説明

不揮発性半導体記憶装置及びその製造方法

【課題】コンタクトレス方式が採用されたメモリセルアレイにおける共用コンタクト領域においてリーク電流を抑制する。
【解決手段】不揮発性半導体記憶装置は、複数の埋め込み拡散ビット線2と、埋め込み酸化膜と、複数のワード線5と、ワード線5とビット線2間領域との交差領域に形成された電荷保持膜からなる複数のメモリセルと、コンタクト7を上面に有する複数の拡散層8があり、複数のブロックに区分されたビット線2同士は拡散層8を介して電気的に接続されており、コンタクト領域となる拡散層8の近傍領域に形成されたビット線2間に形成された素子分離領域9とを備える。さらに、ビット線2上及び素子分離領域9上に跨り、側壁絶縁膜を有するダミーワード線14を備え、側壁絶縁膜は、素子分離領域9と、埋め込み酸化膜と、ビット線2との境界領域上を覆う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、不揮発性半導体記憶装置及びその製造方法に関し、特に、コンタクトレス方式のメモリセルアレイにおける共用コンタクト領域で生じるリーク電流を抑制する構造及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、不揮発性半導体記憶装置の高集積化に伴い、メモリセルサイズの縮小化が進んでいる。このメモリセルサイズの縮小化に従って、コンタクトレス方式が採用されたメモリセルアレイが提案されている(例えば、特許文献1及び2参照)。
【0003】
図10は、コンタクトレス方式が採用された一般的なメモリセルアレイの平面図を示している。
【0004】
図10に示すように、複数のワード線5と直交するように長尺の複数の埋め込み拡散ビット線2が形成されており、この埋め込み拡散ビット線2がソース・ドレインとして機能する。このように、複数のメモリセルにソース・ドレインを共有させると共に、メモリセル複数個おきにソース・ドレインへのコンタクト7を1箇所形成する構造(共用コンタクト構造)を採用することにより、メモリセル1個あたりに要するコンタクト面積を低減して高集積化を実現している。なお、コンタクトレス方式という名称は一般的に用いられているものであるが、実際には、図10にも示したように、コンタクトは必須である。
【0005】
以下に、コンタクトレス方式が採用されたメモリセルアレイ領域における共用コンタクト構造の一例として、第1の従来例に係る不揮発性半導体記憶装置について、図11(a)及び(b)を参照しながら説明する(例えば特許文献2参照)。
【0006】
図11(a)及び(b)は、第1の従来例に係る不揮発性半導体記憶装置の構造を示す要部の断面図であって、図11(a)は図10に示したX−X断面の概略構造を示しており、図11(b)は図10に示したY−Y断面の概略構造を示している。
【0007】
また、ここでは、不揮発性半導体記憶装置の一例として、トラップ構造を有する不揮発性半導体記憶装置を用いて説明する。不揮発性半導体記憶装置のメモリ効果は、本発明の主目的ではないので、トラップ構造に関する説明は本従来例において省略するが、トラップ構造は例えばONO膜構造よりなる場合であってもよいし、トンネル膜とフローティングゲートとONO膜とのスタック構造よりなる場合であってもよい。
【0008】
図11(a)に示すように、p型基板1の表面部には、溝が形成されており、この溝における側面及び底面には、N型不純物拡散層である埋め込み拡散ビット線2が形成されている。互いに隣り合う埋め込み拡散ビット線2が一対となってソース及びドレインとして機能する。埋め込み拡散ビット線2の上には、p型基板1に形成された溝を埋め込むように埋め込み酸化膜3が形成されており、p型基板1の上には、トラップ構造4が形成されている。埋め込み酸化膜3及びトラップ構造4の上には、コントロールゲートとなるワード線5が形成されている。ワード線5の上には、層間絶縁膜6が形成されている。なお、溝における埋め込み酸化膜3の膜厚は、特許文献2によると約150nmである。
【0009】
一方、図11(b)に示すように、p型基板1の上には、埋め込み拡散ビット線2及び埋め込み酸化膜3が下から順に形成されており、埋め込み酸化膜3の上には、ワード線5が形成されている。埋め込み酸化膜3の上には、ワード線5を覆うように層間絶縁膜6が形成されている。埋め込み酸化膜3及び層間絶縁膜6中には、下端が埋め込み拡散ビット線2に接続するコンタクト7が形成されている。なお、コンタクト7は、メモリセルアレイ領域を形成した後に、埋め込み酸化膜3及び層間絶縁膜6中にコンタクトホールを開設し、該コンタクトホールに例えばアルミニウムなどを埋め込むことによって形成される。また、前述した埋め込み拡散ビット線2は、複数のワード線5の下を通って延びるように形成されている。
【0010】
以上のように、第1の従来例に係る不揮発性半導体記憶装置によると、複数のメモリセルにソース・ドレインを共有させると共に、メモリセル複数個おきにソース・ドレインへのコンタクト7を1箇所形成することにより、メモリセル1個あたりに要するコンタクト面積を低減して高集積化が図られている。
【0011】
第1の従来例においては、前述したように、層間絶縁膜6と埋め込み拡散ビット線2上の埋め込み酸化膜3とを同質と見なして、埋め込み酸化膜3が存在していることは特に考慮することなく、コンタクト7を形成するためのコンタクトホールを開設している。特許文献1によると、埋め込み酸化膜3の膜厚は約100nm、特許文献2によると、埋め込み酸化膜3の膜厚は約150nmである。通常、層間絶縁膜6の膜厚が1000nm前後であることを考慮すると、層間絶縁膜6の膜厚が10〜20%程度厚くなったものであると見なすことも可能と言える。
【0012】
しかしながら、埋め込み拡散ビット線2における拡散層表面は、p型基板1の表面よりも埋め込み酸化膜3の膜厚程度の分だけ低い位置に存在するため、開設されるコンタクトホールのアスペクト比が大きいので、コンタクト径を精度良く開設してコンタクト7を形成することは困難である。さらに、このコンタクトホールを形成する場合、実質的には、層間絶縁膜6の膜厚に埋め込み酸化膜3の膜厚が加算された膜厚分をエッチングする必要があるので、コンタクトホールを開設する際のエッチングにオーバーエッチングを行なう必要があるが、メモリセルの微細化に伴って、埋め込み拡散ビット線2の膜厚が薄いので、コンタクトホールがp型基板1まで突き抜けてしまうことにより、ビット線リークが発生するという問題がある。また、メモリセルの微細化に伴って、埋め込み拡散ビット線2の幅と、互いに隣り合う埋め込み拡散ビット線2間隔とが狭くなるので、埋め込み拡散ビット線2上にコンタクトホールを正確に開設してコンタクト7を形成することが困難であるという問題がある。
【0013】
ところで、近年、コンタクト径の微細化に伴ってコンタクト抵抗が高くなるということが問題となっている。コンタクト抵抗を低減する方法として、Self Align Silicide 技術(以下、サリサイド技術と記す)を用いることが提案されている。前述した第1の従来例では、埋め込み酸化膜3上にコンタクト7を設ける構成であるので、埋め込み拡散ビット線2における拡散層表面をシリサイド化することができない。このため、コンタクト抵抗が高くなると共にコンタクト抵抗がばらつくことが問題になる。
【0014】
そこで、以下に、コンタクトレス方式が採用されたメモリセルアレイにおける共用コンタクト構造の例として、第2の従来例に係る不揮発性半導体記憶装置について、図12並びに図13(a)及び(b)を参照しながら説明する。
【0015】
図12並びに図13(a)及び(b)は、第2の従来例に係る不揮発性半導体記憶装置の構造を示しており、図12は概略平面図であり、図13(a)は図12のY−Y線における要部の断面図であり、図13(b)は図12のX1−X1線における要部の断面図であり、図13(c)は図12のX2−X2線における要部の断面図である。なお、図13(b)に示す構造は、前述した図11(a)と同じ構造であるので、その説明は繰り返さない。
【0016】
図12に示すように、複数のワード線5と直交するように、複数の埋め込み拡散ビット線2が形成されており、この埋め込み拡散ビット線2がソース・ドレインとして機能する。このように、複数のメモリセルにソース・ドレインを共有させると共に、メモリセル複数個おきにソース・ドレインへのコンタクト7を1箇所形成する共用コンタクト構造を採用することにより、メモリセル1個あたりに要するコンタクト面積を低減して高集積化を実現している。また、複数の埋め込み拡散ビット線2の各々は分断されて、分断された各々が集まって短冊状の複数のブロックを構成しており、また、コンタクト領域となるコンタクト7の近傍領域を挟んで互いに向かい合うブロックにおける対応し合う複数の埋め込み拡散ビット線2同士を電気的に接続するように、注入拡散層8が形成されている。さらに、コンタクト領域では、隣り合う埋め込み拡散ビット線2間に、注入拡散層8及び埋め込み拡散ビット線2と隣り合うように素子分離9が形成されている。このように、コンタクト近傍において、注入拡散層8と島状の素子分離9とが交互に並んで形成されている。
【0017】
一方、図13(a)に示すように、p型基板1の表面部には、溝が形成されており、該溝は、コンタクト7が形成される領域近傍において分断されている。溝の内部には、該溝の側面及び底面に沿うと共にp型基板1の表面領域まで延びるように、埋め込み拡散ビット線2が形成されており、埋め込み拡散ビット線2の上には、溝を埋め込むように埋め込み酸化膜3が形成されている。なお、溝が中断している領域においては、埋め込み酸化膜3は形成されていない。また、p型基板1の表面部には、埋め込み拡散ビット線2と部分的に重なるように、すなわち、埋め込み拡散層2同士を電気的に接続するように、例えばN型不純物拡散層よりなる注入拡散層8が形成されている。埋め込み酸化膜3の上には、ワード線5が形成されている。埋め込み酸化膜3の上には、ワード線5を覆うように層間絶縁膜6が形成されており、該層間絶縁膜6中には、下端が注入拡散層8に接続するコンタクト7が形成されている。なお、コンタクト7は、メモリセルアレイ領域を形成した後に、層間絶縁膜6中にコンタクトホールを開設し、該コンタクトホールに例えばアルミニウムなどを埋め込むことによって形成される。また、前述した埋め込み拡散ビット線2は、複数のワード線5の下を通って延びるように形成されている。
【0018】
また、図13(c)に示すように、p型基板1には、素子分離9と注入拡散層8とが交互に並んで形成されている。また、素子分離9及び注入拡散層8の上には、層間絶縁膜6が形成されており、該層間絶縁膜6中には、下端が注入拡散層7に接続するコンタクト7が形成されている。
【0019】
なお、コンタクトレス方式が採用されたメモリセルアレイとしては、第2の従来例に係る不揮発性半導体記憶装置の構成以外にも、例えば、図14(a)及び(b)に示すように、埋め込み酸化膜3が熱酸化膜よりなる場合(特許文献1の構成に対応する)、又は図15(a)及び(b)に示すように、埋め込み酸化膜3が堆積膜よりなる場合であっても同様に構成可能である。なお、図14(a)は図12のY−Y線における要部の断面図、図14(b)は図12のX1−X1線における要部の断面図を示しており、また、図15(a)は図12のY−Y線における要部の断面図、図15(b)は図12のX1−X1線における要部の断面図を示している。また、図14(a)及び(b)並びに図15(a)及び(b)のそれぞれに示された構造において、前述した埋め込み酸化膜3以外の構成は、図13(a)及び(b)に示した構造と同様であるので、ここではその説明は繰り返さない。
【0020】
以上のように、第2の従来例に係る不揮発性半導体記憶装置によると、第1の従来例とは異なり、コンタクト7を開設する箇所には埋め込み酸化膜3が形成されていないので、コンタクトホールのアスペクト比が大きくならない。したがって、コンタクトホールを形成する際のエッチングにおいてオーバーエッチングを行なう必要がなくなり、また、注入拡散層8の拡散深さが十分な深さになるように設定することにより、コンタクト7がp型基板1まで突き抜けてしまうという問題を回避できる。また、コンタクト7は表面積が比較的広い注入拡散層8の上に形成されるため、埋め込み拡散ビット線2上に正確にコンタクトホールを開設してコンタクト7を形成する必要がないので、コンタクト7と埋め込み拡散ビット線2との位置関係を直接的に考慮しなくてもかまわない。
【0021】
また、第2の従来例に係る不揮発性半導体記憶装置の場合、前述した図13(a)では図示していないが、注入拡散層8の表面をサリサイド化してシリサイド層を形成することが可能であり、コンタクト抵抗を低減することができる。なお、サリサイド技術はワード線の抵抗を低減するためにも用いられる。また、サリサイド技術を適用する際には、ゲート電極の側面に側壁絶縁膜を形成しておくことが不可欠である。
【0022】
ここで、第2の従来例に係る不揮発性半導体記憶装置の製造において、サリサイド技術を適用する場合の不揮発性半導体記憶装置の製造方法について、図16(a)〜(c)を参照しながら説明する。
【0023】
まず、図16(a)に示すように、p型基板1の表面部に形成された溝の側面及び底面に沿うように埋め込み拡散ビット線2を形成した後、該埋め込み拡散ビット線2の上に、溝を埋め込むように埋め込み酸化膜3を形成する。さらに、埋め込み酸化膜3の上にゲート電極となるワード線5を形成する。続いて、ゲート電極であるワード線5の側面を覆う側壁絶縁膜10aを形成する目的で、埋め込み酸化膜3の上に、ワード線5を覆うようにカバレッジの良い絶縁膜10を堆積する。
【0024】
次に、図16(b)に示すように、カバレッジの良い絶縁膜10に対して異方性の強いドライエッチングを施すことにより、ワード線5の側面に側壁絶縁膜10aを残留させる。このようにして、ワード線5の側面に側壁絶縁膜10aが形成される。続いて、砒素を用いたイオン注入11を行なうことにより、p型基板1の表面部における埋め込み拡散ビット線2が分断されている領域に注入拡散層8を形成する。
【0025】
次に、図16(c)に示すように、p型基板1の全面に亘って金属膜を堆積した後、高温の熱処理を短時間に行なう、いわゆるRTA(Rapid Thermal Anneal)を行なうことにより、金属膜と半導体とが接している部分のみに半導体と金属との化合物を形成する。続いて、金属膜のみを洗浄によって除去することにより、半導体と金属との化合物であるシリサイド層12のみを残留させる。シリサイド層12を形成することにより、ワード線5の抵抗を低減することができると共に、コンタクト7と注入拡散層8との接触抵抗を低減することができる。
【0026】
なお、コンタクトレス方式が採用されたメモリセルアレイにおいて、絶縁膜10を堆積しない場合には、前述の図12に示したように、互いに隣り合うワード線5間において、p型基板1が露出することになる。この場合にシリサイド層を形成すると、図示していないが、p型基板1の露出部分にまでシリサイド層12が形成されるので、埋め込み拡散ビット線2とp型基板1とが短絡してしまうことになる。したがって、図16(c)に示したように、p型基板1が露出しないように、ワード線5の側面に側壁絶縁膜10aを形成するだけではなく、互いに隣り合うワード線5間の領域を絶縁膜によって埋めておくことも必要である。
【0027】
以上のように、第2の従来例に係る不揮発性半導体記憶装置によると、メモリセルの高集積化に伴ってワード線5であるゲート電極が微細化されても、ワード線5の抵抗を低減することができるので、ワード線5の信号遅延を抑制することができる。
【特許文献1】特開昭61-222159号公報
【特許文献2】特開平9−312351号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0028】
ところで、前述した第2の従来例においては、図16(b)に示したように、カバレッジの良い絶縁膜10に対して異方性の強いドライエッチングを行なうことにより、ワード線5の上面が露出するまでエッチングが行なわれるが、このエッチングの際に、埋め込み酸化膜3の一部分がエッチングされて、素子分離9の端部において、p型基板1が露出してしまう。その後に、サリサイド技術を適用すると、埋め込み拡散ビット線2とp型基板1とが短絡してしまうことにより、ビット線リークが発生するという課題が生じる。
【0029】
まず、第2の従来例にサリサイド技術を適用した場合に生じる前述の課題について、図17(a)及び(b)並びに図18(a)〜(c)を参照しながら、以下に具体的に説明する。
【0030】
図17(a)及び(b)は、図16(b)及び(c)のそれぞれに示した工程断面図に対応した要部の断面図であり、本課題を説明するための断面図を示している。
【0031】
図17(a)に示すように、ワード線5の上面が露出するように、ワード線5を覆うように形成された絶縁膜10に対して異方性の強いドライエッチングを行なうことにより、ワード線5の側面に側壁絶縁膜10aを残留させる。この工程において、コンタクト7を開設する領域の近傍領域はメモリセル領域に比べて平坦であるので、コンタクト7を開設する領域に存在する絶縁膜10はいち早くエッチングされ尽くしてしまうと共に、埋め込み酸化膜3についてもある程度エッチングされることになる。したがって、図17(a)に示すように、コンタクト7を開設する領域の近傍領域におけるp型基板1の表面は凸型形状に露出することになる。
【0032】
次に、図17(b)に示すように、p型基板1における凸型形状に露出した部分に注入拡散層8を形成した後に、図16(c)での説明と同様にして、シリサイド層12を形成すると、シリサイド層12も凸型形状に形成される。
【0033】
また、図18(a)〜(c)は、図16(a)〜(c)のそれぞれに示した工程断面図に対応する要部を拡大した断面図であるが、それぞれ、図12のX4−X4線における工程概略断面図を示している。
【0034】
図18(a)に示すように、素子分離9及び埋め込み酸化膜3の上にカバレッジの良い絶縁膜10を堆積する。
【0035】
次に、異方性の強いドライエッチングにより、絶縁膜10をエッチングしていくが、絶縁膜10におけるコンタクト7を開設する領域の近傍領域に存在する部分は、絶縁膜10におけるメモリセル領域に存在する部分に比べて平坦であるので、図18(b)に示すように、絶縁膜10におけるコンタクト7を開設する領域の近傍領域に存在する部分はいち早くエッチングされ尽くしてしまう。
【0036】
さらに、この異方性の強いドライエッチングは、ワード線5の上面が露出するまで継続されるため、図18(c)に示すように、埋め込み酸化膜3に加えて素子分離9までも、ある程度エッチング除去されるので、p型基板1が部分的に露出してしまう。
【0037】
図19(a)は、前述した図18(c)における素子分離9の端部付近を拡大した断面図を示している。図19(a)に示すように、素子分離9がある程度エッチング除去されて、p型基板1が部分的に露出している。また、図19(b)に示すように、絶縁膜10をエッチングする工程においては、埋め込み酸化膜3及び素子分離10に加えて、p型基板1も幾分削れてしまうことも考えられる。さらに、埋め込み酸化膜3の構造が、前述の図14(a)及び(b)に示したような熱酸化膜よりなる場合であれば、図19(c)に示すように、p型基板1の表面が露出することになる。
【0038】
図12に示したように、図12のX4−X4線における断面領域には、注入拡散層8が形成されていないために、このような状態で、サリサイド層を形成する工程を実施すると、埋め込み拡散ビット線2とp型基板1における露出部分とが共にシリサイド化されて短絡してしまうという問題が生じる。また、p型基板1における露出している部分は、ドライエッチングに曝されているので、p型基板1における露出している部分は、ドライエッチングによるダメージによって結晶性の欠陥が発生している。このため、ビット線リークが発生し易くなっているという問題も生じる。
【0039】
さらに、前述した第2の従来例においては、図12に示したように、コンタクト7を形成する領域近傍において、注入拡散層8と島状の素子分離9とが交互に並んで形成されているが、島状の素子分離9は埋め込み拡散ビット線2のピッチ以下の微細な形状であることが必要である。このため、島状の素子分離9は素子分離能力の高いものが要求される。島状の素子分離9の素子分離能力が低いと、互いに隣り合う埋め込み拡散ビット線2同士でリークしてしまう。
【0040】
次に、前述した第2の従来例における素子分離に関する課題について、図20及び図21(a)〜(c)を参照しながら、以下に具体的に説明する。図20及び図21(a)〜(c)は、第2の従来例における素子分離に関する課題を説明するための図であって、図20は概略平面図であり、図21(a)は図20のX4−X4線における要部の断面図であり、図21(b)は図20のX3−X3線における要部の断面図であり、図21(c)は図20のX2−X2線における要部の断面図である。
【0041】
図20に示すように、島状の素子分離9が形成されている領域の近傍領域は、大別して3つの部分から成り立っている。すなわち、図21(a)に示すように、素子分離9と、埋め込み酸化膜3及び埋め込み拡散ビット線2とが重なる部分、図21(b)に示すように、素子分離9と、埋め込み酸化膜3及び埋め込み拡散ビット線2と、注入拡散層8とが重なる部分、図21(c)に示すように、素子分離9と注入拡散層8とが重なる部分である。
【0042】
ここで、図21(c)に示すように、素子分離9が微細になっても素子分離能力が十分発揮されるように、素子分離9の下にはチャネルストッパー層13が形成されている。チャネルストッパー層13はp型層であって、イオン注入により、素子分離9の下に選択的に形成されている。しかしながら、チャネルストッパー層13を形成するためのイオン注入が、メモリセル本体に注入されたり又は拡散したりすると、メモリセルの特性又は信頼性に影響を与える。このため、チャネルストッパー層13を形成する領域は、コンタクト7が形成される領域の近傍領域に限定される必要がある。したがって、コンタクト7が形成される領域から少し離れた図21(b)に示した断面では、深い注入拡散層8が形成されているにもかかわらず、素子分離9の下にはチャネルストッパー層13が存在していないので、図21(b)に示した領域では素子分離9による素子分離能力が低下してしまうという問題がある。
【0043】
また、前述の図18(a)〜(c)を用いて説明したように、素子分離9は、ワード線5の側面に側壁絶縁膜10aを残留させる工程におけるドライエッチングによって削られることになる。このことが更なる要因となり、素子分離9の素子分離能力が一層低下してしまうという問題がある。
【0044】
さらに、メモリセルの微細化が進展するのに伴って、埋め込み拡散ビット線2の位置を島状の素子分離9に合わせるための合わせ精度が不十分である場合には、埋め込み拡散ビット線2の短絡又は断線が生じるという問題もある。
【0045】
前記に鑑み、本発明の目的は、コンタクトレス方式が採用されたメモリセルアレイにおける共用コンタクト領域のリーク電流を抑制することができると共に微細化が可能な不揮発性半導体記憶装置及びその製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0046】
前記の目的を達成するために、本発明に係る不揮発性半導体記憶装置は、半導体基板中に、第1の方向に延在するように形成された埋め込み拡散層よりなる複数のビット線と、ビット線上に形成された埋め込み絶縁膜と、半導体基板上に、第1の方向と直交する第2の方向に延在するように形成された複数のワード線と、ワード線がビット線間の領域と交差する領域に形成された電荷保持膜と、互いに隣り合うビット線がソース領域及びドレイン領域として機能し、電荷保持膜がゲート絶縁膜として機能し、ワード線がゲート電極として機能する複数のメモリセルと、外部と電気的に接続されたコンタクトを上面に有する複数の拡散層と、複数のビット線は、複数のブロックに区分されるように、各々分断されており、隣り合うブロックにおける対応し合うビット線同士は、ビット線同士に対応するように設けられた拡散層を介して電気的に接続されており、コンタクト領域となる拡散層の近傍領域に形成されている互いに隣り合うビット線間に形成され、隣り合うビット線間を電気的に分離する素子分離領域とを備えた不揮発性半導体記憶装置であって、コンタクト領域において、第2の方向に延在すると共に、ビット線上及び素子分離領域上を跨るように形成され、側面に側壁絶縁膜を有するダミーワード線をさらに備え、側壁絶縁膜は、素子分離領域と、埋め込み絶縁膜と、ビット線との境界領域上を覆っていることを特徴とする。
【0047】
本発明に係る不揮発性半導体記憶装置によると、コンタクト領域において、側面に側壁絶縁膜を有するダミーワード線を設けていると共に、側壁絶縁膜によって素子分離領域と埋め込み絶縁膜とビット線との境界領域上を覆っていることにより、コンタクトレス方式が採用された不揮発性半導体記憶装置における共用コンタクト領域において、半導体基板が露出することを防ぐと共に半導体基板へのダメージを防止することができる。このため、不揮発性半導体記憶装置のコンタクト領域におけるビット線のリーク電流を低減させることができる。したがって、不揮発性半導体記憶装置の製造歩留まりを向上させることができる。また、微細化されても素子分離能力に優れた不揮発性半導体記憶装置を実現することができる。
【0048】
本発明に係る不揮発性半導体記憶装置において、拡散層は、隣り合うブロックにおける対応し合うビット線に直接接続する第1の拡散層と、第1の拡散層及びコンタクトと直接接続する第2の拡散層とから構成されていることが好ましい。
【0049】
このようにすると、コンタクトと直接接続する第2の拡散層とビット線との電気的接続を確実に行なうことができる。また、これにより、熱拡散工程を用いることなく電気的接続が確実になるので、素子分離領域の素子分離能力が低下することを防止することができる。
【0050】
本発明に係る不揮発性半導体記憶装置において、ブロックの一端側に存在する第1のコンタクト領域とブロックの他端側に存在する第2のコンタクト領域とにおいて、複数のビット線は1本置きに間引かれていると共に、第1のコンタクト領域と第2のコンタクト領域とで互い違いに間引かれていることが好ましい。
【0051】
このようにすると、素子分離領域を大きくとることができるので、ビット線と素子分離との位置合わせが容易になり、不揮発性半導体記憶装置の高集積化が実現できる。
【0052】
本発明に係る不揮発性半導体記憶装置において、ダミーワード線は電気的にフローティングであることが好ましい。
【0053】
このようにすると、ダミーワード線が高電圧に長時間曝されることによって破壊に至ることを防止することができる。
【0054】
本発明に係る不揮発性半導体記憶装置において、ダミーワード線はダメージ保護素子と接続されていることが好ましい。
【0055】
このようにすると、ダミーワード線に隣り合うワード線が静電誘導によるダメージを受けることを防止することができる
本発明に係る不揮発性半導体記憶装置において、ダメージ保護素子はダイオード構造又は酸化膜構造であることが好ましい。
【0056】
本発明に係る不揮発性半導体記憶装置の製造方法は、半導体基板中に、第1の方向に延在するように形成された埋め込み拡散層よりなる複数のビット線と、ビット線上に形成された埋め込み絶縁膜と、半導体基板の上に、第1の方向と直交する第2の方向に延在するように形成された複数のワード線と、ワード線がビット線間の領域と交差する領域に形成された電荷保持膜と、互いに隣り合うビット線がソース領域及びドレイン領域として機能し、電荷保持膜がゲート絶縁膜として機能し、ワード線がゲート電極として機能する複数のメモリセルと、外部と電気的に接続されたコンタクトを上面に有する複数の拡散層と、複数のビット線は、複数のブロックに区分されるように、各々分断されており、隣り合うブロックにおける対応し合うビット線同士は、ビット線同士に対応するように設けられた拡散層を介して電気的に接続されており、コンタクト領域となる拡散層の近傍領域に形成されている互いに隣り合うビット線間に形成され、隣り合うビット線間を電気的に分離する素子分離領域とを備えた不揮発性半導体記憶装置の製造方法であって、コンタクト領域において、第2の方向に延在すると共に、ビット線上及び素子分離領域上を跨るように、ダミーワード線を形成する工程と、ダミーワード線の側面に側壁絶縁膜を形成する工程とをさらに備え、側壁絶縁膜は、素子分離領域と、埋め込み絶縁膜と、ビット線との境界領域上を覆うように形成されることを特徴とする。
【0057】
本発明に係る不揮発性半導体記憶装置の製造方法によると、コンタクト領域において、ダミーワード線を形成すると共に、素子分離領域と埋め込み絶縁膜とビット線との境界領域上を覆うようにダミーワード線の側面に側壁絶縁膜を形成することにより、コンタクトレス方式が採用された不揮発性半導体記憶装置における共用コンタクト領域において、半導体基板が露出することを防ぐと共に半導体基板へのダメージを防止することができる。このため、不揮発性半導体記憶装置のコンタクト領域におけるビット線のリーク電流を低減させることができる。したがって、不揮発性半導体記憶装置の製造歩留まりを向上させることができる。また、微細化されても素子分離能力に優れた不揮発性半導体記憶装置を実現することができる。
【0058】
本発明に係る不揮発性半導体記憶装置の製造方法において、拡散層を形成する工程は、隣り合うブロックにおける対応し合うビット線に直接接続する第1の拡散層を形成する工程と、第1の拡散層及びコンタクトと直接接続する第2の拡散層を形成する工程とを含むことが好ましい。
【0059】
このようにすると、コンタクトと直接接続する第2の拡散層とビット線との電気的接続を確実に行なうことができる。また、これにより、熱拡散工程を用いることなく電気的接続が確実になるので、素子分離領域の素子分離能力が低下することを防止することができる。
【発明の効果】
【0060】
本発明の不揮発性半導体記憶装置及びその製造方法によると、コンタクトレス方式が採用された不揮発性半導体記憶装置における共用コンタクト領域において、半導体基板が露出することを防ぐと共に半導体基板へのダメージを防止することにより、不揮発性半導体記憶装置の拡散ビット線のリーク電流を低減させることができる。したがって、不揮発性半導体記憶装置の製造歩留まりを向上させることができる。また、微細化されても素子分離能力に優れた不揮発性半導体記憶装置を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0061】
(第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置及びその製造方法について、図面を参照しながら説明する。本発明の第1の実施形態では、不揮発性半導体記憶装置の例が、第1及び第2の従来例と同様に、コンタクトレス方式が採用されたメモリセルアレイにおける共用コンタクト構造を有し、半導体基板の表面部の溝に形成された埋め込み拡散ビット線を有する不揮発性半導体記憶装置である場合について説明する。
【0062】
図1は、本発明の第1の実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置の構造の概略を示す平面図であり、図2(a)は図1のX5−X5線における要部の断面図であり、図2(b)は図1のY−Y線における要部の断面図である。
【0063】
図1に示すように、複数のワード線5と直交するように、複数の埋め込み拡散ビット線2が形成されており、この埋め込み拡散ビット線2がソース・ドレインとして機能する。このように、複数のメモリセルにソース・ドレインを共有させると共に、メモリセル複数個おきにソース・ドレインへのコンタクト7を1箇所形成する構造(共用コンタクト構造)を採用することにより、メモリセル1個あたりに要するコンタクト面積を低減して高集積化を実現している。また、複数の埋め込み拡散ビット線2の各々は分断されて、分断された各々が集まって短冊状の複数のブロックを構成しており、また、コンタクト領域となるコンタクト7の近傍領域を挟んで互いに向かい合うブロックにおける対応し合う複数の埋め込み拡散ビット線2同士を電気的に接続するように、注入拡散層8が形成されている。さらに、コンタクト領域では、隣り合う埋め込み拡散ビット線2間に、注入拡散層8及び埋め込み拡散ビット線2と隣り合うように素子分離9が形成されている。このように、コンタクト近傍において、注入拡散層8と島状の素子分離9とが交互に並んで形成されている。
【0064】
また、図1に示すように、コンタクト領域において、ワード線5と並ぶように且つ注入拡散層8を挟むように、ワード線5と同層の電極材料よりなるダミーワード線14が形成されている。この点が、本発明の第1の実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置の最大の特徴である。なお、ダミーワード線14は、ワード線5と同一の工程で形成されることが好ましい。
【0065】
なお、ここで、図示はしていないが、前述の第1及び第2の従来例と同様に、不揮発性半導体記憶装置はメモリ領域にてトラップ構造を有しており、すなわち、ワード線5はトラップ構造を有している。また、このトラップ構造は例えばONO膜構造よりなる場合であってもよいし、トンネル膜とフローティングゲートとONO膜とのスタック構造よりなる場合であってもよい。但し、ダミーワード線14はトラップ構造を有していない。
【0066】
さらに、図1に示すように、p型基板1における素子分離9の下部領域には、チャネルストッパー層13が形成されている。なお、チャネルストッパー層13は、後述においても説明するが、p型基板1における素子分離9の下部領域まで到達するような加速エネルギーで、p型基板1と同じ導電型のホウ素をp型基板1に対してイオン注入することによって形成される。
【0067】
また、図2(a)に示すように、p型基板1の表面部には、溝が形成されており、該溝は、コンタクト7を形成する領域近傍において分断されている。p型基板1における溝の下部領域には、チャネルストッパー層13が形成されている。また、溝の内部には、該溝の側面及び底面に沿うと共にp型基板1の表面領域まで延びるように、埋め込み拡散ビット線2が形成されており、埋め込み拡散ビット線2の上には、溝を埋め込むように埋め込み酸化膜3が形成されている。なお、溝が中断している領域においては、埋め込み酸化膜3は形成されていない。また、p型基板1の表面部には、埋め込み拡散ビット線2と部分的に重なるように、すなわち、埋め込み拡散層2同士を電気的に接続するように、例えばN型不純物拡散層よりなる注入拡散層8が形成されている。埋め込み酸化膜3の上には、メモリ領域にワード線5が形成されていると共にコンタクト領域にダミーワード線14が形成されており、また、ワード線5の側面及びダミーワード線14の側面には、側壁絶縁膜10aが形成されており、さらに、ワード線5間、及びダミーワード線5とワード線5との間は、埋め込み酸化膜3が露出しないように側壁絶縁膜10aによって覆われている。ここで、ダミーワード線14は、埋め込み酸化膜3の端部に位置しており、側壁絶縁膜10aのうち、ダミーワード線14におけるコンタクト7側の側面に形成された側壁絶縁膜10aは、埋め込み酸化膜3の端部を覆うように位置している。また、埋め込み酸化膜3の上には、ワード線5及びダミーワード線14を覆うように層間絶縁膜6が形成されており、該層間絶縁膜6中には、下端が注入拡散層8に接続するコンタクト7が形成されている。なお、コンタクト7は、メモリセルアレイ領域を形成した後に、層間絶縁膜6中にコンタクトホールを開設し、該コンタクトホールに例えばアルミニウムなどを埋め込むことによって形成される。また、前述した埋め込み拡散ビット線2は、複数のワード線5及びダミーワード線14の下を通って延びるように形成されている。
【0068】
また、図2(b)に示すように、溝を有するp型基板1中には素子分離9が形成されており、溝の内部には、該溝の側面及び底面に沿って埋め込み拡散ビット線2が形成されている。埋め込み拡散ビット線2の上には埋め込み酸化膜3が形成されている。また、図2(b)に示す断面では、素子分離9及び埋め込み酸化膜3の上には、ダミーワード線14の側面に形成された側壁絶縁膜10aが位置しており、該側壁絶縁膜10aの上には層間絶縁膜6が形成されている。
【0069】
次に、本発明の第1の実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置の製造方法について、図3(a)〜(d)及び図4(a)〜(d)を参照しながら説明する。なお、図3(a)〜(d)及び図4(a)〜(d)は、前述した図2(a)及び(b)に示した不揮発性半導体記憶装置を製造する工程を示す要部工程断面図であって、図3(a)及び(c)並びに図4(a)及び(c)は図1のY−Y線における要部の断面図を示しており、図3(b)及び(d)並びに図4(b)及び(d)は図1のX5−X5線における要部の断面図を示している。
【0070】
まず、図3(a)及び(b)に示すように、内部にチャネルストッパー層13を備えたp型基板1の表面部に形成された溝の内部には、該溝の側面及び底面に沿うように、コンタクト7を開設する領域近傍で分断された埋め込み拡散ビット線2が形成されており、該埋め込み拡散ビット線2の上には埋め込み酸化膜3が形成されている。また、p型基板1中の埋め込み拡散ビット線2間に、埋め込み拡散ビット線2及び埋め込み酸化膜3を挟むように、素子分離9が形成されている。さらに、埋め込み酸化膜3の上には、前述したワード線5及びダミーワード線14が形成されている。また、ダミーワード線14は、埋め込み酸化膜3の端部に形成されている。このような状態で、p型基板1の全面に、ワード線5及びダミーワード線14を覆うように、カバレッジの良い絶縁膜10を堆積する。
【0071】
次に、図3(c)及び(d)に示すように、カバレッジの良い絶縁膜10に対して異方性の強いドライエッチングを施すことにより、ワード線5の側面及びダミーワード線14の側面に側壁絶縁膜10aを残留させる。このとき、ダミーワード線14の側面に形成された側壁絶縁膜10aの端部は、図3(c)に示すように、埋め込み拡散ビット線2における露出している部分の一部を覆っている。また、ダミーワード線14の側面に形成された側壁絶縁膜10aの端部は、図3(d)に示すように、埋め込み酸化膜3と素子分離9との境界上を含む、埋め込み酸化膜3及び素子分離9上の全体を覆っている。
【0072】
次に、図4(a)及び(b)に示すように、p型基板1の露出部に対して砒素のイオン注入10を行なうことにより、分断している埋め込み拡散ビット線2同士を電気的に接続する注入拡散層8を形成する。
【0073】
次に、図4(c)及び(d)に示すように、p型基板1の全面に亘って金属膜を堆積した後に、RTAを施すことにより、金属膜と半導体とが接している部分のみに、半導体及び金属よりなる化合物を形成する。その後、洗浄によって残存している金属膜のみを除去して、半導体及び金属よりなる化合物であるシリサイド層12を残留させる。なお、その後に、層間絶縁膜6及びコンタクト7が形成された構造が、前述した図2(a)及び(b)に示す構造である。
【0074】
以上の構成によると、ワード線5の側面及びダミーワード線14の側面に側壁絶縁膜10aが形成された状態は、ダミーワード線14の側面に形成された側壁絶縁膜10aによって、埋め込み酸化膜3の端部が覆われている(図3(c)参照)状態であると共に、該埋め込み酸化膜3と素子分離9との境界が覆われている(図3(d)参照)状態である。すなわち、埋め込み酸化膜3の端部近傍にダミーワード線14を形成しておくことにより、ダミーワード線14の側壁に形成される側壁絶縁膜10aによって、埋め込み酸化膜3の端部と、該埋め込み酸化膜3と素子分離9との境界とを覆うことができるので、従来例のようにp型基板1が露出することを防止することができる。このため、注入拡散層8を形成した後にサリサイド技術を適用すると、図2(b)に示す断面図では、シリサイド層12が形成されることはない。したがって、埋め込み拡散ビット線2はp型基板1との短絡を防止できる。また、素子分離9は、ワード線5の側面に側壁絶縁膜10aを残留させる工程におけるドライエッチングによって削られることがないので、素子分離9の素子分離能力が低下することを防止することができる。
【0075】
なお、注入拡散層8と埋め込み拡散ビット線2との電気的な接続を確実に行なう目的で、注入拡散層8を形成する際に、注入拡散層8が埋め込み拡散ビット線2が存在する領域まで十分に拡散するように、熱拡散を行なう工程を追加してもよい。
【0076】
また、図示していないトラップ構造を形成する際の熱工程により、チャネルストッパー層13が拡散されないように、チャネルストッパー層13の形成は、通常、トラップ構造を形成した後に行なうが、従来例で示した構造であれば、チャネルストッパー層13を形成する際のイオン注入はワード線5の近傍においても行なわれることになるので、トラップ構造にダメージを与えてメモリセルの信頼性を低下させてしまう。
【0077】
しかしながら、図1に示すように、ダミーワード線14は、素子分離9又は埋め込み酸化膜3上にしか形成されず、トラップ構造を有していない。また、ダミーワード線14が、たとえ部分的にトラップ構造を有している場合であっても、ダミーワード線14は素子分離9又は埋め込み酸化膜3上にしか形成されず、メモリセルとして機能しない。このため、トラップ構造を形成した後に、ダミーワード線14が形成される領域の近傍にチャネルストッパー層13を予め形成しても、メモリセルの信頼性が低下することはない。
【0078】
なお、不揮発性半導体記憶装置の動作には、通常、高電圧が要求されるために、埋め込み拡散ビット線3に対しても10V近傍の高電圧が印加されることになる。このため、ダミーワード線14も高電圧に長時間曝されることによって破壊に至る可能性がある。
【0079】
しかしながら、本実施形態では、ダミーワード線14は素子分離9又は埋め込み酸化膜3上にしか形成されておらず、メモリセルとして機能しないため、ダミーワード線14は電気的にフローティングにしておくことも可能であるので、ダミーワード線14も高電圧に長時間曝されることによって破壊に至ることを防止することができる。
【0080】
但し、ダミーワード線14が電気的にフローティングであると、ダミーワード線14が製造工程中に帯電した場合には、ダミーワード線14の電位が著しく高くなることが考えられるため、ダミーワード線14と隣接しているワード線5も静電誘導を受けて、ワード線5に存在するトラップ構造がダメージを受けることになる。
【0081】
したがって、ダミーワード線14にダメージ保護素子を接続しておくことにより、ダミーワード線14に隣り合うワード線5が静電誘導によるダメージを受けることを防止することができる。なお、ダメージ保護素子は、ダイオード構造である場合であっても、薄い絶縁膜構造よりなる場合であってもよい。
【0082】
なお、リソグラフィー又はエッチングなどのパターン形成技術と製造工程中における帯電とを鑑みると、ダミーワード線14の幅も含めて、メモリセル本体のワード線5は均一であることが望ましく、ダミーワード線14の幅はメモリセル本体のワード線5と同じ幅であることが望ましい。
【0083】
以上に説明したように、本発明に係る第1の不揮発性半導体記憶装置及びその製造方法によると、コンタクトレス方式が採用された不揮発性半導体記憶装置の共用コンタクト領域において、半導体基板の露出及び半導体基板へのダメージを防止して、不揮発性半導体記憶装置の拡散ビット線のリーク電流を低減させることができる。その結果、不揮発性半導体記憶装置の歩留まりを向上させることができる。また、微細化されても素子分離能力に優れた不揮発性半導体記憶装置を実現することができる。
【0084】
(第2の実施形態)
以下、本発明の第2の実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置及びその製造方法について、図面を参照しながら説明する。本発明の第2の実施形態では、不揮発性半導体記憶装置の例が、本発明の第1の実施形態と同様に、コンタクトレス方式が採用されたメモリセルアレイにおける共用コンタクト構造を有し、半導体基板の表面部の溝に形成された埋め込み拡散ビット線を有する不揮発性半導体記憶装置である場合について説明する。
【0085】
図5は、本発明の第2の実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置の構造を示す要部の断面図である。図6(a)〜(c)並びに図7(a)及び(b)は、本発明の第2の実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置の製造方法を示す要部の工程断面図である。なお、本発明の第2の実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置の構造を示す概略平面図は図1と同様であり、図5、図6(a)〜(c)並びに図7(a)及び(b)は、図1のY−Y線における断面に対応する要部の断面図である。
【0086】
本発明の第2の実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置及びその製造方法が、前述した第1の実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置及びその製造方法と異なる点は、不揮発性半導体記憶装置における共用コンタクト領域の注入拡散層の構造及びその製造方法であって、その他の部分は第1の実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置及びその製造方法と同様であるので、以下では、その異なる点を中心に説明する。
【0087】
まず、本発明の第2の実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置の構造について説明する。
【0088】
図5に示すように、本発明の第2の実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置では、共用コンタクト領域における注入拡散層は、第1の注入拡散層16と第2の注入拡散層17とから構成されている。すなわち、第1の注入拡散層16及び第2の注入拡散層17よりなる注入拡散層は、2回のイオン注入によって形成されている。ここで、第1の注入拡散層16は、ダミーワード線14の側面に形成された側壁絶縁膜10aの下部にまで拡散されるように形成されている。また、ダミーワード線14は、第1の実施形態と同様に、埋め込み酸化膜3の端部に位置しており、本実施形態では、ダミーワード線14が、コンタクト7側にずれて形成されている。すなわち、ダミーワード線14の側面に形成された側壁絶縁膜10aは、埋め込み拡散ビット線2の端部及び第1の注入拡散層16を覆うように形成されている。
【0089】
次に、本発明の第2の実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置の製造方法について説明する。
【0090】
まず、図6(a)に示すように、埋め込み酸化膜3の上には、前述したワード線5及びダミーワード線14が形成されている。また、ダミーワード線14は、埋め込み酸化膜3の端部に位置しており、本実施形態では、ダミーワード線14が、コンタクト7側にずれて形成されている。このような状態で、p型基板1の露出部に対して、例えば50KeV程度以下のリンイオンによる第1のイオン注入18を行なうことにより、第1の注入拡散層16を形成する。第1の注入拡散層16の不純物濃度は、埋め込み拡散ビット線2の不純物濃度と同じ程度であることが望ましいが、これに限る趣旨ではない。
【0091】
次に、図6(b)に示すように、p型基板1の全面に、ワード線5及びダミーワード線14を覆うように、カバレッジの良い絶縁膜10を堆積する。
【0092】
次に、図6(c)に示すように、カバレッジの良い絶縁膜10に対して異方性の強いドライエッチングを施すことにより、ワード線5の側面及びダミーワード線14の側面に側壁絶縁膜10aを残留させる。このとき、ダミーワード線14の側面に形成された側壁絶縁膜10aの端部は、図6(c)に示すように、埋め込み拡散ビット線2における露出している部分の一部を覆うと共に第1の注入拡散層16の端部とを覆っている。
【0093】
次に、図7(a)に示すように、p型基板1の露出部に対して砒素イオンによる第2のイオン注入19を行なうことにより、第2の注入拡散層17を形成する。
【0094】
次に、図7(b)に示すように、p型基板1の全面に亘って金属膜を堆積した後に、RTAを施すことにより、金属膜と半導体とが接している部分のみに、半導体及び金属よりなる化合物を形成する。その後、洗浄によって残存している金属膜のみを除去して、半導体及び金属よりなる化合物であるシリサイド層12を残留させる。続いて、層間絶縁膜6及びコンタクト7を形成すると、図7(b)に示す図5と同じ構造を得ることができる。
【0095】
以上に説明したように、本発明の第2の実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置及びその製造方法によると、前述した本発明の第2の実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置及びその製造方法による効果に加えて以下の効果が得られる。すなわち、ダミーワード線14の側面に側壁絶縁膜10aを形成する前に第1の注入拡散層16を形成して、ダミーワード線14の側面に側壁絶縁膜10aを形成した後に第2の注入拡散層17を形成することにより、第1の注入拡散層16が埋め込み拡散ビット線2と第2の注入拡散層14とを直接接続させる。このため、第2の注入拡散層17を熱拡散させる工程を用いることなく、第2の注入拡散層14と埋め込み拡散ビット線2との電気的接続を確実に行なうことができる。さらに、熱拡散工程を用いないことにより、素子分離9の素子分離能力が低下することを防止して、素子分離9の特性を良好に保つことができる。特に、本実施形態のように、ダミーワード線14がコンタクト7側にずれて形成され、側壁絶縁膜10a形成後における注入拡散層の形成が、ダミーワード線14の側壁絶縁膜10aの存在によって十分に熱拡散しない場合に、本発明は効果的である。
【0096】
(第3の実施形態)
以下、本発明の第3の実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置について、図面を参照しながら説明する。本発明の第3の実施形態では、不揮発性半導体記憶装置の例として、本発明の第1の実施形態と同様に、コンタクトレス方式が採用されたメモリセルアレイにおける共用コンタクト構造を有し、半導体基板の表面部の溝に形成された埋め込み拡散ビット線を有する不揮発性半導体記憶装置である場合について説明する。
【0097】
図8は、本発明の第3の実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置の構造を示す要部の平面図である。
【0098】
図8に示す本発明の第3の実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置は、埋め込み拡散ビット線2は、素子分離9が形成されているコンタクト領域では、メモリセル領域と比べて1本置きに間引かれて形成された構造を有している。すなわち、島状の素子分離9における埋め込み拡散ビット線2のピッチ長さ(ワード線方向のピッチ長さ)は、メモリ領域における埋め込み拡散ビット線2のビット長さ(ワード線方向のピッチ長さ)の2倍であり、コンタクト7は、メモリ領域における埋め込み拡散ビット線2に対して1本置きに形成されている。
【0099】
各埋め込み拡散ビット線2に対するコンタクト領域において開設される、1つのメモリセルに関するソース・ドレインの各コンタクト7は、各埋め込み拡散ビット線2の長尺方向の一端側のコンタクト領域と他端側のコンタクト領域とに位置している。さらに、一端側のコンタクト領域で間引かれている埋め込み拡散ビット線2と他端側のコンタクト領域で間引かれている埋め込み拡散ビット線2とは互い違いになっている。したがって、例えば、図8に示すように、矢印aに示すコンタクト7及び矢印bに示すコンタクト7をそれぞれソース・ドレインとすると共に、矢印cに示すワード線5を選択して所望の電圧(例えば5V程度)を与えると、図中の点線に示すように電流が流れて、記憶装置として機能する。
【0100】
また、コンタクト領域におけるワード線5方向において、埋め込み拡散ビット線2の幅と間隔とに対して、素子分離特性を所望の耐圧に保てる程度に素子分離9の幅と注入拡散層7の幅を大きくすると共に、埋め込み拡散ビット線2と素子分離9との重ね合わせズレに余裕がある程度に調整する。
【0101】
こうすると、本実施形態では、共用コンタクト領域において、本発明の第1の実施形態及び第2の実施形態に比べて、素子分離9の幅をワード線5方向に大きくできる。特に、メモリセルにおけるワード線5方向のサイズが小さくなる場合、島状の素子分離9は、メモリセルにおけるワード線5方向のサイズに比べて大きくなっているので、素子分離特性が良好になる。このため、メモリセルアレイの高集積化が可能である。
【0102】
なお、本実施形態では、図8の領域eにおいて埋め込み拡散ビット線2と素子分離9とが接しているので、図9の領域dに示すようなダミーワード線14が形成されていない場合であれば、領域dにおいて、第2の従来例にて図18(a)〜(c)を用いて説明したように、p型基板1が露出する。しかしながら、図8に示すように、本実施形態では、第1及び第2の実施形態と同様に、ダミーワード線14が形成されているので、ダミーワード線14とワード線5との間は絶縁膜によって埋め込まれている。このため、p型基板1が露出することはない。
【0103】
以上に説明したように、本発明の第3の実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置によると、コンタクトレス方式の不揮発性半導体記憶装置の共用コンタクト領域において、素子分離を有する構造を採用する際に、素子分離を大きくすることができ、埋め込み拡散ビット線と島状の素子分離との位置合わせが容易になり、不揮発性半導体記憶装置の高集積化が実現できる。
【産業上の利用可能性】
【0104】
以上のように、本発明の不揮発性半導体記憶装置及びその製造方法は、コンタクトレス方式の不揮発性半導体記憶装置の共用コンタクト領域において半導体基板の露出を防ぎ、且つ、半導体基板へのダメージを防止できるので、不揮発性半導体記憶装置の拡散ビット線のリーク電流を低減させることができ、不揮発性半導体記憶装置製造の歩留まりを向上することができるものであり、特に、不揮発性半導体記憶装置及びその製造方法等に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0105】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置の構造を示す概略平面図である。
【図2】(a)は本発明の第1の実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置の構造を示す要部の断面図であり、図1のY−Y線における要部の断面図であり、(b)は本発明の第1の実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置の要部の断面図であり、図1のX5−X5線における要部の断面図である。
【図3】(a)〜(d)は本発明の第1の実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置の製造方法を示す要部の工程断面図であり、(a)及び(c)は図1のY−Y線における要部の工程断面図であり、(b)及び(d)は図1のX5−X5線における要部の工程断面図である。
【図4】(a)〜(d)は本発明の第1の実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置の製造方法を示す要部の工程断面図であり、(a)及び(c)は図1のY−Y線における要部の工程断面図であり、(b)及び(d)は図1のX5−X5線における要部の工程断面図である。
【図5】本発明の第2の実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置の構造を示す要部の断面図である。
【図6】本発明の第2の実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置の製造方法を示す要部の工程断面図である。
【図7】本発明の第2の実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置の製造方法を示す要部の工程断面図である。
【図8】本発明の第3の実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置の構造を示す要部の断面図である。
【図9】本発明の第3の実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置の構造の説明における比較例の要部の断面図である。
【図10】第1の従来例に係る不揮発性半導体記憶装置の構造を示す概略平面図である。
【図11】(a)は第1の従来例に係る不揮発性半導体記憶装置の構造を示す要部の断面図であって、図10のX−X線における断面図であり、(b)は従来の不揮発性半導体記憶装置の構造を示す要部の断面図であって、図10のY−Y線における断面図である。
【図12】第2の従来例に係る不揮発性半導体記憶装置の構造を示す概略平面図である。
【図13】(a)〜(c)は第2の従来例に係る不揮発性半導体記憶装置の構造を示す要部の断面図であって、(a)は図12のY−Y線における要部の断面図であり、(b)は図12のX1−X1線における要部の断面図であり、(c)は図12のX2−X2線における要部の断面図である。
【図14】(a)及び(b)は第2の従来例に係る不揮発性半導体記憶装置の構造の変形例を示す要部の断面図であって、(a)は図12のY−Y線における要部の断面図である、(b)は図12のX1−X1線における要部の断面図である。
【図15】(a)及び(b)は第2の従来例に係る不揮発性半導体記憶装置の構造の変形例を示す要部の断面図であり、図12のY−Y線における要部の断面図である。
【図16】(a)〜(c)は第2の従来例に係る不揮発性半導体記憶装置の製造方法においてサリサイド技術を適用した場合における要部の工程断面図である。
【図17】(a)及び(b)は第2の従来例にサリサイド技術を適用した場合に生じる課題を説明するための要部の断面図である。
【図18】(a)〜(c)は第2の従来例にサリサイド技術を適用した場合に生じる課題を説明するための要部拡大断面図である。
【図19】(a)〜(c)は第2の従来例にサリサイド技術を適用した場合に生じる課題を説明するための要部拡大断面図である。
【図20】(a)〜(c)は第2の従来例における素子分離に関する課題を説明するための要部の断面図である。
【図21】(a)〜(c)は第2の従来例における素子分離に関する課題を説明するための要部の断面図である。
【符号の説明】
【0106】
1 p型基板
2 埋め込み拡散ビット線
3 埋め込み酸化膜
4 トラップ構造
5 ワード線
6 層間絶縁膜
7 コンタクト
8 注入拡散層
9 素子分離
10 カバレッジの良い絶縁膜
10a 側壁絶縁膜
11 イオン注入
12 シリサイド層
13 チャネルストッパー層
14 ダミーワード線
15 イオン注入
16 第1の注入拡散層
17 第2の注入拡散層
18 第1のイオン注入
19 第2のイオン注入
17 ダミーワード線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体基板中に、第1の方向に延在するように形成された埋め込み拡散層よりなる複数のビット線と、
前記ビット線上に形成された埋め込み絶縁膜と、
前記半導体基板上に、前記第1の方向と直交する第2の方向に延在するように形成された複数のワード線と、
前記ワード線が前記ビット線間の領域と交差する領域に形成された電荷保持膜と、
互いに隣り合う前記ビット線がソース領域及びドレイン領域として機能し、前記電荷保持膜がゲート絶縁膜として機能し、前記ワード線がゲート電極として機能する複数のメモリセルと、
外部と電気的に接続されたコンタクトを上面に有する複数の拡散層と、
前記複数のビット線は、複数のブロックに区分されるように、各々分断されており、隣り合う前記ブロックにおける対応し合う前記ビット線同士は、前記ビット線同士に対応するように設けられた前記拡散層を介して電気的に接続されており、
コンタクト領域となる前記拡散層の近傍領域に形成されている互いに隣り合う前記ビット線間に形成され、隣り合う前記ビット線間を電気的に分離する素子分離領域とを備えた不揮発性半導体記憶装置であって、
前記コンタクト領域において、前記第2の方向に延在すると共に、前記ビット線上及び前記素子分離領域上を跨るように形成され、側面に側壁絶縁膜を有するダミーワード線をさらに備え、
前記側壁絶縁膜は、前記素子分離領域と、前記埋め込み絶縁膜と、前記ビット線との境界領域上を覆っていることを特徴とする不揮発性半導体記憶装置。
【請求項2】
前記拡散層は、前記隣り合うブロックにおける対応し合う前記ビット線に直接接続する第1の拡散層と、前記第1の拡散層及び前記コンタクトと直接接続する第2の拡散層とから構成されていることを特徴とする請求項1に記載の不揮発性半導体記憶装置。
【請求項3】
前記ブロックの一端側に存在する第1の前記コンタクト領域と前記ブロックの他端側に存在する第2の前記コンタクト領域とにおいて、
前記複数のビット線は1本置きに間引かれていると共に、前記第1のコンタクト領域と前記第2のコンタクト領域とで互い違いに間引かれていることを特徴とする請求項1又は2に記載の不揮発性半導体記憶装置。
【請求項4】
前記ダミーワード線は電気的にフローティングであることを特徴とする請求項1〜3のうちのいずれか1項に記載の不揮発性半導体記憶装置。
【請求項5】
前記ダミーワード線はダメージ保護素子と接続されていることを特徴とする請求項1〜3のうちのいずれか1項に記載の不揮発性半導体記憶装置。
【請求項6】
前記ダメージ保護素子はダイオード構造又は酸化膜構造であることを特徴とする請求項5に記載の不揮発性半導体記憶装置。
【請求項7】
半導体基板中に、第1の方向に延在するように形成された埋め込み拡散層よりなる複数のビット線と、前記ビット線上に形成された埋め込み絶縁膜と、前記半導体基板の上に、前記第1の方向と直交する第2の方向に延在するように形成された複数のワード線と、前記ワード線が前記ビット線間の領域と交差する領域に形成された電荷保持膜と、互いに隣り合う前記ビット線がソース領域及びドレイン領域として機能し、前記電荷保持膜がゲート絶縁膜として機能し、前記ワード線がゲート電極として機能する複数のメモリセルと、外部と電気的に接続されたコンタクトを上面に有する複数の拡散層と、前記複数のビット線は、複数のブロックに区分されるように、各々分断されており、隣り合う前記ブロックにおける対応し合う前記ビット線同士は、前記ビット線同士に対応するように設けられた前記拡散層を介して電気的に接続されており、コンタクト領域となる前記拡散層の近傍領域に形成されている互いに隣り合う前記ビット線間に形成され、隣り合う前記ビット線間を電気的に分離する素子分離領域とを備えた不揮発性半導体記憶装置の製造方法であって、
前記コンタクト領域において、前記第2の方向に延在すると共に、前記ビット線上及び前記素子分離領域上を跨るように、ダミーワード線を形成する工程と、
前記ダミーワード線の側面に側壁絶縁膜を形成する工程とを含み、
前記側壁絶縁膜は、前記素子分離領域と、前記埋め込み絶縁膜と、前記ビット線との境界領域上を覆うように形成されることを特徴とする不揮発性半導体記憶装置の製造方法。
【請求項8】
前記拡散層を形成する工程は、前記隣り合うブロックにおける対応し合う前記ビット線に直接接続する第1の拡散層を形成する工程と、前記第1の拡散層及び前記コンタクトと直接接続する第2の拡散層を形成する工程とを含むことを特徴とする請求項7に記載の不揮発性半導体記憶装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2006−196688(P2006−196688A)
【公開日】平成18年7月27日(2006.7.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−6657(P2005−6657)
【出願日】平成17年1月13日(2005.1.13)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】