説明

半導体装置の製造方法

【課題】低電圧領域として使用されるSOI型MISFETと、高電圧領域として使用されるバルク型MISFETとが共存する半導体装置であっても半導体装置全体を縮小でき、更にプロセスが複雑化することなく作製できる半導体装置と製造方法を提供する。
【解決手段】単結晶半導体基板1、単結晶半導体基板から薄い埋め込み絶縁膜4で分離された薄い単結晶半導体薄膜(SOI層)3を持つSOI基板を用い、SOI型MISFET100およびバルク型MISFET200のウエル拡散層領域6と、ドレイン領域9、11、14、16と、ゲート絶縁膜5と、ゲート電極20とを同一工程にて形成する。バルク型MISFETとSOI型MISFETとを同一基板上に形成できるので、基板の占有面積を縮小できる。SOI型MISFETとバルク型MISFETとの作製工程の共通化により簡易プロセスを実現することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体/絶縁膜/金属の積層構造を有するMISFETに関し、詳しくはSOI(Silicon on Insulator)構造を有する基板にMISFETを形成した半導体装置及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、LSIの高集積化、高性能化に伴い、MISFET(Metal/Insulator/Semiconuctor Field Effect Transistor)の微細化が進み、ゲート長がスケーリングされることで、しきい電圧Vthが低下する短チャネル効果の問題が顕著となっている。この短チャネル効果は、MISFETのソースおよびドレイン部分の空乏層の広がりが、チャネル長の微細化に伴い、チャネル部分にまで影響を与えることに起因する。これを抑制するためには、チャネル部分の不純物濃度を高くし、ソースおよびドレイン部分の空乏層の広がりを抑制することが一つの方法であるが、チャネル部分の不純物濃度を高くすると、不純物散乱の増大に伴うキャリアの移動度により、駆動電流の劣化が問題となる。また、不純物濃度を高くすると、基板とソース、ドレイン間の寄生容量が増大し、MISFETの高速動作を阻害する。
【0003】
また、従来、これらMISFETのしきい電圧Vthは、チャネル領域の不純物濃度によって制御されている。チャネルの不純物濃度制御は、100nmノード程度のデザインルールのLSIまでは、イオン注入技術と短時間熱処理技術とを駆使して比較的良好に行われている。
【0004】
しかし、100nmノードもしくはそれ以降のデザインルールのMISFETにおいては、チャネルの不純物量によりしきい電圧Vthを制御する手法では、チャネル長が短くなるにつれて、1個当たりのMISFETのしきい電圧Vthに寄与する不純物の絶対数が少なくなるため、統計的なゆらぎによるのしきい電圧Vthのバラツキが無視できなくなっている(例えば非特許文献1)。そこで、チャネル部の不純物濃度制御およびその他の方法によって、ゲート電極の仕事関数によってもMISFETのしきい電圧Vthを制御できるようにすることが、微細デバイス対応のプロセスとして切望されるようになっている。
【0005】
このような問題を解決するため、近年、SOI構造が注目されている。この構造では絶縁膜(例えば酸化シリコン膜)によって完全な素子間分離を行うため、ソフトエラーやラッチアップが抑制され、集積度の高いLSIにおいても高い信頼性が得られるだけでなく、拡散層の接合容量が低減されるため、スイッチングにともなう充放電が少なくなり、高速、低消費電力化に対しても有利になる。
【0006】
このSOI型MISFETには大別して二つの動作モードがある。一つはゲート電極直下のボディ領域に誘起された空乏層がボディ領域の底面、すなわち埋め込み酸化膜との界面にまで到達する完全空乏型(Full Depletion)SOI、もう一つは空乏層がボディ領域の底面まで到達せず、中性領域が残る部分空乏型(Partial Depletion)SOIがある。
【0007】
完全空乏型SOI−MISFETでは、ゲート直下の空乏層の厚さが埋め込み酸化膜によって制限されるため、空乏電荷量が部分空乏型SOI−MISFETよりも大幅に減少し、代わってドレイン電流に寄与する可動電荷が増える。その結果、急峻なサブスレッショルド特性(S特性)が得られるという利点がある。
【0008】
すなわち、急峻なS特性が得られると、オフリーク電流を抑制しながらしきい値電圧Vthを下げることができる。その結果、低い動作電圧でもドレイン電流が確保され、例えば1V以下で動作する(しきい値電圧Vthも0.3V以下)ような、極めて消費電力の少ないMISFETの作製が可能となる。
【0009】
また、通常基板に作製したMISFETの場合、上述した短チャネル効果の問題があるが、完全空乏型SOI−MISFETの場合は酸化膜で基板と素子が分離されており、空乏層が広がることがないため、完全空乏型SOI−MISFETでは、基板濃度を低くすることができる。従って、不純物散乱の増大に伴うキャリアの移動度の低下が抑制されるため、高駆動電流化を図ることができる。さらに、不純物濃度でしきい電圧Vthを制御する方法に較べて、1つのMISFETに対する不純物の個数の統計的なゆらぎによるしきい電圧Vthばらつきを低減させることができる。
【0010】
一方、SOI−MISFETに関する他の従来技術としてダブルゲートMISFET構造が知られ、例えば特許文献1として提案されている。上記SOI−MISFETはSOI層内にソース拡散層、及びドレイン拡散層をダミーゲート電極と自己整合で形成した後、ダミーゲート電極の逆パターン溝の形成、上記溝から支持基板への不純物のイオン注入による埋め込みゲートの形成を順次施し、しかる後、上記溝領域にW(タングステン)などの金属膜を選択的に埋め込み、上部ゲート電極とするものである。SOI−MISFET性能向上の手段としてダブルゲート構造の実現も有力な手段であるが、現在公知の手法に基づくダブルゲートMISFET構造では高濃度拡散層等をSOI層に悪影響を与えることなく支持基板内に埋め込み形成することが極めて難しく、未だに実用化に至っていない。製造困難性を度外視し、ダブルゲートMISFET構造の本質概念を考慮した場合、埋め込みゲートを上部ゲートと正確な位置合わせすることが前提であり、且つ個別素子ごとに配置することが必然的に求められる。埋め込みゲート電極の役割を複数のMISFETで共有するごとき概念は基本的に存在しない。超微細SOI−MISFETにおいては埋め込みゲートの位置合わせ誤差は致命的であり、寄生容量のばらつき、駆動電流のばらつきに直結する。従って寄生容量をダイナミック動作安定化のために有効利用するにしても容量ばらつきが本質的に抑制されない限り安定化への利用も実現不可能である。更に、ダブルゲート構造SOI−MISFETの閾電圧はSOI層膜厚成分を除くと上部ゲート及び埋め込みゲートの各材料の仕事関数のみにより決定され、実質上所望MISFETごとに閾電圧値を設定することは不可能である。埋め込みゲート電極と上部ゲート電極の接続もMISFET活性領域外、即ち素子分離領域で実施することが前提であり、周辺素子レイアウトに配慮した整合性が必須である。
【0011】
ここで、埋め込み絶縁膜が50nm以下、望ましくは10nm以下、薄い単結晶半導体薄膜が20nm以下のSOI基板を用いて作製した上記完全空乏型SOI−MISFETでは、SOI−MISFET直下のウエル拡散層にゲート電位を印加することで、薄い埋め込み絶縁膜を介したウエル電位の高電位印加によりSOI−MISFETの導通状態は更に加速され、駆動電流の大幅な増大、即ち大電流化がもたらされる。ゲート電位が低電位に印加される場合、ウエル電位も追随して低下するため、より速く非道通状態に達することができる。即ち、上記動作モードにおいては同一漏洩電流の条件においてより駆動電流を増加する特性を実現でき、導通・非道通のスイッチングをより高速に実施することが可能となる。ウエル拡散層側面の絶縁分離化は寄生容量の低減、即ち印加信号の遅延時定数の低減に寄与する。また、埋め込み絶縁膜が薄ければ薄いほど上記駆動電流の増加効果向上に有効であり、理想的にはSOI−MISFETのゲート絶縁膜と同等の膜厚条件が望ましい。以上のように、薄い埋め込み絶縁膜をSOI−MISFETに適用することで、ダブルゲート構造によるSOI−MISFETの本質的な性能向上特性を活かすことが出来る。さらに、SOI−MISFET直下のウエル拡散層は、ゲート電極下に自己整合的に形成されるため、従来ダブルゲートMISFET構造で問題となる、埋め込みゲート電極の位置合わせ誤差から生じる駆動電流ばらつき、寄生容量ばらつきの問題を本質的に除去することが出来る。
【0012】
上述のごとく、SOI型MISFETは、低消費電力・高速という優れた特徴を有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】特開2000−208770号公報
【非特許文献】
【0014】
【非特許文献1】T.Mizuno et al. “Performance Fluctuations of 0.10μmMOSFETs −Limitation of 0.10μ ULSIs”、Symp. on VLSI Technology 1994
【非特許文献2】T. Yamada et al. “An Embedded DRAM Technology on SOI/Bulk Hybrid Substrate Formed with SEG Process for High−End SOC Application” Symp.on VLSI Technology 2002
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
しかしながら、前述のSOI型MISFETには次のような問題がある。一般にSOI基板上に作製されたMISFETは、ソース・ドレイン間耐圧が劣化するため、低電圧領域でしか使用できない。高耐圧系の素子や、ESD破壊(静電破壊)を防止するためのESD保護素子などを、SOI基板上に形成することは困難であった。したがって、高耐圧で使用する領域には、SOI基板ではなく、バルク基板を使用することになる。このように、バルクシリコン基板とSOI基板とを使用する場合、2枚の基板が必要になることから、基板の占有面積を小さくすることができず、延いては半導体装置全体を小さくすることができない。また、SOI型MISFETとバルク型MISFETを同一基板上に作製しようとすると、たとえば、非特許文献2に見られるように、選択エピ成長技術が必要になるとともに、SOI型MISFETとバルクMISFETとを各々別工程にて作製しなければならず、プロセスが複雑化するといった問題があった。
【0016】
本発明は、上記従来の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、低電圧領域として使用されるSOI型MISFETと、高電圧領域として使用されるバルク型MISFETとが共存する半導体装置であっても、半導体装置全体を縮小でき、さらにプロセスが複雑化することなく作製できる半導体装置および製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明の代表的なものの一例では単結晶半導体基板、単結晶半導体基板から薄い埋め込み絶縁膜で分離された薄い単結晶半導体薄膜(SOI層)よりなるSOI基板を用いることを前提とする。ゲート長が100nm以下、更には50nm以下の超微細完全空乏型SOIMISFETへの適用を前提とし、埋め込み絶縁膜は10nm以下、薄い単結晶半導体薄膜は20nm以下、望ましくは10nm程度の膜厚のSOI基板を用いる。
【0018】
具体的には、1枚の基板を有する半導体装置において、基板は、第1の素子形成領域および第2の素子形成領域を有している。また、第1の素子形成領域には、第1の導電型からなる第1の半導体基板部分と、第1の半導体基板部分上方に絶縁体層を介して形成された半導体層と、半導体層中に形成された第2導電型の第1のソース領域および第1のドレイン領域と、第1のソース領域と第1のドレイン領域との間に形成された第1のチャネル領域と、第1のチャネル領域上に形成された第1のゲート絶縁膜と、第1のチャネル領域上方に第1のゲート絶縁膜を介して形成された第1のゲート電極が形成されている。また、第2の素子形成領域には、第1の導電型からなる第2の半導体基板部分と、第2の半導体基板部分中に形成された第2のソース領域および第2のドレイン領域と、第2のソース領域と第2のドレイン領域との間に形成された第2のチャネル領域と、第2のチャネル領域上に形成された第2のゲート絶縁膜と、第2のチャネル領域上方に第2のゲート絶縁膜を介して形成された第2のゲート電極が形成されている。さらに、絶縁体層の厚さは20nm以下で、半導体層の厚さは20nm以下で形成されている。ここで、絶縁体層は薄い埋め込み絶縁膜に相当し、半導体層は薄い単結晶半導体薄膜相当しており、第1の素子形成領域と第2の素子形成領域との間に発生する段さは30nm以下と小さい。そのため、第1および第2のソース領域と、第1および第2のドレイン領域と、第1および第2のゲート絶縁膜と、第1および第2のゲート電極とが、それぞれ同一の工程にて形成することが出来る。すなわち、第1の素子形成領域上のSOI−MOSFETと第2の素子形成領域上のバルク−MOSFETの形成工程を、各々別工程にて形成することなく、共通プロセスを用いて同時に形成することが出来るようになる。
【発明の効果】
【0019】
上記手段による発明に依れば、高耐圧系の素子や、ESD破壊(静電破壊)を防止するためのESD保護素子は、同一基板上のバルク−MISFETとして形成することができるので、低消費電力性・高速性に優れるSOI型MISFETとバルク−MISFETを各々別基板に形成して接続するよりも、基板の占有面積を小さくすることが出来る。しかも、SOI型MISFETとバルク型MISFETの作製する工程とを共通化することで、プロセスを複雑化することなく両素子の作製が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明による実施の形態1によるMISFETの完成断面図である。
【図2】本発明の実施の形態1による半導体装置を示す平面図である。
【図3】実施の形態1によるMISFETの製造工程を説明する図である。
【図4】実施の形態1によるMISFETの製造工程を説明する図である。
【図5】実施の形態1によるMISFETの製造工程を説明する図である。
【図6】実施の形態1によるMISFETの製造工程を説明する図である。
【図7】実施の形態1によるMISFETの製造工程を説明する図である。
【図8】実施の形態1によるMISFETの製造工程を説明する図である。
【図9】実施の形態1によるMISFETの製造工程を説明する図である。
【図10】実施の形態1によるMISFETの製造工程を説明する図である。
【図11】実施の形態1によるMISFETの製造工程を説明する図である。
【図12】実施の形態1によるMISFETの製造工程を説明する図である。
【図13】実施の形態1によるMISFETの製造工程を説明する図である。
【図14】実施の形態1によるMISFETの製造工程を説明する図である。
【図15】実施の形態1によるMISFETの製造工程を説明する図である。
【図16】実施の形態1によるMISFETの製造工程を説明する図である。
【図17】実施の形態1によるMISFETの製造工程を説明する図である。
【図18】実施の形態1によるMISFETの製造工程を説明する図である。
【図19】実施の形態1によるMISFETの製造工程を説明する図である。
【図20】実施の形態1によるMISFETの製造工程を説明する図である。
【図21】実施の形態1によるMISFETの製造工程を説明する図である。
【図22】実施の形態1によるMISFETの製造工程を説明する図である。
【図23】実施の形態1によるMISFETの製造工程を説明する図である。
【図24】実施の形態1によるMISFETの製造工程を説明する図である。
【図25】実施の形態1によるMISFETの製造工程を説明する図である。
【図26】本発明の実施の形態2による半導体装置のレイアウト図である。
【図27】本発明による実施の形態3によるMISFETの完成断面図である。
【図28】本発明による実施の形態4によるMISFETの完成断面図である。
【図29】本発明による実施の形態5によるMISFETの完成断面図である。
【図30】実施の形態5によるMISFETの製造工程を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下の実施の形態においては便宜上その必要があるときは、複数のセクションまたは実施の形態に分割して説明するが、特に明示した場合を除き、それらはお互いに無関係なものではなく、一方は他方の一部または全部の変形例、詳細、補足説明の関係にある。
【0022】
また、以下の実施の形態において、要素の数等(個数、数値、量、範囲等を含む)に言及する場合、特に明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合を除き、その特定の数に限定されるものではなく、特定の数以上でも以下でも良い。
【0023】
さらに、以下の実施の形態において、その構成要素(要素ステップ等も含む)は特に明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。
【0024】
同様に以下の実施の形態において、構成要素等の形状、位置関係に言及するときは、特に明示した場合および原理的に明らかにそうでないと考えられる場合等を除き、実質的にその形状等に近似または類似するもの等を含むものとする。このことは、上記数値および範囲についても同様である。
【0025】
また、本実施の形態を説明するための全図において同一機能を有するものは同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
【0026】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。各部の材質、導電型、及び製造条件等は本実施の形態の記載に限定されるものではなく、各々多くの変形が可能であることは言うまでもない。
【0027】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係るMISFETの完成断面図である。また、その製造工程を図2以降を用いて説明する。説明の都合上半導体基板、及び半導体膜の導電型を固定して説明するが導電型の組み合わせは任意でよく、本実施の形態記載の導電型に限定されない。面方位(100)、P導電型、抵抗率10ohm・cm、直径20cmの単結晶Siよりなり、主表面が鏡面研磨された半導体基板1に10nm厚のシリコン熱酸化膜4を形成して第一の半導体基板とした。上記第一の半導体基板に公知の超薄膜SOI基板の製造法に基づき水素のイオン注入を実施した。注入量は5×1016/cmとした。イオン注入の結果、単結晶Si基板主表面からおよそ40nmの深さに結晶欠陥層3が形成された。この状態より表面にシリコン酸化膜を有しない第一の半導体基板と同一仕様の第二の半導体基板の各々に親水化処理を施した後、室温で主表面どうしを密着させた。次に密着させた二枚のSi基板を500℃に加熱したがこの熱処理により結晶欠陥層に微小空孔の形成とその増大化が生じ、結晶欠陥層部分で単結晶Si基板が剥離され、支持基板1上に10nm厚のシリコン熱酸化膜2、及びその上に約20nm厚の単結晶Si薄膜3が密着された。この状態より1100℃の高温熱処理を施すことによりシリコン熱酸化膜4と支持基板1間の接着強度が格段に向上し、通常の単結晶基板並みの接着強度となった。この状態より単結晶Si薄膜3の表面、即ち剥離面、を砥粒を含まない表面研磨法により鏡面研磨し、単結晶Si薄膜3下部に薄い埋め込みゲート絶縁膜4、が支持基板1上に順に構成されたSOI基板を製造した。上記したSOI基板は上記手法に基づき製造する必要はなく、同様な仕様の市販基板の購入に基づいても何ら問題はない。その際には、SOI基板上にシリコン酸化膜を形成した後、シリコン酸化膜を除去することで、所望の単結晶Si層になるまで、Si層を薄層化して使用する。
【0028】
上記SOI基板上に、10nmの厚さでシリコン酸化膜36を形成し、その後レジストマスク35を塗布し、バルク型MISFETを形成する領域200のみレジストマスクを除去する(図4)。図4の状態より、シリコン酸化膜36、単結晶Si層3および薄い埋め込み絶縁膜4を除去して、支持基板表面を露出させる。その後、レジストマスク35を除去する(図5)。以上の工程によって、SOI型MISFETおよび、バルク型MISFETとを形成する領域100および200が夫々形成されたことになる。本工程以降は、説明をわかり易くするため、SOI型MISFETの形成領域100、バルク型MISFETの形成領域200とを夫々別々に図示し、説明を行うこととする。
【0029】
図5の状態より、シリコン酸化膜36およびシリコン窒化膜37を形成した(図6)。ここで形成したシリコン窒化膜は、後の浅溝素子分離形成における化学的機械的研磨での研磨ストッパーとして用いられる。なお、本発明による1つのポイントは、かかるシリコン窒化膜の膜厚を、SOI型MISFETの形成領域100における単結晶Si薄膜3の膜厚とシリコン熱酸化膜4の膜厚を足した厚さよりも大きくする点にある、言い換えれば、SOI型MISFETの形成領域100の単結晶Si薄膜3表面とバルク型MISFETの形成領域200の半導体基板1表面の間の段差よりも大きなものとする。この特徴点に関する作用効果については後述する。次に、レジストマスク35を塗布した後に、所望領域のレジストマスクのみ除去した(図7)。その後、所望領域のシリコン窒化膜37およびとシリコン酸化膜36、および単結晶Si層3とを除去した(図8)。尚、一対の相補型MISFETを構成する素子間に関しては同一のウエル拡散層上に配置される如くパターニング後、レジストマスクを除去した。図8の状態より、レジストマスク35を塗布した後、所望領域のレジストマスクを除去した(図9)。次に、所望領域の埋め込み酸化膜4および支持基板1のSi層を200nm除去して、STI(Shallow Trench Isolation)なる素子分離領域と、SOI型MISFET形成領域上に、ゲートとウェルとのコンタクトを形成するための領域を形成する(図10)。
【0030】
図10の状態より、公知の素子分離絶縁膜の形成法に基づいて露出Si領域への薄い熱酸化膜の形成とパターニング領域を埋める程度の膜厚で厚いシリコン酸化膜39の全面堆積を施した(図11)。続いて、シリコン窒化膜の堆積と先のパターニングで選択残置した領域上、及び該領域から一定間隔までのシリコン窒化膜を選択的に除去することにより露出された厚いシリコン酸化膜を化学的機械的研磨により除去した。研磨の終点は先に堆積したシリコン窒化膜とパターン上に残置されているシリコン窒化膜37である。続いてシリコン窒化膜37等を熱燐酸により選択除去した(図12)。この工程において、シリコン窒化膜37の膜厚に関する上述のポイントが有効に機能する。すなわち、シリコン窒化膜37の膜厚をSOI型MISFETの形成領域100の単結晶Si薄膜3表面とバルク型MISFETの形成領域200の半導体基板1表面の間の段差分以下とした場合、バルク型MISFETの形成領域200のシリコン窒化膜37を研磨の終点として化学的機械的研磨を終了するとSOI型MISFETの形成領域100の単結晶Si薄膜3の表面までをも化学的機械的研磨により削ってしまうといった不具合が生じてしまい、一方、SOI型MISFETの形成領域100のシリコン窒化膜37を研磨の終点として化学的機械的研磨を終了するとバルク型MISFETの形成領域200のシリコン窒化膜37の表面が露出せずこれを除去できないことからバルク型MISFETの形成領域200の半導体基板1表面へのバルク型MISFETの形成が行えないと言った不具合を生ずる。本発明では、シリコン窒化膜の膜厚をSOI型MISFETの形成領域100の単結晶Si薄膜3表面とバルク型MISFETの形成領域200の半導体基板1表面の間の段差分より大きなものとすることによって、これらの不具合を解消することが出来る。
【0031】
図12において、SOI型MISFET形成領域は、薄いシリコン酸化膜36、酸化膜薄い単結晶Si膜3および薄い埋め込み絶縁膜4を介したイオン注入により、バルク型MISFET形成領域は薄いシリコン酸化膜36を介したイオン注入により、支持基板1の所望領域に選択的にN導電型のウエル拡散層6を形成した。続いて、同様にSOI型MISFET形成領域は、薄いシリコン酸化膜36、酸化膜薄い単結晶Si膜3および薄い埋め込み絶縁膜4を介したイオン注入により、バルク型MISFET形成領域は薄いシリコン酸化膜36を介したイオン注入により、支持基板1の所望領域に選択的にP導電型のウエル拡散層7を形成した。ここで、単結晶Si膜と埋め込み酸化膜層は各々薄層であり、SOI型MISFET形成領域とバルク型MISFET形成領域との段差はおよそ30nmと小さい。一方、N導電型のウエル拡散層およびP導電型のウエル拡散層領を形成するための不純物イオンを注入するための深さ条件は、通常500nm以上あり、上記段差に比べて、十分に深い。従って、SOI型MISFETおよびバルク型MISFET領域のウエル拡散層形成用のイオン注入条件は共通とすることができ、同一工程にて、SOI型MISFETおよびバルク型MISFET用のウエル拡散層領6および7を形成することができる(図13)。
【0032】
続いて、N型およびP型SOI型MISFET形成領域の閾電圧制御拡散層領域25および26を、薄いシリコン酸化膜36、薄い単結晶Si膜3および薄い埋め込み絶縁膜4を介したイオン注入により形成した。しかる後に、N型およびP型バルク型MISFET形成領域は薄いシリコン酸化膜36を介したイオン注入により、支持基板1の所望領域に選択的にN導電型およびP導電型の閾電圧制御拡散層領域27および28を形成した(図14)。
【0033】
続いてシリコン酸化膜36等をフッ酸洗浄等により選択除去して単結晶Si薄膜3表面を露出させてから熱酸化膜1.8nmの形成とその表面をNOガスにより窒化することにより0.2nmの窒化膜を主表面に積層形成し、ゲート絶縁膜5とした。続いてゲート絶縁膜5上に例えば100nm厚の多結晶Si膜38を化学気相堆積法により堆積した。次に、多結晶Si膜38上に主にシリコン窒化膜37で構成されるゲート保護膜を全面に堆積してから従来公知のMISFETの製造方法によりそのパターニングによるゲート電極とゲート保護膜の形成を実施した(図15)。本発明では、ゲート材料膜としての多結晶シリコン膜をパターニングしてゲート電極を形成する際のフォトリソグラフィの焦点深度をSOI型MISFETの形成領域100側にあわせることを特徴としている。SOI型MISFETの形成領域100の単結晶Si薄膜3表面とバルク型MISFETの形成領域200の半導体基板1表面の間には段差が存在している為、上記各領域の一方の側に焦点深度を合わせてゲート電極のパターニングを行うと他方の領域のゲート電極は設計どおりの形状に加工できなくなる。しかしながら、一般的にバルク型MISFETの形成領域にはゲート電極の寸法がSOI型MISFETよりも大きい高耐圧MISFETが形成されるため、出来上がるMISFETの特性からすればバルク型MISFETの方がゲート電極の形状変動による影響をより少ないものとすることができる。本実施の形態においてはN伝導型IGFETとP導電型IGFETの何れのゲート電極に対しても低抵抗化のための不純物は導入していない。
【0034】
続いて図15より、SOI型およびバルク型のN伝導型MISFET領域には、例えばAsイオンを、SOI型およびバルク型のP導電型MISFET領域にはBFイオンを、各々1keV、及び600eVの加速エネルギーにより注入量4×1015/cmの条件でイオン注入を施し、極浅のN導電型高濃度ソース拡散層8、極浅のN導電型高濃度ドレイン拡散層9と極浅のP導電型高濃度ソース拡散層10、極浅のP導電型高濃度ドレイン拡散層11を単結晶Si膜3の主表面領域に形成した(図16)。ここで、上述した通り、SOI型MISFET形成領域とバルク型MISFET形成領域との段差はおよそ30nmと小さいため、SOI型MISFETおよびバルク型MISFET領域の極浅の高濃度ソース拡散層およびドレイン拡散層領域形成用のイオン注入条件は共通とすることができ、同一工程にて、SOI型MISFETおよびバルク型MISFET用の極浅の高濃度ソース拡散層およびドレイン拡散層領を形成することができる。
【0035】
続いて図16より、バルク型のN伝導型MISFET領域200には、例えば、B(ホウ素)イオンを、10keVの加速エネルギーにより注入量1×1013/cmの条件でイオン注入を施し、また、P伝導型MISFET領域には、例えば、P(リン)イオンを、10keVの加速エネルギーにより注入量1×1013/cmの条件でゲート保護絶縁膜51を注入阻止マスクとするイオン注入を施し、ハロー領域50および51とを夫々形成した(図17)。これは、バルク型MISFETの短チャネル効果を抑制するために行うイオン注入工程である。ここで、より短チャネル効果の抑制効果を高めるため、ハロー形成条件を、例えばチルト角20度の斜めイオン注入としても、何ら差し支えない。
【0036】
図17において、例えば70nm膜厚のシリコン酸化膜を全面に堆積してから異方性ドライエッチングを施してゲート電極側壁部に選択残置させてゲート側壁絶縁膜12とした(図18)。続いて図18より、SOI型およびバルク型のN伝導型MISFET領域には、例えば、Asイオンを、SOI型およびバルク型のP導電型MISFET領域にはBF2イオンを、各々例えば25keV、及び15eVの加速エネルギーにより注入量4×1015/cmの条件でゲート電極およびゲート側壁絶縁膜12を注入阻止マスクとするイオン注入を施し、上記、極浅の高濃度ソース拡散層およびドレイン拡散層領よりも更に深いN型のソース拡散層およびドレイン拡散層領域13および14と、P型のソース拡散層およびドレイン拡散層領域15および16とを夫々形成した(図19)。ここで、この深いソース拡散層およびドレイン拡散層領域は、SOI型MISFETの領域には、ソース・ドレイン拡散層領域の容量低減を目的として形成された。これは、従来公知のバルク型MISFETの接合容量を低減するための方法と同様の製造方法にて形成されたものである。すなわち、注入阻止マスクとするイオン注入により先に注入した閾電圧調整用の注入イオンを補償すべき濃度及び加速エネルギーで反対導電型のイオンを注入し真性不純物領域に近づける不純物補償領域を形成することが、その目的である。一方、バルク型MISFETは、低抵抗ソース・ドレイン拡散層領域の形成を目的として、従来公知のバルク型MISFETのソース・ドレイン拡散層領域と同様のプロセスにて形成されたものである。以上のように、本発明によれば、SOI型MISFET領域のソースおよびドレイン拡散層領域の寄生容量低減のためのイオン注入工程と、バルク型MISFET領域のソースおよびドレイン拡散層領域低抵抗化のためのイオン注入工程とを共通工程・同一条件にて形成することができる。これにより、プロセスを簡略化することができる。
【0037】
次に、図19より、SOI型MISFETにおいて、ゲートとウェルとのコンタクトを形成するための領域を形成するため、レジストマスク35を塗布し、SOI型MISFETの所望領域のレジストマスクのみを除去した(図20)。その後、所望領域のシリコン窒化膜37および多結晶シリコン膜38、薄いシリコン酸化膜36および埋め込み酸化膜4とを除去した(図21)。
【0038】
この状態より、選択エピタキシャル法を用いて露出された単結晶Si領域上に例えば60nm厚でSi膜52および53を選択的に堆積した。本工程により、ソースおよびドレイン拡散層領域上52および、SOI型MISFETにおいて、ゲートとウェルとのコンタクト形成領域上53に選択的に単結晶Siが選択エピ成長されたことになる(図22)。本発明では、ゲート電極とウェルとのコンタクトの形成工程をソース・ドレイン拡散層上の積上げSi膜の形成工程と同時に選択エピ成長により行っている。これにより、コンタクトの形成工程を他と独立した工程として行う必要がなく、プロセスを簡略化することができる。なお、ゲート電極とウェルとを電気的に接続する為には、Si膜53の上面がゲート電極の下面よりも高くなるまで単結晶Siを選択エピ成長する必要がある。
【0039】
図22の状態より、シリコン窒化膜37を熱燐酸にて選択的に除去し(図23)、シリコンゲート多結晶Si膜38を露出させてからスパッタ法により30nm厚のNi(ニッケル)膜を全面に被着させ、露出されているゲート電極の全領域、及びN導電型およびP電動型の高濃度積上げ領域の少なくとも上部領域を450℃の熱処理により選択的に珪化させて、珪化ゲート電極、珪化金属ソース、ドレイン領域20とした。上記珪化処理において、不純物未添加のシリコンゲート電極はゲート絶縁膜に接する領域まで全てニッケル珪化膜に変換され、低抵抗化された。ソース・ドレイン拡散層上の積上げSi膜は全てが珪化されず、底面領域には低抵抗の多結晶Si膜が残置され、薄い単結晶Si内の極めて浅いN伝導型のソース・ドレイン拡散層8、9および、浅いP伝導型のソース・ドレイン拡散層10、11は保存された。上記珪化処理の後、絶縁膜上の未反応のNi膜のみを塩酸と過酸化水素水の混合水溶液により選択的にエッチング液で除去した(図24)。
【0040】
この状態より、配線層間絶縁膜の堆積と平坦化研磨、及び配線層間絶縁膜31を含む配線工程等を実施し、更に第二の配線工程を経て半導体装置を製造した(図25)。
【0041】
本実施の形態に基づく半導体装置は、ゲート電極20は金属珪化膜により構成された。これにより本実施の形態に基づく半導体装置においては完全空乏型SOIIGFETにも係らず、N伝導型MISFETとP導電型MISFETの何れにおいてもその閾電圧値をほぼ0Vに設定することができた。また、チャネルを構成する単結晶Si薄膜3が最終的に10nmと極薄に構成されたにも係らず、ソース、ドレイン領域が積上げ構造で構成され、更にその積上げ構造の大半が金属珪化膜20で構成できたために半導体と金属珪化膜間の接触抵抗の増大や直列抵抗の増大の問題から解消することができた。更に、本実施の形態に基づく半導体装置においては、SOI型MISFET領域のソースおよびドレイン拡散層領域の寄生容量低減のためのイオン注入工程と、バルク型MISFET領域のソースおよびドレイン拡散層領域低抵抗化のためのイオン注入工程とを共通工程・同一条件にて形成することにより、SOI型MISFETの大駆動電流化が実現できると同時にウエル拡散層6および7の底面寄生容量の低減も同時に実現可能である。これにより、容量低減のイオン注入を行わない場合のウエル構造に比べて、同一ウエル占有面積構成においても寄生容量を約1桁程度低減することができた。更に、本実施の形態に基づく半導体装置においては最下層配線であるゲート電極で直接ウエル拡散層と接続できるので、上部配線と無関係に接続領域を設定できる。これにより従来公知の構造における如く上部配線による接続で下層配線のレイアウトを考慮した余裕領域における接続を必要としないので占有面積の増加なしに半導体装置の大電流化、高駆動能力化が実現できた。占有面積の増加を伴わない特徴は寄生容量の更なる低減にも効果を発揮する。従って、本実施の形態に基づく半導体装置の適用可能回路は多岐にわたり、後述するごときSRAMのメモリセルやI/Oバッファ回路、さらには集積回路の動作速度を規定するクリテカルパスの駆動領域等に適用するのが最も有効である。
【0042】
本実施の形態に基づく半導体装置においては、これら高性能SOI型MISFET100と高耐圧系の素子や、ESD破壊(静電破壊)を防止するためのESD保護用のバルク型MISFET200とを同一基板上に形成する際でも、SOI型MISFETとバルクMISFETとの作製工程を共通化することで、半導体装置全体を縮小でき、さらにプロセスが複雑化することなく作製できる。また、本実施の形態に基づく半導体装置において、薄い埋め込み絶縁膜4としては漏洩電流が無視できる膜厚範囲内で可能な限り薄膜化されることが望ましく、10nm以下更に好ましくはゲート絶縁膜5と同程度の2nm程度の膜厚であることが望ましい。
【0043】
本実施の形態に基づく半導体装置において、ゲート電極材料はNi珪化膜に限定されることなくNi、Co、Ti、W、Ta、Mo、Cr、Al、Pt、Pa、Ru等の金属、金属珪化膜、又は金属窒化膜のうちその仕事関数が単結晶Si薄膜の禁制帯のほぼ中央に位置する材料であればよい。
【0044】
(実施の形態2)
続いて、本発明の実施の形態2による半導体装置について説明する。本実施の形態においては前記実施の形態1に従って半導体装置を製造したが、実施の形態2は、レイアウトを異にし、バルク型MISFETをより安定して形成できることを目的として発明されたものである。本実施の形態においては、図4のバルク型MISFETを形成する領域200のみレジストマスクを除去する工程のレイアウトが異なる。実施の形態1では、バルク型MISFETを形成する領域200以外は、シリコン酸化膜36、単結晶Si層3および薄い埋め込み絶縁膜4を除去して、支持基板表面を露出させる。一方、実施の形態2では、図26の平面図に示した通り、バルク型MISFETを形成する領域200の周辺に、ダミーパターン60を設け、バルク型MISFETを形成する領域200の周辺のシリコン酸化膜36、単結晶Si層3および薄い埋め込み絶縁膜4は残置する。なお、このダミーパターン60は、実施の形態1の図4の工程にて塗布したレジストマスク35にて形成する。
【0045】
本実施の形態で形成したダミーパターン60は、実施の形態1の図12の工程における素子分離領域を形成するための、化学的機械的研磨工程にて発生するディッシングを抑制するために設けられたパターンである。通常、化学的機械的研磨では、研磨領域に段差は散在すると、例えば低段差領域が選択的に研磨されてしまうディッシングと言う問題が発生する。本発明の場合、バルク型MISFETは低段差領域に形成することになるため、実施の形態1の図12の素子分離領域を形成するための化学的機械的研磨工程を行うと、バルク型MISFET領域200が選択的に研磨されてしまう可能性がある。これは、SOI型MISFET領域100に比べ、バルク型MISFET領域200の方が大きければ大きいほど、その度合いは強まる。そこで、実施の形態2では、ダミーパターン60を形成し、バルク型MISFETを形成する領域200の周辺のシリコン酸化膜36、単結晶Si層3および薄い埋め込み絶縁膜4は残置し、低段差領域は、バルク型MISFETを形成する領域200のみで、その周辺は高段差領域となるようにする。このようにする事で、素子分離領域を形成するための化学的機械的研磨工程を行う際、バルク型MISFET領域200のディッシングが抑制され、より安定してバルク型MISFETを形成することが出来る。
【0046】
さらに、本実施の形態に基づく半導体装置は、ゲート電極20は金属珪化膜により構成された。これにより本実施の形態に基づく半導体装置においては完全空乏型SOIIGFETにも係らず、N伝導型MISFETとP導電型MISFETの何れにおいてもその閾電圧値をほぼ0Vに設定することができた。また、チャネルを構成する単結晶Si薄膜3が最終的に10nmと極薄に構成されたにも係らず、ソース、ドレイン領域が積上げ構造で構成され、更にその積上げ構造の大半が金属珪化膜で構成できたために半導体と金属珪化膜間の接触抵抗の増大や直列抵抗の増大の問題から解消することができた。更に、本実施の形態に基づく半導体装置においては、SOI型MISFET領域のソースおよびドレイン拡散層領域の寄生容量低減のためのイオン注入工程と、バルク型MISFET領域のソースおよびドレイン拡散層領域低抵抗化のためのイオン注入工程とを共通工程・同一条件にて形成することにより、SOI型MISFETの大駆動電流化が実現できると同時にウエル拡散層6および7の底面寄生容量の低減も同時に実現可能である。これにより、容量低減のイオン注入を行わない場合のウエル構造に比べて、同一ウエル占有面積構成においても寄生容量を約1桁程度低減することができた。更に、本実施の形態に基づく半導体装置においては最下層配線であるゲート電極で直接ウエル拡散層と接続できるので、上部配線と無関係に接続領域を設定できる。これにより従来公知の構造における如く上部配線による接続で下層配線のレイアウトを考慮した余裕領域における接続を必要としないので占有面積の増加なしに半導体装置の大電流化、高駆動能力化が実現できた。占有面積の増加を伴わない特徴は寄生容量の更なる低減にも効果を発揮する。従って、本実施の形態に基づく半導体装置の適用可能回路は多岐にわたり、後述するごときSRAMのメモリセルやI/Oバッファ回路、さらには集積回路の動作速度を規定するクリテカルパスの駆動領域等に適用するのが最も有効である。
【0047】
本実施の形態に基づく半導体装置においては、これら高性能SOI型MISFET100と高耐圧系の素子や、ESD破壊(静電破壊)を防止するためのESD保護用のバルク型MISFET200とを同一基板上に形成する際でも、SOI型MISFETとバルクMISFETの作製する工程とを共通化することで、半導体装置全体を縮小でき、さらにプロセスが複雑化することなく作製できる。また、本実施の形態に基づく半導体装置において、薄い埋め込み絶縁膜4としては漏洩電流が無視できる膜厚範囲内で可能な限り薄膜化されることが望ましく、10nm以下更に好ましくはゲート絶縁膜5と同程度の2nm程度の膜厚であることが望ましい。
【0048】
本実施の形態に基づく半導体装置において、ゲート電極材料はNi珪化膜に限定されることなくNi、Co、Ti、W、Ta、Mo、Cr、Al、Pt、Pa、Ru等の金属、金属珪化膜、又は金属窒化膜のうちその仕事関数が単結晶Si薄膜の禁制帯のほぼ中央に位置する材料であればよい。
【0049】
(実施の形態3)
図27は本発明による実施の形態3を示した半導体装置の断面図である。本実施の形態においては基本的に前記実施の形態に準じて半導体装置を製造したが、実施の形態3では、極浅のN導電型高濃度ソース拡散層8、極浅のN導電型高濃度ドレイン拡散層9、および、極浅のP導電型高濃度ソース拡散層10、極浅のP導電型高濃度ドレイン拡散層11の形成に先立って、ゲート電極の側壁にオフセットスペーサ17の形成を実施した。オフセットスペーサ17は、例えば酸化シリコン膜や窒化シリコン、酸化チタン膜等をCVD法により10nm程度堆積し、この絶縁膜をエッチバックすることでゲート電極の側壁に形成する。極浅の高濃度ソース・ドレイン拡散層は、ゲート電極およびこの薄い絶縁膜層を注入阻止とするイオン注入により形成される。
【0050】
本実施の形態では、オフセットスペーサ17をマスクとして極浅のN導電型高濃度ソース拡散層8、極浅のN導電型高濃度ドレイン拡散層9、および、極浅のP導電型高濃度ソース拡散層10、極浅のP導電型高濃度ドレイン拡散層11を形成するので、拡散層領域のチャネル領域3への横方向広がりを抑制でき、ゲート電極20と極浅の高濃度ソース・ドレイン拡散層間のオーバーラップ領域が小さく、実効チャネル長を大きく確保することができる。このため、実施の形態1よりもさらにMISFETを微細化することが可能となる。さらに、ゲート電極20と極浅の高濃度ソース・ドレイン拡散層間のオーバーラップ容量も小さく保てるため、寄生容量が減少し、実施の形態1よりもさらなるMISFETの高速化が可能となる。
【0051】
さらに、本実施の形態に基づく半導体装置は、ゲート電極20は金属珪化膜により構成された。これにより本実施の形態に基づく半導体装置においては完全空乏型SOIIGFETにも係らず、N伝導型MISFETとP導電型MISFETの何れにおいてもその閾電圧値をほぼ0Vに設定することができた。また、チャネルを構成する単結晶Si薄膜3が最終的に10nmと極薄に構成されたにも係らず、ソース、ドレイン領域が積上げ構造で構成され、更にその積上げ構造の大半が金属珪化膜20で構成できたために半導体と金属珪化膜間の接触抵抗の増大や直列抵抗の増大の問題から解消することができた。更に、本実施の形態に基づく半導体装置においては、SOI型MISFET領域のソースおよびドレイン拡散層領域の寄生容量低減のためのイオン注入工程と、バルク型MISFET領域のソースおよびドレイン拡散層領域低抵抗化のためのイオン注入工程とを共通工程・同一条件にて形成することにより、SOI型MISFETの大駆動電流化が実現できると同時にウエル拡散層6および7の底面寄生容量の低減も同時に実現可能である。これにより、容量低減のイオン注入を行わない場合のウエル構造に比べて、同一ウエル占有面積構成においても寄生容量を約1桁程度低減することができた。更に、本実施の形態に基づく半導体装置においては最下層配線であるゲート電極で直接ウエル拡散層と接続できるので、上部配線と無関係に接続領域を設定できる。これにより従来公知の構造における如く上部配線による接続で下層配線のレイアウトを考慮した余裕領域における接続を必要としないので占有面積の増加なしに半導体装置の大電流化、高駆動能力化が実現できた。占有面積の増加を伴わない特徴は寄生容量の更なる低減にも効果を発揮する。従って、本実施の形態に基づく半導体装置の適用可能回路は多岐にわたり、後述するごときSRAMのメモリセルやI/Oバッファ回路、さらには集積回路の動作速度を規定するクリテカルパスの駆動領域等に適用するのが最も有効である。
【0052】
本実施の形態に基づく半導体装置においては、これら高性能SOI型MISFET100と高耐圧系の素子や、ESD破壊(静電破壊)を防止するためのESD保護用のバルク型MISFET200とを同一基板上に形成する際でも、SOI型MISFETとバルクMISFETの作製する工程とを共通化することで、半導体装置全体を縮小でき、さらにプロセスが複雑化することなく作製できる。また、本実施の形態に基づく半導体装置において、薄い埋め込み絶縁膜4としては漏洩電流が無視できる膜厚範囲内で可能な限り薄膜化されることが望ましく、10nm以下更に好ましくはゲート絶縁膜5と同程度の2nm程度の膜厚であることが望ましい。
【0053】
本実施の形態に基づく半導体装置において、ゲート電極材料はNi珪化膜に限定されることなくNi、Co、Ti、W、Ta、Mo、Cr、Al、Pt、Pa、Ru等の金属、金属珪化膜、又は金属窒化膜のうちその仕事関数が単結晶Si薄膜の禁制帯のほぼ中央に位置する材料であればよい。
【0054】
(実施の形態4)
図28は本発明による実施の形態4を示した半導体装置の断面図である。本実施の形態においては基本的に前記実施の形態に準じて半導体装置を製造したが、実施の形態4では、ハロー領域50および51を形成せずにバルク型MISFETを形成した。ハロー領域50および51は、MISFETを微細化した際の短チャネル効果を抑制するために形成する。バルク型領域200には、微細MISFETを形成しない場合には、実施の形態4の通り、ハロー領域50および51を形成せずにバルク型MISFETを形成することができる。このようにする事で、よりプロセスを簡略化して、SOI型MISFETおよびバルク型MISFETを同一基板上に形成することが可能となる。
【0055】
さらに、本実施の形態に基づく半導体装置は、ゲート電極20は金属珪化膜により構成された。これにより本実施の形態に基づく半導体装置においては完全空乏型SOIIGFETにも係らず、N伝導型MISFETとP導電型MISFETの何れにおいてもその閾電圧値をほぼ0Vに設定することができた。また、チャネルを構成する単結晶Si薄膜3が最終的に10nmと極薄に構成されたにも係らず、ソース、ドレイン領域が積上げ構造で構成され、更にその積上げ構造の大半が金属珪化膜20で構成できたために半導体と金属珪化膜間の接触抵抗の増大や直列抵抗の増大の問題から解消することができた。更に、本実施の形態に基づく半導体装置においては、SOI型MISFET領域のソースおよびドレイン拡散層領域の寄生容量低減のためのイオン注入工程と、バルク型MISFET領域のソースおよびドレイン拡散層領域低抵抗化のためのイオン注入工程とを共通工程・同一条件にて形成することにより、SOI型MISFETの大駆動電流化が実現できると同時にウエル拡散層6および7の底面寄生容量の低減も同時に実現可能である。これにより、容量低減のイオン注入を行わない場合のウエル構造に比べて、同一ウエル占有面積構成においても寄生容量を約1桁程度低減することができた。更に、本実施の形態に基づく半導体装置においては最下層配線であるゲート電極で直接ウエル拡散層と接続できるので、上部配線と無関係に接続領域を設定できる。これにより従来公知の構造における如く上部配線による接続で下層配線のレイアウトを考慮した余裕領域における接続を必要としないので占有面積の増加なしに半導体装置の大電流化、高駆動能力化が実現できた。占有面積の増加を伴わない特徴は寄生容量の更なる低減にも効果を発揮する。従って、本実施の形態に基づく半導体装置の適用可能回路は多岐にわたり、後述するごときSRAMのメモリセルやI/Oバッファ回路、さらには集積回路の動作速度を規定するクリテカルパスの駆動領域等に適用するのが最も有効である。
【0056】
本実施の形態に基づく半導体装置においては、これら高性能SOI型MISFET100と高耐圧系の素子や、ESD破壊(静電破壊)を防止するためのESD保護用のバルク型MISFET200とを同一基板上に形成する際でも、SOI型MISFETとバルクMISFETの作製する工程とを共通化することで、半導体装置全体を縮小でき、さらにプロセスが複雑化することなく作製できる。また、本実施の形態に基づく半導体装置において、薄い埋め込み絶縁膜4としては漏洩電流が無視できる膜厚範囲内で可能な限り薄膜化されることが望ましく、10nm以下更に好ましくはゲート絶縁膜5と同程度の2nm程度の膜厚であることが望ましい。
【0057】
本実施の形態に基づく半導体装置において、ゲート電極材料はNi珪化膜に限定されることなくNi、Co、Ti、W、Ta、Mo、Cr、Al、Pt、Pa、Ru等の金属、金属珪化膜、又は金属窒化膜のうちその仕事関数が単結晶Si薄膜の禁制帯のほぼ中央に位置する材料であればよい。
【0058】
(実施の形態5)
図29は本発明による実施の形態5を示した半導体装置の断面図である。本実施の形態においては基本的に前記実施の形態に準じて半導体装置を製造したが、図29に示した通り、ソース・ドレイン上に積み上げられた拡散層領域21の方が、ゲート電極20よりも高く形成されていることを特徴とする。これは、実施の形態1の図15のゲート電極を形成する工程において、堆積するシリコンゲート多結晶Si膜38およびシリコン窒化膜37の膜厚比を変えることにより実現される。ここで、本発明に置いては、ゲート電極20は、全領域を珪化させて、珪化ゲート電極にする必要がある。一方、ソース・ドレイン拡散層上の積上げSi膜は全てが珪化せず、底面領域には低抵抗の多結晶Si膜が残置され、薄い単結晶Si内の極めて浅いN伝導型のソース・ドレイン拡散層8、9および、浅いP伝導型のソース・ドレイン拡散層10、11は保存する必要がある。これは、底面領域まで、全て珪化してしまうと、チャネル領域とソース・ドレイン拡散層との接触面積が減少し、抵抗が増大してしまうためである。本発明によれば、ゲート電極20は、ソース・ドレイン上に積み上げられた拡散層領域21よりも、その高さが低く設定されているため、ゲート電極20の全領域を珪化させても、ソース・ドレイン拡散層上の積上げSi膜は全てが珪化されず、底面領域には低抵抗の多結晶Si膜が残置される事となる。
【0059】
このように、本実施の形態を適用することで、より良品歩留まりの良い半導体装置の製造方法を提供することが出来る。
【0060】
さらに、本実施の形態に基づく半導体装置は、ゲート電極20は金属珪化膜により構成された。これにより本実施の形態に基づく半導体装置においては完全空乏型SOIIGFETにも係らず、N伝導型MISFETとP導電型MISFETの何れにおいてもその閾電圧値をほぼ0Vに設定することができた。また、チャネルを構成する単結晶Si薄膜3が最終的に10nmと極薄に構成されたにも係らず、ソース、ドレイン領域が積上げ構造で構成され、更にその積上げ構造の大半が金属珪化膜20で構成できたために半導体と金属珪化膜間の接触抵抗の増大や直列抵抗の増大の問題から解消することができた。更に、本実施の形態に基づく半導体装置においては、SOI型MISFET領域のソースおよびドレイン拡散層領域の寄生容量低減のためのイオン注入工程と、バルク型MISFET領域のソースおよびドレイン拡散層領域低抵抗化のためのイオン注入工程とを共通工程・同一条件にて形成することにより、SOI型MISFETの大駆動電流化が実現できると同時にウエル拡散層6および7の底面寄生容量の低減も同時に実現可能である。これにより、容量低減のイオン注入を行わない場合のウエル構造に比べて、同一ウエル占有面積構成においても寄生容量を約1桁程度低減することができた。更に、本実施の形態に基づく半導体装置においては最下層配線であるゲート電極で直接ウエル拡散層と接続できるので、上部配線と無関係に接続領域を設定できる。これにより従来公知の構造における如く上部配線による接続で下層配線のレイアウトを考慮した余裕領域における接続を必要としないので占有面積の増加なしに半導体装置の大電流化、高駆動能力化が実現できた。占有面積の増加を伴わない特徴は寄生容量の更なる低減にも効果を発揮する。従って、本実施の形態に基づく半導体装置の適用可能回路は多岐にわたり、後述するごときSRAMのメモリセルやI/Oバッファ回路、さらには集積回路の動作速度を規定するクリテカルパスの駆動領域等に適用するのが最も有効である。
【0061】
本実施の形態に基づく半導体装置においては、これら高性能SOI型MISFET100と高耐圧系の素子や、ESD破壊(静電破壊)を防止するためのESD保護用のバルク型MISFET200とを同一基板上に形成する際でも、SOI型MISFETとバルクMISFETの作製する工程とを共通化することで、半導体装置全体を縮小でき、さらにプロセスが複雑化することなく作製できる。また、本実施の形態に基づく半導体装置において、薄い埋め込み絶縁膜4としては漏洩電流が無視できる膜厚範囲内で可能な限り薄膜化されることが望ましく、10nm以下更に好ましくはゲート絶縁膜5と同程度の2nm程度の膜厚であることが望ましい。
【0062】
本実施の形態に基づく半導体装置において、ゲート電極材料はNi珪化膜に限定されることなくNi、Co、Ti、W、Ta、Mo、Cr、Al、Pt、Pa、Ru等の金属、金属珪化膜、又は金属窒化膜のうちその仕事関数が単結晶Si薄膜の禁制帯のほぼ中央に位置する材料であればよい。
【産業上の利用可能性】
【0063】
本発明は、半導体/絶縁膜/金属の積層構造を有するMISFETに関し、詳しくはSOI構造を有する基板にMISFETを形成した半導体装置及びその製造の製造業に適用できる。
【符号の説明】
【0064】
1…半導体基板
2…素子間分離絶縁膜
3…単結晶半導体薄膜
4…埋め込み酸化膜
5…ゲート絶縁膜
6…N型ウエル拡散層
7…N型ウエル拡散層
8…N型高濃度極薄ソース拡散層
9…N型高濃度極薄ドレイン拡散層
10…P型高濃度極薄ソース拡散層
11…P型高濃度極薄ドレイン拡散層
12…ゲート側壁絶縁膜
13…N型高濃度極薄ソース拡散層
14…N型高濃度極薄ドレイン拡散層
15…P型高濃度極薄ソース拡散層
16…P型高濃度極薄ドレイン拡散層
17…オフセットスペーサ
20…金属珪化膜物ゲート電極
21…ソース、ドレイン積上げ半導体
25、26…閾電圧制御拡散層
30…配線接続孔金属
31…配線層館絶縁膜
35…レジストマスク
36…シリコン酸化膜
37…シリコン窒化膜
38…多結晶シリコン膜
39…厚いシリコン酸化膜
0…ゲート配線接続孔
41…ウェル配線接続孔
42…拡散層配線接続孔
50、51…ハロー不純物層
52、53…積み上げSi層
60…ダミーパターン
100…SOI型MISFET領域
200…バルク型MISFET領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板が第1素子形成領域および第2素子形成領域を有し、
前記第1素子形成領域に、
前記基板の一部である第1半導体基板部分と、
前記第1半導体基板部分に形成され、且つ、第1導電型からなる第1ウェル領域と、
前記第1半導体基板部分上方に絶縁体層を介して形成された半導体層と、
前記半導体層中に形成され、且つ、前記第1導電型と逆導電型である第2導電型からなる一対の第1拡散層と、
前記一対の第1拡散層の間に形成された第1チャネル領域と、
前記第1チャネル領域上に形成された第1ゲート絶縁膜と、
前記第1チャネル領域上方に前記第1ゲート絶縁膜を介して形成された第1ゲート電極と、
前記第1ゲート電極の側壁に形成された第1側壁絶縁膜と、
前記第1ウェル領域中に形成され、且つ、前記第2導電型からなる一対の第3拡散層とが形成され、
前記第2素子形成領域に、
前記基板の一部である第2半導体基板部分と、
前記第2半導体基板部分に形成され、且つ、前記第1導電型からなる第2ウェル領域と、
前記第2ウェル領域中に形成され、且つ、前記第2導電型からなる一対の第2拡散層と、
前記一対の第2拡散層の間に形成された第2チャネル領域と、
前記第2チャネル領域上に形成された第2ゲート絶縁膜と、
前記第2チャネル領域上方に前記第2ゲート絶縁膜を介して形成された第2ゲート電極と、
前記第2ゲート電極の側壁に形成された第2側壁絶縁膜と、
前記第2ウェル領域中に形成され、且つ、前記第2導電型からなる一対の第4拡散層とが形成された半導体装置の製造方法において、
前記第2素子形成領域においては、前記第1半導体基板部分上および前記第2半導体基板部分上に形成された前記絶縁体層および前記半導体層のうち、前記第2半導体基板部分上に形成された前記絶縁体層および前記半導体層を除去することで、前記第2半導体基板部分を露出する工程が施されており、
前記第1拡散層と前記第2拡散層とを同一の工程で形成し、
前記第1ゲート絶縁膜と前記第2ゲート絶縁膜とを同一の工程で形成し、
前記第1ゲート電極と前記第2ゲート電極とを同一の工程で形成し、
前記第1ウェル領域と前記第2ウェル領域とを同一の工程で形成し、
前記第1側壁絶縁膜と前記第2側壁絶縁膜とを同一の工程で形成し、
前記第3拡散層と前記第4拡散層とを同一の工程で形成することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項2】
第1素子形成領域に第1MISFETを有し、第2素子形成領域に第2MISFETを有する半導体装置の製造方法であって、
(a)前記第1素子形成領域に第1半導体基板部分を有し、且つ、前記第2素子形成領域に第2半導体基板部分を有する基板と、前記基板上に形成された絶縁層と、前記絶縁層上に形成された半導体層とを準備する工程、
(b)前記第1素子形成領域において前記第1半導体基板部分上に前記絶縁層および前記半導体層を残しつつ、前記第2素子形成領域において前記第2半導体基板部分上の前記絶縁層および前記半導体層を除去する工程、
(c)前記第1素子形成領域において、前記第1半導体基板部分に第1導電型からなる第1ウェルを形成する工程であって、前記第2素子形成領域において、前記第2半導体基板部分に前記第1導電型からなる第2ウェルを形成する工程、
(d)前記第1素子形成領域において、前記半導体層上に前記第1MISFETの第1ゲート絶縁膜を形成する工程、
(e)前記第2素子形成領域において、前記第2半導体基板部分上に前記第2MISFETの第2ゲート絶縁膜を形成する工程、
(f)前記第1素子形成領域において、前記第1ゲート絶縁膜上に前記第1MISFETの第1ゲート電極を形成する工程、
(g)前記第2素子形成領域において、前記第2ゲート絶縁膜上に前記第2MISFETの第2ゲート電極を形成する工程、
(h)前記(f)及び(g)工程後に、前記第1素子形成領域において、前記半導体層中に前記第1導電型と反対の導電型である第2導電型からなる一対の第1拡散層を形成する工程であって、前記第2素子形成領域において、前記第2半導体基板部分中に前記第2導電型からなる一対の第2拡散層を形成する工程、
(i)前記(h)工程後に、前記第1素子形成領域において、前記第1ゲート電極の側壁に第1側壁絶縁膜を形成する工程であって、前記第2素子形成領域において、前記第2ゲート電極の側壁に第2側壁絶縁膜を形成する工程、
(j)前記(i)工程後に、前記第1素子形成領域において、前記第1ウェル領域に前記第2導電型からなる一対の第3拡散層を形成する工程であって、前記第2素子形成領域において、前記第2ウェル領域に前記第2導電型からなる一対の第4拡散層を形成する工程、
を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項3】
請求項1または2の何れか1項に記載の半導体装置の製造方法において、前記第1ゲート電極及び前記第2ゲート電極を、Ni、Co、Ti、W、Ta、Mo、Cr、Al、Pt、Pa、Ru、又はこれらの珪化膜、或いは窒化膜で形成することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項4】
請求項1〜3の何れか1項に記載の半導体装置の製造方法は、更に、
エピタキシャル法によって、前記第1拡散層上および第4拡散層上に選択的にシリコン膜を形成する工程を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項5】
請求項4に記載の半導体装置の製造方法は、更に、
前記シリコン膜を金属と反応させて金属珪化膜を形成する工程を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項6】
請求項4または5の何れか1項に記載の半導体装置の製造方法において、
前記シリコン膜の厚さは、前記ゲート電極の厚さよりも厚いことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項7】
請求項1〜6の何れか1項に記載の半導体装置の製造方法において、
前記第1導電型がN型の場合には前記第2導電型はP型であり、
前記第1導電型がP型の場合には前記第2導電型はN型であることを特徴とする半導体装置の製造方法。

【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図12】
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【図13】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図1】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【公開番号】特開2012−169639(P2012−169639A)
【公開日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−77211(P2012−77211)
【出願日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【分割の表示】特願2007−524011(P2007−524011)の分割
【原出願日】平成18年6月30日(2006.6.30)
【出願人】(302062931)ルネサスエレクトロニクス株式会社 (8,021)
【Fターム(参考)】