説明

容器の外観検査方法

【課題】コンベヤ上を直立して搬送される無地容器の側面部の汚れ及び白化、並びにつぶれ等の容器変形を、容器の形状や材質等の特性及び照明条件等の検査条件に係わり無く、高い検査精度で効率よく検査する方法を提供する。
【解決手段】選定した複数の良品容器Bの側面検査部を、被検査容器BKの側面部の検査と略同じ条件で撮像して良品画像データとして取込み、前記良品画像データをデータ処理して側面検査部の各画素の輝度閾値を予め設定する。そして、コンベヤ11上を搬送される被検査容器BKの側面検査部を撮像してデータ処理した被検査画像データの各画素の被検査輝度データを、対応する位置の各画素の前記輝度閾値とそれぞれ比較して、側面検査部の汚れ及び白化、並びに容器変形に起因する輝度の異常を検査して不良容器を検出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンベヤ上を搬送される無地のプラスチック容器の側面外周に存在する汚れ及び白化、並びに容器側面の変形に対する検査方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、飲料充填用のプラスチック容器は、飲料充填ラインにおいて飲料を充填されて製品として市場に出荷される際、容器外面の汚れや容器のつぶれ等の容器不良を回避するために、容器側面の外観を検査して不良容器を飲料充填ラインから排除する。この場合、飲料充填ラインに供給される容器は、事前に容器側面に文字等の印刷あるいはラベルが装着されている場合と、これら処理がなされていない無地の場合がある。
【0003】
無地の状態で供給された容器に対しては、飲料充填ライン中で容器側面に印刷あるいはラベルの装着を実施するが、無地の容器の側面外周に存在する汚れ、容器のつぶれ箇所が局部的に白色に変色した白化、並びに容器側面の変形等の不具合は、印刷あるいはラベル装着を実施した後も容器の商品性を低下させるため、容器が無地の状態で検出して飲料充填ラインから排除することが望ましい。
【0004】
このような無地あるいは印刷等を施された容器等を撮像して画像データを取込み、データ処理して容器等の汚れや印刷不良を検査する手段として、本件発明と同一出願人によるコンベヤ上で異なる波長の光を用いて物品を検査する技術や、容器の撮像データの色相、彩度及び明度の度数分布を解析して物品の外観を検査する技術が提案されている。しかし、これらの技術は構成が複雑であり、また、無地の容器の微細な汚れと変形を併せて精度良く高速で検査する上で限界があった(特許文献1、特許文献2参照。)。
【0005】
また、容器側面の形状を検査する手段として、容器の平滑面をカメラ画像のデータ処理あるいは表面変位センサーで計測する技術や、暗色スクリーンを利用して撮像する技術が提案されている。しかし、これら技術は容器の変形を検出する上で検査精度に制約があり、また、容器の汚れと変形を併せて効率よく検査することができなかった(特許文献3、特許文献4参照。)。
【特許文献1】特開2001−116700
【特許文献2】特開平9−231362
【特許文献3】特開2003−121373
【特許文献4】特開平07−120410
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、前述の状況に鑑み提案されたものであって、コンベヤ上を搬送される容器の側面外周の微細な汚れ及び白化、並びにつぶれ等の変形を、総合的に精度良く高速度で検査しようとするもので、特に、照明された側面検査部の一部領域が撮像に際して他の領域に較べて白く光る、あるいは暗くなる等の現象に起因して、画像データ処理による検査に用いる閾値の設定が困難となる課題を解決して、精度の良い容器の外観検査方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
すなわち、請求項1に記載の発明は、コンベヤ上を直立して搬送される無地の被検査容器の側面を検査する方法であって、選定した複数の良品容器の側面検査部を被検査容器の撮像条件と略同一条件で撮像して複数の良品画像データとして取込み、前記良品画像データを処理して被検査容器の各位置に対応する各画素の輝度閾値を予め設定し、コンベヤ上を搬送される被検査容器の側面検査部を撮像してデータ処理した被検査画像データの各画素の被検査輝度データを、容器上の対応する位置の各画素の前記輝度閾値とそれぞれ比較して、側面検査部の汚れ及び白化、並びに容器変形に起因する輝度の異常を検査し、被検査容器中の不良容器を検出することを特徴とする容器側面の検査方法に係る。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1において、前記良品画像データを処理して、被検査容器の形状に応じて指定する前記良品画像データの複数所定高さにおける容器外形エッジの左右幅方向の位置閾値を予め設定し、前記被検査画像データの前記複数所定高さにおける被検査容器外形エッジの左右幅方向の被検査位置データを、それぞれの高さの前記位置閾値と比較して、外形エッジ部における被検査容器の変形をあわせて検査することを特徴とする容器側面の検査方法に係る。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項2において、被検査容器をコンベヤ両側の3箇所以上の位置からカメラで撮像して、それぞれの撮像位置に対応する側面検査部の各画素の輝度閾値並びに容器外形エッジの左右幅方向の位置閾値を設定し、それぞれの撮像の位置に対応する各画素の被検査輝度データ及び被検査位置データをそれぞれの閾値と比較し、これらの検査結果データを統合処理することにより、被検査容器の側面全周の汚れ及び白化、並びに容器変形の検査を可能とすることを特徴とする容器側面の検査方法に係る。
【発明の効果】
【0010】
請求項1に記載の発明によれば、コンベヤ上を直立して搬送される無地の被検査容器をコンベヤの進行横方向から撮像して側面検査部を検査するに際して、選定した複数の良品容器の側面検査部を被検査容器の撮像条件と略同一条件で撮像して複数の良品画像データとして取込み、データ処理して側面検査部の検査基準としての各画素ごとの輝度閾値を予め設定する。このため、被検査容器の側面検査部の形状や照明条件等、検査対象容器の実態に即した輝度閾値を被検査輝度データの各画素に対して設定して、精度の高い検査を実施することができる。
【0011】
即ち、コンベヤ上の被検査容器は、その形状、材質、素地の色調、並びに照明の当り方等が部分的に異なる等の理由で、容器の局部が光って明るい、あるいは暗くなる等、容器側面全体として不均一な輝度になることが多い。このような場合、実際の容器検査において、各画素の被検査輝度データに対する輝度閾値を検査条件に適合させて予め一義的に設定することは極めて困難であり、結果として実態に即した精度の良い容器側面部の検査ができなかった。
【0012】
これに対し請求項1に示す発明の輝度閾値の設定手段によれば、予め被検査容器の検査条件と略同じ条件で撮像した良品容器の画像データを利用して、被検査容器の形状、生産ロット並びに検査環境としての照明等の検査条件を充分加味した適正な輝度閾値を各画素位置に対応して予め設定し、被検査輝度データを前記輝度閾値と容器上の各画素の位置に対応させて比較検査することができる。このため、前記の各種検査条件の差異を充分加味した精度の良い容器側面の検査を実施することができる。
【0013】
また、側面検査部の汚れ、及びプラスチック容器に局部的な過大な応力が掛かったときに発生する容器表面の白化の検査とともに、被検査輝度データを画素ごとに輝度閾値と比較検査することにより、容器の変形に起因する輝度変化を検出して容器のつぶれ等の変形を併せて検査できる。このため、容器側面部不良に関するの検査精度が向上して不良容器を確実に排除することが可能となり、下流側に良好な容器のみを供給して製品の品質を向上させる効果がある。
【0014】
請求項2に記載の発明によれば、請求項1において、複数の良品画像データを処理して、被検査容器の形状に応じて予め指定した複数所定高さにおける容器外形エッジの左右幅方向の位置閾値を予めそれぞれ設定して、被検査容器外形エッジの左右幅方向の被検査位置データを検査する。これは請求項1の検査方法では、被検査容器の外形エッジ近傍で容器側面を斜めからカメラで撮像することになり、側面画像の容器中央部に較べて被検査輝度データの画素が分担する容器側面面積が増大して検査精度が低下するため、この部分における容器変形の検査精度を容器外形エッジの位置検査により向上させるものである。
【0015】
即ち、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の検査に加えて、予め指定した複数の高さにおける容器外形エッジ近傍の左右幅方向の被検査位置を追加検査することにより、請求項1に記載の容器側面の検査性能に加えて、容器外形エッジ近傍における容器変形をさらに精度良く検出できる効果がある。
【0016】
また、請求項3に記載の発明によれば、請求項2において、良品容器の側面検査部をコンベヤ両側の3箇所以上の位置からカメラで撮像する。そして、それぞれの撮像位置に対応する画像データの各画素の輝度閾値、並びに容器外形エッジの左右幅方向の位置閾値を設定し、それぞれの撮像位置に対応する被検査輝度データの各画素の被検査輝度データ及び被検査位置データを対応する輝度閾値及び位置閾値と比較検査する。そして、これら複数位置からの画像データにもとづく検査結果を統合処理することにより、コンベヤ上を搬送される容器側面の汚れ、白化、並びにつぶれ等の変形を検査するため、被検査容器の側面外周全体を高速で精度よく検査できる効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、添付の図面に従って、この発明を詳細に説明する。図1は本発明の方法に係る容器側面検査装置の実施例を示す平面図、図2は説明用に一部省略した図1の正面図、図3は図1のZ−Z矢視図、図4は例としての容器側面の画像、図5は検査の工程を示すフローチャート、図6は容器外形エッジの検査方法を示す容器側面の画像、図7は本発明の他の実施例を示す装置の平面図である。
【0018】
図1及び図2に示す如く、被検査容器BKはコンベヤ11上を所定間隔に離間された状態で矢印方向から検査装置1に供給され、被検査容器BKの側面検査部の汚れ及び白化、並びに容器変形に起因する輝度の異常を検査されて、不良容器はコンベヤ11の下流側で公知の手段でコンベヤ上から排除され、良好な容器は下流側の装置に供給される。検査装置1の容器撮像位置2の上方には照明器具3が設置されて被検査容器BKを照らし、実施例では容器撮像位置2の側方には4組のカメラ4が設置されている。そして、カメラ4で撮像された被検査容器BKの側面検査部の画像データはデータ処理装置5に送られて、所定のデータ処理を施されて容器の側面検査に利用される。
【0019】
図3の矢視図に例示する如く、コンベヤ11上の被検査容器BKは上方に設置された照明器具3で外周の側面検査部を照明され、側面検査部の画像はミラー6で上方に反射されて、上方に設置された4台のカメラ4により撮像されて、データ処理装置5に送信されて画像データとして取込まれる。ここで、照明器具3及びミラー6は対象とする被検査容器Bの形状やサイズに応じて公知の手段で上下方向に移動可能に配設され、また、ミラー6は取付け角度を調整可能に配設されている。なお、容器サイズが大きい場合には一箇所で撮像する画像を、必要に応じて例えば容器の上下方向に例えば2台のカメラで分割して撮像し、画像データを処理して容器の側面検査を実施することもできる。
【0020】
図4に示す如く、実施例としての良品容器B、あるいは被検査容器BKは照明器具3により照明されて、側面検査部の容器画像は領域R1、R2及びR3等が他の領域に較べて白く光っている。このような側面検査部画像の部分的な明暗の発生を防止して、画像データの検査精度を向上させるために、照明器具の前面に光拡散板等を利用することがあるが、光拡散板等の機能には限界があって側面検査部の容器画像の部分的に光る領域R1、R2及びR3等を完全に防止することはできない。
【0021】
このため、容器画像データを図示のX軸、Y軸座標のピクセルに対応させて詳細後述の如く各画素の輝度データを検査する。また、図4に示す容器画像の周辺の外形エッジ近傍部分は、カメラによる撮像角度の関係で検査精度が低下するため詳細後述の如く検査対象から除外し、点線で示す内部の領域を被検査容器BKの画像データにもとづき輝度データを検査する検査領域Kとする。
【0022】
以下、図5に示すフローチャートにより、データ処理装置5における検査データの処理要領を容器外観検査の閾値設定の準備、各検査工程の実施の順序に従って説明する。まず、フローチャートの良品画像データ取得処理(S10)において、予め選定した複数の良品容器Bをコンベヤ上で走行させて、図1に示す容器撮像位置2において被検査容器BKと照明等の撮像条件を略同一にして、カメラ4で撮像し複数の良品画像データを取得してデータ処理装置5に順次取込む。
【0023】
次に、図4に示す良品画像の容器底位置BSの位置をY軸方向の基準位置YSと指定した後、良品画像データの輝度データに対して2次微分処理等公知の手段でエッジ検出を行って容器外形エッジ位置を決定し(S11)、最小二乗法等によりデータ処理して容器画像の容器中心線8を決定する(S12)。そして、容器中心線8をX軸方向の基準位置X0と定めて、複数の良品画像データに対する容器外形エッジのX軸方向の平均位置を求めて、検査基準としての容器外形エッジ位置を決定する。
【0024】
また、前記検査基準の容器外形エッジ位置から内側方向に指定寸法内部を検査領域Kとして設定する(S20)。そして、検査領域K内における良品画像データの輝度データをX−Y軸上の位置に対応して各画素ごとに、複数の良品画像データのデータ処理装置5に保存する。そして、X−Y軸上の位置に対応した画素ごとの複数の良品画像データを処理して、検査領域K内の各画素に対応する検査のための輝度閾値を設定する(S30)。
【0025】
前記の輝度閾値を設定に際しては、良品画像データの輝度の不均一を補正するために必要に応じて前処理としてシェーディング等公知の輝度補正等を実施するとともに、容器外形エッジの決定には各種の公知エッジ検出手法を利用することができる。そして、画像検査用の閾値設定(S30)においては、各画素の複数良品輝度データの平均輝度を算出して平均輝度からの許容偏差を上限側及び下限側に任意に指定入力して、検査領域K内の各画素の輝度閾値を設定する。
【0026】
なお、前記の許容偏差の設定に際しては、複数の良品容器や不良容器の輝度データと容器不具合の関係を別途データ解析して、必要な検査精度を確保しながら過大な無駄バネの少ない輝度閾値を設定するが、別途、容器検査の実施状況に応じて輝度閾値の許容偏差を係数処理により変更する等、簡易な検査精度の修正プログラムをデータ処理装置5に組込んで、生産運転途上での検査精度調整を可能とすることもできる。
【0027】
そして、コンベヤ上を走行する被検査容器BKを検査する際には、容器撮像位置2において被検査容器Bの側面検査部をカメラ4で撮像して被検査画像データを取得し(S40)、良品画像データの処理と同じく検査領域Kを設定して(S50)、検査領域K内の各画素の輝度データを対応する位置の輝度閾値と比較して(S60)、検査領域K内の汚れ及び白化、並びに容器変形に関する容器の良否判断を行う(S70)。
【0028】
検査領域K内の各画素の閾値との比較処理(S60)において、被検査容器側面の白化は各画素に対して設定した輝度閾値の上限値を超え、汚れや黒点は下限値以下となる。また、容器の変形部分は光の当り方に部分的な差異が生ずるため、一部は輝度閾値の上限値を超え一部は下限値以下となり、被検査容器中の検査領域K内における側面検査部の汚れ及び白化、並びに容器変形に起因する輝度の異常を検出することができる(S70)。
【0029】
なお、図4に示す領域R1、R2等の如く照明等に起因して他の領域に較べて白く光っている部分における汚れ及び白化、並びに容器変形に起因する輝度の異常は、他の領域における前記輝度の異常と異なる画像となるが、良品容器Bを利用した輝度閾値の設定を被検査容器BKの検査条件と略同一条件としたことにより、前記輝度の異常は検査領域の差に関係なく、容器の位置に対応した各画素の輝度閾値を利用して被検査容器BKの側面検査部を検査することができる。
【0030】
次に、図5のフローチャートに従って、請求項2に記載する容器外形エッジの変形検査の工程を説明する。図6の容器画像に示す如く、容器底位置BSをY軸方向基準位置として、良品容器B(または検査対象容器BK)のY方向高さをY0からYNに指定する(G10)。また、前記の良品画像取得処理(S10)乃至容器中心線決定(S12)で取得したデータを利用して、指定する高さにおける容器外形エッジの位置に関する閾値を算出して設定する(S30)。
【0031】
即ち、各指定高さにおける容器外形エッジの左右X座標位置を前記の良品画像データから呼出して、例えば、図中の指定高さY8における容器外形エッジの左側位置はXL8、右側はXR8として把握し、また、容器中心線8からの離間寸法を算出する。そして、複数良品容器の各指定高さにおける容器外形エッジ左右の容器中心線8からの離間寸法の平均値を算出して、それぞれの高さにおける位置検査の基準値とし、基準値から指定する寸法は離れた位置データを各指定高さにおける左右幅方向の位置閾値として設定する(G30)。
【0032】
そして、コンベヤ上を搬送される被検査容器BKの外形エッジを検査する際には、良品画像データと同様に被検査画像データに対する指定高さY0乃至YNに対して、被検査容器の画像データから外形エッジの左右幅方向の位置データを算出して(G50)、中央値データ及び中心線を算出する。そして、被検査容器BKと検査基準の中心線を一致させて被検査容器BKの左右幅方向の位置データを位置閾値と比較して(G60)、被検査容器外形エッジの各指定高さにおける変形を検出する。例えば、図6のY8高さにおいて被検査容器BKの外形エッジの左位置XL8及び右位置XR8が位置閾値の範囲内にあるかを検査する如く、指定高さごとに被検査容器外形エッジを位置閾値と比較して容器の異常な変形を検出する(G70)。
【0033】
前記の如く、請求項1に記載の各画素の検査により、被検査容器側面の検査領域K内の汚れ及び白化、並びに容器変形に起因する輝度の異常を検査し、また、前記の画素による検査が困難な被検査容器外形エッジの変形を請求項2に記載の方法により指定高さにおいて検査し、両検査結果を統合することにより個別のカメラによる容器側面部の良否判断を行う(T10)。
【0034】
以下、請求項3に記載の発明を説明すると、図1の平面図に示す如く、例えばコンベヤ上を走行する被検査容器BKを異なる方向の4台のカメラにより撮像して、それぞれの被検査画像データを各カメラ4に対して設定した輝度閾値及びに対して画素及び外形エッジを比較検査する。そして、4台のカメラ画像の検査結果を総合して、被検査容器BKの側面の全周囲を検査する(T20)。そして、前記の容器側面検査を実施した後、被検査容器BKの中の不良容器はコンベヤの下流側に配設された公知の不良容器排除装置でコンベヤ上から排除して、不具合のない容器のみをコンベヤの下流に供給する。
【0035】
なお、図7に示す如く3台のカメラで撮像して容器の検査を行うこともできるが、カメラの台数を増やした場合、カメラ1台当たりの容器側面部の撮像領域が減少して検査精度を向上させることができるため、生産ラインにおいて要求される検査精度に従ってカメラの使用台数を選定して容器検査装置の仕様を決定し、容器の側面検査を実施する。また、図1においては、ミラー6を利用してコンベヤ11の上方からカメラ4で容器画像を撮像したが、図7に示す如くカメラ4を水平方向に配置して撮像することも可能で、カメラによる撮像手段は特に限定されない。
【0036】
また、前記実施例において被検査容器BKは円形断面の場合を示したが、矩形断面の被検査容器BKに対しても、容器撮像位置2のコンベヤ11の上流側で容器ガイド等により被検査容器BKの進行方向を揃えて側面検査部を撮像して検査することにより、円形断面の場合と同様に矩形断面の容器側面の検査を実施することができる。
【0037】
なお、前記説明において容器側面の検査装置及び画像データの処理方法は、それぞれ特定の実施例に関して説明したが、本発明は実施例の範囲に留まらず本発明の主旨の範囲で各種の応用ができる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】容器側面の検査装置の実施例を示す平面図。
【図2】説明用に一部省略した図1の正面図。
【図3】図1のZ−Z矢視図。
【図4】容器側面を撮像した画像。
【図5】検査の工程を示すフローチャート。
【図6】容器外形エッジの検査方法を示す容器側面の画像。
【図7】他の実施例を示す平面図。
【符号の説明】
【0039】
1 検査装置
2 容器撮像位置
3 照明器具
4 カメラ
5 データ処理装置
6 ミラー
10 コンベヤ支柱
11 コンベヤ
B 容器
BK 被検査容器
BS 容器底位置
G10 外形エッジの検査高さ設定
G30 外形エッジの閾値設定
G50 検査用外形エッジデータ作成
G60 外形エッジの閾値との比較
G70 外形エッジの良否判定
K 検査領域
R1 領域
R2 領域
R3 領域
S10 良品画像データ取得処理
S11 外形エッジの決定処理
S12 容器中心線決定
S20 検査領域設定
S30 画像検査用閾値設定
S40 被検査容器画像データ取得
S50 検査用画像データ作成
S60 各画素データの閾値との比較
S70 検査領域内画素の良否判断
T10 総合良否判断
T20 複数カメラによる側面全集評価
YN 指定高さ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンベヤ上を直立して搬送される無地の被検査容器の側面を検査する方法であって、
選定した複数の良品容器の側面検査部を被検査容器の撮像条件と略同一条件で撮像して複数の良品画像データとして取込み、前記良品画像データを処理して被検査容器の側面検査部の各位置に対応する各画素の輝度閾値を予め設定し、
コンベヤ上を搬送される被検査容器の側面検査部を撮像してデータ処理した被検査画像データの各画素の被検査輝度データを、容器上の対応する位置の各画素の前記輝度閾値とそれぞれ比較して、側面検査部の汚れ及び白化、並びに容器変形に起因する輝度の異常を検査し、被検査容器中の不良容器を検出することを特徴とする容器側面の検査方法。
【請求項2】
請求項1において、前記良品画像データを処理して、被検査容器の形状に応じて指定する前記良品画像データの複数所定高さにおける容器外形エッジの左右幅方向の位置閾値を予め設定し、
前記被検査画像データの前記複数所定高さにおける被検査容器外形エッジの左右幅方向の被検査位置データを、それぞれの高さの前記位置閾値と比較して、外形エッジ部における被検査容器の変形をあわせて検査することを特徴とする容器側面の検査方法。
【請求項3】
請求項2において、被検査容器をコンベヤ両側の3箇所以上の位置からカメラで撮像して、それぞれの撮像位置に対応する側面検査部の各画素の輝度閾値並びに容器外形エッジの左右幅方向の位置閾値を設定し、
それぞれの撮像の位置に対応する各画素の被検査輝度データ及び被検査位置データをそれぞれの閾値と比較し、これらの検査結果データを統合処理することにより、被検査容器の側面全周の汚れ及び白化、並びに容器変形の検査を可能とすることを特徴とする容器側面の検査方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−133127(P2006−133127A)
【公開日】平成18年5月25日(2006.5.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−323866(P2004−323866)
【出願日】平成16年11月8日(2004.11.8)
【出願人】(000128131)株式会社エヌテック (16)
【出願人】(000006884)株式会社ヤクルト本社 (132)
【出願人】(593205831)東邦商事株式会社 (14)
【Fターム(参考)】