説明

半導体装置及び半導体装置の製造方法

【課題】エミッタ電極の膜厚が均一であり、このために素子特性のばらつきが少ない特性が良好な半導体装置を提供する。
【解決手段】Si基板1上のN−hill層11と、N−hill層11を囲む素子分離領域であるシャロートレンチアイソレーション6に開口されたオープン領域21と、を備えたHCBT100を含む半導体装置において、オープン領域21上に面方位のないアモルファスSi膜30,31を形成する。アモルファスシリコン膜30、31を、N−hill層11がアモルファスシリコン膜30、31から露出する厚みにまでエッチングして電極とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置及び半導体装置の製造方法に係り、特にCMOSトランジスタとバイポーラトランジスタとを組み合わせたBiCMOSトランジスタの構成を有する半導体装置、及び半導体装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、無線通信に関する技術の発展が著しく、携帯電話機に使用される小型のIC(Integrated Circuit)も盛んに研究、開発されている。主に携帯電話機に使用されるICの一つとして、RF(Radio Frequency)回路とベースバンド回路とを1つのチップに搭載(以降、混載ともいう)したシステムオンチップが注目されている。システムオンチップのうち、RF回路には高速動作が要求されるので、その構造にも微細化が要求される。一方、ベースバンド回路は、RF回路に比べて構造の微細化の必要性がない。周知のように、高度の微細化技術は、製造にかかるコストを増大させ、製造の歩留まりを低下させるという不具合を生じる可能性がある。
【0003】
ところで、ICを構成するトランジスタには、よく知られているように、CMOS(Complementary MOS)トランジスタとバイポーラ(Bipolar transistor)トランジスタとがある。CMOSトランジスタは、ゲート電圧が低く、プロセス工程が簡易であることから多くのICの素子に適用されている。一方、バイポーラトランジスタは、CMOSトランジスタに比べて高速動作に有利であることが知られている。同等の微細化構造を有するバイポーラトランジスタとCMOSトランジスタとを比較すると、バイポーラトランジスタは、1世代もしくは2世代先のCMOSトランジスタと同程度の動作速度を実現することができる。
【0004】
上記した点に考慮すると、システムオンチップは、RF回路を高速動作に有利なバイポーラトランジスタ、ベースバンド回路を製造が簡易なCMOSトランジスタで構成することが望ましい。バイポーラトランジスタとCMOSトランジスタとを組み合わせたトランジスタを、以降、BiCMOSトランジスタと記す。バイポーラトランジスタには、縦型と横型のものがある。縦型のバイポーラトランジスタでは、キャリアがエミッタから垂直方向に流れてコレクタに達する。コレクタ領域はウェハ表面から深い位置に形成されるため、エミッタ、コレクタ間の抵抗が大きくなって高速動作に不利である。また、高濃度の埋込み層やコレクタエピ層、ディープトレンチアイソレーション等が必要であるので、工程数が増大してコストを高めることになる。
【0005】
一方、ラテラルバイポーラトランジスタは、縦型のバイポーラトランジスタに比べて構造が単純である。また、CMOSトランジスタに比較的少ない数の工程を追加することによってBiCMOSトランジスタを構成することができる。さらに、コレクタ電極をコレクタ領域に直接コンタクトさせることができるので、高速に動作させることにも有利である。このため、BiCMOSトランジスタでは、キャリアが横方向に流れる横型のラテラルバイポーラトランジスタを適用することが望ましい。
ラテラルバイポーラトランジスタは、例えば、特許文献1に記載されている。特許文献1に記載されているラテラル型のNPNトランジスタは、HCBT(Horizontal Current Bipolar Transistor)と呼ばれるトランジスタである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】US 2005/0040495 AI
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記した特許文献1に記載されたHCBTでは、アン・ドープポリSi膜93およびN+ポリSi膜92をTMAH(tetramethyl ammonium hydroxide )による全面ウェットエッチングすることでエミッタ電極を形成している。
アン・ドープポリSi膜93およびN+ポリSi膜92は、多結晶シリコンである。その為、その表面には、様々な面方位が存在している。
TMAHのエッチング特性として、エッチングレートがSiの結晶面方位に依存することが知られている。例えば、TMAHの<100>Siに対するエッチングレートは1.00μm/minであり、<111>Siに対するエッチングレートは0.033μm/minである。
【0008】
先行技術であるポリSi膜とTMAHによる全面エッチングの組み合わせによるエミッタ電極形成方法では、ポリSi膜表面の面方位の影響により、エッチングレートの大小が生じる。結果として、均一な膜厚のエミッタ電極を形成することは極めて困難となる。
本発明は、上記した点に鑑みてなされたものであって、TMAHエッチングによる加工ばらつきを解決し、エミッタ電極の膜厚が均一であり、このために素子特性のばらつきが少ない特性の良好な半導体装置、及び、このような半導体装置を形成できる半導体装置の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記した課題を解決するため、本発明の請求項1に記載の半導体装置は、半導体基板(例えば、図2に示したSi基板1)上の活性領域(例えば、図2に示したN−hill層11)と、前記活性領域(例えば、図2に示したN−hill層11)を囲む素子分離領域(例えば、図2に示したシャロートレンチアイソレーション6)に開口されたオープン領域(例えば、図2に示したオープン領域21)と、前記オープン領域上に形成されるアモルファスシリコン膜(例えば、図2に示したアモルファスSi膜30,31)と、を備えたラテラルバイポーラトランジスタ(例えば、図2に示したHCBT100)を含む半導体装置であって、前記アモルファスシリコン膜は、前記活性領域が、前記アモルファスシリコン膜から露出させる厚みを有することを特徴とする。
【0010】
本発明の請求項2に記載の半導体装置は、請求項1において、前記ラテラルバイポーラトランジスタと共にCMOSトランジスタ(例えば、図2に示したCMOS200)が混載され、前記ラテラルバイポーラトランジスタは、前記素子分離領域に前記オープン領域が開口されたことによって露出された前記活性領域周面の少なくとも一部を覆う保護膜(例えば、図2、図19に示した極薄酸化膜24)を備え、前記保護膜は、前記アモルファスシリコン膜が前記厚みまでエッチングされる際に前記活性領域がエッチングされることを防ぐ膜であることを特徴とする。
【0011】
本発明の請求項3に記載の半導体装置の製造方法は、ラテラルバイポーラトランジスタを含む半導体装置の製造方法であって、前記ラテラルバイポーラトランジスタの活性領域のベース領域を外部へ接続するためのExtrinsic Base領域を形成する工程(例えば、図15(a))と、前記活性領域を囲む前記素子分離領域の所定の部分を除去して前記活性領域の周囲にオープン領域を形成する工程(例えば、図16(a))と、前記オープン領域の形成によって露出した前記活性領域の側面であって、かつ前記Extrinsic Base領域と一部が重なる領域にイオン注入して前記ラテラルバイポーラトランジスタのIntrinsic Base領域を形成する工程(例えば、図18(a))と、前記活性領域及び前記オープン領域を含む領域に不純物を含んだアモルファスシリコン膜を形成する工程(例えば、図20(a)、(b))と、前記アモルファスシリコン膜を所定の厚さだけエッチングするアモルファスシリコンエッチング工程(例えば、図21(a)、(b))と、前記アモルファスシリコンエッチング工程のエッチングにおいて残った前記不純物を含んだアモルファスシリコン膜から不純物を固層拡散させてエミッタ拡散層領域、コレクタ拡散層領域を形成する工程(例えば、図25(a))と、を含むことを特徴とする。
【0012】
本発明の請求項4に記載の半導体装置の製造方法は、請求項3において、前記ラテラルバイポーラトランジスタとCMOSトランジスタとが混載され、前記Extrinsic Base領域を形成する工程は、前記CMOSトランジスタのゲート電極をマスクにして不純物を注入する少なくとも1回のイオン注入工程(例えば、図14(b))の後に行われることを特徴とする。
本発明の請求項5に記載の半導体装置の製造方法は、請求項3または4において、前記活性領域の表面に、前記活性領域を後工程のエッチング時に保護する保護膜を形成する保護膜形成工程(例えば、図19(a)、(b))をさらに含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明の請求項1に記載の発明によれば、オープン領域上に形成されたアモルファスシリコン膜を、アモルファスシリコン膜から前記活性領域が露出する厚みまでエッチングする工程において、均一の厚さにすることができる。このため、均一な膜厚のエミッタ電極を形成し、バイポーラトランジスタの電流のばらつきを抑えることができる。
具体的には、アモルファスシリコン膜とTMAHエッチングバックとの組み合わせによってエミッタ電極が形成されたバイポーラトランジスタでは、コレクタ電流のばらつきが20%、ベース電流のばらつきが31%であった。一方、ポリシリコン膜とTMAHエッチングバックとの組み合わせでエミッタ電極が形成されたバイポーラトランジスタでは、コレクタ電流のばらつきが43%、ベース電流のばらつきは56%であった。したがって、本技術によって均一性は大幅に向上する。なお、上記したばらつきは、標準偏差/平均値(%)によって定義されている。
【0014】
本発明の請求項2によれば、ポリシリコン膜のエッチングの際に活性領域がエッチングされることを防ぐ保護膜を備えているので、ポリシリコン膜を活性領域が露出するまでエッチングした際にも活性領域までがエッチングされることがない。このため、BiCMOSトランジスタの構造を有する半導体装置の特性の信頼性を高めることができる。また、製造の歩留まりを高め、製造コストの低廉化にも寄与することができる。
【0015】
本発明の請求項3に記載の発明によれば、オープン領域上に形成されたアモルファスシリコン膜を、アモルファスシリコン膜から前記活性領域が露出する厚みまでエッチングする工程において、均一の厚さにすることができる。このため、均一な膜厚のエミッタ電極を形成し、バイポーラトランジスタの電流のばらつきを抑えることができる。
本発明の請求項4に記載の発明によれば、ラテラルバイポーラトランジスタの製造工程のうち、熱の影響を受けやすいIntrinsic Base領域を形成する工程をCMOSトランジスタの少なくとも1回のイオン注入よりも後に実施することができる。このため、BiCMOSトランジスタにおいて、ラテラルバイポーラトランジスタがCMOSトランジスタ製造時のイオン注入後になされる熱処理の影響を受けることを緩和することができる。
【0016】
本発明の請求項5に記載の発明によれば、ポリシリコン膜のエッチングの際に活性領域がエッチングされることを防ぐ保護膜を備えているので、ポリシリコン膜を活性領域が露出するまでエッチングした際にも活性領域までがエッチングされることがない。このため、BiCMOSトランジスタの構造を有する半導体装置の特性の信頼性を高めることができる。また、製造の歩留まりを高め、製造コストの低廉化にも寄与することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の一実施形態の半導体装置の上面図であって、ラテラルバイポーラトランジスタとCMOSトランジスタとが混載された状態を説明するための図である。
【図2】本発明の一実施形態の半導体装置の構成を説明するための断面図である。
【図3】本発明の一実施形態の半導体装置の製造方法を説明するための図である。
【図4】本発明の一実施形態の半導体装置の製造方法を説明するための図である。
【図5】本発明の一実施形態の半導体装置の製造方法を説明するための図である。
【図6】本発明の一実施形態の半導体装置の製造方法を説明するための図である。
【図7】本発明の一実施形態の半導体装置の製造方法を説明するための図である。
【図8】本発明の一実施形態の半導体装置の製造方法を説明するための図である。
【図9】本発明の一実施形態の半導体装置の製造方法を説明するための図である。
【図10】本発明の一実施形態の半導体装置の製造方法を説明するための図である。
【図11】本発明の一実施形態の半導体装置の製造方法を説明するための図である。
【図12】本発明の一実施形態の半導体装置の製造方法を説明するための図である。
【図13】本発明の一実施形態の半導体装置の製造方法を説明するための図である。
【図14】本発明の一実施形態の半導体装置の製造方法を説明するための図である。
【図15】本発明の一実施形態の半導体装置の製造方法を説明するための図である。
【図16】本発明の一実施形態の半導体装置の製造方法を説明するための図である。
【図17】本発明の一実施形態の半導体装置の製造方法を説明するための図である。
【図18】本発明の一実施形態の半導体装置の製造方法を説明するための図である。
【図19】本発明の一実施形態の半導体装置の製造方法を説明するための図である。
【図20】本発明の一実施形態の半導体装置の製造方法を説明するための図である。
【図21】本発明の一実施形態の半導体装置の製造方法を説明するための図である。
【図22】本発明の一実施形態の半導体装置の製造方法を説明するための図である。
【図23】本発明の一実施形態の半導体装置の製造方法を説明するための図である。
【図24】本発明の一実施形態の半導体装置の製造方法を説明するための図である。
【図25】本発明の一実施形態の半導体装置の製造方法を説明するための図である。
【図26】本発明の一実施形態の半導体装置の製造方法を説明するための図である。
【図27】本発明の一実施形態の半導体装置の製造方法を説明するための図である。
【図28】本発明の一実施形態の半導体装置の製造方法を説明するための図である。
【図29】本発明の一実施形態の半導体装置の製造方法で製造された半導体装置の特性を説明するためのグラフである。
【図30】本発明の従来技術である特許文献に記載されているHCBTの断面図である。
【図31】従来技術の問題点を説明するための図である。
【図32】従来技術において活性領域がエッチングされた状態を模式的に示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図を参照して本発明の一実施形態係る半導体装置、及び半導体装置の製造方法を説明する。
図1は、本実施形態の半導体装置の上面図であって、ラテラルバイポーラトランジスタとCMOSトランジスタとが混載された状態を説明するための図である。本実施形態の半導体装置は、図示したように、Si基板1上に形成されたシャロートレンチアイソレーション6上にラテラルバイポーラトランジスタであるHCBT100と、CMOSトランジスタ200とを混載して構成されている。シャロートレンチアイソレーション6のうち、HCBT100が形成されている領域をHCBT領域60、CMOSトランジスタ200が形成される領域をCMOS領域70と記す。
【0019】
図示するように、HCBT100は、コレクタ(Collector)、ベース(Base)、エミッタ(Emitter)を有している。コレクタはコレクタ電極31Bを有し、エミッタはエミッタ電極31Aを有している。ベースは、活性領域(N−hill層)11上のExtrinsic Base層20及びIntrinsicBase層23を有するが、上面からはExtrinsic Base層20だけが見える。コレクタ、ベース、エミッタの各電極には図2に示すコンタクトホール50を介して配線層51が形成されている。
一方、CMOSトランジスタ200は、ウェル層10上にゲート電極13を形成して構成されている。ウェル層10及びゲート電極13には、図2に示すコンタクトホール50を介して配線層51が形成されている。
【0020】
図2は、本実施形態の半導体装置の構成を説明するための断面図であって、図2(a)はHCBT100を示し、図2(B)はCMOSトランジスタ200を示している。HCBT100は、N−hill層11を囲む素子分離領域であるシャロートレンチアイソレーション6をエッチングすることによって開口されたオープン領域21と、オープン領域21内に形成されたポリSi膜であるエミッタ電極31A、コレクタ電極31Bと、N−hill層11の少なくとも一部を覆う極薄酸化膜24と、を有している。以降のエッチングでエミッタ電極31A、コレクタ電極31Bとなるアモルファスシリコン(以下、アモルファスSiとも記す)膜は、N−hill層11を露出させる厚さ(膜厚)を有している。
【0021】
エミッタ電極31A、コレクタ電極31BとなるアモルファスSi膜は、N−hill層11上に形成されたアモルファスSi膜をエッチングすることによって図示する厚みに設定される。極薄酸化膜24は、エミッタ電極31A、コレクタ電極31Bを形成するためのエッチングの際にN−hill層11がエッチングされることを防ぐ保護膜の一部である。本実施形態では、極薄酸化膜24を、後述するアモルファスシリコンのエッチング工程においてN−hill層11がエッチングされるのを防止する厚さを有するSiO2膜とする。HCBT100のN−hill層11には、ベース領域となるExtrinsicBase層20及びIntrinsicBase層23と、エミッタ拡散層35とコレクタ拡散層36とが設けられている。
【0022】
エミッタ拡散層35は、エミッタ電極31Aを介して配線層51(図中Eと記す)と電気的に接続されている。また、コレクタ拡散層36は、コレクタ電極31Bを介して配線層51(図中Cと記す)と電気的に接続されている。ExtrinsicBase層20及びIntrinsic Base層23は、配線層51(図中Bと記す)と電気的に接続されている。CMOS領域70では、Si基板にPまたはNのウェル層10が形成されている。CMOSトランジスタ200は、ウェル層10上のゲート電極13下に形成されたゲート酸化膜12を有している。また、CMOSトランジスタ200は、ゲート電極13の両サイドに設けられたソースまたはドレインとなる不純物層34を有している。不純物層34には、ソース電極Sまたはドレイン電極Dとなる配線層51と電気的に接続されている。
【0023】
(製造プロセス)
以下、図3〜27を用い、本実施形態の半導体装置の製造方法を説明する。図3〜27において、(a)はHCBT100の製造プロセス、(b)はCMOSトランジスタ200の製造プロセスを説明している。本実施形態の製造方法では、P型のSi基板1上にCMOSトランジスタ200とHCBT100とを形成してBiCMOSトランジスタとする。本実施形態では、Si基板1を、単結晶のSiから作成した抵抗値9〜12Ω・cmのウェハとする。
【0024】
次に、本実施形態では、図3(a)、(b)に示すように、Si基板1上に酸化膜(SiO2膜)2が形成される。続いて、酸化膜2上にSi窒化膜(SiN膜)3が形成される。酸化膜2は約10nm、Si窒化膜3は約140nmの厚さである。なお、Si窒化膜は多くの場合Si34の組成を有している。
次に、図4(a)、(b)に示すように、HCBT100及びCMOSトランジスタ200の活性領域に、活性領域を覆うレジストパターンR1が形成される。酸化膜2とSi窒化膜3とは、レジストパターンR1をマスクにしてドライエッチングされ、パターニングされる。エッチングの後、レジストパターンR1はアッシング等によって剥離される。
【0025】
Si基板1は、図5(a)、(b)に示すように、パターニングされた酸化膜2及びSi窒化膜3をマスクにしてドライエッチングされる。ドライエッチングによってSi基板1上にシャロートレンチ4が形成される。シャロートレンチ4の深さは、約350nmである。シャロートレンチの形成後、図6(a)、(b)に示すように、酸化膜5がCVD(Chemical Vapor Deposition)によって形成される。酸化膜5には、例えばTEOS((Tetra Ethyl Ortho Silicate):Si(OC254と酸素O2との反応で成膜される酸化膜)が使用される。TEOS膜の厚さは約600nmである。
【0026】
酸化膜5は、図7(a)、(b)に示したように、CMP(Chemical Mechanical Planarization)によって平坦化処理される。平坦化処理によってシャロートレンチ4に酸化膜材料が埋め込まれてシャロートレンチアイソレーション6が形成される。CMPは、Si窒化膜が全て除去される以前に停止する。このため、活性領域は、Si窒化膜によって保護されて削られることがない。CMP後のSi窒化膜の残厚は、約60nmである。残ったSi窒化膜は、CMP後、完全に除去される。除去は、例えば、150℃のリン酸水溶液に約60分浸液することによって可能である。
【0027】
Si窒化膜3の除去後、Si窒化膜3下の酸化膜2が除去される。本実施形態では、フッ酸(HF)系の溶液でウェットエッチングすることにより酸化膜2を完全に除去している。ウェットエッチングは、例えば、HF:H2O=1:99の希フッ酸液に4〜5分浸液する条件で行われる。Si窒化膜3、酸化膜2の除去後、図8(a)、(b)に示すように、活性領域上が熱酸化処理されてパッド酸化膜7が形成される。パッド酸化膜7の厚さは、約15nmである。
【0028】
次に、図9(b)に示すように、CMOS領域70に、イオン注入のため活性領域上だけを開口したパターンのレジストR2が形成される。このとき、図9(a)に示すように、HCBT領域60の活性領域及びシャロートレンチアイソレーション6はレジストパターンR2に覆われている。レジストパターンR2は、CMOS領域70のウェル層10の形成や閾値の調整を目的にした各種イオン注入のマスクになる。このため、レジストパターンR2は、イオン注入の目的に応じて複数回付け替えられる場合がある。
【0029】
イオン注入後、レジストパターンR2が剥離される。剥離後、注入されたイオンを拡散させるためにアニールがなされる。アニールは、例えば、950℃、10秒のRTA(Rapid Thermal Annealing)によってなされる。アニールの結果、図10(b)のように、ウェル層10が形成される。続いて、図11(a)に示すように、HCBT領域60にイオン注入するため、HCBT領域60の活性領域だけを開口したレジストパターン3が形成される。このとき、図11(b)に示すように、CMOS領域70の活性領域及びシャロートレンチアイソレーション6は、レジストパターンR3に覆われている。
【0030】
HCBT領域60の活性領域には、レジストパターンR3をマスクとしてN型の不純物がイオン注入される。N型不純物には、例えばリン(P)が使用される。注入エネルギーは、例えば、以下の3段階に設定して実施すると効果的である。
3.0×1012/cm2,220keV
5.0×1012/cm2,220keV
3.0×1011/cm2,220keV
イオン注入の完了後、図12(a)、(b)に示すように、レジストパターンR3が剥離される。イオン注入によって形成されたN型不純物領域は、コレクタ拡散層として作用する領域となる。この領域を、N−hill層11と記す。N−hill層11上のパッド酸化膜7は、レジストパターンR3の剥離後に例えばフッ酸系の溶液によるウェットエッチングで除去される。
【0031】
パッド酸化膜7の除去後、N−hill層11上には、図13(a)、(b)に示すように、ゲート酸化膜12が形成される。ゲート酸化膜12は、例えば、850℃、45秒のウェット酸化によって形成される約2.9nmの酸化膜である。ゲート酸化膜12上には、ポリSi膜(図示せず)が形成される。ポリSi膜は、例えばCVDによって厚さ25nmに形成される。ポリSi膜には、導電性を持たせるためにリンやボロン等が注入される。次に、CMOS領域70の活性領域上に、ゲート電極の形状に対応したレジストパターン(図示せず)が形成される。そして、レジストパターンをマスクにし、ポリSi膜をドライエッチングすることによって図13(b)に示したゲート電極13が形成される。
【0032】
ここで、本実施形態では、ゲート電極13の端部のゲート酸化膜12を強化する目的で、フッ酸による微弱なウェットエッチングをする。ウェットエッチングの後、再度熱酸化処理を行い、図14(a)、(b)に示す酸化膜14を形成する。酸化膜14の厚さは、約2.5nmである。また、HCBT領域60をカバーするレジストパターン(図示せず)を形成した後、CMOSトランジスタ200のエクステンションに相当するイオン注入によってN-層もしくはP-層15が形成される。注入される不純物は、CMOSトランジスタがNMOSトランジスタである場合には例えばリン、PMOSトランジスタの場合は例えばボロンである。
【0033】
次に、図15(a)に示すように、HCBT領域60の酸化膜14上に、領域の一部をカバーするレジストパターンR4が形成される。レジストパターンR4をマスクにしてP型不純物をイオン注入することにより、HCBT100のN−hill層11にExtrinsicBase層20が形成される。なお、この間、CMOS領域70上は全てレジストパターンR4によって覆われている。このような本実施形態によれば、Extrinsic Base層20の形成時にN−hill層11の側壁部分は露出していないため、後述するIntrinsicBase層23に対して影響を及ぼすことを防止することができる。
【0034】
ExtrinsicBase層20を形成するために注入されるP型不純物は、例えばBF2+であり、注入エネルギーは15kev、注入量は1.5×1015/cm2としてもよい。注入された不純物は、レジストパターンR4のアッシングによる剥離後、RTAをして活性化しておくことが望ましい。レジストパターンR4の剥離後、図16(a)に示すように、シャロートレンチアイソレーション6上には、レジストパターンR5が形成される。レジストパターンR5はHCBT領域60の活性領域を挟むように形成されている。
【0035】
レジストパターンR5をマスクにしてシャロートレンチアイソレーション6をウェットエッチングすることにより、オープン領域21が形成される。ウェットエッチングによって膜減りした後のシャロートレンチアイソレーション6の部分6Aの厚さは、約100nmである。酸化膜14は、ウェットエッチング時に除去される。ウェットエッチングの完了後、レジストパターンR5は例えばアッシングによって剥離される。
【0036】
次に、図17(a)、(b)に示すように、HCBT領域60及びCMOS領域70には、酸化膜22が形成される。酸化膜22は、例えばCVDにより形成されるTEOS膜である。酸化膜22の厚さは、約10nmである。次に、図18(a)、(b)に示すように、レジストパターンR6がHCBT領域60、CMOS領域70上に形成される。レジストパターンR6は、図15に示したレジストパターンR4と同じパターンである。レジストパターンR6をマスクにして、HCBT領域60の活性領域にP型不純物がイオン注入される。イオン注入により、N−hill層11の側壁部分にIntrinsicBase層23が形成される。イオン注入されるP型不純物は例えばBF2+であり、例えば注入量7.0×1013/cm2の不純物を注入エネルギー35kevで斜めから注入することが望ましい。レジストパターンR6は、イオン注入後にアッシング等によって剥離される。
【0037】
レジストパターン6の剥離後、図19(a)、(b)に示すように、HCBT領域60及びCMOS領域70に極薄酸化膜24が形成される。極薄酸化膜24の形成は、例えば、700℃の窒素雰囲気下において60秒のRTAをすることによって可能である。酸化膜24の厚さは、約6〜8オングストロームである。酸化膜24は、当然のことながらCMOS領域70においてシリコンを含む部材が露出している部分にも形成される。
【0038】
図20(a)、(b)に示すように、極薄酸化膜24上には、CVDによってアモルファスSi膜30が形成される。アモルファスSi膜30の成膜は、例えば、in−situドープドポリSiを材料にして、520度の成膜温度によって行われる。本実施形態では、アモルファスSi膜を、成膜温度を500度〜520度で成膜することにより、面方位のないアモルファスSi膜を得ることができる。なお、従来のプロセスで使用されているポリSi膜は、例えば580度の成膜温度で成膜されていて、この場合、平均粒径が大凡300μmになる。
【0039】
in−situドープドポリSiとは、デポジション中に例えばリン等の高濃度のN型不純物を導入することができる部材をいう。本実施形態のアモルファスSi膜30は不純物濃度が約1.0×1020/cm3であり、厚さは約500nmである。アモルファスSi膜30の厚さは、オープン領域21を完全に埋め込んだ上に、アモルファスSi膜30の表面を平坦にすることを目的にして決定されている。
【0040】
アモルファスSi膜30は、次の工程において、エッチングバッグされる。図21(a)、(b)は、エッチングバッグ完了後のHCBT領域60、CMOS領域70を示している。この際、本実施形態では、被エッチング部材に面方位のないアモルファスシリコン膜を用いることで、TMAHエッチングによる加工ばらつきを解決することができる。
エッチングバッグは、TMAH水溶液によって行われる。TMAH水溶液は、アモルファスSi膜と酸化膜のエッチングの選択性が極めて高いエッチャントである。このため、エッチングバッグの間、HCBT100のN−hill層11とCMOS領域70のCMOSトランジスタ200は極薄酸化膜24によってエッチングダメージから保護される。
【0041】
このような本実施形態では、N−hill層11及びCMOS領域70をエッチングバッグ工程におけるダメージから保護することができるため、図32に示したような活性領域が削り取られる現象を防ぐことができる。また、アモルファスSi膜30のTMAH水溶液によるエッチングバッグは、等方的に進行する。このため、エッチングバッグ工程では、TMAH水溶液によるエッチング後のアモルファスSi膜30(アモルファスSi膜31として図中に示す)の表面を略平坦にすることができる。
【0042】
次に、図22(a)、(b)に示すように、エッチングバッグ後のHCBT領域60及びCMOS領域70上にCVDによってTEOS膜である酸化膜32が形成される。酸化膜32の厚さは、約100nmである。形成された酸化膜32は、ドライエッチングによってエッチングバッグされる。図23(a)に示すように、エッチングバッグによってHCBT領域60の活性領域にサイドウォール32Aが形成される。また、図23(b)に示すように、CMOS領域70では、ゲート電極13のサイドウォール32Bが形成される。
【0043】
アモルファスSi膜31は、サイドウォール32Aにより、後の固層拡散の工程においてHCBT領域60の表面と電気的に分離される2つの部分を生じる。分離された部分は、それぞれエミッタ電極31A、コレクタ電極31Bとなる。本実施形態によれば、エミッタ電極31Aとコレクタ電極31Bとを分離するサイドウォール32Aと、CMOSトランジスタ200のサイドウォール32Bを同時に形成することができる。
酸化膜32がエッチングバッグされる際、N−hill層11上面の極薄酸化膜24は除去されて完成後のHCBT100において確認することはできない。しかし、N−hill層11周面の極薄酸化膜24は、図2(a)に示したようにHCBT100においても残っている。
【0044】
次に、図24(a)、(b)のように、HCBT領域60及びCMOS領域70上にCVDによってTEOS膜である酸化膜33が形成される。また、酸化膜33上からレジストパターンR7が形成される。酸化膜33の厚さは、約10nmである。レジストパターンR7は、図24(a)に示すように、HCBT領域60を覆っていて、図24(b)のようにCMOSトランジスタ200の活性領域を開口している。CMOS領域70には、レジストパターンR7をマスクとして、不純物層34を形成するためのイオン注入がされる。不純物層34は、CMOSトランジスタ200がNMOSトランジスタである場合にはN+層であり、PMOSトランジスタである場合にはP+層である。レジストパターンR7は、アッシング等によって剥離される。
【0045】
イオン注入後、不純物層34を活性化させるため、HCBT領域60及びCMOS領域70は、微量酸素を含んだ窒素雰囲気下でRTAされる。RTAの条件は、例えば950℃で10秒である。RTAにより、エミッタ電極31Aおよびコレクタ電極31BからN型不純物であるリンが固層拡散する。固層拡散により、図25(a)に示すように、N−hill1層の側壁部分にそれぞれエミッタ拡散層35とコレクタ拡散層36が同時に形成される。
【0046】
次に、図26(a)、(b)に示すように、HCBT領域60及びCMOS領域70上に、CVDによってTEOS膜である酸化膜40が形成される。酸化膜40の厚さは、約30nmである。次に、本実施形態では、図27(a)に示すように、N−hill層11上の一部をカバーするレジストパターンR8が形成される。レジストパターンR8をマスクとして、酸化膜40がわずかにドライエッチングされる。酸化膜40のエッチングにより、シリサイドによるExtrinsicBase層20とN−hill層11の短絡を防ぐことができる。また、酸化膜40のエッチングにより、図27(a)、(b)のように、エミッタ・ベース間を分離するサイドウォール32AとCMOSトランジスタ200のサイドウォール32Bの脇にサイドウォール40Aが形成される。ただし、サイドウォール40Aの幅はわずかであるため、HCBT100及びCMOSトランジスタ200の特性に影響することはない。
【0047】
さらに、本実施形態では、金属膜として、Si基板1の全面に例えばコバルト(Co)膜がスパッタリングによって形成される。Co膜が形成されたSi基板1は、熱処理されてCo層と直接接触するシリコン層またはポリSi層上にコバルトシリサイド(CoSi)膜が形成される。すなわち、図28(a)のように、サリサイドプロセスによって、ExtrinsicBase層20上にコバルトシリサイド41が自己整合的に形成される。コバルトシリサイド41は、エミッタ電極35、コレクタ拡散層36のうちのサイドウォール40Aから露出している部分にも形成される。また、このサリサイドプロセスでは、図28(b)に示すように、CMOSトランジスタ200の不純物層34にコバルトシリサイド41が形成される。なお、コバルトシリサイド41は、ゲート電極13上にも形成されている。
【0048】
次に、基板1上の全面に層間絶縁膜として、Si窒化膜、PSG膜、プラズマTEOS膜等が積層される。積層された層間絶縁膜には、必要に応じてCMPによる平坦化処理が施される。続いて、フォトリソグラフィー技術およびエッチング技術を用いてコバルトシリサイド41上の層間絶縁膜が除去されて、コンタクトホール50が形成される。コンタクトホール50の形成後、Si基板1の全面に、例えばアルミニウム合金膜がスパッタリングで形成される。
【0049】
アルミニウム合金上に配線パターンのマスクを形成し、エッチングすることによって配線層51が形成される。その後、Si基板1にシンター処理が施されて半導体装置が完成する。以上説明した工程において、図5〜図8が本実施形態の素子分離領域を形成する工程に相当する。また、図11(a)、図12(a)が、HCBT100の活性領域を形成する工程を説明し、図14(b)がCMOSトランジスタ200のゲートをマスクにして少なくとも1回不純物を注入する工程を表している。
【0050】
図15(a)はExtrinsic Base領域を形成する工程を示し、図16(a)はN−hill層11を囲むシャロートレンチアイソレーション6の所定の部分を除去してN−hill層11の周囲にオープン領域21を形成する工程を示している。図18(a)は、オープン領域21の形成によって露出した前記活性領域の側面であって、かつExtrinsicBase層20と一部が重なる領域にイオン注入してIntrinsicBase層23を形成する工程を示している。
【0051】
さらに、図19(a)は、N−hill層11の表面に、N−hill層11を後の工程のエッチング時に保護する極薄酸化膜24を形成する工程を説明している。図20(a)、(b)は、不純物を含んだアモルファスSi膜を形成する工程を示していて、図21(a)がアモルファスシリコンエッチング工程を示している。図25(a)は、エミッタ拡散層領域、コレクタ拡散層領域を形成する工程を示している。以上説明したように、本実施形態では、HCBT100とCMOSトランジスタ200とを混載した半導体装置が実現できる。また、半導体製造装置のうち、HCBT100のベースの形成工程に先立ってCMOSトランジスタ200のイオン注入が少なくとも1回行われるため、CMOSトランジスタにおけるイオン注入後の熱処理によってHCBT100の特性が影響を受けることを緩和することができる。
【0052】
さらに、TMAH水溶液によるアモルファスSi膜30のエッチングバッグ工程に先立って、HCBT100のN−hill層11及びCMOS領域70上に極薄酸化膜24を形成しておくことができる。このため、N−hill層11及びCMOS領域70をエッチングバッグ工程におけるダメージから保護することができるため、図32に示した活性領域が削り取られるという不都合が生じない。また、IntrinsicBase層23の形成に先立って、ExtrinsicBase層20を形成しておくことができる。ExtrinsicBase層20の形成時にN−hill層11の側壁部分は露出していないため、ExtrinsicBase層20形成のためのイオン注入がIntrinsicBase層23に影響を及ぼすことを完全に防止することができる。
【0053】
(実験例)
本発明の発明者は、以上説明した本実施形態の半導体装置の製造方法で半導体装置を製造した。図29は、製造された半導体装置の特性を説明するための図であって、HCBT100の特性を示している。図29(a)は、コレクタ・エミッタ間の電圧Vceとコレクタ電極に流れるコレクタ電流Icとの関係を示すVc−Ic特性を示すグラフである。図29(b)は、遮断周波数fT、最大発振周波数fmaxとコレクタ電流Icとの関係を示すfT/fmax−Ic特性を示すグラフである。なお、図29(a)に示したVc−Ic特性は、ベース、エミッタ間の電圧Vbeを0Vに固定して測定したものである。測定の結果、本実施形態のHCBTは、耐圧4.7V、遮断周波数40GHz、最大周波数50GHzを実測値として得ることができることがわかった。
【0054】
また、ウェハ面内におけるコレクタ電流、ベース電流のばらつきを図29(c)に示す。図29(c)は、コレクタ電流、ベース電流のばらつきを、エミッタ電極31A、コレクタ電極31Bにアモルファスシリコンを用いた場合とポリシリコンを用いた場合とで比較して示している。図29(c)によれば、エミッタ電極31A、コレクタ電極31Bにアモルファスシリコンを用いることにより、ポリシリコンを用いた場合よりもコレクタ電流、ベース電流共にばらつきを低減することが分かる。このため、本実施形態は、トランジスタ特性を図29(a)(b)に示した特性のまま、各電流の均一性を向上させることができる。
【符号の説明】
【0055】
1 Si基板、
2,5,14,22,32,33,40 酸化膜
3 Si窒化膜
4 シャロートレンチ
6,6Aシャロートレンチアイソレーション
7 パッド酸化膜
10 ウェル層
11 N−hill層
12 ゲート酸化膜
13 ゲート電極
20 Extrinsic Base層
21 オープン領域
23 Intrinsic Base層
24 極薄酸化膜
30,31 アモルファスシリコン膜
31A エミッタ電極
31B コレクタ電極
32A サイドウォール
32B サイドウォール
34 不純物層
35 エミッタ拡散層
36 コレクタ拡散層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体基板上の活性領域と、
前記活性領域を囲む素子分離領域に開口されたオープン領域と、
前記オープン領域上に形成されるアモルファスシリコン膜と、を備えたラテラルバイポーラトランジスタを含む半導体装置であって、
前記アモルファスシリコン膜は、前記活性領域が、前記アモルファスシリコン膜から露出させる厚みを有することを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
前記ラテラルバイポーラトランジスタと共にCMOSトランジスタが混載され、
前記ラテラルバイポーラトランジスタは、
前記素子分離領域に前記オープン領域が開口されたことによって露出された前記活性領域周面の少なくとも一部を覆う保護膜を備え、
前記保護膜は、前記アモルファスシリコン膜が前記厚みまでエッチングされる際に前記活性領域がエッチングされることを防ぐ膜であることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
ラテラルバイポーラトランジスタを含む半導体装置の製造方法であって、
前記ラテラルバイポーラトランジスタの活性領域のベース領域を外部へ接続するためのExtrinsic Base領域を形成する工程と、
前記活性領域を囲む前記素子分離領域の所定の部分を除去して前記活性領域の周囲にオープン領域を形成する工程と、
前記オープン領域の形成によって露出した前記活性領域の側面であって、かつ前記Extrinsic Base領域と一部が重なる領域にイオン注入して前記ラテラルバイポーラトランジスタのIntrinsic Base領域を形成する工程と、
前記活性領域及び前記オープン領域を含む領域に不純物を含んだアモルファスシリコン膜を形成する工程と、
前記アモルファスシリコン膜を所定の厚さだけエッチングするアモルファスシリコンエッチング工程と、
前記アモルファスシリコンエッチング工程のエッチングにおいて残った前記不純物を含んだアモルファスシリコン膜から不純物を固層拡散させてエミッタ拡散層領域、コレクタ拡散層領域を形成する工程と、
を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項4】
前記ラテラルバイポーラトランジスタとCMOSトランジスタとが混載され、
前記Extrinsic Base領域を形成する工程は、前記CMOSトランジスタのゲート電極をマスクにして不純物を注入する少なくとも1回のイオン注入工程の後に行われることを特徴とする請求項3に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項5】
前記活性領域の表面に、前記活性領域を後工程のエッチング時に保護する保護膜を形成する保護膜形成工程をさらに含むことを特徴とする請求項3または4に記載の半導体装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【公開番号】特開2010−287846(P2010−287846A)
【公開日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−142416(P2009−142416)
【出願日】平成21年6月15日(2009.6.15)
【出願人】(303046277)旭化成エレクトロニクス株式会社 (840)
【Fターム(参考)】