説明

シロキサンを用いた難燃性組成物

【課題】低粘度を必要とする積層の用途において自己消火特性の難燃性組成物を提供する。
【解決手段】ベース樹脂、および、相溶性を有するシロキサン、および、場合により、ハロゲン化化合物またはアンチモン化合物ではない追加の難燃性添加剤を含む難燃性組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、難燃性組成物、および、自己消火特性と優れた機械特性を有する硬化積層品の生産におけるこの組成物の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
自動車、航空宇宙、民間、軍事および製造などの様々な産業における、家庭用およびオフィス家具ならびに壁装材、自動車、鉄道、海運および飛行機の内部、家具製造および包装材料、電子系やコンピューターシステムのための支持体、加えて、機械および調理器具などの様々な部品のような用途において、プラスチック材料に対する需要が成長し続けている。この成長の結果として、失火は生命と財産に重大な損害を与え続けているために難燃性の防煙プラスチック材料に対する需要が増加している。残念ながら、本質的に有機性の熱可塑性プラスチックおよび熱硬化性樹脂は、本質的に可燃性である。これまで、この欠陥は、ほとんどの場合、様々なハロゲンまたはリン系難燃性添加剤をプラスチック組成物に混合するこ3068によって処理されてきた。
【0003】
難燃性組成物は、硬化組成物の燃焼を減少または遅延させることができる成分/化合物/添加剤を少なくとも1種含む組成物である。難燃性の目的は、火炎(難燃剤)、煙(防煙剤)および/または燃焼の伝達(火炎遮蔽)を遅延または減少させることである。好ましくは、難燃性組成物は、少なくとも難燃性の観点で扱われる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このような難燃性添加剤の添加は通常、プラスチック材料の望ましい機械特性を減少させる。例えば、リンベースの難燃性添加剤は、様々なプラスチックに包含させると、それらの難燃性の特徴を強化することが知られているが、必要とされる量の添加剤によって、組成物の強度と耐衝撃性が元の樹脂に比べて激しく低下することが発見された。
【0005】
加えて、主な問題は、従来の難燃性添加剤の毒性である。一般的に、プレプレグ、樹脂でコーティングされた導体箔、強化されたコアおよび回路基板製造で用いられるその他の基材は可燃性樹脂成分を含む。使用前に、これらの樹脂に臭素化合物のようなハロゲン化難燃剤を添加して、難燃性の回路基板の基材および積層品を生産することができる。しかしながら、用いられた回路基板の成分が埋め立て地に処分される場合、回路基板の基材樹脂の配合物にハロゲンを含む難燃性化合物を使用することは、回路基板の部品からハロゲンが周囲に滲出する可能性があるために有害性に関する問題を発生させる。
【0006】
結果として、グローバルイニシアチブによれば、多くの市販のペンタブロモジフェニルエーテルのようなハロゲン化化合物を含む難燃性樹脂系は難分解性(生体内蓄積性)の有機汚染物質と分類されるため、それらの使用を禁じている。同様に、しばしば相乗的にハロゲン化難燃剤と用いられる三酸化アンチモンのようなアンチモン化合物の使用も、毒性の関係で制限されている。
【0007】
低い易燃性の複合材料を製造するために、シリコーン樹脂を充填剤と組み合わせることができると報告されている。Chao等の「Development of Silicone Resins for Use in Fabricating Low Fl
ammability Composite Materials」,第42回国際SAMPEシンポジウム(42nd International SAMPE Symposium),1997年5月4〜8日。しかしながら、周知の有機性樹脂ベースの複合材料に対して、シリコーン複合材料は高価であり、さらにそれらが有する望ましい機械特性が低いと予想される。一般的に、シリコーンは、有機性樹脂と容易に相溶しない。従って、当業界において、複合材料製造に使用するための低粘度のエンジニアリング樹脂と相溶性を有するシリコーン樹脂を見出す必要がある。
【0008】
WO03/072656は、低い溶融粘度[例えば、100Cで10,000mPa・sec−1未満]を特徴とするシリコーン樹脂の混合物を用いた成形組成物に関する。これらは、流動を引き起こすために過剰な熱を必要とするペースト様材料のままである。
【0009】
US6177489は、エポキシ類、フェノール系硬化剤、シリカおよびオルガノシロキサンを含む溶融混合された成形組成物に関する。
【0010】
EP1188794は、熱可塑性プラスチック樹脂、金属水酸化物、および、オルガノシロキサンの混合物を含む溶融混合された成形用組成物に関する。
【0011】
EP0918073、および、EP1026204は同様に、芳香族基と01〜10重量部のシロキサン化合物とを有する合成樹脂を含む溶融混練された成形用組成物に関する。
【0012】
当業界において、高度な難燃性を有しつつ、なお容易に加工することができ、さらに、難燃性の特性を達成するための上記の従来の手段にまったく頼らずに優れた機械特性を保持するプラスチック材料および接着樹脂配合物が必要である。「容易に加工される」は、減圧によって誘導された浸潤を機械で分配できるような低粘度を有する液体組成物を配合することを意味する。例えば:積層および繊維の浸潤系(低い表面エネルギーの液体を、より高い表面エネルギーの繊維に塗布すること)に使用するための最良の粘度範囲は、周囲温度で、例えば25Cまたは50Cで、500〜10,000cps、最も好ましくは1000〜5000cpsである。従来技術で説明されているような、例えば溶融混合を必要とする組成物由来のより高い粘度は、高レベルのオリゴマー/高分子材料としての難燃性組成物(芳香族の特徴を有してもよいし、有していなくてもよい)を配合する際により大きい自由度を確実に与えると思われ、さらに、無機物質などを用いることができる。しかしながら、このようなペースト状または液状の高粘性組成物は、製造プロセスに室温で流体の硬化性組成物の使用が含まれるプレプレグまたは積層用樹脂のような用途に、必ずしも適しているわけではない。その上、ペースト状の組成物は、成分の適切な混合を確実にするために時間およびエネルギー消費、高温での溶融混合工程を要する。我々は、好ましくは高いレベルのシロキサン化合物を用いて、これらが組成物の硬化可能な部分と相溶性を有するという条件で、適切な低粘度の混合物を有効に達成することができることを発見した。
【0013】
さらに、高いTg(ガラス転移温度)、低いDk(誘電率)、および、低い吸湿性を有する回路基板の基材材料を製造するための、耐火性のハロゲン非含有の接着樹脂組成物が必要である。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は、難燃性、防煙性であり、ハロゲンまたはアンチモン添加剤を使用せずとも優れた機械特性を有する硬化された積層品を製造するのに特に有用な難燃性組成物に関する。
【0015】
発明の要約
本発明は、(a)モノマー、オリゴマーもしくはポリマーまたはあらゆるそれらの混合物;(b)相溶性を有するシロキサン;および、(c)場合により、追加の難燃性添加剤を含む難燃性組成物を提供する。
【0016】
本発明はさらに、(a)モノマー、オリゴマーもしくはポリマーまたはあらゆるそれらの混合物;(b)相溶性を有するシロキサン;および、(c)ハロゲン化化合物またはアンチモン化合物ではない難燃性添加剤を含む難燃性組成物を提供する。
【0017】
その他の形態において、難燃性積層品の製造プロセスが提供され、本プロセスは、上述の難燃性組成物を基材に塗布する工程、および、該組成物および基材を硬化または固化して、積層品を形成する工程を含む。
【0018】
本発明の目的は、例えば、ポリアミド、ナイロン、ポリエステル、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、ABS複合材料、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタン、ポリ尿素、ポリアクリラート/ポリメタクリラート(ホモポリマーおよびコポリマー)、ポリスチレン、ポリクロロプロペン、フェノール系樹脂、シリコーン、シリコーンゴム、ならびに、ポリマーのコポリマーおよび組み合わせのようなポリマーまたはポリマーベースの材料を製造する、または、硬化させて上記ポリマーまたはポリマーベースの材料を製造することができる難燃性組成物を提供することである。
【0019】
その他の本発明の目的は、航空宇宙(衛星など)、自動車、海運、電子工学、および、ある種の建築産業のための積層用樹脂として特に有用な難燃性組成物を提供することである。
【0020】
本発明のさらなる目的は、上述の難燃性組成物から製造された硬化物品を提供することである。
【0021】
本発明のさらなる目的は、不燃性基材(通常は、ガラス繊維のような無機繊維)と、上述の難燃性組成物とを組み合わせて、接着剤、シーラント、コーティングとして有用な、さらに、床張り材、内張り材または壁装材のための積層化された複合材料、同様に、積層成形された複合材料(例えば、自動車、鉄道、航空宇宙、および、ある種の建築の用途のための)において有用な難燃性の複合材料を形成する方法を提供することである。
【0022】
発明の詳細な説明
本発明の組成物は、自己消火特性と優れた機械特性を有する難燃性材料を製造するのに用いることができる。
【0023】
モノマー、オリゴマーもしくはポリマーまたはあらゆるそれらの混合物
あらゆる望ましいモノマー、オリゴマーもしくはポリマーまたはあらゆるそれらの混合物が、本発明に適している。好ましくは、モノマー、オリゴマーもしくはポリマーまたはあらゆるそれらの混合物は、接着樹脂でコーティングされた金属箔の製造において有用なものと予想される。好ましくは、モノマー、オリゴマーまたはポリマーは有機性であり、さらに、約300より大きい分子量を有する。本難燃性組成物は、同一または異なる分子量と官能性の程度を有する2種またはそれ以上のモノマー、オリゴマーまたはポリマーの組み合わせを含んでいてもよい。このような組み合わせは、高いTg(ガラス転移温度)、および、低いDk(誘電率)を有する硬化された樹脂が得られる配合で有利に混合してもよい。
【0024】
上記モノマー、オリゴマーまたはポリマー(以下、「ベース樹脂」と称する)は、好ま
しくは、エポキシ、アクリル、メタクリル、アミン、ヒドロキシル、カルボキシル、無水物、オレフィン、スチレン、アセトキシ、メトキシ、エステル、シアノ、アミド、イミド、ラクトン、イソシアネート、ウレタンおよび尿素からなる群より選択される官能基を含む。
【0025】
好ましくは、ベース樹脂は、25Cで液体である。これにより、室温で難燃性の硬化性組成物を形成することが可能である。
【0026】
好ましくは、本組成物において、ベース樹脂が例えば結晶質のエポキシ類のような固形で含まれることはない。実際には、これらは溶融混合を必要とするために加工がそれほど容易ではなく、さらに、ペースト状または固形の硬化性組成物を提供する傾向がある。
【0027】
上記モノマー、オリゴマーもしくはポリマー、またはそれらの混合物は、好ましくは約900〜20,000センチポイズの範囲の、より好ましくは約1200〜約12,000センチポイズの範囲の粘度を有する。本明細書で示される全ての粘度の値は、その他の温度が特に示されない限り、25Cで測定される。
【0028】
有用なモノマー、オリゴマーまたはポリマーの例としては、ビストリアジン樹脂、フェノキシ樹脂、ビスフェノールエポキシ樹脂、フェノール系ノボラック樹脂、エポキシ化されたフェノール系ノボラック樹脂、ウレタン樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、および、その他のあらゆる樹脂が挙げられ、これらは単独でもよいし、または、組み合わせてもよく、接着樹脂組成物において有用であるという当業者の知見の範囲内である。有用な樹脂のさらなる例は、米国特許第5,674,611号、5,629,098号、および、5,874,009号で開示されており、これらの明細書はこの参照により開示に含まれる。
【0029】
より好ましくは、上記モノマー、オリゴマーまたはポリマーは、芳香族基を含む。
【0030】
最も好ましくは、上記モノマー、オリゴマーまたはポリマーはエポキシ官能基を有し、具体的には、20,000cps未満、最も好ましくは10,000cps未満の粘度を有する。好ましくは、これらは、低い分子量(300〜1000)を有する。
【0031】
特に好ましくは、1分子あたり2個またはそれ以上のエポキシ基を有する低粘度エポキシ類の混合物であり、例えば、ビスグリシジルビスフェノールA、水素化ビスフェノールA、ビスグリシジルビスフェノールF、水素化ビスフェノールF、エポキシノボラック、脂環式エポキシ類、および、3および4個の官能基を有するグリシジル官能基を有する第三アミンが挙げられる。
【0032】
最も特に好ましくは、硬化積層品の強度を最大化するための反応性エポキシ希釈剤を含まない、低粘度のビスフェノールAおよびビスフェノールFのビスグリシジルエポキシ類の混合物である。
【0033】
本発明の難燃性組成物は、約40〜約85重量パーセントの上記モノマー、オリゴマーもしくはポリマー、またはそれらの混合物を含む。
【0034】
相溶性を有するシロキサン
本発明の相溶性を有するシロキサンは、上述のベース樹脂と十分な混和性を有するシロキサン、または、液状のベース樹脂溶液に含まれるシロキサンである。混和性を有するシロキサンは、室温で固体でもよいし、または、液体でもよい。一実施形態において、相溶性を有する固形のシロキサンは、液状のベース樹脂中に混合される。シロキサンは、好ましくは、シロキサンがベース樹脂と混合されると透明な混合物が生成するのに十分な程度
の混和性を有する。透明な混合物は、好ましくは、一つのTgを有する。
【0035】
相溶性シロキサンは、低分子量でもよいし、または、高分子量でもよい。低分子量のシロキサンは、ベース樹脂とより容易に混和されるが、高分子量のシロキサンは、より優れた難燃性の特性を付与する傾向がある。高分子量の相溶性シロキサンは、ベース樹脂と十分な混和性を有する分子を作製することの補助となる官能基に基づいて選択してもよい。例えば、シロキサン主鎖のケイ素原子にフェニル環またはエポキシを含む側鎖が、それらと芳香族モノマー(例えば、ビスフェノールAエポキシ類、ビスフェノールFエポキシ類およびそれらのブレンド)との相溶性を増加させる傾向があることが見出されている。エポキシ相溶性シロキサンの例としては、反復単位のケイ素原子が、フェニル基で一または二置換されているもの、または、メチル、フェニルで二置換されているもの、または、メチルで置換され、フェニルで二置換されているもの(例えばグリシジルプロピルフェニル)、または、メチル、グリシジルプロピルで二置換されているものが挙げられ、ここで、後者の場合、シロキサンオリゴマーの分子量は、ベース樹脂との相溶性を有するには高くなりすぎないこととする。
【0036】
エポキシ相溶性シロキサンの具体的な例は、脂肪族ペンダントエポキシ官能基を有するシロキサン(例えばGP−611)であり、これは、ビスフェノールAエポキシ樹脂(例えばDER330)、および、脂環式エポキシ(例えばERL4221)と相溶性を有する。ジエポキシシリコーン(例えばSIB1115)、オリゴマーのフェニルシルセスキオキサンシロキサン(例えばダウ・コーニング(Dow Corning)の217フレーク(217Flake))、および、オリゴマーのフェニル/メチルシルセスキオキサンシロキサン(例えば3074)は、ビスフェノールAエポキシ(例えばDER330)との相溶性を有する。表Aは、上述のエポキシ相溶性シロキサンに関する記述情報を示す。
【0037】
【数1】

【0038】
【数2】

【0039】
加えて、相溶性を有するシロキサン/ベース樹脂組成物が、繊維状の基材またはその他の適切な基材を有する複合材料を作製するのに用いられる場合、本組成物は、望ましい基材を容易に浸潤するようなものを選択されるべきである。例えば、相溶性を有するシロキサン上にヒドロキシ基が存在すると、特に優れた浸潤および機械的なガラス繊維強化織物へのカップリングが得られ、それにより、硬化積層品に優れた機械的強度が付与されることが見出された。
【0040】
好ましくは、芳香族ベース樹脂が本発明で用いられる場合、相溶性を有するシロキサンは、ポリフェニルシロキサンと予想される。これは、反復単位のケイ素原子がフェニル基で一または二置換されたポリシロキサンである。
【0041】
その上、本発明のポリフェニルシロキサンは、エポキシ官能基を有していてもよい。好ましくは、ガラス繊維複合材料が検討される場合、本発明のポリフェニルまたはエポキシ官能基を有するポリフェニルシロキサンは、ヒドロキシ官能基を有すると予想される。最も好ましくは、これらの用途において、本発明のシロキサンはヒドロキシ官能基を有するポリフェニルシロキサンである。
【0042】
また、少なくとも40モルパーセントがフェニル基または置換されたフェニル基で一置換されており、約30〜約70重量パーセントの二酸化ケイ素、および、シラノールヒドロキシ基を含む、ヒドロキシ官能基を有するポリフェニルシロキサンも好ましい。好ましくは、上記シラノールヒドロキシは、約2パーセントより多い。特に好ましくは、約50重量パーセントの二酸化ケイ素、および、シラノールヒドロキシ基を含むヒドロキシ官能基を有するポリフェニルシロキサンである。特に好ましくは、100モルパーセントのモノフェニルシロキサン、および、約47重量パーセントの二酸化ケイ素、および、約6重量パーセントのシラノールヒドロキシ基を含むヒドロキシ官能基を有するポリフェニルシロキサンである。
【0043】
最も特に好ましいヒドロキシ官能基を有するポリフェニルシロキサンは、オリゴマーのフェニルシルセスキオキサンシロキサンであり、例えばダウ・コーニング製のフレーク217である。フレーク217は、オリゴマー化した8員環の改変されたSi−O−Si−
O原子の環構造、および、数個の20員環のケージ構造(ケイ素原子にフェニル基または置換されたフェニル基およびヒドロキシ基をを有し、加えて、それぞれのケイ素原子が環およびケージ中で結合している2個の酸素原子を有する)、同様に、様々な程度に重合された直鎖シロキサンオリゴマー(表Aを参照)を含む。
【0044】
本発明の難燃性組成物は、約2〜約50重量パーセントの相溶性を有するシロキサンを含む。
【0045】
難燃性添加剤
本発明の難燃性組成物は、好ましくは、シロキサン以外に追加の難燃性添加剤を含む。この添加剤としては、リン化合物、シリカナノ粒子、または、ハロゲン化化合物またはアンチモン化合物以外のその他のあらゆる従来の難燃性添加剤が可能である。好ましくは、難燃性組成物は、微量を超える量のハロゲン化樹脂成分、ハロゲン化された添加剤、または、三酸化アンチモンを含まない。
【0046】
少なくとも約180℃の沸点または分解点を有する従来のリンベースの難燃性化合物が、本発明に適している。熱硬化が用いられるような用途では、リン化合物を、上記モノマー、オリゴマーもしくはポリマーまたはあらゆるそれらの混合物と十分に混合しなければならないため、さらに、プロセス温度で揮発または分解させないために、少なくとも約180℃の分解点が必要である。
【0047】
本発明のリン化合物は、赤リン;ポリリン酸アンモニウム;オリゴマーのアルキル、または、ホスホン酸アリール(例えば二価フェノールに属するもの);リン酸トリアリール、例えばリン酸トリクレジル;アルキルジフェニルホスフェート、例えばイソデシルジフェニルホスフェート、および、2−エチルヘキシルジフェニルホスフェート;リン酸トリフェニル、例えばリン酸トリフェニル;窒化リン;臭化ホスホニウム;酸化ホスフィン;反応性有機リンモノマー、および、様々なリンを含むジオール、および、ポリオールのような化合物から選択されてもよい。これらの材料に関するさらなる詳細は、The Encyclopedia of Chemical Technology,第10巻,第三版,396〜419頁(1980)のE.D.Weilによる項(これは、参照により本発明に含まれる)に見出すことができる。
【0048】
好ましくは、上記リン化合物は、液状の有機リン酸塩、または、ホスホン酸化合物である。最も好ましくは、本発明のリン化合物は、約20重量パーセントより多いリン、および、約50重量パーセントより多い酸化リンを含む液状のホスホン酸エステル化合物である。
【0049】
あるいは、難燃性添加剤は、シリカナノ粒子でもよい。典型的なシリカナノ粒子は、ハンス・ケミ(Hanse Chemie)製のナノポックスXP(Nanopox XP)22/0525である。
【0050】
本発明の難燃性組成物は、最初のエポキシ合成プロセスから残留する可能性のある微量を超える量のハロゲン化樹脂成分を含まない。
【0051】
本発明の難燃性組成物は、シロキサン以外に、約40重量パーセント以下の追加の難燃性添加剤を含んでいてもよい。
【0052】
その他の成分
本発明の難燃性組成物は、硬化剤、例えばアミン硬化剤、例えば脂肪族または脂環式アミン、ならびに、付加物、ビスフェノールまたはその他のヒドロキシ官能基を有する触媒
との付加物、アミドアミン、イミダゾリン付加物、無水物、シアノグアニジン、ポリアミド、およびそれらの混合物をさらに含んでいてもよい。特に好ましくは、難燃性組成物は室温で硬化性であり、その可使時間/ゲル化時間は硬化剤の選択によって制御されることである。また、熱硬化も、好ましくは100℃未満で用いることができる。
【0053】
その他の添加剤としては、少なくとも2個のイソシアネート基を有するポリイソシアネートと、少なくとも2個のヒドロキシル基またはカルボン酸を有するポリオールとの混合物、および、アクリラートまたはメタクリラートと適切な開始剤との混合物が挙げられる。特に好ましくは、2に等しい官能基を有する添加剤が、それより少ない量の2より大きい官能基を有する添加剤と混合されることである。また、本明細書で説明されている組成物から作製された積層化製品に靭性を付与するために、ポリテトラヒドロフランジオールまたはトリオール、および、関連するポリグリコールジオールのような強化剤(toughener)をイソシアネートと共に用いてもよく、それにより、軟質ウレタンセグメントを作製することができる。
【0054】
好ましくは、本発明の難燃性組成物は、約10〜40重量%のハロゲンおよびアンチモン非含有の難燃性添加剤、および、約60〜90重量%の1種またはそれ以上のモノマー、オリゴマーもしくはポリマー、またはあらゆるそれらの混合物を含むと予想される。より好ましくは、本発明の難燃性組成物は、約10〜約25重量%、最も好ましくは約15〜約25重量%の1種またはそれ以上のハロゲンおよびアンチモン非含有の難燃性添加剤を含み、その残部は、1種またはそれ以上のモノマー、オリゴマーもしくはポリマー、またはあらゆるそれらの混合物であると予想される。
【0055】
複合材料の方法
本発明は、基材に難燃性組成物を塗布する工程、および、該組成物および基材を硬化または固化して、複合材料を形成する工程を含む、難燃性複合材料の製造方法を提供する。
【0056】
難燃性積層品の製造方法は、(1)本発明の難燃性組成物と、適切な量の硬化剤とを混合する工程;(2)(a)1つの層を固着させること;(b)該層の表面上に成分(1)を塗布すること、および、それを領域全体にわたり塗り広げること;(c)その前の層の上部にその他の層を置くこと;(d)全ての層が固着されるまで工程(a)〜(c)を繰り返すことによって、基材の複数の層をアセンブリする工程;および、(3)多層の積層品を硬化する工程、を含む。
【0057】
難燃性積層品の第二の製造方法は、(1)本発明の難燃性組成物と、適切な量の硬化剤とを混合する工程;(2)基材の複数の層をスタックにアセンブリする工程;(b)該スタックに成分(1)を塗布すること;(c)成分(1)を、減圧および/またはオートクレーブ圧力を用いて該スタックにわたり塗り広げさせること;および、(3)多層の積層品を硬化する工程、を含む。
【0058】
真空圧樹脂含浸法(VARTM)のようなその他の織物/樹脂の導入方法が、本発明の難燃性組成物と共に用いることができる。VARTMプロセスにおいて、本発明の難燃性組成物は、適切な量の硬化剤と混合される。乾燥したガラス繊維またはその他の織物のスタックは、柔軟な真空気密トップ、一方の末端にある真空バルブおよび他方の末端にある液体樹脂貯蔵バルブを備えた鋳型に設置される。樹脂バルブを開く前に、鋳型を排気する。樹脂バルブを開き、排気された繊維スタックが充填された空隙に樹脂を流動させた後、真空ポンプ注送を続けて、排気された繊維スタックを通じた「液体樹脂の含浸を補助する」ことができる。樹脂バルブを閉じた後しばらくの間はポンプ注送を継続し、繊維/樹脂構造を、空隙を含まない繊維の最大容量まで圧縮する。その後、この多層の積層品を硬化する。
【0059】
前述の方法における基材、複合材料および積層品は、複合材料分野で既知のあらゆる基材が可能である。例えば、基材は、ガラス繊維、炭素繊維、または、カーボンナノチューブが可能である。積層方法は通常、減圧を用いて行われるが、十分低い粘度の液体を用いる場合、重力と「表面張力」のみを用いた積層が可能な場合もある。積層、および、繊維浸潤系(低い表面エネルギーの液体を、より高い表面エネルギー繊維上に塗り広げること)に使用するための最良の粘度範囲は、500〜10,000cps、最も好ましくは1000〜5000cpsである。
【0060】
本発明は、積層用樹脂、接着剤、シーラント、コーティング、プリント配線板、プレプレグ、可燃性または不燃性繊維(例えば、ガラス繊維、ホウ酸アルミニウムウィスカー、花崗岩の繊維など、および、その他の繊維、例えば織物および炭素繊維)を用いた複合材料のような低粘度を必要とする用途において、自己消化性を提供することができる難燃性組成物に向けられる。これらの組成物は、ベース樹脂、および、相溶性を有するシロキサン、および、場合により、ハロゲン化化合物またはアンチモン化合物ではない追加の難燃性添加剤を含む。
【実施例】
【0061】
表1に、組成物1〜6の成分を列挙する。表1の数字は、アミン硬化剤で硬化された(難燃性組成物100部にアミン硬化剤13〜16部の範囲内の比率で)難燃性組成物の総重量に基づく各成分の重量パーセントを意味する。組成物3、4および6を、最初にビスフェノールAエポキシを約95℃(203°F)に撹拌しながら加熱することによって製造した。高剪断混合しながら、217フレークをゆっくり添加した。ビスフェノールAエポキシと217フレークを混合し、217フレークが完全に溶解して液状中間体を形成するまで加熱した。次に、この中間体と全てのその他の成分を、室温または約150°F以下で、均一な混合物が得られるまで混合した。組成物1、2および5の全ての開始成分は液体であるため、周囲温度または約150°F以下で簡単に混合され、均一な混合物が得られた。
【0062】
【表1】

【0063】
組成物1
組成物1(コントロール)は、ペンタブロモジフェニルエーテル(PBDE)、臭素化した難燃剤を含む。これは、以下の構造を有する:
【0064】
【化1】

【0065】
組成物3、4および6
上記で示した組成物3、4および6は、ビスフェノールA、および、ビスフェノールFエポキシ類、ならびに、約47重量パーセントの二酸化ケイ素基および6重量パーセントのシラノールヒドロキシ基を有するモノフェニルシロキサンを100モルパーセント含む
シロキサンを含む。
【0066】
組成物4
組成物4は、積層用の低粘度エポキシ樹脂である。これは、室温で樹脂ブレンドを硬化、積層する際に高い圧縮強さと難燃性を達成するために、ホスホン酸エステル化合物、および、エポキシ相溶性のガラス繊維および充填剤で浸潤したポリフェニルシロキサンを含む。組成物4は、臭素化および/または塩素化化合物または三酸化アンチモンのような典型的な難燃性添加剤を含まない。
【0067】
表2に、組成物4の成分、および、各成分に関する数個の記述情報を列挙する。表2における数字は、難燃性組成物の総重量に基づく各成分の重量パーセントを意味する。表3に、組成物4の成分に関するさらなる記述情報を示す。
【0068】
【表2】

【0069】
【表3】

【0070】
組成物6
組成物6は、室温で樹脂ブレンドを硬化、積層する際に高い圧縮強さと難燃性を達成するために、エポキシ、および、エポキシ相溶性のガラス繊維および充填剤で浸潤したポリフェニルシロキサン中のナノシリカ分散液を含む。組成物6は、臭素化および/もしくは塩素化化合物または三酸化アンチモンのような典型的な難燃性添加剤を含まない。加えて、組成物6はリン系化合物を含まないため、最も環境に「優しい」技術である。
【0071】
表4に、組成物6の成分、および、各成分に関する数個の記述情報を列挙する。表4における数字は、難燃性組成物の総重量に基づく各成分の重量パーセントを意味する。表5に、組成物6の成分に関するさらなる記述情報を示す。
【0072】
【表4】

【0073】
【表5】

【0074】
積層品の製造
用いられたガラス布は、以下の特性を有する:形式1581または7781、8軸の繻子織、57/54の経糸/緯糸、厚さ0.008〜0.012(形式1581)、または、0.008〜0.011(形式7781)、および、ボラン(Volan)コーティング。
【0075】
アミン硬化剤で硬化した組成物1〜6から製造された硬化積層品の圧縮強さ、易燃性および重ね剪断強度を決定するために、樹脂/硬化剤の比率が100/13〜15で、アミン硬化剤を本組成物に添加した。具体的には、樹脂/硬化剤の比率は、組成物1、2および6では100/15、組成物3および5では100/13、組成物4では100/14であった。
【0076】
圧縮強さ試験
組成物1〜6をそれぞれ個々に用いて、後に圧縮強さを試験するための積層品を製造し
た。
【0077】
12層のガラス布を適切な寸法に切断した。組成物1〜6と、エポキャスト(Epocast)硬化剤9816(ハンツマン・アドバンスト・マテリアルズ・アメリカンズ社(Huntsman Advanced Materials Americas Inc.)が販売)とを、上記に列挙した樹脂/硬化剤の比で混合した。同時に1つの層を固着させること、本組成物の一種をガラス布の表面に塗布すること、次に、領域全体にわたり本組成物を塗り広げることによって、12層の積層品をアセンブリした。ガラス布の次の層を、第一の層の上部に置き、上記のプロセスを12層全てが固着するまで繰り返した。その他の群の積層品を、上述のプロトコールに従って組成物1〜6をエポキャスト硬化剤946と共に用いて作製した。表7に記載の硬化データは、2つの積層品群からの平均である。
【0078】
最初の硬化は、空気と過量の樹脂を除去するために、減圧バッグ中で、20インチの減圧バッグの圧力を用いて行なわれた。減圧バッグ中での硬化時間は、16〜24時間であった。積層品を減圧バッグから取り出し、25℃のインキュベーターに7日間置いて硬化を完了させた。試験前に繊維含量を確認したところ、67±3重量%であった。
【0079】
積層品を、硬質プラスティックの圧縮特性に関する標準試験方法(Standard Test Method for Compressive Properties for Rigid Prastics;ASTM D695)に従って試験した。
【0080】
易燃性試験
組成物1〜6をそれぞれ個々に用いて、後に易燃性に関して試験するための積層品を製造した。
【0081】
2層のガラス布を適切な寸法に切断した。組成物1〜6と、エポキャスト硬化剤9816とを、上記に列挙した樹脂/硬化剤の比で混合した。1つの層を固着させること、本組成物の一種を層の表面に塗布すること、領域全体にわたり本組成物を塗り広げること、および、第二の層を上部に置くことによって、2層の積層品をアセンブリした。その他の群の積層品を、上述のプロトコールに従って組成物1〜6をエポキャスト硬化剤946と共に用いて作製した。表7に記載の硬化データは、2つの積層品群からの平均である。
【0082】
最初の硬化は、空気と過量の樹脂を除去するために、減圧バッグ中で、20インチの減圧バッグの圧力を用いて行なわれた。減圧バッグ中での硬化時間は、16〜24時間であった。積層品を減圧バッグから取り出し、25℃のインキュベーターに7日間置いて硬化を完了させた。試験前に繊維含量を確認したところ、67±3重量%であった。
【0083】
2層の積層品に関する易燃性の決定は、ボーイング社(Boeing Company)規格のBSS7230(CFR25.853を参照)における60秒垂直点火試験(60−Second Vertical Ignition Test)によってなされた。
【0084】
重ね剪断強度
組成物1、2、4および6を用いて、後に重ね剪断強度に関して試験される積層品を作製した。
【0085】
組成物1、2、4および6と、エポキャスト硬化剤9816とを、上記に列挙した樹脂/硬化剤の比で混合した。同時に1つの層を固着させること、本組成物の一種を層の表面に塗布すること、次に、領域全体にわたり本組成物を塗り広げることによって、6層の積
層品をアセンブリした。ガラス布の次の層を、第一の層の上部に置き、6層全てが固着するまで上記のプロセスを繰り返した。各組成物1、2、4および6を用いて、この積層品を製造するプロセスを繰り返した。
【0086】
最初の硬化は、空気と過量の樹脂を除去するために、減圧バッグ中で、20インチの減圧バッグの圧力を用いて行なわれた。減圧バッグ中での硬化時間は、16〜24時間であった。積層品を減圧バッグから取り出し、25℃のインキュベーターに7日間置いて硬化を完了させた。試験前に繊維含量を確認したところ、67±3重量%であった。
【0087】
重ね剪断強度を決定するために、組成物1、2、4および6から積層品を作製するために用いられたのと同じ積層用樹脂を接着剤として用いて、硬化された6層の積層品を、その他の硬化された6層の積層品に室温で接着させた。これら試料を室温で硬化させ、ASTM D1002に従って温度/湿度の調整後に引張剪断強度を測定した。接着層または積層品内の凝集破壊は、接着剤の結合強度が硬化積層用樹脂の凝集強度より高いことを示すことを要求される。
【0088】
試験結果
表6に、組成物1〜6の活性成分を示す。表7に、組成物1〜6に関する試験結果を示す。意外なことに、優れた試験結果としては、未硬化の粘度が5000cps未満であること、硬化後の積層品の圧縮強さが45,000psiより大きいこと、さらに、全ての硬化組成物が透明であることが挙げられる。その他の望ましい試験結果としては、所定の燃焼特性、例えば、自己消火、燃焼部分の長さが4インチ未満であること、ドリップがないこと、および、煙の発生が少ないことが挙げられる。
【0089】
上述したように、組成物1は、難燃剤としてペンタブロモジフェニルエーテルを含む。これは、ホスホン酸塩、または、シロキサン成分を含まない。組成物2は、難燃剤としてホスホン酸エステルを含む。これは、あらゆるハロゲン化難燃性添加剤、または、シロキサンを含まない。組成物3は、難燃剤としてシロキサンを含む。これは、ホスホン酸エステル、または、ハロゲン化難燃性添加剤を含まない。組成物4は、ホスホン酸エステル、および、シロキサンの両方を含む。これは、ハロゲン化難燃性添加剤を含まない。組成物5は、シリカナノ粒子を含む。これは、シロキサン、ホスホン酸塩、または、ハロゲン化難燃性添加剤を含まない。組成物6は、シリカナノ粒子、および、シロキサンの両方を含む。これは、ホスホン酸塩、または、ハロゲン化難燃性添加剤を含まない。
【0090】
【表6】

【0091】
【表7】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)モノマー、オリゴマーもしくはポリマーまたはそれらの混合物;
(b)相溶性を有するシロキサン;および、
(c)場合により、追加の難燃性添加剤、
を含み、25Cで液体である、硬化性難燃性組成物。
【請求項2】
成分(a)は、エポキシ、アクリル、メタクリル、アミン、ヒドロキシル、カルボキシル、無水物、オレフィン、スチレン、アセトキシ、メトキシ、エステル、シアノ、アミド、イミド、ラクトン、イソシアネート、ウレタン、および、尿素からなる群より選択される1個またはそれ以上の官能基を有し、好ましくは、成分(a)は、エポキシ官能基を有する、請求項1に記載の難燃性組成物。
【請求項3】
成分(a)は、25Cで、約20,000cps未満の粘度、好ましくは10,000cps未満の粘度、より好ましくは5000cps未満の粘度、より好ましくは500〜5000cpsの範囲の粘度、最も好ましくは1000〜5000cpsの範囲の粘度を有する、請求項1または2に記載の難燃性組成物。
【請求項4】
成分(a)は、ビスフェノールAのジグリシジルエーテル、水素化ビスフェノールA、ビスフェノールFのジグリシジルエーテル、水素化ビスフェノールF、エポキシノボラック、脂環式エポキシ類、および、3および4個の官能基を有するグリシジル官能基を有する第三アミンからなる群より選択されるエポキシ類の混合物であり、さらに、好ましくは、ビスフェノールAとビスフェノールFとを含むエポキシ類の混合物である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の難燃性組成物。
【請求項5】
成分(b)は、ヒドロキシ官能基を有する、および/または、ポリフェニルシロキサンである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の難燃性組成物。
【請求項6】
前記ヒドロキシ官能基を有するポリフェニルシロキサンは、
(i)フェニル基または置換されたフェニル基で少なくとも40モルパーセント一置換されており;および、
(ii)約30〜約70重量パーセントのケイ素ヒドロキシル二酸化物、および、シラノールヒドロキシ基、好ましくは約50重量パーセントの二酸化ケイ素、および、シラノールヒドロキシ基を含む、請求項5に記載の難燃性組成物。
【請求項7】
前記ヒドロキシ官能基を有するポリフェニルシロキサンは、
(i)100モルパーセントのモノフェニルシロキサン;および、
(ii)約47重量パーセントの二酸化ケイ素、および、約6重量パーセントのシラノールヒドロキシ基、
を含む、請求項5に記載の難燃性組成物。
【請求項8】
成分(b)は、オリゴマーのフェニルシルセスキオキサンである、請求項1〜7のいずれか一項に記載の難燃性組成物。
【請求項9】
成分(c)が存在し、さらに、成分(c)は、ハロゲン化化合物またはアンチモン化合物ではなく、好ましくは:
(i)リン化合物;または、
(ii)シリカナノ粒子、
を含む、請求項1〜8のいずれか一項に記載の難燃性組成物。
【請求項10】
前記リン化合物は、液状の有機リン酸化合物またはホスホン酸化合物であり、好ましくは液状のホスホン酸エステル化合物であり、好ましくは約20重量パーセントより多いリン、および、約50重量パーセントより多い酸化リンを含み、より好ましくは、約40〜約85重量パーセントの成分(a)、約2〜約50重量パーセントの成分(b)、および、約40重量パーセント以下の成分(c)を含む、請求項9に記載の難燃性組成物。
【請求項11】
硬化剤、好ましくはアミン硬化剤をさらに含む、請求項1〜10のいずれか一項に記載の難燃性組成物。
【請求項12】
基材に請求項1〜11のいずれか一項に記載の難燃性組成物を塗布する工程、および、該組成物および基材を硬化または固化して、複合材料を形成する工程を含む、難燃性複合材料の製造方法。
【請求項13】
請求項12に記載のプロセスによって製造された硬化複合材料。
【請求項14】
積層用樹脂、接着剤、シーラント、コーティング、プリント配線板、プレプレグ、可燃性または不燃性繊維(例えばガラス繊維、ホウ酸アルミニウムウィスカー、花崗岩の繊維、織物および炭素繊維)を用いた複合材料を形成するための、請求項1〜11のいずれか一項に記載の組成物の使用。

【公開番号】特開2012−184421(P2012−184421A)
【公開日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−45387(P2012−45387)
【出願日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【分割の表示】特願2006−553526(P2006−553526)の分割
【原出願日】平成17年2月16日(2005.2.16)
【出願人】(504177804)ハンツマン・アドヴァンスト・マテリアルズ・(スイッツランド)・ゲーエムベーハー (43)
【Fターム(参考)】