説明

基板処理装置

【課題】基板保持具の姿勢を検知することで、該基板保持具の傾きを起因とした該基板保持具と基板の破損を未然に防ぐ基板処理装置を提供する。
【解決手段】基板を処理する処理室と、該処理室で基板を保持する基板保持具14と、該基板保持具を載置する載置部と、該載置部に対して相対回転可能に設けられ相対回転により前記基板保持具を係合解除可能なロック部材と、該ロック部材と前記載置部とを相対回転させる回転部と、該回転部の回転動作を検出する検出部とを具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板処理装置、特に処理される基板を保持する基板保持具傾きを検出する機能を具備する基板処理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
基板処理装置のスループット向上の手段として、石英製の炉口キャップを下部に有する基板保持具(以下、ボートと称す)を2個用いて一方のボートを反応炉に装入して処理を行う間に、他方のボートに基板を移載する方法が用いられている。
【0003】
具体的には、ボートエレベータ(基板保持具昇降機構)を用いて処理が終了したボートを反応炉(処理室)からアンロードし、ボート交換機構の一方のアームによりボート退避位置の一方の置き台上に移載する。一方基板移載済の前記ボートは、前記ボート交換機構の他方のアームにより基板移載位置の他方の置き台上からボートロード位置への前記ボートの移し替えを行い、前記ボートエレベータにより前記ボートを前記処理室にロードし、次バッチの処理を行う。この間に処理済基板を搭載した前記ボートをボート退避位置の一方の置き台から基板移載位置の他方の置き台へ移し替え、処理済基板のディスチャージ、未処理基板のチャージを行う。
【0004】
この時、前記ボートは前記ボートエレベータの載置部及び置き台に乗せてあるだけで、前記ボートがどの様な姿勢で載置されているかは不明である。例えば、公知文献で特開2003−31643号公報の様に、ボートチェンジャのアーム部分に検知器を設けたとしても、その後の外的負荷、例えば、前記ボートの基板搬送時の振動やツイーザとボートの接触、地震等により、最終的に前記処理室内へボートをロードする際の状態を検出することができないという問題がある。
【0005】
一方、センサ類を前記処理室内に設置すると、熱や反応ガス等との反応により前記センサ類から放出される汚染物が基板を汚染してしまうという問題があり、単純に前記センサ類を前記処理室内に設けることができないという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2003−31643号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は斯かる実情に鑑み、基板保持具の姿勢を検知することで、該基板保持具の傾きを起因とした該基板保持具と基板の破損を未然に防ぐ基板処理装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、基板を処理する処理室と、該処理室で基板を保持する基板保持具と、該基板保持具を載置する載置部と、該載置部に対して相対回転可能に設けられ相対回転により前記基板保持具を係合解除可能なロック部材と、該ロック部材と前記載置部とを相対回転させる回転部と、該回転部の回転動作を検出する検出部とを具備する基板処理装置に係るものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、基板を処理する処理室と、該処理室で基板を保持する基板保持具と、該基板保持具を載置する載置部と、該載置部に対して相対回転可能に設けられ相対回転により前記基板保持具を係合解除可能なロック部材と、該ロック部材と前記載置部とを相対回転させる回転部と、該回転部の回転動作を検出する検出部とを具備するので、前記基板保持具の前記載置部での傾きを検出でき、前記基板保持具が傾いたことで前記基板保持具や前記基板が転倒や衝突によって破損するのを防止することができるという優れた効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明に於ける基板処理装置の斜視図である。
【図2】該基板処理装置の平面図である。
【図3】本発明に於けるボート交換装置の斜視図である。
【図4】該ボート交換装置の正面図である。
【図5】本発明に於ける移載用ボート載置台の斜視図である。
【図6】(A)はボート載置部の上方からの斜視図、(B)は該ボート載置部の下方からの斜視図である。
【図7】本発明に於ける該ボート載置部の立断面図である。
【図8】該ボート載置部のロックプレートの平面図である。
【図9】(A)は該ボート載置部のロックプレートとボートキャップとの関係を示す側断面図、(B),(C)は前記ボート載置部のロックプレートとボートキャップとの関係を示す平面図である。
【図10】ボートが傾いた状態で載置された場合を示す前記ボート載置部の立断面図である。
【図11】(A)はボートが正常に載置された際の前記ボート載置部を示す底面図、(B)はボートの傾きが検出された際の前記ボート載置部を示す底面図である。
【図12】本発明に於けるコントローラの構成を示すブロック図である。
【図13】本発明の実施例に於けるボートの傾き検出方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施例を説明する。
【0012】
先ず、図1、図2に於いて、本発明に於ける基板処理装置1について説明する。
【0013】
筐体2の前面にはカセットステージ3が設けられ、該カセットステージ3はシャッタ4を介して前記筐体2の内部と連通している。
【0014】
該筐体2の内部前方に、前記カセットステージ3と対向してカセットオープナ5が設けられ、該カセットオープナ5の上方にはカセットストッカ6が設けられ、該カセットストッカ6、前記カセットオープナ5と前記カセットステージ3間にはカセットローダ7が設けられている。
【0015】
前記筐体2の内部後方一側にボート昇降手段であるボートエレベータ8が設けられ、該ボートエレベータ8から水平に延びる昇降アーム9にはシールキャップ11が設けられ、該シールキャップ11は、処理室を形成する反応炉12の炉口を閉塞する。前記シールキャップ11にはボート載置部13(後述)が設けられ、該ボート載置部13にボート14が載置されている。該ボート14は、被処理基板(以下ウェーハと称す)15を水平多段に保持するボート本体16(後述)と、該ボート本体16の下面と当接する断熱材で形成されたボートキャップ17(後述)から構成されている。
【0016】
前記ボートエレベータ8に対向して、前記筐体2の内部後方他側にはボート交換装置18が設けられ、該ボート交換装置18、前記ボートエレベータ8と前記カセットオープナ5との間に基板移載機19が設けられている。
【0017】
前記カセットステージ3は、図示しない外部搬送装置及び前記カセットローダ7間でカセット21の授受を行うものであり、前記カセットローダ7は横行、昇降、進退可能であり、前記カセットステージ3のカセット21を前記カセットオープナ5、前記カセットストッカ6に移載するものである。又、前記カセットオープナ5は、前記カセット21の蓋を開閉する。
【0018】
前記基板移載機19はツイーザ20を有し、昇降、進退、回転可能であり、前記ツイーザ20を用いて前記カセットオープナ5上のカセット21と前記ボート交換装置18に保持されたボート14間でウェーハ15の移載を行う。
【0019】
前記ボート交換装置18は第1ボート支持アーム22と第2ボート支持アーム23を有し、前記第1ボート支持アーム22と前記第2ボート支持アーム23は独立して後述する第1アーム用回転軸37と第2アーム用回転軸49を中心として水平方向に回転可能であり、後述するガイドシャフト29に沿って垂直方向に昇降可能となっており、ウェーハ移載位置A、ボート授受位置B、ボート待機位置C間で前記ボート14の移動が可能となっている。前記ウェーハ移載位置A及び前記ボート待機位置Cには、それぞれ移載用ボート載置台24と待機用ボート載置台25が設けられ、それぞれに第1ボート14aと第2ボート14bが載置される。
【0020】
又、前記ボート授受位置Bには前記ボート載置部13が設けられ、該ボート載置部13は未処理ウェーハ15を保持した前記第1ボート14aを前記ボート交換装置18から受取り、前記ボートエレベータ8により前記第1ボート14aを前記反応炉12の処理室にロード、アンロードする機能を有し、更に載置した前記第1ボート14aを回転させる機能を有している。
【0021】
次に、図3〜図5に於いて、前記ボート交換装置18について説明する。尚、図3〜図5中、図1、図2と同等のものには同符号を付し、その説明を省略する。
【0022】
該ボート交換装置18のフレームは、上板26、底板27及び側板28により形成され、前記筐体2の側面と平行に設けられている。前記上板26と前記底板27との間にはガイドシャフト29が設けられている。
【0023】
該ガイドシャフト29の下部に下スライドブロック31が摺動可能に嵌合されている。該下スライドブロック31は第1アーム用ボールネジ32に螺合しており、該第1アーム用ボールネジ32は下端部に於いて前記底板27に回転可能に支持されている。前記第1アーム用ボールネジ32の上部は支持部材33により回転可能に支持され、該支持部材33は前記側板28に固着されている。前記第1アーム用ボールネジ32の上端部は第1アーム用モータ34のシャフトに連結されている。
【0024】
前記下スライドブロック31の側面には板状の第1アーム用サポート35が固着されている。該第1アーム用サポート35には第1アーム用モータケース36が固着され、該第1アーム用モータケース36には図示しない第1アーム用回転装置が収納されており、該第1アーム用回転装置には例えばダイレクトドライブモータが用いられている。前記第1アーム用回転装置に連結された第1アーム用回転軸37は下向きであり、該第1アーム用回転軸37は少なくとも90°回転することができ、該第1アーム用回転軸37に第1ボート支持アーム22が固着されている。
【0025】
該第1ボート支持アーム22はクランク形状であり、上水平部に於いて前記第1アーム用回転軸37に連結され、下水平部は半円弧状の第1ボート受座38となっている。
【0026】
該第1ボート受座38は後述する第2ボート受座39よりも径が大きい相似半円弧を形成しており、内周縁部が座刳られて衝突防止フランジ41が形成されると共に、該衝突防止フランジ41の内周縁部が座刳られてボート載置フランジ42が形成され、該ボート載置フランジ42に前記ボート14が載置される様になっている。
【0027】
前記第1ボート支持アーム22は前記第1アーム用回転軸37を回転中心として90°回転可能であり、前記第1ボート受座38の回転移動軌道の一端(回転角度0°)がウェーハ移載位置Aとなり、該ウェーハ移載位置Aには前記移載用ボート載置台24が設置されている。又、他端(回転角度90°)がボート授受位置Bとなっている。
【0028】
第2アーム用ボールネジ43は前記ガイドシャフト29と平行に配設され、前記第2アーム用ボールネジ43の上端部は前記上板26に回転自在に支持され、下端部は支持部材44に回転可能に支持され、該支持部材44は前記側板28に固着されている。前記支持部材44の下側には第2アーム用モータ45が固着され、該第2アーム用モータ45のシャフトは前記第2アーム用ボールネジ43に連結されている。
【0029】
前記ガイドシャフト29の上部に上スライドブロック46が摺動可能に嵌合し、該上スライドブロック46に前記第2アーム用ボールネジ43が螺合しており、前記上スライドブロック46の側面には板状の第2アーム用サポート47が固着されている。
【0030】
該第2アーム用サポート47には第2アーム用モータケース48が固着され、該第2アーム用モータケース48には図示しない第2アーム用回転装置が収納され、該第2アーム用回転装置には例えばダイレクトドライブモータが用いられている。前記第2アーム用回転装置に連結された第2アーム用回転軸49は上向きであり、該第2アーム用回転軸49に第2ボート支持アーム23が固着されている。該第2ボート支持アーム23はクランク形状をしており、上水平部に於いて前記第2アーム用回転軸49に固着され、垂直部は所要の長さを有し、下水平部は半弧状の前記第2ボート受座39となっている。
【0031】
該第2ボート受座39の内周縁部はフランジ状に座刳られてボート載置フランジ51が形成され、該ボート載置フランジ51に前記第2ボート14bが載置される様になっている。
【0032】
前記第2ボート支持アーム23は前記第2アーム用回転軸49を回転中心として水平方向に180°回転可能であり、前記第2ボート受座39の回転移動軌道の一端(回転角度0°)が前記移載用ボート載置台24が設置された前記ウェーハ移載位置Aとなっている。
【0033】
又、前記第2ボート受座39の回転移動軌道の中間(回転角度90°)が前記ボート授受位置Bであり、前記第2ボート受座39の回転移動軌道の他端(回転角度180°)が前記待機用ボート載置台25が載置された前記ボート待機位置Cとなっている。
【0034】
尚、前記第1ボート受座38と前記第2ボート受座39とは相互に干渉しない様、前記第1ボート支持アーム22と前記第2ボート支持アーム23の垂直部長さが設定されており、又、前記第1ボート受座38の前記ボート載置フランジ42と前記第2ボート受座39の前記ボート載置フランジ51とは同径であり、前記第1ボート受座38の前記衝突防止フランジ41の径は前記第2ボート受座39の径よりも大きくなっている。従って、前記第1ボート支持アーム22と前記第2ボート支持アーム23が同じ位置にあった場合でも、前記第2ボート受座39が前記衝突防止フランジ41上を通過するので、前記第1ボート受座38と前記第2ボート受座39が衝突するのを防止することができる。
【0035】
次に、図6〜図11に於いて、前記ボートエレベータ8の前記ボート載置部13について説明する。尚、図6〜図11中、図1、図2と同等のものには同符号を付し、その説明を省略する。
【0036】
前記ボートエレベータ8から水平方向に延びた前記昇降アーム9に前記シールキャップ11が設けられている。該シールキャップ11の下側には、後述するボートロック機構50を具備した回転部としての回転機構52が設けられており、該回転機構52は前記ボート載置部13と後述するロックプレート68とを相対回転させることが可能となっている。
【0037】
前記シールキャップ11の下面にモータホルダ53が固着され、該モータホルダ53の下面に減速器54が取付けられている。該減速器54、前記モータホルダ53を貫通する中空の外回転軸55が軸受け56を介して回転自在に設けられ、前記外回転軸55に連結されたボート回転軸57が前記シールキャップ11を気密に貫通し、前記ボート回転軸57の上端にはボート載置盤58が固着されている。該ボート載置盤58の上面には、所定数、例えば3箇所に位置決めピン59,59,59が突設され、前記ボート14のボートキャップ17の下面には前記位置決めピン59,59,59と対応する位置に形成された位置決め凹部61,61,61が穿設され、前記位置決めピン59,59,59と前記位置決め凹部61,61,61とが嵌合し、前記ボート載置盤58に対する前記ボート14の位置決めがなされる様になっている。又、前記ボートキャップ17の下面には後述する様にロック穴62が設けられている。
【0038】
前記外回転軸55の前記軸受け56,56間にはウォームホイール63が嵌着され、該ウォームホイール63にはウォーム64が噛合され、該ウォーム64はボート回転モータ60の出力軸65に軸着されている。又、前記外回転軸55の回転位置を検出する回転検出器(図示せず)が設けられ、前記外回転軸55の前記シールキャップ11に対する相対回転位置が検出される様になっており、又前記回転検出器は前記外回転軸55、即ち前記ボート載置盤58の基準位置を検出可能となっている。
【0039】
前記外回転軸55、前記ボート回転軸57の内部にボートロック軸66が軸受け67を介して回転自在に設けられ、又前記ボートロック軸66は気密にシールされている。該ボートロック軸66は前記ボート載置盤58より上方に突出しており、突出端にはロック部材として図8に見られる様な略矩形状のロックプレート68が固着されている。前記ボートロック軸66の下端部は半円柱状に一部が切除され、平坦面69が形成されている。該平坦面69は前記減速器54の下面より下方に突出している。
【0040】
前記ボートロック軸66の下端部には捩りコイルバネであるロックバネ70が外嵌され、該ロックバネ70の一端は中心側に折曲げられ、前記平坦面69に係合され、他端は接続方向に延出し、前記外回転軸55に係合されている。特に図示していないが、前記ボートロック軸66と前記外回転軸55間には機械的にストッパが設けられ、前記ロックバネ70は前記ボートロック軸66と前記外回転軸55とが確実に当接する様に初期撓みが与えられている。
【0041】
前記減速器54の下面には、スライド軸受け71を介してロックロッド72が前記ボートロック軸66の軸心に直交する方向に摺動自在に設けられ、前記ロックロッド72の先端は前記平坦面69に当接可能となっており、前記ロックロッド72の基端はシリンダ、ソレノイド等、リニア駆動機であるロックアクチュエータ73に連結されている。
【0042】
而して、該ロックアクチュエータ73により前記ロックロッド72が進退され、該ロックロッド72の先端が前記平坦面69に当接離反する様になっており、前記ロックロッド72が前記平坦面69に当接した状態では、前記ボートロック軸66の回転が拘束される。
【0043】
前記ロックプレート68、前記ボートロック軸66、前記ロックロッド72、前記ロックアクチュエータ73、及び変位検出センサ80等により検出部としてのボートロック機構50を構成しており、前記変位検出センサ80は、前記ロックロッド72が前記平坦面69に当接中、外力によって前記ロックロッド72が後退した際にそれを検知する機能を有している。
【0044】
前記ボートキャップ17の下面には、前記ロックプレート68と係合離脱が可能な前記ロック穴62が形成されており、該ロック穴62は、図9に見られる様に、前記ボートキャップ17の内部に円板状の袋穴74が形成され、該袋穴74は鍵孔75によって一部が蓋をされた状態になっている。該鍵孔75は前記袋孔74と同半径の2つの円弧と対応する平行な直線で形成された略矩形形状となっており、前記ロックプレート68とは相似形状となっている。
【0045】
而して、前記ロックプレート68が前記鍵孔75を通して前記袋穴74に装入され(図9(A)、図9(B)参照)、前記ボートキャップ17に対して前記ボートロック軸66が相対回転される(図9(C)参照)ことで、前記ロックプレート68が前記鍵孔75と係合し、前記ボート載置盤58と前記ボートキャップ17とが離反しない様にロック、即ち前記ボート14が転倒しない様にロックされる。
【0046】
上記した様に、前記位置決めピン59,59,59と前記位置決め凹部61,61,61の嵌合により、前記ボート載置盤58に対する前記ボート14の回転方向の位置が決定される。又、前記ロックロッド72が前記平坦面69に当接していない状態では、前記ボートロック軸66は前記ロックバネ70の初期バネ力と、前記ボートロック軸66と前記外回転軸55間のストッパにより前記ボートロック軸66と前記ボート載置盤58との回転方向の位置が決定される。
【0047】
而して、該ボート載置盤58に載置された前記ボート14の前記ボートキャップ17下面の前記鍵孔75の方向と、前記ロックプレート68の方向は、前記ロックロッド72が前記ボートロック軸66と係合した状態では平行となり、係合が解除された状態では交差する。従って、前記ボートロック軸66に前記ロックロッド72が係合している状態としていない状態では90°方向が異なる様になっている。
【0048】
次に、図5により、移載用ボート載置台24について説明する。尚、前記待機用ボート載置台25は前記移載用ボート載置台24と同一構造である為、説明は省略する。
【0049】
ベース76が筐体2に取付けられ、前記ベース76の上面に前記移載用ボート載置台24が固定されている。該移載用ボート載置台24の上面には、所定数、例えば120°間隔で3つの位置決めピン77,77,77が突設されており、該位置決めピン77,77,77は前記ボートキャップ17底面の前記位置決め凹部61,61,61と嵌合する様になっている。
【0050】
又、前記移載用ボート載置台24の上面には、ボート判別センサ78及び傾き検出センサ79,79が設けられており、前記ボート14が載置された際に、該ボート14が前記第1ボート14aか、前記第2ボート14bであるかを判別し、判別した前記ボート14が傾いているかどうかを検出することができる。
【0051】
又、前記移載用ボート載置台24の中心を垂直に貫通するロックシャフト81が設けられ、該ロックシャフト81の突出する上端には前記ロックプレート68と同形状のロックプレート82が固着されている。前記ロックシャフト81の下端は、例えば図示しない回転シリンダ、モータ、ロータリソレノイド等のロータリアクチュエータに連結されている。該ロータリアクチュエータにより前記ロックシャフト81を介して前記ロックプレート82が90°回転する様になっている。
【0052】
前記移載用ボート載置台24に前記ボート14が載置された際には、前記移載用ボート載置台24に対する前記ボート14の姿勢は前記位置決め凹部61,61,61と前記位置決めピン77,77,77の嵌合により決定される。この状態で前記鍵孔75の向きと前記ロックプレート82の向きは一致する様にしておく。従って、該ロックプレート82は前記鍵孔75を通して前記袋穴74に装入される。前記ボート14の載置後、図示しないロータリアクチュエータの駆動により、前記ロックプレート82が90°回転され、前記ボート14に転倒防止の為のロックがされる。
【0053】
次に、図12に於いて、前記基板処理装置1の制御部であるコントローラ83の構成について説明する。
【0054】
該コントローラ83は、主制御部84と、プロセス制御部85と、搬送制御部86と、モニタ等の表示部87と、マウスやキーボード等の操作部88とで構成され、それぞれLAN等の通信手段によって接続されている。
【0055】
前記プロセス制御部85はメモリやHDD等の記憶部89を有し、温度制御部91と圧力制御部92とガス流量制御部93を制御する機能を有している。前記記憶部89にはプロセス処理を実行する為のレシピが格納されており、前記温度制御部91はヒータ等を駆動させて前記反応炉12内の温度を制御し、前記圧力制御部92は図示しないポンプやバルブを駆動させて前記反応炉12内の圧力を制御し、前記ガス流量制御部93は図示しないガス供給バルブやMFC等を駆動させて前記反応炉12内に供給するガスの流量を制御する機能を有している。
【0056】
又、前記搬送制御部86はメモリやHDD等の記憶部94を有し、カセット搬送部95とウェーハ搬送部96とボート搬送部97を制御する機能を有している。前記記憶部94には、各搬送部95,96,97を制御する為の制御プログラムが格納されており、前記カセット搬送部95はカセット21を搬送する前記カセットローダ7を駆動し、前記ウェーハ搬送部96はウェーハ15を移載する前記基板移載機19を駆動する機能を有している。
【0057】
又、前記ボート搬送部97は前記第1ボート14a及び前記第2ボート14bを前記ボート授受位置Bから前記反応炉12にロード、アンロードする前記ボートエレベータ8を駆動させ、前記ボート載置盤58に載置されたボート14を回転させる前記回転機構52及び前記ボートロック軸66の回転を拘束する前記ボートロック機構50を駆動させ、前記第1ボート支持アーム22及び前記第2ボート支持アーム23を垂直方向と水平方向に駆動させて前記ボート14を搬送する前記ボート交換装置18を駆動させる機能を有している。
【0058】
以下、基板処理装置1の作用について説明する。
【0059】
第1ボート14aはウェーハ移載位置Aにあり、前記第1ボート14aは移載用ボート載置台24に載置され、又第2ボート14bはボート待機位置Cにあり、前記第2ボート14bは待機用ボート載置台25に載置されている。
【0060】
図示しない外部搬送装置によりカセット21がカセットステージ3に載置される。前記カセット21の内部には25枚のウェーハ15が上下に所要ピッチで装填されている。前記カセット21は密閉容器である為、該カセット21の外部からのパーティクルの浸入を防止し、該カセット21が筐体2の外部にあった場合でもパーティクルの汚染が防止される。
【0061】
前記カセット21はカセットローダ7によりカセットオープナ5に載置され、或はカセットストッカ6に搬送される。
【0062】
基板移載機19が所定の高さに昇降され、ツイーザ20が前進され、該ツイーザ20により前記カセット21内部のウェーハ15が把持され、前記ツイーザ20が後退され、該ツイーザ20によりウェーハ15が搬出される。
【0063】
前記ツイーザ20は回転し、更に高さ調整された後、前記第1ボート14aに進入し、ウェーハ15が前記第1ボート14aに水平姿勢で装填される。
【0064】
以上の操作が繰返され、前記第1ボート14aにウェーハ15が所要枚数、例えば150枚装填される。
【0065】
前記第1ボート14aは前記移載用ボート載置台24上に載置されており、先ずボート判別センサ78によって載置されているボート14の種類が判断されると共に、傾き検出センサ79,79によって載置されている前記第1ボート14aが傾いているか否かが判断される。
【0066】
前記第1ボート14aは前記移載用ボート載置台24上に載置しているので、前記ウェーハ15が12インチの大口径の場合でも、前記第1ボート14a及び前記ウェーハ15の重量は前記移載用ボート載置台24により安定して支持される為、前記第1ボート支持アーム22及び前記第2ボート支持アーム23の撓みの影響がなくなり、前記第1ボート14aが傾き、ウェーハ15がボート本体16に接触することなくウェーハ15を安全に移載することが出来る。又、微妙な撓みによる上下方向の位置変化を考慮することがないので、ウェーハ15の移載時のティーチング作業が容易となり、作業時間が短縮される。
【0067】
又、第1アーム用モータ34により第1アーム用ボールネジ32が回転されると、下スライドブロック31がガイドシャフト29に沿って上昇されると共に前記第1ボート支持アーム22も上昇し、該第1ボート支持アーム22が前記移載用ボート載置台24と干渉しないレベルとなり、前記第1ボート受座38が未処理ウェーハ15を保持した前記第1ボート14aを受載する。受載後、前記第1アーム用モータ34が回転され、前記第1ボート支持アーム22及び前記第1ボート14aが90°回転し、ボート授受位置Bに至る。
【0068】
前記第1ボート受座38が降下されると前記ボート載置盤58の位置決めピン59,59,59が位置決め凹部61,61,61にそれぞれ嵌合すると共に、ロックプレート68がロック穴62に挿入され、前記第1ボート14aが位置決めされた上で前記ボート載置盤58上に載置される。この時、ボートロック機構50が作動しており、平坦面69がロックロッド72の先端に押圧され、前記ボートロック軸66の回転が拘束されている(図11(A)参照)。
【0069】
前記第1ボート14a載置後、前記第1ボート受座38が更に降下され、該第1ボート受座38が前記第1ボート14aから離間する。その後、前記回転機構52が前記第1ボート14aを前記ロックプレート68と前記鍵孔75の向きが一致している搬送位置から90°、即ち前記ロックプレート68の長径と前記ロック穴62の長径が交差するストッパ位置迄前記第1ボート14aを前記ボートロック軸66に対して相対回転させる。
【0070】
前記第1ボート14aを回転させた際に、該第1ボート14aが傾いていない、即ち正常な状態であった場合は、該第1ボート14aが回転されて前記ロックプレート68と前記鍵孔75の長径が交差した状態となり、前記ボート載置盤58と前記第1ボート14aが離反しない様にロックされた状態となる。
【0071】
該第1ボート14aを回転させた際に、該第1ボート14aが傾いていた場合には、前記鍵孔75が前記ロックプレート68に引掛かることで前記ボートロック軸66が回転させられる。該ボートロック軸66が回転させられると、前記平坦面69を介して前記ロックロッド72が押返されるので、該ロックロッド72が押返されたことを前記ボートロック機構50が具備する前記変位検出センサ80が検出することで、前記第1ボート14aが傾いていると判断され、処理が中断される。
【0072】
該第1ボート14aの傾きが検出されなかった場合には、前記第1ボート支持アーム22が前記と逆の方向(図2中、時計方向)に90°回転され、前記第1ボート受座38が前記ウェーハ移載位置Aに戻る。
【0073】
次に、前記ボートエレベータ8が駆動され、前記昇降アーム9を介してシールキャップ11、前記ボート載置盤58及び前記第1ボート14aが上昇し、該第1ボート14aが前記反応炉12にロードされる。又、前記シールキャップ11によって前記反応炉12が閉塞される。前記第1ボート14aのロード後、前記プロセス制御部85の前記記憶部89に格納されたレシピに従い、前記温度制御部91、前記圧力制御部92、前記ガス流量制御部93によってウェーハ15がプロセス処理される。
【0074】
処理中、前記第2アーム用モータ45により第2アーム用ボールネジ43が回転されることで、前記上スライドブロック46が前記ガイドシャフト29に沿って上昇され、前記第2ボート支持アーム23が前記移載用ボート載置台24及び前記待機用ボート載置台25と干渉しないレベルになると共に、前記第2ボート支持アーム23、前記第2ボート受座39を介して前記第2ボート14bが上昇される。その後、前記第2アーム用回転軸49が回転されて前記第2ボート支持アーム23及び前記第2ボート14bが180°回転し、前記第2ボート受座39及び前記第2ボート14bが前記ウェーハ移載位置Aに至る。
【0075】
前記第2ボート受座39が降下されると、前記移載用ボート載置台24上に前記第2ボート14bが載置される。この時、該第2ボート14bは、前記移載用ボート載置台24の位置決めピン77,77,77及びロックプレート82が、前記第2ボート14bの裏面に穿設された図示しない3つの位置決め凹部及びロック穴にそれぞれ嵌合することで位置決めされた上で載置される。
【0076】
前記第2ボート14bが前記移載用ボート載置台24上に載置されると、前記第2ボート受座39が更に降下され、該第2ボート受座39が前記第2ボート14bから離間する。その後、前記第2ボート支持アーム23が前記と逆方向に180°回転され、前記第2ボート受座39が前記ボート待機位置Cに戻る。
【0077】
プロセス処理と並行し、前記ウェーハ移載位置Aに於いて次バッチ処理の為に、前記第2ボート14bに前述の第1ボート14aと同様のウェーハ移載が行われる。ウェーハ移載が行われる際には、前記ボート判別センサ78によって載置されているボートの種類が判別されると共に、前記傾き検出センサ79,79によって傾きの有無が判断される。
【0078】
前記反応炉12の内部でプロセス処理された後、前記第1ボート14aが前記ボートエレベータ8によりアンロードされ、処理済ウェーハ15を保持する前記第1ボート14aが前記ボート授受位置B迄降下される。
【0079】
前記第2ボート支持アーム23が前記ボート授受位置B迄90°回転し、前記第2ボート支持アーム23が上昇し、前記第2ボート受座39を介して処理済ウェーハ15が装填された前記第1ボート14aを受載し、前記第2ボート支持アーム23が前記第2アーム用回転軸49を介して前記ボート授受位置Bから前記ボート待機位置C迄90°回転される。
【0080】
回転された前記第1ボート14aの前記位置決め凹部61,61,61及び前記ロック穴62が、図示しない前記待機用ボート載置台25の位置決めピン及びロックプレートとそれぞれ嵌合され、位置決めされた上で前記第1ボート14aが前記待機用ボート載置台25に載置され、前記第1ボート14aが待機状態となる。
【0081】
次に、前記第1ボート支持アーム22が上昇し、前記第1ボート受座38を介して次バッチ処理のウェーハ15を保持した前記第2ボート14bが持上げられ、前記第1ボート支持アーム22が90°回転され、前記第2ボート14bが前記ボート授受位置Bに至る。更に、前記第1ボート受座38が降下され、前記第2ボート14bの図示しないロック穴及び位置決め凹部に、前記ボート載置盤58の前記ロックプレート68及び前記位置決めピン59,59,59がそれぞれ嵌合されることで、前記第2ボート14bが位置決めされた上で、前記ボート載置盤58に載置される。その後、前記第1ボート受座38が更に降下され、該第1ボート受座38が前記第2ボート14bから離間する。
【0082】
この時、前記第2ボート14bに対して傾き検出が行われる。前記回転機構52によって前記第2ボート14bをストッパ位置迄90°回転させ、前記鍵孔75が前記ロックプレート68に引掛かるかどうかで前記第2ボート14bの傾きの有無が判断される。傾きの検出方法については上記した前記第1ボート14aの場合と同様である。
【0083】
検出の結果、前記第2ボート14bの傾きが検出された場合には処理が中断され、傾きが検出されなかった場合には、前記第1ボート支持アーム22が前記と逆の方向に90°回転され、前記第1ボート受座38が前記ウェーハ移載位置Aに戻る。
【0084】
前記ボートエレベータ8により、前記昇降アーム9を介して前記シールキャップ11、前記ボート載置盤58及び前記第2ボート14bが上昇し、該第2ボート14bが前記反応炉12にロードされ、ウェーハ15が上記と同様にプロセス処理される。
【0085】
プロセス処理と並行し、前記第2ボート支持アーム23が前記第2ボート受座39を介し、処理済ウェーハ15を保持する前記第1ボート14aを前記ウェーハ移載位置A迄移動させ、前記第1ボート14aを位置決めした上で前記移載用ボート載置台24に載置する。載置後、前記ボート判別センサ78によって前記第1ボート14aの種類が判別されると共に、前記傾き検出センサ79,79によって傾きが判断される。その後、前記第2ボート支持アーム23が前記とは逆の方向に180°回転され、前記第2ボート受座39が前記ボート待機位置Cに戻る。
【0086】
前記第1ボート14aが前記移載用ボート載置台24に載置された状態で処理済ウェーハ15が前記基板移載機19により前記カセット21に払出され、払出しが完了すると、別のカセット21から更に次のバッチ分の未処理ウェーハ15が第1ボート14aに装填される。
【0087】
第2ボート14bのプロセス処理が完了すると、該第2ボート14bが前記反応炉12から引出され、前記ボート授受位置B迄降下される。前記第2ボート支持アーム23が前記ボート授受位置B迄90°回転し、前記第2ボート支持アーム23に前記第2ボート14bが載置される。載置後、前記第2ボート支持アーム23が前記と逆の回転をし、前記第2ボート14bは前記ボート待機位置Cに移動される。
【0088】
その後、前記第1ボート支持アーム22が前記第1ボート受座38を介し、前記第1ボート14aを支持した状態で90°回転し、該第1ボート14aを前記ボート授受位置Bに移動させ、前記第1ボート14aは位置決めされた上で前記ボート載置盤58に載置される。
【0089】
前記第1ボート14a載置の際には、上記と同様、傾き検出が行われる。前記回転機構52によって前記第1ボート14aをストッパ位置迄90°回転させ、前記鍵孔75が前記ロックプレート68に引掛かるかどうかで前記第1ボート14aの傾きの有無が判断される。
【0090】
検出の結果、前記第1ボート14aの傾きが検出された場合には処理が中断され、検出されなかった場合には、該第1ボート14aの載置後、前記第1ボート支持アーム22が前記とは逆の方向に回転され、前記第1ボート受座38が前記ウェーハ移載位置Aに戻る。又、前記ボートエレベータ8により、前記昇降アーム9を介して前記シールキャップ11、前記ボート載置盤58及び前記第1ボート14aが上昇し、該第1ボート14aが前記反応炉12にロードされ、ウェーハ15が上記と同様にプロセス処理される。
【0091】
プロセス処理と並行し、前記第2ボート支持アーム23が前記第2ボート受座39を介し、前記第2ボート14bを支持した状態で180°回転し、前記ボート待機位置Cから前記第2ボート14bを前記ウェーハ移載位置A迄移動させ、前記第2ボート14bを位置決めした上で前記移載用ボート載置台24に載置する。載置後、前記第2ボート支持アーム23が前記と逆の方向に180°回転され、前記第2ボート受座39は前記ボート待機位置Cに戻る。前記第2ボート14bが前記移載用ボート載置台24に載置された状態で処理済ウェーハ15が前記基板移載機19により前記カセット21に払出され、払出しが完了すると別のカセット21から未処理ウェーハ15が前記第2ボート14bに装填される。
【0092】
以上の操作が繰返されることにより、前記ウェーハ15が効率よくプロセス処理される。
【0093】
次に、図13に於いて、前記第1ボート14a及び前記第2ボート14bを、前記ウェーハ移載位置Aから前記ボート授受位置B迄移動させた際の傾き検出方法をフローチャートを用いて説明する。
【0094】
前記操作部88を介して前記主制御部84から前記搬送制御部86に処理開始が入力されることで、前記ボート搬送部97は前記記憶部94に格納された搬送プログラムに従ってボートの移動を開始する。
【0095】
STEP:01 先ず始めに、前記移載用ボート載置台24の上面に設けられた前記ボート判別センサ78が、前記移載用ボート載置台24上に載置されているボート14が前記第1ボート14aであるか、前記第2ボート14bであるかを検出する。
【0096】
STEP:02 次に、前記傾き検出センサ79,79が、検出した前記ボート14が傾いているかを判断する。
【0097】
STEP:03 前記移載用ボート載置台24上に載置された前記ボート14の傾きが検出された場合には搬送処理を中断し、傾きが検出されなかった場合には処理を続行する。
【0098】
STEP:04 前記第1ボート受座38が前記ボート14を受載し、前記第1アーム用モータ34を駆動させて前記第1ボート支持アーム22が前記ボート14を前記移載用ボート載置台24と干渉しない高さ迄上昇させる。
【0099】
STEP:05 前記第1ボート受座38を上昇させた後、前記第1アーム用回転軸37を介して前記第1ボート支持アーム22を水平方向に90°回転させることで、前記ボート14を前記ウェーハ移載位置Aから前記ボート授受位置B迄移動させる。
【0100】
STEP:06 前記回転機構52が前記ボート載置盤58を90°、即ちストッパ位置迄回転する。
【0101】
STEP:07 前記回転機構52回転後、前記ボートロック機構50を作動させ、前記ロックロッド72を前記平坦面69に押圧させて前記ボートロック軸66の回転を拘束する。
【0102】
STEP:08 該ボートロック軸66拘束後、前記回転機構52が前記ボート載置盤58を前記とは逆方向に90°、即ち搬送位置迄回転する。
【0103】
尚、STEP:04、STEP:05及びSTEP:06〜STEP:08は並行して実施されているものとする。
【0104】
STEP:09 次に、前記第1アーム用モータ34を駆動させ、前記第1ボート受座38を降下させて前記ボート14を前記ボート載置盤58上に載置する。この時、前記ロックプレート68と前記位置決めピン59,59,59は、前記ボート14のロック穴62と位置決め凹部61,61,61とそれぞれ嵌合し、位置決めされている。
【0105】
STEP:10 前記ボート14載置後、前記第1ボート受座38を更に降下させ、該第1ボート受座38と前記ボート14を離間させる。
【0106】
STEP:11 前記第1ボート受座38と前記ボート14を離間させた後、前記回転機構52が前記ボート載置盤58及び前記ボート載置部13上に載置された前記ボート14をストッパ位置迄、即ち90°回転させる。
【0107】
STEP:12 前記回転機構52を回転させた際に、前記ボート14が傾いていた場合には、前記鍵孔75が前記ロックプレート68に引掛かり、前記ボートロック軸66を回転させる(図10、図11(B)参照)。該ボートロック軸66の回転を介して前記平坦面69が前記ロックロッド72を押返し、該ロックロッド72が押返されるのを前記ボートロック機構50が具備するセンサが検出することで、前記ボート14が傾いているかどうかが判断される。
【0108】
STEP:13 該ボート14の傾きが検出されなかった場合には、前記ボートロック機構50を停止し、前記ボートロック軸66の拘束を解除する。
【0109】
STEP:14 該ボートロック軸66の拘束解除後、前記回転機構52を前記とは逆方向に90°、即ち搬送位置迄回転させ、以後の処理が続行される。
【0110】
STEP:15 STEP:12で、前記ボート14の傾きが検出された場合には、前記ボート交換装置18及び前記ボートエレベータ8の動作が停止し、搬送処理が中断される。
【0111】
STEP:16 処理中断後、前記ボートロック機構50が停止し、前記ボートロック軸66の拘束が解除される。
【0112】
STEP:17 最後に前記回転機構52が作業者が前記ボート14上のウェーハ15を回収可能な方向迄前記ボート載置盤58を回転させ、中断処理が終了する。
【0113】
中断処理終了後、作業者が前記ボート14上のウェーハ15を回収し、カレントをバッチクリアし、前記ボート14を取出す。
【0114】
取出した該ボート14を前記ボート授受位置Bから前記ウェーハ移載位置Aに移動させ、ボートティーチングを実施することで再び搬送処理の実施が可能となる。
【0115】
上述の様に、前記平坦面69に前記ロックロッド72を押圧して前記ボートロック軸66の回転を拘束し、前記ボート14が傾いていた場合には前記鍵孔75が前記ロックプレート68に引掛かり、前記ボートロック軸66が回転させられたことを前記ボートロック機構50で検出可能としたことで、前記ボート載置盤58上に於いて前記ボート14の傾き検出が可能となり、更に傾き検出後に搬送処理を中断可能としたことで、傾いたまま前記ボート14をロードした場合に該ボート14が何らかのものと接触してウェーハ15と前記ボート14が破損するのを防止することができ、生産性の向上や安全性の向上を図ることができる。
【0116】
又、前記反応炉12内にセンサを設ける必要がないので、プロセス処理中にウェーハ15が汚染されるのを防止することができる。
【0117】
尚、上述の実施形態では前記ボート交換装置18を用いる形態として説明したが、本発明の別の実施形態として、該ボート交換装置18を用いずに1ボートの装置に於いても適用可能であるのは言う迄もない。
【0118】
(付記)
又、本発明は以下の実施の態様を含む。
【0119】
(付記1)基板を処理する処理室と、該処理室で基板を保持する基板保持具と、該基板保持具を載置する載置部と、該載置部に対して相対回転可能に設けられ相対回転により前記基板保持具を係合解除可能なロック部材と、該ロック部材と前記載置部とを相対回転させる回転部と、該回転部の回転動作を検出する検出部とを具備することを特徴とする基板処理装置。
【0120】
(付記2)前記検出部が、前記基板保持具を前記ロック部材で係合する第一の回転角度から前記基板保持具を前記ロック部材から解除する第二の回転角度に前記回転部が回転しなかったことを検出した際に、前記基板保持具の前記載置部に対する傾向異常を判断する制御部を有する付記1の基板処理装置。
【0121】
(付記3)ロック部材を載置部に対して相対回転させ、基板を保持した基板保持具を係合する工程と、前記係合した基板保持具を処理室へ搬入し、該処理室内にて基板を処理する工程と、該処理後の基板保持具を前記処理室から搬出し、前記ロック部材を前記載置部に対して相対回転させて前記基板保持具を解除する工程とを有し、前記係合する工程では前記ロック部材を前記載置部に対して相対回転させ、前記基板保持具を係合できなかった際に前記基板保持具の前記載置部に対する傾向異常を判断することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【0122】
(付記4)ロック部材を載置部に対して相対回転させ、基板を保持した基板保持具を係合する工程と、前記係合した基板保持具を処理室へ搬入し、該処理室内にて基板を処理する工程と、該処理後の基板保持具を前記処理室から搬出し、前記ロック部材を前記載置部に対して相対回転させて前記基板保持具を解除する工程とを有し、前記係合する工程では前記ロック部材を前記載置部に対して相対回転させ、前記基板保持具を係合できなかった際に制御部が前記基板保持具の前記載置部に対する傾向異常を判断することを特徴とする基板保持具の傾向異常検出方法。
【符号の説明】
【0123】
1 基板処理装置
8 ボートエレベータ
14 ボート
15 ウェーハ
17 ボートキャップ
18 ボート交換装置
50 ボートロック機構
52 回転機構
58 ボート載置盤
62 ロック穴
66 ボートロック軸
68 ロックプレート
69 平坦面
72 ロックロッド
73 ロックアクチュエータ
83 コントローラ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を処理する処理室と、該処理室で基板を保持する基板保持具と、該基板保持具を載置する載置部と、該載置部に対して相対回転可能に設けられ相対回転により前記基板保持具を係合解除可能なロック部材と、該ロック部材と前記載置部とを相対回転させる回転部と、該回転部の回転動作を検出する検出部とを具備することを特徴とする基板処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2010−272667(P2010−272667A)
【公開日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−122830(P2009−122830)
【出願日】平成21年5月21日(2009.5.21)
【出願人】(000001122)株式会社日立国際電気 (5,007)
【Fターム(参考)】