレン−2,6−ジカルボキサミド、
N−[2−(3,5−ジメトキシフェニル)エチル]−N’−ヒドロキシナフタレン−2,6−ジカルボキサミド、
N−[2−(3−フルオロフェニル)エチル]−N’−ヒドロキシナフタレン−2,6−ジカルボキサミド、
N−[2−(4−フルオロフェニル)エチル]−N’−ヒドロキシナフタレン−2,6−ジカルボキサミド、
N−[2−(3−ブロモ−4−メトキシフェニル)エチル]−N’−ヒドロキシナフタレン−2,6−ジカルボキサミド、
N−[2−(3−クロロ−4−メトキシフェニル)エチル]−N’−ヒドロキシナフタレン−2,6−ジカルボキサミド、
N−[2−(3−ブロモフェニル)エチル]−N’−ヒドロキシナフタレン−2,6−ジカルボキサミド、
N−シクロヘキシル−N’−ヒドロキシナフタレン−2,6−ジカルボキサミド、
N−(2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシン−6−イル)−N’−ヒドロキシ−2,6−ナフタレンジカルボキサミド、
N−(3−フルオロフェニル)−N’−ヒドロキシ−2,6−ナフタレンジカルボキサミド、
N−(3−クロロフェニル)−N’−ヒドロキシ−2,6−ナフタレンジカルボキサミド、
N−ヒドロキシ−N’−[3−(メチルオキシ)フェニル]−2,6−ナフタレンジカルボキサミド、
N−ヒドロキシ−N’−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−2,6−ナフタレンジカルボキサミド、
N−(4−フルオロフェニル)−N’−ヒドロキシ−2,6−ナフタレンジカルボキサミド、
N−(4−クロロフェニル)−N’−ヒドロキシ−2,6−ナフタレンジカルボキサミド、
N−ヒドロキシ−N’−(2−メチルプロピル)−2,6−ナフタレンジカルボキサミド、
N−ヒドロキシ−N’−(2−メチルブチル)−2,6−ナフタレンジカルボキサミド、
N−[3−フルオロ−5−(トリフルオロメチル)フェニル]−N’−ヒドロキシ−2,6−ナフタレンジカルボキサミド、
N−ヒドロキシ−N’−(フェニルメチル)−2,6−ナフタレンジカルボキサミド、
N−[(3−フルオロフェニル)メチル]−N’−ヒドロキシ−2,6−ナフタレンジカルボキサミド、
N−ヒドロキシ−N’−{[3−(メチルオキシ)フェニル]メチル}−2,6−ナフタレンジカルボキサミド、
N−{[3,5−ビス(メチルオキシ)フェニル]メチル}−N’−ヒドロキシ−2,6−ナフタレンジカルボキサミド、
N−ヒドロキシ−N’−{[3−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}−2,6−ナフタレンジカルボキサミド、
N−[(3,4−ジフルオロフェニル)メチル]−N’−ヒドロキシ−2,6−ナフタレンジカルボキサミド、
N−[(3,5−ジメチルフェニル)メチル]−N’−ヒドロキシ−2,6−ナフタレンジカルボキサミド、
N−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)メチル]−N’−ヒドロキシ−2,6−ナフタレンジカルボキサミド、
N−[(4−ブロモフェニル)メチル]−N’−ヒドロキシ−2,6−ナフタレンジカルボキサミド、
N−{[3−フルオロ−5−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}−N’−ヒドロキシ−2,6−ナフタレンジカルボキサミド、
N−[(3,5−ジフルオロフェニル)メチル]−N’−ヒドロキシ−2,6−ナフタレンジカルボキサミド、
N−(2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−イルメチル)−N’−ヒドロキシ−2,6−ナフタレンジカルボキサミド、
N−ヒドロキシ−N’−[(3−メチルフェニル)メチル]−2,6−ナフタレンジカルボキサミド、
N−[(3−クロロフェニル)メチル]−N’−ヒドロキシ−2,6−ナフタレンジカルボキサミド、
N−[(3−ヨードフェニル)メチル]−N’−ヒドロキシ−2,6−ナフタレンジカルボキサミド、
N−({3−[(ジフルオロメチル)オキシ]フェニル}メチル)−N’−ヒドロキシ−2,6−ナフタレンジカルボキサミド、
N−(3−ビフェニルイルメチル)−N’−ヒドロキシ−2,6−ナフタレンジカルボキサミド、
N−[(3−ブロモフェニル)メチル]−N’−ヒドロキシ−2,6−ナフタレンジカルボキサミド、
N−ヒドロキシ−N’−{[3−(1H−ピロール−1−イル)フェニル]メチル}−2,6−ナフタレンジカルボキサミド、
N−ヒドロキシ−N’−({3−[(1−メチルエチル)オキシ]フェニル}メチル)−2,6−ナフタレンジカルボキサミド、
N−ヒドロキシ−N’−{[5−メチル−2−(トリフルオロメチル)−3−フリル]メチル}ナフタレン−2,6−ジカルボキサミド、
N−ヒドロキシ−N’−[(1R)−1−(3−メトキシフェニル)エチル]ナフタレン−2,6−ジカルボキサミド、
N−[1−(4−クロロフェニル)エチル]−N’−ヒドロキシナフタレン−2,6−ジカルボキサミド、
N−ヒドロキシ−N’−[(4−メチル−2−フェニル−1,3−チアゾール−5−イル)メチル]ナフタレン−2,6−ジカルボキサミド、
N−ヒドロキシ−N’−{1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}ナフタレン−2,6−ジカルボキサミド、
N−[1−(4−ブロモフェニル)エチル]−N’−ヒドロキシナフタレン−2,6−ジカルボキサミド、
N−[1−(4−フルオロフェニル)エチル]−N’−ヒドロキシナフタレン−2,6−ジカルボキサミド、
N−ヒドロキシ−N’−(1−フェニルエチル)ナフタレン−2,6−ジカルボキサミド、
N−ヒドロキシ−N’−[(1S)−1−(3−メトキシフェニル)エチル]ナフタレン−2,6−ジカルボキサミド、
N−[(2−ベンジル−1,3−チアゾール−4−イル)メチル]−N’−ヒドロキシナフタレン−2,6−ジカルボキサミド、
N−ヒドロキシ−N’−[(2−メチルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−イル)メチル]ナフタレン−2,6−ジカルボキサミド、
N−ヒドロキシ−N’−[(5−メチルイソオキサゾール−3−イル)メチル]ナフタレン−2,6−ジカルボキサミド、
N−(1,4,5,6,7,8−ヘキサヒドロシクロヘプタ[c]ピラゾール−3−イルメチル)−N’−ヒドロキシナフタレン−2,6−ジカルボキサミド、
N−ヒドロキシ−N’−(イミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−イルメチル)ナフタレン−2,6−ジカルボキサミド、
N−ヒドロキシ−N’−[(3−メチルイソオキサゾール−5−イル)メチル]ナフタレン−2,6−ジカルボキサミド、
N−ヒドロキシ−N’−{[2−(2−チエニル)−1,3−チアゾール−4−イル]メチル}ナフタレン−2,6−ジカルボキサミド、
N−ヒドロキシ−N’−[(2−フェニル−1,3−チアゾール−4−イル)メチル]ナフタレン−2,6−ジカルボキサミド、
N−ヒドロキシ−N’−[(5−ピリジン−2−イル−2−チエニル)メチル]ナフタレン−2,6−ジカルボキサミド、
N−ヒドロキシ−N’−({4−メチル−2−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,3−チアゾール−5−イル}メチル)ナフタレン−2,6−ジカルボキサミド、
N−ヒドロキシ−N’−(4−フェニル−1,3−チアゾール−2−イル)ナフタレン−2,6−ジカルボキサミド、
N−{[3−(4−クロロフェニル)イソオキサゾール−5−イル]メチル}−N’−ヒドロキシナフタレン−2,6−ジカルボキサミド、
N−[2−(4−クロロフェニル)エチル]−N’−ヒドロキシナフタレン−2,7−ジカルボキサミド、
N−ヒドロキシ−N’−{2−[4−(メチルオキシ)フェニル]エチル}−2,7−ナフタレンジカルボキサミド、
N−ヒドロキシ−N’−{2−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}−2,7−ナフタレンジカルボキサミド、
N−ヒドロキシ−N’−{2−[3−クロロフェニル]エチル}−2,7−ナフタレンジカルボキサミド、
N−ヒドロキシ−N’−{2−[3−フルオロフェニル]エチル}−2,7−ナフタレンジカルボキサミド、
N−[2−(4−フルオロフェニル)エチル]−N’−ヒドロキシ−2,7−ナフタレンジカルボキサミド、
N−シクロヘキシル−N’−ヒドロキシ−2,7−ナフタレンジカルボキサミド、
N−(3−クロロフェニル)−N’−ヒドロキシ−2,7−ナフタレンジカルボキサミド、
N−ヒドロキシ−N’−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−2,7−ナフタレンジカルボキサミド、
N−(4−フルオロフェニル)−N’−ヒドロキシ−2,7−ナフタレンジカルボキサミド、
N−(4−クロロフェニル)−N’−ヒドロキシ−2,7−ナフタレンジカルボキサミド、
N−ヒドロキシ−N’−(2−メチルプロピル)−2,7−ナフタレンジカルボキサミド、
N−ヒドロキシ−N’−(2−ヒドロキシエチル)−2,7−ナフタレンジカルボキサミド、
N−ヒドロキシ−N’−(フェニルメチル)−2,7−ナフタレンジカルボキサミド、
N−[(3−フルオロフェニル)メチル]−N’−ヒドロキシ−2,7−ナフタレンジカルボキサミド、
N−ヒドロキシ−N’−{[3−(メチルオキシ)フェニル]メチル}−2,7−ナフタレンジカルボキサミド、
N−ヒドロキシ−N’−{[3−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}−2,7−ナフタレンジカルボキサミド、
N−[(4−クロロフェニル)メチル]−N’−ヒドロキシ−2,7−ナフタレンジカルボキサミド、
N−[(4−ブロモフェニル)メチル]−N’−ヒドロキシ−2,7−ナフタレンジカルボキサミド、
N−[(3−クロロフェニル)メチル]−N’−ヒドロキシ−2,7−ナフタレンジカルボキサミド、
N−ヒドロキシ−N’−{[4−(メチルオキシ)フェニル]メチル}−2,7−ナフタレンジカルボキサミド、
N−[(1R)−1−(4−クロロフェニル)エチル]−N’−ヒドロキシ−2,7−ナフタレンジカルボキサミド、
N−ヒドロキシ−N’−[(2−フェニル−1,3−チアゾール−4−イル)メチル]−2,7−ナフタレンジカルボキサミド、
N−ヒドロキシ−N’−{[4−(フェニルメチル)−2−モルホリニル]メチル}−2,7−ナフタレンジカルボキサミド、
N−(3−フラニルメチル)−N’−ヒドロキシ−2,7−ナフタレンジカルボキサミド、
N−ヒドロキシ−N’−3−ピリジニル−2,7−ナフタレンジカルボキサミド、
N−ヒドロキシ−N’−フェニル−2,7−ナフタレンジカルボキサミド、
N−ヒドロキシ−N’−(4−メチルシクロヘキシル)−2,7−ナフタレンジカルボキサミド、
N−ヒドロキシ−N’−1H−ピラゾール−3−イル−2,7−ナフタレンジカルボキサミド、
N−ヒドロキシ−N’−(テトラヒドロ−2−フラニルメチル)−2,7−ナフタレンジカルボキサミド、
N−[(1−エチル−2−ピロリジニル)メチル]−N’−ヒドロキシ−2,7−ナフタレンジカルボキサミド、
N−ヒドロキシ−N’−[2−(1H−イミダゾール−4−イル)エチル]−2,7−ナフタレンジカルボキサミド、
N−(1,1−ジメチルエチル)−N’−ヒドロキシ−2,7−ナフタレンジカルボキサミド、
N−[(2−クロロフェニル)メチル]−N’−ヒドロキシ−2,7−ナフタレンジカルボキサミド、
N−[(4−フルオロフェニル)メチル]−N’−ヒドロキシ−2,7−ナフタレンジカルボキサミド、
N−ヒドロキシ−N’−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]−2,7−ナフタレンジカルボキサミド、
N−ヒドロキシ−N’−[2−(1−メチル−2−ピロリジニル)エチル]−2,7−ナフタレンジカルボキサミド、
N−ヒドロキシ−N’−[4−(メチルオキシ)フェニル]−2,7−ナフタレンジカルボキサミド、
N’−ヒドロキシ−N−メチル−N−[(5−フェニル−3−イソオキサゾリル)メチル]−2,6−ナフタレンジカルボキサミド、
N’−ヒドロキシ−N−メチル−N−[(2−フェニル−1,3−チアゾール−5−イル)メチル]−2,6−ナフタレンジカルボキサミド、
N−ヒドロキシ−N’−(2−フェニルエチル)ビフェニル−3,3’−ジカルボキサミド、
N−ベンジル−N’−ヒドロキシルビフェニル−3,3’−ジカルボキサミド、
N−[(4−フルオロフェニル)メチル]−N’−ヒドロキシナフタレン−2,6−ジカルボキサミド、
N−(3−フルオロフェニル)−N’−ヒドロキシ−2,7−ナフタレンジカルボキサミド、
又はその薬学的に許容される塩若しくは立体異性体が挙げられる。
【0042】
化学的定義
本明細書で用いる場合、「アルキル」は、特定の数の炭素原子を有する、分枝鎖及び直鎖双方の飽和脂肪族炭化水素基を包含することを意図している。例えば、「C−C10アルキル」におけるC−C10は、直鎖又は分枝した配列中に1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10個の炭素を有する基を包含すると定義される。例えば、「C−C10アルキル」は、具体的にはメチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、t−ブチル、i−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシルなどを包含する。
【0043】
語句「アルキルアリール」、「アルキルシクロアルキル」、及び「アルキルヘテロシクリル」において使用される場合、用語「アルキル」は、該基のアルキル部分を指し、アリール中及び該基のヘテロシクリル部分の原子の数は記載しない。1つの実施態様においては、もし炭素原子の数が特定されていなければ、「アルキルアリール」、「アルキルシクロアルキル」、及び「アルキルヘテロシクリル」の「アルキル」は、C−C12アルキルを指し、さらなる実施態様においては、C−Cアルキルを指す。
【0044】
用語「シクロアルキル」は、特定の数の炭素原子を有する、単環式の飽和又は不飽和脂肪族炭化水素基を意味する。シクロアルキルは、例えば、メチレン、エチレン、又はプロピレン架橋により、架橋されていてもよい(すなわち、二環式基を形成する)。シクロアルキルは、フェニルのようなアリール基と縮合してもよく、またシクロアルキル置換基は、シクロアルキル基を介して結合することが理解される。例えば「シクロアルキル」は、シクロプロピル、メチル−シクロプロピル、2,2−ジメチル−シクロブチル、2−エチル−シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロペンテニル、シクロブテニルなどを包含する。
【0045】
1つの実施態様においては、もし炭素原子の数が特定されていなければ、「アルキル」は、C−C12アルキルを指し、またさらなる実施態様においては、「アルキル」は、C−Cアルキルを指す。1つの実施態様においては、もし炭素原子の数が特定されていなければ、「シクロアルキル」は、C−C10シクロアルキルを指し、またさらなる実施態様においては、「シクロアルキル」は、C−Cシクロアルキルを指す。1つの実施態様においては、「アルキル」の例は、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、t−ブチル、及びi−ブチルを包含する。
【0046】
用語「アルキレン」は、特定の数の炭素原子を有する、炭化水素二価基を意味する。例えば「アルキレン」は、−CH−、−CHCH−などを包含する。1つの実施態様においては、もし炭素原子の数が特定されていなければ、「アルキレン」は、C−C12アルキレンを指し、またさらなる実施態様においては、「アルキレン」は、C−Cアルキレンを指す。
【0047】
何ら炭素原子の数が特定されていなければ、用語「アルケニル」は、2ないし10個の炭素原子と、少なくとも1つの炭素−炭素二重結合とを含有する、直鎖、分枝鎖、又は環式の、非芳香族性炭化水素基を指す。好ましくは1つの炭素−炭素二重結合が存在し、かつ4個までの非芳香族性炭素−炭素二重結合が存在してもよい。したがって、「C−Cアルケニル」は、2ないし6個の炭素原子を有するアルケニル基を意味する。アルケニル基は、エテニル、プロペニル、ブテニル、2−メチルブテニル、及びシクロヘキセニルを包含する。アルケニル基の、直鎖、分枝鎖、又は環式部分が、二重結合を含有してよく、置換アルケニル基が指示される場合には置換されていてもよい。
【0048】
用語「アルキニル」は、2ないし10個の炭素原子と、少なくとも1つの炭素−炭素三重結合とを含有する、直鎖、分枝鎖、又は環式の、炭化水素基を指す。3個までの炭素−炭素三重結合が存在してもよい。したがって、「C−Cアルキニル」は、2ないし6個の炭素原子を有するアルキニル基を意味する。アルキニル基は、エチニル、プロピニル、ブチニル、及び3−メチルブチニルなどを包含する。アルキニル基の、直鎖、分枝鎖、又は環式部分が、三重結合を含有してよく、置換アルキニル基が指示される場合には置換されていてもよい。
【0049】
いくつかの例においては、置換基は、(C−C)アルキレン−アリールのように、ゼロを包含する炭素の範囲を用いて定義してもよい。もしアリールがフェニルであると解釈される場合には、この定義はフェニル自体、並びに−CHPh、−CHCHPh、CH(CH)CHCH(CH)Phなどを包含するであろう。
【0050】
「アリール」は、各環中、7原子までの、任意の安定な単環式、二環式、又は三環式の炭素環を意味することを意図しており、ここで、少なくとも1つの環は、芳香族である。かかるアリール基の例は、フェニル、ナフチル、テトラヒドロナフチル、インダニル、及びビフェニルを包含する。アリール置換基が二環式であり、かつ1つの環が非芳香族である場合、結合は芳香環を介することが理解される。
【0051】
1つの実施態様においては、「アリール」は、6ないし14個の炭素原子からなる芳香環であり、インダンのように、5又は6員のシクロアルキル基と縮合した炭素環式芳香族基を包含する。炭素環式芳香族基の例は、制限されることなく、フェニル、ナフチル、例えば1−ナフチル及び2−ナフチル;アントラセニル、例えば1−アントラセニル、2−アントラセニル;フェナントレニル;フルオレノニル、例えば9−フルオレノニル、インダニルなどを包含する。
【0052】
本明細書で用いる場合、用語「ヘテロアリール」は、各環中、7個までの原子からなる安定な単環式、二環式、又は三環式の環を表わし、ここで、少なくとも1つの環は、芳香族であり、かつ、炭素と、O、N、及びSからなる群より選択される1ないし4個のヘテロ原子とを含有する。別の実施態様においては、用語ヘテロアリールは、5ないし14個の環炭素原子と、O、N、又はSから選択される1ないし4個のヘテロ原子とからなる、単環式、二環式、又は三環式の芳香環を指す。下記のヘテロ環の定義の場合のように、「ヘテロアリール」はまた、任意の含窒素ヘテロアリールのN−オキシド誘導体を包含することも理解される。ヘテロアリール置換基が二環式であり、かつ、一方の環が非芳香族であるか、又はヘテロ原子を含有しない場合、結合はそれぞれ、芳香環を介するか、又はヘテロ原子含有環を介することが理解される。
【0053】
この定義の範囲内のヘテロアリール基は、制限されることなく、アクリジニル、カルバゾリル、シンノリニル、キノキサリニル、ピラゾリル、インドリル、ベンゾトリアゾリル、フラニル、チエニル、ベンゾチエニル、ベンゾフラニル、キノリニル、イソキノリニル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、インドリル、ピラジニル、ピリダジニル、ピリジニル、ピリミジニル、ピロリル、テトラヒドロキノリンを包含する。付加的なヘテロアリールの例は、制限されることなく、ピリジル、例えば2−ピリジル(α−ピリジルとも呼ばれる)、3−ピリジル(β−ピリジルとも呼ばれる)、及び4−ピリジル((γ−ピリジルとも呼ばれる);チエニル、例えば2−チエニル及び3−チエニル;フラニル、例えば2−フラニル及び3−フラニル;ピリミジル、例えば2−ピリミジル及び4−ピリミジル;イミダゾリル、例えば2−イミダゾリル;ピラニル、例えば2−ピラニル及び3−ピラニル;ピラゾリル、例えば4−ピラゾリル及び5−ピラゾリル;チアゾリル、例えば2−チアゾリル、4−チアゾリル、及び5−チアゾリル;チアジアゾリル;イソチアゾリル;オキサゾリル、例えば2−オキサゾリル、4−オキサゾリル、及び5−オキサゾリル;イソオキサゾリル;ピロリル;ピリダジニル;ピラジニルなどを包含する。
【0054】
1つの実施態様においては、「ヘテロアリール」はまた、「縮合多環式芳香族化合物」を包含してもよく、これは、1つ以上の他のヘテロアリール又は非芳香族ヘテロ環に縮合したヘテロアリールである。例としては、キノリニル及びイソキノリニル、例えば2−キノリニル、3−キノリニル、4−キノリニル、5−キノリニル、6−キノリニル、7−キノリニル、及び8−キノリニル、1−イソキノリニル、3−イソキノリニル、4−イソキノリニル、5−イソキノリニル、6−イソキノリニル、7−イソキノリニル、及び8−イソキノリニル;ベンゾフラニル、例えば2−ベンゾフラニル及び3−ベンゾフラニル;ジベンゾフラニル、例えば2,3−ジヒドロベンゾフラニル;ジベンゾチオフェニル;ベンゾチエニル、例えば2−ベンゾチエニル及び3−ベンゾチエニル;インドリル、例えば2−インドリル及び3−インドリル;ベンゾチアゾリル、例えば2−ベンゾチアゾリル;ベンゾオキサゾリル、例えば2−ベンゾオキサゾリル;ベンゾイミダゾリル、例えば2−ベンゾイミダゾリル;イソインドリル、例えば1−イソインドリル及び3−イソインドリル;ベンゾトリアゾリル;プリニル;チアナフテニル、ピラジニルなどが挙げられる。
【0055】
本明細書において用いられる用語「ヘテロ環」又は「ヘテロシクリル」は、各環中、7原子までの、単環式、スピロ環式、二環式、又は三環式の環を意味し、ここで、各環は、芳香族又は非芳香族であり、かつ、炭素と、O、N、P、及びSからなる群より選択される1ないし4個のヘテロ原子とを含有する。非芳香族ヘテロ環は、芳香族アリール基、例えばフェニル、又は芳香族ヘテロ環と縮合してもよい。
【0056】
「ヘテロシクリル」は、それ故、上記のヘテロアリール、並びにそのジヒドロ及びテトラヒドロ類似体を包含する。「ヘテロシクリル」のさらなる例は、制限されることなく、以下を包含する:アゼチジニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾフラザニル、ベンゾピラゾリル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾチオフェニル、ベンゾオキサゾリル、カルバゾリル、カルボリニル、シンノリニル、フラニル、イミダゾリル、インドリニル、インドリル、インドラジニル、インダゾリル、イソベンゾフラニル、イソインドリル、イソキノリル、イソチアゾリル、イソオキサゾリル、ナフトピリジニル、オキサジアゾリル、オキサゾリル、オキサゾリン、イソオキサゾリン、オキセタニル、ピラニル、ピラジニル、ピラゾリル、ピリダジニル、ピリドピリジニル、ピリダジニル、ピリジル、ピリミジル、ピロリル、キナゾリニル、キノリル、キノキサリニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル、テトラヒドロイソキノリニル、テトラゾリル、テトラゾロピリジル、チアジアゾリル、チアゾリル、チエニル、トリアゾリル、アゼチジニル、1,4−ジオキサニル、ヘキサヒドロアゼピニル、ピペラジニル、ピペリジニル、ピリジン−2−オニル、ピロリジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ジヒドロベンゾイミダゾリル、ジヒドロベンゾフラニル、ジヒドロベンゾチオフェニル、ジヒドロベンゾオキサゾリル、ジヒドロフラニル、ジヒドロイミダゾリル、ジヒドロインドリル、ジヒドロイソオキサゾリル、ジヒドロイソチアゾリル、ジヒドロオキサジアゾリル、ジヒドロオキサゾリル、ジヒドロピラジニル、ジヒドロピラゾリル、ジヒドロピリジニル、ジヒドロピリミジニル、ジヒドロピロリル、ジヒドロキノリニル、ジヒドロテトラゾリル、ジヒドロチアジアゾリル、ジヒドロチアゾリル、ジヒドロチエニル、ジヒドロトリアゾリル、ジヒドロアゼチジニル、メチレンジオキシベンゾイル、テトラヒドロフラニル、及びテトラヒドロチエニル、及び、そのN−オキシド。ヘテロシクリル置換基の結合は、炭素原子を介するか、又はヘテロ原子を介して生じ得る。
【0057】
1つの実施態様においては、「ヘテロ環」(本明細書では「ヘテロシクリル」とも呼ばれる)は、5ないし14個の環炭素原子と、O、N、S、又はPから選択される1ないし4個のヘテロ原子とからなる、単環式、スピロ環式、二環式、又は三環式の、飽和又は不飽和環である。ヘテロ環の例は、制限されることなく、ピロリジニル、ピペリジニル、モルホリニル、チアモルホリニル、ピペラジニル、ジヒドロフラニル、テトラヒドロフラニル、ジヒドロピラニル、テトラヒドロピラニル、ジヒドロキノリニル、テトラヒドロキノリニル、ジヒドロイソキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、ジヒドロピラジニル、テトラヒドロピラジニル、ジヒドロピリジル、テトラヒドロピリジルなどを包含する。
【0058】
「アルキルアリール基」(アリールアルキル)は、芳香族基、例えばフェニル基、で置換されたアルキル基である。1つの実施態様においては、アルキルアリール基はベンジル基である。好適な芳香族基は、本明細書に記載されており、好適なアルキル基は、本明細書に記載されている。
【0059】
「アルキルヘテロアリール基」(ヘテロアリールアルキル)は、ヘテロアリール基で置換されたアルキル基である。好適なヘテロアリール基は、本明細書に記載されており、好適なアルキル基は、本明細書に記載されている。
【0060】
「アルキルヘテロシクリル基」は、ヘテロシクリル基で置換されたアルキル基である。好適なヘテロシクリル基は、本明細書に記載されており、好適なアルキル基は、本明細書に記載されている。アルキルヘテロシクリル基に好適な置換基は、本明細書に記載されている。
【0061】
「アルキルシクロアルキル基」は、シクロアルキル基で置換されたアルキル基である。好適なシクロアルキル基は、本明細書に記載されており、好適なアルキル基は、本明細書に記載されている。
【0062】
「アリールオキシ基」は、酸素を介して化合物に結合したアリール基である(例えば、フェノキシ)。
【0063】
本明細書で使用するとき「アルコキシ基」(アルキルオキシ)は、酸素原子を介して化合物に結合している、直鎖又は分枝鎖の、C−C12又は、環式C−C12アルキル基である。アルコキシ基の例は、制限されることなく、メトキシ、エトキシ、及びプロポキシを包含する。
【0064】
「アリールアルコキシ基」(アリールアルキルオキシ)は、アリールアルキルのアルキル部分の酸素を介して化合物に結合している、アリールアルキル基である(例えば、フェニルメトキシ)。
【0065】
本明細書で使用する「アリールアミノ基」は、窒素を介して化合物に結合している、アリール基である。
【0066】
本明細書で使用する「アルキルアミノ基」は、窒素を介して化合物に結合している、アルキル基である。
【0067】
本明細書で使用されるとき、「アリールアルキルアミノ基」は、アリールアルキルのアルキル部分の窒素を介して化合物に結合している、アリールアルキル基である。
【0068】
本明細書で使用する「アルキルスルホニル基」は、スルホニル基の硫黄を介して化合物に結合している、アルキル基である。
【0069】
基が「未置換」と呼ばれるか、又は「置換されている」若しくは「置換されていてもよい」と呼ばれないとき、それは、該基が何ら置換基をもたないことを意味する。基が「置換されている」と呼ばれるとき、それは、置換可能であるとして当業者に知られている、該基の任意の部分が置換可能であることを示す。用語「1個以上の置換基で置換されていてもよい」は、1つの実施態様における、1個の置換基、2個の置換基、3個の置換基、4個の置換基、又は5個の置換基を意味する。例えば、置換可能な基は、水素以外の基(すなわち、置換基)で置換される、水素原子であり得る。多数の置換基が存在してもよい。多数の置換基が存在する場合、置換基は、同じか又は異なっていてもよく、置換は任意の置換可能な部位において可能である。かかる置換のための手段は、当該技術分野において周知である。例示のためであって、本発明の範囲を制限するものとして解釈されるべきではないが、置換基である基のいくつかの例は、アルキル、アルケニル、又はアルキニル基(これもまた、1個以上の置換基で置換可能である)、アルコキシ基(置換可能である)、ハロゲン又はハロ基(F、Cl、Br、I)、ヒドロキシ、ニトロ、オキソ、−CN、−COH、−COOH、アミノ、アジド、N−アルキルアミノ又はN,N−ジアルキルアミノ(ここで、該アルキル基もまた置換可能である)、N−アリールアミノ又はN,N−ジアリールアミノ(ここで、該アリール基もまた置換可能である)、エステル(−C(O)−OR、ここで、Rは、置換可能な、アルキル、アリールなどといった基であってもよい)、尿素(−NHC(O)−NHR、ここで、Rは、置換可能な、アルキル、アリールなどといった基であってもよい)、カルバメート(−NHC(O)−OR、ここで、Rは、置換可能な、アルキル、アリールなどといった基であってもよい)、スルホンアミド(−NHS(O)R、ここで、Rは、置換可能な、アルキル、アリールなどといった基であってもよい)、アルキルスルホニル(置換可能である)、アリール(置換可能である)、シクロアルキル(置換可能である)、アルキルアリール(置換可能である)、アルキルヘテロシクリル(置換可能である)、アルキルシクロアルキル(置換可能である)、及びアリールオキシである。
【0070】
1つの実施態様では、
【0071】
【化8】

【0072】
である。
【0073】
別の実施態様では、
【0074】
【化9】

【0075】
である。
【0076】
さらなる実施態様では、
【0077】
【化10】

【0078】
である。
【0079】
1つの実施態様では、R’は、H又はC−Cアルキルから選択される。別の実施態様では、R’はHである。
【0080】
1つの実施態様では、RはHである。
【0081】
1つの実施態様では、Rは、独立して、
【0082】
1)H、
2)ハロ、
3)ハロアルキル、
4)ハロアルコキシ、
5)非置換C−Cアルキル、
6)非置換アリール、
7)非置換アラルキル、
8)OH、
9)アルコキシ、又は
10)非置換へテロアリール
から選択される。
【0083】
1つの実施態様では、Rは、
1)−(CRへテロアリール、
2)−(CRへテロシクリル、又は
3)−(CRへテロアルキル
から選択され、ここで、シクロアルキル、ヘテロアリール、又はヘテロシクリルは、Rからの1ないし3個の置換基で置換されていてもよい。
【0084】
別の実施態様では、Rは、
1)−(CRへテロシクリル、又は
2)−(CRへテロアルキル
から選択され、ここで、シクロアルキル又はヘテロシクリルは、Rからの1ないし3個の置換基で置換されていてもよい。
【0085】
さらなる実施態様では、
【0086】
Rは−(CRシクロアルキルであり、ここで、シクロアルキルは、Rからの1ないし3個の置換基で置換されていてもよい。
【0087】
立体化学
多くの有機化合物は、平面偏光の面を回転する能力を有する光学活性体で存在する。光学活性化合物の記述においては、接頭語D及びL、又はR及びSを使用して、そのキラル中心についての分子の絶対構造を示す。接頭語d及びl、又は(+)及び(−)は、化合物による平面偏光の回転のサインを示すために用いられ、(−)又はlで、化合物が左旋性であることを意味する。接頭語(+)又はdのついた化合物は、右旋性である。所与の化学構造について、立体異性体と呼ばれるこれらの化合物は、それらが互いに重ね合わせることができない鏡像であること以外は同じである。特定の立体異性体はまた、エナンチオマーと呼ばれてもよく、かかる異性体の混合物は、しばしばエナンチオマー混合物と呼ばれる。エナンチオマーの50:50混合物は、ラセミ混合物と呼ばれる。本明細書に記載された化合物の多くは、1つ以上のキラル中心をもつことができ、それ故、異なるエナンチオマー型で存在し得る。所望であれば、キラル炭素を星印()で示してもよい。本発明の式において、キラル炭素への結合が直線で描かれている場合、キラル炭素の(R)及び(S)双方の構造、及びしたがって、双方のエナンチオマー及びそれらの混合物が、該式に含まれることが理解される。当該技術分野において使用されるように、キラル炭素についての絶対構造を明記することが所望される場合、キラル炭素への結合の1つを、くさび形として描くことができ(平面の上方の原子への結合)、他方を、短い平行線からなる、一続き又はくさび形として描くことができる(平面の下方の原子への結合)。カーン−インゴールド−プレログ方式を使用して、キラル炭素に対する(R)又は(S)立体配置を指定することができる。
【0088】
本発明のHDAC阻害剤が1つのキラル中心を含有するとき、該化合物は2つのエナンチオマー型で存在しており、本発明は双方のエナンチオマー及び、エナンチオマーの混合物、例えばラセミ混合物と呼ばれる特有の50:50混合物を包含する。エナンチオマーは、例えば結晶化によって分離できるジアステレオ異性体の塩形成(デビッド・コズマ(David Kozma)による、「ジアステレオマー塩形成による光学分割CRCハンドブック(CRC Handbook of Optical Resolutions via Diastereomeric Salt Formation)」CRCプレス、2001年、参照);例えば結晶化、ガス−液体、又は液体クロマトグラフィーにより分離できる、ジアステレオ異性体の誘導体又は複合体形成;一方のエナンチオマーとエナンチオマー特異試薬との選択的反応、例えば酵素的エステル化;或いは、キラル環境下、例えばキラル支持体、例としてキラルリガンドを結合したシリカ上か、又はキラル溶媒存在下での、ガス−液体、又は液体クロマトグラフィーといった、当業者に周知の方法により分割可能である。所望のエナンチオマーが、上記の分離法の1つによって、別の化学物質に転換される場合、所望のエナンチオマー型を遊離するための、さらなる工程が必要であることが理解されよう。別法として、特定のエナンチオマーを、光学活性な試薬、基質、触媒、又は溶媒を用いた不斉合成により、或いは、一方のエナンチオマーを不斉転換によって他方へ転換することにより合成してもよい。
【0089】
本発明化合物のキラル炭素における具体的な絶対構造の名称は、当該化合物の指定されたエナンチオマー型が、エナンチオマー過剰(ee)であるか、又は言いかえれば、実質的に他のエナンチオマーがないことを意味すると理解される。例えば、化合物の「R」型は、実質的に当該化合物の「S」型がなく、かつそれ故、「R」型のエナンチオマー過剰である。逆に、化合物の「S」型は、実質的に当該化合物の「R」型がなく、かつそれ故、「S」型のエナンチオマー過剰である。本明細書で用いるエナンチオマー過剰は、少なくとも50%を超える特定のエナンチオマーが存在することである。具体的な絶対構造が指定されている特定の実施態様においては、描かれる化合物のエナンチオマー過剰は、少なくとも約90%である。
【0090】
本発明化合物が2個以上のキラル炭素を有する場合、それは、2個を超える光学異性体をもつことができ、かつジアステレオ異性体型として存在し得る。例えば、2つのキラル炭素がある場合、該化合物は4個までの光学異性体及び、2対までのエナンチオマー((S,S)/(R,R)及び(R,S)/(S,R))を有し得る。エナンチオマーの対(例えば(S,S)/(R,R))は、互いの鏡像立体異性体である。鏡像ではない立体異性体(例えば(S,S)及び(R,S))は、ジアステレオマーである。ジアステレオ異性体の対は、当業者に周知の方法、例えばクロマトグラフィー又は結晶化により分離されてよく、各対のうちの個々のエナンチオマーは、上記記載のように分離されてよい。本発明は、かかる化合物の各ジアステレオ異性体、及びそれらの混合物を包含する。
【0091】
本明細書で用いる場合、「不定冠詞(“a”、“an”)」及び「定冠詞(“the”)」は、文脈が明らかに他を示すのでない限り、単数及び複数の言及を含む。したがって、例えば「1つの活性薬剤」又は「1つの薬学的に活性な薬剤」と不定冠詞を付していう場合、単一の活性薬剤、並びに2つ以上の異なる活性薬剤を合せて包含し、「1つの担体」と不定冠詞を付していう場合、2つ以上の担体の混合物、並びに単一の担体などを包含する。
【0092】
本発明はまた、本明細書に開示されたN−ヒドロキシ−ナフタレンジカルボキサミド及びN−ヒドロキシ−ビフェニル−ジカルボキサミド誘導体のプロドラッグを包含することを意図している。任意の化合物のプロドラッグは、周知の薬理学的技術を用いて作成可能である。
【0093】
本発明は、上記にリストされた化合物に加えて、かかる化合物の同族体及び類似体の使用を包含することを意図している。この文脈では、同族体は、上記記載の化合物と実質的な構造的類似性を有する分子であり、類似体は、構造の類似性にかかわらず実質的な生物学的類似性を有する分子である。
【0094】
薬学的に許容される塩
本明細書に記載されたN−ヒドロキシ−ナフタレンジカルボキサミド及びN−ヒドロキシ−ビフェニル−ジカルボキサミド誘導体は、上記に示したように、その薬学的に許容される塩の形態で調製することができる。薬学的に許容される塩は、親化合物の所望の生物活性を保持し、かつ不要な毒性効果を与えない塩である。かかる塩の例は、有機及び無機酸の酸付加塩であり、例として酸付加塩では、例えば塩酸、硫酸、メタンスルホン酸、フマル酸、マレイン酸、コハク酸、酢酸、安息香酸、シュウ酸、クエン酸、酒石酸、炭酸、リン酸、トリフルオロ酢酸、及びギ酸などでよい。薬学的に許容される塩はまた、無機塩基、例えばナトリウム、カリウム、アンモニウム、カルシウム、又は第二鉄水酸化物、及び、有機塩基、例えばイソプロピルアミン、トリメチルアミン、2−エチルアミノエタノール、ヒスチジン、プロカインなどを用いた処理から調製することもできる。薬学的に許容される塩はまた、塩素、臭素、及びヨウ素といった、元素アニオンからも形成可能である。
【0095】
開示された活性化合物はまた、上記に示したように、その水和物の形態でも調製することができる。用語「水和物」は、制限されることなく、半水和物、一水和物、二水和物、三水和物、四水和物などを包含する。
【0096】
開示された活性化合物はまた、上記に示したように、任意の有機又は無機溶媒、例としてアルコール、例えばメタノール、エタノール、プロパノール及びイソプロパノール、ケトン例えばアセトン、芳香族溶媒などを用いた、溶媒和物の形態でも調製することができる。
【0097】
開示された活性化合物はまた、任意の固体又は液体の物理的形態で調製することができる。例えば、当該化合物は、結晶形、非晶形であってよく、かつ任意の粒子サイズを有し得る。さらに、当該化合物粒子は微粉化されてよく、或いは凝集されていてもよく、粒子状の顆粒、粉末、油、油性懸濁液、又は任意の他の形態の、固体又は液体の物理的形態でもよい。
【0098】
本発明化合物はまた、多形性を示してもよい。本発明はさらに、本発明化合物の種々の多形体を包含する。用語「多形体」(polymorph)は、特定の物理的性質、例えばX線回折、IRスペクトル、融点などを有している、物質の特定の結晶状態を指す。
【0099】
本明細書で用いる場合、「不定冠詞(“a”、“an”)」及び「定冠詞(“the”)」は、文脈が明らかに他を示すのでない限り、単数及び複数の言及を含む。したがって、例えば「1つの活性薬剤」又は「1つの薬学的に活性な薬剤」と不定冠詞を付していう場合、単一の活性薬剤、並びに2つ以上の異なる活性薬剤を合わせて包含し、「1つの担体」と不定冠詞を付していう場合、2つ以上の担体の混合物、並びに単一の担体などを包含する。
【0100】
治療の方法
本発明はまた、本明細書に記載されたN−ヒドロキシ−ナフタレンジカルボキサミド及びN−ヒドロキシ−ビフェニル−ジカルボキサミド誘導体を使用する方法に関する。本明細書に示されるように、本発明のN−ヒドロキシ−ナフタレンジカルボキサミド及びN−ヒドロキシ−ビフェニル−ジカルボキサミド誘導体は、癌の治療に有用である。加えて、N−ヒドロキシ−ナフタレンジカルボキサミド及びN−ヒドロキシ−ビフェニル−ジカルボキサミド誘導体が有用であることが判明し得る他の広範囲の疾患がある。非制限的な例は、本明細書に記載されたチオレドキシン(TRX)介在性疾患、及び、本明細書に記載された中枢神経系(CNS)の疾患である。
【0101】
1.癌の治療
本明細書に示されるように、本発明のN−ヒドロキシ−ナフタレンジカルボキサミド及びN−ヒドロキシ−ビフェニル−ジカルボキサミド誘導体は、癌の治療に有用である。したがって、1つの実施態様においては、本発明は、治療を必要とする患者において癌を治療する方法であって、本明細書に記載されたN−ヒドロキシ−ナフタレンジカルボキサミド及びN−ヒドロキシ−ビフェニル−ジカルボキサミド誘導体の治療有効量を該患者に投与することを含んでなる、該方法に関する。
【0102】
用語「癌」は、新生細胞の増殖によって引き起こされる任意の癌、例えば固形腫瘍、新生物、癌腫、肉腫、白血病、リンパ腫などを指す。特に、本発明の化合物、組成物、及び方法によって治療され得る癌は、制限されることなく:心臓:肉腫(血管肉腫、線維肉腫、横紋筋肉腫、脂肪肉腫)、粘液腫、横紋筋腫、線維腫、脂肪腫、及び奇形腫;:気管支原性癌(扁平上皮細胞、未分化小細胞、未分化大細胞、腺癌)、肺胞(細気管支)癌、気管支腺腫、肉腫、リンパ腫、軟骨腫様過誤腫、中皮腫;胃腸:食道(扁平上皮細胞癌、腺癌、平滑筋肉腫、リンパ腫)、胃(癌腫、リンパ腫、平滑筋肉腫)、膵臓(腺管腺癌、インスリノーマ、グルカゴノーマ、ガストリノーマ、カルチノイド腫瘍、ビポーマ)、小腸(腺癌、リンパ腫、カルチノイド腫瘍、カポジ肉腫、平滑筋腫、血管腫、脂肪腫、神経線維腫、線維腫)、大腸(腺癌、管状腺腫、絨毛腺腫、過誤腫、平滑筋腫);尿生殖路:腎臓(腺癌、ウィルムス腫瘍[腎芽細胞腫]、リンパ腫、白血病)、膀胱及び尿道(扁平上皮細胞癌、移行上皮癌、腺癌)、前立腺(腺癌、肉腫)、精巣(精上皮腫、奇形腫、胎児性癌、奇形癌、絨毛上皮腫、肉腫、間質細胞癌、線維腫、線維腺腫、類腺腫瘍、脂肪腫);肝臓:肝癌(肝細胞癌)、胆管癌、肝芽細胞腫、血管肉腫、肝細胞腺腫、血管腫;:骨原性肉腫(骨肉腫)、線維肉腫、悪性線維性組織球腫、軟骨肉腫、ユーイング肉腫、悪性リンパ腫(細網肉腫)、多発性骨髄腫、悪性巨細胞腫軟骨腫、骨軟骨腫(骨軟骨性外骨症)、良性軟骨腫、軟骨芽細胞腫、軟骨粘液線維腫、類骨骨腫及び、巨細胞腫;神経系:頭蓋(骨腫、血管腫、肉芽腫、黄色腫、変形性骨炎)、髄膜(髄膜腫、髄膜肉腫、神経膠腫症)、脳(星状細胞腫、髄芽細胞腫、神経膠腫、上衣細胞腫、胚細胞腫[松果体腫]、多形性神経膠芽腫、乏突起神経膠腫、神経鞘種、網膜芽細胞腫、先天性腫瘍)、脊髄神経線維腫、髄膜腫、神経膠腫、肉腫);婦人科系:子宮(子宮内膜癌)、子宮頚(子宮頚癌、前腫瘍性子宮頚部異形成)、卵巣(卵巣癌[漿液性嚢胞腺癌、粘液性嚢胞腺癌、分類不能癌腫]、顆粒膜卵胞膜細胞腫、セルトリ−ライディッヒ細胞腫、未分化胚細胞腫、悪性奇形腫)、外陰(扁平上皮細胞癌、上皮内癌、腺癌、線維肉腫、黒色腫)、膣(明細胞癌、扁平上皮細胞癌、ブドウ状肉腫(胎児性横紋筋肉腫)、卵管(癌腫);血液系:血液(骨髄性白血病[急性及び慢性]、急性リンパ芽球性白血病、慢性リンパ球性白血病、骨髄増殖性疾患、多発性骨髄腫、脊髄異形成症候群)、ホジキン病、非ホジキンリンパ腫[悪性リンパ腫];皮膚:悪性黒色腫、基底細胞癌、扁平上皮細胞癌、カポジ肉腫、色素性異形成毋斑、脂肪腫、血管腫、皮膚線維種;及び副腎:神経芽細胞腫を包含する。したがって、本明細書に提供されたとき、用語「癌性細胞」は、上記に定義された症状の任意の1つに苦しむ細胞を包含する。
【0103】
1つの実施態様においては、本化合物は、制限されることなく:急性白血病及び慢性白血病を含めた白血病、例えば急性リンパ性白血病(ALL)、急性骨髄性白血病(AML)、慢性リンパ性白血病(CLL)、慢性骨髄性白血病(CML)、及びヘアリーセル白血病;リンパ腫、例えば皮膚T細胞リンパ腫(CTCL)、非皮膚性末梢T細胞リンパ腫、ヒトT細胞リンパ球向性ウイルス関連リンパ腫(HTLV)、例えば成人T細胞白血病/リンパ腫(ATLL)、ホジキン病及び非ホジキンリンパ腫、大細胞リンパ腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL);バーキットリンパ腫;中皮腫、原発性中枢神経系(CNS)リンパ腫;多発性骨髄腫;小児固形腫瘍、例えば脳腫瘍、神経芽細胞腫、網膜芽細胞腫、ウィルムス腫瘍、骨腫瘍、及び柔組織肉腫、成人の一般的な固形腫瘍、例えば頭頸部癌(例えば口腔癌、喉頭癌、及び食道癌)、尿生殖器癌(例えば、前立腺癌、膀胱癌、腎臓癌、子宮癌、卵巣癌、精巣癌、直腸及び結腸癌)、肺癌、乳癌、膵臓癌、黒色腫及び他の皮膚癌、胃癌、脳腫瘍、肝臓癌、及び甲状腺癌を包含する、癌の治療において有用である。
【0104】
2.チオレドキシン(TRX)介在性疾患の治療
別の実施態様においては、N−ヒドロキシ−ナフタレンジカルボキサミド及びN−ヒドロキシ−ビフェニル−ジカルボキサミド誘導体は、チオレドキシン(TRX)介在疾患又は障害を、それを必要とする患者において治療する方法において使用され、該方法は、1種以上の本明細書に記載されたN−ヒドロキシ−ナフタレンジカルボキサミド及びN−ヒドロキシ−ビフェニル−ジカルボキサミド化合物の治療有効量を、当該患者に投与することを含んでなる。
【0105】
TRX介在性疾患の例は、制限されることなく、急性及び慢性の炎症性疾患、自己免疫疾患、アレルギー性疾患、酸化ストレス関連疾患、及び、細胞過増殖により特徴づけられる疾患を包含する。
【0106】
非制限的例は、リウマチ様関節炎(RA)及び乾癬性関節炎を含む、関節の炎症性症状;炎症性腸疾患、例えばクローン病及び潰瘍性大腸炎;脊髄関節症;強皮症;乾癬(T細胞介在性乾癬を含む)及び炎症性皮膚症、例えば皮膚炎、湿疹、アトピー性皮膚炎、アレルギー性接触皮膚炎、じんま疹;血管炎(例えば、壊死性血管炎、皮膚血管炎、及び過敏性血管炎);好酸球性筋炎、好酸球筋膜炎;皮膚又は臓器の白血球浸潤を伴う癌、脳虚血(例えば、各々が神経変性をもたらすことがある、外傷、てんかん、出血、又は卒中の、結果としての脳損傷)を含む虚血性障害;HIV、心不全、慢性、急性、又は悪性の肝疾患、自己免疫性甲状腺炎;全身性エリテマトーデス、シェーグレン症候群、肺疾患(例えばARDS);急性膵臓炎;筋委縮性側索硬化症(ALS);アルツハイマー病;悪質液/食欲不振;喘息;アテローム性動脈硬化症;慢性疲労症候群、発熱;糖尿病(例えばインスリン糖尿病又は若年型糖尿病);糸球体腎炎;移植片対宿主拒絶反応(例えば、移植における);出血性ショック;痛覚過敏症;炎症性腸疾患;多発性硬化症;筋障害(例えば筋タンパク質代謝、特に敗血症における);骨粗鬆症;パーキンソン病;疼痛;早期分娩;乾癬;再潅流障害;サイトカイン誘発性の毒性(例えば、敗血症性ショック、内毒素性ショック);放射線療法の副作用、側頭下顎関節疾患、腫瘍転移;又は、筋挫傷、捻挫、軟骨損傷、火傷のような外傷、整形手術、感染、又は他の疾患プロセスから、結果として生じる炎症性症状である。アレルギー性疾患及び症状は、制限されることなく、呼吸器アレルギー性疾患、例えば喘息、アレルギー性鼻炎、過敏性肺疾患、過敏性間質性肺炎、好酸球性肺炎(例えば、レフレル症候群、慢性好酸球性肺炎)、遅延型過敏症、間質性肺疾患(ILD)(例えば、特発性肺線維症、又はリウマチ様関節炎に関連するILD、全身性エリテマトーデス、硬直性脊椎炎、全身性硬化症、シェーグレン症候群、多発性筋炎、又は皮膚筋炎);全身性アナフィラキシー又は過敏症応答、薬物アレルギー(例えば、ペニシリン、セファロスポリンに対する)、虫刺性アレルギーなどを包含する。
【0107】
3.中枢神経系(CNS)の疾患の治療
別の実施態様においては、N−ヒドロキシ−ナフタレンジカルボキサミド及びN−ヒドロキシ−ビフェニル−ジカルボキサミド誘導体は、中枢神経系の疾患を、それを必要とする患者において治療する方法において使用され、該方法は、任意の1種以上の本明細書に記載されたN−ヒドロキシ−ナフタレンジカルボキサミド及びN−ヒドロキシ−ビフェニル−ジカルボキサミド化合物の治療有効量を、当該患者に投与することを含んでなる。
【0108】
1つの特別の実施態様においては、CNS疾患は、神経変性疾患である。さらなる実施
態様においては、神経変性疾患は、遺伝性の神経変性疾患、例えばポリグルタミン延長症である遺伝性神経変性疾患である。一般に、神経変性疾患は以下のように分類し得る:
I.他の顕著な神経性症状の不在下の進行性痴呆によって特徴づけられる障害、例えばアルツハイマー病;アルツハイマー型老人性痴呆;及びピック病(脳葉委縮)。
II.進行性痴呆を他の顕著な神経学的異常と組合せた症候群、例えば、A)主に成人において発生する症候群(例えば、ハンチントン病、痴呆を、失調症及び/又はパーキンソン病の発症と組合せた、多系統委縮症、進行性核上麻痺(スチール・リチャードソン・オルゼウスキー病)、びまん性レビー小体病、及び皮質歯状黒質変性症);及び、B)主に小児又は青少年に発生する症候群(例えば、ハレルフォルデン−スパッツ病及び進行性家族性ミオクロニーてんかん)。
III.姿勢及び運動の異常を徐々に発症する症候群、例えば振戦麻痺(パーキンソン病)、線状体黒質変性症、進行性核上麻痺、捻転ジストニア(捻転痙攣;変形性筋ジストニア)、痙性斜視、及び他のジスキネジー、家族性振戦、及びジル・ド・ラ・ツレット症候群。
IV.進行性失調症の症候群、例えば小脳変性(例えば、小脳皮質変性症及びオリーブ橋小脳委縮症(OPCA));及び脊髄小脳変性症(フリートライヒ運動失調及び関連疾患)。
V.中枢自律神経系障害の症候群(シャイ・ドレーガー症候群)。
VI.筋無力症及び感覚変化のない消耗性疾患(運動ニューロン疾患、例えば筋
委縮性側索硬化症、脊髄筋委縮症(例えば、乳児性脊髄筋委縮症(ウェルドニグ・ホフマン)、若年性脊髄筋委縮症(ウォールファルト・クーゲルベルク・ウェランダー)、及び他の形態の家族性脊髄筋委縮症)、原発性側索硬化症、及び遺伝性痙性対麻痺の症候群。
VII.筋無力症及び感覚変化のある消耗性疾患(進行性神経原性筋委縮症;慢性
家族性多発性神経炎)を組合せた症候群、例えば腓骨筋委縮症(シャルコー・マリー・ツース)、肥厚性間質性多発性神経炎(デジェリーヌ・ソッタ)、及び、雑多な形態の慢性進行性神経炎。
VIII.進行性視覚喪失症候群、例えば網膜の色素変性(色素性網膜症)、及び遺伝性視神経委縮症(レーバー病)。
【0109】
定義
本発明に関し、種々の文法的に正しい形での、用語「治療すること」は、疾病状態、疾病進行、疾病原因物質(例えば、細菌又はウイルス)、又は他の異常な症状の、有害作用を、予防すること(すなわち化学的予防)、治療すること、逆転させること、弱めること、緩和すること、最小限にすること、抑制すること、又は停止させることを指す。例えば、治療は、疾病の症状(すなわち、必ずしもすべての症状ではない)を緩和すること、又は疾病の進行を減衰させることを含んでもよい。本発明の方法のいくつかは、病因物質の物理的除去を含むことから、当業者は、それらが、本発明化合物が病因物質への暴露に先立つか又は同時に投与される状況(予防的処置)、及び、本発明化合物が病因物質への暴露の後に(かなり後であっても)投与される状況において、等しく有効であることを認識するであろう。
【0110】
癌の治療は、本明細書に使用されるとき、哺乳類、例えばヒトにおいて、癌転移を含めた癌の進行を、部分的又は全体的に阻害すること、遅延すること、又は予防すること;癌転移を含めた癌の再発を、阻害すること、遅延すること、又は予防すること;或いは、癌の開始又は発生を予防すること(化学的予防)を指す。
【0111】
本明細書で用いる場合、用語「治療有効量」は、組織、系、動物、又はヒトにおいて、研究者、獣医師、医者、又は他の臨床家によって求められている生物学的又は医学的効果を誘発する、活性化合物又は医薬品の量を意味する。治療効果は、治療される疾患又は障害、或いは所望される生物学的効果に依存する。すなわち、治療効果は、疾患又は障害に関連する症状の重さにおける減少、及び/又は、疾患の進行の(部分的又は完全な)阻害であってもよい。治療的応答を引き起こすために必要な量は、患者の年齢、健康、大きさ、及び性別に基づき決定されてよい。最適な量もまた、治療するべき患者の応答のモニタリングに基づき決定されてよい。
【0112】
本発明においては、化合物が癌を治療又は予防するために使用される場合、所望の生物学的応答は、哺乳類、例えばヒトにおける、癌転移を含めた癌の進行の、部分的又は全体的な阻害、遅延、又は予防;癌転移を含めた癌の再発の、阻害、遅延、又は予防;或いは、癌の開始又は発生の予防(化学的予防)である。
【0113】
さらに、本発明においては、化合物がチオレドキシン(TRX)介在性疾患及び症状を治療及び/又は予防するべく使用される場合、治療有効量は、かかる治療を必要とする患者において、生理学的に好適なTRXレベルを調節、例えば増大、低減、又は維持して、所望の治療効果を誘発する量である。治療効果は、治療される特定のTRX介在性疾患又は症状に依存する。すなわち、治療効果は、疾患又は障害に関連した症状の重さにおける減少、及び/又は、疾患の進行又は疾患の(部分的又は完全な)阻害であってよい。
【0114】
さらに、本発明においては、化合物が中枢神経系(CNS)の疾患又は障害を治療及び/又は予防するために使用される場合、治療有効量は、治療される特定の疾患又は障害に依存する。すなわち、治療効果は、疾患又は障害に関連した症状の重さにおける減少、及び/又は、当該疾患又は障害の進行の(部分的又は完全な)阻害であってよい。
【0115】
加えて、治療有効量は、ヒストン脱アセチル化酵素を阻害する量であってよい。
【0116】
さらに、治療有効量は、新生細胞の最終分化、細胞増殖停止、及び/又はアポトーシスを選択的に誘導する量、又は、腫瘍細胞の最終分化を誘導する量であってよい。
【0117】
本発明の方法は、癌をもつヒト患者の、治療又は化学的予防を意図したものである。しかしながら、この方法はまた、他の患者における癌の治療においても有効であることが見込まれる。本明細書において使用された「患者」は、これに制限されないが、霊長類(例えばヒト)、ウシ、ヒツジ、ヤギ、ウマ、ブタ、イヌ、ネコ、ウサギ、モルモット、ラット、マウスか、又は他の、ウシ種、ヒツジ種、ウマ種、イヌ種、ネコ種、げっ歯動物種、又はネズミ種、を含めた哺乳類などの動物を指す。
【0118】
ヒストン脱アセチル化酵素及びヒストン脱アセチル化酵素阻害剤
本明細書に示されるように、本発明のN−ヒドロキシ−ナフタレンジカルボキサミド及びN−ヒドロキシ−ビフェニル−ジカルボキサミド誘導体は、ヒストン脱アセチル化酵素(HDAC)の阻害剤として改善した活性を示す。したがって、1つの実施態様においては、本発明は、ヒストン脱アセチル化酵素を、本明細書に記載された1種以上のN−ヒドロキシ−ナフタレンジカルボキサミド及びN−ヒドロキシ−ビフェニル−ジカルボキサミド化合物の有効量と接触させることを含んでなる、ヒストン脱アセチル化酵素の活性を阻害する方法に関する。
【0119】
ヒストン脱アセチル化酵素(HDAC)は、当該用語が本明細書に使用される場合、ヌクレオソームコアヒストンのアミノ末端テールにおけるリジン残基からのアセチル基除去を触媒する酵素である。すなわち、HDACは、ヒストンアセチル基転移酵素(HAT)と一緒に、ヒストンのアセチル化状態を調節する。ヒストンアセチル化は、遺伝子発現に影響を及ぼし、そしてHDACの阻害剤、例えば、ヒドロキサム酸ベースのハイブリッド極性化合物であるスベロイルアニリドヒドロキサム酸(SAHA)は、インビトロでは、トランスフォーム細胞の増殖停止、分化、及び/又はアポトーシスを誘導し、かつインビボでは、腫瘍増殖を阻害する。HDACは、構造上の相同性に基づき、3つのクラスに分類可能である。クラスI・HDAC(HDAC1、2、3、及び8)は、酵母RPD3タンパク質に類似性をもち、核に局在し、かつ転写コレプレッサーと会合した複合体中に見出される。クラスII・HDAC(HDAC4、5、6、7、及び9)は、酵母HDA1タンパク質に類似しており、核及び細胞質の双方に細胞内局在性を有する。クラスI及びIIの双方のHDACは、ヒドロキサム酸ベースのHDAC阻害剤、例えばSAHAにより阻害される。クラスIII・HDACは、酵母SIR2タンパク質に関連するNAD依存性酵素の、構造的に離れたクラスを構成しており、かつヒドロキサム酸ベースHDAC阻害剤によって阻害されない。
【0120】
ヒストン脱アセチル化酵素阻害剤、又はHDAC阻害剤は、当該用語が本明細書に使用される場合、ヒストンの脱アセチル化をインビボ、インビトロ又は双方において阻害し得る化合物である。すなわち、HDAC阻害剤は、少なくとも1つのヒストン脱アセチル化酵素の活性を阻害する。少なくとも1つのヒストンの脱アセチル化の阻害の結果として、アセチル化されたヒストンの増加が起こり、そしてアセチル化ヒストンの蓄積は、HDAC阻害剤の活性を評価するための好適な生物学的マーカーである。それ故、アセチル化ヒストンの蓄積についてアッセイし得る方法を用いて、興味の化合物のHDAC阻害活性を測定することができる。ヒストン脱アセチル化酵素活性を阻害し得る化合物はまた、他の基質と結合することも可能であり、例えば、酵素のような他の生物活性分子を阻害し得ることが理解される。また、本発明化合物は、上記に示した任意のヒストン脱アセチル化酵素か、又は他の任意のヒストン脱アセチル化酵素を阻害しうることも理解される。
【0121】
例えば、HDAC阻害剤を受けている患者においては、末梢単核細胞においても、HDAC阻害剤で処理された組織におけると同様に、アセチル化ヒストンの蓄積を、適当なコントロールに比較して測定することができる。
【0122】
特定の化合物のHDAC阻害活性は、例えば、少なくとも1つのヒストン脱アセチル化酵素の阻害を示す酵素アッセイを用いて、インビトロにおいて測定し得る。さらに、1つの特定の組成物で処理された細胞における、アセチル化ヒストンの蓄積の測定により、1つの化合物のHDAC阻害活性を測定することができる。
【0123】
アセチル化ヒストンの蓄積に関するアッセイは、文献において周知である。例えば、マークス(Marks,P.A.)ら著、「ジャーナル・オブ・ナショナル・キャンサー・インスチチュート(J.Natl.Cancer Inst.)」、2000年、第92巻、p.1210−1215;バトラー(Butler,L.M.)ら著、「キャンサー・リサーチ(Cancer Res.)」、2000年、第60巻、p.5165−5170;リチョン(Richon,V.M.)ら著、「Proc.Natl.Acad.Sci.,USA」、1998年、第95巻、p.3003−3007、及びヨシダ(Yoshida,M.)ら著、「ザ・ジャーナル・オブ・バイオロジカル・ケミストリー(J.Biol.Chem.)」、1990年、第265巻、p.17174−17179参照。
【0124】
例えば、HDAC阻害剤化合物の活性を測定するための酵素アッセイは、以下のように行なうことができる。手短に言えば、アフィニティ精製されたヒトエピトープタグ(Flag)HDAC1に対するHDAC阻害剤化合物の効果は、該酵素標品を、基質不在下に、指定された量の阻害剤化合物と共に、氷上で約20分間インキュベートすることによりアッセイすることができる。基質([H]アセチル標識されたマウス赤白血病細胞由来のヒストン)を添加することができ、そしてこの試料を、全量30μL中で、37℃で20分間インキュベートすることができる。次いで反応を停止することができ、放出されたアセタートを抽出して、放射能放出の量をシンチレーションカウンティングにより測定することができる。HDAC阻害剤化合物の活性を測定するために有用な代替えのアッセイは、バイオモル・リサーチ・ラボラトリーズ・インク(BIOMOL Research Laboratories,Inc.)、ペンシルベニア州、プリマス・ミーティング(Plymouth Meeting)から市販されている「HDACフルオレセント・アクティビティ・アッセイ(Fluorescent Activity Assay);ドラッグ・ディスカバリー・キット(Drug Discovery Kit)−AK−500」である。
【0125】
インビボの研究は、以下のように行なうことができる。動物、例えば、マウスは、HDAC阻害剤化合物を腹腔内に注射可能である。選択された組織、例えば脳、脾臓、肝臓などを、投与後の所定の時間に単離することができる。ヒストンは、本質的に、吉田ら(Yoshida et al.)ら、「J.Biol.Chem.」、1990年、第265巻、p.17174−17179、によって記述されたように、組織から単離し得る。等量のヒストン(約1μg)を、15%SDS−ポリアクリルアミドゲル上で電気泳動することができ、ハイボンド(Hybond)−Pフィルタ(アマシャム(Amersham)より市販)へ移すことができる。フィルタは、3%ミルクでブロック可能であり、精製されたウサギポリクローナル抗アセチル化ヒストンH4抗体(αAc−H4)及び、抗アセチル化ヒストンH3抗体(αAc−H3)(アップステート・バイオテクノロジー・インク(Upstate Biotechnology,Inc.))を用いてプローブすることができる。アセチル化ヒストンのレベルは、西洋ワサビペルオキシダーゼをコンジュゲートしたヤギ抗ウサギ抗体(1:5000)と、スーパーシグナル(SuperSignal)化学発光基質(ピアース(Pierce))とを用いて可視化可能である。ヒストンタンパク質用のローディングコントロールとして、平行したゲルを流し、かつクーマシー・ブルー(CB)で染色することができる。
【0126】
さらに、ヒドロキサム酸ベースのHDAC阻害剤は、p21WAF1遺伝子の発現をアップレギュレートすることが示されてきた。p21WAF1タンパク質は、標準的な方法を用いて、様々なトランスフォーム細胞において、HDAC阻害剤を用いた培養の2時間以内に誘導される。p21WAF1遺伝子の誘導は、この遺伝子のクロマチン領域におけるアセチル化ヒストンの蓄積と関連づけられている。それ故、p21WAF1の誘導は、トランスフォーム細胞においてHDAC阻害剤により引き起こされる、G1細胞周期停止に関与していると認識することができる。
【0127】
併用療法
本発明のN−ヒドロキシ−ナフタレンジカルボキサミド及びN−ヒドロキシ−ビフェニル−ジカルボキサミド化合物は、単独で、又は、治療される疾患又は障害に好適な他の治療剤と組合せて投与することができる。別々の剤形が使用される場合、当該N−ヒドロキシ−ナフタレンジカルボキサミド及びN−ヒドロキシ−ビフェニル−ジカルボキサミド化合物及び他の治療剤は、本質的に同じ時間に(同時に)、又は別々に交互の時間に(逐次的に)投与することができる。薬剤併用は、これらのレジメンを全て包含するものと理解される。これらの種々の方法における投与は、該N−ヒドロキシ−ナフタレンジカルボキサミド及びN−ヒドロキシ−ビフェニル−ジカルボキサミド化合物及び他の治療剤の有益な治療効果が、患者によって実質的に同時に実現される限り、本発明に好適である。1つの実施態様においては、かかる有益効果は、各活性薬物の標的血中レベル濃度が実質的に同時に維持される場合に達成される。
【0128】
本化合物はまた、既知の治療剤及び抗癌剤との併用においても有用である。例えば、本発明化合物は、既知の抗癌剤との併用において有用である。本開示化合物と他の抗癌剤又は化学療法剤との組合せは、本発明の範囲内である。かかる薬剤の例は、デビータ(V.T.Devita)及びヘルマン(S.Hellman)共編、「キャンサー・プリンシプルズ・アンド・プラクティス・オブ・オンコロジー(Cancer Principles and Practice of Oncology)(癌の原理及び腫瘍学のプラクティス)」、第6版、リピンコット・ウィリアムズ・アンド・ウィルキンス出版(Lippincott Williams&Wilkins Publishers)、2001年2月15日、において見出すことができる。当業者は、薬物及び関係する癌の、特定の性質に基づき、どの薬剤の組合せが有用であるかを識別することができるであろう。かかる抗癌剤は、制限されることなく以下を包含する:エストロゲン受容体モジュレータ、アンドロゲン受容体モジュレータ、レチノイド受容体モジュレータ、細胞傷害剤/細胞増殖抑制剤、抗増殖剤、プレニル−タンパク質トランスフェラーゼ阻害剤、HMG−CoAレダクターゼ阻害剤及び他の血管形成阻害剤、細胞増殖及び生存シグナリングの阻害剤、アポトーシス誘導剤、細胞周期チェックポイントを妨害する薬剤、受容体チロシンキナーゼ(RTK)を妨害する薬剤、及び癌ワクチン。本化合物は、放射線療法と同時投与された場合、特に有用である。
【0129】
1つの実施態様においては、本化合物はまた、以下を含む既知の抗癌剤との併用において有用である:エストロゲン受容体モジュレータ、アンドロゲン受容体モジュレータ、レチノイド受容体モジュレータ、細胞傷害剤、抗増殖剤、プレニル−タンパク質トランスフェラーゼ阻害剤、HMG−CoAレダクターゼ阻害剤、HIVプロテアーゼ阻害剤、逆転写酵素阻害剤、及び他の血管形成阻害剤。
【0130】
「エストロゲン受容体モジュレータ」は、メカニズムにかかわらず、受容体へのエストロゲンの結合を妨害又は阻害する化合物を指す。エストロゲン受容体モジュレータの例は、制限されることなく、ジエチルスチルベストロール、タモキシフェン、ラロキシフェン、ヨードキシフェン、LY353381、LY117081、トレミフェン、フルオキシメステロ(fluoxymestero)、フルベストラント、4−[7−(2,2−ジメチル−1−オキソプロポキシ−4−メチル−2−[4−[2−(1−ピペリジニル)エトキシ]フェニル]−2H−1−ベンゾピラン−3−イル]−フェニル−2,2−ジメチルプロパノアート、4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン−2,4−ジニトロフェニル−ヒドラゾン、及びSH646を包含する。
【0131】
他のホルモン剤は、アロマターゼ阻害剤(例えば、アミノグルテチミド、アナストロゾール、及びテトラゾール)、黄体形成ホルモン放出ホルモン(LHRH)類似体、ケトコナゾール、酢酸ゴセレリン、ロイプロリド、酢酸メゲストロール、及びミフェプリストンを包含する。
【0132】
「アンドロゲン受容体モジュレータ」は、メカニズムにかかわらず、受容体へのアンドロゲンの結合を妨害又は阻害する化合物を指す。アンドロゲン受容体モジュレータの例は、フィナステリド及び他の5α−レダクターゼ阻害剤、ニルタミド、フルタミド、ビカルタミド、リアロゾール、及びアビラテロンアセテートを包含する。
【0133】
「レチノイド受容体モジュレータ」は、メカニズムにかかわらず、受容体へのレチノイドの結合を妨害又は阻害する化合物を指す。かかるレチノイド受容体モジュレータの例は、ベキサロテン、トレチノイン、13−シス−レチノイン酸、9−シス−レチノイン酸、α−ジフルオロメチルオルニチン、ILX23−7553、トランス−N−(4’−ヒドロキシフェニル)レチンアミド、及びN−4−カルボキシフェニルレチンアミドを包含する。
【0134】
「細胞傷害剤/細胞増殖抑制剤」は、主として細胞の機能化を直接妨害することにより細胞死を引き起こすか又は細胞増殖を阻害するか、或いは細胞有糸分裂を阻害又は妨害する化合物を指し、アルキル化剤、腫瘍壊死因子、インターカレーター、低酸素活性化化合物、微小管阻害剤/微小管安定化剤、有糸分裂キネシンの阻害剤、ヒストン脱アセチル化酵素阻害剤、有糸分裂の進行に関与するキナーゼの阻害剤、代謝拮抗物質;生物応答調節剤;ホルモン/抗ホルモン治療剤、造血成長因子、モノクローナル抗体標的化治療剤、トポイソメラーゼ阻害剤、プロテオソーム阻害剤、及びユビキチンリガーゼ阻害剤を包含する。
【0135】
細胞傷害剤の例は、制限なされることなく、セルテネフ、カケクチン、クロランブシル、シクロホスファミド、イフォスファミド、メクロレタミン、メルファラン、ウラシルマスタード、チオテパ、ブスルファン、カルムスチン、ロムスチン、ストレプトゾシン、タソネルミン、ロニダミン、カルボプラチン、アルトレタミン、ダカルバジン、プロカルバジン、プレドニムスチン、ジブロモダルシトール、ラニムスチン、フォテムスチン、ネダプラチン、オキザリプラチン、テモゾロミド、ヘプタプラチン、エストラムスチン、インプロスルファントシラート、トロホスファミド、ニムスチン、塩化ジブロスピジウム、プミテパ、ロバプラチン、サトラプラチン、ポルフィロマイシン、シスプラチン、イロフルベン、デキシホスファミド、シス−アミンジクロロ(2−メチル−ピリジン)白金、ベンジルグアニン、グルホスファミド、GPX100、(トランス、トランス、トランス)−ビス−ミュー−(ヘキサン−1,6−ジアミン)−ミュー−[ジアミン−白金(II)]ビス[ジアミン(クロロ)白金(II)]テトラクロリド、ジアリジジニル(diarizidinyl)スペルミン、三酸化ヒ素、1−(11−ドデシルアミノ−10−ヒドロキシウンデシル)−3,7−ジメチルキサンチン、ゾルビシン、ドキソルビシン、ダウノルビシン、イダルビシン、アントラセンジオン、ブレオマイシン、マイトマイシンC、ダクチノマイシン、プリカトマイシン(plicatomycin)、ビサントレン、ミトキサントロン、ピラルビシン、ピナフィド、バルルビシン、アムルビシン、アンチネオプラストン、3’−デアミノ−3’−モルホリノ−13−デオキソ−10−ヒドロキシカルミノマイシン、アナマイシン、ガラルビシン、エリナフィド、MEN10755、及び4−デメトキシ−3−デアミノ−3−アジリジニル−4−メチルスルホニル−ダウノルビシン(WO00/50032参照)を包含する。
【0136】
低酸素活性化化合物の1つの例は、チラパザミンである。
【0137】
プロテオソーム阻害剤の例は、制限されることなく、ラクタシスチン及びボルテゾミブを包含する。
【0138】
微小管阻害剤/微小管安定化剤の例は、ビンクリスチン、ビンブラスチン、ビンデシン、ビンゾリジン、ビノレルビン、硫酸ビンデシン、3’,4’−ジデヒドロ−4’−デオキシ−8’−ノルビンカロイコブラスチン、ポドフィロトキシン(例えばエトポシド(VP−16)及びテニポシド(VM−26))、パクリタキセル、ドセタキソール、リゾキシン、ドラスタチン、ミボブリンイセチオナート、アウリスタチン、セマドチン、RPR109881、BMS184476、ビンフルニン、クリプトフィシン、2,3,4,5,6−ペンタフルオロ−N−(3−フルオロ−4−メトキシフェニル)ベンゼンスルホンアミド、アンヒドロビンブラスチン、N,N−ジメチル−L−バリル−L−バリル−N−メチル−L−バリル−L−プロリル−L−プロリン−t−ブチルアミド、TDX258、エポチロン(例えば米国特許第6,284,781及び6,288,237号参照)、及び、BMS188797を包含する。
【0139】
トポイソメラーゼ阻害剤のいくつかの例は、トポテカン、ヒカプタミン、イリノテカン、ルビテカン、6−エトキシプロピオニル−3’,4’−O−エキソ−ベンジリデン−シャールトルーシン、9−メトキシ−N,N−ジメチル−5−ニトロピラゾロ[3,4,5−kl]アクリジン−2−(6H)プロパンアミン、1−アミノ−9−エチル−5−フルオロ−2,3−ジヒドロ−9−ヒドロキシ−4−メチル−1H,12H−ベンゾ[de]ピラノ[3’,4’:b,7]−インドリジノ[1,2b]キノリン−10,13(9H,15H)ジオン、ルルトテカン、7−[2−(N−イソプロピルアミノ)エチル]−(20S)カンプトテシン、BNP1350、BNPI1100、BN80915、BN80942、エトポシドホスファート、テニポシド、ソブゾキサン、2’−ジメチルアミノ−2’−デオキシ−エトポシド、GL331、N−[2−(ジメチルアミノ)エチル]−9−ヒドロキシ−5,6−ジメチル−6H−ピリド[4,3−b]カルバゾール−1−カルボキサミド、アスラクリン、(5a,5aB,8aa,9b)−9−[2−[N−[2−(ジメチルアミノ)エチル]−N−メチルアミノ]エチル]−5−[4−ヒドロオキシ−3,5−ジメトキシフェニル]−5,5a,6,8,8a,9−ヘキソヒドロフロ(3’,4’:6,7)ナフト(2,3−d)−1,3−ジオキソール−6−オン、2,3−(メチレンジオキシ)−5−メチル−7−ヒドロキシ−8−メトキシベンゾ[c]−フェナントリジニウム、6,9−ビス[(2−アミノエチル)アミノ]ベンゾ[g]イソキノリン−5,10−ジオン、5−(3−アミノプロピルアミノ)−7,10−ジヒドロキシ−2−(2−ヒドロキシエチルアミノメチル)−6H−ピラゾロ[4,5,1−de]アクリジン−6−オン、N−[1−[2(ジエチルアミノ)エチルアミノ]−7−メトキシ−9−オキソ−9H−チオキサンテン−4−イルメチル]ホルムアミド、N−(2−(ジメチルアミノ)エチル)アクリジン−4−カルボキサミド、6−[[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ]−3−ヒドロキシ−7H−インデノ[2,1−c]キノリン−7−オン、及び、ジメスナである。
【0140】
有糸分裂キネシン、及び特にヒト有糸分裂キネシンKSP、の阻害剤の例は、PCT
公開WO01/30768、WO01/98278、WO03/050,064、WO03/050,122、WO03/049,527、WO03/049,679、WO03/049,678、及びWO03/39460、及び係属中のPCT出願第US03/06403(2003年3月4日出願)、US03/15861(2003年5月19日出願)、US03/15810(2003年5月19日出願)、US03/18482(2003年6月12日出願)、及びUS03/18694(2003年6月12日出願)に記載されている。1つの実施態様においては、有糸分裂キネシンの阻害剤は、制限されることなく、KSPの阻害剤、MKLP1の阻害剤、CENP−Eの阻害剤、MCAKの阻害剤、Kifl4の阻害剤、Mphosph1の阻害剤、及びRab6−KIFLの阻害剤を包含する。
【0141】
「ヒストン脱アセチル化酵素阻害剤」の例は、制限されることなく、SAHA、TSA、オキサムフラチン、PXD101、MG98、バルプロ酸、及びスクリプタイドを包含する。他のヒストン脱アセチル化酵素阻害剤に関するさらなる参考文献は、以下の文書;ミラー(Miller,T.A.)ら著、「ジャーナル・オブ・メディシナル・ケミストリー(J.Med.Chem.)」、2003年、第46巻、第24号、p.5097−5116、に見出すことができる。
【0142】
「有糸分裂の進行に関与するキナーゼの阻害剤」は、制限されることなく、オーロラキナーゼの阻害剤、ポロ様キナーゼの阻害剤(PLK;特にPLK−1の阻害剤)、bub−1の阻害剤、及びbub−R1の阻害剤を包含する。「オーロラキナーゼ阻害剤」の1つの例は、VX−680である。
【0143】
「抗増殖剤」は、アンチセンスRNA及びDNAオリゴヌクレオチド、例えばG3139、ODN698、RVASKRAS、GEM231、及びINX3001;及び、代謝拮抗物質、例えばエノシタビン、カルモフール、テガフール、ペントスタチン、ドキシフルリジン、トリメトレキセート、フルダラビン、カペシタビン、ガロシタビン、シタラビンオクフォスファート、フォステアビン(fosteabine)ナトリウム水和物、ラルチトレキセド、パルチトレキシド、エミテフール、チアゾフリン、デシタビン、ノラトレキセド、ペメトレキセド、ネルザラビン、2’−デオキシ−2’−メチリデンシチジン、2’−フルオロメチレン−2’−デオキシシチジン、N−[5−(2,3−ジヒドロ−ベンゾフリル)スルホニル]−N’−(3,4−ジクロロフェニル)尿素、N6−[4−デオキシ−4−[N2−[2(E),4(E)−テトラデカジエノイル]グリシルアミノ]−L−グリセロ−B−L−マンノ−ヘプトピラノシル]アデニン、アプリジン、エクチナサイジン、トロキサシタビン、4−[2−アミノ−4−オキソ−4,6,7,8−テトラヒドロ−3H−ピリミジノ[5,4−b][1,4]チアジン−6−イル−(S)−エチル]−2,5−チエノイル−L−グルタミン酸、アミノプテリン、5−フルオロウラシル、フロキシウリジン、メトトレキセート、ロイコボリン、ヒドロキシ尿素、チオグアニン(6−TG)、メルカプトプリン(6−MP)、シタラビン、ペントスタチン、リン酸フルダラビン、クラドリビン(2−CDA)、アスパラギナーゼ、ゲムシタビン、アラノシン、11−アセチル−8−(カルバモイルオキシメチル)−4−ホルミル−6−メトキシ−14−オキサ−1,11−ジアザテトラシクロ(7.4.1.0.0)−テトラデカ−2,4,6−トリエン−9−イル酢酸エステル、スワインソニン、ロメトレキソール、デクスラゾキサン、メチオニナーゼ、2’−シアノ−2’−デオキシ−N4−パルミトイル−1−B−D−アラビノフラノシルシトシン、及び3−アミノピリジン−2−カルボキシアルデヒドチオセミカルバゾンを包含する。
【0144】
モノクローナル抗体標的化治療剤の例は、癌細胞特異又は標的細胞特異モノクローナル抗体へ結合した、細胞傷害剤又は放射性同位元素を有する治療剤を包含する。例は、ベクサール(Bexxar)を包含する。
【0145】
「HMG−CoAレダクターゼ阻害剤」は、3−ヒドロキシ−3−メチルグルタリル−CoAレダクターゼの阻害剤を指す。使用してもよいHMG−CoAレダクターゼ阻害剤の例は、制限されることなく、ロバスタチン(メバコール(MEVACOR)(登録商標);米国特許第4,231,938、4,294,926、及び4,319,039号参照)、シンバスタチン(ゾコール(ZOCOR)(登録商標);米国特許第4,444,784、4,820,850、及び4,916,239号参照)、プラバスタチン(プラバコール(PRAVACHOL)(登録商標);米国特許第4,346,227、4,537,859、4,410,629、5,030,447、及び5,180,589号参照)、フルバスタチン(レスコール(LESCOL)(登録商標);米国特許第5,354,772、4,911,165、4,929,437、5,189,164、5,118,853、5,290,946、及び5,356,896号参照)、及びアトルバスタチン(リピトール(LIPITOR)(登録商標);米国特許第5,273,995、4,681,893、5,489,691、及び5,342,952号参照)を包含する。これらの、及び、本方法において使用されてもよい付加的なHMG−CoAレダクターゼ阻害剤の構造式は、ヤルパニ(M.Yalpani)著、「コレステロール・ロワリング・ドラッグズ(Cholesterol Lowering Drugs)(コレステロール低下薬)」、ケミストリー・アンド・インダストリー(Chemistry&Industry)、1996年2月5日、p.85−89の第87頁、及び、米国特許第4,782,084及び4,885,314号に記載されている。本明細書で用いる場合、用語HMG−CoAレダクターゼ阻害剤は、HMG−CoAレダクターゼ阻害活性を有する化合物の、全ての薬学的に許容されるラクトン及びオープン酸型(すなわち、ラクトン環が開裂されて遊離酸を形成する場合)並びに塩及びエステル型を包含し、それ故、かかる塩、エステル、オープン酸、及びラクトン型の使用は、本発明の範囲内に包含される。
【0146】
「プレニル−タンパク質トランスフェラーゼ阻害剤」は、ファルネシル−タンパク質トランスフェラーゼ(FPTアーゼ)、ゲラニルゲラニル−タンパク質トランスフェラーゼI型(GGPTアーゼ−I)、及び、ゲラニルゲラニル−タンパク質トランスフェラーゼII型(GGPTアーゼ−II、またRab GGPTアーゼとも呼ばれる)を包含する、プレニルタンパク質トランスフェラーゼ酵素の任意の1つ又は任意の組合せを阻害する化合物を指す。
【0147】
プレニル−タンパク質トランスフェラーゼ阻害剤の例は、以下の出版物及び特許に見出すことができる:WO96/30343、WO97/18813、WO97/21701、WO97/23478、WO97/38665、WO98/28980、WO98/29119、WO95/32987、米国特許第5,420,245号、米国特許第5,523,430号、米国特許第5,532,359号、米国特許第5,510,510号、米国特許第5,589,485号、米国特許第5,602,098号、欧州特許公開第0 618 221号、欧州特許公開第0 675 112号、欧州特許公開第0 604 181号、欧州特許公開第0 696 593号、WO94/19357、WO95/08542、WO95/11917、WO95/12612、WO95/12572、WO95/10514、米国特許第5,661,152号、WO95/10515、WO95/10516、WO95/24612、WO95/34535、WO95/25086、WO96/05529、WO96/06138、WO96/06193、WO96/16443、WO96/21701、WO96/21456、WO96/22278、WO96/24611、WO96/24612、WO96/05168、WO96/05169、WO96/00736、米国特許第5,571,792号、WO96/17861、WO96/33159、WO96/34850、WO96/34851、WO96/30017、WO96/30018、WO96/30362、WO96/30363、WO96/31111、WO96/31477、WO96/31478、WO96/31501、WO97/00252、WO97/03047、WO97/03050、WO97/04785、WO97/02920、WO97/17070、WO97/23478、WO97/26246、WO97/30053、WO97/44350、WO98/02436、及び米国特許第5,532,359号。血管新生に対するプレニル−タンパク質トランスフェラーゼ阻害剤の役割の1つの例については、「ヨーロピアン・ジャーナル・オブ・キャンサー(European J.of Cancer)」、1999年、第35巻、第9号、p.1394−1401参照。
【0148】
「血管形成阻害剤」は、メカニズムにかかわらず、新たな血管の形成を阻害する化合物を指す。血管形成阻害剤の例は、制限されることなく、チロシンキナーゼ阻害剤、例えば、チロシンキナーゼ受容体Flt−1(VEGFR1)及びFlk−1/KDR(VEGFR2)の阻害剤、上皮由来、線維芽細胞由来、又は血小板由来の成長因子の阻害剤、MMP(マトリックスメタロプロテアーゼ)阻害剤、インテグリン阻害剤、インターフェロン−α、インターロイキン−12、エリスロポエチン(エポエチン−α)、顆粒球−CSF(フィルグラスチン)、顆粒球、マクロファージ−CSF(サルグラモスチム)、ペントサン多硫酸塩、アスピリン及びイブプロフェンのような非ステロイド系抗炎症剤(NSAID)並びに、セレコキシブ及びロフェコキシブのような選択的シクロオキシ−ゲナーゼ−2阻害剤を含めた、シクロオキシゲナーゼ阻害剤(「PNAS」、1992年、第89巻、p.7384;「ジャーナル・オブ・ザ・ナショナル・キャンサー・インスチチュート(JNCI)」、1982年、第69巻、p.475;「アーカイブズ・オブ・オフサルモロジー(Arch.Opthalmol.)」、1990年、第108巻、p.573;「ディ・アナトミカル・レコード(Anat.Rec.)」、1994年、第238巻、p.68;「フェブス・レターズ(FEBS Letters)」、1995年、第372巻、p.83;「クリニカル・オルソペディックス(Clin.Orthop.)」、1995年、第313巻、p.76;「ジャーナル・オブ・モレキュラー・エンドクリノロジー(J.Mol.Endocrinol.)」、1996年、第16巻、p.107;「ザ・ジャパニーズ・ジャーナル・オブ・ファーマコロジー(Jpn.J.Pharmacol.)」、1997年、第75巻、p.105;「Cancer Res.」、1997年、第57巻、p.1625;「セル(Cell)」、1998年、第93巻、p.705;「インターナショナル・ジャーナル・オブ・モレキュラー・メディズン(Intl.J.Mol.Med.)」、1998年、第2巻、p.715;「J.Biol.Chem.」、1999年、第274巻、p.9116)、ステロイド系抗炎症剤(例えばコルチコステロイド、ミネラルコルチコイド、デキサメタゾン、プレドニソン、プレドニソロン、メチルプレド、ベタメタゾン)、カルボキシアミドトリアゾール、コンブレタスタチンA−4、スクアラミン、6−O−クロロアセチル−カルボニル)−フマギロール、サリドマイド、アンギオスタチン、トロポニン−1、アンギオテンシンIIアンタゴニスト(フェルナンデス(Fernandez)ら著、「ザ・ジャーナル・オブ・ラボラトリー・アンド・クリニカル・メディスン(J.Lab.Clin.Med.)」、1985年、第105巻、p.141−145参照)、及びVEGFに対する抗体(「ネイチャー・バイオテクノロジー(Nature Biotechnology)」、1999年10月、第17巻、p.963−968;キム(Kim)ら著、「Nature」、1993年、第362巻、p.841−844;WO00/44777;及び、WO00/61186参照)を包含する。
【0149】
血管新生を調節又は阻害し、かつ本発明化合物と組合せて使用してもよい他の治療剤は、凝固及び線溶系を調節又は阻害する薬剤を包含する(「クリニカル・ケミストリー・アンド・ラボラトリー・メディスン(Clin.Chem.La.Med.)」、2000年、第38巻、p.679−692の総説を参照)。凝固及び線溶経路を調節又は阻害する、かかる薬剤の例は、制限されることなく、ヘパリン(「トロンボーシス・アンド・ヘモスタシス(Thromb.Haemost.)」、1998年、第80巻、p.10−23)、低分子ヘパリン、及びカルボキシペプチダーゼU阻害剤(活性型トロンビン活性化線溶抑制因子[TAFIa]の阻害剤としても公知)(「トロンボーシス・リサーチ(Thrombosis Res.)」、2001年、第101巻、p.329−354参照)を包含する。TAFIa阻害剤は、PCT公開WO03/013,526、及び米国特許出願番号60/349,925号(2002年1月18日出願)に記載されている。
【0150】
「細胞周期チェックポイントを妨害する薬剤」は、細胞周期チェックポイントシグナルを変換するプロテインキナーゼを阻害し、それにより癌細胞をDNA損傷剤に対し感受性化する化合物を指す。かかる薬剤は、ATR、ATM、Chk1及びChk2キナーゼの阻害剤と、cdk及びcdcキナーゼ阻害剤とを包含し、特に、7−ヒドロキシスタウロスポリン、フラボピリドール、CYC202(サイクラセル(Cyclacel))、及びBMS−387032に例示される。
【0151】
「受容体チロシンキナーゼ(RTK)を妨害する薬剤」は、RTKを、そしてそれ故、発癌及び腫瘍進行に関与するメカニズムを阻害する化合物を指す。かかる薬剤は、c−Kit、Eph、PDGF、Flt3、及びc−Metの阻害剤を包含する。さらなる薬剤は、ブーム・ジェンセン(Bume−Jensen)及びハンター(Hunter)著、「Nature」、2001年、第411巻、p.355−365による記述として示された、RTKの阻害剤を包含する。
【0152】
「細胞増殖及び生存シグナリング経路の阻害剤」は、細胞表面受容体と、これらの表面受容体の下流のシグナル伝達カスケードとを阻害する医薬品を指す。かかる薬剤は、EGFRの阻害剤(例えば、ゲフィチニブ及びエルロチニブ)、ERB−2の阻害剤(例えばトラツズマブ)、IGFRの阻害剤、CD20の阻害剤(リツキシマブ)、サイトカイン受容体の阻害剤、METの阻害剤、PI3Kの阻害剤(例えばLY294002)、セリン/スレオニンキナーゼ(制限されることなく、Aktの阻害剤、例えば(WO03/086404、WO03/086403、WO03/086394、WO03/086279、WO02/083675、WO02/083139、WO02/083140、及びWO02/083138に開示されたものを包含する)、Rafキナーゼの阻害剤(例えばBAY−43−9006)、MEKの阻害剤(例えば、CI−1040及びPD−098059)、及びmTORの阻害剤(例えばワイス(Wyeth)CCI−779及びアリアド(Ariad)AP23573)を包含する。かかる薬剤は、低分子阻害剤化合物及び、抗体アンタゴニストを包含する。
【0153】
「アポトーシス誘導剤」は、TNF受容体ファミリーメンバー(TRAIL受容体を含む)の活性化剤を包含する。
【0154】
本発明はまた、選択的なCOX−2阻害剤である、NSAIDとの併用も包含する。本明細書では、選択的COX−2阻害剤であるNSAIDは、細胞又はミクロソームアッセイにより評価される、COX−1のIC50に対するCOX−2のIC50の比率によって測定されるとき、少なくとも100倍の、COX−1に対するCOX−2阻害特異性を有するものとして定義される。かかる化合物は、制限されることなく、米国特許5,474,995、米国特許5,861,419、米国特許6,001,843、米国特許6,020,343、米国特許5,409,944、米国特許5,436,265、米国特許5,536,752、米国特許5,550,142、米国特許5,604,260、米国特許5,698,584、米国特許5,710,140、WO94/15932、米国特許5,344,991、米国特許5,134,142、米国特許5,380,738、米国特許5,393,790、米国特許5,466,823、米国特許5,633,272、及び米国特許5,932,598に開示されたものを包含する。
【0155】
本治療法において特に有用であるCOX−2の阻害剤は、3−フェニル−4−(4−(メチルスルホニル)フェニル)−2−(5H)−フラノン;及び5−クロロ−3−(4−メチルスルホニル)フェニル−2−(2−メチル−5−ピリジニル)ピリジン;又は、その薬学的に許容される塩である。
【0156】
COX−2の特異的阻害剤として記載されてきており、それ故本発明において有用な化合物は、制限されることなく、パレコキシブ、セレブレックス(CELEBREX(登録商標))及びベクストラ(BEXTRA(登録商標))、又はその薬学的に許容される塩を包含する。
【0157】
血管形成阻害剤の他の例は、制限されることなく、エンドスタチン、ウクライン、ランピルナーゼ、IM862、5−メトキシ−4−[2−メチル−3−(3−メチル−2−ブテニル)オキシラニル]−1−オキサスピロ[2,5]オクト−6−イル(クロロアセチル)カルバメート、アセチルジナナリン(acetyldinanaline)、5−アミノ−1−[[3,5−ジクロロ−4−(4−クロロベンゾイル)フェニル]メチル]−1H−1,2,3−トリアゾール−4−カルボキサミド、CM101、スクワラミン、コンブレタスタチン、RPI4610、NX31838、硫酸化マンノペンタオースホスファート、7,7−(カルボニル−ビス[イミノ−N−メチル−4,2−ピロロカルボニルイミノ[N−メチル−4,2−ピロール]−カルボニルイミノ]−ビス−(1,3−ナフタレンジスルホナート)、及び、3−[(2,4−ジメチルピロール−5−イル)メチレン]−2−インドリノン(SU5416)を包含する。
【0158】
上記に使用いたように、「インテグリン阻害剤」は、生理的リガンドの、αβインテグリンへの結合を選択的に拮抗するか、阻害するか、又は反対に作用する化合物;生理的リガンドの、αβインテグリンへの結合を選択的に拮抗するか、阻害するか、又は反対に作用する化合物;生理的リガンドの、αβインテグリン及びαβインテグリン双方への結合を拮抗するか、阻害するか、又は反対に作用する化合物;及び、毛細血管内皮細胞上に発現された特定のインテグリンの活性を拮抗するか、阻害するか、又は反対に作用する化合物を指す。該用語はまた、αβ、αβ、αβ、αβ、αβ、αβ、及びαβインテグリンのアンタゴニストも指す。当該用語はまた、αβ、αβ、αβ、αβ、αβ、αβ、αβ、αβ、及びαβインテグリンの任意の組合せのアンタゴニストも指す。
【0159】
チロシンキナーゼ阻害剤のいくつかの具体的な例は、N−(トリフルオロメチルフェニル)−5−メチルイソオキサゾール−4−カルボキサミド、3−[(2,4−ジメチルピロール−5−イル)メチリデニル]インドリン−2−オン、17−(アリルアミノ)−17−デメトキシゲルダナマイシン、4−(3−クロロ−4−フルオロフェニルアミノ)−7−メトキシ−6−[3−(4−モルホリニル)プロポキシル]キナゾリン、N−(3−エチニルフェニル)−6,7−ビス(2−メトキシエトキシ)−4−キナゾリンアミン、BIBX1382、2,3,9,10,11,12−ヘキサヒドロ−10−(ヒドロキシメチル)−10−ヒドロキシ−9−メチル−9,12−エポキシ−1H−ジインドロ[1,2,3−fg:3’,2’,1’−kl]ピロロ[3,4−i][1,6]ベンゾジアゾシン−1−オン、SH268、ゲニステイン、イマチニブ(STI571)、CEP2563、4−(3−クロロフェニルアミノ)−5,6−ジメチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジンメタンスルホナート、4−(3−ブロモ−4−ヒドロキシフェニル)アミノ−6,7−ジメトキシキナゾリン、4−(4’−ヒドロキシフェニル)アミノ−6,7−ジメトキシキナゾリン、SU6668、STI571A、N−4−クロロフェニル−4−(4−ピリジルメチル)−1−フタラジンアミン、及びEMD121974を包含する。
【0160】
抗癌化合物以外の化合物との併用もまた、本方法に包含される。例えば、本願にクレームされた化合物と、PPAR−γ(すなわち、PPAR−ガンマ)アゴニスト及びPPAR−δ(すなわち、PPAR−デルタ)アゴニストとの併用は、いくつかの悪性疾患の治療において有用である。PPAR−γ及びPPAR−δは、核のペルオキシゾーム増殖剤活性化受容体γ及びδである。PPAR−γの、内皮細胞上での発現、及びその血管新生における関与は、文献に報告されている(「ジャーナル・オブ・カルディオバスキュラー・ファーマコロジー(J.Cardiovasc.Pharmacol.)」、1998年、第31巻、p.909−913;「J.Biol.Chem.」、1999年、第274巻、p.9116−9121;「インベスティゲイティブ・オフサルモロジー・アンド・ビジュアル・サイエンス(Invest.Ophthalmol Vis.Sci.)」、2000年、第41巻、p.2309−2317参照)。より最近では、PPAR−γアゴニストが、インビトロで、VEGFに対する血管新生応答を阻害することが開示されている;トログリタゾン及びマレイン酸ロシグリタゾンの双方は、マウスにおいて、網膜血管新生の発生を阻害する(「アーカイブズ・オブ・オフサルモロジー(Arch. Ophthamol」、2001年、第119巻、p.709−717)。PPAR−γアゴニスト及びPPAR−γ/αアゴニストの例は、制限されることなく、チアゾリジンジオン(例えばDRF2725、CS−011、トログリタゾン、ロシグリタゾン、及びピオグリタゾン)、フェノフィブラート、ゲンフィブロジル、クロフィブラート、GW2570、SB219994、AR−H039242、JTT−501、MCC−555、GW2331、GW409544、NN2344、KRP297、NP0110、DRF4158、NN622、GI262570、PNU182716、DRF552926、2−[(5,7−ジプロピル−3−トリフルオロメチル−1,2−ベンゾイソオキサゾール−6−イル)オキシ]−2−メチルプロピオン酸(USSN 09/782,856に開示)、及び2(R)−7−(3−(2−クロロ−4−(4−フルオロフェノキシ)フェノキシ)プロポキシ)−2−エチルクロマン−2−カルボン酸(USSN 60/235,708及び60/244,697に開示)を包含する。
【0161】
本発明の別の実施態様は、癌の治療のための、遺伝子療法と組合せた本開示化合物の使用である。癌を治療するための遺伝学的戦略の概要に関しては、ホール(Hall)ら(「アメリカン・ジャーナル・オブ・ヒューマン・ジェネティクス(Am.J.Hum,Genet.)」、1997年、第61巻、p.785−789)、及びクーフェ(Kufe)ら(「キャンサー・メディスン(Cancer Medicine)(癌医療)」、第5版、BCデッカー(Decker)、ハミルトン、2000年、p.876−889)を参照。遺伝子療法を用いて、任意の腫瘍抑制遺伝子を送達することができる。かかる遺伝子の例は、制限されることなく、組換えウイルス媒介性の遺伝子導入により送達可能であるp53(例えば、米国特許第6,069,134号参照)、Duc−4、NF−1、NF−2、RB、WT1、BRCA1、BRCA2、uPA/uPARアンタゴニスト(「Adenovirus−Mediated Delivery of a uPA/uPAR Antagonist Suppresses Angiogenesis−Dependent Tumor Growth and Dissemination in Mice(uPA/uPARアンタゴニストのアデノウイルス媒介送達は、マウスにおいて、血管新生依存性の腫瘍増殖及び播種を抑制する)」、ジーン・セラピー(Gene Therapy)、1998年8月、第5巻、第8号、p.1105−13)、及びインターフェロンガンマ(「ジャーナル・オブ・イムノロジー(J.Immunol.)」、2000年、第164巻、p.217−222)を包含する。
【0162】
本発明化合物はまた、生来多剤耐性(MDR)、特に、トランスポータ−タンパク質の高レベルの発現に関与しているMDRの阻害剤と併用して投与してもよい。かかるMDR阻害剤は、p−糖タンパク質(P−gp)の阻害剤、例えばLY335979、XR9576、OC144−093、R101922、VX853、及びPSC833(バルスポダール)を包含する。
【0163】
本発明化合物を、抗嘔吐薬と一緒に用いて、本発明化合物の単独の又は放射線療法との使用の結果として生じるかもしれない急性、遅発性、遅延相、及び予測性嘔吐を含めた、悪心又は嘔吐を治療してもよい。嘔吐の予防又は治療のためには、本発明化合物は、他の抗嘔吐薬、特にニューロキニン−1受容体アンタゴニスト;5HT3受容体アンタゴニスト、例えばオンダンセトロン、グラニセトロン、トロピセトロン、及びザチセトロン;GABAB受容体アゴニスト、例えばバクロフェン;コルチコステロイド、例えばデカドロン(Decadron)(デキサメタゾン)、ケナログ(Kenalog)、アリストコート(Aristocort)、ナサライド(Nasalide)、プレフェリド(Preferid)、ベネコルテン(Benecorten)、又は他の、米国特許第2,789,118、2,990,401、3,048,581、3,126,375、3,929,768、3,996,359、3,928,326、及び3,749,712号に開示されたもの;抗ドーパミン作動薬、例えばフェノチアジン類(例えばプロクロルペラジン、フルフェナジン、チオリダジン、及びメソリダジン)、メトクロプラマイド、又はドロナビノールと一緒に使用してもよい。1つの実施態様においては、ニューロキニン−1受容体アンタゴニスト、5HT3受容体アンタゴニスト、及びコルチコステロイドから選択される抗嘔吐薬が、本化合物の投与の結果として生じるかもしれない嘔吐の治療又は予防のためのアジュバントとして投与される。
【0164】
本発明化合物との併用使用のためのニューロキニン−1受容体アンタゴニストは、例えば、米国特許第5,162,339、5,232,929、5,242,930、5,373,003、5,387,595、5,459,270、5,494,926、5,496,833、5,637,699、5,719,147号;欧州特許公開番号EP 0 360 390、0 394 989、0 428 434、0 429 366、0 430 771、0 436 334、0 443 132、0 482 539、0 498 069、0 499 313、0 512 901、0 512 902、0 514 273、0 514 274、0 514 275、0 514 276、0 515 681、0 517 589、0 520 555、0 522 808、0 528 495、0 532 456、0 533 280、0 536 817、0 545 478、0 558 156、0 577 394、0 585 913、0 590 512、0 599 538、0 610 793、0 634 402、0 686 629、0 693 489、0 694 535、0 699 655、0 699 674、0 707 006、0 708 101、0 709 375、0 709 376、0 714 891、0 723 959、0 733 632、及び0 776 893;PCT国際特許公開番号WO90/05525、90/05729、91/09844、91/18899、92/01688、92/06079、92/12151、92/15585、92/17449、92/20661、92/20676、92/21677、92/22569、93/00330、93/00331、93/01159、93/01165、93/01169、93/01170、93/06099、93/09116、93/10073、93/14084、93/14113、93/18023、93/19064、93/21155、93/21181、93/23380、93/24465、94/00440、94/01402、94/02461、94/02595、94/03429、94/03445、94/04494、94/04496、94/05625、94/07843、94/08997、94/10165、94/10167、94/10168、94/10170、94/11368、94/13639、94/13663、94/14767、94/15903、94/19320、94/19323、94/20500、94/26735、94/26740、94/29309、95/02595、95/04040、95/04042、95/06645、95/07886、95/07908、95/08549、95/11880、95/14017、95/15311、95/16679、95/17382、95/18124、95/18129、95/19344、95/20575、95/21819、95/22525、95/23798、95/26338、95/28418、95/30674、95/30687、95/33744、96/05181、96/05193、96/05203、96/06094、96/07649、96/10562、96/16939、96/18643、96/20197、96/21661、96/29304、96/29317、96/29326、96/29328、96/31214、96/32385、96/37489、97/01553、97/01554、97/03066、97/08144、97/14671、97/17362、97/18206、97/19084、97/19942、及び97/21702;及び英国特許公開番号2 266 529、2 268 931、2 269 170、2 269 590、2 271 774、2 292 144、2 293 168、2 293 169、及び2 302 689に充分に記載されている。かかる化合物の調製は、上記の特許及び出版物において充分に記載されている。
【0165】
1つの実施態様においては、本発明化合物との併用使用のためのニューロキニン−1受容体アンタゴニストは、2−(R)−(1−(R)−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)エトキシ)−3−(S)−(4−フルオロフェニル)−4−(3−(5−オキソ−1H,4H−1,2,4−トリアゾロ)メチル)モルホリン、又は、その薬学的に許容される塩から選ばれ、それは、米国特許第5,719,147号に記載されている。
【0166】
本発明化合物はまた、貧血症の治療において有用な薬剤と共に投与してもよい。かかる貧血症治療剤は、例えば、持続性の赤血球形成受容体活性化剤(例えばエポエチン・アルファ)である。
【0167】
本発明化合物はまた、好中球減少症の治療において有用な薬剤と共に投与してもよい。かかる好中球減少症治療剤は、例えば、ヒト顆粒球コロニー刺激因子(G−CSF)のような、好中球の産生及び機能を調節する造血成長因子である。G−CSFの例は、フィルグラスチムを包含する。
【0168】
本発明化合物はまた、レバミソール、カルメット−ゲラン桿菌(bacillus Calmette−Guerin)、オクトレオチド、イソプリノシン、及びザダキシン(Zadaxin)のような、免疫強化薬と共に投与してもよい。
【0169】
本発明化合物はまた、ビスホスホネート(ビスホスホナート、ジホスホナート、ビスホスホン酸、及びジホスホン酸を包含するものと理解される)と併用して、骨癌を含む癌の治療又は予防のために有用であってよい。ビホスホネートの例は、制限されることなく:エチドロネート(ダイドロネル(Didronel))、パミドロネート(アレディア(Aredia))、アレンドロネート(フォサマックス(Fosamax))、リセドロネート(アクトネル(Actonel))、ゾレドロネート(ゾメタ(Zometa))、イバンドロネート(ボニバ(Boniva))、インカドロネート又はシマドロネート、クロドロネート、EB−1053、ミノドロネート、ネリドロネート、ピリドロネート、及びチルドロネートを包含し、任意の及び全ての、その薬学的に許容される塩、誘導体、水和物、及び混合物を包含する。
【0170】
本発明化合物はまた、アロマターゼ阻害剤と組合せて、乳癌を治療又は予防するために有用であってもよい。アロマターゼ阻害剤の例は、制限されることなく、アナストロゾール、レトロゾール、及びエキセメスタンを包含する。
【0171】
本発明化合物はまた、siRNA治療剤との併用において、癌を治療又は予防するために有用であってもよい。
【0172】
本発明化合物はまた、新生細胞の最終分化を誘導する化合物との併用において、癌を治療又は予防するために有用であってもよい。好適な分化剤は、以下の参考文献の任意の1つ以上に開示された化合物を包含する。
【0173】
a)極性化合物(マークス(Marks)ら著(1987年);フレンド(Friend,C.)、シェア(Scher,W)、ホランド(Holland,J.W.)、及びサトー(Sato,T.)著、「Proc.Natl.Acad.Sci.(USA)」、1971年、第68巻、p.378−382;タナカ(Tanaka,M.)、レビー(Levy,J.)、テラダ(Terada,M.)、ブレスロー(Breslow,R.)、リフキンド(Rifkind,R.A.)、及びマークス(Marks,P.A.)著、「Proc.Natl.Acad.Sci.(USA)」、1975年、第72巻、p.1003−1006;ルービン(Reuben,R.C.)、ワイフ(Wife,R.L.)、ブレスロー(Breslow,R.)、リフキンド(Rifkind,R.A.)、及びマークス(Marks,P.A.)著、「Proc.Natl.Acad.Sci.(USA)」、1976年、第73巻、p.862−866);
【0174】
b)ビタミンD誘導体及びレチノイン酸(アベ(Abe,E)、ミヤウラ(Miyaura,C.)、サカガミ(Sakagami,H.)、タケダ(Takeda,M.)、コンノ(Konno,K.)、ヤマザキ(Yamazaki,T.)、ヨシカ(Yoshika,S.)、及びスダ(Suda,T.)著、「Proc.Natl.Acad.Sci.(USA)」、1981年、第78巻、p.4990−4994;シュワルツ(Schwartz,E.L.)、スノディ(Snoddy,J.R.)、クロイター(Kreutter,D.)、ラスムセン(Rasmussen,H.)、及びサルトレリ(Sartorelli,A.C.)著、「プロシーディングズ・オブ・ディ・アメリカン・アソシエーション・フォー・キャンサー・リサーチ(Proc.Am.Assoc.Cancer Res.)」、1983年、第24巻、p.18;タネナガ(Tanenaga,K.)、ホズミ(Hozumi,M.)、及びサカガミ(Sakagami,Y.)著、「Cancer Res.」、1980年、第40巻、p.914−919);
【0175】
c)ステロイドホルモン(ロテム(Lotem,J.)及びサクス(Sachs,L.)著、「インターナショナル・ジャーナル・オブ・キャンサー(Int.J.Cancer)」、1975年、第15巻、p.731−740);
【0176】
d)成長因子(サクス(Sachs,L.)著、「Nature(Lond.)」、1978年、第274巻、p.535、メトカーフ(Metcalf,D.)著、「サイエンス(Science)」、1985年、第229巻、p.16−22);
【0177】
e)プロテアーゼ(シェア(Scher,W)、シェア(Scher,B.M.)、及びワクスマン(Waxman,S.)、「エクスペリメンタル・ヘマトロジー(Exp.Hematol.)」、1983年、第11巻、p.490−498;シェア(Scher,W)、シェア(Scher,B.M.)、及びワクスマン(Waxman,S.)、「バイオケミストリー・アンド・バイオフィジカル・リサーチ・コミュニケーションズ(Biochem.&Biophys.Res.Comm.)」、1982年、第109巻、p.348−354);
【0178】
f)腫瘍プロモータ(フーバーマン(Huberman,E.)及びカラハム(Callaham,M.F.)著、「Proc.Natl.Acad.Sci.(USA)」、1979年、第76巻、p.1293−1297;ロッテム(Lottem,J.)及びサクス(Sachs,L.)著、「Proc.Natl.Acad.Sci.(USA)」、1979年、第76巻、p.5158−5162);及び
【0179】
g)DNA又はRNA合成の阻害剤(シュワルツ(Schwartz,E.L)及びサルトレリ(Sartorelli,A.C.)著、「Cancer Res.」、1982年、第42巻、p.2651−2655、テラダ(Terada,M.)、エプナー(Epner,E.)、ナデル(Nudel,U.)、サーモン(Salmon,J.)、フィバク(Ficach,E.)、リフキンド(Rifkind,R.A.)、及びマークス(Marks,P.A.)著、「Proc.Natl.Acad.Sci.(USA)」、1978年、第75巻、p.2795−2799;モーリン(Morin,M.J.)及びサルトレリ(Sartorelli,A.C.)著、「Cancer Res.」、1984年、第44巻、p.2807−2812;シュワルツ(Schwartz,E.L)、ブラウン(Brown,B.J.)、ニーレンバーグ(Nierenberg,M.)、マーシュ(Marsh,J.C.)、及びサルトレリ(Sartorelli,A.C.)著、「Cancer Res.」、1983年、第43巻、p.2725−2730;スガノ(Sugano,H.)、フルサワ(Furusawa,M.)、カワグチ(Kawagucni,T.)、及びイカワ(Ikawa,Y.)著、「ビブリオテカ・ヘマトロジカ(Bibl.Hematol.)」、1973年、第39巻、p.943−954;エバート(Ebert,P.S.)、ウォーズ(Wars,I.)、及びブエル(Buell,D.N.)著、「Cancer Res.」、1976年、第36巻、p.1809−1813;ハヤシ(Hayashi,M.)、オカベ(Okabe,J.)、及びホズミ(Hozumi,M.)著、「ガン(Gann)」、1979年、第70巻、p.235−238)。
【0180】
本発明化合物はまた、γ−セクレターゼ阻害剤と併用して、癌を治療するため、又は予防するために有用であってよい。
【0181】
また本クレームの範囲に含まれるのは、癌を治療する方法であって、治療有効量の式Iの化合物を、放射線療法と組合せて、及び/又は、エストロゲン受容体モジュレータ、アンドロゲン受容体モジュレータ、レチノイド受容体モジュレータ、細胞傷害 細胞増殖抑制剤、抗増殖剤、プレニル−タンパク質トランスフェラーゼ阻害剤、HMG−CoAレダクターゼ阻害剤、HIVプロテアーゼ阻害剤、逆転写酵素阻害剤、血管形成阻害剤、PPAR−γアゴニスト、PPAR−δアゴニスト、生来多剤耐性の阻害剤、抗嘔吐剤、貧血症の治療において有用な薬剤、好中球減少症の治療において有用な薬剤、免疫強化剤、細胞増殖及び生存シグナリングの阻害剤、ビスホスホネート、アロマターゼ阻害剤、siRNA治療剤、γ−セクレターゼ阻害剤、受容体チロシンキナーゼ(RTK)を妨害する薬剤、及び細胞周期チェックポイントを妨害する薬剤から選ばれる、第2の化合物と組合せて投与することを含んでなる、該方法である。
【0182】
本発明化合物はまた、以下の治療剤との併用において有用である:アバレリックス(プレナキシス・デポ(Plenaxis depot)(登録商標));アルデスロイキン(プロカイン(Prokine)(登録商標));アルデスロイキン(プロロイキン(Proleukin)(登録商標));アレムツズマブ(キャンパス(Campath)(登録商標));アリトレチノイン(パンレチン(Panretin)(登録商標));アロプリノール(ザイロプリム(Zyloprim)(登録商標));アルトレタミン(ヘキサレン(Hexalen)(登録商標));アミフォスチン(エチヨル(Ethyol)(登録商標));アナストロゾール(アリミデックス(Arimidex)(登録商標));三酸化ヒ素(トリセノックス(Trisenox)(登録商標));アスパラギナーゼ(エルスパル(Elspar)(登録商標));アザシチジン(ビダザ(Vidaza)(登録商標));ベバシズマブ(アバスチン(Avastin)(登録商標));ベキサロテン・カプセル(タルグレチン(Targretin)(登録商標));ベキサロテン・ゲル(タルグレチン(Targretin)(登録商標));ブレオマイシン(ブレノキサン(Blenoxane)(登録商標));ボルテゾミブ(ベルケード(Velcade)(登録商標));ブスルファン・静脈内(ブスルフェックス(Busulfex)(登録商標));ブスルファン・経口(マイレラン(Myleran)(登録商標));カルステロン(メトサーブ(Methosarb)(登録商標));カペシタビン(ゼローダ(Xeloda)(登録商標));カルボプラチン(パラプラチン(Paraplatin)(登録商標));カルムスチン(BCNU(登録商標)、BiCNU(登録商標));カルムスチン(グリアデル(Gliadel)(登録商標));インプラント型ポリフェプロサン20カルムスチン(グリアデル・ウエファー(Gliadel Wafer)(登録商標));セレコキシブ(セレブレックス((Celebex)(登録商標));セツキシマブ(アービタックス(Erbitux)(登録商標));クロランブシル(ロイケラン(Leukeran)(登録商標));シスプラチン(プラチノール(Platinol)(登録商標));クラドリビン(ロイスタチン(Leustatin)(登録商標)、2−CdA(登録商標));クロファラビン(クロラール(Clolar)(登録商標));シクロホスファミド(サイトキサン(Cytoxan)(登録商標)、ネオサール(Neosar)(登録商標));シクロホスファミド(サイトキサン注射薬(Cytoxan Injection)(登録商標));シクロホスファミド(サイトキサン・錠剤(Cytoxan Tablet)(登録商標));シタラビン(サイトサール−U(Cytosar−U)(登録商標));リポソーム化シタラビン(DepoCyt(登録商標));デカルバジン(DTIC−Dome(登録商標));ダクチノマイシン、アクチノマイシンD(コスメゲン(Cosmegen)(登録商標));ダルベポエチン・アルファ(アラネスプ(Arnesp)(登録商標));リポソーム化ダウノルビシン(DanuoXome(登録商標));ダウノルビシン、ダウノマイシン(ダウノルビシン(Daunorubicin)(登録商標));ダウノルビシン、ダウノマイシン(セルビジン(Cerbidine)(登録商標));デニロイキン・ディフィトックス(オンタック(Ontak)(登録商標));デクスラゾキサン(ザインカード(Zinecard)(登録商標));ドセタキセル(タキソテール(Taxotere)(登録商標));ドキソルビシン(アドリアマイシンPFS(Adriamycin PFS)(登録商標));ドキソルビシン(アドリアマイシン(Adriamycin)(登録商標)、ルベックス(Rubex)(登録商標));ドキソルビシン(アドリアマイシンPFS注射薬(Adriamycin PFS Injection)(登録商標));リポソーム化ドキソルビシン(ドキシル(Doxil)(登録商標));プロピオン酸ドロモスタノロン(ドロモスタノロン(DROMOSTANOLONE)(登録商標));プロピオン酸ドロモスタノロン(マステロン注射薬(MASTERONE INJECTION)(登録商標));エリオットのB溶液(エリオットのB溶液(Elliott’s B Solution)(登録商標));エピルビシン(エレンス(Ellence)(登録商標));エポエチン・アルファ(エポジェン(epogen)(登録商標));エルロチニブ(タルセバ(Tarceva)(登録商標));エストラムスチン(Emcyt(登録商標));エトポシドリン酸塩(エトポフォス(Etopophos)(登録商標));エトポシド、VP−16(ベペシド(Vepesid)(登録商標));エキセメスタン(アロマシン(Aromasin)(登録商標));フィルグラスチム(ノイポゲン(Neupogen)(登録商標));フロクスウリジン(動脈内)(FUDR(登録商標));フルダラビン(フルダラ(Fludara)(登録商標));フルオロウラシル、5−FU(アドルシル(Adrucil)(登録商標));フルベストラント(ファスロデックス(Faslodex)(登録商標));ゲフィチニブ(イレッサ(Iressa)(登録商標));ゲムシタビン(ゲムザール(Gemzar)(登録商標));ゲムツズマブ・オゾガマイシン(マイロターグ(Mylotarg)(登録商標));ゴセレリン酢酸塩(ゾラデックス・インプラント(Zoladex Implant)(登録商標));ゴセレリン酢酸塩(ゾラデックス(Zoladex)(登録商標));ヒストレリン酢酸塩(ヒストレリン・インプラント(Histrelin implant)(登録商標));ヒドロキシ尿素(ハイドレア(Hydrea)(登録商標));イブリツモマブ・チウキセタン(ゼヴァリン(Zevalin)(登録商標));イダルビシン(イダマイシン(Idamycin)(登録商標));イフォスファミド(IFEX(登録商標));イマチニブメシル酸塩(グリベック(Gleevec)(登録商標));インターフェロンアルファ2a(ロフェロンA(Roferon A)(登録商標));インターフェロンアルファ−2b(イントロンA(Intron A)(登録商標));イリノテカン(カンプトサール(Camptosar)(登録商標));レナリドマイド(レブリミド(Revlimid)(登録商標));レトロゾール(フェマーラ(Femara)(登録商標));ロイコボリン(ウェルコボリン(Wellcovorin)(登録商標)、ロイコボリン(Leucovorin)(登録商標));酢酸ロイプロリド(エリガード(Eligard)(登録商標));レバミソール(エルガミゾール(Ergamisol)(登録商標));ロムスチン、CCNU(CeeBU(登録商標));メクロレタミン・ナイトロジェンマスタード(マスタルゲン(Mustargen)(登録商標));酢酸メゲストロール(メゲース(Megace)(登録商標));メルファラン、L−PAM(アルケラン(Alkeran)(登録商標));メルカプトプリン、6−MP(プリネトール(Purinethol)(登録商標));メスナ(メスネックス(Mesnex)(登録商標));メスナ(メスネックス錠(Mesnex tabs)(登録商標));メトトレキサート(メトトレキセート(Methotrexate)(登録商標));メトキサレン(ウヴァデクス(Uvadex)(登録商標));マイトマイシンC(ミュータマイシン(Mutamycin)(登録商標));ミトタン(リソドレン(Lysodren)(登録商標));ミトキサントロン(ノバントロン(Novantrone)(登録商標));フェンプロピオン酸ナンドロロン(デュラボリン−50(Durabolin−50)(登録商標));ネララビン(アラノン(Arranon)(登録商標));ノフェツモマブ(ヴァールマ(Verluma)(登録商標));オプレルベキン(ニューメガ(Neumega)(登録商標));オキサリプラチン(エロキサチン(Eloxatin)(登録商標));パクリタキセル(パクセン(Paxene)(登録商標));パクリタキセル(タキソール(Taxol)(登録商標));パクリタキセル・タンパク質結合粒子(アブラキサン(Abraxane)(登録商標));パリフェルミン(ケピバンス(Kepivance)(登録商標));パミドロネート(アレディア(Aredia)(登録商標));ペグアデマーゼ(アダジェン(Adagen)(ウシ・ペグアデマーゼ(Pegademase Bovine))(登録商標));ペグアスパラガーゼ(オンキャスパー(Oncaspar)(登録商標));ペグフィルグラスチム(ニューラスタ(Neulasta)(登録商標));ペメトレキセド2ナトリウム(アリムタ(Alimta)(登録商標));ペントスタチン(ナイペント(Nipent)(登録商標));ピポブロマン(バーサイト(Vercyte)(登録商標));プリカマイシン、ミトラマイシン(ミトラシン(Mythracin)(登録商標));ポルフィマー・ナトリウム(フォトフリン(Photofrin)(登録商標));プロカルバジン(マツラン(Matulane)(登録商標));キナクリン(アタブリン(Atabrine)(登録商標));ラスブリカーゼ(エリテック(Elitek)(登録商標));リツキシマブ(リツキサン(Rituxan)(登録商標));サルグラモスチム(リューカイン(Leukine)(登録商標));サルグラモスチム(プロカイン(Prokine)(登録商標));ソラフェニブ(ネクサバール(Nexavar)(登録商標));ストレプトゾシン(ザノサール(Zanosar)(登録商標));スニチニブ・マレイン酸塩(スーテント(Sutent)(登録商標));タルク(スクレロゾール(Sclerosol)(登録商標));タモキシフェン(ノルバデックス(Nolvadex)(登録商標));テモゾロミド(テモダール(Temodar)(登録商標));テニポシド、VM−26(ヴァモン(Vumon)(登録商標));テストラクトン(テスラク(Teslac)(登録商標));チオグアニン、6−TG(チオグアニン(Thioguanine)(登録商標));チオテパ(チオプレックス(Thioplex)(登録商標));トポテカン(ハイカムチン(Hycamtin)(登録商標));トレミフェン(フェアストン(Fareston)(登録商標));トシツモマブ(ベキサール(Bexxar)(登録商標));トシツモマブ/I−131 トシツモマブ(ベキサール(Bexxar)(登録商標));トラツズマブ(ハーセプチン(Herceptin)(登録商標));トレチノイン、ATRA(ベサノイド(Vesanoid)(登録商標));ウラシル・マスタード(ウラシル・マスタード・カプセル(Uracil Mustard Capsules)(登録商標));バルルビシン(バルスター(Valstar)(登録商標));ビンブラスチン(ベルバン(Velban)(登録商標));ビンクリスチン(オンコビン(Oncovin)(登録商標));ビノレルビン(ナベルビン(Navelbine)(登録商標));ゾレドロネート(ゾメタ(Zometa)(登録商標));及びゾレドロン酸(ゾメタ(Zometa)(登録商標))。
【0183】
本明細書に記載されたN−ヒドロキシ−ナフタレンジカルボキサミド及びN−ヒドロキシ−ビフェニル−ジカルボキサミド化合物との組合せにおける、これら全てのアプローチの使用は、本発明の範囲内である。
【0184】
投薬量及び投薬スケジュール
本発明のN−ヒドロキシ−ナフタレンジカルボキサミド及びN−ヒドロキシ−ビフェニル−ジカルボキサミド誘導体を利用する投薬用法用量は、タイプ、種、年齢、体重、性別、及び、治療される癌のタイプ;治療されるべき疾患の重さ(すなわち病期);投与経路;患者の腎及び肝機能;及び、用いられる特定の化合物又はその塩、を含めた多様な因子に従って選択可能である。通常の技術の医師又は獣医師は、治療するために、例えば疾患の進行を予防するか、(完全に又は部分的に)阻害するか、又は止めるために、必要な薬剤の有効量を容易に決定し処方し得る。
【0185】
経口投与には、好適な1日用量は、例えば、1日1回、1日2回、又は1日3回、連続的に(毎日)又は断続的に(例えば、週3ないし5日)経口的に投与される、約2ないし4000mgである。例えば、所望の疾患を治療するために用いる場合、該N−ヒドロキシ−ナフタレンジカルボキサミド及びN−ヒドロキシ−ビフェニル−ジカルボキサミド化合物の用量は、1日当たり約2mgないし約2000mgの範囲でよい。
【0186】
当該N−ヒドロキシ−ナフタレンジカルボキサミド及びN−ヒドロキシ−ビフェニル−ジカルボキサミド誘導体は、1日1回投与する(QD)か、又は、1日2回(BID)及び1日3回(TID)のように、複数の日用量に分けられる。1日1回の投与には、好適に調製された医薬品は、それ故、必要な日用量の全てを含有することになる。1日2回の投与には、好適に調製された医薬品は、それ故、必要な日用量の半分を含有することになる。1日3回の投与には、好適に調製された医薬品は、それ故、必要な日用量の三分の一を含有することになる。
【0187】
加えて、投与は、連続的すなわち毎日か、又は断続的であることができる。本明細書で用いるとき、用語「断続的」又は「断続的に」は、規則的又は不規則的な間隔で、停止すること及び開始することを意味する。例えば、HDAC阻害剤の断続的な投与は、週当たり1ないし6日の投与であってよく、又は周期的な投与(例えば、毎日投与を連続2ないし8週間、次いで投与なしの休止期間を1週間まで)を意味してもよく、或いは1日おきの投与を意味してもよい。
【0188】
典型的には、静脈内製剤は、約1.0mg/mLないし約10mg/mLの濃度の、該N−ヒドロキシ−ナフタレンジカルボキサミド及びN−ヒドロキシ−ビフェニル−ジカルボキサミド誘導体を含有するものが調製されてよい。1つの実施態様においては、1日に1人の患者に対し、合計1日用量が約1ないし約1500mg/mとなるべく、充分な体積の静脈内製剤を投与することができる。
【0189】
皮下製剤は、好ましくは当該技術分野における技術上周知の方法に従って、約5ないし約12の範囲のpHにおいて調製され、また、以下に記載されるように、好適な緩衝剤及び等張製剤も包含する。それらを製剤して、1日用量のHDAC阻害剤を、1日1回以上の、例えば毎日1回、2回、又は3回の皮下投与で送達することができる。
【0190】
本化合物はまた、適当な鼻腔内ビヒクルの局所的使用による鼻腔内剤型で、又は、当業者に周知の経皮的皮膚パッチ型のものを用いて経皮的経路により投与することもできる。経皮送達系の形態で投与するためには、用量投与は、もちろん、用法用量を通して間欠的よりもむしろ連続的となるであろう。
【0191】
当業者には、本明細書に記載された種々の投与様式、用量、及び投薬計画が、単に具体的な実施態様を示すのみであって、本発明の広い範囲を制限するものとして解釈されるべきでないことは明らかであろう。用量及び投薬計画についての、いかなる置換、変更、及び組合せも、本発明の範囲内に含まれる。
【0192】
用語「投与」及びその変形(例えば、化合物を「投与すること」)は、本発明化合物に関し、該化合物又は該化合物のプロドラッグを、治療を必要とする動物の系内へ投入することを意味する。本発明化合物又はそのプロドラッグが1種以上の他の活性薬剤(例えば、細胞傷害剤など)と組合せて提供される場合、「投与」及びその変形は、各々、該化合物又はそのプロドラッグと、他の薬剤との、同時の及び連続した投入を包含するものと理解される。
【0193】
本明細書において用いる場合、用語「組成物」は、指定された量の指定された成分を含んでなる生成物、並びに指定された量の指定された成分の組合せから、結果として直接又は間接的に生ずる任意の生成物を包含することを意図している。
【0194】
医薬組成物
本発明化合物及び、その誘導体、フラグメント、類似体、同族体、薬学的に許容される塩、又は水和物を、薬学的に許容される担体又は賦形剤と一緒に、経口投与に適した医薬組成物へ取り込むことができる。かかる組成物は、典型的には、任意の上記化合物の治療有効量と、薬学的に許容される担体とを含んでなる。1つの実施態様においては、有効量は、適当な新生細胞の最終分化を選択的に誘導するために有効であり、かつ患者において毒性を引き起す量よりも少ない量である。
【0195】
担体又は希釈剤として一般に使用される任意の不活性な賦形剤、例えば、ゴム、デンプン、糖、セルロース物質、アクリラート、又はそれらの混合物を、本発明の製剤に使用してもよい。1つの実施態様においては、希釈剤は微結晶セルロースである。組成物はさらに、崩壊剤(例えば、クロスカルメロースナトリウム)及び潤滑剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム)を含んでなってもよく、加えて、結合剤、緩衝剤、プロテアーゼ阻害剤、界面活性剤、可溶化剤、可塑剤、乳化剤、安定化剤、増粘剤、甘味剤、被膜剤、又はそれらの任意の組合せの中から選ばれる、1種以上の添加剤を含んでなってもよい。さらに、本発明の組成物は、制御放出又は即時放出製剤の形態であってもよい。
【0196】
1つの実施態様においては、医薬組成物は経口的に投与され、したがって経口投与に適した形態、すなわち、固体又は液体の調整として製剤化される。好適な固形経口製剤は、錠剤、カプセル、ピル、顆粒、ペレットなどを包含する。好適な液体経口製剤は、溶液、懸濁液、分散剤、エマルジョン、油などを包含する。本発明の1つの実施態様においては、当該組成物はカプセル中に製剤される。この実施態様によれば、本発明組成物は、N−ヒドロキシ−ナフタレンジカルボキサミド及びN−ヒドロキシ−ビフェニル−ジカルボキサミド誘導体活性化合物及び不活性な担体又は希釈剤に加えて、硬ゼラチンカプセルを含んでなる。
【0197】
本明細書で用いるとき、「薬学的に許容される担体」は、無菌の発熱性物質除去水のような、医薬的投与に適合する任意の及び全ての溶媒、分散媒、コーティング、抗菌剤及び抗真菌剤、等張剤、及び吸収遅延剤などを包含することを意図している。好適な担体は、参考として本明細書に含まれている、この分野における標準的な参考テキスト、「レミントンズ・ファーマシューティカル・サイエンセズ(Remington’s Pharmaceutical Sciences)(レミントンの薬学)」の最新版に記載されている。かかる担体又は希釈剤の例は、制限されることなく、水、食塩水、リンガー液、デキストロース溶液、及び5%ヒト血清アルブミンを包含する。リポソーム及び非水性ビヒクル、例えば固定油もまた使用してよい。医薬的活性物質への、かかる媒質及び薬剤の使用は、当該技術分野において周知である。任意の通常の媒質及び薬剤が活性化合物に不適合でない限り、組成物におけるそれらの使用が期待される。補足的な活性化合物もまた、組成物中に取り入れることができる。
【0198】
固形の担体/希釈剤は、制限されることなく、ゴム、デンプン(例えば、コーンスターチ、α−デンプン)、糖(例えば、ラクトース、マンニトール、スクロース、デキストロース)、セルロース物質(例えば、微結晶セルロース)、アクリラート(例えば、ポリメチルアクリラート)、炭酸カルシウム、酸化マグネシウム、タルク、又はそれらの混合物を包含する。
【0199】
液体製剤用には、薬学的に許容される担体は、水性又は非水性の、溶液、懸濁液、エマルジョン、又は油でよい。非水性溶媒の例は、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、及び注射可能な有機エステル、例えば、オレイン酸エチルである。水性担体は、食塩水及び緩衝媒体を含め、水、アルコール性/水性の溶液、エマルジョン、又は懸濁液を包含する。油の例は、石油、動物、植物、又は合成起源のもの、例えば、ラッカセイ油、ダイズ油、鉱物油、オリーブ油、ヒマワリ油、及び魚肝油である。溶液又は懸濁液はまた、以下の成分:無菌の希釈剤、例えば注射用の水、食塩水溶液、固定油、ポリエチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコール、又は他の合成溶媒;抗菌剤、例えばベンジルアルコール又はメチルパラベン;酸化防止剤、例えばアスコルビン酸又は亜硫酸水素ナトリウム;キレート剤、例えばエチレンジアミン四酢酸(EDTA);緩衝液、例えばアセタート、シトラート、又はホスファート、及び張度調整のための薬剤、例えば塩化ナトリウム又はデキストロース、を含有し得る。pHは、塩酸又は水酸化ナトリウムのような、酸又は塩基を用いて調整可能である。
【0200】
加えて、当該組成物はさらに、結合剤(例えば、アラビアゴム、コーンスターチ、ゼラチン、カルボマー、エチルセルロース、グアーガム、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポビドン)、崩壊剤(例えば、コーンスターチ、バレイショデンプン、アルギン酸、N−ヒドロキシ−ナフタレンジカルボキサミド及びN−ヒドロキシ−ビフェニル−ジカルボキサミド ジオキシド、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、グアーガム、デンプングリコール酸ナトリウム、プリモゲル(Primogel),種々のpH及びイオン強度の緩衝液(例えば、トリス−HCl、アセタート、ホスファート)、表面への吸収を防止するための添加剤、例えばアルブミン又はゼラチン、洗浄剤(例えば、ツイーン20、ツイーン80、プルロニック(Pluronic)F68、胆汁酸塩)、プロテアーゼ阻害剤、界面活性剤(例えば、ラウリル硫酸ナトリウム)、浸透増強剤、可溶化剤(例えば、グリセロール、ポリエチレングリセロール)、流動促進剤(例えば、コロイド状N−ヒドロキシ−ナフタレンジカルボキサミド及びN−ヒドロキシ−ビフェニル−ジカルボキサミド ジオキシド)、酸化防止剤(例えば、アスコルビン酸、ナトリウムメタバイスルファイト、ブチル化ヒドロキシアニソール)、安定化剤(例えば、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース)、増粘剤(例えば、カルボマー、コロイド状N−ヒドロキシ−ナフタレンジカルボキサミド及びN−ヒドロキシ−ビフェニル−ジカルボキサミド ジオキシド、エチルセルロース、グアーガム)、甘味剤(例えば、スクロース、アスパルテーム、クエン酸)、着香剤(例えば、ペパーミント、サリチル酸メチル、又はオレンジ香料)、保存剤(例えば、チメロサール、ベンジルアルコール、パラベン)、潤滑剤(例えば、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム)、流動化剤(例えば、コロイド状N−ヒドロキシ−ナフタレンジカルボキサミド及びN−ヒドロキシ−ビフェニル−ジカルボキサミド ジオキシド)、可塑剤(例えば、フタル酸ジエチル、クエン酸トリエチル)、乳化剤(例えば、カルボマー、ヒドロキシプロピルセルロース、ラウリル硫酸ナトリウム)、ポリマーコーティング(例えば、ポロキサマー又はポロキサミン)、コーティング及び被膜剤(例えばエチルセルロース、アクリラート、ポリメタクリラート)、及び/又はアジュバントを含んでなってもよい。
【0201】
1つの実施態様においては、活性化合物は、例えば制御放出製剤のように、移植片及びマイクロカプセル化された送達系を含めて、身体からの迅速な排除に対し当該化合物を保護することができる担体と共に調製される。生分解性の、生物適合性ポリマー、例えば、エチレン酢酸ビニル、ポリアンヒドリド、ポリグリコール酸、コラーゲン、ポリオルトエステル、及びポリ乳酸が使用可能である。かかる製剤の調製法は、当業者には明らかであろう。該物質はまた、アルザ・コーポレーション(Alza Corporation)及びノバ・ファーマシューティカルズ・インク(Nova Pharmaceuticals,Inc.)からも市販されている。リポソーム懸濁液(ウイルス抗原に対するモノクローナル抗体により感染細胞へ標的化されたリポソームを含む)もまた、薬学的に許容される担体として使用可能である。これらは、当業者に周知の方法、例えば米国特許第4,522,811号に記載された方法に従って調製し得る。
【0202】
1つの実施態様においては、経口用組成物を、投与の容易さ及び投薬量の均一性のため、単位剤形に製剤する。本明細書に使用された単位剤形は、治療されるべき患者のための単位服用量として好適な、物理的に別個の単位を指し;各単位は、所望の治療効果を生じるべく計算された、所定の量の活性化合物を、必要な医薬担体と共に含有する。本発明の単位剤形に関する仕様は、活性化合物の固有の特性及び達成されるべき特定の治療効果と、かかる活性化合物を個体の治療に向けて調剤する技術における固有の限界とによって、指示されかつ直接的に依存する。
【0203】
当該医薬組成物は、容器、パック、又はディスペンサー内に、投与のための説明書と一緒に含めることができる。
【0204】
本発明化合物を、治療の1日目に静脈内投与し、2日目及びそれ以降の全ての日に連続して経口投与してもよい。
【0205】
本発明化合物は、疾病の進行を防止すること、又は腫瘍増殖を安定化させる目的で投与してもよい。
【0206】
活性化合物を含有する医薬組成物の調製は、当該技術分野において充分に理解されており、例えば、混合、造粒、又は錠剤形成プロセスによる。活性治療成分はしばしば、薬学的に許容されかつ活性成分に適合する、賦形剤と混合される。経口投与用には、活性薬剤は、この目的のための慣例的な添加剤、例えば、ビヒクル、安定化剤、又は不活性な希釈剤と混合され、そして慣例的な方法により、投与に好適な形態、例えば、上記に詳述された、錠剤、コートされた錠剤、硬又は軟ゼラチンカプセル、水性、アルコール性、又は油性の溶液などへ転換される。
【0207】
患者へ投与される化合物の量は、扱いにくい毒性を患者に生じることになる量よりも少ない。ある実施態様においては、患者へ投与される化合物の量は、患者の血漿中に、当該化合物の毒性レベルに等しいか又は上回る化合物濃度を生じる量よりも少ない。1つの実施態様においては、患者の血漿中の当該化合物の濃度は、約10nMに維持される。別の実施態様においては、患者の血漿中の当該化合物の濃度は、約25nMに維持される。別の実施態様においては、患者の血漿中の当該化合物の濃度は、約50nMに維持される。別の実施態様においては、患者の血漿中の当該化合物の濃度は、約100nMに維持される。別の実施態様においては、患者の血漿中の当該化合物の濃度は、約500nMに維持される。別の実施態様においては、患者の血漿中の当該化合物の濃度は、約1000nMに維持される。別の実施態様においては、患者の血漿中の当該化合物の濃度は、約2500nMに維持される。別の実施態様においては、患者の血漿中の当該化合物の濃度は、約5000nMに維持される。本発明の実施において、患者へ投与されるべき最適な化合物量は、用いる特定の化合物と、治療される癌のタイプとに依存するであろう。
【0208】
本発明はまた、癌を治療又は予防するために有用な医薬組成物であって、式Iの化合物の治療有効量と:エストロゲン受容体モジュレータ、アンドロゲン受容体モジュレータ、レチノイド受容体モジュレータ、細胞傷害剤/細胞増殖抑制剤、抗増殖剤、プレニル−タンパク質トランスフェラーゼ阻害剤、HMG−CoAレダクターゼ阻害剤、HIVプロテアーゼ阻害剤、逆転写酵素阻害剤、血管形成阻害剤、PPAR−γアゴニスト、PPAR−δアゴニスト、細胞増殖及び生存シグナリングの阻害剤、ビスホスホネート、アロマターゼ阻害剤、siRNA治療剤、γ−セクレターゼ阻害剤、受容体チロシンキナーゼ(RTK)を妨害する薬剤、及び細胞周期チェックポイントを妨害する薬剤から選ばれる、第2の化合物とを含んでなる、前記組成物を包含する。
【0209】
インビトロの方法:
本発明はまた、新生細胞の最終分化、細胞増殖停止、及び/又はアポトーシスを誘導し、それにより、かかる細胞の増殖を阻害するための、本発明のN−ヒドロキシ−ナフタレンジカルボキサミド及びN−ヒドロキシ−ビフェニル−ジカルボキサミド誘導体を用いる方法を提供する。該方法は、インビボ又はインビトロにおいて実行可能である。
【0210】
1つの実施態様においては、本発明は、新生細胞の最終分化、細胞増殖停止、及び/又はアポトーシスを選択的に誘導し、それにより、かかる細胞の増殖を阻害するためのインビトロの方法であって、該細胞を、本明細書に記載した任意の1種以上のN−ヒドロキシ−ナフタレンジカルボキサミド及びN−ヒドロキシ−ビフェニル−ジカルボキサミド誘導体の有効量と接触させることによる、該方法を提供する。
【0211】
1つの特別な実施態様においては、本発明は、新生細胞の最終分化を選択的に誘導し、それにより、かかる細胞の増殖を阻害するインビトロの方法に関する。該方法は、該細胞を、好適な条件下に、本明細書に記載した1種以上のN−ヒドロキシ−ナフタレンジカルボキサミド及びN−ヒドロキシ−ビフェニル−ジカルボキサミド化合物の有効量と接触させることを含んでなる。
【0212】
別の実施態様においては、本発明は、新生細胞の細胞増殖停止を選択的に誘導し、それにより、かかる細胞の増殖を阻害するインビトロの方法に関する。該方法は、該細胞を、好適な条件下に、本明細書に記載した1種以上のN−ヒドロキシ−ナフタレンジカルボキサミド及びN−ヒドロキシ−ビフェニル−ジカルボキサミド化合物の有効量と接触させることを含んでなる。
【0213】
別の実施態様においては、本発明は、新生細胞のアポトーシスを選択的に誘導し、それにより、かかる細胞の増殖を阻害するインビトロの方法に関する。該方法は、該細胞を、好適な条件下に、本明細書に記載した1種以上のN−ヒドロキシ−ナフタレンジカルボキサミド及びN−ヒドロキシ−ビフェニル−ジカルボキサミド化合物の有効量と接触させることを含んでなる。
【0214】
別の実施態様においては、本発明は、腫瘍において腫瘍細胞の最終分化を誘導するインビトロの方法であって、該細胞を本明細書に記載した任意の1種以上のN−ヒドロキシ−ナフタレンジカルボキサミド及びN−ヒドロキシ−ビフェニル−ジカルボキサミド化合物の有効量と接触させることを含んでなる、該方法に関する。
【0215】
本発明の方法はインビトロで実行することができるが、新生細胞の最終分化、細胞増殖停止、及び/又はアポトーシスを選択的に誘導し、かつHDACを阻害する方法のための好ましい実施態様は、該細胞をインビボにおいて、すなわち、治療を必要とする新生細胞又は腫瘍細胞をもつ患者に、該化合物を投与することによって接触させることを含んでなるものと考えられる。
【0216】
したがって、本発明は、患者において新生細胞の最終分化、細胞増殖停止、及び/又はアポトーシスを選択的に誘導し、それにより、かかる細胞の増殖を当該患者において阻害するためのインビボの方法であって、本明細書に記載した任意の1種以上のN−ヒドロキシ−ナフタレンジカルボキサミド及びN−ヒドロキシ−ビフェニル−ジカルボキサミド誘導体の有効量を該患者に投与することによる、該方法を提供する。
【0217】
1つの特別の実施態様においては、本発明は、新生細胞の最終分化を選択的に誘導し、それにより、かかる細胞の増殖を患者において阻害する方法に関する。該方法は、本明細書に記載した1種以上のN−ヒドロキシ−ナフタレンジカルボキサミド及びN−ヒドロキシ−ビフェニル−ジカルボキサミド誘導体の有効量を該患者に投与することを含んでなる。
【0218】
別の実施態様においては、本発明は、新生細胞の細胞増殖停止を選択的に誘導し、それにより、かかる細胞の増殖を患者において阻害する方法に関する。該方法は、本明細書に記載した1種以上のN−ヒドロキシ−ナフタレンジカルボキサミド及びN−ヒドロキシ−ビフェニル−ジカルボキサミド誘導体の有効量を該患者に投与することを含んでなる。
【0219】
別の実施態様においては、本発明は、新生細胞のアポトーシスを選択的に誘導し、それにより、かかる細胞の増殖を患者において阻害する方法に関する。該方法は、本明細書に記載した1種以上のN−ヒドロキシ−ナフタレンジカルボキサミド及びN−ヒドロキシ−ビフェニル−ジカルボキサミド誘導体の有効量を該患者に投与することを含んでなる。
【0220】
1つの実施態様では、本発明は、本明細書に記載される、任意の1種以上のN−ヒドロキシ−ナフタレンジカルボキサミド及びN−ヒドロキシ−ビフェニル−ジカルボキサミド誘導体の有効量を用いてHDAC6活性を阻害する方法を提供する。
【0221】
別の実施態様においては、本発明は、新生細胞の増殖により特徴づけられる腫瘍をもつ患者を治療する方法に関する。該方法は、本明細書に記載した1種以上のN−ヒドロキシ−ナフタレンジカルボキサミド及びN−ヒドロキシ−ビフェニル−ジカルボキサミド誘導体を該患者に投与することを含んでなる。化合物の量は、選択的に、かかる新生細胞の最終分化を誘導し、細胞増殖停止を誘導し、及び/又はアポトーシスを誘導し、それによりそれらの増殖を阻害するのに有効である。
【0222】
本発明は、以下の実験の詳細のセクションの実施例において例示される。本セクションは、本発明の理解を助けるべく説明されるものであり、以降のクレームにおいて示された本発明を、いかなる方法においても制限するものと解釈されるべきではない。
【0223】
実験の詳細のセクション
実施例1-合成
【0224】
本発明の化合物は、以下に例示される、以下の合成スキームにおいて概説される一般法によって調製した。
【0225】
【化11】

【0226】
【化12】

【0227】
実験
【0228】
【化13】

【0229】
4’−[(メチルオキシ)カルボニル]−4−ビフェニルカルボン酸
THF(20mL)中の4−ブロモ安息香酸(3.99g、20mmol)に、PS−PPh−Pd樹脂(Argonaut、ローディング=0.1mmol/g)(1g)を、EtOH(20mL)に溶解した4−(メトキシカルボニル)フェニルボロン酸(4.32g、24mmol)、及び水(10mL)に溶解した炭酸カリウム(4.14g、30mmol)と一緒に加えた。反応容器をアルゴンでフラッシュし、密閉し、80℃砂浴中で一晩振盪した。バイアルを室温に冷却し、樹脂を濾去した。濾液をジクロロメタン(200mL)で希釈し、1N 炭酸カリウム(3×40mL)で洗浄した。水性画分を合わせ、HCl(30%)で処理して溶液から生成物を生じさせた。沈殿物を濾過し、真空乾燥した。
【0230】
【化14】

【0231】
3’−(メトキシカルボニル)−3−ビフェニルカルボン酸
20mlシンチレーションバイアルに、100mg(0.01mmol)のPS−PPh−Pd樹脂(Argonaut、ローディング=0.1mmol/g)を、2mlのエタノールに溶解した3−カルボキシフェニルボロン酸(2.4mmol、398mg)、2mlのテトラヒドロフランに溶解したメチル−3−ブロモベンゾアート(2mmol、430mg)、及び1mlの水に溶解した炭酸カリウム(3mmol、415mg)と一緒に加えた。バイアルをアルゴンでフラッシュし、密閉し、80℃の砂浴中で24時間振盪した。バイアルを室温に冷却し、樹脂を濾去した。濾液を200mLのジクロロメタンで希釈し、1N 炭酸カリウムで2回洗浄した。水性画分を合わせ、濃HClで処理し、溶液から生成物を生じさせた。沈殿物を濾過し、冷ジエチルエーテルで洗浄し、真空乾燥した。
【0232】
【化15】

【0233】
N−ヒドロキシ−N’−(2−フェニルエチル)ビフェニル−3,3’−ジカルボキサミド
20mlシンチレーションバイアルに、3’−(メトキシカルボニル)−3−ビフェニルカルボン酸(0.313mmol、80mg)を、PS−カルボジイミド樹脂(Argonaut、ローディング=1.2mmol/g)、HOBt(0.34mmol、46mg)、及びNMP(2.5ml)と一緒に加えた。バイアルを密閉し、スラリーを室温で1時間振盪し、その時点で2−フェネチルアミン(0.2mmol、24.3mg)を加え、バイアルを48時間振盪させた。このバイアルに、THF(3ml)を加え、0.12mmolのPS−イソシアネート(Argonaut、ローディング=1.54mmol/g)、及び2.2mmol PS−トリスアミン(Argonaut、ローディング=3.61mmol/g)を用いて、過剰の出発物質を除去した。このバイアルを再密閉し、室温で一晩振盪させた。バイアルの内容物を濾過し、NMP(5ml)で洗浄し、濃縮した。濃縮したバイアルをDMF(2ml)に再溶解し、1mlの水性ヒドロキシルアミンを加え、室温で一晩撹拌した。生成物をHPLCによって直接精製すると、39.9mg(55%)の生成物、N−ヒドロキシ−N’−(2−フェニルエチル)ビフェニル−3,3’−ジカルボキサミドが得られた。
【0234】
さらなる類似体を、上記の調製について記載されたものと同様の手順で調製した。
【0235】
【表1−1】

【0236】
【表1−2】

【0237】
【表1−3】

【0238】
【化16】

【0239】
3’−(メトキシカルボニル)ビフェニル−3−カルボン酸
マイクロ波バイアル中で、3−カルボキシフェニルボロン酸(0.1960g、1.181mmol)、メチル3−ブロモベンゾアート(0.2077g、0.966mmol)、PS−Pd(PPh)(0.650g、1.698mmol)、炭酸ナトリウム(0.28ml、0.560mmol)、及びDMF(15ml)を合わせた。反応物をマイクロ波において120℃で5分間加熱した。反応物をセライトで濾過し、酢酸エチルで洗浄した。得られた濾液を食塩水で洗浄した。水層を酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層をNaSO上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。生成物は精製せずに続けて用いた。MS:計算値257(MH+)、実測値257(MH+)。
【0240】
【化17】

【0241】
メチル3’−[(ベンジルアミノ)カルボニル]ビフェニル−3−カルボキシレート
3’−(メトキシカルボニル)ビフェニル−3−カルボン酸(0.1551g、0.605mmol)をDMF(6ml)に溶解した。EDC(0.1887g、0.984mmol)及びHOBT(0.2324g、1.518mmol)を加えた。ベンジルアミン(0.1ml、0.917mmol)を加えた。反応物を室温で一晩撹拌させた。反応物を減圧下で濃縮した。得られた残渣を、酢酸エチルに溶解し、炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄した。水層を、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層をNaSO上で乾燥させ、濾過し、濃縮した。得られた残渣をカラムクロマトグラフィーによって精製した。MS:計算値346(MH+)、実測値346(MH+)。
【0242】
【化18】

【0243】
N−ベンジル−N’−ヒドロキシルビフェニル−3,3’−ジカルボキサミド
メチル3’−[(ベンジルアミノ)カルボニル]ビフェニル−3−カルボキシレート(0.095g、0.275mmol)を、DMF(3ml)に溶解した。ヒドロキシルアミン(1.517ml、24.75mmol)を加えた。反応物を、室温で一晩撹拌させた。反応物を減圧下で濃縮した。得られた残渣を、ジクロロメタンに溶解した。この溶液を減圧下で濃縮した。水を、沈殿が生成するまで加えた。少量の酢酸エチルを加えた。生成物を濾過し、酢酸エチルで洗浄した。HNMR(DMSO−d)δ11.31(s,1H),9.17(t,J=5.9Hz,1H),9.06(s,1H),8.21(s,1H),8.06(s,1H),7.89(d,J=7.9Hz,1H),7.86(d,J=7.6Hz,2H),7.74(d,J=7.6Hz,1H),7.56(t,J=7.8Hz,1H)7.55(t,J=7.8Hz,1H),7.31−7.29(m,4H),7.23−7.20(m,1H)4.49(d,J=6.2Hz,2H)。MS:計算値347(MH+),実測値347(MH+)。
【0244】
さらなる類似体を、上記の調製について記載されたものと同様の手順で調製した。
【0245】
【表2】

【0246】
【表3−1】

【0247】
【表3−2】

【0248】
【表3−3】

【0249】
【表3−4】

【0250】
【表4−1】

【0251】
【表4−2】

【0252】
【化19】

【0253】
N−(3−フルオロフェニル)−N’−ヒドロキシ−2,7−ナフタレンジカルボキサミド
丸底フラスコ中で、ジオキサン(40ml)に、ジメチル2,7−ナフタレンジカルボキシレート(20.4mmol,5g)を懸濁し、溶解するまで80℃に加熱した。MeOH(3ml)中のKOH(1.2g)の溶液を、ゆっくりと加えた。反応混合物は、KOH溶液の添加の際に濁った。反応物を、80℃でさらに2時間撹拌した。反応物を室温に冷却し、濾過し、固体をエーテルですすいだ。次いで、固体を水に溶解し、2M HClで処理しpH3とした。沈殿物を濾過し、水で洗浄し、真空乾燥させた。
【0254】
PS−カルボジイミド樹脂(0.135mmol)、7−[(メチルオキシ)カルボニル]−2−ナフタレンカルボン酸(0.1mmol、23mg)、及びHOBt(0.115mmol、15.5mg)を秤量し、ボーダン(Bohdan)容器に入れ、DMF(1ml)に懸濁した。樹脂混合物を1時間撹拌し、続いて、溶液(0.5ml DMF)中のアミン(0.12mmol)を添加した。反応物を室温で一晩振盪した。次いで、反応物をMP−トリスアミン(5当量、HOBtを除去するため)及びMP−イソシアネート(3当量、過剰のアミンを除去するため)を用いてクリーンアップした。これらの固相試薬を加え、反応物を室温で一晩振盪した。反応物を濾過し、続いて樹脂をDMFで洗浄した。濾液を濃縮した。
【0255】
各反応生成物を、DMF(1ml)に溶解し、続いて、NHOH(50重量%水溶液、0.5ml、〜8mmol)を添加した。反応バイアルを一晩撹拌した。サンプルを濃縮し、精製に供した。MS:計算値325(MH+),実測値325(MH+)。
【0256】
【化20】

【0257】
N−[(4−フルオロフェニル)メチル]−N’−ヒドロキシナフタレン−2,6−ジカルボキサミド
【0258】
DMF(2ml)中の、EDC(0.250g、1.303mmol)及び6−(メトキシカルボニル)−2−ナフトエ酸(0.250g、1.086mmol)の撹拌混合物に、HOBt(0.200g、1.303mmol)を加え、混合物を室温で10分間撹拌した。反応混合物に1−(4−フルオロフェニル)メタンアミン(0.272g、2.172mmol)を加え、混合物を室温で一晩撹拌し続けさせた。反応混合物に水を加え、混合物を酢酸エチルで抽出した。合わせた有機画分を乾燥させ(NaSO)、濾過し、溶媒を減圧下で蒸発させた。LC/MSがほとんどの生成物を示した後に、粗反応混合物を用いて進めた。MS:計算値338(MH+),実測値338(MH+)。
【0259】
撹拌した、DMF(4ml)中のメチル6−{[(4−フルオロベンジル)アミノ]カルボニル}−2−ナフトアート(139mg、0.412mmol)に、ヒドロキシルアミンの50%水溶液(2ml、30.3mmol)を加え、混合物を室温で一晩撹拌した。
【0260】
過剰の溶媒をロトバップで除去すると、DMFのみが残った。生成物は、出発物質よりもDMSOに溶けやすく、そのため、残渣をDMSOに溶解すると、固体が底に蓄積し、溶液をアセトニトリル/水+0.025%TFAで溶出する分取HPLC逆相(C−18)によって精製した。MS:計算値339(MH+),実測値339(MH+)。
【0261】
【化21】

【0262】
メチル6−[(ヒドロキシアミノ)カルボニル]−2−ナフトアート
DMF(4ml)中の、ジメチル2,7−ナフタレンジカルボキシレート及びメチル6−[(メチルアミノ)カルボニル]−2−ナフトアートの撹拌混合物に、ヒドロキシルアミンの50%水溶液(2ml、30.3mmol)を加え、混合物を室温で一晩撹拌した。過剰の溶媒をロトバップで除去すると、DMFのみが残った。生成物は、出発物質よりもDMSOに溶けやすく、そのため、残渣をDMSOに溶解すると、固体が底に蓄積し、溶液をアセトニトリル/水+0.025%TFAで溶出する分取HPLC逆相(C−18)によって精製した。MS:計算値246(MH+),実測値246(MH+)。
【0263】
さらなる類似体を、上記の調製について記載されたものと同様の手順で調製した。
【0264】
【表5−1】

【0265】
【表5−2】

【0266】
【表5−3】

【0267】
【表5−4】

【0268】
【表5−5】

【0269】
【表5−6】

【0270】
【表5−7】

【0271】
【表5−8】

【0272】
【表5−9】

【0273】
【表5−10】

【0274】
【表5−11】

【0275】
【表5−12】

【0276】
【表6−1】

【0277】
【表6−2】

【0278】
【表6−3】

【0279】
【表6−4】

【0280】
【表6−5】

【0281】
【表6−6】

【0282】
【表7】

【0283】
上記の表中の化合物は、10μM未満の濃度でヒストン脱アセチル化酵素6阻害活性を示す。
【0284】
実施例2−新規化合物によるHDAC阻害
HDAC1−フラッグ(Flag)アッセイ
新規化合物を、ヒストン脱アセチル化酵素、サブタイプ1又は6(HDAC1又はHDAC6)の阻害能について、インビトロの脱アセチル化アッセイを用いて試験した。このアッセイ用の酵素供給源は、安定に発現している哺乳類細胞から免疫精製した、エピトープタグ・ヒトHDAC1又はHDAC6複合体であった。基質は、アセチル化されたリジン側鎖を含有する市販品(バイオモル・リサーチ・ラボラトリーズ・インク(BIOMOL Research Laboratories, Inc.)、ペンシルベニア州、プリマスミーティング)から構成した。精製したHDAC1又はHDAC6複合体とのインキュベーションによる基質の脱アセチル化により、蛍光体が産生され、これが、脱アセチル化のレベルに正比例する。酵素標品のKmの基質濃度を用いて、濃度を増していく新規化合物の存在下に脱アセチル化アッセイを行ない、脱アセチル化反応の50%阻害に必要な化合物濃度(IC50)を半定量的に測定した。
【0285】
実施例3−細胞系におけるHDAC阻害
ATPアッセイ
本発明の新規化合物を、ヒト子宮頚癌(ヒーラ(HeLa))及び結腸癌(HCT116)細胞の増殖の阻害能について試験した。
【0286】
バイアライト・アッセイ(Vialight Assay)とも呼ばれるこのアッセイでは、細胞のATPレベルを、細胞増殖を定量化する手段として測定する。このアッセイは、カンブレックス(Cambrex)(バイアライト・プラス(ViaLight PLUS)、カタログ番号LT07−121)からの生物発光法を利用する。ATPの存在下に、ルシフェラーゼが、ルシフェリンをオキシルシフェリン及び光に転換する。発生した光(565nMにおけるエミッション)の量を測定し、増殖の相対量と関係づける。ヒト子宮頚癌(ヒーラ)又は結腸癌(HCT116)細胞を、ビヒクル又は濃度を増していく化合物と共に、48、72、又は96時間インキュベートした。細胞増殖は、細胞溶解試薬(バイアライト(Vialight)アッセイキット中に供給された)を培養ウェルへ直接添加すること、及びそれに続く、ATPモニタリング試薬(ルシフェラーゼ/ルシフェリンを含有)の添加により定量化した。次いで、発生した光を測定する(565nMにおけるエミッション)。565nMの吸収により測定される、発生した光の量は、培養にある生きた細胞数に正比例する。
【0287】
本発明を、その実施態様について詳細に示し、かつ記載してきたが、当業者により、記載された本発明の意味から離れることなく、形態及び細部において、種々の変更が行われてよいことが理解されよう。むしろ、本発明の範囲は、以下のクレームによって定義される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式:
【化1】

[式中、
【化2】

は、ORであり;
Rは、
1)C−Cアルキル、
2)−(CRアリール、
3)−(CRヘテロアリール、
4)−(CRヘテロシクリル、又は
5)−(CRシクロアルキル
から選択され、ここで、アルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、又はシクロアルキルは、Rからの1ないし3個の置換基で置換されていてもよく;
R’は、
1)H、又は
2)非置換若しくは置換C−Cアルキル
から選択され;
は、
1)H、又は
2)C−Cアルキル
から選択され;
は、独立して、
1)H、
2)ハロ、
3)ハロアルキル、
4)ハロアルコキシ、
5)非置換又は置換C−Cアルキル、
6)非置換又は置換アリール、
7)非置換又は置換アラルキル、
8)OH、
9)アルコキシ、
10)非置換又は置換へテロアリール、又は
11)非置換又は置換ヘテロシクリル
から選択され;
pは、0、1、2、又は3である]
によって表される化合物、又はその立体異性体若しくは薬学的に許容される塩。
【請求項2】
【化3】

R’が、
1)H、又は
2)C−Cアルキル
から選択され;
がHであり;
が、独立して、
1)H、
2)ハロ、
3)ハロアルキル、
4)ハロアルコキシ、
5)非置換C−Cアルキル、
6)非置換アリール、
7)非置換アラルキル、
8)OH、
9)アルコキシ、又は
10)非置換へテロアリール
から選択され;
かつ、すべてのその他の置換基が、請求項1に定義のとおりである、
請求項1に記載の化合物、又はその立体異性体若しくは薬学的に許容される塩。
【請求項3】
Rが、
1)−(CRへテロアリール、
2)−(CRへテロシクリル、又は
3)−(CRシクロアルキル
から選択され、ここで、シクロアルキル、ヘテロアリール、又はヘテロシクリルは、Rからの1ないし3個の置換基で置換されていてもよく;
かつ、すべてのその他の置換基が、請求項2に定義のとおりである、
請求項2に記載の化合物、又はその立体異性体若しくは薬学的に許容される塩。
【請求項4】
Rが、−(CRシクロアルキルであり、ここで、シクロアルキルは、Rからの1ないし3個の置換基で置換されていてもよく;
かつ、すべてのその他の置換基が、請求項2に定義のとおりである、
請求項2に記載の化合物、又はその立体異性体若しくは薬学的に許容される塩。
【請求項5】
【化4】

R’が、
1)H、又は
2)C−Cアルキル
から選択され;
がHであり、
が、独立して、
1)H、
2)ハロ、
3)ハロアルキル、
4)ハロアルコキシ、
5)非置換C−Cアルキル、
6)非置換アリール、
7)非置換アラルキル、
8)OH、
9)アルコキシ、又は
10)非置換へテロアリール
から選択され;
かつ、すべてのその他の置換基が、請求項1に定義のとおりである、
請求項1に記載の化合物、又はその立体異性体若しくは薬学的に許容される塩。
【請求項6】
Rが、
1)C−Cアルキル、
2)−(CRへテロシクリル、又は
3)−(CRシクロアルキル
から選択され、ここで、アルキル、シクロアルキル、又はヘテロシクリルは、Rからの1ないし3個の置換基で置換されていてもよい、
請求項5に記載の化合物、又はその立体異性体若しくは薬学的に許容される塩。
【請求項7】
式:
【化5】

[式中、
【化6】

は、ORであり;
Rは、
1)−(CRへテロアリール、
2)−(CRへテロシクリル、又は
3)−(CRへテロアルキル
から選択され、ここで、シクロアルキル、ヘテロアリール又はヘテロシクリルは、Rからの1ないし3個の置換基で置換されていてもよく;
R’は、
1)H、又は
2)非置換又は置換C−Cアルキル
から選択され;
は、
1)H、又は
2)C−Cアルキル
から選択され;
は、独立して、
1)H、
2)ハロ、
3)ハロアルキル、
4)ハロアルコキシ、
5)非置換又は置換C−Cアルキル、
6)非置換又は置換アリール、
7)非置換又は置換アラルキル、
8)OH、
9)アルコキシ、
10)非置換又は置換へテロアリール、又は
11)非置換又は置換ヘテロシクリル
から選択され;
pは、0、1、2、又は3である]
によって表される化合物、又はその立体異性体若しくは薬学的に許容される塩。
【請求項8】
N−[2−(4−ブロモフェニル)エチル]−N’−ヒドロキシビフェニル−3,3’−ジカルボキサミド、
N−[2−(4−クロロフェニル)エチル]−N’−ヒドロキシ−3,3’−ビフェニルジカルボキサミド、
N−ヒドロキシ−N’−{2−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}−3,3’−ビフェニルジカルボキサミド、
N−[2−(3−クロロフェニル)エチル]−N’−ヒドロキシ−3,3’−ビフェニルジカルボキサミド、
N−[2−(3,4−ジクロロフェニル)エチル]−N’−ヒドロキシ−3,3’−ビフェニルジカルボキサミド、
N−[2−(3,5−ジメトキシフェニル)エチル]−N’−ヒドロキシ−3,3’−ビフェニルジカルボキサミド、
N−[2−(3−ブロモ−4−メトキシフェニル)エチル]−N’−ヒドロキシ−3,3’−ビフェニルジカルボキサミド、
N−[2−(3−クロロ−4−メトキシフェニル)エチル]−N’−ヒドロキシ−3,3’−ビフェニルジカルボキサミド、
N−[2−(3−ブロモフェニル)エチル]−N’−ヒドロキシ−3,3’−ビフェニルジカルボキサミド、
N−(2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシン−6−イル)−N’−ヒドロキシビフェニル−3,3’−ジカルボキサミド、
N−(3−フルオロフェニル)−N’−ヒドロキシ−3,3’−ビフェニルジカルボキサミド、
N−(3−クロロフェニル)−N’−ヒドロキシ−3,3’−ビフェニルジカルボキサミド、
N−(3−メトキシフェニル)−N’−ヒドロキシ−3,3’−ビフェニルジカルボキサミド、
N−(3−トリフルオロメチルフェニル)−N’−ヒドロキシ−3,3’−ビフェニルジカルボキサミド、
N−(4−フルオロフェニル)−N’−ヒドロキシ−3,3’−ビフェニルジカルボキサミド、
N−(4−クロロフェニル)−N’−ヒドロキシ−3,3’−ビフェニルジカルボキサミド、
N−ヒドロキシ−N’−イソブチル−3,3’−ビフェニルジカルボキサミド、
N−ヒドロキシ−N’−2−メチルブチル−3,3’−ビフェニルジカルボキサミド、
N−[3−フルオロ−5−(トリフルオロメチル)フェニル]−N’−ヒドロキシ−3,3’−ビフェニルジカルボキサミド、
N−ベンジル−N’−ヒドロキシ−3,3’−ビフェニルジカルボキサミド、
N−(3−フルオロベンジル)−N’−ヒドロキシ−3,3’−ビフェニルジカルボキサミド、
N−ヒドロキシ−N’−(3−メトキシベンジル)−3,3’−ビフェニルジカルボキサミド、
N−(3,5−ジメトキシベンジル)−N’−ヒドロキシ−3,3’−ビフェニルジカルボキサミド、
N−ヒドロキシ−N’−[3−(トリフルオロメチル)ベンジル]−3,3’−ビフェニルジカルボキサミド、
N−(3−クロロベンジル)−N’−ヒドロキシ−3,3’−ビフェニルジカルボキサミド、
N−(3,4−ジフルオロベンジル)−N’−ヒドロキシ−3,3’−ビフェニルジカルボキサミド、
N−(3,5−ジメチルベンジル)−N’−ヒドロキシ−3,3’−ビフェニルジカルボキサミド、
N−(4−ブロモベンジル)−N’−ヒドロキシ−3,3’−ビフェニルジカルボキサミド、
N−[3−フルオロ−5−(トリフルオロメチル)ベンジル]−N’−ヒドロキシ−3,3’−ビフェニルジカルボキサミド、
N−(3,5−ジフルオロベンジル)−N’−ヒドロキシ−3,3’−ビフェニルジカルボキサミド、
N−ヒドロキシ−N’−[2−(4−メトキシフェニル)エチル]−3,3’−ビフェニルジカルボキサミド、
N−(2−フルオロフェニル)−N’−ヒドロキシビフェニル−3,3’−ジカルボキサミド、
N’−ヒドロキシ−N,N−ジメチルビフェニル−3,3’−ジカルボキサミド、
N−ヒドロキシ−N’−メチルビフェニル−3,3’−ジカルボキサミド、
N−シクロヘキシル−N’−ヒドロキシビフェニル−3,3’−ジカルボキサミド、
’−ヒドロキシ−N−{2−[3−(メチルオキシ)フェニル]エチル}ビフェニル−3,4’−ジカルボキサミド、
−[2−(4−クロロフェニル)エチル]−N’−ヒドロキシビフェニル−3,4’−ジカルボキサミド、
’−ヒドロキシ−N−{2−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}ビフェニル−3,4’−ジカルボキサミド、
−[2−(3−クロロフェニル)エチル]−N’−ヒドロキシビフェニル−3,4’−ジカルボキサミド、
−[2−(3−フルオロフェニル)エチル]−N’−ヒドロキシビフェニル−3,4’−ジカルボキサミド、
−[2−(4−フルオロフェニル)エチル]−N’−ヒドロキシビフェニル−3,4’−ジカルボキサミド、
−シクロヘキシル−N’−ヒドロキシビフェニル−3,4’−ジカルボキサミド、
−(3−フルオロフェニル)−N’−ヒドロキシビフェニル−3,4’−ジカルボキサミド、
−(3−クロロフェニル)−N’−ヒドロキシビフェニル−3,4’−ジカルボキサミド、
’−ヒドロキシ−N−(3−メトキシフェニル)ビフェニル−3,4’−ジカルボキサミド、
’−ヒドロキシ−N−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]ビフェニル−3,4’−ジカルボキサミド、
−(4−フルオロフェニル)−N’−ヒドロキシビフェニル−3,4’−ジカルボキサミド、
’−ヒドロキシ−N−イソブチルビフェニル−3,4’−ジカルボキサミド、
−(3−フルオロベンジル)−N’−ヒドロキシビフェニル−3,4’−ジカルボキサミド、
’−ヒドロキシ−N−(3−メトキシベンジル)ビフェニル−3,4’−ジカルボキサミド、
’−ヒドロキシ−N−[3−(トリフルオロメチル)ベンジル]ビフェニル−3,4’−ジカルボキサミド、
−(4−ブロモベンジル)−N’−ヒドロキシビフェニル−3,4’−ジカルボキサミド、
−(3−クロロベンジル)−N’−ヒドロキシビフェニル−3,4’−ジカルボキサミド、
’−ヒドロキシ−N−(4−メトキシベンジル)ビフェニル−3,4’−ジカルボキサミド、
−[(1R)−1−(4−クロロフェニル)エチル]−N’−ヒドロキシビフェニル−3,4’−ジカルボキサミド、
’−ヒドロキシ−N−[(2−フェニル−1,3−チアゾール−4−イル)メチル]ビフェニル−3,4’−ジカルボキサミド、
−[(4−ベンジルモルホリン−2−イル)メチル]−N’−ヒドロキシビフェニル−3,4’−ジカルボキサミド、
−(3−フリルメチル)−N’−ヒドロキシビフェニル−3,4’−ジカルボキサミド、
’−ヒドロキシ−N−ピリジン−3−イルビフェニル−3,4’−ジカルボキサミド、
−シクロペンチル−N’−ヒドロキシビフェニル−3,4’−ジカルボキサミド、
’−ヒドロキシ−N−(4−メチルシクロヘキシル)ビフェニル−3,4’−ジカルボキサミド、
’−ヒドロキシ−N−(テトラヒドロフラン−2−イルメチル)ビフェニル−3,4’−ジカルボキサミド、
−[(1−エチルピロリジン−2−イル)メチル]−N’−ヒドロキシビフェニル−3,4’−ジカルボキサミド、
’−ヒドロキシ−N−[2−(1H−イミダゾール−4−イル)エチル]ビフェニル−3,4’−ジカルボキサミド、
−(tert−ブチル)−N’−ヒドロキシビフェニル−3,4’−ジカルボキサミド、
−(4−フルオロベンジル)−N’−ヒドロキシビフェニル−3,4’−ジカルボキサミド、
’−ヒドロキシ−N−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]ビフェニル−3,4’−ジカルボキサミド、
’−ヒドロキシ−N−[2−(1−メチルピロリジン−2−イル)エチル]ビフェニル−3,4’−ジカルボキサミド、
’−ヒドロキシ−N−(4−メトキシフェニル)ビフェニル−3,4’−ジカルボキサミド、
−(2−クロロフェニル)−N’−ヒドロキシビフェニル−3,4’−ジカルボキサミド、
’−ヒドロキシ−N−(ピリジン−3−イルメチル)ビフェニル−3,4’−ジカルボキサミド、
N−[2−(4−クロロフェニル)エチル]−N’−ヒドロキシビフェニル−4,4’−ジカルボキサミド、
N−ヒドロキシ−N’−[2−(4−メトキシフェニル)エチル]ビフェニル−4,4’−ジカルボキサミド、
N−[2−(3−フルオロフェニル)エチル]−N’−ヒドロキシビフェニル−4,4’−ジカルボキサミド、
N−[2−(4−フルオロフェニル)エチル]−N’−ヒドロキシビフェニル−4,4’−ジカルボキサミド、
N−シクロヘキシル−N’−ヒドロキシビフェニル−4,4’−ジカルボキサミド、
N−(3−クロロフェニル)−N’−ヒドロキシビフェニル−4,4’−ジカルボキサミド、
N−ヒドロキシ−N’−(3−メトキシフェニル)ビフェニル−4,4’−ジカルボキサミド、
N−ヒドロキシ−N’−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]ビフェニル−4,4’−ジカルボキサミド、
N−ヒドロキシ−N’−イソブチルビフェニル−4,4’−ジカルボキサミド、
N−ベンジル−N’−ヒドロキシビフェニル−4,4’−ジカルボキサミド、
N−(3−フルオロベンジル)−N’−ヒドロキシビフェニル−4,4’−ジカルボキサミド、
N−(3−クロロベンジル)−N’−ヒドロキシビフェニル−4,4’−ジカルボキサミド、
N−ヒドロキシ−N’−(4−メトキシベンジル)ビフェニル−4,4’−ジカルボキサミド、
N−[(1R)−1−(4−クロロフェニル)エチル]−N’−ヒドロキシビフェニル−4,4’−ジカルボキサミド、
N−ヒドロキシ−N’−[(2−フェニル−1,3−チアゾール−4−イル)メチル]ビフェニル−4,4’−ジカルボキサミド、
N−[(4−ベンジルモルホリン−2−イル)メチル]−N’−ヒドロキシビフェニル−4,4’−ジカルボキサミド、
N−(3−フリルメチル)−N’−ヒドロキシビフェニル−4,4’−ジカルボキサミド、
N−ヒドロキシ−N’−ピリジン−3−イルビフェニル−4,4’−ジカルボキサミド、
N−ヒドロキシ−N’−フェニルビフェニル−4,4’−ジカルボキサミド、
N−[(1−エチルピロリジン−2−イル)メチル]−N’−ヒドロキシビフェニル−4,4’−ジカルボキサミド、
N−(tert−ブチル)−N’−ヒドロキシビフェニル−4,4’−ジカルボキサミド、
N−(2−クロロベンジル)−N’−ヒドロキシビフェニル−4,4’−ジカルボキサミド、
N−ヒドロキシ−N’−[2−(1−メチルピロリジン−2−イル)エチル]ビフェニル−4,4’−ジカルボキサミド、
N−ヒドロキシ−N’−(3−モルホリン−4−イルプロピル)ビフェニル−4,4’−ジカルボキサミド、
N−ヒドロキシ−N’−(ピリジン−3−イルメチル)ビフェニル−4,4’−ジカルボキサミド、
N−[2−(4−ブロモフェニル)エチル]−N’−ヒドロキシナフタレン−2,6−ジカルボキサミド、
N−[(4−クロロフェニル)メチル]−N’−ヒドロキシナフタレン−2,6−ジカルボキサミド、
N−(シクロプロピルメチル)−N’−ヒドロキシナフタレン−2,6−ジカルボキサミド、
N−(2−クロロフェニル)−N’−ヒドロキシナフタレン−2,6−ジカルボキサミド、
N−ヒドロキシ−N’−メチルナフタレン−2,6−ジカルボキサミド、
N−(2−フルオロフェニル)−N’−ヒドロキシナフタレン−2,6−ジカルボキサミド、
N−ヒドロキシ−N’−(1−メチルエチル)ナフタレン−2,6−ジカルボキサミド、
N−[2−(4−クロロフェニル)エチル]−N’−ヒドロキシナフタレン−2,6−ジカルボキサミド、
N−[2−(4−メトキシフェニル)エチル]−N’−ヒドロキシナフタレン−2,6−ジカルボキサミド、
N−ヒドロキシ−N’−{2−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}ナフタレン−2,6−ジカルボキサミド、
N−[2−(3−クロロフェニル)エチル]−N’−ヒドロキシナフタレン−2,6−ジカルボキサミド、
N−[2−(3,4−ジクロロフェニル)エチル]−N’−ヒドロキシナフタレン−2,6−ジカルボキサミド、
N−[2−(3,5−ジメトキシフェニル)エチル]−N’−ヒドロキシナフタレン−2,6−ジカルボキサミド、
N−[2−(3−フルオロフェニル)エチル]−N’−ヒドロキシナフタレン−2,6−ジカルボキサミド、
N−[2−(4−フルオロフェニル)エチル]−N’−ヒドロキシナフタレン−2,6−ジカルボキサミド、
N−[2−(3−ブロモ−4−メトキシフェニル)エチル]−N’−ヒドロキシナフタレン−2,6−ジカルボキサミド、
N−[2−(3−クロロ−4−メトキシフェニル)エチル]−N’−ヒドロキシナフタレン−2,6−ジカルボキサミド、
N−[2−(3−ブロモフェニル)エチル]−N’−ヒドロキシナフタレン−2,6−ジカルボキサミド、
N−シクロヘキシル−N’−ヒドロキシナフタレン−2,6−ジカルボキサミド、
N−(2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシン−6−イル)−N’−ヒドロキシ−2,6−ナフタレンジカルボキサミド、
N−(3−フルオロフェニル)−N’−ヒドロキシ−2,6−ナフタレンジカルボキサミド、
N−(3−クロロフェニル)−N’−ヒドロキシ−2,6−ナフタレンジカルボキサミド、
N−ヒドロキシ−N’−[3−(メチルオキシ)フェニル]−2,6−ナフタレンジカルボキサミド、
N−ヒドロキシ−N’−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−2,6−ナフタレンジカルボキサミド、
N−(4−フルオロフェニル)−N’−ヒドロキシ−2,6−ナフタレンジカルボキサミド、
N−(4−クロロフェニル)−N’−ヒドロキシ−2,6−ナフタレンジカルボキサミド、
N−ヒドロキシ−N’−(2−メチルプロピル)−2,6−ナフタレンジカルボキサミド、
N−ヒドロキシ−N’−(2−メチルブチル)−2,6−ナフタレンジカルボキサミド、
N−[3−フルオロ−5−(トリフルオロメチル)フェニル]−N’−ヒドロキシ−2,6−ナフタレンジカルボキサミド、
N−ヒドロキシ−N’−(フェニルメチル)−2,6−ナフタレンジカルボキサミド、
N−[(3−フルオロフェニル)メチル]−N’−ヒドロキシ−2,6−ナフタレンジカルボキサミド、
N−ヒドロキシ−N’−{[3−(メチルオキシ)フェニル]メチル}−2,6−ナフタレンジカルボキサミド、
N−{[3,5−ビス(メチルオキシ)フェニル]メチル}−N’−ヒドロキシ−2,6−ナフタレンジカルボキサミド、
N−ヒドロキシ−N’−{[3−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}−2,6−ナフタレンジカルボキサミド、
N−[(3,4−ジフルオロフェニル)メチル]−N’−ヒドロキシ−2,6−ナフタレンジカルボキサミド、
N−[(3,5−ジメチルフェニル)メチル]−N’−ヒドロキシ−2,6−ナフタレンジカルボキサミド、
N−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)メチル]−N’−ヒドロキシ−2,6−ナフタレンジカルボキサミド、
N−[(4−ブロモフェニル)メチル]−N’−ヒドロキシ−2,6−ナフタレンジカルボキサミド、
N−{[3−フルオロ−5−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}−N’−ヒドロキシ−2,6−ナフタレンジカルボキサミド、
N−[(3,5−ジフルオロフェニル)メチル]−N’−ヒドロキシ−2,6−ナフタレンジカルボキサミド、
N−(2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−イルメチル)−N’−ヒドロキシ−2,6−ナフタレンジカルボキサミド、
N−ヒドロキシ−N’−[(3−メチルフェニル)メチル]−2,6−ナフタレンジカルボキサミド、
N−[(3−クロロフェニル)メチル]−N’−ヒドロキシ−2,6−ナフタレンジカルボキサミド、
N−[(3−ヨードフェニル)メチル]−N’−ヒドロキシ−2,6−ナフタレンジカルボキサミド、
N−({3−[(ジフルオロメチル)オキシ]フェニル}メチル)−N’−ヒドロキシ−2,6−ナフタレンジカルボキサミド、
N−(3−ビフェニルイルメチル)−N’−ヒドロキシ−2,6−ナフタレンジカルボキサミド、
N−[(3−ブロモフェニル)メチル]−N’−ヒドロキシ−2,6−ナフタレンジカルボキサミド、
N−ヒドロキシ−N’−{[3−(1H−ピロール−1−イル)フェニル]メチル}−2,6−ナフタレンジカルボキサミド、
N−ヒドロキシ−N’−({3−[(1−メチルエチル)オキシ]フェニル}メチル)−2,6−ナフタレンジカルボキサミド、
N−ヒドロキシ−N’−{[5−メチル−2−(トリフルオロメチル)−3−フリル]メチル}ナフタレン−2,6−ジカルボキサミド、
N−ヒドロキシ−N’−[(1R)−1−(3−メトキシフェニル)エチル]ナフタレン−2,6−ジカルボキサミド、
N−[1−(4−クロロフェニル)エチル]−N’−ヒドロキシナフタレン−2,6−ジカルボキサミド、
N−ヒドロキシ−N’−[(4−メチル−2−フェニル−1,3−チアゾール−5−イル)メチル]ナフタレン−2,6−ジカルボキサミド、
N−ヒドロキシ−N’−{1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}ナフタレン−2,6−ジカルボキサミド、
N−[1−(4−ブロモフェニル)エチル]−N’−ヒドロキシナフタレン−2,6−ジカルボキサミド、
N−[1−(4−フルオロフェニル)エチル]−N’−ヒドロキシナフタレン−2,6−ジカルボキサミド、
N−ヒドロキシ−N’−(1−フェニルエチル)ナフタレン−2,6−ジカルボキサミド、
N−ヒドロキシ−N’−[(1S)−1−(3−メトキシフェニル)エチル]ナフタレン−2,6−ジカルボキサミド、
N−[(2−ベンジル−1,3−チアゾール−4−イル)メチル]−N’−ヒドロキシナフタレン−2,6−ジカルボキサミド、
N−ヒドロキシ−N’−[(2−メチルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−イル)メチル]ナフタレン−2,6−ジカルボキサミド、
N−ヒドロキシ−N’−[(5−メチルイソオキサゾール−3−イル)メチル]ナフタレン−2,6−ジカルボキサミド、
N−(1,4,5,6,7,8−ヘキサヒドロシクロヘプタ[c]ピラゾール−3−イルメチル)−N’−ヒドロキシナフタレン−2,6−ジカルボキサミド、
N−ヒドロキシ−N’−(イミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−イルメチル)ナフタレン−2,6−ジカルボキサミド、
N−ヒドロキシ−N’−[(3−メチルイソオキサゾール−5−イル)メチル]ナフタレン−2,6−ジカルボキサミド、
N−ヒドロキシ−N’−{[2−(2−チエニル)−1,3−チアゾール−4−イル]メチル}ナフタレン−2,6−ジカルボキサミド、
N−ヒドロキシ−N’−[(2−フェニル−1,3−チアゾール−4−イル)メチル]ナフタレン−2,6−ジカルボキサミド、
N−ヒドロキシ−N’−[(5−ピリジン−2−イル−2−チエニル)メチル]ナフタレン−2,6−ジカルボキサミド、
N−ヒドロキシ−N’−({4−メチル−2−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,3−チアゾール−5−イル}メチル)ナフタレン−2,6−ジカルボキサミド、
N−ヒドロキシ−N’−(4−フェニル−1,3−チアゾール−2−イル)ナフタレン−2,6−ジカルボキサミド、
N−{[3−(4−クロロフェニル)イソオキサゾール−5−イル]メチル}−N’−ヒドロキシナフタレン−2,6−ジカルボキサミド、
N−[2−(4−クロロフェニル)エチル]−N’−ヒドロキシナフタレン−2,7−ジカルボキサミド、
N−ヒドロキシ−N’−{2−[4−(メチルオキシ)フェニル]エチル}−2,7−ナフタレンジカルボキサミド、
N−ヒドロキシ−N’−{2−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}−2,7−ナフタレンジカルボキサミド、
N−ヒドロキシ−N’−{2−[3−クロロフェニル]エチル}−2,7−ナフタレンジカルボキサミド、
N−ヒドロキシ−N’−{2−[3−フルオロフェニル]エチル}−2,7−ナフタレンジカルボキサミド、
N−[2−(4−フルオロフェニル)エチル]−N’−ヒドロキシ−2,7−ナフタレンジカルボキサミド、
N−シクロヘキシル−N’−ヒドロキシ−2,7−ナフタレンジカルボキサミド、
N−(3−クロロフェニル)−N’−ヒドロキシ−2,7−ナフタレンジカルボキサミド、
N−ヒドロキシ−N’−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−2,7−ナフタレンジカルボキサミド、
N−(4−フルオロフェニル)−N’−ヒドロキシ−2,7−ナフタレンジカルボキサミド、
N−(4−クロロフェニル)−N’−ヒドロキシ−2,7−ナフタレンジカルボキサミド、
N−ヒドロキシ−N’−(2−メチルプロピル)−2,7−ナフタレンジカルボキサミド、
N−ヒドロキシ−N’−(2−ヒドロキシエチル)−2,7−ナフタレンジカルボキサミド、
N−ヒドロキシ−N’−(フェニルメチル)−2,7−ナフタレンジカルボキサミド、
N−[(3−フルオロフェニル)メチル]−N’−ヒドロキシ−2,7−ナフタレンジカルボキサミド、
N−ヒドロキシ−N’−{[3−(メチルオキシ)フェニル]メチル}−2,7−ナフタレンジカルボキサミド、
N−ヒドロキシ−N’−{[3−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}−2,7−ナフタレンジカルボキサミド、
N−[(4−クロロフェニル)メチル]−N’−ヒドロキシ−2,7−ナフタレンジカルボキサミド、
N−[(4−ブロモフェニル)メチル]−N’−ヒドロキシ−2,7−ナフタレンジカルボキサミド、
N−[(3−クロロフェニル)メチル]−N’−ヒドロキシ−2,7−ナフタレンジカルボキサミド、
N−ヒドロキシ−N’−{[4−(メチルオキシ)フェニル]メチル}−2,7−ナフタレンジカルボキサミド、
N−[(1R)−1−(4−クロロフェニル)エチル]−N’−ヒドロキシ−2,7−ナフタレンジカルボキサミド、
N−ヒドロキシ−N’−[(2−フェニル−1,3−チアゾール−4−イル)メチル]−2,7−ナフタレンジカルボキサミド、
N−ヒドロキシ−N’−{[4−(フェニルメチル)−2−モルホリニル]メチル}−2,7−ナフタレンジカルボキサミド、
N−(3−フラニルメチル)−N’−ヒドロキシ−2,7−ナフタレンジカルボキサミド、
N−ヒドロキシ−N’−3−ピリジニル−2,7−ナフタレンジカルボキサミド、
N−ヒドロキシ−N’−フェニル−2,7−ナフタレンジカルボキサミド、
N−ヒドロキシ−N’−(4−メチルシクロヘキシル)−2,7−ナフタレンジカルボキサミド、
N−ヒドロキシ−N’−1H−ピラゾール−3−イル−2,7−ナフタレンジカルボキサミド、
N−ヒドロキシ−N’−(テトラヒドロ−2−フラニルメチル)−2,7−ナフタレンジカルボキサミド、
N−[(1−エチル−2−ピロリジニル)メチル]−N’−ヒドロキシ−2,7−ナフタレンジカルボキサミド、
N−ヒドロキシ−N’−[2−(1H−イミダゾール−4−イル)エチル]−2,7−ナフタレンジカルボキサミド、
N−(1,1−ジメチルエチル)−N’−ヒドロキシ−2,7−ナフタレンジカルボキサミド、
N−[(2−クロロフェニル)メチル]−N’−ヒドロキシ−2,7−ナフタレンジカルボキサミド、
N−[(4−フルオロフェニル)メチル]−N’−ヒドロキシ−2,7−ナフタレンジカルボキサミド、
N−ヒドロキシ−N’−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]−2,7−ナフタレンジカルボキサミド、
N−ヒドロキシ−N’−[2−(1−メチル−2−ピロリジニル)エチル]−2,7−ナフタレンジカルボキサミド、
N−ヒドロキシ−N’−[4−(メチルオキシ)フェニル]−2,7−ナフタレンジカルボキサミド、
N’−ヒドロキシ−N−メチル−N−[(5−フェニル−3−イソオキサゾリル)メチル]−2,6−ナフタレンジカルボキサミド、
N’−ヒドロキシ−N−メチル−N−[(2−フェニル−1,3−チアゾール−5−イル)メチル]−2,6−ナフタレンジカルボキサミド、
N−ヒドロキシ−N’−(2−フェニルエチル)ビフェニル−3,3’−ジカルボキサミド、
N−ベンジル−N’−ヒドロキシルビフェニル−3,3’−ジカルボキサミド、
N−[(4−フルオロフェニル)メチル]−N’−ヒドロキシナフタレン−2,6−ジカルボキサミド、
N−(3−フルオロフェニル)−N’−ヒドロキシ−2,7−ナフタレンジカルボキサミド
からなる群から選択される化合物、又はその立体異性体若しくは薬学的に許容される塩。
【請求項9】
請求項1ないし8のいずれか1項に記載の化合物の薬学的に有効な量と、薬学的に許容される担体とを含んでなる医薬組成物。
【請求項10】
哺乳類における癌の治療又は予防において有用な医薬の調製のための、請求項1ないし8のいずれか1項に記載の化合物の使用。

【公表番号】特表2010−540630(P2010−540630A)
【公表日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−527961(P2010−527961)
【出願日】平成20年9月30日(2008.9.30)
【国際出願番号】PCT/US2008/011289
【国際公開番号】WO2009/045385
【国際公開日】平成21年4月9日(2009.4.9)
【出願人】(390023526)メルク・シャープ・エンド・ドーム・コーポレイション (924)
【Fターム(参考)】