多層配線構造に空隙を形成する方法
【課題】熱プロセスを使用しないで、低誘電率材料である空隙を含む多層配線構造を形成する方法を提供する。
【解決手段】誘電層105にトレンチを形成し、トレンチにコンフォーマル誘電バリア膜と金属拡散バリア膜を堆積する。トレンチに導電材料を充填し導電ライン109を形成する。誘電層と導電ライン上に多孔性バリア111を形成する。フォトレジスト112を生成し、そのホール113からエッチング液を多孔性バリアを介して誘電層に接触させ、誘電層をエッチング除去して空隙114を形成する。コンフォーマル誘電バリア膜が、ウェットエッチング化学薬品に対するバリアとして作用する。
【解決手段】誘電層105にトレンチを形成し、トレンチにコンフォーマル誘電バリア膜と金属拡散バリア膜を堆積する。トレンチに導電材料を充填し導電ライン109を形成する。誘電層と導電ライン上に多孔性バリア111を形成する。フォトレジスト112を生成し、そのホール113からエッチング液を多孔性バリアを介して誘電層に接触させ、誘電層をエッチング除去して空隙114を形成する。コンフォーマル誘電バリア膜が、ウェットエッチング化学薬品に対するバリアとして作用する。
【発明の詳細な説明】
【発明の背景】
【0001】
発明の分野
[0001]本発明の実施形態は概して集積回路の製作に関する。より具体的には、本発明の実施形態は、低誘電定数を有する誘電材料を含む多層配線構造を形成する方法に関する。
【0002】
関連技術の説明
[0002]集積回路形状は、このようなデバイスが数十年前に最初に導入されて以来、劇的に縮小している。これ以来、集積回路は概して(しばしばムーアの法則と称される)18ヶ月サイズルールに従っており、これは、2年ごとにチップのデバイス数が2倍になるということを意味している。今日の製作設備は、0.1μm形状サイズを有するデバイスを定期的に製造しており、将来の設備はやがて、より小型の形状サイズを有するデバイスを製造しているだろう。
【0003】
[0003]デバイス形状の継続的縮小は、低誘電定数(k)値を有する膜に対する要求を生成しているが、これは、隣接する金属ライン間の容量結合が、集積回路でのデバイスサイズをさらに縮小するために、削減されなければならないからである。とりわけ、約3.0未満の誘電定数を有する絶縁体が望ましい。このような低誘電定数を有する絶縁体の例は、多孔性誘電体、炭素ドープ酸化シリコンおよびポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を含んでいる。
【0004】
[0004]多孔性炭素ドープ酸化シリコン膜を生成するために使用されてきた方法の1つは、有機シリコン化合物、および熱的に不安定な種や揮発性基を備える化合物を備えるガス混合物から膜を堆積した後、堆積膜を事後処置して、堆積膜から、有機基などの熱的に不安定な種や揮発性基を除去するためのものであった。熱的に不安定な種や揮発性基を堆積膜から除去することは膜にナノメートルサイズの間隙を作成し、これは膜の誘電定数を、例えば約2.5に低下させる。
【0005】
[0005]ナノメートルサイズの間隙からなる大きな空隙の形成はさらに誘電定数を低下させるが、これは、空気がおよそ1の誘電定数を有しているからである。しかしながら、大型空隙の形成に使用された熱プロセスは複数の問題を有している。例えば、熱的除去はこの構造にストレスを作成し、これは安定性の問題を表している。
【0006】
[0006]したがって、集積回路の形状の継続的縮小および従来の方法における既存の問題に関して、3.0未満の誘電定数を有する誘電層を形成する方法が必要とされている。
【発明の概要】
【0007】
[0007]本発明は概して、より小型の特徴部に封入されている均一な空隙を含む多層配線構造を含む多層配線構造を形成する方法を提供する。
【0008】
[0008]一実施形態は、第1の誘電層にトレンチを形成するステップであって、空隙が該第1の誘電層に形成されることになるステップと、該トレンチにコンフォーマル誘電バリア膜を堆積するステップであって、該コンフォーマル誘電バリア膜が、該第1の誘電層に該空隙を形成する際に使用されるウェットエッチング化学薬品に対するバリアとして作用するように構成されている低k誘電材料を備えるステップと、該コンフォーマル低k誘電層に金属拡散バリア膜を堆積するステップと、該トレンチを充填するために導電材料を堆積するステップとを備える、半導体構造に導電ラインを形成する方法を提供する。
【0009】
[0009]別の実施形態は、第1の誘電層にトレンチを形成するステップであって、該トレンチが、導電材料をこの中に保有するように構成されているステップと、該トレンチに第1のコンフォーマル誘電バリア膜を堆積するステップと、該トレンチを充填するために第1の導電材料を堆積するステップと、該第1の誘電層を露出するために該第1の導電材料を平坦化するステップと、該導電材料に第1の自己整合型キャップ層を形成するステップと、該第1の導電材料および該第1の誘電層上に第1の多孔性誘電バリアを堆積するステップと、該第1の多孔性誘電バリアを介してウェットエッチング溶液を使用して該第1の誘電層を除去することによって該トレンチ間に空隙を形成するステップであって、該第1のコンフォーマル誘電バリア膜が該ウェットエッチング溶液に対するバリアおよびエッチングストップとして作用するステップとを備える、空隙を有する誘電構造を形成する方法を提供する。
【0010】
[0010]さらに別の実施形態は、第1の誘電層にトレンチを形成するステップであって、角度付き側壁を有する該トレンチが底部では狭く、開口では広いステップと、該トレンチに第1のコンフォーマル誘電バリア膜を堆積するステップと、該トレンチを充填するために第1の導電材料を堆積するステップと、該第1の誘電層を露出するために該第1の導電材料を平坦化するステップと、該第1の導電材料周辺に逆トレンチを形成するために該第1の誘電層を除去するステップであって、該逆トレンチは角度付き側壁を有しており、また開口では狭く、底部では広いステップと、逆トレンチに第1の非コンフォーマル誘電層を堆積することによって該逆トレンチの少なくとも一部に空隙を形成するステップであって、特定の値より大きなアスペクト比を有する該逆トレンチに空隙が形成されているステップとを備える、空隙を有する誘電構造を形成する方法を提供する。
【0011】
[0011]本発明の上記引用された特徴が詳細に理解されるように、上記簡潔に要約されている本発明に関するより特定的な説明は実施形態を参照してなされてもよく、この一部は添付の図面に図示されている。しかしながら、添付の図面は本発明の通常の実施形態のみを図示しており、また本発明は他の等しく効果的な実施形態を許容可能であるため、この範囲を制限するものと見なされるべきではない点に注目する。
【0012】
[0018]理解を容易にするために、同一参照番号が、可能ならば、図面に共通の同一要素を指し示すために使用されてきた。一実施形態に開示されている要素は、具体的な引用なしに他の実施形態で効果的に利用可能であることが想定されている。
【詳細な説明】
【0013】
[0019]本発明の実施形態は概して、多層配線構造に空隙を形成する方法を提供する。空隙は概して、金属構造が、例えばダマシン構造のトレンチレベルで緊密にパックされているエリアに形成される。コンフォーマル低k誘電バリア膜が、空隙周辺に機械的サポートを提供し、かつ空隙形成中のウェットエッチング化学薬品および湿気から金属構造を保護するために、金属構造周辺に堆積される。一意の多孔性低k誘電層が除去可能な層間誘電(ILD)層上に形成される。多孔性誘電バリアは、ウェットエッチング化学薬品の浸透を許容し、かつILD層の除去およびこの中への空隙の形成を可能にする皮膜として作用する。高密度誘電バリアは次いで多孔性誘電バリア上に堆積される。低ストレス低kILD層は高密度誘電バリア上に堆積されてもよく、次のレベルで構造を形成するために誘電体を提供する。低ストレスILD層は、多層配線構造内の空隙の形成によってもたらされるストレスを低減する。別の実施形態では、非コンフォーマル低k誘電層が、側壁が傾斜されている金属構造周辺に堆積されており、空隙は、金属構造が緊密にパックされている非コンフォーマル低k層の一部内に形成されてもよい。
【0014】
多孔性誘電バリアを介する空隙の形成
[0020]図1A〜図1Jは、本発明の実施形態に従って多層配線構造を形成する処理シーケンス中の基板スタックの断面図を概略的に図示している。図4は、図1A〜図1Jに示されている処理シーケンスに従ったプロセス200を図示している。
【0015】
[0021]トランジスタなどのデバイスが半導体基板101上に形成された後、ビア層102が基板101上に形成されてもよい。ビア層102は通常、導電要素(ビア)103をこの中に形成している誘電膜である。導電要素103は、基板101に形成されたデバイスと電気的に連通するように構成されている。通常は導電材料および誘電体のトレンチ層およびビア層を交互に含んでいる多層配線構造がビア層102上に形成されて、基板101のデバイスに回路を提供する。トレンチ層は概して、導電ラインを形成している誘電膜のことである。ビア層は、一方のトレンチ層から別のトレンチ層への電気経路を提供する小型金属ビアを有する1層の誘電体である。
【0016】
[0022]プロセス200は、ビア層102上に多層配線構造を形成する方法を提供する。
【0017】
[0023]ステップ201において、図1Aに示されているエッチングストップ層104がビア層102上全体に堆積されて、第1の誘電層105、例えば二酸化シリコン層がエッチングストップ層104上に堆積される。エッチングストップ層104は、後続のエッチングステップ中にビア層102を保護し、かつ誘電拡散バリアとして作用するように構成されている。エッチングストップ層104はシリコンカーバイド層であってもよい。
【0018】
[0024]ステップ202において、トレンチ106が誘電層105およびエッチングストップ層104に形成される。トレンチ106は、エッチングが続く、フォトレジストを使用するパターニングなどの、当業者に公知の任意の従来の方法を使用して形成されてもよい。
【0019】
[0025]ステップ204において、コンフォーマル誘電バリア膜107が、トレンチ106の側壁を含む基板の上部表面全体に堆積される。コンフォーマル誘電バリア膜107は、後にトレンチ106に形成される銅線などの金属構造を、後続プロセス中のウェットエッチング化学薬品および湿気から保護するためのバリア層として作用するように構成されている。加えて、コンフォーマル誘電バリア膜107はまた、空隙が形成された後に、トレンチ106に形成されている金属構造に機械的サポートを提供する。一実施形態では、コンフォーマル誘電バリア膜107は低k誘電バリア材料、例えば窒化ホウ素(BN)、窒化シリコン(SiN)、シリコンカーバイド(SiC)、窒化シリコンカーバイド(SiCN)、窒化シリコンホウ素(SiBN)またはこれらの組み合わせを備えている。
【0020】
[0026]一実施形態では、コンフォーマル誘電バリア膜107は、プラズマ化学気相堆積(PECVD)プロセスによって形成された、約5.0未満のk値を具備する窒化ホウ素(BN)層である。コンフォーマル誘電バリア膜107は約10Å〜約200Åの厚さを有することがある。窒化ホウ素層の堆積は、ホウ素含有前駆体からホウ素含有膜を形成するステップと、このホウ素含有膜を窒素含有前駆体で処置するステップとを備えてもよい。ホウ素含有膜の形成はプラズマによって、またはこれなしで実行可能である。ホウ素含有前駆体はジボラン(B2H6)、ボラジン(B3N3H6)、またはボラジンのアルキル置換誘導体であってもよい。ホウ素含有膜の処置は、プラズマプロセス、紫外線(UV)硬化プロセス、熱アニーリングプロセスおよびこれらの組み合わせからなる群より選択されてもよい。窒素含有前駆体は窒素ガス(N2)、アンモニア(NH3)またはヒドラジン(N2H4)であってもよい。窒化ホウ素膜の堆積に関する詳細な説明は、2007年5月23日に出願された「Boron Nitride and Boron−Nitride Derived Materials Deposition Method」(代理人整理番号第11996号)と題された米国仮特許出願第60/939,802号に見られ、これは参照によって本明細書に組み込まれている。
【0021】
[0027]ステップ206において、金属拡散バリア108がコンフォーマル誘電バリア膜107上に形成される。金属拡散バリア108は、トレンチ106および誘電構造に後に近接して堆積される金属ライン間の拡散を防止するように構成されている。金属拡散バリア108はタンタル(Ta)および/または窒化タンタル(TaN)を備えてもよい。
【0022】
[0028]ステップ208において、トレンチ106は、図1Bに示されているように、1つ以上の金属を備える導電ライン109によって充填されてもよい。一実施形態では、スパッタリングステップが、金属拡散バリア108およびコンフォーマル誘電バリア膜107をトレンチ106の底部壁の全体または一部から除去するために実行されてもよく、導電ライン109は、ビア層102の導電要素103と直接接触可能である。導電ライン109の堆積は、導電シード層を形成するステップと、導電シード層上に金属を堆積するステップとを備えてもよい。導電ライン109は、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、または所望の伝導率の任意の適切な材料を備えてもよい。
【0023】
[0029]ステップ210において、化学的機械的研磨(CMP)プロセスが導電ライン109、金属拡散バリア108およびコンフォーマル誘電バリア膜107に実行されて、誘電層105が、図1Cに示されているように露出される。
【0024】
[0030]ステップ212において、自己整合型キャップ層110が導電ライン109上に形成される。自己整合型キャップ層110は無電解堆積を使用して形成されてもよく、また導電ライン109の露出表面にのみ形成されてもよい。自己整合型キャップ層110は、空隙形成で使用されるウェットエッチング化学薬品から導電ライン109を保護し、かつ導電ライン109の上部表面全体への種の拡散を防止するためのバリアとして構成されている。自己整合型キャップ層110は銅および酸素両方の拡散を防止可能である。銅を備える導電ライン109について、自己整合型キャップ層110は、コバルト(Co)、タングステン(W)またはモリブデン(Mo)、リン(P)、ホウ素(B)、レニウム(Re)およびこれらの組み合わせを含有する多様な組成を備えてもよい。自己整合型キャップ層110の形成に関する詳細な説明は、「Adhesion and Minimizing Oxidation on Electroless Co Alloy Films for Integration with Low k Inter−Metal Dielectirc and Etch Stop」と題された米国特許公報第2007/0099417号に見られ、これは参照によって本明細書に組み込まれている。
【0025】
[0031]ステップ214において、多孔性誘電バリア111が導電ライン109およびコンフォーマル誘電バリア膜107上に堆積される。多孔性誘電バリア111は、k<4.0の低k誘電バリアであってもよい。多孔性誘電バリア111は透過性であり、希釈フッ化水素(DHF)溶液などのエッチング溶液を、第1の誘電層105などの除去可能な層に浸透させて、その下に空隙を形成することができる。多孔性誘電バリア111は炭素が豊富であり、疎水性である。多孔性誘電バリア111は概して、エッチング溶液との接触がこの構造に影響を与えない程度の低ウェットエッチングレートを有している。一実施形態では、低ウェットエッチングレートが、多孔性誘電バリア111におけるSi−O結合を削減または排除することによって達成されてもよい。一実施形態では、多孔性誘電バリア111はまた、導電ライン109における銅などの金属に対する拡散バリア層として作用することもある。一実施形態では、多孔性誘電バリア111は疎水性であるため、ウェットエッチングプロセスからの残渣および汚染を最小化することができる。一実施形態では、多孔性誘電バリア111の疎水性は、多孔性誘電バリア111における炭素含有量をコントロールすることによって取得されてもよい。
【0026】
[0032]一実施形態では、多孔性誘電バリア111は、シリコン酸素結合(Si−O)なしの、シリコンカーバイド(SiC)、窒化シリコンカーバイド(SiCN)またはこれらの組み合わせを備えている。一実施形態では、多孔性誘電バリア111は、約10Å〜約100Åの厚さを有することがある。別の実施形態では、多孔性誘電バリア111は、約50Å〜約300Åの厚さを有することがある。
【0027】
[0033]多孔性誘電バリア111は、シリコンおよび炭素を含有する前駆体を使用する化学気相堆積法を使用して形成されてもよい。一実施形態では、低密度プラズマ条件が、多孔性誘電バリア111を形成するために使用される。一実施形態では、多孔性誘電バリア111は、参照によって本明細書に組み込まれている「Method of Improving Stability in Low k Barrier Layers」と題された米国特許第6,790,788号における低kシリコンカーバイド層の堆積方法に類似の、水素を備える処理ガスと酸素フリー有機シリコン化合物を反応させることによって堆積されたシリコンカーバイド層であってもよい。
【0028】
[0034]多孔性誘電バリアの形成方法に関する詳細な説明は、2007年10月9日に出願され、「Method to Obtain Low K Dielectric Barrier with Superior Etch Resistivity」と題された米国特許出願(代理人整理番号第11498号)に見られ、これは参照によって本明細書に組み込まれている。実施例1は、多孔性誘電バリア111を堆積するための例示的レシピを列挙している。
【0029】
実施例1
[0035]シリコンカーバイドを有する多孔性誘電バリアを堆積するためのPECVD堆積プロセスは、トリメチルシラン(TMS、(CH3)3SiH)およびエチレン(C2H4)の組み合わせを備える前駆体を使用するステップを備えている。TMS/エチレン比を含むプロセス条件は、炭素の原子パーセンテージが15%以上になるように設定される。一実施形態では、エチレン/TMS比は約1:1〜約8:1であり、TMS/エチレン前駆体およびキャリアガスの流量は約5sccm〜約10,000sccmであり、温度は約350℃でる。これらの条件について、チャンバ圧力は約10ミリトール〜約1気圧であり、プラズマ生成の無線周波数(RF)電力は約15W〜約3,000Wであり、処理中の基板に前駆体を提供するように構成されている、基板とシャワーヘッド間の間隔は約200ミル〜約2000ミルである。
【0030】
[0036]図4を参照すると、ステップ216において、空隙が形成されることになるエリアを露出するためにパターンが生成されてもよい。フォトレジスト層112が多孔性誘電バリア111上に堆積される。パターンは次いで、図1Dに示されているように、フォトレジスト層112で現像され、ホール113を介して多孔性誘電バリア111の一部を露出する。このパターンは、導電ライン109間の距離が特定の範囲にあるエリアに空隙を制限するために使用される。例えば、空隙は、近接する導電ライン109の距離が5nm以上であるエリアに制限されることがある。空隙は、緊密にパックされている導電ライン109間の誘電体のk値を低下させるためにもっとも効果的である。加えて、ピッチが大きい導電ライン109、またはビア層におけるビアなどの、かなり離れた金属構造間の空隙の形成は、機械的構造の一体性に影響を与えることがある。したがって、パターンは、特定の範囲に空隙を制限するように、本ステップで形成される。一実施形態では、空隙は近接する導電ライン109間に形成されてもよく、この場合導電ライン109間の距離は約5nm〜約200nmである。
【0031】
[0037]ステップ218において、ウェットエッチングプロセスが実行される。第1の誘電層105の一部は、ホール113によって露出されている多孔性誘電バリア111を介してDHF溶液などのエッチング溶液に接触しており、また、図1Eに示されているように、空隙114を形成するために完全または部分的にエッチングされている。一実施形態では、DHF溶液は水6に対してフッ化水素1を備えている。バッファ化されたフッ化水素(BHF、NH4F+HF+H2O)などの他のウェットエッチング化学薬品もまた、多孔性誘電バリア111を介して第1の誘電層105をエッチングするために使用されてもよい。例示的なエッチング方法は、「Etch Process for Etching Microstructures」と題された米国特許第6,936,183号に見られ、これは参照によって本明細書に組み込まれている。図1Eに矢印で示されているように、エッチング溶液は多孔性誘電バリア111を介して第1の誘電層105に達し、エッチング生成物は多孔性誘電バリア111を介して除去される。
【0032】
[0038]エッチングプロセスは、第1の誘電層105を囲むコンフォーマル誘電バリア膜107、エッチングストップ層104および多孔性誘電バリア111によってコントロールされる。コンフォーマル誘電バリア膜107および多孔性誘電バリア111はまた空隙114に均一な構造を提供する。クリーニングプロセスには、エッチングプロセスのフォトレジストおよび残渣を除去するためのエッチングプロセスが続いてもよい。
【0033】
[0039]ステップ220において、図1Fに示されている高密度誘電バリア115は、空隙形成の完了時に多孔性誘電バリア111に堆積される。高密度誘電バリア115は、導電ライン109における銅などの金属の拡散、および空隙114への湿気の移行を防止するように構成されている。高密度誘電バリア115は、シリコンカーバイド(SiC)、窒化シリコンカーバイド(SiCN)、窒化ホウ素(BN)、窒化シリコンホウ素(SiBN)、窒化シリコンホウ素カーバイド(SiBCN)またはこれらの組み合わせなどの薄い低k誘電バリア膜を備えてもよい。一実施形態では、高密度誘電バリア115は約20Å〜約500Åの厚さを有している。別の実施形態では、高密度誘電バリア115は約50Å〜約200Åの厚さを有する。
【0034】
[0040]ステップ222において、ILD層116が高密度誘電バリア115上に堆積されている。任意の適切な誘電材料がILD層116として使用されてもよい。一実施形態では、ILD層116は、トレンチ層間の誘電定数k<2.7の低kかつ低ストレス誘電体である。ILD層116の低ストレスによってILD層116は、空隙114の形成によって生成されたストレスを吸収および/または中和することができる。ILD層116はまた、この構造をサポートするための良好な機械的特性を有している。一実施形態では、ILD層116は約100Å〜約5,000Åの厚さを有している。ILD層116は炭素ドープ二酸化シリコン、シリコンオキシカーバイド(SiOxCy)またはこれらの組み合わせであってもよい。ILD層116の形成方法は、「Low Temperature Process to Produce Low−K Dielectrics with Low Stress by Plasma−Enhanced Chemical Vapor Deposition(PECVD)」と題された米国特許公報第2006/0043591号に見られ、これは参照によって本明細書に組み込まれている。
【0035】
[0041]ステップ224において、エッチングストップ層127がILD層116上に形成される。エッチングストップ層127は、ILD層116上の後続トレンチ層に空隙を形成する際に使用されるウェットエッチング化学薬品からILD層116を保護するように構成されている。一実施形態では、エッチングストップ層127はシリコンカーバイドを備えてもよい。
【0036】
[0042]ステップ226において、第2の誘電層117がエッチングストップ層127上に形成される。第2の誘電層117は第1の誘電層105に類似していてもよい。一実施形態では、第2の誘電層117は二酸化シリコンを備えている。
【0037】
[0043]ステップ227において、図1Fに示されているように、従来の二重ダマシン構造118は、新たなビア層および新たなトレンチ層をそれぞれこの中に形成するためにILD層116および第2の誘電層117に形成されてもよい。二重ダマシン構造の形成についての詳細な説明は、「Method of Fabricating a Dual Damascene Interconnect Structure」と題された米国特許出願公報第2006/0216926号に見られ、これは参照によって本明細書に組み込まれている。
【0038】
[0044]図1G〜図1Jに示されているように、ステップ204〜218は、第2の誘電層117に形成されている導電ライン121間に空隙126を形成するために反復されてもよい。コンフォーマル誘電バリア膜107に類似のコンフォーマル誘電バリア膜119は、バリア層108に類似の金属拡散バリア層120の堆積前に、二重ダマシン構造118に堆積されてもよい。導電ライン121は、パンチスルーステップ後にダマシン構造118に形成されてもよい。自己整合型キャップ層110に類似のキャップ層122、および多孔性誘電バリア111に類似の多孔性誘電バリア123がCMPプロセス後に形成されてもよい。フォトレジスト層124は、多孔性誘電バリア123と、フォトレジストに形成されているパターンとに堆積されてもよく、フォトレジスト層124のホール125を介して第2の誘電層117の一部を露出する。次いでウェットエッチングプロセスが、空隙126を形成するために使用される。
【0039】
[0045]同様に、空隙は、上記プロセスを使用して各順次誘電層の選択領域に形成されてもよい。
【0040】
[0046]上記空隙形成プロセスは、従来の空隙形成方法、例えば熱分解に対して複数の利点を有している。
【0041】
[0047]まず、コンフォーマル誘電バリア107および119などのコンフォーマル低k誘電バリアは、順次ステップで使用されている湿気および化学溶液から銅などの金属を保護するための良好な誘電バリアとして作用するのみならず、空隙形成後に導電ラインに機械的サポートを提供する。
【0042】
[0048]第2に、熱分解と比較して、本発明の実施形態は、均一な空隙を形成するために選択的ウェットエッチング方法を使用する。特に、SiO2などの形成されている誘電体を除去して空隙を形成するために、DHFおよびBHFなどのウェットエッチング化学薬品が使用される。熱分解は選択的でなくてもよい。全ての使い捨て材料は除去されたりダメージを与えられたりすることになり、またこの構造における任意の残りの使い捨て材料は、後続のプロセスステップに信頼性の問題を招くことがある。本発明で使用されているウェットエッチング方法は選択的であってもよく、またフォトリソグラフィおよびパターニングステップを介して選択エリアにのみ適用してもよい。したがって、空隙のエリアパーセンテージおよび場所は、所望の誘電値ならびに必要な機械的強度を満たすように設計可能である。例えば、空隙は、2つの隣接する金属ライン間のピッチ長が10nm〜200nmである高密度金属エリアに形成されてもよい。
【0043】
[0049]第3に、低ストレス低誘電層が、スタック全体のストレスを最小化するために層間誘電体で使用されており、またこれは、配線構造全体に強力な機械的サポートを提供する。
【0044】
[0050]第4に、ウェットエッチング化学薬品に対して透過的な多孔性誘電バリア膜が、ウェットエッチング溶液を除去可能な誘電層に浸透させて、その下に空隙を形成するための皮膜として使用される。
【0045】
[0051]第5に、バリア層115などの薄い高密度密封誘電バリア膜が、拡散ならびに湿気の浸透を防止するために多孔性誘電バリア膜の上部に堆積される。
【0046】
非コンフォーマル誘電層への空隙の形成
[0052]本発明の実施形態はまた、導電ライン間のトレンチに非コンフォーマル誘電層を堆積することによって空隙を生成する方法を提供する。角度付き側壁を具備するトレンチは、コントロールエッチングプロセスによって誘電層に形成されてもよい。側壁は、トレンチが底部より広い開口を有するように角度が付けられている。コンフォーマル誘電バリアが、ウェットエッチング化学薬品からのバリアを提供するためにトレンチ表面に堆積される。角度付き側壁を具備するトレンチは次いで、導電ラインを形成する導電材料で充填される。導電ライン周辺の誘電層は除去されて、導電ライン間に逆トレンチを残す。導電ライン間の逆トレンチは、底部より狭い開口を具備する角度付き側壁を有する。非コンフォーマル誘電層は次いで、導電ライン間のトレンチに堆積される。堆積プロセスは、空隙が狭いトレンチ内に形成するようにコントロールされてもよい。固体誘電層が形成されるが、この場合トレンチは広い。したがって、空隙形成は、マスクを使用せずに当然選択的である。2つの例示的処理シーケンスについて後述する。
【0047】
シーケンス1
[0053]図2A〜図2Jは、本発明の一実施形態に従って多層配線構造を形成する処理シーケンス240中の基板スタックの断面図を概略的に図示している。図5は、図2A〜図2Jに示されている処理シーケンス240に従った処理ステップを図示している。
【0048】
[0054]図2Aに示されているように、トランジスタなどのデバイスが半導体基板101上に形成された後、ビア層102が基板101上に形成されてもよい。導電要素103は、基板101に形成されているデバイスと電気連通するように構成されている。エッチングストップ層104は次いでビア層102上全体に堆積される。第1の誘電層105、例えば二酸化シリコン層がエッチングストップ層104上に堆積される。
【0049】
[0055]ステップ242において、角度付き側壁132を具備するトレンチ131は、フォトレジスト130に形成されているパターンを介するエッチングプロセスによって生成される。エッチングプロセスは概して、垂直壁を具備するトレンチを形成する際に使用される従来のエッチングプロセスと比較して異方性ではない。一実施形態では、等方性プラズマエッチングプロセスが、角度付き側壁132を具備するトレンチ131を形成するために使用されてもよい。側壁132の角度は、処理パラメータ、例えばバイアス電力レベルを調整することによってチューニング可能である。一実施形態では、トレンチ131の対向する側壁132間の角度αは、約5°〜約130°の範囲であってもよい。
【0050】
[0056]ステップ244において、コンフォーマル誘電バリア膜133は、図2Bに示されているように、エッチングストップ層104およびフォトレジスト130の一部を除去した後にトレンチ131に堆積される。コンフォーマル誘電バリア膜133は、後にトレンチ131に形成される銅線などの金属構造をプロセス中の湿気および/または化学薬品から保護するためのバリア層として作用するように構成されている。加えて、コンフォーマル誘電バリア膜133はまた、周辺に空隙が形成された後、トレンチ131に形成されている金属構造に機械的サポートを提供する。一実施形態では、コンフォーマル誘電バリア膜133は窒化シリコン(SiN)を備えている。コンフォーマル誘電バリア膜133は、窒化ホウ素(BN)、窒化シリコン(SiN)、シリコンカーバイド(SiC)、窒化シリコンカーバイド(SiCN)、窒化シリコンホウ素(SiBN)またはこれらの組み合わせなどの任意の適切な低k誘電材料を備えてもよい。コンフォーマル誘電バリア膜133は、コンフォーマル誘電バリア膜107を堆積するために、図4のステップ204に説明されている類似のプロセスを使用して堆積されてもよい。
【0051】
[0057]ステップ246において、金属拡散バリア134が、図2Bに示されているように、コンフォーマル誘電バリア膜133上に形成される。金属拡散バリア134は、後にトレンチ131およびこの構造に近接して堆積される金属ライン間の拡散を防止するように構成されている。高密度誘電バリアはタンタル(Ta)および/または窒化タンタル(TaN)を備えてもよい。
【0052】
[0058]ステップ248において、トレンチ131は、図2Cに示されているように、1つ以上の金属を備える導電ライン135によって充填されてもよい。一実施形態では、スパッタリングステップが、トレンチ131の底部壁の全部または一部から金属拡散バリア134およびコンフォーマル誘電バリア膜133を除去するために実行されてもよく、導電ライン135はビア層102の導電要素103と直接接触することができる。導電ライン135の堆積は、導電シード層を形成するステップと、導電シード層上に金属を堆積するステップとを備えてもよい。導電ライン135は、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、または所望の伝導率を具備する任意の適切な材料を備えてもよい。
【0053】
[0059]ステップ250において、化学的機械的研磨(CMP)プロセスが、導電ライン135、金属拡散バリア134およびコンフォーマル誘電バリア膜133に対して実行され、誘電層105が、図2Cに示されているように露出される。
【0054】
[0060]ステップ252において、自己整合型キャップ層136が導電ライン135上に形成される。自己整合型キャップ層136は、導電ライン135の上部表面における種の拡散を防止するバリアとなるように構成される。自己整合型キャップ層136は、銅および酸素両方の拡散を防止可能である。自己整合型キャップ層136は、無電解堆積を使用して形成されてもよく、また導電ラインの露出表面上にのみ形成されてもよい。自己整合型キャップ層136は、空隙形成で使用されるウェットエッチング化学薬品から導電ライン135を保護し、かつ導電ライン135の上部表面への種の拡散を防止するためのバリアとなるように構成されている。自己整合型キャップ層136は、銅および酸素両方の拡散を防止可能である。導電ライン135は銅を備えているため、自己整合型キャップ層136は、コバルト(Co)、タングステン(W)またはモリブデン(Mo)、リン(P)、ホウ素(B)、レニウム(Re)およびこれらの組み合わせを含有する多様な組成を備えてもよい。自己整合型キャップ層136の形成についての詳細な説明は、「Adhesion and Minimizing Oxidation on Electroless Co Alloy Films for Integration with Low k Inter−Metal Dielectirc and Etch Stop」と題された米国特許公報第2007/0099417号に見られ、これは参照によって本明細書に組み込まれている。
【0055】
[0061]ステップ254において、エッチングプロセスが、図2Dに示されているように、第1の誘電層105を除去して導電ライン135間に逆トレンチ137を形成するために実行されてもよい。逆トレンチ137は、逆トレンチ137を開口で狭く、かつ底部で広くする角度付き側壁138を有している。ウェットまたはドライエッチングプロセスは、第1の誘電層105を除去するために使用可能である。逆トレンチ137はエッチングストップ層104およびコンフォーマル誘電バリア膜133と整列され、これらはエッチング中にそれぞれビア層102および導電ライン135を保護する。
【0056】
[0062]ステップ256において、非コンフォーマル誘電層139が、図2Eに示されているように、角度付き側壁を具備する逆トレンチ137に堆積される。非コンフォーマル誘電層139は、基板スタックの構造をサポートするための良好な機械的特性を具備する低k、例えばk≦2.7の低ストレス層間誘電膜を備えている。逆トレンチ137の狭い開口は、逆トレンチ137のアスペクト比が特定の値より高い場合、非コンフォーマル誘電層139に空隙140を形成する開口付近でピッチオフさせる。トレンチのアスペクト比は概して、トレンチ高さ対トレンチ幅の比のことである。したがって、空隙140は、狭い逆トレンチ137内に形成される。非コンフォーマル誘電層139の固体層は、広い逆トレンチ137に形成されてもよい。結果として、角度付き側壁は空隙形成に対して当然の選択性を提供する。パターニングは必要ないため、コストを節約できる。
【0057】
[0063]逆トレンチ137の側壁間の角度および逆トレンチ137のアスペクト比は、空隙140の場所をコントロールするために調整可能である。トレンチの側壁間の角度は、後続のCMPプロセスが空隙のシールを破壊しないように空隙の垂直位置をコントロールするためにチューニングされてもよい。例えば、空隙は、トレンチの側壁間の角度が増大する場合に最小のアスペクト比でトレンチに形成してもよい。一実施形態では、空隙140は、相互に約10nm〜約200nmの距離を有する隣接する導電ライン135間に形成されてもよい。
【0058】
[0064]空隙140を導電ライン135の上部表面の下方に位置決めして、空隙140がCMPプロセス後に、上に形成されている後続層に露出されないようにすることが望ましい。一実施形態では、非コンフォーマルILD層139は約100Å〜約5000Åの厚さを有することがある。
【0059】
[0065]一実施形態では、非コンフォーマル誘電層139は、炭素ドープ二酸化シリコン、シリコンオキシカーバイド(SiOxCy)またはこれらの組み合わせを備える低k誘電材料である。類似の誘電層の形成方法は、「Method of Depositing a Low K Dielectric with Organo Silane」と題された米国特許第6,054,379号にみられ、これは参照によって本明細書に組み込まれている。
【0060】
[0066]ステップ258において、化学的機械的研磨(CMP)プロセスが、図2Fに示されているように、自己整合型キャップ層136を露出するために非コンフォーマル誘電層139に実行される。空隙140はCMPステップ後に依然としてシールされている。
【0061】
[0067]ステップ260において、高密度誘電バリア141は、図2Fに示されているように、非コンフォーマル誘電層133上に堆積されてもよい。高密度誘電バリア141は、導電ライン135における銅などの金属の拡散、および空隙140からの種の移行を防止するように構成されている。高密度誘電バリア141は、シリコンカーバイド(SiC)、窒化シリコンカーバイド(SiCN)、窒化ホウ素(BN)、窒化シリコンホウ素(SiBN)、窒化シリコンホウ素カーバイド(SiBCN)またはこれらの組み合わせなどの薄い低k誘電バリアを備えてもよい。一実施形態では、高密度誘電バリア115は約20Å〜約200Åの厚さを有している。
【0062】
[0068]ステップ262において、ILD層142は、図2Fに示されているように、高密度誘電バリア141に堆積される。ILD層142は、この中にビアを形成するためにトレンチ層と誘電層間に誘電体を提供する、k<2.7の低k誘電体である。ILD層142はまた低ストレス膜であってもよい。一実施形態では、ILD層142は約100Å〜約5,000Åの厚さを有する。ILD層142は、炭素ドープ二酸化シリコン、シリコンオキシカーバイド(SiOxCy)またはこれらの組み合わせであってもよい。ILD層142の形成方法は、「Method of Depositing a Low K Dielectric with Organo Silane」と題された米国特許第6,054,379号に見られ、これは参照によって本明細書に組み込まれている。
【0063】
[0069]ステップ264において、エッチングストップ層153がILD層142上に形成される。エッチングストップ層153は、ILD層142上の後続トレンチ層に空隙を形成する際に使用されるウェットエッチング化学薬品からILD層142を保護するように構成されている。一実施形態では、エッチングストップ層153はシリコンカーバイドを備えてもよい。
【0064】
[0070]ステップ266において、第2の誘電層143は、図2Gに示されているように、エッチングストップ層153上に堆積されてもよい。第2の誘電層143は、新たなトレンチ層用のトレンチをこの中に形成するように構成されている。第2の誘電層143は第1の誘電層105に類似していてもよい。一実施形態では、第2の誘電層143は二酸化シリコンを備えている。
【0065】
[0071]ステップ268において、図2Gに示されているように、二重ダマシン構造144は、それぞれ新たなビア層および新たなトレンチ層をこの中に形成するためにILD層142および第2の誘電層143に形成されてもよい。二重ダマシン構造144は、二重ダマシン構造144のトレンチが角度付き側壁145を有するように第2の誘電層143のエッチングがチューニングされる点を除いて、従来のダマシンプロセスを使用して形成されてもよい。二重ダマシン構造の形成についての詳細な説明は、「Method of Fabricating a Dual Damascene Interconnect Structure」と題された米国特許出願公報第2006/0216926号に見られ、これは参照によって本明細書に組み込まれている。
【0066】
[0072]図2G〜図2Jに示されているように、ステップ244〜258は、第2の誘電層143に形成されている導電ライン148間に空隙152を形成するために反復されてもよい。コンフォーマル誘電バリア膜133に類似のコンフォーマル誘電バリア膜146は、金属拡散バリア134に類似の金属拡散バリア層147の堆積前に二重ダマシン構造144に堆積されてもよい。導電ライン148は、導電ライン148が導電ライン135に電気的に接続されるように、パンチスルーステップ後にダマシン構造144に形成されてもよい。キャップ層136に類似のキャップ層149はCMPプロセス後に形成されてもよい。第2の誘電層143は次いで除去されて、導電ライン148間に角度付き側壁を具備するトレンチ150を形成する。非コンフォーマル層139に類似の非コンフォーマル誘電層151が次いで堆積されて、高アスペクト比を有するトレンチ150内に空隙152を形成する。非コンフォーマル誘電層151はCMPプロセスに付され、かつ後続プロセスを準備する。
【0067】
[0073]類似のプロセスが、空隙が望まれる後続トレンチ層ごとに実行されてもよい。
【0068】
シーケンス2
[0074]図3A〜図3Fは、本発明の別の実施形態に従って多層配線構造を形成する処理シーケンス280中の基板スタックの断面図を概略的に図示している。図6は、図3A〜図3Fに示されている処理シーケンス280に従った処理ステップを図示している。
【0069】
[0075]プロセスシーケンス280は、図3A〜図3Cに示されているように、処理シーケンス240のステップ242〜254に類似のステップ242〜254を備えている。ビア層102は基板101上に形成されてもよい。導電要素103は、基板101に形成されているデバイスと電気的に連通するように構成されている。エッチングストップ層104は次いでビア層102上全体に堆積される。第1の誘電層105はエッチングストップ層104上に堆積される。角度付き側壁132を具備するトレンチ131は第1の誘電層105内に形成される。コンフォーマル誘電バリア膜133および金属拡散バリア134は後に堆積される。導電ライン135はトレンチ131に形成される。CMPプロセスが実行され、導電ライン135上への自己整合型キャップ層136の形成が続く。第1の誘電層105は次いで除去されて、導電ライン135間に逆トレンチ137を形成する。逆トレンチ137は、開口が底部よりも狭い角度付き側壁138を有している。
【0070】
[0076]ステップ254に続くステップ286において、コンフォーマル誘電バリア膜160が、図3Dに示されているように、逆トレンチ137および導電ライン135上、つまり上部表面全体に堆積される。コンフォーマル誘電バリア膜160は、導電ライン135などの金属構造と、トレンチ137に後に形成される空隙を保護するためのバリア層として作用するように構成される。一実施形態では、コンフォーマル誘電バリア膜160は低k誘電バリア材料、例えば窒化シリコン(SiN)、シリコンカーバイド(SiC)、窒化シリコンカーバイド(SiCN)、窒化シリコンホウ素(SiBN)またはこれらの組み合わせを備えている。一実施形態では、コンフォーマル誘電バリア膜160は約10Å〜約200Åの厚さを有することがある。コンフォーマル誘電バリア膜160の組成および形成は、図4のステップ204に説明されているコンフォーマル誘電バリア膜107に類似していることもある。
【0071】
[0077]ステップ288において、非コンフォーマルILD層161がコンフォーマル誘電バリア膜160上に堆積される。非コンフォーマルILD層161の堆積は、図5のステップ256に説明されている非コンフォーマルILD層139の堆積に類似していることもある。空隙162が、高アスペクト比を有するトレンチ137の非コンフォーマルILD層161に形成されてもよい。非コンフォーマルILD層161の堆積に続くCMPプロセスは、導電ライン136や自己整合型キャップ層136を露出するために非コンフォーマルILD層161まで研磨しないため、空隙162の場所は逆トレンチ137内に制限されなくてもよく、堆積プロセスに柔軟性を提供することができる。図3Dに示されているように、空隙162は導電ライン135の上部の上部表面より高く配置されてもよい。一実施形態では、非コンフォーマルILD層161は約100Å〜5,000Åの厚さを有してもよい。
【0072】
[0078]ステップ290において、CMPプロセスが非コンフォーマルILD層161に実行され、非コンフォーマルILD層161は次のステップでは平らであり、導電ライン135を後続トレンチ層に接続するために導電ライン135およびビア層を収容するのに十分な厚さを有している。
【0073】
[0079]ステップ292において、エッチングストップ層166が非コンフォーマルILD層161上に形成される。エッチングストップ層166は、ILD層161上の後続トレンチ層に空隙を形成する際に使用されるウェットエッチング化学薬品からILD層161を保護するように構成されている。一実施形態では、エッチングストップ層166はシリコンカーバイドを備えてもよい。
【0074】
[0080]ステップ294において、第2の誘電層163が、図3Eに示されているように、エッチングストップ層166上に堆積される。第2の誘電層163は、新たなトレンチ層に対するトレンチを形成するように構成されている。一実施形態では、第2の誘電層163は二酸化シリコンを備えている。別の実施形態では、エッチングストップ層は第2の誘電層163と非コンフォーマルILD層161間に堆積されてもよい。
【0075】
[0081]ステップ296において、図3Fに示されているように、二重ダマシン構造164が非コンフォーマルILD層161および第2の誘電層163に形成されてもよい。二重ダマシン構造164は、非コンフォーマルILD層161に形成されているビア164aと、第2の誘電層163に形成されているトレンチ164bとを備えている。二重ダマシン構造164は、トレンチ164bのトレンチが角度付き側壁165を有するように第2の誘電層163のエッチングがチューニングされる点を除いて従来のダマシンプロセスを使用して形成されてもよい。
【0076】
[0082]プロセスシーケンス280のステップ244〜252は、新たなビア層および新たなトレンチ層の形成を完了させるために反復されてもよい。
【0077】
[0083]類似のプロセスが新たなビアおよびトレンチ層ごとに実行されてもよく、この場合空隙が誘電構造で所望されている。
【0078】
[0084]上記は本発明の実施形態を目的としているが、本発明の他のさらなる実施形態がこの基本的範囲から逸脱せずに考案されてもよく、またこの範囲は以下の特許請求の範囲によって判断される。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1A】本発明の実施形態に従って多層配線構造を形成する処理シーケンス中の基板スタックの断面図を概略的に図示している。
【図1B】本発明の実施形態に従って多層配線構造を形成する処理シーケンス中の基板スタックの断面図を概略的に図示している。
【図1C】本発明の実施形態に従って多層配線構造を形成する処理シーケンス中の基板スタックの断面図を概略的に図示している。
【図1D】本発明の実施形態に従って多層配線構造を形成する処理シーケンス中の基板スタックの断面図を概略的に図示している。
【図1E】本発明の実施形態に従って多層配線構造を形成する処理シーケンス中の基板スタックの断面図を概略的に図示している。
【図1F】本発明の実施形態に従って多層配線構造を形成する処理シーケンス中の基板スタックの断面図を概略的に図示している。
【図1G】本発明の実施形態に従って多層配線構造を形成する処理シーケンス中の基板スタックの断面図を概略的に図示している。
【図1H】本発明の実施形態に従って多層配線構造を形成する処理シーケンス中の基板スタックの断面図を概略的に図示している。
【図1I】本発明の実施形態に従って多層配線構造を形成する処理シーケンス中の基板スタックの断面図を概略的に図示している。
【図1J】本発明の実施形態に従って多層配線構造を形成する処理シーケンス中の基板スタックの断面図を概略的に図示している。
【図2A】本発明の別の実施形態に従って多層配線構造を形成する処理シーケンス中の基板スタックの断面図を概略的に図示している。
【図2B】本発明の別の実施形態に従って多層配線構造を形成する処理シーケンス中の基板スタックの断面図を概略的に図示している。
【図2C】本発明の別の実施形態に従って多層配線構造を形成する処理シーケンス中の基板スタックの断面図を概略的に図示している。
【図2D】本発明の別の実施形態に従って多層配線構造を形成する処理シーケンス中の基板スタックの断面図を概略的に図示している。
【図2E】本発明の別の実施形態に従って多層配線構造を形成する処理シーケンス中の基板スタックの断面図を概略的に図示している。
【図2F】本発明の別の実施形態に従って多層配線構造を形成する処理シーケンス中の基板スタックの断面図を概略的に図示している。
【図2G】本発明の別の実施形態に従って多層配線構造を形成する処理シーケンス中の基板スタックの断面図を概略的に図示している。
【図2H】本発明の別の実施形態に従って多層配線構造を形成する処理シーケンス中の基板スタックの断面図を概略的に図示している。
【図2I】本発明の別の実施形態に従って多層配線構造を形成する処理シーケンス中の基板スタックの断面図を概略的に図示している。
【図2J】本発明の別の実施形態に従って多層配線構造を形成する処理シーケンス中の基板スタックの断面図を概略的に図示している。
【図3A】本発明の別の実施形態に従って多層配線構造を形成する処理シーケンス中の基板スタックの断面図を概略的に図示している。
【図3B】本発明の別の実施形態に従って多層配線構造を形成する処理シーケンス中の基板スタックの断面図を概略的に図示している。
【図3C】本発明の別の実施形態に従って多層配線構造を形成する処理シーケンス中の基板スタックの断面図を概略的に図示している。
【図3D】本発明の別の実施形態に従って多層配線構造を形成する処理シーケンス中の基板スタックの断面図を概略的に図示している。
【図3E】本発明の別の実施形態に従って多層配線構造を形成する処理シーケンス中の基板スタックの断面図を概略的に図示している。
【図3F】本発明の別の実施形態に従って多層配線構造を形成する処理シーケンス中の基板スタックの断面図を概略的に図示している。
【図4】図1A〜図1Jに示されている処理シーケンスに従った処理ステップを図示している。
【図5】図2A〜図2Jに示されている処理シーケンスに従った処理ステップを図示している。
【図6】図3A〜図3Fに示されている処理シーケンスに従った処理ステップを図示している。
【符号の説明】
【0080】
101…基板、102…ビア層、103…導電要素、104…エッチングストップ層、105…第1の誘電層、106…トレンチ、107…コンフォーマル誘電バリア膜、108…金属拡散バリア、109…導電ライン、110…自己整合型キャップ層、111…多孔性誘電バリア、112…フォトレジスト層、113…ホール、114…空隙、115…高密度誘電バリア、116…ILD層、117…第2の誘電層、118…ダマシン構造、119…誘電バリア、120…金属拡散バリア層、121…導電ライン、122…キャップ層、123…多孔性誘電バリア、124…フォトレジスト層、125…ホール、126…空隙、127…エッチングストップ層、130…フォトレジスト、131…トレンチ、132…角度付き側壁、133…バリア膜、134…金属拡散バリア、135…導電ライン、136…自己整合型キャップ層、137…逆トレンチ、138…側壁、139…非コンフォーマル誘電層、140…空隙、141…高密度誘電バリア、142…ILD層、143…第2の誘電層、144…二重ダマシン構造、145…角度付き側壁、146…コンフォーマル誘電バリア膜、147…金属拡散バリア層、148…導電ライン、149…キャップ層、150…トレンチ、151…非コンフォーマル誘電層、152…空隙、153…エッチングストップ層、160…コンフォーマル誘電バリア膜、161…非コンフォーマルILD層、162…空隙、163…第2の誘電層、164…二重ダマシン構造、164a…ビア、164b…トレンチ、165…角度付き側壁、166…エッチングストップ層、200…プロセス、201、202、204、206、208、210、212、214、216、218、220、222、224、226、227、242,244,246,248,250,252,254,256,258,260,262,264、266,268,280,286,288,290,292,294,296…ステップ、240…処理シーケンス
【発明の背景】
【0001】
発明の分野
[0001]本発明の実施形態は概して集積回路の製作に関する。より具体的には、本発明の実施形態は、低誘電定数を有する誘電材料を含む多層配線構造を形成する方法に関する。
【0002】
関連技術の説明
[0002]集積回路形状は、このようなデバイスが数十年前に最初に導入されて以来、劇的に縮小している。これ以来、集積回路は概して(しばしばムーアの法則と称される)18ヶ月サイズルールに従っており、これは、2年ごとにチップのデバイス数が2倍になるということを意味している。今日の製作設備は、0.1μm形状サイズを有するデバイスを定期的に製造しており、将来の設備はやがて、より小型の形状サイズを有するデバイスを製造しているだろう。
【0003】
[0003]デバイス形状の継続的縮小は、低誘電定数(k)値を有する膜に対する要求を生成しているが、これは、隣接する金属ライン間の容量結合が、集積回路でのデバイスサイズをさらに縮小するために、削減されなければならないからである。とりわけ、約3.0未満の誘電定数を有する絶縁体が望ましい。このような低誘電定数を有する絶縁体の例は、多孔性誘電体、炭素ドープ酸化シリコンおよびポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を含んでいる。
【0004】
[0004]多孔性炭素ドープ酸化シリコン膜を生成するために使用されてきた方法の1つは、有機シリコン化合物、および熱的に不安定な種や揮発性基を備える化合物を備えるガス混合物から膜を堆積した後、堆積膜を事後処置して、堆積膜から、有機基などの熱的に不安定な種や揮発性基を除去するためのものであった。熱的に不安定な種や揮発性基を堆積膜から除去することは膜にナノメートルサイズの間隙を作成し、これは膜の誘電定数を、例えば約2.5に低下させる。
【0005】
[0005]ナノメートルサイズの間隙からなる大きな空隙の形成はさらに誘電定数を低下させるが、これは、空気がおよそ1の誘電定数を有しているからである。しかしながら、大型空隙の形成に使用された熱プロセスは複数の問題を有している。例えば、熱的除去はこの構造にストレスを作成し、これは安定性の問題を表している。
【0006】
[0006]したがって、集積回路の形状の継続的縮小および従来の方法における既存の問題に関して、3.0未満の誘電定数を有する誘電層を形成する方法が必要とされている。
【発明の概要】
【0007】
[0007]本発明は概して、より小型の特徴部に封入されている均一な空隙を含む多層配線構造を含む多層配線構造を形成する方法を提供する。
【0008】
[0008]一実施形態は、第1の誘電層にトレンチを形成するステップであって、空隙が該第1の誘電層に形成されることになるステップと、該トレンチにコンフォーマル誘電バリア膜を堆積するステップであって、該コンフォーマル誘電バリア膜が、該第1の誘電層に該空隙を形成する際に使用されるウェットエッチング化学薬品に対するバリアとして作用するように構成されている低k誘電材料を備えるステップと、該コンフォーマル低k誘電層に金属拡散バリア膜を堆積するステップと、該トレンチを充填するために導電材料を堆積するステップとを備える、半導体構造に導電ラインを形成する方法を提供する。
【0009】
[0009]別の実施形態は、第1の誘電層にトレンチを形成するステップであって、該トレンチが、導電材料をこの中に保有するように構成されているステップと、該トレンチに第1のコンフォーマル誘電バリア膜を堆積するステップと、該トレンチを充填するために第1の導電材料を堆積するステップと、該第1の誘電層を露出するために該第1の導電材料を平坦化するステップと、該導電材料に第1の自己整合型キャップ層を形成するステップと、該第1の導電材料および該第1の誘電層上に第1の多孔性誘電バリアを堆積するステップと、該第1の多孔性誘電バリアを介してウェットエッチング溶液を使用して該第1の誘電層を除去することによって該トレンチ間に空隙を形成するステップであって、該第1のコンフォーマル誘電バリア膜が該ウェットエッチング溶液に対するバリアおよびエッチングストップとして作用するステップとを備える、空隙を有する誘電構造を形成する方法を提供する。
【0010】
[0010]さらに別の実施形態は、第1の誘電層にトレンチを形成するステップであって、角度付き側壁を有する該トレンチが底部では狭く、開口では広いステップと、該トレンチに第1のコンフォーマル誘電バリア膜を堆積するステップと、該トレンチを充填するために第1の導電材料を堆積するステップと、該第1の誘電層を露出するために該第1の導電材料を平坦化するステップと、該第1の導電材料周辺に逆トレンチを形成するために該第1の誘電層を除去するステップであって、該逆トレンチは角度付き側壁を有しており、また開口では狭く、底部では広いステップと、逆トレンチに第1の非コンフォーマル誘電層を堆積することによって該逆トレンチの少なくとも一部に空隙を形成するステップであって、特定の値より大きなアスペクト比を有する該逆トレンチに空隙が形成されているステップとを備える、空隙を有する誘電構造を形成する方法を提供する。
【0011】
[0011]本発明の上記引用された特徴が詳細に理解されるように、上記簡潔に要約されている本発明に関するより特定的な説明は実施形態を参照してなされてもよく、この一部は添付の図面に図示されている。しかしながら、添付の図面は本発明の通常の実施形態のみを図示しており、また本発明は他の等しく効果的な実施形態を許容可能であるため、この範囲を制限するものと見なされるべきではない点に注目する。
【0012】
[0018]理解を容易にするために、同一参照番号が、可能ならば、図面に共通の同一要素を指し示すために使用されてきた。一実施形態に開示されている要素は、具体的な引用なしに他の実施形態で効果的に利用可能であることが想定されている。
【詳細な説明】
【0013】
[0019]本発明の実施形態は概して、多層配線構造に空隙を形成する方法を提供する。空隙は概して、金属構造が、例えばダマシン構造のトレンチレベルで緊密にパックされているエリアに形成される。コンフォーマル低k誘電バリア膜が、空隙周辺に機械的サポートを提供し、かつ空隙形成中のウェットエッチング化学薬品および湿気から金属構造を保護するために、金属構造周辺に堆積される。一意の多孔性低k誘電層が除去可能な層間誘電(ILD)層上に形成される。多孔性誘電バリアは、ウェットエッチング化学薬品の浸透を許容し、かつILD層の除去およびこの中への空隙の形成を可能にする皮膜として作用する。高密度誘電バリアは次いで多孔性誘電バリア上に堆積される。低ストレス低kILD層は高密度誘電バリア上に堆積されてもよく、次のレベルで構造を形成するために誘電体を提供する。低ストレスILD層は、多層配線構造内の空隙の形成によってもたらされるストレスを低減する。別の実施形態では、非コンフォーマル低k誘電層が、側壁が傾斜されている金属構造周辺に堆積されており、空隙は、金属構造が緊密にパックされている非コンフォーマル低k層の一部内に形成されてもよい。
【0014】
多孔性誘電バリアを介する空隙の形成
[0020]図1A〜図1Jは、本発明の実施形態に従って多層配線構造を形成する処理シーケンス中の基板スタックの断面図を概略的に図示している。図4は、図1A〜図1Jに示されている処理シーケンスに従ったプロセス200を図示している。
【0015】
[0021]トランジスタなどのデバイスが半導体基板101上に形成された後、ビア層102が基板101上に形成されてもよい。ビア層102は通常、導電要素(ビア)103をこの中に形成している誘電膜である。導電要素103は、基板101に形成されたデバイスと電気的に連通するように構成されている。通常は導電材料および誘電体のトレンチ層およびビア層を交互に含んでいる多層配線構造がビア層102上に形成されて、基板101のデバイスに回路を提供する。トレンチ層は概して、導電ラインを形成している誘電膜のことである。ビア層は、一方のトレンチ層から別のトレンチ層への電気経路を提供する小型金属ビアを有する1層の誘電体である。
【0016】
[0022]プロセス200は、ビア層102上に多層配線構造を形成する方法を提供する。
【0017】
[0023]ステップ201において、図1Aに示されているエッチングストップ層104がビア層102上全体に堆積されて、第1の誘電層105、例えば二酸化シリコン層がエッチングストップ層104上に堆積される。エッチングストップ層104は、後続のエッチングステップ中にビア層102を保護し、かつ誘電拡散バリアとして作用するように構成されている。エッチングストップ層104はシリコンカーバイド層であってもよい。
【0018】
[0024]ステップ202において、トレンチ106が誘電層105およびエッチングストップ層104に形成される。トレンチ106は、エッチングが続く、フォトレジストを使用するパターニングなどの、当業者に公知の任意の従来の方法を使用して形成されてもよい。
【0019】
[0025]ステップ204において、コンフォーマル誘電バリア膜107が、トレンチ106の側壁を含む基板の上部表面全体に堆積される。コンフォーマル誘電バリア膜107は、後にトレンチ106に形成される銅線などの金属構造を、後続プロセス中のウェットエッチング化学薬品および湿気から保護するためのバリア層として作用するように構成されている。加えて、コンフォーマル誘電バリア膜107はまた、空隙が形成された後に、トレンチ106に形成されている金属構造に機械的サポートを提供する。一実施形態では、コンフォーマル誘電バリア膜107は低k誘電バリア材料、例えば窒化ホウ素(BN)、窒化シリコン(SiN)、シリコンカーバイド(SiC)、窒化シリコンカーバイド(SiCN)、窒化シリコンホウ素(SiBN)またはこれらの組み合わせを備えている。
【0020】
[0026]一実施形態では、コンフォーマル誘電バリア膜107は、プラズマ化学気相堆積(PECVD)プロセスによって形成された、約5.0未満のk値を具備する窒化ホウ素(BN)層である。コンフォーマル誘電バリア膜107は約10Å〜約200Åの厚さを有することがある。窒化ホウ素層の堆積は、ホウ素含有前駆体からホウ素含有膜を形成するステップと、このホウ素含有膜を窒素含有前駆体で処置するステップとを備えてもよい。ホウ素含有膜の形成はプラズマによって、またはこれなしで実行可能である。ホウ素含有前駆体はジボラン(B2H6)、ボラジン(B3N3H6)、またはボラジンのアルキル置換誘導体であってもよい。ホウ素含有膜の処置は、プラズマプロセス、紫外線(UV)硬化プロセス、熱アニーリングプロセスおよびこれらの組み合わせからなる群より選択されてもよい。窒素含有前駆体は窒素ガス(N2)、アンモニア(NH3)またはヒドラジン(N2H4)であってもよい。窒化ホウ素膜の堆積に関する詳細な説明は、2007年5月23日に出願された「Boron Nitride and Boron−Nitride Derived Materials Deposition Method」(代理人整理番号第11996号)と題された米国仮特許出願第60/939,802号に見られ、これは参照によって本明細書に組み込まれている。
【0021】
[0027]ステップ206において、金属拡散バリア108がコンフォーマル誘電バリア膜107上に形成される。金属拡散バリア108は、トレンチ106および誘電構造に後に近接して堆積される金属ライン間の拡散を防止するように構成されている。金属拡散バリア108はタンタル(Ta)および/または窒化タンタル(TaN)を備えてもよい。
【0022】
[0028]ステップ208において、トレンチ106は、図1Bに示されているように、1つ以上の金属を備える導電ライン109によって充填されてもよい。一実施形態では、スパッタリングステップが、金属拡散バリア108およびコンフォーマル誘電バリア膜107をトレンチ106の底部壁の全体または一部から除去するために実行されてもよく、導電ライン109は、ビア層102の導電要素103と直接接触可能である。導電ライン109の堆積は、導電シード層を形成するステップと、導電シード層上に金属を堆積するステップとを備えてもよい。導電ライン109は、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、または所望の伝導率の任意の適切な材料を備えてもよい。
【0023】
[0029]ステップ210において、化学的機械的研磨(CMP)プロセスが導電ライン109、金属拡散バリア108およびコンフォーマル誘電バリア膜107に実行されて、誘電層105が、図1Cに示されているように露出される。
【0024】
[0030]ステップ212において、自己整合型キャップ層110が導電ライン109上に形成される。自己整合型キャップ層110は無電解堆積を使用して形成されてもよく、また導電ライン109の露出表面にのみ形成されてもよい。自己整合型キャップ層110は、空隙形成で使用されるウェットエッチング化学薬品から導電ライン109を保護し、かつ導電ライン109の上部表面全体への種の拡散を防止するためのバリアとして構成されている。自己整合型キャップ層110は銅および酸素両方の拡散を防止可能である。銅を備える導電ライン109について、自己整合型キャップ層110は、コバルト(Co)、タングステン(W)またはモリブデン(Mo)、リン(P)、ホウ素(B)、レニウム(Re)およびこれらの組み合わせを含有する多様な組成を備えてもよい。自己整合型キャップ層110の形成に関する詳細な説明は、「Adhesion and Minimizing Oxidation on Electroless Co Alloy Films for Integration with Low k Inter−Metal Dielectirc and Etch Stop」と題された米国特許公報第2007/0099417号に見られ、これは参照によって本明細書に組み込まれている。
【0025】
[0031]ステップ214において、多孔性誘電バリア111が導電ライン109およびコンフォーマル誘電バリア膜107上に堆積される。多孔性誘電バリア111は、k<4.0の低k誘電バリアであってもよい。多孔性誘電バリア111は透過性であり、希釈フッ化水素(DHF)溶液などのエッチング溶液を、第1の誘電層105などの除去可能な層に浸透させて、その下に空隙を形成することができる。多孔性誘電バリア111は炭素が豊富であり、疎水性である。多孔性誘電バリア111は概して、エッチング溶液との接触がこの構造に影響を与えない程度の低ウェットエッチングレートを有している。一実施形態では、低ウェットエッチングレートが、多孔性誘電バリア111におけるSi−O結合を削減または排除することによって達成されてもよい。一実施形態では、多孔性誘電バリア111はまた、導電ライン109における銅などの金属に対する拡散バリア層として作用することもある。一実施形態では、多孔性誘電バリア111は疎水性であるため、ウェットエッチングプロセスからの残渣および汚染を最小化することができる。一実施形態では、多孔性誘電バリア111の疎水性は、多孔性誘電バリア111における炭素含有量をコントロールすることによって取得されてもよい。
【0026】
[0032]一実施形態では、多孔性誘電バリア111は、シリコン酸素結合(Si−O)なしの、シリコンカーバイド(SiC)、窒化シリコンカーバイド(SiCN)またはこれらの組み合わせを備えている。一実施形態では、多孔性誘電バリア111は、約10Å〜約100Åの厚さを有することがある。別の実施形態では、多孔性誘電バリア111は、約50Å〜約300Åの厚さを有することがある。
【0027】
[0033]多孔性誘電バリア111は、シリコンおよび炭素を含有する前駆体を使用する化学気相堆積法を使用して形成されてもよい。一実施形態では、低密度プラズマ条件が、多孔性誘電バリア111を形成するために使用される。一実施形態では、多孔性誘電バリア111は、参照によって本明細書に組み込まれている「Method of Improving Stability in Low k Barrier Layers」と題された米国特許第6,790,788号における低kシリコンカーバイド層の堆積方法に類似の、水素を備える処理ガスと酸素フリー有機シリコン化合物を反応させることによって堆積されたシリコンカーバイド層であってもよい。
【0028】
[0034]多孔性誘電バリアの形成方法に関する詳細な説明は、2007年10月9日に出願され、「Method to Obtain Low K Dielectric Barrier with Superior Etch Resistivity」と題された米国特許出願(代理人整理番号第11498号)に見られ、これは参照によって本明細書に組み込まれている。実施例1は、多孔性誘電バリア111を堆積するための例示的レシピを列挙している。
【0029】
実施例1
[0035]シリコンカーバイドを有する多孔性誘電バリアを堆積するためのPECVD堆積プロセスは、トリメチルシラン(TMS、(CH3)3SiH)およびエチレン(C2H4)の組み合わせを備える前駆体を使用するステップを備えている。TMS/エチレン比を含むプロセス条件は、炭素の原子パーセンテージが15%以上になるように設定される。一実施形態では、エチレン/TMS比は約1:1〜約8:1であり、TMS/エチレン前駆体およびキャリアガスの流量は約5sccm〜約10,000sccmであり、温度は約350℃でる。これらの条件について、チャンバ圧力は約10ミリトール〜約1気圧であり、プラズマ生成の無線周波数(RF)電力は約15W〜約3,000Wであり、処理中の基板に前駆体を提供するように構成されている、基板とシャワーヘッド間の間隔は約200ミル〜約2000ミルである。
【0030】
[0036]図4を参照すると、ステップ216において、空隙が形成されることになるエリアを露出するためにパターンが生成されてもよい。フォトレジスト層112が多孔性誘電バリア111上に堆積される。パターンは次いで、図1Dに示されているように、フォトレジスト層112で現像され、ホール113を介して多孔性誘電バリア111の一部を露出する。このパターンは、導電ライン109間の距離が特定の範囲にあるエリアに空隙を制限するために使用される。例えば、空隙は、近接する導電ライン109の距離が5nm以上であるエリアに制限されることがある。空隙は、緊密にパックされている導電ライン109間の誘電体のk値を低下させるためにもっとも効果的である。加えて、ピッチが大きい導電ライン109、またはビア層におけるビアなどの、かなり離れた金属構造間の空隙の形成は、機械的構造の一体性に影響を与えることがある。したがって、パターンは、特定の範囲に空隙を制限するように、本ステップで形成される。一実施形態では、空隙は近接する導電ライン109間に形成されてもよく、この場合導電ライン109間の距離は約5nm〜約200nmである。
【0031】
[0037]ステップ218において、ウェットエッチングプロセスが実行される。第1の誘電層105の一部は、ホール113によって露出されている多孔性誘電バリア111を介してDHF溶液などのエッチング溶液に接触しており、また、図1Eに示されているように、空隙114を形成するために完全または部分的にエッチングされている。一実施形態では、DHF溶液は水6に対してフッ化水素1を備えている。バッファ化されたフッ化水素(BHF、NH4F+HF+H2O)などの他のウェットエッチング化学薬品もまた、多孔性誘電バリア111を介して第1の誘電層105をエッチングするために使用されてもよい。例示的なエッチング方法は、「Etch Process for Etching Microstructures」と題された米国特許第6,936,183号に見られ、これは参照によって本明細書に組み込まれている。図1Eに矢印で示されているように、エッチング溶液は多孔性誘電バリア111を介して第1の誘電層105に達し、エッチング生成物は多孔性誘電バリア111を介して除去される。
【0032】
[0038]エッチングプロセスは、第1の誘電層105を囲むコンフォーマル誘電バリア膜107、エッチングストップ層104および多孔性誘電バリア111によってコントロールされる。コンフォーマル誘電バリア膜107および多孔性誘電バリア111はまた空隙114に均一な構造を提供する。クリーニングプロセスには、エッチングプロセスのフォトレジストおよび残渣を除去するためのエッチングプロセスが続いてもよい。
【0033】
[0039]ステップ220において、図1Fに示されている高密度誘電バリア115は、空隙形成の完了時に多孔性誘電バリア111に堆積される。高密度誘電バリア115は、導電ライン109における銅などの金属の拡散、および空隙114への湿気の移行を防止するように構成されている。高密度誘電バリア115は、シリコンカーバイド(SiC)、窒化シリコンカーバイド(SiCN)、窒化ホウ素(BN)、窒化シリコンホウ素(SiBN)、窒化シリコンホウ素カーバイド(SiBCN)またはこれらの組み合わせなどの薄い低k誘電バリア膜を備えてもよい。一実施形態では、高密度誘電バリア115は約20Å〜約500Åの厚さを有している。別の実施形態では、高密度誘電バリア115は約50Å〜約200Åの厚さを有する。
【0034】
[0040]ステップ222において、ILD層116が高密度誘電バリア115上に堆積されている。任意の適切な誘電材料がILD層116として使用されてもよい。一実施形態では、ILD層116は、トレンチ層間の誘電定数k<2.7の低kかつ低ストレス誘電体である。ILD層116の低ストレスによってILD層116は、空隙114の形成によって生成されたストレスを吸収および/または中和することができる。ILD層116はまた、この構造をサポートするための良好な機械的特性を有している。一実施形態では、ILD層116は約100Å〜約5,000Åの厚さを有している。ILD層116は炭素ドープ二酸化シリコン、シリコンオキシカーバイド(SiOxCy)またはこれらの組み合わせであってもよい。ILD層116の形成方法は、「Low Temperature Process to Produce Low−K Dielectrics with Low Stress by Plasma−Enhanced Chemical Vapor Deposition(PECVD)」と題された米国特許公報第2006/0043591号に見られ、これは参照によって本明細書に組み込まれている。
【0035】
[0041]ステップ224において、エッチングストップ層127がILD層116上に形成される。エッチングストップ層127は、ILD層116上の後続トレンチ層に空隙を形成する際に使用されるウェットエッチング化学薬品からILD層116を保護するように構成されている。一実施形態では、エッチングストップ層127はシリコンカーバイドを備えてもよい。
【0036】
[0042]ステップ226において、第2の誘電層117がエッチングストップ層127上に形成される。第2の誘電層117は第1の誘電層105に類似していてもよい。一実施形態では、第2の誘電層117は二酸化シリコンを備えている。
【0037】
[0043]ステップ227において、図1Fに示されているように、従来の二重ダマシン構造118は、新たなビア層および新たなトレンチ層をそれぞれこの中に形成するためにILD層116および第2の誘電層117に形成されてもよい。二重ダマシン構造の形成についての詳細な説明は、「Method of Fabricating a Dual Damascene Interconnect Structure」と題された米国特許出願公報第2006/0216926号に見られ、これは参照によって本明細書に組み込まれている。
【0038】
[0044]図1G〜図1Jに示されているように、ステップ204〜218は、第2の誘電層117に形成されている導電ライン121間に空隙126を形成するために反復されてもよい。コンフォーマル誘電バリア膜107に類似のコンフォーマル誘電バリア膜119は、バリア層108に類似の金属拡散バリア層120の堆積前に、二重ダマシン構造118に堆積されてもよい。導電ライン121は、パンチスルーステップ後にダマシン構造118に形成されてもよい。自己整合型キャップ層110に類似のキャップ層122、および多孔性誘電バリア111に類似の多孔性誘電バリア123がCMPプロセス後に形成されてもよい。フォトレジスト層124は、多孔性誘電バリア123と、フォトレジストに形成されているパターンとに堆積されてもよく、フォトレジスト層124のホール125を介して第2の誘電層117の一部を露出する。次いでウェットエッチングプロセスが、空隙126を形成するために使用される。
【0039】
[0045]同様に、空隙は、上記プロセスを使用して各順次誘電層の選択領域に形成されてもよい。
【0040】
[0046]上記空隙形成プロセスは、従来の空隙形成方法、例えば熱分解に対して複数の利点を有している。
【0041】
[0047]まず、コンフォーマル誘電バリア107および119などのコンフォーマル低k誘電バリアは、順次ステップで使用されている湿気および化学溶液から銅などの金属を保護するための良好な誘電バリアとして作用するのみならず、空隙形成後に導電ラインに機械的サポートを提供する。
【0042】
[0048]第2に、熱分解と比較して、本発明の実施形態は、均一な空隙を形成するために選択的ウェットエッチング方法を使用する。特に、SiO2などの形成されている誘電体を除去して空隙を形成するために、DHFおよびBHFなどのウェットエッチング化学薬品が使用される。熱分解は選択的でなくてもよい。全ての使い捨て材料は除去されたりダメージを与えられたりすることになり、またこの構造における任意の残りの使い捨て材料は、後続のプロセスステップに信頼性の問題を招くことがある。本発明で使用されているウェットエッチング方法は選択的であってもよく、またフォトリソグラフィおよびパターニングステップを介して選択エリアにのみ適用してもよい。したがって、空隙のエリアパーセンテージおよび場所は、所望の誘電値ならびに必要な機械的強度を満たすように設計可能である。例えば、空隙は、2つの隣接する金属ライン間のピッチ長が10nm〜200nmである高密度金属エリアに形成されてもよい。
【0043】
[0049]第3に、低ストレス低誘電層が、スタック全体のストレスを最小化するために層間誘電体で使用されており、またこれは、配線構造全体に強力な機械的サポートを提供する。
【0044】
[0050]第4に、ウェットエッチング化学薬品に対して透過的な多孔性誘電バリア膜が、ウェットエッチング溶液を除去可能な誘電層に浸透させて、その下に空隙を形成するための皮膜として使用される。
【0045】
[0051]第5に、バリア層115などの薄い高密度密封誘電バリア膜が、拡散ならびに湿気の浸透を防止するために多孔性誘電バリア膜の上部に堆積される。
【0046】
非コンフォーマル誘電層への空隙の形成
[0052]本発明の実施形態はまた、導電ライン間のトレンチに非コンフォーマル誘電層を堆積することによって空隙を生成する方法を提供する。角度付き側壁を具備するトレンチは、コントロールエッチングプロセスによって誘電層に形成されてもよい。側壁は、トレンチが底部より広い開口を有するように角度が付けられている。コンフォーマル誘電バリアが、ウェットエッチング化学薬品からのバリアを提供するためにトレンチ表面に堆積される。角度付き側壁を具備するトレンチは次いで、導電ラインを形成する導電材料で充填される。導電ライン周辺の誘電層は除去されて、導電ライン間に逆トレンチを残す。導電ライン間の逆トレンチは、底部より狭い開口を具備する角度付き側壁を有する。非コンフォーマル誘電層は次いで、導電ライン間のトレンチに堆積される。堆積プロセスは、空隙が狭いトレンチ内に形成するようにコントロールされてもよい。固体誘電層が形成されるが、この場合トレンチは広い。したがって、空隙形成は、マスクを使用せずに当然選択的である。2つの例示的処理シーケンスについて後述する。
【0047】
シーケンス1
[0053]図2A〜図2Jは、本発明の一実施形態に従って多層配線構造を形成する処理シーケンス240中の基板スタックの断面図を概略的に図示している。図5は、図2A〜図2Jに示されている処理シーケンス240に従った処理ステップを図示している。
【0048】
[0054]図2Aに示されているように、トランジスタなどのデバイスが半導体基板101上に形成された後、ビア層102が基板101上に形成されてもよい。導電要素103は、基板101に形成されているデバイスと電気連通するように構成されている。エッチングストップ層104は次いでビア層102上全体に堆積される。第1の誘電層105、例えば二酸化シリコン層がエッチングストップ層104上に堆積される。
【0049】
[0055]ステップ242において、角度付き側壁132を具備するトレンチ131は、フォトレジスト130に形成されているパターンを介するエッチングプロセスによって生成される。エッチングプロセスは概して、垂直壁を具備するトレンチを形成する際に使用される従来のエッチングプロセスと比較して異方性ではない。一実施形態では、等方性プラズマエッチングプロセスが、角度付き側壁132を具備するトレンチ131を形成するために使用されてもよい。側壁132の角度は、処理パラメータ、例えばバイアス電力レベルを調整することによってチューニング可能である。一実施形態では、トレンチ131の対向する側壁132間の角度αは、約5°〜約130°の範囲であってもよい。
【0050】
[0056]ステップ244において、コンフォーマル誘電バリア膜133は、図2Bに示されているように、エッチングストップ層104およびフォトレジスト130の一部を除去した後にトレンチ131に堆積される。コンフォーマル誘電バリア膜133は、後にトレンチ131に形成される銅線などの金属構造をプロセス中の湿気および/または化学薬品から保護するためのバリア層として作用するように構成されている。加えて、コンフォーマル誘電バリア膜133はまた、周辺に空隙が形成された後、トレンチ131に形成されている金属構造に機械的サポートを提供する。一実施形態では、コンフォーマル誘電バリア膜133は窒化シリコン(SiN)を備えている。コンフォーマル誘電バリア膜133は、窒化ホウ素(BN)、窒化シリコン(SiN)、シリコンカーバイド(SiC)、窒化シリコンカーバイド(SiCN)、窒化シリコンホウ素(SiBN)またはこれらの組み合わせなどの任意の適切な低k誘電材料を備えてもよい。コンフォーマル誘電バリア膜133は、コンフォーマル誘電バリア膜107を堆積するために、図4のステップ204に説明されている類似のプロセスを使用して堆積されてもよい。
【0051】
[0057]ステップ246において、金属拡散バリア134が、図2Bに示されているように、コンフォーマル誘電バリア膜133上に形成される。金属拡散バリア134は、後にトレンチ131およびこの構造に近接して堆積される金属ライン間の拡散を防止するように構成されている。高密度誘電バリアはタンタル(Ta)および/または窒化タンタル(TaN)を備えてもよい。
【0052】
[0058]ステップ248において、トレンチ131は、図2Cに示されているように、1つ以上の金属を備える導電ライン135によって充填されてもよい。一実施形態では、スパッタリングステップが、トレンチ131の底部壁の全部または一部から金属拡散バリア134およびコンフォーマル誘電バリア膜133を除去するために実行されてもよく、導電ライン135はビア層102の導電要素103と直接接触することができる。導電ライン135の堆積は、導電シード層を形成するステップと、導電シード層上に金属を堆積するステップとを備えてもよい。導電ライン135は、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、または所望の伝導率を具備する任意の適切な材料を備えてもよい。
【0053】
[0059]ステップ250において、化学的機械的研磨(CMP)プロセスが、導電ライン135、金属拡散バリア134およびコンフォーマル誘電バリア膜133に対して実行され、誘電層105が、図2Cに示されているように露出される。
【0054】
[0060]ステップ252において、自己整合型キャップ層136が導電ライン135上に形成される。自己整合型キャップ層136は、導電ライン135の上部表面における種の拡散を防止するバリアとなるように構成される。自己整合型キャップ層136は、銅および酸素両方の拡散を防止可能である。自己整合型キャップ層136は、無電解堆積を使用して形成されてもよく、また導電ラインの露出表面上にのみ形成されてもよい。自己整合型キャップ層136は、空隙形成で使用されるウェットエッチング化学薬品から導電ライン135を保護し、かつ導電ライン135の上部表面への種の拡散を防止するためのバリアとなるように構成されている。自己整合型キャップ層136は、銅および酸素両方の拡散を防止可能である。導電ライン135は銅を備えているため、自己整合型キャップ層136は、コバルト(Co)、タングステン(W)またはモリブデン(Mo)、リン(P)、ホウ素(B)、レニウム(Re)およびこれらの組み合わせを含有する多様な組成を備えてもよい。自己整合型キャップ層136の形成についての詳細な説明は、「Adhesion and Minimizing Oxidation on Electroless Co Alloy Films for Integration with Low k Inter−Metal Dielectirc and Etch Stop」と題された米国特許公報第2007/0099417号に見られ、これは参照によって本明細書に組み込まれている。
【0055】
[0061]ステップ254において、エッチングプロセスが、図2Dに示されているように、第1の誘電層105を除去して導電ライン135間に逆トレンチ137を形成するために実行されてもよい。逆トレンチ137は、逆トレンチ137を開口で狭く、かつ底部で広くする角度付き側壁138を有している。ウェットまたはドライエッチングプロセスは、第1の誘電層105を除去するために使用可能である。逆トレンチ137はエッチングストップ層104およびコンフォーマル誘電バリア膜133と整列され、これらはエッチング中にそれぞれビア層102および導電ライン135を保護する。
【0056】
[0062]ステップ256において、非コンフォーマル誘電層139が、図2Eに示されているように、角度付き側壁を具備する逆トレンチ137に堆積される。非コンフォーマル誘電層139は、基板スタックの構造をサポートするための良好な機械的特性を具備する低k、例えばk≦2.7の低ストレス層間誘電膜を備えている。逆トレンチ137の狭い開口は、逆トレンチ137のアスペクト比が特定の値より高い場合、非コンフォーマル誘電層139に空隙140を形成する開口付近でピッチオフさせる。トレンチのアスペクト比は概して、トレンチ高さ対トレンチ幅の比のことである。したがって、空隙140は、狭い逆トレンチ137内に形成される。非コンフォーマル誘電層139の固体層は、広い逆トレンチ137に形成されてもよい。結果として、角度付き側壁は空隙形成に対して当然の選択性を提供する。パターニングは必要ないため、コストを節約できる。
【0057】
[0063]逆トレンチ137の側壁間の角度および逆トレンチ137のアスペクト比は、空隙140の場所をコントロールするために調整可能である。トレンチの側壁間の角度は、後続のCMPプロセスが空隙のシールを破壊しないように空隙の垂直位置をコントロールするためにチューニングされてもよい。例えば、空隙は、トレンチの側壁間の角度が増大する場合に最小のアスペクト比でトレンチに形成してもよい。一実施形態では、空隙140は、相互に約10nm〜約200nmの距離を有する隣接する導電ライン135間に形成されてもよい。
【0058】
[0064]空隙140を導電ライン135の上部表面の下方に位置決めして、空隙140がCMPプロセス後に、上に形成されている後続層に露出されないようにすることが望ましい。一実施形態では、非コンフォーマルILD層139は約100Å〜約5000Åの厚さを有することがある。
【0059】
[0065]一実施形態では、非コンフォーマル誘電層139は、炭素ドープ二酸化シリコン、シリコンオキシカーバイド(SiOxCy)またはこれらの組み合わせを備える低k誘電材料である。類似の誘電層の形成方法は、「Method of Depositing a Low K Dielectric with Organo Silane」と題された米国特許第6,054,379号にみられ、これは参照によって本明細書に組み込まれている。
【0060】
[0066]ステップ258において、化学的機械的研磨(CMP)プロセスが、図2Fに示されているように、自己整合型キャップ層136を露出するために非コンフォーマル誘電層139に実行される。空隙140はCMPステップ後に依然としてシールされている。
【0061】
[0067]ステップ260において、高密度誘電バリア141は、図2Fに示されているように、非コンフォーマル誘電層133上に堆積されてもよい。高密度誘電バリア141は、導電ライン135における銅などの金属の拡散、および空隙140からの種の移行を防止するように構成されている。高密度誘電バリア141は、シリコンカーバイド(SiC)、窒化シリコンカーバイド(SiCN)、窒化ホウ素(BN)、窒化シリコンホウ素(SiBN)、窒化シリコンホウ素カーバイド(SiBCN)またはこれらの組み合わせなどの薄い低k誘電バリアを備えてもよい。一実施形態では、高密度誘電バリア115は約20Å〜約200Åの厚さを有している。
【0062】
[0068]ステップ262において、ILD層142は、図2Fに示されているように、高密度誘電バリア141に堆積される。ILD層142は、この中にビアを形成するためにトレンチ層と誘電層間に誘電体を提供する、k<2.7の低k誘電体である。ILD層142はまた低ストレス膜であってもよい。一実施形態では、ILD層142は約100Å〜約5,000Åの厚さを有する。ILD層142は、炭素ドープ二酸化シリコン、シリコンオキシカーバイド(SiOxCy)またはこれらの組み合わせであってもよい。ILD層142の形成方法は、「Method of Depositing a Low K Dielectric with Organo Silane」と題された米国特許第6,054,379号に見られ、これは参照によって本明細書に組み込まれている。
【0063】
[0069]ステップ264において、エッチングストップ層153がILD層142上に形成される。エッチングストップ層153は、ILD層142上の後続トレンチ層に空隙を形成する際に使用されるウェットエッチング化学薬品からILD層142を保護するように構成されている。一実施形態では、エッチングストップ層153はシリコンカーバイドを備えてもよい。
【0064】
[0070]ステップ266において、第2の誘電層143は、図2Gに示されているように、エッチングストップ層153上に堆積されてもよい。第2の誘電層143は、新たなトレンチ層用のトレンチをこの中に形成するように構成されている。第2の誘電層143は第1の誘電層105に類似していてもよい。一実施形態では、第2の誘電層143は二酸化シリコンを備えている。
【0065】
[0071]ステップ268において、図2Gに示されているように、二重ダマシン構造144は、それぞれ新たなビア層および新たなトレンチ層をこの中に形成するためにILD層142および第2の誘電層143に形成されてもよい。二重ダマシン構造144は、二重ダマシン構造144のトレンチが角度付き側壁145を有するように第2の誘電層143のエッチングがチューニングされる点を除いて、従来のダマシンプロセスを使用して形成されてもよい。二重ダマシン構造の形成についての詳細な説明は、「Method of Fabricating a Dual Damascene Interconnect Structure」と題された米国特許出願公報第2006/0216926号に見られ、これは参照によって本明細書に組み込まれている。
【0066】
[0072]図2G〜図2Jに示されているように、ステップ244〜258は、第2の誘電層143に形成されている導電ライン148間に空隙152を形成するために反復されてもよい。コンフォーマル誘電バリア膜133に類似のコンフォーマル誘電バリア膜146は、金属拡散バリア134に類似の金属拡散バリア層147の堆積前に二重ダマシン構造144に堆積されてもよい。導電ライン148は、導電ライン148が導電ライン135に電気的に接続されるように、パンチスルーステップ後にダマシン構造144に形成されてもよい。キャップ層136に類似のキャップ層149はCMPプロセス後に形成されてもよい。第2の誘電層143は次いで除去されて、導電ライン148間に角度付き側壁を具備するトレンチ150を形成する。非コンフォーマル層139に類似の非コンフォーマル誘電層151が次いで堆積されて、高アスペクト比を有するトレンチ150内に空隙152を形成する。非コンフォーマル誘電層151はCMPプロセスに付され、かつ後続プロセスを準備する。
【0067】
[0073]類似のプロセスが、空隙が望まれる後続トレンチ層ごとに実行されてもよい。
【0068】
シーケンス2
[0074]図3A〜図3Fは、本発明の別の実施形態に従って多層配線構造を形成する処理シーケンス280中の基板スタックの断面図を概略的に図示している。図6は、図3A〜図3Fに示されている処理シーケンス280に従った処理ステップを図示している。
【0069】
[0075]プロセスシーケンス280は、図3A〜図3Cに示されているように、処理シーケンス240のステップ242〜254に類似のステップ242〜254を備えている。ビア層102は基板101上に形成されてもよい。導電要素103は、基板101に形成されているデバイスと電気的に連通するように構成されている。エッチングストップ層104は次いでビア層102上全体に堆積される。第1の誘電層105はエッチングストップ層104上に堆積される。角度付き側壁132を具備するトレンチ131は第1の誘電層105内に形成される。コンフォーマル誘電バリア膜133および金属拡散バリア134は後に堆積される。導電ライン135はトレンチ131に形成される。CMPプロセスが実行され、導電ライン135上への自己整合型キャップ層136の形成が続く。第1の誘電層105は次いで除去されて、導電ライン135間に逆トレンチ137を形成する。逆トレンチ137は、開口が底部よりも狭い角度付き側壁138を有している。
【0070】
[0076]ステップ254に続くステップ286において、コンフォーマル誘電バリア膜160が、図3Dに示されているように、逆トレンチ137および導電ライン135上、つまり上部表面全体に堆積される。コンフォーマル誘電バリア膜160は、導電ライン135などの金属構造と、トレンチ137に後に形成される空隙を保護するためのバリア層として作用するように構成される。一実施形態では、コンフォーマル誘電バリア膜160は低k誘電バリア材料、例えば窒化シリコン(SiN)、シリコンカーバイド(SiC)、窒化シリコンカーバイド(SiCN)、窒化シリコンホウ素(SiBN)またはこれらの組み合わせを備えている。一実施形態では、コンフォーマル誘電バリア膜160は約10Å〜約200Åの厚さを有することがある。コンフォーマル誘電バリア膜160の組成および形成は、図4のステップ204に説明されているコンフォーマル誘電バリア膜107に類似していることもある。
【0071】
[0077]ステップ288において、非コンフォーマルILD層161がコンフォーマル誘電バリア膜160上に堆積される。非コンフォーマルILD層161の堆積は、図5のステップ256に説明されている非コンフォーマルILD層139の堆積に類似していることもある。空隙162が、高アスペクト比を有するトレンチ137の非コンフォーマルILD層161に形成されてもよい。非コンフォーマルILD層161の堆積に続くCMPプロセスは、導電ライン136や自己整合型キャップ層136を露出するために非コンフォーマルILD層161まで研磨しないため、空隙162の場所は逆トレンチ137内に制限されなくてもよく、堆積プロセスに柔軟性を提供することができる。図3Dに示されているように、空隙162は導電ライン135の上部の上部表面より高く配置されてもよい。一実施形態では、非コンフォーマルILD層161は約100Å〜5,000Åの厚さを有してもよい。
【0072】
[0078]ステップ290において、CMPプロセスが非コンフォーマルILD層161に実行され、非コンフォーマルILD層161は次のステップでは平らであり、導電ライン135を後続トレンチ層に接続するために導電ライン135およびビア層を収容するのに十分な厚さを有している。
【0073】
[0079]ステップ292において、エッチングストップ層166が非コンフォーマルILD層161上に形成される。エッチングストップ層166は、ILD層161上の後続トレンチ層に空隙を形成する際に使用されるウェットエッチング化学薬品からILD層161を保護するように構成されている。一実施形態では、エッチングストップ層166はシリコンカーバイドを備えてもよい。
【0074】
[0080]ステップ294において、第2の誘電層163が、図3Eに示されているように、エッチングストップ層166上に堆積される。第2の誘電層163は、新たなトレンチ層に対するトレンチを形成するように構成されている。一実施形態では、第2の誘電層163は二酸化シリコンを備えている。別の実施形態では、エッチングストップ層は第2の誘電層163と非コンフォーマルILD層161間に堆積されてもよい。
【0075】
[0081]ステップ296において、図3Fに示されているように、二重ダマシン構造164が非コンフォーマルILD層161および第2の誘電層163に形成されてもよい。二重ダマシン構造164は、非コンフォーマルILD層161に形成されているビア164aと、第2の誘電層163に形成されているトレンチ164bとを備えている。二重ダマシン構造164は、トレンチ164bのトレンチが角度付き側壁165を有するように第2の誘電層163のエッチングがチューニングされる点を除いて従来のダマシンプロセスを使用して形成されてもよい。
【0076】
[0082]プロセスシーケンス280のステップ244〜252は、新たなビア層および新たなトレンチ層の形成を完了させるために反復されてもよい。
【0077】
[0083]類似のプロセスが新たなビアおよびトレンチ層ごとに実行されてもよく、この場合空隙が誘電構造で所望されている。
【0078】
[0084]上記は本発明の実施形態を目的としているが、本発明の他のさらなる実施形態がこの基本的範囲から逸脱せずに考案されてもよく、またこの範囲は以下の特許請求の範囲によって判断される。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1A】本発明の実施形態に従って多層配線構造を形成する処理シーケンス中の基板スタックの断面図を概略的に図示している。
【図1B】本発明の実施形態に従って多層配線構造を形成する処理シーケンス中の基板スタックの断面図を概略的に図示している。
【図1C】本発明の実施形態に従って多層配線構造を形成する処理シーケンス中の基板スタックの断面図を概略的に図示している。
【図1D】本発明の実施形態に従って多層配線構造を形成する処理シーケンス中の基板スタックの断面図を概略的に図示している。
【図1E】本発明の実施形態に従って多層配線構造を形成する処理シーケンス中の基板スタックの断面図を概略的に図示している。
【図1F】本発明の実施形態に従って多層配線構造を形成する処理シーケンス中の基板スタックの断面図を概略的に図示している。
【図1G】本発明の実施形態に従って多層配線構造を形成する処理シーケンス中の基板スタックの断面図を概略的に図示している。
【図1H】本発明の実施形態に従って多層配線構造を形成する処理シーケンス中の基板スタックの断面図を概略的に図示している。
【図1I】本発明の実施形態に従って多層配線構造を形成する処理シーケンス中の基板スタックの断面図を概略的に図示している。
【図1J】本発明の実施形態に従って多層配線構造を形成する処理シーケンス中の基板スタックの断面図を概略的に図示している。
【図2A】本発明の別の実施形態に従って多層配線構造を形成する処理シーケンス中の基板スタックの断面図を概略的に図示している。
【図2B】本発明の別の実施形態に従って多層配線構造を形成する処理シーケンス中の基板スタックの断面図を概略的に図示している。
【図2C】本発明の別の実施形態に従って多層配線構造を形成する処理シーケンス中の基板スタックの断面図を概略的に図示している。
【図2D】本発明の別の実施形態に従って多層配線構造を形成する処理シーケンス中の基板スタックの断面図を概略的に図示している。
【図2E】本発明の別の実施形態に従って多層配線構造を形成する処理シーケンス中の基板スタックの断面図を概略的に図示している。
【図2F】本発明の別の実施形態に従って多層配線構造を形成する処理シーケンス中の基板スタックの断面図を概略的に図示している。
【図2G】本発明の別の実施形態に従って多層配線構造を形成する処理シーケンス中の基板スタックの断面図を概略的に図示している。
【図2H】本発明の別の実施形態に従って多層配線構造を形成する処理シーケンス中の基板スタックの断面図を概略的に図示している。
【図2I】本発明の別の実施形態に従って多層配線構造を形成する処理シーケンス中の基板スタックの断面図を概略的に図示している。
【図2J】本発明の別の実施形態に従って多層配線構造を形成する処理シーケンス中の基板スタックの断面図を概略的に図示している。
【図3A】本発明の別の実施形態に従って多層配線構造を形成する処理シーケンス中の基板スタックの断面図を概略的に図示している。
【図3B】本発明の別の実施形態に従って多層配線構造を形成する処理シーケンス中の基板スタックの断面図を概略的に図示している。
【図3C】本発明の別の実施形態に従って多層配線構造を形成する処理シーケンス中の基板スタックの断面図を概略的に図示している。
【図3D】本発明の別の実施形態に従って多層配線構造を形成する処理シーケンス中の基板スタックの断面図を概略的に図示している。
【図3E】本発明の別の実施形態に従って多層配線構造を形成する処理シーケンス中の基板スタックの断面図を概略的に図示している。
【図3F】本発明の別の実施形態に従って多層配線構造を形成する処理シーケンス中の基板スタックの断面図を概略的に図示している。
【図4】図1A〜図1Jに示されている処理シーケンスに従った処理ステップを図示している。
【図5】図2A〜図2Jに示されている処理シーケンスに従った処理ステップを図示している。
【図6】図3A〜図3Fに示されている処理シーケンスに従った処理ステップを図示している。
【符号の説明】
【0080】
101…基板、102…ビア層、103…導電要素、104…エッチングストップ層、105…第1の誘電層、106…トレンチ、107…コンフォーマル誘電バリア膜、108…金属拡散バリア、109…導電ライン、110…自己整合型キャップ層、111…多孔性誘電バリア、112…フォトレジスト層、113…ホール、114…空隙、115…高密度誘電バリア、116…ILD層、117…第2の誘電層、118…ダマシン構造、119…誘電バリア、120…金属拡散バリア層、121…導電ライン、122…キャップ層、123…多孔性誘電バリア、124…フォトレジスト層、125…ホール、126…空隙、127…エッチングストップ層、130…フォトレジスト、131…トレンチ、132…角度付き側壁、133…バリア膜、134…金属拡散バリア、135…導電ライン、136…自己整合型キャップ層、137…逆トレンチ、138…側壁、139…非コンフォーマル誘電層、140…空隙、141…高密度誘電バリア、142…ILD層、143…第2の誘電層、144…二重ダマシン構造、145…角度付き側壁、146…コンフォーマル誘電バリア膜、147…金属拡散バリア層、148…導電ライン、149…キャップ層、150…トレンチ、151…非コンフォーマル誘電層、152…空隙、153…エッチングストップ層、160…コンフォーマル誘電バリア膜、161…非コンフォーマルILD層、162…空隙、163…第2の誘電層、164…二重ダマシン構造、164a…ビア、164b…トレンチ、165…角度付き側壁、166…エッチングストップ層、200…プロセス、201、202、204、206、208、210、212、214、216、218、220、222、224、226、227、242,244,246,248,250,252,254,256,258,260,262,264、266,268,280,286,288,290,292,294,296…ステップ、240…処理シーケンス
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体構造に導電ラインを形成する方法であって、
第1の誘電層にトレンチを形成するステップと、
前記トレンチにコンフォーマル誘電バリア膜を堆積するステップであって、前記コンフォーマル誘電バリア膜が低k誘電材料を備えるステップと、
前記コンフォーマル低k誘電層上に金属拡散バリア膜を堆積するステップと、
前記トレンチを充填するために導電材料を堆積するステップと、
前記第1の誘電層を露出するために前記導電材料を平坦化するステップと、
前記導電材料上に自己整合型キャップ層を形成するステップと、
ウェットエッチング化学薬品を使用して前記第1の誘電層を除去するステップであって、前記コンフォーマル誘電バリアの前記低k誘電材料が、前記ウェットエッチング化学薬品に対する前記導電材料のバリアとして作用するステップと、
を備える方法。
【請求項2】
前記コンフォーマル誘電バリア膜が、窒化ホウ素(BN)、窒化シリコン(SiN)、シリコンカーバイド(SiC)、窒化シリコンカーバイド(SiCN)、窒化シリコンホウ素(SiBN)またはこれらの組み合わせを備える、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記コンフォーマル誘電バリア膜が、プラズマ化学気相堆積プロセスによって形成された窒化ホウ素(BN)膜を備えており、前記コンフォーマル誘電バリア膜が約10Å〜約200Åの厚さを有する、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記第1の誘電層を除去する前に、前記導電材料および前記第1の誘電層上に多孔性誘電バリアを堆積するステップであって、前記第1の誘電層が、前記多孔性誘電バリアを介して前記ウェットエッチング化学薬品を使用して除去されるステップをさらに備える、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記多孔性誘電バリアが、シリコンカーバイド(SiC)、窒化シリコンカーバイド(SiCN)またはこれらの組み合わせを備えており、かつシリコン酸素結合を具備していない、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記多孔性誘電バリアを堆積するステップが、トリメチルシラン(TMS、(CH3)3SiH)およびエチレン(C2H4)の組み合わせを備える前駆体を使用してシリコンカーバイド層を堆積する工程を備える、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記第1の誘電層を除去した後に非コンフォーマル誘電層を堆積するステップをさらに備えており、前記トレンチを形成するステップが角度付き側壁を具備するトレンチを形成する工程を備えており、前記トレンチが底部では狭くかつ開口では広く、前記第1の誘電層を除去するステップが前記導電材料周辺に逆トレンチを形成し、前記非コンフォーマル誘電層を堆積するステップが、特定の値より大きなアスペクト比を有する前記逆トレンチに空隙を形成する、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記トレンチの対向する角度付き側壁間の角度は約5°〜130°である、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記非コンフォーマル誘電層を堆積する前に前記逆トレンチ上にコンフォーマル誘電バリア膜を堆積するステップをさらに備える、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
空隙を有する誘電構造を形成する方法であって、
第1の誘電層にトレンチを形成するステップであって、前記トレンチが導電材料をこの中に保有するように構成されているステップと、
前記トレンチに第1のコンフォーマル誘電バリア膜を堆積するステップと、
前記トレンチを充填するために第1の導電材料を堆積するステップと、
前記第1の誘電層を露出するために前記第1の導電材料を平坦化するステップと、
前記導電材料上に第1の自己整合型キャップ層を形成するステップと、
前記第1の導電材料および前記第1の誘電層上に第1の多孔性誘電バリアを堆積するステップと、
前記第1の多孔性誘電バリアを介してウェットエッチング溶液を使用して前記第1の誘電層を除去することによって前記トレンチ間に空隙を形成するステップであって、前記第1のコンフォーマル誘電バリア膜が前記ウェットエッチング溶液に対するバリアおよびエッチングストップとして作用するステップと、
を備える方法。
【請求項11】
前記第1の多孔性誘電バリアが、シリコンカーバイド(SiC)、窒化シリコンカーバイド(SiCN)またはこれらの組み合わせを備えており、また一酸化シリコン(SiO)を具備していない、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記第1のコンフォーマル誘電バリア膜が、窒化ホウ素(BN)、窒化シリコン(SiN)、シリコンカーバイド(SiC)、窒化シリコンカーバイド(SiCN)、窒化シリコンホウ素(SiBN)またはこれらの組み合わせを備える、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
空隙を有する誘電構造を形成する方法であって、
第1の誘電層にトレンチを形成するステップであって、角度付き側壁を具備する前記トレンチが底部で狭くかつ開口で広いステップと、
前記トレンチに第1のコンフォーマル誘電バリア膜を堆積するステップと、
前記トレンチを充填するために第1の導電材料を堆積するステップと、
前記第1の誘電層を露出するために前記第1の導電材料を平坦化するステップと、
前記第1の導電材料周辺に逆トレンチを形成するために前記第1の誘電層を除去するステップであって、前記逆トレンチが角度付き側壁を有しており、また開口で狭くかつ底部で広いステップと、
前記逆トレンチに第1の非コンフォーマル誘電層を堆積することによって空隙を形成するステップであって、前記空隙が、少なくとも部分的に、特定の値より大きなアスペクト比を有する前記逆トレンチに形成されるステップと、
を備える方法。
【請求項14】
前記第1の非コンフォーマル誘電層を堆積する前に前記逆トレンチ上に第2のコンフォーマル誘電バリア膜を堆積するステップをさらに備える、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記第1の非コンフォーマル誘電層の前記空隙を破壊せずに前記第1の非コンフォーマル誘電層を平坦化するステップと、
前記第1の非コンフォーマル誘電層上にエッチングストップ層を堆積するステップと、
前記エッチングストップ層上に第2の誘電層を堆積するステップと、
前記第1の非コンフォーマル誘電層および前記第2の誘電層に二重ダマシン構造を形成するステップと、
をさらに備える、請求項14に記載の方法。
【請求項1】
半導体構造に導電ラインを形成する方法であって、
第1の誘電層にトレンチを形成するステップと、
前記トレンチにコンフォーマル誘電バリア膜を堆積するステップであって、前記コンフォーマル誘電バリア膜が低k誘電材料を備えるステップと、
前記コンフォーマル低k誘電層上に金属拡散バリア膜を堆積するステップと、
前記トレンチを充填するために導電材料を堆積するステップと、
前記第1の誘電層を露出するために前記導電材料を平坦化するステップと、
前記導電材料上に自己整合型キャップ層を形成するステップと、
ウェットエッチング化学薬品を使用して前記第1の誘電層を除去するステップであって、前記コンフォーマル誘電バリアの前記低k誘電材料が、前記ウェットエッチング化学薬品に対する前記導電材料のバリアとして作用するステップと、
を備える方法。
【請求項2】
前記コンフォーマル誘電バリア膜が、窒化ホウ素(BN)、窒化シリコン(SiN)、シリコンカーバイド(SiC)、窒化シリコンカーバイド(SiCN)、窒化シリコンホウ素(SiBN)またはこれらの組み合わせを備える、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記コンフォーマル誘電バリア膜が、プラズマ化学気相堆積プロセスによって形成された窒化ホウ素(BN)膜を備えており、前記コンフォーマル誘電バリア膜が約10Å〜約200Åの厚さを有する、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記第1の誘電層を除去する前に、前記導電材料および前記第1の誘電層上に多孔性誘電バリアを堆積するステップであって、前記第1の誘電層が、前記多孔性誘電バリアを介して前記ウェットエッチング化学薬品を使用して除去されるステップをさらに備える、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記多孔性誘電バリアが、シリコンカーバイド(SiC)、窒化シリコンカーバイド(SiCN)またはこれらの組み合わせを備えており、かつシリコン酸素結合を具備していない、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記多孔性誘電バリアを堆積するステップが、トリメチルシラン(TMS、(CH3)3SiH)およびエチレン(C2H4)の組み合わせを備える前駆体を使用してシリコンカーバイド層を堆積する工程を備える、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記第1の誘電層を除去した後に非コンフォーマル誘電層を堆積するステップをさらに備えており、前記トレンチを形成するステップが角度付き側壁を具備するトレンチを形成する工程を備えており、前記トレンチが底部では狭くかつ開口では広く、前記第1の誘電層を除去するステップが前記導電材料周辺に逆トレンチを形成し、前記非コンフォーマル誘電層を堆積するステップが、特定の値より大きなアスペクト比を有する前記逆トレンチに空隙を形成する、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記トレンチの対向する角度付き側壁間の角度は約5°〜130°である、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記非コンフォーマル誘電層を堆積する前に前記逆トレンチ上にコンフォーマル誘電バリア膜を堆積するステップをさらに備える、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
空隙を有する誘電構造を形成する方法であって、
第1の誘電層にトレンチを形成するステップであって、前記トレンチが導電材料をこの中に保有するように構成されているステップと、
前記トレンチに第1のコンフォーマル誘電バリア膜を堆積するステップと、
前記トレンチを充填するために第1の導電材料を堆積するステップと、
前記第1の誘電層を露出するために前記第1の導電材料を平坦化するステップと、
前記導電材料上に第1の自己整合型キャップ層を形成するステップと、
前記第1の導電材料および前記第1の誘電層上に第1の多孔性誘電バリアを堆積するステップと、
前記第1の多孔性誘電バリアを介してウェットエッチング溶液を使用して前記第1の誘電層を除去することによって前記トレンチ間に空隙を形成するステップであって、前記第1のコンフォーマル誘電バリア膜が前記ウェットエッチング溶液に対するバリアおよびエッチングストップとして作用するステップと、
を備える方法。
【請求項11】
前記第1の多孔性誘電バリアが、シリコンカーバイド(SiC)、窒化シリコンカーバイド(SiCN)またはこれらの組み合わせを備えており、また一酸化シリコン(SiO)を具備していない、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記第1のコンフォーマル誘電バリア膜が、窒化ホウ素(BN)、窒化シリコン(SiN)、シリコンカーバイド(SiC)、窒化シリコンカーバイド(SiCN)、窒化シリコンホウ素(SiBN)またはこれらの組み合わせを備える、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
空隙を有する誘電構造を形成する方法であって、
第1の誘電層にトレンチを形成するステップであって、角度付き側壁を具備する前記トレンチが底部で狭くかつ開口で広いステップと、
前記トレンチに第1のコンフォーマル誘電バリア膜を堆積するステップと、
前記トレンチを充填するために第1の導電材料を堆積するステップと、
前記第1の誘電層を露出するために前記第1の導電材料を平坦化するステップと、
前記第1の導電材料周辺に逆トレンチを形成するために前記第1の誘電層を除去するステップであって、前記逆トレンチが角度付き側壁を有しており、また開口で狭くかつ底部で広いステップと、
前記逆トレンチに第1の非コンフォーマル誘電層を堆積することによって空隙を形成するステップであって、前記空隙が、少なくとも部分的に、特定の値より大きなアスペクト比を有する前記逆トレンチに形成されるステップと、
を備える方法。
【請求項14】
前記第1の非コンフォーマル誘電層を堆積する前に前記逆トレンチ上に第2のコンフォーマル誘電バリア膜を堆積するステップをさらに備える、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記第1の非コンフォーマル誘電層の前記空隙を破壊せずに前記第1の非コンフォーマル誘電層を平坦化するステップと、
前記第1の非コンフォーマル誘電層上にエッチングストップ層を堆積するステップと、
前記エッチングストップ層上に第2の誘電層を堆積するステップと、
前記第1の非コンフォーマル誘電層および前記第2の誘電層に二重ダマシン構造を形成するステップと、
をさらに備える、請求項14に記載の方法。
【図1A】
【図1B】
【図1C】
【図1D】
【図1E】
【図1F】
【図1G】
【図1H】
【図1I】
【図1J】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図2D】
【図2E】
【図2F】
【図2G】
【図2H】
【図2I】
【図2J】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図3D】
【図3E】
【図3F】
【図4】
【図5】
【図6】
【図1B】
【図1C】
【図1D】
【図1E】
【図1F】
【図1G】
【図1H】
【図1I】
【図1J】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図2D】
【図2E】
【図2F】
【図2G】
【図2H】
【図2I】
【図2J】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図3D】
【図3E】
【図3F】
【図4】
【図5】
【図6】
【公開番号】特開2009−152544(P2009−152544A)
【公開日】平成21年7月9日(2009.7.9)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2008−263151(P2008−263151)
【出願日】平成20年10月9日(2008.10.9)
【出願人】(390040660)アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド (1,346)
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年7月9日(2009.7.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−263151(P2008−263151)
【出願日】平成20年10月9日(2008.10.9)
【出願人】(390040660)アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド (1,346)
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【Fターム(参考)】
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