光センシング装置及びその駆動方法
【課題】光センシング装置及びその駆動方法を提供する。
【解決手段】光センシング画素内の光センサートランジスタとスイッチトランジスタとが、それぞれ同じ構造の酸化物半導体トランジスタで形成される光センシング装置、及び前記光センシング装置の動作信頼性を向上させることができる駆動方法が提供される。光センシング装置によれば、光センシング画素内の光センサートランジスタとスイッチトランジスタとは、一つの基板上で同じ構造に隣接して形成され、スイッチトランジスタへの光の入射を防止するために、スイッチトランジスタの光入射面には光遮蔽膜がさらに配される。また、光センシング装置の駆動方法によれば、経時的なスイッチトランジスタのしきい電圧シフトを防止するために、光遮蔽膜には負(−)のバイアス電圧が印加される。
【解決手段】光センシング画素内の光センサートランジスタとスイッチトランジスタとが、それぞれ同じ構造の酸化物半導体トランジスタで形成される光センシング装置、及び前記光センシング装置の動作信頼性を向上させることができる駆動方法が提供される。光センシング装置によれば、光センシング画素内の光センサートランジスタとスイッチトランジスタとは、一つの基板上で同じ構造に隣接して形成され、スイッチトランジスタへの光の入射を防止するために、スイッチトランジスタの光入射面には光遮蔽膜がさらに配される。また、光センシング装置の駆動方法によれば、経時的なスイッチトランジスタのしきい電圧シフトを防止するために、光遮蔽膜には負(−)のバイアス電圧が印加される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光センシング装置及びその駆動方法に係り、さらに詳細には、光センシング画素内の光センサートランジスタ及びスイッチトランジスタが、それぞれ同じ構造の酸化物半導体トランジスタで形成される光センシング装置、及び前記光センシング装置の動作信頼性を向上させる駆動方法に関する。
【背景技術】
【0002】
酸化物半導体トランジスタは、チャネルの材料として酸化物半導体を使用するトランジスタである。例えば、酸化物半導体トランジスタは、基板、基板上に配されたゲート、ゲートの周囲を覆うように基板及びゲート上に配されたゲート絶縁膜、ゲート絶縁膜上に配された酸化物半導体チャネル層、及び前記チャネル層の両側を覆うように配されたソース及びドレインを備える。これらの酸化物半導体トランジスタは、チャネル層として使われる酸化物半導体の材料によって、光に敏感な特性を持つ。例えば、光に敏感な酸化物半導体材料として、ZnO系列の酸化物半導体、例えば、ZnO、TaZnO、InZnO(IZO)、GaInZnO(GIZO)などを挙げられる。これらの酸化物半導体材料をチャネル層として使用する場合、酸化物半導体トランジスタは、入射光の波長や光量によってしきい電圧及びドレイン電流が変わる特性があるため、光センシング素子として活用できる。
【0003】
前述した特性により、酸化物半導体トランジスタは、現在光センシング素子として広く使われているPN接合構造のフォトダイオードを代替できる。特に、酸化物半導体トランジスタはフォトダイオードより大きい光電流を発生させることができるため、酸化物半導体トランジスタを光センシング素子として使用する場合、光電流により発生した電荷を一定時間蓄積するために、光センシング画素内で一般的に使われるキャパシタを省略できる。例えば、光センシング画素は、光を感知するための酸化物半導体トランジスタと、データを出力するためのスイッチトランジスタだけでも簡単に構成できる。したがって、酸化物半導体トランジスタは、光を感知する多様な機器、例えば、撮像装置や光タッチスクリーンパネルなどで有効に使われる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、光センシング画素内の光センサートランジスタとスイッチトランジスタとが、それぞれ同じ構造の酸化物半導体トランジスタで形成される光センシング装置を提供することである。
また、本発明が解決しようとする課題は、前記光センシング装置の動作信頼性を向上させる駆動方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様による光センシング装置は、光を感知するための光センサートランジスタ、前記光センサートランジスタからデータを出力するためのスイッチトランジスタ、及び前記スイッチトランジスタの光入射面に配された導電性光遮蔽膜をそれぞれ備える、複数の光センシング画素のアレイと、それぞれの光センシング画素にゲート電圧及び負のバイアス電圧を提供するための第1ゲートドライバと、それぞれの光センシング画素から光センシング信号を受けてデータ信号を出力するための信号出力部と、を備える。
【0006】
また、前記第1ゲートドライバは、それぞれの光センシング画素内のスイッチトランジスタのゲート電極に連結されてゲート電圧を提供するゲートライン、及びそれぞれの光センシング画素内の導電性光遮蔽膜に連結されて負のバイアス電圧を提供するバイアスラインを備える。
前記光センシング画素のアレイは、複数の列及び行で配列された複数の光センシング画素を含み、前記第1ゲートドライバは、行方向に沿って配列されている複数のゲートラインを備え、それぞれのゲートラインは、同じ行に沿って配列されている複数の光センシング画素にゲート電圧を提供する。
【0007】
一実施態様によれば、前記第1ゲートドライバは、行方向に沿って配列されている複数のバイアスラインを備え、それぞれのバイアスラインは、同じ行に沿って配列されている複数の光センシング画素に負のバイアス電圧を提供する。
別の実施態様によれば、前記第1ゲートドライバのバイアスラインは、すべての光センシング画素に同時に同じ負のバイアス電圧を提供するように構成される。
【0008】
また、前記光センシング装置は、それぞれの光センシング画素にリセット信号を提供するための第2ゲートドライバをさらに備える。
前記第2ゲートドライバは、それぞれの光センシング画素内の光センサートランジスタのゲート電極に連結されて、リセット信号を提供するリセットラインを備える。
また、前記第2ゲートドライバは、行方向に沿って配列されている複数のリセットラインを備え、それぞれのリセットラインは、同じ行に沿って配列されている複数の光センシング画素にリセット信号を提供する。
【0009】
一実施態様によれば、前記光センサートランジスタ及び前記スイッチトランジスタは、チャネル膜として酸化物半導体材料を使用する酸化物半導体トランジスタである。
また、前記光センサートランジスタ及び前記スイッチトランジスタに使われる酸化物半導体材料は互いに同一である。
例えば、前記酸化物半導体材料は、ZnO、InO、SnO、InZnO、ZnSnOまたはInSnOを含む酸化物半導体材料であるか、または前記ZnO、InO、SnO、InZnO、ZnSnOまたはInSnOにHf、Zr、Ti、Ta、Ga、Nb、V、Al、Ga及びSnのうち少なくとも一つの材料がさらに含まれた酸化物半導体材料である。
【0010】
一実施態様によれば、前記光センシング画素は、基板と、前記基板上に部分的に形成された第1ゲート電極及び第2ゲート電極と、前記基板と第1及び第2ゲート電極とを覆うように形成されたゲート絶縁膜と、前記ゲート絶縁膜上で前記第1ゲート電極と対向して配された第1チャネル膜と、前記ゲート絶縁膜上で前記第2ゲート電極と対向して配された第2チャネル膜と、前記第1チャネル膜の第1側面に形成された第1ソース/ドレイン電極と、前記第1チャネル膜の第2側面と前記第2チャネル膜の第1側面との間に形成された第2ソース/ドレイン電極と、前記第2チャネル膜の第2側面に形成された第3ソース/ドレイン電極と、前記第1ないし第3ソース/ドレイン電極と前記第1及び第2チャネル膜とを覆うように形成された透明絶縁層と、を含む。
【0011】
ここで、前記光センサートランジスタは、前記第1ゲート電極、ゲート絶縁膜、第1チャネル膜、第1及び第2ソース/ドレイン電極及び透明絶縁層を含み、前記スイッチトランジスタは、前記第2ゲート電極、ゲート絶縁膜、第2チャネル膜、第2及び第3ソース/ドレイン電極及び透明絶縁層を含む。
また、前記光遮蔽膜は、前記第2チャネル膜を遮蔽するように前記透明絶縁層上に部分的に形成されている。
また、前記第1ゲートドライバは、前記光センシング装置の動作時間と前記スイッチトランジスタのしきい電圧との関係に関する予め測定されたデータ、前記スイッチトランジスタの基準しきい電圧に関するデータ、及び前記光遮蔽膜に印加された負のバイアス電圧と前記スイッチトランジスタのしきい電圧との関係に関する予め測定されたデータをさらに含む。
【0012】
一方、本発明の別の態様による光センシング装置の駆動方法は、光センシング画素の光センシングデータ出力を制御するスイッチトランジスタ、及び前記スイッチトランジスタに対向して配された導電性光遮蔽膜を含む光センシング装置が動作する段階と、前記スイッチトランジスタのしきい電圧が基準しきい電圧より低いかどうかを確認する段階と、前記スイッチトランジスタのしきい電圧が基準しきい電圧より低ければ、前記導電性光遮蔽膜に負のバイアス電圧を印加して、前記スイッチトランジスタのしきい電圧を正の方向に移動させる段階と、を含む。
【0013】
一実施態様において、前記負のバイアス電圧は、前記スイッチトランジスタにゲート電圧が印加される時に前記光遮蔽膜に印加され、前記スイッチトランジスタへのゲート電圧の印加が中断される時に、前記光遮蔽膜への負のバイアス電圧の印加が中断される。
前記光センシング装置は、複数の列及び行で配列された複数の光センシング画素のアレイを含み、前記ゲート電圧及び負のバイアス電圧は、前記複数の光センシング画素内の前記スイッチトランジスタ及び前記光遮蔽膜に1行ずつ順次にそれぞれ提供される。
別の実施態様において、前記光センシング装置が動作する間に、前記光遮蔽膜に持続的に負のバイアス電圧が印加される。
【0014】
一実施態様において、前記スイッチトランジスタのしきい電圧が基準しきい電圧より低いかどうかを確認する段階は、前記光センシング装置の動作時間をモニタリングする段階と、前記光センシング装置の動作時間と前記スイッチトランジスタのしきい電圧との関係に関する予め測定されたデータを参照して、前記スイッチトランジスタのしきい電圧を予測する段階と、前記予測されたしきい電圧と基準しきい電圧とを比較する段階と、を含む。
別の実施態様において、前記スイッチトランジスタのしきい電圧が基準しきい電圧より低いかどうかを確認する段階は、前記光センシング装置が動作する間に前記スイッチトランジスタのしきい電圧を測定する段階と、前記測定されたしきい電圧と基準しきい電圧とを比較する段階と、を含む。
例えば、前記しきい電圧の測定は、既定の一定の時間間隔で行われる。
【0015】
一実施態様において、前記導電性光遮蔽膜に負のバイアス電圧を印加して前記スイッチトランジスタのしきい電圧を正の方向に移動させる段階は、前記光遮蔽膜に印加された負のバイアス電圧と前記スイッチトランジスタのしきい電圧との関係に関する、予め測定されたデータを参照して前記負のバイアス電圧を調節する段階を含む。
別の実施態様において、前記導電性光遮蔽膜に負のバイアス電圧を印加して、前記スイッチトランジスタのしきい電圧を正の方向に移動させる段階は、前記スイッチトランジスタのしきい電圧が基準しきい電圧と同一であるか、またはそれより大きくなるまで、既定の一定の増分ほど負のバイアス電圧を増加させた後、前記導電性光遮蔽膜に負のバイアス電圧を印加する段階と、前記スイッチトランジスタのしきい電圧が基準しきい電圧より低いかどうかを確認する段階と、を反復する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の一実施形態による光センシング装置の一つの光センシング画素の構造を概略的に示す断面図である。
【図2】図1に示した本発明の一実施形態による光センシング装置の一つの光センシング画素についての概略的な回路図である。
【図3】経時的な酸化物半導体トランジスタのしきい電圧シフト現象を示すグラフである。
【図4】光遮蔽膜に負(−)のバイアス電圧を印加した時、スイッチトランジスタのしきい電圧が正(+)の方向にシフトされる現象を示すグラフである。
【図5】本発明の一実施形態による光センシング装置の駆動方法を示すタイミング図である。
【図6】本発明の別の実施形態による光センシング装置の駆動方法を示すタイミング図である。
【図7】図5に示した方法で駆動される、本発明の一実施形態による光センシング装置の概略的な構成を例示的に示すブロック図である。
【図8】図6に示した方法で駆動される、本発明の別の実施形態による光センシング装置の概略的な構成を例示的に示すブロック図である。
【図9】動作時間とスイッチトランジスタのしきい電圧との関係を例示的に示すグラフである。
【図10】光遮蔽膜に印加された負のバイアス電圧とスイッチトランジスタのしきい電圧との関係を例示的に示すグラフである。
【図11】光遮蔽膜に適宜な負のバイアス電圧が印加されるようにバイアス電圧を調節するための、本発明の一実施形態による方法を示すフローチャートである。
【図12】光遮蔽膜に適宜な負のバイアス電圧が印加されるようにバイアス電圧を調節するための、本発明の別の実施形態による方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、添付した図面を参照して、光センシング装置及びその駆動方法について詳細に説明する。以下の図面で同じ参照符号は同じ構成要素を称し、図面上で各構成要素のサイズは、説明の明瞭性及び便宜のため誇張している。
【0018】
図1は、本発明の一実施形態による光センシング装置の一つの光センシング画素100の構造を概略的に示す断面図である。図1を参照すれば、光センシング画素100は、一つの基板101上に形成されたスイッチトランジスタ130と、光センサートランジスタ140とを備える。図1に示したように、スイッチトランジスタ130と光センサートランジスタ140とは、基板101上で直列に連結されている。例えば、スイッチトランジスタ130と光センサートランジスタ140とは、一つの共通ソース/ドレイン電極109を持つ。また、スイッチトランジスタ130と光センサートランジスタ140とは、同じ光敏感性の酸化物半導体トランジスタ構造を持つ。ただし、スイッチトランジスタ130の動作が入射光により影響されないように、スイッチトランジスタ130の光入射面には、入射光を遮断するための光遮蔽膜114がさらに配される。
【0019】
さらに具体的に説明すれば、光センシング画素100は、基板101、基板101上にそれぞれ部分的に形成された第1ゲート電極102と第2ゲート電極103、前記基板101と第1及び第2ゲート電極102,103上に全体的に塗布されたゲート絶縁膜104、第1ゲート電極102と対向するゲート絶縁膜104上の位置に形成された第1チャネル膜106、第2ゲート電極103と対向するゲート絶縁膜104上の位置に形成された第2チャネル膜107、第1チャネル膜106及び第2チャネル膜107の両側にそれぞれ形成された第1ないし第3ソース/ドレイン電極108,109,110、前記第1ないし第3ソース/ドレイン電極108,109,110と第1及び第2チャネル膜106,107上に全体的に形成された透明絶縁層119、透明絶縁層119を貫通して第1ソース/ドレイン電極108に連結された第1配線112、透明絶縁層119を貫通して第3ソース/ドレイン電極110に連結された第2配線113、及びスイッチトランジスタ130の第2チャネル膜107を遮蔽するように透明絶縁層119上に形成された光遮蔽膜114を含む。
【0020】
このような光センシング画素100の構造で、第1ゲート電極102、ゲート絶縁膜104、第1チャネル膜106、第1及び第2ソース/ドレイン電極108,109及び第1配線112は、光センサートランジスタ140を構成する。また、第2ゲート電極103、ゲート絶縁膜104、第2チャネル膜106、第2及び第3ソース/ドレイン電極109,110及び第2配線113は、スイッチトランジスタ130を構成できる。したがって、ゲート絶縁膜104と第2ソース/ドレイン電極109とは、光センサートランジスタ140及びスイッチトランジスタ130により共有される。図1に示したように、第1ソース/ドレイン電極108は、第1チャネル膜106の左側一部領域と、前記第1チャネル膜106の左側にあるゲート絶縁膜104とを覆うように形成される。また、第2ソース/ドレイン電極109は、第1チャネル膜106の右側一部領域と第2チャネル膜107の左側一部領域、及び前記第1チャネル膜106と第2チャネル膜107との間のゲート絶縁膜104を覆うように形成される。そして、第3ソース/ドレイン電極110は、第2チャネル膜107の右側一部領域と、前記第2チャネル膜107の右側にあるゲート絶縁膜104とを覆うように形成される。
【0021】
基板101及びゲート絶縁膜104は絶縁性材料からなる。もし、本発明による光センシング装置がディスプレイパネルのディスプレイ画素内に統合されるか、またはディスプレイパネルの表面上に付着される光タッチスクリーンパネルとして使われる場合、基板101及びゲート絶縁膜104は透明な絶縁性材料からなる。例えば、基板101はガラスからなり、ゲート絶縁膜104は、SiO2などの透明な絶縁性材料からなる。しかしながら、本発明による光センシング装置が一般的な撮像素子として使われる場合、基板101及びゲート絶縁膜104が透明な必要はない。また、第1ないし第3ソース/ドレイン電極108,109,110は、導電性金属または導電性金属酸化物材料からなる。本発明による光センシング装置が光タッチスクリーンパネルとして使われる場合、前記第1ないし第3ソース/ドレイン電極108,109,110は、例えば、ITOなどの透明な導電性材料からなる。透明絶縁層119は、例えば、SiO2などの透明な絶縁性材料からなる。また、第1配線112、第2配線113及び光遮蔽膜114は同じ導電性材料、例えば、金属や導電性金属酸化物からなる。特に、光遮蔽膜114の厚さは、光が透過できないようにその材料の表皮深さより厚い。
【0022】
一方、第1及び第2チャネル膜106,107は、光に敏感な酸化物半導体材料からなる。例えば、かかる酸化物半導体チャネル材料として、ZnO、InO、SnO、InZnO、ZnSnO、InSnOなどの酸化物半導体材料を使用するか、または前述した酸化物半導体材料にHf、Zr、Ti、Ta、Ga、Nb、V、Al、Ga、SnなどのIII族、IV族、XIII族またはXIV族元素の材料が一つ以上さらに混合された材料を使用できる。第1及び第2チャネル膜106,107は、それぞれ単一の酸化物半導体層で形成されてもよいが、図1に示したように、多層構造で形成されてもよい。例えば、図1には、それぞれのチャネル膜106,107が、下部チャネル膜106a,107a、中心チャネル膜106b,107b及び上部チャネル膜106c,107cを含む3層構造で形成された例を図示している。
【0023】
例えば、中心チャネル膜106b,107bは、前述したチャネル材料のうち光に対する敏感度の最も高いZnO、InO、SnO、InZnO、ZnSnOまたはInSnOからなりうる。下部チャネル膜106a,107aは、中心チャネル膜106b,107bの材料によりトランジスタのしきい電圧が過度に低くなることを防止するためのしきい電圧調節層である。例えば、下部チャネル膜106a,107bは、XZnO、XInO、XSnO、XInZnO、XZnSnOまたはXInSnO(ここで、Xは、Hf、Zr、Ti、Ta、Ga、Nb、V、Al、Ga、Snのうち少なくとも一つ)からなりうる。トランジスタのしきい電圧は、下部チャネル膜106a,107bの材料及び厚さによって0Vに近く調節される。また、上部チャネル膜106c,107cは、中心チャネル膜106b,107bを保護する保護膜の役割を行える。例えば、ソース/ドレイン電極108,109,110を形成する間に、上部チャネル膜106c,107cはエッチング阻止膜の役割を行える。また、前記上部チャネル膜106c,107cは、外部の物質による中心チャネル膜106b,107bの変形を防止するためのパッシベーション膜の役割を行える。これらの上部チャネル膜106c,107cは、例えば、MZnO、MInO、MSnO、MInZnO、MZnSnOまたはMInSnO(ここで、Mは、Hf、Zr、Ti、Ta、Ga、Nb、V、Al、Ga、Snのうち少なくとも一つ)からなりうる。
【0024】
図2は、図1に示した本発明の一実施形態による光センシング装置の一つの光センシング画素100についての回路図を概略的に示している。図2を参照すれば、光センシング画素100は、互いに直列に連結された光センサートランジスタ140及びスイッチトランジスタ130を備える。例えば、光センサートランジスタ140及びスイッチトランジスタ130は、図1の第2ソース/ドレイン電極109を通じて互いに連結されうる。光センサートランジスタ140は、入射光を感知するための光センシング素子の役割を行い、スイッチトランジスタ130は、光センシング信号を出力させるためのスイッチの役割を行う。また、図2に示したように、光センシング画素100は、スイッチトランジスタ130のゲート電極103に連結されるゲートラインGate、スイッチトランジスタ130の第3ソース/ドレイン電極110に連結されるデータラインData、光センサートランジスタ140の第1ソース/ドレイン電極108に連結される駆動電圧ラインVdd、及び光センサートランジスタ140のゲート電極102に連結されるリセットラインVresetをさらに含む。例えば、データラインDataは、第2配線113を通じて第3ソース/ドレイン電極110に電気的に連結され、駆動電圧ラインVddは、第1配線112を通じて第1ソース/ドレイン電極108に電気的に連結される。また、スイッチトランジスタ130のしきい電圧シフト現象を防止するために、光センシング画素100は、光遮蔽膜114に負(−)のバイアス電圧を印加するためのバイアスラインVbiasをさらに含む。
【0025】
このような光センシング画素100の構造で、ゲートラインGateを通じてスイッチトランジスタ130にゲート電圧が印加されれば、スイッチトランジスタ130がON状態になる。すると、スイッチトランジスタ130を通じて、光センサートランジスタ140からデータラインDataに電流が流れる。この時、光センサートランジスタ140からデータラインDataに流れる電流の量は、光センサートランジスタ140に入射する光の強度によって変化する。したがって、データラインDataを通じて流れる電流の量を測定すれば、光センサートランジスタ140に入射する光の強度を計算できる。一方、スイッチトランジスタ130にゲート電圧が印加されない間には、スイッチトランジスタ130がOFF状態になるので、データラインDataに電流が流れなくなる。
【0026】
ところが、チャネルの材料として酸化物半導体を使用する酸化物半導体トランジスタでは、光と電気によるストレスのため、経時的にしきい電圧が順次負の方向に移動する現象が発生しうる。もし、光センシング画素100のスイッチトランジスタ130でこれらの現象が発生する場合、スイッチトランジスタ130のON/OFF動作が不正確に行われる恐れがある。例えば、ゲート電圧が印加されなくてもスイッチトランジスタ130がOFF状態ではなくON状態に留まる可能性もある。これは、光センシング画素100の動作信頼性を低下させる原因となる。特に、本発明による光センシング装置が光タッチスクリーンパネルとして使われる場合、ディスプレイパネルから入射する光(例えば、液晶ディスプレイパネルの場合、バックライト光)により、このようなしきい電圧シフト現象が加速化する。図3は、経時的な酸化物半導体トランジスタのしきい電圧シフト現象を例示的に示すグラフである。例えば、約60℃の温度で、酸化物半導体トランジスタに約−20Vのゲート電圧及び約10Vの駆動電圧が印加される間に、約10,000nit(cd/m2)の光が酸化物半導体トランジスタに照射されれば、図3のグラフに示したように、経時的に酸化物半導体のしきい電圧が負の方向に移動することが分かる。
【0027】
したがって、スイッチトランジスタ130でしきい電圧シフト現象の発生を防止するために、光遮蔽膜114に負(−)のバイアス電圧を印加できる。これは、図1を参照する時、ゲート電極103の上側に負電位が形成されれば、エネルギーバンド理論によってスイッチトランジスタ130をONさせるために、ゲート電極103に印加されるべき電圧が増大せねばならないためである。図4は、光遮蔽膜114に負のバイアス電圧を印加した時、スイッチトランジスタ130のしきい電圧が正(+)の方向にシフトされる現象を例示的に示すグラフである。図4のグラフを参照すれば、ゲート電極103の幅が約2μm、長さが約50μm、ゲート絶縁膜104の厚さが約15nmである時、光遮蔽膜114に印加される負のバイアス電圧が大きくなるほど、スイッチトランジスタ130のしきい電圧がさらに正の方向に移動するということが分かる。図4で、Vdsは、スイッチトランジスタ130のドレインとソース間の電圧を表す。したがって、スイッチトランジスタ130のしきい電圧が負の方向にシフトされる分ほど光遮蔽膜114に印加される負のバイアス電圧を増大させれば、しきい電圧の負の方向の移動を相殺させることができる。結果的に、光遮蔽膜114に負のバイアス電圧を印加することによって、スイッチトランジスタ130のしきい電圧が固定される。
【0028】
前述した構造の光センシング画素100を持つ光センシング装置で、光遮蔽膜114に負のバイアス電圧を印加する方式は、2つの方式がありうる。例えば、図5に示したように、スイッチトランジスタ130をONさせるために、スイッチトランジスタ130にゲート電圧が印加される間のみに光遮蔽膜114に負のバイアス電圧が印加される。図5を参照すれば、光センシング画素100から光センシングデータを読み込むために、光センシング画素100のゲートラインGateを通じてスイッチトランジスタ130にゲート電圧が所定の時間の間に印加される。これと同時に、スイッチトランジスタ130の光遮蔽膜114に負のバイアス電圧を印加することで、スイッチトランジスタ130のしきい電圧を正の方向に移動させる。すると、光及び電気的ストレスによりスイッチトランジスタ130のしきい電圧が負の方向に移動したとしても、光遮蔽膜114に負のバイアス電圧が印加される間に再び正の方向に移動するので、スイッチトランジスタ130は、最初に設計されたゲート電圧でONになりうる。次いで、スイッチトランジスタ130へのゲート電圧の印加が中断されれば、それと同時に光遮蔽膜114への負のバイアス電圧の印加も中断される。光センシング画素100から光センシングデータを読み込んだ後には、図5に示したように、リセットラインVresetを通じて、光センサートランジスタ140のゲート電極102に正のリセット信号を印加する。リセット信号は、光に露出された間に光センサートランジスタ140のチャネル膜106の境界面に蓄積された電荷を除去することで、光センサートランジスタ140を初期化するための信号である。リセット信号により光センサートランジスタ140は、光を受ける前の初期状態に戻る。
【0029】
さらに別の方式で、図6に示したように、光センシング装置が動作する間に光遮蔽膜114に持続的に負のバイアス電圧が印加されてもよい。図6を参照すれば、スイッチトランジスタ130と光センサートランジスタ140とに、それぞれゲート電圧とリセット信号とを印加する方式は、図5で説明した方式と同一である。しかしながら、図6に示した方式は、スイッチトランジスタ130に対するゲート電圧の印加如何とは関係なく、常に光遮蔽膜114に負のバイアス電圧が印加されるという点で、図5に示した方式と差がある。
【0030】
一方、光センシング装置は、複数の前述した光センシング画素100のアレイと、前記複数の光センシング画素100をそれぞれ駆動させるための駆動回路とを備える。図7は、図5に示した方式で駆動される、本発明の一実施形態による光センシング装置200の概略的な構成を例示的に示すブロック図である。図7を参照すれば、本発明の一実施形態による光センシング装置200は、入射光を感知する複数の光センシング画素100のアレイ、ゲート電圧と負のバイアス電圧とを前記複数の光センシング画素100にそれぞれ順次に提供するための第1ゲートドライバ210、前記複数の光センシング画素100にリセット信号をそれぞれ順次に提供するための第2ゲートドライバ220、及びそれぞれの光センシング画素100から光センシングデータを受けて出力するための信号出力部230を備える。
【0031】
図7に示したように、図1及び図2に示した構造を持つ複数の光センシング画素100は、複数の列(column)及び行(row)に配列される。例えば、複数の光センシング画素100は、n個の行及びm個の列を持つアレイの形態で配列される。第1ゲートドライバ210は、それぞれの光センシング画素100を個別的に活性化させて、それぞれの光センシング画素100から光センシングデータが出力されるように制御する役割を行う。このために、第1ゲートドライバ210は、行方向に沿って配列された複数のゲートラインを備える。それぞれのゲートラインは、同じ行に沿って配列されているすべての光センシング画素100、特に、光センシング画素100内のスイッチトランジスタ130のゲート電極103に連結される。また、第1ゲートドライバ210は、スイッチトランジスタ130のしきい電圧シフトを防止するために、負のバイアス電圧をそれぞれの光センシング画素100に提供する役割を行う。このために、第1ゲートドライバ210は、行方向に沿って配列された複数のバイアスラインを備える。それぞれのバイアスラインは、同じ行に沿って配列されている光センシング画素100、特に、光センシング画素100内のスイッチトランジスタ130の光遮蔽膜114に連結される。
【0032】
また、第2ゲートドライバ220は、それぞれの光センシング画素100から光センシングデータを読み込んだ後、光センシング画素100内の光センサートランジスタ140を初期化させる役割を行う。このために、第2ゲートドライバ220は、行方向に沿って配列された複数のリセットラインを備える。それぞれのリセットラインは、同じ行に沿って配列されているすべての光センシング画素100、特に、光センシング画素100内の光センサートランジスタ140のゲート電極102に連結される。そして、信号出力部230は、それぞれの光センシング画素100から発生する光センシングデータを受けて信号を出力する役割を行う。このために、信号出力部230は、列方向に沿って配列された複数のデータラインを備える。それぞれのデータラインは、同じ列に沿って配列されているすべての光センシング画素100、特に、光センシング画素100内のスイッチトランジスタ130の第3ソース/ドレイン電極110に連結される。
【0033】
これらの光センシング装置200の構造で、第1ゲートドライバ210は、複数のゲートライン及びバイアスラインを通じて光センシング画素100に、図5に示したようなゲート電圧及び負のバイアス電圧を、光センシング画素100に1行ずつ順次に提供する。例えば、第1ゲートドライバ210は、n番目行の光センシング画素100にゲート電圧と負のバイアス電圧とを同時に提供した後、n+1番目行の光センシング画素100にゲート電圧と負のバイアス電圧とを同時に提供する。一方、第2ゲートドライバ220は、第1ゲートドライバ210がn+1番目行の光センシング画素100にゲート電圧と負のバイアス電圧とを提供する間に、図5に示したように、n番目行の光センシング画素100にリセット信号を提供する。
【0034】
図8は、図6に示した方式で駆動される、本発明の別の実施形態による光センシング装置200´の概略的な構成を例示的に示すブロック図である。図8に示した光センシング装置200´は、図7の光センシング装置200と同様に、入射光を感知する複数の光センシング画素100のアレイ、複数の光センシング画素100にゲート電圧と負のバイアス電圧とを提供するための第1ゲートドライバ210´、複数の光センシング画素100にリセット信号を提供するための第2ゲートドライバ220、及びそれぞれの光センシング画素100から光センシングデータを受けて出力するための信号出力部230を備える。図8に示した光センシング装置200´の場合、第1ゲートドライバ210´のバイアスラインがすべての光センシング画素100に一度に連結されているという点で、図7に示した光センシング装置200と差がある。したがって、図8に示した光センシング装置200´で、すべての光センシング装置200には同時に同じ負のバイアス電圧が印加される。例えば、図6に示したように、第1ゲートドライバ210´は、スイッチトランジスタ130に対するゲート電圧の印加如何と関係なく、常に負のバイアス電圧をすべての光センシング装置200に同時に印加できる。図8に示した光センシング装置200´の残りの構成及び動作は、図7で説明した光センシング装置200の構成及び動作と同一でありうる。
【0035】
本発明の一実施形態によれば、光遮蔽膜114に印加される負のバイアス電圧は、スイッチトランジスタ130のしきい電圧シフト程度によって変化する。前述したように、酸化物半導体を含むスイッチトランジスタ130のしきい電圧は、経時的に負の方向に順次移動する。したがって、光遮蔽膜114に印加される負のバイアス電圧も、それにより増大する必要がある。また、光センシング装置200,200´の動作初期には、スイッチトランジスタ130のしきい電圧シフトがほとんどない状態であるため、動作初期から光遮蔽膜114に負のバイアス電圧を印加する必要はない。また、光遮蔽膜114に印加される負のバイアス電圧を毎瞬間調節する必要はなく、スイッチトランジスタ130のしきい電圧が一定の限界を外れる時にのみ光遮蔽膜114に印加される負のバイアス電圧を調節することもできる。
【0036】
例えば、光センシング装置200,200´の動作時間とスイッチトランジスタ130のしきい電圧との関係を例示的に示す図9のグラフを参照すれば、動作初期にスイッチトランジスタ130のしきい電圧は、元々設計されたしきい電圧Vth0を維持する。そして、時間t1でスイッチトランジスタ130のしきい電圧はVth1に落ちる。次いで、光センシング装置200,200´が動作する間に、時間t2でスイッチトランジスタ130のしきい電圧はVth2に落ち、時間t3でしきい電圧はVth3まで落ちる。また、光遮蔽膜114に印加された負のバイアス電圧とスイッチトランジスタ130のしきい電圧との関係を例示的に示す図10のグラフを参照すれば、負のバイアス電圧がV1である時にスイッチトランジスタ130のしきい電圧はΔVth1ほど増加し、V2である時はΔVth2ほど、V3である時はΔVth2ほどそれぞれ増加する。したがって、ΔVth1=Vth0−Vth1、ΔVth2=Vth0−Vth2、ΔVth3=Vth0−Vth3とそれぞれ仮定する時、時間t1では、光遮蔽膜114にV1のバイアス電圧を印加し、時間t2では、V2のバイアス電圧を印加し、時間t3では、V3のバイアス電圧を印加する。このように、光遮蔽膜114に印加される負のバイアス電圧を調節することで、スイッチトランジスタ130の結果的なしきい電圧を常に一定に維持させる。
【0037】
図11は、前述した原理によって、光遮蔽膜114に適宜な負のバイアス電圧が印加されるようにバイアス電圧を調節するための、本発明の一実施形態による方法を示すフローチャートである。図11のフローチャートを参照すれば、光センシング装置200,200´が動作し始めれば、段階S10で光センシング装置200,200´が動作し始めれば、光センシング装置200,200´の動作時間をリアルタイムでモニタリングする。これらの過程は、例えば、光センシング装置200,200´の第1ゲートドライバ210,210´で行われる。次いで、段階S11で、図9に示したような光センシング装置200,200´の動作時間とスイッチトランジスタ130のしきい電圧との関係を利用して、スイッチトランジスタ130のしきい電圧を予測する。光センシング装置200,200´の動作時間とスイッチトランジスタ130のしきい電圧との関係は、予め実験を通じて測定される。測定された結果データは、例えば、第1ゲートドライバ210,210´内のメモリ(図示せず)に保存される。第1ゲートドライバ210,210´は、メモリに保存された関係データを参照して、現在時間でスイッチトランジスタ130のしきい電圧を予測できる。
【0038】
次いで、段階S12で、スイッチトランジスタ130の予測されたしきい電圧が許容範囲を外れたかどうかを確認する。例えば、第1ゲートドライバ210,210´のメモリには、基準しきい電圧に関するデータが保存されている。第1ゲートドライバ210,210´は、予測されたしきい電圧と基準しきい電圧とを比較した後、予測されたしきい電圧が基準しきい電圧より低いならば、段階S13で、光遮蔽膜114に印加される負のバイアス電圧を増加させる。もし、予測されたしきい電圧が許容範囲内にあるならば、光遮蔽膜114に印加される負のバイアス電圧をそのまま維持する。例えば、図9及び図10の例を参照すれば、まだ時間t0が過ぎていなければ、光遮蔽膜114に印加される負のバイアス電圧を0Vに維持する。そして、光センシング装置200,200´の動作時間がt1に到達すれば、第1ゲートドライバ210,210´は、光遮蔽膜114に印加される負のバイアス電圧をV1に増加させる。このような動作を行うために、第1ゲートドライバ210,210´のメモリには、光遮蔽膜114に印加された負のバイアス電圧とスイッチトランジスタ130のしきい電圧との関係に関する、予め測定された結果データが保存されている。
【0039】
一方、スイッチトランジスタ130のしきい電圧を実際に測定して負のバイアス電圧を調節することもできる。図12は、スイッチトランジスタ130のしきい電圧を直接測定して光遮蔽膜114に印加される負のバイアス電圧を調節する、本発明のさらに別の実施形態による方法を示すフローチャートである。図12を参照すれば、光センシング装置200,200´が動作する間に、段階S20で、第1ゲートドライバ210,210´は、スイッチトランジスタ130のしきい電圧を測定する。しきい電圧の測定は、例えば、毎瞬間にリアルタイムで行われてもよい。しかしながら、スイッチトランジスタ130のしきい電圧シフトは、比較的長時間にかけて徐々に起きるため、既定の一定の時間間隔でしきい電圧の測定が行われてもよい。また、しきい電圧の測定は、光センシング装置200,200´内のすべてのスイッチトランジスタ130に対して行われる必要はなく、予め選択された複数個(例えば、3ないし12個)のスイッチトランジスタ130のしきい電圧のみを測定してもよい。
【0040】
次いで、段階S21で、第1ゲートドライバ210,210´は、測定されたスイッチトランジスタ130のしきい電圧が許容範囲を外れたかどうかを確認する。前述したように、第1ゲートドライバ210,210´のメモリには、基準しきい電圧に関するデータが保存されている。第1ゲートドライバ210,210´は、測定されたしきい電圧と基準しきい電圧とを比較した後、予測されたしきい電圧が基準しきい電圧より低いならば、段階S22で、光遮蔽膜114に印加される負のバイアス電圧を増加させる。バイアス電圧の増加量は、メモリに予め保存されている図10の関係データを参照して定められるか、または、既定の量ほどのみバイアス電圧を増加させる。次いで、段階S23で、スイッチトランジスタ130の変化したしきい電圧を再び測定する。そして、段階S24で、スイッチトランジスタ130の変化したしきい電圧を基準しきい電圧と再び比較する。もし、しきい電圧が依然として許容範囲を外れれば、段階S22に戻って、光遮蔽膜114に印加される負のバイアス電圧を再び増加させる。このような方式で、スイッチトランジスタ130のしきい電圧が許容範囲内に入るまで、すなわち、スイッチトランジスタ130のしきい電圧が基準しきい電圧と同一であるか、またはそれより大きくなるまで、段階S22ないし段階S24を反復できる。
【0041】
これまで、本発明の理解を助けるために、光センシング装置及びその駆動方法についての例示的な実施形態が説明され、かつ添付した図面に図示された。しかしながら、これらの実施形態は単に本発明を例示するためのものであり、これを制限しないという点が理解されねばならない。そして、本発明は、図示または説明に限定されないという点が理解されねばならない。これは、多様な他の変形が当業者により行われうるためである。
【産業上の利用可能性】
【0042】
本発明は、光センシング装置関連の技術分野に好適に用いられる。
【符号の説明】
【0043】
100 光センシング画素
101 基板
102 第1ゲート電極
103 第2ゲート電極
104 ゲート絶縁膜
106 第1チャネル膜
106a,107a 下部チャネル膜
106b,107b 中心チャネル膜
106c,107c 上部チャネル膜
108 第1ソース/ドレイン電極
109 第2ソース/ドレイン電極
110 第3ソース/ドレイン電極
112 第1配線
113 第2配線
114 光遮蔽膜
119 透明絶縁層
130 スイッチトランジスタ
140 光センサートランジスタ
【技術分野】
【0001】
本発明は、光センシング装置及びその駆動方法に係り、さらに詳細には、光センシング画素内の光センサートランジスタ及びスイッチトランジスタが、それぞれ同じ構造の酸化物半導体トランジスタで形成される光センシング装置、及び前記光センシング装置の動作信頼性を向上させる駆動方法に関する。
【背景技術】
【0002】
酸化物半導体トランジスタは、チャネルの材料として酸化物半導体を使用するトランジスタである。例えば、酸化物半導体トランジスタは、基板、基板上に配されたゲート、ゲートの周囲を覆うように基板及びゲート上に配されたゲート絶縁膜、ゲート絶縁膜上に配された酸化物半導体チャネル層、及び前記チャネル層の両側を覆うように配されたソース及びドレインを備える。これらの酸化物半導体トランジスタは、チャネル層として使われる酸化物半導体の材料によって、光に敏感な特性を持つ。例えば、光に敏感な酸化物半導体材料として、ZnO系列の酸化物半導体、例えば、ZnO、TaZnO、InZnO(IZO)、GaInZnO(GIZO)などを挙げられる。これらの酸化物半導体材料をチャネル層として使用する場合、酸化物半導体トランジスタは、入射光の波長や光量によってしきい電圧及びドレイン電流が変わる特性があるため、光センシング素子として活用できる。
【0003】
前述した特性により、酸化物半導体トランジスタは、現在光センシング素子として広く使われているPN接合構造のフォトダイオードを代替できる。特に、酸化物半導体トランジスタはフォトダイオードより大きい光電流を発生させることができるため、酸化物半導体トランジスタを光センシング素子として使用する場合、光電流により発生した電荷を一定時間蓄積するために、光センシング画素内で一般的に使われるキャパシタを省略できる。例えば、光センシング画素は、光を感知するための酸化物半導体トランジスタと、データを出力するためのスイッチトランジスタだけでも簡単に構成できる。したがって、酸化物半導体トランジスタは、光を感知する多様な機器、例えば、撮像装置や光タッチスクリーンパネルなどで有効に使われる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、光センシング画素内の光センサートランジスタとスイッチトランジスタとが、それぞれ同じ構造の酸化物半導体トランジスタで形成される光センシング装置を提供することである。
また、本発明が解決しようとする課題は、前記光センシング装置の動作信頼性を向上させる駆動方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様による光センシング装置は、光を感知するための光センサートランジスタ、前記光センサートランジスタからデータを出力するためのスイッチトランジスタ、及び前記スイッチトランジスタの光入射面に配された導電性光遮蔽膜をそれぞれ備える、複数の光センシング画素のアレイと、それぞれの光センシング画素にゲート電圧及び負のバイアス電圧を提供するための第1ゲートドライバと、それぞれの光センシング画素から光センシング信号を受けてデータ信号を出力するための信号出力部と、を備える。
【0006】
また、前記第1ゲートドライバは、それぞれの光センシング画素内のスイッチトランジスタのゲート電極に連結されてゲート電圧を提供するゲートライン、及びそれぞれの光センシング画素内の導電性光遮蔽膜に連結されて負のバイアス電圧を提供するバイアスラインを備える。
前記光センシング画素のアレイは、複数の列及び行で配列された複数の光センシング画素を含み、前記第1ゲートドライバは、行方向に沿って配列されている複数のゲートラインを備え、それぞれのゲートラインは、同じ行に沿って配列されている複数の光センシング画素にゲート電圧を提供する。
【0007】
一実施態様によれば、前記第1ゲートドライバは、行方向に沿って配列されている複数のバイアスラインを備え、それぞれのバイアスラインは、同じ行に沿って配列されている複数の光センシング画素に負のバイアス電圧を提供する。
別の実施態様によれば、前記第1ゲートドライバのバイアスラインは、すべての光センシング画素に同時に同じ負のバイアス電圧を提供するように構成される。
【0008】
また、前記光センシング装置は、それぞれの光センシング画素にリセット信号を提供するための第2ゲートドライバをさらに備える。
前記第2ゲートドライバは、それぞれの光センシング画素内の光センサートランジスタのゲート電極に連結されて、リセット信号を提供するリセットラインを備える。
また、前記第2ゲートドライバは、行方向に沿って配列されている複数のリセットラインを備え、それぞれのリセットラインは、同じ行に沿って配列されている複数の光センシング画素にリセット信号を提供する。
【0009】
一実施態様によれば、前記光センサートランジスタ及び前記スイッチトランジスタは、チャネル膜として酸化物半導体材料を使用する酸化物半導体トランジスタである。
また、前記光センサートランジスタ及び前記スイッチトランジスタに使われる酸化物半導体材料は互いに同一である。
例えば、前記酸化物半導体材料は、ZnO、InO、SnO、InZnO、ZnSnOまたはInSnOを含む酸化物半導体材料であるか、または前記ZnO、InO、SnO、InZnO、ZnSnOまたはInSnOにHf、Zr、Ti、Ta、Ga、Nb、V、Al、Ga及びSnのうち少なくとも一つの材料がさらに含まれた酸化物半導体材料である。
【0010】
一実施態様によれば、前記光センシング画素は、基板と、前記基板上に部分的に形成された第1ゲート電極及び第2ゲート電極と、前記基板と第1及び第2ゲート電極とを覆うように形成されたゲート絶縁膜と、前記ゲート絶縁膜上で前記第1ゲート電極と対向して配された第1チャネル膜と、前記ゲート絶縁膜上で前記第2ゲート電極と対向して配された第2チャネル膜と、前記第1チャネル膜の第1側面に形成された第1ソース/ドレイン電極と、前記第1チャネル膜の第2側面と前記第2チャネル膜の第1側面との間に形成された第2ソース/ドレイン電極と、前記第2チャネル膜の第2側面に形成された第3ソース/ドレイン電極と、前記第1ないし第3ソース/ドレイン電極と前記第1及び第2チャネル膜とを覆うように形成された透明絶縁層と、を含む。
【0011】
ここで、前記光センサートランジスタは、前記第1ゲート電極、ゲート絶縁膜、第1チャネル膜、第1及び第2ソース/ドレイン電極及び透明絶縁層を含み、前記スイッチトランジスタは、前記第2ゲート電極、ゲート絶縁膜、第2チャネル膜、第2及び第3ソース/ドレイン電極及び透明絶縁層を含む。
また、前記光遮蔽膜は、前記第2チャネル膜を遮蔽するように前記透明絶縁層上に部分的に形成されている。
また、前記第1ゲートドライバは、前記光センシング装置の動作時間と前記スイッチトランジスタのしきい電圧との関係に関する予め測定されたデータ、前記スイッチトランジスタの基準しきい電圧に関するデータ、及び前記光遮蔽膜に印加された負のバイアス電圧と前記スイッチトランジスタのしきい電圧との関係に関する予め測定されたデータをさらに含む。
【0012】
一方、本発明の別の態様による光センシング装置の駆動方法は、光センシング画素の光センシングデータ出力を制御するスイッチトランジスタ、及び前記スイッチトランジスタに対向して配された導電性光遮蔽膜を含む光センシング装置が動作する段階と、前記スイッチトランジスタのしきい電圧が基準しきい電圧より低いかどうかを確認する段階と、前記スイッチトランジスタのしきい電圧が基準しきい電圧より低ければ、前記導電性光遮蔽膜に負のバイアス電圧を印加して、前記スイッチトランジスタのしきい電圧を正の方向に移動させる段階と、を含む。
【0013】
一実施態様において、前記負のバイアス電圧は、前記スイッチトランジスタにゲート電圧が印加される時に前記光遮蔽膜に印加され、前記スイッチトランジスタへのゲート電圧の印加が中断される時に、前記光遮蔽膜への負のバイアス電圧の印加が中断される。
前記光センシング装置は、複数の列及び行で配列された複数の光センシング画素のアレイを含み、前記ゲート電圧及び負のバイアス電圧は、前記複数の光センシング画素内の前記スイッチトランジスタ及び前記光遮蔽膜に1行ずつ順次にそれぞれ提供される。
別の実施態様において、前記光センシング装置が動作する間に、前記光遮蔽膜に持続的に負のバイアス電圧が印加される。
【0014】
一実施態様において、前記スイッチトランジスタのしきい電圧が基準しきい電圧より低いかどうかを確認する段階は、前記光センシング装置の動作時間をモニタリングする段階と、前記光センシング装置の動作時間と前記スイッチトランジスタのしきい電圧との関係に関する予め測定されたデータを参照して、前記スイッチトランジスタのしきい電圧を予測する段階と、前記予測されたしきい電圧と基準しきい電圧とを比較する段階と、を含む。
別の実施態様において、前記スイッチトランジスタのしきい電圧が基準しきい電圧より低いかどうかを確認する段階は、前記光センシング装置が動作する間に前記スイッチトランジスタのしきい電圧を測定する段階と、前記測定されたしきい電圧と基準しきい電圧とを比較する段階と、を含む。
例えば、前記しきい電圧の測定は、既定の一定の時間間隔で行われる。
【0015】
一実施態様において、前記導電性光遮蔽膜に負のバイアス電圧を印加して前記スイッチトランジスタのしきい電圧を正の方向に移動させる段階は、前記光遮蔽膜に印加された負のバイアス電圧と前記スイッチトランジスタのしきい電圧との関係に関する、予め測定されたデータを参照して前記負のバイアス電圧を調節する段階を含む。
別の実施態様において、前記導電性光遮蔽膜に負のバイアス電圧を印加して、前記スイッチトランジスタのしきい電圧を正の方向に移動させる段階は、前記スイッチトランジスタのしきい電圧が基準しきい電圧と同一であるか、またはそれより大きくなるまで、既定の一定の増分ほど負のバイアス電圧を増加させた後、前記導電性光遮蔽膜に負のバイアス電圧を印加する段階と、前記スイッチトランジスタのしきい電圧が基準しきい電圧より低いかどうかを確認する段階と、を反復する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の一実施形態による光センシング装置の一つの光センシング画素の構造を概略的に示す断面図である。
【図2】図1に示した本発明の一実施形態による光センシング装置の一つの光センシング画素についての概略的な回路図である。
【図3】経時的な酸化物半導体トランジスタのしきい電圧シフト現象を示すグラフである。
【図4】光遮蔽膜に負(−)のバイアス電圧を印加した時、スイッチトランジスタのしきい電圧が正(+)の方向にシフトされる現象を示すグラフである。
【図5】本発明の一実施形態による光センシング装置の駆動方法を示すタイミング図である。
【図6】本発明の別の実施形態による光センシング装置の駆動方法を示すタイミング図である。
【図7】図5に示した方法で駆動される、本発明の一実施形態による光センシング装置の概略的な構成を例示的に示すブロック図である。
【図8】図6に示した方法で駆動される、本発明の別の実施形態による光センシング装置の概略的な構成を例示的に示すブロック図である。
【図9】動作時間とスイッチトランジスタのしきい電圧との関係を例示的に示すグラフである。
【図10】光遮蔽膜に印加された負のバイアス電圧とスイッチトランジスタのしきい電圧との関係を例示的に示すグラフである。
【図11】光遮蔽膜に適宜な負のバイアス電圧が印加されるようにバイアス電圧を調節するための、本発明の一実施形態による方法を示すフローチャートである。
【図12】光遮蔽膜に適宜な負のバイアス電圧が印加されるようにバイアス電圧を調節するための、本発明の別の実施形態による方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、添付した図面を参照して、光センシング装置及びその駆動方法について詳細に説明する。以下の図面で同じ参照符号は同じ構成要素を称し、図面上で各構成要素のサイズは、説明の明瞭性及び便宜のため誇張している。
【0018】
図1は、本発明の一実施形態による光センシング装置の一つの光センシング画素100の構造を概略的に示す断面図である。図1を参照すれば、光センシング画素100は、一つの基板101上に形成されたスイッチトランジスタ130と、光センサートランジスタ140とを備える。図1に示したように、スイッチトランジスタ130と光センサートランジスタ140とは、基板101上で直列に連結されている。例えば、スイッチトランジスタ130と光センサートランジスタ140とは、一つの共通ソース/ドレイン電極109を持つ。また、スイッチトランジスタ130と光センサートランジスタ140とは、同じ光敏感性の酸化物半導体トランジスタ構造を持つ。ただし、スイッチトランジスタ130の動作が入射光により影響されないように、スイッチトランジスタ130の光入射面には、入射光を遮断するための光遮蔽膜114がさらに配される。
【0019】
さらに具体的に説明すれば、光センシング画素100は、基板101、基板101上にそれぞれ部分的に形成された第1ゲート電極102と第2ゲート電極103、前記基板101と第1及び第2ゲート電極102,103上に全体的に塗布されたゲート絶縁膜104、第1ゲート電極102と対向するゲート絶縁膜104上の位置に形成された第1チャネル膜106、第2ゲート電極103と対向するゲート絶縁膜104上の位置に形成された第2チャネル膜107、第1チャネル膜106及び第2チャネル膜107の両側にそれぞれ形成された第1ないし第3ソース/ドレイン電極108,109,110、前記第1ないし第3ソース/ドレイン電極108,109,110と第1及び第2チャネル膜106,107上に全体的に形成された透明絶縁層119、透明絶縁層119を貫通して第1ソース/ドレイン電極108に連結された第1配線112、透明絶縁層119を貫通して第3ソース/ドレイン電極110に連結された第2配線113、及びスイッチトランジスタ130の第2チャネル膜107を遮蔽するように透明絶縁層119上に形成された光遮蔽膜114を含む。
【0020】
このような光センシング画素100の構造で、第1ゲート電極102、ゲート絶縁膜104、第1チャネル膜106、第1及び第2ソース/ドレイン電極108,109及び第1配線112は、光センサートランジスタ140を構成する。また、第2ゲート電極103、ゲート絶縁膜104、第2チャネル膜106、第2及び第3ソース/ドレイン電極109,110及び第2配線113は、スイッチトランジスタ130を構成できる。したがって、ゲート絶縁膜104と第2ソース/ドレイン電極109とは、光センサートランジスタ140及びスイッチトランジスタ130により共有される。図1に示したように、第1ソース/ドレイン電極108は、第1チャネル膜106の左側一部領域と、前記第1チャネル膜106の左側にあるゲート絶縁膜104とを覆うように形成される。また、第2ソース/ドレイン電極109は、第1チャネル膜106の右側一部領域と第2チャネル膜107の左側一部領域、及び前記第1チャネル膜106と第2チャネル膜107との間のゲート絶縁膜104を覆うように形成される。そして、第3ソース/ドレイン電極110は、第2チャネル膜107の右側一部領域と、前記第2チャネル膜107の右側にあるゲート絶縁膜104とを覆うように形成される。
【0021】
基板101及びゲート絶縁膜104は絶縁性材料からなる。もし、本発明による光センシング装置がディスプレイパネルのディスプレイ画素内に統合されるか、またはディスプレイパネルの表面上に付着される光タッチスクリーンパネルとして使われる場合、基板101及びゲート絶縁膜104は透明な絶縁性材料からなる。例えば、基板101はガラスからなり、ゲート絶縁膜104は、SiO2などの透明な絶縁性材料からなる。しかしながら、本発明による光センシング装置が一般的な撮像素子として使われる場合、基板101及びゲート絶縁膜104が透明な必要はない。また、第1ないし第3ソース/ドレイン電極108,109,110は、導電性金属または導電性金属酸化物材料からなる。本発明による光センシング装置が光タッチスクリーンパネルとして使われる場合、前記第1ないし第3ソース/ドレイン電極108,109,110は、例えば、ITOなどの透明な導電性材料からなる。透明絶縁層119は、例えば、SiO2などの透明な絶縁性材料からなる。また、第1配線112、第2配線113及び光遮蔽膜114は同じ導電性材料、例えば、金属や導電性金属酸化物からなる。特に、光遮蔽膜114の厚さは、光が透過できないようにその材料の表皮深さより厚い。
【0022】
一方、第1及び第2チャネル膜106,107は、光に敏感な酸化物半導体材料からなる。例えば、かかる酸化物半導体チャネル材料として、ZnO、InO、SnO、InZnO、ZnSnO、InSnOなどの酸化物半導体材料を使用するか、または前述した酸化物半導体材料にHf、Zr、Ti、Ta、Ga、Nb、V、Al、Ga、SnなどのIII族、IV族、XIII族またはXIV族元素の材料が一つ以上さらに混合された材料を使用できる。第1及び第2チャネル膜106,107は、それぞれ単一の酸化物半導体層で形成されてもよいが、図1に示したように、多層構造で形成されてもよい。例えば、図1には、それぞれのチャネル膜106,107が、下部チャネル膜106a,107a、中心チャネル膜106b,107b及び上部チャネル膜106c,107cを含む3層構造で形成された例を図示している。
【0023】
例えば、中心チャネル膜106b,107bは、前述したチャネル材料のうち光に対する敏感度の最も高いZnO、InO、SnO、InZnO、ZnSnOまたはInSnOからなりうる。下部チャネル膜106a,107aは、中心チャネル膜106b,107bの材料によりトランジスタのしきい電圧が過度に低くなることを防止するためのしきい電圧調節層である。例えば、下部チャネル膜106a,107bは、XZnO、XInO、XSnO、XInZnO、XZnSnOまたはXInSnO(ここで、Xは、Hf、Zr、Ti、Ta、Ga、Nb、V、Al、Ga、Snのうち少なくとも一つ)からなりうる。トランジスタのしきい電圧は、下部チャネル膜106a,107bの材料及び厚さによって0Vに近く調節される。また、上部チャネル膜106c,107cは、中心チャネル膜106b,107bを保護する保護膜の役割を行える。例えば、ソース/ドレイン電極108,109,110を形成する間に、上部チャネル膜106c,107cはエッチング阻止膜の役割を行える。また、前記上部チャネル膜106c,107cは、外部の物質による中心チャネル膜106b,107bの変形を防止するためのパッシベーション膜の役割を行える。これらの上部チャネル膜106c,107cは、例えば、MZnO、MInO、MSnO、MInZnO、MZnSnOまたはMInSnO(ここで、Mは、Hf、Zr、Ti、Ta、Ga、Nb、V、Al、Ga、Snのうち少なくとも一つ)からなりうる。
【0024】
図2は、図1に示した本発明の一実施形態による光センシング装置の一つの光センシング画素100についての回路図を概略的に示している。図2を参照すれば、光センシング画素100は、互いに直列に連結された光センサートランジスタ140及びスイッチトランジスタ130を備える。例えば、光センサートランジスタ140及びスイッチトランジスタ130は、図1の第2ソース/ドレイン電極109を通じて互いに連結されうる。光センサートランジスタ140は、入射光を感知するための光センシング素子の役割を行い、スイッチトランジスタ130は、光センシング信号を出力させるためのスイッチの役割を行う。また、図2に示したように、光センシング画素100は、スイッチトランジスタ130のゲート電極103に連結されるゲートラインGate、スイッチトランジスタ130の第3ソース/ドレイン電極110に連結されるデータラインData、光センサートランジスタ140の第1ソース/ドレイン電極108に連結される駆動電圧ラインVdd、及び光センサートランジスタ140のゲート電極102に連結されるリセットラインVresetをさらに含む。例えば、データラインDataは、第2配線113を通じて第3ソース/ドレイン電極110に電気的に連結され、駆動電圧ラインVddは、第1配線112を通じて第1ソース/ドレイン電極108に電気的に連結される。また、スイッチトランジスタ130のしきい電圧シフト現象を防止するために、光センシング画素100は、光遮蔽膜114に負(−)のバイアス電圧を印加するためのバイアスラインVbiasをさらに含む。
【0025】
このような光センシング画素100の構造で、ゲートラインGateを通じてスイッチトランジスタ130にゲート電圧が印加されれば、スイッチトランジスタ130がON状態になる。すると、スイッチトランジスタ130を通じて、光センサートランジスタ140からデータラインDataに電流が流れる。この時、光センサートランジスタ140からデータラインDataに流れる電流の量は、光センサートランジスタ140に入射する光の強度によって変化する。したがって、データラインDataを通じて流れる電流の量を測定すれば、光センサートランジスタ140に入射する光の強度を計算できる。一方、スイッチトランジスタ130にゲート電圧が印加されない間には、スイッチトランジスタ130がOFF状態になるので、データラインDataに電流が流れなくなる。
【0026】
ところが、チャネルの材料として酸化物半導体を使用する酸化物半導体トランジスタでは、光と電気によるストレスのため、経時的にしきい電圧が順次負の方向に移動する現象が発生しうる。もし、光センシング画素100のスイッチトランジスタ130でこれらの現象が発生する場合、スイッチトランジスタ130のON/OFF動作が不正確に行われる恐れがある。例えば、ゲート電圧が印加されなくてもスイッチトランジスタ130がOFF状態ではなくON状態に留まる可能性もある。これは、光センシング画素100の動作信頼性を低下させる原因となる。特に、本発明による光センシング装置が光タッチスクリーンパネルとして使われる場合、ディスプレイパネルから入射する光(例えば、液晶ディスプレイパネルの場合、バックライト光)により、このようなしきい電圧シフト現象が加速化する。図3は、経時的な酸化物半導体トランジスタのしきい電圧シフト現象を例示的に示すグラフである。例えば、約60℃の温度で、酸化物半導体トランジスタに約−20Vのゲート電圧及び約10Vの駆動電圧が印加される間に、約10,000nit(cd/m2)の光が酸化物半導体トランジスタに照射されれば、図3のグラフに示したように、経時的に酸化物半導体のしきい電圧が負の方向に移動することが分かる。
【0027】
したがって、スイッチトランジスタ130でしきい電圧シフト現象の発生を防止するために、光遮蔽膜114に負(−)のバイアス電圧を印加できる。これは、図1を参照する時、ゲート電極103の上側に負電位が形成されれば、エネルギーバンド理論によってスイッチトランジスタ130をONさせるために、ゲート電極103に印加されるべき電圧が増大せねばならないためである。図4は、光遮蔽膜114に負のバイアス電圧を印加した時、スイッチトランジスタ130のしきい電圧が正(+)の方向にシフトされる現象を例示的に示すグラフである。図4のグラフを参照すれば、ゲート電極103の幅が約2μm、長さが約50μm、ゲート絶縁膜104の厚さが約15nmである時、光遮蔽膜114に印加される負のバイアス電圧が大きくなるほど、スイッチトランジスタ130のしきい電圧がさらに正の方向に移動するということが分かる。図4で、Vdsは、スイッチトランジスタ130のドレインとソース間の電圧を表す。したがって、スイッチトランジスタ130のしきい電圧が負の方向にシフトされる分ほど光遮蔽膜114に印加される負のバイアス電圧を増大させれば、しきい電圧の負の方向の移動を相殺させることができる。結果的に、光遮蔽膜114に負のバイアス電圧を印加することによって、スイッチトランジスタ130のしきい電圧が固定される。
【0028】
前述した構造の光センシング画素100を持つ光センシング装置で、光遮蔽膜114に負のバイアス電圧を印加する方式は、2つの方式がありうる。例えば、図5に示したように、スイッチトランジスタ130をONさせるために、スイッチトランジスタ130にゲート電圧が印加される間のみに光遮蔽膜114に負のバイアス電圧が印加される。図5を参照すれば、光センシング画素100から光センシングデータを読み込むために、光センシング画素100のゲートラインGateを通じてスイッチトランジスタ130にゲート電圧が所定の時間の間に印加される。これと同時に、スイッチトランジスタ130の光遮蔽膜114に負のバイアス電圧を印加することで、スイッチトランジスタ130のしきい電圧を正の方向に移動させる。すると、光及び電気的ストレスによりスイッチトランジスタ130のしきい電圧が負の方向に移動したとしても、光遮蔽膜114に負のバイアス電圧が印加される間に再び正の方向に移動するので、スイッチトランジスタ130は、最初に設計されたゲート電圧でONになりうる。次いで、スイッチトランジスタ130へのゲート電圧の印加が中断されれば、それと同時に光遮蔽膜114への負のバイアス電圧の印加も中断される。光センシング画素100から光センシングデータを読み込んだ後には、図5に示したように、リセットラインVresetを通じて、光センサートランジスタ140のゲート電極102に正のリセット信号を印加する。リセット信号は、光に露出された間に光センサートランジスタ140のチャネル膜106の境界面に蓄積された電荷を除去することで、光センサートランジスタ140を初期化するための信号である。リセット信号により光センサートランジスタ140は、光を受ける前の初期状態に戻る。
【0029】
さらに別の方式で、図6に示したように、光センシング装置が動作する間に光遮蔽膜114に持続的に負のバイアス電圧が印加されてもよい。図6を参照すれば、スイッチトランジスタ130と光センサートランジスタ140とに、それぞれゲート電圧とリセット信号とを印加する方式は、図5で説明した方式と同一である。しかしながら、図6に示した方式は、スイッチトランジスタ130に対するゲート電圧の印加如何とは関係なく、常に光遮蔽膜114に負のバイアス電圧が印加されるという点で、図5に示した方式と差がある。
【0030】
一方、光センシング装置は、複数の前述した光センシング画素100のアレイと、前記複数の光センシング画素100をそれぞれ駆動させるための駆動回路とを備える。図7は、図5に示した方式で駆動される、本発明の一実施形態による光センシング装置200の概略的な構成を例示的に示すブロック図である。図7を参照すれば、本発明の一実施形態による光センシング装置200は、入射光を感知する複数の光センシング画素100のアレイ、ゲート電圧と負のバイアス電圧とを前記複数の光センシング画素100にそれぞれ順次に提供するための第1ゲートドライバ210、前記複数の光センシング画素100にリセット信号をそれぞれ順次に提供するための第2ゲートドライバ220、及びそれぞれの光センシング画素100から光センシングデータを受けて出力するための信号出力部230を備える。
【0031】
図7に示したように、図1及び図2に示した構造を持つ複数の光センシング画素100は、複数の列(column)及び行(row)に配列される。例えば、複数の光センシング画素100は、n個の行及びm個の列を持つアレイの形態で配列される。第1ゲートドライバ210は、それぞれの光センシング画素100を個別的に活性化させて、それぞれの光センシング画素100から光センシングデータが出力されるように制御する役割を行う。このために、第1ゲートドライバ210は、行方向に沿って配列された複数のゲートラインを備える。それぞれのゲートラインは、同じ行に沿って配列されているすべての光センシング画素100、特に、光センシング画素100内のスイッチトランジスタ130のゲート電極103に連結される。また、第1ゲートドライバ210は、スイッチトランジスタ130のしきい電圧シフトを防止するために、負のバイアス電圧をそれぞれの光センシング画素100に提供する役割を行う。このために、第1ゲートドライバ210は、行方向に沿って配列された複数のバイアスラインを備える。それぞれのバイアスラインは、同じ行に沿って配列されている光センシング画素100、特に、光センシング画素100内のスイッチトランジスタ130の光遮蔽膜114に連結される。
【0032】
また、第2ゲートドライバ220は、それぞれの光センシング画素100から光センシングデータを読み込んだ後、光センシング画素100内の光センサートランジスタ140を初期化させる役割を行う。このために、第2ゲートドライバ220は、行方向に沿って配列された複数のリセットラインを備える。それぞれのリセットラインは、同じ行に沿って配列されているすべての光センシング画素100、特に、光センシング画素100内の光センサートランジスタ140のゲート電極102に連結される。そして、信号出力部230は、それぞれの光センシング画素100から発生する光センシングデータを受けて信号を出力する役割を行う。このために、信号出力部230は、列方向に沿って配列された複数のデータラインを備える。それぞれのデータラインは、同じ列に沿って配列されているすべての光センシング画素100、特に、光センシング画素100内のスイッチトランジスタ130の第3ソース/ドレイン電極110に連結される。
【0033】
これらの光センシング装置200の構造で、第1ゲートドライバ210は、複数のゲートライン及びバイアスラインを通じて光センシング画素100に、図5に示したようなゲート電圧及び負のバイアス電圧を、光センシング画素100に1行ずつ順次に提供する。例えば、第1ゲートドライバ210は、n番目行の光センシング画素100にゲート電圧と負のバイアス電圧とを同時に提供した後、n+1番目行の光センシング画素100にゲート電圧と負のバイアス電圧とを同時に提供する。一方、第2ゲートドライバ220は、第1ゲートドライバ210がn+1番目行の光センシング画素100にゲート電圧と負のバイアス電圧とを提供する間に、図5に示したように、n番目行の光センシング画素100にリセット信号を提供する。
【0034】
図8は、図6に示した方式で駆動される、本発明の別の実施形態による光センシング装置200´の概略的な構成を例示的に示すブロック図である。図8に示した光センシング装置200´は、図7の光センシング装置200と同様に、入射光を感知する複数の光センシング画素100のアレイ、複数の光センシング画素100にゲート電圧と負のバイアス電圧とを提供するための第1ゲートドライバ210´、複数の光センシング画素100にリセット信号を提供するための第2ゲートドライバ220、及びそれぞれの光センシング画素100から光センシングデータを受けて出力するための信号出力部230を備える。図8に示した光センシング装置200´の場合、第1ゲートドライバ210´のバイアスラインがすべての光センシング画素100に一度に連結されているという点で、図7に示した光センシング装置200と差がある。したがって、図8に示した光センシング装置200´で、すべての光センシング装置200には同時に同じ負のバイアス電圧が印加される。例えば、図6に示したように、第1ゲートドライバ210´は、スイッチトランジスタ130に対するゲート電圧の印加如何と関係なく、常に負のバイアス電圧をすべての光センシング装置200に同時に印加できる。図8に示した光センシング装置200´の残りの構成及び動作は、図7で説明した光センシング装置200の構成及び動作と同一でありうる。
【0035】
本発明の一実施形態によれば、光遮蔽膜114に印加される負のバイアス電圧は、スイッチトランジスタ130のしきい電圧シフト程度によって変化する。前述したように、酸化物半導体を含むスイッチトランジスタ130のしきい電圧は、経時的に負の方向に順次移動する。したがって、光遮蔽膜114に印加される負のバイアス電圧も、それにより増大する必要がある。また、光センシング装置200,200´の動作初期には、スイッチトランジスタ130のしきい電圧シフトがほとんどない状態であるため、動作初期から光遮蔽膜114に負のバイアス電圧を印加する必要はない。また、光遮蔽膜114に印加される負のバイアス電圧を毎瞬間調節する必要はなく、スイッチトランジスタ130のしきい電圧が一定の限界を外れる時にのみ光遮蔽膜114に印加される負のバイアス電圧を調節することもできる。
【0036】
例えば、光センシング装置200,200´の動作時間とスイッチトランジスタ130のしきい電圧との関係を例示的に示す図9のグラフを参照すれば、動作初期にスイッチトランジスタ130のしきい電圧は、元々設計されたしきい電圧Vth0を維持する。そして、時間t1でスイッチトランジスタ130のしきい電圧はVth1に落ちる。次いで、光センシング装置200,200´が動作する間に、時間t2でスイッチトランジスタ130のしきい電圧はVth2に落ち、時間t3でしきい電圧はVth3まで落ちる。また、光遮蔽膜114に印加された負のバイアス電圧とスイッチトランジスタ130のしきい電圧との関係を例示的に示す図10のグラフを参照すれば、負のバイアス電圧がV1である時にスイッチトランジスタ130のしきい電圧はΔVth1ほど増加し、V2である時はΔVth2ほど、V3である時はΔVth2ほどそれぞれ増加する。したがって、ΔVth1=Vth0−Vth1、ΔVth2=Vth0−Vth2、ΔVth3=Vth0−Vth3とそれぞれ仮定する時、時間t1では、光遮蔽膜114にV1のバイアス電圧を印加し、時間t2では、V2のバイアス電圧を印加し、時間t3では、V3のバイアス電圧を印加する。このように、光遮蔽膜114に印加される負のバイアス電圧を調節することで、スイッチトランジスタ130の結果的なしきい電圧を常に一定に維持させる。
【0037】
図11は、前述した原理によって、光遮蔽膜114に適宜な負のバイアス電圧が印加されるようにバイアス電圧を調節するための、本発明の一実施形態による方法を示すフローチャートである。図11のフローチャートを参照すれば、光センシング装置200,200´が動作し始めれば、段階S10で光センシング装置200,200´が動作し始めれば、光センシング装置200,200´の動作時間をリアルタイムでモニタリングする。これらの過程は、例えば、光センシング装置200,200´の第1ゲートドライバ210,210´で行われる。次いで、段階S11で、図9に示したような光センシング装置200,200´の動作時間とスイッチトランジスタ130のしきい電圧との関係を利用して、スイッチトランジスタ130のしきい電圧を予測する。光センシング装置200,200´の動作時間とスイッチトランジスタ130のしきい電圧との関係は、予め実験を通じて測定される。測定された結果データは、例えば、第1ゲートドライバ210,210´内のメモリ(図示せず)に保存される。第1ゲートドライバ210,210´は、メモリに保存された関係データを参照して、現在時間でスイッチトランジスタ130のしきい電圧を予測できる。
【0038】
次いで、段階S12で、スイッチトランジスタ130の予測されたしきい電圧が許容範囲を外れたかどうかを確認する。例えば、第1ゲートドライバ210,210´のメモリには、基準しきい電圧に関するデータが保存されている。第1ゲートドライバ210,210´は、予測されたしきい電圧と基準しきい電圧とを比較した後、予測されたしきい電圧が基準しきい電圧より低いならば、段階S13で、光遮蔽膜114に印加される負のバイアス電圧を増加させる。もし、予測されたしきい電圧が許容範囲内にあるならば、光遮蔽膜114に印加される負のバイアス電圧をそのまま維持する。例えば、図9及び図10の例を参照すれば、まだ時間t0が過ぎていなければ、光遮蔽膜114に印加される負のバイアス電圧を0Vに維持する。そして、光センシング装置200,200´の動作時間がt1に到達すれば、第1ゲートドライバ210,210´は、光遮蔽膜114に印加される負のバイアス電圧をV1に増加させる。このような動作を行うために、第1ゲートドライバ210,210´のメモリには、光遮蔽膜114に印加された負のバイアス電圧とスイッチトランジスタ130のしきい電圧との関係に関する、予め測定された結果データが保存されている。
【0039】
一方、スイッチトランジスタ130のしきい電圧を実際に測定して負のバイアス電圧を調節することもできる。図12は、スイッチトランジスタ130のしきい電圧を直接測定して光遮蔽膜114に印加される負のバイアス電圧を調節する、本発明のさらに別の実施形態による方法を示すフローチャートである。図12を参照すれば、光センシング装置200,200´が動作する間に、段階S20で、第1ゲートドライバ210,210´は、スイッチトランジスタ130のしきい電圧を測定する。しきい電圧の測定は、例えば、毎瞬間にリアルタイムで行われてもよい。しかしながら、スイッチトランジスタ130のしきい電圧シフトは、比較的長時間にかけて徐々に起きるため、既定の一定の時間間隔でしきい電圧の測定が行われてもよい。また、しきい電圧の測定は、光センシング装置200,200´内のすべてのスイッチトランジスタ130に対して行われる必要はなく、予め選択された複数個(例えば、3ないし12個)のスイッチトランジスタ130のしきい電圧のみを測定してもよい。
【0040】
次いで、段階S21で、第1ゲートドライバ210,210´は、測定されたスイッチトランジスタ130のしきい電圧が許容範囲を外れたかどうかを確認する。前述したように、第1ゲートドライバ210,210´のメモリには、基準しきい電圧に関するデータが保存されている。第1ゲートドライバ210,210´は、測定されたしきい電圧と基準しきい電圧とを比較した後、予測されたしきい電圧が基準しきい電圧より低いならば、段階S22で、光遮蔽膜114に印加される負のバイアス電圧を増加させる。バイアス電圧の増加量は、メモリに予め保存されている図10の関係データを参照して定められるか、または、既定の量ほどのみバイアス電圧を増加させる。次いで、段階S23で、スイッチトランジスタ130の変化したしきい電圧を再び測定する。そして、段階S24で、スイッチトランジスタ130の変化したしきい電圧を基準しきい電圧と再び比較する。もし、しきい電圧が依然として許容範囲を外れれば、段階S22に戻って、光遮蔽膜114に印加される負のバイアス電圧を再び増加させる。このような方式で、スイッチトランジスタ130のしきい電圧が許容範囲内に入るまで、すなわち、スイッチトランジスタ130のしきい電圧が基準しきい電圧と同一であるか、またはそれより大きくなるまで、段階S22ないし段階S24を反復できる。
【0041】
これまで、本発明の理解を助けるために、光センシング装置及びその駆動方法についての例示的な実施形態が説明され、かつ添付した図面に図示された。しかしながら、これらの実施形態は単に本発明を例示するためのものであり、これを制限しないという点が理解されねばならない。そして、本発明は、図示または説明に限定されないという点が理解されねばならない。これは、多様な他の変形が当業者により行われうるためである。
【産業上の利用可能性】
【0042】
本発明は、光センシング装置関連の技術分野に好適に用いられる。
【符号の説明】
【0043】
100 光センシング画素
101 基板
102 第1ゲート電極
103 第2ゲート電極
104 ゲート絶縁膜
106 第1チャネル膜
106a,107a 下部チャネル膜
106b,107b 中心チャネル膜
106c,107c 上部チャネル膜
108 第1ソース/ドレイン電極
109 第2ソース/ドレイン電極
110 第3ソース/ドレイン電極
112 第1配線
113 第2配線
114 光遮蔽膜
119 透明絶縁層
130 スイッチトランジスタ
140 光センサートランジスタ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光を感知するための光センサートランジスタ、前記光センサートランジスタからデータを出力するためのスイッチトランジスタ、及び前記スイッチトランジスタの光入射面に配された導電性光遮蔽膜をそれぞれ備える、複数の光センシング画素のアレイと、
それぞれの光センシング画素にゲート電圧及び負のバイアス電圧を提供するための第1ゲートドライバと、
それぞれの光センシング画素から光センシング信号を受けてデータ信号を出力するための信号出力部と、を備える光センシング装置。
【請求項2】
前記第1ゲートドライバは、それぞれの光センシング画素内のスイッチトランジスタのゲート電極に連結されてゲート電圧を提供するゲートライン、及びそれぞれの光センシング画素内の導電性光遮蔽膜に連結されて負のバイアス電圧を提供するバイアスラインを備える請求項1に記載の光センシング装置。
【請求項3】
前記光センシング画素のアレイは、複数の列及び行で配列された複数の光センシング画素を含み、前記第1ゲートドライバは、行方向に沿って配列されている複数のゲートラインを備え、それぞれのゲートラインは、同じ行に沿って配列されている複数の光センシング画素にゲート電圧を提供する請求項2に記載の光センシング装置。
【請求項4】
前記第1ゲートドライバは、行方向に沿って配列されている複数のバイアスラインを備え、それぞれのバイアスラインは、同じ行に沿って配列されている複数の光センシング画素に負のバイアス電圧を提供する請求項3に記載の光センシング装置。
【請求項5】
前記第1ゲートドライバのバイアスラインは、すべての光センシング画素に同時に同じ負のバイアス電圧を提供するように構成された請求項2に記載の光センシング装置。
【請求項6】
それぞれの光センシング画素にリセット信号を提供するための第2ゲートドライバをさらに備える請求項1に記載の光センシング装置。
【請求項7】
前記第2ゲートドライバは、それぞれの光センシング画素内の光センサートランジスタのゲート電極に連結されて、リセット信号を提供するリセットラインを備える請求項6に記載の光センシング装置。
【請求項8】
前記光センシング画素のアレイは、複数の列及び行で配列された複数の光センシング画素を含み、前記第2ゲートドライバは、行方向に沿って配列されている複数のリセットラインを備え、それぞれのリセットラインは、同じ行に沿って配列されている複数の光センシング画素にリセット信号を提供する請求項7に記載の光センシング装置。
【請求項9】
前記光センサートランジスタ及び前記スイッチトランジスタは、チャネル膜として酸化物半導体材料を使用する酸化物半導体トランジスタである請求項1に記載の光センシング装置。
【請求項10】
前記光センサートランジスタ及び前記スイッチトランジスタに使われる酸化物半導体材料は互いに同一である請求項9に記載の光センシング装置。
【請求項11】
前記酸化物半導体材料は、ZnO、InO、SnO、InZnO、ZnSnOまたはInSnOを含む酸化物半導体材料であるか、または前記ZnO、InO、SnO、InZnO、ZnSnOまたはInSnOにHf、Zr、Ti、Ta、Ga、Nb、V、Al、Ga及びSnのうち少なくとも一つの材料がさらに含まれた酸化物半導体材料である請求項9に記載の光センシング装置。
【請求項12】
前記光センシング画素は、
基板と、
前記基板上に部分的に形成された第1ゲート電極及び第2ゲート電極と、
前記基板と第1及び第2ゲート電極とを覆うように形成されたゲート絶縁膜と、
前記ゲート絶縁膜上で前記第1ゲート電極と対向して配された第1チャネル膜と、
前記ゲート絶縁膜上で前記第2ゲート電極と対向して配された第2チャネル膜と、
前記第1チャネル膜の第1側面に形成された第1ソース/ドレイン電極と、
前記第1チャネル膜の第2側面と前記第2チャネル膜の第1側面との間に形成された第2ソース/ドレイン電極と、
前記第2チャネル膜の第2側面に形成された第3ソース/ドレイン電極と、
前記第1ないし第3ソース/ドレイン電極と前記第1及び第2チャネル膜とを覆うように形成された透明絶縁層と、を含む請求項1に記載の光センシング装置。
【請求項13】
前記光センサートランジスタは、前記第1ゲート電極、ゲート絶縁膜、第1チャネル膜、第1及び第2ソース/ドレイン電極及び透明絶縁層を含み、前記スイッチトランジスタは、前記第2ゲート電極、ゲート絶縁膜、第2チャネル膜、第2及び第3ソース/ドレイン電極及び透明絶縁層を含む請求項12に記載の光センシング装置。
【請求項14】
前記光遮蔽膜は、前記第2チャネル膜を遮蔽するように前記透明絶縁層上に部分的に形成されている請求項12に記載の光センシング装置。
【請求項15】
前記第1ゲートドライバは、前記光センシング装置の動作時間と前記スイッチトランジスタのしきい電圧との関係に関する予め測定されたデータ、前記スイッチトランジスタの基準しきい電圧に関するデータ、及び前記光遮蔽膜に印加された負のバイアス電圧と前記スイッチトランジスタのしきい電圧との関係に関する予め測定されたデータをさらに含む請求項1に記載の光センシング装置。
【請求項16】
それぞれの光センシング画素は、前記光センサートランジスタのチャネル膜と前記スイッチトランジスタのチャネル膜とを連結する共通電極を含む請求項1に記載の光センシング装置。
【請求項17】
それぞれの光センシング画素は、
前記光センサートランジスタ内の第1ゲート電極と、
第1ゲート電極上に配された前記光センサートランジスタのチャネル膜と、
前記スイッチトランジスタ内の第2ゲート電極と、
前記第2ゲート電極と前記導電性光遮蔽膜との間に配された前記スイッチトランジスタのチャネル膜と、を含む請求項1に記載の光センシング装置。
【請求項18】
前記光センサートランジスタのチャネル膜と前記スイッチトランジスタのチャネル膜とのうち少なくとも一つは、下部チャネル膜、上部チャネル膜、及び前記下部チャネル膜と前記上部チャネル膜との間に配された中心チャネル膜を含む請求項17に記載の光センシング装置。
【請求項19】
前記下部チャネル膜と前記上部チャネル膜とのうち少なくとも一つは、
酸化物半導体材料と、
III族、IV族、XIII族及びXIV族元素のうち少なくとも一つの材料と、を含む請求項18に記載の光センシング装置。
【請求項20】
前記光センシング画素のアレイは、列及び行に配列された光センシング画素を含み、
前記信号出力部は、列方向に配列された複数のデータラインを含み、
それぞれのデータラインは、同じ列に沿って配列されたすべての光センシング画素に連結されている請求項1に記載の光センシング装置。
【請求項21】
光センシング画素の光センシングデータ出力を制御するスイッチトランジスタ、及び前記スイッチトランジスタに対向して配された導電性光遮蔽膜を含む光センシング装置が動作する段階と、
前記スイッチトランジスタのしきい電圧が基準しきい電圧より低いかどうかを確認する段階と、
前記スイッチトランジスタのしきい電圧が基準しきい電圧より低ければ、前記導電性光遮蔽膜に負のバイアス電圧を印加して、前記スイッチトランジスタのしきい電圧を正の方向に移動させる段階と、を含む光センシング装置の駆動方法。
【請求項22】
前記負のバイアス電圧は、前記スイッチトランジスタにゲート電圧が印加される時に前記光遮蔽膜に印加され、前記スイッチトランジスタへのゲート電圧の印加が中断される時に、前記光遮蔽膜への負のバイアス電圧の印加が中断される請求項21に記載の光センシング装置の駆動方法。
【請求項23】
前記光センシング装置は、複数の列及び行で配列された複数の光センシング画素のアレイを含み、前記ゲート電圧及び負のバイアス電圧は、前記複数の光センシング画素内の前記スイッチトランジスタ及び前記光遮蔽膜に1行ずつ順次にそれぞれ提供される請求項22に記載の光センシング装置の駆動方法。
【請求項24】
前記光センシング装置が動作する間に、前記光遮蔽膜に持続的に負のバイアス電圧が印加される請求項21に記載の光センシング装置の駆動方法。
【請求項25】
前記スイッチトランジスタのしきい電圧が基準しきい電圧より低いかどうかを確認する段階は、
前記光センシング装置の動作時間をモニタリングする段階と、
前記光センシング装置の動作時間と前記スイッチトランジスタのしきい電圧との関係に関する予め測定されたデータを参照して、前記スイッチトランジスタのしきい電圧を予測する段階と、
前記予測されたしきい電圧と基準しきい電圧とを比較する段階と、を含む請求項21に記載の光センシング装置の駆動方法。
【請求項26】
前記スイッチトランジスタのしきい電圧が基準しきい電圧より低いかどうかを確認する段階は、
前記光センシング装置が動作する間に前記スイッチトランジスタのしきい電圧を測定する段階と、
前記測定されたしきい電圧と基準しきい電圧とを比較する段階と、を含む請求項21に記載の光センシング装置の駆動方法。
【請求項27】
前記しきい電圧の測定は、既定の一定の時間間隔で行われる請求項26に記載の光センシング装置の駆動方法。
【請求項28】
前記しきい電圧は、前記光センシング装置の第1ゲートドライバを使用して測定される請求項26に記載の光センシング装置の駆動方法。
【請求項29】
前記導電性光遮蔽膜に負のバイアス電圧を印加して前記スイッチトランジスタのしきい電圧を正の方向に移動させる段階は、前記光遮蔽膜に印加された負のバイアス電圧と前記スイッチトランジスタのしきい電圧との関係に関する、予め測定されたデータを参照して前記負のバイアス電圧を調節する段階を含む請求項21に記載の光センシング装置の駆動方法。
【請求項30】
前記導電性光遮蔽膜に負のバイアス電圧を印加して、前記スイッチトランジスタのしきい電圧を正の方向に移動させる段階は、
前記スイッチトランジスタのしきい電圧が基準しきい電圧と同一であるか、またはそれより大きくなるまで、
既定の一定の増分ほど負のバイアス電圧を増加させた後、前記導電性光遮蔽膜に負のバイアス電圧を印加する段階と、
前記スイッチトランジスタのしきい電圧が基準しきい電圧より低いかどうかを確認する段階と、を反復する請求項21に記載の光センシング装置の駆動方法。
【請求項31】
前記スイッチトランジスタは、チャネル膜として酸化物半導体材料を使用する酸化物半導体トランジスタである請求項21に記載の光センシング装置の駆動方法。
【請求項32】
前記酸化物半導体材料は、ZnO、InO、SnO、InZnO、ZnSnOまたはInSnOを含む酸化物半導体材料であるか、または前記ZnO、InO、SnO、InZnO、ZnSnOまたはInSnOにHf、Zr、Ti、Ta、Ga、Nb、V、Al、Ga及びSnのうち少なくとも一つの材料がさらに含まれた酸化物半導体材料である請求項31に記載の光センシング装置の駆動方法。
【請求項33】
前記光センシング装置の第1ゲートドライバを使用して前記導電性光遮蔽膜に負のバイアス電圧を印加する請求項21に記載の光センシング装置の駆動方法。
【請求項34】
前記光センシング装置は複数のスイッチトランジスタを含み、前記方法は、
前記光センシング装置が動作する間に、前記複数のスイッチトランジスタのうち一部のしきい電圧を測定する段階と、
前記少なくとも一つの測定されたしきい電圧を基準しきい電圧と比較する段階と、
もし測定されたしきい電圧のうち少なくとも一つが基準しきい電圧より低ければ、前記複数のスイッチトランジスタのうち少なくとも一つの導電性光遮蔽膜に負のバイアス電圧を印加して、前記複数のスイッチトランジスタのうち少なくとも一つのしきい電圧を正の方向に移動させる段階と、をさらに含む請求項21に記載の光センシング装置の駆動方法。
【請求項1】
光を感知するための光センサートランジスタ、前記光センサートランジスタからデータを出力するためのスイッチトランジスタ、及び前記スイッチトランジスタの光入射面に配された導電性光遮蔽膜をそれぞれ備える、複数の光センシング画素のアレイと、
それぞれの光センシング画素にゲート電圧及び負のバイアス電圧を提供するための第1ゲートドライバと、
それぞれの光センシング画素から光センシング信号を受けてデータ信号を出力するための信号出力部と、を備える光センシング装置。
【請求項2】
前記第1ゲートドライバは、それぞれの光センシング画素内のスイッチトランジスタのゲート電極に連結されてゲート電圧を提供するゲートライン、及びそれぞれの光センシング画素内の導電性光遮蔽膜に連結されて負のバイアス電圧を提供するバイアスラインを備える請求項1に記載の光センシング装置。
【請求項3】
前記光センシング画素のアレイは、複数の列及び行で配列された複数の光センシング画素を含み、前記第1ゲートドライバは、行方向に沿って配列されている複数のゲートラインを備え、それぞれのゲートラインは、同じ行に沿って配列されている複数の光センシング画素にゲート電圧を提供する請求項2に記載の光センシング装置。
【請求項4】
前記第1ゲートドライバは、行方向に沿って配列されている複数のバイアスラインを備え、それぞれのバイアスラインは、同じ行に沿って配列されている複数の光センシング画素に負のバイアス電圧を提供する請求項3に記載の光センシング装置。
【請求項5】
前記第1ゲートドライバのバイアスラインは、すべての光センシング画素に同時に同じ負のバイアス電圧を提供するように構成された請求項2に記載の光センシング装置。
【請求項6】
それぞれの光センシング画素にリセット信号を提供するための第2ゲートドライバをさらに備える請求項1に記載の光センシング装置。
【請求項7】
前記第2ゲートドライバは、それぞれの光センシング画素内の光センサートランジスタのゲート電極に連結されて、リセット信号を提供するリセットラインを備える請求項6に記載の光センシング装置。
【請求項8】
前記光センシング画素のアレイは、複数の列及び行で配列された複数の光センシング画素を含み、前記第2ゲートドライバは、行方向に沿って配列されている複数のリセットラインを備え、それぞれのリセットラインは、同じ行に沿って配列されている複数の光センシング画素にリセット信号を提供する請求項7に記載の光センシング装置。
【請求項9】
前記光センサートランジスタ及び前記スイッチトランジスタは、チャネル膜として酸化物半導体材料を使用する酸化物半導体トランジスタである請求項1に記載の光センシング装置。
【請求項10】
前記光センサートランジスタ及び前記スイッチトランジスタに使われる酸化物半導体材料は互いに同一である請求項9に記載の光センシング装置。
【請求項11】
前記酸化物半導体材料は、ZnO、InO、SnO、InZnO、ZnSnOまたはInSnOを含む酸化物半導体材料であるか、または前記ZnO、InO、SnO、InZnO、ZnSnOまたはInSnOにHf、Zr、Ti、Ta、Ga、Nb、V、Al、Ga及びSnのうち少なくとも一つの材料がさらに含まれた酸化物半導体材料である請求項9に記載の光センシング装置。
【請求項12】
前記光センシング画素は、
基板と、
前記基板上に部分的に形成された第1ゲート電極及び第2ゲート電極と、
前記基板と第1及び第2ゲート電極とを覆うように形成されたゲート絶縁膜と、
前記ゲート絶縁膜上で前記第1ゲート電極と対向して配された第1チャネル膜と、
前記ゲート絶縁膜上で前記第2ゲート電極と対向して配された第2チャネル膜と、
前記第1チャネル膜の第1側面に形成された第1ソース/ドレイン電極と、
前記第1チャネル膜の第2側面と前記第2チャネル膜の第1側面との間に形成された第2ソース/ドレイン電極と、
前記第2チャネル膜の第2側面に形成された第3ソース/ドレイン電極と、
前記第1ないし第3ソース/ドレイン電極と前記第1及び第2チャネル膜とを覆うように形成された透明絶縁層と、を含む請求項1に記載の光センシング装置。
【請求項13】
前記光センサートランジスタは、前記第1ゲート電極、ゲート絶縁膜、第1チャネル膜、第1及び第2ソース/ドレイン電極及び透明絶縁層を含み、前記スイッチトランジスタは、前記第2ゲート電極、ゲート絶縁膜、第2チャネル膜、第2及び第3ソース/ドレイン電極及び透明絶縁層を含む請求項12に記載の光センシング装置。
【請求項14】
前記光遮蔽膜は、前記第2チャネル膜を遮蔽するように前記透明絶縁層上に部分的に形成されている請求項12に記載の光センシング装置。
【請求項15】
前記第1ゲートドライバは、前記光センシング装置の動作時間と前記スイッチトランジスタのしきい電圧との関係に関する予め測定されたデータ、前記スイッチトランジスタの基準しきい電圧に関するデータ、及び前記光遮蔽膜に印加された負のバイアス電圧と前記スイッチトランジスタのしきい電圧との関係に関する予め測定されたデータをさらに含む請求項1に記載の光センシング装置。
【請求項16】
それぞれの光センシング画素は、前記光センサートランジスタのチャネル膜と前記スイッチトランジスタのチャネル膜とを連結する共通電極を含む請求項1に記載の光センシング装置。
【請求項17】
それぞれの光センシング画素は、
前記光センサートランジスタ内の第1ゲート電極と、
第1ゲート電極上に配された前記光センサートランジスタのチャネル膜と、
前記スイッチトランジスタ内の第2ゲート電極と、
前記第2ゲート電極と前記導電性光遮蔽膜との間に配された前記スイッチトランジスタのチャネル膜と、を含む請求項1に記載の光センシング装置。
【請求項18】
前記光センサートランジスタのチャネル膜と前記スイッチトランジスタのチャネル膜とのうち少なくとも一つは、下部チャネル膜、上部チャネル膜、及び前記下部チャネル膜と前記上部チャネル膜との間に配された中心チャネル膜を含む請求項17に記載の光センシング装置。
【請求項19】
前記下部チャネル膜と前記上部チャネル膜とのうち少なくとも一つは、
酸化物半導体材料と、
III族、IV族、XIII族及びXIV族元素のうち少なくとも一つの材料と、を含む請求項18に記載の光センシング装置。
【請求項20】
前記光センシング画素のアレイは、列及び行に配列された光センシング画素を含み、
前記信号出力部は、列方向に配列された複数のデータラインを含み、
それぞれのデータラインは、同じ列に沿って配列されたすべての光センシング画素に連結されている請求項1に記載の光センシング装置。
【請求項21】
光センシング画素の光センシングデータ出力を制御するスイッチトランジスタ、及び前記スイッチトランジスタに対向して配された導電性光遮蔽膜を含む光センシング装置が動作する段階と、
前記スイッチトランジスタのしきい電圧が基準しきい電圧より低いかどうかを確認する段階と、
前記スイッチトランジスタのしきい電圧が基準しきい電圧より低ければ、前記導電性光遮蔽膜に負のバイアス電圧を印加して、前記スイッチトランジスタのしきい電圧を正の方向に移動させる段階と、を含む光センシング装置の駆動方法。
【請求項22】
前記負のバイアス電圧は、前記スイッチトランジスタにゲート電圧が印加される時に前記光遮蔽膜に印加され、前記スイッチトランジスタへのゲート電圧の印加が中断される時に、前記光遮蔽膜への負のバイアス電圧の印加が中断される請求項21に記載の光センシング装置の駆動方法。
【請求項23】
前記光センシング装置は、複数の列及び行で配列された複数の光センシング画素のアレイを含み、前記ゲート電圧及び負のバイアス電圧は、前記複数の光センシング画素内の前記スイッチトランジスタ及び前記光遮蔽膜に1行ずつ順次にそれぞれ提供される請求項22に記載の光センシング装置の駆動方法。
【請求項24】
前記光センシング装置が動作する間に、前記光遮蔽膜に持続的に負のバイアス電圧が印加される請求項21に記載の光センシング装置の駆動方法。
【請求項25】
前記スイッチトランジスタのしきい電圧が基準しきい電圧より低いかどうかを確認する段階は、
前記光センシング装置の動作時間をモニタリングする段階と、
前記光センシング装置の動作時間と前記スイッチトランジスタのしきい電圧との関係に関する予め測定されたデータを参照して、前記スイッチトランジスタのしきい電圧を予測する段階と、
前記予測されたしきい電圧と基準しきい電圧とを比較する段階と、を含む請求項21に記載の光センシング装置の駆動方法。
【請求項26】
前記スイッチトランジスタのしきい電圧が基準しきい電圧より低いかどうかを確認する段階は、
前記光センシング装置が動作する間に前記スイッチトランジスタのしきい電圧を測定する段階と、
前記測定されたしきい電圧と基準しきい電圧とを比較する段階と、を含む請求項21に記載の光センシング装置の駆動方法。
【請求項27】
前記しきい電圧の測定は、既定の一定の時間間隔で行われる請求項26に記載の光センシング装置の駆動方法。
【請求項28】
前記しきい電圧は、前記光センシング装置の第1ゲートドライバを使用して測定される請求項26に記載の光センシング装置の駆動方法。
【請求項29】
前記導電性光遮蔽膜に負のバイアス電圧を印加して前記スイッチトランジスタのしきい電圧を正の方向に移動させる段階は、前記光遮蔽膜に印加された負のバイアス電圧と前記スイッチトランジスタのしきい電圧との関係に関する、予め測定されたデータを参照して前記負のバイアス電圧を調節する段階を含む請求項21に記載の光センシング装置の駆動方法。
【請求項30】
前記導電性光遮蔽膜に負のバイアス電圧を印加して、前記スイッチトランジスタのしきい電圧を正の方向に移動させる段階は、
前記スイッチトランジスタのしきい電圧が基準しきい電圧と同一であるか、またはそれより大きくなるまで、
既定の一定の増分ほど負のバイアス電圧を増加させた後、前記導電性光遮蔽膜に負のバイアス電圧を印加する段階と、
前記スイッチトランジスタのしきい電圧が基準しきい電圧より低いかどうかを確認する段階と、を反復する請求項21に記載の光センシング装置の駆動方法。
【請求項31】
前記スイッチトランジスタは、チャネル膜として酸化物半導体材料を使用する酸化物半導体トランジスタである請求項21に記載の光センシング装置の駆動方法。
【請求項32】
前記酸化物半導体材料は、ZnO、InO、SnO、InZnO、ZnSnOまたはInSnOを含む酸化物半導体材料であるか、または前記ZnO、InO、SnO、InZnO、ZnSnOまたはInSnOにHf、Zr、Ti、Ta、Ga、Nb、V、Al、Ga及びSnのうち少なくとも一つの材料がさらに含まれた酸化物半導体材料である請求項31に記載の光センシング装置の駆動方法。
【請求項33】
前記光センシング装置の第1ゲートドライバを使用して前記導電性光遮蔽膜に負のバイアス電圧を印加する請求項21に記載の光センシング装置の駆動方法。
【請求項34】
前記光センシング装置は複数のスイッチトランジスタを含み、前記方法は、
前記光センシング装置が動作する間に、前記複数のスイッチトランジスタのうち一部のしきい電圧を測定する段階と、
前記少なくとも一つの測定されたしきい電圧を基準しきい電圧と比較する段階と、
もし測定されたしきい電圧のうち少なくとも一つが基準しきい電圧より低ければ、前記複数のスイッチトランジスタのうち少なくとも一つの導電性光遮蔽膜に負のバイアス電圧を印加して、前記複数のスイッチトランジスタのうち少なくとも一つのしきい電圧を正の方向に移動させる段階と、をさらに含む請求項21に記載の光センシング装置の駆動方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2012−231138(P2012−231138A)
【公開日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−91717(P2012−91717)
【出願日】平成24年4月13日(2012.4.13)
【出願人】(390019839)三星電子株式会社 (8,520)
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】129,Samsung−ro,Yeongtong−gu,Suwon−si,Gyeonggi−do,Republic of Korea
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年4月13日(2012.4.13)
【出願人】(390019839)三星電子株式会社 (8,520)
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】129,Samsung−ro,Yeongtong−gu,Suwon−si,Gyeonggi−do,Republic of Korea
【Fターム(参考)】
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