説明

光ロータリアダプタおよびこれを用いる光断層画像化装置

【課題】測定対象からの戻り光の減衰やS/N比の低下を防止することができる光ロータリアダプタ、およびこれを用い、効率よくかつ簡単に分解能の高い断層画像を生成することができる光断層画像化装置を提供する。
【解決手段】固定スリーブと、これに支持され、その一方に傾斜端面を持つ固定側光ファイバと、この傾斜端面と所定間隔離間して配置される固定側コリメータレンズと、固定スリーブに対して回転自在に支持される取付筒と、固定側コリメータレンズに対向して配置され、傾斜端面を持つ回転側光ファイバと、固定側コリメータレンズと回転側光ファイバとの間に、回転側光ファイバの傾斜端面と所定間隔離間して配置される回転側コリメータレンズと、取付筒を回転駆動する回転駆動源とを有し、固定側光ファイバおよび回転側光ファイバの中心軸を、取付筒の回転中心軸に対して、オフセットまたは傾斜させた光ロータリアダプタにより、また、この光ロータリアダプを用いる光断層画像化装置により、上記課題を解決する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光ロータリアダプタ、およびこれを用いる光断層画像化装置に係り、詳しくは、測定対象の光断層画像を取得するために、測定光を測定対象まで導波するとともに測定対象からの戻り光を導波する光ファイバ間を回転自在に接続する光ロータリアダプタ、および測定対象に光を照射し、その反射による戻り光から測定対象の光断層画像を取得する光断層画像化装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
生体組織等の測定対象を切断せずに断面画像を取得する方法として、光干渉断層(OCT:Optical Coherence Tomography)計測法を利用した光断層画像化装置がある。
このOCT計測法は、光干渉計測法の一種であり、光源から射出された光を測定光と参照光との2つに分け、測定光と参照光との光路長が光源のコヒーレンス長以内の範囲で一致したときにのみ光干渉が検出されることを利用した計測方法である。
【0003】
このOCT計測法を利用した光断層画像化装置としては、例えば、特許文献1に、光源と、光源から射出された光を測定光と基準光に分ける第1の光カップラ部と、測定光を測定対象たる被検体に照射し、その反射による戻り光を検出する測定部、測定光および戻り光を伝達する光ファイバおよび光ファイバと測定部を被覆する透明部なシースを備える光走査プローブと、測定光と同じ光路長を導光された基準光と戻り光とを干渉させる第2のカップラ部と、干渉結果から断層画像を検出する演算部を有する光断層画像化装置が開示されている。そして、特許文献1に開示の光断層画像化装置は、測定部の光ファイバが、光ロータリージョイントで回転自在に接続されており、光走査プローブの先端の測定部を所定の測定部位まで挿入し、光ファイバを回転させて測定部を回転させつつ、回転する測定部によって測定対象の複数点の断層画像を取得することによって2次元の断層像を取得している。
【0004】
特許文献1に開示の光ロータリージョイントは、中心に沿って回転側光ファイバが挿通された回転子を、中心に沿って固定側光ファイバが挿通された回転子受けの凹部に嵌合して、回転子を軸受けを介して回転子受けに回転自在に支持し、回転子をベルトを介して一定速度で回転駆動し、対向する回転側光ファイバおよび固定側光ファイバの両先端には凸レンズを配置して回転されない固定側光ファイバと回転される回転側光ファイバとの間で効率良く光伝送できるようにしている。
【0005】
【特許文献1】特開2000−131222号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、特許文献1に開示の光断層画像化装置に用いられている光ロータリージョイントは、対向する回転側光ファイバおよび固定側光ファイバの両先端に凸レンズを配置することにより、光ファイバ先端同士を非接触として、一方の光ファイバを回転自在にするとともに、体腔部などの体内に挿入された光走査プローブを洗浄するために、光走査プローブ側の回転側光ファイバが挿通された回転子と固定側光ファイバが挿通された回転子受けとを着脱可能とし、かつ、回転子と回転子受けとを着脱する際にも、両光ファイバの先端の損傷や破損などを防止することができるし、凸レンズを介して一方の光ファイバ内を伝播された光を集光して他方の光ファイバに入射させることができるので、ある程度の効率良い光伝送は可能である。
【0007】
しかしながら、特許文献1に開示の光ロータリージョイントにおいては、両光ファイバの対向する両端面における光の反射や屈折による測定対象からの戻り光の減衰によるS/N比の低下については全く考慮されていないという問題があった。特に、光断層画像化装置においては、両光ファイバの対向する両端面における測定光の減衰は許容できる場合であっても、測定光に対する測定対象からの戻り光の光量は、10−6〜10−10程度であるため、両光ファイバの対向する両端面における端面反射による戻り光の減衰やS/N比の低下は極めて重大であるにもかかわらず、特許文献1に開示の光ロータリージョイントでは全く考慮されていないという問題があった。
【0008】
本発明の第1の目的は、上記従来技術の問題点を解消し、測定光を測定対象まで導波するとともに測定対象からの戻り光を導波する光ファイバ間を回転自在かつ着脱可能に接続し、着脱した際にも接続された両光ファイバの先端の損傷や破損などを防止することができるとともに、接続される両光ファイバの対向する両端面における端面反射による、測定対象からの戻り光の減衰やS/N比の低下を防止することができる光ロータリアダプタを提供することにある。
本発明の第2の目的は、上記第1の目的を達成することができる光ロータリアダプタを用いることにより、効率よく分解能の高い、測定対象の光断層画像を取得することができる光断層画像化装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記第1の目的を達成するために、本発明の第1の態様は、測定対象の光断層画像を取得する光断層画像化装置に用いられ、測定光を前記測定対象まで導波するとともに前記測定対象からの反射による戻り光を導波する光ファイバ間を回転自在に接続する光ロータリアダプタであって、固定スリーブと、この固定スリーブに固定的に支持され、その一方にその中心軸に垂直な平面に対して所定角度傾斜する端面を持つ固定側光ファイバと、この固定側光ファイバの傾斜する端面と所定間隔離間して配置される固定側コリメータレンズと、前記固定スリーブに対して回転自在に支持される取付筒と、この取付筒に固定的に取り付けられ、前記固定側コリメータレンズに対向して配置され、その中心軸に垂直な平面に対して所定角度傾斜する端面を持つ回転側光ファイバと、前記取付筒に固定的に取り付けられ、前記固定側コリメータレンズと前記回転側光ファイバとの間に、前記回転側光ファイバの傾斜する端面と所定間隔離間して配置される回転側コリメータレンズと、前記取付筒を回転駆動する回転駆動手段とを有し、前記固定側光ファイバおよび前記回転側光ファイバの中心軸を、前記戻り光の減衰を小さくするように、前記取付筒の回転中心軸に対して、オフセットまたは傾斜させたことを特徴とする光ロータリアダプタを提供するものである。
【0010】
ここで、前記固定側光ファイバは、前記固定スリーブの略中心に固定的に支持され、前記回転側光ファイバは、前記取付筒の略中心に固定的に取り付けられ、前記固定側光ファイバおよび前記回転側光ファイバの前記中心軸は、前記戻り光の減衰を小さくするように、前記取付筒の回転中心軸に対して、平行であり、かつ、オフセットしているのが好ましい。
また、前記固定側光ファイバおよび前記回転側光ファイバの各々の中心軸と前記取付筒の回転中心軸との各々のオフセット量δ1およびδ2は、前記固定側光ファイバおよび前記回転側光ファイバの各々の前記傾斜端面のそれらの中心軸に垂直な平面に対する傾斜角度をそれぞれθ1およびθ2、前記固定側光ファイバおよび前記回転側光ファイバの各々の屈折率をそれぞれn1およびn2、前記固定側光ファイバと前記回転側光ファイバとの間の光を伝播させる媒質の屈折率をn3、前記固定側光ファイバ内および前記回転側光ファイバ内の各々をそれらの中心軸に平行に進行し、各々の傾斜端面と前記媒質との界面で屈折した光の各々の傾斜端面の法線とのなす角をそれぞれθ3およびθ4とし、前記固定側コリメータレンズおよび前記回転側コリメータレンズをそれぞれ薄板レンズとしたときの前記固定側光ファイバおよび前記回転側光ファイバの各々の傾斜端面の中心と前記固定側コリメータレンズおよび前記回転側コリメータレンズの各々の中心との光軸間距離に等しい前記固定側コリメータレンズおよび前記回転側コリメータレンズの各々の焦点距離をそれぞれf1およびf2とするとき、下記式(1)、(2)、(3)および(4)を満足するものであるのが好ましい。
n1×sinθ1=n3×sinθ3 …(1)
δ1=f1×tan(θ3−θ1) …(2)
n2×sinθ2=n3×sinθ4 …(3)
δ2=f2×tan(θ4−θ2) …(4)
【0011】
また、前記固定側光ファイバおよび前記回転側光ファイバは、それぞれフェルールによって支持され、それぞれのフェルールは、前記固定側光ファイバおよび前記回転側光ファイバの各傾斜端面と同じ平面をなす傾斜端面を持つのが好ましい。
また、前記固定側光ファイバおよび前記回転側光ファイバは、それぞれフェルールの中心に支持され、各フェルールは、それぞれホルダに支持され、各ホルダは、前記固定スリーブおよび前記取付筒に固定的に取り付けられ、前記取付筒の回転中心軸に対して、前記固定側光ファイバおよび前記回転側光ファイバを支持するそれぞれのフェルール自体をオフセットさせて、前記固定側光ファイバおよび前記回転側光ファイバのそれぞれの中心軸をオフセットさせるのが好ましい。
【0012】
また、前記固定側光ファイバおよび前記回転側光ファイバは、各々の傾斜端面の中心が前記回転中心軸上に位置するように配置され、前記固定側コリメータレンズおよび前記回転側コリメータレンズは、各々の中心が前記回転中心軸上に位置するように配置され、前記固定側光ファイバは、前記固定スリーブに所定角度傾斜して固定的に支持され、前記回転側光ファイバは、前記取付筒に所定角度傾斜して固定的に取り付けられ、前記固定側光ファイバおよび前記回転側光ファイバの前記中心軸は、前記戻り光の減衰を小さくするように、前記取付筒の回転中心軸に対して、それぞれ傾斜しているのが好ましい。
また、前記固定側光ファイバおよび前記回転側光ファイバの各々の中心軸と前記取付筒の回転中心軸に対する各々の傾斜角度φ1およびφ2は、前記固定側光ファイバおよび前記回転側光ファイバの各々の前記傾斜端面のそれらの中心軸に垂直な平面に対する傾斜角度をそれぞれθ1およびθ2、前記固定側光ファイバおよび前記回転側光ファイバの各々の屈折率をそれぞれn1およびn2、前記固定側光ファイバと前記回転側光ファイバとの間の光を伝播させる媒質の屈折率をn3、前記固定側光ファイバ内および前記回転側光ファイバ内の各々をそれらの中心軸に平行に進行し、各々の傾斜端面と前記媒質との界面で屈折した光の各々の傾斜端面の法線とのなす角をそれぞれθ3およびθ4とするとき、下記式(5)、(6)、(7)および(8)を満足するものであるのが好ましい。
n1×sinθ1=n3×sinθ3 …(5)
φ1=θ3−θ1 …(6)
n2×sinθ2=n3×sinθ4 …(7)
φ2=θ4−θ2 …(8)
【0013】
また、前記固定側光ファイバおよび前記回転側光ファイバは、それぞれフェルールによって支持され、それぞれのフェルールは、前記固定側光ファイバおよび前記回転側光ファイバの各傾斜端面と同じ平面をなす傾斜端面を持つのが好ましい。
また、前記固定側光ファイバおよび前記回転側光ファイバは、それぞれフェルールの中心に支持され、各フェルールは、それぞれホルダに支持され、各ホルダは、前記固定スリーブおよび前記取付筒に固定的に取り付けられ、前記取付筒の回転中心軸に対して、前記固定側光ファイバおよび前記回転側光ファイバを支持するそれぞれのフェルール自体を傾斜させて、前記固定側光ファイバおよび前記回転側光ファイバのそれぞれの中心軸を傾斜させるのが好ましい。
【0014】
また、前記固定側光ファイバおよび前記固定側コリメータレンズと、前記回転側光ファイバおよび回転側コリメータレンズとは、対称となる位置が取れるように配置されるのが好ましい。
また、前記回転側光ファイバおよび前記回転側コリメータレンズを固定的に支持する前記取付筒は、前記固定側光ファイバおよび前記固定側コリメータレンズを固定的に支持する前記固定スリーブから着脱可能であるのが好ましい。
【0015】
また、前記光ロータリアダプタは、さらに、一方の端部が前記取付筒に取り付けられ、前記取付筒と一体的に前記回転中心軸周りに回転する回転筒を有し、前記回転側光ファイバの一方の前記傾斜端面の側は、その中心軸が前記取付筒の回転中心軸に対してオフセットまたは傾斜するように前記取付筒に取り付けられ、前記回転側光ファイバは、前記回転筒の他方の端部において、前記回転筒に支持されるのが好ましい。
また、前記回転筒の他方の端部において、前記回転側光ファイバは、その中心軸と前記取付筒の回転中心軸とが一致するように前記回転筒の中心に支持されるのが好ましい。
さらに、前記回転側光ファイバは、前記回転筒の他方の端部において、他方の端面を有し、前記回転筒の他方の端部は、固定型の光コネクタの端子を構成するのが好ましく、また、前記回転側光ファイバの他方の端面は、その中心軸と前記取付筒の回転中心軸とが一致するように前記回転筒の中心に取り付けられるのが好ましい。
もしくは、前記回転側光ファイバは、前記回転筒の他方の端部から延在し、その先端部は、前記測定対象に前記測定光を照射し、その戻り光を取得する測定部に接続され、透明なプローブ外筒に回転自在に保持され、光プローブを構成するのが好ましい。
【0016】
また、上記課題を解決し、上記第2の目的を達成するために、本発明の第2の態様は、測定対象の光断層画像を取得する装置本体と、前記装置本体からの測定光を前記測定対象まで導波するとともに前記測定対象からの戻り光を導波する回転側光ファイバ、その先端部に配置され、前記測定対象に前記測定光を照射し、その戻り光を取得する測定部、前記回転側光ファイバおよび前記測定部を回転自在に保持するように、それらの外周を覆い、少なくとも、前記測定部からの前記測定光および前記測定対象からの前記戻り光が透過する領域が透明な材料で形成されているプローブ外筒を備える光プローブと、前記装置本体に接続され、前記測定光を前記回転側光ファイバまで導波するとともに前記回転側光ファイバによって導波された前記戻り光を前記装置本体まで導波する固定側光ファイバと、前記回転側光ファイバを前記固定側光ファイバに対して回転自在に接続し、前記測定光および前記戻り光を伝送する、上記第1の態様の光ロータリアダプタとを有し、前記装置本体は、導波された前記戻り光を用いて前記測定対象の前記光断層画像を取得することを特徴とする光断層画像化装置を提供するものである。
【0017】
ここで、前記装置本体は、光源と、前記光源から射出された光を前記測定光と参照光に分岐する分岐手段と、前記光プローブの前記測定部で検出され、前記回転側光ファイバ、前記光ロータリアダプタおよび前記固定側光ファイバを導波された前記戻り光と、前記参照光を合波して干渉光を生成する合波部と、前記干渉光を干渉信号として検出する干渉光検出部と、前記干渉光検出部によって検出された前記干渉信号から前記光断層画像を取得する断層画像取得部とを有するのが好ましい。
また、前記光源は、一定の周期で波長を掃引しながら光を射出するものであるのが好ましい。
【発明の効果】
【0018】
本発明の第1の態様の光ロータリアダプタによれば、測定光を測定対象まで導波するとともに測定対象からの戻り光を導波する光ファイバ間を回転自在、好ましくは着脱可能に接続し、着脱した際にも接続された両光ファイバの先端の損傷や破損などを防止することができるとともに、接続される両光ファイバの対向する両端面における端面反射による、測定対象からの戻り光の減衰やS/N比の低下を防止することができる。
また、本発明の第2の態様の光断層画像化装置によれば、上記効果を奏する第1の態様の光ロータリアダプタを用いることにより、効率よく分解能の高い、測定対象の光断層画像を取得することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下に、本発明に係る光ロータリアダプタおよびこれを用いる光断層画像化装置を、添付の図面に示す好適実施形態に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明の光ロータリアダプタを用いる本発明の光断層画像化装置の一実施形態の概略構成を示すブロック図である。
【0020】
同図に示す本発明の光断層画像化装置10は、光干渉断層(OCT:Optical Coherence Tomography)計測法による測定対象の光断層画像を取得するためのもので、光Laを射出する光源ユニット12と、光源ユニット12から射出された光Laを測定光L1と参照光L2に分岐し、かつ、被検体である測定対象からの戻り光L3と参照光L2を合波して干渉光L4を生成する分岐合波部14と、分岐合波部14で生成された干渉光L4を干渉信号として検出する干渉光検出部20と、この干渉光検出部20によって検出された干渉信号を処理して光断層画像(以下単に「断層画像」ともいう)を取得する処理部22と、処理部22で取得された光断層画像を表示する表示部24とを備える装置本体11と、装置本体11の分岐合波部14で分岐された測定光L1を測定対象まで導波するとともに測定対象からの戻り光L3を導波する回転側光ファイバFB1を備える光プローブ16と、測定光L1を回転側光ファイバFB1まで導波するとともに回転側光ファイバFB1によって導波された戻り光L3を導波する固定側光ファイバFB2と、回転側光ファイバFB1を固定側光ファイバFB2に対して回転自在に接続し、測定光L1および戻り光L3を伝送する本発明の光ロータリアダプタ18とを有する。
【0021】
また、光断層画像化装置10は、装置本体11に、さらに、参照光L2の光路長を調整する光路長調整部26と、光源ユニット12から射出された光Laを分光する光ファイバカプラ28と、参照光L2を検出する検出部30aと戻り光L3を検出する検出部30bと、処理部22や表示部24等への各種条件の入力、設定の変更等を行う操作制御部32とを有する。なお、後述するが、図1に示す光断層画像化装置10においては、上述した射出光La、測定光L1、参照光L2および戻り光L3などを含む種々の光を各光デバイスなどの構成要素間で導波し、伝送するための光の経路として、回転側光ファイバFB1および固定側光ファイバFB2を含め種々の光ファイバFB(FB3、FB4、FB5、FB6など)が用いられている。
ここで、分岐合波部14、干渉光検出部20、光路長調整部26、光ファイバカプラ28および検出部30a、30bは、干渉計を構成する。
【0022】
まず、図1に示す光断層画像化装置10に用いられる本発明の光ロータリアダプタについて説明する。
図2は、図1に示す本発明の光ロータリアダプタの一実施形態の概略断面図であり、図3は、図2に示す光ロータリアダプタの回転中心と光ファイバおよびコリメータレンズの位置関係を説明するための説明図である。
図2に示す光ロータリアダプタ18は、筐体34と、筐体34の外側に取り付けられるモータ36と、筐体34内に固定される固定スリーブ38と、固定スリーブ38の一端面に固定的に取り付けられるホルダ40aおよび40bを介して取り付けられる固定側光ファイバFB2および固定側コリメータレンズ42と、固定スリーブ38に軸受け44を介して回転自在に支持される取付筒46aおよびこれに一体的に組み立てられた回転筒46bからなる回転組立体46と、取付筒46aの一端面の略中心に固定的に取り付けられるホルダ48aおよび48bを介して取り付けられる回転側光ファイバFB1および回転側コリメータレンズ50と、回転組立体46の回転筒46bの外周に取り付けられた歯車52と、モータ36の回転軸36aに取り付けられ、回転筒46bの歯車52と噛合する歯車54とを有する。
【0023】
筐体34は、モータ36、ホルダ40aおよび固定側光ファイバFB2などを除き、光ロータリアダプタ16の各構成要素を収納するものである。筐体34には、モータ36の回転軸36aが挿通される開口34aが設けられ、また、光ファイバFB2を保持するホルダ40aを取り付ける固定スリーブ38を取り付けるための開口34bおよび光ファイバFB1を回転自在に通すための開口34cが互いに対向する位置に設けられている。
モータ36は、回転筒46bを回転させることにより、回転組立体46の取付筒46aを回転させ、取付筒46aおよび回転筒46bの略中心に支持されるFB1を回転させるためのものである。モータ36は、自身の回転軸36aを回転させることにより、回転軸36aの先端に取り付けられた歯車54を回転させ、歯車54と噛合する回転筒46bの歯車52を回転させて、回転筒46bを回転させることにより、回転組立体46の取付筒46aを回転させる。その結果、回転組立体46の取付筒46aおよび回転筒46bの略中心に支持されるFB1は回転する。
【0024】
固定スリーブ38は、固定側光ファイバFB2および固定側コリメータレンズ42を所定位置に支持するともに、回転組立体46の取付筒46aを回転自在に支持するためのものである。固定スリーブ38は、円筒形状をなし、一方が開放する円管部38aと、他方に中央開口38bを持つ円板部38cを備え、円板部38cの外側の環状突起38dが、筐体34の開口34bに嵌合するように、円板部38cが筐体34の内壁に取り付けられる。
このように筐体34に固定された固定スリーブ38の円板部38cの外側には、その中央開口38bを覆うようにホルダ40aのフランジ部が取り付けられる。
一方、固定スリーブ38の円管部38aには開放側から回転組立体46の取付筒46aが嵌め込まれ、固定スリーブ38の円管部38aの内周と、回転組立体46の円筒状取付筒46aの外周との間には、2個の軸受け44が介在する。2個の軸受け44は、固定スリーブ38の円管部38aの内周の段部に押し当てられ、円管部38aの内周から開放側に抜けないように、円管部38aの開放端の内周面に形成された雌ねじ部に螺合する雄ねじ部を持つリング39によって止められている。
【0025】
ホルダ40aは、その中心に円筒状フェルール41に保持された光ファイバFB2を保持するためのフランジ付き円管状部材である。フェルール41に保持された光ファイバFB2は、その先端面がホルダ40aのフランジ側端面から所定距離だけ離れて位置する(ホルダ40a直管部の貫通孔内に入り込んだ位置となる)ようにホルダ40aに保持される。なお、ホルダ40aは、保持する固定側光ファイバFB2の中心軸が固定スリーブ38の円形状の中央開口38bの略中心、具体的には、中央開口38bに対して所定量(わずかに)偏心した位置に来るように、固定スリーブ38の円板部38cの外側の中央開口38bの周辺部に外側に向けて取り付けられる。
【0026】
ここで、フェルール41は、芯部に光ファイバFB2が挿通され、光ファイバFB2を保持するとともに保護する機能を持ち、通常、ジルコニアフェルールやニッケル合金などの金属を用いたメタルフェルールなどを用いることができる。
一方、ホルダ40bは、コリメータレンズ42を保持するためのフランジ付き円管状部材であり、そのフランジ部がホルダ40aのフランジ部に、光ファイバFB2の先端中心とコリメータレンズ42の中心とがその光軸に沿って所定距離、具体的には、コリメータレンズ42の焦点距離だけ離間するように取り付けられる。
なお、光ファイバFB2の中心軸と、コリメータレンズ42の中心とは、光線を水平に射出させる位置にオフセットさせて取り付けられている。
【0027】
固定側光ファイバFB2は、分岐合波部14で分岐された測定光L1を回転側光ファイバFB1に伝送するとともに光ファイバFB1によって導波された戻り光L3を伝送するものであり、光ファイバFB2の先端面および芯部に光ファイバFB2が挿通されたフェルール41の先端面は、光ファイバFB2の中心軸に垂直な平面に対して所定角度傾斜する同一平面をなす傾斜端面である。
固定側コリメータレンズ42は、光ファイバFB2の先端から射出された測定光L1をコリメートして回転側コリメータレンズ50に入射させるとともに、コリメータレンズ50からのコリメートされた戻り光L3を集光して光ファイバFB2に入射させるためのものであり、光ファイバFB2の先端面とコリメータレンズ42とは、光ファイバFB2の傾斜端面の中心とコリメータレンズ42の中心との間の(光軸上の)距離がコリメータレンズ42の焦点距離に等しくなるように配置される。
【0028】
回転組立体46は、その先端側(図2中左側をいう)の取付筒46aとその後端側(図2中右側をいう)の回転筒46bとが同一回転中心軸周りを一体的に回転するように、一体的に組み立てられたものであって、その先端側の取付筒46aが固定スリーブ38の円管部38aに嵌め込まれ、固定スリーブ38に2個の軸受け44を介して回転自在に支持され、取付筒46aおよび回転筒46bの内部の略中心に保持される回転側光ファイバFB1を回転自在に支持し、光ファイバFB1を回転させるための部材である。
回転組立体46の取付筒46aは、その後端側にフランジ状端面46eを持つ円筒状部材であって、その先端側の端面が固定スリーブ38の円板部38cに対向し、その外周部に2個の軸受け44が配置され、その後端側のフランジ状端面46eの中心側に光ファイバFB1およびコリメータレンズ50を取り付けるためのもので、ファイバコリメータ取付筒として機能し、その周辺側には回転筒46bの端面が取り付けられている。
回転組立体46においては、2個の軸受け44は、取付筒46aの外周に圧入され、その段部に押し当てられ、取付筒46aの外周から開放側に抜けないように、取付筒46aの開放端の外周面に形成された雄ねじ部に螺合する雌ねじ部を持つリング47によって止められている。
【0029】
また、回転筒46bは、取付筒46aの内径より大きい内径の内周面を持ち、取付筒46aのフランジ状端面46eの外径より小さい外径を持つ円筒状部材であって、その先端側の端面が、取付筒46aの後端側のフランジ状端面46eの周辺側に、同一回転中心軸を持つように取り付けられて、取付筒46aと一体的に組み立てられた回転組立体46を構成するものである。
また、回転組立体46の取付筒46aと回転筒46bとの間には、取付筒46aのフランジ状端面46eによって段部が形成され、この段部に押し当てて回転筒46bの先端側の外周には歯車52が取り付けられ、歯車52の回転に伴って回転筒46bが回転して、回転組立体46が回転し、回転組立体46を構成する取付筒46aが回転するように構成されている。
回転筒46bの後端側には、その略中心軸上に、取付筒46aの略中心軸上に取り付けられた光ファイバFB1の他端(後端)側の傾斜端面を支持するとともに、このようにして回転筒46b内に保持される光ファイバFB1を光プローブ16内の光ファイバFB1に接続するための接続部46cが取り付けられている。
なお、回転組立体46は、回転筒46bの先端側の端面を取付筒46aの後端側のフランジ状端面46eから取り外すことにより、取付筒46aと回転筒46bに分解するように構成することもできる。
【0030】
回転組立体46の取付筒46aの後端側のフランジ状端面46eの中心側には、その中央開口46dを覆うようにホルダ48aのフランジ部が取り付けられる。
ホルダ48aは、ホルダ40aと同様に、その中心に円筒状フェルール49に保持された光ファイバFB1を保持するためのフランジ付き円管状部材である。フェルール49に保持された光ファイバFB1は、その先端面がホルダ48aのフランジ側端面から所定距離だけ離れて位置する(ホルダ48a直管部の貫通孔内に入り込んだ位置となる)ようにホルダ48aに保持される。なお、ホルダ48aは、保持する固定側光ファイバFB1の中心軸が取付筒46aの中央開口46dの略中心、具体的には、取付筒46a(回転組立体46)の回転中心に対して、所定量(わずかに)オフセット(偏心)した位置に来るように、フランジ状端面46eの中央開口46dの周辺部に外側に向けて取り付けられる。
【0031】
ここで、フェルール49は、芯部に光ファイバFB1が挿通され、光ファイバFB1を保持するとともに保護する機能を持ち、フェルール41と同様に、通常、ジルコニアフェルールやニッケル合金などの金属を用いたメタルフェルールなどを用いることができる。
一方、ホルダ48bは、ホルダ40bと同様に、コリメータレンズ50を保持するためのフランジ付き円管状部材であり、そのフランジ部がホルダ48aのフランジ部に、光ファイバFB1の先端中心とコリメータレンズ50の中心とが光軸に沿って所定距離、具体的には、コリメータレンズ50の焦点距離だけ離間するように取り付けられる。
なお、光ファイバFB1の中心軸と、コリメータレンズ50の中心とは、光線を水平に射出させる位置にオフセットさせて取り付けられている。
【0032】
回転側光ファイバFB1は、固定側光ファイバFB2から伝送された測定光L1を測定対象まで導波するとともに測定対象からの戻り光L3を導波して固定側光ファイバFB2に伝送するためのものであり、光ファイバFB1の先端面および芯部に光ファイバFB1が挿通されたフェルール49の先端面は、光ファイバFB1の中心軸に垂直な平面に対して所定角度傾斜する同一平面をなす傾斜端面である。
回転側コリメータレンズ50は、コリメータレンズ42からのコリメートされた測定光L1を集光して光ファイバFB1に入射させるとともに、光ファイバFB1の先端から射出された戻り光L3をコリメートして固定側コリメータレンズ42に入射させるためのものであり、光ファイバFB1の先端面とコリメータレンズ50とは、光ファイバFB1の傾斜端面の中心とコリメータレンズ50の中心との間の(光軸上の)距離がコリメータレンズ50の焦点距離に等しくなるように配置される。
【0033】
上述したように、回転組立体46の回転筒46bの後端面に取り付けられる接続部46cは、取付筒46aの略中心軸上に取り付けられ、回転筒46bの略中心軸上に保持される光ファイバFB1の他端(後端)側の傾斜端面を支持するとともに、回転筒46b内に保持される光ファイバFB1を光プローブ16内の光ファイバFB1に接続するための部材である。
接続部46cは、回転筒46bの後端面に嵌め込まれ、その内周に設けられた段部に当接して取り付けられるフランジ部56aと、その両側に設けられた雄ねじ部56bおよび56cと、取付筒46aの略中心にホルダ48aによってフェルール49を介して保持される光ファイバFB1が略回転中心軸上に挿通されて割りスリーブ57を介して保持される中央貫通孔56dとを持つ端面部材56と、光ファイバFB1挿通する中央開口および端面部材56の雄ねじ部56bに螺合する雌ねじ部を持ち、中央貫通孔56dに挿通された光ファイバFB1を通す貫通孔を備える袋ナット58とを備える。ここで、接続部46cの端面部材56、特に、雄ねじ部56cは、光プローブ16内の光ファイバFB1をロータリアダプタ18に取り付けるためのファイバコネクタとして機能する。
【0034】
なお、図示例においては、光ファイバFB1は、ホルダ48aで保持されている先端側の傾斜端面の位置では、その中心軸と取付筒46aの回転中心軸とは所定量オフセットするように取付筒46aおよび回転筒46bの略中心に配置されるが、回転筒46bの後端側の接続部46cにおいては、その中心軸と回転筒46bの回転中心軸とが一致するように端面部材56と袋ナット58とによって回転筒46bの中心に支持されるのが好ましい。
ここで、回転筒46bの接続部46cの雄ねじ部56cは、筐体34の開口34cに臨んでおり、光プローブ16の光ファイバFB1を、回転組立体46内のファイバFB1とを光学的に接続するコネクタとして機能し、通常の光コネクタ、例えば、SCコネクタやFCコネクタなどや、フィジカルコンタクト用光コネクタなどをも含め、種々の光コネクタを接続することができる。
したがって、本発明の光断層画像化装置10においては、本発明の光ロータリアダプタ18の回転組立体46の接続部46cを光コネクタ接続部とし、光プローブ16内の光ファイバFB1の末端部を光コネクタを取り付けておき、これらの接続部46cと光ファイバFB1の末端部の光コネクタとを着脱することにより、装置本体11に直接FCコネクタなどの光コネクタによって接続された固定側の光ファイバFB2と、光プローブ16内の光ファイバFB1とを着脱するのが好ましい。
なお、後述するが、光プローブ16内の光ファイバFB1をある程度の可撓性を持たせた状態で保護しつつ回転自在に保持するために、バネ等で被覆されている。
【0035】
本発明の光ロータリアダプタ18においては、軸受44が圧入状態であるので容易ではないが、例えば、回転組立体46の回転筒46bや歯車52を取り外して、リング39を取り外すことにより、光ファイバFB2を保持するホルダ40aを取り付けたままの固定スリーブ38から光ファイバFB1を保持するホルダ48aを取り付けたままの回転組立体46を抜き出して取り外すこともできる。この場合には、2個の軸受け44は、回転組立体46の取付筒46aとともに固定スリーブ38の内周から抜き出されることになる。
このとき、光ファイバFB1およびFB2の先端には、コリメータレンズ50および42が取り付けられているため、光ファイバFB1およびFB2の先端を誤って損傷し、あるいは破損することを防止することができる。
なお、図示例では、回転組立体46の回転筒46bの接続部46cは、光ファイバのコネクタとして機能するように構成されているが、取付筒46aに取り付けられたホルダ48aによって保持される光ファイバFB1を保持し、保持された光ファイバFB1がそのまま光プローブ16の先端まで延在する構成することもできる。
【0036】
なお、本発明の光ロータリアダプタ18においては、測定対象からの戻り光L3の減衰を小さくして、戻り光L3のS/N比を向上させるように、光ファイバFB1およびFB2の中心軸と、光ファイバFB1の回転中心、すなわち回転組立体46(取付筒46a)の回転中心とをオフセットさせている。ここで、光ファイバFB1およびFB2の中心軸と、取付筒46aの回転中心軸とは、一致するのが好ましい。
図3は、このような固定側光ファイバFB2およびコリメータレンズ42からなる固定側光伝送系と、回転側光ファイバFB1およびコリメータレンズ50からなる回転側光伝送系との位置関係について示す模式図である。
【0037】
図3に示すように、固定側光ファイバFB2の先端の傾斜端面の中心軸に垂直な平面に対する傾斜角度をθ1、光ファイバFB2の屈折率をn1、光ファイバFB2とFB1との間のコリメータレンズ42および50を除く光を伝播させる媒質の屈折率をn3、光ファイバFB2内をその中心軸に平行に進行し、その傾斜端面と媒質との界面で屈折した光の傾斜端面の法線とのなす角(屈折角度)をθ3とし、コリメータレンズ42を薄板レンズとした時の光ファイバFB2の傾斜端面の中心とコリメータレンズ42の中心との光軸間距離をコリメータレンズ42の焦点距離f1に等しいとする時、光ファイバFB2の中心軸と回転組立体46(取付筒46a)の回転中心軸とのオフセット量δ1が、下記式(1)および(2)を満足するように、固定側光ファイバFB2およびコリメータレンズ42を取付筒46aに対して取り付けるのが良い。
n1×sinθ1=n3×sinθ3 …(1)
δ1=f1×tan(θ3−θ1) …(2)
【0038】
同様に、図3に示すように、回転側光ファイバFB1の先端の傾斜端面の中心軸に垂直な平面に対する傾斜角度をθ2、光ファイバFB1の屈折率をn2、上述した光を伝播させる媒質の屈折率をn3、光ファイバFB1内をその中心軸に平行に進行し、その傾斜端面と媒質との界面で屈折した光の傾斜端面の法線とのなす角(屈折角度)をθ4とし、コリメータレンズ50を薄板レンズとした時の光ファイバFB1の傾斜端面の中心とコリメータレンズ50の中心との光軸間距離をコリメータレンズ50の焦点距離f2に等しいとする時、光ファイバFB1の中心軸と回転組立体46(取付筒46a)の回転中心軸とのオフセット量δ2が、下記式(3)および(4)を満足するように、回転側光ファイバFB1およびコリメータレンズ50を取付筒46aに対して取り付けるのが良い。
n2×sinθ2=n3×sinθ4 …(3)
δ2=f2×tan(θ4−θ2) …(4)
【0039】
以上のように、図3に示す固定側光ファイバFB2およびコリメータレンズ42からなる固定側光伝送系と、回転側光ファイバFB1およびコリメータレンズ50からなる回転側光伝送系とを配置することにより、測定対象からの戻り光L3の減衰を小さくして、ホワイトノイズを減らし、戻り光L3のS/N比を向上させることができる。
ここで、図3に示す固定側光ファイバFB2およびコリメータレンズ42からなる固定側光伝送系と、回転側光ファイバFB1およびコリメータレンズ50からなる回転側光伝送系とは、対称、すなわち線対称となる位置が取れるように配置されるのが好ましい。
この場合、両伝送系における屈折率(n1=n2)、傾斜角度(θ1=θ2)、屈折角度(θ3=θ4)、焦点距離(f1=f2)、オフセット量(δ1=δ2)は、等しくなる。
【0040】
なお、例えば、図3において、光ファイバFB2の屈折率n1をガラスとして1.5、その傾斜角度θ1を8°、媒質の屈折率n3を空気として1.0とすると、上記式(1)から、屈折角度θ3は12°となるので、コリメータレンズ42の焦点距離f1を2mmとするとき、上記式(2)から、光ファイバFB2の中心軸と回転中心軸のオフセット量δ1は、0.14mmとなる。したがって、上述した両伝送系が対称に配置されている場合には、光ファイバFB1およびFB2の中心軸と、回転中心軸とが0.14mmだけオフセットするように、光ファイバFB1およびFB2を保持するホルダ40aおよび48aをそれぞれ固定スリーブ38および取付筒46aに配置すれば良い。
本発明の光ロータリアダプタは、基本的に以上のように構成される。
【0041】
次に、本発明の光ロータリアダプタ18が適用される図1に示す光断層画像化装置10を構成する各構成要素について説明する。
図1に示すように、光源ユニット12は、半導体光増幅器60と、光分岐器62と、コリメータレンズ64と、回折格子素子66と、光学系67と、回転多面鏡68とを有し、周波数を一定の周期で掃引させたレーザ光Laを射出する。
【0042】
半導体光増幅器(半導体利得媒質)60は、駆動電流が印加されることで、微弱な放出光を射出し、また、入射された光を増幅する。この半導体光増幅器60には、光ファイバFB10が接続されている。具体的には、光ファイバFB10の一端は、半導体光増幅器60から光が射出される部分に接続され、光ファイバFB10の他端は、半導体光増幅器60に光を入射する部分に接続されており、半導体光増幅器60から射出された光は、光ファイバFB10に射出され、再び半導体光増幅器60に入射する。
このように、半導体光増幅器60および光ファイバFB10で光路のループを形成することで、半導体光増幅器60および光ファイバFB10が光共振器となり、半導体光増幅器60に駆動電流が印加されることで、パルス状のレーザ光が生成される。
【0043】
光分岐器62は、光ファイバFB10の光路上に設けられ、光ファイバFB11とも接続している。光分岐器62は、光ファイバFB10内を導波する光の一部を光ファイバFB11に分岐させる。
コリメータレンズ64は、光ファイバFB11の他端、つまり光ファイバFB10と接続していない端部に配置され、光ファイバFB11から射出された光を平行光にする。
回折格子素子66は、コリメータレンズ64で生成された平行光の光路上に所定角度傾斜して配置されている。回折格子素子66は、コリメータレンズ64から射出される平行光を分光する。
光学系67は、回折格子素子66で分光された光の光路上に配置されている。光学系67は、複数のレンズで構成されており、回折格子素子66で分光された光を屈折させ、屈折させた光を平行光にする。
回転多面鏡68は、光学系67で生成された平行光の光路上に配置され、平行光を反射する。回転多面鏡68は、図1中R1方向に等速で回転する回転体であり、回転軸に垂直な面が正八角形であり、平行光が照射される側面(八角形の各辺を構成する面)が照射された光を反射する反射面で構成されている。
回転多面鏡68は、回転することで、各反射面の角度を光学系67の光軸に対して変化させる。
【0044】
光ファイバFB11から射出された光は、コリメータレンズ64、回折格子素子66、光学系67を通り、回転多面鏡68で反射される。反射された光は、光学系67、回折格子素子66、コリメータレンズ64を通り、光ファイバFB11に入射する。
ここで、上述したように、回転多面鏡68の反射面の角度が光学系67の光軸に対して変化するため、回転多面鏡68が光を反射する角度は時間により変化する。このため、回折格子素子66により分光された光のうち、特定の周波数域の光だけが再び光ファイバFB11に入射する。ここで、光ファイバFB11に入射する特定の周波数域の光は、光学系67の光軸と回転多面鏡68の反射面との角度により決まるため、光ファイバFB11に入射する光の周波数域は、光学系67の光軸と回転多面鏡68の反射面との角度により変化する。
【0045】
光ファイバFB11に入射した特定の周波数域の光は、光分岐器62から光ファイバFB10に入射され、光ファイバFB10の光と合波される。これにより、光ファイバFB10に導光されるパルス状のレーザ光は、特定の周波数域のレーザ光となり、この特定周波数域のレーザ光Laが光ファイバFB3に射出される。
ここで、回転多面鏡68が矢印R1方向に等速で回転しているため、再び光ファイバFB11に入射される光の波長λは、時間の経過に伴って一定の周期で変化する。これにより、光ファイバFB3に射出されるレーザ光Laの周波数も、時間の経過に伴った一定の周期で変化する。
光源ユニット12は、このような構成であり、波長掃引されたレーザ光Laを光ファイバFB3側に射出する。
【0046】
次に、分岐合波部14は、例えば2×2の光ファイバカプラで構成されており、光ファイバFB2、光ファイバFB3、光ファイバFB4、光ファイバFB5とそれぞれ光学的に接続されている。
分岐合波部14は、光源ユニット12から光ファイバFB3を介して入射した光Laを測定光L1と参照光L2とに分割し、測定光L1を光ファイバFB2に入射させ、参照光L2を光ファイバFB5に入射させる。
さらに、分岐合波部14は、光ファイバFB5に入射され、後述する光路長調整部26により周波数シフトおよび光路長の変更が施された後、光ファイバFB5を戻り、分岐合波部14に入射した参照光L2と、後述する光プローブで取得され、光ファイバFB2から分岐合波部14に入射した測定対象Sからの戻り光L3とを合波し、光ファイバFB4に射出する。
【0047】
光プローブ16は、光ロータリアダプタ18を介して、光ファイバFB2と接続されており、光ファイバFB2から、光ロータリアダプタ18を介して、光ファイバFB1に測定光L1が入射され、入射された測定光L1を光ファイバFB1によって伝送して測定対象Sに照射し、測定対象Sからの戻り光L3を取得し、取得した戻り光L3を光ファイバFB1によって伝送して、光ロータリアダプタ18を介して、光ファイバFB2に射出するものである。
図4に示すように、この光プローブ16は、プローブ外筒70と、キャップ72と、光ファイバFB1と、バネ74と、固定部材76と、光学レンズ78とを有する。
【0048】
プローブ外筒(シース)70は、可撓性を有する筒状の部材であり、測定光L1および戻り光L3が透過する材料からなっている。なお、プローブ外筒70は、測定光L1および戻り光L3が通過する先端(光ロータリアダプタ18と反対側の光ファイバFB1の先端、以下、プローブ外筒70の先端という)側の一部が全周に渡って光を透過する材料(透明な材料)で形成されていればよい。
キャップ72は、プローブ外筒70の先端に設けられ、プローブ外筒70の先端を閉塞している。
【0049】
光ファイバFB1は、線状部材であり、プローブ外筒70内にプローブ外筒70に沿って収容されており、光ファイバFB2から光ロータリアダプタ18を介して射出された測定光L1を光学レンズ78まで導波するとともに、測定光L1を測定対象Sに照射して光学レンズ78で取得した測定対象Sからの戻り光L3を光ロータリアダプタ18まで導波し、光ファイバFB2に入射する。
ここで、光ファイバFB1と光ファイバFB2とは、光ロータリアダプタ18によって接続されており、光ファイバFB1の回転が光ファイバFB2に伝達しない状態で、光学的に接続されている。また、光ファイバFB1は、プローブ外筒70に対して回転自在な状態で配置されている。
バネ74は、光ファイバFB1の外周に固定されている。また、光ファイバFB1およびバネ74は、光ロータリアダプタ18に接続されている。
【0050】
光学レンズ78は、光ファイバFB1の測定側先端(光ロータリアダプタ18と反対側の光ファイバFB1の先端)に配置されており、先端部が、光ファイバFB1から射出された測定光L1を測定対象Sに対し集光するために略球状の形状で形成されている。
光学レンズ78は、光ファイバFB1から射出した測定光L1を測定対象Sに対し照射し、測定対象Sからの戻り光L3を集光し光ファイバFB1に入射する。
固定部材76は、光ファイバFB1と光学レンズ78との接続部の外周に配置されており、光学レンズ78を光ファイバFB1の端部に固定する。ここで、固定部材76による光ファイバFB1と光学レンズ78の固定方法は、特に限定されず、接着剤により、固定部材76と光ファイバFB1および光学レンズ78を接着させて固定させても、ボルト等を用い機械的構造で固定してもよい。なお、固定部材76は、上述したフェルール41および49と同様に、ジルコニアフェルールやメタルフェルールなど光ファイバの固定や保持や保護のために用いられるものであれば、如何なるものを用いても良い。
【0051】
また、上述したように、光ファイバFB1およびバネ74は、光ロータリアダプタ18の回転組立体46(回転筒46bの接続部46c)に接続されており、回転筒46bによって光ファイバFB1およびバネ74を回転させることで、光学レンズ78をプローブ外筒11に対し、矢印R2方向に回転させる。また、光ロータリアダプタ18は、回転エンコーダを備え(図示せず)、回転エンコーダからの信号に基づいて光学レンズ78の位置情報(角度情報)から測定光L1の照射位置を検出する。つまり、回転している光学レンズ78の回転方向における基準位置に対する角度を検出して、測定位置を検出する。
【0052】
光プローブ16は、以上のような構成であり、光ロータリアダプタ18により光ファイバFB1およびバネ74が、図4中矢印R2方向に回転されることで、光学レンズ78から射出される測定光L1を測定対象Sに対し、矢印R2方向(プローブ外筒70の円周方向)に対し走査しながら照射し、戻り光L3を取得する。
これにより、プローブ外筒70の円周方向の全周において、測定対象Sを反射した戻り光L3を取得することができる。
【0053】
光路長調整部26は、光ファイバFB5の参照光L2の射出側(すなわち、光ファイバFB5の分岐合波部14とは反対側の端部)に配置されている。
光路長調整部26は、光ファイバFB5から射出された光を平行光にする第1光学レンズ80と、第1光学レンズ80で平行光にされた光を集光する第2光学レンズ82と、第2光学レンズ82で集光された光を反射する反射ミラー84と、第2光学レンズ82および反射ミラー84を支持する基台86と、基台86を光軸方向に平行な方向に移動させるミラー駆動機構88とを有し、第1光学レンズ80と第2光学レンズ82との距離を変化させることで参照光L2の光路長を調整する。
【0054】
第1光学レンズ80は、光ファイバFB5のコアから射出された参照光L2を平行光にするとともに、反射ミラー84で反射された参照光L2を光ファイバFB5のコアに集光する。
また、第2光学レンズ82は、第1光学レンズ80により平行光にされた参照光L2を反射ミラー84上に集光するとともに、反射ミラー84により反射された参照光L2を平行光にする。このように、第1光学レンズ80と第2光学レンズ82とにより共焦点光学系が形成されている。
【0055】
さらに、反射ミラー84は、第2光学レンズ82で集光される光の焦点に配置されており、第2光学レンズ82で集光された参照光L2を反射する。
これにより、光ファイバFB5から射出した参照光L2は、第1光学レンズ80により平行光になり、第2光学レンズ82により反射ミラー84上に集光される。その後、反射ミラー84により反射された参照光L2は、第2光学レンズ82により平行光になり、第1光学レンズ80により光ファイバFB5のコアに集光される。
【0056】
また、基台86は、第2光学レンズ82と反射ミラー84とを固定し、ミラー移動機構88は、基台86を第1光学レンズ80の光軸方向(図1矢印A方向)に移動させる。
ミラー移動機構88で、基台86を矢印A方向に移動させることで、第1光学レンズ80と第2光学レンズ82との距離を変更することができ、参照光L2の光路長を調整することができる。
【0057】
干渉光検出部20は、光ファイバFB4と接続されており、分岐合波部14で参照光L2と戻り光L3とを合波して生成された干渉光L4を干渉信号として検出する。
ここで、光断層画像化装置10は、光ファイバFB3から光ファイバFB6にレーザ光Laを分岐する光ファイバカプラ28と、光ファイバカプラ28から分岐させた光ファイバFB6に設けられ、分岐されたレーザ光Laの光強度を検出する検出器30aと、光ファイバFB4の光路上に干渉光L4の光強度を検出する検出器30bとを有する。
干渉光検出部20は、検出器30aおよび検出器30bの検出結果に基づいて、光ファイバFB4から検出する干渉光L4の光強度のバランスを調整する。
【0058】
処理部22は、干渉光検出部20で検出した干渉信号から、測定位置における光プローブ16と測定対象Sとの接触している領域、より正確には、光プローブ16のプローブ外筒70の表面と測定対象Sの表面とが接触しているとみなせる領域を検出し、さらに、干渉光検出部20で検出した干渉信号から、断層画像を取得する。
図5に示すように、処理部22は、干渉信号取得部90と、A/D変換部92と、接触領域検出部94と、断層画像生成部96と、画像補正部98とを有する。
【0059】
干渉信号取得部90は、干渉光検出部20で検出された干渉信号を取得し、さらに、光ロータリアダプタ18で検出された測定位置の情報、具体的には、回転方向における光学レンズ78の位置情報から検出された測定位置の位置情報を取得し、干渉信号と測定位置の位置情報を対応付ける。
測定位置の位置情報が対応付けられた干渉信号は、A/D変換部92に送られる。
A/D変換部92は、干渉信号取得部90で測定位置の位置情報と対応つけられたアナログ信号として出力されている干渉信号をデジタル信号に変換する。
測定位置の位置情報が対応付けられ、デジタル変換された干渉信号は、接触領域検出部94および断層情報精生成部96に送られる。
【0060】
接触領域検出部94は、A/D変換部92でデジタル信号に変換された干渉信号をFFT(高速フーリエ変換)にかけ干渉信号の周波数成分と強度との関係を取得し、検出した周波数成分と強度との関係の周波数成分と、深さ方向(回転中心から離れる方向)とを対応つけることで、深さ方向と強度との関係の情報を取得する。接触領域検出部94は、深さ方向と強度との関係の情報から、測定光L1が透過する位置におけるプローブ外筒70の表面の位置および測定光L1が透過する位置におけるプローブ外筒70と測定対象Sとの接触領域を検出する。
このようにして接触領域検出部94によって検出されたプローブ外筒70と測定対象Sとの接触領域は、断層情報生成部96に送られる。
【0061】
断層情報取得部96は、A/D変換部92でデジタル信号に変換された干渉信号をFFT(高速フーリエ変換)にかけて取得した周波数成分と強度との関係の情報を処理することで深さ方向の断層画像を取得する。
ここで、断層情報取得部96は、接触領域検出部98から送られた接触領域情報から、接触領域と判断された位置情報の干渉信号のみの断層画像を取得し、接触領域以外の位置情報の干渉信号は断層画像の取得を行わず、つまりFFTやFFTをかけた結果からの画像取得処理を行わず、マスク処理をする。
【0062】
ここで、断層情報取得部96における画像の生成について簡単に説明する。
測定光L1が測定対象Sに照射されたとき、測定対象Sの各深さからの戻り光L3と参照光L2とがいろいろな光路長差をもって干渉しあう際の各光路長差lに対する干渉縞の光強度をS(l)とすると、干渉光検出部20において検出される干渉信号の光強度I(k)は、
I(k)=∫S(l)[1+cos(kl)]dl
で表される。ここで、kは波数、lは光路長差である。上式は波数k=ω/cを変数とする光周波数領域のインターフェログラムとして与えられていると考えることができる。このため、断層情報取得部96において、干渉光検出部20で検出したスペクトル干渉縞に高速フーリエ変換を施し、干渉光L4の光強度S(l)を決定することにより、測定対象Sの測定開始位置からの距離情報と反射強度情報とを取得し、断層画像を生成することができる。
【0063】
画像補正部98は、断層画像生成部96により生成された断層画像に対し、対数変換、ラジアル変換を施し、光学レンズ78の回転中心を中心とした円形の画像とする。
さらに、画像補正部98は、断層画像に対し、鮮鋭化処理、平滑化処理等を施すことにより画質を補正する。
画像補正部98は、画質補正が施された断層画像を表示部24に送信する。
ここで、断層画像の送信タイミングは特に限定されず、1ラインの処理が終わる毎に表示部に送信し、1ライン毎に書き換えて表示させてもよく、全ラインの処理(つまり、光学レンズを1周させて取得した画像の処置)が終了し1枚の円形の断層画像を形成した段階で送信してもよい。
【0064】
表示部24は、CRTや液晶表示装置等であり、画像補正部98から送信された断層画像を表示する。
操作制御部32は、キーボード、マウス等の入力手段と、入力された情報に基づいて各種条件を管理する制御手段とを有し、処理部22および表示部24に接続されている。操作制御部32は、入力力手段からの入力されたオペレータの指示に基づいて、処理部22の上述した閾値や各種処理条件等の入力、設定、変更や、表示部24の表示設定の変更等を行う。なお、操作制御部32は、操作画面を表示部24に表示させてもよいし、別途表示部を設けて、操作画面を表示させてもよい。また、操作制御部32で、光源ユニット12、光ロータリアダプタ18、干渉光検出部20、光路長調整部26ならびに検出部30aおよび30bの動作制御や、各種条件の設定を行うようにしてもよい。
本発明の光断層画像化装置10は、基本的に以上のように構成される。
【0065】
次に、本発明の光断層画像化装置10および本発明の光ロータリプローブ18の作用について説明する。
まず、測定対象Sを測定した干渉光および干渉信号の取得方法について説明する。
まず、ミラー駆動機構88で基台86を矢印A方向に移動させることにより、測定可能領域内に測定対象Sが位置するように光路長を調整し、設定する。
その後、光源ユニット12からレーザ光Laを射出する。射出されたレーザ光Laは、分岐合波部14により測定光L1と参照光L2とに分割される。この測定光L1は、光ファイバFB2、本発明の光ロータリアダプタ18および光プローブ16(光ファイバFB1)を導波されて、測定対象Sに照射される。
【0066】
この時、本発明の光ロータリアダプタ18によって、光プローブ16内の光ファイバFB1および光学レンズ78は回転されている。すなわち、本発明の光ロータリアダプタ18においては、モータ36が駆動され、回転軸36aが回転し、その先端に取り付けられた歯車54が回転し、歯車54と螺合する歯車52が回転する。歯車52の回転により、回転組立体46の回転筒46bの回転を介して、固定スリーブ38に軸受け44を介して回転自在に支持されている取付筒46aが回転し、取付筒46aの略中心にホルダ48aなどによって保持されている光ファイバFB1が回転する。なお、回転組立体46(回転筒46b)内に保持されている光ファイバFB1は、回転筒46bの接続部46cにおいて光プローブ16内の光ファイバFB1と接続されている、または回転筒46bの接続部46cを経て光プローブ16に延在しているので、回転筒46b内の光ファイバFB1の回転により、光プローブ16内の光ファイバFB1も回転し、その先端に取り付けられた光学レンズ78も回転する。
【0067】
一方、固定スリーブ38のホルダ40aに保持された光ファイバFB2によって光伝送され、光ファイバFB2の傾斜端面から射出された測定光L1は、固定スリーブ38のホルダ40bに保持されたコリメータレンズ42に入射し、コリメートされた後、回転している取付筒46aに取り付けられたホルダ48bに保持されたコリメータレンズ50に入射し、集光された後、ホルダ48bに取り付けられたホルダ48aに保持されている光ファイバFB1の傾斜端面に入射し、光プローブ16内の光ファイバFB1内に光伝送されて、光学レンズ78内に入射し、光学レンズ78からプローブ外筒70を透過して、測定対象Sに照射される。
この時、本発明の光ロータリアダプタ18によって、光プローブ16内の光ファイバFB1および光学レンズ78は回転されているので、回転する光学レンズ78によって体腔などの測定対象Sを全周に亘って測定光L1が照射されることになる。この時、光ロータリアダプタ18では、ロータリエンコーダ(図示せず)などにより測定対称Sの測定位置の情報を検出する。
【0068】
そして、測定対象Sの各深さ位置で反射された光が、戻り光L3として光プローブ10に入射する。この時にも、光ロータリアダプタ18によって、光プローブ16内の光ファイバFB1および光学レンズ78は回転されているので、測定対象Sの全周からの戻り光L3が、回転している光学レンズ78に入射することになる。この戻り光L3は、光プローブ16(光ファイバFB1)、光ロータリアダプタ18および光ファイバFB2を介して分岐合波部14に入射される。
【0069】
ここで、測定対象Sからの戻り光L3は、光プローブ16のプローブ外筒70を透過して、回転している光学レンズ78に入射され、光学レンズ78から光プローブ16内の光ファイバFB1内に光伝送され、光ロータリアダプタ18の回転組立体46内のホルダ48aに保持されている光ファイバFB1に入射される。光ロータリアダプタ18においては、回転している光ファイバFB1の傾斜端面から射出された戻り光L3は、回転している回転組立体46内のホルダ48bに保持されたコリメータレンズ50に入射し、コリメートされた後、静止している固定スリーブ38のホルダ40bに保持されたコリメータレンズ42に入射し、集光された後、固定スリーブ38のホルダ40aに保持された光ファイバFB2の傾斜端面に入射し、光ファイバFB2を光伝送されて、分岐合波部14に入射される。
この時、光ロータリアダプタ18においては、回転側光ファイバFB1および固定側光ファイバFB2の各中心軸と、回転中心、すなわち回転組立体46(取付筒46a)の回転中心とは、所定量オフセットしているので、戻り光L3の減衰を小さくして、ホワイトノイズを減らし、戻り光L3のS/N比を向上させることができる。
【0070】
一方、参照光L2は、光ファイバFB5を介して光路長調整部26に入射される。そして、光路長調整部26により光路長が調整された参照光L2が、再び光ファイバFB5を導波し分岐合波部14に入射される。
そして、分岐合波部14で測定対象Sからの戻り光L3を光路長調整手段40により光路長が調整された参照光L2と合波する。戻り光L3と参照光L2との干渉光L4が生成される。干渉光は、干渉光検出部20によって干渉信号として検出される。
【0071】
次に、干渉光検出部20で検出された干渉信号は、処理部22に送られる。
処理部22では、干渉信号取得部90が、送られた干渉信号を取得するとともに、光ロータリアダプタ18で検出された測定位置の情報を取得し、干渉信号と測定位置の位置情報を対応付ける。
次に、A/D変換部92では、干渉信号取得部90で取得され、測定位置の位置情報と対応付けられた干渉信号をA/D変換し、アナログ信号の干渉信号をデジタル信号に変換する。測定位置の位置情報が対応付けられ、デジタル変換された干渉信号は、A/D変換部92から接触領域検出部94および断層情報精生成部96に送られる。
【0072】
接触領域検出部94では、プローブ外筒70と測定対象Sとの接触領域が検出され、検出されたプローブ外筒70と測定対象Sとの接触領域の情報は、断層情報生成部96に送られる。
一方、断層情報取得部96では、A/D変換部92でデジタル信号に変換された干渉信号をFFT(高速フーリエ変換)にかけて取得した周波数成分と強度との関係の情報を、接触領域検出部98から送られた接触領域情報から、接触領域と判断された位置情報の干渉信号のみについて処理することにより、接触領域についての深さ方向の断層画像を取得する。断層情報取得部96で取得された断層画像は、画像補正部98に送られる。
【0073】
画像補正部98では、断層画像生成部96で生成された断層画像に対し、対数変換やラジアル変換が施され、光学レンズ78の回転中心を中心とした円形の断層画像とされるるとともに、鮮鋭化処理や平滑化処理等が施され、画質が補正される。
画像補正部98で画質補正が施された断層画像は、表示部24に送信される。
表示部24では、画像補正部98から送信された画質補正後の断層画像が表示される。
【0074】
なお、上述した図2および図3に示す光ロータリアダプタ18は、回転側光ファイバFB1および固定側光ファイバFB2の中心軸を、回転組立体46の取付筒46aの回転中心軸に対して所定量オフセットさせたものであるが、本発明はこれに限定されず、回転側光ファイバFB1および固定側光ファイバFB2の中心軸を、回転組立体46の取付筒46aの回転中心軸に対して所定角度傾斜させるものであっても良い。
図6は、このような本発明の光ロータリアダプタの他の実施形態の概略断面図であり、図7は、図6に示す光ロータリアダプタの回転中心と光ファイバおよびコリメータレンズの位置関係を説明するための説明図である。
【0075】
図6に示す光ロータリアダプタ18aは、図2に示す光ロータリアダプタ18の代わりに、図1に示す光断層画像化装置10に用いられるものであって、図2に示す光ロータリアダプタ18と、固定側光ファイバFB2およびフェルール41がホルダ40aによって固定スリーブ38に、かつ回転側光ファイバFB1およびフェルール49がホルダ48aによって回転組立体46の取付筒46aに、取付筒46aの回転中心軸に対して所定量(例えば、δ1(図3参照))オフセットするように取り付けられているのに対し、固定側光ファイバFB2およびフェルール41がホルダ43aによって固定スリーブ38に、かつ回転側光ファイバFB1およびフェルール49がホルダ51aによって回転組立体46の取付筒46aに、取付筒46aの回転中心軸に対して所定角度(例えば、φ1(図7参照))傾斜するように取り付けられている点で相違する以外は、同様の構成を有するものであるので、同一の構成要素には同一の番号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0076】
図6に示す光ロータリアダプタ18aは、筐体34と、モータ36と、固定スリーブ38と、固定スリーブ38の一端面の中心に固定的に取り付けられるホルダ43aおよび40bを介して取り付けられる固定側光ファイバFB2および固定側コリメータレンズ42と、取付筒46aおよび回転筒46bからなる回転組立体46と、取付筒46aの一端面の中心に固定的に取り付けられるホルダ51aおよび48bを介して取り付けられる回転側光ファイバFB1および回転側コリメータレンズ50と、歯車52と、歯車54とを有する。
【0077】
ホルダ43aは、その中心に光ファイバFB2を保持する円筒状フェルール41を保持するためのフランジ付き円管状部材であり、外側端面が所定角度(例えば、φ1(図7参照))傾斜するフランジ部43bとその中心に円筒状フェルール41を保持する貫通孔43dを持つ直管部43cとを有する。
ホルダ43aは、そのフランジ部43bの外側端面が所定角度(例えば、φ1(図7参照))傾斜している、すなわちフランジ部43bの外側端面が直管部43cの中心軸に垂直な面に対して傾斜しているのに対し、図2に示すホルダ40aは、そのフランジ部の外側端面が直管部の中心軸に対して垂直であり、傾斜していない点のみで両者は異なる。
なお、ホルダ43aは、図2に示すホルダ40aと同様に、光ファイバFB2およびフェルール41を、その先端の傾斜端面(その傾斜角度は、例えば、θ1(図7参照)である)がフランジ43b部の端面から所定距離だけ直管部43cの貫通孔43d内に入り込んだ位置となるように保持する。
【0078】
ホルダ43aは、そのフランジ部43bの傾斜する外側端面が固定スリーブ38の円板部38cの外側の中央開口38bの周辺部に密着するように、外側に向けて取り付けられる。ここで、固定スリーブ38の円板部38cの外側の中央開口38bの周辺部は、その中心軸(回転組立体46の取付筒46aの回転中心軸に一致する)に垂直な面を形成している。その結果、ホルダ43aの中心軸、すなわちホルダ43a内のファイバFB2に中心軸は、取付筒46aの回転中心軸に対して所定角度(例えば、φ1(図7参照))傾斜し、ホルダ43aのフランジ部43bの傾斜する外側端面は、取付筒46aの回転中心軸に対して直交する面となる。
なお、ホルダ43aのフランジ部43bは、円板部38cの外側の中央開口38bの周辺部に、ホルダ43aにフェルール41を介して保持された光ファイバFB2の先端の傾斜端面の中心の位置が回転組立体46の取付筒46aの回転中心軸上に存在し、回転中心軸と一致する位置となるように取り付けられる。
【0079】
ホルダ40bは、コリメータレンズ42を保持するためのフランジ付き円管状部材であり、そのフランジ部がホルダ43aのフランジ部43bの外側端面の中央側の貫通孔43dの周辺部に密着し、光ファイバFB2の先端中心とコリメータレンズ42の中心とがその光軸に沿って所定距離、具体的には、コリメータレンズ42の焦点距離だけ離間するように、外側に向けて取り付けられる。
ここで、ホルダ43aのフランジ部43bの傾斜する外側端面は、固定スリーブ38の円板部38cの外側の中央開口38bの周辺部の端面と密着しているので、ホルダ40bの中心軸、すなわちこれに一致するコリメータ42の中心光軸が、取付筒46aの回転中心軸と一致するように、ホルダ40bは、ホルダ43aに取り付けられる。したがって、光ファイバFB2の先端の傾斜端面の中心とコリメータ42の中心光軸とは、取付筒46aの回転中心軸に一致する。
このようにしてホルダ43aおよび40bは、固定スリーブ38に固定的に取り付けられる。
【0080】
一方、回転組立体46の取付筒46aの後端側のフランジ状端面46eの中心側には、その中央開口46dを覆うようにホルダ51aのフランジ部が取り付けられる。
ホルダ51aは、その中心に光ファイバFB1を保持する円筒状フェルール49を保持するためのフランジ付き円管状部材であり、外側端面が所定角度(例えば、φ2(図7参照))傾斜するフランジ部51bとその中心に円筒状フェルール49を保持する貫通孔51dを持つ直管部51cとを有する。
ホルダ51aは、そのフランジ部51bの外側端面が所定角度(例えば、φ2(図7参照))傾斜している、すなわちフランジ部51bの外側端面が直管部51cの中心軸に垂直な面に対して傾斜しているのに対し、図2に示すホルダ48aは、そのフランジ部の外側端面が直管部の中心軸に対して垂直であり、傾斜していない点のみで両者は異なる。
なお、ホルダ51aは、図2に示すホルダ48aと同様に、光ファイバFB1およびフェルール49を、その先端の傾斜端面(その傾斜角度は、例えば、θ2(図7参照)である)がフランジ51b部の端面から所定距離だけ直管部51cの貫通孔51d内に入り込んだ位置となるように保持する。
【0081】
ホルダ51aは、そのフランジ部51bの傾斜する外側端面が回転組立体46の取付筒46aのフランジ状端面46eの中央開口46dの周辺部に密着するように、取付筒46aに外側に向けて取り付けられる。ここで、取付筒46aのフランジ状端面46eの中央開口46dの周辺部は、その中心軸(取付筒46aの回転中心軸に一致する)に垂直な面を形成している。その結果、ホルダ51aの中心軸、すなわち、少なくともホルダ51a内のファイバFB1の中心軸は、取付筒46aの回転中心軸に対して所定角度(例えば、φ2(図7参照))傾斜し、ホルダ51aのフランジ部51bの傾斜する外側端面は、取付筒46aの回転中心軸に対して直交する面となる。
なお、ホルダ51aのフランジ部51bは、取付筒46aのフランジ状端面46eの中央開口46dの周辺部に、ホルダ51aにフェルール49を介して保持された光ファイバFB1の先端の傾斜端面の中心が取付筒46aの回転中心軸に一致する位置となるように取り付けられる。
【0082】
ホルダ48bは、ホルダ40bと同様に、コリメータレンズ50を保持するためのフランジ付き円管状部材であり、そのフランジ部がホルダ51aのフランジ部51bの外側端面の中央側の貫通孔51dの周辺部に密着し、光ファイバFB1の先端中心とコリメータレンズ50の中心とがその光軸に沿って所定距離、具体的には、コリメータレンズ50の焦点距離だけ離間するように、外側に向けて取り付けられる。
なお、ホルダ51aのフランジ部51bの傾斜する外側端面は、取付筒46aのフランジ状端面46eの中央開口46dの周辺部と密着しているので、ホルダ48bの中心軸、すなわちこれに一致するコリメータ50の中心光軸が、取付筒46aの回転中心軸と一致するように、ホルダ48bは、ホルダ51aに取り付けられる。したがって、光ファイバFB1の先端の傾斜端面の中心とコリメータ50の中心光軸とは、取付筒46aの回転中心軸に一致する。
【0083】
なお、図6に示す実施例においては、光ファイバFB1は、ホルダ51aで保持されている光ファイバFB1の先端側、すなわちコリメータレンズ50の近傍では、その傾斜端面の中心の位置が取付筒46aの回転中心軸上に存在し、回転中心軸と一致し、光ファイバFB1の中心軸が取付筒46aの回転中心軸に対して所定角度(図7に示す例では、φ2)傾斜するように、ホルダ51aを介して取付筒46aに取り付けられるが、回転筒46bの後端側の接続部46cにおいては、光ファイバFB1の中心軸と回転筒46bの回転中心軸とが一致するように端面部材56と袋ナット58とによって回転筒46bの中心に支持されるのが好ましい。
【0084】
図6に示す光ロータリアダプタ18aにおいても、軸受44が圧入状態であるので容易ではないが、例えば、回転組立体46の回転筒46bや歯車52を取り外して、リング39を取り外すことにより、光ファイバFB2を保持するホルダ43aを取り付けたままの固定スリーブ38から光ファイバFB1を保持するホルダ51aを取り付けたままの回転組立体46を抜き出して取り外すこともできる。
なお、図示例では、回転組立体46の回転筒46bの接続部46cは、光ファイバのコネクタとして機能するように構成されているが、光ロータリアダプタ18と同様に、取付筒46aに取り付けられたホルダ51aによって保持される光ファイバFB1を保持し、保持された光ファイバFB1がそのまま光プローブ16の先端まで延在する構成することもできる。
【0085】
なお、図示例の光ロータリアダプタ18aにおいては、測定対象からの戻り光L3の減衰を小さくして、戻り光L3のS/N比を向上させるように、光ファイバFB1およびFB2の中心軸を、それぞれ、固定側コリメータレンズ42および回転側コリメータレンズ50の近傍において、光ファイバFB1およびFB2の各傾斜端面の中心およびコリメータレンズ42および50の各光軸を結ぶ線、すなわち回転組立体46(取付筒46a)の回転中心軸に対して傾斜させている。
図7は、このような固定側光ファイバFB2およびコリメータレンズ42からなる固定側光伝送系と、回転側光ファイバFB1およびコリメータレンズ50からなる回転側光伝送系との位置関係について示す模式図である。
【0086】
図7に示すように、固定側光ファイバFB2の中心軸に垂直な平面に対するその先端の傾斜端面の傾斜角度をθ1、光ファイバFB2の屈折率をn1、光ファイバFB2とFB1との間のコリメータレンズ42および50を除く光を伝播させる媒質の屈折率をn3、光ファイバFB2内をその中心軸に平行に進行し、その傾斜端面と媒質との界面で屈折した光の傾斜端面の法線とのなす角(屈折角度)をθ3とする時、光ファイバFB2の中心軸と回転組立体46(取付筒46a)の回転中心軸に対する傾斜角度φ1が、下記式(5)および(6)を満足するように、固定側光ファイバFB2およびコリメータレンズ42を取付筒46aに対して取り付けるのが良い。
n1×sinθ1=n3×sinθ3 …(5)
φ1=θ3−θ1 …(6)
【0087】
同様に、図7に示すように、回転側光ファイバFB1の中心軸に垂直な平面に対するその先端の傾斜端面の傾斜角度をθ2、光ファイバFB1の屈折率をn2、上述した光を伝播させる媒質の屈折率をn3、光ファイバFB1内をその中心軸に平行に進行し、その傾斜端面と媒質との界面で屈折した光の傾斜端面の法線とのなす角(屈折角度)をθ4とする時、光ファイバFB1の中心軸と取付筒46aの回転中心軸に対する傾斜角度φ2が、下記式(7)および(8)を満足するように、回転定側光ファイバFB1およびコリメータレンズ50を取付筒46aに対して取り付けるのが良い。
n2×sinθ2=n3×sinθ4 …(7)
φ2=θ4−θ2 …(8)
なお、図7において、参照符号f1およびf2は、それぞれコリメータレンズ42および50の焦点距離であり、コリメータレンズ42を薄板レンズとした時の光ファイバFB2の傾斜端面の中心とコリメータレンズ42の中心との光軸間距離は、コリメータレンズ42の焦点距離f1に等しいのが好ましく、コリメータレンズ50を薄板レンズとした時の光ファイバFB1の傾斜端面の中心とコリメータレンズ50の中心との光軸間距離は、コリメータレンズ50の焦点距離f2に等しいのが好ましい。
【0088】
以上のように、図7に示す固定側光ファイバFB2およびコリメータレンズ42からなる固定側光伝送系と、回転側光ファイバFB1およびコリメータレンズ50からなる回転側光伝送系と、を配置することによっても、測定対象からの戻り光L3の減衰を小さくして、ホワイトノイズを減らし、戻り光L3のS/N比を向上させることができる。
ここで、図7に示す固定側光ファイバFB2およびコリメータレンズ42からなる固定側光伝送系と、回転側光ファイバFB1およびコリメータレンズ50からなる回転側光伝送系とは、上記式(5)〜(8)を満足すればどのような位置関係でも良いが、例えば、対称、すなわち線対称となる位置が取れるように配置されるのが好ましい。
この場合、両伝送系における屈折率(n1=n2)、傾斜角度(θ1=θ2)、屈折角度(θ3=θ4)、焦点距離(f1=f2)、傾斜角度(φ1=φ2)は、等しくなる。
【0089】
なお、例えば、図7において、光ファイバFB2の屈折率n1をガラスとして1.5、その傾斜角度θ1を8°、媒質の屈折率n3を空気として1.0とすると、上記式(1)から、屈折角度θ3は12°となるので、上記式(6)から、光ファイバFB2の中心軸と取付筒の回転中心軸に対する傾斜角度φ1は、4°となる。したがって、上述した両伝送系が対称になるように配置されている場合には、光ファイバFB1およびFB2の中心軸が、それぞれ回転中心軸に対して4°傾斜するように、光ファイバFB1およびFB2を保持するホルダ43aおよび51aをそれぞれ固定スリーブ38および取付筒46aに配置すれば良い。
以上に説明したように、図6および図7に示す光ロータリアダプタ18aも、図2および図3に示す光ロータリアダプタ18と同様に、接続される両光ファイバFB1およびFb2の先端の損傷や破損などを防止することができるとともに、接続される両光ファイバFB1およびFb2の対向する両端面における端面反射による、測定対象からの戻り光の減衰やS/N比の低下を防止することができる。
【0090】
なお、図6に示す例では、光ファイバFB1およびFB2をそれぞれ保持するホルダ43aおよび51aの各フランジ43bおよび51bの外側端面を各直管部43cおよび51cの中心軸に垂直な面に対して所定角度傾斜させた傾斜端面とし、これらの傾斜端面をそれぞれ固定スリーブ38の円板部38cの外側の中央開口38bの周辺部および回転組立体46の取付筒46aのフランジ状端面46eの中央開口46dの周辺部に密着させて取り付けることにより、光ファイバFB1およびFB2の中心軸がそれぞれ取付筒46aの回転中心軸に対して所定角度傾斜するように構成しているが、本発明はこれに限定されず、光ファイバFB1およびFB2の中心軸をそれぞれ取付筒46aの回転中心軸に対して所定角度傾斜させるように構成できれば特に制限的ではなく、例えば、光ファイバFB1およびFB2をそれぞれ保持するホルダのフランジの外側端面は傾斜させずに、各ホルダの管部の貫通孔を所定角度傾斜するように穿孔し、各傾斜貫通孔内に、光ファイバFB1およびFB2をそれぞれ芯部に保持するフェルール41および49を保持することにより、光ファイバFB1およびFB2の中心軸がそれぞれ取付筒46aの回転中心軸に対して所定角度傾斜するように構成しても良い。
【0091】
なお、上述した図1に示す光断層画像化装置10では、一体化された分岐合波部14によって、光源ユニット12から射出された光Laを測定光L1と参照光L2に分岐し、かつ、被検体である測定対象からの戻り光L3と参照光L2を合波して干渉光L4を生成しているが、本発明はこれに限定されず、分岐部と合波部と別々に設け、分岐部で射出光Laから測定光L1と参照光L2とへの分岐を行い、測定対象からの戻り光L3と参照光L2との合波および干渉光L4の生成を行うようにしても良い。
【0092】
図8は、このような本発明の光断層画像化装置の他の実施形態の概略断面図である。なお、同図に示す光断層画像化装置10aは、図1に示す光断層画像化装置10と同様に、図2および図3に示す光ロータリアダプタ18および図5および図6に示す光ロータリアダプタ18aをいずれも適用することができるものであるが、以下では、代表例として、図2および図3に示す光ロータリアダプタ18が適用されたものとして説明する。
図8に示す光断層画像化装置10aは、図1に示す光断層画像化装置10と、装置本体11内に分岐合波部14および光ファイバカプラ28を備えている代わりに、装置本体11a内に分岐部14a、合波部14b、光サーキュレータ25a,25bおよび偏波コントローラ27a,27bを備えている点で相違する以外は、同様の構成を有するものであるので、同一の構成要素には同一の番号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0093】
同図に示す光断層画像化装置10aは、光源ユニット12と、光源ユニット12から射出された光Laを測定光L1と参照光L2に分岐する分岐部14aと、被検体である測定対象からの戻り光L3と参照光L2aを合波して干渉光L4a,L4bを生成する合波部14bと、合波部14bで生成された干渉光L4a,L4bに基づいて干渉信号を検出する干渉光検出部20と、干渉信号を処理して光断層画像を取得する処理部22と、光断層画像を表示する表示部24とを備える装置本体11aと、装置本体11aの分岐部14aで分岐された測定光L1を測定対象まで導波するとともに測定対象からの戻り光L3を導波する回転側光ファイバFB1を備える光プローブ16と、測定光L1を回転側光ファイバFB1まで導波するとともに回転側光ファイバFB1によって導波された戻り光L3を導波する固定側光ファイバFB2と、回転側光ファイバFB1を固定側光ファイバFB2に対して回転自在に接続し、測定光L1および戻り光L3を伝送する光ロータリアダプタ18とを有する。
【0094】
また、光断層画像化装置10aは、装置本体11aに、さらに、参照光L2の光路長を調整する光路長調整部26と、参照光L2の偏波方向を回転させる偏波コントローラ27a、戻り光L3の偏波方向を回転させる偏波コントローラ27bと、分岐部14aから導波される参照光L2を光路長調整部26に導波すると共に、光路長調整部26から導波される光路長調整済参照光L2aを偏波コントローラ27aに導波するサーキュレータ25aと、分岐部14aから導波される測定光L1を光ロータリアダプタ18に導波すると共に、光ロータリアダプタ18から導波される戻り光L3を偏波コントローラ27bに導波するサーキュレータ25bと、合波部14bで生成された第1干渉光L4aを検出する第1検出部30aと合波部14bで生成された第2干渉光L4bを検出する第2検出部30bと、処理部22や表示部24等への各種条件の入力、設定の変更等を行う操作制御部32とを有する。
【0095】
なお、後述するが、図8に示す光断層画像化装置10aにおいては、上述した射出光La、測定光L1、参照光L2、光路長調整済参照光L2a、戻り光L3および干渉光L4a、L4bなどを含む種々の光を上述した各光デバイスなどの構成要素間で導波し、伝送するための光の経路として、回転側光ファイバFB1および固定側光ファイバFB2を含め種々の光ファイバFB(FB2a、FB3、FB4a、FB4b、FB5、FB5a、FB7、FB8など)が用いられている。
ここで、分岐部14a、合波部14b、干渉光検出部20、サーキュレータ25a、25b、光路長調整部26、偏波コントローラ27a、27b、および検出部30a、30b、ならびに上述した光ファイバFB(FB1〜FB8)などは、干渉計を構成する。
【0096】
次に、干渉計を構成する分岐部14a、合波部14b、干渉光検出部20、サーキュレータ25a、25b、光路長調整部26、偏波コントローラ27a、27b、および検出部30a、30bについて説明する。
分岐部14aは、例えば、2×2の光ファイバカプラで構成されており、それぞれ、光ファイバFB3、FB2aおよびFB5aと光学的に接続されている。
分岐部14aは、光源ユニット12から光ファイバFB3を介して入射した光Laを測定光L1と参照光L2とに分割し、測定光L1を光ファイバFB2aを介して光サーキュレータ25bに入射させ、参照光L2を光ファイバFB5aを介して光サーキュレータ25aに入射させる。
【0097】
合波部14bは、例えば2×2の光ファイバカプラで構成されており、それぞれ、光ファイバFB4a、FB4b、FB7およびFB8と光学的に接続されている。
合波部14bは、偏波コントローラ27aから光ファイバFB7を介して入射された参照光L2aと偏波コントローラ27bから光ファイバFB8を介して入射された戻り光L3を合波して第1干渉光L4aおよび第2干渉光L4bを生成し、第1干渉光L4aを光ファイバFB4aを介して第1検出部30aに入射させ、第2干渉光L4bを光ファイバFB4bを介して第2検出部30bに入射させる。
【0098】
光サーキュレータ25aは、光ファイバFB5、FB5aおよびFB7と接続されており、所定の光ファイバから導波された光を所定の光ファイバに伝送する。具体的には、光サーキュレータ25aは、分岐部14aから光ファイバFB5aを介して導波される参照光L2を光ファイバFB5に伝送し、光路長調整部26に導波すると共に、光路長調整部26で光路長が調整されて反射され、光ファイバFB5を介して導波される参照光L2aを光ファイバFB7に伝送し、偏波コントローラ27aに導波する。
光サーキュレータ25bは、光ファイバFB2、FB2aおよびFB8と接続されており、所定の光ファイバから導波された光を所定の光ファイバに伝送する。具体的には、光サーキュレータ25bは、分岐部14aから光ファイバFB2aを介して導波される測定光L1を光ファイバFB2に伝送して光ロータリアダプタ18に導波すると共に、光ロータリアダプタ18から光ファイバFB2を介して導波される戻り光L3を光ファイバ8に伝送して偏波コントローラ27bに導波する。
【0099】
光路長調整部28は、光ファイバFB5の参照光L2の射出側(すなわち、光ファイバFB5の分岐部14aとは反対側の端部)に配置されている。
光路長調整部28は、分岐部14aによって分割され、光ファイバFB5a、光サーキュレータ27aおよび光ファイバFB5を介して導波された参照光L2の光路長を調整して、光路長調整済の参照光L2aとして射出し、光ファイバFB5を介して光サーキュレータ27aに戻すものである。
第1検出器30aは、光ファイバFB4aを介して合波部14bに光学的に接続され、合波部14bで生成され、光ファイバFB4aを導波された第1干渉光L4aの光強度を検出し、その結果を干渉光検出部20に出力する。また、第2検出器30bは、光ファイバFB4bを介して合波部14bに光学的に接続され、合波部14bで生成され、光ファイバFB4bを導波される第2干渉光L4bの光強度を検出し、その結果を干渉光検出部20に出力する。
【0100】
偏波コントローラ27aは、光ファイバFB7に光学的に接続され、参照光L2aの偏波方向を回転させる。また、偏波コントローラ27bは、光ファイバFB8に光学的に接続され、戻り光L3の偏波方向を回転させる。
ここで、偏波コントローラ27aおよび27bとしては、たとえば特開2001−264246号公報等の公知の技術を用いることができる。
偏波コントローラ27aおよび27bによって、合波部14bで合波する前に、戻り光L3と参照光L2aのそれぞれの偏波方向を調整することにより、合波部14bにおいては、偏波方向が一致するように調整された戻り光L3と参照光L2aとを合波することができるので、断層画像をより鮮明にすることができる。
ここで、偏波コントローラ27aおよび27bは、操作部により医師等が操作できるようにすることが好ましい。
【0101】
干渉光検出部20は、光ファイバFB4aおよびFB4bを介してそれぞれ検出器30aおよび30bと接続されており、第1検出部30aを通過した第1干渉光L4aと第2検出部30bを通過した第2干渉光L4bとの差分から干渉信号を検出(もしくは生成)する。
具体的には、干渉光検出部20は、干渉光を光電変換して検出するフォトダイオード等の検出部と検出部で検出した値から差分を検出する差分アンプとからなっており、検出部で第1干渉光L4a、第2干渉光L4bを光電変換し、検出した値を差分アンプ73に入力し、差分アンプ73で差分を増幅することで干渉信号を生成する。
このように、第1干渉光L4aと第2干渉光L4bの2つの干渉光をバランス検波することにより、干渉信号を増幅して出力しながら干渉信号以外の同相光雑音が除去することができ、断層画像の画質の向上を図ることができる。
【0102】
また、干渉光検出部20は、検出器30aおよび検出器30bの検出結果に基づいて、検出する第1干渉光L4aおよび第2干渉光L4bの光強度のバランスを調整する。
このように、検出器30aおよび検出器30bの検出結果に基づいて、第1干渉光L4aと第2干渉光L4bとの光強度のバランスを調整、具体的には、強度を50:50とすることで、ホワイトノイズ成分を少なくし、S/N比を高くすることができる。
以上に説明したように、図8に示す光断層画像化装置10aも、図1に示す光断層画像化装置10と同様に、効率よく分解能の高い、測定対象の光断層画像を取得することができる。
【0103】
また、上述した光断層画像化装置10および10aは、SS−OCT(swept source−OCT)計測法により、測定対象との接触領域を検出し、測定対象の断層画像を取得しているが、本発明はこれに限定されず、他のOCT計測法を適用するものであっても良い。適用可能な他のOCT計測法として、例えば、SD−OCT(spectral domain−OCT)計測法、TD−OCT(time domain−OCT)計測法などをあげることができる。
【0104】
以上、本発明に係る光ロータリアダプタおよびこれを用いる光断層画像化装置について種々の実施形態を揚げて詳細に説明したが、本発明は、以上の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良や変更を行ってもよい。
【0105】
例えば、上記実施形態では、光ロータリアダプタの固定スリーブや回転組立体を一体として構成しているが、回転側光ファイバと回転側コリメータレンズとからなる回転側光伝送系を一体として、また、固定側光ファイバと固定側コリメータレンズとからなる固定側光伝送系を一体として構成でき、回転側光伝送系を固定側光伝送系に対して回転自在に支持でき、回転側光ファイバおよび固定側光ファイバの各中心軸と、回転中心(例えば回転組立体、取付筒、回転筒の回転中心)とを、所定量オフセットさせて、測定対象からの戻り光の減衰を小さくして、ホワイトノイズを減らし、戻り光のS/N比を向上させることができれば、どのような構成としても良いし、例えば、固定スリーブや回転組立体の取付筒や回転筒などの円板部や円管部や円筒部や接続部などの各構成要素を別々の部品として構成しても良い。また、回転側光伝送系を固定側光伝送系に対して回転自在に支持できるとともに、かつ取り外すことができれば、どのような構成としても良い。
【図面の簡単な説明】
【0106】
【図1】本発明の光ロータリアダプタを用いる本発明の光断層画像化装置の一実施形態の概略構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示す光ロータリアダプタの一実施形態の概略断面図である。
【図3】図2に示す光ロータリアダプタの回転中心と光ファイバおよびコリメータレンズの位置関係の一例を説明するための説明図である。
【図4】図1に示す光断層画像化装置の光プローブの一実施形態の先端部を拡大して示す部分断面図である。
【図5】図1に示す光断層画像化装置の処理部の一実施形態の概略構成を示すブロック図である。
【図6】図1に示す光ロータリアダプタの他の実施形態の概略断面図である。
【図7】図6に示す光ロータリアダプタの回転中心と光ファイバおよびコリメータレンズの位置関係の一例を説明するための説明図である。
【図8】本発明の光ロータリアダプタを用いる本発明の光断層画像化装置の他の実施形態の概略構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0107】
10,10a 光断層画像化装置
11,11a 装置本体
12 光源ユニット
14 分岐合波部
14a 分岐部
14b 合成部
16 光プローブ
18,18a 光ロータリアダプタ
20 干渉光検出部
22 処理部
24 表示部
25a,25b 光サーキュレータ
26 光路長調整部
27a,27b 偏波コントローラ
28 光ファイバカプラ
30a,30b 検出部
32 操作部
34 筐体
36 モータ
38 固定スリーブ
40a,40b,43a,48a,48b,51a ホルダ
41,49 フェルール
42,50 コリメータレンズ
44 軸受け
46 回転組立体
46a 取付筒
46b 回転筒
46c 接続部
52,54 歯車(ギア)
56 端面部材
58 袋ナット
60 半導体光増幅器
62 光分岐器
64 コリメータレンズ
66 回折格子素子
67 光学系
68 回転多面鏡(ポリゴンミラー)
70 プローブ外筒
72 キャップ
74 バネ
76 固定部材
78 光学レンズ
80 第1光学レンズ
82 第2光学レンズ
84 反射ミラー
86 基台
88 ミラー駆動機構
90 干渉信号取得部
92 A/D変換部
94 接触状態検出部
96 断層情報生成部
98 画像補正部
FB1,FB2,FB3,FB4,FB5,FB6 光ファイバ
S 測定対象
δ1,δ2 オフセット量
θ1,θ2 傾斜角度
θ3,θ4 屈折角度
n1,n2,n3 屈折率
f1,f2 焦点距離

【特許請求の範囲】
【請求項1】
測定対象の光断層画像を取得する光断層画像化装置に用いられ、測定光を前記測定対象まで導波するとともに前記測定対象からの反射による戻り光を導波する光ファイバ間を回転自在に接続する光ロータリアダプタであって、
固定スリーブと、
この固定スリーブに固定的に支持され、その一方にその中心軸に垂直な平面に対して所定角度傾斜する端面を持つ固定側光ファイバと、
この固定側光ファイバの傾斜する端面と所定間隔離間して配置される固定側コリメータレンズと、
前記固定スリーブに対して回転自在に支持される取付筒と、
この取付筒に固定的に取り付けられ、前記固定側コリメータレンズに対向して配置され、その中心軸に垂直な平面に対して所定角度傾斜する端面を持つ回転側光ファイバと、
前記取付筒に固定的に取り付けられ、前記固定側コリメータレンズと前記回転側光ファイバとの間に、前記回転側光ファイバの傾斜する端面と所定間隔離間して配置される回転側コリメータレンズと、
前記取付筒を回転駆動する回転駆動手段とを有し、
前記固定側光ファイバおよび前記回転側光ファイバの中心軸を、前記戻り光の減衰を小さくするように、前記取付筒の回転中心軸に対して、オフセットまたは傾斜させたことを特徴とする光ロータリアダプタ。
【請求項2】
前記固定側光ファイバは、前記固定スリーブの略中心に固定的に支持され、
前記回転側光ファイバは、前記取付筒の略中心に固定的に取り付けられ、
前記固定側光ファイバおよび前記回転側光ファイバの前記中心軸は、前記戻り光の減衰を小さくするように、前記取付筒の回転中心軸に対して、平行であり、かつ、オフセットしている請求項1に記載の光ロータリアダプタ。
【請求項3】
前記固定側光ファイバおよび前記回転側光ファイバの各々の中心軸と前記取付筒の回転中心軸との各々のオフセット量δ1およびδ2は、前記固定側光ファイバおよび前記回転側光ファイバの各々の前記傾斜端面のそれらの中心軸に垂直な平面に対する傾斜角度をそれぞれθ1およびθ2、前記固定側光ファイバおよび前記回転側光ファイバの各々の屈折率をそれぞれn1およびn2、前記固定側光ファイバと前記回転側光ファイバとの間の光を伝播させる媒質の屈折率をn3、前記固定側光ファイバ内および前記回転側光ファイバ内の各々をそれらの中心軸に平行に進行し、各々の傾斜端面と前記媒質との界面で屈折した光の各々の傾斜端面の法線とのなす角をそれぞれθ3およびθ4とし、前記固定側コリメータレンズおよび前記回転側コリメータレンズをそれぞれ薄板レンズとしたときの前記固定側光ファイバおよび前記回転側光ファイバの各々の傾斜端面の中心と前記固定側コリメータレンズおよび前記回転側コリメータレンズの各々の中心との光軸間距離に等しい前記固定側コリメータレンズおよび前記回転側コリメータレンズの各々の焦点距離をそれぞれf1およびf2とするとき、下記式(1)、(2)、(3)および(4)を満足するものである請求項1または2に記載の光ロータリアダプタ。
n1×sinθ1=n3×sinθ3 …(1)
δ1=f1×tan(θ3−θ1) …(2)
n2×sinθ2=n3×sinθ4 …(3)
δ2=f2×tan(θ4−θ2) …(4)
【請求項4】
前記固定側光ファイバおよび前記回転側光ファイバは、それぞれフェルールによって支持され、それぞれのフェルールは、前記固定側光ファイバおよび前記回転側光ファイバの各傾斜端面と同じ平面をなす傾斜端面を持つ請求項1〜3のいずれかに記載の光ロータリアダプタ。
【請求項5】
前記固定側光ファイバおよび前記回転側光ファイバは、それぞれフェルールの中心に支持され、各フェルールは、それぞれホルダに支持され、各ホルダは、前記固定スリーブおよび前記取付筒に固定的に取り付けられ、
前記取付筒の回転中心軸に対して、前記固定側光ファイバおよび前記回転側光ファイバを支持するそれぞれのフェルール自体をオフセットさせて、前記固定側光ファイバおよび前記回転側光ファイバのそれぞれの中心軸をオフセットさせる請求項4に記載の光ロータリアダプタ。
【請求項6】
前記固定側光ファイバおよび前記回転側光ファイバは、各々の傾斜端面の中心が前記回転中心軸上に位置するように配置され、
前記固定側コリメータレンズおよび前記回転側コリメータレンズは、各々の中心が前記回転中心軸上に位置するように配置され、
前記固定側光ファイバは、前記固定スリーブに所定角度傾斜して固定的に支持され、
前記回転側光ファイバは、前記取付筒に所定角度傾斜して固定的に取り付けられ、
前記固定側光ファイバおよび前記回転側光ファイバの前記中心軸は、前記戻り光の減衰を小さくするように、前記取付筒の回転中心軸に対して、それぞれ傾斜している請求項1に記載の光ロータリアダプタ。
【請求項7】
前記固定側光ファイバおよび前記回転側光ファイバの各々の中心軸と前記取付筒の回転中心軸に対する各々の傾斜角度φ1およびφ2は、前記固定側光ファイバおよび前記回転側光ファイバの各々の前記傾斜端面のそれらの中心軸に垂直な平面に対する傾斜角度をそれぞれθ1およびθ2、前記固定側光ファイバおよび前記回転側光ファイバの各々の屈折率をそれぞれn1およびn2、前記固定側光ファイバと前記回転側光ファイバとの間の光を伝播させる媒質の屈折率をn3、前記固定側光ファイバ内および前記回転側光ファイバ内の各々をそれらの中心軸に平行に進行し、各々の傾斜端面と前記媒質との界面で屈折した光の各々の傾斜端面の法線とのなす角をそれぞれθ3およびθ4とするとき、下記式(5)、(6)、(7)および(8)を満足するものである請求項1または6に記載の光ロータリアダプタ。
n1×sinθ1=n3×sinθ3 …(5)
φ1=θ3−θ1 …(6)
n2×sinθ2=n3×sinθ4 …(7)
φ2=θ4−θ2 …(8)
【請求項8】
前記固定側光ファイバおよび前記回転側光ファイバは、それぞれフェルールによって支持され、それぞれのフェルールは、前記固定側光ファイバおよび前記回転側光ファイバの各傾斜端面と同じ平面をなす傾斜端面を持つ請求項1、6または7に記載の光ロータリアダプタ。
【請求項9】
前記固定側光ファイバおよび前記回転側光ファイバは、それぞれフェルールの中心に支持され、各フェルールは、それぞれホルダに支持され、各ホルダは、前記固定スリーブおよび前記取付筒に固定的に取り付けられ、
前記取付筒の回転中心軸に対して、前記固定側光ファイバおよび前記回転側光ファイバを支持するそれぞれのフェルール自体を傾斜させて、前記固定側光ファイバおよび前記回転側光ファイバのそれぞれの中心軸を傾斜させる請求項8に記載の光ロータリアダプタ。
【請求項10】
前記固定側光ファイバおよび前記固定側コリメータレンズと、前記回転側光ファイバおよび回転側コリメータレンズとは、対称となる位置が取れるように配置される請求項1〜9のいずれかに記載の光ロータリアダプタ。
【請求項11】
前記回転側光ファイバおよび前記回転側コリメータレンズを固定的に支持する前記取付筒は、前記固定側光ファイバおよび前記固定側コリメータレンズを固定的に支持する前記固定スリーブから着脱可能である請求項1〜10のいずれかに記載の光ロータリアダプタ。
【請求項12】
さらに、一方の端部が前記取付筒に取り付けられ、前記取付筒と一体的に前記回転中心軸周りに回転する回転筒を有し、
前記回転側光ファイバの一方の前記傾斜端面の側は、その中心軸が前記取付筒の回転中心軸に対してオフセットまたは傾斜するように前記取付筒に取り付けられ、
前記回転側光ファイバは、前記回転筒の他方の端部において、前記回転筒に支持される請求項1〜11のいずれかに記載の光ロータリアダプタ。
【請求項13】
前記回転筒の他方の端部において、前記回転側光ファイバは、その中心軸と前記取付筒の回転中心軸とが一致するように前記回転筒の中心に支持される請求項12に記載の光ロータリアダプタ。
【請求項14】
前記回転側光ファイバは、前記回転筒の他方の端部において、他方の端面を有し、
前記回転筒の他方の端部は、固定型の光コネクタの端子を構成する請求項12または13に記載の光ロータリアダプタ。
【請求項15】
前記回転側光ファイバの他方の端面は、その中心軸と前記取付筒の回転中心軸とが一致するように前記回転筒の中心に取り付けられる請求項14に記載の光ロータリアダプタ。
【請求項16】
前記回転側光ファイバは、前記回転筒の他方の端部から延在し、その先端部は、前記測定対象に前記測定光を照射し、その戻り光を取得する測定部に接続され、透明なプローブ外筒に回転自在に保持され、光プローブを構成する請求項12または13に記載の光ロータリアダプタ。
【請求項17】
測定対象の光断層画像を取得する装置本体と、
前記装置本体からの測定光を前記測定対象まで導波するとともに前記測定対象からの戻り光を導波する回転側光ファイバ、その先端部に配置され、前記測定対象に前記測定光を照射し、その戻り光を取得する測定部、前記回転側光ファイバおよび前記測定部を回転自在に保持するように、それらの外周を覆い、少なくとも、前記測定部からの前記測定光および前記測定対象からの前記戻り光が透過する領域が透明な材料で形成されているプローブ外筒を備える光プローブと、
前記装置本体に接続され、前記測定光を前記回転側光ファイバまで導波するとともに前記回転側光ファイバによって導波された前記戻り光を前記装置本体まで導波する固定側光ファイバと、
前記回転側光ファイバを前記固定側光ファイバに対して回転自在に接続し、前記測定光および前記戻り光を伝送する請求項1〜16のいずれかに記載の光ロータリアダプタとを有し、
前記装置本体は、導波された前記戻り光を用いて前記測定対象の前記光断層画像を取得することを特徴とする光断層画像化装置。
【請求項18】
前記装置本体は、
光源と、
前記光源から射出された光を前記測定光と参照光に分岐する分岐手段と、
前記光プローブの前記測定部で検出され、前記回転側光ファイバ、前記光ロータリアダプタおよび前記固定側光ファイバを導波された前記戻り光と、前記参照光を合波して干渉光を生成する合波部と、
前記干渉光を干渉信号として検出する干渉光検出部と、
前記干渉光検出部によって検出された前記干渉信号から前記光断層画像を取得する断層画像取得部とを有する請求項17に記載の光断層画像化装置。
【請求項19】
前記光源は、一定の周期で波長を掃引しながら光を射出するものである請求項18に記載の光断層画像化装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−98112(P2009−98112A)
【公開日】平成21年5月7日(2009.5.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−20398(P2008−20398)
【出願日】平成20年1月31日(2008.1.31)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】