説明

フレキシブル配線基板、フレキシブル半導体装置および液晶表示装置

【課題】複雑な製造工程を経ることなく、容易に製造することができ、電子部品を実装した場合、電子部品から発生する熱を効率的に放出することができるフレキシブル配線基板を提供すること。
【解決手段】本発明のフレキシブル配線基板は、アウターリード形成領域と、電子部品実装領域とが、両領域の間に形成された第1折り曲げ部を介して隣接する可撓性絶縁基板と、可撓性絶縁基板の一方の面に配線パターンが形成されたフレキシブル配線基板であり、フレキシブル配線基板に形成された配線パターンの一方の端部がアウターリードを形成し、他端がインナーリードを形成し、該フレキシブル配線基板は、所定形状に折り曲げが可能なように形成されていることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子部品を実装して通電した際に電子部品から発生する熱を効率的に放出することができるフレキシブル配線基板、このフレキシブル配線基板に半導体が実装されたフレキシブル半導体装置およびこのフレキシブル半導体装置を有する液晶表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
周知のように、フレキシブル配線基板は、駆動用ドライバーIC等の電子部品が実装されて、液晶テレビ、プラズマディスプレイおよび有機ELテレビなどの表示装置に使用されている。
【0003】
このようなフレキシブル配線基板には、TAB(Tape Automated Bonding)テープ、TCP(Tape Carrier Package)およびCOF(Chip On Film)等があり、その特性を有効に利用できるように使用されている。
【0004】
また、フレキシブル基板は、絶縁基板として可撓性を有する樹脂フィルムを使用することから、優れた可撓性を有しており、折り曲げて使用するなど、その形態を変化させて使用することが可能である。このような特性を利用して、フレキシブル基板は、半導体を搭載して、液晶テレビ、プラズマディスプレイあるいは有機ELテレビ等の液晶表示装置の縁部にある透明電極とACF接続され、表示装置の裏側に折り曲げられて表示装置に組み込
むことが可能であり、表示装置の枠体の幅を狭くして表示面をより大きくし、枠体をより狭くした表示装置に利用されている。
【0005】
特に、COFは、デバイスホールを有するTABテープなどに比べて、デバイスホールがないことからフライングリードを形成する必要がなく、形成された配線パターン全てが配線パターンの底部で基材フィルムに支えられていることから、COF基板は、ファインピッチ化が比較的容易であるとともに、折り曲げ信頼性および実装作業性が高いことから、液晶表示装置のフレキシブル配線基板として、多く採用されている。
【0006】
ところが、COFのように配線パターンを細線化することは高性能の電子部品を組み込むためには、非常に重要な技術であるが、一方で、配線パターンは、電子部品で発生した熱を放熱するための放熱回路としても作用しており、COFのように形成される配線パターンが細線化するに伴って、電子部品で発生した熱を放出する能力が低下してきている。加えて、電子部品の性能は高くなり、かつ小型化しているために、電子部品を駆動させることにより生ずる高集積化した電子部品からの発熱量は多くなる傾向があり、COFのように配線パターンが細線化されたフレキシブル配線基板においては、放熱効率という観点からみると、配線パターンの細線化は、熱の放熱効率を低下させることになる。
【0007】
また、図10に示すように、たとえば従来の表示装置においては、ICが実装されたCOFタイプのフレキシブル配線基板39が組み込まれた液晶表示装置40の内部構造を有している。ここで、発熱体となる電子部品(IC)Eは、円弧状に折り曲げられたフレキシブル配線基板39の円弧状の内側に配置されている。図10に示されているように昨今の電子機器では、装置の小型化やコンパクト化のために、装置内に組み込まれる電子部品(IC)Eが実装されたフレキシブル配線基板39は、円弧状に折り曲げられ、電子部品(IC)Eは、フレキシブル配線基板39の円弧状の内側に配置するとともに、その周囲をリジット配線基板(入力手段34)や表示手段35等の各種構造体に囲まれるように配置されおり、放熱を有効に行うための特別なスペースを確保することができなくなってき
ている。
【0008】
こうした状況下で、駆動用ドライバーIC等の電子部品を駆動させると、通電時における駆動用ドライバーICの表面の最大温度は、100℃付近にも達することがあり、こうした発熱によって、電子部品が誤作動することがあり、また、この発熱が電子機器の故障の原因となる。
【0009】
このために電子部品を筐体の内壁面にポリイミドフィルムなどからなるフレキシブル配線基板の絶縁基板を介して当接するように配置し、電子部品で発生した熱を絶縁基板を介して筐体内周壁面に配置された導電性金属からなる放熱体に移行させて放熱を行う方法が知られている。
【0010】
即ち、図10に示すように、液晶表示装置40の縁部の表面には、液晶表示装置40の透明電極が配置されており、本発明のフレキシブル配線基板の出力側アウターリードがこの透明電極と異方導電接着(ACF)される。このようなフレキシブル配線基板にいては、透明電極と電気的とACF接続するために、配線パターンは、フレキシブル配線基板の絶縁基板の内側表面に形成されおり、この配線パターンの絶縁基板の内側の面、即ち、表示手段35が配置されている面に配線パターンに形成されインナーリード17a、17b
に電子部品Eが実装されて筐体38に沿って折り曲げられて使用されている。そして、このようにしてフレキシブル配線基板を折り曲げて使用することによって、配線パターンの先端であるインナーリードに実装されたフレキシブル配線基板の表示手段35側に、電子部品Eが、フィルムキャリアテープ、表示装置35、入力手段(通常は、リジット型配線基板34)などの種々の部材に囲まれた位置に配置されている。
【0011】
従って、電子部品Eが駆動することによって生ずる熱は、絶縁基板に囲繞された部分から放出されにくいために、電子部品Eが配置された部分の温度が非常に高くなる。即ち、図10のように、液晶表示装置40内部には、フレキシブル配線基板等の各構造体が近接・密集しているために、電子部品Eから生じた熱は内部に滞留しやすく、電子部品が実装された部分の温度が高くなる。こうして電子部品Eを通電することにより電子部品Eに発生する熱を、放出させるために、電子部品Eが実装されている配線パターンの裏面と筐体38との間に放熱用金属板36のような放熱手段を配置して、電子部品Eにより通電することにより発生する熱を筐体38外部に放出させようする試みがなされている。しかしながら、図10に示すように放熱用金属板36を介して電子部品から発生する熱を放出させようとしても、電子部品Eと放熱用金属板36とが直接接触しているのではなく、絶縁基板であるポリイミドフィルムを介して電子部品Eと放熱用金属板36とが接触しており、このポリイミド等の絶縁基板は熱導電性が低く、電子部品Eで発生した熱を充分に放熱用金属板36に伝達させることができず、放熱性は不充分であった。殊に、電子部品が高密度化し電子部品の単位体積当たりの発熱量が高くなると共に、フレキシブル配線基板に形成されている配線パターンの線幅が狭くなり、フレキシブル配線基板に形成された配線パターンも放熱手段として充分には機能しなくなってきている。
【0012】
このようなフレキシブル配線基板において、導電性金属層(配線パターンあるいはダミー配線)の厚みを大きくして、配線パターンを放熱手段として利用してフレキシブル配線基板自身の放熱性を向上させることも考えられるが、こうした試みは、電子装置の小型、軽量化に反するものであり、現にこうしたフレキシブル配線基板を製造して電子部品表面の温度を測定してみても、改良前の場合に比べ、改善効果は数%の低下にとどまり、放熱性は、予定している程度には依然として改善されない。
【0013】
さらに、放熱に関しては、以下に例示するように、放熱プレート、スルーホール、内層回路や最外層回路、放熱用金属板等の放熱手段を介して、放熱させることができるプリン
ト基板が提案されている。
【0014】
特許文献1(特開2001−284748号公報)には、アルミニウムや鉄製などの放熱プレートを有する電子部品が基板の表面に面実装され、さらに基板の裏面側で、電子部品に対応する位置に、放熱手段を貼り合わせ、この放熱プレートおよび放熱手段を介して放熱を行うプリント基板が開示されている。
【0015】
特許文献2(特開平5−343821号公報)には、電子部品が実装される部品接続用導体パターン部が対向する空隙部に設けられた放熱用ランド部および放熱用ランド部内に設けられたスルーホールを介して放熱することができるプリント基板が開示されている。
【0016】
特許文献3(特開平11−274669号公報)には、両面または多層プリント配線板にあって、基板端部に露出した内層回路や最外層回路を通じて放熱を行い、また基板端部に形成された回路、この内層回路や最外層回路を介して放熱を行うことを特徴とするプリント配線板が開示されている。
【0017】
特許文献4(特開平7−235737号公報)では、基材に穿設された開口と、開口内に挿嵌された放熱用金属板を有し、この放熱用金属板を介して放熱を行うことができるプリント基板が開示されている。
【0018】
しかしながら、これらの特許文献に開示されたプリント配線基板を曲げようとした場合、曲げる位置は、上述の放熱手段を避けなければならない。つまり、これらのプリント配線基板は設計自由度が著しく制約され、これらのプリント配線基板を液晶表示装置に使用した場合、装置の小型化やコンパクト化が困難になってしまう。
【0019】
また、放熱手段の形状、硬さおよび厚さにもよるが、一般に折り曲げが困難となり、リジッドタイプであるPCBのような平坦な基板への適用に限定される。
さらに、これらのプリント配線基板は、製造時において所定の放熱手段を形成するための工程が必要となり、製造工程が煩雑になるとともに、コストアップの原因となる。
【0020】
すなわち、製造が容易であるとともに、フレキシブル配線基板の柔軟性と、表示装置に組み込んだ際の放熱特性とを両立することに関しては、改善の余地があった。
【特許文献1】特開2001−284748号公報
【特許文献2】特開平5−343821号公報
【特許文献3】特開平11−274669号公報
【特許文献4】特開平7−235737号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0021】
本発明は、複雑な製造工程を経ることなく、容易に製造することができ、電子部品を実装した場合、電子部品から発生する熱を効率的に放出することができるフレキシブル配線基板を提供することを目的とする。
【0022】
また、そのようなフレキシブル配線基板を備えることにより電子部品から発生する熱を効率的に放出することができるフレキシブル半導体装置、および、このフレキシブル半導体装置を実装した放熱性が著しく高い液晶表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0023】
本発明のフレキシブル配線基板は、可撓性基板の送り方向に直行するテープ幅方向の略半分を占有するアウターリード形成領域と、該可撓性基板の送り方向に直行するテープ幅
方向の残りの略半分を占有する電子部品実装領域とが、両領域の間に形成された第1折り曲げ部を介して隣接する可撓性絶縁基板と、該可撓性絶縁基板の一方の面に配線パターンが形成されたフレキシブル配線基板であり、該フレキシブル配線基板に形成された配線パターンの一方の端部を、入力側アウターリードおよび出力側アウターリードからなるアウターリードとし、他端を、入力側インナーリードおよび出力側インナーリードからなるインナーリードとすると共に、該入力側インナーリードおよび入力側アウターリードが形成された配線パターンと、出力側インナーリードおよび出力側アウターリードが形成された配線パターンとは、電子部品実装領域に形成された電子部品実装予定部に、電子部品が実装されることにより、電気的に連結可能に形成されてなり、該フレキシブル配線基板は、可撓性絶縁基板の配線パターンが形成されていない面が当接して配線パターンが外側に位置するように第1折り曲げ部で略180度折り曲げ可能に形成されていると共に、該略180度折り曲げられたフレキシブル配線基板を、電子部品実装領域を外側にして、該略180度折り曲げられる第1折り曲げ部に対して直行する方向にアウターリードが対面するように第2の折り曲げが可能なように形成されていることを特徴としている。
【0024】
また、上記フレキシブル配線基板は、上記アウターリード形成領域に、入力側アウターリードと、出力側アウターリードが、該フレキシブル配線基板の対する縁部に対峙するように形成されてなり、アウターリード領域から入力側アウターリードを形成する配線パターンが引き回されて第1折り曲げ部を超えて電子部品実装領域の電子部品実装予定部で入力側インナーリードを形成すると共に、アウター領域から出力側アウターリードを形成する配線パターンが引き回されて第1折り曲げ部13を超えて電子部品実装予定部の電子部品実装予定部で出力側インナーリードを形成することが好ましい。
【0025】
また、上記フレキシブル配線基板は、上記フレキシブル配線基板の送り方向における可撓性絶縁基板の幅がアウターリード形成領域で最も広く形成されており、該フレキシブル配線基板の幅が、第1折り曲げ部および電子部品実装領域で、アウターリード形成領域10aのフレキシブル配線基板の幅(100%)に対して85〜95%に減少するように送り方向の前後の縁部に可撓性絶縁基板の切欠き部が形成されていることが好ましい。
【0026】
また、上記フレキシブル配線基板は、上記該フレキシブル配線基板の可撓性絶縁基板の配線パターンが形成されていない面に、該可撓性基板が第1折り曲げ部で略180度折り曲げられたときに、この折り曲げ状態を維持するために可撓性絶縁基板の裏面の一部に接着剤が配置可能に形成されていることが好ましい。
【0027】
また、本発明のフレキシブル半導体装置は、可撓性基板の送り方向に直行するテープ幅方向の略半分を占有するアウターリード形成領域と、該可撓性基板の送り方向に直行するテープ幅方向の残りの略半分を占有する電子部品実装領域とが、両領域の間に形成された第1折り曲げ部を介して隣接する可撓性絶縁基板と、該可撓性絶縁基板の一方の面に配線パターンが形成されたフレキシブル配線基板であり、該フレキシブル配線基板に形成された配線パターンの一方の端部を、入力側アウターリードおよび出力側アウターリードからなるアウターリードとし、他端を、入力側インナーリードおよび出力側インナーリードからなるインナーリードとすると共に、該入力側インナーリードおよび入力側アウターリードが形成された配線パターンと、出力側インナーリードおよび出力側アウターリードが形成された配線パターンとは、電子部品実装領域に形成された電子部品実装予定部に実装された電子部品によって電気的に接続されてなり、該電子部品が実装されたフレキシブル配線基板は、可撓性絶縁基板の配線パターンが形成されていない面が当接して配線パターンが外側に位置するように第1折り曲げ部で略180度折り曲げられていると共に、該略180度折り曲げられたフレキシブル配線基板を、電子部品実装領域の電子部品実装予定部に実装された電子部品が外側に位置するように、第1折り曲げ部で該略180度折り曲げられたフレキシブル配線基板が、第1折り曲げ部に対して直行する方向にアウターリード
が対面するように再び折り曲げられていることを特徴としている。
【0028】
また、上記フレキシブル半導体装置は、上記第1折り曲げ部で可撓性絶縁基板の裏面側が当接するように略180度折り曲げられたフレキシブル配線基板の可撓性絶縁基板の裏面側に接着剤が配置され、該接着剤によって、当接した可撓性絶縁基板の少なくとも一部が相互に貼着されていることが好ましい。
また、本発明に係る表示装置は、可撓性基板の送り方向に直行するテープ幅方向の略半分を占有するアウターリード形成領域と、該可撓性基板の送り方向に直行するテープ幅方向の残りの略半分を占有する電子部品実装領域とが、両領域の間に形成された第1折り曲げ部を介して隣接する可撓性絶縁基板と、該可撓性絶縁基板の一方の面に配線パターンが形成されたフレキシブル配線基板であり、該フレキシブル配線基板に形成された配線パターンの一方の端部を、入力側アウターリードおよび出力側アウターリードからなるアウターリードとし、他端を、入力側インナーリードおよび出力側インナーリードからなるインナーリードとすると共に、該入力側インナーリードおよび入力側アウターリードが形成された配線パターンと、出力側インナーリードおよび出力側アウターリードが形成された配線パターンとは、電子部品実装領域に形成された電子部品実装予定部に実装された電子部品によって電気的に接続されてなり、該電子部品が実装されたフレキシブル配線基板は、可撓性絶縁基板の配線パターンが形成されていない面が当接して配線パターンが外側に位置するように第1折り曲げ部で略180度折り曲げられていると共に、該略180度折り曲げられたフレキシブル配線基板を、電子部品実装領域の電子部品実装予定部に実装された電子部品が外側に位置するように、第1折り曲げ部で該略180度折り曲げられたフレキシブル配線基板が、第1折り曲げ部に対して直行する方向にアウターリードが対面するように再び折り曲げられてフレキシブル半導体装置を形成してなり、該フレキシブル半導体装置の出力側アウターリードと、表示装置に形成された透明電極との間に異方導電性接着剤により電気的に接続が確立されていると共に、入力側アウターリードが、表示装置を駆動させる電子部品回路と電気的に接続されていてなり、該フレキシブル半導体に実装された半導体が、放熱用金属板に当接されていることを特徴とする。
【0029】
また、上記表示装置は、上記放熱用金属板が、表示装置の筐体の縁部内側に配置され、該放熱用金属板に当接する電子部品から発生する熱を、該放熱用金属板の熱伝導性を利用して、表示装置の筐体外部に排出させることが好ましい。
【0030】
また、上記表示装置が、液晶表示装置、プラズマ表示装置、あるいは、有機EL表示装置のいずれかであることが好ましい。
【発明の効果】
【0031】
本発明のフレキシブル配線基板によれば、複雑な製造工程を経ることなく、容易に製造される。そして、電子部品を実装したフレキシブル半導体を所定の位置で折り曲げて使用することにより、発熱体となる電子部品を最も外側に位置させることができ、筐体の内周壁面に配置された放熱性金属板に直接接触させて、電子部品で発生した熱を効率よく放出させることができる。
【0032】
また、本発明のフレキシブル半導体装置および表示装置を用いることにより、軽量で、小型化された電子部品を実装した非常に配線幅の狭い配線パターンを有する半導体装置を用いたとしても、電子部品から発生する熱を効率的に電子装置の外に放出させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
次に本発明のフレキシブル配線基板、フレキシブル半導体装置および表示装置について具体的に説明する。
本発明のフレキシブル配線基板の平面図を図1(1)に示し、付番10は、本発明のフレキシブル配線基板の上面である。また、図1(2)は、図1(1)で示された矢印Xから矢印Yに一点鎖線で示すフレキシブル配線基板10の断面を模式的に示す断面図である。
【0034】
本発明のフレキシブル配線基板10は、図1(1)に示すように、所定の幅を有する可撓性絶縁基板12からなる可撓性絶縁テープの両側縁部に一定の間隔で形成されたスプロケットホール22の間に、アウターリード形成領域Aと電子部品実装領域Bとが第1の折り曲げ部Dを介して隣接する構成を有している。また、電子部品実装領域Bには、電子部品を実装するための電子部品実装用底部Cが形成されている。
【0035】
本発明のフレキシブル配線基板10は、可撓性絶縁基板12の一方の表面に配線パターン14が形成されており、この配線パターンの一方の端部は、アウターリードを形成し、他の端部はインナーリードを形成している。また、フレキシブル配線基板10に形成された配線パターン14の一方の端部がアウターリード16を形成し、他端がインナーリード17を形成する。
【0036】
この配線パターン14には、入力側配線パターン14aと、出力側配線パターン14b
とがある。アウターリード形成領域Aには、配線パターン14aの一方の端部が、入力側
アウターリード16aが形成されている。
【0037】
一方の端部が入力側アウターリード16aを形成する入力側配線パターン14aは、アウターリード形成領域Aを引き回され、第1の折り曲げ部Dを超えて、アウターリード形成
領域Aに隣接する電子部品実装領域Bに引き回される。電子部品実装領域Bには、電子部品が実装されるべき電子部品実装予定部Cが形成されており、上記の入力側配線パターン14aの他の端部は、この電子部品実装予定部Cで入力側インナーリード17aを形成し
ている。
【0038】
同様に、アウターリード形成領域Aで、一方の端部が出力側アウターリード16bを形成する出力側配線パターン14bはアウターリード領域Aを引き回されて、第1の折り曲
げ部Dを超えてアウターリード領域A隣接する電子部品実装領域Bに引き回される。電子部品実装領域Bには、上述のように電子部品実装予定部Cが形成されており、出力側配線パターン14bの他の端部は、電子部品実装予定部C内で出力側インナーリード17bを形成している。
【0039】
本発明のフレキシブル配線基板10に形成された電子部品実装予定部Bに、電子部品Eを実装することにより、上記の入力側配線パターン14aと出力側配線パターン14bと
は電気的に接続可能に形成されている。
【0040】
このようなフレキシブル配線基板は、例えば図2に示されるように、可撓性絶縁基板の表面に形成された導電性金属層を所望の形状にエッチングすることにより形成することができる。
【0041】
即ち、本発明のフレキシブル配線基板は、図2(a)に示される可撓性絶縁板12と導電性金属層20とを有する層を形成する樹脂フィルムである。
また、ここで使用される可撓性絶縁基板12を形成する樹脂の例としては、前掲のポリイミドのほかに、ポリエステル、ポリアミド、ポリアミドイミド、液晶ポリマーおよびガラス繊維含有エポキシ樹脂などを挙げることができる。特に本発明ではポリイミドを用いることが好ましい。
【0042】
本発明で可撓性絶縁基板12を構成するポリイミドの例としては、ピロメリット酸2無水物と芳香族ジアミンとから合成される全芳香族ポリイミド、ビフェニルテトラカルボン酸2無水物と芳香族ジアミンとから合成されるビフェニル骨格を有する全芳香族ポリイミドを挙げることができる。特に本発明ではビフェニル骨格を有する全芳香族ポリイミド(例;商品名:ユーピレックス、宇部興産(株)製)が好ましく使用される。このような可撓性絶縁基板から形成されるフィルムの平均厚さが、通常は8〜50μm、好ましくは16〜40μm程度の薄いポリイミドフィルムを使用する。ただし、このような厚さのポリイミドフィルムを用いる場合には、単独でハンドリングすることが困難になることがあるために、ポリイミドフィルムの裏面側(配線パターンが形成される面と反対の面)に補強フィルムとしてPETフィルムを剥離可能に積層した複合基板フィルムを用いることもできる。なお、このような補強フィルムは、PETフィルムの他に、例えば支持体用ポリイミドフィルム、ポリエチレンテレフタレート(PET)以外のポリエステルフィルムを剥離可能に貼着して使用することができる。
【0043】
ここで使用することができる積層体としては、可撓性絶縁基板の表面にシード層、導電性金属層を順次形成する。ここで、シード層とは、通常は、ニッケル、クロム、銅などのシード金属のスパッタリング層であり、その厚さは通常は20〜300Aの範囲内、好ましくは30〜250Aの範囲内にある。このシード層の表面には導電性金属からなる導電性金属層20が形成されており、この導電性金属層20の厚さは通常は0.1〜2μm、好ましくは0.1〜1.5μmの範囲内にある。このような可撓性絶縁基板およびシード層を有する基板としては、エスパーフレックス(商品名:住友金属鉱山(株))、ダイヤファイン(商品名:三菱伸銅(株))、マキナス(商品名:日鉱金属株式会社)が挙げられる。
【0044】
なお、この導電性金属層20を形成する導電性金属は、配線パターンを形成する金属と同一であっても異なっていてもよい。また、導電性金属層20を形成する金属と、配線パターンを形成する金属とが同一である場合、導電性金属層20は配線パターンに一体化されてしまい、両者の境界を識別することができなくなることもある。ここで導電性金属層20を形成する金属としては、銅あるいは銅合金を挙げることができる。
【0045】
上記図2(a)に示した可撓性絶縁基板の一方の面に、図2(b)に示すように、銅あるいは銅合金等の導電性金属からなる導電性金属層20を形成する。この導電性金属層20は、蒸着法、昇華−堆積法、電解メッキ法、無電解メッキ法など種々の方法で形成することができる。
【0046】
また、上記のように可撓性絶縁基板の一方の面に導電性金属層を形成させる代わりに、銅箔の一方の表面にポリイミド前駆体溶液を塗布した後に、乾燥および硬化させて可撓性絶縁基板層を形成し、可撓性絶縁基板12と導電性金属層20とからなる積層体を形成することもできる。このようにして銅箔の一方の表面に導電性金属層を有する積層体として市販されている積層体(商品名:エスパネックス、新日鉄化学(株))を使用することもできる。
【0047】
次に、図2(c)に示すように、パンチング等によって、導電性金属層20及び可撓性絶縁基板12を貫通して、スプロケットホール22を形成する。このスプロケットホール22は、可撓性絶縁基板12の表面上(導電性金属層20側)から形成してもよく、逆に、可撓性絶縁基板12の裏面から形成してもよい。また、スプロケットホール22は、可撓性絶縁基板12表面に導電性金属層20を形成する前に、予め可撓性絶縁基板12に形成されていてもよい。上記のようにシード層および導電性金属層20をスパッタリング法で製造する場合、スパッタリング面積がある程度広い方が有利であるので、形成しようとする電子部品実装用フィルムキャリアテープの幅よりも幅の広い可撓性絶縁基板12を用
いてスパッタリングを行った後、所定の幅になるようにスリットすることが好ましい。
【0048】
上記の例は、可撓性絶縁基板の一方の面に導電性金属層を配置した積層体の例であるが、芯材とし、この芯材である可撓性絶縁基板の両面に導電性金属層を配置した二層積層積層体を使用して、この二層積層体の一方の面に形成された導電性金属層を用いて配線パターンを形成することができる。また、このような二層積層積層体を折り曲げ部に残して、フレキシブル配線基板を折曲げた際に、基板の弾性による曲げ変形の戻り(スプリングバック)を防止することができる。
【0049】
次に、図2(d)〜(h)に示されるように、一般的なフォトリソグラフィー法を用いて、導電性金属層20を選択的にエッチングして配線パターン14が形成される。
まず、図2(d)に示すように配線パターン14が形成される領域に亘って、例えば、ネガ型フォトレジスト材料塗布溶液を塗布して感光性樹脂層24を形成する。このとき、ポジ型フォトレジスト材料を用いてもよい。
【0050】
また、この感光性樹脂層24を形成する場合、感光性樹脂と溶媒とからなる樹脂組成物を塗布して形成してもよいし、感光性樹脂からなるシート(ドライフィルム)を打ち抜いてこれを貼着して形成してもよい。
【0051】
感光性樹脂と溶媒とからなる樹脂組成物を塗布して形成する場合、トンネル型加熱炉等の公知の乾燥手段により、溶媒成分を除去して乾燥硬化させることができる。一方、ネガ型フォトレジストが塗布されたドライフィルムをラミネートして感光性樹脂層を形成する場合、溶剤の除去時間等を必要とせず、効率よく感光性樹脂層24を形成することができる。
【0052】
感光性樹脂層24の厚さは、形成しようとする配線パターンの厚さに合わせて適宜設定することができるが、乾燥厚さで通常は2〜25μm、好ましくは4〜20μmの範囲内にある。
【0053】
感光性樹脂層24を形成した後、図2(e)に示すように、スプロケットホール22内に位置決めピンを挿入して可撓性絶縁基板12の位置決めを行い、上記のようにして形成された感光性樹脂層24の表面に所定の回路を描画したフォトマスク28を配置して光源から照射光26を照射して、感光性樹脂層24を形成する感光性樹脂を露光・イメージングする。
【0054】
ここで露光に用いる照射光26は、比較的波長の短い光、例えば紫外線を用いることにより、よりシャープに感光することができる。また、一般に紫外光によって感光する感光性樹脂は、可視光によっては感光され易いので、露光室はUVカットした状態に保持しなければならない。紫外線を使用して露光する場合、照射する紫外線量は、用いる感光性樹脂によって異なるが、通常は、50〜3000mJ/cm2、好ましくは80〜2500
mJ/cm2の範囲内にある。このような照射線量の紫外線を照射することにより、予定
している部分の感光性樹脂を確実に硬化させることができる。
【0055】
このように露光して感光性樹脂を硬化させた後、例えばアルカリ金属の炭酸塩の水溶液などにより現像すると、図2(f)に示すように、感光性樹脂の硬化体(マスキング材)24aが残存して、導電性金属層20の表面に所望の配線パターン(感光性樹脂の硬化体からなる所定のパターン)が形成されるようになる。
【0056】
次に、こうして形成された感光性樹脂の硬化体からなる所定のパターンをマスキング材として、このマスキング材によって被覆されていない導電性金属層20を選択的にエッチ
ング液で溶解して除去する(図2(g))。ここで使用することができるエッチング液としては、過硫酸カリウム(K228)を主成分として例えば100〜200g/リット
ルの濃度で含有するエッチング液や塩化第2銅エッチング液が挙げられる。
【0057】
さらに、図2(h)に示すように、感光性樹脂の硬化体からなる所定のパターンからなるマスキング材を、アルカリ金属水酸化物等のアルカリ成分を含有する剥離剤にて溶解除去することにより、配線パターン14を形成する。ここで、使用する剥離剤として、水酸化ナトリウム水溶液のようなアルカリ水溶液である。
【0058】
こうして形成された配線パターンに、図2(i)で示すように、インナーリードおよびアウターリードが露出するようにソルダーレジスト層32を形成する。ここで形成されるソルダーレジストの平均厚さは、通常5〜45μmの厚さの範囲内にあるが、上述の第1の折り曲げ部Dの部分がより折り曲げやすくなるように、第1の折り曲げ部Dにおけるソルダーレジストインキの塗布厚さを他の部分よりも相対的に薄くすることもできる。
【0059】
このようなソルダーレジスト層は、上述のようにソルダーレジストインキをスクリーンマスクを用いて塗布することにより形成することもできるし、予め所定の形状に打ち抜いたソルダーレジストフィルムを貼着することにより形成することもできる。
【0060】
また、ソルダーレジスト層32を形成することなく、配線パターン14全体に薄いメッキ層を形成した後、上述の方法に従って、ソルダーレジスト層を形成し、ソルダーレジスト層から露出したインナーリードおよびアウターリードの表面に改めてメッキ処理をしてもよい。
【0061】
ここで行われるメッキ処理の例としては、錫メッキ処理、ニッケルメッキ処理、金メッキ処理、ニッケル−金メッキ処理、半田メッキ処理、鉛フリー半田メッキ処理、銀メッキ処理など種々のメッキ処理を挙げることができる。特に、電子部品実装領域において、バンプ電極が金バンプ電極である場合には、金と共晶物を形成してバンプ電極とインナーリードとの間で確実な電気的接続を形成するために、錫メッキ層を形成することが好ましい。また、メッキ層は、単層である必要はなく、同一の金属からなる多層メッキ層であってもよいし、異なる金属が積層された異種金属多層メッキ層であってもよい。
【0062】
このような工程を経て製造されたフレキシブル配線基板10には、図1(1)に示すように、可撓性絶縁基板12上に導電性金属層20に由来するインナーリード側配線パターン14aとアウターリード側配線パターン14bとが形成される。
【0063】
インナーリード形成領域Aに設けられた入力側配線パターン14aの先端は、ソルダー
レジスト層32から露出して入力側インナーリード17aを形成し、ソルダーレジスト層32に覆われた入力側配線パターン14aは、インナーリード形成領域Aを引き回された
後、第1の折り曲げ部Dを超えて電子部品実装領域Bに引き回される。この電子部品実装領域Bには電子部品実装予定部Cが形成されており、アウターリード形成領域Aから第1
の折り曲げ部Dを跨いで電子部品実装領域Bに引き回された入力側配線パターン14aは
、その先端は、電子部品実装予定部Cには臨んで張り出して入力側インナーリード17aを形成する。
【0064】
他方、上記の入力側配線パターン14aと同様に、アウターリード形成領域10aには
、出力側配線パターン14bが形成され、この先端には、通常は、入力側アウターリード16aに対峙する位置に出力側アウターリード16bが形成されている。この出力側配線パターン14bは、アウターリード形成領域Aの表面を引き回され、折り曲げ部Dを乗り越えて電子部品実装領域Bに引き回れる。上述のように電子部品実装領域Bには、電子部品
実装予定部Cが形成されており、この電子部品実装予定部Cに張り出して形成された入力側インナーリード17aが形成性されている電子部品実装予定部Cの縁部と、出力側インナーリード17bが形成されている電子部品実装予定部Cの縁部とが対峙している。
【0065】
このようにして電子部品実装領域Bに形成された電子部品実装予定部Cに入力側インナーリー部17aと、出力側インナーリー部17bとは対峙して形成されており、本発明のフレキシブル配線基板においては、入力側インナーリード17aと、出力側インナーリード17bとは、この電子部品実装予定部18内で電気的に絶縁状態にある。
【0066】
なお、本発明のフレキシブル配線基板において、出力側配線パターン14bの出力側アウターリード16bおよび出力側インナーリード17b、並びに、入力側配線パターン1
4aの入力側アウターリード16aおよび出力側インナーリード17bの上面を除き、配線パターンの表面はソルダーレジストで被覆されている。
【0067】
なお、本発明のフレキシブル配線基板は、通常は上記のようにアウターリード形成領域Aに、入力側アウターリード16a、出力側アウターリード16bを有するものであるが
、図3に示すように、入力側アウターリード16aあるいは出力側アウターリード16b
のいずれか一方が、電子部品実装領域Bに形成されていてもよい。
【0068】
図3には、出力側アウターリード16bが電子部品実装領域Bに形成された態様が示されている。図4に上記図1(2)に示したフレキシブル配線基板に電子部品Eを実装した本発明のフレキシブル半導体装置の例を示す。
【0069】
図4に示すように、本発明のフレキシブル半導体装置は、アウターリード形成領域Aに、入力側アウターリード16aおよび出力側アウターリード16bが形成され、このアウ
ターリード16a、16bに接続している配線パターン14a、14bは、アウターリード形成領域Aを引き回された後、第1の折り曲げ部Dを超えて電子部品実装予定部Cが形成された電子部品実装領域Bで引き回されて、その先端は電子部品実装予定部Cに形成された入力側インナーリード17a、出力側インナーリード17bを形成している。図4に
は、電子部品Eおよび、電子部品実装領域Bの縁部に切欠き部Fが形成された態様が示されている。
【0070】
このような本発明のプリント配線基板の電子部品実装予定部Cに電子部品を実装することにより、このプリント配線基板をフレキシブル半導体装置として使用することができる。即ち、上記のようにして一端をアウターリードとし、他端をインナーリードとする配線パターンを二系列形成し、電子部品実装領域Cに形成されている電子部品実装予定部Cに所定の電子部品Eを実装する。この電子部品の実装には、可撓性絶縁基板の下面からボンディングツールを当接して、加熱しながら加圧し、さらに必要により超音波をかけることにより、たとえば電子部品のバンプ電極が金バンプ電極であり、インナーリード17a、17bの表面に錫メッキが施されている場合、加熱・加圧によって、金錫共晶物が生成し、電子部品Eと電子部品実装予定部Cにあるインナーリード17a、17bとの間に電気
的接続が形成される。
【0071】
この時の圧力は、通常は5〜50mg/μm2、好ましくは10〜40mg/μm2の範囲内に設定され、また、温度は、通常は400〜480℃、好ましくは410〜460℃の範囲内に設定される。また、超音波を使用する場合には、振幅0.5〜10μm、好まし
くは0.8〜8μmの超音波を使用する。このような条件で、0.1〜1秒で電子部品の
実装が完了する。
【0072】
上記のようにして電子部品を本発明のフレキシブル配線基板に実装した後、フレキシブ
ル配線基板と電子部品との接合状態を確実にするために、接合部分に熱硬化性樹脂からなる封止樹脂を充填して加熱硬化させる。このときの加熱硬化温度は、用いる封止樹脂によって異なるが、通常は80〜170℃、好ましくは90〜160℃の範囲内の温度にあり、この温度で加熱時間は通常は30〜300分間、好ましくは50〜240分間の範囲内にある。
【0073】
このように本発明のフレキシブル半導体装置は、アウターリード形成領域Aに入力側アウターリード16aおよび出力側アウターリード16bを有し、第1の折り曲げ部Dを介して電子部品実装領域Bが隣接した構成を有しており、電子部品実装用領域Bに形成された電子部品実装用底部Cには、インナーリードと電子部品に形成されたバンプ電極との間に電気的接合が形成されている。そして、この接合部分は通常は封止樹脂によって封止されて電子部品とフレキシブル配線基板とが一体化されている。
【0074】
上記のような構成を有する半導体装置は、通常の半導体装置とは異なる方法で折り曲げて使用する。
まず、図4に示すように、本発明の半導体装置は、フレキシブル配線基板を形成するのに使用したスプロケットホールを含む外周部を切除するとともに、電子部品実装領域BのMD方向の前後部に切欠き部Fを形成する。この切欠き幅は、通常はフレキシブル配線基板のMD方向の最も長い部分の長さを100%としたときに、通常は85〜95%に設定される。この切欠き部Fを形成することにより、第1の折り曲げ部Dによる折り曲げを容
易にすると共に、異方導電接着を行う際に、アウターリードに直接熱および圧力をかけることができる。
【0075】
また、この切欠き部Fは通常は2〜10mm、好ましくは3〜8mmの範囲内にある。こ
のような幅で切欠き部Fを形成することにより異方導電接着の際に使用する治具を容易に使用することができ、より高い精度で異方導電接着を行うことができる。
【0076】
上記のようにして第1の折り曲げ部Dで本発明の半導体(フレキシブル配線基板)を二つに折り曲げた状態を図5に示す。即ち、本発明では、電子部品E、配線パターン14a
、14b、入力側アウターリード16a、出力側アウターリード16bが外側になり、配線パターンが形成されていない絶縁フィルムの裏面が当接するように略180°折り曲げ、即ち二つに折り曲げる。このとき、アウターリード形成領域Aと電子部品実装領域Bとは略同一の面積を占有することから、折り曲げられたそれぞれの片は略同一の大きさになる。そして、この折り曲げ作業に際しては、電子部品実装領域Bの両側に切欠き部Fを形成することに第1折り曲げ部Dの位置が明確になり、より安定的に第1の折り曲げを行うことができる。また、液晶パネル等の表示手段や入力手段であるプリント基板との接続も容易に行うことができる。
【0077】
なお、図5のように第1の折り曲げ部Dで本発明の半導体(フレキシブル配線基板)を折り曲げると、可撓性絶縁フィルムの有している弾性によって、本発明の半導体を図5も示すような形態に固定できないことがある。この場合には、電子部品Eが実装されている面とは反対の面に、たとえば両面接着テープなどを用いて本発明の半導体が図5に示される形態を保持するようにすることができる。また、絶縁基板の両面の導電性金属箔を積層した積層体を使用した場合には、第1の折り曲げ部分Dの裏面に、あるいはさらに、第2
の折り曲げ部の裏面に導電性金属箔を所定の幅で残すことにより、この裏面の導電性金属箔が屈曲して可撓性絶縁フィルムの弾性による復元力に勝ることがあり、安定した形状の図5示す形状を維持することができる。
【0078】
上記のように第1の折り曲げ部Dを折り曲げた後、図6に示すように、電子部品Eが外側に位置するように、電子部品Eの両脇で、入力側アウターリード14aおよび出力側ア
ウターリードが該略電子部品Eの幅に近似する間隙を形成して対峙するように、第1の折り曲げ部Dに対して直交するように二か所で90度づつ第2の折り曲げを行う。このように二か所で略90度つづ第2の折り曲げを行うことにより、電子部品Eは、「コ」字型に折り曲げられた縦線の部分の外部に露出するように配置され、こうして配置された電子部品Eの周囲には電子部品Eから発生する熱を隠蔽するものがなく、高い効率で放熱することができる。
【0079】
このようにして第1の折り曲げを行った後、第2の折り曲げを行った半導体装置は、たとえば図7に示すように電子装置に組み込むことができる。図7は、本発明の半導体装置を表示装置を駆動させるための半導体として使用する例を示すものである。
【0080】
即ち、図7において、入力手段34の端子部分に図6に示すように2回の折り曲げを経て「コ」字型に形成された本発明の半導体装置10は、本発明の半導体装置10の入力側アウターリード16aと入力手段に形成された電極とが電気的接合が形成できるように配
置され、通常の場合は、異方導電接着される。こうして入力側アウターリード16aに入
力された電気信号は、配線パターンから入力側インナーリード17aを経て電子部品Eに
供給される。この電子部品Eに入力された電子信号は、電子部品E内で処理されることにより、電子部品Eは発熱する。
【0081】
一方、この表示装置の筺体38の内面には放熱用金属板36が配置されており、この放熱用金属板36に電子部品Eの外側面が当接されている。この放熱用金属板36は、表示装置においては、より放熱効率が良い部分にまで延設されており、電子部品Eとの接触により集熱した熱を例えば放熱効率のよい、表示装置裏面の上部などで放熱する。
【0082】
他方、電子部品Eで処理された電気信号は、出力側インナーリード17bを通って配線パターン14bを介して出力側アウターリード16bに到達し、この電気信号は、出力側アウターリード16bと表示装置35に形成されたITO等の透明電極を例えば異方導電接着することによって接続して表示装置35に導入して、この表示装置35を制御する。
【0083】
表示装置35には通常は40万〜500万画素のピクセルが形成されており、表示装置の各ピクセルは、表示装置の底部縁の筺体内、および、側部縁の筺体内に配置された本発明の半導体装置によって制御されている。
【0084】
また、放熱用金属板36を用いないで、電子部品Eを筐体38に高熱伝導性シートを介して接触させてもよい。この場合、高熱伝導性シートと、電子部品あるいは筐体との間に空気が入らないように接触させることが好ましい。
【0085】
なお、上記本発明のフレキシブル配線基板、半導体装置、表示装置の説明において、特に必要にない個所では、ソルダーレジスト層、メッキ層などは省略して図示している。
上述の表示装置の例としては、液晶表示装置、プラズマ表示装置、有機EL表示装置等が挙げられる。
【0086】
このように本発明のフレキシブル配線基板を用いることにより、表示装置を駆動させる電子部品近傍の温度を10〜35℃程度低く抑えることができることから、温度上昇による表示装置の誤作動が少なく、しかも表示装置を長期間安定に使用することができる。
【実施例】
【0087】
次に本発明の実施例および比較例を示して本発明のフレキシブル配線基板について、具体的に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
[実施例1]
35μm厚のポリイミド層と8μmの銅層からなるCCL基板(エスパーフレックス、住友金属鉱山(株)製)を幅70mmにスリットした後、金型を配置しパンチングマシンで、CCL基板にスプロケットホール(1.981mm角、4.75mmピッチ)を形成した。
【0088】
次いで、このCCL基板に、ポジティブ型フォトレジスト溶液(FR1000、ロームアンドハース社製)を、ロールコーターによりCCL基板の銅面側に厚さ4〜5μmとなるように塗布し、トンネル型加熱炉に供して、100℃で1分間、フォトレジスト溶液の溶媒成分を蒸発させ、フォトレジスト成分を乾燥・硬化させて感光性樹脂層を形成した。なお、フォトレジスト溶液を塗布する際は、フォトレジスト溶液がスプロケットホール上には塗布されないように、60mm幅のロールコーターで塗布した。
【0089】
その後、出力側アウターリードおよび入力側アウターリードを備えた幅30mmのアウターリード形成領域と、入力側インナーリードおよび出力側インナーリードに電子部品を実装する部位(実装予定部)を備えた幅30mmの実装予定域が、描画されたガラス製フォトマスク(最小ピッチ30μm)を介してウシオ電機(株)社製の紫外線露光装置で紫外線を照射し、基板表面に形成された感光性樹脂層をイメージングした。
【0090】
露光・イメージング後、現像し、レジストパターンを形成した。その後、塩化第2銅エッチング液でスプレーエッチングして、配線パターンを形成し、水酸化ナトリウム溶液でレジストを剥離した。
【0091】
次に、無電解メッキ液に浸漬して、回路パターン表面に錫めっき層を形成した。
最後に、ソルダーレジストをスクリーン印刷し、常法に従ってソルダーレジスト層を形成して、COF基板を得た。
【0092】
作成したCOF基板は、アウターリード形成領域および実装予定域の間を、配線パターンが形成されていない可撓性絶縁基板面が当接するように折曲できるとともに、可撓性絶縁基板面が当接するように180度折曲られたCOF基板を、可撓性絶縁基板が当接して形成された折曲部と直行し、実装予定部が外側に位置するように二か所で90度折曲させることができた。
【0093】
この場合、電子部品が、フレキシブル配線基板と、入力側アウターリードに接続された入力手段と、出力側アウターリードに接続された表示手段とに囲まれる構造にならず、図7に示すように、電子部品を放熱用金属板に、直接あるいは高熱伝導性シートを介して接触させることができた。
【0094】
この構造を想定して、以下の工程により、発熱体42が両面粘着シート43を介して放放熱用金属板36およびCOF基板44に固定された構造体を形成し(図8(1))、放熱性試験に供した。
【0095】
まず、以下に示すような、COF基板、発熱体、放熱用金属板および両面粘着シートを用意した。
COF基板:70mm×223mm×43μm厚さ(ポリイミド層35μmおよび銅層8μm)のエスパーフレックス(住友金属鉱山(株)製)
発熱体:50mm×15mm底部幅(10mm上部幅)×10mm高さ、抵抗値15Ωの発熱体(ARCOL社製)
放熱用金属板:300mm×460mm×1.6mm厚さ、鉄製放熱用金属板
両面粘着シート:25mm×70mm×40μm厚さの両面粘着シート
次いで、COF基板上に発熱体が固定される部分として、エッチングにより銅層を除去し、10mm×40mmのポリイミド露出部分を形成した。
【0096】
また、発熱体を、両面粘着シートを介して放熱用金属板に固定し、さらに、放熱用金属板が固定された発熱体の面とは別の面を、同様の両面粘着シート43を介して、COF基板44のポリイミド露出部分に固定し、図8(1)の付け番48aに示すような構造体1を形成した。
【0097】
作成した構造体1の発熱体42に、整流器により1Aの電流を通電した。通電から30分まで5分ごと、発熱体42の表面温度を、発熱体側面から20mm離れた位置において赤外線温度計(IR−100:Custom社製)で測定した。なお、測定時の雰囲気温度は25℃であり、相対湿度(RH)は28%であった。
【0098】
得られた結果は、図9のA(破線部分)に示す。
なお、ここで電子部品の代わりに発熱体を用いたのは、電子部品は種類、処理信号などによって発熱量が著しく変動し、このように発熱量が変動する電子部品を使用したのでは、本発明のフレキシブル配線基板の有する放熱特性を精度よく測定することができないので、一定の電流を流すことによる発熱量が一定である発熱体を電子部品に見立てることで、本発明のフレキシブル配線基板の有する放熱性を正確に測定するためである。
[比較例1]
導電金属層を有するCCL基板を幅35mmにスリットし、出力側アウターリードおよび入力側アウターリードが対向する領域間に、入力側インナーリード、出力側インナーリード、実装予定部を形成した以外は実施例1と同様にCOF基板を製造した。
【0099】
実装予定部に電子部品を実装したCOF基板2は、図10で示すように、電子部品Eが、ポリイミド基板と、入力手段34と、表示手段35とに囲まれていた。また、電子部品Eは、放熱用金属板36に直接接触しておらず、COF基板を構成するポリイミドフィルム基板を介して接触していた。
【0100】
この構造を想定して、以下の工程により、放熱用金属板36上に、両面粘着シート43を介してCOF基板44を配置し、このCOF基板44のポリイミドフィルム基板に、発熱体42が両面粘着シート43を介して固定され、さらに、銅積層板46の銅面側で発熱体42の上面が覆われている構造体を形成し(図8b)、放熱性試験に供した。
【0101】
まず、実施例1と同様のCOF基板、発熱体、放熱用金属板および両面粘着シートとともに、以下の被覆用銅積層板を用意した。
放熱用金属板36上に、両面粘着シートを介してCOF基板のポリイミドフィルム面を固定し、COF基板上(銅面)に予めエッチングにより形成しておいたポリイミド露出部分に、両面粘着シートを介して発熱体を固定した。
【0102】
さらに、発熱体およびCOF基板を被覆用銅積層板の銅層面で被覆して、被覆用銅積層板と発熱体およびCOF基板の接触部分を10mm×40mmの両面粘着シートで固定して、図8(2)の付け番48bに示すような構造体2を得た。
【0103】
作成した構造体2の発熱体に、整流器により1Aの電流を通電し、通電から30分まで5分ごと、発熱体42の表面温度を、実施例1と同様の条件で測定した。
得られた結果は、図9のB(実線部分)に示す。
【0104】
図9に示されるように、構造体1では、COF基板に固定された発熱体は直接的に放熱用金属板に接触しているために、効率的に放熱することができ、試験直後(5分後)から30分後まで、若干の表面温度の上昇はみられるものの、発熱体の表面温度は80℃未満(最高温度:76.8℃)に抑えられていた。
【0105】
一方、従来の構造を想定した構造体2の場合、発熱体は試験直後(5分後)から発熱体の表面温度が80℃を超える高温であった。さらに、試験開始後から経時的に表面温度が上昇し、試験開始30分後には、構造体1における発熱体の表面温度(76.8℃)と比べて20℃以上高い、97.3℃に達していた。この理由は、発熱体が熱伝導性の低い可撓性絶縁基板(ポリイミドフィルム)やその他の構造体に囲まれているために熱が滞留し、さらには、放熱用金属板へ熱を効果的に放出できなかったためであると考えられる。
【産業上の利用可能性】
【0106】
本発明のフレキシブル配線基板によれば、複雑な製造工程を経ることなく、容易に製造することができ、電子部品を実装した場合、電子部品から発生する熱を効率的に放出することができるフレキシブル配線基板を提供することができる。
【0107】
また、そのようなフレキシブル配線基板を備えることにより、電子部品から発生する熱を効率的に放出することができるフレキシブル半導体装置や、放熱性が著しく高い液晶表示装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0108】
【図1】図1(1)は、本発明のフレキシブル配線基板を上面からみた状態を示す図である。また、図1(2)は、図1(1)の矢印部分におけるフレキシブル配線基板の断面図を示す図である。
【図2】図2は、図1に示したフレキシブル配線基板を製造する工程の例を示す断面図である。
【図3】図3は、本発明のフレキシブル配線基板の別の態様を示す図である。
【図4】図4は、フレキシブル配線基板に電子部品が搭載された本発明のフレキシブル半導体装置の例を示す斜視図である。
【図5】図5は、図4に示したフレキシブル半導体装置を第1の折り曲げ部で180度曲げた状態を示す斜視図である。
【図6】図6は、図5に示した、第1の折り曲げ部で180度曲げた本発明のフレキシブル半導体装置を、電子部品Eが外側に面するように電子部品Eの脇で90度づつ二か所で折り曲げた本発明の半導体装置の例を示す斜視図である。
【図7】図7は、図6に示した本発明のフレキシブル半導体装置を表示装置に組み込んだ状態を示す断面図である。
【図8】図8(1)は、本発明のフレキシブル配線基板を用いて形成された本発明のフレキシブル半導体装置における表面温度とその経時的変化の関係を表すための試験装置(構造体1)を模式的に示す図であり、図8(2)は従来の半導体装置に模して、電子部品の代わりに上記図8(1)で使用した発熱体を実装した従来のフレキシブル配線基板の表面温度とその経時的変化の関係を表すための試験装置(構造体2)を模式的に示す図である。
【図9】図9は、本発明のフレキシブル配線基板に電子部品を実装したときの発熱状態および従来の従来のフレキシブル配線基板に電子部品を実装したときの発熱状態を示すグラフである。
【図10】図10は、従来の表示装置における半導体装置の設置状態を示す図である。
【符号の説明】
【0109】
A:アウターリード形成領域
B:電子部品実装領域
C:電子部品実装予定部
D:第1の折り曲げ部
E:電子部品
F:切欠き部
10:本発明のフレキシブル配線基板
10c:配線パターン面
11:本発明の別の態様のフレキシブル配線基板
12:可撓性絶縁基板
14a:入力側配線パターン
14b:出力側配線パターン
16:アウターリード
16a:入力側アウターリード
16b:出力側アウターリード
17:インナーリード
17a:入力側インナーリード
17b:出力側インナーリード
20:導電性金属層
22:スプロケットホール
24:感光性樹脂層
24a:感光性樹脂の硬化体(マスキング材)
26:照射光
28:フォトマスク
32:ソルダーレジスト層
33:本発明のフレキシブル配線基板を備えた液晶装置
34:入力手段
35:表示手段
36:放熱用金属板
38:筐体
39:従来のフレキシブル配線基板
40:従来の液晶表示装置
42:発熱体
43:両面粘着シート
44:COF基板
46:銅積層板
48a:構造体1
48b:構造体2

【特許請求の範囲】
【請求項1】
可撓性基板の送り方向に直行するテープ幅方向の略半分を占有するアウターリード形成領域と、該可撓性基板の送り方向に直行するテープ幅方向の残りの略半分を占有する電子部品実装領域とが、両領域の間に形成された第1折り曲げ部を介して隣接する可撓性絶縁基板と、該可撓性絶縁基板の一方の面に配線パターンが形成されたフレキシブル配線基板であり、
該フレキシブル配線基板に形成された配線パターンの一方の端部を、入力側アウターリードおよび出力側アウターリードからなるアウターリードとし、他端を、入力側インナーリードおよび出力側インナーリードからなるインナーリードとすると共に、
該入力側インナーリードおよび入力側アウターリードが形成された配線パターンと、出力側インナーリードおよび出力側アウターリードが形成された配線パターンとは、電子部品実装領域に形成された電子部品実装予定部に、電子部品が実装されることにより、電気的に連結可能に形成されてなり、
該フレキシブル配線基板は、可撓性絶縁基板の配線パターンが形成されていない面が当接して配線パターンが外側に位置するように第1折り曲げ部で略180度折り曲げ可能に形成されていると共に、該略180度折り曲げられたフレキシブル配線基板を、電子部品実装領域を外側にして、該略180度折り曲げられる第1折り曲げ部に対して直行する方向にアウターリードが対面するように第2の折り曲げが可能なように形成されていることを特徴とするフレキシブル配線基板。
【請求項2】
上記アウターリード形成領域に、入力側アウターリードと、出力側アウターリードが、該フレキシブル配線基板の対する縁部に対峙するように形成されてなり、アウターリード領域から入力側アウターリードを形成する配線パターンが引き回されて第1折り曲げ部を超えて電子部品実装領域の電子部品実装予定部で入力側インナーリードを形成すると共に、アウターリード領域から出力側アウターリードを形成する配線パターンが引き回されて第1折り曲げ部を超えて電子部品実装予定部の電子部品実装予定部で出力側インナーリードを形成することを特徴とする請求項第1項記載のフレキシブル配線基板。
【請求項3】
上記フレキシブル配線基板の送り方向におけるアウターリード形成領域の長さが最も広く形成されており、該フレキシブル配線基板の幅が、第1折り曲げ部から電子部品実装領域にわたって、アウターリード形成領域のフレキシブル配線基板の幅(100%)に対して85〜95%に減少するように送り方向の前後の縁部に可撓性絶縁基板の切欠き部が形成されていることを特徴とする請求項第1項記載のフレキシブル配線基板。
【請求項4】
上記該フレキシブル配線基板の可撓性絶縁基板の配線パターンが形成されていない面に、該可撓性基板が第1折り曲げ部で略180度折り曲げられたときに、この折り曲げ状態を維持するために可撓性絶縁基板の裏面の一部に接着剤が配置可能に形成されていることを特徴とする請求項第1項記載のフレキシブル配線基板。
【請求項5】
可撓性基板の送り方向に直行するテープ幅方向の略半分を占有するアウターリード形成領域と、該可撓性基板の送り方向に直行するテープ幅方向の残りの略半分を占有する電子部品実装領域とが、両領域の間に形成された第1折り曲げ部を介して隣接する可撓性絶縁基板と、該可撓性絶縁基板の一方の面に配線パターンが形成されたフレキシブル配線基板であり、該フレキシブル配線基板に形成された配線パターンの一方の端部を、入力側アウターリードおよび出力側アウターリードからなるアウターリードとし、他端を、入力側インナーリードおよび出力側インナーリードからなるインナーリードとすると共に、
該入力側インナーリードおよび入力側アウターリードが形成された配線パターンと、出力側インナーリードおよび出力側アウターリードが形成された配線パターンとは、電子部品実装領域に形成された電子部品実装予定部に実装された電子部品によって電気的に接続
されてなり、
該電子部品が実装されたフレキシブル配線基板は、可撓性絶縁基板の配線パターンが形成されていない面が当接して配線パターンが外側に位置するように第1折り曲げ部で略180度折り曲げられていると共に、該略180度折り曲げられたフレキシブル配線基板を、電子部品実装領域の電子部品実装予定部に実装された電子部品が外側に位置するように、第1折り曲げ部で該略180度折り曲げられたフレキシブル配線基板が、第1折り曲げ部に対して直行する方向にアウターリードが対面するように再び折り曲げられていることを特徴とするフレキシブル半導体装置。
【請求項6】
上記第1折り曲げ部で可撓性絶縁基板の裏面側が当接するように略180度折り曲げられたフレキシブル配線基板の可撓性絶縁基板の裏面側に接着剤が配置され、該接着剤によって、当接した可撓性絶縁基板の少なくとも一部が相互に貼着されていることを特徴とする請求項第5項記載のフレキシブル半導体装置。
【請求項7】
可撓性基板の送り方向に直行するテープ幅方向の略半分を占有するアウターリード形成領域と、該可撓性基板の送り方向に直行するテープ幅方向の残りの略半分を占有する電子部品実装領域とが、両領域の間に形成された第1折り曲げ部を介して隣接する可撓性絶縁基板と、該可撓性絶縁基板の一方の面に配線パターンが形成されたフレキシブル配線基板であり、該フレキシブル配線基板に形成された配線パターンの一方の端部を、入力側アウターリードおよび出力側アウターリードからなるアウターリードとし、他端を、入力側インナーリードおよび出力側インナーリードからなるインナーリードとすると共に、 該入力側インナーリードおよび入力側アウターリードが形成された配線パターンと、出力側インナーリードおよび出力側アウターリードが形成された配線パターンとは、電子部品実装領域に形成された電子部品実装予定部に実装された電子部品によって電気的に接続されてなり、
該電子部品が実装されたフレキシブル配線基板は、可撓性絶縁基板の配線パターンが形成されていない面が当接して配線パターンが外側に位置するように第1折り曲げ部で略180度折り曲げられていると共に、該略180度折り曲げられたフレキシブル配線基板を、電子部品実装領域の電子部品実装予定部に実装された電子部品が外側に位置するように、第1折り曲げ部で該略180度折り曲げられたフレキシブル配線基板が、第1折り曲げ部に対して直行する方向にアウターリードが対面するように再び折り曲げられてフレキシブル半導体装置を形成してなり、
該フレキシブル半導体装置の出力側アウターリードと、表示装置に形成された透明電極との間に異方導電性接着剤により電気的に接続が確立されていると共に、入力側アウターリードが、表示装置を駆動させる電子部品回路と電気的に接続されていてなり、
該フレキシブル半導体に実装された半導体が、放熱用金属板に当接されていることを特徴とする表示装置。
【請求項8】
上記放熱用金属板が、表示装置の筐体の縁部内側に配置され、該放熱用金属板に当接する電子部品から発生する熱を、該放熱用金属板の熱伝導性を利用して、表示装置の筐体外部に排出させることを特徴とする請求項第7項記載の表示装置。
【請求項9】
上記表示装置が、液晶表示装置、プラズマ表示装置、あるいは、有機EL表示装置のいずれかであることを特徴とする請求項第7項記載の表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−267109(P2009−267109A)
【公開日】平成21年11月12日(2009.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−115431(P2008−115431)
【出願日】平成20年4月25日(2008.4.25)
【出願人】(000006183)三井金属鉱業株式会社 (1,121)
【Fターム(参考)】