説明

電気光学装置、電気光学装置の製造方法、および投射型表示装置

【課題】コンタクトホールを埋める工程を利用して、隣接する画素電極の間に発生する凹部を平坦化した電気光学装置、その製造方法、およびかかる電気光学装置を用いた投射型表示装置を提供する。
【解決手段】電気光学装置において、画素電極9aは、下層側に島状に形成された第1電極91aと、第1電極91a上に島状に形成された上層側の第2電極92aとによって構成されている。第1電極91aの上層には絶縁膜73が積層され、かかる絶縁膜73によって、コンタクトホール72b内の凹部は完全に埋められ、隣接する第1電極91aの間も埋められている。従って、絶縁膜73の表面と、第1電極91aにおいて絶縁膜73から露出している表面とは連続した平坦面を構成しており、かかる平坦面上に第2電極72aが形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板上の複数の画素の各々に画素スイッチング素子および画素電極が形成された素子基板を有する電気光学装置、電気光学装置の製造方法、および当該電気光学装置をライトバルブとして用いた投射型表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
各種の電気光学装置のうち、液晶装置では、基板上に電界効果型トランジスタ等の画素スイッチング素子および島状の画素電極が形成された素子基板と、対向基板とが対向配置されているとともに、素子基板と対向基板との間に液晶層が保持されている。このような電気光学装置において、素子基板上では、層間絶縁膜に形成されたコンタクトホールを介して画素電極と画素スイッチング素子とが電気的に接続されている。ここで、配向膜に対するラビングを均一に行なうという観点からすると、画素電極の表面が平坦になっていることが好ましい。そこで、コンタクトホール内に金属を埋め込み、コンタクトホール内の金属を介して、画素電極と画素スイッチング素子とを電気的に接続した構成が提案されている(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平11−119255号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、隣接する画素電極により挟まれた領域にも、画素電極の膜厚に相当する深さをもった凹部が発生しており、かかる凹部についても、ある程度平坦化されていることが好ましいが、特許文献1に開示の技術では、かかる凹部を平坦化することが困難である。このため、画素電極を形成した後、別途、絶縁膜を形成し、しかる後に、表面を研磨する必要がある。このため、製造工程数が増大し、生産性が低下するという問題点がある。
【0004】
以上の問題点に鑑みて、本発明の課題は、コンタクトホールを埋める工程を利用して、隣接する画素電極の間に発生する凹部を平坦化した電気光学装置、その製造方法、およびかかる電気光学装置を用いた投射型表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明は、基板上に配置された複数の画素と、前記複数の画素の各々に形成された画素スイッチング素子と、該画素スイッチング素子を上層側から覆う層間絶縁膜と、該層間絶縁膜に形成されたコンタクトホールを介して前記画素スイッチング素子に電気的に接続された画素電極と、が形成された素子基板を有し、前記画素電極は、前記コンタクトホール内および前記層間絶縁膜上に形成された島状の第1電極と、該第1電極の上に積層された島状の第2電極とを有し、前記コンタクトホール内、および隣接する前記第1電極に挟まれた隙間領域には各々、第1絶縁膜が設けられるとともに、当該第1絶縁膜の表面と前記第1電極において前記第1絶縁膜から露出している表面とは連続した平坦面を構成しており、当該平坦面上に前記第2電極が形成されていることを特徴とする。
【0006】
また、本発明は、基板上に配置された複数の画素の各々に、画素スイッチング素子と、該画素スイッチング素子を上層側から覆う層間絶縁膜と、該層間絶縁膜に形成されたコンタクトホールを介して前記画素スイッチング素子に電気的に接続された画素電極と、が形成された素子基板を有する電気光学装置の製造方法において、該画素電極は、第1電極および該第1電極の上層に形成された第2電極とを有し、前記画素スイッチング素子および前記層間絶縁膜を形成した後、当該層間絶縁膜に対して、前記画素スイッチング素子と前記画素電極とを電気的に接続するためのコンタクトホールを形成するコンタクトホール形成工程と、前記コンタクトホール内及び前記層間絶縁膜の上に第1導電膜を形成した後、該第1導電膜をパターニングして前記第1電極を島状に形成する第1電極形成工程と、前記第1電極の上層側に第1絶縁膜を形成する第1絶縁膜形成工程と、前記第1絶縁膜の表面を研磨して前記第1電極の表面を露出させる第1研磨工程と、前記第1電極の上層側に第2導電膜を形成した後、該第2導電膜をパターニングして前記第2電極を島状に形成する第2電極形成工程と、を有することを特徴とする。
【0007】
本発明では、画素電極を下層側の第1電極と上層側の第2電極とにより形成し、第1電極と第2電極との間に形成した第1絶縁膜によって、コンタクトホールに起因する凹部を平坦化するとともに、隣接する第1電極に挟まれた隙間領域に形成される凹部を埋める。すなわち、第1電極を形成した後、第1絶縁膜を形成し、しかる後に、第1電極が露出するまで第1絶縁膜を表面側から研磨すると、コンタクトホールに起因する凹部に第1絶縁膜が埋め込まれて平坦化されるとともに、隣接する第1電極に挟まれた隙間領域に形成される凹部も平坦化され、第1絶縁膜の表面と、前記第1電極において前記第1絶縁膜から露出している表面とは連続した平坦面を構成する。また、かかる平坦面上では、第1電極が露出しているので、その上に第2電極を形成すれば、第1電極と第2電極とは積層した状態になって画素電極を形成する。従って、コンタクトホールを埋める工程を利用して、隣接する画素電極の間に発生する凹部を平坦化することができる。ここで、隣接する第2電極に挟まれた領域には凹部が発生するが、かかる凹部の深さは、画素電極全体の厚さからみれば浅いので、配向膜に対するラビング処理を均一に行なうことができる。
【0008】
本発明を適用した電気光学装置の製造方法において、前記第1絶縁膜形成工程では、前記第1電極を形成した後における前記コンタクトホールの深さ寸法、および前記第1電極の厚さ寸法よりも厚い膜厚に前記第1絶縁膜を形成することが好ましい。このように構成すると、コンタクトホールに起因する凹部、および第1電極により挟まれた領域に発生した凹部を第1絶縁膜で完全に平坦化することができる。すなわち、前記第1絶縁膜形成工程において第1絶縁膜を形成するだけで、コンタクトホールに起因する凹部、および第1電極により挟まれた領域に発生した凹部をある程度平坦化することができ、前記第1絶縁膜形成工程において、第1電極を形成した後における前記コンタクトホールの深さ寸法、および前記第1電極の厚さ寸法よりも厚い膜厚に前記第1絶縁膜を形成すれば、コンタクトホールに起因する凹部、および第1電極により挟まれた領域に発生した凹部を完全に平坦化することができる。
【0009】
本発明において、前記第2電極の形成領域は、前記第1電極の形成領域より広く、前記画素電極の形成範囲を規定していることが好ましい。すなわち、本発明を適用した電気光学装置の製造方法において、前記第1電極形成工程では、前記第1電極を前記画素電極より狭い領域に形成し、前記第2電極形成工程では、前記第2電極を前記第1電極より広い領域に形成して当該第2電極により前記画素電極の形成範囲を規定することが好ましい。このように構成すると、第1電極を広く形成し、第2電極を狭く形成した場合と違って、画素電極の表面に無用な段差が発生しないという利点がある。
【0010】
本発明において、前記第1電極の膜厚は前記第2電極の膜厚より厚いことが好ましい。すなわち、本発明を適用した電気光学装置の製造方法において、前記第1電極形成工程では、前記第1電極の膜厚を前記第2電極の膜厚より厚くすることが好ましい。このように構成すると、コンタクトホール内に形成される第1電極の膜厚が厚いことになるので、コンタクトホール内での電気的な接続を確実に行なうことができる。また、隣接する第2電極に挟まれた領域に発生する凹部の深さは、あくまで薄い第2電極の方の膜厚に相当するので、凹部が浅く、配向膜に対するラビング処理を均一に行なうことができる。
【0011】
本発明において、隣接する前記第2電極に挟まれた隙間領域は各々、第2絶縁膜で埋められて、当該第2絶縁膜の表面と、前記第2電極において前記第2絶縁膜から露出している表面とは連続した平坦面を構成していることが好ましい。すなわち、本発明を適用した電気光学装置の製造方法において、前記第2電極形成工程の後、前記第2電極の上層側に第2絶縁膜を形成する第2絶縁膜形成工程と、前記第2絶縁膜の表面を研磨して前記第2電極の表面を露出させる第2研磨工程と、を行なうことが好ましい。このように構成すると、隣接する第2電極に挟まれた領域に発生する凹部を第2絶縁膜で完全に埋めることができるので、配向膜に対するラビング処理を均一に行なうことができる。
【0012】
本発明は、電気光学装置を反射型液晶装置として構成する場合、および透過型液晶装置として構成する場合のいずれにも適用することができる。
【0013】
本発明に係る電気光学装置を反射型液晶装置として構成する場合、前記第1電極および前記第2電極のうち、少なくとも形成領域が広い方の電極を、光反射性導電膜によって形成すればよい。
【0014】
この場合、前記第1電極および前記第2電極の双方が光反射性導電膜からなることが好ましい。
【0015】
本発明を適用した反射型電気光学装置は、携帯電話機やモバイルコンピュータ等の電子機器の他、投射型表示装置のライトバルブとして用いることができる。この場合、投射型表示装置は、本発明を適用した電気光学装置に光を供給するための光源部と、前記電気光学装置によって光変調された光を被投射面に投射する投射光学系とを備えている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。なお、以下の説明で参照する図においては、各層や各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各層や各部材毎に縮尺を異ならしめてある。なお、電界効果型トランジスタを流れる電流の方向が反転する場合、ソースとドレインとが入れ替わるが、以下の説明では、便宜上、画素電極が接続されている側をドレインとし、データ線が接続されている側をソースとして説明する。
【0017】
[実施の形態1]
(全体構成)
図1は、本発明を適用した電気光学装置の電気的構成を示すブロック図である。図1に示すように、電気光学装置100は、液晶パネル100pを有しており、液晶パネル100pは、その中央領域に複数の画素100aがマトリクス状に配列された画素領域10bを備えている。かかる液晶パネル100pにおいて、後述する素子基板10には、画素領域10bの内側で複数本のデータ線6aおよび複数本の走査線3aが縦横に延びており、それらの交点に対応する位置に画素100aが構成されている。複数の画素100aの各々には、画素スイッチング素子としての電界効果型トランジスタ30、および後述する画素電極9aが形成されている。電界効果型トランジスタ30のソースにはデータ線6aが電気的に接続され、電界効果型トランジスタ30のゲートには走査線3aが電気的に接続され、電界効果型トランジスタ30のドレインには、画素電極9aが電気的に接続されている。
【0018】
素子基板10において、画素領域10bの外側領域には走査線駆動回路104およびデータ線駆動回路101が構成されている。データ線駆動回路101は各データ線6aの一端に電気的に接続しており、画像処理回路から供給される画像信号を各データ線6aに順次供給する。走査線駆動回路104は、各走査線3aに電気的に接続しており、走査信号を各走査線3aに順次供給する。
【0019】
各画素100aにおいて、画素電極9aは、後述する対向基板に形成された共通電極と液晶を介して対向し、液晶容量50aを構成している。また、各画素100aには、液晶容量50aで保持される画像信号の変動を防ぐために、液晶容量50aと並列に保持容量60が付加されている。本形態では、保持容量60を構成するために、複数の画素100aに跨って走査線3aと並行して延びた容量線3bが形成されている。
【0020】
(液晶パネルおよび素子基板の構成)
図2(a)、(b)は各々、本発明を適用した電気光学装置100の液晶パネル100pを各構成要素と共に対向基板の側から見た平面図、およびそのH−H′断面図である。図2(a)、(b)に示すように、電気光学装置100の液晶パネル100pでは、所定の隙間を介して素子基板10と対向基板20とが所定の隙間を介してシール材107によって貼り合わされており、シール材107は対向基板20の縁に沿うように配置されている。シール材107は、光硬化樹脂や熱硬化性樹脂等からなる接着剤であり、両基板間の距離を所定値とするためのグラスファイバー、あるいはガラスビーズ等のギャップ材が配合されている。本形態において、素子基板10の基体は透光性基板10dであり、対向基板20の基体も、同様な透光性基板20dである。
【0021】
素子基板10において、シール材107の外側領域では、素子基板10の一辺に沿ってデータ線駆動回路101および複数の端子102が形成されており、この一辺に隣接する他の辺に沿って走査線駆動回路104が形成されている。また、対向基板20のコーナー部の少なくとも1箇所においては、素子基板10と対向基板20との間で電気的導通をとるための上下導通材109が形成されている。
【0022】
詳しくは後述するが、素子基板10には、画素電極9aがマトリクス状に形成されている。これに対して、対向基板20には、シール材107の内側領域に遮光性材料からなる額縁108が形成され、その内側が画像表示領域10aとされている。また、対向基板20には、ITO(Indium Tin Oxide)膜からなる共通電極21が形成されている。なお、対向基板20には画素電極9a間と対向する位置にブラックマトリクスあるいはブラックストライプと称せられる遮光膜(図示せず)が形成されることがある。また、画素領域10bには、額縁108と重なる領域にダミーの画素が構成される場合があり、この場合、画素領域10bのうち、ダミー画素を除いた領域が画像表示領域10aとして利用されることになる。
【0023】
このような構成の電気光学装置100を反射型液晶装置として構成する場合、画素電極9aは、光反射性導電膜によって構成される。これに対して、電気光学装置100を透過型液晶装置として構成する場合、画素電極9aは、ITO膜などといった透光性導電膜によって構成される。本形態においては、電気光学装置100が反射型液晶装置として構成されていることから、対向基板20の側から入射した光が画素電極9aで反射して再び、対向基板20の側から出射される間に液晶層50によって画素毎に光変調される結果、画像が表示される。ここで、電気光学装置100は、モバイルコンピュータ、携帯電話機等といった電子機器のカラー表示装置として用いることができ、この場合、対向基板20には、カラーフィルタ(図示せず)や保護膜が形成される。また、対向基板20の光入射側の面には、使用する液晶層50の種類、すなわち、TN(ツイステッドネマティック)モード、STN(スーパーTN)モード等々の動作モードや、ノーマリホワイトモード/ノーマリブラックモードの別に応じて、偏光フィルム、位相差フィルム、偏光板等が所定の向きに配置される。さらに、電気光学装置100は、後述する投射型表示装置(液晶プロジェクタ)において、RGB用のライトバルブとして用いることができる。この場合、RGB用の各電気光学装置100の各々には、RGB色分解用のダイクロイックミラーを介して分解された各色の光が投射光として各々入射されることになるので、カラーフィルタは形成されない。
【0024】
(各画素の構成)
図3(a)、(b)は各々、本発明の実施の形態1に係る反射型の電気光学装置100に用いた素子基板10において相隣接する画素の平面図、およびそのA−A′線に相当する位置で電気光学装置100を切断したときの断面図である。なお、図3(a)において、データ線6aについては一点鎖線で示し、走査線3aおよび容量線3bは実線で示し、半導体層1aは短くて細い点線で示してある。また、本形態では、画素電極9aが下層側の第1電極91aと、上層側の第2電極92aとによって構成されていることから、下層側の第1電極91aについては長い点線で示し、上層側の第2電極92aについては二点鎖線で示してある。
【0025】
図3(a)、(b)に示すように、素子基板10には、石英基板やガラス基板等からなる透光性基板10dの第1面10xおよび第2面10yのうち、対向基板20側に位置する第1面10xにシリコン酸化膜等からなる透光性の下地絶縁層15が形成されているとともに、その上層側において、画素電極9aと重なる位置にNチャネル型の電界効果型トランジスタ30が形成されている。電界効果型トランジスタ30は、島状のポリシリコン膜、あるいは島状の単結晶半導体層からなる半導体層1aに対して、チャネル領域1g、低濃度ソース領域1b、高濃度ソース領域1d、低濃度ドレイン領域1c、および高濃度ドレイン領域1eが形成されたLDD構造を備えている。半導体層1aの表面側には、シリコン酸化膜からなる透光性のゲート絶縁層2が形成されており、ゲート絶縁層2の表面に、金属膜やドープトシリコン膜からなるゲート電極(走査線3a)が形成されている。また、半導体層1aにおける高濃度ドレイン領域1eからの延設部分には、ゲート絶縁層2を介して容量線3bが対向し、保持容量60が形成されている。なお、本形態において、電界効果型トランジスタ30はLDD(Lightly Doped Drain)構造を備えているが、高濃度ソース領域および高濃度ドレイン領域が走査線3aに自己整合的に形成されている構造を採用してもよい。また、本形態では、ゲート絶縁層2は、熱酸化により形成されたシリコン酸化膜からなるが、CVD法等により形成されたシリコン酸化膜やシリコン窒化膜を用いることもできる。
【0026】
電界効果型トランジスタ30の上層側には、シリコン酸化膜等とった透光性絶縁膜からなる層間絶縁膜71、72が形成されている。層間絶縁膜71の表面には金属膜やドープトシリコン膜からなるデータ線6aおよびドレイン電極6bが形成され、データ線6aは、層間絶縁膜71に形成されたコンタクトホール71aを介して高濃度ソース領域1dに電気的に接続し、ドレイン電極6bは、層間絶縁膜71に形成されたコンタクトホール71bを介して高濃度ドレイン領域1eに電気的に接続している。
【0027】
層間絶縁膜72の表面には、後述する構成の画素電極9aが島状に形成されており、画素電極9aは、層間絶縁膜72に形成されたコンタクトホール72bを介してドレイン電極6bに電気的に接続されている。また、画素電極9aの上には配向膜16が形成されている。
【0028】
このように構成した素子基板10は、画素電極9aと共通電極21とが対面するように対向基板20に対向配置され、かつ、これらの基板間には、シール材107により囲まれた空間内に電気光学物質としての液晶層50が封入されている。液晶層50は、画素電極9aからの電界が印加されていない状態で、素子基板10および対向基板20に形成された配向膜16、26により所定の配向状態をとる。液晶層50は、例えば一種または数種のネマティック液晶を混合したもの等からなる。配向膜16、26は、ラビング処理を施したポリイミド膜などからなる。
【0029】
(画素電極9aの構成および平坦化構造)
本形態では、配向膜16に対するラビングを均一に行なうという観点から、コンタクトホール72aに起因する凹部、および隣接する画素電極9aに挟まれた領域に発生する凹部を平坦化することを目的に以下の構成が採用されている。
【0030】
まず、複数の画素100の各々のいずれにおいても、画素電極9aは、下層側に島状に形成された第1電極91aと、第1電極91a上に島状に形成された上層側の第2電極92aとによって構成されている。第1電極91aは、コンタクトホール72b内および層間絶縁膜72上に形成されており、コンタクトホール72b内でドレイン電極6bに直接、接している。これに対して、第2電極92aは、第1電極71aの上に積層されており、第1電極91aを介してドレイン電極6bに電気的に接続している。
【0031】
また、コンタクトホール72bの内部を見ればわかるように、第1電極91aの上層には、シリコン酸化膜やシリコン窒化膜などの絶縁膜からなる絶縁膜73(第1絶縁膜)が積層されており、かかる絶縁膜73によって、コンタクトホール72b内の凹部は完全に埋められている。また、層間絶縁膜72上において、隣接する第1電極91aの間は、絶縁膜73によって埋められている。さらに、絶縁膜73の表面、および第1電極91aにおいて絶縁膜73から露出している表面はいずれも、平坦面になっている。このため、絶縁膜73の表面と、第1電極91aにおいて絶縁膜73から露出している表面とは連続した平坦面を構成しており、かかる平坦面上に第2電極72aが形成されている。従って、第2電極92aの表面も平坦であり、隣接する画素電極9aに挟まれた領域には、第2電極72aの膜厚に相当する浅い凹部が形成されているだけである。それ故、配向膜16は概ね平坦であり、ラビング処理が均一に行なわれている。
【0032】
ここで、第1電極91aの形成領域は画素電極9aの形成領域より狭く、第2電極92aの形成領域は、第1電極91aの形成領域より広く、画素電極9aの形成範囲を規定している。また、本形態では、電気光学装置100が反射型液晶装置であるため、画素電極9aに光反射性を付与する必要がある。そこで、本形態では、第1電極91aおよび第2電極92aのいずれについても、アルミニウム単体膜、アルミニウム合金膜、銀単体膜、銀合金膜、あるいはそれらの積層膜などといった光反射性導電膜によって構成されている。
【0033】
(電気光学装置100の製造方法)
以下、図4および図5を参照して、本発明の実施の形態1に係る電気光学装置100の製造方法を説明しながら、電気光学装置100の構成を詳述する。図4は、本発明を適用した電気光学装置100の製造方法のうち、データ線6aおよびドレイン電極6bを形成した以降、第1電極91aを形成するまでの工程断面図であり、図5は、本発明を適用した電気光学装置100の製造方法のうち、第1電極91aを形成した後、第2電極92aを形成するまでの工程断面図である。
【0034】
まず、図4(a)に示すように、素子基板10の表面側(透光性基板10d)の第1面10x)に、電界効果型トランジスタ30、データ線6a、ドレイン電極6bを形成する。
【0035】
次に、図4(b)に示すように、データ線6aおよびドレイン電極6bを覆うように、シリコン酸化物等によって層間絶縁膜72を形成した後(層間絶縁膜形成工程)、フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を用いて、層間絶縁膜72にコンタクトホール72aを形成する(コンタクトホール形成工程)。
【0036】
次に、第1電極形成工程では、図4(c)に示すように、層間絶縁膜72上に、アルミニウム単体膜、アルミニウム合金膜、銀単体膜、銀合金膜、あるいはそれらの積層膜などといった光反射性導電膜からなる第1導電膜91を形成した後、図4(d)に示すように、フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を用いて、第1導電膜91をパターニングし、第1電極91aを島状に形成する。
【0037】
次に、絶縁膜形成工程(第1絶縁膜形成工程)では、第1電極91aを覆うように、シリコン酸化物等によって絶縁膜73を形成する。その際、第1電極91aを形成した後におけるコンタクトホール72aの深さ寸法、および第1電極91aの厚さ寸法よりも厚い膜厚に絶縁膜73を形成する。
【0038】
次に、研磨工程(第1研磨工程)では、絶縁膜73を表面から研磨し、図5(b)に示すように、第1電極91aを露出させる。かかる研磨としては化学機械研磨を利用でき、化学機械研磨では、研磨液に含まれる化学成分の作用と、研磨剤と透光性基板10dとの相対移動によって、高速で平滑な研磨面を得ることができる。より具体的には、研磨装置において、不織布、発泡ポリウレタン、多孔質フッ素樹脂等からなる研磨布(パッド)を貼り付けた定盤と、透光性基板10dを保持するホルダとを相対回転させながら、研磨を行なう。その際、例えば、平均粒径が0.01〜20μmの酸化セリウム粒子、分散剤としてのアクリル酸エステル誘導体、および水を含む研磨剤を研磨布と透光性基板10dとの間に供給する。その結果、第1電極91aのうち、絶縁膜73から露出している部分は鏡面となる。また、コンタクトホール72b内の凹部は絶縁膜73によって完全に埋められ、平坦化されている。さらに、層間絶縁膜72上において、隣接する第1電極91aの間は、絶縁膜73によって埋められ、平坦化されている。従って、絶縁膜73の表面と、第1電極91aにおいて絶縁膜73から露出している表面とは連続した平坦面を構成することになる。
【0039】
次に、第2電極形成工程では、図5(c)に示すように、絶縁膜73の表面と、第1電極91aにおいて絶縁膜73から露出している表面とが構成する平坦面の上に、アルミニウム単体膜、アルミニウム合金膜、銀単体膜、銀合金膜、あるいはそれらの積層膜などといった光反射性導電膜からなる第2導電膜92を形成した後、図5(d)に示すように、フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を用いて、第2導電膜92をパターニングし、第2電極92aを島状に形成する。このように構成した第2電極72aの表面も平坦である。また、第2電極92aの形成領域は、第1電極91aの形成領域より広く、画素電極9aの形成範囲を規定するように設定する。
【0040】
しかる後には、図3(b)に示すように、第2電極92aの表面にポリイミド膜などを塗布して配向膜16を形成した後、ラビング処理をおこなう。
【0041】
(本形態の主な効果)
以上説明したように、本形態では、画素電極9aを下層側の第1電極91aと上層側の第2電極92aとにより形成し、第1電極91aと第2電極92aとの間に形成した絶縁膜73によって、コンタクトホール72bに起因する凹部を平坦化するとともに、隣接する第1電極91aに挟まれた隙間領域9sに形成される凹部を埋める。すなわち、第1電極91aを形成した後、絶縁膜73を形成し、しかる後に、第1電極91aが露出するまで絶縁膜73を表面側から研磨すると、コンタクトホール72bに起因する凹部に絶縁膜73が埋め込まれて平坦化されるとともに、隣接する第1電極91aに挟まれた隙間領域9sに形成される凹部も平坦化され、絶縁膜73の表面と、第1電極91aにおいて絶縁膜73から露出している表面とは連続した平坦面を構成する。また、かかる平坦面上では、第1電極91aが露出しているので、その上に第2電極92aを形成すれば、第1電極91aと第2電極92aとは積層した状態になって画素電極9aを形成する。従って、コンタクトホール72bを埋める工程を利用して、隣接する画素電極9aの間に発生する凹部を平坦化することができる。ここで、隣接する第2電極92aに挟まれた領域には凹部が発生するが、かかる凹部の深さは、画素電極9a全体の厚さからみれば浅いので、配向膜16に対するラビング処理を均一に行なうことができる。
【0042】
しかも、絶縁膜形成工程において、絶縁膜73を形成する際、第1電極91aを形成した後におけるコンタクトホール72aの深さ寸法、および第1電極91aの厚さ寸法よりも厚い膜厚に設定したため、研磨工程を終えた段階で、コンタクトホール72bに起因する凹部、および第1電極91aにより挟まれた領域に発生した凹部を絶縁膜73で完全に平坦化することができる。
【0043】
また、本形態では、下層側の第1電極91aの形成領域は画素電極9aの形成領域より狭く、上層側の第2電極92aの形成領域は、第1電極91aの形成領域より広く、画素電極9aの形成範囲を規定している。このため、第1電極91aを広く形成し、第2電極92aを狭く形成した場合と違って、画素電極9aの表面に無用な段差が発生しないという利点がある。
【0044】
[実施の形態2]
図6(a)、(b)は各々、本発明の実施の形態2に係る反射型の電気光学装置100に用いた素子基板10において相隣接する画素の平面図、およびそのA−A′線に相当する位置で電気光学装置100を切断したときの断面図である。図7は、本発明の実施の形態2に係る反射型の電気光学装置100の製造方法において、第2電極92を形成した以降、絶縁膜74で平坦化するまでの工程断面図である。なお、本形態の基本的な構成は、実施の形態1と同様であるため、共通する部分には同一の符号を付して図示し、それらの説明を省略する。
【0045】
本形態でも、実施の形態1と同様、配向膜16に対するラビングを均一に行なうという観点から、コンタクトホール72aに起因する凹部、および隣接する画素電極9aに挟まれた領域に発生する凹部を平坦化することを目的に以下の構成が採用されている。
【0046】
まず、複数の画素100の各々のいずれにおいても、実施の形態1と同様、層間絶縁膜72の上層側に島状に形成されている画素電極9aは、下層側に島状に形成された第1電極91aと、第1電極91a上に島状に形成された上層側の第2電極92aとによって構成されている。また、第1電極91aの形成領域は画素電極9aの形成領域より狭く、第2電極92aの形成領域は、第1電極91aの形成領域より広く、画素電極9aの形成範囲を規定している。また、本形態では、電気光学装置100が反射型液晶装置であるため、第1電極91aおよび第2電極92aのいずれについても、アルミニウム単体膜、アルミニウム合金膜、銀単体膜、銀合金膜、あるいはそれらの積層膜などといった光反射性導電膜によって構成されている。また、第1電極91aの上層には、シリコン酸化膜やシリコン窒化膜などの絶縁膜からなる絶縁膜73(第1絶縁膜)が積層されており、かかる絶縁膜73によって、コンタクトホール72b内の凹部は完全に埋められている。また、層間絶縁膜72上において、隣接する第1電極91aの間は、絶縁膜73によって埋められている。従って、絶縁膜73の表面と、第1電極91aにおいて絶縁膜73から露出している表面とは連続した平坦面を構成しており、かかる平坦面上に第2電極72aが形成されている。従って、第2電極92aの表面も平坦であり、隣接する画素電極9aに挟まれた領域には、第2電極72aの膜厚に相当する浅い凹部が形成されているだけである。
【0047】
さらに、本形態では、隣接する第2電極92aに挟まれた領域が、シリコン酸化膜やシリコン窒化膜などからなる絶縁膜74(第2絶縁膜)で埋められており、絶縁膜74の表面と、第2電極92aにおいて絶縁膜74から露出している表面とは連続した平坦面を構成しており、かかる平坦面上に配向膜16が形成されている。従って、配向膜16は完全に平坦であり、ラビング処理が均一に行なわれている。
【0048】
かかる構成の電気光学装置100の製造方法では、第2電極92aを形成するまでは実施の形態1と同様であるため、第2電極92aを形成した以降の工程を、図7を参照して説明する。本形態の電気光学装置100を製造するには、図4および図5を参照して説明した方法で第2電極92aを形成した後、第2絶縁膜形成工程では、図7(a)に示すように、第2電極92aを覆うように、シリコン酸化物等によって絶縁膜74(第2絶縁膜)を形成する。その際、第2電極92aの厚さ寸法よりも厚い膜厚に絶縁膜74を形成する。
【0049】
次に、研磨工程では(第2研磨工程)では、絶縁膜74を表面から研磨し、図7(b)に示すように、第2電極92aを露出させる。かかる研磨においいても化学機械研磨を利用でき、かかる化学機械研磨によれば、第2電極92aのうち、絶縁膜74から露出している部分を鏡面とすることができる。また、隣接する第2電極92aの間は、絶縁膜74によって埋められ、平坦化される結果、絶縁膜74の表面と、第2電極92aにおいて絶縁膜74から露出している表面とは連続した平坦面を構成することになる。しかる後に、図6(b)に示すように、第2電極92aの表面にポリイミド膜などを塗布して配向膜16を形成した後、ラビング処理をおこなう。
【0050】
このように本形態でも、実施の形態1と同様、コンタクトホール72bに起因する凹部、および隣接する第1電極91aに挟まれた隙間領域9sに形成される凹部については、絶縁膜74で平坦化し、隣接する第2電極92aに挟まれた領域に形成される凹部については絶縁膜74で平坦化するため、配向膜16は完全な平坦面上に形成される。それ故、配向膜16に対するラビング処理を均一に行なうことができる。
【0051】
[実施の形態3]
実施の形態1、2では、第1電極91a(第1導電膜91)の膜厚と、第2電極92a(第2導電膜92)の膜厚との関係については規定しなかったが、実施の形態1、2のいずれにおいても、第1電極91a(第1導電膜91)の膜厚は第2電極(第2導電膜92)の膜厚より厚いことが好ましい。このように構成すると、コンタクトホール72b内に形成される第1電極91aの膜厚が厚いことになるので、コンタクトホール72b内での電気的な接続を確実に行なうことができる。また、上層側に形成する第2電極92a(第2導電膜92)の膜厚を薄くすれば、エッチング精度が高まるので、隣接する第2電極92aとの隙間を狭くできるという利点もある。
【0052】
また、実施の形態1において、第1電極91a(第1導電膜91)の膜厚を第2電極(第2導電膜92)の膜厚より厚くすれば、隣接する第2電極92aに挟まれた領域に発生する凹部の深さは、あくまで薄い第2電極92aの方の膜厚に相当するので、凹部が浅く、配向膜16に対するラビング処理を均一に行なうことができるという利点がある。
【0053】
[他の実施の形態]
上記実施の形態では、画素電極9aに光反射性を付与するにあたって、第1電極91aおよび第2電極92aの双方を光反射性導電膜によって構成したが、第1電極91aおよび第2電極92aの一方のみを光反射性導電膜によって構成してもよく、この場合、第1電極91aおよび第2電極92aのうち、形成領域が広い方の電極を、光反射性導電膜により形成すればよい。
【0054】
上記形態では、反射型電気光学装置の製造に本発明を適用したが、透過型の電気光学装置の製造に本発明を適用してもよく、この場合、ITO膜等の透光性導電膜によって、画素電極(第1電極91aおよび第2電極92a)を形成することになる。かかる透過型の電気光学装置でも、本発明を適用すれば、平坦面に配向膜16を形成することができるので、ラビング処理を均一に行なうことができるという利点がある。
【0055】
[電子機器への搭載例]
本発明に係る反射型の電気光学装置100は、図8(a)に示す投射型表示装置(液晶プロジェクタ/電子機器)や、図8(b)、(c)に示す携帯用電子機器に用いることができる。
【0056】
図8(a)に示す投射型表示装置1000は、システム光軸Lに沿って配置した光源部810、インテグレータレンズ820および偏光変換素子830を備えた偏光照明装置800と、この偏光照明装置800から出射されたS偏光光束をS偏光光束反射面841により反射させる偏光ビームスプリッタ840と、偏光ビームスプリッタ840のS偏光光束反射面841から反射された光のうち、青色光(B)の成分を分離するダイクロイックミラー842と、青色光が分離された後の光束のうち、赤色光(R)の成分を反射させて分離するダイクロイックミラー843とを有している。また、投射型表示装置1000は、各色光が入射する3枚の電気光学装置100(電気光学装置100R、100G、100B)を備えている。さらに、投射型表示装置1000は、3つの電気光学装置100R、100G、100Bにて変調された光をダイクロイックミラー842、843、および偏光ビームスプリッタ840にて合成した後、この合成光をスクリーン860に投写する。
【0057】
また、図8(b)に示す携帯電話機3000は、複数の操作ボタン3001、スクロールボタン3002、並びに表示ユニットとしての電気光学装置100を備える。スクロールボタン3002を操作することによって、電気光学装置100に表示される画面がスクロールされる。図8(c)に示す情報携帯端末(PDA:Personal Digital Assistants)は、複数の操作ボタン4001、電源スイッチ4002、並びに表示ユニットとしての電気光学装置100を備えており、電源スイッチ4002を操作すると、住所録やスケジュール帳といった各種の情報が電気光学装置100に表示される。
【0058】
さらに、対向基板20等にカラーフィルタを形成すれば、カラー表示可能な電気光学装置100を形成することができる。また、カラーフィルタを形成した電気光学装置100を用いれば、単板式の投射型表示装置を構成することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】本発明を適用した反射型電気光学装置の電気的構成を示すブロック図である。
【図2】(a)、(b)は各々、本発明を適用した反射型電気光学装置の液晶パネルを各構成要素と共に対向基板の側から見た平面図、およびそのH−H′断面図である。
【図3】(a)、(b)は各々、本発明の実施の形態1に係る反射型の電気光学装置に用いた素子基板において相隣接する画素の平面図、およびそのA−A′線に相当する位置で電気光学装置を切断したときの断面図である。
【図4】本発明の実施の形態1に係る電気光学装置の製造方法において、データ線およびドレイン電極を形成した以降、第1電極を形成するまでの工程断面図である。
【図5】本発明の実施の形態1に係る電気光学装置の製造方法において、第1電極を形成した後、第2電極を形成するまでの工程断面図である。
【図6】(a)、(b)は各々、本発明の実施の形態2に係る反射型の電気光学装置に用いた素子基板において相隣接する画素の平面図、およびそのA−A′線に相当する位置で電気光学装置を切断したときの断面図である。
【図7】本発明の実施の形態2に係る電気光学装置の製造方法において、第2電極を形成した以降、絶縁膜で平坦化するまでの工程断面図である。
【図8】本発明を適用した反射型の電気光学装置を用いた電子機器の説明図である。
【符号の説明】
【0060】
9a・・画素電極、10・・素子基板、10d・・透光性基板、30・・電界効果型トランジスタ、50・・液晶層、72・・層間絶縁膜、72b・・コンタクトホール、73・・絶縁膜(第1絶縁膜)、74・・第2絶縁膜、91・・第1導電膜、91a・・第1電極、92・・第2導電膜、92a・・第2電極、100・・電気光学装置、100a・・画素

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上に配置された複数の画素と、
前記複数の画素の各々に形成された画素スイッチング素子と、
該画素スイッチング素子を上層側から覆う層間絶縁膜と、
該層間絶縁膜に形成されたコンタクトホールを介して前記画素スイッチング素子に電気的に接続された画素電極と、
が形成された素子基板を有し、
前記画素電極は、前記コンタクトホール内および前記層間絶縁膜上に形成された島状の第1電極と、該第1電極の上に積層された島状の第2電極とを有し、
前記コンタクトホール内、および隣接する前記第1電極に挟まれた隙間領域には各々、第1絶縁膜が設けられるとともに、当該第1絶縁膜の表面と前記第1電極において前記第1絶縁膜から露出している表面とは連続した平坦面を構成しており、
当該平坦面上に前記第2電極が形成されていることを特徴とする電気光学装置。
【請求項2】
前記第2電極の形成領域は、前記第1電極の形成領域より広く、前記画素電極の形成範囲を規定していることを特徴とする請求項1に記載の電気光学装置。
【請求項3】
前記第1電極の膜厚は前記第2電極の膜厚より厚いことを特徴とする請求項1または2に記載の電気光学装置。
【請求項4】
隣接する前記第2電極に挟まれた隙間領域は各々、第2絶縁膜で埋められ、
当該第2絶縁膜の表面と前記第2電極において前記第2絶縁膜から露出している表面とは連続した平坦面を構成していることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の電気光学装置。
【請求項5】
前記第1電極および前記第2電極のうち、少なくとも形成領域が広い方の電極は、光反射性導電膜からなることを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の電気光学装置。
【請求項6】
前記第1電極および前記第2電極の双方が光反射性導電膜からなることを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の電気光学装置。
【請求項7】
基板上に配置された複数の画素の各々に、画素スイッチング素子と、該画素スイッチング素子を上層側から覆う層間絶縁膜と、該層間絶縁膜に形成されたコンタクトホールを介して前記画素スイッチング素子に電気的に接続された画素電極と、が形成された素子基板を有する電気光学装置の製造方法において、
該画素電極は、第1電極および該第1電極の上層に形成された第2電極とを有し、
前記画素スイッチング素子および前記層間絶縁膜を形成した後、
当該層間絶縁膜に対して、前記画素スイッチング素子と前記画素電極とを電気的に接続するためのコンタクトホールを形成するコンタクトホール形成工程と、
前記コンタクトホール内及び前記層間絶縁膜の上に第1導電膜を形成した後、該第1導電膜をパターニングして前記第1電極を島状に形成する第1電極形成工程と、
前記第1電極の上層側に第1絶縁膜を形成する第1絶縁膜形成工程と、
前記第1絶縁膜の表面を研磨して前記第1電極の表面を露出させる第1研磨工程と、
前記第1電極の上層側に第2導電膜を形成した後、該第2導電膜をパターニングして前記第2電極を島状に形成する第2電極形成工程と、
を有することを特徴とする電気光学装置の製造方法。
【請求項8】
前記第1絶縁膜形成工程では、前記第1電極を形成した後における前記コンタクトホールの深さ寸法、および前記第1電極の厚さ寸法よりも厚い膜厚の前記第1絶縁膜を形成することを特徴とする請求項7に記載の電気光学装置の製造方法。
【請求項9】
前記第1電極形成工程では、前記第1電極を前記画素電極より狭い領域に形成し、
前記第2電極形成工程では、前記第2電極を前記第1電極より広い領域に形成して当該第2電極により前記画素電極の形成範囲を規定することを特徴とする請求項7または8に記載の電気光学装置の製造方法。
【請求項10】
前記第1電極形成工程では、前記第1電極の膜厚を前記第2電極の膜厚より厚くすることを特徴とする請求項7乃至9の何れか一項に記載の電気光学装置の製造方法。
【請求項11】
前記第2電極形成工程の後、
前記第2電極の上層側に第2絶縁膜を形成する第2絶縁膜形成工程と、
前記第2絶縁膜の表面を研磨して前記第2電極の表面を露出させる第2研磨工程と、
を行なうことを特徴とする請求項7乃至10の何れか一項に記載の電気光学装置の製造方法。
【請求項12】
前記第1電極および前記第2電極のうち、少なくとも形成領域が広い方の電極を、光反射性導電膜により形成することを特徴とする請求項7乃至11の何れか一項に記載の電気光学装置の製造方法。
【請求項13】
前記第1電極および前記第2電極の双方が光反射性導電膜からなることを特徴とする請求項7乃至11の何れか一項に記載の電気光学装置の製造方法。
【請求項14】
請求項1乃至6の何れか一項に記載の電気光学装置を備えた投射型表示装置であって、
前記電気光学装置に光を供給するための光源部と、前記電気光学装置によって光変調された光を被投射面に投射する投射光学系とを備えていることを特徴とする投射型表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−276712(P2009−276712A)
【公開日】平成21年11月26日(2009.11.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−130495(P2008−130495)
【出願日】平成20年5月19日(2008.5.19)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】