説明

翻訳制御によるVEGF生成を阻害するための活性因子としてのテトラヒドロカルバゾール

本発明に従って、VEGFの転写後の発現を阻害する化合物が同定され、そして、それらの化合物の使用方法が、提供されている。本発明の1つの局面において、式(I)〜式(VIII)の化合物が提供される。これらの化合物がVEGF生成の阻害において、および/または脈管形成の阻害において、および/または癌、糖尿病性網膜症、関節リウマチ、乾癬、アテローム性動脈硬化症、肥満症、慢性炎症または滲出性黄斑変性の処置において有用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願)
本願は、米国特許法第119条に基づいて、2004年12月6日に出願された米国仮特許出願第60/633,738号に対する優先権およびその利益を主張する。この仮特許出願は、その全体が参考として本明細書中に援用される。本願は、米国特許法第119条に基づいて、2004年11月23日に出願された米国仮特許出願第60/629,889号、および2004年12月27日に出願された米国仮特許出願第60/639,283号に対する優先権およびその利益を主張する。
【0002】
(技術分野)
本発明は、脈管形成を阻害するための方法、化合物、および組成物に関する。さらに詳細には、本発明は、VEGF生成を阻害するための方法、化合物、および組成物に関する。
【背景技術】
【0003】
(発明の背景)
異常な脈管形成は、多くの疾患(悪性障害、虚血性障害、炎症性障害、免疫性障害を含む)の病因において重大な役割を果たす(1、2)。これらの障害のうち最もよく知られているものは、癌、滲出性黄斑変性および糖尿病性網膜症(DR)であり、滲出性黄斑変性および糖尿病性網膜症は、米国での失明の主な原因である(3、4)。この十年の間に、脈管形成の分子的基礎に関する本発明者らの理解が、かなり養われている。脈管形成を刺激する多くのサイトカインおよび増殖因子(例えば、VEGF、FGF−2、PDGF、IGF−1、TGF、TNFα、G−CSF)が同定されている(5〜7)。これらの増殖因子の中で、血管内皮細胞増殖因子(VEGF)が、脈管形成において中心的な役割を果たす(2)。
【0004】
VEGF(VEGF−Aとしても公知)は、脈管透過性を導く能力、および脈管の内皮細胞増殖を促進する能力に関して、最初に同定された(8〜10)。VEGFは、可変スプライシングにより4つのアイソフォームを生じる単一遺伝子によりコードされる(11)。全4つのアイソフォームは、同一の異常に長くGCリッチな5’−UTR、および複数のRNA安定性決定因子を含む3’−UTRを共有する。レセプターVEGFR−2(KDRまたはFlk−1としても公知)およびVEGFR−1(Flt1として既に公知)は、VEGFの二量体形態を認識する。非常に特異的なVEGFR−2レセプターは、内皮細胞に発現される。VEGFR−2レセプターに結合しているVEGFは、レセプターのチロシンキナーゼ活性を活性化し、内皮細胞の増殖、分化および原始脈管形成を導く(14)。VEGFR−1は、おとりとして作用することによるか、または、VEGFR−2を通じてシグナル経路を抑制することによるかのいずれかで、増殖を阻害する(15)。
【0005】
30年以上前に、腫瘍脈管形成の阻害が、ガンの処置のための効果的なアプローチであり得ることが提案された(16)。その後の研究は、脈管形成の調節因子(VEGF,FGFs、PDGF、TGF、EGF、IL−8、IL−6、およびアンジオポエチンなどが挙げられる)が、腫瘍増殖および腫瘍転移に関与することを示している(17,18)。VEGFおよびそのレセプターは、腫瘍脈管形成、特に、腫瘍増殖の初期段階において、中心的な役割を有することが示されている(19)。実際は、VEGF発現の増加したレベルは、原発腫瘍組織において、微細血管密度と相関している(20)。さらに、VEGF転写の増加したレベルは、ほとんど全ての一般的な固体腫瘍において見出されている(21)。一般に、腫瘍を有する患者は、腫瘍のない個体のVEGFレベルと比較して、より高いVEGFレベルを有しており、そして、血清/血漿中の高いVEGFレベルは、不良な予後と関係している(22)。腫瘍脈管形成におけるVEGFの役割と一致して、VEGFヌル胚幹細胞は、ヌードマウス中で腫瘍を形成することについて劇的に低下した能力を示した(23)。腫瘍形成におけるVEGFの関与に関する直接的な証拠は、ヌードマウス中に移植したヒト異種移植片において、VEGFに対する特異的な抗体を用いることにより示された(24、25)。これらの研究では、腫瘍増殖の阻害が、抗体で処置したマウスにおいて、脈管形成の減少と、ポジティブに相関した。可溶性のレセプターを用いたその後の実験は、腫瘍増殖におけるVEGF活性の重要性を実証し(26)、特異的な抗体処置によるVEGFの不活化が、腫瘍関連の新生血管形成のほぼ完全な抑制を直接的にもたらしたことを示した(27、28)。
【0006】
滲出性黄斑変性および糖尿病性網膜症では、臨床前実験および臨床試験により、VEGFの過剰生成が、異常な網膜の新生血管形成または脈絡膜の新生血管形成に重要であることが示されている(3で概説される)。眼内のVEGFレベルが、疾患(例えば、糖尿病性網膜症および湿式の黄斑変性)を有する患者において、活性な網膜の新生血管形成/脈絡膜の新生血管形成(CNV)と強く関与しているという証拠が得られている(29、30)。加えて、トランスジェニックマウスを使用した研究は、網膜色素上皮細胞または光受容細胞中のVEGFの過剰の発現が、脈絡膜の新生血管形成または網膜の新生血管形成をもたらすことを示した(31、32)。近年の研究において、中和抗体、可溶性レセプター、受容体アンタゴニスト、またはsiRNAが、動物モデルにおいておよび臨床において、VEGF媒介性の血管形成を減少するのに効果的であると判明している(33、34〜37)。
【0007】
VEGF発現は、多くの要因および因子(サイトカイン、増殖因子、ステロイドホルモンおよび化学物質、ならびに癌遺伝子(例えば、rasまたは癌抑制遺伝子VHLの活性を調節する変異を含む)により調節される(38、39)。それにもかかわらず、低酸素症は、VEGF発現の調節に関する最も重大な生理的信号である。低酸素症は、転写速度およびVEGF転写産物の安定性の両方を増加させることにより、増大したVEGF発現をもたらす(40〜42)。低酸素誘発性因子1α(HIF−1α)は、VEGFプロモータにある低酸素応答エレメント(HRE)に結合することによって、低酸素状態にある細胞中でのVEGF遺伝子発現を増大させる転写因子である(43、44)。VEGF mRNAの安定性はまた、3’−UTRにおける、エレメントへの因子の結合の結果として大いに増大される(45)。加えて、VEGF転写産物の翻訳開始は、特有の形で調節される。低酸素条件下では、キャップ依存性の翻訳開始プロセスにより媒介されるほとんどの細胞の転写産物の翻訳が、非常に減損する(46)。しかしながら、VEGF mRNAの翻訳の開始が、VEGF 5’UTR内で内部リボソーム侵入部位(IRES)を介して媒介されるという点で、このVEGF mRNAの翻訳の開始は、低酸素条件下で特有である(41、42、47、48)。
【0008】
腫瘍増殖が、新生血管形成の予防により阻害され得ることを示す、大多数の実験的な証拠がある(26、49)。腫瘍脈管は一般に未熟であり、絶えず再構築を受ける(1、50)。活性な脈管形成および異常な脈管形成は、脈管形成促進(proangiogenesis)因子および脈管形成阻害因子(サイトカイン、増殖因子およびステロイドホルモンを含む)の通常のバランスの崩壊の結果である。腫瘍脈管形成の調節の複雑性にもかかわらず、蓄積した証拠は、単一の脈管形成促進因子を標的とすることが、腫瘍脈管形成の阻害および腫瘍増殖の抑制に十分であり得ることを示す(24、51、52)。多くの脈管形成の標的の中で、VEGFおよびその受容体は、最も魅力的である(1、12)。上記のように、VEGFを特異的に標的とするモノクローナル抗体を用いる処置は、ヌードマウスに移植されたヒト異種移植片での腫瘍の増殖を阻害した。その後、VEGFを不活性化するために設計された種々のアプローチが、腫瘍モデルで試験され、そして、癌腫、肉腫および神経膠腫を含む広範な腫瘍細胞株で非常に有効であることを示している(21、24、51〜53)。加えて、抗VEGF抗体によるVEGFの阻害は、十分に発達したげっ歯類または霊長類において、重大な副作用を結果として生じなかった(54、55)。ひとまとめにすると、これらの結果は、VEGFが腫瘍治療の発達に関する有効な標的であることを示唆する。実際に、多くの臨床試験が、VEGFインヒビターを用いて、進行中である(17、25)。
【0009】
数種の脈管形成促進因子が、滲出性の加齢性黄斑変性の病理学に関与しているが、VEGFは、この疾患の病原論および発症において、最も重大であるようである(3,56)。臨床前実験および臨床試験からのデータは、VEGFのみの遮断が、疾患の進行を軽減または安定させるのに十分であることを示している(33,34〜37)。例えば、特異的なチロシンキナーゼインヒビターによるVEGFRシグナル伝達の阻害は、早熟モデルのネズミの網膜において、網膜の新生血管形成を完全に防止するのに十分である(57)。さらに、近年、マウスのVEGFに対して向けられた低分子干渉RNA(siRNA)が、マウスモデルにおいて、レーザー光凝固後の眼の新生血管形成を十分に阻害したことが示されている(58)。これらの結果は、VEGF発現の選択的阻害が達成可能であり、そして眼の新生血管障害(例えば、滲出性黄斑変性および糖尿病性網膜症)の処置のための本発明のアプローチの有効性を提供することを示す。
【0010】
3つのアプローチが、VEGF活性を阻害するために使用されている。この3つのアプローチは、(1)VEGF/VEGFR相互作用に対する特異的な抗体、可溶性のVEGF受容体またはアプタマーオリゴを用いることによるVEGF活性の中和(24、26、27、49、51、59、60);(2)特異的な低分子チロシンキナーゼインヒビターによるVEGFR媒介性のシグナル変換の阻害(52、61、62);および(3)アンチセンス、siRNAまたはリボザイムを用いることによるVEGF/VEGFR発現の阻害(58、63〜65)を包含する。これらの全てのアプローチは、インビボで脈管形成の有意な阻害を示すが、それら全ては、重大な制限を有する。例えば、治療タンパク質(抗体および可溶性レセプター)またはオリゴ(アンチセンス、siRNAおよびリボザイム)は、通常非経口投与を必要とし、そして生成するのに費用のかかる透過性の乏しい大きな分子である。眼の慢性新生血管形成の処置では、複数回の注入は、潜在的な合併症(例えば、網膜剥離および手順に関する感染)に起因して実用的でない可能性がある。さらに、チロシンキナーゼインヒビターは、制限された特異性に関する潜在性を有する。VEGFは、通常の眼および他の組織において、本質的に低レベルで発現される。従って、特に、AMDおよびRDの患者(その多くは高血圧でもある)に対して、抗体またはチロシンキナーゼインヒビターを全身的に投与することによりVEGF機能を完全に抑制するのは、有害であり得る(66〜69)。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
従って、新規な新脈管形成阻害薬の開発のためにリード分子を開発し、特徴づけ、最適化する必要性が残されている。従って、そのような化合物を提供することが本発明の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0012】
(発明の要旨)
本発明に従って、VEGFの転写後の発現を阻害する化合物が同定され、そして、それらの化合物の使用方法が、提供されている。
【0013】
本発明の1つの局面において、式(I)〜式(VIII)の化合物が提供される。これらの化合物がVEGF生成の阻害において、および/または脈管形成の阻害において、および/または癌、糖尿病性網膜症、関節リウマチ、乾癬、アテローム性動脈硬化症、肥満症、慢性炎症または滲出性黄斑変性の処置において有用である。
【0014】
本発明の別の局面において、本明細書中に記載された化合物を用いて、VEGF生成の阻害、および/または脈管形成の阻害、および/または癌、糖尿病性網膜症、慢性関節リウマチ、乾癬、アテローム性動脈硬化症、慢性炎症または滲出性黄斑変性の処置に関して、方法が提供される。
【0015】
1つの実施形態では、本発明はVEGF生成の阻害方法に関する。この方法は、それを必要とする被験体に本発明の少なくとも1つの化合物のVEGFを阻害する量を投与する工程を包含する。
【0016】
別の実施形態では、脈管形成を阻害する方法が提供される。この方法は、それを必要とする被験体に本発明の少なくとも1つの化合物の抗脈管形成量を投与する工程を包含する。
【0017】
また別の実施形態では、癌、糖尿病性網膜症、慢性関節リウマチ、乾癬、アテローム性動脈硬化症、慢性炎症または滲出性黄斑変性の処置に関する方法が、それを必要とする被験体に提供される。この方法は、本発明の少なくとも1つの化合物の治療的有効量を投与する工程を包含する。
【0018】
本発明のこれらの局面および他の局面が、以下の好ましい実施形態および詳細な説明に関して、より明確に理解される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
(特定の実施形態)
実施形態1。被験体において、VEGF生成を阻害する方法であって、その方法は、それを必要とする被験体に、式(I)〜式(VIII)の化合物、またはそのエナンチオマー、ジアステレオマー、薬学的に受容可能な塩、プロドラッグ、溶媒和物またはその混合物からなる群から選択される化合物のVEGFを阻害する量を投与する工程を包含する、方法。
【0020】
実施形態2。被験体において、脈管形成を阻害する方法であって、その方法は、それを必要とする被験体に、式(I)〜式(VIII)の化合物、またはそのエナンチオマー、ジアステレオマー、薬学的に受容可能な塩、プロドラッグ、溶媒和物またはその混合物からなる群から選択される化合物の抗脈管形成量を投与する工程を包含する、方法。
【0021】
実施形態3。被験体において、癌を処置する方法であって、その方法は、それを必要とする被験体に、式(I)〜式(VIII)の化合物、またはそのエナンチオマー、ジアステレオマー、薬学的に受容可能な塩、プロドラッグ、溶媒和物またはその混合物からなる群から選択される化合物の治療的有効量を投与する工程を包含する、方法。
【0022】
実施形態4。被験体において、糖尿病性網膜症を処置する方法であって、その方法は、それを必要とする被験体に、式(I)〜式(VIII)の化合物、またはそのエナンチオマー、ジアステレオマー、薬学的に受容可能な塩、プロドラッグ、溶媒和物またはその混合物からなる群から選択される化合物の治療的有効量を投与する工程を包含する、方法。
【0023】
実施形態5。被験体において、滲出性黄斑変性を処置する方法であって、その方法は、それを必要とする被験体に、式(I)〜式(VIII)の化合物、またはそのエナンチオマー、ジアステレオマー、薬学的に受容可能な塩、プロドラッグ、溶媒和物またはその混合物からなる群から選択される化合物の治療的有効量を投与する工程を包含する、方法。
【0024】
実施形態6。被験体において、慢性関節リウマチを処置する方法であって、その方法は、それを必要とする被験体に、式(I)〜式(VIII)の化合物、またはそのエナンチオマー、ジアステレオマー、薬学的に受容可能な塩、プロドラッグ、溶媒和物またはその混合物からなる群から選択される化合物の治療的有効量を投与する工程を包含する、方法。
【0025】
実施形態7。被験体において、乾癬を処置する方法であって、その方法は、それを必要とする被験体に、式(I)〜式(VIII)の化合物、またはそのエナンチオマー、ジアステレオマー、薬学的に受容可能な塩、プロドラッグ、溶媒和物またはその混合物からなる群から選択される化合物の治療的有効量を投与する工程を包含する、方法。
【0026】
実施形態8。被験体において、アテローム性動脈硬化症を処置する方法であって、その方法は、それを必要とする被験体に、式(I)〜式(VIII)の化合物、またはそのエナンチオマー、ジアステレオマー、薬学的に受容可能な塩、プロドラッグ、溶媒和物またはその混合物からなる群から選択される化合物の治療的有効量を投与する工程を包含する、方法。
【0027】
実施形態9。被験体において、肥満症を処置する方法であって、その方法は、それを必要とする被験体に、式(I)〜式(VIII)の化合物、またはそのエナンチオマー、ジアステレオマー、薬学的に受容可能な塩、プロドラッグ、溶媒和物またはその混合物からなる群から選択される化合物の治療的有効量を投与する工程を包含する、方法。
【0028】
実施形態10。被験体において、慢性炎症を処置する方法であって、その方法は、それを必要とする被験体に、式(I)〜式(VIII)の化合物、またはそのエナンチオマー、ジアステレオマー、薬学的に受容可能な塩、プロドラッグ、溶媒和物またはその混合物からなる群から選択される化合物の治療的有効量を投与する工程を包含する、方法。
【0029】
実施形態11。細胞中のVEGFを選択的に阻害する方法であって、その方法は、その細胞でVEGFを選択的に阻害するのに十分な条件下で十分な時間、式(I)〜式(VIII)の少なくとも1つの化合物、またはそのエナンチオマー、ジアステレオマー、薬学的に受容可能な塩、プロドラッグ、溶媒和物またはその混合物の有効量にその細胞を曝露する工程を包含する、方法。
【0030】
実施形態12。細胞中のVEGFを選択的に阻害する方法であって、その方法は、その細胞でVEGFを選択的に阻害するのに十分な条件下で十分な時間、薬学的に受容可能な賦形剤および式(I)〜式(VIII)の少なくとも1つの化合物、またはそのエナンチオマー、ジアステレオマー、薬学的に受容可能な塩、プロドラッグ、溶媒和物またはその混合物を含む組成物の有効量にその細胞を曝露する工程を包含する、方法。
【0031】
実施形態13。疾患の徴候または経過が異常なVEGF生成により促進される疾患を処置するまたは予防する方法であって、その方法は、その細胞でVEGFを選択的に阻害するのに十分な条件下で十分な時間、式(I)〜式(VIII)の少なくとも1つの化合物、またはそのエナンチオマー、ジアステレオマー、薬学的に受容可能な塩、プロドラッグ、溶媒和物またはその混合物の治療的有効量を、それを必要とする被験体に投与する工程を包含する、方法。
【0032】
実施形態14。異常な脈管形成を阻害する方法であって、その方法は、その細胞でVEGFを選択的に阻害するのに十分な条件下で十分な時間、式(I)〜式(VIII)の少なくとも1つの化合物、またはそのエナンチオマー、ジアステレオマー、薬学的に受容可能な塩、プロドラッグ、溶媒和物またはその混合物の治療的有効量を、それを必要とする被験体に投与する工程を包含する、方法。
【0033】
実施形態15。薬学的組成物であって、式(I)〜式(VIII)の化合物、またはそのエナンチオマー、ジアステレオマー、薬学的に受容可能な塩、プロドラッグ、溶媒和物またはその混合物および薬学的に受容可能な賦形剤からなる群から選択される化合物を含有する、薬学的組成物。
【0034】
実施形態16。VEGFを阻害する組成物であって、式(I)〜式(VIII)の少なくとも1つの化合物、またはそのエナンチオマー、ジアステレオマー、薬学的に受容可能な塩、プロドラッグ、溶媒和物またはその混合物を含有する、組成物。
【0035】
実施形態17。薬学的組成物の調製に関する式(I)〜式(VIII)の化合物の使用。
【0036】
実施形態18。化合物191〜化合物239から選択される化合物の使用。
【0037】
本発明に従って、VEGFの転写後の発現を阻害する化合物が同定され、そして、それらの化合物の使用方法が、提供されている。本発明の化合物は、VEGF生成の阻害において、および/または脈管形成の阻害において、および/または疾患の徴候または経過が異常なVEGF生成または異常な脈管形成により促進される疾患の処置または予防において有用であり得る。
【0038】
当業者に認識されるように、本発明の特定の化合物は、キラル中心を含み得、そして、そのようなものとして、ラセミ混合物としてまたは鏡像異性的に純粋な組成物として存在し得る。例えば、この化合物は、鏡像異性的に純粋な組成物中のR異性体またはS異性体として存在し得る。
【0039】
(発明の詳細な説明)
脈管形成に関する鍵となる要因である血管内皮細胞増殖因子(VEGF)のアップレギュレーションは、癌、糖尿病性網膜症および滲出性黄斑変性の病因の重要な一因である。本発明に従って、VEGFの転写後の発現を阻害する化合物が同定され、そしてそれらの使用方法を提供される。本発明の化合物は、VEGF発現の阻害に関する低いナノモル(nonomolar)活性を有する。
【0040】
(本発明の化合物)
本発明の1つの実施形態では、VEGF生成の阻害において、および/または新脈管形成の阻害において、および/または癌、糖尿病性網膜症、関節リウマチ、乾癬、アテローム性動脈硬化症、肥満症、慢性炎症または滲出性黄斑変性の処置において有用である化合物が提供される。特定の実施形態では、本発明の化合物は、VEGF生成を特異的に阻害する。他の実施形態において、本発明の化合物は、VEGF生成および他の脈管形成因子(例えば、FGF−2が挙げられる)の生成を阻害する。これに関して、全ての脈管形成インヒビターは、眼の新生血管形成障害の処置に関して好ましくあり得る。
【0041】
当業者により認識されるように、本発明の特定の化合物は、キラル中心を含み得、そして、そのようなものとして、ラセミ混合物としてまたは鏡像異性的に純粋な組成物として存在し得る。例えば、この化合物は、鏡像異性的に純粋な組成物中でR異性体またはS異性体として存在し得る。
【0042】
本明細書中で使用される場合、「鏡像異性的に純粋な」とは、実質的に単一の異性体からなり、好ましくは、75%、80%、85%、90%、92%、95%、98%、99%、または100%の単一の異性体からなる組成物をいう。
【0043】
本発明の好ましい化合物は、以下に示すような、式(I)の化合物、そのエナンチオマー、ジアステレオマー、薬学的に受容可能な塩、プロドラッグ、溶媒和物またはその混合物を包含する:
【0044】
【化12】

ここで:
(a)Xは、−NR10、−N(アルキル)−C(O)−アリール、−N(アルキル)−C(O)−ハロゲン置換アリール、オキソ、OR、H、置換もしくは非置換フェニルアミノカルボニル、置換もしくは非置換フェニル、オキシム、置換もしくは非置換アルコキシカルボニル、ヒドロキシカルボニル(すなわち、−COOH)、または置換もしくは非置換ヘテロ環式環であって;ここで、
およびR10は、各々独立してH、置換もしくは非置換C1〜6アルキル、置換もしくは非置換C〜Cアルコール、置換もしくは非置換カルボニル(すなわち、−C(O)H)、置換もしくは非置換単環式もしくは二環式シクロアルキル、置換もしくは非置換単環式もしくは二環式ヘテロ環式環、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換アルケニル、置換もしくは非置換スルホニル、置換もしくは非置換アリールアルキル、置換もしくは非置換ヘテロシクロアルキル、置換もしくは非置換アミノチオカルボニルであって、ここで、RおよびR10の少なくとも1つがHであるか、
あるいは、RおよびR10は、それらが結合する原子と一緒に単環式もしくは二環式ヘテロ環式環を形成し、
ここで、少なくとも1つの環が1つまたは2つのヘテロ原子を含み;
(b)R、RおよびRは、各々独立してH、−OH、またはアルキルであって、ここで、Rは必要に応じて、Xとともに置換もしくは非置換5員〜11員のモノへテロ環式環またはビへテロ環式環を形成し得;
(c)nは、0、1、または2であって、ここで、nが0の場合、Rは、存在せず;
(d)R、R、RおよびRは、各々独立してH、−OH、置換もしくは非置換C1〜6アルキル、置換もしくは非置換カルボニル(すなわち、−C(O)H)、置換もしくは非置換アルコキシ、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ニトロ、シアノ、置換もしくは非置換ヘテロ環式環、置換もしくは非置換アミノ、置換もしくは非置換フェニル、置換もしくは非置換フェノキシ、置換もしくは非置換シクロアルキル、置換もしくは非置換アルケニル、置換もしくは非置換アルキニル、あるいは置換もしくは非置換アルコキシカルボニル、またはヒドロキシカルボニルであり;
(e)WはN、O、またはSであり;
(f)RはH、C1〜3アルキル、置換もしくは非置換シクロアルキル、置換もしくは非置換カルボニル(すなわち、−C(O)H)であるか、またはXと一緒に置換もしくは非置換5員〜11員の単環式へテロ環式環または二環式へテロ環式環を形成する。ただし、WがOまたはSである場合、Rは、存在しない;
(g)ただし、式Iの化合物は、化合物156〜188から選択される化合物ではない。
【0045】
本明細書中で使用される場合、用語「アルキル」は、必要に応じて置換された、分枝もしくは直鎖の飽和炭化水素ラジカルを意味する。例えば、制限なく、アルキルの実施形態としては、C〜Cアルキル、C〜Cアルキル、またはC〜C12アルキルが挙げられる。
【0046】
本明細書中で使用される場合、用語「アルケニル」は、少なくとも1つの炭素−炭素二重結合を有し、必要に応じて置換された、分枝もしくは直鎖の不飽和炭化水素ラジカルを意味する。
【0047】
本明細書中で使用される場合、用語「アルキニル」は、少なくとも1つの炭素−炭素三重結合を有し、必要に応じて置換された、分枝もしくは直鎖の脂肪族炭化水素ラジカルを意味する。
【0048】
本明細書中で使用される場合、用語「芳香環」は、必要に応じて置換された単環式芳香族炭化水素環を意味する。この芳香族環は、芳香族二環式環系(例えば、ナフチル)の一部であり得る。あるいは、二環式環系で芳香環が結合している環は、脂肪族環であり得る。
【0049】
本明細書中で使用される場合、用語「アリール」は、必要に応じて置換された安定な5員〜7員の単環式炭化水素ラジカル、または安定な8員〜11員の二環式芳香族炭化水素ラジカルを意味する。
【0050】
本明細書中で使用される場合、用語「シクロアルキル」は、必要に応じて置換された3〜10個の炭素原子を有する脂肪族炭化水素環のラジカルを意味する。
【0051】
本明細書中で使用される場合、用語「シクロアルキルアルキル」は、シクロアルキル置換基を有する必要に応じて置換されたアルキルラジカルを意味する。
【0052】
本明細書中で使用される場合、用語「ヘテロ原子」は、炭素または水素以外の任意の元素である原子を意味する。
【0053】
本明細書中で使用される場合、用語「複素環」および用語「ヘテロ環式環」は、必要に応じて置換された安定な5員〜7員の単環式炭化水素環、または必要に応じて置換された安定な8員〜11員の二環式炭化水素環であって、1〜4の炭素原子が、N、O、およびSからなる群から選択されるヘテロ原子で置換されているものを意味する。二環式複素環の場合、置換は、いずれの環でも起こり得る。さらに、複素環は、飽和または不飽和であり得、そして脂肪族または芳香族であり得る。
【0054】
本明細書中で使用される場合、用語「オキシム」は、オキシム基=NOR26のラジカルを意味する。ここで、R26は、HまたはC〜Cアルキルであり、オキシムラジカルは、オキシム窒素から二重結合を介して特定の原子に結合される。好ましい実施形態では、R26は、Hである。
【0055】
本明細書中で使用される場合、句「薬学的に受容可能な塩」は、有機酸および無機酸(例えば、酢酸、乳酸、クエン酸、桂皮酸、酒石酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸、マロン酸、マンデル酸、リンゴ酸、シュウ酸、プロピオン酸、塩酸、臭化水素酸、リン酸、硝酸、硫酸、グリコール酸、ピルビン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、トルエンスルホン酸、サリチル酸、安息香酸、および同様に受容可能な酸)に由来するそれらの塩をいう。
【0056】
本明細書中で使用される場合、用語「アミノチオカルボニル」は、アミノ基がチオカルボニル基の炭素に結合されているラジカルを意味する。チオカルボニル基は、炭素原子が、二重結合を介して硫黄原子に結合されるものである。アミノチオカルボニルラジカルの示された原子に対する結合点は、チオカルボニル部分の炭素原子である。
【0057】
本明細書中で使用される場合、用語「置換」は、一部分が、1つ以上の置換基により置き換えられた1つ以上のその水素原子を有することを意味する。適した置換基の例としては、以下のものが挙げられるが、これらに限定されない:
【0058】
【化13】

【0059】
【化14】

ここで、
30およびR31は各々、独立して、Hまたはアルキルであるか;あるいは
30およびR31はそれらが結合する、5員〜7員の窒素含有ヘテロ環式環を形成し得る。
【0060】
式(I)のある実施形態では、Xはフェニルである。式(I)の別の実施形態では、Xは置換フェニルである。式(I)の化合物の好ましい実施形態では、Xは置換フェニルであり、この置換フェニルは、1つ以上のR基を単独でまたは上記用語「置換」に関して説明された部分と組合せて有し得る。
【0061】
は、ハロゲン;−ORd基;5員〜6員の複素環;5員〜6員のヘテロアリール;またはC〜Cアルキル基から独立して選択される。ここで、アルキル基は、1つ以上の独立して選択されたハロゲン基で必要に応じて置換されている。
【0062】
は、ヒドロキシル;アミノ;アルキルアミノ(ここで、アルキルアミノは、ヒドロキシル、アミノ、アルキルアミノ、C〜Cアルコキシ、少なくとも1つの独立して選択されたC〜Cアルキル、オキソ、−C(O)RCCで必要に応じて置換された3員〜12員の複素環、またはC〜Cアルキルで必要に応じて置換された5員〜12員のヘテロアリールで必要に応じて置換されている);C〜Cアルコキシ;C〜Cアルケニル;C〜Cアルキニル;C〜C10アリール(ここで、アリールは、少なくとも1つの独立して選択されたハロゲンまたはC〜Cアルコキシで必要に応じて置換されている);5員〜12員のヘテロアリール、3員〜12員の複素環基(ここで、複素環は、少なくとも1つの独立して選択されたアセトアミド、−C(O)RCC、5員〜6員の複素環、またはヒドロキシル、C〜Cアルコキシ、アミノ基、もしくはアルキルアミノ基で必要に応じて置換されたC〜Cアルキルで必要に応じて置換されている);あるいはC〜Cアルキル(ここで、アルキルは、少なくとも1つの独立して選択されたC〜Cアルコキシ、C〜C10アリール、アミノ、または3員〜12員の複素環基で必要に応じて置換されており、ここで、アミノおよび複素環基は、少なくとも1つの独立して選択されたC〜Cアルキル、オキソ、または−C(O)O−RCC基で必要に応じて置換されている)であり;
bbは、水素、アルキルアミノ(ここで、アルキルアミノは、ヒドロキシル、アミノ、アルキルアミノ、C〜Cアルコキシ、少なくとも1つの独立して選択されたC〜Cアルキル、オキソ、−C(O)O−RCCで必要に応じて置換された3員〜12員の複素環、またはC〜Cアルキルで必要に応じて置換された5員〜12員のヘテロアリールで必要に応じて置換されている);C〜Cアルケニル;C〜Cアルキニル;C〜C10アリール(ここで、アリールは、少なくとも1つの独立して選択されたハロゲンまたはC〜Cアルコキシで必要に応じて置換されている);5員〜12員のヘテロアリール;3員〜12員の複素環基(ここで、複素環は、少なくとも1つの独立して選択されたアセトアミド、−C(O)O−RCC、5員〜6員の複素環、またはヒドロキシル、C〜Cアルコキシ、アミノ基、もしくはアルキルアミノ基で必要に応じて置換されたC〜Cアルキルで必要に応じて置換されている);あるいはC〜Cアルキル(ここで、アルキルは、少なくとも1つの独立して選択されたC〜Cアルコキシ、C〜C10アリール、アミノ、または3員〜12員の複素環基で必要に応じて置換されており、ここで、アミノ基および複素環基は、少なくとも1つの独立して選択されたC〜Cアルキル、オキソ、または−C(O)O−RCC基で必要に応じて置換されている)であり;
は、ヒドロキシル、C〜Cアルコキシ、アミノ、またはC〜Cアルキルであり;
ccは、水素、またはC〜Cアルキルであり;そして
は、水素;C〜Cアルキレン;C〜Cアルキニル;−C(O)O−Rbb;−C(O)−NH−Rbb;5員〜6員の複素環;5員〜6員のヘテロアリール;C〜Cアルキル基(ここで、アルキル基は、少なくとも1つの独立して選択されたヒドロキシル、ハロゲン、C〜Cアルコキシ、アミノ、アルキルアミノ、アセトアミド、−C(O)−Rb、−C(O)O−Rbb、C〜C10アリール、3員〜12員の複素環、または5員〜12員のヘテロアリール基で必要に応じて置換されており、さらにここで、アルキルアミノは、ヒドロキシル、C〜Cアルコキシ、またはC〜Cアルキルで必要に応じて置換された5員〜12員のヘテロアリールで必要に応じて置換されており、さらにここで、アセトアミドは、C〜Cアルコキシ、スルホニル、またはアルキルスルホニルで必要に応じて置換されており、そして、さらにここで、複素環基は、ヒドロキシル基、−C(O)RC、−C(O)O−RCC、またはオキソ基で必要に応じて置換されたC〜Cアルキルで必要に応じて置換されている)である。
【0063】
別の好ましい実施形態では、本発明は、式(I)の範囲内の化合物の好ましいクラスを含む化合物を提供し、その好ましいクラスは以下に示される式(Ia)の化合物、およびそのエナンチオマー、ジアステレオマー、薬学的に受容可能な塩、プロドラッグ、溶媒和物またはその混合物を含み:
【0064】
【化15】

ここで:
(a)Xは、NR10、−N(アルキル)−C(O)−アリール、N(アルキル)−C(O)−ハロゲン置換アリール、オキソ、OR、H、置換もしくは非置換フェニルアミノカルボニル、置換もしくは非置換フェニル、オキシム、置換もしくは非置換アルコキシカルボニル、ヒドロキシカルボニルまたは置換もしくは非置換ヘテロ環式環であり;
およびR10は、各々独立して、H、置換もしくは非置換C1〜6アルキル、置換もしくは非置換カルボニル(すなわち、−C(O)H)、置換もしくは非置換単環式シクロアルキルまたは二環式シクロアルキル、置換もしくは非置換単環式ヘテロ環式環または二環式ヘテロ環式環、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換スルホニル、置換もしくは非置換アリールアルキル、置換もしくは非置換ヘテロシクロアルキルであり、ここで、RおよびR10の少なくとも1つがHであるか、またはRおよびR10は、それらが結合する原子と一緒に、単環式へテロ環式環または二環式へテロ環式環を形成し、ここで、少なくとも1つの環は、1つまたは2つのヘテロ原子を含有する;
(b)R、RおよびRは、各々独立して、Hまたはアルキルであり、ここで、Rは、Xとともに置換もしくは非置換の5員〜11員のモノヘテロ環式環(mono−heterocyclic ring)またはビヘテロ環式環(bi−heterocyclic ring)を必要に応じて形成し得る;
(c)nは、0、1または2であり、ここで、nが0の場合、Rは、存在しない;
(d)R、RおよびRは、各々独立して、H、OH、C1〜6アルキル、置換もしくは非置換カルボニル(すなわち、−C(O)H)、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、シアノ、置換もしくは非置換単環式へテロ環式環、置換もしくは非置換アミノ、置換もしくは非置換フェニル、置換もしくは非置換フェノキシ、置換もしくは非置換アルケニル、または置換もしくは非置換アルキニルである;
(e)Rは、各々独立して、H、OH、置換もしくは非置換C2〜6アルキル、置換もしくは非置換アルコキシ、置換もしくは非置換カルボニル(すなわち、−C(O)H)、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、シアノ、置換もしくは非置換ヘテロ環式環、置換もしくは非置換アミノ、置換もしくは非置換フェニル、置換もしくは非置換フェノキシ、置換もしくは非置換シクロアルキル、置換もしくは非置換アルケニル、置換もしくは非置換アルキニル、または置換もしくは非置換アルコキシカルボニル、またはヒドロキシカルボニルである;
(f)Rは、H、C1〜3アルキル、置換もしくは非置換シクロアルキル、置換もしくは非置換カルボニル(すなわち、−C(O)H)であるか、またはRはXと一緒に、置換もしくは非置換の5員〜11員の単環式ヘテロ環式環または二環式ヘテロ環式環を形成し、ただし、X、RおよびR10が、非置換ピロールを形成する場合、RがHならば、Rは臭素ではなく、そして、RはXと一緒に、置換もしくは非置換ヘテロ環式環を形成する;そして
(g)WはN、O、またはSであり、ただし、WがOまたはSである場合、Rは存在しない。
【0065】
さらに別の実施形態では、本発明は、式(Ib)の化合物を含むVEGF阻害化合物およびそのエナンチオマー、ジアステレオマー、薬学的に受容可能な塩、プロドラッグ、溶媒和物またはその混合物を提供し:
【0066】
【化16】

ここで:
(a)Xは、NR10、−N(アルキル)−C(O)−アリール、N(アルキル)−C(O)−ハロゲン置換アリール、オキソ、OR、H、置換もしくは非置換フェニルアミノカルボニル、置換もしくは非置換フェニル、オキシム、置換もしくは非置換アルコキシカルボニル、ヒドロキシカルボニルまたは置換もしくは非置換ヘテロ環式環であり;
およびR10は各々、独立して、H、置換もしくは非置換C1〜6アルキル、置換もしくは非置換カルボニル(すなわち、−C(O)H)、置換もしくは非置換単環式シクロアルキルまたは二環式シクロアルキル、置換もしくは非置換単環式ヘテロ環式環または二環式ヘテロ環式環、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換スルホニル、置換もしくは非置換アリールアルキル、置換もしくは非置換ヘテロシクロアルキルであり、ここで、RおよびR10の少なくとも1つがHであるか、またはRおよびR10は、それらが結合する原子と一緒に、単環式へテロ環式環または二環式へテロ環式環を形成し、ここで、少なくとも1つの環は、1つまたは2つのヘテロ原子を含有する;
(b)R、RおよびRは、各々独立して、Hまたはアルキルであり、ここで、Rは,Xとともに必要に応じて置換もしくは非置換の5員〜11員のモノヘテロ環式環またはビヘテロ環式環を形成し得る;
(c)nは、0、1または2であり、ここで、nが0の場合、Rは、存在せず;
(d)R、R、RおよびRは、各々独立して、H、OH、置換もしくは非置換C1〜6アルキル、置換もしくは非置換カルボニル(すなわち、−C(O)H)、置換もしくは非置換アルコキシ、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ニトロ、シアノ、置換もしくは非置換単環式ヘテロ環式環、置換もしくは非置換アミノ、置換もしくは非置換フェニル、置換もしくは非置換フェノキシ、置換もしくは非置換シクロアルキル、置換もしくは非置換アルケニル、または置換もしくは非置換アルキニルであり;
(e)RはH、C1〜3アルキル、置換もしくは非置換シクロアルキル、置換もしくは非置換カルボニル(すなわち、−C(O)H)であり、ただし、X、RおよびR10が非置換ピロールを形成する場合、RがHならば、Rは臭素ではない;
(f)WはN、OまたはSであり、ただし、WがOまたはSである場合、Rは存在しない。
【0067】
好ましい実施形態では、Xは以下から選択される:
【0068】
【化17】

別の好ましい実施形態では、Xは、NR10である。NR10に関する好ましい置換基は以下を包含する:
【0069】
【化18】

【0070】
【化19】

別の好ましい実施形態では、Xは−ORである。ここで、Rはフェノールである。
【0071】
特定の上で示されたXの好ましい実施形態(Xが−NR10、および−ORであるそれらの好ましい実施形態を含む)が、それ自体、例えば以下を含む置換基で置換され得ることは、当業者に対して明白である:
【0072】
【化20】

式(I)の別の実施形態では、RおよびR10は、水素である場合を除いて、1つ以上の同一のもしくは別のハロゲン、C1〜6アルキル、C1〜6アルコール、ヒドロキシル、シアノ、オキソ、アルコキシ、カルボニル(すなわち、−C(O)H)、置換もしくは非置換アルコキシカルボニル、置換もしくは非置換ヘテロ環式環、置換もしくは非置換シクロアルキル、置換もしくは非置換アミノ、または置換もしくは非置換フェニルで置換され得る。
【0073】
式(I)のさらに別の実施形態では、RおよびR10は、水素である場合を除いて、1つ以上の同一もしくは別のハロゲン、メチル、イソプロピル、エチル、−(CH)CHもしくは−C(CH、−OCH、−COCH、−COOCH、トリフルオロメチル(−CF)、トリフルオロメトキシ(−OCF)、−NHCOCHもしくは−N(CH、−(CHOHで置換され得る。
【0074】
式(I)の好ましい実施形態では、Rは、Hまたはメチルである。
【0075】
式(I)の好ましい実施形態では、RおよびRは、Hである。
【0076】
式(I)の好ましい実施形態では、Rは、H、Br、またはClである。
【0077】
式(I)の好ましい実施形態では、Rは、Br、Cl、メチル、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、メトキシ、メトキシカルボニル、ヒドロキシカルボニル、モルホリノ、ピロリジノ、または−C(O)NHである。
【0078】
式(I)の好ましい実施形態では、Rは、HまたはBrである。
【0079】
式(I)の好ましい実施形態では、Rは、HまたはBrである。
【0080】
式(I)の好ましい実施形態では、Rは、H,メチル、アシル、またはt−ブトキシカルボニルである。
【0081】
好ましい実施形態では、Rはハロゲンであり、R、R、およびRはHまたは−OHである。より好ましい実施形態では、RはBrであり、RはHまたは−OHであり、R,R、R,R、RおよびRはHである。
【0082】
式(I)の化合物の好ましい実施形態では、Rはハロゲン、nは1または2であり、R、R、およびRはHまたは−OHである。
【0083】
別の式(I)の化合物の好ましい実施形態では、RはCF、BrまたはClであり、RはHまたは−OHであり、nは1または2であり、R,R、R,R、RおよびRはHである。
【0084】
式(I)の化合物のより好ましい実施形態では、Xは以下からなる群から選択される置換基で置換される。
【0085】
【化21】

式(I)の化合物の別の好ましい実施形態では、Xは−NR10である;ここで、RおよびR10は、各々独立して、H、置換カルボニル、置換もしくは非置換単環式シクロアルキルまたは二環式シクロアルキル、置換もしくは非置換単環式ヘテロ環式環または二環式ヘテロ環式環、置換もしくは非置換ヘテロシクロアルキルである。ここで、RおよびR10の少なくとも1つがHであるか、またはRおよびR10は、それらが結合する原子と一緒に単環式ヘテロ環もしくは二環式ヘテロ環を形成する。ここで、少なくとも1つの環は、1つもしくは2つのヘテロ原子を含む。
【0086】
Xが−NR10である式(I)の化合物の別のより好ましい実施形態では、RはHであり、R10は置換カルボニルである。
【0087】
Xが−NR10である式(I)の化合物の別のより好ましい実施形態では、RはHであり、R10は置換もしくは非置換アリールである。
【0088】
Xが−NR10である式(I)の化合物の別のより好ましい実施形態では、RはHであり、R10は置換もしくは非置換単環式ヘテロ環式環もしくは二環式ヘテロ環式環である。
【0089】
Xが−NR10である式(I)の化合物の別のより好ましい実施形態では、RはHであり、R10は置換もしくは非置換単環式ヘテロ環式環である。
【0090】
Xが−NR10である式(I)の化合物の別のより好ましい実施形態では、RはHであり、R10は置換もしくは非置換二環式へテロ環式環である。
【0091】
Xが−NR10である式(I)の化合物の別のより好ましい実施形態では、RはHであり、R10は置換もしくは非置換アリールアルキルである。
【0092】
本発明はまた、Xがオキソである式(I)の他の好ましい化合物を提供する。本発明はまた、Xが−ORである式(I)の他の好ましい化合物を提供する。式(I)の化合物の他の実施形態では、Xは置換もしくは非置換フェニルアミノカルボニルまたはオキシムである。
【0093】
本発明のある実施形態では、式(I)、(Ia)、および(Ib)の化合物が提供される。ここでXは、−N(アルキル)−C(O)−アリールもしくは−N(アルキル)−C(O)−ハロゲン置換アリールである。別の実施形態では、−N(アルキル)−C(O)−アリールは、−N(C〜Cアルキル)−C(O)−(C〜Cアリール)である。別の実施形態では、−N(アルキル)−C(O)−ハロゲン置換アリールは、−N(C〜Cアルキル)−C(O)−(C〜Cハロゲン置換アリール)である。
【0094】
本発明の別の好ましい実施形態では、式(I)、(Ia)、および(Ib)の化合物が提供される。ここでXは、−N(アルキル)−C(O)−アリールではない。
【0095】
本発明のより好ましい実施形態は、式(I)の化合物を提供する。ここで、Xは、置換もしくは非置換フェニルである。
【0096】
式(I)の化合物の別の好ましい実施形態では、Xが置換もしくは非置換アルコキシカルボニル、またはヒドロキシカルボニルである。
【0097】
式(I)の化合物のさらに他の好ましい実施形態では、Xが置換もしくは非置換へテロ環式環である。
【0098】
式(I)の化合物の他の好ましい実施形態は、式(Ia)の化合物および式(Ib)の化合物が挙げられる。
【0099】
式(I)、式(Ia)または式(Ib)の他の好ましい実施形態では、RはBrまたはClである。
【0100】
別の好ましいクラスの化合物は、以下に示すような式(II)の化合物が挙げられる:
【0101】
【化22】

ここで、
(a)Rはハロ、C〜Cハロアルキル、または置換もしくは非置換C〜Cアルキル;
(b)R11およびR12は各々、独立して、H、ハロ、置換もしくは非置換C〜Cアルキル、置換もしくは非置換C〜Cアルコキシ、フェノキシ、および置換もしくは非置換フェニルであり;または
11およびR12は、それらが結合する原子もしくは原子と一緒に、R11およびR12が結合している原子を含み、N,O、およびSからなる群から選択される1〜3個のヘテロ原子を含有する5員もしくは6員の炭素環式環もしくはヘテロ環式環を必要に応じて形成し得る。
【0102】
別の好ましいクラスの化合物は、式(III)の化合物が挙げられる。
【0103】
【化23】

ここで、
(a)Rは、ハロおよび置換もしくは非置換C〜Cアルキルであり;および
(b)R11はH、ハロ、置換もしくは非置換C〜Cアルキル、置換もしくは非置換フェノキシ、置換もしくは非置換C〜Cアルコキシ、および置換もしくは非置換フェニルである。
【0104】
さらに別の好ましいクラスでは、式(IV)の化合物が提供される:
【0105】
【化24】

ここで、
(a)R11はH、ハロ、置換もしくは非置換C〜Cアルコキシ、または置換もしくは非置換C〜Cアルキルである。
【0106】
さらに別の実施形態では、好ましい化合物は、式(V)の化合物が挙げられる:
【0107】
【化25】

ここで、
(a)Rは、ハロまたは置換もしくは非置換C〜Cアルキルであり;
(b)R14およびR15は各々、独立して、H、ハロ、置換もしくは非置換フェノキシ、シアノ、置換もしくは非置換C〜Cアルキルであり;または
14およびR15は、それらが結合する原子もしくは原子と一緒に、R14およびR15が結合する原子を含み、N、O、およびSからなる群から選択される1〜3個のヘテロ原子を含有する5員もしくは6員のヘテロ環式環を必要に応じて形成し得る。
【0108】
別の実施形態では、好ましい化合物は、式(VI)の化合物が挙げられる:
【0109】
【化26】

ここで、
(a)Rは、ハロまたは置換もしくは非置換C〜Cアルキルであり;
QはN、O、またはSである。
ただし、QがOまたはSの場合、Rは存在しない;
(c)R17はHまたはアルキルであり;
(d)R18およびR19は各々、独立して、H、ハロ、置換もしくは非置換C〜Cアルキル、置換もしくは非置換フェニル、およびニトロであり;または
18およびR19はそれらが結合する原子と一緒に、炭素環式芳香環を必要に応じて形成し得る。
【0110】
さらに他の好ましい化合物は、式(VII)の化合物が挙げられる:
【0111】
【化27】

ここで、
(a)Rは、ハロもしくはC〜Cアルキルであり;
(b)R20は、Hもしくはオキソであり;
(c)R21およびR22はHである;または
18およびR19は、それらが結合する原子と一緒に、炭素環式芳香環、または5員もしくは6員のヘテロ環式環を必要に応じて形成し得る。ヘテロ環式環は、R21およびR22が結合する原子を含み、N、O、およびSからなる群から選択される1〜3個のヘテロ原子を包含する;および
(d)R23は、Hもしくはオキソである。
【0112】
別の好ましい実施形態では、本発明の化合物は、式(VIII)の化合物を含む:
【0113】
【化28】

ここで、
(a)Rは、ハロもしくはC〜Cアルキルであり;
(b)R23およびR24は、H、置換もしくは非置換アルコキシカルボニル、置換もしくは非置換アルキルカルボニル、ホルミル、シアノ、および置換もしくは非置換フェニルアミノアルキルからなる群から選択される;または
23およびR24は、それらが結合する原子と一緒に、炭素環式芳香環、または5員もしくは6員のヘテロ環式環を必要に応じて形成し得る。ヘテロ環式環は、R23およびR24が結合する原子を含み、N、O、およびSからなる群から選択される1〜3個のヘテロ原子を包含する;および
(c)Rは、置換もしくは非置換カルボニルである。
【0114】
本発明のある実施形態では、式(II)〜式(VII)の化合物が提供される。ただし、この化合物は、化合物156〜188のいずれかではない。
【0115】
本発明のより好ましい実施形態では、化合物は、化合物191〜239、またはそのエナンチオマー、ジアステレオマー、薬学的に受容可能な塩、プロドラッグ、溶媒和物またはその混合物から選択される。
【0116】
(本発明の方法)
本発明の別の局面では、本発明の1つ以上の化合物を使用するVEGF生成の阻害および/または脈管形成の阻害、および/または癌、糖尿病性網膜症、関節リウマチ、乾癬、アテローム性動脈硬化症、肥満症、慢性炎症または滲出性黄斑変性の処置のために、方法が提供される。
【0117】
別の実施形態では、本発明は、異常な脈管形成の処置法に関する。この方法は、本発明の化合物を、それを必要とする哺乳動物へ投与する工程を包含する。
【0118】
さらに別の実施形態では、本発明の化合物は、血管内皮細胞増殖因子の過剰発現の処置法に関する。この方法は、本発明の化合物を、それを必要とする哺乳動物へ投与する工程を包含する。
【0119】
さらに別の実施形態では、本発明は、癌の処置法に関する。この方法は、本発明の化合物を、癌に罹患している哺乳動物へ投与する工程を包含する。
【0120】
さらなる実施形態では、本発明は、眼の新生脈管形成障害の処置法に関する。この方法は、本発明の化合物を、眼の新生脈管形成障害に罹患している哺乳動物へ投与する工程を包含する。
【0121】
1つの実施形態では、本発明は、細胞中のVEGFの阻害方法に関する。この方法は、本発明の少なくとも1つの化合物の有効量に細胞を曝露する工程を包含する。本発明の化合物は、VEGF生成の阻害を必要とする被験体に投与され得る。本発明の化合物は、そのままで投与されても、薬学的に受容可能な賦形剤と処方されてもよい。
【0122】
用語「VEGFを阻害する」、「VEGFの阻害」などに関しては、十分な時間、本発明の化合物で処理された細胞中の転写後のVEGF発現またはVEGF生成が、非処理細胞に関してより低いことを意味する。そのようなものとして、VEGF活性(例えば、その脈管形成促進(pro−angiogenic)活性)もまた、減少される。望ましくは、非処理細胞に比較して、少なくとも10%の量による培養の間、本発明の化合物が細胞中のVEGF発現を阻害する。1つの実施形態では、本発明の化合物が、非処理細胞に比較して、少なくとも約25%の量により細胞中のVEGF発現を阻害する。別の実施形態では、この化合物は、非処理細胞に比較して、少なくとも約50%の量により細胞中のVEGF発現を阻害する。さらなる実施形態では、この化合物は、非処理細胞に比較して、少なくとも約75%の量により細胞中のVEGF発現を阻害する。
【0123】
別の実施形態では、異常な脈管形成の阻害方法が提供される。この方法は、本発明の少なくとも1つの化合物の治療的有効量を、それを必要とする被験体に投与する工程を包含する。
【0124】
さらに別の実施形態では、異常なVEGF生成により促進される疾患の徴候または進行の処置または予防に関する方法が提供される。この方法は、本発明の少なくとも1つの化合物の治療的有効量を、それを必要とする被験体に投与する工程を包含する。いくつかの実施形態では、疾患は、癌、糖尿病性網膜症、関節リウマチ、乾癬、アテローム性動脈硬化症、肥満症、慢性炎症または滲出性黄斑変性から選択される。理論により制限されることを意図することなく、本発明の方法は、VEGFの活性を調節するメカニズムの組合せを通して作用すると考えられる。
【0125】
本発明の方法によると、1つ以上の化合物は、当該分野の公知の任意のドラッグデリバリー方法を介して被験体に投与され得る。特定の例示的な投与経路としては、経口、眼(ocular)、直腸、口腔、局所、鼻、眼(opthamalic)、皮下、筋内、静脈内(ボーラスおよび注入)、大脳内、経皮および肺が挙げられる。
【0126】
本明細書中で使用される、用語「治療的有効量」は、同定された疾患もしくは状態を処置する、改善するもしくは予防するため、または検出可能な治療的効果もしくは阻害効果を示すための薬学的因子の量をいう。この効果は、例えば、以下の実施例で開示されるアッセイによって検出され得る。被験体に対する正確な有効量は、被験体の体重、サイズ、および健康;状態の性質および範囲;および投与に関して選択される治療法もしくは治療法の組合せに依存する。所定の状態に対する治療的有効量は、臨床医の技能および判断の範囲内である慣用的な実験により決定され得る。
【0127】
任意の化合物において、治療的有効量は、はじめに細胞培養アッセイ(例えば、新生物性細胞)、または動物モデル(通常、ラット、マウス、ウサギ、犬、もしくは豚)のいずれかで推定され得る。この動物モデルはまた、投与の適切な濃度範囲および投与の適切な方法を決定するために使用され得る。次いで、このような情報は、ヒトへの投与に関する有用な用量および有用な方法を決定するために使用され得る。治療的/予防の有効性および毒性は、細胞培養もしくは実験動物において、標準的な薬学的手順により決定され得る。例えば、ED50(母集団の50%に対する治療的有効量)およびLD50(母集団の50%に対する致死量)が挙げられる。治療的な効果と毒性の効果との間の用量比は治療的な指数であり、これはED50/LD50比として表現され得る。大きな治療的指数を示す薬学的な組成物は、好ましい。細胞培養アッセイおよび動物研究から得られたデータは、ヒト使用用の用量の範囲での処方に使用され得る。このような組成物を包含する用量は、好ましくは循環濃度の範囲内である。循環濃度は、微量の毒性もしくは無毒性でのED50を包含する。この用量は、患者の感受性、および投与方法の用いられる用量形態に依存するこの範囲内で変動し得る。
【0128】
さらに明確に、本発明の化合物に関して観測された濃度効果と生物学的効果との関係は、約5μg/mLから約100μg/mLまで、好ましくは約10μg/mLから約50μg/mLまで、さらに好ましくは約10μg/mLから約25μg/mLまでに及ぶ初期の標的血漿濃度を示す。このような血漿濃度を得るためには、本発明の化合物が、投与方法に依存して、0.1μgから100,000mgまで変動する用量で投与され得る。デリバリーの特定の用量および特定の方法についてのガイダンスは、文献で提供されており、そして、一般に当該分野の専門家に有用である。一般に用量は、患者の体重が約40kgと約100kgとの間(用量は、この体重範囲の上か下かで患者に関して調節し得る。特に子供の場合は、40kg以下である)の単一、分割、または継続的用量において、約1mg/日〜約10g/日、または約0.1g/日〜約3g/日、または0.3g/日〜3g/日、または約0.5g/日〜約2g/日の範囲内である。
【0129】
正確な用量は、被験体が必要とする処置に関した因子の観点から専門家により決定される。用量および投与は、活性因子の十分なレベルと供給するために、または所望の効果を維持するために調節される。考慮され得る因子は、障害状態、被験体の一般的な健康状態、年齢、体重、および被験体の性、ダイエット、投与の時間および回数、薬の組合せ、反応感受性、および治療に対する耐性/応答を包含する。長時間作用の薬学的組成物は、特定の処方の半減速度および除去速度に依存して、3〜4日ごと、毎週、二週間に一度ごとに投与し得る。
【0130】
VEGFを阻害する方法であって、その方法は、薬学的組成物を、それを必要とする患者に対して投与する工程を包含し、任意の化合物156〜188、式Iの化合物、
【0131】
【化29】

そのエナンチオマー、ジアステレオマー、薬学的に受容可能な塩、プロドラッグ、溶媒和物もしくはその混合物から選択される化合物を包含する方法。
【0132】
ここで、
(a)Xは、−NR10、−N(アルキル)−C(O)−アリール、−N(アルキル)−C(O)−ハロゲン置換アリール、オキソ、OR、H、置換もしくは非置換フェニルアミノカルボニル、置換もしくは非置換フェニル、オキシム、置換もしくは非置換アルコキシカルボニル、ヒドロキシカルボニル(すなわち、−COOH)、または置換もしくは非置換ヘテロ環式環であって;ここで、
およびR10は各々、独立して、H、置換もしくは非置換C1〜6アルキル、置換もしくは非置換C〜Cアルコール、置換もしくは非置換カルボニル(すなわち、−C(O)H)、置換もしくは非置換単環式もしくは二環式シクロアルキル、置換もしくは非置換単環式もしくは二環式ヘテロ環式環、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換アルケニル、置換もしくは非置換スルホニル、置換もしくは非置換アリールアルキル、置換もしくは非置換ヘテロシクロアルキル、置換もしくは非置換アミノチオカルボニルである。ここで、RおよびR10の少なくとも1つがHであるか、
あるいは、RおよびR10は、それらが結合する原子と一緒に単環式もしくは二環式ヘテロ環式環を形成する。ここで、少なくとも1つの環が1つまたは2つのヘテロ原子を含み;
(b)R、RおよびRは各々、独立して、H、−OH、またはアルキルである。ここで、R1は必要に応じて、Xとともに置換もしくは非置換5員〜11員のモノへテロ環式環またはビへテロ環式環を形成し得;
(c)nは、0、1、または2であって、ここで、nが0の場合、Rは、存在せず;
(d)R、R、RおよびRは各々、独立して、H、−OH、置換もしくは非置換C1〜6アルキル、置換もしくは非置換カルボニル(すなわち、−C(O)H)、置換もしくは非置換アルコキシ、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ニトロ、シアノ、置換もしくは非置換ヘテロ環式環、置換もしくは非置換アミノ、置換もしくは非置換フェニル、置換もしくは非置換フェノキシ、置換もしくは非置換シクロアルキル、置換もしくは非置換アルケニル、置換もしくは非置換アルキニル、あるいは置換もしくは非置換アルコキシカルボニル、またはヒドロキシカルボニルであり;
(e)WはN、O、またはSであり;
(f)RはH、C1〜3アルキル、置換もしくは非置換シクロアルキル、置換もしくは非置換カルボニル(すなわち、−C(O)H)であるか、またはXと一緒に、置換もしくは非置換5員〜11員の単環式へテロ環式環または二環式へテロ環式環を形成する。ただし、WがOまたはSである場合、Rは、存在しない。
【0133】
好ましい実施形態では、本発明は、任意の化合物156〜188から選択される化合物を含む薬学的組成物を、それを必要とする患者へ投与する工程を包含するVEGF生成を阻害する方法を提供する。VEGF生成を阻害する方法であって、その方法は、式(I)の化合物を含む薬学的組成物を、それを必要とする患者に投与する工程を包含する方法。ただし、該化合物は、任意の化合物156〜188から選択されない。
【0134】
脈管形成を阻害する方法であって、その方法は、薬学的組成物を、それを必要とする患者に投与する工程を包含し、任意の化合物156〜188、式Iの化合物、
【0135】
【化30】

そのエナンチオマー、ジアステレオマー、薬学的に受容可能な塩、プロドラッグ、溶媒和物またはその混合物から選択される化合物を包含する方法、
ここで、
(a)Xは、−NR10、−N(アルキル)−C(O)−アリール、−N(アルキル)−C(O)−ハロゲン置換アリール、オキソ、OR、H、置換もしくは非置換フェニルアミノカルボニル、置換もしくは非置換フェニル、オキシム、置換もしくは非置換アルコキシカルボニル、ヒドロキシカルボニル(すなわち、−COOH)、または置換もしくは非置換ヘテロ環式環であって;ここで、
およびR10は各々、独立して、H、置換もしくは非置換C1〜6アルキル、置換もしくは非置換C〜Cアルコール、置換もしくは非置換カルボニル(すなわち、−C(O)H)、置換もしくは非置換単環式もしくは二環式シクロアルキル、置換もしくは非置換単環式もしくは二環式ヘテロ環式環、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換アルケニル、置換もしくは非置換スルホニル、置換もしくは非置換アリールアルキル、置換もしくは非置換ヘテロシクロアルキル、置換もしくは非置換アミノチオカルボニルである。ここで、RおよびR10の少なくとも1つがHであるか、
あるいは、RおよびR10は、それらが結合する原子と一緒に単環式もしくは二環式ヘテロ環式環を形成する。ここで、少なくとも1つの環が1つまたは2つのヘテロ原子を含み;
(b)R、RおよびRは各々、独立して、H、−OH、またはアルキルである。ここで、Rは必要に応じて、Xとともに置換もしくは非置換5員〜11員のモノへテロ環式環またはビへテロ環式環を形成し得;
(c)nは、0、1、または2であって、ここで、nが0の場合、Rは、存在せず;
(d)R、R、RおよびRは各々、独立して、H、−OH、置換もしくは非置換C1〜6アルキル、置換もしくは非置換カルボニル(すなわち、−C(O)H)、置換もしくは非置換アルコキシ、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ニトロ、シアノ、置換もしくは非置換ヘテロ環式環、置換もしくは非置換アミノ、置換もしくは非置換フェニル、置換もしくは非置換フェノキシ、置換もしくは非置換シクロアルキル、置換もしくは非置換アルケニル、置換もしくは非置換アルキニル、あるいは置換もしくは非置換アルコキシカルボニル、またはヒドロキシカルボニルであり;
(e)WはN、O、またはSであり;
(f)RはH、C1〜3アルキル、置換もしくは非置換シクロアルキル、置換もしくは非置換カルボニル(すなわち、−C(O)H)であるか、またはXと一緒に、置換もしくは非置換5員〜11員の単環式へテロ環式環または二環式へテロ環式環を形成する。ただし、WがOまたはSである場合、Rは、存在しない。
【0136】
好ましい実施形態では、本発明は脈管形成の阻害方法を提供する。その方法は、任意の化合物156〜188から選択される化合物を含む薬学的組成物を、それを必要とする患者へ投与する工程を包含する。脈管形成の阻害方法であって、その方法は、式(I)の化合物を含む薬学的組成物を、それを必要とする患者に投与する工程を包含する方法。ただし、該化合物は、任意の化合物156〜188から選択されない。
【0137】
癌、糖尿病性網膜症、関節リウマチ、乾癬、アテローム性動脈硬化症、肥満症、慢性炎症または滲出性黄斑変性を処置する方法であって、その方法は、薬学的組成物を、それを必要とする患者へ投与する工程を包含し、任意の化合物156〜188から選択される化合物、式Iの化合物、
【0138】
【化31】

そのエナンチオマー、ジアステレオマー、薬学的に受容可能な塩、プロドラッグ、溶媒和物もしくはその混合物から選択される化合物であって、
ここで、
(a)Xは、−NR10、−N(アルキル)−C(O)−アリール、−N(アルキル)−C(O)−ハロゲン置換アリール、オキソ、OR、H、置換もしくは非置換フェニルアミノカルボニル、置換もしくは非置換フェニル、オキシム、置換もしくは非置換アルコキシカルボニル、ヒドロキシカルボニル(すなわち、−COOH)、または置換もしくは非置換ヘテロ環式環であって;ここで、
およびR10は各々、独立して、H、置換もしくは非置換C1〜6アルキル、置換もしくは非置換C〜Cアルコール、置換もしくは非置換カルボニル(すなわち、−C(O)H)、置換もしくは非置換単環式もしくは二環式シクロアルキル、置換もしくは非置換単環式もしくは二環式ヘテロ環式環、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換アルケニル、置換もしくは非置換スルホニル、置換もしくは非置換アリールアルキル、置換もしくは非置換ヘテロシクロアルキル、置換もしくは非置換アミノチオカルボニルである。ここで、RおよびR10の少なくとも1つがHであるか、
あるいは、RおよびR10は、それらが結合する原子と一緒に単環式もしくは二環式ヘテロ環式環を形成する。ここで、少なくとも1つの環が1つまたは2つのヘテロ原子を含み;
(b)R、RおよびRは各々、独立して、H、−OH、またはアルキルである。ここで、Rは必要に応じて、Xとともに置換もしくは非置換5員〜11員のモノへテロ環式環またはビへテロ環式環を形成し得;
(c)nは、0、1、または2であって、ここで、nが0の場合、Rは、存在せず;
(d)R、R、RおよびRは各々、独立して、H、−OH、置換もしくは非置換C1〜6アルキル、置換もしくは非置換カルボニル(すなわち、−C(O)H)、置換もしくは非置換アルコキシ、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ニトロ、シアノ、置換もしくは非置換ヘテロ環式環、置換もしくは非置換アミノ、置換もしくは非置換フェニル、置換もしくは非置換フェノキシ、置換もしくは非置換シクロアルキル、置換もしくは非置換アルケニル、置換もしくは非置換アルキニル、あるいは置換もしくは非置換アルコキシカルボニル、またはヒドロキシカルボニルであり;
(e)WはN、O、またはSであり;
(f)RはH、C1〜3アルキル、置換もしくは非置換シクロアルキル、置換もしくは非置換カルボニル(すなわち、−C(O)H)であるか、またはXと一緒に、置換もしくは非置換5員〜11員の単環式へテロ環式環または二環式へテロ環式環を形成する。ただし、WがOまたはSである場合、Rは、存在しない。
【0139】
好ましい実施形態では、本発明は、癌、糖尿病性網膜症、関節リウマチ、乾癬、アテローム性動脈硬化症、肥満症、慢性炎症または滲出性黄斑変性を処置する方法を提供する。この方法は、任意の化合物156〜188から選択される化合物を含む薬学的組成物を、それを必要とする患者に投与する工程を包含する。癌、糖尿病性網膜症、関節リウマチ、乾癬、アテローム性動脈硬化症、肥満症、慢性炎症または滲出性黄斑変性を処置する方法であって、その方法は、式(I)の化合物を含む薬学的組成物を、それを必要とする患者に投与する工程を包含し、ただし、該化合物は、化合物156〜188のいずれからも選択されない。
【0140】
VEGF生成を阻害する方法であって、その方法は、化合物156〜188いずれかから選択される化合物、式(II)〜式(VIII)の化合物を含む薬学的組成物を、それを必要とする患者に投与する工程を包含する方法。
【0141】
VEGF生成を阻害する方法であって、その方法は、式(II)〜式(VIII)の化合物を含む薬学的組成物を、それを必要とする患者に投与する工程を包含する方法。ただし、該化合物は、任意の化合物156〜188から選択されない。
【0142】
脈管形成を阻害する方法であって、その方法は、任意の化合物156〜188から選択される化合物、式(II)〜式(VIII)の化合物を含む薬学的組成物を、それを必要とする患者に投与する工程を包含する方法。
【0143】
脈管形成を阻害する方法であって、その方法は、式(II)〜式(VIII)の化合物を含む薬学的組成物を、それを必要とする患者に投与する工程を包含する方法。ただし、該化合物は、任意の化合物156〜188から選択されない。
【0144】
癌、糖尿病性網膜症、関節リウマチ、乾癬、アテローム性動脈硬化症、肥満症、慢性炎症または滲出性黄斑変性を処置する方法であって、その方法は、任意の化合物156〜188から選択される化合物、式(II)〜式(VIII)の化合物を含む薬学的組成物を、それを必要とする患者に投与する工程を包含する方法。
【0145】
癌、糖尿病性網膜症、関節リウマチ、乾癬、アテローム性動脈硬化症、肥満症、慢性炎症または滲出性黄斑変性を処置する方法であって、その方法は、式(II)〜式(VIII)の化合物を含む薬学的組成物を、それを必要とする患者に投与する工程を包含する方法。ただし、該化合物は、任意の化合物156〜188から選択されない。
【0146】
さらなる実施形態では、本発明は、以下から選択される少なくとも1つの化合物の有効量に細胞を曝露することにより、細胞中のVEGFを選択的に阻害する方法を提供する:
6−ブロモ−1−チエノ[2,3−c]ピロール−5−イル−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール;
(6−ブロモ−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール−1−イル)−フェニル−アミン;
(6−ブロモ−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール−1−イル)−(4−クロロ−フェニル)−アミン;
(6−ブロモ−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール−1−イル)−(4−メトキシ−フェニル)−アミン;
5−(6−ブロモ−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール−1−イル)−4,5−ジヒドロ−チエノ[2,3−c]ピロール−6−オン;
(6−ブロモ−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール−1−イル)−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−アミン;
6−ブロモ−1−(1,3−ジヒドロ−イソインドール−2−イル)−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール;
(6−ブロモ−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール−1−イル)−(4−イソプロピル−フェニル)−アミン;
(6−ブロモ−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール−1−イル)−(4−フェノキシ−フェニル)−アミン;
(6−ブロモ−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール−1−イル)−(3−メトキシ−フェニル)−アミン;
(6−メチル−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール−1−イル)−フェニル)−アミン;
(6−ブロモ−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール−1−イル)−(3−フルオロ−フェニル)−アミン;
1−(6−ブロモ−1−ピロール−1−イル−1,2,3,4−テトラヒドロ−カルバゾール−9−イル)−エタノン;
フェニル−(6−トリフルオロメチル−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール−1−イル)−アミン;
6−ブロモ−1−フェニル−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール;
6−ブロモ−1−(3−メトキシ−フェニル)−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール;
(6−ブロモ−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール−1−イル)−(2−フルオロ−フェニル)−アミン;
ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イル−(6−ブロモ−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール−1−イル)−アミン;
(6−ブロモ−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール−1−イル)−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−アミン;
(6−ブロモ−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール−1−イル)−(3−クロロ−フェニル)−アミン;
N−(6−ブロモ−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール−1−イル)−ベンズアミド;
N−(6−ブロモ−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール−1−イル)−3−クロロ−ベンズアミド;
(6−ブロモ−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール−1−イル)−(3,5−ジメチル−フェニル)−アミン;
(6−ブロモ−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール−1−イル)−(4−フルオロ−フェニル)−アミン;
2−(6−ブロモ−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール−1−イル)−2,3−ジヒドロ−イソインドール−1−オン;
1−(6−ブロモ−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール−1−イル)−1H−ピロール−3−カルボン酸メチルエステル;
(6−ブロモ−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール−1−イル)−(4−フェニル−シクロヘキシル)−アミン;
ビフェニル−4−イル−(6−ブロモ−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール−1−イル)−アミン;
(6−ブロモ−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール−1−イル)−(2−クロロ−フェニル)−アミン;
N−(6−ブロモ−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール−1−イル)−3−フェノキシ−ベンズアミド;
(6−ブロモ−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール−1−イル)−ピラジン−2−イル−アミン;
(6−ブロモ−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール−1−イル)−(2,3−ジフルオロ−フェニル)−アミン;
(2−ブロモ−5,6,7,8,9,10−ヘキサヒドロ−シクロヘプタ[b]インドール−6−イル)−フェニル−アミン;
フェニル−(6−トリフルオロメトキシ−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール−1−イル)−アミン;
フラン−2−カルボン酸(6−ブロモ−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール−1−イル)−アミド;
チオフェン−2−カルボン酸(6−ブロモ−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール−1−イル)−アミド;
1−ベンゾオキサゾール−2−イル−6−ブロモ−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール;
N−(6−ブロモ−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール−1−イル)−4−メトキシ−ベンズアミド;
N−(6−ブロモ−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール−1−イル)−4−トリフルオロメチル−ベンズアミド;
N−(6−ブロモ−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール−1−イル)−4−シアノ−ベンズアミド;
N−(6−ブロモ−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール−1−イル)−2,4−ジフルオロ−ベンズアミド;
N−(6−ブロモ−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール−1−イル)−4−クロロ−ベンズアミド;
(4−クロロ−フェニル)−(6−クロロ−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール−1−イル)−アミン;
(6−クロロ−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール−1−イル)−(4−メトキシ−フェニル)−アミン;
(6−クロロ−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール−1−イル)−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−アミン;
(4−クロロ−フェニル)−(6−トリフルオロメチル−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール−1−イル)−アミン;
(4−メトキシ−フェニル)−(6−トリフルオロメチル−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール−1−イル)−アミン;
(4−トリフルオロメチル−フェニル)−(6−トリフルオロメチル−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール−1−イル)−アミン;
(6−ブロモ−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール−1−イル)−ピリミジン−2−イル−アミン;
1−(1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−6−ブロモ−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール;
N−(6−クロロ−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール−1−イル)−4−メトキシ−ベンズアミド;
5−(6−クロロ−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール−1−イル)−4,5−ジヒドロ−チエノ[2,3−c]ピロール−6−オン;
イソキサゾール−5−カルボン酸(6−ブロモ−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール−1−イル)−アミド;
5−メチル−イソキサゾール−3−カルボン酸(6−ブロモ−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール−1−イル)−アミド;
5−クロロ−チオフェン−2−カルボン酸(6−ブロモ−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール−1−イル)−アミド;および
1−メチル−1H−ピロール−2−カルボン酸(6−ブロモ−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール−1−イル)−アミド。
【0147】
またさらなる実施形態では、式(I)の化合物は、以下から選択される:
6−ブロモ−1−チエノ[2,3−c]ピロール−5−イル−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール;
(6−ブロモ−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール−1−イル)−フェニル−アミン;
(6−ブロモ−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール−1−イル)−(4−クロロ−フェニル)−アミン;
(6−ブロモ−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール−1−イル)−(4−メトキシ−フェニル)−アミン;
5−(6−ブロモ−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール−1−イル)−4,5−ジヒドロ−チエノ[2,3−c]ピロール−6−オン;
(6−ブロモ−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール−1−イル)−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−アミン;
6−ブロモ−1−(1,3−ジヒドロ−イソインドール−2−イル)−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール;
(6−ブロモ−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール−1−イル)−(4−イソプロピル−フェニル)−アミン;
(6−ブロモ−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール−1−イル)−(4−フェノキシ−フェニル)−アミン;
(6−ブロモ−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール−1−イル)−(3−メトキシ−フェニル)−アミン;
(6−メチル−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール−1−イル)−フェニル)−アミン;
(6−ブロモ−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール−1−イル)−(3−フルオロ−フェニル)−アミン;
1−(6−ブロモ−1−ピロール−1−イル−1,2,3,4−テトラヒドロ−カルバゾール−9−イル)−エタノン;
フェニル−(6−トリフルオロメチル−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール−1−イル)−アミン;
6−ブロモ−1−フェニル−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール;
6−ブロモ−1−(3−メトキシ−フェニル)−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール;
(6−ブロモ−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール−1−イル)−(2−フルオロ−フェニル)−アミン;
ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イル−(6−ブロモ−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール−1−イル)−アミン;
(6−ブロモ−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール−1−イル)−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−アミン;
(6−ブロモ−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール−1−イル)−(3−クロロ−フェニル)−アミン;
N−(6−ブロモ−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール−1−イル)−ベンズアミド;
N−(6−ブロモ−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール−1−イル)−3−クロロ−ベンズアミド;
(6−ブロモ−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール−1−イル)−(3,5−ジメチル−フェニル)−アミン;
(6−ブロモ−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール−1−イル)−(4−フルオロ−フェニル)−アミン;
2−(6−ブロモ−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール−1−イル)−2,3−ジヒドロ−イソインドール−1−オン;
1−(6−ブロモ−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール−1−イル)−1H−ピロール−3−カルボン酸メチルエステル;
(6−ブロモ−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール−1−イル)−(4−フェニル−シクロヘキシル)−アミン;
ビフェニル−4−イル−(6−ブロモ−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール−1−イル)−アミン;
(6−ブロモ−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール−1−イル)−(2−クロロ−フェニル)−アミン;
N−(6−ブロモ−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール−1−イル)−3−フェノキシ−ベンズアミド;
(6−ブロモ−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール−1−イル)−ピラジン−2−イル−アミン;
(6−ブロモ−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール−1−イル)−(2,3−ジフルオロ−フェニル)−アミン;
(2−ブロモ−5,6,7,8,9,10−ヘキサヒドロ−シクロヘプタ[b]インドール−6−イル)−フェニル−アミン;
フェニル−(6−トリフルオロメトキシ−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール−1−イル)−アミン;
フラン−2−カルボン酸(6−ブロモ−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール−1−イル)−アミド;
チオフェン−2−カルボン酸(6−ブロモ−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール−1−イル)−アミド;
1−ベンゾオキサゾール−2−イル−6−ブロモ−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール;
N−(6−ブロモ−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール−1−イル)−4−メトキシ−ベンズアミド;
N−(6−ブロモ−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール−1−イル)−4−トリフルオロメチル−ベンズアミド;
N−(6−ブロモ−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール−1−イル)−4−シアノ−ベンズアミド;
N−(6−ブロモ−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール−1−イル)−2,4−ジフルオロ−ベンズアミド;
N−(6−ブロモ−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール−1−イル)−4−クロロ−ベンズアミド;
(4−クロロ−フェニル)−(6−クロロ−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール−1−イル)−アミン;
(6−クロロ−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール−1−イル)−(4−メトキシ−フェニル)−アミン;
(6−クロロ−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール−1−イル)−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−アミン;
(4−クロロ−フェニル)−(6−トリフルオロメチル−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール−1−イル)−アミン;
(4−メトキシ−フェニル)−(6−トリフルオロメチル−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール−1−イル)−アミン;
(4−トリフルオロメチル−フェニル)−(6−トリフルオロメチル−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール−1−イル)−アミン;
(6−ブロモ−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール−1−イル)−ピリミジン−2−イル−アミン;
1−(1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−6−ブロモ−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール;
N−(6−クロロ−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール−1−イル)−4−メトキシ−ベンズアミド;
5−(6−クロロ−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール−1−イル)−4,5−ジヒドロ−チエノ[2,3−c]ピロール−6−オン;
イソキサゾール−5−カルボン酸(6−ブロモ−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール−1−イル)−アミド;
5−メチル−イソキサゾール−3−カルボン酸(6−ブロモ−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール−1−イル)−アミド;
5−クロロ−チオフェン−2−カルボン酸(6−ブロモ−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール−1−イル)−アミド;および
1−メチル−1H−ピロール−2−カルボン酸(6−ブロモ−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール−1−イル)−アミド。
【0148】
(本発明の化合物の代謝産物)
本発明の目的の範囲内にあるものまたは、本明細書中に記載されている化合物のインビボ代謝産物である。このような産物は、例えば、酸化、還元、加水分解、アミド生成、エステル化および初期の酵素的プロセスに起因する投与される化合物のようなことから結果として生じ得る。従って、本発明は、化合物を含む。この化合物は、それの代謝産物を得るための十分な時間の段階における哺乳動物の組織または哺乳動物で発明の化合物と接触することを包含するプロセスによって生成される。このような代表的な産物は、本発明の放射性の標識化合物(例えば、C14もしくはH)の調製、新陳代謝を起こすのに可能な限り十分な時間(代表的に、約30秒〜約30時間)の間、哺乳動物(例えば、ラット、マウ、テンジクネズミ、サル、またはヒト)への検出可能な用量(例えば、約0.5mg/kg以上)での化合物の投与、そして、尿、血液または他の生物学的サンプルからその変換産物を単離することにより定義される。これらの生成物は、それらが標識化されている(その他は、代謝産物中で生存している結合しているエピトープの受容能力のある抗体の使用により単離される)ため、容易に単離される。代謝産物の構造は、従来の様式で決定される(例えば、MSまたはNMR分析により)。一般に、代謝産物の分析は、当業者に対して周知である通常の薬の代謝の研究のような同様の方法でなされ得る。変換プロドラッグは、それらが、別の方法でインビボにおいて発見されなければ、それらが、それら自身の生物学的活性を有しないとしても、本発明の化合物の治療的服用に関する診断アッセイにおいて有用である。
【0149】
(本発明の薬学的組成物)
本発明の化合物は、適切に投与され得る上に、薬学的組成物として化合物を処方するのに好ましくあり得る。このように、本発明のさらに別の局面では、本発明の方法において有用な薬学的組成物が、提供される。本発明の薬学的組成物は、薬学的に受容可能な賦形剤(例えば、投与形態および用量形態の特定のモードに依存しているキャリア、溶媒、安定剤、アジュバント、賦形薬など)で処方され得る。この薬学的組成物は、一般に、生理学的に共存可能なpHを達成するために処方されるべきである。そして、そのpHは、投与の処方および方法に依存して、約3のpHから約11のpHまで、好ましくは、約pH3〜約pH7に及び得る。代わりの実施形態では、pHが、約pH5から約pH8までの範囲に調整されることが好ましくあり得る。ある実施形態では、pHが、約pH4から約pH7までの範囲に調整される。
【0150】
より具体的に、本発明の薬学的組成物は、1つ以上の薬学的に受容可能な賦形剤と一緒に、1つ以上の、2つ以上の、または3つ以上の本発明の化合物の治療的もしくは予防的有効量を含む。例えば、ある実施形態では、本発明の薬学的組成物は、式(I)〜式(VIII)の1つ以上の化合物および1つ以上の薬学的に受容可能な賦形剤を含み得る。ある実施形態では、本発明の薬学的組成物は、化合物159〜188の1つ以上、および1つ以上の薬学的に受容可能な賦形剤を含み得る。別の実施形態では、本発明の薬学的組成物は、式(I)〜式(VIII)の1つ以上の化合物、および1つ以上の薬学的に受容可能な賦形剤と一緒に、化合物159〜188の1つ以上を含み得る。本発明のある実施形態では、薬学的組成物は、本発明の1つ以上の化合物、および1つ以上の薬学的に受容可能な賦形剤を含む。ただし、薬学的組成物は、化合物159〜188を含まない。
【0151】
より好ましい実施形態では、薬学的組成物は、化合物番号191〜化合物番号239、もしくはその水和物、エナンチオマー、ジアステレオマー、薬学的に受容可能な塩、プロドラッグ、溶媒和物もしくは1つ以上、2つ以上、または3つ以上の化合物、および述べられている1つ以上の薬学的に受容可能な賦形剤の混合物からなる群から選択される1つ以上、2つ以上、または3つ以上の化合物を含むことが提供される。
【0152】
必要に応じて、本発明の薬学的組成物は、本発明の化合物の組合せを含むか、または癌、糖尿病性網膜症、関節リウマチ、乾癬、アテローム性動脈硬化症、肥満症、慢性炎症または滲出性黄斑変性の処置において有用である第二の活性成分を含み得る。
【0153】
肺動脈投与に関する吸入可能な処方物は、粉末処方が一般的に好まれるために、一般に液体もしくは粉末であるが、本発明の処方物(例えば、非経口投与もしくは経口投与)は、最も代表的な固体、液体溶液、乳濁液もしくは懸濁液である。本発明の好ましい薬学的組成物はまた、親液性の固体として処方され得る。親液性の固体は、投与前に、生理学的に共存可能な溶媒で再形成される。本発明の別の薬学的組成物は、シロップ、クリーム、軟膏、錠剤などとして、処方され得る。
【0154】
用語「薬学的に受容可能な賦形剤」とは、本発明の化合物のような薬学的物質の投与に関する賦形剤をいう。この用語は、過度の毒性なしに投与され得る任意の薬学的賦形剤をいう。薬学的に受容可能な賦形剤は、投与される特定の組成物により、および組成物を投与するために使用される特定の方法によりある程度決定される。従って、幅広い種類の、本発明の薬学的組成物の適した処方(例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciencesを参照のこと)が存在する。
【0155】
適した賦形剤は、大きな、ゆっくり代謝される高分子(例えば、タンパク質、多糖類、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、アミノ酸重合体、アミノ酸共重合体、および不活性ウイルス粒子)であるキャリア分子であり得る。他の典型的な賦形剤は、抗酸化物質(例えば、アスコルビン酸;キレート試薬(例えば、EDTA);炭水化物(例えば、デキストリン、水酸化アルキルセルロース、水酸化アルキルメチルセルロース、ステアリン酸);液体(例えば、油、水、食塩水、グリセロールおよびエタノール);湿潤剤または乳化剤;pH緩衝液物質など)を包含する。リポソームはまた、薬学的に受容可能な賦形剤の定義の範囲内を包含する。
【0156】
本発明の薬学的組成物は、投与の意図される方法に適した任意の形態で処方され得る。口の使用が意図される場合、例えば、錠剤、トローチ、ロゼンジ、水溶性の懸濁液もしくは油性の懸濁液、非水溶液、分散可能な粉末もしくは分散可能な顆粒剤(微粒化した粒子もしくはナノ粒子を含む)、乳濁液、ハードカプセルもしくはソフトカプセル、シロップもしくはエリキシル剤が調製され得る。口の使用が意図される組成物は、薬学的組成物の製造に関して、当該分野で公知の任意の方法に従って調整され得、そして、そのような組成物は、味のよい調製を提供するために、1つ以上の物質(甘味剤、風味剤、着色剤および保存剤が挙げられる)を含有し得る。
【0157】
薬学的に受容可能な賦形剤は、特に、錠剤(例えば、不活性の賦形薬(例えば、セルロース)、炭酸カルシウムもしくは炭酸ナトリウム、ラクトース、リン酸カルシウムもしくはリン酸ナトリウム;崩壊剤(例えば、クロスカルメロースナトリウム)、架橋されたポビドン、トウモロコシデンプン、もしくはアルギニン酸;結合剤(例えば、ポビドン)、デンプン、ゼラチンもしくはアカシア;および潤滑剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、またはタルク)が挙げられる)と接合した使用に適している。錠剤は、公知技術(例えば、胃腸管での崩壊および吸着を遅らせるためのマイクロ被包が挙げられる)によりコーティングされて得ないか、またはコーティングされ得る。それによって、過剰により長い期間、維持される作用を提供する。例えば、ある時間は、物質(例えば、モノステアリン酸グリセリンのみもしくはジステアリン酸グリセリンのみ)または用いられ得るワックスで遅らせる。
【0158】
経口用の処方物はまた、活性成分が、不活性の固体賦形薬(例えば、セルロース、ラクトース、リン酸カルシウムもしくはカオリン)を使用して混合されるハードゼラチンカプセルとして、または活性成分が、非水溶性媒質もしくは油性媒質(グリセリン、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、落花生油、液体パラフィンもしくはオリーブ油)を使用して混合されるソフトゼラチンカプセルとして存在し得る。
【0159】
別の実施形態では、本発明の薬学的組成物は、懸濁液の製造に適した少なくとも1つの薬学的に受容可能な賦形剤を使用して混合した本発明の化合物を含む懸濁液として処方され得る。さらに別の実施形態では、本発明の薬学的組成物は、分散可能な粉末および顆粒の適した賦形剤の添加による懸濁液の適した調製として処方され得る。
【0160】
懸濁液に関連した賦形剤の適した使用は、懸濁剤(例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、トラガカントゴム、アカシアゴム)、分散剤もしくは湿潤剤(例えば、天然に生じているホスファチド(例えば、レシチン)、脂肪酸を使用したアルキレン酸化物の縮合生成物(例えば、ステアリン酸ポリオキシエチレン)、長鎖脂肪族アルコールを使用したエチレン酸化物の縮合生成物(例えば、ヘプタデカエチレンオキシセタノール)、脂肪酸およびヘキシトール無水物から誘導された部分エステルを使用したエチレン酸化物の縮合生成物(モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン);および濃縮剤(カルボマー、蜜ろう、ハードパラフィンもしくはセチルアルコール)を包含する。この懸濁液はまた、1つ以上の防腐薬(例えば、酢酸、メチルおよび/またはn−ピロール p−ヒドロキシ−安息香酸塩);1つ以上の着色剤;1つ以上の風味剤;および1つ以上の甘味剤(スクロースもしくはサッカリン)を含有する。
【0161】
本発明の薬学的組成物はまた、水中の油(oil−in−water)のエマルジョンの形状でもあり得る。油相は、植物性油(例えば、オリーブ油または落花生油)、鉱油(例えば、液体パラフィン、またはこれらの混合物)であり得る。適した乳化剤は、天然起存在するゴム(例えば、アカシアゴムおよびトラガカントゴム);天然に存在するホスファチド(例えば、ダイズレシチン、エステルまたは脂肪酸から誘導された部分エステル);ヘキシトール無水物(例えば、モノオレイン酸ソルビタン);およびエチレン酸化物を使用したこれらの部分エステルの縮合生成物(例えば、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン)が挙げられる。このエマルジョンはまた、甘味剤および風味剤を含有する。シロップおよびエリキシル剤は、甘味剤(例えば、グリセロール、ソルビトールまたはスクロース)を使用して処方され得る。このような処方はまた、粘滑薬、防腐薬、風味剤または着色剤を含有する。
【0162】
さらに、本発明の薬学的組成物は、殺菌した注射可能の製剤(殺菌した注射可能のエマルジョンまたは油状の懸濁液)の形状であり得る。このエマルジョンまたは懸濁液は、上で言及されている、それらの適した分散剤または湿潤剤および懸濁剤を使用する公知の技術に従って処方され得る。殺菌した注射可能の製剤はまた、無毒性の非経口的に受容可能な賦形薬または溶媒(例えば、1,2−プロパン−ジオール)中の殺菌した注射可能の溶液または懸濁液であり得る。殺菌した注入可能の製剤はまた、親液性化された粉末として調製され得る。受容可能なビヒクルおよび溶媒の中で用いられるものは、水、リンガー液、および等張の塩化ナトリウム溶液である。さらに、殺菌した固定油は、溶媒または懸濁媒質として用いられ得る。この目的では、任意の低刺激の固定油(合成のモノグリセリドまたはジグリセリドが挙げられる)が用いられ得る。さらに、脂肪酸(例えば、オレイン酸)は同様に、注射可能なものの製剤として使用され得る。
【0163】
一般に、本発明の方法において有用な本発明の化合物は、実質的に水に不溶であり、最も薬学的に受容可能なプロトン性溶媒中および植物性油中に控え目に溶解する。しかしながら、この化合物は、一般に、中鎖脂肪酸(例えば、カプリル酸およびカプリン酸)またはトリグリセリドに溶解する。そして、この化合物は、中鎖脂肪酸のプロピレングリコールエステル中において、高い溶解度を有する。本発明中で熟考された化合物はまた、化合物を例えば、エステル化、グリコシル化、PEG化などによるより適した運搬(例えば、溶解度、生物活性、味の良さ(palatability)の増加、有害反応の減少など)で作製する化学部分または生物部分の置換または付加により修飾される。
【0164】
好ましい実施形態では、本発明の化合物は、適した低溶解性化合物の脂質を基にした処方における経口投与に関して処方され得る。脂質を基にした処方は一般に、このような化合物の経口の生物学的利用能を増加させ得る。そういうものとして、本発明の薬学的組成物は、中鎖脂肪酸もしくはそのプロピレングリコールエステル(例えば、食用脂肪酸のプロピレングリコールエステル(例えば、カプリル酸およびカプリン酸))および薬学的に受容可能な界面活性剤(例えば、ポリオキシ40水素化ヒマシ油)からなる群から選択される少なくとも1つの薬学的に受容可能な賦形剤と一緒に、本発明の化合物の治療的有効量または予防的有効量を含む。
【0165】
代替的な好ましい実施形態では、シクロデキストリンは、水の溶解度エンハンサーとして添加され得る。好ましいシクロデキストリンは、ヒドロキシプロピル、ヒドロキシエチル、グルコシル、マルトシルおよびマルトトリシル誘導体のα−、β−、およびγ−シクロデキストリンが挙げられる。特に好ましいシクロデキストリン溶解度エンハンサーは、ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン(HPBC)である。この溶解度エンハンサーは、本発明の化合物の水の溶解度特性をさらに改良するために、任意の上で記述された組成物を添加され得る。1つの実施形態では、この組成物は、0.1%〜20%のヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン、より好ましくは、1%〜15%ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン、さらにより好ましくは2.5%〜10%までのヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリンを含有する。用いられる溶解度エンハンサーの量は、組成物中の本発明の化合物の量に依存する。
【0166】
(併用療法)
任意の本発明の1つ以上の化合物と、処置の必要な患者に対して同時投与もしくは連続投与を意図されるまとまった用量形態における、または分離用量形態における化合物を包含する癌、滲出性黄斑変性、関節リウマチ、乾癬、アテローム性動脈硬化症、肥満症、慢性炎症または糖尿病性網膜症の処置に有用な1つ以上の他の活性成分とを組合せることも可能である。連続して投与される場合、この組合せは、2つ以上の投与を投与し得る。代わりの実施形態では、本発明の1つ以上の化合物および異なる方法による1つ以上の添加活性成分を投与する可能性を有する。
【0167】
当業者は、活性成分の種類が、本発明の化合物のVEGF阻害および/または脈管形成阻害活性を増大するため、または相乗作用的に増大するための作用をし得る本発明の化合物と組合せて投与され得る。
【0168】
本発明の方法に従って、活性成分の組合せは、以下を可能にする:(1)組合せたと処方において、共処方および投与または同時運搬;(2)分離処方として交互または同時運搬;または(3)当該分野において、公知の他の任意の組合せの治療の養生法。本発明の方法は、活性成分の投与または運搬を包含し得る。連続的に、例えば、分離溶液、エマルジョン、懸濁液、錠剤、ピルまたはカプセル中で、または、分離シリンジ中で異なる注入により。一般に、交互治療の間、各々の活性成分の有効用量は、連続的に投与される。すなわち、連続的である一方、同時治療では、2つ以上の活性成分の有効用量は、一緒に投与される。種々の間欠性の組合せの同時治療はまた、使用され得る。
【実施例】
【0169】
本発明は、以下の非限定的な実施例を参照してより詳細に記載される。これらの実施例は、本発明をより完全に説明するために示されているが、その範囲を制限すると解釈されるべきではない。実施例は、本発明の特定の化合物の調製法、およびインビトロでのおよび/またはインビボでのこれらの化合物の試験を例示する。当業者は、これらの実施例で記載される技術が、本発明の実施において、十分に機能するために本発明者らによって記載された技術を表すことを理解し、そして、そういうものとして、それらの実施に関する好ましい様式を構成する。しかし、当業者が、本発明の開示に照らして、開示される特定の方法において多くの変更がなされ得、そして依然として本発明の精神および範囲から逸脱することなく類似もしくは同様の結果が得られ得ることを認めることが、理解されるはずである。
【0170】
(実施例1:本発明の化合物の調製)
本発明の化合物は、当該分野で公知の任意の様式で生成され得る。例として、本発明の化合物は、次の一般的なスキームにより調製され得る。より具体的には、スキームA、C、DおよびEは、XがNR10である場合、式Iもしくはその好ましいクラスの化合物を作製するために使用され得る。スキームBは、XがOである場合、式Iの化合物を作製するために使用され得る。スキームFは、RがBrである開始化合物を用いる合成を示す。
【0171】
(一般的な合成法)
次のスキームは、本発明の化合物の調製についての代表的な合成アプローチを示すことを意図する。全ての場合において、別なように述べられている場合を除いて、置換基W、X、RおよびR〜R23は上で定義されている通りである。置換基「L」は、脱離基を意味する。Yとしては、置換したもしくは置換していないC〜Cアルキル、置換したもしくは置換していないC〜Cアルケニル、または置換したもしくは置換していないアリールが挙げられるが、これに限定しない。Zとしては、置換したもしくは置換していないカルボニル(すなわち、置換していないカルボニルは−C(O)Hである)、C〜Cアルコキシカルボニル、置換したもしくは置換していないアミノカルボニル、またはスルホニルが挙げられるが、これに限定しない。
【0172】
【化32】

スキームAは、式(I)、(Ia)、およびI(b)によって包含される化合物が得られる2つの経路を示す。また、本発明のカルボニル化合物を本発明のアミノ化合物へと変換するための標準的な手順が示される。
【0173】
【化33】

スキームBは、式(I)、I(a)、およびI(b)によって包含されるカルボニル化合物が、代表的な合成戦略によって、本発明のアルコール化合物へと酸化され得ることを示す。さらに本発明の化合物は、次いでアルコールから得られ得る。例えば、スキームBでは、本発明のアルコール化合物が、種々の他の化合物(他の化合物の中で、エーテルおよびエステルが挙げられる)に変換される。
【0174】
【化34】

スキームCは、本発明のアミノ置換化合物の調製で使用される代表的な合成順序を示す。本発明のアミノ置換化合物は、それ自体、式(Ia)、(Ib)、および(Ic)によって包含される多種類の化合物に関する中間体として働く。
【0175】
【化35】

スキームDは、式(VIII)の化合物が、式(Ia)、(Ib)、および(Ic)によって包含される化合物から得られる代表的な経路を示す。
【0176】
【化36】

スキームEは、本発明の化合物の代表的な合成を示す。ここで、アミノ置換基は、様々な二環式の環系中に組み入れられる。
【0177】
【化37】

スキームFは、R=Brである本発明の開始化合物から得られ得る本発明の様々な化合物の一部を示す。Br置換基は、種々の置換基(例えば、シアノ、アミノ、およびカルボニルが挙げられる)で置換され得る。R51およびR52は、H,置換したおよび置換していないC〜Cアルキル、ならびに置換したおよび置換していないC〜Cアルキルカルボニルからなる群から選択される。
【0178】
【化38】

スキームGは、代表的な中間体、およびその中間体から得られる本発明の化合物の合成を示す。中間体はそれ自体、本発明の化合物である。
【0179】
【化39】

スキームHは、開始化合物のシクロヘキセノン環部分のカルボニル部分が、本発明の化合物を与える、三環式の環系への4番目の環の取り込みの基礎を提供する代表的な合成経路を示す。
【0180】
【化40】

スキームIは、ヘテロ環式環を本発明の化合物中へ導入する代表的な方法を示す。それにより本発明の新規化合物が与えられる。
【0181】
【化41】

スキームJは、フェノールまたはフェニルエーテル基を有する化合物の代表的な合成を示す。
【0182】
これらおよび他の反応の方法論は、当業者によって認識されるように、本発明の化合物を調製することにおいて有用であり得る。上のスキームおよび手順対する様々な変更は、当業者には明白であり得、そして、本発明は、本発明の化合物の調製方法により明確に限定されない。
【0183】
一般に、本明細書中に記載される合成法は、種々の市販の開始物質、文献で公知の開始物質、ならびに標準の合成法および手順を使用することにより調製される容易に調製される(readily−prepared)開始物質を使用し得る。有機分子の調製ならびに官能基の変換および操作に関する標準の合成法および手順は、関連した科学文献から、またはその分野の標準的な参考テキストから得られ得る。いずれか1つまたは数種の供給源に限定されないが、認識される有機合成の参考テキストとしては、例えば、以下が挙げられる:Smith,M.B.;March,J. March’s Advanced Organic Chemistry:Reactions,Mechanisms,and Structure,5th ed.;John Wiley & Sons:New York,2001;およびGreene,T.W.;Wuts,P.G.M.Protective Groups in Organic Synthesis,3rd;John Wiley & Sons: New York,1999。合成法の前述の記述は、本発明の化合物の調製に関する一般的な手順を説明するために設計されているが、これに限定されない。
【0184】
(カルバゾール化合物の合成)
(手順I:)
【0185】
【化42】

酢酸(220mL)中の1,2−シクロヘキサンジオン(10.0g、84mmol)および濃HCl(80mL)の溶液に、60℃で1.5時間にわたって、滴下漏斗によりメタノール(200mL)中の4−ブロモフェニルヒドラジン塩酸塩(9.5g、42.5mmol)の溶液を添加する。添加後、結果として生じた暗褐色の混合物をさらに1時間、60℃で加熱する。反応混合物を室温に冷却し、次いで、冷蔵庫中に置いて、一晩冷却する。フラスコの底に沈降している褐色の沈殿物をろ過により集め、最小限のMeOH(2x)で洗浄して、5.25g(LC−MS>95%純粋)の淡褐色の粉末を得る。暗褐色のろ液を、ロータバップ(rotavap)で最初の体積の約半分に濃縮し、褐色の沈殿物をろ過し、MeOH(4x)で洗浄して、1.73g(LC−MS、95%純粋)の茶色がかった粉末を得る。50の総収率:62%。
【0186】
化合物60、71、73、76,97および110は、同様の様式で調製される。
【0187】
エタノール(100mL)中のケトン50(5.25g、19.9mmol)およびヒドロキシアミン塩酸塩(2.76g、39.8mmol)の混合物に、ピリジン(5.64mL、39.8mmol)を添加する。この混合物を、1時間還流する。この固体は、加熱によって溶解する。この反応混合物を真空下で濃縮し、乾燥する。結果として生じた粘着性の固体を処理し、そして、ヘキサン(3x)で洗浄して、オキシム87(6.1g、100%)の黄褐色の粉末を得る。
【0188】
化合物84,92,93および98は、同様の様式で調製される。
【0189】
エーテル(75mL)中のLAH(3.02g、79.6mmol)懸濁液に、DCM(90mL)およびTHF(12mL)中のオキシム87(6.1g、19.9mmol)の溶液を0℃で添加する。添加後、この混合物を、30分間、0℃で攪拌し、次いで、10時間、50℃で加熱する。0℃に冷却し、この混合物を連続して水(3.2mL)、20%NaOH(2.4mL)および水(11.2mL)を使用してクエンチする。濁った白色の混合物を、2時間、室温で攪拌し、次いでろ過し、ろ液が紫外光の吸収を示さなくなるまでTHFを用いて徹底的に洗浄する。この合わせたろ液を、真空下で濃縮して乾燥させ、そしてエーテル(4x)で洗浄し、LC−MSより97%純粋なアミン89を得る。収率:4.14g、90%。
【0190】
化合物94,95,96および99は、同様の様式で調製される。
【0191】
(手順II:)
【0192】
【化43】

AcOH(5mL)中のアミン96(0.110g、0.5mmol)と2,5−ジメトキシ−テトラヒドロ−フラン(78mL、0.6mmol)との溶液を6時間、62℃で加熱する。暗褐色の反応混合物を真空下で濃縮し、そして、クロマトグラフし、灰色がかった白色の固体として37を得る。収率:68.6mg、51%。
【0193】
化合物5、25、38、48、56、70、118、121および149は、同様の様式で作製される。
【0194】
化合物5の構造の帰属は、次の参考文献に基づいている:JOC、1997、5392およびJCS,CC,1985、1183。
【0195】
(手順III:)
【0196】
【化44】

【0197】
【化45】

エーテル(2mL)中のLAH(15.4mg、0.4mmol)の懸濁液に、THF(2mL)中のラクタム25(76mg、0.2mmol)の溶液を0℃で添加する。この混合物を50℃で一晩攪拌し、0℃に冷却し、飽和NaSO(1mL)を使用してクエンチする。混合物をろ過する。このろ液を真空下で濃縮し、そして、クロマトグラフ(ヘキサン中の25%EtOAc)し、化合物7を得る。収率:51mg、70%。
【0198】
化合物1は、同様の手順で調製される。
【0199】
(手順IV:)
【0200】
【化46】

NMP(7mL)中の1−ピロリル−6−ブロモ−1,2,3,4−テトラヒドロカルバゾール(1.226g、4.0mmol)の懸濁液に、キャップしたチューブ中でCuCN(2.86g、32mmol)を添加する。この混合物を30分間、220℃で加熱する。この固体は、加熱により溶解し、暗褐色のオイルを得る。この混合物を、EtAOc(50mL)を用いて希釈し、セライトを通してろ過し、水(4x)およびブラインで洗浄する。有機物を真空下で濃縮し、灰色がかった白色の固体としてニトリル59を得る。収率:0.961g、92%。
【0201】
EtOH(8mL)中のニトリル59(0.522g、2.0mmol)の懸濁液に、H2O(4mL)中のKOH(1.12g、20.0mmol)の溶液を添加する。40時間還流後、この混合物を真空下で濃縮し、EtOHを除去する。この混合物をHO(4mL)で希釈し、そして、EtOAcを用いて洗浄する。この水性の部分を6N HClを用いて、pH2〜pH3へ酸性化する。化合物120を、灰色がかった白色の固体として沈殿させる。この固体をろ過し、H2Oで洗浄し、真空下で乾燥する。収率:0.58g、93.2%。
【0202】
DMF中の酸120の溶液に、MeIおよびKCOを添加する。3日間、室温で攪拌後、この混合物をEtOAcで希釈し、そして、水(2x)で洗浄する。この有機物を真空下で濃縮し、そして、クロマトグラフし、白色粉末としてエステル115を得る。収率:48mg、82%。
【0203】
MeOH(0.5mL)およびTHF(3mL)中のニトリル59(0.13g、0.5mmol)の溶液に、0℃で過酸化水素(1mL)を添加する。この混合物を、15分間、15℃で攪拌し、次いで、0℃へ冷却する。20%NaOH添加後、この混合物を3.5時間、15℃〜20℃で攪拌し、次いで、24時間、室温で攪拌する。この混合物を、pH6〜pH7へ中性化し、EtOAcを用いて希釈し、ブラインで洗浄する。この有機物を真空下で濃縮し、そして、クロマトグラフ(EtOAc:ヘキサン=1:1)し、白色固体としてアミド119を得る。収率:65mg、47%。
【0204】
MeOH(10mL)中の1−ピロリル−6−ブロモ−1,2,3,4−テトラヒドロカルバゾール(157mg、0.5mmol)の懸濁液に、ラネーニッケル(20mg)を添加する。この混合物を、30分間、40psiでパー シェイカー(Parr shaker)で振とうする。この混合物をろ過する。ろ液を真空下で濃縮し、そして、クロマトグラフ(ヘキサン中の10%EtOAc)し、灰色がかった白色の固体として102を得る。収率:25mg、21%。
【0205】
窒素雰囲気下、キシレン(3.0mL)中の1−ピロリル−6−ブロモ−1,2,3,4−テトラヒドロカルバゾール(157mg、0.5mmol)とモルホリン(0.1mL、1.0mmol)との溶液に、t−ブトキシドナトリウム(67mg、0.7mmol)、Pd(OAC)2(8.9mg、0.04mmol)およびP(Ot−Bu)3(0.53mL、0.16mL)を添加する。7時間還流後、この混合物を、水およびEtOAcで希釈する。この有機物を分離し、真空下で濃縮し、クロマトグラフ(ヘキサン中20%EtOAc)し、黄色っぽいオイルとして104を得る。収率:30mg、18.6%。
【0206】
化合物106は、同様の様式で調製される。
【0207】
THF(5mL)中の1−ピロリル−6−ブロモ−1,2,3,4−テトラヒドロカルバゾール(94mg、0.3mmol)および塩化アセチル(26mL、0.36mmol)の溶液に、キャップしたチューブ中でDIEA(0.11mL、0.6mmol)およびDMAP(36.6mg、0.3mmol)を添加する。この混合物を24時間、100℃で加熱し、真空下で濃縮し、クロマトグラフし、白色固体として13を得る。収率:45.5mg、46%。
【0208】
【化47】

化合物38は、手順IIの化合物37と同様の様式で調製される。化合物49は、手順VIの化合物17と同様の様式で調製される。
【0209】
化合物149は、手順Iの化合物87と同様の様式で調製される。
【0210】
化合物113は、手順IVの化合物120と同様の様式で調製される。
【0211】
化合物26は、手順IVの化合物115と同様の様式で調製される。
【0212】
化合物42:THF(1.3mL)中のアルデヒド38(102.6g、0.3mmol)の溶液に、飽和水酸化アンモニウム(6mL)およびヨウ素(238mg、0.93mmol)を添加する。24時間、室温で攪拌後、この混合物を飽和NaSOで処理し、EtOAcで抽出する。この有機物を真空下で濃縮し、灰色がかった固体として42を得る。収率:94mg、92%。
【0213】
(手順VIa:)
【0214】
【化48】

THF(0.8mL)中のケトン50(105mg、0.4mmol)と2−フルオロアニリン(43mL、0.44mmol)との混合物に、1,2−ジクロロエタン(1.6mL、0.5M)およびNaBH(OAc)3(169mg、0.8mmol)中のAcOHの溶液を添加する。6日間、28℃〜30℃で攪拌後、この混合物を水(2mL)でクエンチし、そして、DCM(7mL)で希釈する。有機物を分離し、真空下で濃縮する。粗製の混合物のクロマトグラフィー(ヘキサン中の5%EA)により、灰色がかった白色の固体として生成物17を得る。収率:72mg、50%。
【0215】
化合物2、3、4、6、8、9、10、11、12、14、18、19、20、23、24、28、29、31、32、33、34、36、40、43、44、45、47、51、57、61、63、107は、同様の様式で作製した。
【0216】
(手順VIb:)
【0217】
【化49】

ケトンである6−ブロモ−2,3,4,9−テトラヒドロ−カルバゾール−1−オン(0.3mmol)および2−モルホリン−4−イル−エチルアミン(0.9mmol)を、ジオキサン(3mL)に溶解し、そして、2時間、150℃でマイクロ波により加熱する。この溶媒を減圧下で除去し、そして、粗製の残留物をジクロロメタン(3mL)に溶解し、そして、室温で2日間、水素化アルミニウムリチウム(0.9mmol)を用いて処理する。この溶媒を減圧下で除去し、そして、粗製の残留物を、分取HPLCで精製し、トリフルオロ酢酸塩(7.7mg、5%)を得る。LC/MSデータは、表中に記載。化合物114、79、77、67、68、62、55は、同様の様式で作製する。
【0218】
(手順VIIa:)
【0219】
【化50】

DCM(4mL)中のアミン89(52.8mg、0.2mmol)と3−フェノキシ−安息香酸(64mg、0.3mmol)との混合物に、DMF(1mL、0.1M)中のDMAPの溶液を添加する。この混合物を、7日間、室温で振とうし、ろ過し、二者択一的にDCMおよびMeOH(4x)を使用して洗浄する。合わせたろ液をスピードバック(speed−vac)で濃縮し、クロマトグラフし、白色粉末として30を得る。収率:91mg、99%。
【0220】
化合物21、22、35、39、52、58、74、91、103、123、124、125、126、127、128、129、130、131、132、133、134、141、143、144、145、146、147、150、151、152、153、154および155を、同様の様式で作製した。
【0221】
【化51】

((6−ブロモ−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール−1−イル)−カルバミン酸 tert−ブチルエステル:)
6−ブロモ−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール−1−イルアミン89(1.0g、3.77mmol)およびBOC無水物(0.91g、4.15mmol)を、10mLのアセトンに溶解し、そして、窒素雰囲気下、3時間、周囲温度で攪拌する。この溶媒を減圧下で除去し、そして、残留物を、移動相としてヘキサン中の7.5%酢酸エチルを使用して、シリカゲルで精製し、所望の生成物(550mg、40%)を得る。LC/MS RT=4.20分(M+Na+:387)。
【0222】
((6−ブロモ−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール−1−イル)−メチル−アミン:)
BOC保護化合物(550mg、1.51mmol)を、窒素雰囲気下、周囲温度で、乾燥THF(5mL)に溶解する。この混合物に、水素化アルミニウムリチウム(ジエチルエーテル中の1.0M 6mL 、6.02mmol)の溶液を添加する。反応を、全ての開始物質が消費するまで(1時間)50℃へと加熱する。反応を、飽和硫酸ナトリウム水溶液(5mL)を使用してクエンチし、ろ過し、そして、THF(10mL)で洗浄し、粗製の最終生成物(331mg)を生成する。LC/MS RT=2.23分(M−:277/279)。
【0223】
((6−ブロモ−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール−1−イル)−N−メチル−ベンズアミド:)
粗製のアミン(0.35mmol)を、ジクロロメタン(5mL)中のジイソプロピルエチルアミン(1.05mmol)および塩化ベンゾイル(0.70mmol)と合わせ、そして、1時間、周囲温度で攪拌する。この溶媒を減圧下で除去し、そして、粗製の残留物を分取HPLCにより精製し、最終化合物69(3.9mg、3%)を得る。LC/MSデータは、表中に記載。
【0224】
化合物66を、同様の様式で調製した。
【0225】
(手順VIII:)
【0226】
【化52】

10%H2SO4(5mL)中の4−ブロモヒドラジン塩酸塩(223mg、1.0mmol)と2−フェニル−シクロヘキサノン(174mg、1.0mmol)との混合物を、1時間還流する。この混合物を、室温に冷却し、そして、EtOAcを使用して抽出する。有機物を減圧下で濃縮し、そして、クロマトグラフ(ヘキサン中の5%EtOAc)し、黄色っぽいオイルとして15を得る。収率:125mg、38.5%。
【0227】
化合物16は、同様の様式で作製される。
【0228】
(手順IX:)
【0229】
【化53】

トルエン(10mL)中のアミン89(98.4mg、0.6mmol)と無水フタル酸(110mg、0.74mmol)との混合物を、デッド−スターク(Dead−Stark)トラップを使用して還流する。この固体を加熱によって溶解する。16時間後、この混合物を減圧下で濃縮し、そして、クロマトグラフ(ヘキサン中の25%EtOAc)し、黄色の粉末として41を得る。収率:95mg、40%。
【0230】
(手順X:)
【0231】
【化54】

DCM(2mL)およびTHF(2mL)中のアミン89(53mg、0.2mmol)とクロロギ酸フェニル(38mL、0.3mmol)との溶液に、0℃でDIEA(70mL、0.4mmol)を添加する。2時間、室温で攪拌後、この混合物を、DCMおよび水を使用して希釈する。この有機物を分離し、減圧下で濃縮し、そして、クロマトグラフし、白色固体として75を得る。収率:68mg、89%。
【0232】
化合物46は、同様の様式で調製される。
【0233】
(手順XI:)
【0234】
【化55】

THF(2mL)中のアミン89(53mg、0.2mmol)とフェニルイソシアネート(26mL、0.24mmol)との溶液に、DIEA(70mL、0.4mmol)を添加する。一晩還流後、この混合物を、減圧下で濃縮する。約30mgの粗製の生成物を、分取HPLCで精製し、白色固体として11.5mgの化合物81を得る。
【0235】
(手順XII:)
【0236】
【化56】

DCM(10mL)中のアミン89(0.133g、0.5mmol)とジメシラート(0.122g、0.5mmol)との溶液に、DIEA(0.26mL、1.5mmol)を添加する。一晩、室温で攪拌後、この混合物を減圧下で濃縮し、そして、クロマトグラフ(DCM中の5%MeOH)し、黄色っぽいオイルとして65を得る。収率:88mg、56%。
【0237】
THF中の65(20mg、63%)の溶液に、炭素担持白金(10mg)を添加する。この混合物を、3時間、40psiのH雰囲気下で、パー シェイカー(Parr shaker)で振とうする。この混合物を、セライトを通してろ過し、減圧下で濃縮し、クロマトグラフし、両方オイルとして、72および116を得る。72の収率:9.2mg、46%。116の収率:11.2mg、54%。
【0238】
(手順XIII:)
【0239】
【化57】

DMF(50mL)中の4−ブロモ−フェノール(2.595g、15.0mmol)と3−ブロモ−シクロヘキセン(1.93mL、15.0mmol)との溶液に、K2CO3(4.15g、30mmol)を添加する。室温で一晩攪拌後、この混合物を減圧下で濃縮し、EtOAc中に溶解し、水およびブラインで洗浄する。この有機物を減圧下で濃縮し、茶色がかったオイル(3.80g、100%)としてエーテルを得る。
【0240】
N,N−ジエチル−アニリン(10mL)中のこのエーテル(1.8g、7.1mmol)の溶液を、7時間、200℃で加熱する。この混合物を室温へ冷却し、冷6N HCl(50mL)中に注ぎ、そして、エーテル(2x)を使用して抽出する。合わせた有機物を1N HClおよびブラインを使用して洗浄し、減圧下で濃縮し、そして、クロマトグラフ(ヘキサン中の10%EtOAc)し、透明なオイルとして4−ブロモ−2−シクロヘクス−2−エニル−フェノール(1.70g、94.4%)を得る。
【0241】
ベンゼン中のフェノールとMCPBAとの溶液を、一晩還流する。固体を、沈殿させ、そして、ろ過する。このろ液を、減圧下で濃縮し、クロマトグラフ(ヘキサン中の10%EtOAc)し、透明なオイルとして、8−ブロモ−1,2,3,4−テトラヒドロ−ジベンゾフラン−4−オール108(0.66g、39%)を得る。
【0242】
キシレン(3.0mL)中のアルコール(70mg、0.26mmol)の溶液に、DDQ(100mg、0.44mmol)を添加する。この溶液を暗赤色に変え、そして、6時間還流する。暗赤色が消え、そして、淡褐色の固体が沈殿する。この混合物をろ過する。このろ液を、減圧下で濃縮し、そして、クロマトグラフし、白色固体(50mg、72%)として105を得る。
【0243】
化合物107は、手順VIaの化合物17の手順と同様の様式で105から調製される。
【0244】
(手順XIV:)
【0245】
【化58】

DMF(20mL)中の50(0.795g、3.0mmol)の溶液に、0℃でNaH(鉱油中60%、0.18g、4.5mmol)を添加する。30分間、室温で攪拌後、MeI(0.56mL、9.0mmol)を添加する。この混合物を、2日間、室温で攪拌し、水を使用してクエンチし、ほとんどのDMFを除去するために、減圧下で濃縮する。この残留物をEtOAc中に入れ、飽和NH4Clおよびブラインを使用して洗浄する。この有機物を減圧下で濃縮し、クロマトグラフ(ヘキサン中の10%EtOAc)し、白色固体として化合物53および88を得る。53の収率:0.25g、32%。88の収率:0.27g、34%。
【0246】
化合物117は、同様の様式で調製される。
【0247】
(手順XV:)
【0248】
【化59】

MeOH(20mL)中のケトン50(0.40g、1.5mmol)の溶液に、0℃でNaBH4(0.56g、15mmol)を分けて添加する。一晩室温で攪拌後、この混合物を、水を使用してクエンチし、MeOHを除去するために、減圧下で濃縮する。水層を、DCM(3x)を使用して抽出する。合わせた有機物を減圧下で濃縮し、そして、クロマトグラフし、灰色がかった白色の固体として、アルコール82を得る。収率:0.23g、57%。
【0249】
THF(5mL)中のアルコール82(105mg、0.4mmol)と4−フルオロ−フェノール(54mg、0.48mmol)との溶液に、0℃でADDP(303mg、1.2mmol)および(n−Bu)3P(0.30mL、1.2mmol)を添加する。結果として生じた黄色の混合物を、一晩攪拌する。この混合物を、減圧下で濃縮し、EtOAcを使用して処理し、白色固体を生成する。この白色固体を、ろ過により除去する。このろ液を減圧下で濃縮し、そして、クロマトグラフし、灰色がかった白色の固体としてエーテル54を得る。収率:12mg、8.3%。
【0250】
(手順XVI:)
【0251】
【化60】

4−ブロモ−アニリン(固体)と3−ブロモ−2−オキソ−シクロヘキサンカルボン酸エチルエステル(オイル)との混合物を、高真空下、150℃で加熱する。この固体を溶解すると、塊全てが固体になる。約1時間後、固体は、暗褐色のオイルに融解する。室温への冷却により、反応混合物は、凝固する。この固体を、DCMを使用して処理し、そして、部分的に溶解させる。この混合物をろ過し、そして、DCMを使用して洗浄する。このろ液を減圧下で濃縮し、そして、クロマトグラフし、黄色の固体として90を得る。収率:1.4g、36%。
【0252】
THF(10mL)中のエステル90(0.85g、2.64mmol)の溶液に、5N NaOH(2.6mL、13mmol)を添加する。2時間、90℃で加熱後、この混合物を、THFを除去するために減圧下で濃縮し、水を使用して希釈し、そして、EtOAcを使用して洗浄する。水層を、6N HClを使用してpH3へ酸性化し、そして、DCM(3x)を使用して抽出する。合わせた有機物を減圧下で濃縮し、茶色がかった固体として85を得る。収率:0.71g、92%。
【0253】
DCM(4mL)およびTHF(1mL)中の酸85(88mg、0.3mmol)とアニリン(40mL、0.45mmol)との溶液に、HOBt(61mg、0.45mmol)およびDCC(93mg、0.45mmol)を添加する。一晩室温で攪拌後、この混合物を減圧下で濃縮し、次いで、EtOAcを使用して希釈する。その結果、白色の固体が生じる。この固体をろ過する。このろ液を減圧下で濃縮し、クロマトグラフ(ヘキサン中の25%EtOAc)し、茶色がかった固体として91を得る。収率:101mg、91%。
【0254】
DCE(8mL)中の酸85(88mg、0.3mmol)とメチルテトラゾール(37.8mg、0.45mmol)との溶液に、ポリマー担持(DCC(0.36g、0.45mmol、1.26mmol/g)を添加する。一晩80℃で加熱後、この混合物をろ過する。この樹脂を、二者択一的にDCMおよびMeOHを使用して洗浄する。このろ液を減圧下で濃縮し、そして、クロマトグラフ(EtOAc:hex=1:1)し、灰色がかった白色の固体として100を得る。収率:33mg、33%。
【0255】
(手順XVII:)
【0256】
【化61】

THF中の50(0.795g、3.0mmol)とBoc無水物(0.785g、3.6mmol)との溶液に、DMAP(0.55g、4.5mmol)を添加する。2日間、室温で攪拌後、この溶液を減圧下で濃縮する。この残留物にEtOAcを入れ、飽和NH4Clおよびブラインで洗浄する。溶媒のエバポレーションにより、オイルとして80(1.148g、100%)を得る。
【0257】
(手順XVIII:)
【0258】
【化62】

DMF−DMA(ジメチルホルムアミド ジメチルアセタール)(5.4mL、40mmol)中のケトン50(264mg、1.0mmol)の溶液を、7時間還流する。室温への冷却により、黄色固体が、沈殿する。この固体をろ過し、そして、EtOAcで洗浄し、そして、室温、空気中で乾燥する。収率:22mg、7%。
【0259】
EtOH中のこの固体の懸濁液に、水およびNH2OH HCl塩を添加する。この混合物を一晩還流する。この固体を室温へと冷却し、そして、減圧下で濃縮する。この残留物を、DCM中に溶解し、そして、水を使用して洗浄する。この有機物を減圧下で濃縮し、そして、クロマトグラフし、白色固体として109を得る。収率:26mg、100%。
【0260】
化合物78は、同様の様式で調製される。
【0261】
(手順XIX:)
【0262】
【化63】

THF(2mL)中の化合物2(34mg、0.1mmol)の溶液に、0℃でNaH(鉱油中60%)(0.10g、0.4mmol)を添加する。気泡の発生の終了後、CDIを添加する。一晩室温で攪拌後、この混合物を、水を使用してクエンチし、そして、DCMを使用して抽出する。合わせた有機物を、減圧下で濃縮し、そして、クロマトグラフし、灰色がかった白色の固体として112を得る。収率:26mg、72%。
【0263】
(手順XX:)
【0264】
【化64】

DMF中のアミン89と2−ブロモピリミジンとの溶液に、TEAを添加する。一晩、100℃で加熱後、この混合物を減圧下で濃縮し、そして、クロマトグラフ(ヘキサン中の25%EtOAc)し、灰色がかった白色の固体として141を得る。収率:61mg、60%。
【0265】
(手順XXI:)
【0266】
【化65】

POCl3(1mL)中の酸85(20mg、0.07mmol)と1,2−ジアミノベンゼン(10mg、0.1mmol)との混合物を、4時間、100℃で加熱する。この混合物を、室温へ冷却し、そして、氷冷水中に注ぐ。pHを、20%NaOHの添加により、約11に調整する。その結果、褐色の固体が生じる。この固体を、ろ過により集め、そして、クロマトグラフィー(ヘキサン中の10%EtOAc)により精製し、茶色がかった固体として142を得る。収率:5mg、20%。
【0267】
(手順XXII:)
【0268】
【化66】

THF(100mL)中の4−ブロモ−アニソール(6.4mL、51mmol)の溶液に、−78℃で、15分間、n−BuLiを滴下する。−78℃で1.5時間攪拌後、この混合物を、20分間、−78℃で、THF(50mL)中の無水CeCl(4.4g、99mmol)の混合物にカニューレを通して挿入する。室温で2時間、激しく攪拌する。−78℃で1.5時間攪拌後、THF(60mL)中のケトン50(3.96g、15mmol)を、この黄色の懸濁液に滴下する。次いで、この混合物を、一晩、室温で攪拌する。この混合物を、0℃へ冷却し、飽和NH4Cl水溶液を使用してクエンチし、10分間、室温で攪拌し、デカントする。この残留懸濁液を、セライトを通してろ過し、そして、EtOAcを使用して洗浄する。合わせた有機物を、Na2SO4で乾燥し、減圧下で濃縮する。粗製の生成物XXII−1を、0℃でEt3SiH(7.20mL、45mmol)とDCM(50mL)との溶液中に溶解する。TFAを滴下し、そして、この混合物を一晩、室温で攪拌する。この混合物を、飽和NaHCO3水溶液を使用してクエンチし、EtOAcを使用して抽出する。有機層を、飽和NaHCO3水溶液およびブラインを使用して洗浄し、Na2SO4で乾燥し、減圧下で濃縮する。この残留物を、ヘキサン中のDCM(30%〜50%)を使用してクロマトグラフし、灰色がかった白色の粉末として192を得る。収率:4.16g、82%。LC−MS:データは表中に記載。
【0269】
DCM中の化合物192(4.16g、11.7mmol)の溶液に、0℃で、15分の間にBBr3を添加する。この混合物を一晩室温で攪拌する。暗紫色の混合物を濃縮し、飽和NaHCO水溶液を使用して処理する。有機層を、ブラインを使用して洗浄し、Na2SO4で乾燥し、減圧下で濃縮する。この残留物をクロマトグラフ(10%〜25%ヘキサン中のEtOAc)し、紫色がかった固体として193(2.84g、71%)を得る。
【0270】
(手順XXIII:)
【0271】
【化67】

DMF(20mL)中の193(766mg、2.25mmol)と1−ブロモ−3−クロロ−プロパン(2.24mL、22.5mmol)の溶液に、KCO(1.57g、11.35mmol)を添加する。この混合物を、2日間、室温で攪拌し、そして、減圧下で濃縮する。この残留物をEtOAc中に入れ、そして、HOおよびブラインを使用して洗浄する。この有機物をNaSOで乾燥し、減圧下で濃縮する。この残留物をクロマトグラフ(ヘキサン中の10%EtOAc)し、白色固体として5(0.40g、42.6%)を得る。
【0272】
メチルエチルケトン(2mL)中のXXIII−1(50mg、0.12mmol)の溶液に、N−Ac−ピペラジン(25.6mg、0.2mmol)、DIEA(70μl、0.4mmol)およびNaI(75mg、0.5mmol)を添加する。この混合物を一晩90℃で攪拌し、そして、減圧下で濃縮する。この残留物を、EtOAcに入れ、そして、H2Oおよびブラインを使用して洗浄する。この有機物をNaSOで乾燥し、そして、減圧下で濃縮する。この残留物をクロマトグラフ(EtOAc中の10%MeOH)し、黄色っぽい固体として204(40mg、54%)を得る。
化合物194は、化合物XXIII−1として同様の方法で得られる。
【0273】
アセトン(0.9mL)および水(0.3mL)中の7(40mg、0.1mmol)のわずかに濁った混合物に、過塩素酸鉄(III)を添加する。さび色の溶液を、一晩、室温で攪拌し、次いで、7時間、60℃で加熱する。この混合物を、減圧下で濃縮する。この残留物をクロマトグラフ(100%EtOAc)し、白色固体として212(23.3mg、56%)を得る。
【0274】
(実施例2:低酸素誘導性の内因性VEGF発現に関する効果を評価するためのアッセイ)
低酸素誘導性の内因性VEGF発現を調節するための本発明の化合物の能力を次のように分析する。VEGFタンパク質レベルを、ELISAアッセイ(R&D Systems)によりモニターする。要するに、HeLa細胞を、本発明の化合物の存在下または非存在下で、低酸素条件(1%O、5%CO、窒素を使用してバランスをとった)下で、24〜48時間培養する。次いで、この条件付けられた培地を、ELISAによりアッセイし、そして、VEGFの濃度を、各々のアッセイの標準ELISA曲線から計算する。
【0275】
用量応答分析を、ELISAアッセイおよび上で記載された条件を用いて行う。様々な一連の濃度(例えば、7種)を分析する。並行して、用量応答の細胞毒性アッセイを、VEGF発現の阻害が細胞毒性によらないことを確実にするために、ELISAと同じ条件で、Cell Titer Glo(Promega)を用いて行う。用量応答曲線は、阻害割合 対 化合物の濃度をプロットし、そして、EC50およびCC50値は、最大阻害を100%として、最小阻害を0%として設定し、各々の化合物に関して生成される。
【0276】
以下の図1および表1は、本発明の代表的な化合物が、低酸素条件下で腫瘍細胞中の内因性VEGF生成を阻害する能力を示す。図1では、ELISA EC50は、0.0098μmであり、一方、ELISA CC50(50%細胞毒性)は、1.68μmよりも大きい。
【0277】
本発明の組成物および方法で用い得る一連の化合物に関するEC50値は、以下の表1で与えられる。表1中の化合物156〜188は、市販のものである。表1では、各々の表した化合物のあとに1〜5の星が続く。特定の化合物の次にある星の数は、以下のスケールによる化合物のEC50(VEGF翻訳の量を50%まで低下させるのに必要とされる有効濃度)を示す:
【0278】
【化68】

【0279】
【化69】

【0280】
【化70】

【0281】
【化71】

【0282】
【化72】

【0283】
【化73】

【0284】
【化74】

【0285】
【化75】

【0286】
【化76】

【0287】
【化77】

【0288】
【化78】

【0289】
【化79】

【0290】
【化80】

【0291】
【化81】

【0292】
【化82】

【0293】
【化83】

【0294】
【化84】

【0295】
【化85】

【0296】
【化86】

【0297】
【化87】

【0298】
【化88】

【0299】
【化89】

【0300】
【化90】

【0301】
【化91】

【0302】
【化92】

【0303】
【化93】

【0304】
【化94】

【0305】
【化95】

【0306】
【化96】

【0307】
【化97】

【0308】
【化98】

【0309】
【化99】

【0310】
【化100】

【0311】
【化101】

【0312】
【化102】

【0313】
【化103】

【0314】
【化104】

【0315】
【化105】

【0316】
【化106】

【0317】
【化107】

【0318】
【化108】

【0319】
【化109】

【0320】
【化110】

【0321】
【化111】

【0322】
【化112】

【0323】
【化113】

【0324】
【化114】

【0325】
【化115】

【0326】
【化116】


【0327】
(実施例3:本発明の化合物はインビボ腫瘍増殖PDモデルにおいてVEGF発現およびル腫瘍増殖を阻害する)
本発明の化合物はまた、腫瘍内のVEGFレベルを評価する以下の薬力学的モデルで活性を示した。簡単に述べると、HT1080細胞(ヒト繊維肉腫細胞株)を、ヌードマウスに皮下移植した。7日後、マウスに、所望の投薬範囲(例えば、7日間で200mg/kg/日)で、経口的に化合物を投与した。次いで、腫瘍をマウスから切除し、そして、プロテイナーゼインヒビターを含有するTris−HCl緩衝液中に均質化した。その後、腫瘍内のVEGFレベルを、ヒトVEGF ELISAキット(R&D System)を用いて測定した。ホモジネートのタンパク質濃度を、Bio−Radタンパク質アッセイキットを使用して測定し、そして、腫瘍内のVEGFレベルを、タンパク質濃度に対して正規化した。
【0328】
100mm3の腫瘍で1週間使用した場合、本発明の好ましい化合物は、ビヒクル処置されたコントロール群(データ示さず)と比較して、一般に少なくとも50%まで腫瘍の増殖を阻害する。
【0329】
下の表2中に示される156〜188と番号付けされた化合物は市販されている。これらの化合物は、薬物様化合物として一般的に公知であり、そして、化合物の新規用途を決定する目的で購入された。これらの商業的情報は以下のとおりである:
【0330】
【化117】

【0331】
【化118】

【0332】
【化119】

【0333】
【化120】

【0334】
【化121】

【0335】
【化122】

【0336】
【化123】

【0337】
【化124】

【0338】
【化125】

【0339】
【化126】

【0340】
【化127】

【0341】
【化128】

【0342】
【化129】

【0343】
【化130】


【図面の簡単な説明】
【0344】
【図1】図1は、本発明の代表的な化合物に関して、用量応答ELISAアッセイ、および同時に用量応答細胞毒性アッセイを示しているグラフである。用量応答曲線は、VEGFの転写後の発現の阻害パーセント 対 本発明の化合物の濃度を用いてプロットされた。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)の化合物、
【化1】

そのエナンチオマー、ジアステレオマー、薬学的に受容可能な塩、プロドラッグ、溶媒和物またはその混合物であって、
(a)Xは、−NR10、−N(アルキル)−C(O)−アリール、−N(アルキル)−C(O)−ハロゲン置換アリール、オキソ、OR、H、置換もしくは非置換フェニルアミノカルボニル、置換もしくは非置換フェニル、オキシム、置換もしくは非置換アルコキシカルボニル、ヒドロキシカルボニル、または置換もしくは非置換ヘテロ環式環であり;ここで、
およびR10は、各々独立してH、置換もしくは非置換C1〜6アルキル、置換もしくは非置換C〜Cアルコール、置換もしくは非置換カルボニル、置換もしくは非置換単環式もしくは二環式シクロアルキル、置換もしくは非置換単環式もしくは二環式ヘテロ環式環、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換アルケニル、置換もしくは非置換スルホニル、置換もしくは非置換アリールアルキル、置換もしくは非置換ヘテロシクロアルキル、置換もしくは非置換アミノチオカルボニルであって、ここで、RおよびR10の少なくとも1つがHであるか、
あるいは、RおよびR10は、それらが結合する原子と一緒に単環式もしくは二環式ヘテロ環式環を形成し、ここで、少なくとも1つの環が1つまたは2つのヘテロ原子を含み;
(b)R、RおよびRは、各々独立して、H、−OH、またはアルキルであって、ここで、Rは必要に応じて、Xとともに置換もしくは非置換5員〜11員のモノへテロ環式環またはビへテロ環式環を形成し得;
(c)nは、0、1、または2であって、ここで、nが0の場合、Rは、存在せず;
(d)R、R、RおよびRは、各々独立してH、−OH、置換もしくは非置換C1〜6アルキル、置換もしくは非置換カルボニル、置換もしくは非置換アルコキシ、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ニトロ、シアノ、置換もしくは非置換ヘテロ環式環、置換もしくは非置換アミノ、置換もしくは非置換フェニル、置換もしくは非置換フェノキシ、置換もしくは非置換シクロアルキル、置換もしくは非置換アルケニル、置換もしくは非置換アルキニル、または置換もしくは非置換アルコキシカルボニル、またはヒドロキシカルボニルであり;
(e)WはN、O、またはSであり;
(f)RはH、C1〜3アルキル、置換もしくは非置換シクロアルキル、置換もしくは非置換カルボニルであるか、またはXと一緒に置換もしくは非置換5員〜11員の単環式へテロ環式環または二環式へテロ環式環を形成し、ただし、WがOまたはSである場合、Rは、存在せず;
(g)ただし、式Iの化合物は、化合物156〜188から選択される化合物ではない、
化合物。
【請求項2】
がハロゲンであり、nが1または2であり、そしてR、R、およびRがHまたは−OHである、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
が−CF、BrまたはClであり、RがHまたは−OHであり、nが1または2であり、そしてR、R、R、R、RおよびRがHである、請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
Xが、以下:
【化2】

からなる群から選択される置換基で置換されたフェニルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項5】
Xが−NR10であり、ここで、
およびR10は、各々独立してH、置換カルボニル、置換もしくは非置換単環式もしくは二環式シクロアルキル、置換もしくは非置換単環式もしくは二環式ヘテロ環式環、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換アリールアルキル、置換もしくは非置換ヘテロシクロアルキルであって、ここで、RおよびR10の少なくとも1つがHであるか、
あるいは、RおよびR10が、それらが結合する原子と一緒に単環式もしくは二環式ヘテロ環式環を形成し、ここで、少なくとも1つの環が1つまたは2つのヘテロ原子を含む、請求項1に記載の化合物。
【請求項6】
がHであり、R10が置換カルボニルである、請求項5に記載の化合物。
【請求項7】
がHであり、R10が、置換もしくは非置換アリールである、請求項5に記載の化合物。
【請求項8】
がHであり、R10が、置換もしくは非置換単環式へテロ環式環もしくは二環式ヘテロ環式環である、請求項5に記載の化合物。
【請求項9】
がHであり、R10が、置換もしくは非置換単環式へテロ環式環である、請求項5に記載の化合物。
【請求項10】
がHであり、R10が、置換もしくは非置換二環式ヘテロ環式環である、請求項5に記載の化合物。
【請求項11】
Xがオキソである、請求項1に記載の化合物。
【請求項12】
Xが−ORである、請求項1に記載の化合物。
【請求項13】
Xが置換もしくは非置換フェニルアミノカルボニルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項14】
Xが置換もしくは非置換フェニルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項15】
Xがオキシムである、請求項1に記載の化合物。
【請求項16】
Xが置換もしくは非置換アルコキシカルボニル、またはヒドロキシカルボニルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項17】
Xが置換もしくは非置換へテロ環式環である、請求項1に記載の化合物。
【請求項18】
請求項1に記載の化合物であって、該化合物が式(Ia)の化合物、
【化3】

そのエナンチオマー、ジアステレオマー、薬学的に受容可能な塩、プロドラッグ、溶媒和物またはその混合物であり、ここで、
(a)Xは、NR10、−N(アルキル)−C(O)−アリール、−N(アルキル)−C(O)−ハロゲン置換アリール、オキソ、OR、H、置換もしくは非置換フェニルアミノカルボニル、置換もしくは非置換フェニル、オキシム、置換もしくは非置換アルコキシカルボニル、ヒドロキシカルボニル、または置換もしくは非置換ヘテロ環式環であり;
およびR10は、各々独立して、H、置換もしくは非置換C1〜6アルキル、置換もしくは非置換カルボニル(すなわち、−C(O)H)、置換もしくは非置換単環式もしくは二環式シクロアルキル、置換もしくは非置換単環式ヘテロ環式環もしくは二環式ヘテロ環式環、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換スルホニル、置換もしくは非置換アリールアルキル、置換もしくは非置換ヘテロシクロアルキルであって、ここで、RおよびR10の少なくとも1つがHであるか、
あるいは、RおよびR10は、それらが結合する原子と一緒に単環式ヘテロ環式環もしくは二環式ヘテロ環式環を形成し、ここで、少なくとも1つの環が1つまたは2つのヘテロ原子を含み;
(b)R、RおよびRは、各々独立して、H、またはアルキルであって、ここで、Rは必要に応じて、Xとともに置換もしくは非置換5員〜11員のモノへテロ環式環またはビへテロ環式環を形成し得;
(c)nは、0、1、または2であって、ここで、nが0の場合、Rは、存在せず;
(d)R、RおよびRは、各々独立して、H、OH、C1〜6アルキル、置換もしくは非置換カルボニル(すなわち、−C(O)H)、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、シアノ、置換もしくは非置換単環式環ヘテロ環式環、置換もしくは非置換アミノ、置換もしくは非置換フェニル、置換もしくは非置換フェノキシ、置換もしくは非置換シクロアルキル、置換もしくは非置換アルケニル、置換もしくは非置換アルキニル、または置換もしくは非置換アルコキシカルボニル、またはヒドロキシカルボニルであり;
(e)Rは、各々独立して、H、OH、置換もしくは非置換C2〜6アルキル、置換もしくは非置換アルコキシ、置換もしくは非置換カルボニル(すなわち、−C(O)H)、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、シアノ、置換もしくは非置換へテロ環式環、置換もしくは非置換アミノ、置換もしくは非置換フェニル、置換もしくは非置換フェノキシ、置換もしくは非置換シクロアルキル、置換もしくは非置換アルケニル、置換もしくは非置換アルキニル、または置換もしくは非置換アルコキシカルボニル、またはヒドロキシカルボニルであり;
(f)RはH、C1〜3アルキル、置換もしくは非置換シクロアルキル、置換もしくは非置換カルボニル(すなわち、−C(O)H)であるか、またはRはXと一緒に置換もしくは非置換5員〜11員の単環式へテロ環式環または二環式へテロ環式環を形成し、ただし、X、RおよびR10が非置換ピロールを形成する場合、Rは臭素ではなく、RがHの場合、Rは、Xと一緒に、置換もしくは非置換へテロ環式環を形成し;そして
(g)WはN、O、またはSであり、ただし、WがOまたはSの場合、Rは存在しない、
化合物。
【請求項19】
請求項1に記載の化合物であって、該化合物が、式(Ib)の化合物、
【化4】

そのエナンチオマー、ジアステレオマー、薬学的に受容可能な塩、プロドラッグ、溶媒和物もしくはその混合物であり、ここで、
(a)Xは、NR10、−N(アルキル)−C(O)−アリール、−N(アルキル)−C(O)−ハロゲン置換アリール、オキソ、OR、H、置換もしくは非置換フェニルアミノカルボニル、置換もしくは非置換フェニル、オキシム、置換もしくは非置換アルコキシカルボニル、ヒドロキシカルボニル、または置換もしくは非置換ヘテロ環式環であって;
およびR10は、各々独立して、H、置換もしくは非置換C1〜6アルキル、置換もしくは非置換カルボニル(すなわち、−C(O)H)、置換もしくは非置換単環式もしくは二環式シクロアルキル、置換もしくは非置換単環式ヘテロ環式環もしくは二環式ヘテロ環式環、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換アリールアルキル、置換もしくは非置換ヘテロシクロアルキル、置換もしくは非置換アミノチオカルボニルであって、ここで、RおよびR10の少なくとも1つがHであるか、あるいは、RおよびR10は、それらが結合する原子と一緒に単環式ヘテロ環式環もしくは二環式ヘテロ環式環を形成し、ここで、少なくとも1つの環が1つまたは2つのヘテロ原子を含み;
(b)R、RおよびRは、各々独立して、H、またはアルキルであって、ここで、Rは必要に応じて、Xとともに置換もしくは非置換5員〜11員のモノへテロ環式環またはビへテロ環式環を形成し得;
(c)nは、0、1、または2であって、ここで、nが0の場合、Rは、存在せず;
(d)R、R、RおよびRは、各々独立して、H、OH、置換もしくは非置換C1〜6アルキル、置換もしくは非置換カルボニル(すなわち、−C(O)H)、置換もしくは非置換アルコキシ、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ニトロ、シアノ、置換もしくは非置換単環式環ヘテロ環式環、置換もしくは非置換アミノ、置換もしくは非置換フェニル、置換もしくは非置換フェノキシ、置換もしくは非置換シクロアルキル、置換もしくは非置換アルケニル、または置換もしくは非置換アルキニルであり;
(e)RはH、C1〜3アルキル、置換もしくは非置換シクロアルキル、置換もしくは非置換カルボニル(すなわち、−C(O)H)であり、ただし、X、RおよびR10が非置換ピロールを形成する場合、RがHであるときRは臭素でなく;
(f)WはN、O、またはSであり、ただし、WがOまたはSの場合、Rは存在しない、
化合物。
【請求項20】
がBrまたはClである、の請求項1〜19のいずれかに記載の化合物。
【請求項21】
nが1である、請求項1〜20のいずれかに記載の化合物。
【請求項22】
nが2である、請求項1〜20のいずれかに記載の化合物。
【請求項23】
Wが窒素であり、RがHまたはC〜Cアルキルである、請求項1〜22のいずれかに記載の化合物。
【請求項24】
、R、R、R、およびRがHである、請求項1〜23のいずれかに記載の化合物。
【請求項25】
化合物191〜239、またはそのエナンチオマー、ジアステレオマー、薬学的に受容可能な塩、プロドラッグ、溶媒和物もしくはその混合物から選択される、化合物。
【請求項26】
式(II)の化合物であって、
【化5】

(a)Rはハロ、C〜Cハロアルキル、または置換もしくは非置換C〜Cアルキルであり;
(b)R11およびR12は各々、独立して、H、ハロ、置換もしくは非置換C〜Cアルキル、置換もしくは非置換C〜Cアルコキシ、フェノキシ、および置換もしくは非置換フェニルであるか;または
11およびR12は、それらが結合する原子と一緒に、N、O、およびSからなる群から選択される1〜3のヘテロ原子を含む、R11およびR12が結合する原子を含めて5または6員の炭素環式環またはヘテロ環式環を必要に応じて形成し得る、
化合物。
【請求項27】
式(III)の化合物であって、
【化6】

(a)Rはハロ、および置換もしくは非置換C〜Cアルキルであり;そして
(b)R11は、H、ハロ、置換もしくは非置換C〜Cアルキル、置換もしくは非置換フェノキシ、置換もしくは非置換C〜Cアルコキシ、および置換もしくは非置換フェニルである、
化合物。
【請求項28】
式(IV)の化合物であって、
【化7】

(a)R11はH、ハロ、置換もしくは非置換C〜Cアルコキシ、または置換もしくは非置換C〜Cアルキルである、
化合物。
【請求項29】
式(V)の化合物であって、
【化8】

(a)Rはハロまたは置換もしくは非置換C〜Cアルキルであり;
(b)R14およびR15は各々、独立して、H、ハロ、置換もしくは非置換フェノキシ、シアノ、置換もしくは非置換C〜Cアルキルであるか;または
14およびR15は、それらが結合する原子と一緒に、N、O、およびSからなる群から選択される1〜3のヘテロ原子を含む、R14およびR15が結合する原子を含めて5または6員の炭素環式環またはヘテロ環式環を必要に応じて形成し得る、
化合物。
【請求項30】
式(VI)の化合物であって、
【化9】

(a)Rはハロまたは置換もしくは非置換C〜Cアルキルであり;
(b)QはN、O、またはSであり、
ただし、QがOまたはSの場合、R17は存在せず;
(c)R17はHまたはアルキルであり;
(d)R18およびR19は各々、独立して、H、ハロ、置換もしくは非置換C〜Cアルキル、置換もしくは非置換フェニル、およびニトロからなる群から選択されるか;または
18およびR19はそれらが結合する原子と一緒に、必要に応じて、炭素環式芳香環を形成し得る、
化合物。
【請求項31】
式(VII)の化合物であって、
【化10】

(a)RはハロまたはC〜Cアルキルであり;
(b)R20はHまたはオキソであり
(c)R21およびR22はHであるか;または
21およびR22は、それらが結合する原子と一緒に、必要に応じて、炭素環式芳香環、またはR21およびR22が結合する原子を含めて5員もしくは6員のヘテロ環式環を形成し得、該ヘテロ環式環は、N、O、およびSからなる群から選択される1〜3のヘテロ原子を含み;そして
(d)R23はHまたはオキソである、
化合物。
【請求項32】
式(VIII)の化合物であって、
【化11】

(a)RはハロまたはC〜Cアルキルであり;
(b)R23およびR24は、H、置換もしくは非置換アルコキシカルボニル、置換もしくは非置換アルキルカルボニル、ホルミル、シアノ、および置換もしくは非置換フェニルアミノアルキルからなる群から選択されるか;または
23およびR24は、それらが結合する原子と一緒に、必要に応じて、炭素環式環、またはR23およびR24が結合する原子を含めて5または6員のヘテロ環式環を形成し得、該ヘテロ環式環は、N、O、およびSからなる群から選択される1〜3のヘテロ原子を含み;そして
(c)Rは置換もしくは非置換カルボニルである、
化合物。
【請求項33】
前記化合物が、鏡像異性的に約75%以上純粋であるか、またはその水和物、エナンチオマー、ジアステレオマー、薬学的に受容可能な塩、プロドラッグ、溶媒和物またはその混合物である、請求項1〜32のいずれかに記載の化合物。
【請求項34】
前記化合物が、鏡像異性的に約90%以上純粋であるか、またはその水和物、エナンチオマー、ジアステレオマー、薬学的に受容可能な塩、プロドラッグ、溶媒和物またはその混合物である、請求項1〜32のいずれかに記載の化合物。
【請求項35】
請求項1〜34の1つ以上の化合物、またはその水和物、エナンチオマー、ジアステレオマー、薬学的に受容可能な塩、プロドラッグ、溶媒和物またはその混合物と、薬学的に受容可能な賦形剤とを含む、薬学的組成物。
【請求項36】
化合物番号191〜239からなる群より選択される1つ以上の化合物、または該1つ以上の化合物の水和物、エナンチオマー、ジアステレオマー、薬学的に受容可能な塩、プロドラッグ、溶媒和物またはの混合物と、薬学的に受容可能な賦形剤とを含む、薬学的組成物。
【請求項37】
薬学的組成物の調製のための、請求項1〜32のいずれかに記載の化合物の使用。
【請求項38】
前記薬学的組成物がVEGF生成を阻害する、請求項37に記載の使用。
【請求項39】
前記薬学的組成物が脈管形成を阻害する、請求項37に記載の使用。
【請求項40】
前記薬学的組成物が癌、糖尿病性網膜症、関節リウマチ、乾癬、アテローム性動脈硬化症、肥満症、慢性炎症または滲出性黄斑変性の処置のためのものである、請求項37に記載の使用。
【請求項41】
前記薬学的組成物が癌、糖尿病性網膜症、または滲出性黄斑変性の処置のためのものである、請求項40に記載の使用。
【請求項42】
前記薬学的組成物が、癌の処置のためのものである、請求項41に記載の使用。
【請求項43】
前記薬学的組成物が、糖尿病性網膜症の処置のためのものである、請求項41に記載の使用。
【請求項44】
前記薬学的組成物が、滲出性黄斑変性の処置のためのものである、請求項41に記載の使用。
【請求項45】
被験体においてVEGF生成を阻害する方法であって、該方法は、請求項1〜34のいずれかに記載の化合物または請求項35〜36のいずれかに記載の薬学的組成物のVEGF阻害量を該被験体に投与する工程を包含する、方法。
【請求項46】
被験体において脈管形成を阻害する方法であって、該方法は、請求項1〜34のいずれかに記載の化合物または請求項35〜36のいずれかに記載の薬学的組成物の脈管形成阻害量を該被験体に投与する工程を包含する、方法。
【請求項47】
被験体において癌を処置する方法であって、該方法は、請求項1〜34のいずれかに記載の化合物または請求項35〜36のいずれかに記載の薬学的組成物の治療的有効量を該被験体に投与する工程を包含する、方法。
【請求項48】
被験体において糖尿病性網膜症を処置する方法であって、該方法は、請求項1〜34のいずれかに記載の化合物または請求項35〜36のいずれかに記載の薬学的組成物の治療的有効量を該被験体に投与する工程を包含する、方法。
【請求項49】
被験体において滲出性黄斑変性を処置する方法であって、該方法は、請求項1〜34のいずれかに記載の化合物または請求項35〜36のいずれかに記載の薬学的組成物の治療的有効量を該被験体に投与する工程を包含する、方法。
【請求項50】
被験体において関節リウマチを処置する方法であって、該方法は、請求項1〜34のいずれかに記載の化合物または請求項35〜36のいずれかに記載の薬学的組成物の治療的有効量を該被験体に投与する工程を包含する、方法。
【請求項51】
被験体において乾癬を処置する方法であって、該方法は、請求項1〜34のいずれかに記載の化合物または請求項35〜36のいずれかに記載の薬学的組成物の治療的有効量を該被験体に投与する工程を包含する、方法。
【請求項52】
被験体においてアテローム性動脈硬化症を処置する方法であって、該方法は、請求項1〜34のいずれかに記載の化合物または請求項35〜36のいずれかに記載の薬学的組成物の治療的有効量を該被験体に投与する工程を包含する、方法。
【請求項53】
被験体において肥満症を処置する方法であって、該方法は、請求項1〜34のいずれかに記載の化合物または請求項35〜36のいずれかに記載の薬学的組成物の治療的有効量を該被験体に投与する工程を包含する、方法。
【請求項54】
被験体において慢性炎症を処置する方法であって、該方法は、請求項1〜34のいずれかに記載の化合物または請求項35〜36のいずれかに記載の薬学的組成物の治療的有効量を該被験体に投与する工程を包含する、方法。
【請求項55】
請求項45〜54のいずれかに記載の方法であって、前記化合物を投与する工程により、前記被験体に化合物191〜239からなる群から選択される1つ以上の化合物が送達される、方法。

【図1】
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【公表番号】特表2008−520741(P2008−520741A)
【公表日】平成20年6月19日(2008.6.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−543449(P2007−543449)
【出願日】平成17年11月23日(2005.11.23)
【国際出願番号】PCT/US2005/042483
【国際公開番号】WO2006/065480
【国際公開日】平成18年6月22日(2006.6.22)
【出願人】(507166346)ピーティーシー セラピューティクス, インコーポレイテッド (4)
【Fターム(参考)】