説明

測定対象物の検査方法

【課題】測定対象物の検査方法を提供すること。
【解決手段】基板に装着された素子の検査方法において、素子に対応する形状テンプレートを生成する段階と、照明部の格子パターン光を基板に照射してピクセル別高さ情報を獲得する段階と、ピクセル別高さ情報に対応してコントラストマップを生成する段階と、コントラストマップと形状テンプレートとを比較する段階と、を含む。本発明によると、測定対象物を正確に抽出することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、測定対象物の検査方法に関し、より詳細にはプリント回路基板に形成された測定対象物の検査方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、電子装置内には少なくとも一枚のプリント回路基板(printed circuit board;PCB)が具備され、このようなプリント回路基板の上には多様な種類の電子素子(electronic device)が形成されている。
【0003】
電子素子が実装された基板の信頼性を検証するために、電子素子の実装状態を検査する必要があり、電子素子の実装状態を検査するためには測定対象物の領域を正確に設定することが重要である。
【0004】
従来は、測定対象物の領域(region)を設定するために2次元イメージを撮影し、撮影された2次元イメージを利用した。しかし、2次元イメージで測定対象物の領域を設定する作業は、素子の色や照明に影響を受け易いため測定対象物を周辺のもの(environment)から判別し難くなり、測定対象物のディメンション(dimension)が変更された場合にも測定対象物の領域を判別し難かった。また、イメージにノイズがある場合、例えば、測定対象物の外の基板上にパターンやシルクスクリーンパターンが形成されている場合、測定対象物を判別しにくく、カメラによりノイズが示されることがあり、パッド領域のような隣接した部分と混同されることもあった。また、従来は素子に対する2次元イメージのフィレット(fillet)部分を利用してこれを抽出(extract)することがあったが、素子のフィレットが小さく形成されている場合にはフィレットを利用して素子を抽出することに限界があった。
【0005】
よって、前述したような課題を解決しうる測定対象物の領域抽出方法を用いた測定対象物の検査方法が必要とされていた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、本発明は、上述した課題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、所望の測定対象物を正確に抽出することが可能な、新規かつ改良された測定対象物の検査方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の例示的な一実施例による基板に装着された素子の検査方法は、素子に対応する形状テンプレート(shape template)を生成する段階、照明部の格子パターン光を基板に照射してピクセル(pixel)別高さ情報を獲得する段階、ピクセル別高さ情報に対応してコントラストマップ(contrast map)を生成する段階、及びコントラストマップと形状テンプレートとを比較する段階と、を含む。
【0008】
検査方法は、コントラストマップと形状テンプレートとを比較して、形状テンプレートに対応する素子の大きさ、位置、及び回転情報のうち、少なくとも1つ以上を獲得する段階を更に含んでもよい。
【0009】
照明部は、光源、光源から入射された光を格子パターン光に変換させる格子ユニット、および格子ユニットを移送させる格子移送ユニットを含んでもよく、格子ユニットの移送により基板に格子パターン光をN回照射してもよい。
【0010】
検査方法は、基板に照射されたN個の格子パターン光をカメラで撮影して基板のピクセル別視認性(visibility)情報を獲得する段階を更に含んでもよく、コントラストマップは、高さ情報に視認性情報を乗算した値に定義されてもよい。視認性情報((V(x、y))は、ピクセル別に撮影されたイメージの明るさ(intensity)信号において、振幅(B(x、y))の平均(A(x、y))に対する比として、V(x、y)=B(x、y)/A(x、y)と定義されてもよい。
【0011】
コントラストマップと形状テンプレートは、形状テンプレートの所定許容値(tolerance)の範囲内において比較されてもよい。
【0012】
形状テンプレートとコントラストマップとを比較する段階は、形状テンプレート上にピクセル座標により0、1に設定された値と、コントラストマップと重なる部分のコントラスト値とを互いに乗算した後、得られた値を互いに合算する段階と、形状テンプレートの位置の順次移動により最大値を示す位置を素子が存在する位置と定める段階と、および最大値が基準値以上であれば、素子が形状テンプレートに対応する素子であることを決定する段階と、を含んでもよい。
【0013】
本発明の例示的な一実施例による基板に装着された素子の検査方法は、基板に照射されたN個の格子パターン光をカメラで撮影して基板のピクセル別視認性情報を獲得する段階を更に含んでもよく、コントラストマップは、高さ情報に視認性情報を乗算した値に定義されてもよい。視認性情報は、ピクセル別に撮影されたイメージの明るさ信号において、振幅(B(x、y))の平均(A(x、y))に対する比として、V(x、y)=B(x、y)/A(x、y)と定義されてもよい。
【0014】
コントラストマップと形状テンプレートとは、形状テンプレートの所定許容値の範囲内で比較されてもよい。
【0015】
形状テンプレートとコントラストマップとを比較する段階は、形状テンプレート上にピクセル座標により0、1に設定された値と、コントラストマップと重なる部分のコントラスト値とを互いに乗算した後、得られた値を互いに合算する段階と、形状テンプレートの位置の順次移動により最大値を示す位置を素子が存在する位置と定める段階と、最大値が基準値以上であれば、素子が形状テンプレートに対応する素子であることを決定する段階と、を含んでもよい。
【0016】
本発明の例示的な一実施例による基板に装着された素子の検査方法は、素子に対する形状テンプレートを生成する段階と、複数の方向に光を基板に照射して基板のピクセル別シャドウ情報を獲得する段階と、複数の方向から撮影された複数の方向別シャドウ情報をマージ(merging)してシャドウマップを生成する段階と、シャドウマップと形状テンプレートとを比較して、素子の大きさ、位置、及び回転情報のうち、少なくとも1つ以上を獲得する段階と、を含む。
【0017】
複数の方向に光を基板に照射して基板のピクセル別シャドウ情報を獲得する段階は、複数の方向から基板に照射される光が、それぞれ格子パターンを変化させながらN回照射され、これを撮影する段階を更に含んでもよい。
【0018】
複数の方向に光を基板に照射して基板のピクセル別シャドウ情報を獲得する段階は、N回照射された光を撮影し、撮影されたN個のイメージを平均化し、または、位相差の合計が360°になるように合算して格子パターンの除去されたイメージを獲得する段階を更に含んでもよい。
【0019】
本発明の例示的な一実施例による基板に装着された素子の検査方法は、複数の方向へ格子パターン光を変化させながら基板にそれぞれN回照射してカメラで撮影する段階と、撮影されたそれぞれの方向別N個のイメージを利用して基板の方向別視認性マップを生成する段階と、方向別視認性マップから測定対象物のシャドウ領域を獲得する段階と、獲得された方向別シャドウ領域をマージしてシャドウマップを生成する段階と、を含む。
【0020】
検査方法は、獲得されたシャドウマップから素子の大きさおよび位置情報のうち、少なくとも1つ以上を獲得して測定対象物を検査する段階を更に含んでもよい。
【0021】
視認性マップ(V(x、y))は、ピクセル別イメージの明るさ信号において、振幅(B(x、y))の平均(A(x、y))に対する比(V(x、y)=B(x、y)/A(x、y))であってもよい。
【0022】
シャドウマップから素子の大きさおよび位置情報のうち、少なくとも1つ以上を獲得して測定対象物を検査する段階は、シャドウマップと素子に対応する形状テンプレートとを所定許容値の範囲内で比較する段階を含んでもよい。シャドウマップと形状テンプレートとを比較する段階は、形状テンプレートの位置を初期位置から移動させながらシャドウマップとテンプレートとを比較する段階を含んでもよい。
【0023】
シャドウマップと形状テンプレートとを比較する段階は、形状テンプレート上にピクセル座標により0、1に設定された値と、シャドウマップと重なる部分上にピクセル座標により0、1に設定された値とを互いに乗算した後、得られた値を互いに合算する段階と、シャドウテンプレートの位置の順次移動により最大値を示す位置を素子が存在する予備位置に定める段階と、最大値が基準値以上であれば、素子がシャドウテンプレートに対応する素子であることを決定する段階と、を含んでもよい。
【0024】
本発明の例示的な一実施例による測定対象物の検査方法は、測定対象物の形成された基板に複数の方向へパターン光をそれぞれN回照射してカメラで撮影する段階と、撮影されたそれぞれの方向別N個のイメージを利用して基板の方向別視認性マップを生成する段階と、方向別視認性マップから測定対象物の方向別シャドウ領域を獲得する段階と、獲得された方向別シャドウ領域を補償する段階と、補償された方向別シャドウ領域をマージしてシャドウマップを生成する段階と、を含む(Nは、2以上の自然数である)。
【0025】
視認性マップは、ピクセル別に撮影されたイメージの明るさ信号において、振幅(B(x、y))の平均(A(x、y))に対する比(V(x、y)=B(x、y)/A(x、y))として定義されてもよい。
【0026】
シャドウ領域を補償する段階は、獲得された方向別シャドウ領域に対して各ピクセルに振幅((B(x、y))を乗算することによって行われてもよい。
【0027】
シャドウ領域を補償する段階は、獲得された方向別シャドウ領域の各ピクセルにおける振幅((B(x、y))が既に設定された基準値以下であればシャドウとして設定してもよい。
【0028】
シャドウマップから測定対象物の大きさおよび位置情報のうち、少なくとも1つ以上を獲得する段階を更に含んでもよい。
【発明の効果】
【0029】
本発明によると、高さによるコントラストマップおよび/または、素子のシャドウによるシャドウマップを利用して所望の素子を抽出するため、2次元イメージを利用して素子を抽出する場合に比べて素子の色や照明の影響を受けることなく、かつ素子のディメンションが変更された場合にも容易に素子を判別することができる。
【0030】
また、素子周辺に形成されたパターンやシルクスクリーンパターンなどが原因となるノイズや、カメラが原因となるノイズなどの影響を受けないようにすることができ、周辺にパッド領域のように混同され得る他の素子があっても、テンプレートと比較して素子を判別することができるので、正確に素子を抽出することができる。
【0031】
また、素子のフィレットが小さく形成されている場合にもフィレットを利用して素子を抽出することなく高さによるコントラストマップを利用して素子を抽出することができるので、より正確に素子を抽出することができる。
【0032】
また、素子の高さが所定の測定可能な範囲を超える場合にも、シャドウは、素子の測定可能な範囲にかかわらず生成されるため、素子の高さと関係なく、より明確な素子の位置、大きさ、回転情報などを獲得することができる。
【0033】
また、方向別視認性マップで獲得される方向別シャドウ領域を、振幅情報を利用して補償することによって、シャドウ領域のノイズを最大限減少させることができ、これによって測定対象物の装着状態に対する検査信頼性を向上させることができる。
【0034】
また、方向別視認性マップに比べてノイズが小さい方向別振幅マップを利用してシャドウ領域を抽出することによって、シャドウ領域抽出の信頼性を向上させることができる。
【0035】
また、測定対象物の高さが測定範囲を超える場合にも、視認性マップを利用して測定対象物の領域を正確に抽出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明の一実施例による3次元形状測定方法に利用される例示的な3次元形状測定装置を示した概念図である。
【図2】本発明の一実施例による3次元形状検査方法を示したフローチャートである。
【図3】形状テンプレートの一例を示した概略図である。
【図4】図2で素子の情報を獲得する方法の一実施例を示したフローチャートである。
【図5】ターゲット素子が形状テンプレートに対応する素子であるかを比較する方法の一実施例を説明するための概念図である。
【図6】素子がチップである場合を一例で2次元イメージを獲得して示したイメージである。
【図7】図6のチップをコントラストマップとして示したイメージである。
【図8】図6のチップを、視認性情報を反映したコントラストマップとして示したイメージである。
【図9】本発明の一実施例による3次元形状検査方法を示したフローチャートである。
【図10】シャドウテンプレートの一例を示した概略図である。
【図11】視認性情報を利用してシャドウマップを生成する方法の一実施例を示したフローチャートである。
【図12】図2で素子の情報を獲得する方法の一実施例を示したフローチャートである。
【図13】ターゲット素子がシャドウテンプレートに対応する素子であるかを比較する方法の一実施例を説明するための概念図である。
【図14】本発明の一実施例による測定対象物の検査方法に利用される例示的な3次元形状測定装置を示した概念図である。
【図15】測定対象物の装着された基板の一部を示した平面図である。
【図16】本発明の一実施例による測定対象物の検査方法を示したフローチャートである。
【図17】方向別視認性マップを示した図面である。
【図18】方向別振幅マップを示した図である。
【図19】方向別シャドウ領域を補償した方向別補償マップを示した図である。
【図20】補償された方向別シャドウ領域をマージして生成したシャドウマップを示した図である。
【図21】本発明の他の実施例による測定対象物の検査方法を示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0037】
本発明は多様に変更することができ、多様な形態を有することができるが、ここでは、特定の実施形態を図面に例示して詳細に説明する。但し、ここでの記載は、本発明を特定の開示形態に限定するものではなく、本発明の権利範囲は、本発明の思想及び技術範囲に含まれる全ての変更、均等物、乃至代替物を含むことを理解すべきである。
【0038】
また、第1、第2等の用語は、多様な構成要素を説明するために使用することができるが、構成要素は用語によって限定されない。用語は一つの構成要素を他の構成要素から区別する目的としてのみ使用される。例えば、本発明の権利範囲から逸脱することなしに、第1構成要素は第2構成要素と称されてもよく、同様に第2構成要素も第1構成要素に称されてもよい。
【0039】
本出願において用いた用語は、ただ特定の実施例を説明するためのものであって、本発明を限定するものではない。単数の表現は、文脈上、明白に相違が示されない限り、複数の表現を含む。
【0040】
本出願において、「含む」または「有する」等の用語は、明細書上に記載された特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品、又はこれらを組み合わせたものが存在することを意図するものであって、一つまたはそれ以上の他の特徴や数字、段階、動作、構成要素、部品、又はこれらを組み合わせたもの等の存在または付加の可能性を予め排除しないことを理解しなければならない。
【0041】
なお、異なるものとして定義しない限り、技術的であるか科学的な用語を含めてここで利用される全ての用語は、本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者によって一般的に理解されるものと同一の意味を有している。一般的に利用される辞典に定義されているもののような用語は、関連技術の文脈上で有する意味と一致する意味を有することと解釈すべきであり、本出願で明白に定義されない限り、異常にまたは過度に形式的な意味に解釈されない。
【0042】
以下、添付図面を参照して本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
【0043】
図1は、本発明の一実施例による3次元形状測定方法に利用される例示的な3次元形状測定装置を示した概念図である。
【0044】
図1を参照すると、本実施例による3次元形状測定方法に利用される3次元形状測定装置は、測定ステージ部100、イメージ撮影部200、第1および第2照明部(300、400)、イメージ獲得部500、モジュール制御部600、および中央制御部700を含む。
【0045】
測定ステージ部100は、測定対象物10を支持するステージ110、およびステージ110を移送させるステージ移送ユニット120を含む。本実施例で、ステージ110により測定対象物10がイメージ撮影部200と第1および第2照明部(300、400)に対して移動されることによって、測定対象物10の測定位置を変更することが可能である。
【0046】
イメージ撮影部200は、ステージ110の上部に配置され、測定対象物10から反射された光を受けて測定対象物10のイメージを撮影する。すなわち、イメージ撮影部200は、第1および第2照明部(300、400)から出射されて測定対象物10から反射される光を受け、測定対象物10のイメージを撮影する。
【0047】
イメージ撮影部200は、カメラ210、結像レンズ220、フィルター230、およびランプ240を含む。カメラ210は、測定対象物10から反射される光を受けて測定対象物10のイメージを撮影し、一例としてCCDカメラやCMOSカメラのいずれかが採用してもよい。結像レンズ220は、カメラ210の下部に配置され、測定対象物10から反射される光をカメラ210に結像させる。フィルター230は、結像レンズ220の下部に配置され、測定対象物10から反射される光をろ過させて結像レンズ220に提供し、一例として周波数フィルター、カラーフィルター、および光強度調節フィルターのいずれか一つであってもよい。ランプ240は、フィルター230の下部に、例えば、円形状に配置されて、測定対象物10の2次元形状のような特定の目的のイメージを撮影するために測定対象物10に光を提供してもよい。
【0048】
第1照明部300は例えば、イメージ撮影部200の右側に測定対象物10を支持するステージ110に対して傾くように配置されてもよい。第1照明部300は、第1照明ユニット310、第1格子ユニット320、第1格子移送ユニット330、および第1集光レンズ340を含む。第1照明ユニット310は、照明源と少なくとも一つのレンズとで構成されて光を発生させ、第1格子ユニット320は、第1照明ユニット310の下部に配置され、第1照明ユニット310で発生された光を、格子紋パターンを有する第1格子パターン光に変更させる。第1格子移送ユニット330は、第1格子ユニット320と連結されて第1格子ユニット320を移送させ、一例として、PZT(Piezoelectric)移送ユニットや微細直線移送ユニット(precise linear transfer unit)のいずれかが採用されてもよい。第1集光レンズ340は、第1格子ユニット320の下部に配置されて第1格子ユニット320から出射された第1格子パターン光を測定対象物10に集光させる。
【0049】
第2照明部400は、例えば、イメージ撮影部200の左側に測定対象物10を支持するステージ110に対して傾斜するように配置してもよい。第2照明部400は、第2照明ユニット410、第2格子ユニット420、第2格子移送ユニット430、および第2集光レンズ440を含む。 第2照明部400は、前述した第1照明部300と実質的に同一であるため、重複する詳細な説明は省略する。
【0050】
第1格子移送ユニット330が第1格子ユニット320をN回順次移動させながら、第1照明部300が測定対象物10にN個の第1格子パターン光を照射するとき、イメージ撮影部200は、測定対象物10から反射されたN個の第1格子パターン光を順次に受けてN個の第1パターンイメージを撮影する。また、第2格子移送ユニット430が第2格子ユニット420をN回順次移動させながら、第2照明部400が測定対象物10へN個の第2格子パターン光を照射するとき、イメージ撮影部200は、測定対象物10から反射されたN個の第2格子パターン光を順次に受けてN個の第2パターンイメージを撮影する。ここで、Nは自然数であり、一例として3または4であってもよい。
【0051】
なお、本実施例では第1および第2格子パターン光を発生させる照明装置として第1および第2照明部(300、400)のみを説明したが、これと異なり、照明部の個数は3つ以上であってもよい。すなわち、測定対象物10へ照射される格子パターン光が多様な方向から照射され、多様な種類のパターンイメージが撮影されてもよい。例えば、3つの照明部がイメージ撮影部200を中心に正三角形の形態に配置される場合、3つの格子パターン光が互いに異なる方向から測定対象物10へ照射されてもよく、4つの照明部がイメージ撮影部200を中心に正四角形の形態に配置される場合、4つの格子パターン光が互いに異なる方向から測定対象物10に照射されてもよい。
【0052】
イメージ獲得部500は、イメージ撮影部200のカメラ210と電気的に接続され、カメラ210からパターンイメージを獲得して保存する。例えば、イメージ獲得部500は、カメラ210で撮影されたN個の第1パターンイメージおよびN個の第2パターンイメージを受信(receive)して保存するイメージシステムを含む。
【0053】
モジュール制御部600は、測定ステージ部100、イメージ撮影部200、第1照明部300、および第2照明部400と電気的に接続されてこれらを制御する。モジュール制御部600は、例えば、照明コントローラー、格子コントローラー、およびステージコントローラーを含む。照明コントローラーは、第1および第2照明ユニット(310、410)をそれぞれ制御して光を発生させ、格子コントローラーは、第1および第2格子移送ユニット(330、430)をそれぞれ制御して第1および第2格子ユニット(320、420)を移動させる。ステージコントローラーは、ステージ移送ユニット120を制御してステージ110を上下左右に移動させる。
【0054】
中央制御部700は、イメージ獲得部500、およびモジュール制御部600と電気的に接続されてそれぞれを制御する。 具体的に、中央制御部700は、イメージ獲得部500のイメージシステムからN個の第1パターンイメージおよびN個の第2パターンイメージを受信して、これを処理して測定対象物の3次元形状を測定する。また、中央制御部700は、モジュール制御部600の照明コントローラー、格子コントローラー、およびステージコントローラーをそれぞれ制御する。このため、中央制御部は、イメージ処理ボード、制御ボード、およびインタフェースボードを含んでもよい。
【0055】
以下、前述した3次元形状測定装置を利用してプリント回路基板に実装された所定の素子を検査する方法をより詳細に説明する。
【0056】
図2は、本発明の一実施例による3次元形状検査方法を示したフローチャートであり、図3は、形状テンプレートの一例を示した概略図である。
【0057】
図2および図3を参照すると、プリント回路基板上に実装された所定の素子を検査するために、まず素子の形状を抽象化(abstracted)した形状テンプレート(shape template)800を生成する(S110)。抽象化される素子810は、例えば、六面体形状のチップ(chip)を含んでもよい。
【0058】
一例で、形状テンプレート800は、図3に示したように素子810の形状を抽象化して素子810に該当する部分を白色(斜線で示した部分に該当)で表し、素子に該当しない部分を黒色(斜線で示していない部分に該当)で表して予め設定してもよい。図3において、斜線で示した部分が素子に該当する部分を表す。このとき、形状テンプレート800は、デジタルイメージとして形成され、白色の場合は1の値を有し、黒色の場合は0の値を有するように設定してもよい。
【0059】
形状テンプレート800は、テンプレート決定因子(template determinant)によって定義されてもよい。すなわち、テンプレート決定因子は、形状テンプレート800を決定するものであってもよく、一例として、素子810が六面体の形状のチップである場合、チップの平面的大きさ(planar area)を含むものであってもよい。具体的に、テンプレート決定因子はチップの横の長さ(X)および縦の長さ(Y)を含んでもよく、横および縦の長さを含むテンプレート決定因子によって形状テンプレート800が定義されてもよい。
【0060】
続いて、少なくとも2つ以上の方向から格子イメージ光を測定対象物に照射し、測定対象物のピクセル(pixel)別高さ情報を獲得する(S120)。
【0061】
測定対象物のピクセル別高さ情報は、図1に一例として示された3次元形状測定装置によって測定対象物を測定したデータから容易に獲得することができる。
【0062】
次に、ピクセル別に高さ情報に対応したコントラスト(contrast)を設定したコントラストマップを生成する(S130)。測定対象物上に実装された比較対象素子(comparison target device)(以下、「ターゲット素子(target device)」という)は、ピクセル別高さ情報よりも高い高さを有するほど、大きな値のコントラスト値(contrast value)を有するように設定され、これによってコントラストマップは、ターゲット素子の形状に応じて、ターゲット素子が位置した部分を明るく、ターゲット素子が位置しない部分を暗く生成することができる
【0063】
このとき、コントラストマップは、高さ情報により生成されるため、ターゲット素子の色やターゲット素子上に印刷された文字や図形などの影響を受けず、ターゲット素子の周辺の色や印刷態様などにもまた影響を受けない。すなわち、コントラストマップは、ターゲット素子の高さによる明暗度(gray scale)だけを表すことができるため、一般的な2次元イメージより明確にターゲット素子の形状を判別することができる。
【0064】
一方、ターゲット素子をより明確に検査するために、測定対象物のピクセル別視認性情報(visibilty information)を獲得し、これを利用してもよい。
【0065】
視認性は、イメージの明るさ信号において、振幅(B(x、y))の平均(A(x、y))に対する比として表され、一般的に反射率が増加することによって増加する傾向がある。視認性(V(x、y))は次のように表される。
(x、y)=B(x、y)/A(x、y)
【0066】
格子パターン光が多様な方向からプリント回路基板に照射されることにより、多様な種類のパターンイメージを撮影することができる。図1に示したように、イメージ獲得部500がカメラ210で撮影されたN個のパターンイメージからX−Y座標の各位置(i(x、y))におけるN個の明るさ信号(intensity signals)(I、I、…、I)を抽出し、N−バケットアルゴリズム(N−bucket algorithm)を用いて平均(A(x、y))および視認性(V(x、y))を算出する。
【0067】
例えば、N=3である場合と、N=4である場合とはそれぞれ次のように視認性を算出することができる。
【0068】
すなわち、N=3である場合は、以下の数式1のように算出することができる。
【数1】



【0069】
N=4である場合は、以下の数式2のように算出することができる。
【数2】



【0070】
視認性情報は、前述した測定対象物のピクセル別高さ情報を獲得する過程(S120)と同様に、少なくとも2個以上の方向へ格子イメージ光を測定対象物に照射することによって獲得することができる。すなわち、ピクセル別視認性情報も、図1に一例として示した3次元形状測定装置によって測定対象物を測定したデータから容易に獲得することができる。
【0071】
ピクセル別コントラストは、高さ情報に上述の視認性情報を乗算した値として定義することができる。一般的に、反射率が周辺のもの(environment)と比べて大きい素子の場合、素子の視認性は周辺のものの視認性より更に大きい値を示すため、コントラストマップに視認性情報が反映されると、高さ情報のみが反映される場合より、更に素子の存在を強調することが可能となる。
【0072】
図2を参照すると、続いて、測定対象物のコントラストマップと形状テンプレート800とを比較して、測定対象物から形状テンプレート800に対応する素子810の情報を獲得する(S140)。素子810の情報は、素子810の存在有無(existence)、素子810の実際の大きさや配置状態などの情報を含んでもよい。
【0073】
図4は、図2に示した素子の情報を獲得する方法の一実施例を示したフローチャートである。
【0074】
図4を参照すると、測定対象物から形状テンプレート800に対応する素子810の情報を獲得するために、まず形状テンプレート800に対応する素子810が測定対象物に存在するのか否かを判断する(S142)。
【0075】
例えば、所定の検査領域(または、関心領域;region of interest)を設定してターゲット素子があるかを確認した後、存在有無を確認する。このとき、検査領域は、一実施例で測定対象物に対する形状を記録したキャド(CAD)情報を利用して設定されてもよい。CAD情報は、測定対象物の設計情報を含む。また、検査領域は、他の実施例として、学習モード(studying mode)によって得られた学習情報を用いて設定されてもよい。学習モードは、プリント回路基板のベアボードを学習し、プリント回路基板の設計基準情報を獲得することであり、学習モードを通じて獲得される学習情報(studied information)を用いて検査領域を設定してもよい。
【0076】
図5は、ターゲット素子が形状テンプレートに対応する素子であるかを比較する方法の一実施例を説明するための概念図である。
【0077】
図5を参照すると、ターゲット素子820が形状テンプレート800に対応する素子810であるかを判断するために、まず、プリント回路基板の上に所定の検査領域(ROI)を設定した後、形状テンプレート800の位置を初期位置(800a)から順次移動させながら、形状テンプレート800をコントラストマップと比較する。
【0078】
形状テンプレート800をコントラストマップと比較するために、まず、形状テンプレート800上に、ピクセル座標(coordinate of pixel)に応じて例えば、0、1に設定された値と、コントラストマップと重なる部分のコントラスト値とを互いに乗算した値を算出し、算出した値をそれぞれ合算する。続いて、合算した値が最大値を示す位置を素子810が存在する予備位置(preliminary position)として設定する。次に、最大値が基準値以上であれば、ターゲット素子820が形状テンプレート800に対応する素子810であると決定することができる。
【0079】
形状テンプレート800に対応する素子810は、所定の大きさを有する。測定対象物のターゲット素子820は、これとは異なる大きさを有してもよく、回転されて配置されてもよい。これにより、形状テンプレート800に記録された素子810と、ターゲット素子820とを同一の素子として判断する所定の許容値(tolerance value)を設定することができ、コントラストマップと形状テンプレート800とは、テンプレート決定因子の所定の許容値の範囲内でそれぞれ比較されてもよい。例えば、所定の許容値は、形状テンプレート800に対応する素子810の50%〜150%の大きさであってもよい。また、形状テンプレート800に対応する素子810とターゲット素子820とを同一の素子として判断する所定の回転角度(angle tolerance)が設定されてもよく、コントラストマップと形状テンプレート800とは所定の回転角度に回転されながら比較されてもよい。
【0080】
再び図4を参照すると、素子810が測定対象物に存在する場合、素子(すなわち、ターゲット素子820)の大きさ、位置、および回転角の情報を獲得することができる(S144)。このような情報はコントラストマップを用いて容易に獲得することができる。
【0081】
一方、測定対象物から形状テンプレート800に対応する素子の情報を獲得(S140)した後、素子810の情報は3次元形状の検査方法において多様な方法に活用することができる。
【0082】
例えば、素子の情報を用いて形状テンプレート800に該当する素子の不良の有無を判断してもよい(S150)。すなわち、大きさ情報、回転情報などを用いて素子が測定対象物の上に好適に配置されているかを確認することによって、素子の不良有無を判断することができる。これとは異なり、素子の情報を用いて、測定対象物の情報から素子に関する情報を除くことによって他の素子や部品の情報を獲得してもよい。
【0083】
一方、素子の情報から素子の一部を抽出して除去し、除去された素子の残り情報を利用して素子の不良有無を判断してもよい。
【0084】
例えば、素子がプリント回路基板の上に実装されたチップである場合、チップのボディ(body)を除いてチップのボディから延長された端子の情報、チップの端子と連結されたパッドの情報などを、ノイズなしに獲得してもよい。したがって、このように獲得された情報を利用してこのような部品の不良有無も判断することができる。
【0085】
一実施例として、素子がプリント回路基板の上に形成されたチップである場合、まずチップの本体であるチップボディを抽出し、その後、チップに対するチップ情報からチップボディに対するチップボディ情報を除去し、次にチップボディ情報の除去されたチップ情報からプリント回路基板の上に形成されたチップの不良形成の有無、すなわちチップの端子とパッドとの間の連結状態を判断することができる。
【0086】
以下、一例としてチップに対して2次元イメージと3次元的な高さ情報を反映したコントラストマップを作成し、2次元イメージおよびコントラストマップの例を、図面を参照して比較する。
【0087】
図6は、素子がチップである場合を一例として2次元イメージを獲得した場合を示した素子のイメージである。
【0088】
図6を参照すると、イメージに示されたチップボディの形状は長方形の形態であると推定することはできる。しかし、チップボディの輪郭を明確に確認しにくく、特にチップボディの上下左右のうち、どこからどこまでがチップボディに該当し、また、どこからどこまでがソルダ、パッド、端子などであるかを確認しにくい。
【0089】
また、イメージが2次元イメージであるため、チップ ボディ上に示された数字や色が異なる部分もそのまま示されてしまうことが分かる。
【0090】
図7は、図6のチップをコントラストマップとして示したイメージである。
【0091】
図7を参照すると、イメージに示されたチップボディの形状が長方形であることが明確に分かる。イメージは、ピクセル別高さ情報により大きい値のコントラストを有するように設定された3次元イメージであるため、同一の高さを有して突出したチップボディは明るく示され、チップボディより低い高さに突出したソルダ、パッド、端子などはチップボディより暗く示される。よって、チップボディに該当する部分を容易に確認することができる。
【0092】
また、イメージが、高さ情報を反映した3次元イメージであるため、チップボディの色やチップボディ上に示された数字はイメージに示されないことが分かる。これによって、色や表示された文字などはチップボディの形状を確認することにおいて全く混同を与えることなく、特に色や文字が非常に複雑なチップボディの場合にもコントラストマップからチップボディの形状を容易に獲得することができる。
【0093】
図8は、図6に示したチップを、視認性情報を反映したコントラストマップとして示したイメージである。
【0094】
図8を参照すると、イメージに示されたチップボディの形状をより明確に確認することができる。図8に示したイメージは、視認性情報を反映したコントラストマップであるため、チップボディの部分がより強調されて明るく示され、他の部分はより暗く示される。よって、チップボディの存在が更に強調されてチップボディの形状を容易に獲得することができる。
【0095】
前述したように、本実施例によれば、高さ情報が反映されたコントラストマップを用いて所望の素子を抽出するため、2次元イメージを用いて素子を抽出する場合に比べて、素子の色や照明の影響を受けることなく、かつ素子のディメンションが変更された場合にも容易に素子を判別することができる。
【0096】
また、イメージにおいて、素子の周辺に形成されたパターンやシルクスクリーンパターンなどが原因となるノイズや、カメラが原因となるノイズなどの影響を受けないようにすることができ、周辺にパッド領域のような混同される虞のある他の素子が形成された場合にも、テンプレートと比較して素子を判別することができるので、正確に素子を抽出することができる。
【0097】
また、素子のフィレットが小さく形成されている場合にも、フィレットを利用して素子を抽出することなく高さによるコントラストマップを利用して素子を抽出するので、より正確に素子を抽出することができる。
【0098】
図9は、本発明の一実施例による3次元形状検査方法を示したフローチャートであり、図10は、シャドウテンプレートの一例を示した概略図である。
【0099】
図9および図10を参照すると、プリント回路基板の上に実装された所定の素子を検査するために、まず素子の影を抽象化したシャドウテンプレート900を生成する(S210)。抽象化された素子910は、例えば六面体形状のチップを含んでもよい。
【0100】
一例として、シャドウテンプレート900は、図10に示したように素子910に所定角度に光を照射する時に発生するシャドウを抽象化して素子910のシャドウに該当する部分は白色(斜線で示した部分に該当)で表し、素子910のシャドウに該当しない部分は黒色(斜線で示していない部分に該当)で表して予め設定することができる。図10では、斜線で示した部分が素子910のシャドウに該当する部分を表している。このとき、シャドウテンプレート900は、デジタルイメージとして形成され、白色の場合は1の値を有し、黒色の場合は0の値を有するように設定されてもよい。
【0101】
シャドウテンプレート900は、テンプレート決定因子によって定義することが可能である。すなわち、テンプレート決定因子によりシャドウテンプレート900を決定することができ、一例として、素子910が六面体形状のチップであるとき、テンプレート決定因子は、チップのディメンションおよび測定対象物に照射される格子イメージ光の照射角度を含んでもよい。具体的に、テンプレート決定因子は、チップのディメンションに該当するチップの横の長さ(X)、縦の長さ(Y)、および高さ(図示せず)を含んでもよく、横および縦の長さと高さを含むテンプレート決定因子によってシャドウテンプレート900が定義されてもよい。
【0102】
続いて、複数の方向から格子イメージ光を測定対象物に照射して測定対象物のピクセル別シャドウ情報を獲得する(S220)。
【0103】
測定対象物のピクセル別シャドウ情報は、図1に一例として示した3次元形状測定装置によって測定対象物を測定したデータから容易に獲得することができる。
【0104】
次に、複数の方向から撮影されたピクセル別シャドウ情報をマージしてシャドウマップを生成する(S230)。例えば、所定の傾斜角を有して4方向から照射して測定対象物を測定する3次元形状測定装置の場合、4方向に測定対象物上に位置した比較対象素子(以下、「ターゲット素子」という)のシャドウが形成され、これをマージするとターゲット素子の周囲を囲むシャドウマップを得ることができる。例えば、シャドウマップはピクセル座標によるシャドウの存在有無によって、シャドウが存在すると1、シャドウが存在しないと0に設定されるように構成してもよい。
【0105】
シャドウマップは高さの測定範囲(measurement height range)に影響を受けないため、素子910の高さが3次元形状測定装置の高さの測定可能範囲を超える場合にも、素子910の高さに関係なく、より明確な素子910の位置、大きさ、回転情報などを含む素子910の情報を得ることができる。
【0106】
このとき、シャドウマップはターゲット素子の影情報によって生成されるため、ターゲット素子の色やターゲット素子上に印刷された文字や図形などの影響を受けず、ターゲット素子の周辺の色や印刷態様などの影響も受けない。すなわち、シャドウマップは、シャドウの存在有無に応じてターゲット素子の明暗度のみを表すため、一般的な2次元イメージより明確にターゲット素子の形状を判別することができる。
【0107】
一方、ターゲット素子をより明確に検査するために図2および図3に基づき説明したような測定対象物のピクセル別視認性情報を獲得し、これを利用してもよい。
【0108】
視認性情報は前述した測定対象物のピクセル別シャドウ情報を獲得する過程(S220)と同様に、複数の方向に格子イメージ光を測定対象物に照射することによって獲得することが可能である。すなわち、ピクセル別視認性情報も図1に一例として示した3次元形状測定装置によって測定対象物を測定したデータから容易に獲得することができる。
【0109】
図11は、視認性情報を用いてシャドウマップを生成する方法の一実施例を示したフローチャートである。
【0110】
図11を参照すると、シャドウマップを生成するために、まずピクセル別にシャドウ情報に応じた予備シャドウマップを生成する(S232)。続いて、予備シャドウマップから視認性情報を用いて素子910部分を除く(S234)。次に、素子910部分の除外されたシャドウマップを確定する(S236)。
【0111】
一般的に素子の反射率が周辺のものに比べて大きい場合、素子の視認性は、周辺のものの視認性よりも非常に大きい値を示すため、シャドウマップに視認性情報が反映されると、素子910の色が影の色と類似な黒色を示す場合にも、より明確に影を判別することができる。
【0112】
再び図9を参照すると、続いて、測定対象物のシャドウマップとシャドウテンプレート900とを比較して、測定対象物からシャドウテンプレート900に対応する素子910の情報を獲得する(S240)。素子910の情報は素子910の存在有無、素子910の実際の大きさや配置状態などを含んでもよい。
【0113】
図12は、図9で素子の情報を獲得する方法の一実施例を示したフローチャートである。
【0114】
図9および図12を参照すると、測定対象物からシャドウテンプレート900に対応する素子910の情報を獲得するために、まずシャドウテンプレート900に対応する素子910の測定対象物における存在有無を判断することができる(S242)。
【0115】
例えば、所定の検査領域(または、関心領域;region of interest)を設定してターゲット素子があるかを確認した後、存在有無を確認する。この際、検査領域は、図4で説明された方法と同様の方法で設定されてもよい。
【0116】
図13は、ターゲット素子がシャドウテンプレートに対応する素子であるかを比較する方法の一実施例を説明するための概念図である。
【0117】
図13を参照すると、ターゲット素子920がシャドウテンプレート900に対応する素子910であるかを判断するために、まずプリント回路基板の上に所定の検査領域(ROI)を設定した後、シャドウテンプレート900の位置を初期位置900aから順次に移動しながらシャドウマップと比較することができる。
【0118】
シャドウテンプレート900をシャドウマップと比較するために、まずシャドウテンプレート900上の、例えば、ピクセル座標により0、1に設定された値を、シャドウマップ上のピクセル座標により0、1に設定された値とを互いに乗算した後、得られた値を互いに合算する。このとき、一例として、図13に示したシャドウテンプレート900の斜線で示した部分とシャドウマップの斜線で示した部分との互いに重なる部分が多いほど、乗算値の合計値は大きくなる。続いて、シャドウテンプレート900の位置を順次移動させることによって、合算値が最大値を示す位置を、素子910が存在する予備位置として設定することができる。このとき、一例として図13に示したシャドウテンプレート900の斜線で示した部分と、シャドウマップの斜線で示した部分との互いに重なる部分が最も大きい場合、乗算値の合計値は最大になり、この場合に、シャドウテンプレート900とシャドウマップとは、ほぼ一致するようになる。次に、最大値が基準値以上であれば、ターゲット素子920がシャドウテンプレート900に対応する素子910であることを決定することができる。例えば、基準値は、シャドウテンプレート900の1と設定された値に所定比率を乗算した値として設定してもよい。
【0119】
シャドウテンプレート900に対応する素子910は、所定の大きさを有する。測定対象物のターゲット素子920は、これとは異なる大きさを有してもよく、回転されて配置されてもよい。したがって、シャドウテンプレート900に記録された素子910とターゲット素子920とを同一の素子と判断する所定の許容値を設定してもよく、シャドウマップとシャドウテンプレート900とはテンプレート決定因子の所定の許容値の範囲内において比較されてもよい。例えば、所定の許容値は、シャドウテンプレート900に対応する素子910の50%〜150%の範囲の横の長さ(X)および縦の長さ(Y)と幅(W)の値を有してもよい。ここで、幅(W)はすべての方向に同一であってもよいが、方向別に異なるものであってもよい。また、シャドウテンプレート900に対応する素子910とターゲット素子とを同一の素子と判断する所定の回転角度を設定してもよく、シャドウマップとシャドウテンプレート900とは所定の回転角度に回転されながら比較されてもよい。
【0120】
再び図12を参照すると、素子910が測定対象物に存在する場合、素子、すなわちターゲット素子920の大きさ、位置、および回転角情報を獲得することができる(S244)。このような情報はシャドウマップを用いて容易に獲得することができる。
【0121】
一方、測定対象物からシャドウテンプレート900に対応する素子910の情報を獲得(S240)した後、素子910の情報は3次元形状の検査方法において多様な方法に活用することができる。
【0122】
例えば、素子910の情報を利用してシャドウテンプレート900に対応する素子の不良有無を判断してもよい(S250)。
【0123】
本段階(S250)は、前述した図2の段階(S150)と実質的に同一であるため、重複する詳細な説明は省略する。
【0124】
前述したように、本実施例によれば、素子のシャドウによるシャドウマップを利用して所望の素子を抽出するため、2次元イメージを利用して素子を抽出する場合に比べて素子の色や照明の影響を受けることなく、かつ素子のディメンションが変更された場合にも容易に素子を判別することができる。
【0125】
また、素子周辺に形成されたパターンやシルクスクリーンパターンなどのノイズ、また、カメラによるノイズなどの影響を受けないようにすることができ、周辺にパッド領域のように混同されることのある他の素子があっても、テンプレートと比較して素子を判別することができるので、正確に素子を抽出することができる。
【0126】
また、素子の高さが所定の測定可能範囲を超える場合にも、シャドウは素子の測定可能範囲に関わらず生成されるため、素子の高さと関係なく、より明確な素子の位置、大きさ、回転情報などを獲得することができる。
【0127】
図14は、本発明の一実施例による測定対象物の検査方法に利用される例示的な3次元形状測定装置を示した概念図である。
【0128】
図14を参照すると、本発明の一実施例による3次元形状測定装置は、測定対象物が形成された基板1150を支持および移送させるためのステージ1140、基板1150に光を照射するための一つ以上の第1照明部1110および基板1150のイメージを撮影するカメラ1130を含む。また、3次元形状測定装置は、ステージ1140に隣接するように設置されて第1照明部1110と別途に基板1150に光を照射する第2照明部1120を更に含んでもよい。
【0129】
第1照明部1110は、基板1150に形成された測定対象物の3次元形状を測定するための照明であって、一定の形態の光を基板1150に対して一定の角度に傾くように照射する。例えば、第1照明部1110は、光を発生させる光源1112、光源1112からの光を格子パターン光に変換させるための格子素子1114、格子素子1114をピッチ移送させるための格子移送器具1116、および格子素子1114により変換された格子パターン光を測定対象物に投影するための投影レンズ1118を含む。格子素子1114は、格子パターン光の位相遷移のためにピエゾアクチュエータ(piezo actuator:PZT)等の格子移送器具1116を通じて2π/Nだけずつ移送されてもよい。ここで、Nは2以上の自然数である。このような構成を有する第1照明部1110は、格子移送器具1116により格子素子1114を順次に移送しながら毎移送時ごとに基板1150に向かって格子パターン光を照射し、カメラ1130は格子素子1114の移送時ごとに基板1150のイメージを撮影する。
【0130】
第1照明部1110は、測定の精密度を高めるためにカメラ1130を中心に円周方向に沿って一定の角度に離隔されるように複数設置される。例えば、第1照明部1110は、カメラ1130を中心に円周方向に沿って90°の角度に離隔されて4つ設置されるか、或いは45°の角度に離隔されて8つ設置されてもよい。
【0131】
第2照明部1120は、円形のリング形状に形成されてステージ1140に隣接するように設置される。第2照明部1120は基板1150の初期アラインまたは、検査領域設定などのために光を基板1150に照射する。例えば、第2照明部1120は、白色光を発生させる蛍光ランプを含むか、または、赤色、緑色、および青色光をそれぞれ発生させる赤色発光ダイオード、緑色発光ダイオード、および青色発光ダイオードを含んでもよい。
【0132】
カメラ1130は、ステージ1140の上部に配置され、基板1150から反射される光を受けて基板1150に対するイメージを撮影する。例えば、カメラ1130は第1照明部1110の格子パターン光の照射を通じて基板1150のイメージを撮影し、第2照明部1120の光照射を通じて基板1150のイメージを撮影する。 カメラ1130はイメージ撮影のためにCCDカメラやCMOSカメラのいずれを含んでもよい。
【0133】
このような構成を有する3次元形状測定装置は、第1照明部1110または第2照明部1120を用いて基板1150に光を照射して、カメラ1130を通じて測定対象物が形成された基板1150のイメージを撮影することによって、基板1150の3次元イメージおよび2次元イメージを測定する。一方、図14に示した3次元形状測定装置は一例に過ぎず、一つ以上の第1照明部1110とカメラ1130を含む多様な構成への変更が可能である。
【0134】
以下、このような3次元形状測定装置を利用してプリント回路基板に形成された電子素子などの測定対象物を検査する方法について具体的に説明する。
【0135】
図15は測定対象物が装着された基板の一部を示した平面図であり、図16は本発明の一実施例による測定対象物の検査方法を示したフローチャートあり、図17は方向別視認性マップを示した図面であり、図18は方向別振幅マップを示した図であり、図19は方向別シャドウ領域が補償された方向別補償マップを示した図であり、図20は補償された方向別シャドウ領域をマージして生成したシャドウマップを示した図である。
【0136】
図14、図15、および図16を参照すると、電子素子などの測定対象物1152が基板1150に装着された状態を検査するためにまず、測定対象物1152が形成された基板1150に複数の方向からパターン光をそれぞれN回照射してカメラ1130で基板1150のイメージを撮影する(S1110)。ここで、Nは2以上の自然数である。その後、カメラ1130で撮影されたそれぞれの方向別N個のイメージを利用して基板1150の方向別視認性マップを生成する(S1120)。
【0137】
具体的に、複数の第1照明部1110が基板1150に向かって順次に光を照射すると、カメラ1130は順次に方向別イメージを撮影し、これらから方向別視認性マップを生成する。このとき、3次元形状測定装置は、多重チャネル位相遷移モアレ方式を通じて方向別イメージを獲得することができる。例えば、それぞれの第1照明部1110を通じて各方向から位相遷移された格子パターン光を複数にわたって基板1150に照射し、照射ごとにカメラ1130を通じて基板1150の位相別イメージを撮影した後、複数の位相別イメージから方向別視認性マップを生成する。一方、複数の位相別イメージから方向別振幅マップを生成してもよい。
【0138】
視認性マップは、ピクセル別視認性、すなわち撮影されたイメージの明るさ(intensity)信号において、振幅(amplitude)(B(x、y))の平均(A(x、y))に対する比を用いて形成されてもよい。視認性は図2および図3で説明したことと同一である。
【0139】
3次元形状測定装置はこのように算出された視認性情報および振幅情報を用いて、図17に示した方向別視認性マップ及び図18に示した方向別振幅マップを生成することができる。
【0140】
図19を参照すると、方向別視認性マップを生成した後、方向別視認性マップから測定対象物1152に対する方向別シャドウ領域1154を獲得する(S1130)。基板1150に形成された測定対象物1152は、所定の高さを有するため、第1照明部1110から所定の角度に傾くように光を照射すると、測定対象物1152の反対側にはシャドウ領域1154が発生する。例えば、シャドウ領域1154は他の領域に比べて相対的に輝度が非常に低いので、方向別視認性マップと方向別振幅マップ上で黒い色に示される。
【0141】
その後、上述した過程により獲得された方向別シャドウ領域1154を補償する(S1140)。視認性(V(x、y))は、平均(A(x、y))が非常に低いと(例えば、0.xxx)、振幅(B(x、y))が低い領域であっても高く出てくることがあるため、図17に示した通り、実際のシャドウ領域1154で明るく示されるノイズ領域1156が発生することがある。したがって、ノイズ領域1156を除去するために、方向別シャドウ領域1154を補償する。方向別シャドウ領域1154を補償する方法の一例としては、方向別シャドウ領域1154に対して各ピクセルに振幅(B(x、y))を乗算することである。方向別シャドウ領域1154を補償する方法の他の例としては、方向別シャドウ領域1154の各ピクセルでの振幅(B(x、y))が既に設定された基準値以下であれば、該当ピクセルをシャドウとして設定してもよい。
【0142】
このような方法で方向別シャドウ領域1154を補償することによって、方向別シャドウ領域1154内のノイズ領域1156を除去することができ、これを通じてより信頼性のある方向別シャドウ領域1154を獲得することができる。また、測定対象物の高さが測定可能範囲を超える場合にも、視認性マップを利用して測定対象物の領域を正確に抽出することができる。
【0143】
方向別シャドウ領域1154を補償した後、補償された方向別シャドウ領域1154をマージして、図20に示したようなシャドウマップを生成する(S1150)。シャドウマップ上における実際の測定対象物1152と測定対象物1152の周辺のシャドウ領域1154とは、相対的に大きい階調差を有するため、測定対象物1152の領域を容易に設定できることになる。例えば、シャドウマップ上で測定対象物1152は明るい色に示される一方、シャドウ領域1154が暗い色に示されてもよい。また、これとは反対に、測定対象物1152が暗い色に示されて、シャドウ領域1154が明るい色に示されてもよい。
【0144】
一方、シャドウ領域の補償は、方向別視認性マップから方向別シャドウ領域を獲得した後(S1130)、獲得されたそれぞれの方向別シャドウ領域に対して行われることが可能であるが、これとは異なり、方向別シャドウ領域をマージしてシャドウマップを生成した後(S1150)、生成されたシャドウマップ上でシャドウ領域を補償してもよい。
【0145】
その後、シャドウマップを利用して測定対象物1152の装着状態を検査することができる。具体的に、生成されたシャドウマップから測定対象物1152の大きさ、位置、および回転情報などを獲得し、これらの情報のうち、少なくとも一つ以上の情報を利用して測定対象物1152の装着状態を検査してもよい。例えば、基板1150に対する基礎情報を含むCADデータには測定対象物1152の位置および大きさなどの情報が入っているため、CADデータにある情報値とシャドウマップから獲得された情報値とを比較することによって、測定対象物1152の装着状態の不良の有無を検査することができる。
【0146】
一方、生成されたシャドウマップと比較して測定対象物1152に対応するかを確認するためのテンプレートを生成する段階を追加してもよい。テンプレートはCADデータから測定対象物1152の情報を読み込んで生成するか、または、測定装置を通じて測定して生成し、これを保存して用いてもよい。シャドウマップとテンプレートとを比較するとき、シャドウマップとテンプレートとの差が誤差範囲内にあれば、測定対象物とみなしてもよい。このとき、誤差範囲は、使用者によって設定が可能である。
【0147】
本実施例では4方向から光を照射する場合、すなわち、4つの第1照明部1110を用いる場合について説明したが、これに限定されることなく光照射方向の個数は可変である。
【0148】
図21は、本発明の他の実施例による測定対象物の検査方法を示したフローチャートである。
【0149】
図21を参照すると、測定対象物1152の装着状態を検査するために、まず、測定対象物1152の形成された基板1150に複数の方向から光を照射して図18に示したような方向別振幅マップを獲得する(S1210)。方向別振幅マップを獲得する方法は前述したため、これに関する詳細な説明は省略する。
【0150】
その後、方向別振幅マップから振幅が既に設定された基準値以下の領域をシャドウ領域と判断して方向別シャドウ領域1154を抽出する(S1220)。シャドウ領域は、他の領域に比べて相対的に非常に低い振幅を有するのが一般的であるため、適当な基準値を基準に、それの以下の振幅値を有する領域をシャドウ領域に判断することができる。このように、方向別視認性マップに比べてノイズが小さい方向別振幅マップを利用してシャドウ領域を抽出することによって、シャドウ領域抽出の信頼性を向上させることができる。
【0151】
その後、方向別シャドウ領域1154をマージしてシャドウマップを生成する(S1230)。シャドウマップに対する説明は図20を参考して説明したため省略する。また、本実施例でも前の実施例と同様に、シャドウマップを利用して測定対象物の装着状態を検査する段階と、テンプレートを生成する段階とを含んでもよい。
【0152】
一方、シャドウマップを生成することにおいて、前の二つの実施例のように、方向別視認性マップや方向別振幅マップを利用する方法の代わりに、方向別に撮影された複数の格子パターンイメージを2Dイメージに変換してこれを通じてシャドウマップを生成することもできる。複数の格子パターンイメージを2Dイメージに変換する過程で、2Dイメージ上に格子パターンが示されることがある。2Dイメージ上の格子パターンは、複数の格子パターンイメージを平均化するか、または、複数の格子パターンイメージのうち、位相差が180°である2つイメージの明るさ値を合算して2Dイメージ上の格子パターンを除去してもよい。また、2Dイメージ上の格子パターンは、位相差の合計が360°になる格子パターンイメージの明るさ値を合算して除去してもよい。
【0153】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範囲内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと理解される。
【符号の説明】
【0154】
10 測定対象物
100 測定ステージ部
200 イメージ撮影部
300 第1照明部
400 第2照明部
500 イメージ獲得部
600 モジュール制御部
700 中央制御部
800 形状テンプレート
810 素子
820 ターゲット素子
900 シャドウテンプレート
910 素子
920 ターゲット素子
1110 第1照明部
1120 第2照明部
1130 カメラ
1140 ステージ
1150 基板
1152 測定対象物
1154 シャドウ領域
1156 ノイズ領域
ROI 検査領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板に装着された素子の検査方法において、
前記素子に対応する形状テンプレートを生成する段階と、
照明部の格子パターン光を前記基板に照射してピクセル別高さ情報を獲得する段階と、
前記ピクセル別高さ情報に対応してコントラストマップを生成する段階と、
前記コントラストマップと前記形状テンプレートとを比較する段階と、を含むことを特徴とする検査方法。
【請求項2】
前記コントラストマップと前記形状テンプレートとを比較して、前記形状テンプレートに対応する前記素子の大きさ、位置、及び回転情報のうち、少なくとも1つ以上を獲得する段階を更に含むことを特徴とする請求項1に記載の検査方法。
【請求項3】
前記照明部は、
光源、前記光源から入射された光を前記格子パターン光に変換させる格子ユニットおよび前記格子ユニットを移送させる格子移送ユニットを含み、前記格子ユニットの移送により前記基板に格子パターン光をN回照射することを特徴とする請求項2に記載の検査方法。
【請求項4】
前記基板に照射されたN個の格子パターン光をカメラで撮影して前記基板のピクセル別視認性情報を獲得する段階を更に含み、
前記コントラストマップは、前記高さ情報に前記視認性情報を乗算した値に定義されることを特徴とする請求項3に記載の検査方法。
【請求項5】
前記視認性情報は、前記ピクセル別に撮影されたイメージの明るさ信号において、振幅(B(x、y))の平均(A(x、y))に対する比として、
(x、y)=B(x、y)/A(x、y)
と定義されることを特徴とする請求項4に記載の検査方法。
【請求項6】
前記コントラストマップと前記形状テンプレートとは、前記テンプレートの所定許容値の範囲内で比較されることを特徴とする請求項3に記載の検査方法。
【請求項7】
前記形状テンプレートと前記コントラストマップとを比較する段階は、
前記形状テンプレート上にピクセル座標により0、1に設定された値と、前記コントラストマップと重なる部分のコントラスト値とを互いに乗算した後、得られた値を互いに合算する段階と、
前記形状テンプレートの位置の順次移動により最大値を示す位置を前記素子が存在する位置と定める段階と、
前記最大値が基準値以上であれば、前記素子が前記形状テンプレートに対応する素子であることを決定する段階と、を含むことを特徴とする請求項3に記載の検査方法。
【請求項8】
基板に装着された素子の検査方法において、
前記素子に対応する形状テンプレートを生成する段階と、
複数の方向に光を基板に照射して前記基板のピクセル別シャドウ情報を獲得する段階と、
複数の方向から撮影された前記複数の方向別シャドウ情報をマージしてシャドウマップを生成する段階と、
前記シャドウマップと前記形状テンプレートとを比較して、前記素子の大きさ、位置、及び回転情報のうち、少なくとも1つ以上を獲得する段階と、を含むことを特徴とする検査方法。
【請求項9】
前記複数の方向に光を基板に照射して前記基板のピクセル別シャドウ情報を獲得する段階は、
前記複数の方向から基板に照射される光が、それぞれ格子パターンを変化させながらN回照射され、これを撮影する段階を更に含むことを特徴とする請求項8に記載の検査方法。
【請求項10】
前記複数の方向に光を基板に照射して前記基板のピクセル別シャドウ情報を獲得する段階は、
N回照射された光を撮影し、前記撮影されたN個のイメージを平均化し、または、位相差の合計が360°になるように合算して格子パターンの除去されたイメージを獲得する段階を更に含むことを特徴とする請求項9に記載の検査方法。
【請求項11】
基板に装着された素子の検査方法において、
複数の方向へ格子パターン光を変化させながら基板にそれぞれN回照射してカメラで撮影する段階と、
前記撮影されたそれぞれの方向別N個のイメージを利用して前記基板の方向別視認性マップを生成する段階と、
前記方向別視認性マップから前記測定対象物のシャドウ領域を獲得する段階と、
前記獲得された方向別シャドウ領域をマージしてシャドウマップを生成する段階と、を含むことを特徴とする検査方法。
【請求項12】
前記獲得されたシャドウマップから前記素子の大きさおよび位置情報のうち、少なくとも1つ以上を獲得して前記測定対象物を検査する段階を更に含むことを特徴とする請求項11に記載の検査方法。
【請求項13】
前記視認性マップ(V(x、y))は、ピクセル別イメージの明るさ信号において振幅(B(x、y))の平均(A(x、y))に対する比(V(x、y)=B(x、y)/A(x、y))であることを特徴とする請求項12に記載の検査方法。
【請求項14】
前記シャドウマップから前記素子の大きさおよび位置情報のうち、少なくとも1つ以上を獲得して前記測定対象物を検査する段階は、
前記シャドウマップと前記素子に対応する形状テンプレートとを所定許容値の範囲内で比較する段階を含む特徴とする請求項12に記載の検査方法。
【請求項15】
前記シャドウマップと前記形状テンプレートとを比較する段階は、
前記形状テンプレートの位置を初期位置から移動させながら前記シャドウマップと前記テンプレートとを比較する段階を含むことを特徴とする請求項14に記載の検査方法。
【請求項16】
前記シャドウマップと前記形状テンプレートとを比較する段階は、
前記形状テンプレート上にピクセル座標により0、1に設定された値と、前記シャドウマップと重なる部分上にピクセル座標により0、1に設定された値とを互いに乗算した後、得られた値を互いに合算する段階と、
前記シャドウテンプレートの位置の順次移動により最大値を示す位置を前記素子が存在する予備位置に定める段階と、
前記最大値が基準値以上であれば、前記素子が前記シャドウテンプレートに対応する素子であることを決定する段階と、を含むことを特徴とする請求項14に記載の検査方法。
【請求項17】
測定対象物の形成された基板に複数の方向へパターン光をそれぞれN回照射してカメラで撮影する段階と、
前記撮影されたそれぞれの方向別N個のイメージを利用して前記基板の方向別視認性マップを生成する段階と、
前記方向別視認性マップから前記測定対象物の方向別シャドウ領域を獲得する段階と、
前記獲得された方向別シャドウ領域を補償する段階と、
前記補償された方向別シャドウ領域をマージしてシャドウマップを生成する段階と、を含むことを特徴とする検査方法(前記Nは、2以上の自然数である)。
【請求項18】
前記視認性マップは、ピクセル別に撮影されたイメージの明るさ信号において、振幅(B(x、y))の平均(A(x、y))に対する比(V(x、y)=B(x、y)/A(x、y))として定義されることを特徴とする請求項17に記載の検査方法。
【請求項19】
前記シャドウ領域を補償する段階は、
前記獲得された方向別シャドウ領域に対して各ピクセルに振幅((B(x、y))を乗算することを特徴とする請求項18に記載の検査方法。
【請求項20】
前記シャドウ領域を補償する段階は、
前記獲得された方向別シャドウ領域の各ピクセルにおける振幅((B(x、y))が既に設定された基準値以下であればシャドウとして設定することを特徴とする請求項18に記載の検査方法。
【請求項21】
前記シャドウマップから前記測定対象物の大きさおよび位置情報のうち、少なくとも1つ以上を獲得する段階を更に含むことを特徴とする請求項17に記載の検査方法。

【図8】
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【図9】
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【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2011−13220(P2011−13220A)
【公開日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−151711(P2010−151711)
【出願日】平成22年7月2日(2010.7.2)
【出願人】(506414749)コー・ヤング・テクノロジー・インコーポレーテッド (37)
【Fターム(参考)】