説明

撮像装置

【課題】広角レンズ系の画角を大きくしても、ズームレンズ系により光路が遮られることがない撮像装置を提供すること。
【解決手段】第1の像を形成する第1の撮像光学系と、第1の像よりも拡大された第2の像を形成する第2の撮像光学系と、第1の撮像光学系と、第2の撮像光学系により、それぞれ形成される第1の像と、第2の像を受けて電気信号に変換する単一の撮像素子と、を有し、第1の撮像光学系による撮像画角と、第2の撮像光学系による撮像画角とが互いに異なるように第1の像、第2の像を同時撮像可能に構成され、第2の撮像光学系は、2つの反射部材と、2つの反射部材の間に配置された光軸方向に移動可能な複数のレンズ群を備え、最も物体側に配置された反射部材よりも物体側に、光軸方向に移動するレンズ群が無いズームレンズ系である複数の画像を同時に撮像可能な撮像装置である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像装置、特に画角の異なる複数の画像を同時に撮像可能な撮像装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、複数の画像を同時に撮像可能な撮像装置が知られている。例えば、特許文献1には、異なる画角の画像を同時に撮像する撮像装置が開示されている。
コンサートや発表会、運動会など全体を見渡せる画像と、主要被写体の拡大像を同時に撮像可能となる。
【0003】
特許文献1に開示された撮像装置では、単一の撮像素子の撮像エリアを上下に分割し、上側の撮像エリアに対応した単焦点の広角レンズ系と、下側の撮像エリアに対応した望遠ズームレンズ系が配置されている。
【0004】
広角レンズ系と望遠ズームレンズ系のそれぞれには、それぞれ二つずつの反射面が配置されている。
そして、望遠ズームレンズ系は、主要被写体に望遠ズームレンズ系の光軸が合わせられるように望遠ズームレンズ系中の一部のレンズと反射面がチルト移動する構成となっている。更に、広角レンズ系にもチルト移動する構成が開示されている。
【0005】
目的被写体を検知することにより、目的被写体を望遠ズームレンズにより追尾撮像する。また、広角レンズ系による撮像エリア中の主要被写体を指示する操作に連動して望遠ズームレンズ系による主要被写体の追尾撮像を行うこともできる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2010−141671号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に開示された撮像装置では、広角レンズ系の画角を大きくしようとすると、他方の光学系と干渉してしまう。このため、画角が制限されてしまう。
また、2つの光学系の画角が常に異なり、広角なステレオ画像を得られないという問題がある。
また、2つの光学系のFナンバーが異なるため、露出差が生じてしまう。
また、反射面を少なくとも4面を必要とし、高コスト化してしまう。
また、撮像装置のグリップ部が撮像面の位置から遠くなるため、撮像装置の小型化が困難である。
また、一方の光学系のフォーカシング状態に基づいて、他方の光学系の方向(向き)を制御することができない。
また、主要被写体が近距離に位置する場合、2つの光学系の視差により望遠ズームレンズ系での主要被写体の追尾にズレが生じてしまう。
【0008】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、広角レンズ系の画角を大きくしても、ズームレンズ系により光路が遮られることがない撮像装置を提供することを第1の目的とする。
また、ズームレンズ系と広角レンズ系との画角を略等しくでき、複数の広角なステレオ画像を得られ、広画角な立体画像の撮像や表示ができる撮像装置を提供することを第2の目的とする。
また、複数の画像を同時に撮像したときのレンズ系同士のFナンバーが異なり露出差が生じてしまうことを低減できる撮像装置を提供することを第3の目的とする。
また、低いコストで、小型な撮像装置を提供することを第4の目的とする。
また、第1の撮像光学系の合焦状態に基づいて、第2の撮像光学系の向きを制御することができる撮像装置を提供することを第5の目的とする。
また、主要被写体が近距離に位置する場合でも、望遠ズームレンズ系での主要被写体の追尾にズレが生じない撮像装置を提供することを第6の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題を解決し、第1の目的を達成するために、本発明によれば、
第1の像を形成する第1の撮像光学系と、
第1の撮像光学系による第1の像よりも拡大された第2の像を形成する第2の撮像光学系と、
第1の撮像光学系と、第2の撮像光学系により、それぞれ形成される第1の像と、第2の像を受けて電気信号に変換する単一の撮像素子と、を有し、
第1の撮像光学系による撮像画角と、第2の撮像光学系による撮像画角とが互いに異なるように第1の像、第2の像を同時撮像可能に構成され、
第2の撮像光学系は、2つの反射部材と、2つの反射部材の間に配置された光軸方向に移動可能な複数のレンズ群を備え、最も物体側に配置された反射部材よりも物体側に、光軸方向に移動するレンズ群が無いズームレンズ系であることを特徴とする複数の画像を同時に撮像可能な撮像装置を提供できる。
【0010】
これにより、第2の撮像光学系である広角レンズ系の画角を大きくした場合でも、第1の撮像光学系、例えばズームレンズ系により光路が遮られることを防止できる。
【0011】
また、第2の目的を達成するために、本発明によれば、
第1の像を形成する第1の撮像光学系と、
第1の撮像光学系による第1の像よりも拡大された第2の像を形成する第2の撮像光学系と、
第1の撮像光学系と、第2の撮像光学系により、それぞれ形成される第1の像と、第2の像を受けて電気信号に変換する単一の撮像素子と、を有し、
第1の撮像光学系による撮像画角と、第2の撮像光学系による撮像画角とが互いに異なるように第1の像と、第2の像を同時撮像可能に構成され、
第1の撮像光学系は単焦点のレンズ系であり、
第2の撮像光学系は2つの反射部材と、光軸方向に移動可能な複数のレンズ群とを備えたズームレンズ系であり、
以下の条件式を満足することを特徴とする複数の画像を同時に撮像可能な撮像装置を提供できる。
0.9×f2w<f1<0.45×f2t (1)
ただし、
f2wは第2の撮像光学系の広角端での焦点距離、
f2tは第2の撮像光学系の望遠端での焦点距離、
f1は第1の撮像光学系の焦点距離、
であり、
第1の撮像光学系と、第2の撮像光学系がそれぞれフォーカシング機能を持つ場合は最も遠距離に合焦した状態での値とする。
【0012】
これにより、第1の撮像光学系(広角レンズ系)と、第2の撮像光学系(ズームレンズ系)との画角とを略同一にすることができる。これにより、複数の広角なステレオ画像を得ることができる。そのため、広画角な立体画像撮像を表示できる。
【0013】
また、第3の目的を達成するために、本発明によれば、
第1の像を形成する第1の撮像光学系と、
第1の撮像光学系による第1の像よりも拡大された第2の像を形成する第2の撮像光学系と、
第1の撮像光学系と、第2の撮像光学系により、それぞれ形成される第1の像と、第2の像を受けて電気信号に変換する単一の撮像素子と、を有し、
第1の撮像光学系による撮像画角と、第2の撮像光学系による撮像画角とが互いに異なるように第1の像と、第2の像を同時撮像可能に構成され、
第1の撮像光学系は、明るさ絞りを有する単焦点のレンズ系であり、
第2の撮像光学系は、2つの反射部材と、光軸方向に移動可能な複数のレンズ群とを備えたズームレンズ系であり、
第1の像と、第2の像を同時撮像する際に、第1の撮像光学系が有する明るさ絞りは、第1の撮像光学系のFナンバーが以下の条件式を満足するように変更されることを特徴とする複数の画像を同時に撮像可能な撮像装置を提供できる。
0.9<Fno1/Fno2<1.1 (2)
ただし、
Fno1は、同時撮像の際の第1の撮像光学系のFナンバー、
Fno2は、同時撮像の際の第2の撮像光学系のFナンバー、
である。
【0014】
これにより、複数の画像を同時に撮像したときのレンズ系同士のFナンバーを略同一にできる。この結果、2つの撮像光学系の露出差を低減できる。
【0015】
また、第4の目的を達成するために、本発明によれば、
第1の像を形成する第1の撮像光学系と、
第1の撮像光学系による第1の像よりも拡大された第2の像を形成する第2の撮像光学系と、
第1の撮像光学系と、第2の撮像光学系によりそれぞれ形成される第1の像と、第2の像を受けて電気信号に変換する単一の撮像素子と、を有し、
第1の撮像光学系による撮像画角と、第2の撮像光学系による撮像画角とが互いに異なるように第1の像と、第2の像を同時撮像可能に構成され、
第1の撮像光学系は、光路を反射する反射面を持たないレンズ系であり、
第2の撮像光学系は、2つの反射部材と、光軸方向に移動可能な複数のレンズ群とを備えたズームレンズ系であり、
第1の撮像光学系に対して第2の撮像光学系の配置される側とは反対側に設けられた把持部を有することを特徴とする複数の画像を同時に撮像可能な撮像装置を提供できる。
【0016】
これにより、反射面が少なくとも4面よりも少ない数量で良いので、コストを低減できる。また、本発明を携帯できる撮像装置に適用した場合でも、把持部を撮影素子から遠くしなくても良いので撮像装置の小型化に有利となる。
【0017】
また、第5の目的を達成するために、本発明によれば、
第1の像を形成する第1の撮像光学系と、
第1の撮像光学系による第1の像よりも拡大された第2の像を形成する第2の撮像光学系と、
第1の撮像光学系と、第2の撮像光学系により、それぞれ形成される第1の像と、第2の像を受けて電気信号に変換する単一の撮像素子と、を有し、
第1の撮像光学系による撮像画角と、第2の撮像光学系による撮像画角とが互いに異なるように第1の像と、第2の像を同時撮像可能に構成され、
第1の撮像光学系は、フォーカシングの際に移動するフォーカシングレンズ群を有し、 さらに第2の撮像光学系はズームレンズ系であり、
第1の撮像光学系のフォーカシング合焦状態に基づいて、第2の撮像光学系の向きを制御する制御部を有することを特徴とする複数の画像を同時に撮像可能な撮像装置を提供できる。
【0018】
これにより、第1の撮像光学系のフォーカシング状態に基づいて、第2の撮像光学系の向きを制御できる。
【0019】
また、第6の目的を達成するために、本発明によれば、
第1の像を形成する第1の撮像光学系と、
第1の撮像光学系による第1の像よりも拡大された第2の像を形成する第2の撮像光学系と、
第1の撮像光学系と、第2の撮像光学系により、それぞれ形成される第1の像と、第2の像を受けて電気信号に変換する単一の撮像素子と、を有し、
第1の撮像光学系による撮像画角と、第2の撮像光学系による撮像画角とが互いに異なるように第1の像と、第2の像を同時撮像可能に構成され、
第1の撮像光学系は、フォーカシングの際に移動するフォーカシングレンズ群を有し、
第2の撮像光学系は、2つの反射部材と、光軸方向に移動可能な複数のレンズ群とを備えたズームレンズ系であり、且つフォーカシングの際に移動するフォーカシングレンズ群を有し、
該第2の光学系のフォーカシング合焦状態から、第2の撮像光学系で第1の撮像光学系の撮影範囲内の任意の領域の物体距離情報を取得することを特徴とする複数の画像を同時に撮像可能な撮像装置を提供できる。
【0020】
これによれば、広角な画面内の各領域の物体距離情報を用いて、広角画像においても臨場感のある立体像を得ることができる。
【0021】
また、第6の目的を達成するために、他の側面にしたがう本発明によれば、
第1の像を形成する第1の撮像光学系と、
第1の撮像光学系による第1の像よりも拡大された第2の像を形成する第2の撮像光学系と、
第1の撮像光学系と、第2の撮像光学系により形成される、それぞれ第1の像と、第2の像を受けて電気信号に変換する単一の撮像素子と、を有し、
第1の撮像光学系による撮像画角と、第2の撮像光学系による撮像画角とが互いに異なるように第1の像と、第2の像を同時撮像可能に構成され、
第2の撮像光学系は2つの反射部材と、光軸方向に移動可能な複数のレンズ群とを備えたズームレンズ系であり、
第1の撮像光学系と第2の撮像光学系の視差による位相差に基づいて被写体の距離情報を取得する距離情報取得部を有することを特徴とする複数の画像を同時に撮像可能な撮像装置を提供できる。
【0022】
これによれば、広角な画面内の各領域の物体距離情報を用いて、広角画像においても臨場感のある立体像を得ることができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明にかかる撮像装置は、広角レンズ系の画角を大きくしても、ズームレンズ系により光路が遮られることがない撮像装置を提供することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】第1実施形態の撮像装置が備える撮像光学系のレンズ断面図である。
【図2】第2実施形態の撮像装置が備える撮像光学系のレンズ断面図である。
【図3】第3実施形態の撮像装置が備える撮像光学系のレンズ断面図である。
【図4】被写体をスキャンする手順を説明する概念図である。
【図5】(a)は被写体を撮像している状態を示す図である。(b)は被写体の一部を拡大して表示している状態を示す図である。(c)は被写体を撮像している状態を示す他の図である。(d)は被写体の一部を拡大して表示している状態を示す図である。
【図6】撮像装置の機能ブロック図である。
【図7】撮像装置の他の機能ブロック図である。
【図8】撮像方向を制御する手順を示すフローチャートである。
【図9】2つの撮像光学系の位相差に基づいて被写体の距離情報を求める手順を示すフローチャートである。
【図10】2つの撮像光学系の結像状態に基づいて被写体の距離情報を求める手順を示すフローチャートである。
【図11】撮像装置であるデジタルカメラを正面から見た図である。
【図12】本発明によるデジタルカメラの外観を示す前方斜視図である。
【図13】図10のデジタルカメラの背面図である。
【図14】図10のデジタルカメラの横断面図である。
【図15】図10のデジタルカメラの主要部の内部回路の構成ブロック図である。
【図16】撮像素子近傍の光学系の変形例を説明する図である。
【図17】撮像素子近傍の光学系の変形例を説明する他の図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本実施形態の撮像装置の構成による作用効果を説明する。なお、この実施形態によって本発明は限定されるものではない。すなわち、実施形態の説明に当たって、例示のために特定の詳細な内容が多く含まれるが、これらの詳細な内容に色々なバリエーションや変更を加えても、本発明の範囲を超えない。従って、以下で説明する本発明の例示的な実施形態は、権利請求された発明に対して、一般性を失わせることなく、また、何ら限定をすることもなく、述べられたものである。
【0026】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。まず、本発明の実施の形態に係る撮像装置について説明する。実施の形態に係る撮像装置は、光学系と電気系とから構成される。図1、2、3は、実施例1、実施例2、実施例3のレンズ断面構成図を示している。その他の図面は、撮像装置の機能ブロック、電気系を示している。
以下の説明において、最初に、図面を適宜参照しながら、撮像装置の特徴を説明する。次に、実施例1、実施例2、実施例3の光学系の数値実施例について詳述する。
【0027】
まず、図5は、本実施の形態に係る撮像装置の光学系の構成及び作用を示している。図5(a)は、撮影目標となる被写体(人物)OBaが登り勾配のある道を、矢印A方向へ走っている状況を示している。図5(b)は、後述する第1、第2の撮像光学系を含む光学系により形成される撮像素子上の画像を示している。
【0028】
例えば、撮像装置のモニタ102の上半分の領域102aには、拡大された被写体OBbが表示され、下半分の領域102bには拡大されていない状態の被写体OBaが表示される。
【0029】
このような、撮像、表示を行うための光学系について説明する。図1、図2、図3は、本実施形態の撮像装置が備える撮像光学系のレンズ断面構成を示している。
光学系は、第1の像OBaを形成する第1の撮像光学系LS1と、
第1の撮像光学系LS1による第1の像OBaよりも拡大された第2の像OBbを形成する第2の撮像光学系LS2と、を有している。
【0030】
図1の実施例1に係る撮像光学系100、図2の実施例2に係る撮像光学系200、図3の実施例3に係る撮像光学系300ともに、物体側には、第1の撮像光学系LS1と第2の撮像光学系LS2とに共通に入射窓111が枠部材112により固定されている。
【0031】
また、第1の撮像光学系LS1と、第2の撮像光学系LS2により、それぞれ形成される第1の像OBaと、第2の像OBbを受けて電気信号に変換する単一の撮像素子(撮像面)Iが設けられている。
ここで、撮像素子Iの長辺方向の長さは、第1の撮像光学系LS1と、第2の撮像光学系LS2とで同じものを用いる。この構成は、以下の実施形態において共通である。
【0032】
ここで、第1の撮像光学系LS1による撮像画角と、第2の撮像光学系LS2による撮像画角とが互いに異なるように第1の像OBa、第2の像OBbを同時撮像可能に構成されている。
【0033】
なお、撮像素子I上で第1の撮像光学系LS1による像と、第2の撮像光学系LSによる像とを撮像素子I上で分割するための反射面を有する光学系の変形例は、後述する。
【0034】
第2の撮像光学系LS2は、2つの反射部材と、2つの反射部材の間に配置された光軸AX2方向に移動可能な複数のレンズ群を備え、最も物体側に配置された反射部材(反射面)r1よりも物体側に、光軸AX2方向に移動するレンズ群が無いズームレンズ系である。
第2の撮像光学系LS2がズームレンズ系であることは、数値実施例1、数値実施例2、数値実施例3が対応している。
【0035】
実施例1において、第2の撮像光学系LS2における2つの反射部材は、物体側から順に、反射ミラーr1と、反射ミラーr17である。
実施例2において、第2の撮像光学系LS2における2つの反射部材は、物体側から順に、入射面r3と射出面r4を有する直角プリズムと、入射面r24と射出面r25とを有する直角プリズムである。
実施例3において、第2の撮像光学系LS2における2つの反射部材は、物体側から順に、反射ミラーr1と、反射ミラーr17である。
【0036】
また、複数の画像を同時に撮像可能な撮像装置が有している光学系は、以下の構成とすることもできる。
第1の像を形成する第1の撮像光学系LS1と、
第1の撮像光学系LS1による第1の像よりも拡大された第2の像を形成する第2の撮像光学系LS2と、を有している。
第1の撮像光学系LS1と、第2の撮像光学系LS2により、それぞれ形成される第1の像と、第2の像を受けて電気信号に変換する単一の撮像素子(撮像面)Iが設けられている。
【0037】
第1の撮像光学系LS1による撮像画角と、第2の撮像光学系LS2による撮像画角とが互いに異なるように第1の像と、第2の像を同時撮像可能に構成される。
ここで、第1の撮像光学系LS1は単焦点のレンズ系である。
【0038】
第1の撮像光学系LS1が単焦点のレンズ系であるのは、実施例1と実施例2とが対応している。
【0039】
第2の撮像光学系LS2は2つの反射部材と、光軸方向に移動可能な複数のレンズ群とを備えたズームレンズ系であり、以下の条件式を満足することが望ましい。
0.9×f2w<f1<0.45×f2t (1)
ただし、
f2wは第2の撮像光学系の広角端での焦点距離、
f2tは第2の撮像光学系の望遠端での焦点距離、
f1は第1の撮像光学系の焦点距離、
であり、
第1の撮像光学系と、第2の撮像光学系がそれぞれフォーカシング機能を持つ場合は最も遠距離に合焦した状態での値とする。
【0040】
条件式(1)の上限値を上回ると、単焦点である第1の撮像光学系の画角を広くとることが困難になる。
条件式(1)の下限値を下回ると、ズームレンズ系である第2の撮像光学系の画角が広くなる。このため、第1の撮像光学系と第2の光学系との画角差が大きくなってしまう。
【0041】
条件式(1)を満足することにより、第1の撮像光学系(広角レンズ系)の画角と、第2の撮像光学系(ズームレンズ系)の画角を略同一にできる。したがって、複数の広角なステレオ画像を得ることができる。この結果、広画角な立体画像撮像を撮像、表示できる。
【0042】
(2つの光学系の露出差の制御)
また、複数の画像を同時に撮像可能な撮像装置が有している光学系は、
第1の像を形成する第1の撮像光学系LS1と、
第1の撮像光学系LS1による第1の像よりも拡大された第2の像を形成する第2の撮像光学系LS2と、
第1の撮像光学系LS1と、第2の撮像光学系LS2によりそれぞれ形成される第1の像と、第2の像を受けて電気信号に変換する単一の撮像素子(撮像面)Iと、を有している。
【0043】
第1の撮像光学系LS1による撮像画角と、第2の撮像光学系LS2による撮像画角とが互いに異なるように第1の像と、第2の像を同時撮像可能に構成される。
【0044】
第1の撮像光学系LSは、明るさ絞りを有する単焦点のレンズ系である。
ここで、実施例1の単焦点の第1の撮像光学系LSの明るさ絞りSは、r5面である。また、実施例2の単焦点の第1の撮像光学系LSの明るさ絞りSは、r5面である。
【0045】
第2の撮像光学系LS2は、2つの反射部材と、光軸方向に移動可能な複数のレンズ群とを備えたズームレンズ系である。
実施例1、実施例2における2つの反射部材は、上述したとおりである。
【0046】
そして、第1の像と、第2の像を同時撮像する際に、第1の撮像光学系LS1が有する明るさ絞りSは、第1の撮像光学系LS1のFナンバーが以下の条件式を満足するように変更される。
0.9<Fno1/Fno2<1.1 (2)
ただし、
Fno1は、同時撮像の際の第1の撮像光学系LS1のFナンバー、
Fno2は、同時撮像の際の第2の撮像光学系LS2のFナンバー、
である。
【0047】
条件式(2)は、2つの撮像光学系のFナンバーの適切な比を規定している。
条件式(2)の上限値を上回る場合、及び下限値を下回る場合、露出差が大きくなり、露出オーバー、アンダーが生じやすくなってしまう。
条件式(2)を満足することにより、露出差を低減できる。なお、2つの撮像光学系において、露出時間を調整することでも、露出差を調整することも可能である。
【0048】
また、実施例1、実施例2、実施例3にかかる撮像光学系は、シャッターSH1が、第1の撮像光学系LS1の明るさ絞りS近傍に配置されている。また、シャッターSH2が、第2の撮像光学系LS2の明るさ絞りS近傍に配置されている。なお、シャッターSH1、SH2は、図1に明示し、図2、図3では図示を省略している。
【0049】
後述する制御手順により、シャッター速度を制御するシャッター速度制御部の機能を兼用するCPU605は、第1の撮像光学系LS1と第2の撮像光学系LS2において、それぞれシャッター速度を独立に制御する。
【0050】
これにより、上述したように、第1の撮像光学系LS1のFナンバーと、第2の撮像光学系のFナンバーとが異なっている場合においても、2つのシャッタースピードを制御して、2つの撮像光学系の鏡枠でそれぞれ露出を適正にすることができる。
【0051】
図6は、本実施形態の撮像装置の機能ブロック図を示している。なお、以下、すべての機能ブロック図、フローチャート内の説明において、簡便のため、適宜、第1の撮像光学系を「第1(の)光学系」、第2の撮像光学系を「第2(の)光学系」と表記する。
【0052】
図6において、第1光学系601(第1の撮像光学系LS1)は、第1の像を形成する。第2光学系602は、第1光学系601による第1の像よりも拡大された第2の像を形成する。
撮像素子603は、第1光学系601、第2光学系602によりそれぞれ形成される第1の像と、第2の像を受けて電気信号に変換する単一の撮像素子である。撮像された像は、表示部606に表示される。表示部606は、例えば、モニタである。
【0053】
フォーカスレンズ駆動制御部604は、例えばCPU605で演算された合焦状態の情報に基づいて、フォーカシングレンズを駆動する。第1光学系601からのフォーカシング情報に基づいて、フォーカシングレンズを駆動する。
【0054】
ここで、フォーカシングは、第1の撮像光学系LS1では、全体繰り出しとすることができる。また、第2の撮像光学系LS2のフォーカシングは、最も像側のレンズに限られず、いずれのレンズを駆動することでも良い。
【0055】
なお、ユーザー操作部607、ミラー制御部608については後述する。
【0056】
また、実施形態に係る撮像装置は、
第1の像を形成する第1の撮像光学系LS1と、
第1の撮像光学系LS1による第1の像よりも拡大された第2の像を形成する第2の撮像光学系LS2と、
第1の撮像光学系LS1と、第2の撮像光学系LS2によりそれぞれ形成される第1の像と、第2の像を受けて電気信号に変換する単一の撮像素子(撮像面)Iと、を有している。
第1の撮像光学系LS1による撮像画角と、第2の撮像光学系LS2による撮像画角とが互いに異なるように第1の像と、第2の像を同時撮像可能に構成されている。
第1の撮像光学系LS1は、光路を反射する反射面を持たないレンズ系である。
第2の撮像光学系LS2は、2つの反射部材と、光軸AX2方向に移動可能な複数のレンズ群とを備えたズームレンズ系である。
第1の撮像光学系LS1に対して第2の撮像光学系LS2の配置される側とは反対側に設けられた把持部を有することが望ましい。
この光学系は、後述する実施例1、実施例2、実施例3のすべてに対応している。
【0057】
図11(a)、11(b)は、実施形態に係る撮像装置の例であるデジタルカメラ40を正面から見た構成を示している。図11(a)において、デジタルカメラ40は、図面水平方向に並列している2つの撮像光学系LS1、LS2の入射窓を有する。
そして、デジタルカメラ40には、第1の撮像光学系LS1に対して第2の撮像光学系LS2の配置される側とは反対側に設けられた把持部であるグリップ50が形成されている。
【0058】
このように、光路を反射する反射面を持たない直進レンズ系である第1の撮像光学系LS1の近傍にグリップ50を設けることで、デジタルカメラ40を小型化できる。
【0059】
また、第1の撮像光学系LS1と第2の撮像光学系LS2は共通の入射窓を有することが望ましい。
図11(a)において、デジタルカメラ40は、図面水平方向に並列している2つの撮像光学系LS1、LS2の入射窓を有する。2つの光学系LS1、LS2に共通して、透明保護枠部材11が設けられている。透明保護部材は、ガラス、透明樹脂などで形成できる。
【0060】
また、図11(b)に示すように、第1の撮像光学系LS1の入射光軸AX1と第2の撮像光学系LS2の入射光軸AX2の両光軸を囲んで形成された螺旋ネジ穴部11aを持つ構成とすることもできる。
【0061】
これにより、ユーザーは、偏光フィルターをデジタルカメラ40に装着する場合、第1の撮像光学系LS1と第2の撮像光学系LS2とに対して、偏光フィルターの偏光方向を同じにすることができる。
【0062】
(第2の撮像光学系の向きの制御)
次に、被写体を撮像、スキャンする手順について説明する。
撮像装置は、以下の構成を有している。
第1の像を形成する第1の撮像光学系LS1と、
第1の撮像光学系LS1による第1の像よりも拡大された第2の像を形成する第2の撮像光学系LS2と、
第1の撮像光学系LS1と、第2の撮像光学系LS2によりそれぞれ形成される第1の像と、第2の像を受けて電気信号に変換する単一の撮像素子(撮像面)Iと、を有している。
【0063】
第1の撮像光学系LS1による撮像画角と、第2の撮像光学系LS2による撮像画角とが互いに異なるように第1の像、第2の像を同時撮像可能に構成されている。
第1の撮像光学系LS1は、フォーカシングの際に移動するフォーカシングレンズ群を有している。
さらに第2の撮像光学系LS2はズームレンズ系である。
第1の撮像光学系LS1のフォーカシング合焦状態に基づいて、第2の撮像光学系LS2の向きを制御するミラー制御部110(608)を有する。
なお、ミラー制御部110は、反射ミラーに限られず、レンズなどの光学素子の向きを制御する。
【0064】
図7は、本撮像装置の機能ブロック図を示している。図7において、図6に示した機能ブロック図と同一の部分には同一の符号を付し、重複する説明は、省略する。
【0065】
図7に機能ブロックを示す撮像装置において、ユーザーは、3Dモード設定ボタン701を操作することで、3Dモード、2Dモードの撮像を選択する。具体的には、3Dモード設定ボタン701は図11(a)、11(b)に示すデジタルカメラ40の正面図における3D設定ボタン51に対応する。
【0066】
図7において、ユーザーが3Dモード設定ボタン701で3Dモードを選択した場合について説明する。もちろんモードの選択は、ボタンの代わりにダイアル式、タッチパネルの構成でも良い。
【0067】
CPU605は、画像処理部としての機能も有している。また、表示部606は、タッチパネルの機能を含んでいる。そして、ユーザーは、タッチパネルを使用して、表示部606に表示されている被写体像の所望の部分をタッチする。CPU605は、第1光学系601からのフォーカシング合焦情報と、タッチパネルを介して指示された被写体情報との2つの情報とに基づいて、第2光学系602が撮像する向きを制御する。
【0068】
ここで、第2光学系602の向き変更する構成について説明する。
例えば、図1、図3にそれぞれ示す実施例1、実施例3においては、第2の撮像光学系LS2中の最も物体側の反射ミラーr1は、被写体側の光軸方向の変更のため、偏心移動する偏心移動反射面である。
【0069】
反射ミラーr1の裏面には、直交3軸方向に反射面をチルト、シフト可能にするための少なくとも3つのステッピングモータSTが設けられている。ミラー制御部110は、ステッピングモータSTをCPU605(図7)からの信号に基づいて駆動して、反射ミラーr1を偏心移動(チルト、シフト)させる。
【0070】
また、図2に示す実施例2における第2の撮像光学系LS2では、最も物体側の光学素子(レンズ)は、被写体側の光軸方向の変更のため、偏心移動する偏心移動レンズである。
【0071】
最も被写体側のレンズには、直交3軸方向にレンズをチルト、シフト可能にするための少なくとも3つのステッピングモータSTが設けられている。方向制御部110は、ステッピングモータSTをCPU605(図7)からの信号に基づいて駆動して、レンズを偏心移動(チルト、シフト)させる。なお、他のレンズを偏心させる構成でも良い。
【0072】
さらに、説明を続ける。距離情報取得部の機能を兼用するCPU605は、第1の撮像光学系LS1のフォーカシング状態に基づいて、被写体の距離情報を取得する。
表示部606は、第1の撮像光学系LS1により撮像された像を表示する。
操作部(ユーザ操作部)607(図6参照)は、第1の撮像光学系LS1により合焦される主要被写体方向を決定する。
上述したミラー制御部(撮像方向制御部)110は、第1の撮像光学系LS1における被写体方向と距離情報取得部であるCPU605の距離情報に基づき、第2の撮像光学系LS2の撮像方向を上述の構成により制御する。
【0073】
図5(c)は、第1の撮像光学系LS1により撮像した広角側の画像を示している。山を背景に、大人OB1と子供OB2とがモニタ47に表示されている。
【0074】
ここで、ユーザー操作部607は、表示部606の表示側に配置されたタッチセンサーで構成することができる。
これにより、ユーザーは容易に操作を行うことができる。
【0075】
ユーザーがモニタ47上において、広角側での撮影領域を観察し、望遠側でクローズアップしたい領域、例えば、子供OB2の部分をタッチセンサで選択する。
ミラー制御部(撮像方向制御部)110は、第1の撮像光学系LS1における被写体方向と距離情報取得部であるCPU605の距離情報に基づき、第2の撮像光学系LS2の撮像方向を上述の構成により子供OB2へ制御する。
【0076】
これにより、図5(d)に示すように、第2の撮像光学系LS2により望遠側の被写体領域だけ(子供OB2)が表示される。このように、広角側での撮像領域を観察し、望遠側でクローズアップしたい領域をタッチセンサーで選択できることもモード選択で行うことができる。
【0077】
上述の手順をさらに詳細に説明する。
図8は、手順を示すフローチャートである。
ステップS701において、モニタ47は、第1光学系(第1の撮像光学系)LS1の撮影範囲を表示する。
ステップS702において、ユーザーは拡大撮影した領域を、タッチパネルを指でタッチすることで指定する。
ステップS703において、ミラー制御部608(図7)からの制御信号に基づいて、例えば図1に示す実施例の光学系の反射ミラーr1を、ステッピングモータSTを駆動して、チルト、シフトさせる。そして、第2の撮像光学系LS2の光軸AX2を被写体である子供OB2へ向ける。
【0078】
ステップS704において、第1の撮像光学系LS1によりフォーカシングをユーザーが指定したポイントにおいて行う。そして、物体距離情報を算出する機能を有するCPU605は、被写体距離を算出する。
ステップS705において、第2の撮像光学系LS2は、ユーザーが指定したポイントにおいて、フォーカシングを行う。
ステップS706において、第1の撮像光学系LS1のフォーカシング合焦状態と第2の撮像光学系LS2のフォーカシング合焦状態とで、それぞれ取得された被写体距離の差分が規定数値内であるか、否かが判断される。
【0079】
ステップS706の判断結果が偽(N0)の場合、ステップS707へ進む。ステップS707において、第2の撮像光学系LS2の撮像画面内において、被写体距離が、第1の撮像光学系LS1により算出されたものと合致するものをサーチする。
【0080】
ステップS707の判断結果が偽(No)の場合、ステップS702へ戻って、さらに上述の手順を続ける。ステップS707の判断結果が真(Yes)の場合、ステップS708において、反射ミラーr1のシフト、チルトなどの偏心の回動を微調整する。そして、画面の中心部分に被写体OB2が位置させる。
【0081】
ステップS708の次に、ステップS706において撮影を行う。また、ステップS705において、それぞれの撮像光学系の被写体距離の差分が規定数値内に存在する場合は、ステップS706において撮影を行う。
【0082】
上述したように、第2の撮像光学系LS2は、被写体側の光軸方向の変更のため、偏心移動する偏心移動光学素子(実施例1、実施例3の反射ミラーr1、実施例2の最も被写体側のレンズ)を含んでいる。
ミラー制御部(偏心移動部)110は、CPU605(距離情報取得部)の距離情報に基づき、第2の撮像光学系LS2の撮像方向を制御するために偏心移動光学素子を移動させる。
なお、実施例2においては、上述したように、最も被写体側のレンズの代わりに、他のレンズを偏心制御する構成でもよい。
【0083】
また、本撮像装置は、以下の構成とすることもできる。
第1の像を形成する第1の撮像光学系LS1と、
第1の撮像光学系LS1による第1の像よりも拡大された第2の像を形成する第2の撮像光学系LS2とを有する。
第1の撮像光学系LS1と、第2の撮像光学系LS2によりそれぞれ形成される第1の像と、第2の像を受けて電気信号に変換する単一の撮像素子(撮像面)Iを有する。
【0084】
第1の撮像光学系LS1による撮像画角と、第2の撮像光学系LS2による撮像画角とが互いに異なるように第1の像と、第2の像を同時撮像可能に構成されている。そして、第1の撮像光学系LS1は、フォーカシングの際に移動するフォーカシングレンズ群を有している。
【0085】
第2の撮像光学系LS2は、2つの反射部材と、光軸AX2方向に移動可能な複数のレンズ群とを備えたズームレンズ系であり、且つフォーカシングの際に移動するフォーカシングレンズ群を有している。
【0086】
そして、第2の撮像光学系LS2のフォーカシング合焦状態から、第2の撮像光学系LS2で第1の撮像光学系LS1の撮影範囲内の任意の領域の物体距離情報を取得することを特徴とする。
【0087】
これにより、第2の撮像光学系LS2は、第1の撮像光学系LSよりも、さらに正確な、すなわち細かい距離情報を得ることができる。換言すると、第2の撮像光学系LS2の画角は、第1の撮像光学系LS1の画角よりも小さい。このため、第2の撮像光学系LS2によれば、被写体までのより細かい距離情報を得ることができる。
【0088】
図4は、本構成による撮像装置により行う撮像、スキャンの概念を示している。第1の撮像光学系LS1は、フォーカシング合焦状態に基づいて第1の像を撮像する。ここでは、概略の被写体距離を得ることができる。
【0089】
第2の撮像光学系LS2は、撮像画面内の各スキャン位置において、フォーカスレンズ群を移動させながら複数回の測距を行う。そして、その位置における第2の像を得る。次に、図内、点線で示す矢印方向へ撮像位置を移動する。そして、次の撮像位置において、複数回の測距(撮像)を行う。
【0090】
これにより、一つの画面の複数の領域内において、被写体までの細かい距離情報、すなわち浅い被写界深度による情報を得ることができる。
【0091】
広角な画面内の各領域の物体距離情報を用いて、広角画像においても臨場感がある立体画像を得ることができる。
【0092】
また、本実施形態の撮像装置は、以下の構成とすることができる。
第1の像を形成する第1の撮像光学系LS1と、
第1の撮像光学系LS1による第1の像よりも拡大された第2の像を形成する第2の撮像光学系LS2と、
第1の撮像光学系LS1と、第2の撮像光学系LS2により形成される、それぞれ第1の像、第2の像を受けて電気信号に変換する単一の撮像素子Iと、を有し、
第1の撮像光学系LS1による撮像画角と、第2の撮像光学系LS2による撮像画角とが互いに異なるように第1の像と、第2の像を同時撮像可能に構成され、
第2の撮像光学系は2つの反射部材と、光軸方向に移動可能な複数のレンズ群とを備えたズームレンズ系であり、
第1の撮像光学系LS1と第2の撮像光学系LS2の視差による位相差に基づいて被写体の距離情報を取得する距離情報取得部を有することを特徴とする。
図7におけるCPU605は、距離情報取得部の機能を兼用している。
【0093】
図9は、位相差に基づいて、後述する画像処理(彩度の変更)を行う手順を示すフローチャートである。以下、図7の機能ブロック図と図9とを用いて説明する。
ステップS801において、ユーザーが3Dモード設定ボタン701(図7)を操作して、3Dモードを設定した場合を考える。
【0094】
この場合、第1の撮像光学系LS1と第2の撮像光学系LS2が略同画角となるように、フォーカシングレンズ駆動制御部604(図7)は第2の撮像光学系LS2をズーミングする。
【0095】
記憶部704は、ステップS802において、第1の撮像光学系LS1が撮像した画面を記憶する。
また、記憶部704は、ステップS803において、第2の撮像光学系LS2が撮像した画面を記憶する。
【0096】
ステップS804において、CPU605は、距離情報取得部として、視差による位相差に基づいて被写体の距離情報を取得する。CPU605は、画面内の各点での被写体距離情報を演算、算出、解析を行う。
【0097】
ステップS805において、CPU605は、被写体距離に応じて、規定段数に被写体をグループ分けする。
【0098】
そして、CPU605は、後述するアルゴリズム記憶部702を制御して、グループ毎に彩度変更の処理を施して表示する。彩度変更の詳細に関しては、後述する。
【0099】
広角レンズ系による像から主要被写体を選択操作する場合、主要被写体までの距離が考慮されていない。そのため、主要被写体が近距離に位置する場合、両レンズ系の視差により望遠ズームレンズ系での主要被写体の追尾にズレが生じる。
これに対して、本実施形態の手順では、この追尾ズレを低減できる。
【0100】
次に、フォーカス状況、すなわちフォーカシング合焦状態に基づいて判定を行い、画像処理する手順について説明する。
図10は、フォーカス状況、後述する画像処理(彩度の変更)を行う手順を示すフローチャートである。以下、図7の機能ブロック図と図10とを用いて説明する。
【0101】
ステップS901において、第2の撮像光学系LS2を第1の撮像光学系LS1に比較して、望遠側にズーミングする。
ステップS902において、記憶部704は、第1の撮像光学系LS1の撮影画面の情報を記憶、格納する。
【0102】
ステップS903において、第1の撮像光学系LS1の画面内を、第2の撮像光学系LS2により順次フォーカシングさせながら移動する。そして、第1の撮像光学系LS1による画面内の被写体距離情報を取得する。
【0103】
ステップS904において、距離情報取得部として、視差による位相差に基づいて被写体の距離情報を取得する。CPU605は、画面内の各点での被写体距離情報を演算、算出、解析を行う。
【0104】
ステップS905において、CPU605は、被写体距離に応じて、規定段数に被写体をグループ分けする。
【0105】
そして、CPU605は、後述するアルゴリズム記憶部702を制御して、グループ毎に彩度変更の処理を施して表示する。
彩度変更の詳細に関しては、後述する。
【0106】
これにより、広角な画面内の各領域の物体距離情報を用いて、広角画像においても臨場感がある立体画像を得ることができる。
【0107】
また、本撮像装置は、図6に示すように、画像生成アルゴリズムを記憶したアルゴリズム記憶部702を有する。
また、距離情報取得部であるCPU605で取得した被写体OB1、OB2などの距離情報と、アルゴリズム記憶部702に記憶された画像生成アルゴリズムに基づき、第1の像の第1画像と、第2の像の第2画像を用いて第3画像を生成する第3画像生成部703を有することが望ましい。
【0108】
これにより、視差のある2つの画像に基づいて、立体感を有する第3画像を生成することができる。
【0109】
次に、上述の画像生成アルゴリズムについて説明する。
画像生成アルゴリズムは、画像内における近距離物体に関しては明度と彩度の処理を行う。また、遠距離物体と近距離物体とが混在する場合、遠距離物体と近距離物体の明度、彩度差が以下の条件式にしたがって拡大するように画像再構成を行う。
【0110】
0≦V’−V<4 (3)
1<C’−C<6 (4)
ここで、
Vは、マンセル・カラー・システムを用いて表記した取得した画像の遠景(遠距離物体)と近景(近距離物体)の明度差、
Cは、マンセル・カラー・システムを用いて表記した取得した画像の遠景と近景の彩度差、
V’は、再構成した画像の明度差、
C’は、再構成した画像の彩度差、
である。
【0111】
条件式(3)、(4)の上限値を上回ると、明度差、彩度差を強調しすぎて不自然な画像となってしまう。
また、条件式(3)、(4)の下限値を下回ると、画像処理の効果が少なくなってしまう。
条件式(3)、(4)を満足することで、主要被写体の明度差、彩度差を適正に調整して、よりこれらを強調した画像を得ることができる。
【0112】
例えば、近距離に人物が存在し、中距離に民家が存在し、遠距離に山が存在する風景を考える。この場合、ユーザーとの距離が遠くなるに従って、彩度を順次下げる処理を施す。人物については彩度処理をしない。
遠距離の「山」に関しては、C’−C=4 かつ V’−V=0、
中距離の「民家」に関しては、C’−C=3 かつ V’−V=0、
近距離の「人物」に関しては、V’−V=2 かつ C’−C=0、
の処理を施すことが望ましい。これにより、画像処理を施さない場合に比較して、画像処理後は、「人物」が手前に浮き出て、臨場感のある画像を得ることができる。
【0113】
さらに、
画面内の最遠方物体が10m〜無限遠の範囲に存在する場合、以下の条件式(5)を満足することが望ましい。
0≦(V’−V)/(C’−C)<1 (5)
さらに、画面内の最遠方物体が、0m〜10mの範囲に存在する場合、以下の条件式(6)を満足することが望ましい。
0≦(C’−C)/(V’−V)<1 (6)
【0114】
条件式(5)は、彩度を重視する場合に適用する式である。また、条件式(6)は、明度を重視する場合に適用する式である。
条件式(5)、(6)を満足することで、より知覚の上での遠近感が増し、臨場感のある画像を得ることができる。
【0115】
なお、上述の各実施形態、条件式は、複数を同時に満足しても課題を解決するために望ましい。
【0116】
また、第1の撮像光学系LS1が、反射面をもたず、且つ、第2の撮像光学系よりも変倍比が小さく、第2の撮像光学系LS2よりもレンズ総数少ないズームレンズ系であることが望ましい。これにより、より小型化できる。
第1の撮像光学系LS1がズームレンズ系であるのは、実施例3である。
【0117】
また、第1の撮像光学系LS1が、反射面をもたず、且つ、第2の撮像光学系LS2よりもレンズ総数が少ない単焦点のレンズ系であることが望ましい。この構成は、実施例1、実施例2が対応する。これにより、より小型化に有利となる。
【0118】
また、第1の撮像光学系LS1による像と第2の撮像光学系LS2による像をそれぞれ独立して撮像可能である。さらに、それぞれの画像を独立して記録可能であることが望ましい。
これにより、ユーザーは撮影のバリエーションを任意に選択できる。
【0119】
また、第2の撮像光学系LS2中の最も物体側の反射面は、被写体側の光軸AX2方向の変更のため、偏心移動する偏心移動反射面r1であることが望ましい。
【0120】
以下に、本発明に係る撮像装置が有する撮像光学系の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。
【0121】
以下、撮像光学系の実施例1、2、3について説明する。
【0122】
また、数値データはいずれも無限遠の被写体に合焦した状態でのデータである。各数値の長さの単位はmm、角度の単位は°(度)である。
【0123】
(実施例1の第1の撮像光学系LS1:)
図1に示すように、物体側から順に、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズと、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズと、絞りSと、シャッターSH1と、両凹負レンズと両凸正レンズとの接合レンズと、両凸正レンズとからなる。
【0124】
非球面は、最も像面側の両凸正レンズの両面の2面に用いている。
【0125】
(実施例1の第2の撮像光学系LS2:)
図1に示すように、物体側から順に、反射面r1が設けられている。光路を90度折り曲げる。
第1レンズ群G1は、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズと、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズと、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズとを有する。
そして、シャッターSH2と、絞りSと、が配置されている。
第2レンズ群G2は、両凸正レンズと、両凹負レンズと、両凸正レンズとを有する。
第3レンズ群G3は、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズを有する。
そして、反射面r17は、光路を90度折り曲げる。
【0126】
非球面は、第1レンズ群G1の物体側から2番目の負メニスカスレンズの両面と、第2レンズ群G2の像側の両凸正レンズの両面との4面に用いている。
【0127】
(実施例2の第1の撮像光学系LS1:)
なお、実施例2、3においては、上記実施例1と重複するため、シャッターの記載は省略している。
図2に示すように、物体側から順に、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズと、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズと、絞りSと、両凹負レンズと両凸正レンズとの接合レンズと、両凸正レンズとからなる。
【0128】
非球面は、最も像面側の両凸正レンズの両面の2面に用いている。
【0129】
(実施例2の第2の撮像光学系LS2:)
図2に示すように、物体側から順に、第1レンズ群G1は、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズと、直角プリズムと、両凸正レンズを有する。
第2レンズ群G2は、両凹負レンズと、像側に凸面を向けた正メニスカスレンズと像側に平面を向けた平凹負レンズとの雪像レンズと、を有する。
第3レンズ群は、両凸正レンズと、両凸正レンズと両凹負レンズとの接合レンズと、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズと物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズとの接合レンズと、を有する。
直角プリズムに続いて、第4レンズ群は両凸正レンズを有する。
【0130】
非球面は、第1レンズ群G1の両凸正レンズの両面と、第2レンズ群G2の物体側の両凹負レンズの両面と、第3レンズ群G3の最も物体側の両凸正レンズの両面と、第4レンズ群G4の両面と、の8面に用いている。
【0131】
なお、r10面、r17面、r21面は、接着層である。
【0132】
(実施例3の第1の撮像光学系LS1:)
図3に示すように、物体側から順に、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズと、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズと、絞りSと、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズと物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズと両凸正レンズとの接合レンズと、を有している。
【0133】
非球面は、絞りS直後の正メニスカスレンズの物体側の面と、両凸正レンズの像側面との2面に用いている。
【0134】
(実施例3の第2の撮像光学系LS2:)
図3に示すように、物体側から順に、反射面r1が設けられている。これにより、光路を90度折り曲げる。
第1レンズ群G1は、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズと、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズと、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズとを有する。
第2レンズ群G2は、両凸正レンズと、両凹負レンズと、両凸正レンズとを有する。
第3レンズ群G3は、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズを有する。
そして、反射面r17は、光路を90度折り曲げる。
【0135】
非球面は、第1レンズ群G1の物体側から2番目の負メニスカスレンズの両面と、第2レンズ群G2の像側の両凸正レンズの両面との4面に用いている。
【0136】
以下に、上記各実施例の数値データを示す。記号は上記の外、fは全系焦点距離、fbはバックフォーカス、FNOはFナンバー、rは各レンズ面の曲率半径、dは各レンズ面間の間隔、ndは各レンズのd線の屈折率、νdは各レンズのアッベ数である。後述するレンズ全長は、レンズ最前面からレンズ最終面までの距離にバックフォーカスを加えたものである。fb(バックフォーカス)は、レンズ最終面から近軸像面までの距離を空気換算して表したものである。
【0137】
なお、非球面形状は、xを光の進行方向を正とした光軸とし、yを光軸と直交する方向にとると、下記の式にて表される。
【0138】
x=(y2 /r)/[1+{1−(K+1)(y/r)2 1/2
+A4 4 +A6 6 +A8 8 +A10y10+A12y12
ただし、rは近軸曲率半径、Kは円錐係数、A4 、A6 、A8 、A10、A12はそれぞれ4次、6次、8次、10次、12次の非球面係数である。また、非球面係数において、「E−n」(nは整数)は、「10−n」を示している。

【0139】

第1の撮像光学系(直進単焦点系)
数値実施例1
単位mm

面データ
面番号 r d nd νd
物面 ∞ ∞
1 17.0643 2.8000 1.80610 33.27
2 36.4654 0.1300 1.
3 16.3558 0.9500 1.69680 55.53
4 7.9657 5.5691 1.
5(絞り) ∞ 7.6963 1.
6 -10.5840 0.8300 1.75520 27.51
7 84.6657 3.3600 1.69680 55.53
8 -16.6108 0.1500 1.
9* 670.6095 4.2000 1.74250 49.30
10* -13.7699 33.8239 1.
像面(撮像面)∞

非球面データ
第9面
K=-999.0134
A2=0.0000E+00,A4=-1.7520E-05,A6=5.9396E-08,A8=-1.9307E-09,A10=1.1985E-12

第10面
K=-0.4098
A2=0.0000E+00,A4=3.1377E-06,A6=2.1734E-08,A8=-5.7979E-10,A10=-1.2876E-11

各種データ

焦点距離 25.382
Fno. 2.875
画角 24.303
全長 59.509
fb 33.824

【0140】
第2の撮像光学系(折り曲げズーム系)
数値実施例1
単位mm

面データ
面番号 r d nd νd
物面 ∞ ∞
1 ∞ 22.0000 1. (折り曲げ面)
2 67.7164 1.8000 1.77250 49.60
3 12.9945 3.4844 1.
4* 15.0000 2.0000 1.52542 55.78
5* 9.9617 5.0891 1.
6 25.8592 2.4125 1.84666 23.78
7 58.6155 可変 1.
6(絞り) ∞ 0.5000 1.
9 13.1340 4.4192 1.51742 52.43
10 -39.7030 2.9320 1.
11 -18.8969 1.0000 1.80518 25.42
12 540.5722 7.8257 1.
13* 17.1957 3.4707 1.49700 81.61
14* -32.7020 可変 1.
15 1181.6535 1.2000 1.77250 49.60
16 41.9912 可変 1.
17 ∞ 18.7997 1. (折り曲げ面)
像面(撮像面)∞

非球面データ
第4面
K=0.
A2=0.0000E+00,A4=-2.1136E-04,A6=8.1306E-07,A8=-2.2480E-09,A10=0.0000E+00

第5面
K=-0.8985
A2=0.0000E+00,A4=-2.5104E-04,A6=1.1309E-06,A8=-3.9604E-09,A10=0.0000E+00

第13面
K=0.
A2=0.0000E+00,A4=-7.6968E-06,A6=4.5605E-07,A8=-1.1002E-09,A10=0.0000E+00

第14面
K=0.
A2=0.0000E+00,A4=1.0961E-04,A6=5.9330E-07,A8=-6.9715E-10,A10=0.0000E+00

ズームデータ

ズーム比 1.698
広角 望遠
焦点距離 24.240 41.159
Fno. 4.50 5.75
画角 25.591 15.343
全長 119.709 129.381
fb 18.800 18.799

d7 12.16146 1.49141
d14 2.82035 1.77404
d16 17.79443 39.18321

【0141】
Fnoの制御:
第2の撮像光学系(折り曲げ系)のFno. 4.5-5.75

第1の撮像光学系(直進系)と第2の撮像光学系(折り曲げ系)のFnoを揃えるためには直進系の絞り径を略以下のテーブルに従って制御を行えばよい。

直進系のFno. と絞り径
Fno 絞り径φ
2.875 8.315
4.50 5.341 ← Wide
5.75 4.185 ← Tele

条件式(1)の値
f1/f2w=1.05
f1/f2t=0.62

【0142】
第1の撮像光学系(直進単焦点系)
数値実施例2
単位mm

面データ
面番号 r d nd νd
物面 ∞ ∞
1 14.1786 2.8000 1.80610 33.27
2 27.3797 0.1300 1.
3 12.4779 0.9500 1.78650 50.00
4 6.5043 4.2283 1.
5(絞り) ∞ 6.3661 1.
6 -15.5973 0.8300 1.76182 26.52
7 27.0852 3.3600 1.69680 55.53
8 -35.9998 0.1500 1.
9* 356.6655 4.2000 1.74250 49.30
10* -11.7828 33.8223 1.
像面(撮像面)∞

非球面データ
第9面
K=233.0929
A2=0.0000E+00,A4=-2.9412E-05,A6=-2.3456E-07,A8=7.1848E-09,A10=-8.4208E-11

第10面
K=-0.3428
A2=0.0000E+00,A4=2.0611E-06,A6=-2.4195E-07,A8=3.9420E-09,A10=-5.3603E-11

各種データ

焦点距離 25.501
Fno. 2.879
画角 24.198
全長 56.837
fb 33.822

【0143】
第2の撮像光学系(折り曲げズーム系)

数値実施例2
単位mm

面データ
面番号 r d nd νd
物面 ∞ ∞
1 162.6448 2.0326 2.00069 25.46
2 29.9743 7.3462 1.
3 ∞ 23.7228 1.84666 23.78 (プリズム)
4 ∞ 0.5807 1.
5* 51.8917 8.1592 1.69253 53.03
6* -35.9631 可変 1.
7* -41.5227 2.0326 1.74156 49.21
8* 67.4860 1.9745 1.
9 -80.8114 5.1104 1.92286 20.88
10 -23.9754 0.0203 1.50648 46.20
11 -23.9754 1.4518 1.88300 40.76
12 ∞ 可変 1.
13(絞り) ∞ 可変 1.
14* 19.7707 8.9432 1.49650 81.53
15* -30.2316 0.5807 1.
16 40.6568 8.7690 1.49700 81.54
17 -40.6568 0.0203 1.56384 60.67
18 -40.6568 1.4518 1.58144 40.75
19 449.5976 1.7132 1.
20 89.0229 1.4518 1.90366 31.32
21 11.9224 0.0203 1.56384 60.67
22 11.9224 5.7492 1.48749 70.23
23 15.9584 可変 1.
24 ∞ 16.2000 1.77250 49.60 (プリズム)
25 ∞ 1.5078 1.
26* 40.6923 6.2138 1.53071 55.60
27* -116.0192 13.2743 1.
像面(撮像面)∞

非球面データ
第5面
K=0.
A2=0.0000E+00,A4=5.2094E-09,A6=-7.0776E-09,A8=4.3022E-11,A10=-1.8550E-13

第6面
K=0.
A2=0.0000E+00,A4=6.1465E-06,A6=-8.6496E-09,A8=4.7665E-11,A10=-1.7716E-13

第7面
K=0.
A2=0.0000E+00,A4=-1.3944E-05,A6=1.0997E-07,A8=-4.0085E-10,A10=9.4142E-14

第8面
K=0.
A2=0.0000E+00,A4=-2.4522E-05,A6=1.7454E-07,A8=-7.5388E-10,A10=4.7361E-16

第14面
K=0.
A2=0.0000E+00,A4=-2.5033E-05,A6=1.2610E-08,A8=-2.4751E-10,A10=-4.3206E-14

第15面
K=0.
A2=0.0000E+00,A4=1.4591E-05,A6=9.5752E-09,A8=-1.7653E-10,A10=0.0000E+00

第26面
K=0.
A2=0.0000E+00,A4=1.1856E-05,A6=2.1827E-08,A8=-8.2181E-10,A10=5.8275E-13

第27面
K=0.
A2=0.0000E+00,A4=1.6738E-05,A6=-1.6355E-08,A8=-9.4204E-10,A10=1.1396E-12

ズームデータ

ズーム比 2.784

広角 中間 望遠
焦点距離 25.515 31.423 71.028
Fno. 5.009 5.278 6.019
画角 22.944 18.604 8.655
全長 160.322 160.335 160.366
fb 13.274 13.707 14.507

d6 10.24330 14.27439 22.98933
d12 15.51960 11.49091 2.75846
d13 19.87540 18.14356 2.75846
d23 3.41770 4.72720 19.36020


Fnoの制御:
第2の撮像光学系(折り曲げ系)のFno 5.009 〜5.278〜 6.019

第1の撮像光学系(直進系)と第2の撮像光学系(折り曲げ系)のFnoを揃えるためには直進系の絞り径を略以下のテーブルに従って制御を行えばよい。

直進系のFno と絞り径
Fno 絞り径φ
2.879 8.138
5.009 4.729 ←Wide
5.278 4.490 ←Std
6.019 3.942 ←Tele

条件式(1)の値
f1/f2w=0.999
f1/f2t=0.359

【0144】
第1の撮像光学系(ズーム直進系)
数値実施例3
単位mm

面データ
面番号 r d nd νd
物面 ∞ ∞
1 39.6598 1.7513 1.80610 40.74
2* 4.8555 2.3351 1.
3 8.8835 2.4810 1.84666 23.78
4 18.8660 可変 1.
5(絞り) ∞ 0. 1.
6* 6.3558 2.6270 1.74330 49.33
7 72.9712 1.2405 1.84666 23.78
8 7.3891 4.0134 1.51633 64.14
9* -29.2264 可変 1.
像面(撮像面)∞

非球面データ
第2面
K=-3.2020
A2=0.0000E+00,A4=2.8760E-03,A6=-9.2890E-05,A8=3.2053E-06,A10=-5.1273E-08

第6面
K=-4.1320
A2=0.0000E+00,A4=1.8723E-03,A6=-6.0718E-05,A8=3.7797E-06,A10=-1.5249E-07
A12=-1.5632E-09,A14=0.0000E+00,A16=0.0000E+00,A18=0.0000E+00,A20=0.0000E+00

第9面
K=0.
A2=0.0000E+00,A4=1.5281E-03,A6=-1.2234E-05,A8=9.3606E-06,A10= -2.8400E-07


ズームデータ

ズーム比 1.943
広角 中間 望遠
焦点距離 8.637 11.968 16.779
Fno. 3.584 4.161 5.004
画角 33.610 25.167 18.368
全長 36.415 34.716 35.371
fb 12.627 15.364 19.317

d4 9.34030 4.90365 1.60535
d9 12.62659 15.36391 19.31735

【0145】
第2の撮像光学系(折り曲げズーム系)
数値実施例3
単位mm

面番号 r d nd νd
物面 ∞ ∞
1 ∞ 10.0000 1. (折り曲げ面)
2 33.8582 0.9000 1.77250 49.60
3 6.4972 1.7422 1.
4* 7.5000 1.0000 1.52542 55.78
5* 4.9808 2.5445 1.
6 12.9296 1.2063 1.84666 23.78
7 29.3078 可変 1.
8(絞り) ∞ 0.2500 1.
9 6.5670 2.2096 1.51742 52.43
10 -19.8515 1.4660 1.
11 -9.4484 0.5000 1.80518 25.42
12 270.2861 3.9128 1.
13* 8.5979 1.7354 1.49700 81.61
14* -16.3510 可変 1.
15 590.8268 0.6000 1.77250 49.60
16 20.9956 可変 1. (折り曲げ面)
17 ∞ 9.3999 1.
像面(撮像面)∞

非球面データ
第4面
K=0.
A2=0.0000E+00,A4=-1.6909E-03,A6=2.6018E-05,A8=-2.8775E-07,A10=0.0000E+00

第5面
K=-0.8985
A2=0.0000E+00,A4=-2.0083E-03,A6=3.6188E-05,A8=-5.0693E-07,A10=0.0000E+00

第13面
K=0.
A2=0.0000E+00,A4=-6.1575E-05,A6=1.4594E-05,A8=-1.4083E-07,A10=0.0000E+00

第14面
K=0.
A2=0.0000E+00,A4=8.7690E-04,A6=1.8986E-05,A8=-8.9235E-08,A10=0.0000E+00


ズームデータ

ズーム比 2.383

広角 中間 望遠
焦点距離 8.637 12.120 20.580
Fno. 3.911 4.501 5.751
画角 33.611 25.591 15.343
全長 55.091 53.855 58.691
fb 9.400 9.400 9.400

d7 11.37968 6.08073 0.74571
d14 1.63792 1.41017 0.88702
d16 4.60655 8.89721 19.59161

【0146】
(デジタルカメラ)
図12〜図15は上述の各実施例のズームレンズを複数組み込んだ撮像装置の構成の概念図を示す。図12はデジタルカメラ40の外観を示す前方斜視図、図13は同背面図、図14はデジタルカメラ40の構成を示す模式的な横断面図である。
【0147】
図12は、第1の撮像光学系と第2の撮像光学系との2つの光学系を備えるデジタルカメラ40の前方斜視図である。
【0148】
デジタルカメラ40は、この例の場合、撮影用光路42上に位置する撮影光学系41、ファインダー用光路44上に位置するファインダー光学系43、シャッターボタン45、ポップアップストロボ46、液晶表示モニタ47等を含み、カメラ40の上部に配置されたシャッターボタン45を押圧すると、それに連動して撮影光学系41、例えば実施例1のレンズを通して撮影が行われる。撮影光学系41によって形成された物体像が、カバーガラスCを介して結像面近傍に設けた撮像素子としてのCCD49の撮像面(光電変換面)上に形成される。このCCD49で受光された物体像は、CPU605(処理手段)を介し、電子画像としてカメラ背面に設けられた液晶表示モニタ47や、ファインダー用画像表示素子に表示される。また、このCPU605(処理手段)には記録手段が接続され、撮影された電子画像を記録することもできる。
【0149】
なお、この記録手段はCPU605(処理手段)と別体に設けてもよいし、メモリーカード、MO等により電子的に記録書込を行うように構成してもよい。
【0150】
さらに、ファインダー用光路44上にはファインダー用接眼レンズが配置してある。ファインダー用画像表示素子に表示された物体像が、このファインダー用接眼レンズ59によって拡大および観察者が見やすい視度に調整され、観察者眼球Eに導かれている。なお、ファインダー用接眼レンズの射出側にカバー部材が配置されている。
【0151】
図15は、上記デジタルカメラ40の主要部の内部回路の構成ブロック図である。なお、以下の説明では、上記の処理手段51は例えばCDS/ADC部24、一次記憶メモリ17、画像処理部18等からなり、記憶手段52は例えば記憶媒体部19等からなる。
【0152】
図15に示すように、デジタルカメラ40は、操作部12と、この操作部12に接続された制御部13と、この制御部13の制御信号出力ポートにバス14及び15を介して接続された撮像駆動回路16並びに一次記憶メモリ17、画像処理部18、記憶媒体部19、表示部20、及び設定情報記憶メモリ部21を備えている。
【0153】
上記の一次記憶メモリ17、画像処理部18、記憶媒体部19、表示部20、及び設定情報記憶メモリ部21はバス22を介して相互にデータの入力又は出力が可能なように構成され、また、撮像駆動回路16には、CCD49とCDS/ADC部24が接続されている。
【0154】
操作部12は各種の入力ボタンやスイッチを備え、これらの入力ボタンやスイッチを介して外部(カメラ使用者)から入力されるイベント情報を制御部に通知する回路である。制御部13は、例えばCPU等からなる中央演算処理装置であり、不図示のプログラムメモリを内蔵し、そのプログラムメモリに格納されているプログラムにしたがって、操作部12を介してカメラ使用者から入力される指示命令を受けてデジタルカメラ40全体を制御する回路である。
【0155】
CCD49は、本発明による撮影光学系41を介して形成された物体像を受光する。CCD49は、撮影駆動回路16により駆動制御され、その物体像の各画素ごとの光量を電気信号に変換してCDS/ADC部24に出力する撮像素子である。
【0156】
CDS/ADC部24は、CCD49から入力する電気信号を増幅しかつアナログ/デジタル変換を行って、この増幅とデジタル変換を行っただけの映像生データ(ベイヤーデータ、以下RAWデータという。)を一時メモリ17に出力する回路である。
【0157】
一次記憶メモリ17は、例えばSDRAM等からなるバッファであり、CDS/ADC部24から出力される上記RAWデータを一時的に記憶するメモリ装置である。画像処理部18は、一次記憶メモリ17に記憶されたRAWデータ又は記憶媒体部19に記憶されているRAWデータを読み出して、制御部13から指定された画質パラメータに基づいて歪曲収差補正を含む各種画像処理を電気的に行う回路である。
【0158】
記憶媒体部19は、例えばフラッシュメモリ等からなるカード型又はスティック型の記録媒体を着脱自在に装着して、それらカード型又はスティック型のフラッシュメモリに、一次記憶メモリ17から転送されるRAWデータや画像処理部18で画像処理された画像データを記録して保持する装置の制御回路である。
【0159】
表示部20は、液晶表示モニタ47及びファインダー用画像表示素子を備え、その液晶表示モニタ47及びファインダー用画像表示素子に画像や操作メニュー等を表示する回路である。設定情報記憶メモリ部21には、予め各種の画質パラメータが格納されているROM部と、そのROM部から読み出された画質パラメータの中から操作部12の入力操作によって選択された画質パラメータを記憶するRAM部が備えられている。設定情報記憶メモリ部21は、それらのメモリへの入出力を制御する回路である。
【0160】
(撮像素子分割の変形例)
上述した実施例1、実施例2、実施例3では、第1の撮像光学系LS1は、反射面を有することなく直進系の光軸AX1を有している。
上述の各実施形態は、以下のように、光路剛性素子を用いて、第1の撮像光学系LS1の光路を折り曲げて、撮像素子へ結像させることもできる。
【0161】
図16は、図1において、第1の撮像光学系LS1の光路を90度折り曲げて、さらに光路合成素子420を追加した構成において、光路合成素子420から像面IPまでの構成を示している。図16(a)は斜視図、(b)は(a)内の矢印B方向から見た平面図、(c)は(a)内の矢印C方向から見た側面図である。
【0162】
図16に示すように、光路合成素子420は、互いに直角に交差するよう配置された2枚の第2反射部材(ミラー)MR12、MR22と、これらの間を仕切る遮光板421とから構成されている。
【0163】
一方の反射部材MR12は、第1の撮影光学系LS1からの光束を像面IP側に反射させ、他方の反射部材MR22は、第2の撮影光学系LS1からの光束を像面IP側に反射させる。
【0164】
遮光板421は、一方の撮影光学系の像が他方の像と重複しないように撮像素子の分割位置に立てて配置されている。反射面以外の面は、迷光を防止するために反射防止処理を施すのが望ましい。
【0165】
また、図17は、図16示した光路合成素子の他の例を示し、(a)は斜視図、(b)は(a)内の矢印B方向から見た平面図、(c)は(a)内の矢印C方向から見た側面図である。
【0166】
図17に示す光路合成素子530は、図16のミラーに代えてプリズムを反射部材として用いている。すなわち、光路合成素子530は、反射面となる斜面が互いに直交する方向で配置された2つの直角プリズム531、532と、これらの間を仕切る遮光板533とから構成されている。一方のプリズム531は、一方の垂直面から入射した第1の撮影光学系LS1からの光束を斜面で裏面反射させ、他方の垂直面から像面IP側に射出させる。他方のプリズム532は、同様にして第2の撮影光学系LS2からの光束を像面IP側に偏向する。遮光板532の機能は図16の遮光板421と同様である。
【0167】
プリズムは光線が通過する際の光路長を伸ばす作用があるため、光束合成素子としてプリズムを利用すると、各レンズ系に要求されるバックフォーカスを短くすることができる。
【0168】
本実施の形態の撮影光学系の変形例では、反射部材及びフィルターを設置するための間隔を確保するためにレトロフォーカス型に設計されているが、プリズム部材を用いる場合には、バックフォーカスに関する制約が少なくなり、光学系の設計自由度を得るのに有利になる。
【0169】
本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で様々な変形例をとることができる。
【産業上の利用可能性】
【0170】
以上のように、本発明は、広角レンズ系の画角を大きくしても、ズームレンズ系により光路が遮られることがない撮像装置に有用である。
【符号の説明】
【0171】
LS1 第1の撮像光学系
LS2 第2の撮像光学系
100 撮像装置
I 撮像素子
r1 反射面(反射部材)
AX1、AX2 光軸
601 第1光学系
602 第2光学系
603 撮像素子
604 フォーカスレンズ駆動制御部
605 CPU
606 表示部
607 ユーザー操作部
608 ミラー制御部
701 3Dモード操作ボタン
702 アルゴリズム操作部
703 第3画像生成部
704 記憶部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の像を形成する第1の撮像光学系と、
前記第1の撮像光学系による第1の像よりも拡大された第2の像を形成する第2の撮像光学系と、
前記第1の撮像光学系と、前記第2の撮像光学系により、それぞれ形成される第1の像と、第2の像を受けて電気信号に変換する単一の撮像素子と、を有し、
前記第1の撮像光学系による撮像画角と、前記第2の撮像光学系による撮像画角とが互いに異なるように第1の像、第2の像を同時撮像可能に構成され、
前記第2の撮像光学系は、2つの反射部材と、2つの前記反射部材の間に配置された光軸方向に移動可能な複数のレンズ群を備え、最も物体側に配置された前記反射部材よりも物体側に、光軸方向に移動するレンズ群が無いズームレンズ系であることを特徴とする複数の画像を同時に撮像可能な撮像装置。
【請求項2】
第1の像を形成する第1の撮像光学系と、
前記第1の撮像光学系による第1の像よりも拡大された第2の像を形成する第2の撮像光学系と、
前記第1の撮像光学系と、前記第2の撮像光学系により、それぞれ形成される第1の像と、第2の像を受けて電気信号に変換する単一の撮像素子と、を有し、
前記第1の撮像光学系による撮像画角と、前記第2の撮像光学系による撮像画角とが互いに異なるように第1の像、第2の像を同時撮像可能に構成され、
前記第1の撮像光学系は単焦点のレンズ系であり、
前記第2の撮像光学系は2つの反射部材と、光軸方向に移動可能な複数のレンズ群とを備えたズームレンズ系であり、
以下の条件式を満足することを特徴とする複数の画像を同時に撮像可能な撮像装置。
0.9×f2w<f1<0.45×f2t (1)
ただし、
f2wは前記第2の撮像光学系の広角端での焦点距離、
f2tは前記第2の撮像光学系の望遠端での焦点距離、
f1は前記第1の撮像光学系の焦点距離、
であり、
前記第1の撮像光学系と、前記第2の撮像光学系がそれぞれフォーカシング機能を持つ場合は最も遠距離に合焦した状態での値とする。
【請求項3】
第1の像を形成する第1の撮像光学系と、
前記第1の撮像光学系による第1の像よりも拡大された第2の像を形成する第2の撮像光学系と、
前記第1の撮像光学系と、前記第2の撮像光学系により、それぞれ形成される第1の像と、第2の像を受けて電気信号に変換する単一の撮像素子と、を有し、
前記第1の撮像光学系による撮像画角と、前記第2の撮像光学系による撮像画角とが互いに異なるように第1の像と、第2の像を同時撮像可能に構成され、
前記第1の撮像光学系は、明るさ絞りを有する単焦点のレンズ系であり、
前記第2の撮像光学系は、2つの反射部材と、光軸方向に移動可能な複数のレンズ群とを備えたズームレンズ系であり、
前記第1の像と、前記第2の像を同時撮像する際に、前記第1の撮像光学系が有する明るさ絞りは、前記第1の撮像光学系のFナンバーが以下の条件式を満足するように変更されることを特徴とする複数の画像を同時に撮像可能な撮像装置。
0.9<Fno1/Fno2<1.1 (2)
ただし、
Fno1は、同時撮像の際の前記第1の撮像光学系のFナンバー、
Fno2は、同時撮像の際の前記第2の撮像光学系のFナンバー、
である。
【請求項4】
第1の像を形成する第1の撮像光学系と、
前記第1の撮像光学系による第1の像よりも拡大された第2の像を形成する第2の撮像光学系と、
前記第1の撮像光学系と、前記第2の撮像光学系により形成される第1の像と、第2の像を受けて電気信号に変換する単一の撮像素子と、を有し、
前記第1の撮像光学系による撮像画角と、前記第2の撮像光学系による撮像画角とが互いに異なるように第1の像と、第2の像を同時撮像可能に構成され、
前記第1の撮像光学系と前記第2の撮像光学系で、それぞれシャッター速度が独立に制御可能であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の複数の画像を同時に撮像可能な撮像装置。
【請求項5】
第1の像を形成する第1の撮像光学系と、
前記第1の撮像光学系による第1の像よりも拡大された第2の像を形成する第2の撮像光学系と、
前記第1の撮像光学系と、前記第2の撮像光学系により、それぞれ形成される第1の像と、第2の像を受けて電気信号に変換する単一の撮像素子と、を有し、
前記第1の撮像光学系による撮像画角と、前記第2の撮像光学系による撮像画角とが互いに異なるように第1の像と、第2の像を同時撮像可能に構成され、
前記第1の撮像光学系は、光路を反射する反射面を持たないレンズ系であり、
前記第2の撮像光学系は、2つの反射部材と、光軸方向に移動可能な複数のレンズ群とを備えたズームレンズ系であり、
そして、前記第1の撮像光学系に対して前記第2の撮像光学系の配置される側とは反対側に設けられた把持部を有していることを特徴とする複数の画像を同時に撮像可能な撮像装置。
【請求項6】
特定モード選択部により特定モードを選択することで、前記第1の撮像光学系と前記第2の撮像光学系との2つの光学系が略等焦点となり、
略同一の画角の画像を取得できることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の撮像装置。
【請求項7】
第1の像を形成する第1の撮像光学系と、
前記第1の撮像光学系による第1の像よりも拡大された第2の像を形成する第2の撮像光学系と、
前記第1の撮像光学系と、前記第2の撮像光学系により、それぞれ形成される第1の像と、第2の像を受けて電気信号に変換する単一の撮像素子と、を有し、
前記第1の撮像光学系による撮像画角と、前記第2の撮像光学系による撮像画角とが互いに異なるように第1の像と、第2の像を同時撮像可能に構成され、
前記第1の撮像光学系は、フォーカシングの際に移動するフォーカシングレンズ群を有し、
さらに前記第2の撮像光学系はズームレンズ系であり、
前記第1の撮像光学系のフォーカシング合焦状態に基づいて、前記第2の撮像光学系の向きを制御する制御部を有することを特徴とする複数の画像を同時に撮像可能な撮像装置。
【請求項8】
第1の撮像光学系のフォーカシング状態に基づいて、被写体の距離情報を取得する距離情報取得部と、
前記第1の撮像光学系により撮像された像を表示する表示部と、
前記第1の撮像光学系により合焦される主要被写体方向を決定する操作部と、
前記第1の撮像光学系における被写体方向と距離情報取得部の距離情報に基づき、前記第2の撮像光学系の撮像方向を制御する撮像方向制御部と、
を有することを特徴とする請求項7に記載の複数の画像を同時に撮像可能な撮像装置。
【請求項9】
前記操作部が表示部の表示側に配置されたタッチセンサーであることを特徴とする請求項8に記載の複数の画像を同時に撮像可能な撮像装置。
【請求項10】
前記第2の撮像光学系は、被写体側の光軸方向の変更のため、偏心移動する偏心移動光学素子を含み、
前記距離情報取得部の距離情報に基づき、前記第2の撮像光学系の撮像方向を制御するために偏心移動光学素子を移動させる偏心移動部を有することを特徴とする請求項7〜8のいずれか一項に記載の複数の画像を同時に撮像可能な撮像装置。
【請求項11】
第1の像を形成する第1の撮像光学系と、
前記第1の撮像光学系による第1の像よりも拡大された第2の像を形成する第2の撮像光学系と、
前記第1の撮像光学系と、前記第2の撮像光学系により、それぞれ形成される第1の像と、第2の像を受けて電気信号に変換する単一の撮像素子と、を有し、
前記第1の撮像光学系による撮像画角と、前記第2の撮像光学系による撮像画角とが互いに異なるように第1の像と、第2の像を同時撮像可能に構成され、
前記第1の撮像光学系は、フォーカシングの際に移動するフォーカシングレンズ群を有し、
前記第2の撮像光学系は、2つの反射部材と、光軸方向に移動可能な複数のレンズ群とを備えたズームレンズ系であり、且つフォーカシングの際に移動するフォーカシングレンズ群を有し、
前記第2の光学系のフォーカシング合焦状態から、前記第2の撮像光学系で前記第1の撮像光学系の撮影範囲内の任意の領域の物体距離情報を取得することを特徴とする複数の画像を同時に撮像可能な撮像装置。
【請求項12】
第1の像を形成する第1の撮像光学系と、
前記第1の撮像光学系による第1の像よりも拡大された第2の像を形成する第2の撮像光学系と、
前記第1の撮像光学系と、前記第2の撮像光学系により形成される、それぞれ第1の像と、第2の像を受けて電気信号に変換する単一の撮像素子と、を有し、
前記第1の撮像光学系による撮像画角と、前記第2の撮像光学系による撮像画角とが互いに異なるように第1の像と、第2の像を同時撮像可能に構成され、
前記第2の撮像光学系は2つの反射部材と、光軸方向に移動可能な複数のレンズ群とを備えたズームレンズ系であり、
前記第1の撮像光学系と前記第2の撮像光学系の視差による位相差に基づいて被写体の距離情報を取得する距離情報取得部を有することを特徴とする複数の画像を同時に撮像可能な撮像装置。
【請求項13】
画像生成アルゴリズムを記憶したアルゴリズム記憶部と、
距離情報取得部で取得した被写体の距離情報と、アルゴリズム記憶部に記憶された画像生成アルゴリズムに基づき、第1の像の第1画像と第2の像の第2画像を用いて第3画像を生成する画像生成部を有することを特徴とする請求項11に記載の複数の画像を同時に撮像可能な撮像装置。
【請求項14】
画像生成アルゴリズムは、画像内における近距離物体に関しては明度と彩度の処理を行い、
遠距離物体と近距離物体とが混在する場合、前記遠距離物体と前記近距離物体の明度、彩度差が以下の条件式にしたがって拡大するように画像再構成を行うことを特徴とする請求項13に記載の複数の画像を同時に撮像可能な撮像装置。
0≦V’−V<4 (3)
1<C’−C<6 (4)
ここで、
Vは、マンセル・カラー・システムを用いて表記した取得した画像の遠景と近景の明度差、
Cは、マンセル・カラー・システムを用いて表記した取得した画像の遠景と近景の彩度差、
V’は、再構成した画像の明度差、
C’は、再構成した画像の彩度差、
とする。
【請求項15】
さらには以下の条件式を満足することを特徴とする請求項14に記載の複数の画像を同時に撮像可能な撮像装置。
画面内の最遠方物体が10m〜無限遠の範囲に存在する場合、
0≦(V’−V)/(C’−C)<1 (5)
画面内の最遠方物体が、0m〜10mの範囲に存在する場合、
0≦(C’−C)/(V’−V)<1 (6)
【請求項16】
前記第1の撮像光学系が、反射面をもたず、且つ、前記第2の撮像光学系よりも変倍比が小さく、前記第2の撮像光学系よりもレンズ総数が少ないズームレンズ系であることを特徴とする請求項1、5、8、9、11及び12のいずれか一項に記載の複数の画像を同時に撮像可能な撮像装置。
【請求項17】
前記第1の撮像光学系が、反射面をもたず、且つ、前記第2の撮像光学系よりもレンズ総数が少ない単焦点のレンズ系であることを特徴とする請求項1〜15のいずれか一項に記載の複数の画像を同時に撮像可能な撮像装置。
【請求項18】
前記第1の撮像光学系による像と前記第2の撮像光学系による像をそれぞれ独立して撮像可能であり、
それぞれの画像を独立して記録可能であることを特徴とする請求項1〜17のいずれか一項に記載の複数の画像を同時に撮像可能な撮像装置。
【請求項19】
前記第2の撮像光学系中の最も物体側の反射面は、被写体側の光軸方向の変更のため、偏心移動する偏心移動反射面であることを特徴とする請求項1〜18のいずれか一項に記載の複数の画像を同時に撮像可能な撮像装置。
【請求項20】
前記第1の撮像光学系と前記第2の撮像光学系に共通の入射窓を有することを特徴とする請求項1〜19のいずれか一項に記載の複数の画像を同時に撮像可能な撮像装置。
【請求項21】
前記第1の撮像光学系の入射光軸と前記第2の撮像光学系の入射光軸の両光軸を囲んで形成された螺旋ネジ穴部を持つ枠部材を有することを特徴とする請求項1〜20のいずれか一項に記載の複数の画像を同時に撮像可能な撮像装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2013−101213(P2013−101213A)
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−244528(P2011−244528)
【出願日】平成23年11月8日(2011.11.8)
【出願人】(504371974)オリンパスイメージング株式会社 (2,647)
【Fターム(参考)】