Notice: Undefined variable: fterm_desc_sub in /mnt/www/biblio_conv.php on line 353
熱硬化性樹脂組成物、白色プリプレグ、白色積層板及びプリント配線基板
説明

熱硬化性樹脂組成物、白色プリプレグ、白色積層板及びプリント配線基板

【課題】 発光ダイオードを実装するためのプリント配線基板として使用する白色積層板、金属箔張り白色積層板、及び積層して該白色積層板、該金属箔張り白色積層板を製造するための白色プリプレグに特に好適に用いることができる熱硬化性樹脂組成物を提供すること。
【解決手段】 脂肪族構造を有するイソシアネートから合成されたイソシアヌレート型ポリイソシアネート(a1)と脂肪族構造を有するトリカルボン酸無水物(a2)とを反応させて得られるカルボキシル基含有ポリイミド樹脂(A1)のカルボキシル基をモノエポキシ化合物(A2)で反応させて得られる酸価が70KOHmg/g以下のポリイミド樹脂(A)と、エポキシ樹脂(B)と、硬化剤(C)を含有することを特徴とする熱硬化型樹脂組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光ダイオードを実装するためのプリント配線基板として使用する白色積層板、金属箔張り白色積層板、及び積層して該白色積層板、該金属箔張り白色積層板を製造するための白色プリプレグに特に好適に用いることができる熱硬化性樹脂組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電子機器は、携帯電話、カメラ一体型VTR、携帯CD、MDプレーヤー等に見られるように、軽量化、薄型化が進んでいるだけでなく、外観、操作性や視認性等の付加価値が求められるようになっている。そのために視覚的効果の高い発光体が多数使われるようになってきており、この発光体には小型で消費電力の少ない発光ダイオード(LED)が用いられている。
【0003】
LEDの中でも特に白色の発光ダイオードの需要が急増している。さらに、近年、LEDは高輝度化が進んできており、超高輝度LEDも実用化され始めている。
【0004】
従来は、発光体部を樹脂で封止した砲弾型タイプのLEDが主に用いられていたが、近年、電子機器の小型、薄型化から、基板表面に素子を直接実装したチップLEDの使用が増加してきた。このチップLEDは、当初、砲弾型タイプのLEDに比べて輝度が低いという問題もあったが、その後の改良により、砲弾型タイプと比べても遜色ないレベルにまで至っている。チップLEDの輝度が増加したことにより、チップLEDを高密度集積させることで面光源としての利用も可能になった。このような面光源は特に薄型であることが要求される液晶ディスプレイ用バックライトに好適に利用され、その他、面発光型の照明装置として誘導表示照明灯、避難口照明灯、広告灯等へ応用される。
【0005】
ところで、白色LEDの発光方法には、青色発光素子と黄色蛍光体を併用したタイプ、赤色、青色、緑色の3原色併用タイプ、若しくは紫外発光素子と蛍光体を併用したタイプがある。
【0006】
LED素子を載せるプリント配線基板としては、従来から、熱硬化性樹脂を含浸したシート状ガラス繊維基材の層(プリプレグ)を加熱加圧成形した積層板が使用されている。特に、青色、白色のチップLEDでは、可視光短波長領域の反射が重要であり、熱硬化性樹脂に着色顔料として二酸化チタン等を含有させた白色のものが従来から使用されている。
【0007】
ところが、これまでのプリント配線基板用白色積層板は、熱硬化性樹脂部分が長期使用や加工時の熱によって変色し、反射率が低下する問題があった。なかでも、紫外発光素子を用いる種類のLEDでは、LEDチップを実装する基板が紫外線により劣化、変色するために、近年の高輝度LEDの実装には不適であった。そのため、紫外線や熱による変色の極めて少ない基板への要求が強くなっている。
【0008】
紫外線や熱による変色の極めて少ない基板を得る為の白色プリプレグとして、脂環式エポキシ樹脂、グリシジル(メタ)アクリレート系ポリマー、白色顔料、及び硬化剤を必須成分とする樹脂組成物を、シート状ガラス繊維基材に含浸、乾燥させてなる白色プリプレグが開示されている(例えば、特許文献1参照。)。このプリプレグを積層したものを加熱加圧成形してなる白色積層板は180℃で4時間の雰囲気下で放置しておいても基盤表面の可視光反射率の低下は無く、また、400Wの高圧水銀灯による500時間の紫外線照射後も基盤表面の劣化が少ない。しかしながら、上記以上に厳しい条件による熱や紫外線の曝露を受けた場合(例えば、180℃の雰囲気下で24時間放置した場合や、120℃の雰囲気下で1100W/mの紫外線を50時間照射させた場合)は、基盤が黄変してしまう問題がある。
【0009】
また、耐熱性、光透過性、透明性に優れ、光学材料分野などの分野で好適に用いる事ができる硬化性樹脂組成物として、脂肪族構造を有するイソシアヌレート型ポリイソシアネートと脂肪族構造を有するトリカルボン酸無水物とを反応させて得られる溶剤可溶型ポリイミド樹脂とエポキシ樹脂とを含有する組成物が開示されている(例えば、特許文献2参照。)。前記溶剤可溶型ポリイミド樹脂が優れた光透過性、透明性に優れている理由としては、一般的に芳香族ポリイミド類は芳香族に由来する吸収と、高分子鎖状に交互に配列された電子吸引性ユニットおよび電子供与性ユニット間の電荷移動相互作用に由来する可視光領域の吸収により着色するが脂環構造はこれらに寄与しないことによる。しかしながら、該組成物はポリイミド樹脂を溶解させる溶媒種、及びその濃度が限定されるため、溶融粘度が高く、シート状ガラス繊維基材に含浸させてプリプレグを製造するのは困難である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2006−316173
【特許文献2】国際公開第2010/107045号パンフレット
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は耐熱性と耐紫外線性に優れる硬化物が得られ、且つ、溶媒溶解性に優れるため溶融粘度が低く、白色プリプレグに好適な熱硬化性樹脂組成物と、この組成物を用いた白色プリプレグ、白色積層板及びプリント配線基板を提供する事にある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明者らは鋭意検討した結果、前記特許文献2に開示されたポリイミド樹脂が有するカルボキシル基をモノエポキシ化合物と反応させることにより得られる固形分酸価が70KOHmg/g以下のポリイミド樹脂を用いることにより、溶媒溶解性に優れ、また、溶融粘度が低いため加工性に優れた硬化性樹脂組成物が得られること、この組成物の硬化物は熱環境下や紫外線環境下においても変色しにくいこと、この硬化性樹脂組成物と白色顔料を含む混合物を、シート状ガラス繊維基材に含浸、乾燥させることで積層板やプリント配線基板の製造に適した白色プリプレグが得られること、この白色プリプレグを用いる事により、耐熱性を有し、変色がないことから特に白色LEDに好適な白色積層板やプリント配線基板が得られる事等を見出し、本発明を完成するに至った。
【0013】
即ち、本発明は、脂肪族構造を有するイソシアネートから合成されたイソシアヌレート型ポリイソシアネート(a1)と脂肪族構造を有するトリカルボン酸無水物(a2)とを反応させて得られるカルボキシル基含有ポリイミド樹脂(A1)のカルボキシル基をモノエポキシ化合物(A2)と反応させて得られる固形分酸価が70KOHmg/g以下のポリイミド樹脂(A)と、エポキシ樹脂(B)と、エポキシ樹脂の硬化剤(C)を含有することを特徴とする熱硬化型樹脂組成物を提供するものである。
【0014】
また、本発明は、前記熱硬化性樹脂組成物と白色顔料を含む混合物をシート状ガラス繊維基材に含浸、または塗布させた後、乾燥させてなることを特徴とするプリプレグを提供するものである。
【0015】
また、本発明は、前記プリプレグと金属箔とを組み合わせたものを加熱加圧成形して熱硬化させることを特徴とする白色積層板を提供するものである。
【0016】
更に、本発明は、前記白色積層板を使用してなるチップ型発光ダイオードを実装するためのプリント配線基板を提供するものである。
【発明の効果】
【0017】
本発明の熱硬化性樹脂組成物は、溶融粘度が低く、得られる硬化物の耐熱性、耐紫外線性も良好であるため、硬化物の透明性を長期に渡って維持できる。それ故、本発明の熱硬化性樹脂組成物は、特に白色LED用の白色プリプレグに好適に使用することができ、この白色プリプレグを用いて白色積層板やプリント配線基板を好適に製造することができる。また、本発明の熱硬化性組成物はゲルタイムが長いため、プリプレグ作製時の加工特性にも優れる。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明で用いるポリイミド樹脂(A)は、脂肪族構造を有するイソシアネートから合成されたイソシアヌレート型ポリイソシアネート(a1)と脂肪族構造を有するトリカルボン酸無水物(a2)とを反応させて得られるカルボキシル基含有ポリイミド樹脂(A1)のカルボキシル基をモノエポキシ化合物(A2)で封止して得られる固形分酸価が70KOHmg/g以下、より好ましくは10〜70KOHmg/gの範囲のポリイミド樹脂である。
【0019】
前記ポリイミド樹脂(A)の固形分酸価が70KOHmg/gより大きいとエポキシ樹脂との溶解性、又はエポキシ樹脂との反応性が大きいため、可使時間(ポットライフ)が短くなる事からプリプレグの作製に好ましくない。又、ポリイミド樹脂(A)の溶液酸価が10KOHmg/gより小さい場合、エポキシ樹脂との硬化性が損なわれてしまう。ポリイミド樹脂(A)の溶液酸価は15〜65KOHmg/gの範囲が特に好ましい。
【0020】
本発明で用いるカルボキシル基含有ポリイミド樹脂(A1)の製造に用いる脂肪族構造を有するイソシアネートから合成されたイソシアヌレート型ポリイソシアネート(a1)としては、線状脂肪族構造を有するイソシアネートから合成されたイソシアヌレート型ポリイソシアネート、環式脂肪族構造を有するイソシアネートから合成されたイソシアヌレート型ポリイソシアネート等が挙げられる。
【0021】
線状脂肪族構造を有するイソシアネートから合成されたイソシアヌレート型ポリイソシアネートとしては、例えば、HDI3N(ヘキサメチレンジイソシアネートから合成されたイソシアヌレート型トリイソシアネート(5量体等の重合体を含む))、HTMDI3N(トリメチルヘキサメチレンジイソシアネートから合成されたイソシアヌレート型トリイソシアネート(5量体等の重合体を含む))等が挙げられる。これらは併用しても単独で用いても良い。
【0022】
環式脂肪族構造を有するイソシアネートから合成されたイソシアヌレート型ポリイソシアネートとしては、例えば、IPDI3N(イソホロンジイソシアネートから合成されたイソシアヌレート型トリイソシアネート(5量体等の重合体を含む))、HTDI3N(水添トリレンジイソシアネートから合成されたイソシアヌレート型トリイソシアネート(5量体等の重合体を含む))、HXDI3N(水添キシレンジイソシアネートから合成されたイソシアヌレート型トリイソシアネート(5量体等の重合体を含む))、NBDI3N(ノルボルナンジイソシアネートから合成されたイソシアヌレート型トリイソシアネート(5量体等の重合体を含む))、HMDI3N(水添ジフェニルメタンジイソシアネートから合成されたイソシアヌレート型トリイソシアネート(5量体等の重合体を含む))等が挙げられる。
【0023】
本発明で用いる、脂肪族構造を有するイソシアネートから合成されたイソシアヌレート型ポリイソシアネート(a1)としては、特にTgが高く熱的物性に優れる硬化塗膜が得られることから環式脂肪族構造を有するイソシアネートから合成されたイソシアヌレート型ポリイソシアネートが好ましく、中でもイソホロンジイソシアネートから合成されたイソシアヌレート型トリイソシアネートが好ましい。尚、イソホロンジイソシアネートから合成されたイソシアヌレート型トリイソシアネートは5量体等の重合体を含んでいても良い。
【0024】
脂肪族構造を有するイソシアネートから合成されたイソシアヌレート型ポリイソシアネート(a1)中の環状脂肪族構造を有するイソシアネートから合成されたイソシアヌレート型ポリイソシアネートの含有率は、化合物(a1)の重量を基準として50〜80重量%の範囲が、Tgが高く熱的物性に優れる硬化塗膜が得られることからから好ましく、80〜100重量%の範囲がより好ましく、100重量%が最も好ましい。
【0025】
また、本発明のポリイミド樹脂の溶剤溶解性を損なわない範囲で上記イソシアネート化合物と各種ポリオールとのウレタン化反応によって得られるアダクト体も使用できる。
【0026】
本発明で用いるポリイミド樹脂(A1)は、上述のイソシアネート化合物(a1)と脂肪族構造を有するトリカルボン酸無水物(a2)から直接イミド結合を形成させることにより、安定性等に問題のあるポリアミック酸中間体を経ずに再現性が良く、溶解性が良好で、透明性に優れるポリイミド樹脂を製造することできる。
【0027】
本発明では脂肪族構造を有するトリカルボン酸無水物(a2)をポリイミドの原料として用いることにより得られるポリイミド樹脂の透明性が向上する。脂肪族構造を有するトリカルボン酸無水物としては、例えば、線状脂肪族構造を有するトリカルボン酸無水物、環式脂肪族構造を有するトリカルボン酸無水物等が挙げられる。線状脂肪族構造を有するトリカルボン酸無水物としては、例えば、プロパントリカルボン酸無水物等が挙げられる。環式脂肪族構造を有するトリカルボン酸無水物としては、例えば、シクロヘキサントリカルボン酸無水物、メチルシクロヘキサントリカルボン酸無水物、シクロヘキセントリカルボン酸無水物、メチルシクロヘキセントリカルボン酸無水物等が挙げられる。
【0028】
本発明で用いる脂肪族構造を有するトリカルボン酸無水物(a2)の中でも、透明性に加え、Tgが高く熱的物性に優れる硬化塗膜が得られることから環式脂肪族構造を有するトリカルボン酸無水物が好ましい。環式脂肪族構造を有するトリカルボン酸無水物の例としては、シクロヘキサントリカルボン酸無水物等が挙げられる。これらを1種又は2種以上を用いることが可能である。また場合により、2官能のジカルボン酸化合物、例えばアジピン酸、セバシン酸、フタル酸、フマル酸、マレイン酸及びこれらの酸無水物等を併用することも可能である。
【0029】
前記シクロヘキサントリカルボン酸無水物としては、例えば、シクロヘキサン−1,3,4−トリカルボン酸-3,4−無水物、シクロヘキサン−1,3,5−トリカルボン酸-3,5−無水物、シクロヘキサン−1,2,3−トリカルボン酸-2,3−無水物等が挙げられる。中でも、透明性に加え、溶剤溶解性に優れるポリイミド樹脂となり、Tgが高く熱的物性に優れる硬化塗膜が得られることからシクロヘキサン−1,3,4−トリカルボン酸-3,4−無水物が好ましい。
【0030】
ここで上述のシクロヘキサントリカルボン酸無水物としては、以下の一般式(1)の構造で示されるものであり、製造原料として用いるシクロヘキサン−1,2,3−トリカルボン酸、シクロヘキサン−1,3,4−トリカルボン酸等の不純物が本発明の硬化を損なわない範囲、例えば、10重量%以下、このましくは5重量%以下であれば混入しても良いものである。
【0031】
【化1】

【0032】
前記トリカルボン酸無水物(a2)のカルボン酸成分とポリイソシアネート(a1)中のイソシアネート成分とが反応するとイミド基及びアミド基が形成され、本発明のポリイミド樹脂はアミドイミド樹脂となる。また、ポリイソシアネート(a1)と脂肪族構造を有するトリカルボン酸無水物(a2)とを反応させる際に、トリカルボン酸無水物(a2)のカルボン酸成分を残すような割合でトリカルボン酸無水物(a2)とポリイソシアネート(a1)とを反応させると、得られるポリイミド樹脂はカルボキシ基を有することになる。前記カルボキシ基は後述する本発明の硬化性樹脂組成物中に含まれるエポキシ樹脂のエポキシ基と反応し、硬化物の架橋構造を形成する。尚、反応速度はイミド化が速いため、トリカルボン酸とトリイソシアネートとの反応でも、トリカルボン酸は無水酸のところで選択的にイミド結合を形成する。
【0033】
脂肪族構造を有するイソシアネートから合成されたイソシアヌレート型ポリイソシアネート(a1)と脂肪族構造を有するトリカルボン酸無水物(a2)とを反応させて、ポリイミド樹脂(A1)を得る際には、窒素原子及び硫黄原子のいずれも含まない極性溶剤中で反応させることが好ましい。窒素原子または硫黄原子を含有した極性溶剤が存在すると、環境上の問題が生じやすく、また、イソシアヌレート型ポリイソシアネート(a1)とトリカルボン酸無水物(a2)との反応に於いて、分子の成長が妨げられやすくなる。かかる分子の切断は、組成物とした場合に物性が低下しやすく、さらに「はじき」等の塗膜欠陥が生じやすくなる。
【0034】
本発明において、窒素原子及び硫黄原子のいずれも含まない極性溶剤は、非プロトン性溶剤であることがより好ましい。例えばクレゾール系溶剤は、プロトンを有するフェノール性溶剤であるが環境面でやや好ましくなく、イソシアネート化合物と反応して分子成長を阻害しやすい。また、クレゾール溶剤はイソシアネート基との反応を起こしブロック化剤となりやすい。したがって、硬化時に他の硬化成分(例えばエポキシ樹脂など)と反応することで良好な物性が得られ難い。さらにブロック化剤がはずれる場合、使用機器や他の材料の汚染を起こしやすい。またアルコール系溶剤については、イソシアネートあるいは酸無水物と反応するため好ましくない。非プロトン性溶剤としては、例えば水酸基を有さないエーテル系、エステル系、ケトン系等の溶剤が挙げられ、このうち水酸基を有さないエーテル系溶剤が特に好ましい。
【0035】
本発明において、窒素原子及び硫黄原子のいずれも含まない極性溶剤は、エーテル系溶剤であることがより好ましい。エーテル系溶剤は弱い極性を有し、上述の脂肪族構造を有するイソシアネートのイソシアヌレート型ポリイソシアネート(a1)と脂肪族構造を有するトリカルボン酸無水物(a2)との反応において優れた反応場を提供する。かかるエーテル系溶剤としては、公知慣用のものが使用可能であるが、例えばエチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル等のエチレングリコールジアルキルエーテル類;ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールジブチルエーテル等のポリエチレングリコールジアルキルエーテル類;エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート等のエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート等のポリエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールジブチルエーテル等のプロピレングリコールジアルキルエーテル類;ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールジブチルエーテル、トリプロピレングリコールジメチルエーテル、トリプロピレングリコールジエチルエーテル、トリプロピレングリコールジブチルエーテル等のポリプロピレングリコールジアルキルエーテル類;プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート等のプロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート、トリプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、トリプロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、トリプロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート等のポリプロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;あるいは低分子のエチレン−プロピレン共重合体の如き共重合ポリエーテルグリコールのジアルキルエーテルや、共重合ポリエーテルグリコールのモノアセテートモノアルキルエーテル類;あるいはこうしたポリエーテルグリコールのアルキルエステル類;ポリエーテルグリコールのモノアルキルエステルモノアルキルエーテル類などである。
【0036】
脂肪族構造を有するイソシアネートから合成されたイソシアヌレート型ポリイソシアネート(a1)と脂肪族構造を有するトリカルボン酸無水物(a2)とは、前記脂肪族構造を有するイソシアネートから合成されたイソシアヌレート型ポリイソシアネート(a1)のイソシアネート基のモル数(N)と、脂肪族構造を有するトリカルボン酸無水物(a2)のカルボキシ基のモル数(M1)及び酸無水物基モル数(M2)の合計のモル数との比〔(M1)+(M2))/(N)〕が1.1〜3の範囲となるように反応させるのが、反応系中の極性が高くなり反応が潤滑に進行する、イソシアネート基が残存せず、得られるポリイミド樹脂の安定性が良好である、トリカルボン酸無水物(a2)の残存量も少なく再結晶等の分離の問題も起こりにくい等の理由により好ましい。中でも1.2〜2がより好ましい。なお、本発明において酸無水物基とは、カルボン酸2分子が分子内脱水縮合して得られた−CO−O−CO−基を指す。
【0037】
イミド化反応は、溶剤中あるいは無溶剤中で、イソシアネート化合物(a1)の1種類以上と、トリカルボン酸無水物(a2)の1種以上とを混合し、撹拌を行いながら昇温して行うことが好ましい。反応温度は、好ましくは50℃〜250℃の範囲、特に好ましくは70℃〜180℃の範囲である。このような反応温度にすることにより、反応速度が早くなり、且つ、副反応や分解等が起こりにくい効果を奏する。反応は、脱炭酸を伴いながら酸無水物基とイソシアネート基がイミド基を形成する。反応の進行は、赤外スベクトルや、酸価、イソシアネート基の定量等の分析手段により追跡することができる。赤外スペクトルでは、イソシアネート基の特性吸収である2270cm-1が反応とともに減少し、さらに1860cm-1と850cm-1に特性吸収を有する酸無水物基が減少する。一方、1780cm-1と1720cm-1にイミド基の吸収が増加する。反応は、目的とする酸価、粘度、分子量等を確認しながら、温度を下げて終了させても良い。しかしながら、経時の安定性等の面からイソシアネート基が消失するまで反応を続行させることがより好ましい。また、反応中や反応後は、合成される樹脂の物性を損なわない範囲で、触媒、酸化防止剤、界面活性剤、その他溶剤等を添加してもよい。
【0038】
ポリイミド樹脂(A1)は溶剤への溶解性が良好であるという事と機械強度に優れる硬化物が得られるという点で、数平均分子量が1,000〜20,000の範囲が好ましく、数平均分子量が1,500〜10,000の範囲がより好ましい。また、ポリイミド樹脂(A1)の固形分酸価としては、80〜200KOHmg/gの範囲が溶媒溶解性、耐熱性の付与の観点から好ましく、100〜180mg/gの範囲がより好ましい。尚、ポリイミド樹脂の数分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)や末端の官能基量の定量分析で測定することができる。
【0039】
なお本発明では、数平均分子量の測定はGPCを用いて以下の条件により求めた。
測定装置:東ソー株式会社製 HLC−8120GPC
カラム :東ソー株式会社製 TFKguardcolumnHXL-L、TFKgel(G1000HXL、G2000HXL、G3000HXL、G4000HXL)
検出器 :RI(示差屈折計)
測定条件:カラム温度:40℃
展開溶媒 テトラヒドロフラン
流速 1.0ml/min
標準 :ポリスチレン標準試料にて検量線作成
試料 :樹脂固形分換算で0.1重量%のTHF溶液をマイクロフィルターでろ過したもの(注入量:20μl)
【0040】
本発明で用いるポリイミド樹脂(A1)としては、例えば以下の(式2)で表されるイミド樹脂等が挙げられる。
【0041】
【化2】

【0042】
(nは、繰り返し単位で0〜30である。また、Rbは、例えば、以下の構造式(式3)または(式4)で示される構造単位である。
【0043】
【化3】

【0044】
【化4】

【0045】
(R2は、例えば、炭素数6〜20の置換基を有しても良い脂肪族トリカルボン酸残基である。)Rcは、例えば、以下の構造式(式5)で示される構造単位である。
【0046】
【化5】

【0047】
(R2は、例えば、前記と同一である。)
【0048】
Rdは、例えば、以下の(式6)で表される3価の有機基であり、
【0049】
【化6】

【0050】
Raは、例えば、2価の脂肪族ジイソシアネート類の残基を示す。
【0051】
ポリイミド樹脂(A1)は前記の通り脂肪族構造、好ましくは環状脂肪族構造を有するが、本発明の効果を損なわない範囲で芳香族構造を有していても良い。しかしながら、芳香族構造を有すると一般的に熱環境下や紫外線環境下において樹脂の硬化物が黄変しやすくなる。その為、芳香族構造の含有量は少ないほうが好ましい。最も好ましいのは芳香族構造の含有量はゼロの場合である。
【0052】
本発明で用いるモノエポキシ化合物(A2)としては、例えば、N−グリシジルフタルイミド、O−フェニルフェノールグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、アルキルフェニルグリシジルエーテル、アルキルグリシジルエーテル、アルキルグリシジルエステル、アルキルフェノールアルキレンオキサイド付加物のグリシジルエーテル、α−オレフィンオキサイド、モノエポキシ脂肪酸アルキルエステル等が挙げられる。
【0053】
アルキルフェニルグリシジルエーテルとしては、例えばクレジルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、ノニルグリシジルエーテル等が挙げられる。アルキルグリシジルエーテルとしては、例えばブチルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテルが挙げられる。
【0054】
また、アルキルグリシジルエステルとしては、例えば、下記一般式
【0055】
【化7】

(但し、Rは炭素原子数1〜25のアルキル基、好ましくは炭素原子数10〜15のアルキル基である。)
で示される化合物が挙げられる。
【0056】
更に、アルキルフェノールアルキレンオキサイド付加物のグリシジルエーテルとしては、例えば、ブチルフェノール等の低級アルキルフェノールにエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等のアルキレンオキサイドを付加した化合物のグリシジルエーテルが挙げられ、具体例としては、エチレングリコールモノフェニルエーテルのグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールモノフェニルエーテルのグリシジルエーテル、プロピレングリコールモノフェニルエーテルのグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールモノフェニルエーテルのグリシジルエーテル、プロピレングリコールモノ(p−t−ブチル)フェニルエーテルのグリシジルエーテル、エチレングリコールモノノニルフェニルエーテルのグリシジルエーテル等が挙げられる。
【0057】
α−オレフィンオキサイドとしては、例えばアルファオレフィンオキサイド−168[アデカアーガス化学(株)製品]、アルファオレフィンオキサイド−124[アデカアーガス化学(株)製品]等のオレフィン類をオキシ化した化合物が挙げられる。
【0058】
モノエポキシ脂肪酸アルキルエステルとしては、例えば、不飽和脂肪酸のアルコールエステルの不飽和基をエポキシ化した化合物で、例えばエポキシ化オレイン酸ブチルエステル、下記構造式
【0059】
【化8】

で示される化合物、エポキシ化オレイン酸オクチルエステル等が挙げられる。これらのモノエポキシ化合物は単独で用いても2種以上を併用しても差し支えない。
【0060】
前記ポリイミド樹脂(A1)のカルボキシル基をモノエポキシ化合物(A2)と反応させるには、実質カルボキシル基とエポキシ基が反応する条件であれば特に制限なく、例えば、窒素雰囲気下で触媒の存在下に80℃〜180℃の範囲の温度でカルボキシル基とエポキシ基を反応させることができる。モノエポキシ化合物はポリイミド樹脂(A1)の固型分酸価の100〜25%の範囲を反応させることでエポキシ樹脂(B)との相溶性が良く、プリプレグ作製の際の可使時間が最適になることから好ましく、85〜40%の範囲を反応させることがより好ましい。
【0061】
前記触媒としては、前記有機リン化合物としては、トリフェニルホスフィン、ジフェニルフォスフィン、テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート、テトラ−n−ブチルホスホニウム−o,o−ジエチルホスホロジチオエート、テトラ−n−ブチルホスホニウム−テトラフルオロボレート、テトラ−n−ブチルホスホニウム−テトラフェニルボレート等の有機リン化合物や第四級ホスホニウム塩、具体例としては日本化学工業製ヒシコーリンPX−4MPが好ましく挙げられる。前記触媒の量は白色度を低下させない程度の量を使用すれば良く、ポリイミド樹脂(A1)とモノエポキシ化合物(A2)と溶剤との合計量に対して、0.05〜5質量%の範囲が好ましく、0.1〜3質量%の範囲がより好ましい。
【0062】
本発明で用いるモノエポキシ化合物(A2)の中でも、フェニルグリシジルエーテル、N−グリシジルフタルイミド及びO−フェニルフェノールグリシジルエーテルからなる群から選ばれる一種以上のモノエポキシ化合物が、エポキシ樹脂との相溶性、低熱膨張性、耐熱性の高い熱硬化性樹脂組成物となることから好ましい。
【0063】
本発明で用いるエポキシ樹脂(B)は分子内に2個以上のエポキシ基を有していることが好ましい。こうしたエポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂等のビスフェノール型エポキシ樹脂;ビフェニル型エポキシ樹脂;ナフタレン型エポキシ樹脂;フェノールノボラックエポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノール型ノボラック等のノボラック型エポキシ樹脂;ジシクロペンタジエンと各種フェノール類と反応させて得られる各種ジシクロペンタジエン変性フェノール樹脂のエポキシ化物;フルオレン骨格を有するエポキシ樹脂;10−(2,5−ジヒドロキシフェニル)−10H−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキシド等を用いて合成されるリン含有エポキシ樹脂;ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル等の脂肪族エポキシ樹脂;3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、ビス−(3,4−エポキヒシクロヘキシル)アジペート等の環式脂肪族構造を有するエポキシ樹脂;トリグリシジルイソシアヌレート等のごときヘテロ環含有エポキシ樹脂等が挙げられる。中でも、熱環境下や紫外線環境下でも黄変せず、しかも耐熱性にも優れる硬化物が得られることから、環式脂肪族構造を有するエポキシ樹脂が好ましい。
【0064】
前記環式脂肪族構造を有するエポキシ樹脂としては、例えば、ジグリシジルイソシアヌレート又はトリグリシジルイソシアヌレートと、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸及び1,4−シクロヘキサンジカルボン酸からなる群から選ばれる一種以上のジカルボン酸から誘導されるジカルボン酸ジグリシジルエステル;3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート{商品名:セロキサイド2021 、セロキサイド2021A 、セロキサイド2021P (以上ダイセル化学工業(株)製)、ERL4221、ERL4221D 、ERL4221E (以上ダウケミカル日本株式会社製)、ビス( 3 , 4 −エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート{商品名:ERL4299(ダウケミカル日本(株)製)、EXA7015(DIC株式会社製)}、1−エポキシエチル−3,4−エポキシシクロヘキサン、リモネンジエポキシド、エピコートYX8000、エピコートYX8034、エピコートYL7170 (以上ジャパンエポキシレジン株式会社製)、セロキサイド2081、セロキサイド3000、エポリードGT301 、エポリードGT401、EHPE3150 (以上ダイセル化学工業株式会社製)、トリス−(2,3−エポキシプロピル)−イソシアヌレート((日産化学工業(株)製、商品名:テピック)、トリス−(2,3−エポキシプロピル)−イソシアヌレート1モルに無水プロピオン酸0.8モル加えて変性させた液状エポキシ化合物(日産化学工業(株)製、商品名テピックパスB22)、トリス−(2,3−エポキシプロピル)−イソシアヌレート1モルに無水プロピオン酸0.4モル加えて変性させた液状エポキシ化合物(日産化学工業(株)製、商品名テピックパスB26)、テピックS、テピックG、テピックSP、テピックSS(以上商品名、日産化学工業(株)製)等が挙げられる。エポキシ樹脂(B)は1種もしくは2種以上を適宜混合して使用することも可能である。
【0065】
本発明で使用されるエポキシ樹脂(B)の量は、ポリイミド樹脂(A)とエポキシ樹脂(B)との質量比(ポリイミド樹脂(A)/エポキシ樹脂(B))で、20/80〜80/20の範囲、より好ましくはポリイミド樹脂(A)/エポキシ樹脂(B)との質量比が25/75〜70/30の範囲である。前記エポキシ樹脂(B)の含有量が上記範囲より少ない場合は得られた白色積層板の加熱処理や光照射処理による変色が大きくなり、上記範囲より多い場合には耐熱性が低下してしまう。
【0066】
本発明で用いる硬化剤(C)としては、(A)及び(B)成分間の硬化反応を促進させるような触媒機能を有するもの、熱硬化物の白色度が損なわなければ、特に制限されるものではない。硬化剤(C)としては、例えばイミダゾール系化合物、アミン系化合物、アミド系化合物、有機リン化合物、酸無水物系化合物、金属系触媒などの種々の硬化剤を用いることができる。
【0067】
前記イミダゾール系化合物としては、例えば、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシル、イミダゾリウムトリメリテイト、2,4−ジアミノ−6−[2´−メチル、イミダゾリル−(1´)]−エチル−s−トリアジン、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、2−メチルイミダゾリン等があげられる。
【0068】
前記アミン系化合物としては例えば、ジアミノジフェニルメタン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ジアミノジフェニルスルホン、イソホロンジアミン、イミダゾ−ル、BF3 −アミン錯体、グアニジン誘導体等が挙げられる。
【0069】
前記アミド系化合物としては、例えば、ジシアンジアミド、リノレン酸の2量体とエチレンジアミンとより合成されるポリアミド樹脂等が挙げられる。
【0070】
前記有機リン化合物としては、トリフェニルホスフィン、テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート、テトラ−n−ブチルホスホニウム−o,o−ジエチルホスホロジチオエート、テトラ−n−ブチルホスホニウム−テトラフルオロボレート、テトラ−n−ブチルホスホニウム−テトラフェニルボレートが挙げられる。
【0071】
前記酸無水物系化合物としては、脂環式酸無水物、芳香族酸無水物、脂肪族酸無水物、ハロゲン化無水物等の公知の酸無水物であれば特に限定されない。具体的には、「総説エポキシ樹脂」(出版・編:エポキシ樹脂技術協会、発行:2003年)等の公知の書籍,文献に記載されているもの等が用いられる。代表的なものでは、無水マレイン酸、無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメロット酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルナジック酸無水物、水素化メチルナジック酸無水物等やエピクロンB4400(DIC株式会社製)等の脂環式四塩基酸無水物や特開2005−362218号公報に示されている、シクロヘキサン−1,3,4−トリカルボン酸−3,4−無水物等の脂環式二塩基酸無水物等が挙げられる。好ましい酸無水物(E)としては、エピクロンB4400、シクロヘキサン−1,3,4−トリカルボン酸−3,4−無水物、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、水素化メチルナジック酸無水物が挙げられる。
【0072】
前記金属系触媒としては周期律表の第1族のアルカリ金属系金属元素を主体とする化合物として、ナフテン酸リチウム、ステアリン酸ナトリウム、オクチル酸カリウム等が、第2族のアルカリ土類金属系金属元素を主体とする化合物として、ナフテン酸マグネシウム、オクチル酸カルシウム、オクチル酸バリウム等が、遷移金属系金属元素を主体とする化合物として、オクチル酸イットリウム、チタンテトラブトキシド、チタンアセチルアセトン錯体、チタンジイソプロポキシビス(エチルアセトアセテート)等、ジルコニウムテトラプロポキシド、ジルコニウムトリブトキシモノアセチルアセトネート、ジルコニウムモノブトキシアセチルアセトネートビス(エチルアセトアセテート)、バナジルアセチルアセトネート、バナジウムアセチルアセトネート、クロムアセチルアセトン錯体、マンガンアセチルアセトン錯体、オクチル酸鉄、ナフテン酸コバルト、オクチル酸コバルト、ニッケルアセチルアセトン錯体、ナフテン酸銅、銅アセチルアセトン錯体等が、第12族の亜鉛族系金属元素を主体とする化合物として、亜鉛アセチルアセトナートモノハイドレート、ナフテン酸亜鉛、オクチル酸酸亜鉛等が、第13族の土類金属系金属元素を主体とする化合物として、アルミニウムアセチルアセトン錯体、アルミニウムトリブトキシド、アルミニウムエチルアセトアセテート錯体、インジウムアセチルアセトン錯体等が、第15族の窒素族系金属元素を主体とする化合物として、ナフテン酸ビスマス、ビスマストリス(2−エチルヘキサノエート)等が挙げられる。また、市販品の具体例としては、ナーセムアルミニウム、ナーセムクロム、ナーセム第一コバルト、ナーセム第二コバルト、ナーセム銅、ナーセム第二鉄、ナーセムニッケル、ナーセムバナジル、ナーセム亜鉛、ナーセムインジウム、ナーセムマグネシウム、ナーセムマンガン、ナーセムイットリウム、ナーセムセリウム、ナーセムストロンチウム、ナーセムパラジウム、ナーセムバリウム、ナーセムモリブデニル、ナーセムランタン、ナーセムジルコニウム、ナーセムチタン、ナフテックスCoシリーズ、ニッカオクチックスCoシリーズ、ナフテックスMnシリーズ、ニッカオクチックスMnシリーズ、ナフテックスZnシリーズ、ニッカオクチックスZnシリーズ、ナフテックスCaシリーズ、ニッカオクチックスCaシリーズ、ナフテックスKシリーズ、ニッカオクチックスKシリーズ、ニッカオクチックスBiシリーズ、ネオデカン酸Biシリーズ、プキャットシリーズ、PAシリーズ、ナフテックスZrシリーズ、ニッカオクチックスZrシリーズ、ナフテックスFeシリーズ、ニッカオクチックスFeシリーズ、ナフテックスMgシリーズ、ナフテックスLiシリーズ、ナフテックスCuシリーズ、ナフテックスBaシリーズ、ニッカオクチックス・レアースシリーズ、ニッカオクチックスNiシリーズ等(以上、日本化学産業社製商品名)、オルガチックスZA−40、オルガチックスZA−65、オルガチックスZC−150、オルガチックスZC−540、オルガチックスZC−570、オルガチックスZC−580、オルガチックスZC−700、オルガチックスZB−320、オルガチックスTA−10、オルガチックスTA−25、オルガチックスTA−22、オルガチックスTA−30、オルガチックスTC−100、オルガチックスTC−401、オルガチックスTC−200、オルガチックスTC−750、オルガチックスTPHS等(以上、マツモトファインケミカル社製商品名)、SNAPCURE3020、SNAPCURE3030、VERTEC NPZ等(以上、ジョンソン・マッセイ社製商品名)、ネオスタンU−600、ネオスタンU−660等(以上、日東化成社製商品名)、ケンリアクトNZ01、ケンリアクトNZ33、ケンリアクトNZ39等(以上、ケンリッチ社製商品名)、アルミニウムエトキサイド、AIPD、PADM、AMD、ASBD、ALCH、ALCH−TR、アルミキレートM、アルミキレートD、アルミキレートA、アルゴマー、アルゴマー800AF、アルゴマー1000SF、プレンアクトALM等(以上、川研ファインケミカル社製商品名)、A−1、B−1、TOT、TOG、T−50、T−60、A−10、B−2、B−4、B−7、B−10、TBSTA、DPSTA−25、S−151、S−152、S−181等(以上、日本曹達社製商品名)、オクトープシリーズ、ケロープシリーズ、オリープシリーズ、アセトープシリーズ、ケミホープシリーズ等(ホープ製薬社製商品名)等が挙げられる。
【0073】
本発明で用いる硬化剤(C)は上記化合物に限定されるものではない。また、硬化剤(C)は単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。
【0074】
前記硬化剤(C)の配合量としては、特に制限されるものではないが、得られる硬化物の機械的物性、色度等が良好である点から、イミダゾール系化合物、アミン系化合物、アミド系化合物、金属系触媒を使用する場合、ポリイミド樹脂(A)とエポキシ樹脂(B)との合計100質量部に対して、0.01〜10質量部の範囲が好ましく、0.05〜5質量部の範囲が硬化性、白色度の観点からより好ましい。前記硬化剤(C)として酸無水物系化合物を使用する場合、エポキシ樹脂(B)及び必要に応じて併用されるその他のエポキシ樹脂とのエポキシ基の合計1当量に対して、硬化剤中の活性基が0.1〜1.5当量の範囲になる量が好ましい。
【0075】
さらに本発明の熱硬化型ポリイミド樹脂組成物にはポリエステル、フェノキシ樹脂、PPS樹脂、PPE樹脂、アクリルゴム、アクリルニトリルゴム、ニトリルブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴム、ポリアリレーン樹脂等のバインダー樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、アルコキシシラン系硬化剤、多塩基酸無水物、シアネート化合物等の硬化剤あるいは反応性化合物やメラミン、ジシアンジアミド、グアナミンやその誘導体、イミダゾール類、アミン類、水酸基を1個有するフェノール類、有機フォスフィン類、ホスホニュウム塩類、4級アンモニュウム塩類、光カチオン触媒等の硬化触媒や硬化促進剤、さらにフィラー、その他の添加剤として消泡材、レベリング剤、スリップ剤、ぬれ改良剤、沈降防止剤、難燃剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等添加することも可能である。
【0076】
前記フェノール樹脂としては、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、芳香族炭化水素ホルムアルデヒド樹脂変性フェノール樹脂、ジシクロペンタジエンフェノール付加型樹脂、フェノールアラルキル樹脂(通称、ザイロック樹脂)、ナフトールアラルキル樹脂、トリメチロールメタン樹脂、テトラフェニロールエタン樹脂、ナフトールノボラック樹脂、ナフトール−フェノール共縮ノボラック樹脂、ナフトール−クレゾール共縮ノボラック樹脂、ビフェニル変性フェノール樹脂(ビスメチレン基でフェノール核が連結された多価フェノール化合物)、ビフェニル変性ナフトール樹脂(ビスメチレン基でフェノール核が連結された多価ナフトール化合物)、アミノトリアジン変性フェノール樹脂(メラミンやベンゾグアナミンなどでフェノール核が連結された多価フェノール化合物)等の多価フェノール化合物、及びこれらの変性物等が挙げられる。
【0077】
本発明の熱硬化型ポリイミド樹脂組成物としては、該組成物を硬化させた際の硬化物の線膨張係数が90ppm/℃以下となる組成物が好ましい。
【0078】
本発明の白色プリプレグは、本発明の熱硬化性樹脂組成物と白色顔料を含む混合物を、シート状ガラス繊維基材に含浸または塗布させた後、乾燥させてなることを特徴とする。具体的には、本発明の熱硬化性樹脂組成物と白色顔料を含む混合物を、シート状ガラス繊維基材に含浸または塗布させた後、100〜200℃の範囲の乾燥機中で1〜60分間の範囲にて半硬化させることを特徴とする。以下に本発明の白色プリプレグを具体的に説明する。
【0079】
前記白色顔料としては、酸化亜鉛、炭酸カルシウム、二酸化チタン、アルミナ、合成スメクタイトなどが例示でき、白色の無機粉末であれば特に限定されるものではないが、可視光反射率や白色度、或いは電気特性といった観点から二酸化チタンを用いるのが最も好ましい。
【0080】
二酸化チタンの結晶構造はアナターゼ型とルチル型がある。両者の特徴を挙げると、アナターゼ型は可視光短波長領域の反射率が良好であり、ルチル型は長期の耐久性や耐変色性に優れる。本発明の樹脂組成物に添加する白色顔料としてはどちらでも良く、特に限定されるものではない。両者を混合して使用することも勿論可能である。
【0081】
前記混合物に含まれる白色顔料の含有量は、配合物中10〜75質量%の範囲が良い。10質量%以上であれば十分な白色度、反射率を得ることができ、75質量%以下であればシート状ガラス繊維基材への含浸性が低下したり金属箔との接着強度が低下したりといった不具合が発生することはない。
【0082】
白色顔料として二酸化チタンを使用する場合、二酸化チタンには表面処理としてアルミナ、シリカ処理等を行っても良い。又、シラン系カップリング剤やチタネート系カップリング剤処理も可能である。
【0083】
シート状ガラス繊維基材に含浸させる混合物には、上記白色顔料以外に、必要に応じてシリカなどの無機充填材を含有することができる。含有することのできる無機充填材としては、シリカ、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、Eガラス粉末、酸化マグネシウム、チタン酸カリウム、ケイ酸カルシウム、クレイ、タルク等が挙げられ、単体で使用しても良く、又、2種類以上を併用しても良い。これらの無機充填材を含有することにより、基板の剛性率が向上する。配合量は特に限定しないが、混合物に対して50質量%以下であることが好ましい。50質量%以下であればシート状ガラス繊維基材への含浸性が低下したり金属箔との接着強度が低下したりといった不具合が発生する可能性はほとんど生じない。
【0084】
シート状ガラス繊維基材に含浸させる混合物には、上記白色顔料や無機充填材以外に、必要に応じて蛍光剤を配合することができる。蛍光剤を配合することにより、可視光短波長領域での見かけの反射率を高くすることができる。ここで、蛍光剤とは、光、放射線、紫外線等の光エネルギーを吸収し、他の波長の光に変えて放射する特性を持つ化合物であり、例えば有機物では、ジアミノスチルベン誘導体、アントラセン、サリチル酸ナトリウム、ジアミノスチルベンジスルホン酸誘導体、イミダゾール誘導体、クマリン誘導体、ピラゾリン誘導体、デカリルアミン誘導体等がある。また無機物では、ZnCdS:Ag、ZnS:Pb、ZnS:Cu等がある。蛍光剤は、反射率の低下が著しい可視光短波長領域(380〜470nm)に放射波長が存在することが好ましく、上記の蛍光剤のうち、一般的には蛍光増白剤と呼ばれているジアミノスチルベンジスルホン酸誘導体、イミダゾール誘導体、クマリン誘導体、ピラゾリン誘導体等が好適である。その添加量については、限定するものではないが、ピラゾリン誘導体の場合、混合物に対して0.1重量%程度の添加から効果を発揮し、添加量が多いほど効果が大きくなる。また、添加する蛍光増白剤は、溶剤に可溶であることが望ましい。
【0085】
本発明の白色プリプレグに使用するシート状ガラス繊維基材としては、ガラスクロス、不織布のいずれでもよく、ガラスクロスと不織布とを併用してもよい。ガラスクロスの場合、平織り構造を基本とするが、ななこ織り、繻子織り、綾織り等の織物構造でもよく、特に限定するものではない。外観や加工性を損なわないために経糸と緯糸の交差部の隙間が小さい織り構造を使用することが好ましい。ガラスクロスの厚みについては、特に制限はないが0.02〜0.3mmの範囲のものが取り扱いやすく好ましい。
【0086】
また、シート状ガラス繊維基材に、シランカップリング剤等による表面処理を行ってもよい。さらに、シート状ガラス繊維基材自身が白色に着色されたものでもよい。
【0087】
以上説明した混合物に必要応じてメチルエチルケトン等の溶剤を加え、樹脂ワニスを調製し、ガラスクロス等からなるシート状ガラス繊維基材に含浸させ、乾燥して本発明の白色プリプレグを製造する。樹脂組成物をシート状ガラス繊維基材に含浸・乾燥させる方法としては特に限定するものではなく、例えば樹脂組成物中に、シート状ガラス繊維基材を浸漬するなどして含浸させた後、100℃〜200℃程度の温度で1〜60分間加熱して溶剤の除去およびエポキシ樹脂を半硬化させる方法等が採用できる。シート状ガラス繊維基材に含浸・乾燥して製造する白色プリプレグの樹脂組成物含浸量は特に限定しないが30〜60重量%の範囲とするのが好ましい。前記プリプレグの乾燥条件の選定としては、例えば、予め樹脂ワニスのゲルタイムをゲルタイムテスター(安田精機製作所製)により測定しておくことが好ましい。ここで、ゲルタイムの測定条件としては、前記装置により160℃におけるゲルタイム(硬化時間:ローターのトルクが約3.3Kg・cmに達するまでに要する時間)を測定し、ワニス樹脂のゲルタイムが5分以上〜15分未満の範囲が好ましく、前記ゲルタイムが5分以上〜10分未満がより好ましい。樹脂ワニスのゲルタイムが短いと半硬化の状態を維持できず、均一なプリプレグ作製が困難となる。また、半硬化を維持できず硬化まで至ると後述する金属箔との張り合わせが困難になる。そのため、ワニスゲルタイム測定により、プロセスにあった条件で半硬化させることが好ましい。
【0088】
得られた白色プリプレグと銅箔、またはアルミ箔とを組み合わせを加熱加圧成形して本発明の白色積層板を製造する。又、重ね合わせる白色プリプレグの枚数は特に制限はないが、単層基板としては白色プリプレグ1枚、又は2〜10枚を重ね、金属箔張り白色積層板の場合はその上に、又は上下に金属箔を積層配置するのが一般的である。多層基板は、上記単層基板を複数枚積層して製造されるが、重ね合わせる枚数については特に制限はない。金属箔としては、銅箔、アルミニウム箔等が用いられる。又、金属箔の厚みは1μm〜105μmが一般的であり、特に1.5μm〜35μmの範囲とするのが好ましい。また、本発明の白色プリプレグを積層する表面層のみに使用し、中間層には従来技術によるプリプレグを使用することも可能である。このようにして得られた本発明の白色積層板、金属箔張り白色積層板は、可視光領域の反射率が高く、しかも加熱や紫外線による変色が著しく少なく、高い耐熱性を持った板厚精度に優れるプリント配線基板用白色積層板、及び金属箔張り白色積層板となる。金属箔張り積層板の積層成形条件としては、通常のプリント配線板用積層板の手法が適用でき、例えば、多段プレス、多段真空プレス、連続成形、オートクレーブ成形機などを使用し、温度:100〜300℃の範囲、圧力:2〜100kgf/cm2 、加熱時間:0.1〜5時間の範囲が一般的であるが、絶縁層厚みの均一化、気泡の除去等の点から、積層成形は70mmHg以下の真空下で行うことが好ましい。
【0089】
得られた白色積層板に、アディティブ法にて導体パターンを形成し、プリント配線基板とする。又、得られた金属箔張り白色積層板の金属箔上に回路パターンを印刷し、エッチングを施してプリント配線基板とする。チップLEDを該プリント配線基板に実装するには、先ずプリント配線基板上に半田を塗布し、その上にチップLEDを載置したのち、これをリフロー等に通して半田を溶融することでチップLEDをプリント基板に固定する。チップLEDを高密度集積させることで面光源としての利用も可能になり、このような面光源は特に薄型であることが要求される液晶ディスプレイ用バックライトに好適に利用される。その他、面発光型の照明装置として誘導表示照明灯、避難口照明灯、広告灯等へ応用される。
【0090】
チップLED実装用基板の板厚精度は、基板上に実装した素子をトランスファー成形で封止する際にきわめて重要である。ここでトランスファー成形とは、型締めした金型内に樹脂を圧入する手法のことをいう。チップLEDに用いられる基板の厚みは、0.06mmから1.0mmが一般的であるが、板厚の精度が悪ければ、トランスファー成形の際、型締め時に基板と金型との間に隙間が発生し、圧入した樹脂がその隙間から漏れて成形不良が発生する。このようなトランスファー成形における基板の板厚の要求精度は、例えば厚みが1.0mmの基板であれば許容差±0.05mm以下(範囲は0.1mm)、好ましくは許容差±0.03mm以下(範囲は0.06mm)である。従って、板厚精度の高い基板があればチップLEDの製造工程において不良率を大幅に低減でき、産業上極めて有意となる。
【実施例】
【0091】
次に実施例を示して本発明をさらに詳細に説明する。例中特に断りの無い限り「部」、「%」は重量基準である。
【0092】
合成例1〔ポリイミド樹脂(A)の合成〕
撹拌装置、温度計、コンデンサーを付けたフラスコにEDGA(ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート)92,250g、IPDI3N(イソホロンジイソシアネートのイソシアヌレート型トリイソシアネート:NCO%=18.2)36,450g(52.8mol)及びシクロヘキサン−1,3,4−トリカルボン酸−3,4−無水物24,300g(122.7mol)を加え、140℃まで昇温した。反応は、発泡とともに進行した。この温度で8時間反応させた。系内は淡黄色の液体となり、赤外スペクトルにて特性吸収を測定した結果、イソシアネート基の特性吸収である2270cm−1が完全に消滅し、1780cm−1、1720cm−1にイミド基の吸収が確認された。ついでフラスコを60℃に冷却してメチルエチルケトン(以下、MEKと省略する)を16,280gで希釈して取り出した。得られたポリイミド樹脂の酸価は固形分換算で124.8KOHmg/g、数平均分子量は6,500であった。この樹脂の溶液をポリイミド樹脂(A´1)(モノエポキシ化合物によるカルボキシル基の封鎖前のポリイミド樹脂)の溶液とする。尚、ポリイミド樹脂(A´1)の溶液の不揮発分は35.1質量%であった。
【0093】
合成例1で得られたポリイミド樹脂(A´1)の溶液を3,000g仕込んでフェニルグリシジルエーテル(以下、PGEと省略する)を376g(2.5mol)を仕込み、さらに触媒としてトリフェニルフォスフィン(以下、TPPと省略する)を6.7g添加して120℃まで昇温した。MEKを還流させながら120℃、8時間反応させ、ポリイミド樹脂(A1−1)のカルボキシル基を反応させたポリイミド樹脂(A1)の溶液を得た。得られたポリイミド樹脂(A1)の樹脂固形分酸価は1.62KOHmg/g、溶液粘度は720mPa.s(25℃)、不揮発分は38.8質量%、数平均分子量は6,700であった。尚、ポリイミド樹脂(A1)は、ポリイミド樹脂(A´1)のカルボキシル基は99%のモノエポキシ化合物が反応した。
【0094】
合成例2(同上)
PGEを215g(1.4mol)用いた以外は合成例2に準じて合成を行い、ポリイミド樹脂(A−2)を得た。得られたポリイミド樹脂(A2)の樹脂固形分酸価は36.0KOHmg/g、溶液粘度は1430mPa.s(25℃)で、不揮発分は37.6質量%、数平均分子量は6,600であった。尚、ポリイミド樹脂(A2)は、ポリイミド樹脂(A´1)のカルボキシル基は71%のモノエポキシ化合物が反応した。
【0095】
合成例3(同上)
PGEの代わりにオルソ−フェニルフェノールグリシジルエーテルを321g(1.4mol)用いた以外は合成例1に準じて合成を行い、ポリイミド樹脂(A3)を得た。得られたポリイミド樹脂(A3)の樹脂固形分酸価は38.5KOHmg/g、溶液粘度は1150mPa.s(25℃)で、不揮発分は38.3質量%、数平均分子量は6,700であった。尚、ポリイミド樹脂(A3)は、ポリイミド樹脂(A´1)のカルボキシル基は69%のモノエポキシ化合物が反応した。
【0096】
合成例4(同上)
PGEを133g(0.9mol)用いた以外は合成例1に準じて合成を行い、ポリイミド樹脂(A4)を得た。得られたポリイミド樹脂(A4)の樹脂固形分酸価は65.6KOHmg/g、溶液粘度は980mPa.s(25℃)で、不揮発分は35.8質量%、数平均分子量は6,500であった。尚、ポリイミド樹脂(A4)は、ポリイミド樹脂(A´1)のカルボキシル基は47%のモノエポキシ化合物が反応した。
【0097】
上記した諸特性は以下に記載した方法により測定した。
【0098】
[ポリイミド樹脂の粘度測定]
ポリイミド樹脂の25℃における粘度はE型粘度計(東機産業社製、型式:TV−22)を用いて測定した。
【0099】
[ポリイミド樹脂の溶液酸価測定]
100mL三角フラスコにポリイミド樹脂を約3〜5g秤量し、テトラヒドロフラン30mLを加えて溶解させた。これに指示薬としてフェノールフタレイン溶液を2,3滴加えて0.1mol/L水酸化カリウム・アセトン溶液にて滴定し、次式よりポリイミド樹脂組成物の溶液酸価を算出した。
溶液酸価=(V×F×5.61)/S
V:0.1mol/L水酸化カリウム・アルコール溶液の使用量(mL)
F:0.1mol/L水酸化カリウム・アルコール溶液の力価
S:試料の採取量(g)
【0100】
[ポリイミド樹脂の数平均分子量の測定]
数平均分子量の測定は東ソー株式会社製「HLC−8120 GPC」を用いて以下の測定条件により求めた。
カラム :東ソー株式会社製 TFKguardcolumnHXL−L、TFKgel(G1000HXL、G2000HXL、G3000HXL、G4000HXL)
検出器 :RI(示差屈折計)
測定条件:カラム温度:40℃
展開溶媒 テトラヒドロフラン
流速 1.0ml/min
標準 :ポリスチレン標準試料にて検量線作成
試料 :樹脂固形分換算で0.1重量%のTHF溶液をマイクロフィルターでろ過したもの(注入量:20μl)
【0101】
実施例1〜7及び比較例1
第1表に示す割合でポリイミド樹脂の溶液、エポキシ樹脂及びエポキシ樹脂の硬化剤を配合して本発明の熱硬化性樹脂組成物1〜7及び比較対照用熱硬化性樹脂組成物1´を得た。得られた熱硬化性樹脂組成物を用いて熱硬化性樹脂組成物のフィルムを作製し、以下に示す方法により硬化物の耐熱性と耐候性(耐紫外線性)を評価した。また、硬化前の熱硬化性樹脂組成物1〜7及び比較対照用熱硬化性樹脂組成物1´の安定性の評価も行い、これらの評価結果を第1表に示す。
【0102】
【表1】

【0103】
第1表の脚注
第1表中の数値はすべて固形物換算の質量比
エポキシ樹脂1:シクロヘキサン環含有エポキシ樹脂〔商品名:EHPE−3150、ダイセル化学工業(株)製〕
エポキシ樹脂2:ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂〔商品名:エピクロンN865、DIC(株)製〕
エポキシ樹脂3:トリス−(2,3−エポキシプロピル)−イソシアヌレート〔商品名:テピックS、日産化学(株)製〕
硬化剤1:ヘキサヒドロ無水フタル酸〔商品名:リカシッドHH、新日本理化(株)製〕
硬化剤2:ビスフェノールAノボラック樹脂〔商品名:フェノライトKH-6021、DIC(株)製〕
硬化剤3:オクチル酸亜鉛
硬化剤4:2―エチル−4−メチルイミダゾール
【0104】
耐熱性の評価は、まず、Tgの測定により行った。試験に用いる硬化物(フィルム)の作製方法とTgの測定方法を以下に示す。
【0105】
<硬化フィルムの作製方法>
熱硬化性樹脂組成物を熱硬化後に得られる塗膜の膜厚が30μmになるように鏡面アルミ基板上に塗装した。次いで、この塗装板を50℃の乾燥機で30分間、100℃の乾燥機で30分間、170℃の乾燥機で60分間乾燥して熱硬化させた。室温まで冷却した後、塗膜(フィルム)を所定の大きさに切り出し、鏡面アルミ基板から単離して測定用試料を得た。
【0106】
<動的粘弾測定によるTg(ガラス転移温度)の測定方法>
JIS K−7198に準じて、動的粘弾測定装置(以下、DMAと略記する。レオメトリックス株式会社製RSAII)を用いて、硬化フィルムを昇温速度2℃/min、測定周波数1Hz、測定温度範囲30℃〜400℃の範囲で測定した。得られるDMA曲線における損失正接のピーク極大値をガラス転移温度と定義した。
【0107】
また、以下の方法により耐熱性(耐熱黄変性)と耐候性(耐紫外線性)を評価した。
【0108】
<試験片の作製>
熱硬化性樹脂組成物を熱硬化後に得られる塗膜の膜厚が30μmになるように厚み2mmのガラス板上に塗装した。次いで、この塗装板を50℃の乾燥機で30分間、100℃の乾燥機で30分間、170℃の乾燥機で60分間乾燥して熱硬化させ試験片を得た。
【0109】
<耐熱黄変性の評価方法>
試験片を180℃の熱風乾燥機に24時間入れ、試験後に分光測色計(x−rite社製、SpectroEye)を用いてb値を測定した。下記基準に従って加熱下における熱硬化組成物の色度を評価した。
◎:b値が2未満
○:b値が2以上5未満
△:b値が5以上10未満
×:b値が10以上
【0110】
<耐紫外線性の評価方法>
試験片を耐光性試験機(東洋精機社製、サンテストCPS+)にて、ブラックスタンダード温度63℃、550W/m2、40時間連続照射した。試験後、分光測色計にてb値を測定し、下記基準に従って評価した。
◎:b値が2未満
○:b値が2以上5未満
△:b値が5以上10未満
【0111】
<熱硬化性樹脂組成物の安定性の評価方法>
熱硬化性樹脂組成物2gを用い、ゲルタイムテスター(安田精機製作所製)により、160℃におけるゲルタイム(硬化時間:ローターのトルクが約3.3Kg・cmに達するまでに要する時間)を測定し、下記の基準に従って評価した。
◎:ゲルタイムが10分以上〜15分未満
○:ゲルタイムが5分以上〜10分未満
×:ゲルタイムが5分未満
【0112】
実施例8
実施例1で得られた樹脂組成物1(ワニス)100質量部に対して、白色顔料としてルチル型二酸化チタンR−21(堺化学工業(株)製)56.3質量部、蛍光増白剤としてHR−101(中央合成化学(株)製、ピラゾリン誘導体、放射波長:450nm)0.2重量部を添加し、室温でペイントシェーカーにて1時間攪拌して白色ワニスを得た。この白色ワニスを厚さ50μm、重量48.5g/mの平織りEガラス織布(商品名:0634NW、(株)有沢製作所製)に含浸し、150℃で8分乾燥させ、ガラス布含有量が40重量%のプリプレグを作製した。このプリプレグを2枚重ね、その上下面に厚さ12μmの電解銅箔を配置し、180℃、35kgf/cm2、30mmHg以下の真空下で2時間積層成形し、絶縁層厚み120μmの銅張積層板を得た。ついで表面の銅箔をエッチングして評価用試料とした。
【0113】
得られた評価用試料を用いて実施例1〜7と同様にして耐熱性と耐候性(耐紫外線性)を評価すると共に、以下に記載した耐ハンダリフロー試験実施した。評価結果を第2表に示す。
【0114】
<耐ハンダリフロー試験の測定方法>
得られた金属箔張り白色積層板を10mmx50mmに切りだした後、260℃に加熱したハンダ浴に180秒間浸漬させてその状態を目視により観察した。
判定基準:○ 変化なし
× ふくれ、又はひび割れ発生
【0115】
比較例2
EHPE−3150〔ダイセル化学工業(株)製の脂環式エポキシ樹脂〕50部 、AER−6051EK75〔旭化成工業(株)製のビスフェノールA型エポキシ樹脂〕40重量部及びマープルーフG−0150M〔日本油脂(株)製のグリシジルメタクリレートコポリマー〕10重量部をメチルエチルケトン50重量部に溶解させ、ワニスAを得た。硬化剤としてジシアンジアミド3重量部、硬化促進剤としてC11Z−CN(四国化成工業(株)製、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール)0.1重量部をジメチルホルムアミド(以下DMFと表記)25重量部に溶解させ、ワニスBを得た。ワニスAとワニスBを混合し、白色顔料としてルチル型二酸化チタンR−21(堺化学工業(株)製)73重量部、蛍光増白剤としてHR−101(中央合成化学(株)製、ピラゾリン誘導体、放射波長:450nm)0.3重量部を添加し、室温で1時間攪拌して白色エポキシワニスを得た。ワニスAとワニスBを混合し、白色顔料としてルチル型二酸化チタンR−21(堺化学工業(株)製)73重量部、蛍光増白剤としてHR−101(中央合成化学(株)製、ピラゾリン誘導体、放射波長:450nm)0.3重量部を添加し、室温で1時間攪拌して白色エポキシワニスを得た。この白色エポキシワニスを用いて実施例7と同様にして金属箔張り白色積層板を得た。得られ白色積層板を用いて、実施例1と同様にして耐熱性(耐黄変性)と耐候性(耐紫外線性)を評価すると共に、耐ハンダリフロー試験実施した。評価結果を第2表に示す。
【0116】
【表2】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
脂肪族構造を有するイソシアネートから合成されたイソシアヌレート型ポリイソシアネート(a1)と脂肪族構造を有するトリカルボン酸無水物(a2)とを反応させて得られるカルボキシル基含有ポリイミド樹脂(A1)のカルボキシル基をモノエポキシ化合物(A2)で反応させて得られる酸価が70KOHmg/g以下のポリイミド樹脂(A)と、エポキシ樹脂(B)と、硬化剤(C)を含有することを特徴とする熱硬化型樹脂組成物。
【請求項2】
前記ポリイミド樹脂(A)が酸価10〜70KOHmg/gの範囲である請求項1記載の熱硬化型樹脂組成物。
【請求項3】
前記ポリイミド樹脂(A1)がイソシアヌレート型ポリイソシアネート(a1)として環式脂肪族構造を有するイソシアネートから合成されたイソシアヌレート型ポリイソシアネートを用い、且つ、脂肪族構造を有するトリカルボン酸無水物(a2)として環式脂肪族構造を有するトリカルボン酸無水物を用いて得られる酸価が100〜200KOHmg/gのポリイミド樹脂である請求項1記載の熱硬化型樹脂組成物。
【請求項4】
前記環式脂肪族構造を有するイソシアヌレート型ポリイソシアネート化合物がイソホロンジイソシアネートから合成されたイソシアヌレート型トリイソシアネートで、環式脂肪族構造を有するトリカルボン酸無水物がシクロヘキサン−1,3,4−トリカルボン酸-3,4−無水物である請求項3記載の熱硬化型樹脂組成物。
【請求項5】
前記脂肪族構造を有するイソシアネートから合成されたイソシアヌレート型ポリイソシアネート(a1)のイソシアネート基のモル数(N)と、脂肪族構造を有するトリカルボン酸無水物(a2)のカルボキシ基のモル数(M1)及び酸無水物基モル数(M2)の合計のモル数との比〔(M1)+(M2))/(N)〕が1.1〜3である請求項1記載の熱硬化型樹脂組成物。
【請求項6】
前記モノエポキシ化合物(a2)がフェニルグリシジルエーテル、N−グリシジルフタルイミド及びo−フェニルフェノールグリシジルエーテルからなる群から選ばれる一種以上のモノエポキシ化合物である請求項1記載の熱硬化型樹脂組成物。
【請求項7】
前記エポキシ樹脂(B)が、環式脂肪族構造を有するエポキシ樹脂である請求項1〜6のいずれか1項記載の熱硬化性樹脂組成物。
【請求項8】
前記ポリイミド樹脂(A)とエポキシ樹脂(B)との質量比(ポリイミド樹脂(A)/エポキシ樹脂(B))が20/80〜80/20の範囲である請求項1〜7のいずれか1項記載の熱硬化性樹脂組成物。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか1項記載の熱硬化性樹脂組成物と白色顔料を含む合物を、シート状ガラス繊維基材に含浸、乾燥させてなることを特徴とする白色プリプレグ。
【請求項10】
請求項9に記載のプリプレグと金属箔を組み合わせたものを加熱加圧成形して熱硬化させて得られることを特徴とする白色積層板。
【請求項11】
請求項10記載の白色積層板を使用してなるチップ型発光ダイオードを実装するためのプリント配線基板。

【公開番号】特開2013−40253(P2013−40253A)
【公開日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−176776(P2011−176776)
【出願日】平成23年8月12日(2011.8.12)
【出願人】(000002886)DIC株式会社 (2,597)
【Fターム(参考)】