位置合わせ装置及び保持装置
【課題】 複雑な位置合わせであっても精度良く行えるようにすること。
【解決手段】 支持部材110に取り付けられた光発生部101は、光源102が発生した光を、コーンミラー103の頂部104を含む反射部105によって直角方向に反射し、放射状の測定用光130を出力する。光センサ107は、円柱状穴116を有する対象物115の円柱状穴内壁面109で反射した測定用光130を検出して対応する検出信号を出力する。制御部121及び制御装置114は、前記検出信号に基づいて円柱状穴116の中心軸と支持部材110の中心軸との距離が許容値内になるように支持部材110と対象物115の少なくとも一方の位置を制御し、両者の位置合わせが終わった後、チャック120を制御して爪部材111〜113を円柱状穴内壁面109に当接させ、チャック120によって対象物115を保持する。
【解決手段】 支持部材110に取り付けられた光発生部101は、光源102が発生した光を、コーンミラー103の頂部104を含む反射部105によって直角方向に反射し、放射状の測定用光130を出力する。光センサ107は、円柱状穴116を有する対象物115の円柱状穴内壁面109で反射した測定用光130を検出して対応する検出信号を出力する。制御部121及び制御装置114は、前記検出信号に基づいて円柱状穴116の中心軸と支持部材110の中心軸との距離が許容値内になるように支持部材110と対象物115の少なくとも一方の位置を制御し、両者の位置合わせが終わった後、チャック120を制御して爪部材111〜113を円柱状穴内壁面109に当接させ、チャック120によって対象物115を保持する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の部材の相対的な位置関係を所定関係に位置合わせする位置合わせ装置、及び、前記位置合わせ装置を用いて部材を保持する保持装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、複数の部材の相対的な位置関係を所定関係に合わせるようにした位置合わせ装置が開発されている(例えば、特許文献1参照)。
前記特許文献1に記載された発明では、複数の部材を位置合わせするために、所定の位置合わせ用マークを用いて、前記マークの位置が一致するようにして複数の部材の位置合わせを行っている。
【0003】
特許文献1に記載の発明によって、位置合わせマークを用いた簡単な構成の部材であれば位置合わせを容易に行うことが可能になる。
しかしながら、ロボットや工作機械等では、ハンドやチャック等をワーク等の部材に位置合わせを行うような複雑な位置合わせ処理が行われるが、特許文献1記載の発明ではこれらに対応することが困難であるという問題がある。
【0004】
【特許文献1】特開2007−96069号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、複数の部材を位置合わせする場合、複雑な位置合わせであっても精度良く行えるようにすることを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、光源と、その頂部を含む所定領域に反射部を有し、前記光源から出力された光を前記反射部によってその中心軸と交差する方向に反射し放射状の測定用光を出力するコーンミラーとを有する光発生部と、その中心軸上に前記コーンミラーの頂部が位置するように前記光発生部が取り付けられた支持部材と、円柱状穴を有する対象物の円柱状穴内壁面で反射した前記測定用光を検出して対応する検出信号を出力する光検出手段と、前記光検出手段からの検出信号に基づいて、前記円柱状穴の中心軸と前記支持部材の中心軸との距離が所定値以下になるように前記支持部材と対象物の少なくとも一方の位置を制御する制御手段とを備えて成ることを特徴とする位置合わせ装置が提供される。
制御手段は、光検出手段からの検出信号に基づいて、円柱状穴の中心軸と支持部材の中心軸との距離が所定値以下になるように前記支持部材と対象物の少なくとも一方の位置を制御する。
【0007】
ここで、前記コーンミラーの頂部は前記支持部材に対向するように配置されて成るように構成してもよい。
また、前記コーンミラーの頂部は前記支持部材の反対方向を向くように配置されて成るように構成してもよい。
【0008】
また、前記光発生部は相互に所定距離離れて2つ配置されると共に、前記光検出手段は前記各光発生部に対応して2つ設けられ、一方の光発生部のコーンミラーの頂部は前記支持部材に対向するように配置されると共に、他方の光源のコーンミラーの頂部は前記支持部材の反対方向を向くように配置されて成り、前記制御手段は、前記2つの光検出手段からの検出信号及び前記2つの光発生部の距離に基づいて、前記円柱状穴の中心軸と前記支持部材の中心軸間の距離が所定値以下になるように前記支持部材と対象物の少なくとも一方の位置を制御すると共に、前記円柱状穴の中心軸と前記支持部材の中心軸間の傾斜角が所定値以下になるように前記支持部材と対象物の少なくとも一方の位置を制御するように構成してもよい。
【0009】
また、前記放射状光を通過させる複数のスリットを有し、前記制御手段は、各スリットを介して前記円柱状穴に照射された測定用光の円周方向にそった長さが所定値以下になるように前記支持部材と対象物の少なくとも一方の位置を制御するように構成してもよい。
【0010】
また、本発明によれば、支持部材に取り付けられ複数の可動の爪部材を有するチャックを有し、対象物に形成された円柱状穴の円柱状穴内壁面に前記複数の爪部材を当接させることによって前記対象物を保持する保持装置において、前記支持部材と対象物との位置合わせを行う位置合わせ装置として前記いずれか一に記載の位置合わせ装置を用いると共に、前記制御手段は、前記支持部材と前記円柱状穴の中心軸間の距離が所定値以下になるように前記支持部材と対象物の少なくとも一方の位置を制御した後、前記複数の爪部材が前記対象物の円柱状穴内壁面に当接するよう制御して前記対象物を保持することを特徴とする保持装置が提供される。
【0011】
制御手段は、支持部材と円柱状穴の中心軸間の距離が所定値以下になるように前記支持部材と対象物の少なくとも一方の位置を制御した後、複数の爪部材が前記対象物の円柱状穴内壁面に当接するよう制御して前記対象物を保持する。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係る位置合わせ装置によれば、複数の部材を位置合わせする場合、複雑な位置合わせであっても精度良く行うことが可能になる。
本発明に係る保持装置によれば、チャックと対象物の複雑な位置合わせを行って前記対象物を保持することが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態に係る位置合わせ装置及び保持装置について説明する。尚、以下の説明で使用する各図において、同一機能を有する部分には同一符号を付している。
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る位置合わせ装置を用いた保持装置の概略構成を示す斜視図である。
【0014】
図1において、保持装置は、円柱状の支持部材110の円柱中心軸上に取り付けられた光発生部101、光発生部101に取り付けられたレンズ106、光センサ107、支持部材110をX方向及びY方向に移動させる駆動装置114、制御部121、複数の可動の爪部材(可動爪)111、112、113を有するチャック120を備えている。
光発生部101、レンズ106、光センサ107、支持部材110、駆動装置114、制御部121は位置合わせ装置を構成している。
【0015】
光発生部101は、レーザやLED(発光ダイオード)等によって構成され、測定用の光117を発生する光源102、その頂部104を含む所定領域に反射部105を有する円錐形状のコーンミラー(円錐ミラー)103、光源102及びコーンミラー103を一体に保持する透光性のケース108を備えている。
光源102の光軸118は、支持部材110の円柱中心軸に一致しており又、コーンミラー103の中心軸119と一致している。中心軸119は頂部104を通り、コーンミラー円形底面の中心を通る線分である。
【0016】
光源102が発生したビーム状の光117は、コーンミラー103の頂部104に向けて照射される。光117は、頂部104を含む所定領域の反射部105によって光軸118と交差する方向(本実施の形態では光軸と直交する方向)に反射され、薄い円板状の放射状光となって対象物115の円柱状穴内壁面109を照射する。円柱状穴内壁面109は、その内壁面109の円周方向に沿って、線状の光130によって照射される。
ケース108には、対象物115の円柱状穴116の円柱状穴内壁面109によって反射した測定用光117を受光するレンズ106およびレンズ106を介して検出した測定用光に対応する検出信号を出力する光センサ107が一体に設けられている。光センサ107は、CCD(Charge Coupled Device)等によって構成することができる。
【0017】
支持部材110には、チャック120を構成する3つの爪部材111〜113が支持部材110の半径方向に移動可能に保持されている。爪部材111〜113は制御部121のチャック制御部124によって、支持部材110の半径方向に移動制御される。
支持部材110は、駆動装置114によって、X方向及びY方向に移動制御される。これにより、支持部材110の移動にともなって光り発生部101、レンズ106及び光センサ107も移動することになる。駆動装置114は、例えばゴニオメータによって構成することができる。
【0018】
制御部121は、光センサ107からの検出信号に基づいて、支持部材110の中心軸、換言すれば、光発生部101の中心軸である光軸118と対象物115の円柱状穴116の中心軸との間の距離(離芯量)を算出し、前記離芯量を所定値以下にするための是正量δX、δYを算出し、前記是正量が所定の基準値以下(即ち、前記離芯量が所定値以下)になるように、駆動装置114を駆動制御する支持部材制御部123を備えている。また、制御部121は、是正量が所定の基準値以下になった場合に各爪部材111〜113を支持部材110の半径外側方向に移動制御するチャック制御部124を備えている。
【0019】
制御部121は、光センサ107からの検出信号に基づいて三角測値法を用いて、支持部材110の中心軸換言すれば、光発生部101の中心軸である光軸118と対象物115の円柱状穴116の中心軸との距離を算出し、駆動装置114を制御することによって支持部材110の位置をX方向、Y方向に移動制御し、前記距離が所定値以下になるようにする。前記所定値は、支持部材110の中心、換言すればチャック120の中心軸と円柱状穴116の中心軸との距離(位置ズレ)が所定の許容範囲内にある状態である。
【0020】
制御部121は、前記距離が前記所定値以下になったとき、即ち、前記チャックの中心軸と円柱状穴116の中心軸が略一致したとき各爪部材111〜113を支持部材110の半径方向外側に向けて移動させ、全ての爪部材111〜113が対象物115の円柱状穴内壁面109に当接するように制御する。これにより、対象物115は、内側からチャック120によって保持される。
尚、光レンズ106及び光センサ107は光検出手段を構成し、又、制御部121及び駆動装置114は制御手段を構成している。また、演算部122は演算手段を構成し、チャック制御部124はチャック制御手段を構成し、支持部材制御部123は支持部材制御手段を構成している。
【0021】
図2、図3は、各々、図1に示した第1の実施の形態に係る位置合わせ装置及び保持装置の動作を説明するための正面図、平面図である。図3において、対象物115の円柱状穴116の半径をRとし、又、301は円柱状穴116の中心軸である。
また、図4は本発明の第1の実施の形態の処理を示すフローチャートである。
以下、図1乃至図4を用いて、本発明の第1の実施の形態に係る位置合わせ装置及び保持装置の動作を詳細に説明する。
【0022】
先ず、支持部材110の中心軸と対象物115の円柱状穴116の中心軸とを位置合わせする場合、図1及び図2に示すように、光発生部101を円柱状穴116に挿入した状態で、光源102からコーンミラー103の頂部104に向けて測定用光117を出力させる。光源102から出力されたビーム状の光117はコーンミラー103の頂部104を含む反射部105によって直角方向に反射され、厚みの薄い円板状の光となって対象物115の円柱状穴内壁面109を、円柱状穴内壁面109の円周方向に沿って照射する。これにより、円柱状穴内壁面109は、細い線状の測定用光130によって環状に照射されることになる。
【0023】
対象物115の円柱状穴内壁面109によって反射した前記測定用光130は、レンズ106で集光された後、光センサ107によって検出される。光センサ107は、対象物115で反射した光130を検出して対応する検出信号を出力する。
演算部122は、光センサ107からの検出信号に基づいて、支持部材110の中心軸、換言すれば、チャック120の中心軸と対象物115の円柱状穴116の中心軸との距離を所定の許容値δ内にするための制御信号を支持部材制御部123に出力して、中心軸と対象物115の円柱状穴116の中心軸との距離を所定の許容値δ内に入るように制御する。
【0024】
この処理を図4に沿って説明すると、予め許容誤差δを決定して演算部122内のメモリ(図示せず)に記憶しておく(ステップS401)。
次に、演算部122は、光センサ107からの検出信号に基づいて三角測量法を用いて、Rx1、Rx2、Ry1、Ry2を測定する(ステップS402)。ここで、支持部材110の中心軸に一致するコーンミラー103の頂部104を通る軸(即ち光軸118)を通り相互に直交する線分と、対象物115の円柱状穴116の周囲(即ち円柱状穴内壁面109)とが交差する4つの点と、頂部104を通る軸との距離を各々Rx1、Rx2、Ry1、Ry2としている。
【0025】
次に、演算部122は、差(Rx1−Rx2)の絶対値|Rx1−Rx2|が許容値δよりも大きい場合(ステップS403)、制御装置114のXYステージを駆動制御することにより、支持部材110と対象物115を相対的に(本実施の形態では支持部材110を)X方向に(Rx1−Rx2)だけ移動させた後、処理ステップS402に戻る(ステップS404)。
【0026】
一方、演算部122は、処理ステップS403において|Rx1−Rx2|が許容値δよりも大きくなく、且つ、差(Ry1−Ry2)の絶対値|Ry1−Ry2|が許容値δよりも大きい場合(ステップS405)、制御装置114のXYステージを駆動制御することにより、支持部材110と対象物115を相対的に(本実施の形態では支持部材110を)Y方向に(Ry1−Ry2)だけ移動させた後、処理ステップS402に戻る(ステップS406)。
【0027】
演算部122は、|Rx1−Rx2|と|Ry1−Ry2|が許容値δ以下になるまで前記処理を繰り返すことにより、前記チャックの中心軸と対象物115の円柱状穴116の中心軸301との距離が所定の許容値δ内に入るように支持部材制御部123に制御信号を出力して支持部材制御部123を制御する。
支持部材制御部123は、演算部122からの制御信号に応答して支持部材制御信号を出力して、前記距離が許容値δ以下になるように駆動装置114を駆動制御する。駆動装置114は、前記支持部材制御信号に応答して、支持部材110をX方向及びY方向に移動制御する。
【0028】
これにより、チャック120の中心軸と対象物115の円柱状穴116の中心軸との距離は、所定の許容値δ以下の位置ズレになり、位置合わせ処理が終了する。
この状態で、チャック制御部124は、チャック120を制御して、全ての爪部材111〜113を、支持部材110の半径方向の外側方向に移動させ、対象物115の円柱状穴内壁面109に当接させる。これにより、対象物115はチャック120によって保持されることになる。
【0029】
以上述べたように本実施の形態に係る位置合わせ装置によれば、支持部材110に取り付けられた光発生部101は、光源102が発生した光を、コーンミラー103の頂部104を含む反射部105によって直角方向に反射し、放射状の測定用光130を出力する。光センサ107は、円柱状穴116を有する対象物115の円柱状穴内壁面109で反射した測定用光130を検出して対応する検出信号を出力する。制御部121及び制御装置114は、前記検出信号に基づいて円柱状穴116の中心軸と支持部材110の中心軸との距離が許容値内になるように支持部材110と対象物115の少なくとも一方の位置を制御し、両者の位置合わせを行う。
【0030】
また、本実施の形態に係る保持装置によれば、位置合わせ装置によってチャック120の中心軸と対象物115の軸の位置合わせが終わった後、チャック120を制御して各爪部材111〜113を円柱状穴内壁面109に当接させ、チャック120によって対象物115を保持する。
したがって、複数の部材(例えば、チャック120及び対象物115)を位置合わせする場合、複雑な位置合わせであっても精度良く行うことが可能になる。
また、本実施の形態に係る保持装置によれば、チャック120と対象物115の複雑な位置合わせを行って対象物115を保持することが可能になる。
【0031】
図5は、本発明の第2の実施の形態に係る位置合わせ装置及び保持装置の動作を説明するための正面図である。
図2に示した例では、コーンミラー103の頂部104は支持部材110に対向するように配置したが、図5に示す本第2の実施の形態では、コーンミラー103の頂部104は支持部材110の反対方向を向くように配置されている。
【0032】
本第2の実施の形態においても、前記第1の実施の形態と同様にして、支持部材110に可動に取り付けられたチャック120と対象物115の中心軸を所定の許容値内に収めて位置合わせをすることができる。また、前記チャック120によって対象物115を保持することができる。
図6、図7は、各々、本発明の第3の実施の形態に係る位置合わせ装置及び保持装置の動作を説明するための正面図、平面図である。
【0033】
また、図8は、本発明の第3の実施の形態における処理を示すフローチャートである。
本第3の実施の形態では、複数(本実施の形態では2個)の光発生部101−1、101−2、各光発生部101−1、101−2に対応する複数(本実施の形態では2個)のレンズ106−1、106−2及び光センサ107−1、107−2を備えている。
各光発生部101−1、101−2に共通する光源102が出力する測定用光、コーンミラー103−1、103−2の頂部104−1、104−2は光軸118上に配置されている。両コーンミラー103−1、103−2の頂部104−1、104−2の距離は既知の距離Hに設定されている。
【0034】
このように、光発生部101−1、101−2は相互に所定距離H離れて2つ配置されると共に、光センサ106−1、106−2は各光発生部101−1、101−2に対応して2つ設けられている。また、一方の光発生部101−1又は101−2のコーンミラー103−1又は103−2の頂部104−1又は104−2は、支持部材110に対向するように配置されると共に、他方の光発生部101−2又は101−1のコーンミラー103−2又は103−1の頂部104−2又は104−1は支持部材110の反対方向を向くように配置されている。このように構成することにより、1つの光源102を両光発生部101−1、101−2に共通して使用することができ、構成を簡略化することができる。尚、両コーンミラー103−1、103−2は、頂部104−1、104−2が対向するように配置したが、底面側が対向するように配置してもよい。
【0035】
本第3の実施の形態における回路ブロック図は図1と同様であるが、2つの光センサ107−1、107−2からの検出信号が制御部121に入力され、制御部121は、2つの光センサ107−1、107−2からの検出信号及び2つの光発生部101−1、101−2の距離(即ち、両コーンミラー103−1、103−2間の距離)Hに基づいて、円柱状穴116の中心軸と支持部材110の中心軸間の距離が所定の許容値以下になるように支持部材110と対象物115の少なくとも一方の位置を制御すると共に、円柱状穴116の中心軸と支持部材110の中心軸間の傾斜角が所定値以下になるように支持部材110と対象物115の少なくとも一方(本実施の形態では支持部材110)の位置を制御する。
【0036】
即ち、本第3の実施の形態では、制御部121は、2つの光センサ107−1、107−2からの検出信号及び光発生部101−1、101−2間距離Hに基づいて、支持部材110と対象物115との距離が所定値以下になるように支持部材110と対象物115を相対的に光軸118と直行する方向に平行移動するように駆動装置114を制御すると共に、支持部材110の軸と対象物115の軸の傾きが所定値以下になるように支持部材110と対象物115とを相対的に回転させるように駆動装置114を制御する。これにより、支持部材110と対象物115の中心軸が所定の許容値に入り、位置合わせが完了する。
【0037】
前記位置合わせ処理を図8に沿って説明する。
尚、以下の説明において、コーンミラー103−1の頂部104−1を通り相互に直交する線分と対象物115の円柱状穴116の円柱状穴内壁面109とが交差する4つの点と頂部104−1との距離(測定値)を各々Rx11、Rx21、Ry11、Ry21とする。また、コーンミラー103−2の頂部104−2を通り相互に直交する線分と対象物115の円柱状穴116の円柱状穴内壁面109とが交差する4つの点と頂部104−2との距離(測定値)を各々Rx12、Rx22、Ry12、Ry22としている。
【0038】
先ず、支持部材110と対象物115との距離が所定値以下になるように支持部材110と対象物115を相対的に光軸118と直行する方向に平行移動するように駆動装置114を制御する処理を行う。
この場合、予め許容誤差δを決定して演算部122内のメモリ(図示せず)に記憶しておく(ステップS801)。
【0039】
次に、演算部122は、光センサ107からの検出信号に基づいて三角測量法を用いて、Rx11、Rx21、Ry11、Ry21を測定する(ステップS802)。
次に、演算部122は、差(Rx11−Rx21)の絶対値|Rx11−Rx21|が許容値δよりも大きい場合(ステップS803)、制御装置114のXYステージを駆動制御することにより、支持部材110と対象物115を相対的に(本実施の形態では支持部材110を)X方向に(Rx11−Rx21)だけ移動させた後、処理ステップS802に戻る(ステップS804)。
【0040】
一方、演算部122は、処理ステップS803において|Rx11−Rx21|が許容値δよりも大きくなく、且つ、差(Ry11−Ry21)の絶対値|Ry11−Ry21|が許容値δよりも大きい場合(ステップS805)、制御装置114のXYステージを駆動制御することにより、支持部材110と対象物115を相対的に(本実施の形態では支持部材110を)Y方向に(Ry11−Ry21)だけ移動させた後、処理ステップS802に戻る(ステップS806)。
【0041】
演算部122は、|Rx11−Rx21|と|Ry11−Ry21|が許容値δ以下になるまで前記処理を繰り返すことにより、前記チャックの中心軸と対象物115の円柱状穴116の中心軸301との距離が所定の許容値δ内に入るように支持部材制御部123に制御信号を出力して支持部材制御部123を制御する。
【0042】
続いて、支持部材110の軸と対象物115の軸の傾きが所定値以下になるように支持部材110と対象物115とを相対的に回転させるように制御する処理を行う。
即ち、演算部122は、処理ステップS805において、|Ry11−Ry21|が許容値δ以下になると、光センサ107からの検出信号に基づいて三角測量法を用いて、Rx12、Rx22、Ry12、Ry22を測定する(ステップS807)。
【0043】
次に、演算部122は、差(Rx12−Rx22)の絶対値|Rx12−Rx22|が許容値δよりも大きい場合(ステップS808)、制御装置114のゴニオステージを駆動制御することにより、支持部材110と対象物115を相対的に(本実施の形態では支持部材110を)Y軸回りにtan−1((Rx12−Rx22)/H)だけ軸を傾けた後、処理ステップS807に戻る(ステップS809)。
【0044】
一方、演算部122は、|Rx12−Rx22|が許容値δよりも大きくなく、且つ、差(Ry12−Ry22)の絶対値|Ry12−Ry22|が許容値δよりも大きい場合(ステップS810)、制御装置114のゴニオステージを駆動制御することにより、支持部材110と対象物115を相対的に(本実施の形態では支持部材110を)X軸回りにtan−1((Ry12−Ry22)/H)だけ軸を傾けた後、処理ステップS807に戻る(ステップS811)。
【0045】
これにより、前記チャックの中心軸と対象物115の円柱状穴116の中心軸とが平行になると共に両者の距離は所定の許容値δ内になり、位置合わせが完了することになる。
本第3の実施の形態においても、前記第1の実施の形態と同様にして、支持部材110に可動に取り付けられたチャック120と対象物115の中心軸を所定の許容値内に収めて位置合わせをすることができる。また、チャック120によって対象物115を保持することが可能である。
【0046】
また、所定の位置関係を有する複数の光発生部101−1、101−2を使用することにより、支持部材110と対象物115が相対的に傾斜している場合も、相互に平行にして位置合わせを行うことが可能になり、又、チャック120によって対象物115を保持することが可能になるという効果を奏する。
【0047】
図9、図10は、各々、本発明の第4の実施の形態に係る位置合わせ装置及び保持装置の動作を説明するための正面図、平面図である。また、図11は、光発生部101の概略構成を示す斜視図である。
図9〜図11において、本第4の実施の形態では、光源102は細いビーム状ではなく一定範囲に拡散する光を発生する。コーンミラー103の頂部104を含む反射部105の所定範囲に前記拡散する光を照射することによって、光発生部101で円柱状の放射状光を発生する。
【0048】
光発生部101は、前記放射状光を通過させる複数(本実施の形態では4つ)のスリット701を有しており、各スリット701を通った光130が測定用の光として対象物115に照射される。前記測定用光130は、光軸118方向に所定の長さを有する線分の光(光切断ライン)となる。
【0049】
本第4の実施の形態における回路ブロック図は図1と同様であるが、制御部121は、前記各スリットを介して円柱状穴116に照射された測定用光の円周方向にそった長さΔt1、Δt2、Δt3、Δt4が、各々、所定の許容値δ以下になるように支持部材110と対象物115の少なくとも一方の位置を制御する。
これにより、チャック120の中心軸と対象物115の円柱状穴116の中心軸との距離が所定の許容値δ内になり、位置合わせが完了することになる。
【0050】
本第4の実施の形態においても、前記第1の実施の形態と同様にして、支持部材110に取り付けられたチャック120と対象物115の中心軸を所定の許容値内に収めて位置合わせをすることができる。また、前記チャック120によって対象物115を保持することが可能である。
また、光軸118方向に沿って細長の開口を有する複数のスリット701を用いて光切断ラインを生成し、前記光切断ラインを用いて位置合わせを行うようにしているため、簡単な構成で位置合わせを行うことが可能になり、又、チャック120によって対象物115を保持することが可能になるという効果を奏する。
【産業上の利用可能性】
【0051】
ロボットや工作機械をはじめとして種々の分野で使用する位置合わせ装置、保持装置に利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る位置合わせ装置を用いた保持装置の概略構成を示す斜視図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係る位置合わせ装置及び保持装置の動作を説明するための正面図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係る位置合わせ装置及び保持装置の動作を説明するための平面図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態における処理を示すフローチャートである。
【図5】本発明の第2の実施の形態に係る位置合わせ装置及び保持装置の動作を説明するための正面図である。
【図6】本発明の第3の実施の形態に係る位置合わせ装置及び保持装置の動作を説明するための正面図である。
【図7】本発明の第3の実施の形態に係る位置合わせ装置及び保持装置の動作を説明するための平面図である。
【図8】本発明の第3の実施の形態における処理を示すフローチャートである。
【図9】本発明の第4の実施の形態に係る位置合わせ装置及び保持装置の動作を説明するための正面図である。
【図10】本発明の第4の実施の形態に係る位置合わせ装置及び保持装置の動作を説明するための平面図である。
【図11】本発明の第4の実施の形態に使用する光発生部の概略構成を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0053】
101・・・光発生部
102・・・光源
103・・・コーンミラー
104・・・頂部
105・・・反射部
106・・・レンズ
107・・・光センサ
108・・・ケース
109・・・円柱状穴内壁面
110・・・支持部材
111〜113・・・爪部材
114・・・駆動装置
115・・・対象物
116・・・円柱状穴
117、130・・・光
118・・・光軸
119・・・中心軸
120・・・チャック
121・・・制御部
122・・・演算部
123・・・支持部材制御部
124・・・チャック制御部
301・・・中心
701・・・スリット
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の部材の相対的な位置関係を所定関係に位置合わせする位置合わせ装置、及び、前記位置合わせ装置を用いて部材を保持する保持装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、複数の部材の相対的な位置関係を所定関係に合わせるようにした位置合わせ装置が開発されている(例えば、特許文献1参照)。
前記特許文献1に記載された発明では、複数の部材を位置合わせするために、所定の位置合わせ用マークを用いて、前記マークの位置が一致するようにして複数の部材の位置合わせを行っている。
【0003】
特許文献1に記載の発明によって、位置合わせマークを用いた簡単な構成の部材であれば位置合わせを容易に行うことが可能になる。
しかしながら、ロボットや工作機械等では、ハンドやチャック等をワーク等の部材に位置合わせを行うような複雑な位置合わせ処理が行われるが、特許文献1記載の発明ではこれらに対応することが困難であるという問題がある。
【0004】
【特許文献1】特開2007−96069号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、複数の部材を位置合わせする場合、複雑な位置合わせであっても精度良く行えるようにすることを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、光源と、その頂部を含む所定領域に反射部を有し、前記光源から出力された光を前記反射部によってその中心軸と交差する方向に反射し放射状の測定用光を出力するコーンミラーとを有する光発生部と、その中心軸上に前記コーンミラーの頂部が位置するように前記光発生部が取り付けられた支持部材と、円柱状穴を有する対象物の円柱状穴内壁面で反射した前記測定用光を検出して対応する検出信号を出力する光検出手段と、前記光検出手段からの検出信号に基づいて、前記円柱状穴の中心軸と前記支持部材の中心軸との距離が所定値以下になるように前記支持部材と対象物の少なくとも一方の位置を制御する制御手段とを備えて成ることを特徴とする位置合わせ装置が提供される。
制御手段は、光検出手段からの検出信号に基づいて、円柱状穴の中心軸と支持部材の中心軸との距離が所定値以下になるように前記支持部材と対象物の少なくとも一方の位置を制御する。
【0007】
ここで、前記コーンミラーの頂部は前記支持部材に対向するように配置されて成るように構成してもよい。
また、前記コーンミラーの頂部は前記支持部材の反対方向を向くように配置されて成るように構成してもよい。
【0008】
また、前記光発生部は相互に所定距離離れて2つ配置されると共に、前記光検出手段は前記各光発生部に対応して2つ設けられ、一方の光発生部のコーンミラーの頂部は前記支持部材に対向するように配置されると共に、他方の光源のコーンミラーの頂部は前記支持部材の反対方向を向くように配置されて成り、前記制御手段は、前記2つの光検出手段からの検出信号及び前記2つの光発生部の距離に基づいて、前記円柱状穴の中心軸と前記支持部材の中心軸間の距離が所定値以下になるように前記支持部材と対象物の少なくとも一方の位置を制御すると共に、前記円柱状穴の中心軸と前記支持部材の中心軸間の傾斜角が所定値以下になるように前記支持部材と対象物の少なくとも一方の位置を制御するように構成してもよい。
【0009】
また、前記放射状光を通過させる複数のスリットを有し、前記制御手段は、各スリットを介して前記円柱状穴に照射された測定用光の円周方向にそった長さが所定値以下になるように前記支持部材と対象物の少なくとも一方の位置を制御するように構成してもよい。
【0010】
また、本発明によれば、支持部材に取り付けられ複数の可動の爪部材を有するチャックを有し、対象物に形成された円柱状穴の円柱状穴内壁面に前記複数の爪部材を当接させることによって前記対象物を保持する保持装置において、前記支持部材と対象物との位置合わせを行う位置合わせ装置として前記いずれか一に記載の位置合わせ装置を用いると共に、前記制御手段は、前記支持部材と前記円柱状穴の中心軸間の距離が所定値以下になるように前記支持部材と対象物の少なくとも一方の位置を制御した後、前記複数の爪部材が前記対象物の円柱状穴内壁面に当接するよう制御して前記対象物を保持することを特徴とする保持装置が提供される。
【0011】
制御手段は、支持部材と円柱状穴の中心軸間の距離が所定値以下になるように前記支持部材と対象物の少なくとも一方の位置を制御した後、複数の爪部材が前記対象物の円柱状穴内壁面に当接するよう制御して前記対象物を保持する。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係る位置合わせ装置によれば、複数の部材を位置合わせする場合、複雑な位置合わせであっても精度良く行うことが可能になる。
本発明に係る保持装置によれば、チャックと対象物の複雑な位置合わせを行って前記対象物を保持することが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態に係る位置合わせ装置及び保持装置について説明する。尚、以下の説明で使用する各図において、同一機能を有する部分には同一符号を付している。
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る位置合わせ装置を用いた保持装置の概略構成を示す斜視図である。
【0014】
図1において、保持装置は、円柱状の支持部材110の円柱中心軸上に取り付けられた光発生部101、光発生部101に取り付けられたレンズ106、光センサ107、支持部材110をX方向及びY方向に移動させる駆動装置114、制御部121、複数の可動の爪部材(可動爪)111、112、113を有するチャック120を備えている。
光発生部101、レンズ106、光センサ107、支持部材110、駆動装置114、制御部121は位置合わせ装置を構成している。
【0015】
光発生部101は、レーザやLED(発光ダイオード)等によって構成され、測定用の光117を発生する光源102、その頂部104を含む所定領域に反射部105を有する円錐形状のコーンミラー(円錐ミラー)103、光源102及びコーンミラー103を一体に保持する透光性のケース108を備えている。
光源102の光軸118は、支持部材110の円柱中心軸に一致しており又、コーンミラー103の中心軸119と一致している。中心軸119は頂部104を通り、コーンミラー円形底面の中心を通る線分である。
【0016】
光源102が発生したビーム状の光117は、コーンミラー103の頂部104に向けて照射される。光117は、頂部104を含む所定領域の反射部105によって光軸118と交差する方向(本実施の形態では光軸と直交する方向)に反射され、薄い円板状の放射状光となって対象物115の円柱状穴内壁面109を照射する。円柱状穴内壁面109は、その内壁面109の円周方向に沿って、線状の光130によって照射される。
ケース108には、対象物115の円柱状穴116の円柱状穴内壁面109によって反射した測定用光117を受光するレンズ106およびレンズ106を介して検出した測定用光に対応する検出信号を出力する光センサ107が一体に設けられている。光センサ107は、CCD(Charge Coupled Device)等によって構成することができる。
【0017】
支持部材110には、チャック120を構成する3つの爪部材111〜113が支持部材110の半径方向に移動可能に保持されている。爪部材111〜113は制御部121のチャック制御部124によって、支持部材110の半径方向に移動制御される。
支持部材110は、駆動装置114によって、X方向及びY方向に移動制御される。これにより、支持部材110の移動にともなって光り発生部101、レンズ106及び光センサ107も移動することになる。駆動装置114は、例えばゴニオメータによって構成することができる。
【0018】
制御部121は、光センサ107からの検出信号に基づいて、支持部材110の中心軸、換言すれば、光発生部101の中心軸である光軸118と対象物115の円柱状穴116の中心軸との間の距離(離芯量)を算出し、前記離芯量を所定値以下にするための是正量δX、δYを算出し、前記是正量が所定の基準値以下(即ち、前記離芯量が所定値以下)になるように、駆動装置114を駆動制御する支持部材制御部123を備えている。また、制御部121は、是正量が所定の基準値以下になった場合に各爪部材111〜113を支持部材110の半径外側方向に移動制御するチャック制御部124を備えている。
【0019】
制御部121は、光センサ107からの検出信号に基づいて三角測値法を用いて、支持部材110の中心軸換言すれば、光発生部101の中心軸である光軸118と対象物115の円柱状穴116の中心軸との距離を算出し、駆動装置114を制御することによって支持部材110の位置をX方向、Y方向に移動制御し、前記距離が所定値以下になるようにする。前記所定値は、支持部材110の中心、換言すればチャック120の中心軸と円柱状穴116の中心軸との距離(位置ズレ)が所定の許容範囲内にある状態である。
【0020】
制御部121は、前記距離が前記所定値以下になったとき、即ち、前記チャックの中心軸と円柱状穴116の中心軸が略一致したとき各爪部材111〜113を支持部材110の半径方向外側に向けて移動させ、全ての爪部材111〜113が対象物115の円柱状穴内壁面109に当接するように制御する。これにより、対象物115は、内側からチャック120によって保持される。
尚、光レンズ106及び光センサ107は光検出手段を構成し、又、制御部121及び駆動装置114は制御手段を構成している。また、演算部122は演算手段を構成し、チャック制御部124はチャック制御手段を構成し、支持部材制御部123は支持部材制御手段を構成している。
【0021】
図2、図3は、各々、図1に示した第1の実施の形態に係る位置合わせ装置及び保持装置の動作を説明するための正面図、平面図である。図3において、対象物115の円柱状穴116の半径をRとし、又、301は円柱状穴116の中心軸である。
また、図4は本発明の第1の実施の形態の処理を示すフローチャートである。
以下、図1乃至図4を用いて、本発明の第1の実施の形態に係る位置合わせ装置及び保持装置の動作を詳細に説明する。
【0022】
先ず、支持部材110の中心軸と対象物115の円柱状穴116の中心軸とを位置合わせする場合、図1及び図2に示すように、光発生部101を円柱状穴116に挿入した状態で、光源102からコーンミラー103の頂部104に向けて測定用光117を出力させる。光源102から出力されたビーム状の光117はコーンミラー103の頂部104を含む反射部105によって直角方向に反射され、厚みの薄い円板状の光となって対象物115の円柱状穴内壁面109を、円柱状穴内壁面109の円周方向に沿って照射する。これにより、円柱状穴内壁面109は、細い線状の測定用光130によって環状に照射されることになる。
【0023】
対象物115の円柱状穴内壁面109によって反射した前記測定用光130は、レンズ106で集光された後、光センサ107によって検出される。光センサ107は、対象物115で反射した光130を検出して対応する検出信号を出力する。
演算部122は、光センサ107からの検出信号に基づいて、支持部材110の中心軸、換言すれば、チャック120の中心軸と対象物115の円柱状穴116の中心軸との距離を所定の許容値δ内にするための制御信号を支持部材制御部123に出力して、中心軸と対象物115の円柱状穴116の中心軸との距離を所定の許容値δ内に入るように制御する。
【0024】
この処理を図4に沿って説明すると、予め許容誤差δを決定して演算部122内のメモリ(図示せず)に記憶しておく(ステップS401)。
次に、演算部122は、光センサ107からの検出信号に基づいて三角測量法を用いて、Rx1、Rx2、Ry1、Ry2を測定する(ステップS402)。ここで、支持部材110の中心軸に一致するコーンミラー103の頂部104を通る軸(即ち光軸118)を通り相互に直交する線分と、対象物115の円柱状穴116の周囲(即ち円柱状穴内壁面109)とが交差する4つの点と、頂部104を通る軸との距離を各々Rx1、Rx2、Ry1、Ry2としている。
【0025】
次に、演算部122は、差(Rx1−Rx2)の絶対値|Rx1−Rx2|が許容値δよりも大きい場合(ステップS403)、制御装置114のXYステージを駆動制御することにより、支持部材110と対象物115を相対的に(本実施の形態では支持部材110を)X方向に(Rx1−Rx2)だけ移動させた後、処理ステップS402に戻る(ステップS404)。
【0026】
一方、演算部122は、処理ステップS403において|Rx1−Rx2|が許容値δよりも大きくなく、且つ、差(Ry1−Ry2)の絶対値|Ry1−Ry2|が許容値δよりも大きい場合(ステップS405)、制御装置114のXYステージを駆動制御することにより、支持部材110と対象物115を相対的に(本実施の形態では支持部材110を)Y方向に(Ry1−Ry2)だけ移動させた後、処理ステップS402に戻る(ステップS406)。
【0027】
演算部122は、|Rx1−Rx2|と|Ry1−Ry2|が許容値δ以下になるまで前記処理を繰り返すことにより、前記チャックの中心軸と対象物115の円柱状穴116の中心軸301との距離が所定の許容値δ内に入るように支持部材制御部123に制御信号を出力して支持部材制御部123を制御する。
支持部材制御部123は、演算部122からの制御信号に応答して支持部材制御信号を出力して、前記距離が許容値δ以下になるように駆動装置114を駆動制御する。駆動装置114は、前記支持部材制御信号に応答して、支持部材110をX方向及びY方向に移動制御する。
【0028】
これにより、チャック120の中心軸と対象物115の円柱状穴116の中心軸との距離は、所定の許容値δ以下の位置ズレになり、位置合わせ処理が終了する。
この状態で、チャック制御部124は、チャック120を制御して、全ての爪部材111〜113を、支持部材110の半径方向の外側方向に移動させ、対象物115の円柱状穴内壁面109に当接させる。これにより、対象物115はチャック120によって保持されることになる。
【0029】
以上述べたように本実施の形態に係る位置合わせ装置によれば、支持部材110に取り付けられた光発生部101は、光源102が発生した光を、コーンミラー103の頂部104を含む反射部105によって直角方向に反射し、放射状の測定用光130を出力する。光センサ107は、円柱状穴116を有する対象物115の円柱状穴内壁面109で反射した測定用光130を検出して対応する検出信号を出力する。制御部121及び制御装置114は、前記検出信号に基づいて円柱状穴116の中心軸と支持部材110の中心軸との距離が許容値内になるように支持部材110と対象物115の少なくとも一方の位置を制御し、両者の位置合わせを行う。
【0030】
また、本実施の形態に係る保持装置によれば、位置合わせ装置によってチャック120の中心軸と対象物115の軸の位置合わせが終わった後、チャック120を制御して各爪部材111〜113を円柱状穴内壁面109に当接させ、チャック120によって対象物115を保持する。
したがって、複数の部材(例えば、チャック120及び対象物115)を位置合わせする場合、複雑な位置合わせであっても精度良く行うことが可能になる。
また、本実施の形態に係る保持装置によれば、チャック120と対象物115の複雑な位置合わせを行って対象物115を保持することが可能になる。
【0031】
図5は、本発明の第2の実施の形態に係る位置合わせ装置及び保持装置の動作を説明するための正面図である。
図2に示した例では、コーンミラー103の頂部104は支持部材110に対向するように配置したが、図5に示す本第2の実施の形態では、コーンミラー103の頂部104は支持部材110の反対方向を向くように配置されている。
【0032】
本第2の実施の形態においても、前記第1の実施の形態と同様にして、支持部材110に可動に取り付けられたチャック120と対象物115の中心軸を所定の許容値内に収めて位置合わせをすることができる。また、前記チャック120によって対象物115を保持することができる。
図6、図7は、各々、本発明の第3の実施の形態に係る位置合わせ装置及び保持装置の動作を説明するための正面図、平面図である。
【0033】
また、図8は、本発明の第3の実施の形態における処理を示すフローチャートである。
本第3の実施の形態では、複数(本実施の形態では2個)の光発生部101−1、101−2、各光発生部101−1、101−2に対応する複数(本実施の形態では2個)のレンズ106−1、106−2及び光センサ107−1、107−2を備えている。
各光発生部101−1、101−2に共通する光源102が出力する測定用光、コーンミラー103−1、103−2の頂部104−1、104−2は光軸118上に配置されている。両コーンミラー103−1、103−2の頂部104−1、104−2の距離は既知の距離Hに設定されている。
【0034】
このように、光発生部101−1、101−2は相互に所定距離H離れて2つ配置されると共に、光センサ106−1、106−2は各光発生部101−1、101−2に対応して2つ設けられている。また、一方の光発生部101−1又は101−2のコーンミラー103−1又は103−2の頂部104−1又は104−2は、支持部材110に対向するように配置されると共に、他方の光発生部101−2又は101−1のコーンミラー103−2又は103−1の頂部104−2又は104−1は支持部材110の反対方向を向くように配置されている。このように構成することにより、1つの光源102を両光発生部101−1、101−2に共通して使用することができ、構成を簡略化することができる。尚、両コーンミラー103−1、103−2は、頂部104−1、104−2が対向するように配置したが、底面側が対向するように配置してもよい。
【0035】
本第3の実施の形態における回路ブロック図は図1と同様であるが、2つの光センサ107−1、107−2からの検出信号が制御部121に入力され、制御部121は、2つの光センサ107−1、107−2からの検出信号及び2つの光発生部101−1、101−2の距離(即ち、両コーンミラー103−1、103−2間の距離)Hに基づいて、円柱状穴116の中心軸と支持部材110の中心軸間の距離が所定の許容値以下になるように支持部材110と対象物115の少なくとも一方の位置を制御すると共に、円柱状穴116の中心軸と支持部材110の中心軸間の傾斜角が所定値以下になるように支持部材110と対象物115の少なくとも一方(本実施の形態では支持部材110)の位置を制御する。
【0036】
即ち、本第3の実施の形態では、制御部121は、2つの光センサ107−1、107−2からの検出信号及び光発生部101−1、101−2間距離Hに基づいて、支持部材110と対象物115との距離が所定値以下になるように支持部材110と対象物115を相対的に光軸118と直行する方向に平行移動するように駆動装置114を制御すると共に、支持部材110の軸と対象物115の軸の傾きが所定値以下になるように支持部材110と対象物115とを相対的に回転させるように駆動装置114を制御する。これにより、支持部材110と対象物115の中心軸が所定の許容値に入り、位置合わせが完了する。
【0037】
前記位置合わせ処理を図8に沿って説明する。
尚、以下の説明において、コーンミラー103−1の頂部104−1を通り相互に直交する線分と対象物115の円柱状穴116の円柱状穴内壁面109とが交差する4つの点と頂部104−1との距離(測定値)を各々Rx11、Rx21、Ry11、Ry21とする。また、コーンミラー103−2の頂部104−2を通り相互に直交する線分と対象物115の円柱状穴116の円柱状穴内壁面109とが交差する4つの点と頂部104−2との距離(測定値)を各々Rx12、Rx22、Ry12、Ry22としている。
【0038】
先ず、支持部材110と対象物115との距離が所定値以下になるように支持部材110と対象物115を相対的に光軸118と直行する方向に平行移動するように駆動装置114を制御する処理を行う。
この場合、予め許容誤差δを決定して演算部122内のメモリ(図示せず)に記憶しておく(ステップS801)。
【0039】
次に、演算部122は、光センサ107からの検出信号に基づいて三角測量法を用いて、Rx11、Rx21、Ry11、Ry21を測定する(ステップS802)。
次に、演算部122は、差(Rx11−Rx21)の絶対値|Rx11−Rx21|が許容値δよりも大きい場合(ステップS803)、制御装置114のXYステージを駆動制御することにより、支持部材110と対象物115を相対的に(本実施の形態では支持部材110を)X方向に(Rx11−Rx21)だけ移動させた後、処理ステップS802に戻る(ステップS804)。
【0040】
一方、演算部122は、処理ステップS803において|Rx11−Rx21|が許容値δよりも大きくなく、且つ、差(Ry11−Ry21)の絶対値|Ry11−Ry21|が許容値δよりも大きい場合(ステップS805)、制御装置114のXYステージを駆動制御することにより、支持部材110と対象物115を相対的に(本実施の形態では支持部材110を)Y方向に(Ry11−Ry21)だけ移動させた後、処理ステップS802に戻る(ステップS806)。
【0041】
演算部122は、|Rx11−Rx21|と|Ry11−Ry21|が許容値δ以下になるまで前記処理を繰り返すことにより、前記チャックの中心軸と対象物115の円柱状穴116の中心軸301との距離が所定の許容値δ内に入るように支持部材制御部123に制御信号を出力して支持部材制御部123を制御する。
【0042】
続いて、支持部材110の軸と対象物115の軸の傾きが所定値以下になるように支持部材110と対象物115とを相対的に回転させるように制御する処理を行う。
即ち、演算部122は、処理ステップS805において、|Ry11−Ry21|が許容値δ以下になると、光センサ107からの検出信号に基づいて三角測量法を用いて、Rx12、Rx22、Ry12、Ry22を測定する(ステップS807)。
【0043】
次に、演算部122は、差(Rx12−Rx22)の絶対値|Rx12−Rx22|が許容値δよりも大きい場合(ステップS808)、制御装置114のゴニオステージを駆動制御することにより、支持部材110と対象物115を相対的に(本実施の形態では支持部材110を)Y軸回りにtan−1((Rx12−Rx22)/H)だけ軸を傾けた後、処理ステップS807に戻る(ステップS809)。
【0044】
一方、演算部122は、|Rx12−Rx22|が許容値δよりも大きくなく、且つ、差(Ry12−Ry22)の絶対値|Ry12−Ry22|が許容値δよりも大きい場合(ステップS810)、制御装置114のゴニオステージを駆動制御することにより、支持部材110と対象物115を相対的に(本実施の形態では支持部材110を)X軸回りにtan−1((Ry12−Ry22)/H)だけ軸を傾けた後、処理ステップS807に戻る(ステップS811)。
【0045】
これにより、前記チャックの中心軸と対象物115の円柱状穴116の中心軸とが平行になると共に両者の距離は所定の許容値δ内になり、位置合わせが完了することになる。
本第3の実施の形態においても、前記第1の実施の形態と同様にして、支持部材110に可動に取り付けられたチャック120と対象物115の中心軸を所定の許容値内に収めて位置合わせをすることができる。また、チャック120によって対象物115を保持することが可能である。
【0046】
また、所定の位置関係を有する複数の光発生部101−1、101−2を使用することにより、支持部材110と対象物115が相対的に傾斜している場合も、相互に平行にして位置合わせを行うことが可能になり、又、チャック120によって対象物115を保持することが可能になるという効果を奏する。
【0047】
図9、図10は、各々、本発明の第4の実施の形態に係る位置合わせ装置及び保持装置の動作を説明するための正面図、平面図である。また、図11は、光発生部101の概略構成を示す斜視図である。
図9〜図11において、本第4の実施の形態では、光源102は細いビーム状ではなく一定範囲に拡散する光を発生する。コーンミラー103の頂部104を含む反射部105の所定範囲に前記拡散する光を照射することによって、光発生部101で円柱状の放射状光を発生する。
【0048】
光発生部101は、前記放射状光を通過させる複数(本実施の形態では4つ)のスリット701を有しており、各スリット701を通った光130が測定用の光として対象物115に照射される。前記測定用光130は、光軸118方向に所定の長さを有する線分の光(光切断ライン)となる。
【0049】
本第4の実施の形態における回路ブロック図は図1と同様であるが、制御部121は、前記各スリットを介して円柱状穴116に照射された測定用光の円周方向にそった長さΔt1、Δt2、Δt3、Δt4が、各々、所定の許容値δ以下になるように支持部材110と対象物115の少なくとも一方の位置を制御する。
これにより、チャック120の中心軸と対象物115の円柱状穴116の中心軸との距離が所定の許容値δ内になり、位置合わせが完了することになる。
【0050】
本第4の実施の形態においても、前記第1の実施の形態と同様にして、支持部材110に取り付けられたチャック120と対象物115の中心軸を所定の許容値内に収めて位置合わせをすることができる。また、前記チャック120によって対象物115を保持することが可能である。
また、光軸118方向に沿って細長の開口を有する複数のスリット701を用いて光切断ラインを生成し、前記光切断ラインを用いて位置合わせを行うようにしているため、簡単な構成で位置合わせを行うことが可能になり、又、チャック120によって対象物115を保持することが可能になるという効果を奏する。
【産業上の利用可能性】
【0051】
ロボットや工作機械をはじめとして種々の分野で使用する位置合わせ装置、保持装置に利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る位置合わせ装置を用いた保持装置の概略構成を示す斜視図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係る位置合わせ装置及び保持装置の動作を説明するための正面図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係る位置合わせ装置及び保持装置の動作を説明するための平面図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態における処理を示すフローチャートである。
【図5】本発明の第2の実施の形態に係る位置合わせ装置及び保持装置の動作を説明するための正面図である。
【図6】本発明の第3の実施の形態に係る位置合わせ装置及び保持装置の動作を説明するための正面図である。
【図7】本発明の第3の実施の形態に係る位置合わせ装置及び保持装置の動作を説明するための平面図である。
【図8】本発明の第3の実施の形態における処理を示すフローチャートである。
【図9】本発明の第4の実施の形態に係る位置合わせ装置及び保持装置の動作を説明するための正面図である。
【図10】本発明の第4の実施の形態に係る位置合わせ装置及び保持装置の動作を説明するための平面図である。
【図11】本発明の第4の実施の形態に使用する光発生部の概略構成を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0053】
101・・・光発生部
102・・・光源
103・・・コーンミラー
104・・・頂部
105・・・反射部
106・・・レンズ
107・・・光センサ
108・・・ケース
109・・・円柱状穴内壁面
110・・・支持部材
111〜113・・・爪部材
114・・・駆動装置
115・・・対象物
116・・・円柱状穴
117、130・・・光
118・・・光軸
119・・・中心軸
120・・・チャック
121・・・制御部
122・・・演算部
123・・・支持部材制御部
124・・・チャック制御部
301・・・中心
701・・・スリット
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源と、その頂部を含む所定領域に反射部を有し、前記光源から出力された光を前記反射部によってその中心軸と交差する方向に反射し放射状の測定用光を出力するコーンミラーとを有する光発生部と、
その中心軸上に前記コーンミラーの頂部が位置するように前記光発生部が取り付けられた支持部材と、
円柱状穴を有する対象物の円柱状穴内壁面で反射した前記測定用光を検出して対応する検出信号を出力する光検出手段と、
前記光検出手段からの検出信号に基づいて、前記円柱状穴の中心軸と前記支持部材の中心軸との距離が所定値以下になるように前記支持部材と対象物の少なくとも一方の位置を制御する制御手段とを備えて成ることを特徴とする位置合わせ装置。
【請求項2】
前記コーンミラーの頂部は前記支持部材に対向するように配置されて成ることを特徴とする請求項1記載の位置合わせ装置。
【請求項3】
前記コーンミラーの頂部は前記支持部材の反対方向を向くように配置されて成ることを特徴とする請求項1記載の位置合わせ装置。
【請求項4】
前記光発生部は相互に所定距離離れて2つ配置されると共に、前記光検出手段は前記各光発生部に対応して2つ設けられ、
一方の光発生部のコーンミラーの頂部は前記支持部材に対向するように配置されると共に、他方の光源のコーンミラーの頂部は前記支持部材の反対方向を向くように配置されて成り、
前記制御手段は、前記2つの光検出手段からの検出信号及び前記2つの光発生部の距離に基づいて、前記円柱状穴の中心軸と前記支持部材の中心軸間の距離が所定値以下になるように前記支持部材と対象物の少なくとも一方の位置を制御すると共に、前記円柱状穴の中心軸と前記支持部材の中心軸間の傾斜角が所定値以下になるように前記支持部材と対象物の少なくとも一方の位置を制御することを特徴とする請求項1記載の位置合わせ装置。
【請求項5】
前記放射状光を通過させる複数のスリットを有し、前記制御手段は、各スリットを介して前記円柱状穴に照射された測定用光の円周方向にそった長さが所定値以下になるように前記支持部材と対象物の少なくとも一方の位置を制御することを特徴とする請求項1記載の位置合わせ装置。
【請求項6】
支持部材に取り付けられ複数の可動の爪部材を有するチャックを有し、対象物に形成された円柱状穴の円柱状穴内壁面に前記複数の爪部材を当接させることによって前記対象物を保持する保持装置において、
前記支持部材と対象物との位置合わせを行う位置合わせ装置として請求項1乃至5のいずれか一に記載の位置合わせ装置を用いると共に、前記制御手段は、前記支持部材と前記円柱状穴の中心軸間の距離が所定値以下になるように前記支持部材と対象物の少なくとも一方の位置を制御した後、前記複数の爪部材が前記対象物の円柱状穴内壁面に当接するよう制御して前記対象物を保持することを特徴とする保持装置。
【請求項1】
光源と、その頂部を含む所定領域に反射部を有し、前記光源から出力された光を前記反射部によってその中心軸と交差する方向に反射し放射状の測定用光を出力するコーンミラーとを有する光発生部と、
その中心軸上に前記コーンミラーの頂部が位置するように前記光発生部が取り付けられた支持部材と、
円柱状穴を有する対象物の円柱状穴内壁面で反射した前記測定用光を検出して対応する検出信号を出力する光検出手段と、
前記光検出手段からの検出信号に基づいて、前記円柱状穴の中心軸と前記支持部材の中心軸との距離が所定値以下になるように前記支持部材と対象物の少なくとも一方の位置を制御する制御手段とを備えて成ることを特徴とする位置合わせ装置。
【請求項2】
前記コーンミラーの頂部は前記支持部材に対向するように配置されて成ることを特徴とする請求項1記載の位置合わせ装置。
【請求項3】
前記コーンミラーの頂部は前記支持部材の反対方向を向くように配置されて成ることを特徴とする請求項1記載の位置合わせ装置。
【請求項4】
前記光発生部は相互に所定距離離れて2つ配置されると共に、前記光検出手段は前記各光発生部に対応して2つ設けられ、
一方の光発生部のコーンミラーの頂部は前記支持部材に対向するように配置されると共に、他方の光源のコーンミラーの頂部は前記支持部材の反対方向を向くように配置されて成り、
前記制御手段は、前記2つの光検出手段からの検出信号及び前記2つの光発生部の距離に基づいて、前記円柱状穴の中心軸と前記支持部材の中心軸間の距離が所定値以下になるように前記支持部材と対象物の少なくとも一方の位置を制御すると共に、前記円柱状穴の中心軸と前記支持部材の中心軸間の傾斜角が所定値以下になるように前記支持部材と対象物の少なくとも一方の位置を制御することを特徴とする請求項1記載の位置合わせ装置。
【請求項5】
前記放射状光を通過させる複数のスリットを有し、前記制御手段は、各スリットを介して前記円柱状穴に照射された測定用光の円周方向にそった長さが所定値以下になるように前記支持部材と対象物の少なくとも一方の位置を制御することを特徴とする請求項1記載の位置合わせ装置。
【請求項6】
支持部材に取り付けられ複数の可動の爪部材を有するチャックを有し、対象物に形成された円柱状穴の円柱状穴内壁面に前記複数の爪部材を当接させることによって前記対象物を保持する保持装置において、
前記支持部材と対象物との位置合わせを行う位置合わせ装置として請求項1乃至5のいずれか一に記載の位置合わせ装置を用いると共に、前記制御手段は、前記支持部材と前記円柱状穴の中心軸間の距離が所定値以下になるように前記支持部材と対象物の少なくとも一方の位置を制御した後、前記複数の爪部材が前記対象物の円柱状穴内壁面に当接するよう制御して前記対象物を保持することを特徴とする保持装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2009−184081(P2009−184081A)
【公開日】平成21年8月20日(2009.8.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−27967(P2008−27967)
【出願日】平成20年2月7日(2008.2.7)
【出願人】(391030077)株式会社ソアテック (30)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年8月20日(2009.8.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年2月7日(2008.2.7)
【出願人】(391030077)株式会社ソアテック (30)
【Fターム(参考)】
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