説明

基板の処理方法及び基板の処理装置

【課題】 ウェハ上に塗布された塗布膜を十分に平坦化して乾燥する。
【解決手段】 平坦化装置71の処理容器120内に,ヒータ122が内蔵された保持台121が設けられる。保持台121の上方には,下面が平坦に形成された押圧板130が配置される。押圧板130は,昇降駆動部132により昇降可能であり,保持台121上に下降して,ウェハWのレジスト膜を押圧できる。レジスト液が塗布されたウェハWを保持台121上に載置する。保持台121上のウェハWをヒータ122により所定の温度で加熱して,レジスト膜を乾燥させる。その乾燥中に,押圧板130によりレジスト膜の上面を断続的に押圧して平坦化する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は,塗布膜が形成された基板の処理方法とその処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えばフォトリソグラフィー技術を用いた半導体装置の製造プロセスでは,絶縁膜を形成する処理や,レジスト膜を形成する処理が行われる。これらの処理は,一般的に液状の膜材料からなる塗布液を基板上に塗布し,その後,塗布膜中の溶剤を揮発させて乾燥させることにより行われる。
【0003】
複雑な多層配線構造を有する半導体装置の製造工程では,パターンが形成された凹凸のある下地膜上に塗布液が塗布される。この場合,例えば図10に示すように基板W上の溝のある部分に,塗布液が流れ込むので,その溝のある部分の膜厚が薄くなり,塗布膜Rの上面に凹凸ができる。また,例えばSOG膜やSOD膜のように,基板を回転させながら塗布液を塗布する場合には,遠心力の強い基板周縁付近の膜が中央部付近に比べて盛り上がる。塗布膜Rが乾燥される際には,溶剤の揮発により塗布膜Rが収縮するが,溝のある部分と溝のない部分でその収縮率が異なるため,これによっても塗布膜Rの上面に凹凸が形成される。
【0004】
このように塗布膜の上面に凹凸が形成されると,例えば露光時のフォーカスが部分的に合わず,塗布膜に形成されるパターンの線幅にばらつきが生じる。また,エッチング時には,塗布膜の上面の盛り上がった部分と凹んだ部分で,エッチングにより形成される溝の深さが異なるため,例えば溝に埋設される金属配線の長さが不揃いになり,電気抵抗が不均一になって,適正な半導体装置が製造されない。
【0005】
塗布膜の平坦化を図るため,例えば絶縁膜の場合には,CMP(Chemical Mechanical Polishing)技術により,膜形成後に塗布膜の表面を研磨する処理が行われている。しかしながら,この場合には,CMP処理のための多大な時間を要し,スループットが低下する。また,CMP装置も必要になり,その分コストも高くなる。
【0006】
上述のCMP技術以外にも,塗布膜をローラによって平坦化する平坦化技術(例えば,特許文献1参照。)や,塗布膜上に薄いフィルムを敷設して加圧する平坦化技術(例えば,特許文献2参照。)などの他の平坦化方法も提案されているが,いずれも十分な平坦性を得るまでには至っていない。
【0007】
【特許文献1】特開2000−31138号公報
【特許文献2】特開平9−27495号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は,かかる点に鑑みてなされたものであり,基板上に塗布された塗布膜を十分に平坦化することをその目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するための本発明は,塗布液の塗布により塗布膜が形成された基板を処理する方法であって,基板上の塗布膜中の溶剤を揮発させて,塗布膜を乾燥させる乾燥工程と,前記乾燥工程中に,下面が平坦な押圧部材により,塗布膜の上面を断続的に押圧する押圧工程と,を有することを特徴とする。
【0010】
本発明によれば,塗布膜の乾燥工程中に,押圧部材により塗布膜の上面を断続的に押圧するので,塗布膜が乾燥する前に複数回にわたり塗布膜の上面を十分に平坦化できる。また,乾燥中に断続的に押圧されるので,乾燥中に塗布膜の収縮によりできる凹凸もその段差が小さい段階で均すことができる。この結果,従来よりも平坦性の高い塗布膜を形成できる。
【0011】
別の観点による本発明は,塗布液の塗布により塗布膜が形成された基板を処理する方法であって,基板上の塗布膜中の溶剤を揮発させて,塗布膜を乾燥させる乾燥工程と,前記乾燥工程中に,押圧部材により,塗布膜の上面を断続的に押圧する押圧工程と,を有し,前記押圧工程は,下側に突出した頂部を下面に有する押圧部材により,塗布膜の上面を押圧し,その後,下面が平坦な押圧部材により,塗布膜の上面を押圧することを特徴とする。
【0012】
前記押圧工程では,前記頂部の高さが異なる複数の押圧部材が用いられ,頂部がより高い押圧部材から順に塗布膜の上面を押圧し,最後に下面が平坦な押圧部材により塗布膜の上面を押圧してもよい。
【0013】
前記塗布膜の乾燥度合が60%〜80%のときに,前記押圧工程を行ってもよい。
【0014】
前記乾燥工程では,基板を加熱してもよい。この基板の加熱では,加熱温度を段階的に上げてもよい。また,加熱温度は,基板上の塗布膜が押圧されているときに上げてもよい。
【0015】
前記基板の加熱中に,基板の周辺雰囲気に塗布膜の溶剤蒸気を供給してもよい。また,基板の周辺雰囲気を排気してもよい。
【0016】
前記乾燥工程では,基板の周辺を減圧してもよい。この基板の周辺の減圧では,減圧度を段階的に上げてもよい。減圧度は,基板上の塗布膜が押圧されているときに上げてもよい。
【0017】
別の観点による本発明は,塗布液の塗布により塗布膜が形成された基板の処理装置であって,処理容器内で基板を保持する保持部材と,前記保持部材に保持された基板を加熱する加熱部材と,下面が平坦に形成され,基板上の塗布膜を上方から押圧する押圧部材と,前記加熱部材により加熱されている基板の塗布膜の上面を前記押圧部材により断続的に押圧するように,前記加熱部材と押圧部材の動作を制御する制御部と,を有することを特徴とする。
【0018】
また,別の観点による本発明は,塗布液の塗布により塗布膜が形成された基板の処理装置であって,処理容器内で基板を保持する保持部材と,前記保持部材に保持された基板を加熱する加熱部材と,前記基板上の塗布膜を上方から押圧する複数の押圧部材と,前記加熱部材により加熱されている基板の塗布膜の上面を前記押圧部材により断続的に押圧するように,前記加熱部材と押圧部材の動作を制御する制御部と,を有し,前記複数の押圧部材は,下側に突出した頂部を下面に有する押圧部材と,下面が平坦な押圧部材からなり,前記制御部の制御により,前記頂部を有する押圧部材により基板の塗布膜の上面を押圧した後,前記下面が平坦な押圧部材により前記塗布膜の上面を押圧することを特徴とする。
【0019】
前記基板の処理装置は,前記処理容器内の雰囲気を排気する排気部を有していてもよく,また,前記処理容器内を減圧する減圧装置を有していてもよい。
【0020】
別の観点による本発明は,塗布液の塗布により塗布膜が形成された基板の処理装置であって,処理容器内で基板を保持する保持部材と,処理容器内を減圧する減圧装置と,下面が平坦に形成され,前記保持部材に保持された基板の塗布膜を上方から押圧する押圧部材と,前記減圧装置により処理容器内を減圧しながら,基板の塗布膜の上面を前記押圧部材により断続的に押圧するように,前記減圧装置と押圧部材の動作を制御する制御部と,を有することを特徴とする。
【0021】
また,別の観点による本発明は,塗布液の塗布により塗布膜が形成された基板の処理装置であって,処理容器内で基板を保持する保持部材と,処理容器内を減圧する減圧装置と,前記保持部材に保持された基板の塗布膜を上方から押圧する複数の押圧部材と,前記減圧装置により処理容器内を減圧しながら,基板の塗布膜の上面を前記押圧部材により断続的に押圧するように,前記減圧装置と押圧部材の動作を制御する制御部と,を有し,前記複数の押圧部材は,下側に突出した頂部を下面に有する押圧部材と,下面が平坦な押圧部材からなり,前記制御部の制御により,前記頂部を有する押圧部材により基板の塗布膜の上面を押圧した後,前記下面が平坦な押圧部材により前記塗布膜の上面を押圧することを特徴とする。
【0022】
前記基板の処理装置は,前記頂部の高さが異なる押圧部材を複数備え,前記制御部の制御により,頂部がより高い押圧部材から順に塗布膜の上面を押圧し,最後に下面が平坦な押圧部材により塗布膜の上面を押圧するようにしてもよい。
【0023】
前記基板の処理装置は,前記処理容器内に前記塗布膜の溶剤蒸気を供給する溶剤蒸気供給部を有していてもよい。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば,塗布膜が十分に平坦化されるので,基板面内において露光処理やエッチング処理が均一に行われ,適正な基板製品が製造される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下,本発明の好ましい実施の形態について説明する。図1は,本実施の形態にかかる基板の処理装置としての平坦化装置が備えられた塗布現像処理システム1の構成の概略を示す平面図であり,図2は,塗布現像処理システム1の正面図であり,図3は,塗布現像処理システム1の背面図である。
【0026】
塗布現像処理システム1は,図1に示すように例えば25枚のウェハWをカセット単位で外部から塗布現像処理システム1に対して搬入出したり,カセットCに対してウェハWを搬入出したりするカセットステーション2と,フォトリソグラフィー工程の中で枚葉式に所定の処理を施す複数の各種処理装置を多段に配置している処理ステーション3と,この処理ステーション3に隣接して設けられている図示しない露光装置との間でウェハWの受け渡しをするインターフェイス部4とを一体に接続した構成を有している。
【0027】
カセットステーション2には,カセット載置台5が設けられ,当該カセット載置台5は,複数のカセットCをX方向(図1中の上下方向)に一列に載置自在になっている。カセットステーション2には,搬送路6上をX方向に向かって移動可能なウェハ搬送体7が設けられている。ウェハ搬送体7は,カセットCに収容されたウェハWのウェハ配列方向(Z方向;鉛直方向)にも移動自在であり,X方向に配列された各カセットC内のウェハWに対して選択的にアクセスできる。
【0028】
ウェハ搬送体7は,Z軸周りのθ方向に回転可能であり,後述する処理ステーション3側の第3の処理装置群G3に属する温調装置60やトランジション装置61に対してもアクセスできる。
【0029】
カセットステーション2に隣接する処理ステーション3は,複数の処理装置が多段に配置された,例えば5つの処理装置群G1〜G5を備えている。処理ステーション3のX方向負方向(図1中の下方向)側には,カセットステーション2側から第1の処理装置群G1,第2の処理装置群G2が順に配置されている。処理ステーション3のX方向正方向(図1中の上方向)側には,カセットステーション2側から第3の処理装置群G3,第4の処理装置群G4及び第5の処理装置群G5が順に配置されている。第3の処理装置群G3と第4の処理装置群G4の間には,第1の搬送装置10が設けられている。第1の搬送装置10は,第1の処理装置群G1,第3の処理装置群G3及び第4の処理装置群G4内の各処理装置に選択的にアクセスしてウェハWを搬送できる。第4の処理装置群G4と第5の処理装置群G5の間には,第2の搬送装置11が設けられている。第2の搬送装置11は,第2の処理装置群G2,第4の処理装置群G4及び第5の処理装置群G5内の各処理装置に選択的にアクセスしてウェハWを搬送できる。
【0030】
図2に示すように第1の処理装置群G1には,ウェハWに所定の液体を供給して処理を行う液処理装置,例えばウェハWにレジスト液を塗布するレジスト塗布装置20,21,22,露光処理時の光の反射を防止する反射防止膜を形成するボトムコーティング装置23,24が下から順に5段に重ねられている。第2の処理装置群G2には,液処理装置,例えばウェハWに現像液を供給して現像処理する現像処理装置30〜34が下から順に5段に重ねられている。また,第1の処理装置群G1及び第2の処理装置群G2の最下段には,各処理装置群G1,G2内の液処理装置に各種処理液を供給するためのケミカル室40,41がそれぞれ設けられている。
【0031】
例えば図3に示すように第3の処理装置群G3には,温調装置60,ウェハWの受け渡しを行うためのトランジション装置61,精度の高い温度管理下でウェハWを温度調節する高精度温調装置62〜64及びウェハWを高温で加熱処理する高温度熱処理装置65〜68が下から順に9段に重ねられている。
【0032】
第4の処理装置群G4では,例えば高精度温調装置70,本実施の形態にかかる平坦化装置71,72及び現像処理後のウェハWを加熱処理するポストベーキング装置73〜77が下から順に8段に重ねられている。なお,平坦化装置71,72の構成については後述する。
【0033】
第5の処理装置群G5では,ウェハWを熱処理する複数の熱処理装置,例えば高精度温調装置80〜83,露光後のウェハWを加熱処理する複数のポストエクスポージャーベーキング装置84〜89が下から順に10段に重ねられている。
【0034】
図1に示すように第1の搬送装置10のX方向正方向側には,複数の処理装置が配置されており,例えば図3に示すようにウェハWを疎水化処理するためのアドヒージョン装置90,91,ウェハWを加熱する加熱装置92,93が下から順に4段に重ねられている。図1に示すように第2の搬送装置11のX方向正方向側には,例えばウェハWのエッジ部のみを選択的に露光する周辺露光装置94が配置されている。
【0035】
インターフェイス部4には,例えば図1に示すようにX方向に向けて延伸する搬送路100上を移動するウェハ搬送体101と,バッファカセット102が設けられている。ウェハ搬送体101は,Z方向に移動可能でかつθ方向にも回転可能であり,インターフェイス部4に隣接した図示しない露光装置と,バッファカセット102及び第5の処理装置群G5に対してアクセスしてウェハWを搬送できる。
【0036】
次に,平坦化装置71の構成について説明する。図4は,平坦化装置71の構成の概略を示す縦断面の説明図である。
【0037】
平坦化装置71は,内部を密閉可能な処理容器120を有している。処理容器120内の中央部には,例えばウェハWを載置して保持する保持部材としての保持台121が設けられている。保持台121は,例えば略円盤形状に形成されている。保持台121の上面には,図示しない吸引口が開口しており,この吸引口からの吸引によりウェハWを吸着保持できる。保持台121の内部には,例えば加熱部材としてのヒータ122が内蔵されている。ヒータ122は,電源123からの給電により発熱し,保持台121上のウェハWを加熱できる。
【0038】
保持台121の上方には,保持台121に対向するように押圧部材としての押圧板130が設けられている。押圧板130は,例えば少なくともウェハWよりも大きい円盤形状に形成され,下面130aが平坦に形成されている。押圧板130の材質には,例えばガラス又はニッケルが用いられている。押圧板130の下面130aには,例えばレジスト膜との接着を防止するための表面処理が施されている。なお,表面処理に代えて,下面130aに剥離剤が塗布されていてもよい。
【0039】
押圧板130は,その上面側が支持体131に支持されている。支持体131は,例えば処理容器120の天井面に取り付けられたシリンダなどの昇降駆動部132により昇降できる。これにより,押圧板130は,保持台121上のウェハW表面まで下降し,ウェハW上のレジスト膜の上面を押圧できる。
【0040】
処理容器120の一方の側壁面には,レジスト液の溶剤蒸気を供給する給気口140が形成されている。例えば給気口140には,溶剤蒸気供給装置141に通じる溶剤蒸気供給管142が接続されている。処理容器120の他方の側壁面には,排気口143が形成されている。排気口143は,例えば排気管144を通じて負圧発生装置145に接続されている。この負圧発生装置145により,排気口143から処理容器120内の雰囲気を排気することができる。なお,本実施の形態においては,排気口143,排気管144及び負圧発生装置145により減圧装置を構成している。
【0041】
例えば上述の押圧板130やヒータ122の動作は,制御部150により制御されている。制御部150は,電源123からヒータ122への給電量を調整し,ヒータ122の発熱量を制御することにより,ウェハWを所定の温度で加熱できる。制御部150は,昇降駆動部132の駆動を制御し,押圧板130の移動を制御することにより,押圧板130により所定のタイミング,所定の圧力でウェハW上のレジスト膜を押圧できる。
【0042】
例えば上述の溶剤蒸気供給装置141と負圧発生装置145の動作も,制御部150により制御されている。この制御部150により,処理容器120内に所定の流量の溶剤蒸気を供給できる。また,制御部150により,処理容器120内を所定の圧力に減圧できる。
【0043】
なお,平坦化装置72の構成は,平坦化装置71と同様であり,説明を省略する。
【0044】
次に,以上のように構成された平坦化装置71におけるウェハWの処理プロセスを,塗布現像処理システム1で行われるフォトリソグラフィー工程のプロセスと共に説明する。
【0045】
先ず,ウェハ搬送体7によって,カセット載置台5上のカセットCから未処理のウェハWが一枚取り出され,第3の処理装置群G3の温調装置60に搬送される。温調装置60に搬送されたウェハWは,所定温度に温度調節され,その後第1の搬送装置10によってボトムコーティング装置23に搬送され,反射防止膜が形成される。反射防止膜が形成されたウェハWは,第1の搬送装置10によって加熱装置92,高温度熱処理装置65,高精度温調装置70に順次搬送され,各装置で所定の処理が施される。その後ウェハWは,レジスト塗布装置20に搬送される。
【0046】
レジスト塗布装置20では,例えば回転されたウェハWの中心部に塗布液としてのレジスト液が滴下され,レジスト液がウェハWの表面上を拡散することによって,ウェハ表面の全体にレジスト液が塗布される。レジスト液の塗布後,ウェハWが高速回転され,レジスト膜が例えば60%程度乾燥される。レジスト塗布装置20において,レジスト液の塗布が終了したウェハWは,平坦化装置71に搬送され,レジスト膜の乾燥と平坦化が行われる。この平坦化装置71における処理プロセスについては後述する。
【0047】
平坦化装置71においてレジスト膜が平坦化されたウェハWは,第2の搬送装置11によって周辺露光装置94,高精度温調装置83に順次搬送されて,各装置において所定の処理が施される。その後,ウェハWは,インターフェイス部4のウェハ搬送体101によって図示しない露光装置に搬送され,露光される。露光処理の終了したウェハWは,ウェハ搬送体101によって例えばポストエクスポージャーベーキング装置84に搬送され,加熱処理が施された後,第2の搬送装置11によって高精度温調装置81に搬送されて温度調節される。その後,現像処理装置30に搬送され,ウェハW上のレジスト膜が現像される。その後ウェハWは,第2の搬送装置11によってポストベーキング装置73に搬送され,加熱処理が施された後,高精度温調装置63に搬送され温度調節される。そしてウェハWは,第1の搬送装置10によってトランジション装置61に搬送され,ウェハ搬送体7によってカセットCに戻されて一連のフォトリソグラフィー工程が終了する。
【0048】
次に,上述の平坦化装置71で行われる処理について詳しく説明する。直前のレジスト塗布装置20において,ウェハWの高速回転により,レジスト膜は60%程度乾燥されている。なお,この初期の乾燥は,平坦化装置71において行われてもよい。図4に示すようにウェハWは,平坦化装置71の処理容器120内に搬入され,保持台121に吸着保持される。
【0049】
処理容器120内は,例えば給気口140からの溶剤蒸気の給気と,排気口143からの排気が行われ,処理容器120内が所定濃度の溶剤雰囲気に維持される。また,処理容器120内は,所定の減圧雰囲気に維持される。
【0050】
保持台121にウェハWが保持されると,ヒータ122によってウェハWが加熱され,レジスト膜が乾燥されると共に,押圧板130によってレジスト膜の上面が断続的にプレスされる。このときのウェハWは,加熱温度が段階的に上がるように加熱される。図5は,ウェハWの加熱温度の時系列的な変動と,レジスト膜の押圧タイミングの一例を示すグラフである。
【0051】
例えば,図5に示すようにウェハWは,先ず比較的低温の第1段階の温度K,例えば120℃で加熱される。このとき,図6(a)に示すようにレジスト膜Rの上面には,凹凸が形成されている。この原因は,一つに,レジスト塗布処理時に凹凸のある下地膜上にレジスト液が塗布されたためであると考えられる。また,レジスト塗布時の遠心力によりウェハWの外側にレジスト膜が押し流されるためであると考えられる。また,レジスト膜内の溶剤が揮発して乾燥が進むにつれて,その分レジスト膜が収縮し,下地膜に溝がある部分とない部分では,レジスト膜の上下方向の収縮率が異なるため,溝のある部分が他の部分に比べて凹むためであると考えられる。
【0052】
ウェハWが120℃で加熱されている状態で,次に図6(b)に示すように押圧板130が下降され,押圧板130の下面130aによってレジスト膜Rの上面が押圧される(図5に示す「第1回プレス」)。これにより,レジスト膜Rの上面の凹凸が平坦化される。この押圧板130による押圧は,例えば4.9×10kPa(5kgf/cm)程度の圧力で,例えば2秒程度行われる。例えばこの押圧の間に,ウェハWの加熱温度が変更され,加熱温度は,先の第1段階の温度Kよりも高い第2段階の温度K,例えば130℃に上げられる。
【0053】
その後,押圧板130は,上昇され,レジスト膜から離されて,レジスト膜の上面が開放される。ウェハWは,130℃で加熱され,図6(a)に示すようにレジスト膜R内の溶剤が揮発して乾燥がさらに進められる。このとき,レジスト膜Rの収縮により,再びレジスト膜Rの上面に凹凸が形成される。
【0054】
130℃の加熱を伴う乾燥が所定時間,例えば2秒程度進められた後,図6(b)に示すように押圧板130が再び下降され,レジスト膜Rの上面が押圧され,平坦化される(図5に示す「第2回プレス」)。またこの押圧の間に,ウェハWの加熱温度が先の第2段階の温度Kよりも高い第3段階の温度K,例えば140℃に上げられる。この加熱温度の変更後,図6(a)に示すように押圧板130が上昇され,レジスト膜Rの上面が開放される。ウェハWは,140℃で加熱され,レジスト膜R内の溶剤が揮発して乾燥がさらに進められる。そして,所定時間が経過し,再度レジスト膜Rの上面に凹凸ができると,図6(b)に示すように押圧板130が下降され,レジスト膜Rの上面が押圧され平坦化される(図5に示す「第3回プレス」)。この押圧の間に,ウェハWの加熱温度が先の第3段階の温度Kから最終加熱温度の第4段階の温度K,例えば150℃に上げられる。この時点で,レジスト膜Rは,80%程度乾燥される。
【0055】
図6(a)に示すように押圧板130が上昇され,ウェハWが150℃で所定時間加熱され,レジスト膜Rが100%乾燥される。乾燥後,ウェハWは,処理容器120から搬出され,一連の平坦化処理が終了する。
【0056】
なお,上述の一連の平坦化処理は,例えば制御部150が,押圧板130,ヒータ122,溶剤蒸気供給装置141及び負圧発生装置145などの動作を制御することにより実現される。
【0057】
以上の実施の形態によれば,レジスト膜中の溶剤を揮発させレジスト膜を乾燥させながら,押圧板130によりレジスト膜の上面を断続的に押圧するので,レジスト膜の上面の凹凸を乾燥する前に平坦化することができる。また,レジスト膜の上面への押圧を複数回にわたって断続的に行うので,乾燥時に形成されるレジスト膜の凹凸が小さい段階で,その凹凸を均すことができ,十分に平坦化されたレジスト膜を形成できる。
【0058】
レジスト膜の乾燥度合が60%〜80%の間に,レジスト膜の上面を押圧するようにしたので,レジスト膜の粘性が低すぎず高すぎず,丁度良い状態のときに,レジスト膜を均すことができる。この結果,レジスト膜が効果的に均されて,最終的に十分に平坦なレジスト膜を形成できる。
【0059】
レジスト膜を加熱して乾燥させたので,レジスト膜自体の熱拡散による流動性を上げることができる。これにより,押圧された際のレジスト膜の流動性が増大し,レジスト膜の平坦化が効果的に行われる。
【0060】
加熱温度を段階的に上げるようにしたので,レジスト膜の急激な乾燥を防止し,レジスト膜の表面に段差の大きい凹凸を形成することを抑制できる。これにより,複数回にわたる押圧によりレジスト膜を十分に平坦化できる。
【0061】
押圧板130によりレジスト膜が押圧されている間は,押圧板130がレジスト膜の上面に密着しているので,レジスト膜中の溶剤の揮発が行われない。この間に,加熱温度の変更を行うようにし,溶剤の揮発中には加熱温度を変更しないようにしたので,レジスト膜を乾燥させるときの温度が安定する。これにより,レジスト膜の乾燥度や粘性を制御しやすくなる。
【0062】
処理容器120内にレジスト膜の溶剤蒸気を供給するようにしたので,レジスト膜の上面が断続的に押圧されている間,レジスト膜中の溶剤の揮発速度を遅くすることができる。これにより,加熱によりレジスト膜の流動性を上げた状態で,溶剤の揮発速度を遅くしてレジスト膜の粘性が低い状態を維持できる。この結果,レジスト膜が押圧板130の押圧により変形しやすくなり,その押圧によりレジスト膜が十分に平坦化される。
【0063】
処理容器120内の雰囲気が排気されるので,処理容器120内の溶剤蒸気の濃度を所望の濃度に維持して,レジスト膜の乾燥速度と粘性を適正に調整できる。
【0064】
以上の実施の形態では,ウェハWの加熱温度を段階的に上げていたが,処理容器120内の減圧度を段階的に上げるようにしてもよい。図7は,かかる場合の処理容器120内の圧力の時系列的な変動と,レジスト膜の押圧タイミングの一例を示すグラフである。
【0065】
図7に示すように,処理容器120を減圧してレジスト膜を乾燥させながら,押圧板130により断続的にレジスト膜の上面を押圧する。処理容器120内の圧力は,第1段階の圧力P(例えば,500Pa),第2段階の圧力P(例えば,450Pa),第3段階の圧力P(例えば,400Pa),第4段階の圧力P(例えば,300Pa)の順に下げられる。この圧力の変動は,例えば制御部150により負圧発生装置145の出力を制御することにより行われ,例えばレジスト膜の上面が押圧されている間に行われる。
【0066】
かかる場合も,上記実施の形態と同様に,レジスト膜中の溶剤を揮発させてレジスト膜の乾燥を段階的に進行させながら,レジスト膜の上面を断続的に均すことができる。この結果,最終的に平坦度の高いレジスト膜を形成できる。
【0067】
なお,上記実施の形態では,ウェハWの加熱温度と,処理容器120の減圧度のいずれかを段階的に変えていたが,その両方を段階的に変えるようにしてもよい。また,押圧板130による押圧の回数は,3回に限られず任意に選択できる。
【0068】
以上の実施の形態によれば,下面130aが平坦な押圧板130によってレジスト膜の上面が押圧されていたが,下側に突出した頂部を下面に有する押圧板によってレジスト膜の上面を押圧するようにしてもよい。図8は,かかる場合の平坦化装置180の一例を示す。
【0069】
平坦化装置180の処理容器190内には,例えば3つの保持台200,201,202がこの順に並べて設けられている。各保持台200〜202には,上記実施の形態と同様にそれぞれヒータ203が内蔵されている。各ヒータ203は,各電源204からの給電により発熱する。各保持台200〜202の上方には,支持体205によって支持された押圧板210,211,212がそれぞれ配置されている。各支持体205は,昇降駆動部213によって昇降できる。
【0070】
例えば,保持台200に対向する押圧板210の下面210aには,下側に逆三角形状に突出した頂部210bが形成されている。また,保持台201に対向する押圧板211の下面211aにも,下側に逆三角形状に突出した頂部211bが形成されている。この押圧板211の頂部211bは,押圧板210の頂部210bよりも突出高さが小さく形成され,押圧板210の下面210aよりも押圧板211の下面211aの方が凹凸が細かくなるように形成されている。つまり,押圧板210の下面210aよりも押圧板211の下面211aの方が平坦度が高くなるように形成されている。
【0071】
保持台202に対向する押圧板212の下面212aは,平坦に形成されている。このように,処理容器190内には,3つの押圧板が下面の平坦度が低い順に並べられている。
【0072】
処理容器190の一方の側壁面には,上記実施の形態と同様にレジスト液の溶剤蒸気を供給する給気口220が形成され,給気口220には,溶剤蒸気供給装置221に通じる溶剤蒸気供給管222が接続されている。処理容器190の他方の側壁面には,排気口223が形成され,排気口223には,例えば排気管224を通じて負圧発生装置225に接続されている。
【0073】
上述の押圧板210〜212,ヒータ203,溶剤蒸気供給装置221及び負圧発生装置225などの動作の制御は,制御部230により行われている。
【0074】
なお,処理容器190内には,各保持台200,201,202間のウェハWの搬送を行う図示しない搬送機構が設けられている。
【0075】
平坦化処理の際には,上記実施の形態と同様に,給気口220からの溶剤蒸気の供給と,排気口223からの排気により,処理容器190内が所定濃度の溶剤雰囲気に維持される。そして,例えば60%程度乾燥されたウェハWが処理容器190に搬入され,保持台200に保持される。ウェハWは,保持台200のヒータ203により例えば図5に示す上記実施の形態と同様に第1段階の温度Kで加熱される。その後押圧板210が下降され,レジスト膜の上面が押圧される(第1回プレス)。この際,図9に示すようにレジスト膜Rは,頂部210bを形成する傾斜面により縦方向と横方向の力を受ける。これにより,レジスト膜Rの水平方向の流動が促進される。
【0076】
押圧板210による加圧が終了すると,ウェハWは,その隣の保持台201に搬送され,保持される。ウェハWは,保持台201のヒータ203により例えば第2段階の温度Kで加熱される。その後押圧板211が下降され,レジスト膜の上面が押圧される(第2回プレス)。押圧板211は,第1回プレスの押圧板210よりも下面が平坦なので,このときの押圧により,レジスト膜の上面は,より平坦な状態に均される。
【0077】
そして,この押圧板211による加圧が終了すると,ウェハWは,その隣の保持台202に搬送され,保持される。ウェハWは,保持台202のヒータ203により例えば第3段階の温度Kで加熱される。その後押圧板212が下降され,レジスト膜の上面が押圧される(第3回プレス)。押圧板212の下面212aは,平坦であるので,この加圧によりレジスト膜の上面が平坦化される。この時点で,レジスト膜の乾燥度合は,80%程度になる。
【0078】
例えば押圧板212による押圧の間に,保持台202のヒータ203により加熱温度が第4段階の温度Kに変更される。押圧板212による押圧後,ウェハWは,第4段階の温度Kで加熱され,100%乾燥される。
【0079】
この実施の形態によれば,下面に頂部のある押圧部材210,211によりレジスト膜の上面が押圧されるので,レジスト膜の水平方向の流動を促進することができる。これにより,レジスト膜の凹凸を効果的に均すことができる。また,徐々に平坦性の高い押圧部材によりレジスト膜の上面を押圧するようにしたので,レジスト膜の水平方向の流動を促進させつつ,段階的にレジスト膜の上面を均して,最終的に平坦度の高いレジスト膜を形成できる。
【0080】
この実施の形態において,3つの押圧板210〜212により3回のプレスが行われていたが,押圧板の数とプレスの回数は任意に選択できる。また,3つの保持台200〜202と押圧板210〜212を並設していたが,一つの保持台に対して3つの押圧板を交換可能に設けてもよい。さらに,この実施の形態において,上記実施の形態と同様に加熱によって溶剤を揮発させずに,減圧によって溶剤を揮発させてもよい。
【0081】
以上,添付図面を参照しながら本発明の好適な実施の形態について説明したが,本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば,特許請求の範囲に記載された思想の範疇内において,各種の変更例または修正例に相到し得ることは明らかであり,それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。例えば,以上の実施の形態は,レジスト膜を平坦化するものであったが,他の種類の塗布膜,例えばSOD膜,SOG膜などの絶縁膜を平坦化する場合にも,本発明は適用できる。また,膜の塗布方法は,ウェハWを回転させた状態で塗布するスピンコート法に限られず,塗布液を吐出したノズルとウェハWとを相対的に移動させながら塗布するスキャンコート法であってもよい。また,本発明は,ウェハW以外のFPD(フラットパネルディスプレイ),フォトマスク用のマスクレチクルや,チップ状の基板などの塗布膜を平坦化する際にも適用できる。
【産業上の利用可能性】
【0082】
本発明は,基板上の塗布膜を十分に平坦化して乾燥させる際に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0083】
【図1】塗布現像処理システムの構成の概略を示す平面図である。
【図2】図1の塗布現像処理システムの正面図である。
【図3】図1の塗布現像処理システムの背面図である。
【図4】平坦化装置の構成の概略を示す縦断面の説明図である。
【図5】加熱温度の時系列的な変動と,プレスタイミングを示すグラフである。
【図6】(a)は,押圧板をレジスト膜から離したときの様子を示す説明図であり,(b)は,押圧板をレジスト膜に押圧したときの様子を示す説明図である。
【図7】処理容器の圧力の時系列的な変動と,プレスタイミングを示すグラフである。
【図8】3種類の押圧板を備えた場合の平坦化装置の構成の概略を示す縦断面の説明図である。
【図9】頂部を有する押圧板によりレジスト膜を押圧する際に作用する力を示す説明図である。
【図10】上面に凹凸が形成されたレジスト膜の様子を示す説明図である。
【符号の説明】
【0084】
1 塗布現像処理システム
71 平坦化装置
121 保持台
122 ヒータ
130 押圧板
W ウェハ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
塗布液の塗布により塗布膜が形成された基板を処理する方法であって,
基板上の塗布膜中の溶剤を揮発させて,塗布膜を乾燥させる乾燥工程と,
前記乾燥工程中に,下面が平坦な押圧部材により,塗布膜の上面を断続的に押圧する押圧工程と,を有することを特徴とする,基板の処理方法。
【請求項2】
塗布液の塗布により塗布膜が形成された基板を処理する方法であって,
基板上の塗布膜中の溶剤を揮発させて,塗布膜を乾燥させる乾燥工程と,
前記乾燥工程中に,押圧部材により,塗布膜の上面を断続的に押圧する押圧工程と,を有し,
前記押圧工程は,下側に突出した頂部を下面に有する押圧部材により,塗布膜の上面を押圧し,その後,下面が平坦な押圧部材により,塗布膜の上面を押圧することを特徴とする,基板の処理方法。
【請求項3】
前記押圧工程では,前記頂部の高さが異なる複数の押圧部材が用いられ,頂部がより高い押圧部材から順に塗布膜の上面を押圧し,最後に下面が平坦な押圧部材により塗布膜の上面を押圧することを特徴とする,請求項2に記載の基板の処理方法。
【請求項4】
前記塗布膜の乾燥度合が60%〜80%のときに,前記押圧工程を行うことを特徴とする,請求項1〜3のいずれかに記載の基板の処理方法。
【請求項5】
前記乾燥工程では,基板を加熱することを特徴とする,請求項1〜4のいずれかに記載の基板の処理方法。
【請求項6】
前記基板の加熱では,加熱温度を段階的に上げることを特徴とする,請求項5に記載の基板の処理方法。
【請求項7】
前記加熱温度は,基板上の塗布膜が押圧されているときに上げることを特徴とする,請求項6に記載の基板の処理方法。
【請求項8】
前記基板の加熱中に,基板の周辺雰囲気に塗布膜の溶剤蒸気を供給することを特徴とする,請求項5〜7のいずれかに記載の基板の処理方法。
【請求項9】
前記基板の周辺雰囲気を排気することを特徴とする,請求項5〜8のいずれかに記載の基板の処理方法。
【請求項10】
前記乾燥工程では,基板の周辺を減圧することを特徴とする,請求項1〜9のいずれかに記載の基板の処理方法。
【請求項11】
前記基板の周辺の減圧では,減圧度を段階的に上げることを特徴とする,請求項10に記載の基板の処理方法。
【請求項12】
前記減圧度は,基板上の塗布膜が押圧されているときに上げることを特徴とする,請求項11に記載の基板の処理方法。
【請求項13】
塗布液の塗布により塗布膜が形成された基板の処理装置であって,
処理容器内で基板を保持する保持部材と,
前記保持部材に保持された基板を加熱する加熱部材と,
下面が平坦に形成され,基板上の塗布膜を上方から押圧する押圧部材と,
前記加熱部材により加熱されている基板の塗布膜の上面を前記押圧部材により断続的に押圧するように,前記加熱部材と押圧部材の動作を制御する制御部と,を有することを特徴とする,基板の処理装置。
【請求項14】
塗布液の塗布により塗布膜が形成された基板の処理装置であって,
処理容器内で基板を保持する保持部材と,
前記保持部材に保持された基板を加熱する加熱部材と,
前記基板上の塗布膜を上方から押圧する複数の押圧部材と,
前記加熱部材により加熱されている基板の塗布膜の上面を前記押圧部材により断続的に押圧するように,前記加熱部材と押圧部材の動作を制御する制御部と,を有し,
前記複数の押圧部材は,下側に突出した頂部を下面に有する押圧部材と,下面が平坦な押圧部材からなり,
前記制御部の制御により,前記頂部を有する押圧部材により基板の塗布膜の上面を押圧した後,前記下面が平坦な押圧部材により前記塗布膜の上面を押圧することを特徴とする,基板の処理装置。
【請求項15】
前記処理容器内の雰囲気を排気する排気部を有することを特徴とする,請求項13又は14のいずれかに記載の基板の処理装置。
【請求項16】
前記処理容器内を減圧する減圧装置を有することを特徴とする,請求項13〜15のいずれかに記載の基板の処理装置。
【請求項17】
塗布液の塗布により塗布膜が形成された基板の処理装置であって,
処理容器内で基板を保持する保持部材と,
処理容器内を減圧する減圧装置と,
下面が平坦に形成され,前記保持部材に保持された基板の塗布膜を上方から押圧する押圧部材と,
前記減圧装置により処理容器内を減圧しながら,基板の塗布膜の上面を前記押圧部材により断続的に押圧するように,前記減圧装置と押圧部材の動作を制御する制御部と,を有することを特徴とする,基板の処理装置。
【請求項18】
塗布液の塗布により塗布膜が形成された基板の処理装置であって,
処理容器内で基板を保持する保持部材と,
処理容器内を減圧する減圧装置と,
前記保持部材に保持された基板の塗布膜を上方から押圧する複数の押圧部材と,
前記減圧装置により処理容器内を減圧しながら,基板の塗布膜の上面を前記押圧部材により断続的に押圧するように,前記減圧装置と押圧部材の動作を制御する制御部と,を有し,
前記複数の押圧部材は,下側に突出した頂部を下面に有する押圧部材と,下面が平坦な押圧部材からなり,
前記制御部の制御により,前記頂部を有する押圧部材により基板の塗布膜の上面を押圧した後,前記下面が平坦な押圧部材により前記塗布膜の上面を押圧することを特徴とする,基板の処理装置。
【請求項19】
前記頂部の高さが異なる押圧部材を複数備え,
前記制御部の制御により,頂部がより高い押圧部材から順に塗布膜の上面を押圧し,最後に下面が平坦な押圧部材により塗布膜の上面を押圧することを特徴とする,請求項14又は18のいずれかに記載の基板の処理装置。
【請求項20】
前記処理容器内に前記塗布膜の溶剤蒸気を供給する溶剤蒸気供給部を有することを特徴とする,請求項13〜19のいずれかに記載の基板の処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2007−54798(P2007−54798A)
【公開日】平成19年3月8日(2007.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−246453(P2005−246453)
【出願日】平成17年8月26日(2005.8.26)
【出願人】(000219967)東京エレクトロン株式会社 (5,184)
【Fターム(参考)】