説明

スプリットゲート型マルチビットメモリセル

チャネル領域(208)の中央部分を制御するためのコントロールゲート(220)を備えるマルチビットメモリセル(200)により、より低い電圧および電流にてより早いプログラミングを行うことを含む、向上した動作が提供される。メモリセル(200)は、基板(202)内に拡散したソース(204)およびドレイン(206)を備え、その間にチャネル領域(208)が形成される。第1の電荷保持層(214)、第2の電荷保持層(216)およびコントロールゲート(220)は、チャネル領域(208)上の基板(202)上に形成され、ゲート(218)は、ソース(204)、ドレイン(206)、第1の電荷保持層(214)、第2の電荷保持層(216)およびコントロールゲート(220)の上に形成される。絶縁材料(210,212,224,226,228)は、ソース(204)およびドレイン(206)をゲート(218)から、ならびにコントロールゲート(220)を第1の電荷保持層(214)、第2の電荷保持層(216)およびゲート(218)から分離する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は概して、マルチビットメモリセルを備える不揮発性メモリ装置に関し、特に、ソースサイド注入によってプログラミング可能なマルチビットメモリセルを備えるフラッシュメモリ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
不揮発性メモリ装置は一般的に用いられる電子部品であり、情報をデータとして複数のメモリセルに保持することができる。当該情報は、メモリ装置への電力供給が停止してもメモリセルに保持されたままである。フラッシュメモリ装置は不揮発性メモリ装置であり、従来のプログラミング技術および消去技術によって情報をメモリセルに保持することができる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
一部のフラッシュメモリ装置はマルチビットメモリセルを備え、メモリセル当り2つ以上のビットを保持することができる。たとえば、従来の半導体−酸化膜−窒化膜−酸化膜−半導体(SONOS)型メモリ装置は、1つのメモリセルに2ビットのデータを保持することができる。このようなSONOSメモリ装置の典型的なプログラミング技術の1つはホットエレクトロン注入であり、電荷保持層が電荷を蓄積するまでの規定の時間、装置のゲート、ソースおよびドレインに適切な電位差を印加することを伴う。ホットエレクトロン注入は確実なプログラミング技術であるが、高い電位差および比較的高いプログラミング電流を要する。高い電位差はチャージポンプによって生じるが、チャージポンプはメモリ装置内でスペースをとる。比較的高いプログラミング電流は、同時にプログラミングすることができるメモリセルの数を制限する。
【0004】
したがって、プログラミングに要する電位差および電流が低いマルチビットフラッシュメモリ装置が必要である。さらに、本発明の他の望ましい機能および特徴は、添付の図面およびこの発明の背景と組み合わせると、以下の発明の詳細な説明および添付の請求項から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0005】
発明の概要
より低い電圧および電流でより早くプログラミングを行うよう、動作が改善されたメモリセルを提供する。メモリセルは、基板内に拡散したソースおよびドレインと、ソースおよびドレインの間の基板内に形成されたチャネル領域とを備える。第1の電荷保持層および第2の電荷保持層はチャネル領域上の基板上に形成され、ゲートは、ソース、ドレイン、第1の電荷保持層および第2の電荷保持層上に形成される。チャネル領域の中心点は、ソースおよびドレインから等距離のところに配置され、チャネル領域の中央部分を制御するためのコントロールゲートがチャネル領域の中心点上に形成される。コントロールゲートは、第1の電荷保持層および第2の電荷保持層から等距離のところに、かつゲートの下に配置される。絶縁材料が、ソースをゲートから、ドレインをゲートから、ならびにコントロールゲートを第1の電荷保持層、第2の電荷保持層およびゲートから分離する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
本発明を、後述の図面と組み合わせて以下に説明する。同じ符号は同じ要素を示す。
発明の詳細な説明
本発明の以下の詳細な説明は本質的に例示的なものに過ぎず、本発明または本発明の応用および用途を限定するものではない。さらに、上記の発明の背景または以下の発明の詳細な説明に示したいずれかの理論によって拘束する意図はない。
【0007】
図1を参照し、ある種の従来の不揮発性SONOSメモリ装置100は、半導体基板112を備え、その中にソース114およびドレイン116が形成されている。ソース114とドレイン116との間に、チャネル領域120を含むボディ118が形成される。酸化膜−窒化膜−酸化膜(ONO)絶縁スタックがボディ118上に形成される。ポリシリコンゲート電極132がONOスタック上に形成される。ONOスタックは、下部絶縁層126、電荷保持層128および上部絶縁層130を含む。マルチビットフラッシュメモリ装置100は、電荷保持層128内に第1の電荷保持セル136および第2の電荷保持セル138を備え、それぞれノーマルビットおよび相補ビットとも呼ぶ。従来の不揮発性SONOSメモリ装置100に加え、SONOSフラッシュメモリセルは二次元構造を有することもでき、ONO層はコアアレイ領域において連続している。このようなSONOSフラッシュメモリセルは、スペーサ128が二次元構造に存在しない点で、図1に示した従来の不揮発性SONOSメモリ装置100とは異なる。
【0008】
メモリ装置100は、従来の技術によって、ワード線(WL)およびビット線(BL1,BL2)に適切な電位差を印加することによって、プログラミング、読出および消去を行なうことができる。このようなSONOSメモリ装置のホットエレクトロン注入によるプログラミングには、電荷保持層128が電荷を蓄積するまでの規定の時間、ゲート電極132、ソース114およびドレイン116に適切な電位差を印加することを伴う。ソース電圧およびドレイン電圧を交換することによって、同じメモリセルの第2のビットをプログラミングすることができる。従来の不揮発性SONOSメモリ装置100における消去は、バンド間ホットホール注入によって行われる。このようなプロセスは、米国特許第6,215,702号に開示されている。
【0009】
図2を参照し、本発明の好ましい実施例に係るマルチビットフラッシュメモリセル200の構造を示す。メモリセル200は、基板202内に拡散したソース204およびドレイン206を備える。ソース204とドレイン206との間には、チャネル領域208が形成される。第1の絶縁層210がソース204上に形成され、第2の絶縁層212がドレイン206上に形成される。
【0010】
メモリセル200の第1の電荷保持層214は、チャネル領域208の一部分上に形成され、第1の絶縁層210に接し、第2の電荷保持層216は、チャネル領域208の別の部分上に形成され、第2の絶縁層212に接する。ソース210、ドレイン212、第1の電荷保持層214および第2の電荷保持層216上にゲート218が形成される。
【0011】
本発明の好ましい実施例によれば、コントロールゲート220は、チャネル領域208の中央部分上、すなわち、ソース204およびドレイン206から等距離のところに位置するチャネル領域208の中心点上に形成される。コントロールゲート220は、第1の電荷保持層214および第2の電荷保持層216の間の等距離のところに、かつゲート218の下に配置される。コントロールゲート220は、基板202上に形成されたコントロールゲート下部絶縁層222上に形成され、第3の絶縁層224、第4の絶縁層226および第5の絶縁層228から成る絶縁材料によって、第1の電荷保持層214、第2の電荷保持層216およびゲート218から分離される。第3の絶縁層224は、チャネル領域208の一部分上に形成され、第1の電荷保持層214およびコントロールゲート下部絶縁層222に接する。第4の絶縁層226は、チャネル領域208の別の部分上に形成され、コントロールゲート下部絶縁層222および第2の電荷保持層216に接する。
第5の絶縁層228は、第3の絶縁層224、第4の絶縁層226およびコントロールゲート220の上、かつゲート218の下に形成される。
【0012】
第1の電荷保持層214および第2の電荷保持層216の各々はONO層から成り、下部酸化絶縁層230,240、中間窒化電荷トラッピング層232,242および上部酸化絶縁層234を有する。窒化電荷トラッピング層232,242の窒化電荷トラッピング層長さ(すなわち、第1の絶縁層210から第3の絶縁層224までを測定した窒化電荷トラッピング層232の長さ、または、第4の絶縁層226から第2の絶縁層212までを測定した窒化電荷トラッピング層242の長さ)には、窒化物の特性に対応する電荷分布幅が十分収まり、好ましくは150Åから300Åの間である。
【0013】
第1の絶縁層210、第2の絶縁層212、第3の絶縁層224、第4の絶縁層226および第5の絶縁層228の絶縁材料は、メモリセル200を形成するのに用いられるプロセスに依存して、酸化物、窒化物、またはONO絶縁材料のいずれでもよい。第3の絶縁層224および第4の絶縁層226は、分離絶縁物厚さによって、第1の電荷保持層214および第2の電荷保持層216のそれぞれからコントロールゲート220を分離する。分離絶縁物厚さは、プロセスの制約に依存して、好ましくは70から150Åの間である。ゲート218は、好ましくはポリシリコンから成る。分離絶縁物厚さが70Åより大きい限り、ゲート218とコントロールゲート220との間のリークは問題にならない。
【0014】
本発明の好ましい実施例によれば、コントロールゲート220はポリシリコンから成り、コントロールゲート幅は、第3の絶縁物224から第4の絶縁物226までで測定され、コントロールゲート厚さは、下部絶縁物222から第4の絶縁物228までで測定される。コントロールゲート幅およびコントロールゲート厚さは、プロセスの制約およびコントロールゲート220の抵抗値に依存する。コントロールゲート幅は、好ましくは250Åよりも大きく、プログラミング効率に影響し得る。コントロールゲート厚さは、好ましくは300Åから500Åの間である。コントロールゲート下部絶縁層222は、酸化物から成り、(基板202からコントロールゲート220までを測定した)コントロールゲート酸化物厚さは、プロセスの制約に依存して、好ましくは50Åから70Åの間である。
【0015】
メモリセル200は、1つのメモリセル200内の2つのビットを、第1の電荷保持層214および第2の電荷保持層216に保持することができる。本発明の利点は、コントロールゲート220があることにより、ホットエレクトロン注入ではなくソースサイド注入によって窒化電荷トラッピング層232,242において情報をプログラミングすることができる点である。ホットエレクトロン注入は確実なプログラミング技術であるが、高い電位差および比較的高いプログラミング電流を要し、したがってプログラミング効率が低い。ホットエレクトロン注入に必要な高い電位差はチャージポンプによって生じるが、チャージポンプはメモリ装置内でスペースをとる。比較的高いプログラミング電流は、同時にプログラミングすることができるメモリセルの数を制限する。コントロールゲート220は、プログラミング中にチャネル領域208の中央部分を制御し、その結果第1の電荷保持層214または第2の電荷保持層216のいずれかをソースサイド注入でプログラミングすることによって、メモリセル200に情報を保持させることができる。
【0016】
ソースサイド注入が要するプログラミング電流はホットエレクトロン注入よりも非常に低く、したがってページプログラミングが可能となる(すなわち、多数のメモリセルが同時にプログラミングされることから、1秒当たり100メガビットまでの高速ページプログラミングによって、メモリセル200のプログラミング効率が大幅に改善される)。ソースサイド注入が要するプログラミング電圧もホットエレクトロン注入より低く、したがってソースサイド注入用のチャージポンプは、ホットエレクトロン注入用のチャージポン
プよりも小さい。
【0017】
従来のマルチビットフラッシュSONOSメモリ装置はまた、プログラミング/消去サイクル中、ノーマルビット36と相補ビット38(図1)との間に電荷が広がることがある。物理的に分離された第1の電荷保持層214および第2の電荷保持層216と、ソースサイド注入によるプログラミングとによって、情報をプログラミングおよび消去している間の電子および正孔の分布の重複が改善され、したがって、メモリセル200の信頼性およびデータ保持が改善される。コントロールゲート220によって、第1の電荷保持層214および第2の電荷保持層216における局部的な電荷保持が可能になることにより、チャネル208の中央部分に電荷が広がることがなくなり、その結果サイクル中に消去動作が遅くなることがなく、データ保持も向上する。チャネル208の中央部分における電荷の広がりをなくすことにより、相補ビットのディスターブ(第2のビットがプログラミングされるときの第1のビットのしきい値電位の変化に対する影響)も減少させることができ、その結果電圧しきい値の範囲がより大きくなるという利点が生じる。
【0018】
本発明の好ましい実施例に係るマルチビットフラッシュメモリ装置のメモリセル200のアレイ300の一部分の上面図を図3に示す。アレイ300は、複数の平行なワード線302および複数の平行なビット線304を含む。複数のビット線は、ワード線302に垂直に形成される。各メモリセル200のゲート218(図2)は、アレイ300の複数のワード線302のうちの1本から形成されるか、それに接続などの方法で連結される。同様に、各メモリセル200のソース204およびドレイン206(図2)は、アレイ300の複数のビット線304のうちの1本から形成されるか、それに接続などの方法で連結される。
【0019】
本発明によれば、複数のコントロールゲート線306は、互いに平行に、かつ複数のビット線304に平行に形成される。各メモリセル200のコントロールゲート220(図2)は、アレイ300の複数のコントロールゲート線306のうちの1本から形成されるか、それに接続などの方法で連結され、複数のコントロールゲート線306の各々はコモン線308に連結される。コモン線は複数のワード線302に平行に形成され、アレイ300の外側の一辺310上に配置される。したがってアレイ300は、従来のマルチビットフラッシュメモリ装置のアレイと比べて1ワード線幅だけ大きく、その1ワード線幅はコモン線308に対応する。
【0020】
動作において、従来のマルチビットフラッシュメモリ装置のプログラミングよりも低いプログラミング電圧にて、電荷保持層214,216(図2)の一方をソースサイド注入でプログラミングすることによって、メモリセル200のアレイ300に情報が保持される。プログラミングされるべき電荷保持層214,216にて交差する複数のワード線302のうちの1本に約7から9ボルト、および、複数のビット線304のうちの1本に約4ボルトを印加することによってプログラミングが行われる。この間、複数のコントロールゲート線306の電位は、チャネル208に対応するプログラミングしきい値電圧よりも1から2ボルト高く維持され、残りの複数のワード線302およびビット線304は浮動している。本発明によって低くなったプログラミング電圧にて、マルチビットフラッシュメモリ装置でのデータ保持プログラミング時において、コード保持に必要な信頼性を有してページプログラミングを行うことができる。
【0021】
アレイ300のメモリセル200の消去は、従来のマルチビットフラッシュメモリ装置の消去動作と同様であって、選択されたワード線302およびビット線304に約5から6ボルトが印加される。消去動作中は、コントロールゲート線306は浮動している。読出動作については、従来のマルチビットフラッシュメモリ装置の読出動作と同様に、コントロールゲート線はチャネル208(図2)のしきい値電圧よりも約2ボルト高い電圧に
てバイアスされ、選択されたワード線302に約4ボルトが印加され、選択されたビット線304に約1ボルトが印加される。従来は、メモリセル200の読出中の隣り合うビット線304の間の電流リークは、読出前にメモリセル200をあらかじめ充電することによって生じていた。本発明の利点は、隣り合うビット線304の間のリーク経路を遮断するのにコントロールゲート220を用いることができるため、読出動作中にあらかじめ充電する必要がない点である。また、プログラミング動作および読出動作の両方については、チャネル208のしきい値電圧より約2ボルト高い電圧にて複数のコントロールゲート線をバイアスすることによって、アレイ300のデコーディングが簡略化できることがわかる。
【0022】
図4を参照し、本発明の代替的な実施例は、メモリセル200のアレイ400を示す。アレイ400の利点は、複数のビット線304のうち隣接するものからのリーク電流を減少させる点である。これは、2本のコモン線406および408に複数のコントロールゲート線402および404を交互に連結することによって達成される。2本のコモン線は複数のワード線302に平行に形成され、アレイ400の外側の両方の辺(辺310に平行かつ反対側にある辺および辺310)上に配置される。複数のコントロールゲート線402,404は交互に、2本のコモン線406および408の交互にそれぞれ連結され、それによって隣り合うコントロールゲート線406および408の間のリーク電流が減少し、従来のマルチビットフラッシュメモリ装置のアレイに比べて2ワード線幅分のみアレイ400の寸法が増大する。
【0023】
少なくとも1つの例示的な実施例を上記の発明の詳細な説明において示したが、多数の変形例が存在することが理解されるべきである。例示的な実施例は単に例に過ぎず、本発明の範囲、用途または構造をいかなる方法でも限定する意図がないことも理解されるべきである。むしろ、上記の詳細な説明は、当業者にとって本発明の例示的な実施例を実施するために好都合な指針となり、添付の請求項に記載の発明の範囲から逸脱することなく、例示的な実施例に説明した要素の機能および配置においてさまざまな変更を行ってもよいことがわかる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】ある種の従来のSONOSフラッシュメモリセルを示す図である。
【図2】本発明の好ましい実施例に係るマルチビットフラッシュメモリ装置のメモリセル構造を示す図である。
【図3】本発明の好ましい実施例に係るマルチビットフラッシュメモリ装置のメモリセルのアレイの上面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
メモリセル(200)であって、
基板(202)内に拡散したソース(204)およびドレイン(206)を備え、ソース(204)およびドレイン(206)の間にチャネル領域(208)を有し、チャネル領域(208)の中心点はソース(204)およびドレイン(206)から等距離のところに配置され、さらに、
チャネル領域(208)上の基板(202)上に形成された第1の電荷保持層(214)および第2の電荷保持層(216)と、
ソース(204)、ドレイン(206)、第1の電荷保持層(214)および第2の電荷保持層(216)上に形成されたゲート(218)と、
チャネル領域(208)の中心点上に形成され、チャネル領域(208)の中央部分を制御するためのコントロールゲート(220)とを備え、前記コントロールゲート(220)は、第1の電荷保持層(214)および第2の電荷保持層(216)の間の等距離のところに、かつゲート(218)の下に配置され、さらに、
ソース(204)をゲート(218)から、ドレイン(206)をゲート(218)から、ならびにコントロールゲート(220)を第1の電荷保持層(214)、第2の電荷保持層(216)およびゲート(218)から分離する絶縁材料(210,212,224,226,228)を備える、メモリセル。
【請求項2】
コントロールゲート(220)および基板(202)の間に形成されたコントロールゲート下部絶縁層(222)をさらに備える、請求項1に記載のメモリセル(200)。
【請求項3】
第1の電荷保持層(214)はONO層であり、酸化物の下部絶縁層(230)、中間窒化電荷トラッピング層(232)および酸化物の上部絶縁層(234)によって構成され、窒化電荷トラッピング層長さは150Åから300Åの間である、請求項1に記載のメモリセル(200)。
【請求項4】
第2の電荷保持層(216)はONO層であり、酸化物の下部絶縁層(240)、中間窒化電荷トラッピング層(242)および酸化物の上部絶縁層(244)によって構成され、窒化電荷トラッピング層長さは150Åから300Åの間である、請求項1に記載のメモリセル(200)。
【請求項5】
コントロールゲート(220)はポリシリコンから成る、請求項1に記載のメモリセル(200)。
【請求項6】
コントロールゲート(220)のコントロールゲート幅は250Åよりも大きく、コントロールゲート厚さは300Åから500Åの間である、請求項1に記載のメモリセル(200)。
【請求項7】
絶縁材料(210,212,224,226,228)は、酸化物、窒化物またはONO材料から成る絶縁材料の組のうちの1つから成る、請求項1に記載のメモリセル(200)。
【請求項8】
コントロールゲート(220)を第1の電荷保持層(214)から分離する絶縁材料(224)の分離絶縁物厚さは、70から150Åの間である、請求項1に記載のメモリセル(200)。
【請求項9】
コントロールゲート(220)を第2の電荷保持層(216)から分離する絶縁材料(226)の分離絶縁物厚さは、70から150Åの間である、請求項1に記載のメモリセ
ル(200)。
【請求項10】
ゲート(218)はポリシリコンから成る、請求項1に記載のメモリセル(200)。
【請求項11】
第1の電荷保持層(214)または第2の電荷保持層(216)の一方をソースサイド注入でプログラミングすることによって、メモリセル(200)に情報を保持させる、請求項1に記載のメモリセル(200)。
【請求項12】
コントロールゲート下部絶縁層(222)は酸化物から成り、コントロールゲート酸化物厚さは50Åから70Åの間である、請求項2に記載のメモリセル(200)。
【請求項13】
メモリセル(200)のアレイ(300)を備えるメモリ装置であって、各メモリセル(200)は、
基板面(202)内に拡散したソース(204)およびドレイン(206)を備え、ソース(204)およびドレイン(206)の間にチャネル領域(208)を有し、チャネル領域(208)の中心点はソース(204)およびドレイン(206)から等距離のところに配置され、さらに、
チャネル領域(208)上の基板面(202)上に形成された第1の電荷保持層(214)および第2の電荷保持層(216)と、
ソース(204)、ドレイン(206)、第1の電荷保持層(214)および第2の電荷保持層(216)の上に形成されたゲート(218)と、
チャネル領域(208)の中心点上に形成され、前記中央部分を制御するためのコントロールゲート(220)とを備え、前記コントロールゲート(220)は、第1の電荷保持層(214)および第2の電荷保持層(216)の間の等距離のところに、かつゲート(218)の下に配置され、さらに、
ソース(204)をゲート(218)から、ドレイン(206)をゲート(218)から、ならびにコントロールゲート(220)を第1の電荷保持層(214)、第2の電荷保持層(216)およびゲート(218)から分離する絶縁材料(210,212,224,226,228)を備える、メモリ装置。
【請求項14】
メモリセル(200)のアレイ(300)は、複数のワード線(302)をさらに備え、前記複数のワード線(302)の各々は、残りの前記複数のワード線(302)に平行であり、各メモリセル(200)のゲート(218)は、複数のワード線(302)のうちの1本に連結される、請求項13に記載のメモリ装置。
【請求項15】
メモリセル(200)のアレイ(300)は、複数のビット線(304)をさらに備え、前記複数のビット線(304)の各々は、残りの前記複数のビット線(304)に平行であり、前記複数のビット線(304)の各々は複数のワード線(302)に垂直であり、各メモリセル(200)のソース(204)は複数のビット線(304)のうちの1本に連結される、請求項14に記載のメモリ装置。
【請求項16】
各メモリセル(200)のドレイン(206)も、複数のビット線(304)のうちの1本に連結される、請求項15に記載のメモリ装置。
【請求項17】
各メモリセル(200)のコントロールゲート(220)は、複数のコントロールゲート線(306)のうちの1本に連結され、コントロールゲート線(306)は複数のビット線(304)の各々に平行に形成される、請求項15に記載のメモリ装置。
【請求項18】
複数のコントロールゲート線(306)の各々は、残りの複数のコントロールゲート線(306)のすべてに連結され、複数のコントロールゲート線(306)の各々は、アレ
イ(300)の外側の第1の辺(310)上に配置された第1のコモン線(308)に連結される、請求項17に記載のメモリ装置。
【請求項19】
複数のコントロールゲート線(402,404)は、複数のコントロールゲート線(404)の第1のグループおよび複数のコントロールゲート線(402)の第2のグループを含み、複数のコントロールゲート線の隣接するものどうしが同じグループに属さないように、第1のグループおよび第2のグループはそれぞれ複数のコントロールゲート線(402,404)の1本おきによって構成され、複数のコントロールゲート線(404)の第1のグループの各々は、アレイ(400)の外側の第1の辺(310)上に配置された第1のコモン線(408)に連結され、複数のコントロールゲート線(402)の第2のグループの各々は、アレイの外側の第2の辺上に配置された第2のコモン線(406)に連結され、第2の辺は第1の辺(310)の反対側にある、請求項17に記載のメモリ装置。
【請求項20】
メモリセルのアレイのうち少なくとも1つのメモリセルのコントロールゲート(220)の電位を、メモリセルのアレイのうち当該少なくとも1つのメモリセルのチャネル領域(208)に対応するしきい値電圧よりも約1ボルトから2ボルト高く維持しながら、メモリセルのアレイのうち当該少なくとも1つのメモリセルの第1の電荷保持層(214)または第2の電荷保持層(216)をソースサイド注入でプログラミングすることによって、メモリセル(200)のアレイ(300)に情報が保持される、請求項13に記載のメモリ装置。
【請求項21】
メモリセルのアレイのうち少なくとも1つのメモリセルのコントロールゲート(220)を浮動させながら、メモリセルのアレイのうち当該少なくとも1つのメモリセルの第1の電荷保持層(214)または第2の電荷保持層(216)を消去することによって、メモリセル(200)のアレイ(300)から情報が消去される、請求項13に記載のメモリ装置。
【請求項22】
メモリセルのアレイのうち少なくとも1つのメモリセルのコントロールゲート(220)の電位を、メモリセルのアレイのうち当該少なくとも1つのメモリセルに対応したしきい値電圧よりも約2ボルト高く維持しながら、メモリセルのアレイのうち当該少なくとも1つのメモリセルの第1の電荷保持層(214)または第2の電荷保持層(216)を読出すことによって、メモリセル(200)のアレイ(300)から情報が読出される、請求項13に記載のメモリ装置。
【請求項23】
メモリセル(200)であって、
間にチャネル領域(208)を有するソース(204)およびドレイン(206)と、と、
ソース(204)上に形成された第1の絶縁層(210)と、
ドレイン(206)上に形成された第2の絶縁層(212)と、
チャネル領域(208)の第1の部分上に形成され、第1の絶縁層(210)に接する第1の電荷保持層(214)と、
チャネル領域(208)の第2の部分上に形成され、第1の電荷保持層(214)に接する第3の絶縁層(224)と、
チャネル領域(208)の第3の部分上に形成され、第3の絶縁層(224)に接する下部絶縁層(222)と、
チャネル領域(208)の第4の部分上に形成され、下部絶縁層(222)に接する第4の絶縁層(226)と、
チャネル領域(208)の第5の部分上に形成され、第4の絶縁層(226)および第2の絶縁層(212)に接する第2の電荷保持層(216)と、
下部絶縁層(222)上に形成されたコントロールゲート層(220)と、
第2の絶縁層(224)、第3の絶縁層(226)およびコントロールゲート層(220)上に形成された第5の絶縁層(228)と、
第1の絶縁層(210)、第2の絶縁層(212)、第5の絶縁層(228)、第1の電荷保持層(214)および第2の電荷保持層(216)上に形成されたゲート層(218)とを備える、メモリセル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2008−536315(P2008−536315A)
【公表日】平成20年9月4日(2008.9.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−505450(P2008−505450)
【出願日】平成18年4月4日(2006.4.4)
【国際出願番号】PCT/US2006/012492
【国際公開番号】WO2006/110395
【国際公開日】平成18年10月19日(2006.10.19)
【出願人】(506408793)スパンジョン・リミテッド・ライアビリティ・カンパニー (37)
【氏名又は名称原語表記】SPANSION LLC
【Fターム(参考)】