説明

分離型多ステージ位置決めシステム

分割軸ステージアーキテクチャが、高速度かつ高加速度で素材の振動的・熱的に安定な搬送を可能とする多ステージ位置決めシステム(10)として実現される。分割軸デザインでは、ステージ動作が、平行な別々の平面内にある直交する2つの軸に沿って、分離される。花崗岩又は他の石の厚板の形態、またはセラミック材又は鋳鉄の形態の寸法安定な基体(12)が、下部及び上部ステージの土台として使用される。硬い支持構造体は、レーザ加工システムに於ける、軸方向に調整可能な光学構成要素のより早くより正確な位置決めを可能とする。光学アセンブリ(30)が硬い空気軸受スリーブ(214)に収容され、その空気軸受スリーブが多ステージ位置決めシステムの試料ステージ(26)の上方にある支持構造体(236,240)に取り付けられる場合、振動及び熱安定性が向上する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、試料加工システムに関し、特に、ターゲット試料に対して加工装置を2次元又は3次元的に位置決めする制御のためのステージアーキテクチャに関する。
【0002】
(著作権の表示)
(C) 2008 Electro Scientific Industries, Inc. 本特許文献の開示部分は、著作権保護の対象である資料を含んでいる。本著作権所有者は、特許商標庁の特許包袋または記録に現れるように何人が本特許文献または特許開示をファクシミリ再生することに対して異議はないが、そうではない場合、何であれ、37 CFR§1.71(d)に従って全ての著作権を留保する。
【背景技術】
【0003】
半導体のウエハーレベル加工用に構成されたウエハー搬送システムは、一般に、加工のためにウエハーを固定するチャックを有するステージを含む。ステージは時々、固定され、時々、移動可能になる。あるアプリケーションでは、ステージは、回転を伴う又は伴わずに、デカルト1次元、2次元、又は3次元に於いて、直線的に移動する必要がある。総加工時間のかなりの部分がウエハーの位置決めと搬送に費やされる場合、ステージ動作の速さは、ウエハー加工プラットホーム全体のスループットを左右する。
【0004】
光学的加工を含むアプリケーションでは、移動可能な光学アセンブリをウエハー表面の上方に取り付けてよく、それによって必要なウエハー搬送距離を最小限に抑えることができる。ステージ動作の主方向は、主軸(major axis)と呼ばれ、主方向に垂直なステージ動作の方向は、短軸(minor axis)と呼ばれる。加工対象のウエハー又は試料を保持するチャックは、主軸に沿って移動する主軸ステージに、短軸に沿って移動する短軸ステージに、または主軸及び短軸の下方の静止位置に取り付けてよい。主軸ステージは、短軸ステージを支持してよく、又は互いに独立でもよい。
【0005】
このような光学系のステージデザインは、電気回路寸法が小さくなるにつれて、より重要になりつつある。ステージデザイン上の考慮事項の1つは、ウエハーチャック及び光学アセンブリの振動及び熱的安定性に起因する加工品質への影響である。レーザビーム位置が継続的に調整される場合、レーザアセンブリを支持する最新の構造は、柔軟すぎて、必要なレベルの精度を維持できない。さらに、回路寸法が小さくなるに従い、微粒子汚染の懸念がより大きくなる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
「分割軸ステージ」アーキテクチャは、多ステージ位置決めシステムとして実現され、好適な実施形態では、その位置決めシステムは、レーザ光学アセンブリと、レーザ加工のためにレーザビームが入射する表面を有する加工物とを支持する。多ステージ位置決めシステムは、高速度及び高加速度で、振動的熱的に安定に物体を搬送することができる。「分割軸」デザインは、平行な別々の平面にある2つの直交する軸に沿って、駆動されるステージ動作を分離する。好適な実施形態に於いては、水平面に於ける動作は、互いに直角に動く、試料(主軸又は下部)ステージとスキャン光学アセンブリ(短軸又は上部)ステージとの間で分割される。
【0007】
花崗岩又は他の石の厚板、或いは、セラミック材、鋳鉄、またはAnocast(商標)などの高分子複合材の厚板の形態の寸法安定な基体が、下部及び上部ステージの土台として使用される。厚板及びステージは、望ましくは、同じ熱膨張係数の素材から作成され、システムは、好都合に、温度変化に対してコヒーレントに反応する。基体は、正確に切削(「ラッピングされた(lapped)」)され、その上部及び下部ステージ表面の部分は、平坦で互いに平行となる。好適な実施形態では、試料保持チャックを搬送する下部ステージを案内する下部ガイドトラックアセンブリは、基体の下部表面に結合される。レーザビーム焦点領域制御サブシステムを搬送する上部ステージを案内する上部ガイドトラックアセンブリは、基体の上部表面に結合される。ガイドトラックアセンブリの隣接するレールに沿って配置されるリニアモータが、下部及び上部ステージの移動を制御する。
【0008】
支持構造体は本質的に硬いので、重く構造的に硬い基体は、レーザ光学アセンブリの動きと試料の動きとを分離して安定化し、振動を吸収し、よりスムーズな加速及び減速を可能にする。基体の剛直性、及びステージ動作軸の周到な分離は、結果として、共振周波数がより高くなり、3軸方向すべての移動誤差はより小さくなる。基体は、またヒートシンクの機能を果たすことによって、熱的安定性を提供する。さらに、コンパクトな構成に設計されているので、システムはより少ない素材で構成され、従って、加熱されたとき、膨張の影響を受け難い。基体の中央に長円形のスロットを切り抜くことによって、下方の試料にレーザビームが当り、基体を貫通してレーザ光学アセンブリの鉛直方向の移動が可能となっている。その他の方法で、試料は、レーザ加工を受ける局所化された領域を除き、基体によって、頭上の動作によって発生した小片から保護される。
【0009】
レーザビーム焦点領域制御サブシステムは、下部ステージの上方に支持され、そして支持構造体によって上部ステージに取り付けられた硬い空気軸受スリーブ内に配置された鉛直方向に調整可能な光学アセンブリを含む。支持構造体の剛直性によって、ビーム軸に沿ったより早いより正確な鉛直方向移動が可能なる。スリーブの内表面は、外レースの機能を果たし、レンズの外表面は、内レースの機能を果たし、このようにして空気軸受を形成し、レーザビームの焦点領域の鉛直方向移動を案内する。鉛直方向移動は、スリーブの上端にあるレンズフォーサによって起動され、それは、光学アセンブリに動力を与え、下側のチャック上の加工物に対してその高さを調整し、そうすることによって、加工面に対してレーザの焦点領域を調整する。隔離撓みデバイスは、ビーム軸に沿って剛直であり、水平面において可撓性があるが、光学アセンブリへのレンズフォーサの過度な動きを和らげる。
【0010】
分割軸ステージデザインは、半導体加工に於いて使用される多くのプラットホームに対して適用可能である。半導体加工には、ダイシング、構成部品のトリミング、ヒューズ加工、インキング、プリント配線板(PWB)のビア穴あけ、ルーティング、検査、及び計測が含まれる。このようなデザインによって与えられる効果は又、全てのクラスの機械加工ツールにとって有用である。
【0011】
更に別の態様、及び利点は、添付の図面を参照しながら進める好適な実施形態についての以下の詳細な記述から明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】分離型、多ステージ位置決めシステムの等角図である。
【図2】図1の位置決めシステムの部分的な組立分解等角図であり、システムが組み立てられるとき、石の厚板などの寸法安定な基体に取り付けられる上部及び下部のステージを示している。
【図3】図1の位置決めシステムの等角図であり、スキャンレンズを支持する上部ステージと上部ステージの駆動構成要素を示している。
【図4】図1の位置決めシステムの等角図であり、試料保持チャックを支持する下部ステージと下部ステージの駆動構成要素を示している。
【図5A】図1から4の位置決めシステムの上部及び下部のステージの1つ又は両方を動かすための代替のガイドトラックアセンブリ構成を示す図である。
【図5B】図1から4の位置決めシステムの上部及び下部のステージの1つ又は両方を動かすための代替のガイドトラックアセンブリ構成を示す図である。
【図5C】図1から4の位置決めシステムの上部及び下部のステージの1つ又は両方を動かすための代替のガイドトラックアセンブリ構成を示す図である。
【図6】レーザビーム焦点領域制御サブシステムの好適な実施形態の分解組立図であり、そのサブシステムはスキャンレンズを収容し、スキャンレンズの鉛直方向(Z軸)の移動を案内する空気軸受スリーブを含む。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1と2は、分離型多ステージ位置決めシステム10を示しており、好適な実施形態では、これらのシステムは、レーザ加工システムの構成要素を支持し、レーザビームはそれらの構成要素内を伝播し、ターゲット試料に入射する。位置決めシステム10は、寸法安定な基体12を含み、その基体は、石の厚板、望ましくは花崗岩で形成されている厚板、或いは、セラミック材、鋳鉄、またはAnocast(商標)などの高分子複合材の厚板で作られている。基体12は、第1のまたは上部の平坦な主表面14及び、段付きの凹部18を持つ第2のまたは下部の平坦な主表面16を有する。主表面14と16は、互いに平行で、約10マイクロメートルの許容公差以内の平坦度と平行度を持つように調整された平面である表面部分を備える。
【0014】
上部主表面14の表面部分と第1のガイドトラックアセンブリ20とが結合して、第1の軸に沿って、レーザ光学アセンブリステージ22の移動を案内する。下部主表面16の表面部分と第2のガイドトラックアセンブリ24とが結合して、第1軸と直角な第2軸に沿って、試料ステージ26の移動を案内する。光学アセンブリステージ22は、レーザビーム焦点領域制御サブシステム28を支持し、そのシステムは、スキャンレンズ30を含み、そのレンズは、基体12の下部主表面16のより下に、下方に懸垂している。試料ステージ26は、試料保持チャック32を支持する。ステージ22及び26の案内される移動によって、チャック32によって保持される試料(図示せず)の表面上のレーザビーム加工位置に対してスキャンレンズ30が移動される。
【0015】
好適な実現に於いては、基体12は、整えられ、主表面14と16は、相隔たる水平な平面を画定し、ガイドトラックアセンブリ20と24は、第1及び第2軸が互いに直交しそれによってそれぞれがY軸とX軸を規定するように、配置される。この分割軸アーキテクチャは、移動を、X軸とY軸に沿って分離して、レーザビームとチャック32の位置決めの制御を単純化し、より少ない自由度しか許容しない。
【0016】
図3は、光学アセンブリステージ22の詳細を示し、そのステージは、図2に示す第1のガイドトラックアセンブリ20とともに機能する。第1のガイドトラックアセンブリ20は、上部主表面14の支持部に固定された相隔たる2つのガイドレール40と、光学アセンブリステージ22の底部表面44に支持された2つのU字形のガイドブロック42とを含む。ガイドブロック42の各々は、レール40のそれぞれ対応するレールに嵌合し、加えられた動力に応じて、対応するそれぞれのレールに沿って摺動する。光学アセンブリステージ22用モータ駆動装置は、リニアモータ46を備え、そのモータは、上部主表面14上に各ガイドレール40の長さに沿って取り付けられている。リニアモータ46は、動力を与え、対応するガイドブロック42を推進し、ガイドブロックは、対応するガイドレール40に沿って、摺動移動する。各リニアモータ46は、U-チャネル磁石トラック48を含み、その磁石トラックは、ガイドレール40の長さに沿って配置された多数の磁石50からなる相隔たる直線アレイを保持する。磁石50の直線アレイ間に配置されたフォーサコイル(forcer coil)アセンブリ52は、光学アセンブリステージ22の底部表面44に結合され、光学アセンブリステージ22を動かすリニアモータ46の可動部材を構成する。適切なリニアモータ46は、ペンシルベニア州ピッツバーグにあるAerotech社から入手可能なモデルMTH480である。
【0017】
図2に示す第1ガイドトラックアセンブリ20のガイドレール40とガイドブロック42の各対は、転動体軸受アセンブリである。ガイドトラックアセンブリ20の代替手段には、平面空気軸受、又は真空与圧空気軸受が含まれる。いずれのタイプの空気軸受を使うとしても、各ガイドレール40の撤去が必要となり、上部表面14の表面部分が露出して、ガイド表面を形成し、そして各ガイドブロック42は、レーザ光学アセンブリステージ22の底部表面44に取り付けられる軸受のガイド表面又は軸受面で置き換えられる。真空与圧空気軸受は、圧力ポートと真空ポートを有するが、ガイド表面に対して同時に押し下げ且つ持ち上げられる。真空与圧空気軸受の使用では、ただ1つの平坦なガイド表面が必要になるが、対向型軸受与圧の使用では、2つの平坦な、平行なガイド表面が必要になる。適切な空気軸受は、ペンシルベニア州アストンにあるNew Way Machine Components社から入手可能である。従って、使用されるガイドトラックアセンブリのタイプに応じて、上部主表面14の表面部分は、ガイドレール搭載接触面又は軸受面非接触ガイド表面となってよい。
【0018】
光学アセンブリステージ22の底部表面44に固定され、ガイドブロック42のそれぞれに隣接して配置された一対のエンコーダヘッド60は、光学アセンブリステージ22のヨー角及び移動距離を測定する位置センサーを含む。ガイドレール40と、ガイドブロック42と,そしてステージ22と26のそれぞれを駆動するリニアモータ46とに近接して位置センサーを配置することによって、共振効果を最小限に抑え、効率的な、クローズドループフィードバック制御を保証する。一対の停止部材62は、エンコーダヘッド60に組み込まれたリミットスイッチに応じて、ガイドブロック42の移動距離を制限し、そのリミットスイッチは基体12に取り付けられた磁石(図示せず)によって作動する。一対の緩衝器64は、光学アセンブリステージ22の動きを弱めて停止させて、光学アセンブリステージ22がガイドレール40から移動オーバするのを防止する。
【0019】
ガイドレール40の間にそれらの長さに沿って、基体12に形成された長円形のスロット66は、開口を備え、光学アセンブリステージ22がガイドレール40に沿って動くとき、その開口の範囲内で、スキャンレンズ30は動くことができる。基体12の段付きの凹部18の領域に形成された一対の貫通孔68によって、上部表面14からエンコーダヘッド60に対してオペレータ点検アクセスを行い、それらエンコーダヘッドの整合性を維持することができる。
【0020】
図4は、図2の第2のガイドトラックアセンブリ24と動作的に関係する試料ステージ26の詳細を示している。第2のガイドトラックアセンブリ24は、ガイドレール、U字形のガイドブロック、リニアモータ、U-チャネル磁石トラック、磁石、フォーサコイルアセンブリ、及びエンコーダヘッドを含み、これらは第1ガイドトラックアセンブリ20に関して上述したものに相当し、同じ参照数字で識別されている。リニアモータ46と、第2のガイドトラックアセンブリ24の構成要素と、第2のガイドトラックアセンブリ24によって支持される構成要素とが、試料ステージ台72の表面70に取り付けられる。
【0021】
ステージ22と26及びモータ46の力学的配置によって、ステージ22と26の上下動及び横揺れが低減し、高速移動の精度が向上する。ステージ22と26の両側へのモータ46の対称配置によって、ヨーイングの制御が向上する。ステージ22と26の下とは対照的なそれらの側方に沿ってモータ46を配置することによって、重要な構成要素及び位置センサーの熱擾乱を最小限に抑えている。
【0022】
第2のガイドトラックアセンブリ24及び、チャック32を支持する試料ステージ26は、段付き凹部18に嵌め込まれ内部に固定される。試料ステージ台72の表面70は、段付き凹部18のより広いより下位の部分に隣接する、下部主表面16の表面部分74に対して固定され、そしてチャック32は、下部主表面16の段付き凹部18の最も奥の部分の下に配置され、第2のガイドトラックアセンブリ24に沿って試料ステージ26を動かすリニアモータ46によって与えられる動力に応じて、その最も奥の部分の下方を移動する。一対の停止部材76は、エンコーダヘッド60に組み込まれたリミットスイッチに応じて、ガイドブロック42の移動距離を制限し、そのリミットスイッチは基体12に取り付けられた磁石(図示せず)によって作動する。一対の緩衝器78は、試料ステージ26の動きを弱めて停止させて、試料ステージ26がガイドレール40から移動オーバするのを防止する。
【0023】
ガイドトラックアセンブリ24に対する第1の代替手段は、試料ステージ台72を軸受ランド又は案内路として使用する磁気与圧空気軸受である。磁気与圧空気軸受の使用では、各ガイドレール40の撤去が必要となり、試料ステージ台72の表面部分が露出し、そして各ガイドブロック42の撤去が必要となり、試料ステージ26の底部表面上に、前記露出した表面部分に対向して配置される(多孔質の)軸受面を有する空気軸受を取り付けるためのスペースがもたらされる。
【0024】
図5Aは、この第1の代替構成に於ける2つの磁気与圧空気軸受100の配置を示す概略図である。鋼板又は積層鋼板構造体102が、フォーサコイルアセンブリ52の間のスペースにある表面70上にフォーサコイルアセンブリ52の長さに沿って固定される。2つの相隔たる平坦な空気軸受100は、試料ステージ26の底部表面106の対応する表面部分104に固定され、リニアモータ46の長さに沿って延びている。適切な空気軸受は、ペンシルベニア州アストンにあるNew Way Machine Components社から入手できる炭化ケイ素多孔質媒体平面軸受シリーズの部品番号S1xxxxxである。磁気シート108が、試料ステージ26の底部表面106上の空気軸受100の間のスペースに配置され、鋼板102と空間的に整列され、磁石108と鋼板102との露出した表面が相対している。磁気引力によって、磁気シート108は、図5Aの下向きの矢印によって示されるように、鋼板又は積層鋼板102へ向けて下向きに圧迫され、空気軸受100の真の力によって、試料ステージ26は、図5Aの2つの平行な上向きの矢印によって示されているように、試料ステージ台72の表面70から離れるように上向きに圧迫される。対向する磁気力と圧搾空気の同時印加によって、空気軸受100の(多孔質の)軸受面112と表面70上の軸受案内路114との間の空間に空気の薄膜が生じる。空気軸受100の揚力は、試料ステージ26の重さと磁石108の磁気力の合計の2倍に等しい。リニアモータ46が、動力を与え、その結果、軸受案内路114の長さに沿った、試料ステージ26のほぼ摩擦抵抗ゼロの運動となる。
【0025】
ガイドトラックアセンブリ24に対する第2の代替手段は、試料ステージ台72を軸受ランド又は案内路として使用する真空与圧空気軸受である。ガイドトラックアセンブリ24に対する上述の第1の代替手段と同様に、真空与圧空気軸受の使用では、各ガイドレール40の撤去が必要となり、試料ステージ台72の表面部分114が露出し、そして各ガイドブロック42の撤去が必要となり、試料ステージ26の底部表面106上に、前記露出した表面部分114に対向して配置される圧力ランドを有する真空与圧空気軸受を取り付けるためのスペースがもたらされる。
【0026】
図5Bは、第2の代替構成に於ける2つの真空与圧空気軸受120の配置を示す概略図である。2つの相隔たる真空与圧空気軸受120は、試料ステージ26の底部表面106の対応する表面部分104に固定され、リニアモータ46の長さに沿って延びている。適切な空気軸受は、ペンシルベニア州アストンにあるNew Way Machine Components社から入手できる真空与圧空気軸受シリーズの部品番号S20xxxxである。真空与圧空気軸受120は、表面70の軸受案内路114に対して同時に押し下げ且つ持ち上げられる。各真空与圧軸受120は、相隔たるランド部分122aと122bに分割されている圧力ランドを有する。真空領域124が、ランド部分122aと122bの間配置される。空気圧と真空の同時印加及び分与によって、真空与圧空気軸受120の圧力ランド部分122a及び122bと、表面70上の軸受案内路114との間の空間に、空気の薄膜が生じる。リニアモータ46が、動力を与え、その結果、軸受案内路114の長さに沿った、試料ステージ26のほぼ摩擦抵抗ゼロの運動となる。
【0027】
ガイドトラックアセンブリ24に対する第3の代替案は、各ガイドレール40及び各ガイドブロック42のみならず試料ステージ台72のない状態で、第1の代替手段の磁気与圧空気軸受か第2の代替手段の真空与圧空気軸受のいずれかの使用を必要とするものである。
【0028】
図5Cは、基体12の底部表面142に沿う磁気与圧空気軸受又は真空与圧空気軸受140に乗っている試料ステージ26を示す概略図である。基体12が水平配置の場合、磁気与圧又は真空与圧空気軸受140は、試料ステージ26が底部表面142に沿って動くとき、試料ステージ26に掛かる重力に打ち勝つほど十分な力を生み出す。当業者は、レーザ光学アセンブリステージ22は、同様に適合して、基体12の上部主表面14に沿う磁気与圧空気軸受又は真空与圧空気軸受に乗せてよいことを理解できる。ステージ構成には、上述の空気軸受の代わりに機械的なリニアガイドを使用してよい。干渉計などの、位置を測定する他の装置をこの位置決めのシステムデザインに組み入れてよい。
【0029】
基体12の質量は、レーザ光学アセンブリステージ22の質量と、搭載される試料を含め試料ステージ26の質量とを分離するのに十分であり、ステージ22と26の内の一方の案内された動作が他方に与える動力は無視してよい。X及びY軸に沿って動くステージ22と26の質量は小さく、その結果、高加速及び高速度処理が可能であり、リニアモータ46内の熱発生は限定される。レーザビーム焦点領域制御サブシステム28の質量の中心は、光学アセンブリステージ22の質量中心と一直線上になっているので、光学アセンブリステージ22の移動に於ける摂動は最小限に抑えられている。
【0030】
レーザ光学アセンブリステージ22は、制御サブシステム28を受け入れる開口200を有し、その制御サブシステムは、スキャンレンズ30を収容する空気軸受アセンブリ202を含む。制御サブシステム28は、スキャンレンズ30によって形成されるレーザビーム焦点領域の軸位置を制御して、レーザビームを、スキャンレンズ30の光軸であるビーム軸206を大まかには伝播し、スキャンレンズ30を通って、試料ステージ26上に支持されているターゲット試料の加工面に入射させる。
【0031】
図6は、制御サブシステム28の構成要素と、レーザ光学アセンブリステージ22への制御サブシステムの取り付けとをより詳細に示している。図6を参照すると、制御サブシステム28は、レンズフォーサアセンブリ210を含み、レンズフォーサアセンブリ210は、ヨークアセンブリ212によって、空気軸受アセンブリ202の空気軸受ブッシュ214の内部に収容されているスキャンレンズ30に連結されている。適切な空気軸受ブッシュは、ペンシルベニア州アストンにあるNew Way Machine Components社から入手できる部品番号S307501である。レンズフォーサアセンブリ210は、望ましくはボイスコイルアクチュエータであるが、ヨークアセンブリ212経由で動力を与え、その力が、スキャンレンズ30を動かし、それによってレーザビームの焦点領域をビーム軸206に沿った選択位置に移動させる。
【0032】
ボイスコイルアクチュエータ210は、略円筒形のハウジング230と、周囲に銅線が巻かれている磁心からできている貫通コイル232とを含む。円筒形のハウジング230と貫通コイル232は、同一軸上に整列され、そして貫通コイル232は、ボイスコイルアクチュエータ210に与えられた制御信号(図示せず)に応じて、ハウジング230に対して、軸方向に入ったり出たりする。推奨のボイスコイルデバイス210は、カリフォルニア州ビスタにあるBEI Kimco Magnetics社から入手できるアクチュエータ番号LA 28-22-006 Zである。
【0033】
貫通コイル232は、互いに対向する側方部材238を有するボイスコイルブリッジ236にある略円形の開口234を通って延びている。それらの側方部材は、レーザ光学アセンブリステージ22に取り付けられた直立材240(図1)上に載っており、レーザビーム焦点領域制御サブシステム28を支えている。ボイスコイルブリッジ236は、2つの対向する側方突起部242の各々に、管状のハウジング250を収容するホール244を備え、それら管状ハウジングをガイドマウント256の上面254から延びるロッド252が貫通する。各ロッド252は、自由端258を有する。ガイドマウント256は、その上面254に環状の台座260を有し、その上に貫通コイル232が載る。2つの重ねられた、軸方向に整列した細長い玉軸受ブッシュ264は、ボイスコイルブリッジ236の側方突起部242の各ホール244に収容されている管状のハウジング250に嵌挿される。玉軸受ブッシュ264を貫通するロッド252の自由端258には、ロッド留め金266が付けられ、ビーム軸206に沿う貫通コイル232の下方移動の下限のハードストップを与える。
【0034】
ハウジング230は、円形の開口270を有し、その開口は、貫通コイル232の中心、ボイスコイルブリッジ236の開口234、及びガイドマウント256の環状台座260の中心と同軸上に配置されている。中空のスチールシャフト272は、ハウジング230の開口270を通って延び、六角ナット274は、中空スチールシャフト272と可撓性のある管状スチール部材276とを軸アライメントに接続し、管状スチール部材276は、後述するようにヨークアセンブリ212に連結されている。六角ナット274は、貫通コイル232の下面278に接するように配置され、貫通コイル232の軸方向の出入り動作に応じて、可撓性のある管状スチール部材276を駆動又はZ軸280に沿って駆動する。中空スチールシャフト272は、コイルばね282の中心を通り、コイルばねの軸に沿って通過する。このコイルばねは、ハウジング230の上面284と、中空スチールシャフト272の自由端290に固定された円筒形のばねリテーナ286との間に制限される。コイルばね282は、ボイスコイルアクチュエータ210に対して制御信号が与えられていない状態では、貫通コイル232に対して、Z軸280に沿ってストロークの中間点を目標としてバイアスをかける。
【0035】
ヨークアセンブリ212は、対向するヨーク側板300(ただ1つだけ図示されている)を備えており、それらは、一端302が,ヨークリング306の表面304に固定され、他端308が、多層の矩形ヨークマウント310に固定される。円筒外面312で形成され,環状の上端フランジ314を有するスキャンレンズ30は、ヨークアセンブリ212に嵌挿され、上端フランジ314は、ヨークリング306の表面304に載る。空気軸受ブッシュ214の内部に収容されるスキャンレンズ30は、空気軸受アセンブリ202の内レースを形成し、空気軸受ブッシュ214の内表面316は、空気軸受アセンブリ202の外レースを形成する。空気軸受アセンブリ202の本実施では、スキャンレンズ30のX−Y平面に於ける剛性を増すが、スキャンレンズ30をZ軸に沿って非常にスムーズに制御されたように動かすことが可能となる。
【0036】
可撓性のあるスチール部材276は、自由端320を有し、その自由端は、ヨークマウント310の上面324の凹部322に嵌合し、そのヨークマウントをZ軸280に沿って動かし、それによってスキャンレンズ30をビーム軸206に沿って動かす。エンコーダ328を保持し、ボイスコイルブリッジ236に取り付けられるエンコーダヘッドマウント326は、エンコーダスケールを保持し且つガイドマウント256に取り付けられるエンコーダ本体マウント330と協調し、光の回析原理を使用して、貫通コイル232の移動に応じて、ボイスコイルブリッジ236に対するガイドマウント256の変位を測定する。可撓性のある管状のスチール部材276は、貫通コイル232に取り付けられているので、測定される変位は、ビーム軸206に沿った、スキャンレンズ30の位置を表す。
【0037】
搭載リング342の所定位置に固定された4分の1波長板340は、矩形のヨークマウント310の下面344とスキャンレンズ30の上端フランジ314との間に配置される。光学アセンブリステージ22に取り付けられる、圧電型高速ステアリングミラーなどのビーム偏向デバイス346 (図3)は、矩形のヨークマウント310と4分の1波長板340との間に配置される。高速ステアリングミラー346は、ビーム軸206を伝播する入射レーザビーム348を受けて、レーザビーム348を4分の1波長板340及びスキャンレンズ30に向けて通過させる。4分の1波長板340は、入射する直線偏光したレーザビームに回転偏光を与え、高速ステアリングミラー346は、円偏光レーザビームを試料ステージ26上に支持されているターゲット試料の加工面の選択位置に入射するように向ける。高速ステアリングミラー346が中立位置にある場合、Z軸280、ビーム軸206、及びレーザビーム348の伝播経路は、同一線上にある。高速ステアリングミラー346が作動中の場合、レーザビーム348の伝播経路は、一般にビーム軸206と一直線になっている。
【0038】
可撓性のあるスチール部材276は、Z軸方向では剛直であるが、X−Y平面では可撓性がある。可撓性のあるスチール部材276のこれらの特性によって、スチール部材276はバッファとして機能することが可能となり、スキャンレンズ30を収容する空気軸受アセンブリ202の案内作用を、スキャンレンズ30を動かすレンズフォーサアセンブリ210の案内作用から隔離する。
【0039】
レンズフォーサアセンブリ210及び空気軸受アセンブリ202は、重心を持ち、Z軸に沿って配置されている。レンズフォーサアセンブリ210のボイスコイルブリッジ236は、2つの凹部350を持ち、それらの深さと断面積を加減して、2つの重心の軸アライメントを実現することができる。このような重心のアライメントによって、制御システム28内のモーメントアームを除去し、従来の片持ち梁設計に存在する低共振周波数の振動傾向を低減するのに役立つ。
【0040】
位置決めシステム10を導入できるレーザ加工システムの考えられる種類の幾つかの例には、半導体ウエハーまたは他の試料の微細加工、ダイシング、及びフューズ加工システムが含まれる。ウエハーダイシングシステムでは、レーザビーム348は、ウエハー表面上のスクライブ位置に沿って移動する。ウエハーヒューズ加工システムでは、パルスレーザビーム348は、ヒューズのウエハー表面位置に対して移動し、レーザパルスが、部分的に又は完全にヒューズ部材を除去するように、ヒューズに照射する。
【0041】
この技術分野の当業者にとっては、上記に説明した実施形態の詳細に対して、本発明の基礎原理から逸脱することなく、多くの変更を行なうことができることは明らかである。従って、本発明の範囲は、後続の請求範囲によってのみ決定されるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
分離型、多ステージ位置決めシステムであって:
基体厚さと、対向する第1及び第2のほぼ平行な主表面部分とを有する寸法安定な基体と、
前記第1の主表面部分に結合され、第1の動力に応じて第1の軸に沿って第1のステージの移動を案内するように配置された第1のガイドトラックアセンブリと、
前記第2の主表面部分に結合され、第2の動力に応じて第2の軸に沿って第2のステージの移動を案内するように配置された第2のガイドトラックアセンブリと、
を含み、
前記第2と第1の軸は、互いに直交するように配置され、
前記寸法安定な基体は、前記第1及び第2ステージの案内される移動が基体厚さ方向に於いては、無視できる程の移動誤差しか与えないように、前記第1及び第2ステージを分離する、システム。
【請求項2】
前記第1のガイドトラックアセンブリに動作可能に接続され、前記第1ステージが反応する第1の動力を与える、第1のモータ駆動装置と、
前記第2のガイドトラックアセンブリに動作可能に接続され、前記第2ステージが反応する第2の動力を与える、第2のモータ駆動装置と、
をさらに含む、請求項1に記載の位置決めシステム。
【請求項3】
前記第1及び第2のモータ駆動装置の各々は、リニアモータを含む、請求項2に記載の位置決めシステム。
【請求項4】
前記第1のモータ駆動装置は、前記第1のガイドトラックアセンブリの両側に配置された2つのモータを含み、前記第1ステージに前記第1の動力を与え、前記第1ステージの移動を前記第1の軸に沿って案内し、
前記第2のモータ駆動装置は、前記第2のガイドトラックアセンブリの両側に配置された2つのモータを含み、前記第2ステージに前記第2の動力を与え、前記第2ステージの移動を前記第2の軸に沿って案内する、請求項2に記載の位置決めシステム。
【請求項5】
前記第1ステージは、第1の質量中心を有し、
前記第1のモータ駆動装置は、前記第1のガイドトラックアセンブリの両側に配置された2つのモータを含み、ほぼ前記第1ステージの前記第1の質量中心を通って前記第1の動力を与え、前記第1ステージの移動を前記第1の軸に沿って案内する、請求項4に記載の位置決めシステム。
【請求項6】
前記第2ステージは、第2の質量中心を有し、
前記第2のモータ駆動装置は、前記第2のガイドトラックアセンブリの両側に配置された2つのモータを含み、ほぼ前記第2ステージの前記第2の質量中心を通って前記第2の動力を与え、前記第2ステージの移動を前記第2の軸に沿って案内する、請求項5に記載の位置決めシステム。
【請求項7】
前記第1のモータ駆動装置の前記2つのモータの各々の近傍と、前記第2のモータ駆動装置の前記2つのモータの各々の近傍とに配置された位置センサーをさらに含む、請求項4に記載の位置決めシステム。
【請求項8】
前記位置センサーとモータは、協調して、共同設置のフィードバック制御を行う、請求項7に記載の位置決めシステム。
【請求項9】
前記第1及び第2のモータ駆動装置の各々の前記位置センサーとモータとは、協調して、前記第1及び第2ステージのそれぞれの3次元移動を制御する、請求項7に記載の位置決めシステム。
【請求項10】
前記第1及び第2のガイドトラックアセンブリの少なくとも1つは、空気軸受案内路を伴う空気軸受を含む、請求項1に記載の位置決めシステム。
【請求項11】
前記空気軸受は、真空与圧型である、請求項10に記載の位置決めシステム。
【請求項12】
前記空気軸受は、磁気的に与圧される型である、請求項10に記載の位置決めシステム。
【請求項13】
前記空気軸受案内路は、前記基体の表面である、請求項10に記載の位置決めシステム。
【請求項14】
前記基体の前記表面は、水平配置の時、下部基体表面を構成し、前記空気軸受は、その空気軸受が付属する、前記第1及び第2のステージの前記1つのステージに掛かる重力に打ち勝つほど十分な力を生み出す、請求項13に記載の位置決めシステム。
【請求項15】
前記基体は、石の厚板を含む、請求項1に記載の位置決めシステム。
【請求項16】
前記石の厚板は花崗岩から形成される、請求項15に記載の位置決めシステム。
【請求項17】
前記基体は、セラミック材の厚板を含む、請求項1に記載の位置決めシステム。
【請求項18】
前記基体は、鋳鉄からなる厚板を含む、請求項1に記載の位置決めシステム。
【請求項19】
前記基体は、高分子複合材からなる厚板を含む、請求項1に記載の位置決めシステム。
【請求項20】
前記基体は、第1及び第2のステージの前記案内される移動を可能にする動作クリアランスを与えるように構成される、請求項1に記載の位置決めシステム。
【請求項21】
前記基体は、スロットを含み、そのスロットによって、前記第1及び第2のステージの一方の1つに動作可能に接続されている構成要素は、前記第1及び第2のステージの他方の1つと動作的に連携して動くことができる、請求項20に記載の位置決めシステム。
【請求項22】
前記第1及び第2のステージは、レーザ加工システムの構成要素を支持し、
前記第1のステージは、ビーム軸を有するスキャンレンズを支持し、レーザビームはそのレンズを通り、前記ビーム軸とほぼ一直線上にある伝播経路に沿って伝播し、
前記第2のステージは、試料保持チャックを支持し、前記第1及び第2のステージの前記案内される移動は、協調して、前記チャックによって保持されている試料の表面上のレーザビーム加工位置に対して前記ビーム軸を動かす、請求項1に記載の位置決めシステム。
【請求項23】
前記レーザ加工システムは、前記試料の微細加工を行う、請求項22に記載の位置決めシステム。
【請求項24】
前記第1及び第2のステージは、半導体ウエハーダイシングシステムの構成要素を支持し、
前記第1のステージは、切削装置を支持し、前記第2のステージは、ウエハー保持チャックを支持し、
前記第1及び第2のステージの前記案内される移動は、協調して、前記チャックによって保持されているウエハーの表面上のウエハースクライブ位置に沿って前記切削装置を動かして、前記ウエハーをダイシングする、請求項1に記載の位置決めシステム。
【請求項25】
前記第1及び第2のステージは、半導体ウエハーヒューズ加工システムの構成要素を支持し、
前記第1のステージは、ウエハーヒューズ加工装置を支持し、前記第2のステージは、半導体ウエハー保持チャックを支持し、
前記第1及び第2のステージの前記案内される移動は、協調して、前記チャックによって保持されている半導体ウエハーの表面上のヒューズ位置に対して前記ウエハーヒューズ加工装置を動かし、
前記第1及び第2のステージの前記案内される移動は、協調して、前記チャックによって保持されている試料の表面上のレーザビーム加工位置に対して前記ビーム軸を動かす、請求項1に記載の位置決めシステム。
【請求項26】
前記ウエハーヒューズ加工装置は、半導体ウエハーヒューズに照射を行う、請求項25に記載の位置決めシステム。
【請求項27】
前記スキャンレンズは、光学アセンブリの一部を形成し、その光学アセンブリは、前記第1ステージと共に、第1の質量中心を規定し、前記ビーム軸と第1質量中心は一致する、請求項22に記載の位置決めシステム。
【請求項28】
レーザビームがビーム軸を伝播し、レンズを通って、支持体上に搭載されたターゲット試料の加工面に入射し、前記レンズは、前記レーザビームの焦点領域を形成し、前記支持体は、動作可能に、多軸の位置決めシステムに接続され、その位置決めシステムは、前記レーザビームと前記ターゲット試料を互いに相対的に動かして、前記加工面上の選択位置に前記レーザビームを位置決める、レーザ加工システムに於いて、
空気軸受アセンブリが、空気軸受ブッシュを備え、空気軸受ブッシュは、前記レンズを収容し、前記レンズに印加される動力に応じて、前記ビーム軸に沿ってレンズの移動を案内し、前記加工面に対して前記レーザビームの前記焦点領域を調整することを含む、改良。
【請求項29】
前記空気軸受ブッシュが、内表面を有し、前記レンズは、前記レンズの軸受表面を画定する外径を有し、前記レンズの前記軸受表面は、前記空気軸受の内レースとして機能し、前記空気軸受ブッシュの内表面は、前記空気軸受ブッシュの外レースとして機能する、請求項28に記載の位置決めシステム。
【請求項30】
レーザビームがビーム軸を伝播し、レンズを通って、支持体上に搭載されたターゲット試料の加工面に入射し、前記レンズは、前記レーザビームの焦点領域を形成し、前記支持体は、動作可能に、多軸の位置決めシステムに接続され、その位置決めシステムは、前記レーザビームと前記ターゲット試料を互いに相対的に動かして、前記加工面上の選択位置に前記レーザビームを位置決める、レーザ加工システムに於いて、
空気軸受アセンブリが空気軸受ブッシュを備え、空気軸受ブッシュは、前記レンズを収容し、前記レンズに印加される動力に応じて、前記ビーム軸に沿ってレンズの移動を案内することと、
レンズフォーサが可動部材を備え、可動部材は、前記ビーム軸に沿って動くように案内され、且つ前記レンズに動作可能に接続されて、前記動力を与え、前記ビーム軸に沿って前記レンズを動かし、それによって前記加工面に対して前記レーザビームの前記焦点領域を調整することと、
を含む、改良。
【請求項31】
前記レンズフォーサが、前記可動部材の前記動きを制御するボイスコイルアクチュエータを含む、請求項30に記載の位置決めシステム。
【請求項32】
前記多軸位置決めシステムとレンズフォーサが、第1の位置にあるガイド要素の重心を規定し、前記レンズを収容する前記空気軸受アセンブリは、前記第1の位置とほぼ同じ第2の位置に重心を有する、請求項30に記載の位置決めシステム。
【請求項33】
前記レンズフォーサと前記レンズとのバッファとして機能し、前記レンズフォーサの前記可動部材の案内された動きを、前記レンズフォーサの前記可動部材によって前記レンズに与えた案内された動きから隔離する、隔離撓み手段をさらに含む、請求項30に記載の位置決めシステム。
【請求項34】
前記隔離撓み手段は、前記ビーム軸に沿っては剛直であり、前記ビーム軸に直交する平面では可撓性がある、請求項33に記載の位置決めシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図6】
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【公表番号】特表2010−528451(P2010−528451A)
【公表日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−550155(P2009−550155)
【出願日】平成20年2月15日(2008.2.15)
【国際出願番号】PCT/US2008/054117
【国際公開番号】WO2008/103611
【国際公開日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【出願人】(593141632)エレクトロ サイエンティフィック インダストリーズ インコーポレーテッド (161)
【Fターム(参考)】