説明

半導体装置の製造方法

【課題】高性能・高信頼性を実現しうる半導体装置の製造方法を提供する。
【解決手段】半導体基板にアライメントマークとなる溝を形成し、アライメントマークに位置合わせして素子分離領域となる領域を露出し素子領域となる領域を覆うマスク膜を形成し、マスク膜をマスクとして半導体基板を異方性エッチングし、半導体基板の素子分離領域となる領域に素子分離溝を形成し、素子分離溝を絶縁膜で埋め込み素子分離絶縁膜を形成する半導体装置の製造方法において、溝を形成する工程では、マスク膜の厚さに相当する深さよりも浅い溝を形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体装置の微細化・高集積化に伴い、チャネル不純物の統計的揺らぎによるトランジスタの閾値電圧ばらつきが顕在化している。閾値電圧はトランジスタの性能を決定づける重要なパラメータの一つであり、高性能且つ高信頼性の半導体装置を製造するために、不純物の統計的揺らぎによる閾値電圧ばらつきを低減することは重要である。
【0003】
不純物の統計的揺らぎによる閾値電圧のばらつきを低減する技術の一つとして、急峻な不純物濃度分布を有する高濃度のチャネル不純物層上にノンドープのエピタキシャルシリコン層を形成する方法が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−161114号公報
【特許文献2】米国特許第6426279号明細書
【特許文献3】米国特許第6482714号明細書
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】A. Asenov, "Suppression of Random Dopant-Induced Threshold Voltage Fluctuations in Sub-0.1-μm MOSFET's with Epitaxial and δ-Doped Channels", IEEE Transactions on Electrond Devices, Vol. 46, NO. 8, p. 1718, 1999
【非特許文献2】Woo-Hyeong Lee, "MOS Device Structure Development for ULSI: Low Power/High Speed Operation", Microelectron. Reliab., Vol. 37, No. 9, pp. 1309-1314, 1997
【非特許文献3】A. Hokazono et al., "Steep Channel Profiles in n/pMOS Controlled by Boron-Doped Si:C Layers for Continual Bulk-CMOS Scaling", IEDM09-673
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、提案されている上記技術を半導体装置の製造プロセスに組み込むための方法については、具体的な提案されていなかった。特に、上記技術を半導体装置の製造プロセスに採用することにより生じる新たな課題や、その解決手段について、具体的な検討はなされていなかった。
【0007】
本発明の目的は、高性能・高信頼性を実現しうる半導体装置の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
実施形態の一観点によれば、半導体基板に、アライメントマークとなる溝を形成する工程と、前記溝が形成された前記半導体基板上に、前記アライメントマークに位置合わせして、素子分離領域となる領域を露出し、素子領域となる領域を覆うマスク膜を形成する工程と、前記マスク膜をマスクとして前記半導体基板を異方性エッチングし、前記半導体基板の前記素子分離領域となる領域に、素子分離溝を形成する工程と、前記素子分離溝を絶縁膜で埋め込み、素子分離絶縁膜を形成する工程とを有し、前記溝を形成する工程では、前記マスク膜の厚さに相当する深さよりも浅い溝を形成する半導体装置の製造方法が提供される。
【発明の効果】
【0009】
開示の半導体装置の製造方法によれば、アライメントマーク用の溝の形成領域においてマスク膜の残渣が生じるのを防止することができる。これにより、残渣が原因のパターン不良等が発生するのを防止することができ、信頼性の高い半導体装置を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1は、一実施形態による半導体装置の構造を示す概略断面図である。
【図2】図2は、一実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その1)である。
【図3】図3は、一実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その2)である。
【図4】図3は、一実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その3)である。
【図5】図5は、一実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その4)である。
【図6】図6は、一実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その5)である。
【図7】図7は、一実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その6)である。
【図8】図8は、一実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その7)である。
【図9】図9は、一実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その8)である。
【図10】図10は、一実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その9)である。
【図11】図11は、一実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その10)である。
【図12】図12は、一実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その11)である。
【図13】図13は、一実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その12)である。
【図14】図14は、一実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その13)である。
【図15】図15は、一実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その14)である。
【図16】図16は、一実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その15)である。
【図17】図17は、一実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その16)である。
【図18】図18は、一実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その17)である。
【図19】図19は、一実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その18)である。
【図20】図20は、一実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その19)である。
【図21】図21は、一実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その20)である。
【図22】図22は、一実施形態による半導体装置の製造方法の効果を示す工程断面図(その1)である。
【図23】図23は、一実施形態による半導体装置の製造方法の効果を示す工程断面図(その2)である。
【図24】図24は、一実施形態による半導体装置の製造方法の効果を示す工程断面図(その3)である。
【図25】図25は、一実施形態による半導体装置の製造方法の効果を示す工程断面図(その4)である。
【図26】図26は、一実施形態による半導体装置の製造方法の効果を示す工程断面図(その5)である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
一実施形態による半導体装置及びその製造方法について図1乃至図26を用いて説明する。
【0012】
図1は、本実施形態による半導体装置の構造を示す概略断面図である。図2乃至図21は、本実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図である。図22乃至図26は、実施形態による半導体装置の製造方法の効果を示す工程断面図である。
【0013】
はじめに、本実施形態による半導体装置の構造について図1を用いて説明する。
【0014】
シリコン基板10上には、低電圧NMOSトランジスタ(LV NMOS)と、低電圧PMOSトランジスタ(LV PMOS)と、高電圧NMOSトランジスタ(HV NMOS)と、高電圧PMOSトランジスタ(HV PMOS)とが形成されている。低電圧トランジスタは、主に、高速動作が必要とされる回路部分に用いられるものである。高電圧トランジスタは、3.3V I/O等、高電圧の印加される回路部分に用いられるものである。
【0015】
低電圧NMOSトランジスタ(LV NMOS)は、シリコン基板10の低電圧NMOSトランジスタ形成領域16に形成されている。
【0016】
低電圧NMOSトランジスタ形成領域16のシリコン基板10内には、Pウェル20と、P型高濃度不純物層22とが形成されている。P型高濃度不純物層22上には、シリコン基板10上にエピタキシャル成長されたシリコン層48が形成されている。シリコン層48上には、ゲート絶縁膜64aが形成されている。ゲート絶縁膜64a上には、ゲート電極66が形成されている。ゲート電極66の両側のシリコン層48及びシリコン基板10内には、ソース/ドレイン領域78が形成されている。これらにより、低電圧NMOSトランジスタ(LV NMOS)が形成されている。
【0017】
低電圧PMOSトランジスタは、シリコン基板10の低電圧PMOSトランジスタ形成領域24に形成されている。
【0018】
低電圧PMOSトランジスタ形成領域24のシリコン基板10内には、Nウェル28と、N型高濃度不純物層30とが形成されている。N型高濃度不純物層30上には、シリコン基板10上にエピタキシャル成長されたシリコン層48が形成されている。シリコン層48上には、ゲート絶縁膜64aが形成されている。ゲート絶縁膜64a上には、ゲート電極66が形成されている。ゲート電極66の両側のシリコン層48及びシリコン基板10内には、ソース/ドレイン領域80が形成されている。これらにより、低電圧PMOSトランジスタ(LV PMOS)が形成されている。
【0019】
高電圧NMOSトランジスタ(HV NMOS)は、シリコン基板10の高電圧NMOSトランジスタ形成領域32に形成されている。
【0020】
高電圧NMOSトランジスタ形成領域32のシリコン基板10内には、Pウェル36と、P型不純物層38とが形成されている。P型不純物層38は、接合耐圧やホットキャリア耐性を向上するために、低電圧NMOSトランジスタのP型高濃度不純物層22よりも低濃度且つなだらかな不純物分布になっている。P型不純物層38上には、シリコン基板10上にエピタキシャル成長されたシリコン層48が形成されている。シリコン層48上には、低電圧トランジスタのゲート絶縁膜64aよりも厚いゲート絶縁膜60aが形成されている。ゲート絶縁膜60a上には、ゲート電極66が形成されている。ゲート電極66の両側のシリコン層48及びシリコン基板10内には、ソース/ドレイン領域78が形成されている。これらにより、高電圧NMOSトランジスタ(HV NMOS)が形成されている。
【0021】
高電圧PMOSトランジスタ(HV PMOS)は、シリコン基板10の高電圧PMOSトランジスタ形成領域40に形成されている。
【0022】
高電圧PMOSトランジスタ形成領域40のシリコン基板10内には、Nウェル44と、N型不純物層46とが形成されている。N型不純物層46は、接合耐圧やホットキャリア耐性を向上するために、低電圧PMOSトランジスタのN型高濃度不純物層30よりも低濃度且つなだらかな不純物分布になっている。N型不純物層46上には、シリコン基板10上にエピタキシャル成長されたシリコン層48が形成されている。シリコン層48上には、低電圧トランジスタのゲート絶縁膜64aよりも厚いゲート絶縁膜60aが形成されている。ゲート絶縁膜60a上には、ゲート電極66が形成されている。ゲート電極66の両側のシリコン層48及びシリコン基板10内には、ソース/ドレイン領域80が形成されている。これらにより、高電圧PMOSトランジスタ(HV PMOS)が形成されている。
【0023】
各トランジスタのゲート電極66上及びソース/ドレイン領域78,80上には、金属シリサイド膜84が形成されている。
【0024】
4種類のトランジスタが形成されたシリコン基板10上には、層間絶縁膜86が形成されている。層間絶縁膜86には、トランジスタに接続されたコンタクトプラグ88が埋め込まれている。コンタクトプラグ88には、配線90が接続されている。
【0025】
このように、本実施形態による半導体装置は、2種類の低電圧トランジスタと、2種類の高電圧トランジスタとを有している。
【0026】
次に、本実施形態による半導体装置の製造方法について図2乃至図21を用いて説明する。図2乃至図17は4種類のトランジスタの形成領域を含む工程断面図であり、図18乃至図19はアライメントマーク形成領域を拡大した工程断面図である。
【0027】
まず、フォトリソグラフィ及びエッチングにより、シリコン基板10の製品形成領域外(例えば、スクライブ領域)に、マスクアライメント用のマークとして用いる溝12を形成する(図18(a))。溝12の深さは、後工程で形成するシリコン窒化膜54の膜厚よりも浅く形成する。ここでは、例えば、70nmとする。
【0028】
本実施形態による半導体装置の製造方法では、素子分離絶縁膜58の形成前に、ウェルやチャネル不純物層を形成する。溝12は、素子分離絶縁膜58の形成前に行われるリソグラフィー工程(ウェルやチャネル不純物層の形成等)において、マスクアライメント用のマークとして用いられるものである。
【0029】
なお、素子分離絶縁膜58の形成前にウェルやチャネル不純物層を形成するのは、シリコン酸化膜14,52,60を除去する際の素子分離絶縁膜58の膜減りを抑制するためである。
【0030】
次いで、シリコン基板10の全面に、例えば熱酸化法により、シリコン基板10の表面の保護膜としてのシリコン酸化膜14を形成する(図3)。
【0031】
次いで、フォトリソグラフィにより、低電圧NMOSトランジスタ形成領域16を露出し、他の領域を覆うフォトレジスト膜18を形成する。フォトリソグラフィの位置合わせには、溝12のマークを用いる。
【0032】
次いで、フォトレジスト膜18をマスクとしてイオン注入を行い、シリコン基板10の低電圧NMOSトランジスタ形成領域16に、Pウェル20と、P型高濃度不純物層22とを形成する(図3)。
【0033】
Pウェル20は、例えば、ボロンイオン(B)を、加速エネルギー150keV、ドーズ量7.5×1012cm−2の条件で、基板法線方向に対して傾斜した4方向から、それぞれイオン注入することにより形成する。P型高濃度不純物層22は、例えば、ゲルマニウムイオン(Ge)を、加速エネルギー50keV、ドーズ量5×1014cm−2の条件で、炭素イオン(C)を、加速エネルギー3keV、ドーズ量3×1014cm−2の条件で、ボロンイオンを、加速エネルギー2keV、ドーズ量3×1013cm−2の条件で、それぞれイオン注入することにより形成する。ゲルマニウムは、シリコン基板10を非晶質化してボロンイオンのチャネリングを防止するとともに、シリコン基板10を非晶質化して炭素が格子点に配される確率を高めるように作用する。格子点に配された炭素は、ボロンの拡散を抑制するように作用する。かかる観点から、ゲルマニウムは、P型高濃度不純物層22を形成する炭素及びボロンよりも先にイオン注入する。
【0034】
次いで、例えばアッシングにより、フォトレジスト膜18を除去する。
【0035】
次いで、フォトリソグラフィにより、低電圧PMOSトランジスタ形成領域24を露出し、他の領域を覆うフォトレジスト膜26を形成する。フォトリソグラフィの位置合わせには、溝12のマークを用いる。
【0036】
次いで、フォトレジスト膜26をマスクとしてイオン注入を行い、シリコン基板10の低電圧PMOSトランジスタ形成領域24に、Nウェル28と、N型高濃度不純物層30とを形成する(図4)。
【0037】
Nウェル28は、例えば、リンイオンを、加速エネルギー350keV、ドーズ量7.5×1012cm−2の条件で、基板法線方向に対して傾斜した4方向から、それぞれイオン注入することにより形成する。N型高濃度不純物層30は、砒素イオン(As)を、例えば、加速エネルギー6keV、ドーズ量3×1013cm−2の条件でイオン注入することにより形成する。
【0038】
次いで、例えばアッシングにより、フォトレジスト膜26を除去する。
【0039】
次いで、フォトリソグラフィにより、高電圧NMOSトランジスタ形成領域32を露出し、他の領域を覆うフォトレジスト膜34を形成する。フォトリソグラフィの位置合わせには、溝12のマークを用いる。
【0040】
次いで、フォトレジスト膜34をマスクとしてイオン注入を行い、シリコン基板10の高電圧NMOSトランジスタ形成領域32に、Pウェル36と、P型不純物層38とを形成する(図5)。
【0041】
Pウェル36は、例えば、ボロンイオンを、加速エネルギー150keV、ドーズ量7.5×1012cm−2の条件で、基板法線方向に対して傾斜した4方向から、それぞれイオン注入することにより形成する。P型不純物層38は、ボロンイオンを、例えば、加速エネルギー15keV、ドーズ量3×1012cm−2の条件でイオン注入することにより形成する。なお、高電圧NMOSトランジスタでは、チャネル領域の不純物濃度分布をなだらかにして接合耐圧、ホットキャリア耐性を改善する観点から、炭素及びゲルマニウムのイオン注入を行わない。
【0042】
次いで、例えばアッシングにより、フォトレジスト膜34を除去する。
【0043】
次いで、フォトリソグラフィにより、高電圧PMOSトランジスタ形成領域40を露出し、他の領域を覆うフォトレジスト膜42を形成する。フォトリソグラフィの位置合わせには、溝12のマークを用いる。
【0044】
次いで、フォトレジスト膜42をマスクとしてイオン注入を行い、シリコン基板10の高電圧PMOSトランジスタ形成領域40に、Nウェル44と、N型不純物層46とを形成する(図6)。
【0045】
Nウェル44は、例えば、リンイオン(P)を、加速エネルギー360keV、ドーズ量7.5×1012cm−2の条件で、基板法線方向に対して傾斜した4方向から、それぞれイオン注入することにより形成する。N型不純物層46は、リンイオンを、例えば、加速エネルギー30keV、ドーズ量3×1012cm−2の条件でイオン注入することにより形成する。なお、高電圧PMOSトランジスタでは、チャネル領域の不純物濃度分布をなだらかにして接合耐圧、ホットキャリア耐性を改善する観点から、砒素よりも拡散定数の大きいリンを用いている。
【0046】
次いで、例えばアッシングにより、フォトレジスト膜42を除去する。
【0047】
次いで、不活性雰囲気中で熱処理を行い、シリコン基板10を再結晶化するとともに、注入した不純物を格子位置に配置する。例えば、窒素雰囲気中で、600℃150秒間の熱処理を行い、次いで1000度0秒間の熱処理を行う。
【0048】
次いで、例えばCVD法により、シリコン基板10の表面に、例えば膜厚30nmのノンドープのシリコン層48をエピタキシャル成長する(図7)。
【0049】
なお、シリコン層48の膜厚はアライメントマークである溝12の幅よりも十分に小さいため、溝12上にシリコン層48を形成した後も、シリコン層48の表面には溝12の深さと同じ段差が形成されている。
【0050】
次いで、例えばISSG(in-situ steam generation)法により、減圧下でシリコン層48の表面をウェット酸化し、例えば膜厚3nmのシリコン酸化膜52を形成する。処理条件は、例えば、温度を810℃、時間を20秒間とする。
【0051】
次いで、シリコン酸化膜52上に、例えばLPCVD法により、例えば膜厚90nmのシリコン窒化膜54を堆積する(図18(b))。処理条件は、例えば、温度を700℃、時間を60分間とする。
【0052】
前述の通り、溝12の深さは予めシリコン窒化膜54の膜厚よりも浅く設定されているため、溝12を反映したシリコン層48表面の段差部は、シリコン窒化膜54によって完全に埋め込まれる。
【0053】
次いで、フォトリソグラフィ及びドライエッチングにより、シリコン窒化膜54、シリコン酸化膜52、シリコン層48、及びシリコン基板10を異方性エッチングし、各トランジスタ形成領域の間の領域を含む素子分離領域に、素子分離溝56を形成する(図8、図19(a))。なお、フォトリソグラフィの位置合わせには、溝12のマークを用いる。
【0054】
次いで、例えばISSG法により、減圧下でシリコン層48及びシリコン基板10の表面をウェット酸化し、素子分離溝56の内壁に、ライナー膜として、例えば膜厚2nmのシリコン酸化膜を形成する。処理条件は、例えば、温度を810℃、時間を12秒間とする。
【0055】
次いで、例えば高密度プラズマCVD法により、例えば膜厚500nmのシリコン酸化膜を堆積し、素子分離溝56をシリコン酸化膜によって埋め込む。
【0056】
次いで、例えばCMP法により、シリコン窒化膜54上のシリコン酸化膜を除去する。こうして、いわゆるSTI(Shallow Trench Isolation)法により、素子分離溝56に埋め込まれたシリコン酸化膜により、素子分離絶縁膜58を形成する(図9)。この際、溝12上のシリコン窒化膜54表面の段差部にも、シリコン酸化膜58aが残存する(図19(b))。
【0057】
次いで、シリコン窒化膜54をマスクとして、例えば弗酸水溶液を用いたウェットエッチングにより、素子分離絶縁膜58を、例えば30nm程度エッチングする。このエッチングは、完成したトランジスタにおいて、シリコン層48の表面の高さと素子分離絶縁膜58の表面の高さとが同程度になるように調整するためのものである。
【0058】
シリコン窒化膜54上に残存するシリコン酸化膜58aの膜厚は、最大でも、溝12の段差に相当する50nm程度である。CMPの際のオーバー研磨も生じるため、実際の膜厚は50nmよりも薄くなっている。このため、シリコン窒化膜54上に残存するシリコン酸化膜58aは、素子分離絶縁膜58の高さを調整するためのエッチングの際に、完全に除去される(図20(a))。
【0059】
次いで、例えばホットリン酸を用いたウェットエッチングにより、シリコン窒化膜54を除去する。このとき、シリコン窒化膜54上にはシリコン酸化膜58aは残存していないため、溝12上のシリコン窒化膜54を完全に除去することができる(図20(b))。これにより、深さの定まらない段差が発生したり、シリコン酸化膜58aが飛散することもない。
【0060】
次いで、例えば弗酸水溶液を用いたウェットエッチングにより、シリコン酸化膜52を除去する。この際、シリコン酸化膜52を完全に除去するために、膜厚3nmのシリコン酸化膜52に対して、熱酸化膜で5nm相当のエッチングを行う。
【0061】
素子分離絶縁膜58のシリコン酸化膜は、高密度プラズマCVD法により堆積した膜であり、弗酸水溶液に対するエッチングレートは、熱酸化膜の2倍程度である。また、もしシリコン酸化膜中にイオン注入されると、イオン種にも依存するが、エッチングレートは更に増大する。高温の熱処理を施せばエッチングレートを小さくできるが、急峻なチャネル不純物分布を実現されるためには好ましくない。
【0062】
本実施形態では、素子分離絶縁膜58を形成するシリコン酸化膜に不純物がイオン注入されていないため、シリコン酸化膜52のエッチングに伴う素子分離絶縁膜58の沈み込み量は、10nmと小さく抑えることができる。
【0063】
次いで、熱酸化法により、例えば膜厚7nmのシリコン酸化膜60を形成する(図10)。処理条件は、例えば、温度を750℃、時間を52分間とする。
【0064】
次いで、フォトリソグラフィにより、高電圧NMOSトランジスタ形成領域32及び高電圧PMOSトランジスタ形成領域40を覆い、他の領域を露出するフォトレジスト膜62を形成する。
【0065】
次いで、例えば弗酸水溶液を用いたウェットエッチングにより、フォトレジスト膜62をマスクとしてシリコン酸化膜60をエッチングする。これにより、低電圧NOSトランジスタ形成領域16及び低電圧PMOSトランジスタ形成領域24のシリコン酸化膜60を除去する(図11)。この際、シリコン酸化膜60を完全に除去するために、膜厚7nmのシリコン酸化膜60に対して、熱酸化膜で10nm相当のエッチングを行う。
【0066】
素子分離絶縁膜58のシリコン酸化膜は、高密度プラズマCVD法により堆積した膜であり、弗酸水溶液に対するエッチングレートは、熱酸化膜の2倍程度である。また、もしシリコン酸化膜中にイオン注入されると、イオン種にも依存するが、エッチングレートは更に増大する。高温の熱処理を施せばエッチングレートを小さくできるが、急峻なチャネル不純物分布を実現されるためには好ましくない。
【0067】
本実施形態では、素子分離絶縁膜58を形成するシリコン酸化膜に不純物がイオン注入されていないため、シリコン酸化膜60のエッチングに伴う素子分離絶縁膜58の沈み込み量は、20nmと小さく抑えることができる。
【0068】
これにより、シリコン酸化膜52,60を除去する際の素子分離絶縁膜58の沈み込み量の総和は、高電圧トランジスタ形成領域32,40で10nm程度、低電圧トランジスタ形成領域16,24で30nm程度と、小さく抑えることができる。
【0069】
次いで、例えばアッシングにより、フォトレジスト膜62を除去する。
【0070】
次いで、熱酸化法により、例えば膜厚2nmのシリコン酸化膜64を形成する。処理条件は、例えば、温度を810℃、時間を8秒間とする。
【0071】
次いで、NO雰囲気中で、例えば870℃、13秒間の熱処理を行い、シリコン酸化膜60,64内に窒素を導入する。
【0072】
こうして、高電圧NMOSトランジスタ形成領域32及び高電圧PMOSトランジスタ形成領域32に、シリコン酸化膜60のゲート絶縁膜60aを形成する。また、低電圧NMOSトランジスタ形成領域16及び低電圧PMOSトランジスタ形成領域24に、シリコン酸化膜60よりも薄いシリコン酸化膜64のゲート絶縁膜64aを形成する(図12)。
【0073】
次いで、全面に、例えばLPCVD法により、例えば膜厚100nmのノンドープのポリシリコン膜66aを堆積する(図21(a))。処理条件は、例えば、温度を605℃とする。
【0074】
次いで、フォトリソグラフィ及びドライエッチングにより、ポリシリコン膜66aをパターニングし、各トランジスタ形成領域にゲート電極66を形成する(図13)。
【0075】
同時に、溝12により形成されたアライメントマーク形成領域の全体を覆ってポリシリコン膜66aが残存するように、ポリシリコン膜66aをパターニングする(図21(b))。これにより、アライメントマーク形成領域にポリシリコン膜66aがサイドウォールとして残存し、後工程で飛散するなどの不具合を防止することができる。
【0076】
次いで、フォトリソグラフィ及びイオン注入により、高電圧NMOSトランジスタ形成領域32に、ゲート電極66をマスクとしてN型不純物を選択的にイオン注入し、LDD領域となるN型不純物層68を形成する。例えば、リンイオンを、加速エネルギー35keV、ドーズ量2×1013cm−2の条件でイオン注入し、N型不純物層68を形成する。
【0077】
次いで、フォトリソグラフィ及びイオン注入により、高電圧PMOSトランジスタ形成領域40に、ゲート電極66をマスクとしてP型不純物を選択的にイオン注入し、LDD領域となるP型不純物層70を形成する。例えば、ボロンイオンを、加速エネルギー10keV、ドーズ量2×1013cm−2の条件でイオン注入し、P型不純物層70を形成する。
【0078】
次いで、フォトリソグラフィ及びイオン注入により、低電圧NMOSトランジスタ形成領域16に、ゲート電極66をマスクとしてN型不純物を選択的にイオン注入し、エクステンション領域となるN型不純物層72を形成する。例えば、砒素イオンを、加速エネルギー6keV、ドーズ量2×1014cm−2の条件でイオン注入し、N型不純物層72を形成する。
【0079】
次いで、フォトリソグラフィ及びイオン注入により、低電圧PMOSトランジスタ形成領域24に、ゲート電極66をマスクとして選択的にイオン注入し、エクステンション領域となるP型不純物層74を形成する(図14)。例えば、ボロンイオンを、加速エネルギー0.6keV、ドーズ量7×1014cm−2の条件でイオン注入し、P型不純物層74を形成する。
【0080】
次いで、全面に、例えばCVD法により、例えば膜厚80nmのシリコン酸化膜を堆積する。処理条件は、例えば、温度を520℃とする。
【0081】
次いで、全面に堆積したシリコン酸化膜を異方性エッチングし、ゲート電極66の側壁部分に選択的に残存させる。これにより、シリコン酸化膜のサイドウォールスペーサ76を形成する(図15)。
【0082】
次いで、フォトリソグラフィ及びイオン注入により、低電圧NMOSトランジスタ形成領域16及び高電圧NMOSトランジスタ形成領域32に、ゲート電極66及びサイドウォールスペーサ76をマスクとして選択的にイオン注入する。これにより、ソース/ドレイン領域となるN型不純物層78を形成するとともに、NMOSトランジスタのゲート電極66にN型不純物を添加する。イオン注入条件は、例えば、リンイオンを、加速エネルギー8keV、ドーズ量1.2×1016cm−2とする。
【0083】
次いで、フォトリソグラフィ及びイオン注入により、低電圧PMOSトランジスタ形成領域24及び高電圧PMOSトランジスタ形成領域40に、ゲート電極66及びサイドウォールスペーサ76をマスクとして選択的にイオン注入する。これにより、ソース/ドレイン領域となるP型不純物層80を形成するとともに、PMOSトランジスタのゲート電極66にP型不純物を添加する。イオン注入条件は、例えば、ボロンイオンを、加速エネルギー4keV、ドーズ量6×1015cm−2とする。
【0084】
次いで、不活性ガス雰囲気中で、例えば1025℃、0秒間の短時間熱処理を行い、注入した不純物の活性化及びゲート電極66中の拡散を行う。1025℃、0秒間の短時間熱処理は、ゲート電極66とゲート絶縁膜との界面まで不純物を拡散させるのに十分である。
【0085】
また、低電圧NMOSトランジスタのチャネル部は炭素がボロンの拡散を抑制することにより、低電圧PMOSトランジスタのチャネル部は砒素の拡散が遅いことにより、急峻な不純物分布を維持することができる。一方、高電圧NMOSトランジスタのチャネル部は炭素が導入されていないことにより拡散は抑制されず、高電圧PMOSトランジスタのチャネル部には砒素よりも拡散定数の大きいリンが導入されているため、なだらかな不純物分布を形成することができる。
【0086】
こうして、シリコン基板10上に、4種類のトランジスタを完成する。すなわち、低電圧NMOSトランジスタ形成領域16に、低電圧NMOSトランジスタ(LV NMOS)を形成する。また、低電圧PMOSトランジスタ形成領域24に、低電圧PMOSトランジスタ(LV PMOS)を形成する。また、高電圧NMOSトランジスタ形成領域に、高電圧NMOSトランジスタ(HV NMOS)を形成する。また、高電圧PMOSトランジスタ形成領域に、高電圧PMOSトランジスタ(HV PMOS)を形成する(図16)。
【0087】
次いで、サリサイドプロセスにより、ゲート電極66上、N型不純物層78上、及びP型不純物層80上に、金属シリサイド膜84、例えばコバルトシリサイド膜を形成する。
【0088】
次いで、全面に、例えばCVD法により、例えば膜厚50nmのシリコン窒化膜を堆積し、エッチングストッパ膜としてのシリコン窒化膜を形成する。
【0089】
次いで、シリコン窒化膜上に、例えば高密度プラズマCVD法により、例えば膜厚500nmのシリコン酸化膜を堆積する。
【0090】
これにより、シリコン窒化膜とシリコン酸化膜との積層膜の層間絶縁膜86を形成する。
【0091】
次いで、例えばCMP法により、層間絶縁膜86の表面を研磨し、平坦化する。
【0092】
この後、層間絶縁膜86に埋め込まれたコンタクトプラグ88、コンタクトプラグ88に接続された配線90等を形成し、半導体装置を完成する(図17)。
【0093】
上述のように、本実施形態による半導体装置の製造方法では、溝12の深さを、素子分離溝56を形成する際のマスク膜として用いるシリコン窒化膜54の膜厚よりも浅くしている。この理由について、図22乃至図25を用いて、より詳しく説明する。
【0094】
図18(a)に対応する工程において、シリコン窒化膜54の膜厚よりも深い溝12を形成する場合を想定する。ここでは、例えば深さが200nmの溝12を形成するものとする(図22(a))。
【0095】
次いで、図18(b)に対応する工程において、シリコン層48、シリコン酸化膜52、及びシリコン窒化膜54を形成する。シリコン窒化膜54の膜厚は、溝12の深さよりも薄い膜厚、例えば90nmとする。シリコン窒化膜54は、溝12の内部では、深い溝12の内壁に沿って形成される(図22(b))。
【0096】
次いで、図19(a)に対応する工程において、シリコン層48及びシリコン基板10に、素子分離溝58を形成する(図23(a))。
【0097】
次いで、図19(b)に対応する工程において、素子分離溝56内に埋め込まれた素子分離絶縁膜58を形成する。この際、溝12上のシリコン窒化膜54表面の段差部にも、シリコン酸化膜58aが残存する(図23(b))。
【0098】
次いで、図20(a)に対応する工程において、素子分離絶縁膜58の高さを調節するために、素子分離絶縁膜58を、例えば30nm程度エッチングする。このとき、溝12上に残存するシリコン酸化膜58aもエッチングされるが、深い段差部に埋め込まれたシリコン酸化膜58aを完全に除去することはできない(図24(a))。
【0099】
次いで、図20(b)に対応する工程において、シリコン窒化膜54を除去する。このとき、シリコン窒化膜54は深い段差の内壁に沿って形成されており、また、シリコン窒化膜54の内側にはシリコン酸化膜58aが形成されているため、溝12上のシリコン窒化膜54を完全に除去することは困難である(図24(b))。
【0100】
この結果、溝12内のシリコン酸化膜52とシリコン酸化膜58aとの間に、幅の狭い凹部が形成されてしまう。この凹部の深さは、シリコン窒化膜54のエッチング速度の変動により、変動する。また、このような狭い凹部は、後の工程においてフォトレジストの残渣や塗布ムラの発生する原因となる。
【0101】
また、シリコン窒化膜54を完全に除去するためにオーバーエッチング量を増加した場合に、溝12の底部上のシリコン窒化膜54が除去されると、溝12内に埋め込まれたシリコン酸化膜58aが支えを失ってウェーハからリフトオフされて飛散する(図25)。飛散したシリコン酸化膜58aは、他の部分に付着すると、後の工程でパターン不良の原因等になることがある。
【0102】
本実施形態による半導体装置の製造方法のように溝12の深さをシリコン窒化膜54の膜厚よりも浅くすることにより、図24(a)の工程においてシリコン酸化膜58aが、図24(b)の工程においてシリコン窒化膜54が、残存することを防止することができる。これにより、上述した種々の不具合を防止することができる。
【0103】
また、本実施形態による半導体装置の製造方法では、ゲート電極66を形成するためのポリシリコン膜66aを、溝12により形成されたアライメントマークの形成領域の全体を覆うように残存している。この理由について、図26を用いて、より詳しく説明する。
【0104】
図21(a)に対応する工程において、ゲート絶縁膜60a,64a上に、ポリシリコン膜66aを形成する(図26(a))。
【0105】
次いで、図21(b)に対応する工程において、ゲート電極66を形成する。このとき、溝12の形状を反映した段差部には、サイドウォール状のポリシリコン膜66aの残渣66bが発生する(図26(b))。
【0106】
溝12の段差部に発生した残渣66bは、オーバーエッチング量を増加した場合、より薄く、小さくなり、更にはパーティクル状になることもあり、その後の弗酸処理工程においてリフトオフされて飛散する。飛散した残渣66bは、他の部分に付着すると、後の工程でパターン不良の原因等になることがある。
【0107】
本実施形態による半導体装置の製造方法のようにアライメントマークの形成領域の全体にポリシリコン膜66aを残存することにより、サイドウォール状のポリシリコン膜66aの残渣66bが発生することを防止することができる。これにより、上述した不具合を防止することができる。
【0108】
このように、本実施形態によれば、アライメントマーク用の溝の深さを、素子分離絶縁膜の形成の際にマスク膜として用いるシリコン窒化膜の厚さに相当する深さよりも浅くするので、溝の形成領域においてマスク膜の残渣が生じるのを防止することができる。また、アライメントマークの形成領域の全体にゲート電極となる導電膜を残存するので、溝の形成領域において導電膜の残渣が生じるのを防止することができる。これらにより、残渣が原因のパターン不良等が発生するのを防止することができる。これにより、信頼性の高い半導体装置を製造することができる。
【0109】
[変形実施形態]
上記実施形態に限らず種々の変形が可能である。
【0110】
例えば、上記実施形態では、チャネル不純物層上にエピタキシャル層を有するトランジスタを有する半導体装置の製造方法に適用したが、他の半導体装置の製造方法に適用することもできる。
【0111】
上記実施形態に記載の方法は、素子分離絶縁膜を形成する工程よりも前に、半導体基板に形成した溝をアライメントマークとして用いたフォトリソグラフィ工程を含む半導体装置の製造方法に、広く適用することができる。
【0112】
また、上記実施形態では、ゲート電極となる導電膜をアライメントマークの形成領域の全体に残存するようにしたが、必ずしもゲート電極となる導電膜である必要はない。上述の課題は、導電膜の形成される表面に溝の表面凹凸を反映した段差が形成されている場合に、共通して生じるものである。
【0113】
また、上記実施形態に記載した半導体装置の構造、構成材料、製造条件等は、一例を示したものにすぎず、当業者の技術常識等に応じて適宜修正や変更が可能である。
【符号の説明】
【0114】
10…シリコン基板
12…溝
14,52,60,64…シリコン酸化膜
16…低電圧NMOSトランジスタ形成領域
18,26,34,42,50,62…フォトレジスト膜
20,36…Pウェル
22…P型高濃度不純物層
24…低電圧PMOSトランジスタ形成領域
28,44…Nウェル
30…N型高濃度不純物層
32…高電圧NMOSトランジスタ形成領域
38,70,74…P型不純物層
40…高電圧PMOSトランジスタ形成領域
46,68,72…N型不純物層
48…シリコン層
54…シリコン窒化膜
56…素子分離溝
58a…シリコン酸化膜
58…素子分離絶縁膜
60a,64a…ゲート絶縁膜
66a…ポリシリコン膜
66a…ポリシリコン膜
66b…残渣
66…ゲート電極
76…サイドウォールスペーサ
78…N型不純物層(ソース/ドレイン領域)
80…P型不純物層(ソース/ドレイン領域)
84…金属シリサイド膜
86…層間絶縁膜
88…コンタクトプラグ
90…配線
92…アモルファス層
94…結晶欠陥
100…シリコン基板
102…ソース領域
104…ドレイン領域
106…チャネル領域
108…高濃度不純物層
110…シリコン層
112…ゲート絶縁膜
114…ゲート電極


【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体基板に、アライメントマークとなる溝を形成する工程と、
前記溝が形成された前記半導体基板上に、前記アライメントマークに位置合わせして、素子分離領域となる領域を露出し、素子領域となる領域を覆うマスク膜を形成する工程と、
前記マスク膜をマスクとして前記半導体基板を異方性エッチングし、前記半導体基板の前記素子分離領域となる領域に、素子分離溝を形成する工程と、
前記素子分離溝を絶縁膜で埋め込み、素子分離絶縁膜を形成する工程とを有し、
前記溝を形成する工程では、前記マスク膜の厚さに相当する深さよりも浅い溝を形成する
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項2】
請求項1記載の半導体装置の製造方法において、
前記素子分離絶縁膜を形成する工程後に、
導電膜を形成する工程と、
前記導電膜をパターニングして配線を形成する工程とを有し、
前記配線を形成する工程では、前記溝が形成された領域上の全体に前記導電膜が残存するように、前記導電膜をパターニングする
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項3】
請求項2記載の半導体装置の製造方法において、
前記配線は、ゲート電極である
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法において、
前記溝を形成する工程の後、前記マスク膜を形成する工程の前に、
前記アライメントマークに位置合わせして、前記半導体基板の所定の領域に所定の不純物をイオン注入する工程を更に有する
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法において、
前記溝を形成する工程の後、前記マスク膜を形成する工程の前に、前記半導体基板上にエピタキシャル半導体層を形成する工程を更に有する
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法において、
前記マスク膜を形成する工程は、
前記溝が形成された前記半導体基板上に、前記マスク膜を形成する工程と、
前記マスク膜上に、前記アライメントマークに位置合わせして、前記素子分離領域を露出し、前記素子領域を覆うフォトレジスト膜を形成する工程と、
前記フォトレジスト膜をマスクとして前記マスク膜をエッチングし、前記フォトレジスト膜のパターンを前記マスク膜に転写する工程と、を有する
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【公開番号】特開2012−79742(P2012−79742A)
【公開日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−220773(P2010−220773)
【出願日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【出願人】(308014341)富士通セミコンダクター株式会社 (2,507)
【Fターム(参考)】