説明

半導体装置及び半導体装置の製造方法

【課題】シリコン抵抗とメモリ回路とを混載した半導体装置において、メモリの情報の保持時間を長くして、かつ書込・読出時間を短くする。
【解決手段】容量素子400はメモリセルを構成しており、第1トランジスタ200は、ソース及びドレインとなる第1拡散層226が容量素子400に接続している。シリコン抵抗素子300はシリコン層からなる。第1拡散層226はシリサイド層を有していない。また第1ゲート電極230は、金属層232及びシリコン層234を積層した積層構造を有している。そして第1ゲート電極230は、素子分離膜50上に位置する領域の少なくとも一部にシリサイド層235を有しており、かつ第1拡散層226に挟まれた領域にはシリサイド層を有していない。そしてコンタクト513は、シリサイド層235を介して第1ゲート電極230に接続している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はゲート電極として金属層を使用し、かつシリコン抵抗素子を有する半導体装置及び半導体装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
メモリ素子に要求される性能としては、情報の保持時間が長いことが挙げられる。情報の保持時間を長くするためには、メモリ素子を構成する容量素子からのリーク電流量を少なくすればよい。またメモリセルに要求される他の特性としては、書込・読出時間が短いことが挙げられる。
【0003】
例えば特許文献1には、メモリセルの情報転送用のトランジスタのゲート電極を多結晶シリコン膜とタングステン膜の積層膜で構成すること、メモリセルの周辺回路を構成するトランジスタのゲート電極を多結晶シリコン膜とCoSi層の積層膜で構成すること、及び情報転送用のトランジスタのソース及びドレインにはCoSi層を形成しないことが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−118241号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年は、メモリ回路を、抵抗素子を有する他の回路と混載する場合が出てきている。抵抗が大きい抵抗素子を形成するためには、抵抗素子としてシリコン抵抗素子を用いる必要がある。メモリセルの書込・読出用のトランジスタのゲート電極を金属層で形成し、かつ抵抗素子としてシリコン抵抗素子を用いる場合、トランジスタのゲート電極は、金属層上にシリコン膜を積層した構造になる。このため、ゲート電極の金属層は、比較的高抵抗であるシリコン膜を介してコンタクトと接続することになってしまい、書込・読出時間を短くすることができない。
【0006】
これに対して、金属層上のシリコン膜をシリサイド化することも考えられる。しかし、シリコン膜をシリサイド化するためには、マスクずれ等を考慮すると、書込・読出用のトランジスタのソース及びドレインもシリサイド化する必要が出てくる。この場合、メモリ素子を構成する容量素子からのリーク電流量が増大してしまい、情報の保持時間が短くなってしまう。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によれば、メモリセルを構成する容量素子と、
ソース及びドレインとなる第1拡散層が前記容量素子に接続しており、第1ゲート電極を有する第1トランジスタと、
前記第1ゲート電極に接続するコンタクトと、
前記第1トランジスタを分離する素子分離膜と、
前記素子分離膜上に形成され、シリコン層からなる抵抗素子と、
を備え、
前記第1拡散層はシリサイド層を有しておらず、
前記第1ゲート電極は、
金属層及びシリコン層を積層した積層構造を有し、
一部が前記素子分離膜上に延伸しており、
前記素子分離膜上に位置する領域の少なくとも一部に第1シリサイド層を有しており、
かつ前記第1拡散層に挟まれた領域にはシリサイド層を有しておらず、
前記コンタクトは、前記第1シリサイド層を介して前記第1ゲート電極に接続している半導体装置が提供される。
【0008】
本発明によれば、第1ゲート電極は、金属層とシリコン層を積層した積層構造を有している。そして第1ゲート電極は、素子分離膜上に位置する領域の少なくとも一部に第1シリサイド層を有しており、この第1シリサイド層を介してコンタクトに接続している。このため、第1ゲート電極の金属層は第1シリサイド層を介してコンタクトと接続するため、メモリセルの書込・読出時間を短くすることができる。
【0009】
また第1ゲート電極は、第1拡散層に挟まれた領域にはシリサイド層を有していない。このため、第1トランジスタのソース及びドレインとなる第1拡散層にシリサイド層を形成しないようにすることができる。従って、容量素子からの電荷のリークが抑制され、情報の保持時間は長くなる。
【0010】
本発明によれば、基板に素子分離膜を形成し、第1トランジスタが形成される第1素子形成領域を分離する工程と、
前記第1素子形成領域及び前記素子分離膜上に、金属層及びシリコン膜を積層した積層構造を有する第1ゲート電極を形成すると共に、前記素子分離膜上に、前記シリコン膜からなる抵抗素子を形成する工程と、
前記第1素子形成領域に位置する前記基板に、前記第1トランジスタのソース及びドレインとなる第1拡散層を形成する工程と、
少なくとも前記第1拡散層、及び前記第1素子形成領域に位置する前記第1ゲート電極上にシリサイド化阻害膜を形成し、かつ前記第1ゲート電極のコンタクト領域上に前記シリサイド化阻害膜を形成しない工程と、
前記第1ゲート電極上及び前記シリサイド化阻害膜上に金属層を形成し、その後熱処理することにより、前記第1ゲート電極の前記コンタクト領域に第1シリサイド層を形成する工程と、
シリサイド化していない前記金属層を除去する工程と、
前記第1拡散層に接続し、メモリセルを構成する容量素子を形成する工程と、
を備える半導体装置の製造方法が提供される。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、シリコン抵抗とメモリ回路とを混載した半導体装置において、メモリの情報の保持時間を長くして、かつ書込・読出時間を短くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】第1の実施形態に係る半導体装置の構成を示す断面図である。
【図2】各図は第1の実施形態に係る半導体装置の構成を示す断面図である。
【図3】図1及び図2に示した半導体装置の平面図である。
【図4】各図は図1〜図3に示した半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【図5】各図は図1〜図3に示した半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【図6】各図は図1〜図3に示した半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【図7】第2の実施形態に係る半導体装置の構成を示す断面図である。
【図8】第3の実施形態に係る半導体装置のメモリ回路のメモリセルの構成を示す平面図である。
【図9】図8のD−D´断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。尚、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
【0014】
(第1の実施形態)
図1及び図2の各図は、第1の実施形態に係る半導体装置の構成を示す断面図であり、図3は図1及び図2に示した半導体装置の構成を示す平面図である。図1は、図3のA−A´断面の概略を示しており、図2(a)は図3のB−B´断面の概略を示しており、図2(b)は図3のC−C´断面の概略を示している。なお図2及び図3については、1層目の絶縁膜510を除いて多層配線層を省略している。この半導体装置は、容量素子400、第1トランジスタ200、コンタクト513(図2(a)及び図3に図示)、素子分離膜50、及びシリコン抵抗素子300を備えている。容量素子400はメモリセルを構成しており、第1トランジスタ200は、ソース及びドレインとなる第1拡散層226が容量素子400に接続している。コンタクト513は、第1トランジスタ200の第1ゲート電極230に接続している。素子分離膜50は、第1トランジスタが形成されている第1素子形成領域40を他の領域から分離している。シリコン抵抗素子300は素子分離膜50上に形成されており、シリコン層からなる。第1拡散層226はシリサイド層を有していない。また第1ゲート電極230は、金属層232及びシリコン層234を積層した積層構造を有しており、一部が素子分離膜50上に延伸している(図2(a)に図示)。そして第1ゲート電極230は、素子分離膜50上に位置する領域の少なくとも一部にシリサイド層235(第1シリサイド層:図2(a)及び図3に図示)を有しており、かつ第1拡散層226に挟まれた領域にはシリサイド層を有していない。そしてコンタクト513は、シリサイド層235を介して第1ゲート電極230に接続している。以下、詳細に説明する。
【0015】
この半導体装置はロジック回路12、アナログ回路16、及びメモリ回路14を混載したものであり、シリコン基板などの基板10を用いて形成されている。基板10には素子分離膜50が形成されている。素子分離膜50は、STI(Shallow Trench Isolation)構造を有しており、基板10に埋め込まれている。そして基板10上には多層配線層が形成されている。多層配線層は、絶縁層510,520,530,540をこの順に積層した積層構造を有している。なお絶縁層510の下には、エッチングストッパー膜500が形成されている。エッチングストッパー膜500は、絶縁層510にコンタクトホールを形成するときのエッチングストッパーであり、窒化シリコン膜、又は酸化シリコン膜と窒化シリコン膜の積層膜である。
【0016】
ロジック回路12は第2素子形成領域20に第2トランジスタ100を有している。第2トランジスタ100のゲート絶縁膜122は、酸化シリコン膜より誘電率が高い高誘電率膜、例えばハフニウムシリケートにより形成されている。第2トランジスタ100の第2ゲート電極130は、第1ゲート電極230と同様に、金属層132及びシリコン層134を積層した積層構造を有している。また第2トランジスタ100は高速に動作することが要求されるため、シリコン層134は表層にシリサイド層136を有しており、かつソース及びドレインとなる第2拡散層126は表層にシリサイド層127(第2シリサイド層)を有している。平面視においてシリサイド層136は、第2ゲート電極130の全面に形成されている。なおシリコン層134は、厚さ方向において全てがシリサイド層136になっていてもよい。
【0017】
メモリ回路14は、図3に示すように、複数のメモリセル202及び周辺回路204を有している。周辺回路204はトランジスタを有しているが、このトランジスタの構造は、第2トランジスタ100の構造と同様である。
【0018】
メモリセル202は、図1に示すように、第1トランジスタ200及び容量素子400を有している。容量素子400は、絶縁層540に形成されており、下部電極410、誘電体層420、及び上部電極430をこの順に積層した積層構造を有している。本図に示す例において容量素子400はシリンダ構造を有しており、下部電極410及び誘電体層420が、絶縁層540に形成されたシリンダ状の凹部の底面及び側面に沿って形成されている。ただし容量素子400はシリンダ構造に限定されない。
【0019】
第1トランジスタ200は、ソース及びドレインの一方がコンタクト512及びビア522を介してビット線532に接続しており、他方がコンタクト514及びビア524を介して容量素子400の下部電極410に接続している。第1トランジスタ200のソース及びドレインとなる第1拡散層226には、シリサイド層が形成されていない。
【0020】
第1トランジスタ200のゲート絶縁膜222は、第2トランジスタ100のゲート絶縁膜122と同一の材料により形成されている。また上記したように、第1トランジスタ200の第1ゲート電極230は、金属層232及びシリコン層234を積層した積層構造を有している。第1ゲート電極230は、素子分離膜50上に端部が位置しているが、この端部がコンタクト513に接続するコンタクト領域になっている。コンタクト領域に位置するシリコン層234の表層には、シリサイド層235が形成されている。シリサイド層235は、シリコン層234のうち第1拡散層226に挟まれた領域には形成されていない。コンタクト領域は、第1ゲート電極230の両端に形成されている。なお、コンタクト領域に設けられたシリコン層234は、厚さ方向において全てがシリサイド層235になっていてもよい。
【0021】
アナログ回路16はシリコン抵抗素子300を有している。シリコン抵抗素子300は素子分離膜50上に形成されている。シリコン抵抗素子300と素子分離膜50の間には、ゲート絶縁膜122,222と同一の絶縁膜303が形成されている。シリコン抵抗素子300は、図2(b)及び図3に示すように両端にコンタクト領域を有しており、このコンタクト領域にのみシリサイド層302を有している。そしてシリコン抵抗素子300は、シリサイド層302を介してコンタクト515に接続している。
【0022】
またメモリ回路14が形成されている領域及びアナログ回路16が形成されている領域には、シリサイド化阻害膜64が設けられている。シリサイド化阻害膜64は、シリコン層のうちシリサイド層を形成したくない領域を覆っている。具体的には、シリサイド化阻害膜64は、メモリ回路14においては第1トランジスタ200が形成されている領域を、コンタクト領域を除いて覆っている。すなわちシリサイド化阻害膜64は、第1拡散層226上、及び第1ゲート電極230のうち第1拡散層226に挟まれた領域上に形成されている。またシリサイド化阻害膜64はシリコン抵抗素子300を、コンタクト領域を除いて覆っている。シリサイド化阻害膜64は、例えば酸化シリコン膜、窒化シリコン膜、又は酸化シリコン膜と窒化シリコン膜の積層膜である。
【0023】
なおシリサイド層127,136,235,302は、例えばNiSi層又はCoSi層である。金属層132,232は、例えばTiN層又はW層である。シリコン層134,234、及びシリコン抵抗素子300は、例えばポリシリコンである。また第1ゲート電極230及び第2ゲート電極130の幅は、例えば100nm以下である。
【0024】
図4〜図6の各図は、図1〜図3に示した半導体装置の製造方法を示す断面図である。これら断面図は、図3のA−A´断面の概略に相当している。この半導体装置の製造方法は、以下の工程を有する。まず基板10に素子分離膜50を形成し、第1トランジスタ200が形成される第1素子形成領域40を分離する。ついで、第1素子形成領域40及び素子分離膜50上に、第1ゲート電極230を形成すると共に、素子分離膜上に、シリコン抵抗素子300を形成する。次いで、第1素子形成領域40に位置する基板10に第1拡散層226を形成する。次いで、シリサイド化阻害膜64を選択的に形成する。次いで、第1ゲート電極230上及びシリサイド化阻害膜64上に金属層を形成し、その後熱処理することにより、第1ゲート電極230のコンタクト領域にシリサイド層235を形成する。その後、シリサイド化していない金属層を除去する。次いで、容量素子400を形成する。以下、詳細に説明する。
【0025】
まず図4(a)に示すように、基板10に溝を形成し、この溝に素子分離膜50を埋め込む。これにより、第1トランジスタ200が形成される第1素子形成領域40、及び第2トランジスタ100が形成される第2素子形成領域20が分離される。次いで、基板10上及び素子分離膜50上に、ゲート絶縁膜122,222となる絶縁膜61を形成する。次いで、絶縁膜61上に、金属層132,232となる金属膜62を形成する。次いで、金属膜62上にマスクパターン(図示せず)を形成し、このマスクパターンをマスクとしたエッチングを行うことにより、アナログ回路16が形成される領域に位置する金属膜62を除去する。その後、マスクパターンを除去する。
【0026】
次いで図4(b)に示すように、アナログ回路16が形成される領域に、シリコン膜63を形成する。このとき、金属膜62上にもシリコン膜63が形成される。
【0027】
次いで図5(a)に示すように、シリコン膜63上にレジストパターン(図示せず)を形成し、このレジストパターンをマスクとしてシリコン膜63及び金属膜62をエッチングする。これにより、シリコン膜63及び金属膜62は選択的に除去され、金属層232及びシリコン層234からなる第1ゲート電極230、金属層132及びシリコン層134からなる第2ゲート電極130、並びにシリコン抵抗素子300が形成される。その後、レジストパターンを除去する。
【0028】
その後、図5(b)に示すように、ロジック回路12が形成される領域をマスク膜(図示せず)で覆う。次いで、このマスク膜、第1ゲート電極230、及び素子分離膜50をマスクとして基板10に不純物を注入する。これにより、第1トランジスタ200のエクステンション領域223が形成される。その後、マスク膜を除去し、別のマスク膜を形成する。このマスク膜は、メモリ回路14が形成される領域を覆っている。次いで、このマスク膜、第2ゲート電極130、及び素子分離膜50をマスクとして基板10に不純物を注入する。これにより、第2トランジスタ100のエクステンション領域123が形成される。その後、マスク膜を除去する。なおエクステンション領域123,223の形成順序は逆でも良い。
【0029】
次いで、第1ゲート電極230上及び第2ゲート電極130上を含む全面に絶縁膜を形成し、この絶縁膜をエッチバックする。これにより、第1ゲート電極230の側壁にはサイドウォール231が形成され、第2ゲート電極130の側壁にはサイドウォール131が形成される。またこの工程において、シリコン抵抗素子300の側壁にもサイドウォール301が形成される。
【0030】
次いで、ロジック回路12が形成される領域をマスク膜(図示せず)で覆う。次いで、このマスク膜、第1ゲート電極230、サイドウォール231、及び素子分離膜50をマスクとして基板10に不純物を注入する。これにより、第1拡散層226が形成される。その後、マスク膜を除去し、別のマスク膜を形成する。このマスク膜は、メモリ回路14が形成される領域を覆っている。次いで、このマスク膜、第2ゲート電極130、サイドウォール131、及び素子分離膜50をマスクとして基板10に不純物を注入する。これにより、第2拡散層126が形成される。その後、マスク膜を除去する。なお第1拡散層226及び第2拡散層126の形成順序は逆でも良い。
【0031】
次いで図6(a)に示すように、シリコン抵抗素子300上、シリコン層134上、及び第1拡散層226上を含む全面上にシリサイド化阻害膜64を形成する。その後、シリサイド化阻害膜64上にレジストパターン(図示せず)を形成し、このレジストパターンをマスクとしてシリサイド化阻害膜64をエッチングする。これにより、シリサイド化阻害膜64は、シリサイド層が形成されるべき領域から除去される。具体的には、シリサイド化阻害膜64は、第1ゲート電極230のコンタクト領域、シリコン抵抗素子300のコンタクト領域、及びロジック回路12が形成される領域から除去される。
【0032】
次いで図6(b)に示すように、シリサイド層を形成するための金属層を、シリサイド化阻害膜64上、第1ゲート電極230のコンタクト領域上、シリコン抵抗素子300のコンタクト領域上、及びロジック回路12が形成される領域の上に形成する。次いで金属層を熱処理し、シリサイド層127,136,235(図2及び図3に図示),302(図2及び図3に図示)を形成する。その後、シリサイド化していない金属層を除去する。
【0033】
次いで、エッチングストッパー膜500、絶縁層510,520,530,540、容量素子400、並びに各コンタクト及びビアを形成する、これにより、図1〜図3に示した半導体装置が形成される。
【0034】
次に、本実施形態の作用及び効果について説明する。本実施形態によれば、第1ゲート電極230は、金属層232とシリコン層234を積層した積層構造を有している。そして第1ゲート電極230は、コンタクト領域にシリサイド層235を有しており、シリサイド層235を介してコンタクト513に接続している。このため、第1ゲート電極230の金属層232はシリサイド層235を介してコンタクト513と接続するため、メモリセルの書込・読出時間を短くすることができる。
【0035】
また第1ゲート電極230は、第1トランジスタ200のソース及びドレインとなる第1拡散層226に挟まれた領域にはシリサイド層を有していない。このため、第1拡散層226にシリサイド層を形成しないようにすることができる。従って、容量素子400からの電荷のリークが抑制され、情報の保持時間が長くなる。
【0036】
また、ロジック回路12の第2トランジスタ100にはシリサイド層127,136を形成しているため、ロジック回路12の動作は速くなる。またメモリ回路の周辺回路204を形成するトランジスタは第2トランジスタと同様の構造を有しているため、周辺回路204の動作も速くなる。
【0037】
(第2の実施形態)
図7は、第2の実施形態に係る半導体装置の構成を示す断面図であり、第1の実施形態における図1に相当している。本実施形態に係る半導体装置は、シリサイド化阻害膜64を有していない点を除いて、第1の実施形態に係る半導体装置と同様の構成である。本実施形態に係る半導体装置の製造方法は、シリサイド層127,136,235,302を形成した後、エッチングストッパー膜500を形成する前に、シリサイド化阻害膜64が除去される工程を有する点を除いて、第1の実施形態に係る半導体装置と同様の構成である。
本実施形態によっても、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0038】
(第3の実施形態)
図8は、第3の実施形態に係る半導体装置のメモリ回路14のメモリセル202の構成を示す平面図である。図9は、図8のD−D´断面図である。なお説明の都合上、図9においてメモリセル202の図示を省略している。本実施形態に係る半導体装置は、コンタクト領域及びコンタクト513が、第1ゲート電極230の両端以外の領域にも形成されている点を除いて、第1の実施形態に係る半導体装置と同様の構成である。そして第1ゲート電極230の両端以外の領域に位置するコンタクト領域にも、シリサイド層235が形成されている。
【0039】
詳細には、絶縁層540の表層には、配線550が形成されている。配線550は金属配線であり、平面視で第1ゲート電極230と重なるように第1ゲート電極230と平行に延伸している。第1ゲート電極230および配線550は、一つが複数のメモリセル202に共通となっている。そして複数のコンタクト513は、それぞれ、下部がシリサイド層235を介して第1ゲート電極230に接続しており、上部がビア526に接続している。ビア526は、絶縁層520,530に埋め込まれており、絶縁層540に埋め込まれたビア542を介して配線550に接続している。
【0040】
本実施形態によっても、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。またコンタクト領域及びコンタクト513を、第1ゲート電極230の両端以外の領域にも形成しているため、第1ゲート電極230が長い場合においても、第1ゲート電極230の全体に必要な電圧を速く印加することができる。従って、メモリセルの書込・読出時間を短くすることができる。
【0041】
以上、図面を参照して本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
【符号の説明】
【0042】
10 基板
12 ロジック回路
14 メモリ回路
16 アナログ回路
20 第2素子形成領域
40 第1素子形成領域
50 素子分離膜
61 絶縁膜
62 金属膜
63 シリコン膜
64 シリサイド化阻害膜
100 第2トランジスタ
122 ゲート絶縁膜
123 エクステンション領域
126 第2拡散層
127 シリサイド層
130 第2ゲート電極
131 サイドウォール
132 金属層
134 シリコン層
136 シリサイド層
200 第1トランジスタ
202 メモリセル
204 周辺回路
220 第1トランジスタ
222 ゲート絶縁膜
223 エクステンション領域
226 第1拡散層
230 第1ゲート電極
231 サイドウォール
232 金属層
234 シリコン層
235 シリサイド層
300 シリコン抵抗素子
301 サイドウォール
302 シリサイド層
303 絶縁膜
400 容量素子
410 下部電極
420 誘電体層
430 上部電極
500 エッチングストッパー膜
510 絶縁層
512 コンタクト
513 コンタクト
514 コンタクト
515 コンタクト
520 絶縁層
522 ビア
524 ビア
526 ビア
530 絶縁層
532 ビット線
540 絶縁層
542 ビア
550 配線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
メモリセルを構成する容量素子と、
ソース及びドレインとなる第1拡散層が前記容量素子に接続しており、第1ゲート電極を有する第1トランジスタと、
前記第1ゲート電極に接続するコンタクトと、
前記第1トランジスタを分離する素子分離膜と、
前記素子分離膜上に形成され、シリコン層からなる抵抗素子と、
を備え、
前記第1拡散層はシリサイド層を有しておらず、
前記第1ゲート電極は、
金属層及びシリコン層を積層した積層構造を有し、
一部が前記素子分離膜上に延伸しており、
前記素子分離膜上に位置する領域の少なくとも一部に第1シリサイド層を有しており、
かつ前記第1拡散層に挟まれた領域にはシリサイド層を有しておらず、
前記コンタクトは、前記第1シリサイド層を介して前記第1ゲート電極に接続している半導体装置。
【請求項2】
請求項1に記載の半導体装置において、
ロジック回路を構成し、第2ゲート電極を有する第2トランジスタを備え、
前記第2ゲート電極は前記積層構造を有している半導体装置。
【請求項3】
請求項2に記載の半導体装置において、
前記第2トランジスタは、ソース及びドレインとなる第2拡散層を有しており、
前記第2拡散層は第2シリサイド層を備える半導体装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載の半導体装置において、
前記第1拡散層上、及び前記第1ゲート電極のうち前記第1拡散層に挟まれた領域上に形成されたシリサイド化阻害膜を備える半導体装置。
【請求項5】
請求項4に記載の半導体装置において、
前記シリサイド化阻害膜は酸化シリコン膜、窒化シリコン膜、又は酸化シリコン膜と窒化シリコン膜の積層膜である半導体装置。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか一項に記載の半導体装置において、
前記コンタクト及び前記第1シリサイド層は複数設けられており、
前記複数のコンタクト上に形成され、前記複数のコンタクトを介して前記第1ゲート電極に接続する配線を備える半導体装置。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか一項に記載の半導体装置において、
前記第1ゲート電極の幅は100nm以下である半導体装置。
【請求項8】
基板に素子分離膜を形成し、第1トランジスタが形成される第1素子形成領域を分離する工程と、
前記第1素子形成領域及び前記素子分離膜上に、金属層及びシリコン膜を積層した積層構造を有する第1ゲート電極を形成すると共に、前記素子分離膜上に、前記シリコン膜からなる抵抗素子を形成する工程と、
前記第1素子形成領域に位置する前記基板に、前記第1トランジスタのソース及びドレインとなる第1拡散層を形成する工程と、
少なくとも前記第1拡散層、及び前記第1素子形成領域に位置する前記第1ゲート電極上にシリサイド化阻害膜を形成し、かつ前記第1ゲート電極のコンタクト領域上に前記シリサイド化阻害膜を形成しない工程と、
前記第1ゲート電極上及び前記シリサイド化阻害膜上に金属層を形成し、その後熱処理することにより、前記第1ゲート電極の前記コンタクト領域に第1シリサイド層を形成する工程と、
シリサイド化していない前記金属層を除去する工程と、
前記第1拡散層に接続し、メモリセルを構成する容量素子を形成する工程と、
を備える半導体装置の製造方法。
【請求項9】
請求項8に記載の半導体装置の製造方法において、
前記素子分離膜を形成する工程において、ロジック回路を構成する第2トランジスタが形成される第2素子形成領域を分離し、
前記第1ゲート電極及び前記抵抗素子を形成する工程において、前記積層構造を有する前記第2トランジスタの第2ゲート電極を形成し、
前記第1拡散層を形成する工程において、前記第2トランジスタのソース及びドレインとなる第2拡散層を形成し、
前記シリサイド化阻害膜を形成する工程において、前記第2拡散層上に前記シリサイド化阻害膜を形成せず、
前記第1シリサイド層を形成する工程において、前記第2拡散層に第2シリサイド層を形成する半導体装置の製造方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−228374(P2011−228374A)
【公開日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−94618(P2010−94618)
【出願日】平成22年4月16日(2010.4.16)
【出願人】(302062931)ルネサスエレクトロニクス株式会社 (8,021)
【Fターム(参考)】