説明

自立伝導性ナノ複合エレメントの電解製造法

この発明は、自立複合エレメント及びそれを製造する方法に関するものである。この複合エレメントは、電気伝導性材料の基材とそれを覆う本質的に基材と垂直な平面に沿って配向した金属ナノワイヤよりなる。基材の厚みは、数?mから数百?mに及ぶ。このエレメントは、被覆されるべき基材により形成されたカソード、少なくとも一つのアノード及び金属材料の前駆物質の溶液により形成され適宜伝導性のイオン性塩を含む電解液、カソードと各アノードとの間に置かれた平坦な多孔性膜及び各膜とそれに隣接するアノードとの間のスペーサーエレメントを含むセルにおいて製造され、該セルの種々の構成部品は、接触を保っている。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
この発明は、ナノ構造化金属コーティングを電気伝導性基材に付着させる方法及びそうしてコーティングされた基材に関係する。
【0002】
電池を利用するエネルギー貯蔵の分野において、電極の特性、特に、電極に含まれる集電装置の特性は、電池の全体的性能に関して重要な要素である。集電装置として利用されうる材料においては、高い電気伝導性、良好な電気化学的安定性及び活物質との大きな接触面積を有することが望ましい。ナノ材料は、高い面積/体積比を有し、それによりを拡散限界を減じることにより反応速度を増大させており、集電装置の製造のためのナノ材料の利用が開発されつつある。
【0003】
ナノ構造化された電気伝導性材料を、電気化学的に又は化学的に多孔性の膜を利用して、中実又は中空の繊維形態で製造することは、公知である。
【0004】
化学的方法は、例えば、B.Bercu等 [Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B 225, 497-502, (2004)]に記載されている。その方法は、ポリカーボネート膜を活性化してから、銅前駆物質の溶液と接触させることにある。銅が膜の細孔の壁に析出して該膜の表面上に層が形成されるのに十分な時間の後に、該膜を、それを溶解させることにより除去して、得られるものは、表面に中空の銅のナノチューブの形態で、ナノエレメントを有する銅の層よりなる自立エレメントである。しかしながら、その方法においては、ナノエレメントの場合に電気化学的及び/又は化学的析出により得られる基材を形成する銅の層は、必ず多孔性であり、最終的な自立エレメント中のナノエレメントの長さは、膜表面での銅フィルムの形成が該膜の細孔の表面が銅で完全に覆われたときにのみ開始するので、膜の厚みによって指図される。その上、銅基材上の銅ナノエレメントが自立エレメントの機械的強度に対して及びその集電装置としての使用にも好ましくないという事実、中空エレメントにより運ばれる電流量は、中実ナノエレメントによるものより少ない。
【0005】
方法は又、ナノ構造化エレメントを伝導性基材上に、電気化学的に析出させるためにも公知である。これらの方法においては、ナノ構造化エレメントの形成のための支持体として用いられる膜を、該膜に伝導性を与えるために予備処理することが必要である。この処理は、一般に、新規な金属のフィルムをPVD又はCVDによって該膜に塗布することにある。この技術は、工業的規模で実行するには複雑なものであり、全工程を高価なものにしている。その上、それは、意図した金属がPVD又はCVDによってフィルム形態で塗布することができない場合には、全く単一の金属よりなる自立エレメントを得ることができない。
【0006】
例えば、D. Dobrev等、[Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B 149, 207-212, (1999)]は、ナノスケールの金属針を電気化学的に多孔性膜を利用して形成するための方法を記載している。この方法は、Auの伝導性フィルムをポリカーボネート膜の一面にPVDにより塗布し、銅の層をAu伝導性フィルム上に電着させ、その後、銅を該膜の細孔中に、その膜の開放されたままの表面を介して析出させ、最後に、該膜を適当な溶媒を利用して溶解させることにある。得られた自立エレメントは、ナノスケールの銅の針を有する銅基材よりなり、Auフィルムが、銅の基材とナノスケールの針との間に挿入されている。
【0007】
Y. Konishi等、[Journal of Electroanalytical Chemistry 559, 149-153, (2003)]は、ナノ細孔ポリカーボネート膜において銅のナノワイヤを電着させる方法を記載している。この方法においても、伝導性フィルム(Pt−Pd)が予め膜上に付着され、その後、銅を電着させる。この膜の細孔が銅で満たされた場合には、銅の層が上部に形成され、該層は、電着中、カソードの基材として作用する。該膜を溶解させた後で得られるものは、開放末端(Pt−Pdフィルムがあってよい)に銅ナノワイヤを有する銅基材よりなる自立エレメントである。電着により得られたかかるエレメントの基材の材料は、多孔性であり、その多孔度は、この付着工程において本来的なものである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、ナノ構造化金属性エレメントによりコートされた電気伝導性の基材よりなる自立複合エレメントを得るための、従来技術の方法の欠点を有しない方法を提供することである。
【0009】
これが、何故本発明の主題が、自立エレメント製造方法、得られた自立複合エレメント及び様々な応用であるかという所以である。
【課題を解決するための手段】
【0010】
金属材料のナノワイヤでコートされた電気伝導性の無孔性基材よりなる自立複合エレメントを得るための、本発明による方法は、基材に対する電着操作を、多孔性膜を介して実施してから、その多孔性膜を溶解させることにある。該方法は、制御された電圧及び/又は電流源に接続された電気化学的セルであって、下記を含む当該セルにおいて実施されることを特徴とする:
− 電圧及び/又は電流源の負端子に接続された電気伝導性の無孔性基材よりなるコートされるべきカソード;
− 各々電圧及び/又は電流源の正端子に接続された少なくとも一つのアノード;
− 金属材料の各構成成分の前駆物質化合物の溶液よりなる電解液(該溶液は、適宜、イオン的に伝導性の塩を含む);
− カソード表面上に置かれた平坦な多孔性膜;及び
− 各膜とそれに隣接するアノードとの間のスペーサーエレメント
(これらのセルを構成する様々な部品は、相互に接触を保たれている)。
【0011】
このセルを構成する様々な部品は、加圧によって、互いに接触を維持させることができる。これらの様々な部品が横向姿勢にあって且つ十分な重量を有する場合には、接触は、重力により生じうる。
【0012】
電気分解は、定電流、パルス電流、交流電流又は振動電流で、又は定電圧、パルス電圧、交流電圧又は振動電圧で、又は定電力、パルス電力、交流電力又は振動電力で行なうことができる。
【0013】
ナノワイヤを構成する金属材料MMの成分の前駆物質は、金属Mの前駆物質であってよく、該金属Mは、Cu、Sn、Co、Fe、Pb、Ni、Cr、Au、Pd、Pt、Ag、Bi、Sb、Al及びLiより選択される。MがAl又はLiである場合には、この前駆物質は、有機溶媒中の溶液で用いられる。MがCu、Sn、Co、Fe、Pb、Ni、Cr、Au、Pd、Pt、Sb、Ag又はBiである場合には、前駆物質は、水溶液又は有機溶媒中の溶液で用いることができる。好ましくは、この前駆物質は、硫酸塩、スルファミン酸塩、ホウ酸塩、ハロゲン化物(一層詳細には、塩化物及びフッ化物)、シアン化物ベースの又はアミンベースの錯体、及び水素化物から選択される。有機溶媒は、好ましくは、アルキル又はジアルキルカーボネート例えばプロピルカーボネート(PC)、エチルカーボネート(EC)及びジエチルカーボネート(DEC)から選択される。
【0014】
一つの特定の具体例において、付着されるべき金属Mの前駆物質の錯化剤が、金属Mの減少速度を減らすように電解液に導入される。これは、一様に覆うコーティングの形成を促進する。
【0015】
この電解液のイオン的に伝導性の塩は、電気分解条件下で安定である電気化学的に伝導性の塩から選択する。それは、析出すべき金属の塩であってよい。イオン的に伝導性の塩の添加は、必須でない。しかしながら、低い前駆物質濃度のために、電解液の伝導性は、低く、不満足でさえあり、この場合には、伝導性の塩を電解液に加えることは有用である。
【0016】
このカソードは、電気分解に関して化学的に安定な材料から選択する無孔性の電気伝導性の材料よりなる。例えば、Li、Zn、Cu、Sn、Co、Fe、Pb、Ni、Ti、Cr、Al、貴金属例えばAu、Ag、Pd及びPtから選択される金属M’により、又は幾つかのエレメントM’の金属合金により形成される金属材料MM’を挙げることができる。圧延、引き延ばし、カレンダーがけ又はスタンピングにより得られた金属の箔をカソードとして利用することは、特に有利である。
【0017】
この金属箔は、例えば、平坦な箔又はコンセルチーナの形態に折り畳まれた箔の形態であってよい。このカソードを構成する箔の2面の少なくとも一つは、アノードに面している。
【0018】
一具体例において、この電気化学的セルは、一方の面のみがアノードと面するカソードを含む。これらのナノワイヤは、次いで、電気分解中に、アノードに面しているカソードの面上に析出される。
【0019】
他の具体例において、この電気化学的セルは、カソードを構成する金属箔の両側に位置した薄い箔の形態の2つのアノードを含む。これらのアノードを構成する箔は、カソードを構成する箔と平行している。これらのナノワイヤは、次いで、カソードの両面で同時に析出される。
【0020】
好適具体例においては、ナノワイヤの前駆物質の金属Mと同じ金属M’よりなるカソードを用いる。銅のカソードと銅の前駆物質の特定の場合は、特に有益である。ニッケルのカソードとニッケルの前駆物質、亜鉛のカソードと亜鉛の前駆物質、及び鉛のカソードと鉛の前駆物質の場合を挙げることもできる。
【0021】
多孔性の膜は、例えば、アルミナ箔により形成することができ(該膜においては、細孔が、実質的に、該膜の平面に対して垂直なナノスケールの円筒の形態である)、ポリカーボネート(PC)箔により又はテレフタレート(PET)箔により形成することができる。有機材料の箔は、一般に、アルミナ箔よりも一層規則的でなく一層整ってない細孔を有する。この方法の実施中に、この膜の細孔中に形成されるナノワイヤの長さは、特に、電気分解の持続時間及び電解液中の析出すべき金属の前駆物質の濃度に依存する。この膜は、その厚みがナノ粒子の所望の長さ以上になるような仕方で選択される。
【0022】
これらのアルミナ膜は、細孔が実質的に円筒形で該膜の表面に対して垂直であって一様に分布しており、アルミニウムのアノード酸化により得られる。それらは、例えば、Whatman社によりアノディスク(Anodisc)の名称で販売されている。
【0023】
PC又はPET膜は、PC又はPET箔に予め感光層を塗布し、その後に、レーザーを用いて穿孔することにより得ることができる。PET膜は、例えば、Whatman社により、Cyclopore及びNucleoporeの名称で販売されている。PC膜は、例えば、前記の会社により、Whatman Polycarbonateの名称で販売されている。
【0024】
ポリカーボネート膜は、一般に、膜とアノードとの間に電解液を含むスペースを造るためのスペーサーエレメントに関して、単独のエレメントであることができるだけ十分な機械的強度を有している。
【0025】
アルミニウム膜は、一般に、低い機械的強度を有し、それらをセパレーター型のスペーサーエレメント(イオン伝導性であるが電子絶縁材料の箔よりなる)と組み合わせることは好ましいことである。セパレーターの例としては、セルロース製又はポリマー材料の多孔性の箔を挙げることができる。
【0026】
このセパレーターの目的は、それと隣接する膜の機械的強度を改良することだけでなく、膜内への毛管効果による電解液の浸透によりナノワイヤ析出の一様性を増大させることでもある。これは、膜が完全に乾燥するのを防ぐ目的を有している。その上、膜を利用することにより、スペーサーを用いる場合より一層短い電極間距離を有することが可能となる。
【0027】
不連続な多孔性膜の利用は、ナノワイヤコーティングが連続的でないナノ構造化エレメントのコーティングを有する電気伝導性の無孔性基材よりなる自立エレメントを得ることを可能にする。この具体例においては、表面に空隙が与えられている多孔性膜を、該基材と接触させ、該空隙は、ナノワイヤでコートしないことを意図して且つ電気分解前に電気分解工程の影響を受けないようにマスクされる基材表面領域の形状及び面積を有している。この膜の固体部分は、ナノ粒子によりコートされる基質領域のイメージである。ナノワイヤでコートすべきでない基材領域に対応する膜領域をマスクすることによって、ナノワイヤを不連続的に付着させることも可能である。
【0028】
この発明の方法を実施するために用いられる電気化学的セルにおいて、アノードは、可溶性アノード型であってよく、これは、ナノワイヤの前駆物質の金属Mと同じ金属よりなり、それにより溶液中の金属Mのイオンの一定濃度を維持してセルの端子を横切る電圧を制限することを可能にしている。このアノードは又、溶液中で攻撃されえず、それ故に溶媒の酸化がその上で開始する金属導体よりなるものであってもよい。その上、このアノードは、析出すべき金属以外の材料からなる可溶性アノード型であってよく、この場合には、電気分解条件は、金属Mとアノードを構成する材料との合金のカソードにおける析出を防ぐように調節されなければならない。
【0029】
本発明の他の主題は、上記の方法により得られる製品である。この製品は、少なくとも一方の面に、金属材料のナノワイヤよりなるコーティングを有する電気伝導性材料より作られた無孔性基材よりなる自立複合エレメントであり、該ナノワイヤは、実質的に、該基材に対して垂直な平面内に配向している。該基材の厚さ及び形状は、該複合エレメントを製造するために用いたカソードのものに対応している。該基材の厚みは、好ましくは、1mm未満であり、例えば、5〜500μmである。この基材は、平坦な箔、コンセルチーナの形状に折り畳まれた箔、又は例えば三角形若しくは四角形の断面を有する柱面の側壁を形成するように折り畳まれた箔の形状をとることができる。
【0030】
本発明の自立複合エレメントは、基材が多孔性膜上への電気めっき又は無電解めっきによって得られる従来技術の類似のエレメントから、多孔性でないことによってだけでなくグレイン及び粗さの配向によっても区別される。化学的析出(電気めっき又は無電解めっき)において、基材を形成する材料は、島の形態で付着され、その配向は、実質的に基材の平面に対して垂直である。
【0031】
同様に、この粗さは、基材の平面に対して垂直な向きに配向される[例えば、Y.C. Ee等、「Effect of processing parameters on electroless Cu seed layer properties」、Thin Solid Films 462-463, 197-201,(2004)及びN.M. Hassan等、「Temporal evolution of roughness in electroless copper films」(http://www.ene.unb.br/sbmicro/programcomplete.html)参照]。本発明の自立エレメントの基材において、粗さ及びグレインの全体的配向は、該基材の平面に平行である。それ故、これらの基材は、積層平面において配向する特定のきめ(他の無電解めっき又は電気めっき工程におけるものではないもの)を有する。
【0032】
この複合エレメントの基材を形成する伝導性材料は、該複合エレメントの製造方法を実施するために用いられる電気化学的セルのカソードの場合に定義されたものである。これらのナノワイヤを形成する金属材料は、Cu、Sn、Co、Fe、Pb、Ni、Cr、Au、Pd、Pt、Ag、Bi、Sb、Al及びLiから選択する金属M又は幾つかの金属Mの合金よりなる。
【0033】
これらのナノワイヤの長さ(即ち、このコーティングの厚み)は、一方で、該膜の細孔の長さに依存し、他方で、電気分解の継続時間に依存する。それは、一般に、数百ナノメートル〜数十ミクロンであり、例えば、500nm〜100μmである。細孔が実質的に円筒形であり該膜を形成するシートの表面に対して垂直に配向されているアルミナ箔よりなる膜の利用は、基材の表面に対して垂直に配向した実質的に円筒形のエレメントでコートされた基材を得ることを可能にする。
【0034】
PC又はPET膜の利用は、基材の表面に関して一層規則的でなく一層不十分な円筒形エレメントよりなるコーティングを、この型の膜における細孔の一層規則的でない分布の故に与える。
【0035】
この基材は、ナノワイヤのコーティングを、その表面の一方にのみ又は両面に有してよい。
【0036】
この発明の複合エレメントにおいて、該基材の一面は、ナノワイヤのコーティングを、その全面に有しても、ある領域においてのみ有してもよい。
【0037】
本発明の複合エレメントは、一方で基材を構成する材料の、他方でナノワイヤにより形成されるコーティングを構成する材料の性質によって、集電装置として又は電極として利用することができる。両方の場合において、この基材は、好ましくは、数十ミクロン〜数百ミクロンの厚みを有する伝導性材料の薄膜により形成される。それ故、本発明の他の主題は、該複合エレメントを含む集電装置及び電極である。
【0038】
本発明の自立複合エレメントは、ナノワイヤを構成する金属材料MMが電極活物質の特性を有するものであり、更なる活物質を加えることなく直接電極として利用することができる。かかる複合エレメントの例としては、基材がCu、Al、Li、Pb、Zn、Ni、Ti、Au、Ag、Pt及びPdから選択する金属MM’よりなり且つナノワイヤを構成する金属材料MMがSn、Li及びNi3Sn、Mg2Sn及びCu2Sb合金から選択される複合エレメントを挙げることができる。
【0039】
本発明による、ナノワイヤを構成する金属材料MMが電極活物質の特性を有しない自立複合エレメントは、電極のための集電装置として利用することができる。この発明の自立複合エレメントを集電装置として利用することを意図する場合には、基材及びナノワイヤコーティングは、好ましくは、Cu、Al、Li、Pb、Zn、Ni、Au、Ag、Pt及びPdから選択する同じ材料よりなる。
【0040】
様々な方法を利用して、電極を、本発明の集電装置から製造することができる。
【0041】
ナノワイヤを構成する材料MMが容易に電極活物質の特性を有する酸化物へと酸化できる第一の具体例により、集電装置は、ナノワイヤコーティングを酸化することにより、電極に変換されうる。それ故、得られるものは、最初の材料MM’の基材により及び活物質の特性を有する酸化物ナノワイヤコーティングにより形成される自立エレメントである。例として、材料MM’の基材及びSn、Fe、Ni又はCoナノワイヤコーティングを含むこの発明による複合エレメントからそれぞれ得られる材料MM’よりなる基材を含み酸化錫(SnO又はSnO2)、酸化鉄(FeO、Fe23又はFe34)、酸化ニッケル又は酸化コバルトナノワイヤコーティングを有する電極を挙げることができる。
【0042】
他の具体例において、電極は、この発明の集電装置から、電極活物質をナノワイヤコーティング上に析出させることによって製造される。
【0043】
この電極活物質は、有利には、集電装置上に、複合エレメントがカソードとして作用する電気化学セル及び活物質の前駆物質よりなる電解液にて、当業者の能力の範囲内にある条件下で電気めっきすることによって析出させることができる。この方法により得ることのできる電極の例を与えるために、Snが電気めっきにより塗布された銅ナノワイヤによりコートされた銅基材よりなる集電装置を含む電極を挙げることができる。
【0044】
この活物質は又、活物質の粒子の大きさがナノワイヤ間の距離より小さい場合には、含浸又はコーティングによって付着させることもできる。
【0045】
この活物質は又、付着させるべき粒子の大きさがナノワイヤ間の距離より小さい場合には、ゾル−ゲル法によって付着させることもできる。
【0046】
この活物質は又、物理的方法により、例えばスパッタリング又はレーザーアブレーション技術を利用して薄膜を成長させることによって付着させることもできる。
【0047】
この発明の集電装置及び電極は、多くの電気化学的装置例えばリチウムイオン電池、リチウム/ポリマー電池、再充電可能でない発電機、スーパーキャパシター及びエレクトロクロミック装置において利用することができる。
【0048】
リチウムイオン電池は、リチウム塩を含む液体又はゲル状電解液により分離された負極及び正極を含む。これらの電極の各々は、リチウムイオンを可逆的に挿入できる材料よりなる。
【0049】
リチウムイオン電池の正極は、Alナノワイヤのコーティングを有するAl基材を含む集電装置及びリチウム含有酸化物例えばLiCoO2、LiNiO2若しくはLiMn24、又はリン酸塩例えばLiFePO4よりなる活物質よりなってよい。これらの活物質は、有利には、Al/Al集電装置上に、含浸又はコーティングによって付着させることができる。
【0050】
リチウムイオン電池の負極は、Cu集電装置及びSn、SnO2、Bi、Ni−Sn合金、Sbベースの合金、Fe酸化物、Co酸化物又はNi酸化物から選択する活物質よりなってよい。
【0051】
Sn、Ni−Sn合金又はBiを活物質として含む電極は、有利には、この発明の方法を、銅基材及びSn前駆物質、Sn前駆物質とNi前駆物質との混合物、又はBi前駆物質をそれぞれ含む電解液を用いて実施することによって得ることができる。
【0052】
Sn、Fe、Co又はNi酸化物を活物質として含む電極は、有利には、この発明の方法を、銅基材及びSn、Fe、Co又はNi前駆物質をそれぞれ含む電解液を用いて実施することによって得ることができ、又はCu基材及び選択した前駆物質に対応する金属のナノワイヤを含む複合エレメントを得るためには、その後、複合エレメントを適当な条件下で酸化することにより得ることができる。
【0053】
リチウム−ポリマー電池は、リチウム塩を含む固体ポリマー電解質により分離された負極及び正極を含む。そのアノードは、リチウム金属薄膜又はリチウム合金薄膜よりなる。そのカソードは、有利には、Alナノワイヤを有するAl基材よりなる集電装置及びリチウムイオン電池のカソードの正極の場合に挙げたリチウム含有酸化物より及びリチウムを含有しない酸化物例えばV25より選択する正極活物質を含むこの発明の電極であってよい(該活物質は、有利には、含浸又はコーティングにより付着される)。
【0054】
本発明の自立複合エレメントは、有利には、電解液がリチウム塩を液体溶媒中の溶液にて含む再充電可能でない電池の電極を製造するために利用することができる。そのアノードは、リチウム金属又はリチウム合金薄膜よりなる。そのカソードは、有利には、この発明の電極であってよく、Alナノワイヤを有するAl基材よりなる集電装置及び酸化物例えばV25、WO3又はMnO2、硫化物例えばFeS2、及び炭素フッ化物CFxから選択する正極活物質を含む。
【0055】
スーパーキャパシターは、電解質により分離された2つの電極を含む。これらの電極の一つは、好ましくは、高い比表面積を有する材料よりなる。有利には、かかる電極は、この発明の電極であってよく、Alナノワイヤを有するAl基材又はCuナノワイヤを有するCu基材よりなる集電装置、及び例えば炭素又はポリマーよりなる活物質を含む。
【0056】
その上、本発明の複合エレメントは、パワーエレクトロニクスにおいて及び一層一般的にはマイクロエレクトロニクスにおいて、活性要素とそれらの環境とを接続するためのエレメントとして、又はヒートシンクエレメントとして利用することができ、2つの機能を結合することができる。これらの電子工学的応用のためには、この発明の方法は、半導体エレメントの表面(その少なくとも一つの面は、少なくとも部分的に金属被覆により覆ってある)をカソードとして利用して実施され、膜は、半導体エレメントの金属被覆の全体又は部分上に位置される。
【0057】
一つの特定の具体例において、特に複合エレメントがマイクロエレクトロニクスデバイス用であることを意図されたものである具体例においては、膜の開放された面に、半導体エレメントのナノワイヤで覆われる領域(マスクされない領域)と開放されたままでいる領域(マスクされた領域)を限定するようにマスクが適用される。この具体例は、クリーンルーム処理の最後に半導体ウェハーの全面にこの方法を利用することを可能にする(フロントエンドプロセス)。
【0058】
この発明の方法を利用して2つの半導体エレメント間の又は半導体とその環境のエレメントとの間の接続を製造する場合には、マスクを有する膜の利用は、接続スタッド又はバンプを半導体エレメント上に造ることを可能にする。その半導体エレメントは、次いで、他の半導体エレメント又は環境のエレメントに、当業者に周知の手段例えば接着剤、はんだ、蝋付け又は粘着フィルム(これらは、一般に、この技術分野において、はんだ又はテープとして示される)により固定される。その上、締め付け操作は、熱圧着法又はサーモソニック法などの直接的方法を利用して行なうことができる。締め付け方法の選択は、なかんずく、スタッド又はバンプの製造に利用される金属合金の種類及びレシービングサポート(半導体エレメント又は環境のエレメント)に依存する。
【0059】
電子工学の分野においては、こうして、内部連絡、特に基材内又はPCB(Printed Circuit Board)内の内部連絡が作られうる。それらは、例えば、一つの及び同じ支持体に埋め込まれたチップの内部連絡のために又はチップと同じ支持体に埋め込まれた他のエレメントとの接続のために利用される。無機支持体は、一般に、「基材」と呼ばれ、他方、有機支持体[例えば、エポキシ樹脂/硝子繊維タイプ(タイプFR4)]は、PCBと呼ばれる。
【0060】
マイクロエレクトロニクスの分野において、ダイからダイ又はダイからパッケージへの内部連絡を生成することができ、又はダイ及び/又はパッケージの冷却を実現することができる。この発明の方法のこれらの応用のための利用は、インダクタンスを減じて、内部連絡密度を増す。
【0061】
この発明の複合エレメントをヒートシンクとして利用する場合には、半導体エレメントの一面又は両面のナノワイヤコーティングの存在は、空気との交換のための面積を実質的に増大させる。こうして、冷却性能が改良される。
【0062】
勿論、これらの2つの機能(内部連絡とヒートシンク)を、一つ及び同じ装置内に、3Dインテグレーションのコンテキスト内で結合することができる。
【0063】
本発明を、下記の特定の典型的な具体例によって説明するが、この発明は、これらに限られない。
【実施例】
【0064】
実施例1
CuナノワイヤのCu基材上への付着
この方法を、電解液を含む電気化学的セルにおいて用いたが、該セルにおいては、アセンブリ(圧力により相互に接触して、挙げた順に積まれている下記のエレメントよりなる)を浸漬した:
・銅箔(カソードを形成);
・アルミナ膜;
・セルロース箔(セパレータを形成する);
・銅箔(アノードを形成する)。
【0065】
これらのカソード及びアノードを、ポテンシオスタットの負端子及び正端子にそれぞれ接続した。
【0066】
これらのカソード及びアノードをそれぞれ構成する銅箔は、500μmの厚みを有した。
【0067】
アルミナ膜は、Whatman社から名称Anodiscで販売されている膜であった。それは、50μmの厚みを有し、実質的に円筒形のその細孔の直径は、200nmであった。
【0068】
電解液は、(100g/l)CuSO4、20g/l (NH4)2SO4及び80g/l DETA (ジエチレンテトラアミン)の水溶液であった。
【0069】
電気分解を、30分間にわたって、「250m秒にわたる1mA/cm2での析出、50m秒にわたる20mA/cm2での析出」のシーケンスを繰り返す電流パルスを用いて行なった。
【0070】
用いた装置の略図を、図1に示してあり、該図において、(1)は、電解液を表し、(2)は、カソードを表し、(3)は、膜を表し、(4)は、セパレータを表し、(5)は、アノードを表しそして(6)は、ポテンシオスタットを表している。
【0071】
電気分解の最後に、このセルを解体した。このカソード及びアルミナ膜から形成されたアセンブリは、1M 水酸化ナトリウム溶液に、80℃で30秒間浸漬された。この膜が溶解された後で、カソードを、10秒間にわたって、H2SO4(1M)/CuSO4(1M)水溶液にてすすいだ。
【0072】
得られた生成物のFEG−SEM顕微鏡写真を、図2〜5に示した。
【0073】
図2〜4は、生成物の種々の倍率(×1000、×10000、及び×100000)の、ナノシリンダーの末端に面した像を示しており、図5は、断面を30000倍の倍率で示している。
【0074】
実施例2
ナノワイヤのCu基材への付着
実施例1の操作方法を、下記を用いて反復した:
・カソードを形成する500μmの厚みを有するCu箔;
・アノディスクアルミナ膜;
・アノードを形成する500μmの厚みを有するSn箔。
【0075】
電解液は、SnSO4(97g/l)、H2SO4(30g/L)、酒石酸(30g/l)、PEG3500ポリエチレングリコール(0.35g/l)、ゼラチン(1g/l)及びNa2SO4(30g/l)を含む水溶液であった。
【0076】
実施例3
銅ナノワイヤの3300V/100A IGBTチップへの付着
実施例1の操作方法を、下記を用いて反復した:
・カソードを形成する3300V/100A IGBT(絶縁ゲート型バイポーラ・トランジスタ)チップ;
・アノディスクアルミナ膜;及び
・アノードを形成する500μmの厚みを有するCu箔。
【0077】
電解液は、SnSO4(97g/l)、H2SO4(30g/l)、酒石酸(30g/l)、PEG3500ポリエチレングリコール(0.35g/l)、ゼラチン(1g/l)及びNa2SO4(30g/l)を含む水溶液であった。
【0078】
図6は、得られた生成物のFEG−SEM顕微鏡写真を示している。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】用いた装置の略図を示した図である。
【図2】生成物のナノシリンダーの末端に面した像(倍率1000倍)を示した図である。
【図3】生成物のナノシリンダーの末端に面した像(倍率10000倍)を示した図である。
【図4】生成物のナノシリンダーの末端に面した像(倍率100000倍)を示した図である。
【図5】生成物の断面を30000倍の倍率で示した図である。
【図6】得られた生成物のFEG−SEM顕微鏡写真を示している図である。
【符号の説明】
【0080】
1 電解液
2 カソード
3 膜
4 セパレータ
5 アノード
6 ポテンシオスタット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属材料のナノワイヤでコートされた電気伝導性の無孔性基材よりなる自立複合エレメントを製造する方法であって、該方法は、該基材に対する電着操作を、多孔性膜を介して実施してから、その多孔性膜を溶解させることにあり、制御された電圧及び/又は電流源に接続された電気化学的セルであって、下記を含む当該セルにおいて実施されることを特徴とする当該方法:
− 電圧及び/又は電流源の負端子に接続された電気伝導性の無孔性基材よりなるコートされるべきカソード;
− 各々電圧及び/又は電流源の正端子に接続された少なくとも一つのアノード;
− 金属材料の各構成成分の前駆物質化合物の溶液よりなる電解液(該溶液は、適宜、イオン的に伝導性の塩を含む);
− カソード表面上に置かれた平坦な多孔性膜;及び
− 各膜とそれに隣接するアノードとの間のスペーサーエレメント
(これらのセルを構成する様々な部品は、圧力により相互に接触を保たれている)。
【請求項2】
電気分解を、定電流、パルス電流、交流電流又は振動電流で、又は定電圧、パルス電圧、交流電圧又は振動電圧で、又は定電力、パルス電力、交流電力又は振動電力で行なうことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
ナノワイヤを構成する金属材料の成分の前駆物質が金属Mの前駆物質であり、該金属MをCu、Sn、Co、Fe、Pb、Ni、Cr、Au、Pd、Pt、Ag、Bi、Sb、Al及びLiから選択する、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
MがAl又はLiである場合には、前駆物質は有機溶媒中の溶液で用いられ、MがCu、Sn、Co、Fe、Pb、Ni、Cr、Au、Pd、Pt、Sb、Ag又はBiである場合には、前駆物質は、水溶液又は有機溶媒中の溶液で用いられる、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前駆物質を、硫酸塩、スルファミン酸塩、ホウ酸塩、ハロゲン化物(一層詳細には、塩化物及びフッ化物)、シアン化物ベースの又はアミンベースの錯体、及び水素化物から選択する、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
有機溶媒が、アルキル又はジアルキルカーボネートである、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
カソードが、Li、Zn、Cu、Sn、Co、Fe、Pb、Ni、Ti、Cr、Al、Au、Ag、Pd及びPtから選択される金属M’により、又は幾つかのエレメントM’の金属合金により形成される金属材料よりなる、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
カソードが、平坦な面を有する領域を有する箔である、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
カソードが、ナノワイヤの前駆物質の金属Mと同じ金属M’よりなる、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
アノードが、ナノワイヤの前駆物質の金属Mと同じ金属よりなる、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
多孔性の膜が、アルミナ箔であり、該膜においては、細孔が、実質的に、該膜の平面に対して垂直なナノスケールの円筒の形態である、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
膜が、ポリカーボネート(PC)箔により又はテレフタレート(PET)箔である、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
スペーサーエレメントが、セルロース又はポリマー材料の箔である、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
電気化学的セルが、共に薄膜形態であるアノード及びカソードを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
電気化学的セルが、2つのアノードの間に位置したカソードを含み、これら3つの電極すべてが薄膜形態である、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
カソードが、少なくとも一つの面上に金属薄膜を有する半導体エレメントであって、該金属薄膜上に膜が置かれている、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
膜の開放された面に、半導体エレメントのナノワイヤで覆われる基材の領域と開放されたままでいる基材の領域を限定するようにマスクが適用される、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
少なくとも一つの面に金属材料のナノワイヤよりなる被覆を有する無孔性の電気伝導性材料の基材よりなる自立複合エレメントであって、下記を特徴とする当該自立複合エレメント:
・該ナノワイヤが、実質的に、該基材に対して垂直な平面内に配向し;そして
・該基材が、平坦な箔、コンセルチーナの形状に折り畳まれた箔、又は三角形若しくは四角形の断面を有するピラミッド若しくは柱面を形成するように折り畳まれた箔である。
【請求項19】
基材が、平坦な箔の形態であるか又は平坦な面積を含む任意の形状を有する箔の形態である、請求項18に記載の自立複合エレメント。
【請求項20】
基材が、一つの面にナノワイヤの被覆を有する、請求項18に記載の自立複合エレメント。
【請求項21】
基材が、その両面にナノワイヤの被覆を有する、請求項18に記載の自立複合エレメント。
【請求項22】
基材を形成する伝導性材料が、Li、Zn、Cu、Sn、Co、Fe、Pb、Ni、Ti、Cr、Al、Au、Ag、Pd及びPtから選択される金属M’により、又は幾つかのエレメントM’の金属合金により形成される金属材料である、請求項18に記載の自立複合エレメント。
【請求項23】
ナノワイヤを形成する金属材料が、Cu、Sn、Co、Fe、Pb、Ni、Cr、Au、Pd、Pt、Ag、Sb、Bi、Al及びLiから選択する金属Mよりなり、又は幾つかの金属Mの合金により構成される、請求項18に記載の自立複合エレメント。
【請求項24】
基材とナノワイヤが、同じ材料から作られている、請求項18に記載の自立複合エレメント。
【請求項25】
基材が、金属薄膜を有する半導体エレメントであり、ナノワイヤが、該金属薄膜に付着されている、請求項18に記載の自立複合エレメント。
【請求項26】
請求項18に記載の自立複合エレメントよりなる電極のための集電装置。
【請求項27】
複合エレメントの基材及びナノワイヤが、Cu、Al、Li、Pb、Zn、Ni、Au、Ag、Pt及びPdから選択する同じ材料から作られている、請求項26に記載の集電装置。
【請求項28】
請求項26及び27の何れかに記載の集電装置及び活物質を含む電極。
【請求項29】
ナノワイヤを構成する金属材料が電極活物質の特性を有する、請求項18に記載の自立複合エレメントよりなる電極。
【請求項30】
複合エレメントの基材が、Cu、Al、Li、Pb、Zn、Ni、Ti、Au、Ag、Pt及びPdから選択する材料からなり、ナノワイヤを構成する金属材料が、Sn、Li及びNi3Sn、Mg2Sn及びCu2Sb合金、酸化物SnO又はSnO2、FeO、Fe23及びFe34、酸化ニッケル及び酸化コバルトから選択される、請求項29に記載の電極。
【請求項31】
リチウムイオン電池であって、リチウム塩を含む液体又はゲル状電解液により分離された負極及び正極を含み、少なくとも一つの電極が、請求項28〜30の一つに記載の電極である当該電池。
【請求項32】
正極が、Alナノワイヤのコーティングを有するAl基材を含む集電装置及びリチウム含有酸化物よりなる活物質よりなる、請求項31に記載の電池。
【請求項33】
負極が、Cu集電装置及びSn、SnO2、Bi、Ni−Sn合金、Sbベースの合金、Fe酸化物、Co酸化物及びNi酸化物から選択する活物質よりなる、請求項31に記載の電池。
【請求項34】
リチウム塩を含む固体ポリマー電解質により分離された負極及び正極を含むリチウム/ポリマー電池であって、アノードがリチウム金属薄膜又はリチウム合金薄膜よりなり、カソードが、請求項28〜30の一つに記載の電極である当該電池。
【請求項35】
カソードが、Alナノワイヤを有するAl基材よりなる集電装置及びリチウムイオン電池のカソードの正極の場合に挙げたリチウム含有酸化物及びリチウムを含有しない酸化物例えばV25より選択する正極活物質を含む、請求項34に記載の電池。
【請求項36】
電解液がリチウム塩を液体溶媒中の溶液にて含み且つアノードがリチウム金属又はリチウム合金薄膜よりなり、カソードが請求項28〜30の一つに記載の電極である、再充電可能でない電池。
【請求項37】
カソードが、Alナノワイヤを有するAl基材よりなる集電装置及び酸化物例えばV25、WO3又はMnO2、硫化物例えばFeS2、及び炭素フッ化物CFxから選択する正極活物質を含む、請求項34に記載の電池。
【請求項38】
電解液により分離された2つの電極を含むスーパーキャパシターであって、該電極の一つが、請求項28〜30の一つに記載の電極である当該スーパーキャパシター。
【請求項39】
前記の電極が、Alナノワイヤを有するAl基材又はCuナノワイヤを有するCu基材よりなる集電装置、及び例えば炭素又はポリマーよりなる活物質を含む、請求項38に記載のスーパーキャパシター。
【請求項40】
請求項16及び17の何れかに記載の方法の、半導体エレメント間の又は半導体エレメントとその環境のエレメントとの間の相互接続の製造への応用。
【請求項41】
請求項25に記載の複合エレメントの、エレクトロニクス又はマイクロエレクトロニクスデバイスにおけるヒートシンクとしての利用。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2008−545881(P2008−545881A)
【公表日】平成20年12月18日(2008.12.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−511749(P2008−511749)
【出願日】平成18年5月16日(2006.5.16)
【国際出願番号】PCT/FR2006/001099
【国際公開番号】WO2006/123049
【国際公開日】平成18年11月23日(2006.11.23)
【出願人】(506369944)サントル ナスィオナル ド ラ ルシェルシュ スィアンティフィク (45)
【Fターム(参考)】