説明

半導体装置の作製方法

【課題】薄膜トランジスタを作製する際、従来のCVD法により形成される膜よりも高品
質の膜を形成すること、熱酸化法で形成される膜と同等又はそれ以上の品質の膜を基板に
影響を及ぼさない温度で形成することを目的とする。
【解決手段】ガラス基板、所定のパターンに形成された非晶質シリコンを含む半導体膜、
ゲート電極及び該ゲート電極から延びた配線、ゲート絶縁膜となる絶縁膜、保護膜の少な
くとも一つに対し、ガラス基板の温度を該ガラス基板の歪点より100℃以上低い温度と
し、低電子温度且つ高電子密度でプラズマ酸化又はプラズマ窒化をおこなう。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に開示する発明は、薄膜トランジスタのゲート絶縁膜の形成、ゲート電極の保護
膜の形成など、半導体装置例えば薄膜トランジスタを用いた表示装置の薄膜トランジスタ
の作製方法に関する。
【背景技術】
【0002】
薄膜トランジスタは、アクティブマトリクス型表示装置に用いるスイッチング素子として
広く知られている。従来、薄膜トランジスタの作製工程において、絶縁膜を形成するため
に、CVD法、熱酸化法が一般に採用されている。
【0003】
しかし、CVD法により成膜される酸化珪素膜は、熱酸化法によって得られる酸化珪素膜
に比べて膜の品質が劣るという問題、例えば、緻密性に欠ける、炭素などの不純物の含有
量が多い、プラズマによる損傷(プラズマダメージ)が発生する、という問題があった。
【0004】
一方、熱酸化法により、高品質で所定の厚さの酸化珪素膜を効率よく形成するためには、
800℃以上の酸素雰囲気中でシリコンを酸化する必要がある。そのため、薄膜トランジ
スタのゲート絶縁膜を形成する際に熱酸化法を採用する場合、無アルカリガラスに代表さ
れるガラス基板を使うことができず、ガラス基板よりも高価な石英基板を使わざるを得な
い。
【0005】
また、コーナー部を有するシリコンに対し熱酸化を行うと、シリコンのコーナー部に形成
される酸化珪素膜の厚さは、シリコンの上面の概略平坦な部分に形成される酸化珪素膜の
厚さと比較して薄くなることがある。これは、コーナー部の形状に起因する応力のため、
酸化が抑えられるからである。
【0006】
今後、薄膜トランジスタのさらなる微細化に伴い、従来よりも、ゲート絶縁膜の厚さを薄
くすることが必要になる。例えば、従来はゲート絶縁膜を100nm以上の厚さに形成し
ていたのを、数十nmの厚さとすることが求められるようになる。しかし、上述の従来の
方法で形成された酸化珪素膜をゲート絶縁膜として用いる場合、その厚さが薄くなるにし
たがって、その薄い酸化珪素膜を介して、チャネル形成領域を有する半導体膜とゲート電
極との間のリーク電流が増加してしまう。また、ゲート絶縁膜として形成された酸化珪素
膜の厚さが均一でなく局所的に薄い部分が存在する場合、その薄い部分を介してリーク電
流が生じる可能性がある。
【0007】
ゲート絶縁膜を構成する材料として、酸化珪素のかわりにシリコンオキシナイトライド(
SiO、ただしx>yと表記される)が用いられることがある。しかし、シリコン
オキシナイトライド膜を、NOなどの窒化可能な雰囲気で熱処理によって形成するには
、ガラス基板の歪点を超える高温での熱処理が必要である。
【0008】
最近、プラズマ酸化及びプラズマ窒化が可能なプラズマ処理装置を用い、LSI用の電界
効果トランジスタのゲート絶縁膜を形成する方法が注目されている。例えば、特許文献1
には、プラズマ励起によって活性化された窒素と半導体層のシリコンとを直接反応させる
ことにより、半導体層上にゲート絶縁膜となる窒化シリコン層を形成することが開示され
ている。しかし、特許文献1によると、SOI(Silicon On Insulat
or)基板を用いた例、及び半導体層はバルクの半導体基板であってもよいことが開示さ
れているのみであり、プラズマ酸化及びプラズマ窒化が可能な装置によって薄膜トランジ
スタのゲート絶縁膜を形成する試みを開示したものではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2004−319952号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本明細書に開示する発明は、薄膜トランジスタの作製工程において、従来のCVD法によ
る成膜方法により形成される絶縁膜よりも品質のすぐれた絶縁膜を得ることを目的とする
。また、熱酸化法による高温での熱処理で形成される絶縁膜と同等又はそれ以上の品質の
絶縁膜を、ガラス基板に影響を及ぼさない温度で得ることを目的とする。さらに、上記絶
縁膜の場合と同様の方法で、薄膜トランジスタのゲート電極に保護膜(パッシベーション
膜)を形成することを目的とする。この保護膜(パッシベーション膜)はバリヤ膜ともい
う。上記絶縁膜は薄膜トランジスタのゲート絶縁膜として、また上記保護膜は薄膜トラン
ジスタのゲート電極に接して形成される保護膜として、満足できる品質でなければならな
いものとする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
薄膜トランジスタのゲート絶縁膜を形成する際、また薄膜トランジスタのゲート電極に保
護膜を形成する際、プラズマ酸化及びプラズマ窒化が可能な装置を用いる。この装置は、
マイクロ波を用いてチャンバー内でプラズマを励起させ、半導体膜、絶縁膜、ゲート電極
などの被処理体上で、1.5eV以下(好ましくは1.0eV以下)の電子温度と、1×
1011cm−3以上の電子密度を無磁場で同時に達成できるものであり、本明細書では
以下この装置を高密度プラズマ処理装置と称する。したがって、低電子温度で高い密度の
プラズマを生成することが可能になるので、形成されるゲート絶縁膜及び保護膜のプラズ
マ損傷を小さくすることができる。
【0012】
プラズマとは、負電荷をもつ電子と正電荷をもつイオンとがほぼ等量存在し、全体として
は電気的に中性であるような電離気体である。プラズマの単位体積あたりに含まれる電子
の密度又はイオンの密度をプラズマ密度といい、本明細書に開示する発明では、プラズマ
密度は電子密度を指すものとする。また、プラズマ中には、電気的に中性のラジカルが生
成し、そのラジカルがプラズマ処理される被処理体に作用する。したがって、本明細書に
以下に記載するプラズマ酸化、プラズマ窒化のことを、それぞれラジカル酸化、ラジカル
窒化と称することがある。
【0013】
本明細書に開示する発明の一つは、
ガラス基板上に下地絶縁膜を形成する工程と、前記下地絶縁膜上に非晶質シリコンを含む
半導体膜の所定のパターンを形成する工程と、前記所定のパターンに形成された非晶質シ
リコンを含む半導体膜に対し、前記ガラス基板の温度を該ガラス基板の歪点より100℃
以上低い温度とする条件でプラズマ酸化又はプラズマ窒化をおこなうことによって絶縁膜
(ゲート絶縁膜)を形成する工程と、前記絶縁膜上にゲート電極を形成する工程と、を有
する薄膜トランジスタの作製方法である。
上記プラズマ酸化又はプラズマ窒化は、プラズマ生成領域と離間して配置された上記ガラ
ス基板の上方において、電子温度が0.5eV以上1.5eV以下、電子密度が1×10
11cm−3以上1×1013cm−3以下であることが同時に無磁場で実現されるプラ
ズマ処理室を備えた装置で行われる。上記プラズマ酸化をおこなった後に更に上記プラズ
マ窒化をおこなってもよく、上記プラズマ窒化をおこなった後に更に上記プラズマ酸化を
おこなってもよい。また、上記ガラス基板に対して、上記プラズマ窒化をおこなってもよ
い。
【0014】
本明細書に開示する発明の他の一つは、
ガラス基板上に下地絶縁膜を形成する工程と、前記下地絶縁膜上に非晶質シリコンを含む
半導体膜の所定のパターンを形成する工程と、前記所定のパターンに形成された非晶質シ
リコンを含む半導体膜上に絶縁膜を形成する工程と、前記絶縁膜上にゲート電極を形成す
る工程と、前記ゲート電極に対し、前記ガラス基板の温度を該ガラス基板の歪点より10
0℃以上低い温度とする条件でプラズマ酸化又はプラズマ窒化をおこなうことによって保
護膜を形成する工程と、を有する薄膜トランジスタの作製方法である。
上記プラズマ窒化は、プラズマ生成領域と離間して配置された上記ガラス基板の上方にお
いて、電子温度が0.5eV以上1.5eV以下、電子密度が1×1011cm−3以上
1×1013cm−3以下であることが同時に無磁場で実現されるプラズマ処理室を備え
た装置で行われる。上記ガラス基板に対して、上記プラズマ窒化をおこなってもよい。
【0015】
本明細書に開示する発明の他の一つは、
ガラス基板上に下地絶縁膜を形成する工程と、前記下地絶縁膜上に非晶質シリコンを含む
半導体膜の所定のパターンを形成する工程と、前記所定のパターンに形成された非晶質シ
リコンを含む半導体膜に対し、前記ガラス基板の温度を該ガラス基板の歪点より100℃
以上低い温度とする条件でプラズマ酸化又はプラズマ窒化をおこなうことによってゲート
絶縁膜を形成する工程と、前記ゲート絶縁膜上にゲート電極を形成する工程と、前記ゲー
ト電極に対し前記ガラス基板の温度を該ガラス基板の歪点より100℃以上低い温度とす
る条件にして前記プラズマ酸化又は前記プラズマ窒化をおこなうことによって保護膜を形
成する工程と、を有する薄膜トランジスタの作製方法である。
上記プラズマ酸化又はプラズマ窒化は、プラズマ生成領域と離間して配置された上記ガラ
ス基板の上方において、電子温度が0.5eV以上1.5eV以下、電子密度が1×10
11cm−3以上1×1013cm−3以下であることが同時に無磁場で実現されるプラ
ズマ処理室を備えた装置で行われる。上記ゲート絶縁膜を形成するために、上記プラズマ
酸化をおこなった後に更に上記プラズマ窒化をおこなってもよく、上記プラズマ窒化をお
こなった後に更に上記プラズマ酸化をおこなってもよい。上記ガラス基板に対して、上記
プラズマ窒化をおこなってもよい。
【0016】
本明細書に開示する発明の他の一つは、
ガラス基板上に下地絶縁膜を形成する工程と、前記下地絶縁膜上に非晶質シリコンを含む
半導体膜の所定のパターンを形成する工程と、前記所定のパターンに形成された非晶質シ
リコンを含む半導体膜上に絶縁膜を形成する工程と、前記絶縁膜に対し、前記ガラス基板
の温度を該ガラス基板の歪点より100℃以上低い温度とする条件でプラズマ酸化又はプ
ラズマ窒化をおこなうことによってゲート絶縁膜とする工程と、前記ゲート絶縁膜上にゲ
ート電極を形成する工程と、を有する薄膜トランジスタの作製方法である。
上記プラズマ酸化又はプラズマ窒化は、プラズマ生成領域と離間して配置された上記ガラ
ス基板の上方において、電子温度が0.5eV以上1.5eV以下、電子密度が1×10
11cm−3以上1×1013cm−3以下であることが同時に無磁場で実現されるプラ
ズマ処理室を備えた装置で行われる。上記絶縁膜として、CVD法などで形成された窒素
を含む酸化珪素膜、酸化珪素膜、窒化珪素膜、酸素を含む窒化珪素膜が挙げられる。上記
ガラス基板に対して、上記プラズマ窒化をおこなってもよい。
【0017】
本明細書に開示する発明の他の一つは、
ガラス基板上に下地絶縁膜を形成する工程と、前記下地絶縁膜上に非晶質シリコンを含む
半導体膜の所定のパターンを形成する工程と、前記所定のパターンに形成された非晶質シ
リコンを含む半導体膜上に絶縁膜を形成する工程と、前記絶縁膜に対し、前記ガラス基板
の温度を該ガラス基板の歪点より100℃以上低い温度とする条件でプラズマ酸化又はプ
ラズマ窒化をおこなうことによってゲート絶縁膜とする工程と、前記ゲート絶縁膜上にゲ
ート電極を形成する工程と、前記ゲート電極に対し前記ガラス基板の温度を該ガラス基板
の歪点より100℃以上低い温度とする条件にして前記プラズマ酸化又は前記プラズマ窒
化をおこなうことによって保護膜を形成する工程と、を有する薄膜トランジスタの作製方
法である。
上記プラズマ酸化又はプラズマ窒化は、プラズマ生成領域と離間して配置された上記ガラ
ス基板の上方において、電子温度が0.5eV以上1.5eV以下、電子密度が1×10
11cm−3以上1×1013cm−3以下であることが同時に無磁場で実現されるプラ
ズマ処理室を備えた装置で行われる。上記絶縁膜として、CVD法などで形成された窒素
を含む酸化珪素膜、酸化珪素膜、窒化珪素膜、酸素を含む窒化珪素膜が挙げられる。ガラ
ス基板に対して、上記プラズマ窒化をおこなってもよい。
【0018】
本明細書に開示する発明は、トップゲート型(プレーナ型)の薄膜トランジスタに限定さ
れず、ボトムゲート型の薄膜トランジスタの作製工程にも適用できる。
【0019】
ボトムゲート型の薄膜トランジスタを作製する場合は、ガラス基板上に下地絶縁膜を形成
せずに、ゲート電極を形成することができる。そのゲート電極上に絶縁膜を形成し、この
絶縁膜に対し、前記ガラス基板の温度を該ガラス基板の歪点より100℃以上低い温度と
する条件でプラズマ酸化又はプラズマ窒化をおこなうことによってゲート絶縁膜とするこ
とができる。そのゲート絶縁膜上に非晶質シリコンを含む半導体膜を形成し、その後公知
の方法によりボトムゲート型の薄膜トランジスタを完成させる。
上記プラズマ酸化又はプラズマ窒化は、プラズマ生成領域と離間して配置された上記ガラ
ス基板の上方において、電子温度が0.5eV以上1.5eV以下、電子密度が1×10
11cm−3以上1×1013cm−3以下であることが同時に無磁場で実現されるプラ
ズマ処理室を備えた装置で行われる。上記絶縁膜として、CVD法などで形成された窒素
を含む酸化珪素膜、酸化珪素膜、窒化珪素膜、酸素を含む窒化珪素膜が挙げられる。上記
ゲート電極に対しプラズマ酸化又はプラズマ窒化をおこなってもよい。
【0020】
上記いずれの方法においても規定した、0.5eV以上1.5eV以下の電子温度、1×
1011cm−3以上1×1013cm−3以下の電子密度とは、プラズマ損傷を小さく
でき且つプラズマ酸化、プラズマ窒化のいずれも充分におこなえる条件である。また、ガ
ラス基板の温度をそのガラス基板の歪点よりも100℃以上低い温度にする理由は、その
ガラス基板の耐熱性を考慮したためである。歪点が650℃以上のガラス基板を使用する
場合、歪点よりも100℃以上低い温度を550℃以下の温度とするのが好ましい。アル
カリガラス又は無アルカリガラスを用いたガラス基板は、歪点が500℃を超えるので、
そのガラス基板の歪点よりも100℃以上低い温度である400℃又はそれより低い温度
でプラズマ酸化又はプラズマ窒化をおこなうことができる。また、そのガラス基板の温度
は200℃以上とする必要があり、250℃以上の温度とすることが、前述した高密度プ
ラズマ処理装置でプラズマ酸化又はプラズマ窒化をおこなうためには好ましい。
【0021】
ガラス基板のかわりに、耐熱性のプラスチック基板を用いることができる。熱可塑性ポリ
イミド(TPI)は、耐熱性プラスチックの一つである。プラズマ酸化又はプラズマ窒化
をおこなう際の耐熱性プラスチック基板の温度は、使用する耐熱性のプラスチック基板の
ガラス転移点以下であって200℃以上に設定する必要がある。本明細書に開示する発明
の場合、ガラス転移点が200℃以上、好ましくは250℃以上の耐熱性プラスチックが
よい。また、ガラス基板よりも耐熱性が高い石英基板を用いてもよい。
【0022】
上記プラズマ酸化又は上記プラズマ窒化によって、非晶質シリコンを含む半導体膜、絶縁
膜、保護膜、ガラス基板の表面には、酸化物(酸化膜)又は窒化物(窒化膜)が形成され
る。このような酸化物(酸化膜)又は窒化物(窒化膜)を有する薄膜トランジスタを用い
て、アクティブマトリクス型の表示装置を作製する。また、上記プラズマ酸化又は上記プ
ラズマ窒化がおこなわれた、非晶質シリコンを含む半導体膜、絶縁膜、又は保護膜を有す
る薄膜トランジスタを用いて、アクティブマトリクス型の表示装置を作製する。
【発明の効果】
【0023】
本明細書に開示する発明により、プラズマ損傷及びクラックの発生が抑制された、緻密で
、膜厚が均一な薄いゲート絶縁膜を、ガラス基板又は耐熱性のプラスチック基板に影響の
ない温度で形成することができる。このようなゲート絶縁膜を用いて形成された薄膜トラ
ンジスタは、ゲート絶縁膜を介したリーク電流が従来よりも小さい。また、ゲート絶縁膜
をCVD法などの成膜手段により成膜する工程を省略することができる。
【0024】
また本明細書に開示する発明により、CVD法など公知の成膜手段により形成された絶縁
膜、例えば窒素を含む酸化珪素膜、窒化珪素膜にプラズマ酸化又はプラズマ窒化をおこな
うことによって、緻密なゲート絶縁膜を、ガラス基板又は耐熱性のプラスチック基板に影
響のない温度で形成することができる。このようなゲート絶縁膜を用いた薄膜トランジス
タは、ゲート絶縁膜を介したリーク電流が従来よりも小さい。さらに、CVD法、スパッ
タ法などの成膜手段により形成された膜(絶縁膜に限らない)表面のパーティクル(ゴミ
)を容易に除去でき、当該膜中の炭素などの不純物をプラズマ酸化によって除去すること
ができる。
【0025】
また本明細書に開示する発明により、プラズマ損傷が抑制された、緻密で、膜厚が均一な
保護膜を形成できるので、ゲート電極及びそのゲート電極から延びた配線の耐熱性、耐蝕
性、耐酸化性が向上する。また、保護膜をCVD法などの成膜手段により成膜する工程を
省略することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】実施の形態1に対応する薄膜トランジスタの作製工程を示す断面図。
【図2】プラズマ酸化及びプラズマ窒化が可能な装置を示す図。
【図3】実施の形態2に対応する薄膜トランジスタの作製工程を示す断面図。
【図4】実施の形態3に対応する薄膜トランジスタの作製工程を示す断面図。
【図5】ゴミが付着した絶縁膜をプラズマ処理する様子を示す断面図。
【図6】実施の形態4に対応する薄膜トランジスタの作製工程を示す断面図。
【図7】実施の形態5に対応する薄膜トランジスタの作製工程を示す断面図。
【図8】実施例1に対応するEL表示装置を示す図。
【図9】実施例2に対応する液晶表示装置を示す図。
【図10】実施例3に対応する電子機器を示す図。
【図11】実施の形態8に対応する、プラズマ酸化を行った時間に対する形成された酸化膜の平均膜厚の変化を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下に記載する実施の形態では、薄膜トランジスタを作製する際、プラズマ酸化又はプラ
ズマ窒化をおこなう例を示す。各実施の形態は、適宜組み合わせて実施されることを妨げ
るものではない。
【0028】
(実施の形態1)
図1(A)に示すように、ガラス基板101上に下地絶縁膜102を形成する。ガラス基
板にかえて、耐熱性のプラスチック基板を用いることができる。下地絶縁膜102は、1
層又は多層でなる構成とすることができ、本実施の形態では、酸素を含む窒化珪素膜とそ
の上に窒素を含む酸化珪素膜(シリコンオキシナイトライド膜)をCVD法などにより連
続成膜する。下地絶縁膜102を形成する目的は、後に形成する半導体膜へガラス基板1
01から不純物が拡散するのを防止することである。したがって、この目的を達成するた
めには、酸化珪素膜では不十分であるため、酸化珪素膜よりも不純物拡散防止効果の高い
窒化珪素膜、又は酸素を含む窒化珪素膜を形成する必要がある。また、酸化珪素膜は、窒
化珪素膜よりもシリコンとの密着性にすぐれている。
【0029】
下地絶縁膜102上に、所定のパターンに形成された非晶質シリコンを含む半導体膜10
3を形成する。本実施の形態では、下地絶縁膜102の全面にCVD法などによって非晶
質シリコンを含む半導体膜を形成し、その後フォトリソグラフィー工程によって所定のパ
ターンに形成する。非晶質シリコンを含む半導体膜をCVD法などで形成する際、ゲルマ
ニウムを含むように形成してもよい。また、所定のパターンに形成される前の非晶質シリ
コンを含む半導体膜に、P型を付与する不純物又はN型を付与する不純物をドーピングし
てもよい。非晶質シリコンを含む半導体膜103の厚さは、後にプラズマ酸化又はプラズ
マ窒化をおこなう際に減少することを考慮して決定されなければならない。
【0030】
ガラス基板101又は下地絶縁膜102の表面に対する半導体膜103の側面の角度θは
、85°〜100°の範囲である。なお、半導体膜103を所定のパターンに形成する際
、角度θが30°〜60°の範囲となるように、テーパー形状に形成してもよい。
【0031】
半導体膜103に対し、図2(A)及び図2(B)に示す高密度プラズマ処理装置を用い
てプラズマ処理をおこなう。図2(A)及び図2(B)は、高密度プラズマ処理装置の一
例を示しており、これらに図示される構造に限定されない。
【0032】
高密度プラズマ処理装置は、図2(A)に示すように、少なくとも第1のプラズマ処理室
201、第2のプラズマ処理室202、ロードロック室203、及び共通室204を備え
ている。第1のプラズマ処理室201ではプラズマ酸化をおこない、第2のプラズマ処理
室202ではプラズマ窒化をおこなう。図2(A)の各チャンバーはそれぞれ真空排気さ
れるようになっており、プラズマ酸化及びプラズマ窒化を、大気にさらすことなく連続的
におこなうことができる。高密度プラズマ処理装置は、図2(A)に示す以外に、さらに
CVD用のチャンバー、スパッタ用のチャンバー、熱アニール用のチャンバーの少なくと
も1つを備えてもよく、そのことによって成膜とプラズマ処理、プラズマ処理と熱アニー
ルを、大気にさらすことなく連続的におこなうことができる。第1のプラズマ処理室20
1及び第2のプラズマ処理室202の周囲に磁石、コイルなどの磁場を発生させる手段を
設けないため、装置の簡略化が可能である。
【0033】
共通室204にはロボットアーム205が設置されている。ロードロック室203には、
被処理基板200が複数収納されるカセット206が設置されている。カセット206に
収納された被処理基板200の1枚を、共通室204を経由して、ロボットアーム205
によって第1のプラズマ処理室201又は第2のプラズマ処理室202に搬送することが
できる。また、ロボットアーム205により、第1のプラズマ処理室201から共通室2
04を経由して第2のプラズマ処理室202に被処理基板200を搬送し、逆に第2のプ
ラズマ処理室202から共通室204を経由して第1のプラズマ処理室201に被処理基
板200を搬送することもできる。
【0034】
図2(B)は、第1のプラズマ処理室201及び第2のプラズマ処理室202に共通する
構成を示す。第1のプラズマ処理室201、第2のプラズマ処理室202には所定の圧力
まで減圧可能な真空ポンプ(図示せず)が接続され、排気口210から排気されるように
なっている。また、第1のプラズマ処理室201及び第2のプラズマ処理室202には基
板保持台211が設けられ、プラズマ酸化又はプラズマ窒化がおこなわれる被処理基板2
00は基板保持台211上に保持される。この基板保持台211はステージとも呼ばれ、
被処理基板200を加熱できるようにヒーターを備えている。酸素、窒素、水素、希ガス
、アンモニアなどの気体は、矢印212で示すようにガス導入口からプラズマ処理室内に
導入される。プラズマを励起させるためのマイクロ波213は、アンテナ214上に設け
られた導波管215を介して導入される。プラズマは、上記気体導入後のプラズマ処理室
内の圧力が5Pa以上500Pa以下で、誘電体板216直下の斜線で示す領域217で
生成し、領域217と離間して配置された被処理基板200上に供給される。多数の穴が
開けられたシャワープレート218を図2(B)に示すように設けてもよい。このプラズ
マ処理室内で得られるプラズマは、電子温度が1.5eV以下で電子密度が1×1011
cm−3以上、すなわち低電子温度及び高電子密度が実現され、プラズマ電位は0V以上
5V以下である。電子温度、電子密度、及びプラズマ電位に関するプラズマパラメータは
、公知の方法、例えばダブルプローブ法などのプローブ計測法を用いて測定できる。
【0035】
本実施の形態では、第1のプラズマ処理室201に酸素、水素及びアルゴンを流量比がO
:H:Ar=1:1:100となるように導入し、周波数が2.45GHzのマイク
ロ波を用いてプラズマを生成させる。必ずしも水素を導入しなくてもプラズマ酸化は可能
であるが、酸素の流量に対する水素の流量の比(H/O)を0以上1.5以下の範囲
とするのが好ましい。酸素の流量は例えば0.1sccm以上100sccm以下、アル
ゴンの流量は例えば100sccm以上5000sccm以下の範囲内で設定し、水素を
導入する場合の水素の流量は例えば0.1以上100sccm以下の範囲内で設定する。
アルゴンのかわりに、他の希ガスを導入してもよい。第1のプラズマ処理室201内の圧
力は、5Pa以上500Pa以下の範囲において適当な値に設定する。ガラス基板101
を第1のプラズマ処理室201の基板保持台211上に設置し、基板保持台211に備え
られたヒーターの温度を400℃に保持する。そして、ガラス基板101上の半導体膜1
03に対しプラズマ酸化をおこなう。本実施の形態では、図1(B)から明らかなように
、半導体膜103に覆われていない部分の下地絶縁膜102もプラズマ酸化される。但し
、下地絶縁膜102が酸化物からなる場合、プラズマ酸化をおこなっても下地絶縁膜10
2の表面に酸化膜は形成されない。
【0036】
上述のプラズマ酸化によって、図1(B)に示す、ゲート絶縁膜となる酸化膜104が2
0nm以下の厚さに形成される。酸化膜104中には第1のプラズマ処理室201に導入
されたアルゴンが所定の濃度、例えば1×1015atoms/cm以上1×1016
atoms/cm以下含まれている。酸化膜104の厚さを薄くしすぎると、トンネル
電流(リーク電流)が生じるおそれがあるため、その厚さを例えば10nmとする。酸化
膜104が形成される際、半導体膜103のコーナー部が丸くなるため、そのコーナー部
に形成される酸化膜104の膜厚は他の部分より薄くならない。また、そのコーナー部に
おいて、酸化膜104にクラックが生じることもない。ガラス基板101にかえて耐熱性
のプラスチック基板を用いる場合は、基板保持台211に備えられたヒーターの温度を例
えば250℃に保持する。
【0037】
半導体膜103上でのプラズマは、電子温度が1.5eV以下、電子密度が1×1011
cm−3以上であるため、また半導体膜103とプラズマが生成する領域217とは離間
しているため、プラズマ酸化により得られる酸化膜104のプラズマ損傷は抑制される。
プラズマを発生させるために2.45GHzのマイクロ波を用いることで、13.56M
Hzの周波数を用いる場合よりも、低電子温度及び高電子密度を容易に実現できる。また
、低電子温度及び高電子密度が得られるならば、2.45GHzのマイクロ波を用いる以
外の方法でもよい。
【0038】
酸化膜104をゲート絶縁膜としてもよいが、更に第2のプラズマ処理室202において
酸化膜104に対しプラズマ窒化をおこない、シリコンオキシナイトライド膜にして、こ
れをゲート絶縁膜とすることができる。プラズマ窒化の際、第2のプラズマ処理室202
に導入するガスは、窒素及びアルゴンを用い、ガラス基板の温度は前述のプラズマ酸化の
ときと同じとする。窒素及びアルゴンに水素をさらに加えてもよく、アルゴンを他の希ガ
スにかえてもよい。窒素のかわりに、アンモニア、NOのような、高温での熱処理によ
り窒化する際に用いるガスを使用することができる。酸化膜104には、第2のプラズマ
処理室202に導入された希ガスが所定の濃度含まれている。
【0039】
半導体膜103に対し、最初に第2のプラズマ処理室202でプラズマ窒化をおこなって
窒化膜を形成してもよい。さらに、その窒化膜に対し、第1のプラズマ処理室201でプ
ラズマ酸化をおこなってもよい。
【0040】
半導体膜103に対し酸素雰囲気で熱酸化をおこなった場合、半導体膜103の端部にお
いて、下地絶縁膜102と接する部分が意図せずに酸化されてしまう。その結果、半導体
膜103の端部における膜厚が他の部分よりも薄くなるという問題が生じる。この膜厚が
薄くなる問題は、半導体膜103がテーパー形状である場合に特に問題になる。しかし、
プラズマ酸化をおこなうと、上述のような意図しない部分での酸化が抑制される。プラズ
マ窒化においても同様である。
【0041】
酸化膜104を形成した後に、CVD法などにより窒化珪素膜又は酸素を含む窒化珪素膜
を形成し、酸化膜104と共にゲート絶縁膜を構成するようにしてもよい。そのことによ
って、後に形成されるゲート電極105及びゲート電極105から延びる配線が、酸化膜
104と接することによって酸化されることを抑制できる。さらに、上記窒化珪素膜又は
酸素を含む窒化珪素膜に対し、緻密化などを目的として、低電子温度及び高電子密度での
プラズマ窒化をおこなってもよい。
【0042】
その後、図1(C)に示すように、ゲート電極105及びゲート電極105から延びる配
線を形成する。ゲート電極105及びゲート電極105から延びる配線は、テーパー形状
に形成してもよく、2層以上からなる積層構造としてもよい。それから、半導体膜103
にソース領域及びドレイン領域を含む不純物領域106を形成するために、P型を付与す
る不純物又はN型を付与する不純物をドーピングし、その不純物の活性化をおこなう。不
純物領域106には、ソース領域及びドレイン領域に加えて、LDD領域が含まれること
を妨げない。また、LDD領域は、ゲート電極105とオーバーラップするように形成さ
れてもよい。
【0043】
ゲート電極105及びゲート電極105から延びる配線を覆うように保護膜107及び層
間絶縁膜108を形成し、ソース領域及びドレイン領域を露呈するコンタクトホールをゲ
ート絶縁膜、保護膜107及び層間絶縁膜108に形成し、このコンタクトホールを埋め
るように且つ層間絶縁膜108上に配線109を形成する(図1(D)参照)。保護膜1
07を形成する際は、窒化珪素膜、又は酸素を含む窒化珪素膜をプラズマCVD法などに
より形成する。形成された保護膜107に対し、低電子温度及び高電子密度でのプラズマ
処理をおこなってもよい。CVD法にかえて、低電子温度及び高電子密度でのプラズマ窒
化により保護膜107を形成してもよい。
【0044】
本実施の形態では、以上説明したように、薄膜トランジスタのゲート絶縁膜を形成するた
めに、低電子温度且つ高電子密度によって非晶質シリコンを含む半導体膜103に対しプ
ラズマ処理をおこなうことが特徴である。本実施の形態の場合、プラズマ処理をおこなっ
た後、その半導体膜103の厚さが薄くなることに留意しなければならない。本実施の形
態によるゲート絶縁膜は、プラズマ損傷及びクラックの発生が抑制されたものであると共
に、熱酸化法のような高温での熱処理を必要とせずガラス基板に影響のない温度で形成可
能である。
【0045】
(実施の形態2)
本実施の形態では、図2(A)及び図2(B)に示すような高密度プラズマ処理装置を用
い、薄膜トランジスタのゲート電極に対しプラズマ処理をおこなって、保護膜を形成する

【0046】
実施の形態1と同様に、ガラス基板301上に下地絶縁膜302を形成し、その上に所定
のパターンに形成された非晶質シリコンを含む半導体膜303を形成する(図3(A)参
照)。ただし、本実施の形態では、所定のパターンに形成するとき、角度θが30°〜6
0°の範囲となるように、テーパー形状に形成する。こうすることで、後にCVD法など
でゲート絶縁膜を形成する際に、角度θが85°〜100°の範囲の場合よりも段差被覆
性に優れる。また、本実施の形態においても、ガラス基板にかえて耐熱性のプラスチック
基板を用いることができる。
【0047】
半導体膜303上にゲート絶縁膜304を形成する(図3(B)参照)。ゲート絶縁膜3
04は、窒素を含む酸化珪素膜(シリコンオキシナイトライド膜)、酸素を含む窒化珪素
膜、窒化珪素膜又は酸化珪素膜をプラズマCVD法などにより形成する。さらにプラズマ
窒化又はプラズマ酸化をおこなうことによって、プラズマCVD法などにより形成された
膜の表面に窒化物層又は酸化物層を形成することができる。また、CVD法にかえて、実
施の形態1に記載した方法によりプラズマ処理をおこなって、ゲート絶縁膜304を形成
してもよい。
【0048】
ゲート絶縁膜304上に、図3(B)に示すゲート電極305及びゲート電極305から
延びた配線を形成する。ゲート電極305は、モリブデン、タングステン、タンタルなど
融点が2000℃以上である高融点金属膜をスパッタ法により形成し、フォトリソグラフ
ィー工程により配線形状に形成することで、ゲート電極305と共にゲート電極305か
ら延びた配線が形成される。スパッタ法のかわりに、フォトリソグラフィー工程が不要な
方法、例えば液滴吐出(インクジェット)法を用いてもよい。ゲート電極305及びゲー
ト電極305から延びる配線は、テーパー形状に形成してもよく、2層以上からなる積層
構造としてもよい。
【0049】
ゲート電極305及びゲート電極305から延びた配線に対し、図2(A)に示す高密度
プラズマ処理装置の第2のプラズマ処理室202でプラズマ窒化をおこなうことで、ゲー
ト電極305及びゲート電極305から延びた配線の表面に金属窒化物(窒化モリブデン
、窒化タングステン、窒化タンタルなど)が形成される。この金属窒化物が保護膜306
となる(図3(C)参照)。保護膜306は、絶縁性でなく導電性を有する場合、ゲート
電極305の一部とみなせる。このとき、図3(C)より明らかなように、ゲート絶縁膜
304のゲート電極305に覆われていない部分も同時にプラズマ処理される。保護膜3
06には、第2のプラズマ処理室202に導入された希ガスが所定の濃度含まれている。
ゲート絶縁膜304のゲート電極305に覆われていない部分も同様に、前記希ガスが含
まれている。前述したプラズマ窒化にかえて、実施の形態1で説明したプラズマ酸化をお
こうことによって、保護膜306を形成してもよい。
【0050】
本実施の形態では、プラズマ窒化の際、周波数が2.45GHzのマイクロ波を用い、第
2のプラズマ処理室202に導入されるガスは窒素及びアルゴンを用い、基板保持台21
1に備えられたヒーターの温度を400℃に保持する。窒素の流量は例えば20scc以
上2000sccm以下、アルゴンの流量は例えば100sccm以上10000scc
m以下の範囲内で設定する。第2のプラズマ処理室202内の圧力は、5Pa以上500
Pa以下の範囲において適当な値に設定する。窒素及びアルゴンに水素をさらに加えても
よく、窒素をアンモニアなどの窒素化合物からなる気体にかえても、アルゴンを他の希ガ
スにかえてもよい。ガラス基板301にかえて耐熱性のプラスチック基板を用いる場合は
、基板保持台211に備えられたヒーターの温度を例えば250℃に保持する。
【0051】
ゲート電極305及びゲート電極305から延びた配線上でのプラズマは、電子温度が1
.5eV以下、電子密度が1×1011cm−3以上であるため、プラズマ窒化により得
られる保護膜306のプラズマ損傷は抑制される。
【0052】
本実施の形態による保護膜306は、ゲート電極305及びゲート電極305から延びた
配線の上面及び側面全体を覆うように形成される。ゲート電極の上面及び側面全体に保護
膜を形成する方法として、陽極酸化による方法が考えられる。しかし、薄膜トランジスタ
は1つだけ形成されるのではなく、複数形成されるものであるから、陽極酸化の際に、す
べてのゲート電極を同電位に接続できるようにし、陽極酸化終了後に各薄膜トランジスタ
のゲート電極に分断する工程が必要である。一方、プラズマ処理により保護膜を形成する
場合は、このような分断工程は不要である。また、陽極酸化可能な材料は、アルミニウム
、タンタルなどに限定されてしまう。
【0053】
それから、半導体膜303にソース領域及びドレイン領域を含む不純物領域307を形成
するために、P型を付与する不純物又はN型を付与する不純物をドーピングし、その不純
物の活性化をおこなう。このドーピング工程を、保護膜306を形成する前に、ゲート電
極305及びゲート電極305から延びた配線を形成した後おこなってもよい。更に保護
膜306を形成した後に2回目のドーピングをおこなってもよい。不純物領域307には
、ソース領域及びドレイン領域に加えて、LDD領域が含まれることを妨げない。また、
LDD領域は、ゲート電極305とオーバーラップするように形成されてもよい。
【0054】
本実施の形態ではプラズマ処理により保護膜306を形成したので、プラズマCVD法な
どによって、保護膜306を形成するために例えば窒化珪素又は酸素を含む窒化珪素を成
膜する必要がない。したがって、保護膜306を形成した後、図3(D)に示すように、
ゲート電極305及びゲート電極305から延びる配線を覆うように層間絶縁膜308を
形成し、ソース領域及びドレイン領域を露呈するコンタクトホールをゲート絶縁膜304
及び層間絶縁膜308に形成し、このコンタクトホールを埋めるように且つ層間絶縁膜3
08上に配線309を形成する。
【0055】
配線309は、2層以上からなる積層構造とすることができる。例えば、第1のチタン膜
、アルミニウム膜、第2のチタン膜の3層を、スパッタ法などにより連続成膜して形成す
る。さらに、第1のチタン膜に対し、本実施の形態に記載した低電子温度及び高電子密度
でのプラズマ窒化をおこない、第1のチタン膜の表面に窒化チタン層を形成してもよい。
第1のチタン膜の形成、プラズマ窒化、アルミニウム膜の形成、及び第2のチタン膜の形
成を、大気にさらすことなく連続的におこなうのが好ましい。第1及び第2のチタン膜の
かわりに、アルミニウムよりも高融点であるクロム、モリブデン、タングステンのような
金属を主成分とする膜を、アルミニウム膜を挟むように形成することによって、第1及び
第2のチタン膜を用いた場合と同様にアルミニウムの耐熱性が低いことに起因する問題を
解決することができる。
【0056】
本実施の形態において、ゲート絶縁膜304を形成する前に、半導体膜303の端部に対
し、図2(A)及び図2(B)に示すような高密度プラズマ処理装置を用いてプラズマ酸
化又はプラズマ窒化をおこなってもよい。本実施の形態のように半導体膜303がテーパ
ー形状である場合、不純物領域307のみならず、図3(C)及び図3(D)には示され
ない、半導体膜303におけるゲート電極305と重なるチャネル形成領域の端部も実際
はテーパー形状になっている。そのことに起因して、その半導体膜303を用いた薄膜ト
ランジスタの特性が、半導体膜がテーパー形状でない場合とは異なる特性を示すことがあ
る。このような薄膜トランジスタを寄生トランジスタといい、半導体膜303の端部(テ
ーパー部)に対しプラズマ酸化又はプラズマ窒化をおこない、その部分に酸化珪素又は窒
化珪素を形成することは、寄生トランジスタの形成を抑制することに寄与する。
【0057】
本実施の形態は、実施の形態1と組み合わせて実施することができる。
【0058】
(実施の形態3)
本実施の形態では、図2(A)及び図2(B)に示すような高密度プラズマ処理装置を用
い、プラズマCVD法などで成膜した絶縁膜(ゲート絶縁膜)に対しプラズマ処理をおこ
なう。このことによって、プラズマCVD法などで成膜したこの絶縁膜の表面を改質し、
ゲート絶縁膜の品質を高める。
【0059】
実施の形態2と同様に、ガラス基板401上に下地絶縁膜402を形成し、その上に所定
のパターンに形成された非晶質シリコンを含む半導体膜403を形成する(図4(A)参
照)。本実施の形態においても、ガラス基板にかえて耐熱性のプラスチック基板を用いる
ことができる。
【0060】
半導体膜403上にプラズマCVD法などによって絶縁膜404を形成する。本実施の形
態では、絶縁膜404として、窒素を含む酸化珪素膜(シリコンオキシナイトライド膜)
を形成する。窒素を含む酸化珪素膜にかえて、酸素を含む窒化珪素膜、酸化珪素膜、又は
窒化珪素膜をCVD法などにより形成してもよい。
【0061】
形成された絶縁膜404に対し、図2(A)に示す高密度プラズマ処理装置の第2のプラ
ズマ処理室202でプラズマ窒化をおこなう。絶縁膜404には、第2のプラズマ処理室
202に導入された希ガスが所定の濃度含まれている。プラズマ窒化がおこなわれた絶縁
膜404を、ゲート絶縁膜として使用する(図4(B)参照)。
【0062】
本実施の形態では、プラズマ窒化の際、周波数が2.45GHzのマイクロ波を用い、第
2のプラズマ処理室202に導入されるガスは窒素及びアルゴンを用い、基板保持台21
1に備えられたヒーターの温度を400℃に保持する。窒素及びアルゴンの流量は、実施
の形態2に示した範囲内で設定する。窒素及びアルゴンに水素をさらに加えてもよく、窒
素をアンモニアなどの窒素化合物からなる気体にかえても、アルゴンを他の希ガスにかえ
てもよい。ガラス基板401にかえて耐熱性のプラスチック基板を用いる場合は、基板保
持台211に備えられたヒーターの温度を例えば250℃に保持する。絶縁膜404上で
のプラズマは、電子温度が1.5eV以下、電子密度が1×1011cm−3以上である

【0063】
プラズマ窒化のかわりに、図2(A)に示す高密度プラズマ処理装置の第1のプラズマ処
理室201でプラズマ酸化をおこなってもよい。
【0064】
ところで、CVD法又はスパッタ法により形成された膜には、ゴミが付着していることが
ある。このゴミの形状は様々考えられるが、絶縁膜404の表面に無機物でなる粒状のゴ
ミ501が付着している状態を図5(A)に示す。本実施の形態にしたがって、ゴミ50
1が付着した絶縁膜404に対しプラズマ窒化又はプラズマ酸化をおこなった場合につい
て検討する。なお、上述のゴミのことをパーティクルともいい、CVD法、スパッタ法な
どにより形成される膜は、パーティクルができるだけ少ないことが要求される。
【0065】
プラズマ酸化又はプラズマ窒化によって、絶縁膜404は、ゴミが存在しない部分のみな
らず、ゴミ501の下側の部分にも回り込むように酸化又は窒化される(図5(B)参照
)。絶縁膜404の膜厚は、プラズマ酸化又はプラズマ窒化により増加し、ゴミ501の
下側の部分においても同様に増加する。また、ゴミ501の少なくとも表面部分502が
酸化又は窒化される。その結果、ゴミ501の体積は増加する。ただし、絶縁膜404及
びゴミ501が窒化物からなりこれらをプラズマ窒化する場合、及び絶縁膜404及びゴ
ミ501が酸化物からなりこれらをプラズマ酸化する場合は、ゴミ501の体積は増加せ
ず、絶縁膜404の表面は窒化又は酸化されない。
【0066】
絶縁膜404の膜厚が増加し、ゴミ501の体積が増加するとき、図5(B)に示すよう
にゴミ501は、ブラシ洗浄、メガソニック洗浄など簡単な洗浄法により、酸化又は窒化
された絶縁膜404の表面から容易に除去される状態になる。このように、プラズマ酸化
又はプラズマ窒化によって、例え数ナノメートルの大きさのゴミであってもそのゴミが除
去されやすくなる。本実施の形態のみならず、他の実施の形態においても、ゴミ(パーテ
ィクル)が付着しているゲート電極、半導体膜などにプラズマ処理をおこなう場合に、同
様のことがいえる。
【0067】
以上の説明は、ゴミ(パーティクル)が無機物でなる場合についてであるが、ゴミが有機
物でなる場合はプラズマ酸化をおこなうことによってアッシングされ、別途洗浄をおこな
わなくてもそのゴミは除去される。
【0068】
絶縁膜404に対してプラズマ処理をおこなった後、図4(C)に示すように、ゲート電
極405及びゲート電極405から延びる配線を形成する。ゲート電極405及びゲート
電極405から延びる配線は、テーパー形状に形成してもよく、2層以上からなる積層構
造としてもよい。それから、半導体膜403にソース領域及びドレイン領域を含む不純物
領域406を形成するために、P型を付与する不純物又はN型を付与する不純物をドーピ
ングし、その不純物の活性化をおこなう。不純物領域406には、ソース領域及びドレイ
ン領域に加えて、LDD領域が含まれることを妨げない。また、LDD領域は、ゲート電
極405とオーバーラップするように形成されてもよい。
【0069】
ゲート電極405及びゲート電極405から延びる配線を覆うように保護膜407及び層
間絶縁膜408を形成し、ソース領域及びドレイン領域を露呈するコンタクトホールを絶
縁膜404、保護膜407及び層間絶縁膜408に形成し、このコンタクトホールを埋め
るように且つ層間絶縁膜408上に配線409を形成する(図4(D)参照)。保護膜4
07を形成する際は、窒化珪素膜、又は酸素を含む窒化珪素膜をプラズマCVD法などに
より形成する。形成された保護膜407に対し、低電子温度及び高電子密度でプラズマ処
理をおこなうことができる。保護膜407としてプラズマCVD法などにより酸化珪素膜
を形成し、低電子温度及び高電子密度でプラズマ窒化をおこなってもよい。CVD法にか
えて、実施の形態2と同様に、低電子温度及び高電子密度でのプラズマ窒化により保護膜
407を形成してもよい。
【0070】
本実施の形態において、半導体膜403が図4(A)に示すようにテーパー形状であると
き、絶縁膜404を形成する前に半導体膜403の端部(テーパー部)に対しプラズマ酸
化又はプラズマ窒化をおこなってもよい。
【0071】
本実施の形態は、実施の形態1、実施の形態2の一方又は両方と組み合わせて実施するこ
とができる。
【0072】
(実施の形態4)
本実施の形態では、ボトムゲート型の薄膜トランジスタの作製工程において、図2(A)
及び図2(B)に示すような高密度プラズマ処理装置を用いてプラズマ窒化又はプラズマ
酸化をおこなう例を示す。
【0073】
図6(A)に示すように、ガラス基板601上にゲート電極602及びゲート電極602
から延びる配線を形成する。また、ゲート電極602は、モリブデン、タングステン、タ
ンタルなど融点が2000℃以上である高融点金属膜をスパッタ法により形成し、フォト
リソグラフィー工程により配線形状に形成することで、ゲート電極602と共にゲート電
極602から延びた配線が形成される。スパッタ法のかわりに、フォトリソグラフィー工
程が不要な方法、例えば液滴吐出(インクジェット)法を用いてもよい。ガラス基板にか
えて、耐熱性のプラスチック基板を用いることができる。本実施の形態では、ゲート電極
602及びゲート電極602から延びる配線を、図6(A)に示すようにテーパー形状に
形成するが、必ずしもテーパー形状にする必要はない。
【0074】
また、ゲート電極602及びゲート電極602から延びた配線は、実施の形態2で述べた
ように形成すればよく、2層以上からなる積層構造としてもよい。
【0075】
ゲート電極602及びゲート電極602から延びた配線に対し、図2(A)に示す高密度
プラズマ処理装置の第1のプラズマ処理室201でプラズマ酸化をおこなうことによって
、ゲート電極602及びゲート電極602から延びた配線の表面に金属酸化物(酸化モリ
ブデン、酸化タングステン、酸化タンタルなど)が形成される。この金属酸化物を図6(
B)に第1の保護膜603として示す。このとき、図6(B)より明らかなように、ガラ
ス基板601も同時にプラズマ処理される。酸化膜及びガラス基板601には、第1のプ
ラズマ処理室201に導入された希ガスが所定の濃度含まれている。
【0076】
本実施の形態では、プラズマ酸化の際、周波数が2.45GHzのマイクロ波を用い、第
1のプラズマ処理室201に酸素、水素及びアルゴンを例えば流量比がO:H:Ar
=1:1:100となるように導入し、プラズマを生成させる。酸素、水素、アルゴンの
流量は、実施の形態1で示した範囲内で設定する。実施の形態1と同様に、必ずしも水素
を導入しなくてもプラズマ酸化は可能である。アルゴンのかわりに、他の希ガスを導入し
てもよい。第1のプラズマ処理室201内の圧力は、5Pa以上500Pa以下の範囲に
おいて適当な値に設定する。ガラス基板601を第1のプラズマ処理室201の基板保持
台211上に設置し、基板保持台211に備えられたヒーターの温度を400℃に保持す
る。そして、ガラス基板601上のゲート電極602及びゲート電極602から延びた配
線に対しプラズマ酸化をおこなう。その結果、図6(B)に示す第1の保護膜603が形
成される。ガラス基板601にかえて耐熱性のプラスチック基板を用いる場合は、基板保
持台211に備えられたヒーターの温度を例えば250℃に保持する。
【0077】
ゲート電極602及びゲート電極602から延びた配線上でのプラズマは、電子温度が1
.5eV以下、電子密度が1×1011cm−3以上であるため、プラズマ酸化により得
られる酸化膜のプラズマ損傷は抑制される。
【0078】
本実施の形態による第1の保護膜603は、ゲート電極602及びゲート電極602から
延びた配線の上面及び側面全体を覆うように形成される。ゲート電極の上面及び側面全体
に保護膜を形成する方法として、陽極酸化による方法が知られている。しかし、薄膜トラ
ンジスタは1つだけ形成されるのではなく、複数形成されるものであるから、陽極酸化の
際に、すべてのゲート電極を同電位に接続できるようにし、陽極酸化終了後に各薄膜トラ
ンジスタのゲート電極に分断する工程が必要である。一方、プラズマ処理により酸化膜を
形成する場合は、このような分断工程は不要である。
【0079】
プラズマ酸化のかわりに、実施の形態2に記載した方法でプラズマ窒化をおこなって、第
1の保護膜603を形成してもよい。その場合、金属窒化物(窒化モリブデン、窒化タン
グステン、窒化タンタルなど)が形成さる。プラズマ酸化の後にプラズマ窒化を連続的に
おこなってもよく、プラズマ窒化の後にプラズマ酸化を連続的におこなってもよい。
【0080】
第1の保護膜603が酸化モリブデン、酸化タングステン、酸化タンタルなどの絶縁膜な
らば、これをゲート絶縁膜の一部とすることができる。
【0081】
第1の保護膜603及びガラス基板601上に、プラズマCVD法などで絶縁膜604を
形成する(図6(C)参照)。本実施の形態では、絶縁膜604として、窒素を含む酸化
珪素膜(シリコンオキシナイトライド膜)を形成する。窒素を含む酸化珪素膜にかえて、
窒化珪素膜、酸素を含む窒化珪素膜、又は酸化珪素膜をCVD法などにより形成してもよ
い。
【0082】
絶縁膜604に対し、図2(A)に示す高密度プラズマ処理装置の第2のプラズマ処理室
202でプラズマ窒化をおこなう。プラズマ窒化がおこなわれた絶縁膜604を、ゲート
絶縁膜として使用する。
【0083】
本実施の形態では、プラズマ窒化の際、周波数が2.45GHzのマイクロ波を用い、第
2のプラズマ処理室202に導入されるガスは窒素及びアルゴンを用い、基板保持台21
1に備えられたヒーターの温度を400℃に保持する。窒素及びアルゴンの流量は、実施
の形態2に示した範囲内で設定する。窒素及びアルゴンに水素をさらに加えてもよく、窒
素をアンモニアにかえても、アルゴンを他の希ガスにかえてもよい。ガラス基板601に
かえて耐熱性のプラスチック基板を用いる場合は、基板保持台211に備えられたヒータ
ーの温度を250℃に保持する。絶縁膜604上でのプラズマは、電子温度が1.5eV
以下、電子密度が1×1011cm−3以上である。
【0084】
プラズマ窒化のかわりに、図2(A)に示す高密度プラズマ処理装置の第1のプラズマ処
理室201でプラズマ酸化をおこなってもよい。
【0085】
その後、例えば図6(D)に示すように、非晶質シリコンを含む第1の半導体膜605、
第2の保護膜606、N型を付与する不純物(リンなど)が添加された第2の半導体膜6
07、及び配線608を、公知の方法により所定の形状に形成する。必要に応じて、第2
の半導体膜607に含まれるリンなどの不純物の活性化をおこなう。第2の保護膜606
は通常チャネル保護膜と称する。
【0086】
本実施の形態によって作製されるボトムゲート型の薄膜トランジスタは、図6(D)に示
す構造に限定されない。チャネル保護膜を設けないチャネルエッチ型の薄膜トランジスタ
のような、他の構造のボトムゲート型の薄膜トランジスタでもよい。
【0087】
以上、ゲート電極602及びゲート電極602から延びた配線と、絶縁膜604の両方に
対して低電子温度及び高電子密度でのプラズマ処理をおこなう例を示した。しかし、どち
らか一方にのみ、低電子温度及び高電子密度でのプラズマ処理をおこなってもよい。また
、第1の保護膜603がゲート絶縁膜として十分機能するものであるならば、絶縁膜60
4を設けずに、第1の保護膜603をゲート絶縁膜としてもよい。
【0088】
(実施の形態5)
本実施の形態は、保護膜を形成した後に、その保護膜に対してプラズマ処理をおこなう
例を示す。保護膜とは、実施の形態1及び図1(D)に示す保護膜107、実施の形態3
及び図4(D)に示す保護膜407に相当する。
【0089】
保護膜を形成するまでの工程は、実施の形態1又は実施の形態3にしたがってもよいし、
実施の形態3においておこなった絶縁膜404に対するプラズマ処理を省略して保護膜4
07まで形成してもよい。図7(A)には、実施の形態3にしたがって、すなわち絶縁膜
404に対するプラズマ処理をおこない、保護膜407まで形成された状態を示す。本実
施の形態では、保護膜407をプラズマCVD法などにより形成された窒化珪素膜、酸素
を含む窒化珪素膜、又は酸化珪素膜とする。図7(A)に示す符号401乃至407は、
実施の形態3と共通のものを示す。
【0090】
次に、図7(B)に示すように、保護膜407を形成した後、図2(A)に示す高密度プ
ラズマ処理装置の第2のプラズマ処理室202でプラズマ処理をおこなう。プラズマ処理
の際、周波数が2.45GHzのマイクロ波を用い、第2のプラズマ処理室202に導入
されるガスは水素及び希ガスを用い、基板保持台211に備えられたヒーターの温度を3
50℃以上450℃以下に保持する。希ガスとして、本実施の形態ではアルゴンを用いる
。水素の流量は例えば20sccm以上2000sccm以下、アルゴンの流量は例えば
100sccm以上10000sccm以下の範囲内で設定する。保護膜407上でのプ
ラズマは、電子温度が1.5eV以下、電子密度が1×1011cm−3以上である。図
7(B)に示すHは水素ラジカルを意味する。
【0091】
上述のように、導入ガスに水素を用いるので、プラズマ処理後の保護膜407には水素が
含まれる。プラズマ処理の際にガラス基板401は加熱されているので、保護膜407中
の水素は絶縁膜404を介して非晶質シリコンを含む半導体膜403中に拡散し、その半
導体膜403を水素化することができる。水素は、図7(B)に示すように、ゲート電極
405下部のチャネル形成領域へも拡散する。プラズマ処理の後、水素を含む雰囲気中で
、ガラス基板401を350℃以上400℃以下の温度で所定の時間加熱して、半導体膜
403の水素化を更におこなってもよい。
【0092】
また、第2のプラズマ処理室202に導入されるガスとして、水素とアルゴンの他にアン
モニア(NH)を追加する、又は水素にかえてアンモニアを用いることもできる。その
場合、保護膜407の表面から水素が注入され、半導体膜403の水素化をおこなえると
共に、保護膜407に対するプラズマ窒化をおこなえる。保護膜407が酸素を含む窒化
珪素膜であればその少なくとも表面はより窒化され、酸化珪素膜であればその少なくとも
表面は窒化されてシリコンオキシナイトライドが形成され、窒化珪素膜であればその緻密
化が可能になる。
【0093】
また、絶縁膜404に対する低電子温度及び高プラズマ密度でのプラズマ処理の際、第1
のプラズマ処理室201又は第2のプラズマ処理室202に導入するガスに水素が含まれ
ている場合、水素が絶縁膜404に注入される。そして、基板保持台211に備えられた
ヒーターの温度を350℃以上450℃以下としてガラス基板401を加熱することによ
って、注入された水素は半導体膜403中に拡散し、その半導体膜403を水素化するこ
とができる。また、導入するガスを水素及び希ガスのみにすることで、プラズマ処理の際
に窒化又は酸化を伴わないようにしてもよい。
【0094】
半導体膜403を水素化した後、半導体膜403に対するドーピング及び活性化をおこな
う場合、その活性化を500℃以上の温度でおこなうと、半導体膜403中から水素が脱
離してしまう。したがって、絶縁膜404及びゲート電極405を形成し、その後半導体
膜403に対するドーピング及び500℃以上での活性化をおこない、次いで図7(C)
に示すようにプラズマ処理による半導体膜403の水素化をおこなう順序にしなければな
らない。図7(C)に示すHは水素ラジカルを意味する。その後、水素を含む雰囲気中
で、ガラス基板401を350℃以上400℃以下の温度で所定の時間加熱して、半導体
膜403の水素化を更におこなってもよい。
【0095】
本実施の形態による水素化は、他の実施の形態と組み合わせて実施することができる。
【0096】
(実施の形態6)
本実施の形態では、ガラス基板に対して、図2(A)及び図2(B)に示すような高密度
プラズマ処理装置を用いてプラズマ窒化をおこなう例を示す。
【0097】
実施の形態1乃至5において使用するガラス基板は、代表的には無アルカリガラスである
。無アルカリガラスの組成は、酸化珪素を主成分とし、酸化ホウ素、酸化アルミニウム、
及びアルカリ土類金属酸化物が含まれる。このような無アルカリガラスに対しプラズマ窒
化をおこなうことによって、その表面に、窒化珪素、又は酸素を含む窒化珪素を主成分と
する窒化物層を形成することができる。
【0098】
したがって、実施の形態1、2、3及び5において、ガラス基板に対し低電子温度及び高
電子密度にてプラズマ窒化をおこなう場合、下地絶縁膜として、窒化珪素膜、又は酸素を
含む窒化珪素膜をCVD法などにより形成する必要がない。しかも、CVD法により形成
された窒化珪素膜、又は酸素を含む窒化珪素膜よりも、プラズマ損傷が抑制され、且つ緻
密な窒化物層を形成することができる。
【0099】
(実施の形態7)
本実施の形態は、薄膜トランジスタの構造を、マルチゲート構造にする例である。マルチ
ゲート構造とは、図1(D)などに示した標準構造(シングルゲート構造)の薄膜トラン
ジスタが2つ以上直列接続した構造であり、各薄膜トランジスタのゲート電極は互いに接
続されている。マルチゲート構造にすることで、シングルゲート構造と比較して、オフ電
流を低減できることが知られている。
【0100】
実施の形態1乃至6に記載したプラズマ処理は、マルチゲート構造の薄膜トランジスタの
作製工程にも適用される。マルチゲート構造の薄膜トランジスタを作製する際に、低電子
温度及び高電子密度でのプラズマ酸化又はプラズマ窒化をおこなうことによって、シング
ルゲート構造の薄膜トランジスタの場合と同様の効果が得られる。
【0101】
(実施の形態8)
前述した高密度プラズマ処理装置を用いて、被処理体に対しプラズマ酸化を行った場合の
酸化特性に関して説明する。具体的には、プラズマ酸化の際に用いるガスの違いによる酸
化速度の変化について示す。
【0102】
まず、ガラス基板上にCVD法により下地絶縁膜としてシリコンオキシナイトライド膜(
SiO膜、ただしx>y)を約100nmの厚さに形成し、当該下地絶縁膜上にC
VD法により非晶質珪素膜を約66nmの厚さに形成した。次に、その非晶質珪素膜中に
含まれる水素を脱離させるために熱処理を行い、その後、レーザ光を照射してその非晶質
珪素膜を結晶化して結晶質珪素膜とした。そして、結晶質珪素膜に高密度プラズマ処理装
置を用いてプラズマ酸化を行った。プラズマ酸化の際、基板保持台に上記ガラス基板を配
置すると共に、その基板保持台に備えられたヒーターの温度を400℃に設定した。
【0103】
本実施の形態では、アルゴンと酸素をそれぞれ500sccm、5sccmの流量(条件
1)、又はアルゴンと酸素と水素をそれぞれ500sccm、5sccm、5sccmの
流量(条件2)に設定し、プラズマ酸化をおこなった。条件1、条件2のいずれも、圧力
を133.33Paに設定した。条件1と条件2との相違は、水素導入の有無のみである

【0104】
条件1、条件2それぞれについて、結晶質珪素膜の酸化速度を図11に示す。なお、図1
1は、横軸を処理時間(秒)、縦軸を平均膜厚(nm)として示している。処理時間とは
、結晶質珪素膜にプラズマ酸化を行った時間をいう。平均膜厚とは、プラズマ酸化により
結晶質珪素膜が酸化されて形成された酸化膜について、25箇所の膜厚を測定して平均値
を求めた結果をいう。
【0105】
条件1、条件2ともに、高密度プラズマ処理装置による処理時間が増加するにつれ、結晶
質珪素膜の酸化が進み、結晶質珪素膜に形成された酸化膜の平均膜厚が増加した。また、
アルゴンと酸素を導入した場合である条件1でプラズマ酸化を行った場合と比較して、条
件1に水素を加えた条件2でプラズマ酸化を行った場合の方が、結晶質珪素膜に形成され
た酸化膜の平均膜厚が厚くなることがわかった。つまり、水素を加えた条件でプラズマ酸
化を行うことによって、水素を加えない条件と比較して、目的の厚さの酸化膜を形成する
ための処理時間を短くできると共に、同じ処理時間で厚い酸化膜を形成することができる
ことがわかった。
【実施例1】
【0106】
実施の形態1乃至7により作製された薄膜トランジスタを、アクティブマトリクス型の表
示装置に用いる例として、画素部に発光素子を有する表示装置(以下、発光表示装置と称
する)を示す。発光表示装置とは、例えばエレクトロルミネッセンス(EL)表示装置で
ある。
【0107】
図8(A)は、アクティブマトリクス型の表示装置の一例を示す上面図であり、図8(B
)は図8(A)に示すg−h間を結ぶ線で切断した発光表示装置の断面図である。
【0108】
図8(A)に示すように、本実施例で示す表示装置は、基板701上に設けられた画素部
704を有している。また、画素部704を挟むように、基板701に対向して対向基板
706が設けられている。画素部704には、基板701上に上記実施の形態1乃至7で
示したいずれかの構造を有する薄膜トランジスタが形成される。基板701と対向基板7
06は、シール材705により貼り合わされている。また、ドライバ回路は、銅箔等でな
る配線が形成されたFPC(Flexible Printed Circuit)70
7を介して基板701の外部に設けられている。
【0109】
画素部704は、図8(B)に示す発光素子716と当該発光素子716を駆動するため
の薄膜トランジスタ711とを含む複数の画素により形成されている。薄膜トランジスタ
711は、実施の形態1乃至7で示したいずれかの工程を経て作製された薄膜トランジス
タを適用することができる。
【0110】
また、本実施例では、薄膜トランジスタ711のソース領域またはドレイン領域に接続さ
れている配線712に接続するように第1の電極713が設けられ、当該第1の電極71
3の端部を覆うように絶縁膜709が形成されている。絶縁膜709は、複数の画素にお
いて隔壁として機能している。
【0111】
絶縁膜709として、ここでは、ポジ型の感光性アクリル樹脂膜を用いることにより形成
する。また、カバレッジを良好なものとするため、絶縁膜709は、当該絶縁膜709の
上端部または下端部に曲率を有する曲面が形成されるように設ける。例えば、絶縁膜70
9の材料としてポジ型の感光性アクリルを用いた場合、絶縁膜709の上端部のみに曲率
半径(0.2μm〜3μm)を有する曲面を持たせることが好ましい。絶縁膜709とし
ては、感光性の光によってエッチャントに不溶解性となるネガ型、或いは光によってエッ
チャントに溶解性となるポジ型のいずれも使用することができる。他にも、絶縁膜709
としてエポキシ、ポリイミド、ポリアミド、ポリビニルフェノール、ベンゾシクロブテン
等の有機材料やシロキサン樹脂を単層または積層構造で用いることができる。また、絶縁
膜709にプラズマ処理を行い、当該絶縁膜709を酸化または窒化することによって、
絶縁膜709の表面を改質して緻密な膜を得ることも可能である。絶縁膜709の表面を
改質することによって、当該絶縁膜709の強度が向上し開口部等の形成時におけるクラ
ックの発生やエッチング時の膜減り等の物理的ダメージを低減することが可能となる。ま
た、絶縁膜709の表面が改質されることによって、当該絶縁膜709上に設けられる発
光層714との密着性等の界面特性が向上する。
【0112】
図8(A)及び図8(B)に示す発光表示装置は、第1の電極713上に発光層714が
形成され、当該発光層714上に第2の電極715が形成されている。これら第1の電極
713、発光層714および第2の電極715の積層構造により発光素子716が設けら
れている。
【0113】
第1の電極713及び第2の電極715は、一方を陽極として、他方を陰極として用いる
。陽極として用いる場合には、仕事関数の大きい材料を用いることが望ましい。例えば、
ITO膜、珪素を含有したインジウム錫酸化物膜、酸化インジウムに酸化亜鉛(ZnO)
を混合したターゲットを用いてスパッタ法により形成した透明導電膜、酸化亜鉛(ZnO
)、窒化チタン膜、クロム膜、タングステン膜、Zn膜、Pt膜などの単層膜の他、窒化
チタンとアルミニウムを主成分とする膜との積層、窒化チタン膜とアルミニウムを主成分
とする膜と窒化チタン膜との3層構造等を用いることができる。なお、積層構造とすると
、配線としての抵抗が低く、良好なオーミックコンタクトがとれ、さらに陽極として機能
させることができる。陰極として用いる場合には、仕事関数の小さい材料(Al、Ag、
Li、Ca、またはこれらの合金MgAg、MgIn、AlLi、CaF、または窒化
カルシウム)を用いることが好ましい。なお、陰極として用いる電極を透光性とする場合
には、電極として、膜厚を薄くした金属薄膜と透明導電膜との積層を用いるのがよい。透
明導電膜として、例えばITO、珪素を含有したインジウム錫酸化物、酸化インジウムに
酸化亜鉛(ZnO)を混合したターゲットを用いてスパッタ法により形成した透明導電膜
、酸化亜鉛(ZnO)を使用することができる。ここでは第1の電極713として透光性
を有するITOを用い、基板701側から光を取り出す構造とする。なお、第2の電極7
15に透光性を有する材料を用いることにより対向基板706側から光を取り出す構造と
してもいし、第1の電極713および第2の電極715を透光性を有する材料で設けるこ
とによって、基板701および対向基板706の両側に光を取り出す構造(両面射出)と
することも可能である。
【0114】
また、発光層714は、低分子系材料、中分子材料(オリゴマー、デンドリマーを含む)
、または高分子系材料等による単層または積層構造を、蒸着マスクを用いた蒸着法、イン
クジェット法、スピンコート法等の公知の方法によって形成することができる。
【0115】
また、ここではシール材705で対向基板706を基板701と貼り合わせることにより
、基板701、対向基板706、およびシール材705で囲まれた空間708に本発明の
発光素子716が備えられた構造になっている。なお、空間708には、不活性気体(窒
素やアルゴン等)が充填される場合の他、シール材705で充填される構成も含むものと
する。
【0116】
なお、シール材705にはエポキシ系樹脂を用いるのが好ましい。また、対向基板706
に用いる材料としてガラス基板や石英基板の他、FRP(Fiberglass−Rei
nforced Plastics)、PVF(ポリビニルフロライド)、マイラー、ポ
リエステルまたはアクリル等からなるプラスチック基板を用いることができる。
【実施例2】
【0117】
実施の形態1乃至7により作製された薄膜トランジスタを、アクティブマトリクス型の表
示装置に用いる例として、画素部に液晶を用いた液晶表示装置を示す。
【0118】
図9は、液晶表示装置の一例を示しており、図8(A)に示すg−h間を結ぶ線で切断し
た断面図である。配線812および第1の電極813を覆うように設けられた配向膜82
1と対向基板706に設けられた配向膜823との間に液晶822が設けられている。ま
た、第2の電極824が対向基板706に設けられており、第1の電極813と第2の電
極824間に設けられた液晶822に加える電圧を制御して光の透過率を制御することに
より像の表示を行う。
【0119】
また、液晶822中に、基板701と対向基板706間の距離(セルギャップ)を制御す
るために球状のスペーサ825が設けられている。スペーサ825の形状は球状に限らず
、柱状のスペーサを設けてもよい。基板701と対向基板706は、シール材705によ
り貼り合わされている。薄膜トランジスタ811は、実施の形態1乃至7で示したいずれ
かの工程を経て作製された薄膜トランジスタを適用することができる。
【実施例3】
【0120】
本実施例では、実施例1及び実施例2に示したアクティブマトリクス型の表示装置の利用
形態について、図面を参照して説明する。
【0121】
上記アクティブマトリクス型の表示装置が組み込まれた電子機器を例示する。例えば、ビ
デオカメラ、デジタルカメラ、ゴーグル型ディスプレイ(ヘッドマウントディスプレイ)
、テレビ受像機、ナビゲーションシステム、カーオーディオ等の音響再生装置、ノート型
パーソナルコンピュータ、ゲーム機器、携帯情報端末(モバイルコンピュータ、携帯電話
機、携帯型ゲーム機または電子書籍等)、記録媒体を備えた携帯型の画像再生装置が挙げ
られる。本明細書に開示する発明は、これらの電子機器の表示部に適用できる。
【0122】
図10(A)はテレビ受像機の一例であり、筐体1001、表示部1002、スピーカー
1003、操作部1004、ビデオ入力端子1005等を含む。本明細書に開示する発明
によって作製された薄膜トランジスタを、表示部1002に適用することによって、テレ
ビ受像機を作製することができる。本明細書に開示する発明によって作製された薄膜トラ
ンジスタを表示部1002の画素に用いたので、画素の欠陥がほとんどなく、仮に欠陥が
存在しても人間の目では識別できない程度にすぎない。よって、表示不良がなく、明るい
鮮明な映像が表示部1002に表示される。
【0123】
図10(B)及び図10(C)に、デジタルカメラの一例を示す。図10(B)はデジタ
ルカメラを前面からみた図であり、1011はレリーズボタン、1012はメインスイッ
チ、1013はファインダー窓、1014はストロボ、1015はレンズ、1016は筐
体を示す。図10(C)は上記デジタルカメラを後方からみた図であり、1017はファ
インダー接眼窓、1018は表示部、1019は操作ボタン、1020は操作ボタンを示
す。
【0124】
本明細書に開示する発明によって作製された薄膜トランジスタを、表示部1018に適用
することによって、デジタルカメラを作製することができる。本明細書に開示する発明に
よって作製された薄膜トランジスタを表示部1018の画素に用いたので、画素の欠陥が
ほとんどなく、仮に欠陥が存在しても人間の目では識別できない程度にすぎない。よって
、表示不良がなく、明るい鮮明な映像が表示部1018に表示される。
【0125】
上記テレビ受像機及びデジタルカメラに限らず、表示部を有する電子機器に組み込まれた
アクティブマトリクス型の表示装置に、本明細書に開示する発明を適用できることは言う
までもない。
【符号の説明】
【0126】
101 ガラス基板
102 下地絶縁膜
103 半導体膜
104 酸化膜
105 ゲート電極
106 不純物領域
107 保護膜
108 層間絶縁膜
109 配線
200 被処理基板
201 第1のプラズマ処理室
202 第2のプラズマ処理室
203 ロードロック室
204 共通室
205 ロボットアーム
206 カセット
210 排気口
211 基板保持台
212 矢印
213 マイクロ波
214 アンテナ
215 導波管
216 誘電体板
217 領域
218 シャワープレート
301 ガラス基板
302 下地絶縁膜
303 半導体膜
304 ゲート絶縁膜
305 ゲート電極
306 保護膜
307 不純物領域
308 層間絶縁膜
309 配線
401 ガラス基板
402 下地絶縁膜
403 半導体膜
404 絶縁膜
405 ゲート電極
406 不純物領域
407 保護膜
408 層間絶縁膜
409 配線
501 ゴミ
502 表面部分
601 ガラス基板
602 ゲート電極
603 第1の保護膜
604 絶縁膜
605 第1の半導体膜
606 第2の保護膜
607 第2の半導体膜
608 配線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガラス基板上にゲート電極を形成し、
前記ゲート電極に対してプラズマ窒化を行うことにより保護膜を形成し、
前記保護膜上に第1の絶縁膜を形成し、
前記第1の絶縁膜に対してプラズマ窒化を行うことにより第2の絶縁膜を形成し、
前記第2の絶縁膜上に半導体膜を形成することを特徴とする半導体装置の作製方法。
【請求項2】
請求項1において、
前記ガラス基板に対して、前記ガラス基板の温度を歪点より100℃以上低く、かつ、200℃以上とする条件でプラズマ窒化を行うことにより、窒化物層を形成することを特徴とする半導体装置の作製方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−64957(P2012−64957A)
【公開日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−235716(P2011−235716)
【出願日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【分割の表示】特願2006−105193(P2006−105193)の分割
【原出願日】平成18年4月6日(2006.4.6)
【出願人】(000153878)株式会社半導体エネルギー研究所 (5,264)
【Fターム(参考)】