説明

部品接合装置及び部品接合方法

【課題】接合部品が実装されたフラットパネルの歩留まりを大きく向上させることが可能な部品接合装置及び部品接合方法を提供する。
【解決手段】異方性導電接着剤100cを介して、フラットパネル100bのパネル電極と接合部品100aの部品電極とを接合させる押圧部102及びバックアップステージ103と、接合が行われているときに、接合させているパネル電極と部品電極との間に位置し、接合により変形した導電性粒子を撮像する接合認識部106と、接合が行われているときに、変形した導電性粒子の撮像結果に基づいて、接合の接合条件を変更する制御部200とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、部品接合装置及び部品接合方法に関し、特に異方性導電接着剤を介在させた状態でフラットパネルディスプレイの電極と電子部品の電極とを接合する部品接合装置及び部品接合方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、ITO(Indium Tin Oxide)等で構成される電極を持った液晶ディスプレイ及びプラズマディスプレイ等のフラットパネルディスプレイ(以下、フラットパネルという)上に、電極を持ったTAB(Tape Automated Bonding)基板、半導体素子及びフレキシブル基板等の電子部品(以下、接合部品という)を実装することが行われている。この実装では、フラットパネルディスプレイの電極(以下、パネル電極という)と接合部品の電極(以下、部品電極という)との接合が行われる。すなわち、接合部品とフラットパネルとの間に異方性導電接着剤を介在させた状態で、接合部品のフラットパネルへの仮圧着及び本圧着が行われる。前記の仮圧着においては、熱圧着加圧ヘッドにより弱い押圧で接合部品の仮圧着が行われ、その後の本圧着では、熱圧着加圧ヘッドにより前記仮圧着された接合部品を強い押圧で本圧着することが行われる。
【0003】
上記接合部品の実装を行う際に、パネル電極と部品電極とが十分な圧力で接合されていなかったり、パネル電極と部品電極との間に位置ずれが発生していたりした場合、パネル電極と部品電極との接合状態が悪くなる。そして、パネル電極と部品電極との間が十分に電気的に接続されていない場合、そのフラットパネルは不良品として処理される。このような接合部品の実装不具合により発生した不良品を無くすことを目的として、例えば特許文献1に記載の部品接合方法が提案されている。この部品接合方法では、不良品における電極間の接合状態をフィードバックし、フィードバックされた接合状態を考慮して次の接合部品の実装条件を変更している。
【特許文献1】特開平8−330393号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1に記載の部品接合方法では、不良品が発生した後に実装される接合部品については、電極間の接合状態が悪くならないようにすることができる。しかしながら、不良品の発生を前提としているため、接合部品が実装されたフラットパネルを少なくとも1つは犠牲にしなければならない。その結果、接合部品が実装されたフラットパネルの歩留まりを大きく向上させることはできない。
【0005】
また、特許文献1に記載の部品接合方法では、不良品における接合状態に基づいて次の接合部品の実装を行っているが、次の接合部品の実装において不良品における接合状態と同様の接合状態が生じるとは限られない。従って、接合部品の実装条件を適切なものに変更することができず、接合部品の実装されたフラットパネルの歩留まりを大きく向上させることはできない。
【0006】
そこで、本発明は、かかる問題点に鑑み、接合部品が実装されたフラットパネルの歩留まりを大きく向上させることが可能な部品接合装置及び部品接合方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明の部品接合装置は、フラットパネルのパネル電極と部品の部品電極とを接合させる部品接合装置であって、導電性の粒子を含む接着部材を介して、前記パネル電極と前記部品電極とを接合させる接合手段と、前記接合手段による接合が行われているときに、当該接合手段により接合させている前記パネル電極と部品電極との間に位置する粒子であって、当該接合手段による接合により変形した前記粒子を撮像する撮像手段と、前記接合手段による接合が行われているときに、前記変形した粒子の撮像結果に基づいて、当該接合手段の接合条件を変更する条件変更手段とを備えることを特徴とする。
【0008】
上記粒子の変形はパネル電極及び部品電極に挟まれて押し潰されることにより生じる。すなわち、粒子がパネル電極と部品電極とを電気的に接続することにより生じる。従って、変形した粒子を撮像することにより、パネル電極及び部品電極の接合状態を認識することができる。この認識は接合手段による電極間の接合動作と並行して行われ、その接合動作の接合条件を接合状態の認識結果に基づいて接合動作中に変え、不良品の発生を防止する。その結果、特許文献1に記載の部品接合方法のように、接合部品が実装されたフラットパネルを犠牲にする必要が無くなる。また、接合状態の認識結果はその認識が行われた電極間の接合条件を変更するのに用いられるため、接合部品の実装条件を最適なものに変更することができる。よって、接合部品が実装されたフラットパネルの歩留まりを大きく向上させることが可能な部品接合装置を実現することができる。
【0009】
ここで、前記部品接合装置は、さらに、前記第1押圧手段による押圧が行われているときに、当該第1押圧手段を駆動する空気圧を検出する空気圧検出手段と、前記第1押圧手段による押圧が行われているときに、前記空気圧の検出結果に基づいて、当該第1押圧手段の押圧力を変更する第1押圧変更手段とを備えてもよい。また、前記接合手段は、前記フラットパネルが載置されるステージと、前記部品を前記ステージ上のフラットパネルに押圧する押圧ヘッドとから構成され、前記条件変更手段は、前記押圧ヘッドの押圧力を前記接合条件とし、前記押圧ヘッドの押圧力を変更し、前記部品接合装置は、さらに、前記押圧ヘッドによる押圧が行われているときに、当該押圧ヘッドが受ける前記部品からの圧力を検出するヘッド圧力検出手段と、前記押圧ヘッドによる押圧が行われているときに、前記圧力の検出結果に基づいて、当該押圧ヘッドの押圧力を変更する第3押圧変更手段とを備えてもよいし、前記接合手段は、前記フラットパネルが載置されるステージと、前記部品を前記ステージ上のフラットパネルに押圧する押圧ヘッドとから構成され、前記条件変更手段は、前記押圧ヘッドの押圧力を前記接合条件とし、前記押圧ヘッドの押圧力を変更し、前記部品接合装置は、さらに、前記押圧ヘッドによる押圧が行われているときに、当該押圧ヘッドにより前記部品を介して受ける前記フラットパネルの圧力を検出するパネル圧力検出手段と、前記押圧ヘッドによる押圧が行われているときに、前記圧力の検出結果に基づいて、当該押圧ヘッドの押圧力を変更する第4押圧変更手段とを備えてもよい。
【0010】
接合部品及びフラットパネルに極めて大きな力が加えられた場合、電極間の接合状態又はフラットパネル及び接合部品にダメージが与えられる。従って、接合部品及びフラットパネルに加えられる力を検出し、これに基づいて押圧力を変更することで、このようなダメージの発生を防止することができる。その結果、接合部品が実装されたフラットパネルの歩留まりを更に大きく向上させることができる。
【0011】
また、前記接合手段は、前記フラットパネルが載置される透明のステージと、前記部品を前記ステージ上のフラットパネルに押圧する押圧ヘッドとから構成され、前記撮像手段は、前記ステージを介して前記フラットパネルと反対側に配設されたカメラと、前記カメラと前記ステージとの間に配設された顕微鏡とから構成されてもよい。
【0012】
また、本発明は、フラットパネルのパネル電極と部品の部品電極とを接合させる部品接合方法であって、導電性の粒子を含む接着部材を介した、前記パネル電極と前記部品電極との接合を開始する接合開始ステップと、前記パネル電極と部品電極との間に位置する部品であって、前記接合により変形した前記粒子を撮像する撮像ステップと、前記変形した粒子の撮像結果に基づいて、前記接合の接合条件を変更する条件変更ステップと、前記変更された接合条件で前記接合を行った後、前記接合を終了する接合終了ステップとを含むことを特徴とする部品接合方法とすることもできる。
【0013】
これによって、接合部品が実装されたフラットパネルの歩留まりを大きく向上させることが可能な部品接合方法を実現することができる。
【0014】
なお、本発明は、このような部品接合方法として実現することができるだけでなく、その方法によりフラットパネルと接合部品とを接合するプログラム、そのプログラムを格納する記憶媒体としても実現することができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、電極間の接合状態の認識は電極間の接合動作と並行して行われ、その接合動作の接合条件を認識結果に基づいて接合動作中に変え、不良品の発生を防止する。よって、接合部品が実装されたフラットパネルの歩留まりを大きく向上させることが可能な部品接合装置及び部品接合方法を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態における部品接合装置について、図面を参照しながら説明する。
【0017】
(第1の実施の形態)
図1は、本実施の形態の部品接合装置の斜視図である。
【0018】
この部品接合装置は、異方性導電性テープ(ACFテープ)等の異方性導電接着剤を介して所定位置に接合部品が仮圧着されたフラットパネルに対し、接合部品を本圧着する本圧着装置に備えられるものである。ここで、異方性導電接着剤は、導電性粒子を複数含む接着部材であり、接合部品とフラットパネルとを電気的及び物理的に接続する。また、フラットパネルは、例えばアレイ基板、カラーフィルタ、偏光基板及び保護フィルム等から構成される。
【0019】
部品接合装置は、反り矯正ユニット101、押圧部102及びバックアップステージ103等を備えている。部品接合装置は、図2に示されるように、押圧部102の押圧ヘッド110を用いた加熱処理及び押圧処理により、反り矯正ユニット101及びバックアップステージ103に載置されたフラットパネル100bの側縁部と、フラットパネル100bに異方性導電接着剤100cを介して仮圧着された接合部品100aとを接合する。具体的には、フラットパネル100bのパネル電極と接合部品100aの部品電極とを接合する。この接合は、パネルステージにおいてフラットパネル100bを回転移動させることで、フラットパネル100bの異なる辺に対して行われる。上記接合により、図3に示されるような、接合部品100aが実装されたフラットパネル100bが得られる。なお、押圧部102及びバックアップステージ103は、本発明の接合手段の一例である。
【0020】
反り矯正ユニット101は、接合に際してフラットパネル100bの平坦性が保たれるように、フラットパネル100bの側縁部の反りを矯正する。反り矯正ユニット101には、複数のジャバラパット101a及びエア止め栓101bが設けられており、ジャバラパット101aはバックアップステージ103に並設して配置されている。このジャバラパット101aは、反り矯正ユニット101内部の中空部を介して、真空源となるバキューム装置(図外)に接続されており、フラットパネル100bを真空吸着する。この吸着により、フラットパネル100bの側縁部の平坦性が保たれる。
【0021】
押圧部102は、ヘッドユニット104及び上下軸駆動部105から構成される。
【0022】
ヘッドユニット104は、複数の押圧ヘッド110と、押圧ヘッド110を駆動する複数のエアシリンダ111とから構成される。エアシリンダ111は、空気圧を駆動源とし、バックアップステージ103のフラットパネル100bに向けて押圧ヘッド110を押圧する。押圧ヘッド110は、接合部品100aをバックアップステージ103上のフラットパネル100bに向けて押圧し、かつ自身が押圧する接合部品100aを加熱する。なお、エアシリンダ111は、本発明の第1押圧手段の一例である。
【0023】
上下軸駆動部105は、モータを駆動源とし、バックアップステージ103上のフラットパネル100bに対してヘッドユニット104を上下動させる。すなわち、複数の押圧ヘッド110をフラットパネル100bに対して同時に上下動させる。上下軸駆動部105は、サーボモータと、サーボモータを駆動するモータ駆動部と、ヘッドユニット104に設けられたナットと係合し、サーボモータにより回転駆動されるボールねじ等の上下軸とから構成される。このような構成の上下軸駆動部105においては、サーボモータの作動により上下軸が回転し、これによりヘッドユニット104が上下動する。
【0024】
バックアップステージ103は、フラットパネル100bの側縁部への接合部品100aの押圧時に、接合部品100aの押圧を背後からバックアップするための透明のステージである。ここで、図4のバックアップステージ103の拡大図に示されるように、バックアップステージ103の下方には、その上方に配置されたフラットパネル100bと接合部品100aとの接合状態、つまり異方性導電接着剤100cによるパネル電極と部品電極との接合状態を認識するための接合認識部106が設けられている。
【0025】
図5は、接合認識部106の概略構成を示す図である。
【0026】
接合認識部106は、X−Y−Z方向に移動可能となっており、認識対象となる接合部品100aの下方に移動した後、押圧部102による接合が行われているときに、その接合が行われているフラットパネル100bと接合部品100aとの間に位置する異方性導電接着剤100cの状態、具体的にはその接合により変形した異方性導電接着剤100cに含まれる導電性粒子を撮像し、これから電極間の接合状態を認識する。接合認識部106は、照明121、微分干渉顕微鏡122、移動部123、CCDカメラ124及び認識制御部125から構成される。なお、接合認識部106は、本発明の撮像手段の一例である。また、本実施の形態において、押圧部102による接合が行われているときとは、接合認識部106が撮像対象である接合部品の下方に移動してから他の接合部品100aの下方に移動するまで、又はフラットパネル100bがバックアップステージ103に搬入されてから搬出されるまでの期間をいう。従って、接合が行われている電極間の接合状態の認識とは、押圧ヘッド110による押圧が行われている状態の電極間の接合状態の認識と、押圧ヘッド110による押圧が終了してから新たな押圧が行われるまでの、押圧ヘッド110による押圧が行われていない状態の電極間の接合状態の認識を含む。
【0027】
照明121は、ハロゲン光源若しくはLED等から構成され、微分干渉顕微鏡122に光を供給する。微分干渉顕微鏡122は、CCDカメラ124とバックアップステージ103との間に配設され、変形した導電性粒子の画像を拡大する。移動部123は、微分干渉顕微鏡122により拡大された画像が適切にCCDカメラ124に取り込まれるように、微分干渉顕微鏡122を移動させる。CCDカメラ124は、バックアップステージ103を介してフラットパネル100bと反対側に配設され、微分干渉顕微鏡122により拡大された画像を取り込む。認識制御部125は、照明121及びCCDカメラ124を制御し、CCDカメラ124からの画像データを制御部(図外)に送信する。
【0028】
図6は、上記構造を有する部品接合装置の制御系の構成を示すブロック図である。
【0029】
部品接合装置は、押圧部102の接合動作を制御する制御部200と、NCデータが格納されたハードディスクやメモリ等である記憶部201とを備える。ヘッドユニット104には、エアシリンダ111と空圧源210との間に、空圧源210からエアシリンダ111に供給する空気圧を調節する圧力調節部211と、エアシリンダ111に供給される空気圧を検出する圧力検出部214とが設けられている。上下軸駆動部105には、上下軸212を回転駆動するサーボモータ213を制御するモータ駆動部215が設けられている。なお、制御部200は、本発明の条件変更手段及び第1押圧変更手段の一例であり、圧力検出部214は、本発明の空気圧検出手段の一例である。
【0030】
制御部200は、記憶部201から読み出したNCデータが示す接合条件に基づいて、押圧部102を制御する。具体的には、制御部200は、図7(a)、(b)に示されるように、押圧ヘッド110がバックアップステージ103に載置されたフラットパネル100b上の接合部品100aと接触するまでヘッドユニット104を下降させる。その後、図7(c)に示されるように、押圧ヘッド110が一定のトルクTaで接合部品100aを押圧するように、エアシリンダ111に供給する空気圧を調節する。
【0031】
制御部200は、圧力検出部214による空気圧の検出結果に基づいて、記憶部201から読み出したNCデータを一時的に変更し、接合条件を変更する。具体的には、制御部200は、NCデータが示す接合条件としての押圧力で押圧ヘッド110による接合が行われているときに、その接合を行っている押圧ヘッド110を押圧するエアシリンダ111に供給される空気圧が所定の基準空気圧Pmaxより大きく、押圧ヘッド110が所定の基準トルクTmaxより大きいトルクで接合部品100aを押圧することが圧力検出部214により検出された場合、圧力調節部211を制御し、エアシリンダ111による押圧ヘッド110の押圧力が無くなるように、つまり押圧ヘッド110の接合部品100aの押圧力が無くなるように、空圧源210からエアシリンダ111に供給される空気圧を遮断する。なお、図8に示されるように、接合部品100aを押圧する押圧ヘッド110のトルクは、エアシリンダ111に供給される空気圧に対応するものであり、基準空気圧Pmax及び基準トルクTmaxは、電極間の接合状態又はフラットパネル100b及び接合部品100aにダメージを与える可能性のある空気圧及びトルクである。
【0032】
制御部200は、接合認識部106により送信された導電性粒子の撮像結果を示す画像データに基づいて、記憶部201から読み出したNCデータを一時的に変更し、接合条件を変更する。具体的には、制御部200は、NCデータが示す接合条件としての押圧力で押圧ヘッド110による接合が行われているときに、その接合を行っている電極間の接合状態が所定の基準を満たさないことが判定部200aにより判定された場合、圧力調節部211を制御し、エアシリンダ111による押圧ヘッド110の押圧力が大きくなるように、つまり押圧ヘッド110の接合部品100aの押圧力が大きくなるように、空圧源210からエアシリンダ111に供給される空気圧を大きくする。なお、接合が行われているときの電極間の接合条件の変更とは、押圧ヘッド110による押圧が行われている期間での電極間の接合条件の変更と、押圧ヘッド110による押圧が終了してから新たな押圧が行われるまでの期間での電極間の接合条件の変更とを含む。
【0033】
ここで、判定部200aによる電極間の接合状態の判定について、図9、10を用いて詳述する。
【0034】
電極間の接合に際しての押圧ヘッド110による押圧により、導電性粒子はパネル電極及び部品電極に挟まれて押し潰され、変形する。すなわち、導電性粒子は、変形して初めて電極間を電気的に接合する。従って上記判定は、図9に示されるような接合認識部106で得られた画像において、判定範囲をパネル電極若しくは部品電極の形状により決定し、その範囲内における所定の面積以上の変形した導電性粒子の数を数え、その数と予め定められた閾値とを比較することにより行われる。判定範囲を部品電極の形状により決定する場合には、全ての部品電極毎に、部品電極の枠内(図9における点線で囲まれる領域内)における所定の面積以上の変形した導電性粒子の数を数える。そして、数えられた導電性粒子の数を予め定められた閾値と比較し、いずれかの部品電極の枠内における変形した導電性粒子の数がこの閾値よりも小さい場合には、電極間の接合状態が基準を満たさないと判定する。なお、導電性粒子の数を数える上で、導電性粒子が少なくとも一部において他の導電性粒子と重なっている場合には、重なっている導電性粒子を1つとして数える。また、閾値との比較は、所定の面積以上の変形した導電性粒子の数の中で最も小さなものに対してのみ行われてもよい。
【0035】
例えば、上記閾値が4であり、図10(a)に示されるような画像が得られた場合には、全ての部品電極1〜8において、所定の面積以上の変形した導電性粒子が4つ以上あるため、電極間の接合状態が基準を満たすと判定する。一方、上記閾値が4であり、図10(b)に示されるような画像が得られた場合には、部品電極4において、所定の面積以上の変形した導電性粒子が2つであるため、電極間の接合状態が基準を満たさないと判定し、図10(c)に示されるような画像が得られるまで、つまり部品電極4における所定の面積以上の変形した導電性粒子が4つ以上になるように、空圧源210からエアシリンダ111に供給される空気圧を大きくする。
【0036】
なお、判定は、所定の面積以上の変形した導電性粒子の数を数え、その数と予め定められた閾値を比較することにより行われるとした。しかし、所定の面積以上の変形した導電性粒子の面積の総和を求め、この面積の総和と予め定められた閾値とを比較することにより行われてもよい。この場合には、面積の総和が閾値よりも小さい場合には、電極間の接合状態が基準を満たさないと判定する。
【0037】
例えば、上記閾値が6であり、図11(a)に示されるような画像が得られた場合には、全ての部品電極1〜8において、所定の面積以上の変形した導電性粒子の総面積が6以上あるため、電極間の接合状態が基準を満たすと判定する。一方、上記閾値が6であり、図11(b)に示されるような画像が得られた場合には、部品電極4において、所定の面積以上の変形した導電性粒子の総面積が4であるため、電極間の接合状態が基準を満たさないと判定し、図11(c)に示されるような画像が得られるまで、つまり部品電極4における所定の面積以上の変形した導電性粒子の総面積が6以上になるように、空圧源210からエアシリンダ111に供給される空気圧を大きくする。
【0038】
また、判定は、面積の総和と閾値との比較、及び数の総和と閾値との比較の両方を用いて行われてもよい。この場合には、いずれの比較においても基準を満たさないと判定された場合に、空圧源210からエアシリンダ111に供給される空気圧が大きくされる。
【0039】
また、判定は、パネル電極及び部品電極のいずれかの枠内を判定範囲として行われるとした。しかし、パネル電極及び部品電極の枠の大きさを比較し、判定は、小さい枠の電極の枠内を判定範囲として行われてもよい。
【0040】
次に、上記構造を有する部品接合装置の接合動作について説明する。図12は、部品接合装置の接合動作を示すフローチャートである。
【0041】
まず、制御部200は、記憶部201から読み出したNCデータが示す接合条件に基づいて押圧部102を制御し、パネル電極と部品電極との接合を開始する(ステップS30)。すなわち、制御部200は、押圧ヘッド110により、バックアップステージ103上に載置されたフラットパネル100bへの接合部品100aの押圧と加熱を開始する。
【0042】
次に、接合認識部106は、その接合が行われているフラットパネル100bと接合部品100aとの間に位置し、接合により変形した導電性粒子をCCDカメラ124により撮像する(ステップS31)。その後、CCDカメラ124からの画像データを制御部200に送信する。
【0043】
次に、判定部200aは、撮像により得られた変形した導電性粒子の画像に基づいて、電極間の接合状態が所定の基準以下であるか否かを判定する(ステップS32)。
【0044】
次に、制御部200は、判定部200aにより電極間の接合状態が所定の基準を満たさないと判定された場合(ステップS32でNo)、圧力調節部211を制御し、空圧源210からエアシリンダ111に供給される空気圧を増加させる(ステップS33)。その結果、接合条件としてのエアシリンダ111(押圧ヘッド110)の押圧力は上昇する。一方、制御部200は、電極間の接合状態が所定の基準を満たすと判定された場合(ステップS32でYes)、エアシリンダ111に供給される空気圧を遮断し、上下軸212を上昇させて接合動作を終了する。
【0045】
次に、制御部200は、圧力検出部214によりエアシリンダ111に供給される空気圧が所定の基準空気圧Pmax以下であるか、つまり押圧ヘッド110のトルクが所定の基準トルクTmax以下であるか否かを判定する(ステップS34)。
【0046】
次に、制御部200は、押圧ヘッド110が所定の基準トルクTmax以下のトルクで接合部品100aを押圧することが検出された場合(ステップS34でYes)、上昇した押圧力での押圧を接合部品100aに対して行う(ステップS35)。その後、ステップS35からステップS31に戻り、接合動作が終了するまで、繰り返される。一方、制御部200は、押圧ヘッド110が所定の基準トルクTmaxより大きいトルクで接合部品100aを押圧することが検出された場合(ステップS34でNo)、エアシリンダ111に供給される空気圧を遮断し、上下軸212を上昇させて接合動作を終了する。
【0047】
以上のように、本実施の形態の部品接合装置によれば、パネル電極と部品電極との間の接合状態の認識は、電極間の接合動作と並行して行われ、その接合動作の接合条件を接合状態の認識結果に基づいて接合動作中に変え、不良品の発生を防止する。よって、特許文献1に記載の部品接合方法のように、接合部品が実装されたフラットパネルを犠牲にする必要が無くなる。また、接合状態の認識結果はその認識が行われた電極間の接合条件を変更するのに用いられるため、接合部品の実装条件を最適なものに変更することができる。よって、接合部品が実装されたフラットパネルの歩留まりを大きく向上させることができる。
【0048】
また、本実施の形態の部品接合装置によれば、エアシリンダ111に供給される空気圧を圧力検出部214により検出し、所定の基準よりも大きい空気圧がエアシリンダ111に供給された場合には、接合動作を終了する。よって、接合部品及びフラットパネルに極めて大きな力が加えられることが無くなり、電極間の接合状態又はフラットパネル及び接合部品にダメージが与えられることが無くなる。その結果、接合部品が実装されたフラットパネルの歩留まりを更に大きく向上させることができる。
【0049】
なお、本実施の形態において、制御部200は、エアシリンダ111(押圧ヘッド110)の押圧力をNCデータが示す接合条件とし、接合認識部106による認識結果に基づいて、空圧源210からエアシリンダ111に供給される空気圧を変更するとした。しかし、押圧部104には、押圧ヘッド110の接合部品100aの押圧時間を調節する時間調節部が設けられ、制御部200は、エアシリンダ111(押圧ヘッド110)の押圧時間をNCデータが示す接合条件とし、接合認識部106による認識結果に基づいて時間調節部を制御し、エアシリンダ111(押圧ヘッド110)の押圧時間を変更してもよい。すなわち、制御部200は、接合状態が基準を満たさないと判定された場合に、エアシリンダ111(押圧ヘッド110)の押圧時間を長くしてもよい。この場合には、押圧ヘッド110の押圧時間を検出する時間検出部がヘッドユニット104に設けられ、この時間検出部により押圧時間が所定の基準以上の時間であることが検出された場合、押圧時間を0として接合動作を終了する。
【0050】
また、押圧部104には、押圧ヘッド110の接合部品100aの加熱温度を調節する温度調節部が設けられ、制御部200は、押圧ヘッド110の接合部品100aの加熱温度をNCデータが示す接合条件とし、接合認識部106による認識結果に基づいて温度調節部を制御し、押圧ヘッド110の接合部品100aの加熱温度を変更してもよい。すなわち、制御部200は、接合状態が基準を満たさないと判定された場合に、押圧ヘッド110の接合部品100aの加熱温度を高くしてもよい。この場合には、押圧ヘッド110の加熱温度を検出する温度検出部がヘッドユニット104に設けられ、この温度検出部により加熱温度が所定の基準以上の温度であることが検出された場合、加熱温度を下げて接合動作を終了する。
【0051】
また、制御部200は、エアシリンダ111に供給される空気圧を圧力検出部214により検出し、これに基づいて接合動作を終了するか否かを決定するとした。しかし、制御部200は、圧力調節部211に対する指示に基づいてエアシリンダ111に供給される空気圧を検出し、これに基づいて接合動作を終了するか否かを決定してもよい。
【0052】
(第2の実施の形態)
この部品接合装置は、上下軸駆動部を有さず、エアシリンダが複数の押圧ヘッドをフラットパネルに対して上下動させるという点で第1の実施の形態の部品接合装置と異なる。以下、第1の実施の形態の部品接合装置と異なる点を中心に説明する。
【0053】
図13は、本実施の形態の部品接合装置の制御系の構成を示すブロック図である。
【0054】
部品接合装置は、押圧部402の接合動作を制御する制御部200と、記憶部201とを備える。
【0055】
押圧部402は、複数の押圧ヘッド110と、押圧ヘッド110を個別に駆動する複数のエアシリンダ411と、空圧源210と、エアシリンダ411と空圧源210との間に設けられた圧力調節部412及び圧力検出部414とから構成される。エアシリンダ411は、空気圧を駆動源とし、バックアップステージ103上のフラットパネル100bに向けて押圧ヘッド110を押圧する。また、エアシリンダ411は、バックアップステージ103上のフラットパネル100bに対して押圧ヘッド110を上下動させる。なお、エアシリンダ411は、本発明の第1押圧手段の一例である。
【0056】
圧力調節部412は、エアシリンダ411毎に設けられた複数の圧力調節ユニット412aから構成され、空圧源210からエアシリンダ411に供給する空気圧を調節する。圧力検出部414は、エアシリンダ411毎に設けられた複数の圧力検出ユニット414aから構成され、エアシリンダ411に供給される空気圧を検出する。
【0057】
上記構成の押圧部402において、押圧ヘッド110の押圧力の検出及び調節は、各エアシリンダ411に対応して設けられた圧力検出ユニット414a及び圧力調節ユニット412aによりエアシリンダ411毎に行われる。
【0058】
以上のように、本実施の形態の部品接合装置によれば、第1の実施の形態の部品接合装置と同様の理由により、接合部品が実装されたフラットパネルの歩留まりを大きく向上させることができる。
【0059】
また、本実施の形態の部品接合装置によれば、圧力検出部414により電極間の接合状態又はフラットパネル及び接合部品にダメージが与えられることが無くなるので、接合部品が実装されたフラットパネルの歩留まりを更に大きく向上させることができる。
【0060】
また、本実施の形態の部品接合装置によれば、エアシリンダ411により押圧ヘッド110の押圧及び上下動の両方をさせる。よって、部品接合装置の構成を簡易にすることが可能となり、装置を小型化することができる。
【0061】
(第3の実施の形態)
この部品接合装置は、エアシリンダを有さず、上下軸駆動部が複数の押圧ヘッドを押圧するという点で第1の実施の形態の部品接合装置と異なる。以下、第1の実施の形態の部品接合装置と異なる点を中心に説明する。
【0062】
図14は、本実施の形態の部品接合装置の制御系の構成を示すブロック図である。
【0063】
部品接合装置は、押圧部502の接合動作を制御する制御部500と、記憶部201とを備える。なお、制御部500は、本発明の第3押圧変更手段の一例である。
【0064】
押圧部502は、複数の押圧ヘッド110と、押圧ヘッド110を個別に駆動する上下軸駆動部505と、上下軸駆動部505と押圧ヘッド110の間に設けられた圧力検出部514とから構成される。上下軸駆動部505は、モータを駆動源とし、バックアップステージ103上のフラットパネル100bに向けて押圧ヘッド110を押圧する。また、上下軸駆動部505は、バックアップステージ103上のフラットパネル100bに対して押圧ヘッド110を上下動させる。なお、上下軸駆動部505は、本発明の第2押圧手段の一例である。
【0065】
上下軸駆動部505は、押圧ヘッド110毎に設けられ、対応する押圧ヘッド110を駆動する複数の上下軸駆動ユニット505aから構成される。各上下軸駆動ユニット505aには、上下軸512を回転駆動するサーボモータ513を制御するモータ駆動部515が設けられている。
【0066】
圧力検出部514は、押圧ヘッド110毎に設けられた複数の圧力検出ユニット514aから構成され、押圧ヘッド110が接合部品100aから受ける圧力を検出する。なお、圧力検出部514は、本発明のヘッド圧力検出手段の一例である。
【0067】
上記構成の押圧部502において、押圧ヘッド110の押圧力の検出は各押圧ヘッド110に設けられた圧力検出ユニット514aにより押圧ヘッド110毎に行われる。
【0068】
制御部500は、記憶部201から読み出したNCデータが示す接合条件に基づいて、押圧部502を制御する。具体的には、制御部500は、押圧ヘッド110がバックアップステージ103に載置されたフラットパネル100b上の接合部品100aと接触するまで押圧ヘッド110を下降させる。その後、押圧ヘッド110が一定のトルクTaで接合部品100aを押圧するように、サーボモータ513の回転数を上げる。
【0069】
制御部500は、圧力検出部514による圧力の検出結果に基づいて、記憶部201から読み出したNCデータを一時的に変更し、接合条件を変更する。具体的には、制御部500は、NCデータが示す接合条件としての押圧力で押圧ヘッド110による接合が行われているときに、その接合を行っている押圧ヘッド110を押圧する上下軸駆動ユニット505aを駆動するサーボモータ513の回転数が所定の基準回転数以上であり、押圧ヘッド110が所定の基準トルクTmax以上のトルクで接合部品100aを押圧することが圧力検出部514により検出された場合、上下軸駆動ユニット505aによる押圧ヘッド110の押圧力が無くなるようにモータ駆動部515を制御し、サーボモータ513の回転数を小さくする。
【0070】
制御部500は、接合認識部106による認識結果に基づいて、記憶部201から読み出したNCデータを一時的に変更し、接合条件を変更する。具体的には、制御部500は、NCデータが示す接合条件としての押圧力で押圧ヘッド110による接合が行われているときに、その接合を行っている電極間の接合状態が所定の基準を満たさないことが判定部200aにより判定された場合、上下軸駆動ユニット505aによる押圧ヘッド110の押圧力が大きくなるようにモータ駆動部515を制御し、サーボモータ513の回転数を大きくする。
【0071】
次に、上記構造を有する部品接合装置の接合動作について説明する。図15は、部品接合装置の接合動作を示すフローチャートである。
【0072】
まず、制御部500は、記憶部201から読み出したNCデータが示す接合条件に基づいて押圧部502を制御し、パネル電極と部品電極との接合を開始する(ステップS50)。
【0073】
次に、接合認識部106は、その接合が行われているフラットパネル100bと接合部品100aとの間に位置し、接合により変形した導電性粒子をCCDカメラ124により撮像する(ステップS51)。その後、CCDカメラ124からの画像データを制御部500に送信する。
【0074】
次に、判定部200aは、撮像により得られた変形した導電性粒子の画像に基づいて、電極間の接合状態が所定の基準以下であるか否かを判定する(ステップS52)。
【0075】
次に、制御部500は、判定部200aにより電極間の接合状態が所定の基準を満たさないと判定された場合(ステップS52でNo)、モータ駆動部515を制御し、サーボモータ513に流す電流を大きくする(ステップS53)。その結果、押圧ヘッド110の押圧力は上昇する。一方、制御部500は、電極間の接合状態が所定の基準を満たすと判定された場合(ステップS52でYes)、サーボモータ513の回転数を制御し、上下軸512を上昇させ、接合動作を終了する。
【0076】
次に、制御部500は、圧力検出部514により押圧ヘッド110が接合部品100aから受ける圧力が所定の基準圧以下であるか、つまり押圧ヘッド110が所定の基準トルクTmax以下のトルクであるか否かを判定する(ステップS54)。
【0077】
次に、制御部500は、押圧ヘッド110が所定の基準トルクTmax以下のトルクで接合部品100aを押圧することが検出された場合(ステップS54でYes)、上昇した押圧力での押圧を接合部品100aに対して行う(ステップS55)。その後、ステップS55からステップS51に戻り、接合動作が終了するまで、繰り返される。一方、制御部500は、押圧ヘッド110が所定の基準トルクTmaxより大きいトルクで接合部品100aを押圧することが検出された場合(ステップS54でNo)、サーボモータ513の回転数を制御し、上下軸512を上昇させ、接合動作を終了する。
【0078】
以上のように、本実施の形態の部品接合装置によれば、第1の実施の形態の部品接合装置と同様の理由により、接合部品が実装されたフラットパネルの歩留まりを大きく向上させることができる。
【0079】
また、本実施の形態の部品接合装置によれば、圧力検出部514により押圧ヘッド110が受ける圧力を検出し、押圧ヘッド110が所定の基準より大きな圧力を受けている場合には、接合動作を終了する。よって、接合部品及びフラットパネルに極めて大きな力が加えられることが無くなり、電極間の接合状態又はフラットパネル及び接合部品にダメージが与えられることが無くなる。その結果、接合部品が実装されたフラットパネルの歩留まりを更に大きく向上させることができる。
【0080】
また、本実施の形態の部品接合装置によれば、上下軸駆動部505により押圧ヘッド110の押圧及び上下動の両方をさせる。よって、部品接合装置の構成を簡易にすることが可能となり、装置を小型化することができる。
【0081】
なお、本実施の形態の部品接合装置において、圧力検出部514により押圧ヘッド110の押圧力を検出し、これが所定の基準より大きい場合には、上下軸駆動部505の押圧力を変更し、小さくするとした。しかし、押圧部502がサーボモータ513の電流値を検出する電流検出部を備え、制御部500は、回転数を押圧ヘッド110の押圧力に対応するものとし、電流検出部により検出された電流値が所定の基準より大きい場合には、上下軸駆動部505の押圧力を変更し、小さくしてもよい。
【0082】
以上、本発明の部品接合装置について、実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、この実施の形態の限定されるものではない。本発明の要旨を逸脱しない範囲内で当業者が思いつく各種変形を施したものも本発明の範囲内に含まれる。
【0083】
例えば、上記実施の形態の部品接合装置において、押圧部に設けられた圧力検出部により押圧ヘッドの押圧力を検出するとした。しかし、例えば図16に示されるように、バックアップステージ103に圧力検出部714が設けられ、圧力検出部714により接合部品を介してフラットパネルが押圧ヘッドから受ける圧力を検出してもよい。この場合には、検出された圧力が所定の基準より大きい場合に、押圧ヘッドの押圧力が変更され、小さくされる。
【0084】
また、上記実施の形態の部品接合装置において、電極間の接合状態が所定の基準を満たさない場合には、その基準をどの程度満たさないかによらず、つまり得られた画像における基準を満たさない電極の数によらず接合条件を一意的に変更するとした。しかし、基準をどの程度満たさないかに応じて接合条件の変更の程度(幅)を変えてもよい。すなわち、得られた画像における基準を満たさない接合状態の電極を数え、その数に応じて接合条件の変更の程度を変えてもよい。この場合には、制御部は、基準を満たさない接合状態の電極を数える算出部を有し、記憶部には、基準を満たさない接合状態の電極数と接合条件の変更の程度との対応関係を示す対応テーブルが格納される。制御部は、この算出部による算出結果及び対応テーブルから接合条件の変更の程度を決定し、これに基づいて製造条件を変更する。例えば、対応テーブルとして図17のようなものが用いられた場合には、制御部は、基準を満たさない接合状態の電極数に応じて、エアシリンダに供給される空気圧の上昇幅を変化させる。これにより、短時間で接合状態の改善を行うことが可能になる。
【0085】
また、上記実施の形態の部品接合装置において、図18に示されるように、フラットパネル100b上にバンプ900c付の接合部品900aを電気的及び物理的に接続する場合には、バンプ900cとパネル電極との間の接合状態の判定が行われる。この場合には、判定は、図19に示されるような画像において、判定範囲をパネル電極若しくはバンプ900cの形状により決定し、その範囲内における所定の面積以上の変形した導電性粒子の数を数え、その数と予め定められた閾値とを比較することにより行われる。判定範囲をバンプ900cの形状により決定する場合には、全てのバンプ900c毎に、バンプ900cの枠内(図19における点線で囲まれる領域内)における所定の面積以上の変形した導電性粒子の数を数える。そして、数えられた導電性粒子の数を予め定められた閾値と比較し、いずれかの部品電極の枠内における変形した導電性粒子の数がこの閾値よりも小さい場合には、電極間の接合状態が基準を満たさないと判定する。
【産業上の利用可能性】
【0086】
本発明は、部品接合装置及び部品接合方法に利用でき、特に異方性導電接着剤を介して電子部品とフラットパネルとを接合させる装置及び方法等に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【図1】本発明の第1の実施の形態の部品接合装置の斜視図である。
【図2】フラットパネルと接合部品とを接合させる動作を説明するための図である。
【図3】接合部品が実装されたフラットパネルの上面図である。
【図4】バックアップステージの拡大図である。
【図5】接合認識部の概略構成を示す図である。
【図6】同部品接合装置の制御系の構成を示すブロック図である。
【図7】(a)押圧ヘッドによる接合部品の押圧動作を説明するための図である。(b)押圧ヘッドによる接合部品の押圧動作を説明するための図である。(c)押圧ヘッドのトルクの時間変化を示す図である。
【図8】電極間の接合状態の判定を説明するための図である。
【図9】電極間の接合状態の判定を説明するための図である。
【図10】電極間の接合状態の判定を説明するための図である。
【図11】電極間の接合状態の判定を説明するための図である。
【図12】同部品接合装置の接合動作を示すフローチャートである。
【図13】本発明の第2の実施の形態の部品接合装置の制御系の構成を示すブロック図である。
【図14】本発明の第3の実施の形態の部品接合装置の制御系の構成を示すブロック図である。
【図15】同部品接合装置の接合動作を示すフローチャートである。
【図16】本発明の部品接合装置の変形例の制御系の構成を示すブロック図である。
【図17】記憶部に格納される対応テーブルの一例を示す図である。
【図18】バンプとパネル電極との間の接合状態の判定を説明するための図である。
【図19】バンプとパネル電極との間の接合状態の判定を説明するための図である。
【符号の説明】
【0088】
100a、900a 接合部品
100b フラットパネル
100c 異方性導電接着剤
101 反り矯正ユニット
101a ジャバラパット
101b エア止め栓
102、402、502 押圧部
103 バックアップステージ
104 ヘッドユニット
105、505 上下軸駆動部
106 接合認識部
110 押圧ヘッド
111、411 エアシリンダ
121 照明
122 微分干渉顕微鏡
123 移動部
124 CCDカメラ
125 認識制御部
200、500 制御部
201 記憶部
210 空圧源
211、412 圧力調節部
212、512 上下軸
213、513 サーボモータ
214、414、514、714 圧力検出部
215、515 モータ駆動部
412a 圧力調節ユニット
414a、514a 圧力検出ユニット
505a 上下軸駆動ユニット
900c バンプ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フラットパネルのパネル電極と部品の部品電極とを接合させる部品接合装置であって、
導電性の粒子を含む接着部材を介して、前記パネル電極と前記部品電極とを接合させる接合手段と、
前記接合手段による接合が行われているときに、当該接合手段により接合させている前記パネル電極と部品電極との間に位置する粒子であって、当該接合手段による接合により変形した前記粒子を撮像する撮像手段と、
前記接合手段による接合が行われているときに、前記変形した粒子の撮像結果に基づいて、当該接合手段の接合条件を変更する条件変更手段とを備える
ことを特徴とする部品接合装置。
【請求項2】
前記接合手段は、前記フラットパネルが載置されるステージと、前記部品を前記ステージ上のフラットパネルに押圧する押圧ヘッドとから構成され、
前記条件変更手段は、前記押圧ヘッドの押圧力を前記接合条件とし、前記押圧ヘッドの押圧力を変更する
ことを特徴とする請求項1に記載の部品接合装置。
【請求項3】
前記接合手段は、前記フラットパネルが載置されるステージと、前記部品を前記ステージ上のフラットパネルに押圧する押圧ヘッドと、空気圧を駆動源とし、前記ステージ上のフラットパネルに向けて前記押圧ヘッドを押圧する第1押圧手段とから構成され、
前記条件変更手段は、前記第1押圧手段の押圧力を前記接合条件とし、前記第1押圧手段の押圧力を変更する
ことを特徴とする請求項1に記載の部品接合装置。
【請求項4】
前記部品接合装置は、さらに、
前記第1押圧手段による押圧が行われているときに、当該第1押圧手段を駆動する空気圧を検出する空気圧検出手段と、
前記第1押圧手段による押圧が行われているときに、前記空気圧の検出結果に基づいて、当該第1押圧手段の押圧力を変更する第1押圧変更手段とを備える
ことを特徴とする請求項3に記載の部品接合装置。
【請求項5】
前記接合手段は、前記フラットパネルが載置されるステージと、前記部品を前記ステージ上のフラットパネルに押圧する押圧ヘッドと、モータを駆動源とし、前記ステージ上のフラットパネルに向けて前記押圧ヘッドを押圧する第2押圧手段とから構成され、
前記条件変更手段は、前記第2押圧手段の押圧力を前記接合条件とし、前記第2押圧手段の押圧力を変更する
ことを特徴とする請求項1に記載の部品接合装置。
【請求項6】
前記接合手段は、前記フラットパネルが載置されるステージと、前記部品を前記ステージ上のフラットパネルに押圧する押圧ヘッドとから構成され、
前記条件変更手段は、前記押圧ヘッドの押圧力を前記接合条件とし、前記押圧ヘッドの押圧力を変更し、
前記部品接合装置は、さらに、
前記押圧ヘッドによる押圧が行われているときに、当該押圧ヘッドが受ける前記部品からの圧力を検出するヘッド圧力検出手段と、
前記押圧ヘッドによる押圧が行われているときに、前記圧力の検出結果に基づいて、当該押圧ヘッドの押圧力を変更する第3押圧変更手段とを備える
ことを特徴とする請求項1に記載の部品接合装置。
【請求項7】
前記接合手段は、前記フラットパネルが載置されるステージと、前記部品を前記ステージ上のフラットパネルに押圧する押圧ヘッドとから構成され、
前記条件変更手段は、前記押圧ヘッドの押圧力を前記接合条件とし、前記押圧ヘッドの押圧力を変更し、
前記部品接合装置は、さらに、
前記押圧ヘッドによる押圧が行われているときに、当該押圧ヘッドにより前記部品を介して受ける前記フラットパネルの圧力を検出するパネル圧力検出手段と、
前記押圧ヘッドによる押圧が行われているときに、前記圧力の検出結果に基づいて、当該押圧ヘッドの押圧力を変更する第4押圧変更手段とを備える
ことを特徴とする請求項1に記載の部品接合装置。
【請求項8】
前記接合手段は、前記フラットパネルが載置されるステージと、前記部品を前記ステージ上のフラットパネルに押圧する押圧ヘッドとから構成され、
前記条件変更手段は、前記押圧ヘッドの押圧時間を前記接合条件とし、前記押圧ヘッドの押圧時間を変更する
ことを特徴とする請求項1に記載の部品接合装置。
【請求項9】
前記接合手段は、前記フラットパネルが載置されるステージと、前記部品を加熱し、かつ前記部品を前記ステージ上のフラットパネルに押圧する押圧ヘッドとから構成され、
前記条件変更手段は、前記押圧ヘッドの加熱温度を前記接合条件とし、前記押圧ヘッドの加熱温度を変更する
ことを特徴とする請求項1に記載の部品接合装置。
【請求項10】
フラットパネルのパネル電極と部品の部品電極とを接合させる部品接合方法であって、
導電性の粒子を含む接着部材を介した、前記パネル電極と前記部品電極との接合を開始する接合開始ステップと、
前記パネル電極と部品電極との間に位置する部品であって、前記接合により変形した前記粒子を撮像する撮像ステップと、
前記変形した粒子の撮像結果に基づいて、前記接合の接合条件を変更する条件変更ステップと、
前記変更された接合条件で前記接合を行った後、前記接合を終了する接合終了ステップとを含む
ことを特徴とする部品接合方法。
【請求項11】
前記接合開始ステップでは、押圧ヘッドによる、ステージ上に載置された前記フラットパネルへの前記部品の押圧を開始し、
前記条件変更ステップでは、前記部品に対する前記押圧ヘッドの押圧力を前記接合条件とし、前記押圧力を変更する
ことを特徴とする請求項10に記載の部品接合方法。
【請求項12】
前記部品接合方法は、さらに、
前記押圧力を検出する押圧検出ステップと、
前記押圧力の検出結果に基づいて前記押圧力を変更する押圧力変更ステップとを含む
ことを特徴とする請求項11に記載の部品接合方法。
【請求項13】
前記接合開始ステップでは、押圧ヘッドによる、前記部品の加熱と、ステージ上に載置された前記フラットパネルへの前記部品の押圧とを開始し、
前記条件変更ステップでは、前記部品の加熱温度を前記接合条件とし、前記加熱温度を変更する
ことを特徴とする請求項10に記載の部品接合方法。
【請求項14】
前記部品接合方法は、さらに、
前記加熱温度を検出する温度検出ステップと、
前記加熱温度の検出結果に基づいて前記加熱温度を変更する温度変更ステップとを含む
ことを特徴とする請求項13に記載の部品接合方法。
【請求項15】
前記接合開始ステップでは、押圧ヘッドによる、ステージ上に載置された前記フラットパネルへの前記部品の押圧を開始し、
前記条件変更ステップでは、前記部品に対する前記押圧ヘッドの押圧時間を前記接合条件とし、前記押圧時間を変更する
ことを特徴とする請求項10に記載の部品接合方法。
【請求項16】
前記部品接合方法は、さらに、
前記押圧時間を検出する時間検出ステップと、
前記押圧時間の検出結果に基づいて、前記押圧時間を変更する時間変更ステップとを含む
ことを特徴とする請求項15に記載の部品接合方法。
【請求項17】
前記接着部材は、前記粒子を複数含み、
前記条件変更ステップでは、前記撮像により得られた撮像画像における前記粒子の面積の総和を前記撮像結果とし、前記粒子の面積の総和が所定の値よりも小さいときは、前記接合条件を変更する
ことを特徴とする請求項10〜16のいずれか1項に記載の部品接合方法。
【請求項18】
前記接着部材は、前記粒子を複数含み、
前記条件変更ステップでは、前記撮像により得られた撮像画像における前記粒子の総数を前記撮像結果とし、前記粒子の総数が所定の値よりも少ないときは、前記接合条件を変更する
ことを特徴とする請求項10〜17のいずれか1項に記載の部品接合方法。
【請求項19】
前記接合終了ステップでは、前記変形した粒子の撮像結果に基づいて前記接合を終了する
ことを特徴とする請求項10〜18のいずれか1項に記載の部品接合方法。
【請求項20】
部品接合装置におけるフラットパネルのパネル電極と部品の部品電極とを接合させるためのプログラムであって、
請求項10〜19のいずれか1項に記載のステップをコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2007−234967(P2007−234967A)
【公開日】平成19年9月13日(2007.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−56524(P2006−56524)
【出願日】平成18年3月2日(2006.3.2)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】