説明

車両の制御装置及び方法

【課題】自動車等の車両において、排出ガスに係る部品の熱劣化を防止すると共に、燃費の悪化及びノッキングの発生を回避し、車両のドライバビリティを確保する。
【解決手段】車両の制御装置(300)は、内燃機関(21)と、該内燃機関に燃料を供給する燃料供給手段(27)と、内燃機関の出力における変速比を連続的に変化可能な変速モード及び前記変速比を連続的に変化不可能な固定モードを相互に切り替え可能な変速機(10)とを備える車両の制御装置である。該車両の制御装置は、内燃機関から排出される排出ガスに係る温度を検出する温度検出手段(33)と、検出された温度が温度閾値より高いことを条件に、固定モードに切り替えるように変速機を制御する制御手段(31)とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、MG(motor Generator)、CVT(Continuously Variable Transmission)等を含み、無段変速モードや固定モード等、複数のモードを有する変速機を制御する車両の制御装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の装置では、複数のモードを有する変速機のモードを切り替えることによって生ずる問題を回避することが図られる。例えば、特許文献1には、複数組の差動機構からなる動力分配機構に、動力源と、出力部材と、第1モータ・ジェネレータとが連結されたハイブリッド車の駆動装置が記載されている。ここでは特に、第1モータ・ジェネレータがトルクを入出力することにより動力源と出力部材との間の回転数比を連続的に変化させる状態(即ち、無段変速状態)において、動力源、第1モータ・ジェネレータ、及び出力部材の間でトルクの伝達に複数の差動機構が寄与しないように構成することによって、無段変速状態における動力損失を低減する技術が記載されている。
【0003】
また、特許文献2には、内燃機関の動力が伝達され、入力要素及び出力要素を有する変速機を備え、内燃機関及び出力要素間における変速比を変更不可能な第1の変速モードと、変速比を変更可能な第2の変速モードとを選択的に切り替え可能な車両の制御装置が記載されている。ここでは特に、内燃機関の回転変動により生ずる振動又はこもり音の状態に基づいて、第1の変速モード又は第2の変速モードのいずれかを選択することによって、変速モードの切り替えに伴うドライブトレインの振動、及びこもり音を抑制する技術が記載されている。
【0004】
尚、一般に、触媒が所定の高温状態にある場合に、スロットルバルブの開度を閉じ方向に制御すると共に自動変速機の変速比を小さくする、或いは内燃機関に供給される燃料の増量を行うことによって、触媒の熱による劣化を防止しつつ、有害排出ガス増加や燃費の悪化を防止する技術が提案されている(特許文献3参照)。また、内燃機関に供給される燃料を増量する、或いは点火時期を進角補正することによって、排気通路に設けられている触媒の熱劣化を防止する技術が提案されている(特許文献4参照)。
【0005】
【特許文献1】特開2005−24071号公報
【特許文献2】特開2004−345527号公報
【特許文献3】特開平8−165941号公報
【特許文献4】特開平5−171972号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1及び2に記載されている技術によれば、例えば触媒等の排出ガスに係る部品の熱劣化は考慮されていない。仮に、特許文献3及び4に記載されている技術のように、内燃機関に供給される燃料を増量したとしても、燃費が悪化する可能性があるという技術的問題点がある。
【0007】
また、特許文献3に記載されている技術のように、スロットルバルブの開度を閉じ方向に制御したとしても、車両の走行状態によっては、車両のドライバビリティが悪化する可能性があるという技術的問題点がある。また、特許文献4に記載されている技術のように、点火時期を進角したとしても、変速機のモードによっては、ノッキングが生ずる可能性があるという技術的問題点がある。
【0008】
本発明は、例えば、上記問題点に鑑みてなされたものであり、排出ガスに係る部品の熱劣化を防止すると共に、燃費の悪化及びノッキングの発生を回避し、車両のドライバビリティを確保することができる車両の制御装置及び方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の車両の制御装置は、上記課題を解決するために、内燃機関と、該内燃機関に燃料を供給する燃料供給手段と、前記内燃機関の出力における変速比を連続的に変化可能な変速モード及び前記変速比を連続的に変化不可能な固定モードを相互に切り替え可能な変速機とを備える車両の制御装置であって、前記内燃機関から排出される排出ガスに係る温度を検出する温度検出手段と、前記検出された温度が温度閾値より高いことを条件に、前記固定モードに切り替えるように前記変速機を制御する制御手段とを備える。
【0010】
本発明の車両の制御装置によれば、当該車両の制御装置は、例えばエンジンである内燃機関と、例えばガソリンやアルコール混合燃料である燃料を内燃機関に供給する燃料供給手段と、内燃機関の出力における変速比を連続的に変化可能な変速モード及び変速比を連続的に変化不可能な固定モードを相互に切り替え可能な変速機とを備える、自動車等の車両に搭載されている。
【0011】
尚、例えば燃料噴射弁である燃料供給手段は、内燃機関に接続されている吸気通路に設けられていてもよいし、内燃機関の気筒に設けられていてもよい(所謂、直噴式の内燃機関であってもよい)。
【0012】
変速機は、内燃機関に接続される入力軸、及び車軸に接続される出力軸を有する。変速機は、入力軸の回転速度である入力回転速度、及び出力軸の回転速度である出力回転速度間の速度比(即ち、変速比)を連続的に変化可能な変速モード及び速度比を連続的に変化不可能な固定モードを相互に切り替えることが可能である。尚、本発明に係る「固定モード」とは、典型的には、等パワーライン上において、変速モードに比べて変速比が小さくなる、即ち、高速段側で変速比が固定されるモードをいう。
【0013】
温度検出手段は、内燃機関から排出される排出ガスに係る温度を検出する。ここに、本発明に係る「排出ガスに係る温度」とは、排出ガスそのものの温度に限らず、例えば、排気通路を構成している材料の温度、排気通路に設けられる触媒の温度等、排出ガスが通過することによって熱の移動が生ずる部品の温度を意味してよい。
【0014】
また、「排出ガスに係る温度を検出」とは、例えば、温度センサ等によって直接的に温度を検出することを意味してもよいし、例えば、内燃機関に吸入される吸入空気量や内燃機関の回転数等の何らかの物理量又はパラメータに基づいて、間接的に温度を検出、算出又は推定等することを意味してもよい。
【0015】
制御手段は、検出された温度が温度閾値より高いことを条件に、変速機のモードを固定モードに切り替えるように変速機を制御する。ここに、本発明に係る「温度閾値」とは、変速機のモードを固定モードに切り替えるか否か、又は固定モードを維持するか否かを決定する値であり、予め固定値として、又は何らかのパラメータに応じた可変値として設定される値である。この温度閾値は、例えば、材料に生ずる熱ひずみが許容範囲を超える温度、又は材料の性能劣化が生ずる若しくは顕著になる温度として、或いは該温度から所定値だけ低い温度として設定される。
【0016】
このような温度閾値は、経験的若しくは実験的に又はシミュレーションによって、温度と材料に生ずる熱ひずみとの関係を求めて、或いは、温度と材料の性能劣化の程度との関係を求めて、該求められた関係に基づいて設定すればよい。尚、排気通路を構成する材料の温度や触媒の温度等、複数の排出ガスに係る温度について、夫々対応する複数の温度閾値が設定されてもよい。この場合には、複数の排出ガスに係る温度のうち少なくとも一つが温度閾値より高いことを条件に、制御手段が変速機のモードを固定モードに切り替えるように変速機を制御するようにすればよい。
【0017】
本願発明者の研究によれば、車両における変速機のモードが変速モードである場合であって、検出された排出ガスに係る温度が温度閾値より高くなった場合、排出ガスの温度を低下させるために、変速機のモードを切り替えずに(即ち、変速モードを維持したまま)、内燃機関に供給される燃料を増量したり(即ち、空燃比をリッチにする)、該供給された燃料に点火する時期を早くしたり(即ち、進角させる)すると、燃費が悪化したり、ノッキングが生じたりする可能性があることが判明している。
【0018】
しかるに本発明では、検出された温度が温度閾値より高くなった場合、制御手段によって、変速機のモードを固定モードに切り替えるように変速機が制御される。すると、内燃機関の動作状態は、変速モードに比べて高回転且つ低負荷になる。これにより、排出ガスの温度を低下させることができる。
【0019】
これは、固定モードに切り替わることによって内燃機関の負荷が軽減された結果、点火時期を進角させることができる状態になり、点火時期が進角されるためである。但し、ここでの進角とは、変速モードにおいて予め定められた点火時期又は最適な点火時期を進角することによって、固定モードにおける予め定められた点火時期又は最適な点火時期にすることを意味する。
【0020】
従って、ある内燃機関の動作状態において予め定められた点火時期又は最適な点火時期よりも進角させることなく、変速機のモードを変速モードから固定モードに切り替えることによって、相対的に点火時期を進角させるため、ノッキングが生ずる可能性を無くす又は低減することができる。更に、変速機のモードは、等パワーライン上において、変速モード及び固定モードが相互に切り替えられるので、モードが切り替えられることによって、車両のドライバビリティが悪化することはない。加えて、内燃機関に供給する燃料を増量していない、即ち、典型的には、理論空燃比になるように燃料を供給しているので、燃費の悪化を回避することができる。
【0021】
以上の結果、本発明の車両の制御装置によれば、排出ガスに係る部品の熱劣化を防止すると共に、燃費の悪化及びノッキングの発生を回避し、車両のドライバビリティを確保することができる。
【0022】
本発明の車両の制御装置の一態様では、前記制御手段は、前記検出された温度が前記温度閾値より高いか否かを判定する判定手段を含み、前記温度閾値より高いと判定された場合に、前記固定モードに切り替えるように前記変速機を制御し、前記温度閾値より低いと判定された場合に、前記固定モードに切り替わらないように前記変速機を制御する。
【0023】
この態様によれば、比較的容易にして、検出された温度が温度閾値より高いか否かを判定することができる。
【0024】
制御手段は、検出された温度が温度閾値より高いと判定された場合、変速機のモードを固定モードに切り替えるように変速機を制御し、検出された温度が温度閾値より低いと判定された場合、制御手段が固定モードへ切り替えるように変速機を制御する他の切替条件を満たしていないことを条件に、典型的には、変速機のモードが固定モードに切り替わらないように変速機を制御する。即ち、本発明に係る「前記固定モードに切り替わらないように前記変速機を制御する」とは、「検出された排出ガスに係る温度が温度閾値より高い」という条件によっては変速機のモードが固定モードに切り替わらないように変速機を制御することを意味する。尚、「他の切替条件」とは、例えば、車両の振動若しくはこもり音、又は燃費率等である。
【0025】
本発明の車両の制御装置の他の態様では、前記内燃機関の回転数を検出する回転数検出手段と、前記内燃機関に吸入される吸入空気量を検出する吸入空気検出手段とを更に備え、前記温度検出手段は、前記検出された回転数及び前記検出された吸入空気量に基づいて、前記温度を検出する。
【0026】
この態様によれば、例えば、回転数センサである回転数検出手段は、内燃機関の回転数を検出する。吸入空気検出手段は、内燃機関に吸入される吸入空気量を検出する。尚、吸入空気量は、例えばエアフローメータ等により直接的に検出してもよいし、内燃機関に接続されている吸気通路内の圧力、及び回転数検出手段により検出された回転数に基づいて、間接的に検出してもよい。
【0027】
温度検出手段は、検出された回転数及び検出された吸入空気量に基づいて、例えば、検出された回転数及び検出された吸入空気量を係数又は変数とする演算式を用いて、排出ガスに係る温度を算出する。或いは、検出された回転数、検出された吸入空気量及び排出ガスに係る温度の関係を示すマップを用いて、排出ガスに係る温度を推定又は特定する。
【0028】
尚、このようなマップは、例えば実験的に又はシミュレーションによって、内燃機関の回転数及び内燃機関に吸入される吸入空気量夫々を様々に変化させた場合における、排気通路の温度や触媒の温度等の排出ガスに係る温度を検出、計測又は算出等して、該検出等された温度、回転数及び吸入空気量の関係を特定して構成すればよい。
【0029】
本発明の車両の制御装置の他の態様では、前記制御手段は、前記変速機が前記固定モードである場合に、前記検出された温度が温度閾値より高いことを条件に、前記内燃機関に供給される前記燃料の供給量が増加するように前記燃料供給手段を制御する。
【0030】
この態様によれば、変速機のモードが固定モードである場合であって、検出された排出ガスに係る温度が温度閾値より高くなった場合に、或いは、検出された排出ガスに係る温度が温度閾値より高くなり、変速機のモードが固定モードに切り替えられた後に、改めて検出された排出ガスに係る温度が温度閾値より高くなった場合に、制御手段は、内燃機関に供給される燃料の供給量が増加するように、即ち、空燃比がリッチになるように燃料供給手段を制御する。
【0031】
これにより、排出ガスの温度を低下させることができ、少なくとも排出ガスに係る部品の熱劣化を防止することができる。尚、可能であれば、燃料の供給量の増加に加えて又は代えて、点火時期を早くして、排出ガスの温度を低下させてもよい。
【0032】
本発明の車両の制御装置の他の態様では、前記制御手段は、前記固定モードに切り替えるように前記変速機を制御できない場合、前記検出された温度が温度閾値より高いことを条件に、前記内燃機関に供給される前記燃料の供給量が増加するように前記燃料供給手段を制御する。
【0033】
この態様によれば、少なくとも排出ガスに係る部品の熱劣化を防止することができる。
【0034】
尚、「固定モードに切り替えるように変速機を制御できない場合」とは、例えば、変速機のモードを固定モードに切り替えることによって、当該車両における動力伝達系(例えば、パワートレイン等)の振動や室内こもり音が、著しく生ずる走行状態となり、操縦者等に違和感や不安感等を与える場合、或いは、動力伝達系等に生ずる振動の振動数が共振帯となり、動力伝達系等を構成している材料等に許容範囲を超えるひずみが生ずる場合等である。
【0035】
このような「固定モードに切り替えるように変速機を制御できない場合」は、例えば、振動センサ等により、直接的に、動力伝達系等に生ずる振動等を検出し、或いは、内燃機関の回転数、温度、トルク又は負荷等の一又は複数の物理量又はパラメータに基づいて、間接的に、動力伝達系等に生ずる振動等を検出し、該検出された振動等が所定値より大きいか否か、又は検出された振動等が所定範囲内であるか否かを判定して、検出された振動等が所定値より大きいと判定された場合、又は検出された振動等が所定範囲内であると判定された場合を、「固定モードに切り替えるように変速機を制御できない場合」として検出すればよい。
【0036】
いずれにせよ、固定モードに切り替えるように変速機を制御できない場合(言い換えれば、固定モードに切り替えることを禁止すべき条件が揃った場合)、制御手段は、上述の如く、内燃機関に供給される燃料の供給量が増加するように燃料供給手段を制御する。特に、そのような場合であるか否かが常時モニタリングされ、そのような場合になった際に、固定モードを禁止すべき条件が揃った旨を示す、例えば「固定モード禁止フラグ」が立てられもよく、制御手段は、かかる固定モード禁止フラグが立っている場合に、上述の如く、内燃機関に供給される燃料の供給量が増加するように燃料供給手段を制御してもよい。
【0037】
尚、固定モードに切り替えるように変速機を制御できない場合であるか否かの判定と、検出された温度が温度閾値より高いか否かの判定は、どちらが先に行われてもよいし、並列に(即ち、同時に)行われてもよい。
【0038】
また、間接的に振動等を検出する場合、例えば、一又は複数の物理量又はパラメータを変数又は係数とする所定の演算式に従って、振動等を検出してもよいし、振動等と一又は複数の物理量又はパラメータとの関係を示すマップを、予めフラッシュメモリ等の記憶手段に格納し、該格納されているマップから振動等を検出又は特定してもよい。このようなマップは、例えば、実験等により、車両の任意の運転状態における振動等を含む一又は複数の物理量又はパラメータを検出、計測又は算出等して、該検出等された一又は複数の物理量又はパラメータから、振動等と一又は複数の物理量又はパラメータとの関係を特定して構成すればよい。
【0039】
本発明の車両の制御方法は、上記課題を解決するために、内燃機関と、該内燃機関に燃料を供給する燃料供給手段と、前記内燃機関の出力における変速比を連続的に変化可能な変速モード及び前記変速比を連続的に変化不可能な固定モードを相互に切り替え可能な変速機とを備える車両の制御方法であって、前記内燃機関から排出される排出ガスに係る温度を検出する温度検出工程と、前記検出された温度が温度閾値より高いことを条件に、前記固定モードに切り替えるように前記変速機を制御する制御工程とを備える。
【0040】
本発明の車両の制御方法によれば、上述した本発明の車両の制御装置と同様に、排出ガスに係る部品の熱劣化を防止すると共に、燃費の悪化及びノッキングの発生を回避することができる。
【0041】
尚、本発明の車両の制御方法においても、上述した本発明の車両の制御装置における各種態様と同様の各種態様を採ることが可能である。
【0042】
本発明の作用及び他の利得は次に説明する実施するための最良の形態から明らかにされよう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0043】
以下、本発明の制御装置が搭載されている車両に係る実施形態を、図1乃至図3を参照して説明する。
【0044】
先ず、図1を参照して本実施形態に係る車両の構成について説明する。図1は、本実施形態に係る車両のブロック図である。ここに、本実施形態に係る車両は、FF(Front−engine,Front−wheel drive)方式の車両である。尚、本発明の制御装置が搭載されている車両は、FF方式の車両に限定されるものではなく、例えば、FR(Front−engine,Rear−wheel drive)方式やRR(Rear−engine,Rear−wheel drive)方式等の各種方式の車両であってよい。
【0045】
図1において、車両1は、変速機10、内燃機関21及びECU30を備えて構成されている。内燃機関21には、エアクリーナ24、エアフローメータ25、スロットルバルブ26、及び燃料容器26に貯留されている燃料を内燃機関21に供給する燃料噴射弁27等が設けられている吸気通路22、並びに、空燃比センサ42、酸素センサ43及び触媒51、52等が設けられている排気通路23が接続されている。また、内燃機関21には、該内燃機関の回転数を検出する回転数センサ31、及び燃料噴射弁27によって供給された燃料に点火する、図示しない点火プラグ等が設けられている。
【0046】
ここに、本実施形態に係る「エアフローメータ25」、「燃料噴射弁27」及び「回転数センサ41」は、夫々、本発明に係る「吸入空気検出手段」、「燃料供給手段」及び「回転数検出手段」の一例である。
【0047】
当該車両1における各種電子制御を行うように構成されているECU30は、制御部31、判定部32、温度推定部33、記憶部34及び入出力部35を備えて構成されている。本実施形態では、各種電子制御用のECU30の一部を、制御装置300の一部として用いている。ここに、本実施形態に係る「制御部31」、「判定部32」及び「温度推定部33」は、夫々、本発明に係る「制御手段」、「判定手段」及び「温度検出手段」の一例である。
【0048】
変速機10は、動力分配機構101、モータ・ジェネレータ(MG)102、発電機103及び減速機104を備えて構成されている。
【0049】
動力分配機構101は、遊星歯車機構を含んで構成され、該遊星歯車機構の遊星キャリアの回転軸101aは、内燃機関21に接続されており、外輪歯車の回転軸101bは、モータ・ジェネレータ102に接続されており、太陽歯車の回転軸101cは、発電機103に接続されている。尚、遊星キャリアの回転軸101a及び太陽歯車の回転軸101cは、同軸上に配置されるが、説明の便宜上、図1では、回転軸101a及び101cを夫々異なる軸上に配置している。
【0050】
発電機103は、回転軸101cによって駆動されることにより発電し、インバータ等を含んで構成されるPCU(Power Control Unit)11を介して、蓄電池12を充電する、或いは、モータ・ジェネレータ102を駆動する。
【0051】
モータ・ジェネレータ102は、発電機103又は蓄電池12、或いは発電機103及び蓄電池12から電力を供給され駆動する。一方、当該車両1が減速する又は制動する際には、回生ブレーキとして作用して、蓄電池12を充電する。
【0052】
動作時には、内燃機関21によって、回転軸101aが駆動されることにより動力分配機構101に動力が伝達される。動力分配機構101における遊星キャリアは、遊星歯車を介して、伝達された動力の一部を内部の太陽歯車に伝達し、伝達された動力の他の部分を外部の外輪歯車に伝達する。
【0053】
太陽歯車に伝達された動力は、回転軸101cを介して発電機103を駆動する。一方、外輪歯車に伝達された動力は、回転軸101b、減速機104及びドライブシャフト13を介して、車輪14を駆動する。尚、モータ・ジェネレータ102の回転数は、回転軸101bの回転数と一致している。
【0054】
このため、回転軸101cの回転数及び回転方向(即ち、発電機102の回転数及び回転方向)を制御することにより、回転軸101a及び回転軸101b間の回転数比(即ち、回転軸101aの回転速度及び回転軸101bの回転速度間の速度比)が連続的に(即ち、無段階に)制御される(以下、「変速モード」ともいう)。
【0055】
また、発電機103は、回転軸101cを固定する機構を含んでおり、該機構によって回転軸101cが固定された(即ち、太陽歯車が固定された)場合、回転軸101a及び回転軸101b間の回転数比は、一定となる(以下、「固定モード」ともいう)。
【0056】
ここで、図2を参照して、内燃機関21の動作について説明する。図2は、本実施形態に係る内燃機関21の動作を示す動作線の一例を示す特性図である。図2(a)において、実線a、破線b及び一点鎖線cは、夫々、パワー動作線、変速モード時における燃費動作線、及び固定モード時における燃費動作線であり、二点鎖線p1、p2及びp3は、等パワーラインである。
【0057】
尚、「パワー動作線a」は、車両1を急加速等、パワーを要求される際における内燃機関21の動作を示している。この場合、変速機10は変速モードであり、車両1は、典型的には、内燃機関21による駆動力、並びに発電機103及び蓄電池12から電力を供給されたモータ・ジェネレータ102による駆動力によって走行する。
【0058】
また、「変速モード時における燃費動作線b」は、通常時における内燃機関21の動作を示している。この場合、車両1は、典型的には、内燃機関21による駆動力、及び発電機103から電力を供給されたモータ・ジェネレータ102による駆動力によって走行する。「固定モード時における燃費動作線c」は、変速機10が固定モードである際における内燃機関21の動作を示している。この場合、車両1は、典型的には、内燃機関21による駆動力、及び蓄電池12から電力を供給されたモータ・ジェネレータ102による駆動力によって走行する。
【0059】
例えば、内燃機関21が図2(a)における点Aの状態で動作している際に、変速機10のモードを変速モードから固定モードへ切り替える場合、内燃機関21は、等パワーラインp2と固定モード時における燃費動作線cとの交点である点Bの状態で動作する。これにより、高速段側へ移行し、内燃機関21の回転速度が大きくなり(即ち、高回転になり)、トルクが小さくなる(即ち、負荷が低減する)。
【0060】
次に、図2(b)を参照して、燃費率について説明する。図2(b)は、図2(a)に内燃機関21の等燃費率曲線f1〜f5を加えた特性図である。尚、等燃費率曲線f1の燃費率が良く、該等燃費率曲線f1から離れるほど燃費率が悪くなる。
【0061】
図2(b)からわかるように、内燃機関21の動作状態が点Aから点Bへ移行することによって、内燃機関21自体の燃費率は悪化するが、固定モードとすることによって動力の伝達効率が向上する(即ち、発電機103に動力が伝達されない)ので、車両1全体としては、燃費率が向上する。変速モード時における燃費動作線bと固定モード時における燃費動作線cとの交点である点Cの状態が、変速機10のモードを固定モードへ切り替えることによる燃費率の向上が最も良い、内燃機関21の動作状態である。
【0062】
尚、動力の伝達効率を考慮しても、車両1全体の燃費率が悪化する場合(例えば、図2(b)における点線thを下回る場合)、制御部31は、典型的には、変速機10のモードを固定モードへ切り替わらないように変速機10を制御する。
【0063】
再び、図1に戻り、温度推定部33は、内燃機関21から排出される排出ガスに係る温度を検出する。具体的には、温度推定部33は、エアフローメータ25によって検出された吸入空気量、及び回転数センサ41によって検出された内燃機関21の回転数に基づき、典型的には、記憶部34に格納されている、吸入空気量、回転数及び排出ガスに係る温度の関係を示す温度マップから、排気通路23材料の温度、触媒51及び52の温度、並びに図示しない排気バルブシートの温度等を推定する。
【0064】
尚、記憶部34には、典型的には、排気通路23材料、触媒51及び52、並びに排気バルブシート等の夫々に対応する複数の温度マップが格納されている。
【0065】
判定部32は、推定された温度が温度閾値より高いか否かを判定する。尚、温度閾値は、典型的には、排気通路23材料、触媒51及び52、並びに排気バルブシート等夫々について設定されており、例えば、排気通路23材料並びに触媒51及び52に係る温度閾値は、夫々摂氏900度であり、排気バルブシートに係る温度閾値は、摂氏850度である。
【0066】
制御部31は、変速機10のモードが変速モードであって、排気通路23材料、触媒51及び52、並びに排気バルブシート等の温度のうち少なくとも一つが、対応する温度閾値より高いと判定された場合に、変速機10のモードを固定モードに切り替えるように変速機10を制御する。すると、上述したように、内燃機関21の動作状態が、変速モードに比べて高回転且つ低負荷になる。
【0067】
変速機10のモードが変速モードから固定モードに切り替えられた結果、内燃機関21の負荷が軽減されるので、変速モード時において、制御部31が内燃機関21に供給された燃料に点火するように点火プラグを制御する時期(即ち、点火時期)よりも点火時期を早める(即ち、進角させる)ことが可能な状態になる。そして、典型的には、固定モードにおける予め定められた又は最適な点火時期は、変速モードにおける予め定められた又は最適な点火時期より早いので、変速モードにおける予め定められた又は最適な点火時期から、固定モードにおける予め定められた又は最適な点火時期になるように点火時期を進角させることによって、排出ガスの温度を低下させることができる。
【0068】
従って、温度閾値より高いと判定された場合に、制御部31が変速機10のモードを固定モードに切り替えるように変速機10を制御しさえすれば、相対的に点火時期が進角されることによって、排出ガスの温度を低下させることができ、排気通路23材料、触媒51及び52、並びに排気バルブシート等夫々の温度を低下させることができる。更に、ある内燃機関21の動作状態において予め定められた又は最適な点火時期よりも進角させることなく、相対的に点火時期が進角されるため、ノッキングが生ずる可能性を無くす又は低減することができる。また、変速機10のモードは、等パワーライン上において、変速モード及び固定モードが相互に切り替えられるので、モードが切り替えられることによって、車両1のドライバビリティが悪化することはない。加えて、内燃機関21は、典型的には、理論空燃比を維持して運転されるので、車両1全体の燃費の悪化を回避することができる。
【0069】
一方、判定部32によって、排気通路23材料、触媒51及び52、並びに排気バルブシート等の温度のいずれもが、対応する温度閾値より低いと判定された場合、制御部31が固定モードへ切り替えるように変速機10を制御する他の切替条件を満たしていないことを条件に、制御部31は、典型的には、変速モードを維持するように変速機10を制御する。
【0070】
ここで、制御部31が変速機10のモードを固定モードへ切り替えるように変速機10を制御する、他の切替条件の一例について説明する。
【0071】
制御部31は、例えば、回転数センサ41によって内燃機関21の回転数を検出して、或いは、図示しない車速センサからの当該車両1の車速を示す信号及び変速機10の変速比から内燃機関21の回転数を求めて、検出又は求められた回転数が所定閾値より大きいことを条件に、変速機10のモードを固定モードへ切り替える。これは、内燃機関21の回転数が所定閾値以下である場合は、内燃機関21の燃焼状態が不安定となるため、回転数の変動が大きくなり、動力分配機構101や減速機104等の動力伝達系統の振動及び車両1の室内こもり音が生ずる可能性を低減又は回避するためである。
【0072】
また、制御部31は、等パワーライン上において、変速モードにおける車両1全体の燃費率と、固定モードにおける車両1全体の燃費率とを比較し、固定モードにおける車両1全体の燃費率が良いことを条件に、変速機10のモードを固定モードへ切り替える。尚、車両1全体の燃費率は、例えば、車速及びアクセル開度に基づいて、発生すべき駆動力及びトルクを算出し、該算出されたトルクに基づいて、内燃機関21及びモータ・ジェネレータ102の分担トルクを夫々算出し、該算出されたモータ・ジェネレータ102の分担トルクに基づいて求めればよい。
【0073】
また、制御部31は、固定モードを選択した際に、車両1が必要とする駆動力を出力可能であることを条件に、変速機10のモードを固定モードへ切り替える。尚、車両1が必要とする駆動力は、例えば、車速及びアクセル開度に基づいて求めればよい。
【0074】
制御部31は、判定部32が、温度推定部33によって推定された温度が温度閾値より高いと判定した場合を含め、切替条件のうち少なくとも一つが満たされた場合に、変速機10のモードを固定モードに切り替えるように変速機10を制御する。
【0075】
しかしながら、推定された温度が温度閾値より高いと判定された場合であっても、固定モードに切り替えるように変速機10を制御することによって、例えば、車両1における動力伝達系の振動や室内こもり音が著しく生ずる、又は、動力伝達系等に生ずる振動の振動数が共振帯となり、動力伝達系等を構成している材料等に許容範囲を超えるひずみが生ずる等、車両1の走行に著しく支障をきたす、又は操縦者等に違和感や不安感等を与える(以下、「固定モード禁止条件を満たす」ともいう)場合には、制御部31は、固定モードに切り替えないように変速機10を制御する。
【0076】
具体的には例えば、判定部32によって、回転数センサ41によって検出された内燃機関21の回転数や変速機10の変速比等に基づいて、検出、算出又は推定された動力伝達系等に生ずる振動等が所定値より大きいと判定された場合、又は所定範囲内であると判定された場合、固定モード禁止条件が満たされたとして、制御部31は、固定モードに切り替えないように変速機10を制御する。
【0077】
或いは、推定された温度が温度閾値より高いか否かにかかわらず、常時、動力伝達系等に生ずる振動等を検出、算出又は推定し、該検出等された動力伝達系等に生ずる振動等が所定値より大きいと判定された場合、又は所定範囲内であると判定された場合に、「固定モード禁止フラグ」を立てる。そして、推定された温度が温度閾値より高いと判定された場合に、固定モード禁止フラグが立っていることを条件に、制御部31は、固定モードに切り替えないように変速機10を制御する。
【0078】
この場合、制御部31は、燃料噴射弁27から供給される燃料を増量する、即ち、燃料の噴射量を増量するように燃料噴射弁27を制御する。この結果、内燃機関21に供給される混合気の空燃比がリッチとなり、排出ガスの温度が低下して、排気通路23材料、触媒51及び52、並びに排気バルブシート等夫々の温度を低下させることができる。
【0079】
また、制御部31は、変速機10のモードが固定モードであって、排気通路23材料、触媒51及び52、並びに排気バルブシート等の温度のうち少なくとも一つが、対応する温度閾値より高いと判定された場合、典型的には、燃料の噴射量を増量するように燃料噴射弁27を制御する。この結果、内燃機関21に供給される混合気の空燃比がリッチとなり、排出ガスの温度が低下して、排気通路23材料、触媒51及び52、並びに排気バルブシート等夫々の温度を低下させることができる。
【0080】
次に、以上のように構成された制御装置300が搭載された車両1において、ECU30が実行する変速機制御処理を図3のフローチャートを用いて説明する。この変速機制御処理は、車両の走行中に、例えば定期的に又は不定期的に数ms〜数十ms毎に周期的に実行される。
【0081】
図3において、先ず、温度推定部33は、エアフローメータ25によって検出された吸入空気量、及び回転数センサ41によって検出された内燃機関21の回転数に基づいて、排気通路23材料の温度、触媒51及び52の温度、並びに排気バルブシートの温度等を推定する(ステップS101)。次に、判定部32は、変速機10のモードが変速モードであるか否かを判定する(ステップS102)。
【0082】
変速モードでない(即ち、固定モードである)と判定された場合(ステップS102:No)、続いて、後述するステップS107の処理が行われる。一方、変速モードであると判定された場合(ステップS102:Yes)、続いて、判定部32は、推定された温度が温度閾値より高いか否かを判定する(ステップS103)。温度閾値より低いと判定された場合(ステップS103:No)、一旦処理を終了する。尚、この判定の後に、判定部32が、他の切替条件を満たしているか否かを判定するステップ、他の切替条件を満たしていると判定された場合、制御部31が、変速機10のモードを固定モードに切り替えるように変速機10を制御するステップ、及び満たしていないと判定された場合、制御部31が、変速機10のモードを固定モードに切り替えないように(即ち、変速モードを維持するように)変速機10を制御するステップを有していてよい。
【0083】
温度閾値より高いと判定された場合(ステップS103:Yes)、続いて、判定部32は、変速機10のモードが固定モードに切り替わることによって、固定モード禁止条件を満たすか否かを判定する(ステップS104)。即ち、検出等された動力伝達系等に生ずる振動等が所定値より大きいか否か、又は所定範囲内であるか否かを判定する。或いは、固定モード禁止フラグが立っているか否かを判定する。
【0084】
固定モード禁止条件を満たすと判定された場合(ステップS104:Yes)、制御部31は、燃料の噴射量を増量するように燃料噴射弁27を制御して(ステップS108)、一旦処理を終了する。
【0085】
固定モード禁止条件を満たさないと判定された場合(ステップS104:No)、制御部31は、変速機10のモードを固定モードに切り替えるように変速機10を制御する(ステップS105)。次に、温度推定部33は、改めて検出された吸入空気量及び内燃機関21の回転数に基いて、排気通路23材料の温度、触媒51及び52の温度、並びに排気バルブシートの温度等を推定する(ステップS106)。
【0086】
次に、判定部32は、推定された温度が温度閾値より高いか否かを判定する(ステップS107)。温度閾値より低いと判定された場合(ステップS107:No)、一旦処理を終了する。一方、温度閾値より高いと判定された場合(ステップS107:Yes)、制御部31は、燃料の噴射量を増量するように燃料噴射弁27を制御して(ステップS108)、一旦処理を終了する。
【0087】
尚、本発明は、上述した実施形態に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨、或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う車両の制御装置及び方法もまた、本発明の技術的範囲に含まれるものである。
【図面の簡単な説明】
【0088】
【図1】本発明の実施形態に係る車両のブロック図である。
【図2】本発明の実施形態に係る内燃機関の動作を示す動作線の一例を示す特性図である。
【図3】本発明の実施形態に係るECUにおける変速機制御処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0089】
1…車両、10…変速機、11…パワーコントロールユニット、12…蓄電池、13…ドライブシャフト、14…前輪、21…内燃機関、22…吸気通路、23…排気通路、24…エアクリーナ、25…エアフローメータ、26…スロットルバルブ、27…燃料噴射弁、28…燃料容器、30…ECU、31…制御部、32…判定部、33…温度推定部、34…記憶部、35…入出力部、41…回転数センサ、42…空燃比センサ、43…酸素センサ、51、52…触媒、101…動力分配機構、102…モータ・ジェネレータ、103…発電機、104…減速機、300…制御装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内燃機関と、該内燃機関に燃料を供給する燃料供給手段と、前記内燃機関の出力における変速比を連続的に変化可能な変速モード及び前記変速比を連続的に変化不可能な固定モードを相互に切り替え可能な変速機とを備える車両の制御装置であって、
前記内燃機関から排出される排出ガスに係る温度を検出する温度検出手段と、
前記検出された温度が温度閾値より高いことを条件に、前記固定モードに切り替えるように前記変速機を制御する制御手段と
を備えることを特徴とする車両の制御装置。
【請求項2】
前記制御手段は、
前記検出された温度が前記温度閾値より高いか否かを判定する判定手段を含み、
前記温度閾値より高いと判定された場合に、前記固定モードに切り替えるように前記変速機を制御し、前記温度閾値より低いと判定された場合に、前記固定モードに切り替わらないように前記変速機を制御する
ことを特徴とする請求項1に記載の車両の制御装置。
【請求項3】
前記内燃機関の回転数を検出する回転数検出手段と、
前記内燃機関に吸入される吸入空気量を検出する吸入空気検出手段と
を更に備え、
前記温度検出手段は、前記検出された回転数及び前記検出された吸入空気量に基づいて、前記温度を検出する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の車両の制御装置。
【請求項4】
前記制御手段は、前記変速機が前記固定モードである場合に、前記検出された温度が温度閾値より高いことを条件に、前記内燃機関に供給される前記燃料の供給量が増加するように前記燃料供給手段を制御することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の車両の制御装置。
【請求項5】
前記制御手段は、前記固定モードに切り替えるように前記変速機を制御できない場合、前記検出された温度が温度閾値より高いことを条件に、前記内燃機関に供給される前記燃料の供給量が増加するように前記燃料供給手段を制御することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の車両の制御装置。
【請求項6】
内燃機関と、該内燃機関に燃料を供給する燃料供給手段と、前記内燃機関の出力における変速比を連続的に変化可能な変速モード及び前記変速比を連続的に変化不可能な固定モードを相互に切り替え可能な変速機とを備える車両の制御方法であって、
前記内燃機関から排出される排出ガスに係る温度を検出する温度検出工程と、
前記検出された温度が温度閾値より高いことを条件に、前記固定モードに切り替えるように前記変速機を制御する制御工程と
を備えることを特徴とする車両の制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2009−115232(P2009−115232A)
【公開日】平成21年5月28日(2009.5.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−289668(P2007−289668)
【出願日】平成19年11月7日(2007.11.7)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】