説明

ハイブリッド式作業機の冷却システム

【課題】ハイブリッド式作業機に搭載される冷却システムにおいて、簡素な構成で、低温時のエネルギー効率低下を防止する。
【解決手段】低温時には、低温モードが選択され、PCU25のヒートモード機能25aが作動する。すなわち、PCU25は、キャパシタ23のエネルギー回収割合を、通常モードのキャパシタ23のエネルギー回収割合の最大値以上(例えば、アシストモータ22:キャパシタ23=2:8)に設定する。通常モードに比べ、キャパシタ23に充電するエネルギーが増加し、キャパシタ23が発熱することにより、冷却媒体の液温が上昇する。これにより、冷却媒体の粘性が低下する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハイブリッド式作業機に搭載される電動機器の冷却システムに関する。
【背景技術】
【0002】
油圧作業機の一例であるショベルは、走行体と、この走行体に旋回可能に設けた旋回体と、この旋回体に俯仰動可能に接続されたブーム、アーム、及びバケットを含む多関節型の作業装置(フロント装置)とを備えている。これら走行体、旋回体、及び作業装置は、このショベルに備えられた駆動装置の被駆動部材を構成している。
【0003】
この駆動装置は、元来、エンジン等の原動機と、この原動機によって駆動される少なくとも1つの油圧ポンプと、この油圧ポンプから吐出された圧油により駆動され、ブーム、アーム、バケットをそれぞれ駆動するブーム油圧シリンダ、アーム油圧シリンダ、バケット油圧シリンダ、走行体を走行させる走行油圧モータ、及び旋回体を走行体に対し旋回させる旋回油圧モータを含む複数の油圧アクチュエータとを有する油圧方式の駆動装置として構成されていた。
【0004】
一方、自動車の分野では、エンジンで発電機を駆動し、その発電電力で電動モータを駆動するとともに残りの電力をバッテリに蓄積し、エンジンのパワーが足りない時にバッテリの電力により発電機を電動モータとして駆動しエンジンをアシストする、いわゆるハイブリッド式の駆動装置が提唱されている。この方式により、エンジンは常に効率のよい状態で作動することが可能となり、省エネルギー化及び低排気ガス化を図れるようになっている。
【0005】
近年、油圧ショベル等の油圧作業機においても、このハイブリッド式が提案されつつあり、例えば、旋回電動モータを有するハイブリッド式の油圧作業機がある。旋回電動モータは制動時の運動エネルギーを電気エネルギーとして回生できる(旋回油圧モータは熱として放出)点で、省エネルギー化を図れるメリットがある。
【0006】
ところで、旋回電動モータや、電気エネルギーを充放電する蓄電装置や、旋回電動モータの駆動と蓄電装置の充放電とを制御するパワーコントロールユニット(PCU)などの電動機器は、発熱を伴う。そのため、ハイブリッド式の油圧作業機にはこれらの電動機器を冷却する冷却システムが搭載されている。冷却システムは、冷却媒体を冷却するラジエータと冷却媒体を循環するポンプとを有し、ラジエータによって冷却された冷却媒体をポンプで循環し、その冷却媒体により電動機器を冷却する。
【0007】
冷却媒体として一般に用いられるLLCは低温時において粘性が増し、冷却回路の管路抵抗が増大する。このため、ポンプ負荷が増大し、エネルギー効率が低下する。このような課題は、ハイブリッド式自動車の冷却システムにおいても発生する。
【0008】
この課題に対し、特許文献1に記載の冷却システムが提案されている。この従来技術の冷却システムは、季節に関係なく安定した冷却が可能な電気自動車の冷却システムを提供することを目的とし、ラジエータとポンプを有する冷却回路と、複数の切換弁と、ヒータを有するヒート回路とを備え、外気温度に基づいて複数の切換弁の開閉を制御する。低温時には、常温時に冷却回路を形成していた切換弁を閉じ、常温時に閉じていた別の切換弁を開き、ヒート回路を形成する。冷却媒体は外部熱源であるヒータにより加温され、ヒート回路を循環する。これにより、従来技術の冷却システムは、低温時の冷却媒体の粘性増加に起因するエネルギー効率低下を防止できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特許第3497873号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、上記特許文献1に係る従来技術の冷却システムは下記のような課題があった。従来技術の冷却システムは、基本構成である冷却回路に、ヒータと、複数の切換弁と、これらを制御する制御手段を必須の構成として付加しており、構成が複雑である。複雑な構成は、製造コスト増加や故障の原因となる。また、このヒータは外部熱源であり、エネルギー効率の点で好ましくない。
【0011】
本発明の目的は、簡素な構成で、低温時のエネルギー効率低下を防止できるハイブリッド式作業機の冷却システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
(1)本発明は、上記目的を達成するために、エンジンと、エンジンにより駆動する油圧ポンプと、油圧ポンプからの吐出油により駆動する油圧アクチュエータと、エンジンにより駆動する第1電動機と、第1電動機および第2電動機(後述)による発電電力を充電する蓄電装置と、第1電動機および蓄電装置の電力により駆動する第2電動機と、第1電動機および第2電動機の駆動および蓄電装置の充放電を制御するパワーコントロールユニット(PCU)とを備えたハイブリッド式作業機に搭載され、冷却媒体を冷却するラジエータと冷却媒体を循環するポンプとを有し、前記ラジエータによって冷却された冷却媒体を前記ポンプで循環し、その冷却媒体により前記蓄電装置と前記PCUと前記第2電動機との各電動機器を冷却するハイブリッド式作業機の冷却システムにおいて、更に、前記冷却媒体の液温を検出する液温検出センサを備え、前記PCUは、検出液温が第1閾値未満である低温モードである場合に、いずれかの電動機器の発熱を促すヒートモード機能を有するものとする。
【0013】
このように構成した本発明においては、低温時にはヒートモード機能が電動機器の発熱を促し、冷却媒体の液温が上昇し、冷却媒体の粘性が低下する。特徴的構成であるヒートモード機能は、PCUの一機能であり、冷却回路(基本構成)のみの簡素な構成で、低温時の冷却媒体の粘性増加に起因するエネルギー効率低下を防止できる。
【0014】
(2)上記(1)において、好ましくは、前記PCUは、液温検出センサが検出する液温に基づいて、前記蓄電装置の充放電を制御し、低温モード時には、前記ヒートモード機能が作動するものとする。
【0015】
(3)上記(1)において、好ましくは、前記PCUは、検出液温が第1閾値以上である第2閾値未満である通常モードである場合に、前記蓄電装置と前記第1電動機との最適なエネルギー回収割合を設定する制御を行い、前記ヒートモード機能は、低温モードである場合の前記蓄電装置のエネルギー回収割合を、通常モードの前記蓄電装置のエネルギー回収割合の最大値以上にするものとする。
【0016】
これにより、低温時にヒートモード機能が作動し、蓄電装置が発熱する。
【0017】
(4)上記(1)において、好ましくは、前記ハイブリッド式作業機は、作業機の不操作状態を検出する不操作状態検出手段を備え、前記ヒートモード機能は、低温モードであり、かつ、前記不操作状態検出手段が作業機の不操作状態を検出すると、前記蓄電装置と前記第1電動機との間で充放電を繰り返す制御を行うものとする。
【0018】
これにより、低温時にヒートモード機能が作動し、蓄電装置が発熱する。
【0019】
(5)上記(1)において、好ましくは、前記ハイブリッド式作業機は、前記第2電動機の駆動を制動する制動装置を備え、前記ヒートモード機能は、低温モードであり、かつ、前記制動装置が第2電動機の駆動を制止すると、前記第2電動機を駆動する力行制御を行うものとする。
【0020】
これにより、低温時にヒートモード機能が作動し、第2電動機が発熱する。
【0021】
(6)上記(1)において、前記ヒートモード機能が作動するときは、前記ポンプの回転数を下げるものとする。
【0022】
これにより、冷却媒体の液温が更に上昇する。
【0023】
(7)上記(1)において、前記ハイブリッド式作業機は、表示装置を備え、前記表示装置は、ヒートモード機能が作動すると、ヒートモード機能が作動している旨を表示するものとする。
【0024】
これにより、オペレータに注意を促す。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、ハイブリッド式作業機に搭載される冷却システムにおいて、簡素な構成で、低温時のエネルギー効率低下を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】冷却システムを搭載する油圧ショベルの外観を示す図である。
【図2】ハイブリッド式油圧ショベルの駆動システムを説明する図である。
【図3】第1実施形態の冷却システムを説明する図である。
【図4】コントローラの詳細を示す図である。
【図5】コントローラによるモード判定処理のフローである。
【図6】PCUのエネルギーマネジメント・パワーフロー制御の概念図である。
【図7】ハイブリッド式油圧ショベルの油圧システム(特に旋回駆動)の詳細図である。
【図8】別の駆動システムの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
〈第1実施形態〉
以下、本発明の第1実施形態を図面を用いて説明する。
【0028】
〜構成〜
図1は、本実施形態の冷却システムを搭載する油圧ショベルの外観を示す図である。油圧ショベルは下部走行体100と上部旋回体101とフロント装置102を備えている。下部走行体100は左右のクローラ式走行装置103a,103bを有し、左右の走行モータ104a,104bにより駆動される。上部旋回体101は旋回モータ105により下部走行体100上に旋回可能に搭載され、フロント装置102は上部旋回体101の前部に俯仰可能に取り付けられている。上部旋回体101にはエンジンルーム106、運転室107が備えられ、エンジンルーム106にはエンジン11が配置されている。フロント装置102はブーム111、アーム112、バケット113を有する多関節構造であり、ブーム111はブームシリンダ114の伸縮により、アーム112はアームシリンダ115の伸縮により、バケット113はバケットシリンダ116の伸縮により、各々回動する。
【0029】
旋回モータ105は、旋回油圧モータ16(図2参照)と旋回電動モータ24(図2参照)とから構成されている。すなわち、本実施形態の油圧ショベルはハイブリット式である。なお、走行モータ104a,104bが走行油圧モータと走行電動モータとから構成されることもある。
【0030】
図2はハイブリッド式油圧ショベルの駆動システムを説明する図である。駆動システムは、油圧システム10と電動システム20とから構成される。
【0031】
油圧システム10は、原動機としてのエンジン11と、エンジン11により駆動される油圧ポンプ12と、油圧ポンプ12からの吐出油の方向と流量を制御する方向制御弁ユニット13と、油圧ポンプ12からの吐出油により駆動される複数の油圧アクチュエータ14(アームシリンダ115など)と、油圧アクチュエータ14により駆動され所望の動作を行う複数の被駆動部材15(アーム112など)と、油圧ポンプ12からの吐出油により駆動され上部旋回体101を旋回する旋回油圧モータ16とを有する。
【0032】
電動システム20は、エンジン11と、エンジン11により駆動され発電する第1電動機22(アシストモータ)と、アシストモータ22による発電電力を充電する蓄電装置23(キャパシタ)と、アシストモータ22および蓄電装置23の電力により駆動される第2電動機24(旋回電動モータ)と、アシストモータ22および第2電動機24の駆動とキャパシタ23の充放電を制御するパワーコントロールユニット(PCU)25とを有する。
【0033】
旋回用油圧モータ16と旋回電動モータ24とは、同一の回転軸を有し、減速機構を介して上部旋回体101を駆動する。
【0034】
キャパシタ23や旋回電動モータ24やPCU25などの電動機器は発熱を伴う。このため、ハイブリッド式油圧ショベルにはこれらの電動機器を冷却する冷却システムが搭載されている。
【0035】
コントローラ50は、エンジン11の回転数とトルク、油圧ポンプ12の吐出圧と吐出流量、方向制御弁ユニット13のスプール変位量および、PCU25のエネルギーマネージメント・パワーフロー制御(後述)などの制御を行う。
【0036】
図3は本実施形態の冷却システムを説明する図である。冷却回路30は、冷却媒体を冷却するラジエータ31と、冷却媒体を循環するポンプ32とを有し、ラジエータ31によって冷却された冷却媒体をポンプ32で循環し、この冷却媒体によりキャパシタ23や旋回電動モータ24やコントローラ25などの電動機器を冷却する。冷却回路30は、キャパシタ23、PCU25、旋回電動モータ24の順に冷却するように構成され、ポンプ32は、ラジエータ31の下流に配置される。
【0037】
温度検出センサ51は、ポンプ32の下流に設けられ、ポンプ32により循環される冷却媒体の液温T1を検出する。温度検出センサ52は、キャパシタ23に設けられ、キャパシタ23の温度T2を検出する。温度検出センサ53はPCU25に設けられ、PCU25の温度T3を検出する。温度検出センサ54は、旋回電動モータ24に設けられ、旋回電動モータ24の温度T4を検出する。温度検出センサ51〜54の検出信号は、コントローラ50に入力される。
【0038】
なお、冷却システムは、電動機器を冷却する冷却回路30と別に、エンジン11を冷却するエンジン冷却回路80を有している。エンジン冷却回路80は冷却媒体を冷却するラジエータ81と、冷却媒体を循環するポンプ82とを有している。また、アシストモータ22は、エンジン11近傍に設置され、エンジン11を冷却するための冷却ファンにより空冷される。
【0039】
〜制御〜
図4はコントローラ50の詳細を示す図である。本実施形態の特徴的な入出力を記載し、一般的な入出力を省略する。コントローラ50は、温度検出センサ51〜54の検出信号、ゲートロックレバー61(後述)、操作レバー62(後述)の操作信号を入力し、所定の演算をし、PCU25、ポンプ32、モニタ63に指令信号を出力する。
【0040】
図5は、コントローラ50によるモード判定処理のフローである。コントローラ50は、温度検出センサ51〜54から各温度T1〜T4を入力する(ステップS100)。そして、キャパシタ23の温度T2、PCU25の温度T3、旋回電動モータ24の温度T4が何れも基準温度Ts以下であるかを判定する(ステップS110)。基準温度Tsは、電動機器が正常に稼動しているか判定するための閾値である。なお、説明の便宜の為、各電動機器に共通の基準温度Tsを設定したが、各電動機器ごとに基準温度を設定してもよい。
【0041】
ステップS110において、コントローラ50は電動機器温度T2〜T4の何れかが基準温度Ts以下でない(NO)と判定すると、電動機器の内部温度異常と判定し、エラーモードを選択する(ステップS120)。
【0042】
コントローラ50は電動機器温度T2〜T4の何れかも基準温度Ts以下である(YES)と判定すると、冷却媒体温度T1が基準温度T1H以上かどうかを判定する(ステップS130)。基準温度T1H(第2閾値)は、高温モードか否かを判定するための閾値である。冷却媒体温度T1が基準温度T1H以上である(YES)と判定すると、高温モードを選択する(ステップS140)。
【0043】
ステップS130において、コントローラ50は冷却媒体温度T1が基準温度T1H以上でない(NO)と判定すると、冷却媒体温度T1が基準温度T1L以上かどうかを判定する(ステップS150)。基準温度T1L(第1閾値)は、低温モードか否かを判定するための閾値である。冷却媒体温度T1が基準温度T1L以上である(YES)と判定すると、通常モードを選択し、(ステップS160)。冷却媒体温度T1が基準温度T1L以上でない(NO)と判定すると、低温モードを選択する(ステップS170)。
【0044】
次に、PCU25の制御について説明する。図6は、PCU25のエネルギーマネジメント・パワーフロー制御の概念図である。
【0045】
ハイブリッド式の油圧作業機は、旋回電動モータの制動時の運動エネルギーを電気エネルギーとして回生できるという特徴を有する。PCU25は、通常モード(ステップS160)において、この回収したエネルギーを、アシストモータ22を駆動してエンジン11の負荷をアシストするために用いるか、キャパシタ23に充電するかの割合、言い換えると、キャパシタ23とアシストモータ22とのエネルギー回収割合を、キャパシタ23の充電状態、回収エネルギー量、各温度検出センサ情報、エンジン負荷情報等に基づいて、逐次最も効率の良い充放電制御(エネルギーマネージメント・パワーフロー制御)がなされように、設定する。
【0046】
本実施形態では、PCU25は、更に特徴的な以下の制御を行う。
【0047】
高温モード(ステップS140)において、キャパシタ23のエネルギー回収割合を、通常モードのキャパシタ23のエネルギー回収割合の最小値以下にする。これにより、キャパシタ23に充電するエネルギーを低減し、キャパシタ23の発熱を抑制することにより、冷却媒体の液温上昇を抑制する。
【0048】
低温モード(ステップS170)において、キャパシタ23のエネルギー回収割合を、通常モードのキャパシタ23のエネルギー回収割合の最大値以上にする。これにより、キャパシタ23に充電するエネルギーを増加し、キャパシタ23の発熱を促すことにより、冷却媒体の液温上昇を助長する(ヒートモード機能25a)。
【0049】
エラーモード(ステップS130)において、高温モード(ステップS140)における制御と同様な制御をおこなう。
【0050】
〜動作〜
本実施形態の動作について説明する。
【0051】
通常時には、冷却媒体の液温は常温(基準温度T1L(第1閾値)以上、基準温度T1H(第2閾値)未満)であり、通常モードが選択され(S100→S110→S130→S150→S160)、PCU25は、キャパシタ23とアシストモータ22との最適なエネルギー回収割合を設定する。一方、キャパシタ23、旋回電動モータ24、PCU25などの電動機器は発熱を伴うため、故障防止の点から冷却する必要がある。冷却回路30はラジエータ31によって冷却された冷却媒体をポンプ32で循環し、この冷却媒体によりキャパシタ23、PCU25、旋回電動モータ24の順に電動機器を冷却する。
【0052】
本実施形態が特に有効であるのは寒冷地などでの作業時である。
【0053】
寒冷地など外気が低温であると、冷却媒体の液温も低温(基準温度T1L(第1閾値)未満)となる可能性もあり、冷却媒体の粘性が増し、ポンプ負荷が増大し、エネルギー効率が低下する。そこで、低温時には、低温モードが選択され(S100→S110→S130→S150→S170)、PCU25のヒートモード機能25aが作動する。すなわち、PCU25は、キャパシタ23のエネルギー回収割合を、通常モードのキャパシタ23のエネルギー回収割合の最大値以上(例えば、アシストモータ22:キャパシタ23=2:8)に設定する。
【0054】
油圧ショベルの作業時、上部旋回体101は旋回モータ105(16,24)により下部走行体100に対して旋回する。旋回電動モータ24は制動時の運動エネルギーを電気エネルギーとして回収する。このとき、PCU25は、この回収したエネルギーの2割を、アシストモータ22を駆動してエンジン11の負荷をアシストするために用い、残り8割をキャパシタ23に充電する。通常モードに比べ、キャパシタ23に充電するエネルギーが増加し、キャパシタ23が発熱することにより、冷却媒体の液温が上昇する。これにより、冷却媒体の粘性が低下する。
【0055】
更に、コントローラ50は、ヒートモード機能作動時に、ポンプ32の回転数を下げるような制御を行う。これにより、単位量当りの冷却媒体は、キャパシタ23発熱からより多くのエネルギーを受けることになり、冷却媒体の液温はより上昇する。
【0056】
冷却媒体の液温が基準温度T1L以上になると、通常モードが選択され、PCU25は、ヒートモード機能25aを停止し、通常のエネルギーマネージメント・パワーフロー制御を行う。これにより、低温時の冷却媒体の粘性増加に起因するエネルギー効率低下を防止できる。
【0057】
なお、本実施形態は、エラーモード(ステップS130)、高温モード(ステップS140)が選択された場合にも、有効である。
【0058】
上記に寒冷地の作業時の例を述べたが、一般に電動機器の発熱に伴い、冷却媒体の液温も高温(基準温度T1H(第2閾値)以上)となり、電動機器を充分に冷却することができない可能性もある。高温時には、高温モードが選択され(S100→S110→S130→S140)、PCU25は、キャパシタ23のエネルギー回収割合を、通常モードのキャパシタ23のエネルギー回収割合の最小値以下(例えば、アシストモータ22:キャパシタ23=8:2)に設定し、回収したエネルギーの8割を、アシストモータ22を駆動してエンジン11の負荷をアシストするために用い、残り2割をキャパシタ23に充電する。通常モードに比べ、キャパシタ23に充電するエネルギーが減少し、キャパシタ23の発熱を抑制することにより、冷却媒体の液温上昇を抑制する。
【0059】
なお、アシストモータ22は、エンジン11を冷却するための冷却ファンにより空冷されるため、冷却回路30に与える影響はない。
【0060】
冷却媒体の液温が基準温度T1H未満になると、通常モードが選択され、通常のエネルギーマネージメント・パワーフロー制御を行う。これにより、冷却回路30は、キャパシタ23、PCU25、旋回電動モータ24の電動機器を冷却することができる。また、アシストモータ22を駆動してエンジン11の負荷をアシストすることにより、エネルギー効率の点でも好ましい。
【0061】
故障により電動機器が異常発熱する場合には、エラーモードが選択され(S100→S110→S120)、PCU25は、高温モードにおける制御と同様な制御をおこなう。コントローラ50は、エラーモードである旨をモニタ63に表示する。
【0062】
〜効果〜
本実施形態の効果について説明する。
【0063】
従来技術の冷却システムは、冷却回路(基本構成)と、複数の切換弁とヒータを有するヒート回路とを付加構成として備え、低温時において、切換弁を制御してヒート回路を形成し、外部熱源であるヒータにより冷却媒体を加温することにより、低温時の冷却媒体の粘性増加に起因するエネルギー効率低下を防止していた。このような複雑な構成は、製造コスト増加や故障の原因となる。また、このヒータは外部熱源であり、エネルギー効率の点で好ましくない。
【0064】
本実施形態は、PCU25がヒートモード機能25aを有するものであり(図3参照)、基本構成(冷却回路30)のみの簡素な構成で、低温時の冷却媒体の粘性増加に起因するエネルギー効率低下を防止できる。簡素な構成により、低温時のエネルギー効率低下を防止でき、製造コスト削減や信頼性向上という更なる効果が得られる。また、旋回電動モータ24の制動時の運動エネルギーを電気エネルギーとして用いるため、外部熱源を必要とせず、エネルギー効率の点で好ましい。
【0065】
〈第2実施形態〉
〜構成〜
本実施形態において、ハイブリッド式油圧ショベルの駆動システムおよび冷却システムは、第1実施形態と同じであり(図2・3参照)、詳細を省略する。
【0066】
図7は、ハイブリッド式油圧ショベルの油圧システム10(特に旋回駆動)の詳細図である。図3と同じ構成には同じ符号を付している。なお、油圧システム10は、第1実施形態と同じであるが、便宜上、第1実施形態では説明を省略している。
【0067】
方向制御弁ユニット13はアクチュエータごとにスプールと呼ばれる弁部品を有し、操作レバー62からの指令(パイロット操作圧)に応じて対応するスプールが変位することで開口面積が変化し、各油路を通過する圧油の流量が変化する。なお、旋回用スプール13のみを図示する。
【0068】
油圧ポンプ12は可変容量ポンプであり、レギュレータ64を有し、レギュレータ64を制御することで油圧ポンプ12の傾転角が変わって油圧ポンプ12の押し退け容積が変わり、油圧ポンプ12の吐出流量と出力トルクが変わる。
【0069】
旋回電動モータ24と旋回油圧モータ16との両方を駆動して旋回体を駆動する油圧電動複合旋回時には、油圧システム10は、電動システム20の旋回電動モータ24の作動トルクの分だけ、旋回油圧モータ16の出力トルクが減少するように可変リリーフ弁70a,70bを制御する。これにより、旋回電動モータ24の出力トルクと旋回油圧モータ16の出力トルクの合計が常にほぼ一定となり、良好な操作性を確保している。詳細な制御および関連する構成については説明を省略する。
【0070】
操作レバー62はパイロットポンプ66からの圧力をレバー操作量に応じて減圧する減圧弁を内蔵し、レバー操作量に応じた圧力(パイロット操作圧)を旋回用スプール13の左右いずれかの圧力室に与える。
【0071】
ゲートロックレバー61は運転席の入り口を制限する下げ位置(ロック解除位置)と運転席の入り口を開放する上げ位置(ロック位置)とに選択的に操作される。パイロット圧遮断弁65は、パイロットライン上に設けられ、ゲートロックレバー61の上げ位置、下げ位置に基づいてON/OFF制御され、パイロット1次圧を遮断とし、またパイロット操作圧の発生を可能する。
【0072】
〜制御〜
本実施形態において、コントローラ50は、ゲートロックレバー61の上げ位置(ロック位置)への操作信号を入力すると、油圧ショベルが不操作状態であると判定する。また、操作レバー62からの操作信号を所定時間継続して入力しないと、油圧ショベルが不操作状態であると判定する(図4参照)。すなわち、ゲートロックレバー61と操作レバー62とコントローラ50は、不操作状態検出手段を構成する。
【0073】
コントローラ50によるモード判定処理は、第1実施形態と同じであり(図5参照)、詳細を省略する。
【0074】
PCU25は、通常モード(ステップS160)において、エネルギーマネージメント・パワーフロー制御を行う(図6参照)。
【0075】
本実施形態の特徴として、低温モード(ステップS170)において、コントローラ50が不操作状態を検出すると、PCU25は、キャパシタ23とアシストモータ22との間で充放電を繰り返す制御を行う。これにより、キャパシタ23に充放電するエネルギーを増加し、キャパシタ23の発熱を促すことにより、冷却媒体の液温上昇を助長する(ヒートモード機能25b)(図2参照・図3に追記)。
【0076】
〜動作・効果〜
本実施形態が特に有効であるのは、油圧ショベルの暖機運転時などである。
【0077】
油圧ショベルの始動時は油圧ショベルが充分に暖機されておらず、冷却媒体の液温が低温(基準温度T1L(第1閾値)未満)である可能性もある。また、油圧ショベルのアイドリング時間が長くなると、冷却媒体の液温が低温となる可能性もある。
【0078】
一方、油圧ショベルの始動時やアイドリング時は暖機運転が行われる。暖機運転中は、安全の観点から、オペレータはゲートロックレバー61を上げ位置(ロック位置)に操作する。また、オペレータはしばらくの間、操作レバー62を操作することはない。これにより、コントローラ50が不操作状態を検出する。
【0079】
低温時には低温モードが選択され(S170)、コントローラ50が不操作状態を検出すると、暖機運転の一つとして、PCU25のヒートモード機能25bが作動する。
【0080】
PCU25は、キャパシタ23とアシストモータ22との間で充放電を繰り返す制御を行う。キャパシタ23に充放電するエネルギーが増加し、キャパシタ23が発熱することにより、冷却媒体の液温が上昇する。これにより、冷却媒体の粘性が低下する。更に冷却媒体の液温が上昇するように、コントローラ50は、ヒートモード機能作動時に、ポンプ32の回転数を下げるような制御を行う。
【0081】
このとき、暖機運転中である旨をモニタ63に表示し、オペレータに注意を促してもよい。
【0082】
冷却媒体の液温が基準温度T1L以上になると、通常モードが選択される。PCU25は、ヒートモード機能25bを停止する。
【0083】
本実施形態も、PCU25がヒートモード機能25bを有するものであり、基本構成のみの簡素な構成で、低温時の冷却媒体の粘性増加に起因するエネルギー効率低下を防止できる。すなわち、第1実施形態と同じ効果を得る。
【0084】
〈第3実施形態〉
〜構成〜
便宜上説明を省略しているが、第1および第2実施形態においても、油圧ショベルは旋回パーキングブレーキを備えている。図7に、旋回パーキングブレーキ68を追記する。
【0085】
旋回パーキングブレーキ68は、シリンダ室とブレーキ部材とバネ部材を有している。シリンダ室に圧油が供給されていなければ、バネ部材の付勢力によりブレーキ部材が旋回用油圧モータ16の回転軸67に作用し、ブレーキが作動する。シリンダ室に圧油が供給されると、その油圧がバネ部材の付勢力に対抗することによりブレーキ部材が旋回用油圧モータ16の回転軸67から外れ、ブレーキが解除される。
【0086】
回転軸67は旋回用油圧モータ16と旋回電動モータ24との共通の回転軸であり、旋回パーキングブレーキ68は旋回用油圧モータ16の駆動を制止できるとともに、旋回電動モータ24の駆動も制止できる。
【0087】
旋回パーキングブレーキ68のシリンダ室には、ゲートロックレバー61,操作レバー62の操作と連動して、パイロットポンプ66からの圧油が供給される。すなわち、ゲートロックレバー61が上げ位置(ロック位置)に操作されるか、または、操作レバー62が操作されないと、旋回パーキングブレーキ68は旋回用油圧モータ16・旋回電動モータ24の駆動を制止し(ブレーキ作動)、ゲートロックレバー61が下げ位置(ロック解除位置)に操作され、かつ、操作レバー62が操作されると、旋回パーキングブレーキ68はブレーキを解除する。
【0088】
〜制御〜
コントローラ50は、ゲートロックレバー61、操作レバー62の操作信号を入力し、旋回パーキングブレーキ68の作動・不作動を検出する(図4参照)。
【0089】
コントローラ50によるモード判定処理は、第1実施形態と同じであり(図5参照)、詳細を省略する。
【0090】
PCU25は、通常モード(ステップS160)において、エネルギーマネージメント・パワーフロー制御を行う(図6参照)。
【0091】
本実施形態の特徴として、低温モード(ステップS170)において、コントローラ50が旋回パーキングブレーキ68の作動を検出すると、PCU25は、旋回電動モータ24を駆動する制御を行う。これにより、旋回電動モータ24の発熱を促すことにより、冷却媒体の液温上昇を助長する(ヒートモード機能25c)(図2参照・図3に追記)。
【0092】
〜動作・効果〜
本実施形態が特に有効であるのは、第2実施形態と同様に、油圧ショベルの暖機運転時などである。
【0093】
油圧ショベルの始動時は油圧ショベルが充分に暖機されておらず、冷却媒体の液温が低温(基準温度T1L(第1閾値)未満)である可能性もある。また、作業の合間等で、油圧ショベルのアイドリング時間が長くなると、冷却媒体の液温が低温となる可能性もある。
【0094】
一方、暖機運転中は、安全の観点から、オペレータはゲートロックレバー61を上げ位置(ロック位置)に操作し、しばらくの間、操作レバー62を操作することはない。これにより、旋回パーキングブレーキ68は旋回用油圧モータ16・旋回電動モータ24の駆動を制止し、コントローラ50はブレーキ作動を検出する。
【0095】
低温時には低温モードが選択され(S170)、コントローラ50がブレーキ作動を検出すると、暖機運転の一つとして、PCU25のヒートモード機能25cが作動する。
【0096】
PCU25は、旋回電動モータ24を駆動する力行制御をおこなう。一方、旋回電動モータ24は旋回パーキングブレーキ68により制動されており、制止状態を維持する。旋回電動モータ24を駆動しようとする電気エネルギーのほとんどが熱エネルギーにかわる。旋回電動モータ24が発熱することにより、冷却媒体の液温が上昇する。これにより、冷却媒体の粘性が低下する。更に冷却媒体の液温が上昇するように、コントローラ50は、ヒートモード機能作動時に、ポンプ32の回転数を下げるような制御を行う。
【0097】
このとき、暖機運転中である旨をモニタ63に表示し、オペレータに注意を促してもよい。
【0098】
冷却媒体の液温が基準温度T1L以上になると、通常モードが選択される。PCU25は、ヒートモード機能25cを停止する。
【0099】
本実施形態も、PCU25がヒートモード機能25cを有するものであり、基本構成のみの簡素な構成で、低温時の冷却媒体の粘性増加に起因するエネルギー効率低下を防止できる。すなわち、第1実施形態と同じ効果を得る。
【0100】
〈その他の実施形態〉
本発明は上記実施形態に限られるものではなく、その趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内において、種々の変形が可能である。本発明の本質は、PCU25がヒートモード機能25a,25b,25cを有することにある。以下、その他の実施形態を説明する。
【0101】
1.各実施形態において、ヒートモード機能25a,25b,25cを個別に有していたが、複数または全て有していてもよい。ヒートモード機能25a,25b,25cは相互に干渉することはなく、複数有することにより、更に冷却媒体の液温が上昇する。
【0102】
2.各実施形態において、ハイブリッド式油圧ショベルの駆動システムの一例を図2に示したが、本発明の冷却システムは、他の駆動システムにも適用できる。図8は、別の駆動システムの一例を示す図である。アシストモータ22は、エンジン11と油圧ポンプ12の間に連結され、エンジン11が油圧ポンプ12を駆動するときの余剰トルクにより駆動される。PCU25は、アシストモータ22の駆動により発生した電力をキャパシタ23に蓄電し、また、キャパシタ23から電力の供給を受け、旋回モータ24を駆動する。一方、エンジン負荷が大きくなると、PCU25は、キャパシタ23から電力の供給を受け、アシストモータ22を電動機として駆動し、不足トルク分、エンジン11をアシストする。また、PCU25は、旋回モータ24制動時の回収エネルギーを、アシストモータ22を駆動しエンジン11をアシストするために用いるか、キャパシタ23に蓄電するかを制御する。
【0103】
すなわち、図2に示す駆動システムが油圧電動複合旋回式であるのに対し、図8に示す駆動システムが電動単独旋回式である点で相違する。しかし、PCU25がヒートモード機能25a,25b,25cを有することにより、上記実施形態と同じ効果を得る。
【符号の説明】
【0104】
10 油圧システム
11 エンジン
12 油圧ポンプ
13 方向制御弁ユニット
14 油圧アクチュエータ
15 被駆動部材
16 旋回油圧モータ
20 電動システム
22 第1電動機(アシストモータ)
23 蓄電装置(キャパシタ)
24 第2電動機(旋回電動モータ)
25 PCU
25a,25b,25c ヒートモード機能
30 冷却回路
31 ラジエータ
32 ポンプ
50 コントローラ
51〜54 温度検出センサ
61 ゲートロックレバー
62 操作レバー
63 モニタ
64 レギュレータ
65 パイロット圧遮断弁
66 パイロットポンプ
67 回転軸
68 旋回パーキングブレーキ
80 エンジン冷却回路
81 ラジエータ
82 ポンプ
100 下部走行体
101 上部旋回体
102 フロント装置
103a,103b クローラ式走行装置
104a,104b 走行モータ
105 旋回モータ
106 エンジンルーム
107 運転室
111 ブーム
112 アーム
113 バケット
114 ブームシリンダ
115 アームシリンダ
116 バケットシリンダ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンジンと、エンジンにより駆動する油圧ポンプと、油圧ポンプからの吐出油により駆動する油圧アクチュエータと、エンジンにより駆動する第1電動機と、第1電動機および第2電動機(後述)による発電電力を充電する蓄電装置と、第1電動機および蓄電装置の電力により駆動する第2電動機と、第1電動機および第2電動機の駆動および蓄電装置の充放電を制御するパワーコントロールユニット(PCU)とを備えたハイブリッド式作業機に搭載され、
冷却媒体を冷却するラジエータと冷却媒体を循環するポンプとを有し、前記ラジエータによって冷却された冷却媒体を前記ポンプで循環し、その冷却媒体により前記蓄電装置と前記PCUと前記第2電動機との各電動機器を冷却するハイブリッド式作業機の冷却システムにおいて、
更に、前記冷却媒体の液温を検出する液温検出センサを備え、
前記PCUは、検出液温が第1閾値未満である低温モードである場合に、いずれかの電動機器の発熱を促すヒートモード機能を有する
ことを特徴とするハイブリッド式作業機の冷却システム。
【請求項2】
請求項1記載のハイブリッド式作業機の冷却システムにおいて、
前記PCUは、液温検出センサが検出する液温に基づいて、前記蓄電装置の充放電を制御し、
低温モード時には、前記ヒートモード機能が作動する
ことを特徴とするハイブリッド式作業機の冷却システム。
【請求項3】
請求項1記載のハイブリッド式作業機の冷却システムにおいて、
前記PCUは、検出液温が第1閾値以上である第2閾値未満である通常モードである場合に、前記蓄電装置と前記第1電動機との最適なエネルギー回収割合を設定する制御を行い、
前記ヒートモード機能は、低温モードである場合の前記蓄電装置のエネルギー回収割合を、通常モードの前記蓄電装置のエネルギー回収割合の最大値以上にする
ことを特徴とするハイブリッド式作業機の冷却システム。
【請求項4】
請求項1記載のハイブリッド式作業機の冷却システムにおいて、
前記ハイブリッド式作業機は、作業機の不操作状態を検出する不操作状態検出手段を備え、
前記ヒートモード機能は、低温モードであり、かつ、前記不操作状態検出手段が作業機の不操作状態を検出すると、前記蓄電装置と前記第1電動機との間で充放電を繰り返す制御を行う
ことを特徴とするハイブリッド式作業機の冷却システム。
【請求項5】
請求項1記載のハイブリッド式作業機の冷却システムにおいて、
前記ハイブリッド式作業機は、前記第2電動機の駆動を制動する制動装置を備え、
前記ヒートモード機能は、低温モードであり、かつ、前記制動装置が第2電動機の駆動を制止すると、前記第2電動機を駆動する力行制御を行う
ことを特徴とするハイブリッド式作業機の冷却システム。
【請求項6】
請求項1記載のハイブリッド式作業機の冷却システムにおいて、
前記ヒートモード機能が作動するときは、前記ポンプの回転数を下げる
ことを特徴とするハイブリッド式作業機の冷却システム。
【請求項7】
請求項1記載のハイブリッド式作業機の冷却システムにおいて、
前記ハイブリッド式作業機は、表示装置を備え、
前記表示装置は、ヒートモード機能が作動すると、ヒートモード機能が作動している旨を表示する
ことを特徴とするハイブリッド式作業機の冷却システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−140771(P2012−140771A)
【公開日】平成24年7月26日(2012.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−292844(P2010−292844)
【出願日】平成22年12月28日(2010.12.28)
【出願人】(000005522)日立建機株式会社 (2,611)
【Fターム(参考)】