説明

ハイブリッド車両の制御装置

【課題】内燃機関のエミッションを効率的且つ効果的に低減する。
【解決手段】ハイブリッド車両10は、モータ310及びインバータ320を含むモータシステム300と、エンジン200の吸気ポート213とを冷却水の熱交換対象とする第1冷却系統400を備える。第1冷却系統400は、モータ310の作動期間において電動ポンプ440の駆動制御を介して作動し、モータシステム300において発生した熱により吸気ポート213が暖機せしめられる。従って、エンジン200が未暖機状態で始動する場合等に、吸気ポート213で燃料の霧化を促進せしめることが可能となり、未燃燃料の排出が抑制され、エミッションが低減される。また、第1冷却系統における冷却水の循環経路は、ラジエータ410を介する第1経路と、ラジエータ410を介さない第2経路との間でモータシステム冷却水温に応じて適宜切り替えられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、動力源として内燃機関及び電動機を備えたハイブリッド車両において、例えば内燃機関のエミッションを低減することが可能なハイブリッド車両の制御装置の技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
ハイブリッド車両にも適用可能なものとして、例えば、エンジンのみを動力源として備える車両においてエンジンの排気エミッションを低減するものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に開示されたエンジンの燃料噴射制御方法(以下、「従来の技術」と称する)によれば、エンジン温度が高くなるに従って燃料の噴射タイミングを早めることによって、吸気ポート内での熱で燃料の霧化を促進することができるため、排気エミッションを低減することが可能であるとされている。
【0003】
尚、蓄熱冷却水によって吸気ポートを加熱する技術も提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【0004】
また、ヒータによって燃料を霧化する技術も提案されている(例えば、特許文献3参照)。
【0005】
【特許文献1】特開平5−214985号公報
【特許文献2】特開2005−133689号公報
【特許文献3】特開平6−42417号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
エンジン温度が相応に高ければ、必然的に吸気ポートの温度も高いため、燃料の霧化を期待することは可能であるが、例えば、エンジン始動時等、エンジン温度が比較的低い動作領域においては、燃料の霧化が阻害される。従来の技術では、このようにエンジン温度が低い動作領域では燃料の噴射タイミングを遅くすることによって、吸気ポート内壁面への燃料付着量を低減せしめ、暖機時間を早め得るとされているが、燃料の霧化が阻害されることによる燃焼状態の悪化は避けられず、排気エミッション低減の観点からは不利である。
【0007】
一方、蓄熱冷却水によって吸気ポートを加熱する場合、同様に、始動時等、内燃機関温度が低い動作領域では蓄熱可能な熱量が得られ難いため有効ではない。更に、ヒータ等、燃料の霧化するために特化した機構を搭載することは、コスト及びシステム構成の複雑化を招くため好ましくない。
【0008】
即ち、従来の技術及びそれに類する技術には、例えば内燃機関が低温である場合等にエミッションが悪化し易いという技術的な問題点がある。また、このような問題点は、ハイブリッド車両に適用されたとしても、同様に生じ得る問題である。
【0009】
本発明は上述した問題点に鑑みてなされたものであり、ハイブリッド車両において内燃機関のエミッションを効率的且つ効果的に低減し得るハイブリッド車両の制御装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述した課題を解決するため、本発明に係るハイブリッド車両の制御装置は、内燃機関、該内燃機関と共に動力源となる少なくとも一つの電動機を含む電動機システム、並びに前記内燃機関において燃料の燃焼に関連するものとして規定される所定部位及び前記電動機システムと循環液との間で熱交換がなされるように前記循環液を循環供給することが可能な循環系を備えたハイブリッド車両を制御するハイブリッド車両の制御装置であって、前記電動機システムが作動状態にあるか否かを判別する第1判別手段と、前記電動機システムが作動状態にある期間の少なくとも一部において前記熱交換がなされるように前記循環系を制御する第1制御手段とを具備することを特徴とする。
【0011】
本発明に係る「ハイブリッド車両」とは、動力源として内燃機関及び少なくとも一つの電動機を備える。本発明のハイブリッド車両における「内燃機関」とは、例えば複数の気筒を有し、当該複数の気筒の各々における燃焼室において燃料が燃焼した際に発生する爆発力たる動力を、例えばピストン及びコネクティングロッド等の機械的な伝達経路を経て、例えばクランク軸等の入出力軸を介して動力として出力可能な機関を包括する概念であり、例えば2サイクル或いは4サイクルレシプロエンジン等を指す。また、本発明のハイブリッド車両における「電動機」とは、例えばモータ或いはモータジェネレータ等、少なくとも電力の供給を受けて動力を出力することが可能な装置を包括する概念である。
【0012】
ここで、本発明に係る「電動機システム」とは、このような少なくとも一つの電動機を含み、例えば、係る電動機に供される電力を蓄えるバッテリ等の蓄電池及び電動機の出力をコントロールするインバータ等、電動機のみならず電動機から動力を出力せしめるのに必須となり得る構成要素を広く含んでなる概念である。
【0013】
本発明に係るハイブリッド車両において、内燃機関及び電動機各々の動力の出力配分及び出力態様は何ら限定されるものではなく、例えば、内燃機関を主たる動力源とし、電動機により内燃機関を適宜アシストする構成であってもよいし、電動機を主たる動力源とし、内燃機関により電動機を適宜アシストする構成であってもよい。或いは、各々が相互に協調して動力を出力するパラレル方式のハイブリッドシステムであってもよい。
【0014】
また、このようなパラレル方式のハイブリッド車両においては、電動機を複数備え、内燃機関とこれら複数の電動機とを、例えばサンギア、リングギア及びプラネタリキャリアを含むプラネタリギアユニット等の動力分配手段を介して接続して、内燃機関の動力を、係る動力分配手段の構成に応じた所定の比率(例えば、サンギアとリングギアとのギア比等)でこれら複数の電動機に伝達せしめる構成を有していてもよい。即ち、本発明に係るハイブリッド車両における内燃機関及び電動機相互間の機械的、電気的、物理的又は機構的な構成は、何ら限定されることなく、内燃機関及び電動機が相互にハイブリッド車両の動力源として機能する限りにおいて自由であってよい。更に、本発明に係る「電動機」とは、例えば内燃機関の動力の一部を利用して、或いは車軸を介して入力される車輪の回転力等を利用して、適宜発電が可能な発電機としての機能を有する、所謂モータジェネレータ又はモータジェネレータ装置等の構成を有していてもよい。
【0015】
一方、本発明におけるハイブリッド車両には、例えば冷却系統等の循環系が備わっており、例えば冷却水等の循環液を循環供給可能に構成される。ここで、循環系は、内燃機関において燃料の燃焼に関連する、例えば吸気ポート、吸気管、吸気マニホールド、点火プラグ又は燃焼室等の所定部位及び上述した電動機システム(以後、これらを総称するものとして、適宜「対象系」なる言葉を使用する)と、上述した循環液との間で熱交換が行われるように循環液を循環供給する。
【0016】
循環系によりもたらされる「熱交換」とは、対象系と循環液との相対的な温度関係、或いは循環系の構成要素間における相対的な温度関係等によって、態様が異なり、例えば、対象系が一律に循環液よりも高温であれば、循環液が循環供給されることによって対象系は冷却され、循環系は冷却系統として機能するし、対象系が一律に循環液よりも低温であれば、循環液が循環供給されることによって対象系は暖機せしめられる。また、対象系内で、例えば上述した所定部位の方が電動機システムよりも低温であれば、経時的に所定部位の温度が上昇せしめられ、例えば一定又は不定の平衡温度に到達する。
【0017】
ここで、内燃機関が暖機不十分な状態において作動した場合、燃料の霧化又は気化が阻害される分燃料の燃焼状態が悪化し、未燃燃料の排出等によるエミッションの悪化(即ち、エミッションの増加)が生じ易い。このような問題は、冷間時或いは始動時等、内燃機関の機関温度が比較的低い状態或いは動作領域等において顕在化し易い。
【0018】
ここで特に、内燃機関の冷却系統により、例えば吸気ポート等を昇温せしめ、もって燃料の霧化促進を図ろうとした場合、係る冷却系統に使用される冷却水等の循環液が、内燃機関の機関温度の上昇に伴って昇温する点に鑑みれば、冷間時や始動時といった機関低温時には、少なくとも実践的にみて有効である程には、或いは全く、意味をなさないことは明白である。また、燃料の霧化に幾らかなりとも効果が生じ得る部位を昇温せしめることのみのために、例えば電気的、機械的、物理的又は化学的な何らかの手段を特化して講じることは、システム構成の複雑化及びコストの増加を招く点において避けるべきであることもまた明白である。
【0019】
そこで、本実施形態に係るハイブリッド車両の制御装置は、以下の如くにして、内燃機関のエミッションを効率的且つ効果的に低減せしめている。即ち、本発明に係るハイブリッド車両の制御装置によれば、その動作時には、例えばECU(Electronic Control Unit:電子制御ユニット)等の各種処理ユニット、各種コントローラ或いはマイコン装置等各種コンピュータシステム等として構成される第1判別手段の作用により、電動機システムが作動状態にあるか否かが判別される。
【0020】
電動機システムが作動状態にある場合、即ち、ハイブリッド車両の動力として(ハイブリッド車両の走行に供されるかは別として)、電動機の動力が幾らかなりとも使用されている状態では、電動機は多少なり発熱する。また、電動機に電力を供給する、例えばインバータ等の電力供給系もまた発熱する。即ち、電動機システムが作動している状態では電動機システムが発熱する。
【0021】
そこで、本発明に係るハイブリッド車両の制御装置によれば、電動機システムが作動状態にある期間(以下、適宜「電動機システムの作動期間」と称する)の少なくとも一部において、例えばECU等の各種処理ユニット、各種コントローラ或いはマイコン装置等各種コンピュータシステム等として構成される第1制御手段の作用により、上述した熱交換がなされるように循環系が制御される。この際、例えば、ポンプ、コンプレッサ又はモータ等の駆動制御を介して、対象系との熱交換を行うべく循環液が循環供給され、対象系との熱交換が行われる。
【0022】
既に述べたように、対象系には内燃機関において燃焼に関連する、例えば吸気ポート等の所定部位が含まれており、内燃機関の機関温度が低い場合には、相応に低い温度となっている。一方で、電動機システムの作動期間においては、上述したように電動機システムの少なくとも一部が発熱するため、循環液との熱交換を介して電動機システムの発熱に係る熱が内燃機関の所定部位に伝達され得る。従って、係る所定部位は昇温せしめられ、何らこのような制御がなされない場合と比較すれば、明らかに燃料の霧化又は気化が促進され、エミッションが低減される。この際、電動機システムは、あくまでハイブリッド車両に動力を提供するために作動しているのであり、所定部位の暖機には、電動機システムの作動により生じた熱が二次的に利用されているに過ぎない。即ち、本発明に係るハイブリッド車両の制御装置によれば、内燃機関のエミッションが、効率的且つ効果的に低減されるのである。
【0023】
尚、所定部位の温度が予め十分に高い場合には、係る熱交換によって、所定部位の温度が低下する可能性も考えられる。然るに、元より係る所定部位の温度が十分に高ければ、内燃機関の機関温度も十分に高い可能性が高いから、内燃機関の燃焼性能は相応に担保されているのであり、何ら問題は生じない。即ち、本発明に係る循環系の作用により、内燃機関の燃焼状態がかえって悪化する懸念は、少なくとも実践的にみて顕在化する程度には生じない。
【0024】
尚、電動機システムが作動することによって内燃機関のエミッションが悪化する可能性は極めて低いから、言い換えれば、電動機システムの作動期間については、少なくとも所定部位の暖機効果による燃料の霧化が期待できるから、電動機に係る動力と内燃機関の動力との配分態様によって本発明に係る効果が阻害される可能性は少なくともない。従って、電動機の作動条件は、特段に限定されることなく、例えば、ハイブリッド車両における、例えば要求出力等の運転条件、内燃機関に係る運転条件、又はバッテリのSOC(State Of Charge:充電状態)等電動機システムに係る運転条件等に応じて適宜決定されてもよい。但し、内燃機関が停止している期間については、少なくとも内燃機関の機関温度が上昇することはないから、このような期間、或いは内燃機関を停止させるべき期間又はその作動を禁止すべき期間等については積極的に電動機システムを作動させ、それに伴って循環系を作動させて、所定部位を昇温せしめてもよい。
【0025】
また、循環系による循環液の循環供給(即ち、熱交換)は、電動機システムの作動期間について常に行われるのが好適であるが、「電動機システムの作動期間の少なくとも一部」とあるように、その実施期間は必ずしもその限りにあらず、予め実験的に、経験的に或いはシミュレーション等に基づいて、電動機システムの冷却及び所定部位の暖機等の諸目的に応じてより効率的且つ効果的に熱交換がなされるように決定されていてもよい。
【0026】
本発明に係るハイブリッド車両の制御装置の一の態様では、前記所定部位は、前記内燃機関の吸気ポートを含む。
【0027】
既に述べたように、吸気ポートを昇温せしめることにより、燃料の霧化は効果的に促進される。従って、循環系における熱交換の対象系の一部として吸気ポートが含まれる場合には、本発明に係る効果が顕著である。
【0028】
本発明に係るハイブリッド車両の制御装置の他の態様では、前記内燃機関は、前記燃料として少なくともアルコールを含むアルコール混合燃料を使用可能である。
【0029】
この態様によれば、内燃機関は、燃料として特にエタノールやメタノール等の各種アルコールとガソリンとを混合してなるアルコール混合燃料を使用することが可能に構成される。この場合、内燃機関は、アルコール燃料におけるアルコール濃度が少なくとも単一な値に限定されない、好適にはアルコール濃度が例えば0%から100%の範囲で変化しても動作に支障のない、所謂FFV(Flexible Fuel Vehicle)用の内燃機関として構成されていてもよい。
【0030】
アルコール混合燃料が使用される場合、アルコールの気化潜熱がガソリンよりも高いことに起因して、燃料としてガソリンのみを使用する場合と較べ、燃焼温度を抑制することが可能となるため、ノッキングの発生等による燃焼性能の低下が生じ難い反面、アルコールがガソリンよりも気化し難いことに起因して、総じて低温時の始動性が低下し易い。従って、循環系を介して所定部位に熱を供給することによってアルコールの気化を助長せしめることにより、燃焼性能の低下を抑制しつつ低温始動性を向上させるといった、実践的にみて極めて有益な効果が奏される。
【0031】
本発明に係るハイブリッド車両の制御装置の他の態様では、前記内燃機関が未暖機状態にあるか否かを判別する第2判別手段と、前記内燃機関が前記未暖機状態にある場合に作動するように前記電動機システムを制御する第2制御手段とを更に具備する。
【0032】
この態様によれば、例えばECU等の各種処理ユニット、各種コントローラ或いはマイコン装置等各種コンピュータシステム等として構成される第2判別手段の作用により、内燃機関が未暖機状態にあるか否かが判別される。ここで、「未暖機状態」とは、内燃機関の燃焼状態が、通常の(例えば、十分な時間運転が継続された後の)燃焼状態よりも低下し得る状態を包括する概念であり、例えば機関温度や冷却水温度等によって代替的に表され得る発熱状態を包括する概念である。未暖機状態にあるか否かに係る判別に際しての判別基準は、このような概念の範囲内において如何なる態様を有していてもよく、例えば、これら機関温度内又は冷却水温度等に基づいて係る判別がなされてもよいし、内燃機関始動後の経過時間、或いは内燃機関が停止状態にあった期間の長さ等に基づいて係る判別がなされてもよい。更には、内燃機関及び電動機システムを含むものとしてのハイブリッド車両の運転条件に基づいて、予め設定されるアルゴリズムや算出式に従って係る判別がなされてもよい。
【0033】
一方、内燃機関が未暖機状態にある場合、例えばECU等の各種処理ユニット、各種コントローラ或いはマイコン装置等各種コンピュータシステム等として構成される第2制御手段の作用により、電動機システムが作動せしめられる。電動機システムが作動せしめられることによって、少なくとも電動機の作動期間の一部、好適には電動機システムの作動期間の全域について、循環系による熱交換が行われる。従って、上述したように、内燃機関の所定部位の温度が、何らこの種の熱交換がなされない場合と比較して上昇せしめられ、内燃機関の燃焼性能が向上する。このため、内燃機関が始動する際(即ち、未暖機状態における始動であり、エミッションが顕著に悪化し易い状況である)に、所定部位における燃料の霧化を促進してエミッションを低減することが可能となる。即ち、この態様によれば、特にエミッションの悪化が生じ易い内燃機関の未暖機時に、燃焼性能の向上を図ることができるという、実践的にみて極めて有益な効果が奏される。
【0034】
尚、この態様では、前記所定部位の温度を特定する第1特定手段と、前記内燃機関が前記未暖機状態にあり且つ前記特定された所定部位の温度が所定値未満である場合に作動しないように前記内燃機関を制御する第3制御手段とを具備してもよい。
【0035】
この場合、例えばECU等の各種処理ユニット、各種コントローラ或いはマイコン装置等各種コンピュータシステム等として構成される第1特定手段の作用により、例えば吸気ポート等の所定部位の温度が特定される。そして、内燃機関が未暖機状態にあり、且つこの特定される温度が所定値未満である場合、例えばECU等の各種処理ユニット、各種コントローラ或いはマイコン装置等各種コンピュータシステム等として構成される第3制御手段の作用により、内燃機関が作動しないように制御される。即ち、このような条件下でハイブリッド車両の始動要求或いは走行要求が生じた場合、その動力が電動機のみにより供給され、所謂「EV走行」と称される走行態様を採ることになる。
【0036】
従って、この場合、循環系の作用により、例えば吸気ポート等所定部位の温度が相応に上昇せしめられた後に、即ち燃料の霧化が相応に担保された条件において内燃機関の作動が許可されるため、燃料の霧化が阻害されることによる未燃燃料の排出量が低下し、エミッションを低減することが可能となる。但し、このような第3制御手段による制御は、ハイブリッド車両の走行に係る要請に対し常に優先するものでなくともよく、例えば内燃機関の冷間始動時等においてハイブリッド車両が急加速等の高負荷条件に陥り、電動機の動力のみによって要求出力を賄えないような事態が生じた場合等には、未暖機状態にある内燃機関を作動させてもよい。このように未暖機状態にあり且つ所定部位が未だ十分に昇温せしめられていない状況において作動を余儀なくされた場合であっても、本発明に係る、電動機システムの発熱を内燃機関の一部の暖機に供することによる効果は何ら阻害されるものではない。
【0037】
尚、本発明における「特定」とは、例えば電気的、物理的、化学的、機械的又は機構的な検出手段により直接的に又は間接的に検出することに限定されず、例えばこれら直接的に又は間接的に検出された値を例えば電気的な信号又はデータとして取得することを含み、更には、このように取得された信号又はデータ等から予め設定されたアルゴリズムや算出式に基づいて算出又は導出することをも含む広い概念である。
【0038】
尚、特定される「所定部位の温度」とは、必ずしも厳密に所定部位の温度そのものでなくてもよく、所定部位の温度と判断し得る、代替し得る又は置換し得る或いは最終的に何らかの対応関係に基づいて所定部位の温度を導き得る物理量であってもよい。例えば、所定部位の温度とは、冷却水温等、循環系における循環液の温度に基づいて導き出されてもよい。この場合、循環液の温度と所定部位の温度との相関は、然るべき記憶手段に予めマップ等として記憶されていてもよい。これら所定部位の温度として何らかの指標値が利用される場合には、「所定値未満である」とは無論、所定値未満と判断され得る値であることを意味する。
【0039】
また、このような所定部位の温度に係る所定値とは、何らこのような暖機をなさない場合と比較して幾らかなりとも上昇せしめられた温度である限りにおいて何ら限定されず、例えば、予め実験的に、経験的に或いはシミュレーション等に基づいて、燃料の霧化を必要にして十分に促進し得る程度の温度として設定されていてもよい。
【0040】
本発明に係るハイブリッド車両の制御装置の他の態様では、前記循環系は、前記循環供給される循環液を冷却可能な冷却手段を更に備え、前記循環液を、前記冷却手段を介して循環供給する第1経路及び前記冷却手段を介することなく循環供給する、少なくとも一部が前記第1経路と異なる第2経路を含む複数の循環経路で循環供給することが可能に構成されると共に、前記循環液の循環経路を前記複数の循環経路の中で切り替えることが可能な切り替え手段を更に備えており、前記ハイブリッド車両の制御装置は、前記電動機システムの温度を特定する第2特定手段を更に具備し、前記第1制御手段は、前記特定された電動機システムの温度に応じて前記切り替え手段を制御する。
【0041】
この態様によれば、循環系は、循環液の循環経路として、少なくとも第1経路及び第2経路を採ることが可能に構成される。第1経路は、例えばラジエータ等の冷却手段を介し、循環液に生じた熱を、例えば大気との熱交換を介して冷却することが可能な経路であり、第2経路は、このような冷却手段を介さない経路である。これら二つの経路は、上述したように冷却手段の介在の有無に鑑みれば少なくとも一部が相違するものであるが、例えば冷却手段に連通する経路以外の部分については、相互に共通の経路であってよい。但し、無論相互に全く独立した経路であってもよい。このような複数の循環経路は、例えば切り替え弁等の切り替え手段により切り替え可能に構成される。
【0042】
一方、この態様によれば、例えばECU等の各種処理ユニット、各種コントローラ或いはマイコン装置等各種コンピュータシステム等として構成される第2特定手段の作用により、電動機システムの温度が特定される。ここで、電動機システムの温度とは、必ずしも厳密に電動機システムの温度そのものでなくてもよく(電動機システムが複合体となり得ることに鑑みれば、元より各部で温度は若干相違する方が自然である)、電動機システムの温度と判断し得る、代替し得る又は置換し得る或いは最終的に何らかの対応関係に基づいて電動機システムの温度を導き得る物理量であってもよい。例えば、電動機システムの温度とは、冷却水温等、循環系における循環液の温度によって代替的に表されてもよい。この場合、循環液の温度と電動機システムの温度との相関は、然るべき記憶手段に予めマップ等として記憶されていてもよい。
【0043】
ここで特に、循環系と対象系との間で熱交換がなされ、経時的には熱平衡状態に陥り得ることに鑑みれば、対象系を構成する所定部位及び電動機システム相互間の温度差は、少なくとも実践的にみて問題が顕在化しない程度の差異しか有さない場合が多い。従って、第2特定手段とは、前述した第1特定手段と同一であってもよい。また、このような条件の有無によらず、第1及び第2特定手段は、少なくとも一部が相互に共通のハードウェア構成を有していてもよい。
【0044】
第1制御手段は、この電動機システムの温度に応じて第1経路と第2経路とを切り替える。元より循環系が電動機システムの冷却系統として機能し得る、或いは主としてこのような冷却系統として機能することに鑑みれば、電動機システムが、例えばシステムの動作に支障をきたす程度に、或いはシステムの動作に支障をきたさないまでも回避した方が無難であると判断される程度に高温であれば、より冷却効果の高い経路を選択する方が自然である。一方で、電動機システムの温度が総じて低い期間では、前述したように所定部位の暖機を優先し、燃料の霧化を促進する方がよい場合もある。従って、電動機システムの温度に応じて循環経路が切り替えられることによって、効率的且つ効果的に内燃機関のエミッションを低減することが可能となる。尚、電動機システムの温度に応じた循環経路の切り替え態様は、例えば予め実験的に、経験的に或いはシミュレーション等に基づいて、電動機システムの保護とエミッションの低減とを両立し得るように決定されていてもよい。
【0045】
尚、この態様では、前記第1制御手段は、前記特定された電動機システムの温度が上限値以上である場合に前記循環経路が前記第1経路となるように、且つ前記特定された電動機システムの温度が前記上限値以下として設定される下限値未満である場合に前記循環経路が前記第2経路となるように前記切り替え手段を制御してもよい。
【0046】
この場合、上限値及び下限値を適切に、例えば上限値については、これ以上上昇した場合には電動機システムに何らかの悪影響が生じる可能性が高いと判断される温度、又はこのような温度よりも低くなるように一定又は不定のオフセットを与えた温度等に設定することにより、第1制御手段の処理負荷を軽くしつつ、第1経路による冷却効果と、第2経路による所定部位の暖機効果とを両立し、効率的且つ効果的に内燃機関のエミッションを低減することが可能となる。
【0047】
尚、下限値とは、上限値以下の値であり、無論上限値であってもよいが、この場合頻繁に循環経路の切り替わりが生じる可能性がある。従って、一旦上限値を超えた場合には、上限値未満の値に低下するまでは循環経路を維持してもよい。一方で、上限値は電動機システムの性能に影響を与え得る指標であるから、電動機システムの温度が上限値に達した場合には速やかに第1経路に切り替えるのが望ましい。
【0048】
循環経路が複数設定される本発明に係るハイブリッド車両の制御装置の他の態様では、前記第1制御手段は、前記内燃機関が作動している場合に前記循環経路が前記第1経路となるように前記切り替え手段を制御する。
【0049】
第1制御手段による循環経路の切り替え制御は、無論内燃機関の作動状態によらずなされてよいが、内燃機関が作動している期間(以下、適宜「内燃機関の作動期間」と称する)には、必然的に内燃機関の機関温度は上昇するから、気筒内へ吸入される吸入空気に係る吸気温度を低下させ燃焼温度を低下させることによってノッキング等の発生を抑制するために、吸気ポート等所定部位の温度は逆に冷却した方がよい場合がある。そこで、このように、第1制御手段が、内燃機関の作動期間については循環液の循環経路が第1経路となるように切り替え制御手段を制御することにより、逆に言えば、内燃機関の動作期間外についてのみ循環液の循環経路が電動機システムの温度に応じて切り替わるように切り替え手段を制御することにより、内燃機関のエミッションを効率的且つ効果的に低減することが可能となる。
【0050】
尚、内燃機関の作動期間であっても、内燃機関が未暖機状態にある期間は生じ得るから、内燃機関の作動期間であっても、内燃機関の暖機状態を規定し得る、例えば機関温度や冷却水温等が設定値を超えるまでは、電動機システムの温度に応じた切り替え手段の制御を継続してもよい。ここで述べられる「内燃機関が作動している場合に」、とは即ち、このような限定的な意味合いを含んだ概念である。
【0051】
本発明のこのような作用及び他の利得は次に説明する実施形態から明らかにされる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0052】
<発明の実施形態>
以下、図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明する。
<1:第1実施形態>
<1−1:実施形態の構成>
<1−1−1:ハイブリッド車両の構成>
始めに、図1を参照して、本発明の第1実施形態に係るハイブリッド車両10の構成について説明する。ここに、図1は、ハイブリッド車両10のブロック図である。
【0053】
図1において、ハイブリッド車両10は、ECU100、エンジン200、モータシステム300、第1冷却系統400及び第2冷却系統500を備えた、本発明に係る「ハイブリッド車両」の一例である。
【0054】
図1において、ECU100は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等を備え、ハイブリッド車両10の動作全体を制御することが可能に構成された電子制御ユニットであり、本発明に係る「ハイブリッド車両の制御装置」の一例である。ECU100は、ROMに格納された制御プログラムに従って、後述する冷却系統制御処理を実行することが可能に構成されている。
【0055】
エンジン200は、本発明に係る「内燃機関」の一例たるガソリンエンジンであり、ハイブリッド車両10の主たる動力源として機能する。尚、エンジン200の詳細な構成については後述する。
【0056】
モータシステム300は、モータ310、インバータ320及びバッテリ330を備えた、本発明に係る「電動機システム」の一例である。
【0057】
モータ310は、例えば同期電動発電機として構成され、外周面に複数個の永久磁石を有するロータと、回転磁界を形成する三相コイルが巻回されたステータとを備えた、本発明に係る「電動機」の一例である。モータ310は、エンジン200と共に、ハイブリッド車両10の動力源として機能するように構成されている。より具体的には、モータ310によって出力される動力は、後述するエンジン200のクランクシャフト205に連結されたハイブリッド車両10の車軸(不図示)に動力として供給される。ハイブリッド車両10は、係る車軸に供給されるエンジン200の動力及びモータ310の動力を使用して走行することが可能に構成された、所謂パラレル方式のハイブリッド車両である。
【0058】
インバータ320は、モータ310におけるトルク及び回転速度等の出力特性を制御する制御ユニットである。インバータ320は、バッテリ330から取り出した直流電力を交流電力に変換してモータ310に供給すると共に、モータ310によって発電された交流電力を直流電力に変換してバッテリ330に供給することが可能に構成されている。尚、インバータ320は、ECU100と電気的に接続されており、ECU100による制御を受けて、モータ310の出力特性を制御することが可能に構成されている。
【0059】
バッテリ330はモータ310を力行するための電力に係る電力供給源として機能することが可能に構成された充電可能な蓄電池であり、インバータ320と電気的に接続されている。
【0060】
第1冷却系統400は、ラジエータ410、デリバリパイプ420、バイパスパイプ430、電動ポンプ440、切り替え制御弁450、切り替え制御弁460及び温度センサ470を備え、冷却水(即ち、本発明に係る「循環液」の一例)を循環供給することによってモータシステム300及びエンジン200のシリンダヘッド200a内に設置される、後述する吸気ポートとの間で熱交換を(顕著には冷却を)行うことが可能に構成された、本発明に係る「循環系」の一例である。
【0061】
ラジエータ410は、循環する過程で温まった冷却水を外気との熱交換によって冷却することが可能に構成された、本発明に係る「冷却手段」の一例である。
【0062】
デリバリパイプ420は、冷却水の主たる循環経路を構成する管状部材であり、エンジン200の吸気ポート、モータ310及びインバータ320(即ち、上述した「対象系」の一例)と冷却水との熱交換が可能となるように、これら対象系の周囲に張り巡らされている。デリバリパイプ420上には、ラジエータ410が設けられており、これら対象系との熱交換によって温められた冷却水は、ラジエータ410により冷却される構成となっている。
【0063】
バイパスパイプ430は、デリバリパイプ420においてラジエータ410に対応する一部区間を迂回するように設けられた管状部材である。従って、バイパスパイプ430を流れる冷却水は、ラジエータ410を介した冷却がなされることなく係る対象系との熱交換に供される構成となっている。
【0064】
電動ポンプ440は、図示せぬ冷却水タンクから汲み上げた冷却水を、デリバリパイプ420、場合によっては更にバイパスパイプ430内に循環供給せしめるための圧送手段である。電動ポンプ440は、ECU100と電気的に接続されており、ECU100によってその動作が制御される構成となっている。
【0065】
切り替え制御弁450及び460は、相互に同一の構成を有する切り替え弁であり、その切り替え状態に応じて、冷却水の循環経路を、バイパスパイプ430を介さない(即ち、デリバリパイプ420のみを使用する)第1経路(ラジエータ410を介する経路であり、即ち、本発明に係る「第1経路」の一例)と、デリバリパイプ420の一部をバイパスパイプ430によって迂回せしめる第2経路(ラジエータ410を介さない経路であり、本発明に係る「第2経路」の一例)との間で切り替えることが可能に構成されている。切り替え制御弁450及び460は、夫々ECU100と電気的に接続されており、その切り替え状態は、ECU100によって制御される構成となっている。
【0066】
温度センサ470は、第1冷却系統400において循環供給される冷却水の温度(以下、適宜「モータシステム冷却水温」と称する)を検出可能なセンサである。温度センサ470は、ECU100と電気的に接続されており、検出されたモータシステム冷却水温Tmは、ECU100によって常に把握される構成となっている。
【0067】
第2冷却系統500は、ラジエータ410と同等のラジエータ510を備え、エンジン200において発熱を伴う、例えばシリンダヘッド200a及びシリンダブロック200b等の各部位と冷却水との間で熱交換が行われるように、且つ係る熱交換が行われた状態の冷却水がラジエータ510により冷却せしめられるように、冷却水を循環供給することが可能に構成されている。
【0068】
<1−1−2:エンジンの詳細構成>
次に、図2を参照して、エンジン200の詳細な構成について説明する。ここに、図2は、エンジン200の模式断面図である。
【0069】
図2において、エンジン200は、燃料としてエタノール混合燃料(即ち、本発明に係る「アルコール混合燃料」の一例)を使用可能に構成されたエンジンであり、本発明に係る「内燃機関」の一例である。エンジン200は、シリンダ201内にその一部たる点火プラグの一部が露出してなる点火装置202の点火動作により混合気を爆発させると共に、爆発力に応じて生じるピストン203の往復運動を、コネクションロッド204を介してクランクシャフト205の回転運動に変換することが可能に構成されている。また、クランクシャフト205近傍には、クランクシャフト205の回転位置を検出するクランクポジションセンサ206が設置されている。クランクポジションセンサ206は、ECU100と電気的に接続されており、ECU100は、クランクポジションセンサ206によって検出されたクランクシャフト205の回転位置に基づいて、点火装置202の点火時期等を制御するように構成されている。また、ECU100は、クランクシャフト205の回転位置に基づいてエンジン200の機関回転数Neを算出することが可能に構成されている。以下に、エンジン200の要部構成を、その動作の一部と共に説明する。
【0070】
シリンダ201内における燃料の燃焼に際し、外部から吸入された空気は吸気管207を通過し、吸気ポート213において、インジェクタ214から噴射された燃料と混合されて前述の混合気となる。燃料は、燃料タンク215に貯留されており、低圧ポンプ217の作用によりデリバリパイプ216を介してインジェクタ214に圧送供給されている。インジェクタ214は、ECU100と電気的に接続されており、この供給される燃料を、ECU100の制御に従って吸気ポート213に噴射することが可能に構成されている。
【0071】
吸気管207上には、クリーナ208が配設されており、外部から吸入される空気が浄化される構成となっている。クリーナ208の下流側(シリンダ側)には、エアフローメータ209が配設されている。エアフローメータ209は、ホットワイヤー式と称される形態を有しており、吸入された空気の質量流量を直接測定することが可能に構成されている。
【0072】
吸気管207におけるエアフローメータ209の下流側には、シリンダ201内部への吸入空気量を調節するスロットルバルブ210が配設されている。このスロットルバルブ210には、スロットルポジションセンサ212が電気的に接続されており、その開度が検出可能に構成されている。一方、運転者による不図示のアクセルペダルの踏み込み量は、不図示のアクセルポジションセンサによって検出され、ECU100によって把握される構成となっている。ECU100は、係るアクセルペダルの踏み込み量に基づいてスロットルバルブモータ211の駆動状態を制御する。スロットルバルブ210は、係るスロットルバルブモータ211の駆動力によって駆動される構成となっている。
【0073】
排気管221には、三元触媒223が設置されている。三元触媒223は、エンジン200から排出されるCO(一酸化炭素)、HC(炭化水素)、及びNOx(窒素酸化物)を夫々浄化することが可能な触媒である。排気管221における三元触媒223の上流側には、空燃比センサ222が配設されている。空燃比センサ222は、排気ポート220を介して排出される排気ガスから、エンジン200の空燃比を検出することが可能に構成されている。
【0074】
シリンダ201を収容する上述したシリンダブロック200bには、ウォータージャケット(符号省略)を含む循環経路内を循環供給される、第2冷却系統500に係る冷却水の温度(以下、適宜「エンジン冷却水温度」と称する)を検出するための温度センサ224が配設されている。温度センサ224は、ECU100と電気的に接続されており、検出されたエンジン冷却水温Teは、ECU100によって絶えず把握される構成となっている。
【0075】
<1−2:実施形態の動作>
ハイブリッド車両10は、動力源としてエンジン200及びモータ310を備え、これら相互間の動力配分については公知のハイブリッド車両で実施される各種態様を有することが可能である。但し、エンジン200の暖機が不十分な場合、エンジン200が作動する際、エンジン200が十分に暖機されるまでは、その負荷状態によらず、燃料状態が悪化してエミッションが悪化する可能性がある。
【0076】
ここで、本実施形態に係るハイブリッド車両10では、ECU100が、モータシステム300の作動期間においては常に電動ポンプ440を駆動せしめ、第1冷却系統400により、モータ310及びインバータ320が発熱した際の発熱量の一部をシリンダヘッド200aに収容された吸気ポート213の暖機に供することが可能に構成されている。従って、例えば、エンジン200が冷間状態から始動した場合であっても、少なくとも吸気ポート213は暖まっており、燃料の霧化が促進されることによって燃焼状態の悪化が抑制されエミッションを低減させることが可能である。
【0077】
一方、第1冷却系統400が作動する際、既に述べたように、切り替え制御弁450及び460の切り替え状態に応じて、冷却水は第1経路又は第2経路の二種類の循環経路のいずれかを介して循環せしめられる。ここで、図3及び図4を参照して、第1冷却系統400の作動状態について説明する。ここに、図3は、第1冷却系統400において第1経路が選択された場合の冷却水の流れを説明する模式図であり、図4は、同じく第2経路が選択された場合の冷却水の流れを説明する模式図である。尚、同図において、図1と重複する箇所には同一の符号を付してその説明を適宜省略することとする。
【0078】
図3において、第1経路が選択された場合、第1冷却系統400における冷却水の循環経路は、図示矢線のようになる。即ち、冷却水は、電動ポンプ440の駆動力によりデリバリパイプ420を流れる過程で、インバータ320、モータ310、シリンダヘッド200a(即ち、吸気ポート213)、切り替え制御弁460、ラジエータ410及び切り替え制御弁450を順次通過し電動ポンプ440に還流する。従って、冷却水はラジエータ410によって適宜冷却される。
【0079】
図4において、第2経路が選択された場合、第1冷却系統400における冷却水の循環経路は、図示矢線のようになる。即ち、冷却水は、電動ポンプ440の駆動力によりデリバリパイプ420を流れる過程で、インバータ320、モータ310、シリンダヘッド200a(即ち、吸気ポート213)、切り替え制御弁460、バイパスパイプ430及び切り替え制御弁450を順次通過し電動ポンプ440に還流する。従って、冷却水はラジエータ410をバイパスし、少なくとも大気との熱交換によって冷却されることなく循環し続ける。このように、モータシステム300の作動期間については、第1冷却系統400が作動し、且つ第1冷却系統400が作動している期間については、第1経路及び第2経路のいずれが選択されたとしても、またエンジン200の作動状態が如何なるものであっても、吸気ポート213の暖機効果は少なくとも担保される。
【0080】
然るに、第1経路と第2経路のいずれの経路で冷却水が循環されるかによって冷却水の温度状態は変化するから、切り替え制御弁450及び460の切り替え状態を精細に制御することによって、よりエンジン200のエミッションを低減することが可能である。そこで、本実施形態に係るハイブリッド車両10では、ECU100が冷却制御処理を実行することにより、エンジン200のエミッションを効率的且つ効果的に低減することが可能となっている。
【0081】
ここで、図5を参照して、冷却制御処理の詳細について説明する。ここに、図5は、冷却制御処理のフローチャートである。
【0082】
図5において、始めにECU100は、モータ310の作動条件であるか否かを判別する(ステップA10)。ハイブリッド車両10において、モータ310は、ハイブリッド車両10の要求出力、エンジン200の負荷状態及び暖機状態、或いはバッテリ330のSOC等に応じて作動する。例えば、比較的エンジン200の動作効率が低い低負荷領域では、主としてモータ310が、或いはモータ310のみがハイブリッド車両10の動力源として機能する。また、比較的エンジン200の動作効率が高い高負荷領域では、主としてエンジン200が、或いはエンジン200のみがハイブリッド車両10の動力源として機能する。
【0083】
また、例えばエンジン200の暖機が不十分な、例えば始動時等には、エンジン200の作動が禁止され、モータ310のみが動力源として機能する。この場合には特に、吸気ポート213がある程度暖機せしめられるまではエンジン200の作動が禁止され、エミッションの悪化が抑制される。より具体的には、ECU100は、温度センサ470によって検出されるモータシステム冷却水温Tm及び予めROMに格納されたマップに基づいて吸気ポート213の温度を推定し、予め設定された温度未満である場合にはエンジン200の作動を禁止する。但し、係る設定温度以上となった時点においても、単にエンジン200の禁止制限が解除されただけであり、エンジン200を作動させるか否かは、上述したような各種運転条件等に基づいて決定されてよい。
【0084】
また、バッテリ330のSOCが低下している場合には、モータ310による電力消費を抑制すべく、主としてエンジン200が、或いはエンジン200のみがハイブリッド車両10の動力源として機能する。
【0085】
ECU100は、例えば上述したような、モータ310の作動条件ではない場合(ステップA10:NO)、ステップA10に係る処理を繰り返し、実質的に処理を待機させると共に、モータ310の作動条件である場合には(ステップA10:YES)、インバータ320の駆動制御を介してモータ310を然るべき出力特性で作動させ、同時に電動ポンプ440の駆動制御を介して第1冷却系統400を作動させる(ステップA11)。
【0086】
第1冷却系統400を作動させると、ECU100は、ハイブリッド車両10がEV走行中、即ち、モータ310によって出力される動力のみによって走行している状態であるか否かを判別する(ステップA12)。尚、この際、ハイブリッド車両10は無論停止していてもよく、EV走行中である状態とは、即ち、モータ310が作動し且つエンジン200が停止している状態を指す。
【0087】
ハイブリッド車両10がEV走行中でない場合(ステップA12:NO)、ECU100は、切り替え制御弁450及び460の切り替え状態を制御して、第1冷却系統400における冷却水の循環経路を第1経路、即ちラジエータ410を介した経路に制御する(ステップA16)。
【0088】
ここで、EV走行中でない状態とは、即ちエンジン200も作動しているのであり、吸気ポート213の暖機が不十分である状態では上述したようにエンジン200の作動が禁止されることに鑑みれば、エンジン200において、少なくとも一定レベルの燃焼性能は担保されている。従って、この場合、ECU100は、モータシステム300の保護を優先し、冷却水を冷却可能な第1経路を選択し、切り替え制御弁450及び460の切り替え状態を制御する。
【0089】
一方、ハイブリッド車両10がEV走行中である場合(ステップA12:YES)、ECU100は、モータシステム冷却水温Tmが予め設定された上限温度Tmthよりも高いか否かを判別する(ステップA13)。ここで、上限温度Tmthとは、予め実験的に、経験的に或いはシミュレーション等に基づいて設定された、モータシステム300に許容される限界の温度であり、本発明に係る「上限値」及び「下限値」の一例である。
【0090】
モータシステム冷却水温Tmが上限温度Tmthよりも高い場合(ステップA13:YES)、ECU100は、切り替え制御弁450及び460の切り替え状態を制御して、第1冷却系統400における冷却水の循環経路を第1経路に制御する(ステップA14)。モータシステム冷却水温Tmが上限温度Tmthよりも高い場合には、即ちモータシステム300の温度は許容値を超えているのであるから、モータシステム300保護の観点から、循環経路は第1経路に制御される。
【0091】
一方、モータシステム冷却水温Tmが上限温度Tmth以下である場合(ステップA13:NO)、ECU100は、切り替え制御弁450及び460の切り替え状態を制御して、第1冷却系統400における冷却水の循環経路を第2経路に制御する(ステップA15)。即ち、この場合、冷却水はラジエータ410を介することなく循環するから、モータシステム300との熱交換によって発熱した冷却水は、冷却されることなく吸気ポート213に熱を供給し、吸気ポート213の暖機を促進させることになる。ステップA14、ステップA15及びステップA16のいずれかによって第1冷却系統400による循環経路が制御されると、処理はステップA10に戻され、一連の処理が繰り返される。
【0092】
ここで、図6を参照して、このような第1冷却系統400及び冷却制御処理の効果について説明する。ここに、図6は、モータシステム冷却水温Tmの時間特性の模式図である。
【0093】
図6において、縦軸はモータシステム冷却水温Tmであり、横軸は時刻である。図示実線として示される特性Prf1は、本実施形態に係る冷却制御処理が適用された場合のものであり、破線で示される特性Prf2は、本実施形態の比較例であり、例えば第1冷却系統400に相当する冷却系統として、第1経路に相当する経路しか有さない場合の、即ち、第1冷却系統400における冷却水の循環経路として、常に第1経路が選択されている場合に相当するものである。尚、図6は、ハイブリッド車両10がEV走行を行い且つモータ310の負荷状態が一定である場合のものである。
【0094】
特性Prf2の場合、冷却水は絶えずラジエータ410によって冷却されており、相応の時間経過の後にモータシステム冷却水温Tmは然るべき平衡温度Tm1(Tm1<Tmth)で平衡状態となる。一方、特性Prf1の場合、モータシステム冷却水温Tmが上限温度Tmth以下の領域ではラジエータ410による冷却がなされないため、モータシステム冷却水温Tmの上昇速度はPrf2と比較して圧倒的に速いものとなる。ここで、Prf2では未だモータシステム冷却水温Tm0(Tm0<Tm1)である時刻T1において、モータシステム冷却水温Tmは上限温度Tmthに到達し、この時点で第1経路と第2経路とが交互に選択されることになる。従って、時刻T1以降、モータシステム冷却水温Tmは上限温度Tmth付近の温度で概ね安定する。そして、時刻T2においてエンジン200が作動すると、循環経路は第1経路となり、時刻T3において、モータシステム冷却水温Tmは平衡温度Tm1で平衡状態となる。尚、エンジン200の作動期間においては、エンジン200が燃料の燃焼により暖められるため、逆に吸気ポート213の温度を低下させることによって吸気温度を低下させ、ノッキングの発生を抑止して燃焼状態の悪化に伴うエミッションを低減させることが可能となる。
【0095】
このように、本実施形態によれば、吸気ポート213を熱交換の対象として含む第1冷却系統400によって、基本的にその作動期間については吸気ポート213の暖機効果が得られ、エンジン200のエミッションが低減されると共に、第1冷却系統400がバイパスパイプ430を備えることによって、モータシステム300の温度を早期に上昇させ、吸気ポート213をより効果的に暖機することが可能となっている。即ち、エンジン200のエミッションを効率的且つ効果的に低減することが可能となるのである。
【0096】
尚、本実施形態では、燃料はエタノール混合燃料であるから、エンジン200の未暖機時においてはガソリンよりも気化状態が悪化し易い。即ち、未燃燃料の排出量が増加してエミッションが悪化し易い。従って、本実施形態に係る吸気ポート213の暖機が顕著に効果的である。
<2:第2実施形態>
第1実施形態に係る冷却制御処理においては、エンジン200の暖機状態とは無関係に、エンジン200の作動期間については第1冷却系統400における冷却水の循環経路が第1経路に制御される。この場合、吸気ポート213は相応の暖機状態にあるから、エンジン200のエミッションは、何らこのような制御がなされない場合と比較して十分に低減されるが、エンジン200が十分に暖機されていない状態では、吸気ポート213の温度が上限温度Tmthより低い平衡温度Tm1まで低下することによって、エミッション低減の効果が最大限引き出されない可能性もある。そこで、図7を参照し、そのような問題に対処し得る本発明の第2実施形態に係る冷却制御処理について説明する。ここに、図7は、本発明の第2実施形態に係る冷却制御処理のフローチャートである。尚、同図において、図5と重複する箇所には同一の符号を付してその説明を適宜省略することとする。
【0097】
図7において、ECU100は、ハイブリッド車両10がEV走行中でない場合(ステップA12:YES)、即ち、エンジン200の作動期間である場合、ECU100は、エンジン冷却水温Teが所定の基準温度Tethよりも高いか否かを判別する(ステップB10)。ここで、基準温度Tethとは、吸気ポート213の暖機状態とは関係なく、エンジン200の燃焼状態を良好に維持し得るものとして予め実験的に、経験的に或いはシミュレーション等に基づいて定められた温度である。エンジン200とモータシステム300とでは、作動期間における温度範囲が異なる(エンジン200の方が高温である)ため、係る基準温度Tethは、モータシステム冷却水温の上限温度Tmthよりも大きい値となっている。
【0098】
ここで、エンジン冷却水温Teが基準温度Tethよりも高ければ(ステップB10:YES)、吸気ポート213の暖機状態とは関係なくエンジン200自体の燃焼状態が良好となるため、即ちエミッション悪化の懸念が払拭されるため、ECU100は、第1冷却系統400における冷却水の循環経路を第1経路に制御し、吸気温を低下させることによって燃焼性能の更なる向上を図る(ステップA14)。
【0099】
一方で、エンジン冷却水温Teが基準温度Teth以下である場合(ステップB10:NO)、エンジン200の作動期間とは言え、エンジン200の暖機状態は不十分であるため、吸気ポート213を最大限高温に維持するために、ECU100は、処理をステップA13に戻し、第1冷却系統400における冷却水の循環経路を、モータシステム冷却水温Tmに応じて切り替える。この結果、エンジン200の作動期間であっても、エンジン200の暖機が不十分であると推定される場合には、吸気ポート213が高温に維持され、吸気ポート213における燃料の霧化を促進してエンジン200のエミッションを低減することが可能となる。
【0100】
次に、図8を参照して、このような第2実施形態に係る効果について説明する。ここに、図8は、モータシステム冷却水温Tmとエンジン冷却水温Teの時間経過の模式図である。尚、同図において、図6と重複する箇所には同一の符号を付してその説明を適宜省略する。
【0101】
図8において、横軸には時刻が表されており、縦軸には温度が表されている。図示特性Prf3は、モータシステム冷却水温Tmの特性であり、図示特性Prf4は、エンジン冷却水温Teの特性である。
【0102】
今、図示時刻T4以前には、ハイブリッド車両10はEV走行をしており、モータシステム冷却水温Tmが上昇している。ここで、例えば時刻T4においてエンジン200が作動を開始したとすると、時刻T4を境にエンジン冷却水温Teは急激に上昇する。
【0103】
一方、第1実施形態の制御に従えば、エンジン200が作動し始めた時刻T4において第1冷却系統400における冷却水の循環経路は第1経路に制御され、モータシステム冷却水温Tmは平衡温度Tm1で平衡状態となる。然るに本実施形態では、時刻T4におけるエンジン冷却水温Teの値が基準温度Tethよりも低いため、ECU100は循環経路をモータシステム冷却水温Tmに応じて制御する。この結果、エンジン冷却水温Teが基準温度Teth到達する時刻T5までは、モータシステム冷却水温Tmは概ね上限温度Tmthに維持される。そして、時刻T5以降は、第1冷却系統400における冷却水の経路が第1経路に制御されモータシステム冷却水温Tmは最終的に平衡温度Tm1まで低下する。一方、エンジン200における第2冷却系統500の冷却水は、ラジエータ510により冷却されており、エンジン冷却水温Teは、時刻T6において平衡温度Te1に到達し、平衡温度Te1に維持される。
【0104】
このように、第2実施形態に係る冷却制御処理によれば、エンジン200が作動しても、エンジン200が未暖機状態である場合には、第1冷却系統400における冷却水の循環経路がモータシステム冷却水温Tmに応じて制御され、上限温度Tmth付近で維持される。従って、エンジン200が未暖機状態にある場合には、吸気ポート213の暖機を継続して燃料の霧化を促進し、エンジン200におけるエミッションを効率的且つ効果的に低減することが可能となる。
【0105】
本発明は、上述した実施形態に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴うハイブリッド車両の制御装置もまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。
【図面の簡単な説明】
【0106】
【図1】本発明の第1実施形態に係るハイブリッド車両のブロック図である。
【図2】図1のハイブリッド車両におけるエンジンの模式図である。
【図3】図1のハイブリッド車両に備わる第1冷却系統における冷却水の流れを説明する模式図である。
【図4】図1のハイブリッド車両に備わる第1冷却系統における冷却水の流れを説明する他の模式図である。
【図5】ECUが実行する冷却制御処理のフローチャートである。
【図6】図5の冷却制御処理の効果に係るモータシステム冷却水温の模式図である。
【図7】本発明の第2実施形態に係る冷却制御処理のフローチャートである。
【図8】図7の冷却制御処理の効果に係るモータシステム冷却水温及びエンジン冷却水温の模式図である。
【符号の説明】
【0107】
10…ハイブリッド車両、100…ECU、200…エンジン、201…シリンダ、203…ピストン、205…クランクシャフト、300…モータシステム、310…モータ、320…インバータ、330…バッテリ、400…第1冷却系統、410…ラジエータ、420…デリバリパイプ、430…バイパスパイプ、440…電動ポンプ、450…切り替え制御弁、460…切り替え制御弁、470…温度センサ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内燃機関、該内燃機関と共に動力源となる少なくとも一つの電動機を含む電動機システム、並びに前記内燃機関において燃料の燃焼に関連するものとして規定される所定部位及び前記電動機システムと循環液との間で熱交換がなされるように前記循環液を循環供給することが可能な循環系を備えたハイブリッド車両を制御するハイブリッド車両の制御装置であって、
前記電動機システムが作動状態にあるか否かを判別する第1判別手段と、
前記電動機システムが作動状態にある期間の少なくとも一部において前記熱交換がなされるように前記循環系を制御する第1制御手段と
を具備することを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
【請求項2】
前記所定部位は、前記内燃機関の吸気ポートを含む
ことを特徴とする請求項1に記載のハイブリッド車両の制御装置。
【請求項3】
前記内燃機関は、前記燃料として少なくともアルコールを含むアルコール混合燃料を使用可能である
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のハイブリッド車両の制御装置。
【請求項4】
前記内燃機関が未暖機状態にあるか否かを判別する第2判別手段と、
前記内燃機関が前記未暖機状態にある場合に作動するように前記電動機システムを制御する第2制御手段と
を更に具備する
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のハイブリッド車両の制御装置。
【請求項5】
前記所定部位の温度を特定する第1特定手段と、
前記内燃機関が前記未暖機状態にあり且つ前記特定された所定部位の温度が所定値未満である場合に作動しないように前記内燃機関を制御する第3制御手段と
を具備する
ことを特徴とする請求項4に記載のハイブリッド車両の制御装置。
【請求項6】
前記循環系は、前記循環供給される循環液を冷却可能な冷却手段を更に備え、前記循環液を、前記冷却手段を介して循環供給する第1経路及び前記冷却手段を介することなく循環供給する、少なくとも一部が前記第1経路と異なる第2経路を含む複数の循環経路で循環供給することが可能に構成されると共に、前記循環液の循環経路を前記複数の循環経路の中で切り替えることが可能な切り替え手段を更に備えており、
前記ハイブリッド車両の制御装置は、前記電動機システムの温度を特定する第2特定手段を更に具備し、
前記第1制御手段は、前記特定された電動機システムの温度に応じて前記切り替え手段を制御する
ことを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載のハイブリッド車両の制御装置。
【請求項7】
前記第1制御手段は、前記特定された電動機システムの温度が上限値以上である場合に前記循環経路が前記第1経路となるように、且つ前記特定された電動機システムの温度が前記上限値以下として設定される下限値未満である場合に前記循環経路が前記第2経路となるように前記切り替え手段を制御する
ことを特徴とする請求項6に記載のハイブリッド車両の制御装置。
【請求項8】
前記第1制御手段は、前記内燃機関が作動している場合に前記循環経路が前記第1経路となるように前記切り替え手段を制御する
ことを特徴とする請求項6又は7に記載のハイブリッド車両の制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2007−326464(P2007−326464A)
【公開日】平成19年12月20日(2007.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−159031(P2006−159031)
【出願日】平成18年6月7日(2006.6.7)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】