説明

充電案内装置、充電案内方法

【課題】目的地の設定操作に関わらずに次回の走行に必要な電力量を推定して充電を案内することにより、車両の走行開始時に十分な電力量を確保させることができる充電案内装置、充電案内方法を提供する。
【解決手段】車両の現在位置を取得する自車位置演算部25と、車両の走行に伴って消費される消費電力量の記録開始指令情報及び記録終了指令情報を入力するボタン41と、記録開始指令情報が入力されてから記録終了指令情報が入力されるまでの消費電力量を基準地点と対応付けて履歴データ記憶部32に記憶させる走行履歴取得部29と、現在位置に基づいて車両が基準地点に到達したか否か判断し、車両が基準地点に到達した際の残電力量を取得するとともに、基準地点に対応付けて記憶されている消費電力量が残電力量よりも多い場合にバッテリ14の充電の必要性をディスプレイ38に報知させる制御部33とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば蓄電池に蓄電された電力を得て走行する電気自動車に搭載され、蓄電池の充電を案内する充電案内装置、充電案内方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、内燃機関のみを駆動源とする自動車の他に、電気モータを駆動源として備えた電気自動車が知られている。この電気自動車は、商用電源から供給された電力を蓄電池に蓄電すると共に、蓄電した電力を電気モータに供給して走行するようになっている。
【0003】
そして、こうした電気自動車において、例えば特許文献1に記載されるように、蓄電池に蓄電された電力量に基づいて充電の必要性を報知するナビゲーションシステム(充電案内装置)を搭載したものが知られている。
【0004】
すなわち、このナビゲーションシステムは、ユーザによって目的地が設定されると、まず現在位置から目的地まで走行するのに必要な電力量を推定する。そして、必要な電力量よりも蓄電池に蓄電されている電力量の方が少ないと判断した場合に、ユーザに対して充電を促していた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−294463号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、一般に目的地の設定は、実際に目的地へ向かう際に行われるものである。そのため、目的地の設定時に充電を促されたとしても、その時点から十分な充電時間を確保するのは困難であった。その一方、目的地を設定せずに走行する場合には、充電の案内を行うことができなかった。
【0007】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、目的地の設定操作に関わらずに次回の走行に必要な電力量を推定して充電を案内することにより、車両の走行開始時に十分な電力量を確保させることができる充電案内装置、充電案内方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明に係る充電案内装置は、蓄電池に蓄電された電力によって回転するモータを駆動源に利用して走行可能な車両に搭載され、前記蓄電池の充電を案内する充電案内装置であって、前記車両の現在位置を取得する現在位置取得手段と、前記車両の走行に伴って消費される消費電力量の記録開始指令情報及び記録終了指令情報を入力する入力手段と、前記記録開始指令情報が入力された際の前記現在位置を基準地点として取得するとともに、前記記録開始指令情報が入力されてから前記記録終了指令情報が入力されるまでの前記消費電力量を取得し、該消費電力量を前記基準地点と対応付けて記憶部に記憶させる記憶制御手段と、前記車両が前記基準地点に到達したか否かを前記現在位置に基づいて判断する判断手段と、前記車両が前記基準地点に到達した際に前記蓄電池に蓄電されている電力量を残電力量として取得し、前記基準地点に対応付けて前記記憶部に記憶されている前記消費電力量が前記残電力量よりも多い場合に前記蓄電池の充電の必要性を報知部に報知させる報知制御手段とを備えることを要旨とする。
【0009】
上記構成によれば、入力手段によって記録開始指令情報が入力された際の位置を基準地点として記憶するとともに、車両が基準地点に到達した際に、該基準地点と対応付けて記憶されている消費電力量に基づいて充電の案内をすることができる。すなわち、例えば、今後も到達すると予想される地点(自宅や会社など)を基準地点として記憶させることにより、再び基準地点に到達した際には、過去に同じ基準地点を出発して消費した消費電力量と残電力量とを比較して充電の必要性を報知させる。そのため、報知の信頼性を向上させつつ、目的地の設定操作に関わらずに次回の走行に必要な電力量を推定して充電を案内することにより、車両の走行開始時に十分な充電量を確保させることができる。
【0010】
また、本発明に係る充電案内装置において、前記記憶制御手段は、前記記録開始指令情報が入力されてから前記記録終了指令情報が入力されるまでに前記車両が走行した経路を前記基準地点と前記消費電力量に対応付けて前記記憶部に記憶させるとともに、前記車両が前記経路に一致する経路を走行した場合に、該経路の走行に伴って消費した電力量により前記経路と対応付けて前記記憶部に記憶されている前記消費電力量を補正することを要旨とする。
【0011】
一般に、同じ経路を走行する場合であっても、道路の混雑状況、走行する時間帯や天候に伴うライトやワイパの使用の有無によって消費する電力量は変化する。この点、上記構成によれば、複数回の走行において各々消費した電力量に基づいて消費電力量を設定することにより、母数を大きくして消費電力量の信頼性を向上させることができる。
【0012】
また、本発明に係る充電案内装置において、前記報知制御手段は、1つの前記基準地点に対応して複数の前記経路が記憶されている場合には、前記車両が前記基準地点に到達した際に各々の経路ごとに前記蓄電池の充電の必要性を報知部に報知させることを要旨とする。
【0013】
上記構成によれば、1つの基準地点に到達した際に、該基準地点と対応付けて記憶された各々の経路ごとに充電の必要性を報知するため、ユーザの選択肢を広げることができる。すなわち、ユーザは、蓄電池を充電する、もしくは充電をせずに次回走行するといった選択をすることもできる。
【0014】
また、本発明に係る充電案内装置において、前記記憶制御手段は、前記基準地点と前記消費電力量に対し、さらに曜日情報を対応付けて、前記記憶部に記憶させ、前記報知制御手段は、前記車両が前記基準地点に到達した際に、該基準地点と対応付けて記憶されている前記曜日情報に基づいて、前記蓄電池の充電の必要性を報知部に報知させることを要旨とする。
【0015】
上記構成によれば、曜日情報を基準地点と対応付けて記憶することにより、報知部による報知の信頼性を向上させることができる。すなわち、例えば、ユーザが通勤に車両を使用する場合には、出勤日(平日)に車両を走行させるのに対し、休日には車両を走行させない。したがって、曜日情報に基づいて充電の必要性を報知部に報知させることにより、曜日によって車両の使用形態が変化するユーザに対する報知の信頼性を向上させることができる。
【0016】
上記目的を達するために、本発明に係る充電案内装置は、蓄電池に蓄電された電力によって回転するモータ及び燃料タンクに貯留された燃料を燃焼させて動力を発生させる内燃機関を備えると共に、それらの少なくとも一つを駆動源に利用して走行可能な車両に搭載される充電案内装置であって、前記車両の現在位置を取得する現在位置取得手段と、前記車両の走行に伴って消費される消費電力量の記録開始指令情報及び記録終了指令情報を入力する入力手段と、前記記録開始指令情報が入力された際の前記現在位置を基準地点として取得するとともに、前記記録開始指令情報が入力されてから前記記録終了指令情報が入力されるまでの前記消費電力量を取得し、該消費電力量を前記基準地点と対応付けて記憶部に記憶させる記憶制御手段と、前記車両が前記基準地点に到達したか否かを前記現在位置に基づいて判断する判断手段と、前記車両が前記基準地点に到達した際に前記蓄電池に蓄電されている電力量を残電力量として取得し、前記基準地点に対応付けて前記記憶部に記憶されている前記消費電力量が前記残電力量よりも多い場合に、前記蓄電池の充電の必要性を前記燃料が消費される可能性と共に報知部に報知させる報知制御手段とを備えることを要旨とする。
【0017】
上記構成によれば、入力手段によって記録開始指令情報が入力された際の位置を基準地点として記憶するとともに、車両が基準地点に到達した際に、該基準地点と対応付けて記憶されている消費電力量に基づいて充電の案内をすることができる。さらに、充電の必要性と共に燃料が消費される可能性を報知することにより、使用者の充電意識を高めることができる。具体的には、例えば、今後も到達すると予想される地点(自宅や会社など)を基準地点として記憶させることにより、再び基準地点に到達した際には、過去に同じ基準地点を出発して消費した消費電力量と残電力量とを比較して充電の必要性と燃料が消費される可能性を報知させる。これにより、報知の信頼性を向上させつつ、目的地の設定操作に関わらずに次回の走行に必要な電力量を推定して充電を案内することにより、車両の走行開始時に十分な充電量を確保させることができる。
【0018】
また、本発明に係る充電案内装置は、前記残電力量と前記消費電力量との差に基づいて、充電を行うことにより節約できる燃料の量を節約燃料量として取得する節約燃料量取得手段をさらに備え、前記報知制御手段は、前記車両が前記基準地点に到達した際に、前記基準地点に対応付けて前記記憶部に記憶されている前記消費電力量が前記残電力量よりも多い場合に、前記節約燃料量取得手段が取得した前記節約燃料量を前記報知部に報知させることを要旨とする。
【0019】
上記構成によれば、報知部は、充電の必要性を報知すると共に、充電を行うことにより節約できる節約燃料量を報知することができる。したがって、使用者の充電意識をより向上させることができる。
【0020】
また、本発明に係る充電案内装置は、前記燃料タンクに前記燃料が補給された補給時期を記憶する記憶部と、該記憶部に記憶された前記補給時期に基づいて前記燃料が補給されてから予め記憶された保有期間が経過しているか否かを判断する期間判断手段とをさらに備え、前記報知制御手段は、前記期間判断手段が前記保有期間が経過していると判断した場合に前記報知部に前記燃料の使用の必要性を報知させることを要旨とする。
【0021】
燃料タンクに補給された燃料は、時間の経過に伴って劣化する。その点、上記構成によれば、燃料が補給された補給時期から保有期間が経過した場合には、報知部が燃料の使用の必要性を報知するため、劣化度合の低い状態で燃料の使用を促すことができる。
【0022】
一方、本発明に係る充電案内方法は、蓄電池に蓄電された電力によって回転するモータを駆動源に利用して走行可能な車両における前記蓄電池の充電を案内する充電案内方法であって、前記車両の現在位置を取得する現在位置取得段階と、前記車両の走行に伴って消費される消費電力量の記録開始指令情報が入力された際の前記現在位置を基準地点として記憶する基準地点記憶段階と、前記記録開始指令情報が入力されてから記録終了指令情報が入力されるまでの前記消費電力量を前記基準地点と対応付けて記憶する消費電力量記憶段階と、前記車両が前記基準地点に到達した際に前記蓄電池に蓄電されている電力量を残電力量として取得する残電力量取得段階と、前記残電力量よりも前記基準地点に対応付けて記憶されている前記消費電力量が多い場合に前記蓄電池の充電の必要性を報知部に報知させる報知制御段階とを備える。
【0023】
この構成によれば、上記充電案内装置に係る発明と同様の作用効果を奏し得る。
また、本発明に係る充電案内方法は、蓄電池に蓄電された電力によって回転するモータ及び燃料タンクに貯留された燃料を燃焼させて動力を発生させる内燃機関を備えると共に、それらの少なくとも一つを駆動源に利用して走行可能な車両において前記蓄電池の充電を案内する充電案内方法であって、前記車両の現在位置を取得する現在位置取得段階と、前記車両の走行に伴って消費される消費電力量の記録開始指令情報が入力された際の前記現在位置を基準地点として記憶する基準地点記憶段階と、前記記録開始指令情報が入力されてから記録終了指令情報が入力されるまでの前記消費電力量を前記基準地点と対応付けて記憶する消費電力量記憶段階と、前記車両が前記基準地点に到達した際に前記蓄電池に蓄電されている電力量を残電力量として取得する残電力量取得段階と、前記残電力量よりも前記基準地点に対応付けて記憶されている前記消費電力量が多い場合に前記蓄電池の充電の必要性を前記燃料が消費される可能性と共に報知部に報知させる報知制御段階とを備えることを要旨とする。
【0024】
この構成によれば、上記充電案内装置に係る発明と同様の作用効果を奏し得る。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】第1の実施形態の駆動システムとナビゲーションシステムとを示すブロック図。
【図2】制御部が実行する充電案内ルーチンを示すフローチャート。
【図3】同じく記憶制御ルーチンを示すフローチャート。
【図4】同じく報知制御ルーチンを示すフローチャート。
【図5】履歴データのデータ構成の説明図。
【図6】充電を案内するディスプレイの画面図。
【図7】第2の実施形態の駆動システムとナビゲーションシステムとを示すブロック図。
【図8】制御部が実行する充電案内ルーチンの一部を示すフローチャート。
【図9】同じく充電案内ルーチンの一部を示すフローチャート。
【図10】同じく記憶制御ルーチンの一部を示すフローチャート。
【図11】同じく記憶制御ルーチンの一部を示すフローチャート。
【図12】同じく報知制御ルーチンの一部を示すフローチャート。
【図13】同じく報知制御ルーチンの一部を示すフローチャート。
【図14】同じく報知制御ルーチンの一部を示すフローチャート。
【図15】消費燃料量データのデータ構成の説明図。
【図16】充電と節約燃料量を案内するディスプレイの画面図。
【発明を実施するための形態】
【0026】
(第1の実施形態)
以下、本発明を具体化した第1の実施形態を図1〜図6に従って説明する。図1は、モータを駆動源として走行可能な電気自動車の駆動システム11と、電気自動車の車両に搭載された充電案内装置としてのナビゲーションシステム12を示すブロック図である。
【0027】
図1に示すように、駆動システム11は、電池モジュールを有する蓄電池としてのバッテリ14と、外部からバッテリ14に充電を行うための充電コネクタ15とを備えている。そして、このバッテリ14は、充電コネクタ15と一般家庭用のコンセントや充電スタンドとをケーブルなどの充電機器を介して接続することにより、商用電源などの外部電源から充電が可能になっている。
【0028】
また、バッテリ14には、インバータ16がシステムメインリレー17を介して高電圧大電流用の電線等により接続されている。さらに、インバータ16には、モータ18が高電圧大電流用の電線等により接続されている。そのため、バッテリ14から出力された直流電流は、インバータ16によって交流電流に変換された後、モータ18に供給される。さらに、システムメインリレー17は、コントロールユニット19の制御により、高電圧回路の接続と遮断とを切り替える。
【0029】
すなわち、コントロールユニット19は、アクセルポジションセンサ20から出力されたアクセル開度、及びシフトポジションセンサ21から出力されたシフトポジションや各種センサ(図示略)からの検出信号に基づき、モータトルク等を求める。そして、コントロールユニット19は、求めたモータトルク等に応じてインバータ16等に要求値を出力して駆動システム11の駆動力を制御する。
【0030】
また、駆動システム11に備えられたバッテリコンピュータ22は、図示しない電流センサから取得した電流値に基づき、バッテリ14の充放電電流を積算してバッテリ14に蓄電された電力量を示すSOC(State of Charge;充電状態)値を算出する。そして、バッテリコンピュータ22は、算出したSOC値をコントロールユニット19に出力する。
【0031】
また、コントロールユニット19は、ナビゲーションシステム12のナビコントロールユニット24にCAN(Controller Area Network)通信等により接続されているとともに、バッテリコンピュータ22から取得したSOC値をナビコントロールユニット24に出力する。なお、本実施形態のナビゲーションシステム12は、取得したSOC値に基づいてバッテリ14の充電を案内するとともに、目的地が設定された場合には、現在位置から目的地までの経路を案内するようになっている。
【0032】
具体的には、ナビコントロールユニット24は、自車位置演算部25、GPS受信部26、経路探索部27、バッテリ管理部28、走行履歴取得部29、地図描画部30、地理データ記憶部31、履歴データ記憶部32、制御部33を有している。
【0033】
まず、自車位置演算部25は、GPS(Global Positioning System)衛星からGPS受信部26が受信した、緯度・経度等の座標を示す位置検出信号を入力して、電波航法により車両の絶対位置を算出する。また、自車位置演算部25は、自車に設けられた車速センサ35及びジャイロ36から車速パルス、角速度をそれぞれ取得する。そして、自車位置演算部25は、車速パルス及び角速度を用いる自律航法により、基準位置からの相対位置を算出し、電波航法で算出した絶対位置と組み合わせて車両の現在位置を特定する。この点で、自車位置演算部25は、車両の現在位置を取得する現在位置取得手段として機能する。
【0034】
また、地理データ記憶部31は、内蔵ハードディスク、又は光ディスク等の外部記憶媒体である。この地理データ記憶部31には、目的地までの経路を探索するための探索データ37と、報知部としてのディスプレイ38に地図画面を出力するための地図描画データ39とが格納されている。
【0035】
なお、探索データ37は、全国を区画したメッシュ内の道路に関するデータであって、各メッシュの識別子であるメッシュIDと、交差点、インターチェンジ、道路の端点等を示す要素であるノードのノードデータと、各ノードを接続する要素であるリンクLのリンクデータとを有している。
【0036】
また、地図描画データ39は、全国の地図を分割したメッシュ毎に格納され、広域の地図から狭域の地図まで階層毎に分かれている。そして、地図描画データ39は、メッシュID、背景データ、道路データ等を有している。なお、背景データは、道路、市街地、河川等を描画する描画データである。また、道路データは、道路の形状を表すデータであって、ノード座標、形状補間点の座標、幅員、勾配、路面状態等が記憶されている。
【0037】
そして、経路探索部27は、入力手段としてのボタン41の操作に基づいて設定された目的地を取得してメモリ(図示略)に一時記憶するとともに、目的地までの経路を探索する。そして、地図描画部30は、車両の現在位置周辺に相当する地図描画データ39を読み出してディスプレイ38に出力することにより、ディスプレイ38に現在位置を示すアイコンと目的地までの経路を地図画面と共に表示させる。
【0038】
また、バッテリ管理部28は、コントロールユニット19からSOC値を取得し、メモリ(図示略)に一時記憶する。
さらに、走行履歴取得部29は、ボタン41の操作に基づいて記録開始指令情報が入力されると、車両が位置するリンクLを地理データ記憶部31から取得するとともに、その取得したリンクLのリンクデータを一時記憶する。そして、その後に記録終了指令情報が入力されると、記録開始指令情報が入力されてから記録終了指令情報が入力されるまでに車両が走行した複数のリンクL(すなわち、その時点で一時記憶しているリンクL)のリンクデータを経路データRDとして履歴データ記憶部32に記憶させる。
【0039】
なお、このとき走行履歴取得部29は、経路データRDに、記録開始指令情報が入力された地点である基準地点B、記録開始指令情報が入力された日の曜日情報、リンクLの走行に伴って消費した消費電力量Cを対応付け、履歴データ40として履歴データ記憶部32に記憶させる。この点で、履歴データ記憶部32は、各種のデータを記憶する記憶部として機能するとともに、走行履歴取得部29は、基準地点Bに消費電力量C、経路データRD、及び曜日情報を対応付けて履歴データ記憶部32(記憶部)に記憶させる記憶制御手段として機能する。
【0040】
そして、制御部33は、自車位置演算部25が特定した現在位置、バッテリ管理部28に記憶されたSOC値、履歴データ記憶部32に記憶された履歴データ40に基づいて車両が基準地点に到達したことを判断するとともに、地図描画部30を制御する。すなわち、制御部33は、車両が基準地点に到達した際に、履歴データ40として記憶された消費電力量Cとバッテリ14に蓄電された残電力量とを比較する。そして、消費電力量Cが残電力量よりも多い場合には、バッテリ14の充電の必要性をディスプレイ38に表示して充電を案内する。この点で、制御部33は、車両が基準地点Bに到達したか否かを現在位置に基づいて判断する判断手段、及び消費電力量Cが残電力量よりも多い場合に充電の必要性を報知させる報知制御手段として機能する。
【0041】
次に、図2〜図4に示す充電案内ルーチンのフローチャートに基づいて、履歴データ40の取得及びその記憶制御とバッテリ14の充電の必要性の報知制御を行うために制御部33が実行する処理内容を説明する。なお、この充電案内ルーチンは、車両の図示しないイグニッションスイッチが「ON」されると実行開始される。さらに、位置フラグは、イグニッションスイッチの「ON」、「OFF」に関わらずに維持され、初期状態では、位置フラグが0に設定されているものとする。
【0042】
さて、まず図2に示すように、制御部33は、ステップS101において、自車位置演算部25が特定した車両の現在位置を取得する(現在位置取得段階)。
そして、制御部33は、次のステップS102において、ユーザによってボタン41が操作され、車両の走行に伴って消費される電力量の記録開始指令情報が入力されたか否かを判断する。
【0043】
記憶記録開始指令情報が入力された場合には(ステップS102:YES)、制御部33は、ステップS103において、記憶制御ルーチン(図3参照)を実行して履歴データ40を記憶させた後に、ステップS101に移行する。
【0044】
一方、記録開始指令情報が未入力の場合には(ステップS102:NO)、ステップS104において、制御部33は、ステップS101において取得した現在位置に基づいて車両が基準地点Bに位置しているか否かを判断する。ただし、本実施形態では、車両が基準地点Bを中心とする所定の範囲内(例えば、半径100m以内)に位置している場合には、車両は基準地点Bに位置しているとみなすものとする。
【0045】
そして、車両が基準地点Bに位置している場合には(ステップS104:YES)、制御部33は、ステップS105において、位置フラグが「1」であるか否かを判断する。なお、位置フラグとは、車両が基準地点Bから離れた場合(基準地点Bを中心とする所定の範囲外に位置する場合)に「1」に設定されるフラグである。そのため、車両が基準地点Bに留まっている間は「0」に維持されている。したがって、ステップS105では、制御部33は、車両が基準地点Bから一旦離れた後に基準地点Bに到達したのか、それとも基準地点Bに留まっているのかを判断する。
【0046】
すなわち、位置フラグが「0」である場合には(ステップS105:NO)、制御部33は、車両が基準地点Bに留まっていると判断し、ステップS101へ移行する。一方、位置フラグが「1」である場合には(ステップS105:YES)、車両が基準地点Bから一旦離れた後に基準地点Bに到達したと判断する。そして、制御部33は、次のステップS106において、位置フラグを「0」に変更し、さらに、ステップS107において報知制御ルーチン(図4参照)を実行した後に、本充電案内ルーチンの処理を終了する。
【0047】
また、ステップS104において、制御部33は、車両が基準地点Bに位置していないと判断した場合には(ステップS104:NO)、ステップS108において位置フラグが「0」であるか否かを判断する。そして、位置フラグが「1」である場合には(ステップS108:NO)、制御部33は、その処理をステップS113に移行する。その一方、位置フラグが「0」である場合には(ステップS108:YES)、ステップS109において、制御部33は、走行履歴取得部29に一時記憶されたリンクLのリンクデータをクリアする。
【0048】
さらに、制御部33は、バッテリ管理部28が取得したSOC値に基づいてバッテリ14に蓄電されている電力量を初期電力量として取得し(ステップS110)、図示しないタイマから基準地点Bを離れた日の曜日情報を取得する(ステップS111)。さらに、制御部33は、位置フラグを「1」に設定し(ステップS112)、走行履歴取得部29に現在位置に対応するリンクLを地理データ記憶部31から取得させるとともに、取得したリンクLのリンクデータを順に一時記憶させる(ステップS113)。
【0049】
そして、次のステップS114において、制御部33は、走行履歴取得部29に一時記憶された複数のリンクLのリンクデータが、履歴データ記憶部32に履歴データ40として記憶されている複数のリンクデータからなる経路データRDと一致するか否かを判断する。すなわち、今回走行した経路と履歴データ記憶部32に記憶されている経路が一致するか否かを判断する。そして、経路データRDと一致しない場合には(ステップS114:NO)、制御部33は、その処理をステップS101へ移行する。
【0050】
一方、経路データRDと一致する場合には(ステップS114:YES)、ステップS115において、制御部33は、バッテリ管理部28が取得したSOC値に基づいてバッテリ14に残存する電力量を残電力量として取得する。そして、ステップS116において、制御部33は、ステップS110において取得した初期電力量と、ステップS115において取得した残電力量との差から消費電力量Cを算出する。
【0051】
そして、次のステップS117において、制御部33は、地図描画部30を制御して履歴データ40が更新可能であることをディスプレイ38に表示し、更新の実行指令があるか否かを判定する。そして、ユーザからのボタン41の操作に基づく更新の実行指令情報が入力されない場合には(ステップS117:NO)、制御部33は、その処理をステップS101に移行する。その一方、ユーザによってボタン41が操作されて消費電力量の更新の実行指令情報が入力されると(ステップS117:YES)、制御部33は、履歴データ40のうち、基準地点B及び経路データRDが一致する履歴データ40を更新する(ステップS118)。
【0052】
すなわち、制御部33は、ステップS111において取得した曜日情報に基づいて、経路データRDを走行した曜日を履歴データ40に追加する。さらに、制御部33は、履歴データ記憶部32に記憶された消費電力量CとステップS116において算出した消費電力量とを平均した値を新たに消費電力量Cとして上書きする。そして、履歴データ40を更新すると、制御部33は、その処理をステップS101に移行する。
【0053】
次に、ステップS103の記憶制御ルーチンについて、図3に示すフローチャートに基づいて説明する。
図3に示すように、まず制御部33は、ステップS201において位置フラグが「0」であるか否かを判断する。そして、位置フラグが「0」である場合には(ステップS201:YES)、ステップS202において、制御部33は、履歴データ40として履歴データ記憶部32に記憶された基準地点Bのうち、車両が位置する基準地点Bを取得する。
【0054】
また、ステップS201において、位置フラグが「1」である場合には(ステップS201:NO)、ステップS203において、制御部33は、車両が基準地点Bを中心とする所定範囲外の位置で記録開始指令情報が入力されたものと判断し、車両の現在位置を基準地点Bとして設定する(基準地点記憶段階)。
【0055】
次のステップS204において、制御部33は、走行履歴取得部29に一時記憶されたリンクLのリンクデータをクリアする。さらに、制御部33は、バッテリ管理部28が取得したSOC値に基づいてバッテリ14に蓄電されている電力量を初期電力量として取得するとともに(ステップS205)、図示しないタイマから記録開始指令情報が入力された日の曜日情報を取得する(ステップS206)。
【0056】
そして、ステップS207において、制御部33は、記録終了指令情報の入力の有無を判断する。すなわち、記録終了指令情報が入力されるまでの間(ステップS207:NO)、制御部33は、ステップS208を繰り返し実行して地理データ記憶部31から車両の現在位置に対応するリンクLを走行履歴取得部29に取得させるとともに、取得したリンクLのリンクデータを一時記憶させる。
【0057】
そして、記録終了指令情報が入力されると(ステップS207:YES)、ステップS209において、制御部33は、バッテリ管理部28が取得したSOC値に基づいてバッテリ14に残存する電力量を残電力量として取得する。そして、制御部33は、ステップS205において取得した初期電力量と、ステップS209において取得した残電力量との差から消費電力量を算出する(ステップS210)。
【0058】
そして、制御部33は、次のステップS211において、ステップS202もしくはステップS203にて取得した基準地点Bが履歴データ40として記憶済みであるか否かを判断する。そして、基準地点Bが記憶済みである場合には(ステップS211:YES)、基準地点Bと対応して履歴データ記憶部32に記憶された経路データRDと走行履歴取得部29に一時記憶された複数のリンクLのリンクデータとが一致するか否かを判断する(ステップS212)。
【0059】
走行履歴取得部29に一時記憶された複数のリンクLのリンクデータと経路データRDとが一致する場合には(ステップS212:YES)、ステップS213において、制御部33は、ステップS206において取得した曜日情報に基づいて経路データRDが対応する経路を走行した曜日を履歴データ40に追加する。さらに、履歴データ記憶部32に記憶された消費電力量CとステップS210において算出した消費電力量Cとを平均した値を新たに消費電力量Cとして上書きして履歴データ40を更新する。
【0060】
一方、基準地点Bを記憶済みでない場合(ステップS211:NO)、もしくは複数のリンクLのリンクデータと経路データRDとが不一致である場合には(ステップS212:NO)、ステップS214において、制御部33は、履歴データ40を作成する。すなわち、ステップS202もしくはステップS203において取得した基準地点B、さらにステップS206,S208,S210においてそれぞれ取得した曜日情報、複数のリンクLのリンクデータ、消費電力量Cを対応付けた履歴データ40を、新たに履歴データ記憶部32に追加する(消費電力量記憶段階)。このとき、複数のリンクLのリンクデータは経路データRDとして追加される。そして、制御部33は、本記憶制御ルーチンを終了する。
【0061】
次に、ステップS107の報知制御ルーチンについて、図4に示すフローチャートに基づいて説明する。
図4に示すように、まず制御部33は、ステップS301において、履歴データ記憶部32に記憶された履歴データ40のうち、車両が現在位置する基準地点Bに対応した履歴データ40を取得する。さらに、制御部33は、ステップS302において、バッテリ管理部28が取得したSOC値に基づいてバッテリ14に残存する電力量を残電力量として取得する(残電力量取得段階)。
【0062】
そして、制御部33は、車両が現在位置する1つの基準地点Bに対応して記憶されている経路データRDの数Nが複数であるか否かを判断する。そして、経路データRDの数Nが1である場合には(ステップS303:NO)、ステップS304において、制御部33は、消費電力量Cが残電力量以上であるか否かを判断する。すなわち、基準地点Bに対応して記憶された消費電力量CがステップS302において取得した残電力量以上である場合には(ステップS304:YES)、ステップS305において、制御部33は、地図描画部30を制御して充電が必要であることを報知させ(報知制御段階)、本報知制御ルーチンを終了する。また、消費電力量が残電力量未満である場合には(ステップS304:NO)、制御部33は、充電の必要性の報知は行わせずに本報知制御ルーチンを終了する。
【0063】
一方、ステップS303において、経路データRDの数Nが2以上であると判断した場合には(ステップS303:YES)、S306において、制御部33は、第N消費電力量がステップS302において取得した残電力量以上であるか否かを判断する。
【0064】
すなわち、例えば、経路データRDが2つある場合には、N=2となる。そして、制御部33は、第2消費電力量が残電力量以上である場合には(ステップS306:YES)、地図描画部30を制御して充電が必要であることを報知させるとともに(ステップS307)、ディスプレイ38に第2消費電力量に対応する経路データRDのリンクLを表示する(ステップS308)。
【0065】
一方、第2消費電力量が残電力量未満である場合には(ステップS306:NO)、制御部33は、その処理をステップS308へ移行し、充電の必要性の報知は行わせずにリンクLを表示する。
【0066】
そして、ステップS309において、Nを1つ減少させるとともに、ステップS310において、N=0になったか否かを判断する。すなわち、経路データRDの数Nが2だった場合には、まずステップS309において、N=1とされる。そして、N=0ではないため(ステップS310:NO)、制御部33は、その処理をステップS306へ移行し、第1消費電力量とステップS302において取得した残電量とを比較する。
【0067】
第1消費電力量が残電力量以上である場合には(ステップS306:YES)、ステップS307において、制御部33は、地図描画部30を制御して充電が必要であることを報知させる。さらに、制御部33は、第1消費電力量に対応する経路データRDのリンクLをディスプレイ38に表示する(ステップS308)。そして、ステップS309において数Nを1つ減少させると、N=0となるため(ステップ310:YES)、制御部33は本報知制御ルーチンを終了する。
【0068】
次に、車両が基準地点Bから離れた後、再び基準地点Bに到達した際に充電を案内する場合の作用について、図5,図6に基づいて説明する。
図5に示すように、履歴データ記憶部32には、基準地点B、経路データRD、曜日、消費電力量Cとがそれぞれ対応付けられた履歴データ40が記憶されている。具体的には、例えば、自宅を基準地点Bとする履歴データ40a、会社を基準地点Bとする履歴データ40b、充電スタンドを基準地点Bとする履歴データ40cなどである。
【0069】
そして、履歴データ40aのうち、例えば第1履歴データa1は、自宅43(図6参照)において記録開始指令情報が入力されるとともに、自宅43から会社44(図6参照)までを往復して再び自宅43に到達した際に、記録終了指令情報が入力されて記憶されたものである。この際、経路データRDは経路データRD1として、リンクデータが、リンクL1→リンクL2→リンクL3→リンクL3→リンクL2→リンクL1の順に記憶されている。そして、記録終了指令情報が入力された後にも、経路データRD1と対応する経路を繰り返し往復走行することにより、走行した曜日(月〜金)が追加されているとともに、走行に伴って消費した電力量が反映された消費電力量C1が対応付けて記憶されている。
【0070】
また、第2履歴データa2は、往路でリンクL1,L2,L3を走行した後、復路では上記経路データRD1とは異なるリンクL4,L5,L6を走行し、再び自宅43に到達した際に記録終了指令情報が入力されて記憶されたものである。この際、経路データRDは経路データRD2として、リンクデータが、リンクL1→リンクL2→リンクL3→リンクL4→リンクL5→リンクL6の順に記憶されている。そして、第1履歴データa1と同様に、記録終了指令情報が入力された後にも、経路データRD2と対応する経路を繰り返し走行することにより、走行した曜日(月〜金)が追加されるとともに、走行に伴って消費した電力量が反映された消費電力量C2(>C1)が対応付けて記憶されている。
【0071】
同様に、自宅43において記録開始指令情報が入力された複数の履歴データ(図5には、第1履歴データa1〜第5履歴データa5のみ図示)は、リンクLからなる経路データRD、曜日、消費電力量C(C1〜C5)が対応付けて記憶されている。ただし、基準地点Bを自宅とする履歴データ40aにおける経路データRDは、記録開始指令情報が入力された位置が自宅43であるのに対し、記録終了指令情報が入力された位置は互いに異なっていてもよく、自宅43には限らない。
【0072】
そして、図5に示す履歴データ40が履歴データ記憶部32に記憶された状態で車両が自宅43に到達すると、ナビゲーションシステム12によってバッテリ14の充電の必要性が案内される。
【0073】
すなわち、例えば、月曜日に車両を走行させて自宅43に到達した場合には、制御部33は、履歴データ40aのうち次の日の曜日(火曜日)と対応付けて記憶されている消費電力量Cと残電力量とを比較する。図5においては、第1履歴データa1と第2履歴データa2の曜日に火曜日が含まれているため、消費電力量C1,C2と残電力量とをそれぞれ比較する。
【0074】
そして、図6に示すように、ディスプレイ38に基準地点となる自宅43を示すアイコンと、経路の途中に位置する会社44を示すランドマークなどとともに、第1履歴データa1と第2履歴データa2の経路データRDのリンクL1,L2,L3,L4,L5,L6に対応する道路を識別表示、例えば、色分け表示する。さらに、各経路データRDと対応付けて充電の必要性の案内を表示する。
【0075】
すなわち、例えば、残電力量が消費電力量C1よりも多く、消費電力量C2よりも少ない場合には(C1<残電力量<C2)、図6に太線で示すリンクL1,L2,L3を往復する経路を走行するには、充電は不要であると報知する。一方、復路において二点鎖線で示すリンクL4,L5,L6を走行する場合には、充電が必要であると報知する。
【0076】
上記第1の実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)ボタン41によって記録開始指令情報が入力された際の位置を基準地点Bとして記憶するとともに、車両が基準地点Bに到達した際に、基準地点Bと対応付けて記憶されている消費電力量Cに基づいて充電の案内をすることができる。すなわち、例えば、今後も到達すると予想される地点(自宅や会社など)を基準地点Bとして記憶させることにより、再び基準地点Bに到達した際には、過去に同じ基準地点Bを出発して消費した消費電力量Cと残電力量とを比較して充電の必要性を報知させる。そのため、報知の信頼性を向上させつつ、目的地の設定操作に関わらずに次回の走行に必要な電力量を推定して充電を案内することにより、車両の走行開始時に十分な充電量を確保させることができる。
【0077】
(2)同じ経路を走行する場合であっても、道路の混雑状況、走行する時間帯や天候に伴うライトやワイパの使用の有無によって消費する電力量は変化する。この点、複数回の走行において各々消費した電力量に基づいて消費電力量Cを設定することにより、母数を大きくして消費電力量Cの信頼性を向上させることができる。
【0078】
(3)1つの基準地点Bに到達した際に、基準地点Bと対応付けて記憶された各々の経路データRDごとに充電の必要性を報知するため、ユーザの選択肢を広げることができる。すなわち、ユーザは、バッテリ14を充電する、もしくは充電をせずに次走行時には充電不要とされた経路を走行するといった選択をすることもできる。
【0079】
(4)曜日情報を基準地点Bと対応付けて記憶することにより、ディスプレイ38に表示する報知の信頼性を向上させることができる。すなわち、例えば、ユーザが通勤に車両を使用する場合には、出勤日(平日)に車両を走行させるのに対し、休日には車両を走行させない。したがって、曜日情報に基づいて充電の必要性をディスプレイ38に報知させることにより、曜日によって車両の使用形態が変化するユーザに対する報知の信頼性を向上させることができる。
(第2の実施形態)
以下、本発明を、モータと内燃機関とを駆動源として備え、外部電源と接続されることによりバッテリの充電が可能なプラグインハイブリッド自動車に搭載されるナビゲーションシステムに具体化した第2の実施形態を図7〜図16に従って説明する。
【0080】
ただし、第2の実施形態は、第1の実施形態とは駆動システムに内燃機関などを備えた点と、ナビコントロールユニットに残量管理部と補給時期記憶部とを備えた点でのみ構成が相違している。そして、その他の構成は共通しているものであるため、同様の構成部分については同一符号を付すことにして、その詳細な重複説明を省略する。
【0081】
図7に示すように、プラグインハイブリッド自動車は、車両を走行させるための駆動システム51と、車両に搭載された充電案内装置としてのナビゲーションシステム52とを備えている。
【0082】
まず、駆動システム51は、燃料を貯留可能な燃料タンク7と、燃料タンク7から供給された燃料を燃焼させることにより動力を発生させる内燃機関8とを備えている。なお、燃料タンク7には、燃料タンク7内に貯留された燃料の残量(残燃料量)を検出するための残量検出センサ9が接続されている。
【0083】
そして、残量検出センサ9が検出した残燃料量は、バッテリコンピュータ22が算出したSOC値(バッテリ14の残電力量)とともにコントロールユニット19によってナビコントロールユニット54に出力される。
【0084】
一方、ナビゲーションシステム52のナビコントロールユニット54は、コントロールユニット19から出力された残燃料量とSOC値とを取得してメモリ(図示略)に一時記憶する残量管理部56を備えている。また、履歴データ記憶部32には、履歴データ40に加えて消費燃料量データ57が記憶されている。
【0085】
さらに、ナビコントロールユニット54は、燃料タンク7に燃料が補給された補給時期を記憶する記憶部としての補給時期記憶部58を備えている。すなわち、制御部33は、残量管理部56に残燃料量を更新する際に、残量管理部56に記憶されている残燃料量と新たに取得した残燃料量とを比較する。そして、制御部33は、新たに取得した残燃料量が残量管理部56に記憶されている残燃料量よりも多い場合に、燃料タンク7に燃料が補給されたと判断して燃料が補給された補給時期(本実施形態では燃料補給日)を補給時期記憶部58に記憶させる。なお、本実施形態では、燃料の補給時期は、新たに燃料が補給される度に更新され、直近の補給時期が記憶されている。
【0086】
次に、図2〜図4、及び図8〜図14に示す充電案内ルーチンのフローチャートに基づいて、バッテリ14の充電の必要性及び燃料の消費の可能性の報知制御を行うために制御部33が実行する処理内容を説明する。ただし、この充電案内ルーチンは、図2〜図4に示すフローチャートにおいて、図8〜図14に示すステップを変更した点でのみ相違するため、同様のステップについてはその説明を省略する。
【0087】
また、この充電案内ルーチンは、車両の図示しないイグニッションスイッチが「ON」されると実行開始される。さらに、位置フラグは、イグニッションスイッチの「ON」、「OFF」に関わらずに維持され、初期状態では、位置フラグが0に設定されているものとする。
【0088】
さて、図示しないイグニッションスイッチが「ON」されると、まず制御部33は、図2に示すステップS101からステップS110を実行する。そして、車両が基準地点Bを離れた場合、制御部33は、ステップS104において車両が基準地点Bに位置していないと判断すると共に、ステップS108において、位置フラグが0であると判断する。また、制御部33は、ステップS110において、残量管理部56が取得したSOC値に基づいてバッテリ14に蓄電されている残電力量を初期電力量として取得する。
【0089】
そして、ステップS110の処理が終了すると、図8に示すように、制御部33は、次のステップS110−1において、残量管理部56が取得した残燃料量に基づいて燃料タンク7に貯留されている残燃料量を初期燃料量として取得する。
【0090】
その後、制御部33は、図2に示すステップS111〜ステップS116を実行する。そして、経路データRDとリンクデータとが一致する場合、制御部33は、ステップS115及びS116を実行して消費電力量を算出する。
【0091】
そして、ステップS116の処理が終了すると、図9に示すように、制御部33は、次のステップS116−1において、残量管理部56が取得した残燃料量を取得する。そして、続くステップS116−2において、制御部33は、ステップS110−1において取得した初期燃料量と、ステップS116−1において取得した残電力量との差から消費燃料量Fを算出する。
【0092】
そして、次のステップS117において、制御部33は、地図描画部30を制御して履歴データ40が更新可能であることをディスプレイ38に表示し、更新の実行指令があるか否かを判定する。そして、ユーザによってボタン41が操作されて消費電力量の更新の実行指令情報が入力されると(ステップS117:YES)、制御部33は、履歴データ40のうち、基準地点B及び経路データRDが一致する履歴データ40を更新する(ステップS118)。
【0093】
さらに、ステップS118−1において、制御部33は、ステップS116−2において算出した消費燃料量Fがゼロよりも大きいか否かを判断する。そして、消費燃料量Fがゼロである場合には(ステップS118−1:NO)、制御部33は、その処理をステップS101に移行する。その一方、消費燃料量Fがゼロよりも大きい場合には、制御部33は、燃料が使用されたと判断する。そして、ステップS118−2において、制御部33は、ステップS110において取得した初期電力量Eと、ステップS116−2において算出した消費燃料量Fを、基準地点Bと経路データRDに対応付けて記憶することにより消費燃料量データ57を作成する。
【0094】
すなわち、図15に示すように、制御部33は、ステップS110において取得した初期電力量Eと、ステップS116−2において算出した消費燃料量Fを、基準地点Bと経路データRDと対応付けて記憶する。
【0095】
次に、ステップS103の記憶制御ルーチンについて、図3,図10,図11に示すフローチャートに基づいて説明する。
さて、まず制御部33は、図3に示すステップS201からステップS205を実行する。そして、図10に示すように、制御部33は、ステップS205−1を実行し、残量管理部56が取得した残燃料量に基づいて燃料タンク7に貯留されている残燃料量を初期燃料量として取得する。その後、制御部33は、図3に示すステップS206〜ステップS210を実行する。
【0096】
続いて、図11に示すように、ステップS210−1において、制御部33は、残量管理部56が取得した残燃料量を取得する。さらに、ステップS210−2において、制御部33は、ステップS205−1において取得した初期燃料量と、ステップS210−1において取得した残燃料量との差から消費燃料量Fを算出する。
【0097】
その後、制御部33は、ステップS211〜ステップS214を実行し、続くステップS215において、制御部33は、ステップS210−2にて算出した消費燃料量Fがゼロよりも大きいか否かを判断する。消費燃料量Fがゼロである場合には(ステップS215:NO)、制御部33は、記憶制御ルーチンを終了する。その一方、消費燃料量がゼロよりも大きい場合には(ステップS215:YES)、制御部33は、燃料が使用されたと判断する。そして、ステップS216において、制御部33は、ステップS205において取得した初期電力量Eと、ステップS210−2において算出した消費燃料量Fを、基準地点Bと経路データRDと対応付けて記憶することにより消費燃料量データ57を作成する。
【0098】
次に、ステップS107の報知制御ルーチンについて、図4,図12,図13に示すフローチャートに基づいて説明する。
さて、図12に示すように、ステップS300−1において、制御部33は、補給時期記憶部58に記憶されている燃料補給日を取得し、さらにステップS300−2において、燃料補給日から保有期間が経過しているか否かを判断する。したがって、制御部33は、期間判断手段としても機能している。なお、保有期間とは、時間の経過に伴って劣化するガソリンなどの燃料を、問題なく使用することができる期間(例えば3ヶ月〜半年程度)であって、燃料タンク7の大きさなどに応じて予め設定されている期間である。
【0099】
そして、燃料補給日から保有期間が経過している場合には(ステップS300−2:YES)、ステップS300−3において、制御部33は、地図描画部30を制御してディスプレイ38に燃料の使用を促す画像を表示させることにより、燃料の使用の必要性をユーザに報知する。一方、燃料補給日から補給期間が経過していない場合には(ステップS300−2:NO)、制御部33は、その処理をステップS301に移行する。
【0100】
そして、図4に示すように、制御部33はステップS301〜ステップS304を実行する。すなわち、車両が現在位置する1つの基準地点Bに対応して記憶されている経路データRDの数が1つであって(ステップS303:NO)、且つ基準地点Bに対応付けて記憶されている消費電力量Cが残電力以上である場合には(ステップS304:YES)、制御部33はその処理をステップS304−1に移行する。
【0101】
さて、図13に示すように、ステップS304−1において、制御部33は、車両が現在位置する基準地点Bと対応付けて記憶された消費燃料量データ57の初期電力量Eの中に、ステップS302にて取得した残電力量と一致するデータがあるか否かを判断する。なお、一致するとは、略一致することを含み、所定の差以内、例えば誤差3%以内であれば一致すると見做す。残電力量と初期電力量Eとが一致する消費燃料量データ57がある場合には(ステップS304−1:YES)、ステップS304−2において、制御部33は、一致した初期電力量Eと対応付けて記憶されている消費燃料量Fを取得する。そして、ステップS305において、制御部33は、地図描画部30を制御して充電が必要であることを報知させるとともに、取得した消費燃料量Fを充電により節約可能な節約燃料量としてディスプレイ38に表示させる(報知制御段階)。したがって、制御部33は、節約燃料量取得手段としても機能している。
【0102】
一方、残電力量と初期電力量Eとが一致すると見做せる消費燃料量データ57がない場合には(ステップS304−1:NO)、制御部33は、ステップS305に移行し、地図描画部30を制御して充電が必要であることを報知させるとともに、充電をしない場合には燃料が消費されることを報知させる(報知制御段階)。
【0103】
また、図4に示すステップS303において、経路データRDの数Nが2以上であると判断した場合には(ステップS303:YES)、ステップS306において、制御部33は、第N消費電力量がステップS302において取得した残電力量以上であるか否かを判断する。そして、第N消費電力量が残電力量以上である場合には(ステップS306:YES)、制御部33は、その処理をステップS306−1に移行する。
【0104】
さて、図14に示すように、ステップS306−1において、制御部33は、消費電力量Cが残電力量以上であると判断された各経路データRDに一致するとともに、ステップS302にて取得した残電力量と一致する消費燃料量Fが消費燃料量データ57に記憶されているか否かを判断する。なお、ステップS304−1と同様に、一致するとは、略一致することを含み、所定の差以内、例えば誤差3%以内であれば一致すると見做す。
【0105】
そして、車両が現在位置する基準地点B及び経路データRDが一致するとともに、ステップS302にて取得した残電力量と一致する初期電力量Eが記憶されている場合には(ステップS306−1:YES)、ステップS306−2において、制御部33は、対応付けて記憶されている消費燃料量Fを取得する。さらに、ステップS307において、制御部33は、地図描画部30を制御して充電が必要であることを報知させるとともに、取得した消費燃料量Fを充電により節約可能な節約燃料量としてディスプレイ38に表示させる(報知制御段階)。
【0106】
一方、車両が現在位置する基準地点B及び経路データRDに一致する消費燃料量データ57が記憶されていない場合、もしくは残電力量と一致する初期電力量Eが消費燃料量データ57に記憶されていない場合には(ステップS306−1:NO)、制御部33は、ステップS307に移行する。そして、ステップS307において、制御部33は、地図描画部30を制御して充電が必要であることを報知させるとともに、充電をしない場合には、燃料が消費されることを報知させる(報知制御段階)。
【0107】
次に、車両が基準地点Bから離れた後、再び基準地点Bに到達した際に充電を案内する場合の作用について、図15,図16に基づいて説明する。
さて、履歴データ記憶部32に記憶された消費燃料量データ57には、図15に示すように、基準地点B、経路データRD、初期電力量E、消費燃料量Fが、消費燃料量データごとにそれぞれ対応づけられて記憶されている。
【0108】
具体的には、消費燃料量データ57のうち、例えば第1消費燃料量データb1は、第1履歴データa1に基準地点Bとして記憶されている自宅、及び経路データRD1と対応付けて初期電力量E11と消費燃料量F11とが記憶されている。
【0109】
また、第2,第3消費燃料量データb2,b3は、第2履歴データa2に基準地点Bとして記憶されている自宅、及び経路データRD2と対応付けて初期電力量E21,E22と消費燃料量F21,F22とがそれぞれ記憶されている。
【0110】
同様に、各消費燃料量データ(図15には、第1消費燃料量データb1〜第5消費燃料量データb5のみ図示)は、履歴データ40に記憶された基準地点Bと経路データRDに、初期電力量Eと消費燃料量Fとがそれぞれ対応付けて記憶されている。
【0111】
そして、図5に示す履歴データ40及び図15に示す消費燃料量データ57が履歴データ記憶部32に記憶された状態で車両が自宅43に到達すると、ナビゲーションシステム52によってバッテリ14の充電の必要性と、燃料が消費される可能性とが案内される。
【0112】
すなわち、例えば、月曜日に車両を走行させて自宅43に到達した場合には、制御部33は、履歴データ40aのうち次の日の曜日(火曜日)と対応付けて記憶されている消費電力量Cと残電力量とを比較する。図5においては、第1履歴データa1と第2履歴データa2の曜日に火曜日が含まれているため、消費電力量C1,C2と残電力量とをそれぞれ比較する。
【0113】
さて、図16には、消費電力量C1が残電力量よりも小さく、消費電力量C2が残電力量よりも大きい場合(C1<残電力量<C2)に表示されるディスプレイ38を示している。すなわち、経路データRD1で走行するルート1は、バッテリ14に蓄電された残電力量によって走行が可能であるため、充電は不要であると報知する。さらに節約燃料量は0Lと表示される。
【0114】
また、経路データRD2で走行するルート2は、バッテリ14に蓄電された残電力量による走行が不可能であるため、途中で内燃機関8を利用して走行することになる。そのため、ルート2は、要充電と表示されることにより充電の必要性が報知される。
【0115】
さらに、例えばこのときの残電力量は、消費燃料量データ57に基準地点Bとして自宅、及び経路データRD2と対応付けて記憶された初期電力量E21,E22のうち、例えば初期電力量E21と一致しているものとする。するとディスプレイ38には、初期電力量E21と対応付けて記憶されている消費燃料量F21(例えば10L)が、充電によって節約できる節約燃料量としてルート2と対応付けて表示される。
【0116】
また、図16に示すように、ディスプレイ38には、基準地点となる自宅43を示すアイコンと、経路の途中に位置する会社44を示すランドマークなどとともに、第1履歴データa1と第2履歴データa2の経路データRDのリンクL1,L2,L3,L4,L5,L6に対応する道路が識別表示、例えば、色分け表示される。
【0117】
上記第2の実施形態によれば、第1の実施形態における(1)〜(4)の効果に加えて、さらに以下のような効果を得ることができる。
(5)ボタン41によって記録開始指令情報が入力された際の位置を基準地点Bとして記憶するとともに、車両が基準地点Bに到達した際に、基準地点Bと対応付けて記憶されている消費電力量Cに基づいて充電の案内をすることができる。さらに、充電の必要性と共に燃料が消費される可能性を報知することにより、使用者の充電意識を高めることができる。具体的には、例えば、今後も到達すると予想される地点(自宅や会社など)を基準地点Bとして記憶させることにより、再び基準地点Bに到達した際には、過去に同じ基準地点Bを出発して消費した消費電力量Cと残電力量とを比較して充電の必要性と燃料が消費される可能性を報知させる。これにより、報知の信頼性を向上させつつ、目的地の設定操作に関わらずに次回の走行に必要な電力量を推定して充電を案内することにより、車両の走行開始時に十分な充電量を確保させることができる。
【0118】
(6)ディスプレイ38は、充電の必要性を報知すると共に、充電を行うことにより節約できる節約燃料量を報知することができる。したがって、使用者の充電意識をより向上させることができる。
【0119】
(7)燃料タンク7に補給された燃料は、時間の経過に伴って劣化する。その点、燃料が補給された燃料補給日から保有期間が経過した場合には、ディスプレイ38が燃料の使用の必要性を報知するため、劣化度合の低い状態で燃料の使用を促すことができる。
【0120】
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・上記実施形態において、履歴データ40は、経路データRD及び曜日情報の双方、又は、いずれか一方を記憶しないようにしてもよい。すなわち、少なくとも基準地点Bと消費電力量Cが対応付けて記憶されていればよい。
【0121】
・上記実施形態において、履歴データ40として記憶される曜日は、ユーザが入力するようにしてもよい。
・上記実施形態において、経路データRDを記憶せずに、基準地点Bと対応付けて記録終了指令情報が入力された地点を記憶してもよい。そして、車両が基準地点Bと記録終了指令情報が入力された地点間を走行した場合に、消費電力量Cを算出して履歴データ40を更新するようにしてもよい。
【0122】
・上記実施形態において、基準地点Bと対応付けて記憶する消費電力量Cは、複数回の走行において各々消費した電力量のうち、最大の電力量を消費電力量Cとして記憶するようにしてもよい。また、消費電力量Cを平均して設定する場合であっても、平均値から大きく外れた値(例えば50%増減)は、異常値として排除するようにしてもよい。また、ユーザによるボタン41の操作に係わらずに、同じリンクLを走行した場合に消費した電力量を消費電力量Cに反映させるようにしてもよい。
【0123】
・上記実施形態において、履歴データ記憶部32に記憶された経路データRDのリンクLを走行する場合であっても、ユーザが記録開始指令情報と記録終了指令情報を入力した場合にのみ履歴データ40の更新をするようにしてもよい。
【0124】
・上記実施形態において、経路データRDのリンクLを走行した回数を経路データRDに対応付けて記憶し、基準地点Bに到達した場合に、走行回数の多い経路データRDに対応付けて記憶された消費電力量Cに基づいて充電の要否を判断するようにしてもよい。そして、現在位置が複数の基準地点Bの範囲となる場合には、走行した回数が多い方の基準地点Bに基づいて充電を案内するようにしてもよく、また、より近い方の基準地点Bに基づいて充電を案内するようにしてもよい。
【0125】
・上記実施形態において、基準地点Bの範囲内(例えば、基準地点を中心とする半径100m以内)で記録開始指令情報が入力された場合には、現在位置と基準地点Bとがずれていた場合であっても、該基準地点Bと消費電力量Cとを対応付けて記憶するようにしてもよい。
【0126】
・上記実施形態において、基準地点Bとしてみなす範囲は、ナビゲーションシステム12が搭載される車両の種類や、基準地点Bの周囲の条件(住宅地や山地など)によって任意に設定され、ユーザが変更できるようにしてもよい。
【0127】
・上記実施形態において、基準地点Bがバッテリ14を充電可能な地点であると判断した場合、もしくはユーザによって充電可能な地点であると入力された場合にのみ基準地点Bを設定するようにしてもよい。
【0128】
・上記実施形態において、記録開始指令情報や記録終了指令情報の入力、目的地の指定は、タッチパネル式のディスプレイや音声認識部(図示略)を用いた音声認識によって行ってもよい。また、充電などの案内は、音声、アラーム、ライトなどを用いて充電の必要性を燃料が消費される可能性とともに報知するようにしてもよい。
【0129】
・上記実施形態において、時間情報を基準地点B及び消費電力量Cと対応付けて記憶するようにしてもよい。すなわち、例えば、時間情報として「夕方」が基準地点Bに対応付けて記憶されている場合であって、且つ基準地点Bに「午前」に到達した場合には、残電力量と「夕方」に対応付けて記憶された消費電力量Cとを比較して充電を案内するようにしてもよい。さらに、曜日情報と時間情報とを対応付けて記憶することにより、より案内の信頼性を向上させることができる。
【0130】
・上記実施形態において、ナビゲーションシステム12,52は、内燃機関及び電気モータからなる2つの駆動源を備えたプラグインハイブリッド車以外のハイブリッド車に搭載してもよい。
【0131】
・上記第2の実施形態において、燃料を補給した時期を記憶せず、燃料の使用を促さないようにしてもよい。また、保有期間を2段階で設定し、燃料の使用を報知した後にも燃料が使用されない場合には、燃料の交換を報知するようにしてもよい。
【0132】
・上記第2の実施形態において、保有期間は、燃料タンク7内の残燃料量や、気温などの周囲条件に応じて変更するようにしてもよい。すなわち、燃料は、空気と接触することにより変質するため、例えば、燃料タンク7内の残燃料量が多く、空気との接触面積が小さいほど保有期間を長く設定するようにしてもよい。
【0133】
・上記第2の実施形態において、充電の必要性を案内する場合には、充電をすることによって燃料の消費を抑制することができる旨を報知できればよい。すなわち、節約燃料量として数値を報知せずに、燃料を節約できるか否かを報知すればよい。
【0134】
・上記第2の実施形態において、消費燃料量データ57を記憶しなくてもよい。例えば、単位電力量当たりの節約燃料量(1kW充電することにより節約できる燃料量)を記憶しておき、消費電力量と残電力量との差から節約できる燃料量を算出するようにしてもよい。また、消費燃料量データ57に対応する消費燃料量Fが記憶されていない場合には、消費燃料量Fを算出するようにしてもよい。さらに、消費燃料量Fを算出する場合には、道路種別(一般道路、高速道路、勾配など)や時間帯などに応じて補正してもよい。
【0135】
・上記第2の実施形態において、走行途中に燃料が補給された場合には、消費燃料量Fを初期燃料量と残燃料量との差に補給した補給燃料量を加算して算出するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0136】
7…燃料タンク、8…内燃機関、12,52…ナビゲーションシステム(充電案内装置)、14…バッテリ(蓄電池)、18…モータ、25…自車位置演算部(現在位置取得手段)、29…走行履歴取得部(記憶制御手段)、32…履歴データ記憶部(記憶部)、33…制御部(判断手段、報知制御手段、節約燃料量取得手段、期間判断手段)、38…ディスプレイ(報知部)、41…ボタン(入力手段)、58…補給時期記憶部(記憶部)、B…基準地点、C(C1〜C5)…消費電力量、L(L1〜L9)…リンク、RD…経路データ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
蓄電池に蓄電された電力によって回転するモータを駆動源に利用して走行可能な車両に搭載され、前記蓄電池の充電を案内する充電案内装置であって、
前記車両の現在位置を取得する現在位置取得手段と、
前記車両の走行に伴って消費される消費電力量の記録開始指令情報及び記録終了指令情報を入力する入力手段と、
前記記録開始指令情報が入力された際の前記現在位置を基準地点として取得するとともに、前記記録開始指令情報が入力されてから前記記録終了指令情報が入力されるまでの前記消費電力量を取得し、該消費電力量を前記基準地点と対応付けて記憶部に記憶させる記憶制御手段と、
前記車両が前記基準地点に到達したか否かを前記現在位置に基づいて判断する判断手段と、
前記車両が前記基準地点に到達した際に前記蓄電池に蓄電されている電力量を残電力量として取得し、前記基準地点に対応付けて前記記憶部に記憶されている前記消費電力量が前記残電力量よりも多い場合に前記蓄電池の充電の必要性を報知部に報知させる報知制御手段と
を備えることを特徴とする充電案内装置。
【請求項2】
前記記憶制御手段は、前記記録開始指令情報が入力されてから前記記録終了指令情報が入力されるまでに前記車両が走行した経路を前記基準地点と前記消費電力量に対応付けて前記記憶部に記憶させるとともに、前記車両が前記経路に一致する経路を走行した場合に、該経路の走行に伴って消費した電力量により前記経路と対応付けて前記記憶部に記憶されている前記消費電力量を補正することを特徴とする請求項1に記載の充電案内装置。
【請求項3】
前記報知制御手段は、1つの前記基準地点に対応して複数の前記経路が記憶されている場合には、前記車両が前記基準地点に到達した際に各々の経路ごとに前記蓄電池の充電の必要性を報知部に報知させることを特徴とする請求項2に記載の充電案内装置。
【請求項4】
前記記憶制御手段は、前記基準地点と前記消費電力量に対し、さらに曜日情報を対応付けて、前記記憶部に記憶させ、
前記報知制御手段は、前記車両が前記基準地点に到達した際に、該基準地点と対応付けて記憶されている前記曜日情報に基づいて、前記蓄電池の充電の必要性を報知部に報知させることを特徴とする請求項1〜請求項3のうち何れか一項に記載の充電案内装置。
【請求項5】
蓄電池に蓄電された電力によって回転するモータ及び燃料タンクに貯留された燃料を燃焼させて動力を発生させる内燃機関を備えると共に、それらの少なくとも一つを駆動源に利用して走行可能な車両に搭載される充電案内装置であって、
前記車両の現在位置を取得する現在位置取得手段と、
前記車両の走行に伴って消費される消費電力量の記録開始指令情報及び記録終了指令情報を入力する入力手段と、
前記記録開始指令情報が入力された際の前記現在位置を基準地点として取得するとともに、前記記録開始指令情報が入力されてから前記記録終了指令情報が入力されるまでの前記消費電力量を取得し、該消費電力量を前記基準地点と対応付けて記憶部に記憶させる記憶制御手段と、
前記車両が前記基準地点に到達したか否かを前記現在位置に基づいて判断する判断手段と、
前記車両が前記基準地点に到達した際に前記蓄電池に蓄電されている電力量を残電力量として取得し、前記基準地点に対応付けて前記記憶部に記憶されている前記消費電力量が前記残電力量よりも多い場合に、前記蓄電池の充電の必要性を前記燃料が消費される可能性と共に報知部に報知させる報知制御手段と
を備えることを特徴とする充電案内装置。
【請求項6】
前記残電力量と前記消費電力量との差に基づいて、充電を行うことにより節約できる燃料の量を節約燃料量として取得する節約燃料量取得手段をさらに備え、
前記報知制御手段は、前記車両が前記基準地点に到達した際に、前記基準地点に対応付けて前記記憶部に記憶されている前記消費電力量が前記残電力量よりも多い場合に、前記節約燃料量取得手段が取得した前記節約燃料量を前記報知部に報知させることを特徴とする請求項5に記載の充電案内装置。
【請求項7】
前記燃料タンクに前記燃料が補給された補給時期を記憶する記憶部と、
該記憶部に記憶された前記補給時期に基づいて前記燃料が補給されてから予め記憶された保有期間が経過しているか否かを判断する期間判断手段と
をさらに備え、
前記報知制御手段は、前記期間判断手段が前記保有期間が経過していると判断した場合に前記報知部に前記燃料の使用の必要性を報知させることを特徴とする請求項5又は請求項6に記載の充電案内装置。
【請求項8】
蓄電池に蓄電された電力によって回転するモータを駆動源に利用して走行可能な車両における前記蓄電池の充電を案内する充電案内方法であって、
前記車両の現在位置を取得する現在位置取得段階と、
前記車両の走行に伴って消費される消費電力量の記録開始指令情報が入力された際の前記現在位置を基準地点として記憶する基準地点記憶段階と、
前記記録開始指令情報が入力されてから記録終了指令情報が入力されるまでの前記消費電力量を前記基準地点と対応付けて記憶する消費電力量記憶段階と、
前記車両が前記基準地点に到達した際に前記蓄電池に蓄電されている電力量を残電力量として取得する残電力量取得段階と、
前記残電力量よりも前記基準地点に対応付けて記憶されている前記消費電力量が多い場合に前記蓄電池の充電の必要性を報知部に報知させる報知制御段階と
を備えることを特徴とする充電案内方法。
【請求項9】
蓄電池に蓄電された電力によって回転するモータ及び燃料タンクに貯留された燃料を燃焼させて動力を発生させる内燃機関を備えると共に、それらの少なくとも一つを駆動源に利用して走行可能な車両において前記蓄電池の充電を案内する充電案内方法であって、
前記車両の現在位置を取得する現在位置取得段階と、
前記車両の走行に伴って消費される消費電力量の記録開始指令情報が入力された際の前記現在位置を基準地点として記憶する基準地点記憶段階と、
前記記録開始指令情報が入力されてから記録終了指令情報が入力されるまでの前記消費電力量を前記基準地点と対応付けて記憶する消費電力量記憶段階と、
前記車両が前記基準地点に到達した際に前記蓄電池に蓄電されている電力量を残電力量として取得する残電力量取得段階と、
前記残電力量よりも前記基準地点に対応付けて記憶されている前記消費電力量が多い場合に前記蓄電池の充電の必要性を前記燃料が消費される可能性と共に報知部に報知させる報知制御段階と
を備えることを特徴とする充電案内方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2011−229362(P2011−229362A)
【公開日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−284994(P2010−284994)
【出願日】平成22年12月21日(2010.12.21)
【出願人】(000100768)アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 (3,717)
【Fターム(参考)】